説明

気泡発生器およびそれを備えた気泡発生装置

【課題】気泡の発生に伴う騒音が十分に低減されるとともに、低コストでかつメンテナンスが容易な気泡発生器およびそれを備えた気泡発生装置を提供する。
【解決手段】気泡発生部材111の本体部31に、液体通路35aおよび複数の圧力上昇通路36が形成されている。気泡発生部材111には、支持部材113が取り付けられる。気泡発生部材111の本体部31、第1および第2の外壁部33,34、ならびに支持部材113の円板部51の外周面を一体的に覆うように、弾性材料からなる筒状の内側防音部材114が取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中に微細気泡を発生させる気泡発生器およびそれを備えた気泡発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、浴槽等においてリラクゼーション効果を得るために、液体中に微細気泡を発生させる気泡発生装置が開発されている。このような気泡発生装置においては、気泡発生時の騒音を低減することが求められている。
【0003】
特許文献1に記載される微細気泡発生装置は、浴槽の吐出口に設置される減圧弁を備える。減圧弁は、供給側ノズルおよび吐出側ノズルにより構成される。また、吐出側ノズルの吐出側周囲にノズルカバーが設けられている。ノズルカバーの内部には、騒音の減衰手段が設置されている。減衰手段は、例えば、吐出側ノズルの吐出側周囲を取り込むように設けられた円筒状のメッシュ体からなる。
【0004】
減圧弁に供給された気液溶解浴水が供給側ノズルおよび吐出側ノズルを流れる過程で、浴水中の気体が減圧沸騰して微細気泡が発生する。そして、微細気泡を含む浴水がノズルカバー内を通して浴槽内に導かれる。この場合、メッシュ体による脈動の拡散減衰作用により、浴水の噴射に伴う騒音が低減される。
【0005】
特許文献2に記載される気泡発生装置用ノズルは、ノズル本体、およびそのノズル本体の外周面に嵌合される円筒状のおもり部材から構成されている。ノズル本体内において、浴湯に加圧溶解された空気が微細気泡化される。この場合、おもり部材により気体発生装置用ノズルの重量が重くなり、気体発生装置用ノズルの振動が収束される。それにより、気体発生装置用ノズルから発生する騒音が低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許3972908号
【特許文献2】特開2005−211527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の減圧弁においては、供給側ノズルおよび吐出側ノズル内で気泡が発生するときに生じる音(振動)が外方に伝わることを十分に抑制することができない。
【0008】
また、上記特許文献2の気泡発生用ノズルにおいては、金属材料等を加工しておもり部材を作製する必要がある。また、おもり部材によってノズル本体が変形または破損することを防止するため、ノズル本体の強度を高くする必要がある。それにより、製造コストが高くなる。
【0009】
本発明の目的は、低コストで気泡の発生に伴う騒音が十分に低減された気泡発生器およびそれを備えた気泡発生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)第1の発明に係る気泡発生器は、外周面を有するとともに気泡発生流路を有する本体部と、本体部の外周面を覆うように設けられた第1の弾性部材とを備え、気泡発生流路を液体が通過することにより気泡発生流路内で液体中に気泡が発生するように気泡発生流路が形成され、第1の弾性部材は、気泡発生流路の周囲を取り囲むように配置されたものである。
【0011】
その気泡発生器においては、本体部の気泡発生流路を液体が通過することにより、液体に溶解されている気体が気泡発生流路内で気泡となって出現する。このとき、気泡の発生に伴う振動が本体部に伝わる。
【0012】
この場合、本体部の外周面を覆うように設けられた第1の弾性部材により気泡発生流路の周囲が取り囲まれているので、本体部の振動が第1の弾性部材により吸収される。それにより、本体部から外部に伝わる振動が十分に低減される。その結果、気泡の発生時の騒音が十分に低減される。
【0013】
また、第1の弾性部材は、比較的軽量な材料で製造することができる。そのため、本体部の強度を高める必要がない。さらに、第1の弾性部材は伸張することにより本体部の寸法に柔軟に適合することができるので、製造時に高い寸法精度が要求されない。これらにより、製造コストの低減が可能となる。
【0014】
(2)気泡発生器は、供給口および吐出口を有し、本体部を収容する収容部をさらに備え、本体部は、収容部の供給口から供給された液体が気泡発生流路に流入しかつ気泡発生流路から流出する液体が吐出口に導かれるように収容部内に配置されてもよい。
【0015】
この場合、収容部の供給口から供給された液体が本体部の気泡発生流路に流入し、気泡発生流路から流出する気泡を含む液体が吐出口から吐出される。このとき、本体部の外周面を覆うように第1の弾性部材が設けられているので、本体部の外周面から収容部に伝わる振動が十分に低減される。
【0016】
(3)気泡発生器は、第2の弾性部材をさらに備え、本体部は、第2の弾性部材を介して収容部により保持されてもよい。
【0017】
この場合、第2の弾性部材により本体部の振動が吸収される。それにより、本体部から収容部に伝わる振動が低減される。その結果、気泡の発生時の騒音がより十分に低減される。
【0018】
(4)収容部は、吐出口の中央部に支持部を有し、本体部は、支持部に第2の弾性部材を介して押圧される押圧部を有してもよい。
【0019】
この場合、第2の弾性部材により押圧部の振動が吸収される。それにより、押圧部から収容部に伝わる振動が低減される。それにより、気泡の発生時の騒音がより十分に低減される。
