説明

気泡盤付浴槽

【課題】気泡盤を衛生的に維持でき保守管理を楽にした気泡盤付浴槽を提供する。
【解決手段】浴槽と、浴槽内へ気泡を発生させる気泡盤2と、圧縮空気を供給するブロア5と、ブロア5の空気を気泡盤2へ導く連通部6とからなり、前記連通部6の基端はブロア5に繋がれ、該連通部6の先端は気泡盤2の真下に位置する噴出口14に形成され、前記気泡盤2は、噴出口14から噴出される空気で気泡を発生させるものであり、前記気泡盤2の上壁2aには複数の通気孔13が開設され該気泡盤2の下部は開放され蓋様のものである気泡盤付浴槽である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体障害者や要介護老人等(以下入浴者という)を入浴させる気泡盤付浴槽に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術の特許文献1に、浴槽底面、床面、二重底、隙間室、小孔、気泡面、水抜装置等から構成される気泡発生器付浴槽が開示される。
【特許文献1】特開平11−164868号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術に係る隙間室には、人手による掃除ができないという難点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、気泡盤を衛生的に維持でき保守管理を楽にした気泡盤付浴槽を提供することにある。
即ち、本発明は、浴槽(36)と、浴槽(36)内へ気泡を発生させる気泡盤(2)と、圧縮空気を供給するブロア(5)と、ブロア(5)の空気を気泡盤(2)へ導く連通部(6)とからなり、前記気泡盤(2)の上壁(2a)には複数の通気孔(13)が開設され該気泡盤(2)の下部は開放され蓋様のものであることを特徴とする気泡盤付浴槽である。
又、浴槽(36)は昇降浴槽(3)であり、該昇降浴槽(3)にはその内部に進入・退出する非昇降の架台(4)が設けられ、気泡盤(2)は前記架台(4)に設けられる。
更に、気泡盤(2)の上壁(2a)には、気泡盤(2)を掴むための取手穴(15)が設けられる。
更に又、一方の部材である気泡盤(2)の上壁(2a)には凹部(2b)が形成され、凹部(2b)には取付穴(37)が開けられ、他方の部材である浴槽(36)の底壁(11)又は架台(4)には、雌ネジ台(41)が設けられ、ノブボルト(16)で凹部(2b)を雌ネジ台(41)に螺着することによって気泡盤(2)が他方の部材の所定位置へ掛止される。
又、一方の部材である気泡盤(2)の上壁(2a)には止穴(34)が開設され、他方の部材である浴槽(36)の底壁(11)又は架台(4)には圧入止具(35)が設けられ、前記止穴(34)が圧入止具(35)に外嵌圧入されて気泡盤(2)が他方部材の所定位置へ掛止される。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係る気泡盤2は、噴出口14から噴出される空気で気泡を発生させるものであり、前記気泡盤2の上壁2aには複数の通気孔13が開設され該気泡盤2の下部は開放され蓋様のものであるから、気泡盤2を人手で掃除がし易く、保守管理時の操作が容易であり、又、気泡盤2内に水が残留しないので、気泡盤2に病原菌が繁殖することもなく、衛生的であり、安全性が向上し、好都合である。
【0006】
本発明は、浴槽36を昇降浴槽3とし、該昇降浴槽3の内部に非昇降の架台4が設けられ、該架台4に気泡盤2が設けられるから、掃除の時に、気泡盤2を浴槽36の上縁よりやや上位の高さにすれば該気泡盤2の取り外しが楽であり、又、気泡盤2が架台4に載置され一枚もので構成されているから、着脱操作の手間が少なくて済み、又、一方部材の架台4側は所定高に固定し他方部材の昇降浴槽3側は昇降するので、架台4側に設けられる連通部6の配管が固定的配管でよくその配管作業を行い易く、製造コストを低減でき、好都合である。