【0020】
(5)気泡発生器は、被取り付け部材の開口部に取り付け可能に形成され、第3の弾性部材をさらに備え、収容部は、被取り付け部材の開口部に挿入可能な外周面を有し、第3の弾性部材は、被取り付け部材の開口部の縁部と収容部の外周面との間で収容部の外周面を覆うように設けられてもよい。
【0021】
この場合、第3の弾性部材により収容部の振動が吸収される。それにより、収容部から被取り付け部材に伝わる振動が低減される。その結果、気泡の発生時の騒音がより十分に低減される。
【0022】
(6)気泡発生器は、供給口側における収容部の部分を覆うように設けられる第4の弾性部材をさらに備えてもよい。
【0023】
この場合、第4の弾性部材により収容部から外部に伝わる振動が吸収される。それにより、気泡の発生時の騒音がより十分に低減される。
【0024】
(7)気泡発生器は、本体部の外周面の周囲を取り囲むように収容部の内周面に設けられる第5の弾性部材をさらに備えてもよい。
【0025】
この場合、第5の弾性部材により本体部から収容部に伝わる振動が低減される。また、第5の弾性部材により収容部の振動が吸収される。それにより、気泡の発生時の騒音がより十分に低減される。
【0026】
(8)気泡発生流路は、流入口、第1の流路、第2の流路および流出口を有し、第1の流路は、流入口から流入する液体を第1の方向へ導くように設けられ、第2の流路は、第1の流路の下流端から導かれる液体を第1の方向と逆の第2の方向に導いて流出口から流出させるように設けられ、収容部の内周面と本体部の外周面との間に、本体部の流出口から流出した液体を第1の方向に導く流通路が形成され、第1の弾性部材は、第1の流路と第2の流路との境界部の周囲を取り囲むように本体部の外周面に設けられてもよい。
【0027】
この場合、流入口から流入する液体が第1の流路を通して第1の方向へ導かれ、第1の流路の下流端から導かれる液体が第2の流路を通して第1の方向と逆の第2の方向に導かれ、流出口から流出する。本体部の流出口から流出した液体が、収容部の内周面と本体部の外周面との間に形成された流通路を通して第1の方向に導かれる。このように、液体が第1の方向、第2の方向および第1の方向に順に導かれる。それにより、本体部の全長を大きくすることなく、微細気泡の発生効率を向上させることができる。
【0028】
また、第1の流路の下流端から導かれる液体が第2の流路に流入するときに、液体中に気泡が発生する。第1の流路と第2の流路との境界部の周囲を取り囲むように本体部の外周面に第1の弾性部材が設けられるので、気泡の発生部分から本体部を介して振動が外部に伝わることが十分に抑制される。その結果、気泡の発生に伴う騒音が十分に低減される。
【0029】
(9)第2の流路の上流端の断面積は流入口の面積よりも小さく、流出口の面積は第2の流路の上流端の断面積よりも大きくてもよい。
【0030】
この場合、液体が第2の流路に流入するときに、液体に溶解されている気体が気泡となって確実に出現する。また、液体が第2の流路から流出口に流れるときに、液体中の気泡が微細化される。これにより、十分な量の微細気泡を発生させることができる。このとき、第1の弾性部材により微細気泡の発生時の騒音が十分に低減される。
【0031】
(10)第2の発明に係る気泡発生装置は、液体中に気体を溶解させる気体溶解器と、気体溶解器に連結され気体溶解器から供給される液体に気泡を発生させる第1の発明に係る気泡発生器とを備えたものである。
【0032】
その気泡発生装置においては、気体溶解器により気体が溶解された液体が気泡発生器に供給される。
【0033】
気泡発生器においては、本体部の気泡発生流路を液体が通過することにより、液体に溶解されている気体が気泡発生流路内で気泡となって出現する。このとき、気泡の発生に伴う振動が本体部に伝わる。
【0034】
この場合、本体部の外周面を覆うように設けられた第1の弾性部材により気泡発生流路の周囲が取り囲まれているので、本体部の振動が第1の弾性部材により吸収される。それにより、本体部から外部に伝わる振動が十分に低減される。その結果、気泡の発生に伴う騒音が十分に低減される。
【0035】
また、第1の弾性部材は、比較的軽量な材料で製造することができる。そのため、本体部の強度を高める必要がない。さらに、第1の弾性部材は柔軟性を有するので、製造時に高い寸法精度が要求されない。これらにより、製造コストの低減が可能となる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、本体部の振動が第1の弾性部材により吸収される。それにより、本体部から外部に伝わる振動が十分に低減される。その結果、気泡の発生に伴う騒音が十分に低減される。
【0037】
また、第1の弾性部材は、比較的軽量な材料で製造することができる。そのため、本体部の強度を高める必要がない。さらに、第1の弾性部材は柔軟性を有するので、製造時に高い寸法精度が要求されない。これらにより、製造コストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施の形態に係る気泡発生器およびそれを備えた気泡発生装置の一例を示す図である。
【図2】図1の気泡発生器の組み立て斜視図
【図3】図1の気泡発生器の縦断面図である。
【図4】気泡発生部材の側面図である。
【図5】気泡発生器の変形例を示す縦断面図である。
【図6】気泡発生器の変形例を示す縦断面図である。
【図7】気泡発生装置の他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態に係る気泡発生器および気泡発生装置について図面を用いて説明する。
【0040】
(1)気泡発生装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る気泡発生器およびそれを備えた気泡発生装置の一例を示す図である。
【0041】
図1に示すように、本実施の形態に係る気泡発生装置1000は、気泡発生器100および気体溶解器200を含む。気体溶解器200には空気弁250および排水弁260が設けられている。
【0042】
気泡発生器100は、浴槽700の側壁に取り付けられている。気泡発生器100と気体溶解器200とは液体流通管300により連結されている。液体流通管300には逆止弁310が設けられている。気体溶解器200は、液体供給管400を介して浴槽700の底部に接続されている。液体供給管400にはポンプ450が介挿されている。
【0043】
ポンプ450が起動されることにより、浴槽700内の水701が液体流通管400を介して気体溶解器200に供給される。気体溶解器200においては、水701に空気が溶解される。気体溶解器200において空気が溶解された水701は、液体流通管300を介して気泡発生器100に供給される。
【0044】
気泡発生器100は、気体溶解器200において水701に溶解された空気を微細気泡として水701中に出現させる。それにより、浴槽700内の水701に微細気泡が供給される。
【0045】
気体溶解器200には、空気弁250が設けられている。それにより、気体溶解器200内に容易に空気を取り入れることができる。
【0046】
また、気体溶解器200には、気泡発生装置1000の運転状態に応じて(例えば電気的に)開放および閉止される排水弁260が設けられている。それにより、気泡発生装置1000が使用されていないときに、気体溶解器200内の水701を容易に排出することができる。
【0047】
また、液体流通管300には逆止弁310が設けられている。それにより、浴槽700内の水が液体流通管300内を逆流することを防止することができる。
【0048】
(2)気泡発生器
(2−1)気泡発生器の構成
図2は、図1の気泡発生器100の組み立て斜視図であり、図3は、図1の気泡発生器100の縦断面図である。図4は、後述する気泡発生部材111の側面図である。
【0049】
図2に示すように、気泡発生器100は、気泡安定管101、外側防音部材102、ガスケット103,104、ワッシャ105、固定用部材106、Oリング110、気泡発生部材111、弁体112、支持部材113、内側防音部材114、つまみカバー115、および蓋部材116を含む。
【0050】
図3に示すように、気泡発生器100は、浴槽700の側壁700aに取り付けられる。図2および図3においては、浴槽700の側壁700aに垂直でかつ浴槽700の内側に向かう方向をX方向とし、浴槽700の外側に向かう方向をY方向とする。
【0051】
気泡安定管101は、第1の円筒部11、第1の円筒部11より径小の第2の円筒部12、および管状部13を有する。第1の円筒部11は、X方向側に開口を有し、Y方向側に底部を有する。第1の円筒部11の底部に第2の円筒部12が一体的に設けられている。第2の円筒部12は、X方向側に開口を有し、Y方向側に底部を有する。第2の円筒部12の底部に管状部13が連結されている。管状部13には、図1の液体流通管300が接続される。
【0052】
浴槽700の側壁700aには、開口部700bが形成される。第1の円筒部11が側壁700aの開口部700bに挿入された状態で、気泡安定管101が側壁700aに固定される。気泡安定管101の固定方法については後述する。
【0053】
第1の円筒部11の外周面には、鍔状部15が設けられている。鍔状部15のX方向側における第1の円筒部11の外周面の部分には、ねじ切り加工が施されている。第1の円筒部11の底部の内側には、第2の円筒部13の開口に沿うように断面半円形状の突起部14が環状に形成されている。
【0054】
図2に示すように、外側防音部材102、ガスケット103,104、ワッシャ105および固定用部材106は、それぞれ円環形状を有する。外側防音部材102およびガスケット103,104は、それぞれ弾性材料からなる。外側防音部材102およびガスケット103,104の材料としては、例えばエチレンプロピレンジエンゴムが用いられる。固定用部材106の内周面には、ねじ切り加工が施されている。
【0055】
図3に示すように、鍔状部15のX方向側において、第1の円筒部11の外周面に外側防音部材102が取り付けられる。外側防音部材102の外周面に、ガスケット103、側壁700aおよびガスケット104がこの順に位置する。浴槽の側壁700aの開口部700bの直径は、外側防音部材102の外径よりも大きくかつ鍔状部15の外径およびガスケット103,104の外径よりも小さく設定される。ガスケット104のX方向側において、第1の円筒部11の外周面にワッシャ105および固定用部材106が順に取り付けられる。
【0056】
実際の組み立て時には、まず、第1の円筒部11に外側防音部材102およびガスケット103が取り付けられる。その状態で、浴槽700の外側(側壁700aのY方向側)から第1の円筒部11が側壁700aの開口部700bに挿入される。次に、浴槽700の内側からガスケット104が第1の円筒部11に嵌め込まれる。
【0057】
続いて、浴槽700の内側から、ワッシャ105および固定用部材106が第1の円筒部11に順に嵌め込まれる。この場合、固定用部材106が回転されることにより、固定用部材106が鍔状部15に徐々に近接する。それにより、固定用部材106と鍔状部15との間でガスケット103、側壁700b、ガスケット104およびワッシャ105が互いに押圧されて密着する。その結果、浴槽700内の水701(図1)が開口部700bから流出することを防止しつつ気泡安定管101を浴槽700の側壁700aに確実に固定することができる。なお、ワッシャ105は、固定用部材106の回転時における摩擦力を低減するために用いられる。
【0058】
図2に示すように、気泡発生部材111は、円筒状の本体部31、およびその本体部31よりも径小の円筒状の固定部32を有する。固定部32は、本体部31の中央部からY方向に延びるように本体部31に一体的に形成される。本体部31のX方向側の端面にはX方向に突出するように円環状の第1の外壁部33が設けられる。本体部31のY方向側の端面にはY方向に突出するように円環状の第2の外壁部34が設けられる。
【0059】
図3に示すように、本体部31内には液体通路35aが形成され、固定部32内には液体通路35bが形成されている。液体通路35aの断面積は、液体通路35bの断面積よりも大きい。また、液体通路35aの断面積は、X方向に漸次拡大している。
【0060】
図4には、Y方向側から見た気泡発生部材111が示される。図4に示すように、本体部31には、液体通路35aを取り囲むように複数の圧力上昇通路36が形成されている。図3に示すように、各圧力上昇通路36は、本体部31を軸方向に貫通するように形成されている。
【0061】
各圧力上昇通路36は、X方向側に開口する第1の拡大部361およびY方向側に開口する第2の拡大部362からなる。第1の拡大部361の断面積はY方向に第1の割合で漸次拡大し、第2の拡大部362の断面積はY方向に第2の割合で漸次拡大している。
【0062】
本実施の形態においては、第2の割合は第1の割合より大きい。また、複数の第1の拡大部361のX方向側の開口面積の合計は、液体通路35aの断面積および液体通路35bの断面積より小さい。第1の円筒部11の突起部14は、第2の拡大部362の開口に対向するように設けられている。
【0063】
図3に示すように、固定部32の外周面の端部近傍には、凹部37が環状に形成されている。固定部32の凹部37に弾性材料からなるOリング110が嵌め込まれる。その状態で、固定部32が第2の円筒部12内に挿入される。それにより、気泡発生部材111が気泡安定管101に取り付けられる。Oリング110の材料としては、例えばエチレンプロピレンジエンゴムが用いられる。
【0064】
液体通路35aと液体通路35bとの境界部には、弁固定板321が設けられている。弁固定板321の中心部には、弁挿入孔322が形成されている。弁挿入孔322を取り囲むように、扇状の複数の連通孔323が弁固定板321に形成されている(図4参照)。
【0065】
弁固定板321に、弁体112が取り付けられる。弁体112は、円柱状の固定軸112a、および樹脂等の弾性部材からなる円形凸状の変形板112bを有する。弁固定板321のX方向側から固定軸112aが弁挿入孔322に挿入される。それにより、弁固定板321のX方向側に変型板112bが位置する状態で、弁体112が弁固定板321に固定される。
【0066】
図2に示すように、支持部材113は、円板部51、円筒状の支持部52、円筒状の内壁部53および略楕円形状のつまみ部54を有する。円板部51の外径は、気泡発生部材111の第1の外壁部33の外径と等しい。内壁部53の外径は、円板部51の外径よりも小さく、気泡発生部材111の第1の外壁部33の内径に等しい。支持部52の外径および内径は、内壁部53の外径および内径よりもそれぞれ小さい。
【0067】
支持部52は円板部51のX方向側の中央部に形成され、支持部52の先端部につまみ部54が設けられる。内壁部53は円板部51のY方向側の周縁部近傍に形成される。
【0068】
図3に示すように、内壁部53内には液体通路55aが形成され、支持部52内には液体通路55bが形成されている。また、X方向側のつまみ部の端面の中心部には凹部54aが形成されている。
【0069】
内壁部53が第1の外壁部33内に嵌め込まれることにより、支持部材113が気泡発生部材111に取り付けられる。この場合、つまみ部54を把持することにより、支持部材113の取り付けおよび取り外しを容易に行うことができる。なお、第1の外壁部33の内周面および内壁部53の外周面にそれぞれねじ切り加工が施されてもよい。その場合、支持部材113が気泡発生部材111に確実に固定される。
【0070】
また、内壁部53の軸方向の長さは第1の外壁部33の軸方向の長さより短い。それにより、支持部材113が気泡発生部材111に取り付けられると、円板部51が第1の外壁部33に接触するとともに、本体部31と内壁部53との間に空間30が形成される。
【0071】
気泡発生部材111に支持部材113が取り付けられた状態で、気泡発生部材111の本体部31、第1および第2の外壁部33,34、ならびに支持部材113の円板部51の外周面を一体的に覆うように、弾性材料からなる筒状の内側防音部材114が気泡発生部材111および支持部材113に取り付けられる。
【0072】
また、支持部材113のつまみ部54に弾性材料からなるつまみカバー115が取り付けられる。この場合、つまみ部54の凹部を除く領域がつまみカバー115により覆われる。内側防音部材114およびつまみカバー115の材料としては、例えばシリコンゴムが用いられる。
【0073】
蓋部材116は、円板部61および環状部62を有する。円板部61の周縁部は、Y方向に湾曲するように形成されている。Y方向に向く円板部61の面の中心部には、凸部61aが形成されている。円板部61の中央部を除く領域には、周方向に沿った複数の長孔63が形成されている。
【0074】
環状部62の内周面には、複数の突出部62aが周方向に所定間隔で設けられている。また、気泡安定管101の第1の円筒部11の外周面の端部には、周方向に延びる複数の嵌合溝11aが周方向に所定間隔で設けられている。なお、図3においては、1つの突出部62aおよび1つの嵌合溝11aのみが示されている。
【0075】
気泡安定管101の第1の円筒部11の端部に蓋部材116の環状部62が嵌め込まれる。この場合、複数の突出部62aが複数の嵌合溝11aにそれぞれ嵌合される。それにより、蓋部材116が気泡安定管101に固定される。また、つまみ部54に取り付けられたつまみカバー115が円板部61の内面に接触するとともに、つまみ部54の凹部54a内に凸部61aが収容される。それにより、支持部材113が気泡発生部材111と蓋部材116との間で固定される。
【0076】
気体溶解器200(図1)において空気が溶解された水は、液体供給管300(図1)および管状部13を介して気泡発生部材111の液体通路35bに供給される。液体通路35bに供給された水は、弁固定板321の連通孔323を通して液体通路35aに流入する。
【0077】
ここで、弁体112の変形板112bは、液体通路35aと液体通路35bとの間で逆止弁として機能する。液体通路35bをX方向に流れる水は、変形板112bにX方向の力を加える。この場合、変形板112bが弁固定板321から離間した状態になる。それにより、液体通路35bから連通孔323を通して液体通路35aに水が流入する。
【0078】
一方、水が液体通路35aをY方向に流れようとした場合、変形板112bにY方向の力が加えられる。この場合、変形板112bが弁固定板321に押し付けられた状態(図3に示される状態)になり、変形板112bによって連通孔323が閉塞される。そのため、液体通路35aから液体通路35bに水が流入しない。これにより、液体通路35aから液体通路35bへの水の逆流が防止される。
【0079】
液体通路35aに流入した水は、空間30、液体通路55a,55b、圧力上昇通路36、および第1の円筒部11内を通過した後、蓋部材116の長孔63から浴槽700内に流出する。なお、以下の説明においては、圧力上昇通路36から固定部32と第2の外壁部34との間の空間、第2の外壁部34と第1の円筒部11の底部との間の空間、内側防音部材114の外周面と第1の円筒部11の内周面との間の空間、および支持部52の外周面と第1の円筒部11の内周面との間の空間を通って長孔63に至る経路を補助流路と称する。
【0080】
第2の外壁部34の端部と第1の円筒部11の底部との間に形成される円筒状の開口の面積は、固定部32の外周面と第2の外壁部34の内周面との間に形成される円筒状の空間の軸方向に垂直な断面の面積より大きい。また、第1の円筒部11の内周面と内側防音部材114の外周面との間に形成される円筒状の空間の軸方向に垂直な断面の面積は、第2の外壁部34の端部と第1の円筒部11の底部との間に形成される円筒状の開口の面積より大きい。すなわち、本実施の形態においては、第1の円筒部11内の上記補助流路の断面積が水の流通方向に向かって段階的に拡大するように、第1の円筒部11および気泡発生部材111の各構成要素の寸法が設定されている。
【0081】
(2−2)気泡の発生
上記のように、本実施の形態においては、複数の第1の拡大部361の開口面積の合計が、液体通路35aの断面積よりも小さい。この場合、水が液体通路35aから空間30を介して第1の拡大部361へと流入する際に水の流速が上昇し、水の圧力が低下する。それにより、水に溶解されている空気が気泡となって出現する。
【0082】
また、圧力上昇通路36の断面積は、水の流通方向に向かって漸次拡大する。この場合、水が圧力上昇通路36内を流れる際に水の流速が徐々に低下し、水の圧力が上昇する。それにより、水中の気泡が微細化される。
【0083】
また、固定部32の外周面と第2の外壁部34の内周面との間に形成される円筒状の空間の軸方向に垂直な断面の面積は、複数の第2の拡大部362の開口面積の合計よりも大きい。この場合、水が第2の拡大部362の開口から流出する際に水の流速が低下し、水の圧力が上昇する。それにより、水中の気泡がさらに微細化される。
【0084】
また、第1の円筒部11内の補助流路の断面積が水の流通方向に向かって段階的に拡大するように、第1の円筒部11および気泡発生部材111の各構成要素の寸法が設定されている。この場合、水の圧力が段階的に上昇されるので、水中の気泡を効率よく微細化することができる。
【0085】
また、第2の拡大部362の開口と第1の円筒部11の底部とが対向するように気泡安定管101と気泡発生部材111とが連結されている。この場合、圧力上昇通路36において発生された気泡は、第2の拡大部362から流出する水とともに第1の円筒部11の底部に衝突する。それにより、水中の気泡がさらに微細化される。
【0086】
また、第1の円筒部11の底部には、第2の拡大部362の開口に対向するように突起部14が設けられている。この場合、圧力上昇通路36において発生された気泡は、第2の拡大部362から流出する水とともに突起部14に衝突する。それにより、水中の気泡を効率よく微細化することができるとともに、気泡の結合を防止することができる。
【0087】
また、複数の第2の拡大部362の開口の外方を取り囲むように第2の外壁部34が設けられている。この場合、圧力上昇通路36内において発生された微細気泡を、第2の外壁部34内において十分に安定させることができる。それにより、第2の拡大部362から流出した気泡が短時間で消失することを十分に防止することができる。
【0088】
また、気泡発生部材111において発生された気泡は、第1の円筒部11内を通過した後に気泡発生器100から吐出される。この場合、気泡発生部材111において発生された気泡を、第1の円筒部11内において十分に安定させることができる。それにより、気泡発生器100から浴槽700内に供給された気泡が短時間で消失することを十分に防止することができる。その結果、浴槽700内の気泡の数を十分に増加させることができる。
【0089】
また、本実施の形態に係る気泡発生器100においては、水は、液体通路35a,35b内を一方向に向かって流れた後、圧力上昇通路36内を上記一方向と逆の方向に向かって流れる。その後、水は、第1の円筒部11内を再び一方向に向かって流れる。
【0090】
このように、本実施の形態においては、気泡発生器100内において水の流通方向を2度反転させている。それにより、気泡発生器100を大きくすることなく、気泡発生器100内における水の流路を十分に長くすることができる。その結果、気泡発生器100内において気泡を十分に安定させることができる。
【0091】
(2−3)弾性部材による効果
上記のように、気泡発生器100においては、気泡発生部材111の本体部31に形成された圧力上昇通路36内で気泡が発生する。このとき、気泡の発生に伴う振動が気泡発生部材111の本体部31に伝わる。その振動が、気泡安定管101、蓋部材106および浴槽700の側壁700a等の種々の部位に伝わると、騒音が発生する。
【0092】
本実施の形態では、気泡発生部材111の本体部31、第1および第2の外壁部33,34、ならびに支持部材113の円板部51の外周面が、弾性材料からなる内側防音部材114により一体的に覆われている。この場合、本体部31の振動が内側防音部材114により吸収される。それにより、本体部31から外部に伝わる振動が十分に低減される。したがって、気泡安定管101および浴槽700の側壁700aの振動が抑制され、騒音が十分に低減される。
【0093】
また、液体通路35bから液体通路35aを通して液体通路55a,55bに水が供給されることにより、支持部材113の円板部51および支持部52にX方向の圧力が加わる。それにより、支持部材113のつまみ部54が弾性部材からなるつまみカバー115を介して蓋部材116に押し当てられる。この場合、つまみカバー115によって支持部材113の振動が吸収される。したがって、支持部材113から蓋部材116に伝わる振動が十分に低減される。
【0094】
また、気泡発生部材111の固定部32の外周面が弾性材料からなるOリング110を介して気泡安定管101の第2の円筒部12の内周面に支持される。それにより、Oリング110によって固定部32の振動が吸収される。また、Oリング110と気泡安定管101の第2の円筒部12との接触面積は極めて小さい。したがって、気泡発生部材111の固定部32から気泡安定管101に伝わる振動が十分に低減される。
【0095】
さらに、気泡安定管101の第1の円筒部11の外周面と浴槽700の側壁700aとの間には、弾性材料からなる外側防音部材102が配置されている。この場合、外側防音部材102によって気泡安定管101の振動が吸収される。したがって、気泡安定管101から側壁700aに伝わる振動が十分に低減される。
【0096】
また、気泡安定管101の鍔状部103と浴槽700の側壁700aとの間、および固定用部材106と浴槽700の側壁700aとの間には、弾性材料からなるガスケット103,104がそれぞれ配置される。この場合、ガスケット103,104によって気泡安定管101および固定用部材106の振動が吸収される。それにより、気泡安定管101および固定用部材106から浴槽700の側壁700aに伝わる振動が十分に低減される。
【0097】
これらの結果、気泡の発生に伴う振動が、気泡発生器100の各部位および浴槽700の側壁700aに伝わることが十分に抑制される。したがって、騒音を十分に低減することができる。
【0098】
また、弾性材料からなる外側防音部材102、内側防音部材114、つまみカバー115、Oリング10およびガスケット103,104は、軽量であるとともに、柔軟性を有するので、各部への取り付けおよび取り外しが容易である。それにより、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0099】
また、外側防音部材102、内側防音部材114、つまみカバー115、Oリング10およびガスケット103,104には、高い寸法精度が要求されない。それにより、製造が容易であり、コストが低減される。
【0100】
なお、内側防音部材114およびつまみカバー115の材料としてシリコンゴムを用いることにより、内側防音部材114およびつまみカバー115に菌が付着しにくくなる。それにより、メンテナンスがより容易となる。
【0101】
(4)他の実施の形態
(a)図5は、気泡発生器100の変形例を示す縦断面図である。図5に示す気泡発生器100について、図2〜図4の気泡発生器100と異なる点を説明する。
【0102】
図5の例では、気泡安定管101の第1の円筒部11の内周面を覆うように、弾性材料からなる円筒状の防音部材71が取り付けられている。防音部材71の材料としては、例えばシリコンゴムが用いられる。この場合、本体部31から水を介して第1の円筒部11に伝わる振動が十分に低減される。また、第1の円筒部11の振動が防音部材71により吸収される。それにより、騒音がより十分に低減される。
【0103】
(b)図6は、気泡発生器100の他の変形例を示す縦断面図である。図6に示す気泡発生器100について、図2〜図4の気泡発生器100と異なる点を説明する。
【0104】
図6の例では、浴槽700の外側に位置する気泡発生器100の部分を取り囲むように、弾性材料からなる外カバー72が側壁700aに取り付けられる。外カバー72の中央部には、開口部72aが形成されている。気泡安定管101の管状部13は、開口部72aを通して外カバー72の外部に延びるように配置される。外カバー72は、例えばアルミニウム箔とブチルゴムとの積層構造を有する。
【0105】
この場合、外カバー72により、気泡発生器100から空気を介して伝わる振動が吸収される。それにより、浴室内の種々の部位(例えば床または壁)に伝わる振動が十分に低減される。したがって、騒音がより十分に低減される。
【0106】
(c)図5の防音部材71が気泡安定管101の第1の円筒部11の内周面を覆うように取り付けられるとともに、図6の外カバー72が浴槽700の外側に位置する気泡発生器100の部分を取り囲むように側壁700aに取り付けられてもよい。この場合、本体部31から水を介して第1の円筒部11に伝わる振動が防音部材71によって十分に低減される。さらに、気泡発生器100から空気を介して室内の種々の部位(例えば床または壁)に伝わる振動が外カバー72によって十分に低減される。それにより、騒音がより十分に低減される。
【0107】
(d)吹き付け成型等により、外側防音部材102を気泡安定管101に一体的に形成してもよい。同様に、内側防音部材114、つまみカバー115、Oリング10および防音部材71を気泡安定管101、気泡発生部材111および支持部材113にそれぞれ一体的に形成してもよい。
【0108】
(e)外側防音部材102の材料として、エチレンプロピレンジエンゴムの代わりに、シリコンゴム、ウレタンスポンジまたは布等の他の弾性材料を用いてもよい。また、内側防音部材114、つまみカバー115、Oリング10、防音部材71の材料として、シリコンゴムの代わりに、エチレンプロピレンジエンゴム、ウレタンスポンジまたは布等の他の弾性材料を用いてもよい。
【0109】
(f)図2〜図6の例では、気泡安定管101の第1の円筒部11の内周面の断面が円形であるが、これに限らず、楕円形または多角形等の他の形状であってもよい。また、気泡発生部材111の本体部31、第1および第2の外壁部33,34、ならびに支持部材113の円板部51の外周面の断面が円形であるが、これに限らず、楕円形または多角形等の他の形状であってもよい。
【0110】
(g)図7は、気泡発生装置の他の構成例を示す図である。図7に示す気泡発生装置2000について、図1の気泡発生装置1000と異なる点を説明する。
【0111】
気泡発生装置2000の気体溶解器200は、液体供給管400を介して水道の蛇口500に接続されている。水道の蛇口500から液体供給管400を介して気体溶解器200に水701が供給される。気体溶解器200において、水701に空気が溶解される。気体溶解器200において空気が溶解された水701は、液体流通管300を介して気泡発生器100に供給される。気泡発生器100において、水701に微細気泡が発生される。それにより、浴槽700内の水701に微細気泡が供給される。したがって、気泡発生装置2000においては、水道から浴槽700に水701を供給しつつ、浴槽700内の水701に十分な量の微細気泡を発生させることができる。
【0112】
(5)実施例および比較例
実施例および比較例の気泡発生器を備えた気泡発生装置を動作させ、騒音測定を行った。
【0113】
(5−1)実施例1
実施例1では、図2〜図4の構成を有する気泡発生器を用いた。
【0114】
(5−2)実施例2
実施例2では、つまみカバー115が取り付けられていない点を除いて、図2〜図4の構成と同様の構成を有する気泡発生器を用いた。
【0115】
(5−3)実施例3
実施例3では、図6の構成を有する気泡発生器を用いた。
【0116】
(5−4)比較例1
比較例1では、外側防音部材102、内側防音部材114およびつまみカバー115が取り付けられていない点を除いて、図2〜図4の構成と同様の構成を有する気泡発生器を用いた。
【0117】
(5−5)比較例2
比較例2では、内側防音部材114およびつまみカバー115が取り付けられていない点を除いて、図2〜図4の構成と同様の構成を有する気泡発生器を用いた。
【0118】
(5−6)比較例3
比較例3では、内側防音部材114が取り付けられていない点を除いて、図2〜図4の構成と同様の構成を有する気泡発生器を用いた。
【0119】
(5−7)比較例4
比較例4では、内側防音部材114およびつまみカバー115が取り付けられていない点を除いて、図5の構成と同様の構成を有する気泡発生器を用いた。
【0120】
(5−8)比較例5
比較例5では、内側防音部材114およびつまみカバー115が取り付けられていない点を除いて、図6の構成と同様の構成を有する気泡発生器を用いた。
【0121】
(5−9)比較例6
比較例6では、内側防音部材114が取り付けられていない点を除いて、図5の構成と同様の構成を有する気泡発生器を用いた。
【0122】
(5−10)評価
浴槽700が収容された浴室内において、上記実施例1〜3および比較例1〜6の気泡発生器を備えた気泡発生装置を動作させた。なお、浴室は1坪タイプである。また、浴槽700内の水の温度を40〜43℃に設定した。気泡発生装置が駆動されていない状態での騒音(暗騒音)の測定値は、38.7dB(A)であった。
【0123】
【表1】

【0124】
表1に、騒音測定の結果を示す。表1に示すように、実施例1〜3の気泡発生器を用いた場合には、測定値が63.4〜64.8dB(A)であった。一方、比較例1〜6の気泡発生器を用いた場合には、測定値が65〜66.9dB(A)であった。
【0125】
これにより、気泡発生部材111の本体部31、第1および第2の外壁部33,34、ならびに支持部材113の円板部51の外周面が内側防音部材114によって覆われていることにより、騒音が十分に低減されることがわかった。
【0126】
また、実施例2の結果から、内側防音部材114に加えてつまみカバー115が取り付けられることにより、騒音がより低減されることがわかった。また、実施例3の結果から、内側防音部材114に加えてつまみカバー115および外カバー72が取り付けられることにより、騒音がさらに低減されることがわかった。
【0127】
また、比較例4では、比較例2に比べて騒音が小さかった。このことから、防音部材71が取り付けられることにより、騒音が低減されることがわかった。したがって、内側防音部材114に加えて防音部材71が取り付けられることにより、騒音がさらに低減されると考えられる。
【0128】
(6)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0129】
上記実施の形態では、液体通路35aおよび圧力上昇通路36が気泡発生流路の例であり、内側防音部材114が第1の弾性部材の例であり、気泡安定管101および蓋部116が収容部の例であり、管状部13が供給口の例であり、長孔63が吐出口の例であり、つまみカバー115が第2の弾性部材の例であり、円板部61が支持部の例であり、つまみ部54が押圧部の例である。
【0130】
また、側壁700aが被取り付け部材の例であり、外側防音部材102が第3の弾性部材の例であり、外カバー72が第4の弾性部材の例であり、防音部材71が第5の弾性部材の例であり、連通孔323が流入口の例であり、液体通路35bが第1の流路の例であり、圧力上昇通路36が第2の流路の例であり、第2の拡大部362の開口が流出口の例であり、補助流路が流通路の例である。
【0131】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、種々の気泡発生装置等に有効に用いることができる。
【符号の説明】
【0133】
35a,35b,55a,55b 液体通路
36 圧力上昇通路
72 外カバー
100 気泡発生器
101 気泡安定管
102 外側防音部材
103,104 ガスケット
105 ワッシャ
106 固定用部材
110 Oリング
111 気泡発生部材
112 弁体
113 支持部材
114 内側防音部材
115 つまみカバー
116 蓋部材
200 気体溶解器
361 第1の拡大部
362 第2の拡大部
700 浴槽
700a 側壁
1000,2000 気泡発生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面を有するとともに気泡発生流路を有する本体部と、
前記本体部の外周面を覆うように設けられた第1の弾性部材とを備え、
前記気泡発生流路を液体が通過することにより前記気泡発生流路内で液体中に気泡が発生するように前記気泡発生流路が形成され、
前記第1の弾性部材は、前記気泡発生流路の周囲を取り囲むように配置されることを特徴とする気泡発生器。
【請求項2】
供給口および吐出口を有し、前記本体部を収容する収容部をさらに備え、
前記本体部は、前記収容部の前記供給口から供給された液体が前記気泡発生流路に流入しかつ前記気泡発生流路から流出する液体が前記吐出口に導かれるように前記収容部内に配置されることを特徴とする請求項1記載の気泡発生器。
【請求項3】
第2の弾性部材をさらに備え、
前記本体部は、前記第2の弾性部材を介して前記収容部により保持されることを特徴とする請求項2記載の気泡発生器。
【請求項4】
前記収容部は、前記吐出口の中央部に支持部を有し、
前記本体部は、前記支持部に前記第2の弾性部材を介して押圧される押圧部を有することを特徴とする請求項3記載の気泡発生器。
【請求項5】
当該気泡発生器は、被取り付け部材の開口部に取り付け可能に形成され、
第3の弾性部材をさらに備え、
前記収容部は、前記被取り付け部材の前記開口部に挿入可能な外周面を有し、
前記第3の弾性部材は、前記被取り付け部材の前記開口部の縁部と前記収容部の外周面との間で前記収容部の外周面を覆うように設けられることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の気泡発生器。
【請求項6】
前記供給口側における前記収容部の部分を覆うように設けられる第4の弾性部材をさらに備えることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の気泡発生器。
【請求項7】
前記本体部の外周面の周囲を取り囲むように前記収容部の内周面に設けられる第5の弾性部材をさらに備えることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の気泡発生器。
【請求項8】
前記気泡発生流路は、流入口、第1の流路、第2の流路および流出口を有し、
前記第1の流路は、前記流入口から流入する液体を第1の方向へ導くように設けられ、
前記第2の流路は、前記第1の流路の下流端から導かれる液体を前記第1の方向と逆の第2の方向に導いて前記流出口から流出させるように設けられ、
前記収容部の内周面と前記本体部の外周面との間に、前記本体部の前記流出口から流出した液体を前記第1の方向に導く流通路が形成され、
前記第1の弾性部材は、前記第1の流路と前記第2の流路との境界部の周囲を取り囲むように前記本体部の外周面に設けられることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の気泡発生器。
【請求項9】
前記第2の流路の上流端の断面積は前記流入口の面積よりも小さく、
前記流出口の面積は前記第2の流路の上流端の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項8記載の気泡発生器。
【請求項10】
液体中に気体を溶解させる気体溶解器と、
前記気体溶解器に連結され前記気体溶解器から供給される液体に気泡を発生させる請求項1〜9のいずれかに記載の気泡発生器とを備えたことを特徴とする気泡発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−274224(P2010−274224A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131488(P2009−131488)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】