【0007】
本発明に係る気泡盤2の上壁2aには、気泡盤2を掴むための取手穴15が開設されているから、気泡盤2を、容易に掴むことが出来、架台4から容易に外すことが出来、保守管理時の操作が容易であり、又、従来の気泡盤ではその外周壁部に突起状の取手を設けていたがこの取手を本発明では設けなくてよいのでその分気泡盤2を小型化・省スペース化でき、突起状物が無く安全性も向上し、好都合である。
【0008】
本発明に係る一方の部材である気泡盤2の上壁2aには凹部2bが形成され、凹部2bには取付穴37が開けられ、他方の部材である浴槽36の底壁11又は架台4には、雌ネジ台41が設けられ、ノブボルト16で凹部2bを雌ネジ台41に螺着することによって気泡盤2が他方の部材の所定位置へ掛止されるから、気泡盤2の脱着がノブボルト16をもって該気泡盤2を雌ネジ台41へ螺着・離脱するだけの容易な操作で行なえ、保守管理時の、気泡盤2の着脱に係る操作が容易であり、好都合である。
【0009】
本発明に係る一方の部材の気泡盤2の上壁2aには、止穴34が開設され、他方の部材の底壁11又は架台4には、圧入止具35が設けられ、前記止穴34が圧入止具35に外嵌圧入されて気泡盤2が所定位置へ掛止されるから、気泡盤2の取着が下方向へ押すだけの容易な操作で行なえ、又、気泡盤2の離脱が上方向へ引くだけの容易な操作で行なえ、保守管理時の、気泡盤2の着脱に係る操作が容易であり、好都合である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
気泡盤2を衛生的に維持でき保守管理を楽にした気泡盤付浴槽1を、浴槽36と、浴槽36内へ気泡を発生させる気泡盤2と、圧縮空気を供給するブロア5と、ブロア5の空気を気泡盤2へ導く連通部6とから構成し、前記連通部6の基端をブロア5に繋ぎ、該連通部6の先端は気泡盤2の真下に位置させ、前記気泡盤2は、噴出口14から噴出される空気で気泡を発生させるものとし、前記気泡盤2の上壁2aには複数の通気孔13を開設し、該気泡盤2はその下部が開放された蓋様のものとして、実現した。
【実施例1】
【0011】
図1、2、3に浴槽36を昇降浴槽3とした実施例1を示しており、図1は気泡盤2の長手方向の断面図、図2は気泡盤2の平面図、図3は気泡盤付浴槽1の斜視図を示している。
該実施例1は、昇降浴槽3と、非昇降の架台4と、昇降浴槽3内へ気泡を発生させる気泡盤2と、圧縮空気を供給するブロア5と、ブロア5の空気を気泡盤2へ導く連通部6とからなる。
【0012】
昇降浴槽3は、基枠7と、昇降機構8と、浴槽部9とからなる。
架台4は、架台枠10と、架台枠10を頂部に支持し浴槽部9の底壁11を貫通し基枠7に立設される支柱12と、架台枠10に載設される気泡盤2とからなる。架台枠10の上面には気泡盤2を螺着する雌ネジ台41が設けられる。
支柱2は浴槽部9の底壁11に水密に摺動可能に貫通している。支柱12は中空体であり、連通部6の一部として圧縮空気の通路として使用される。
【0013】
前記気泡盤2の上壁2aには複数の通気孔13が開設され、該気泡盤2はその下部が開放された菓子箱の蓋(=箱蓋)の様なものである。即ち、平板状の上壁2aの縁部の全周囲に垂下状の垂下壁42が設けられる。この垂下壁42は気泡盤2の周囲から空気が逃げるのを防ぐものである。
【0014】
前記気泡盤2の上壁2aの適宜箇所には凹部2bが形成されその凹部2b中央に取付穴37が開設される。
気泡盤2は、連通部6の先端に形成された噴出口14から噴出される空気を前記通気孔13から浴槽部9内に移動させ、該浴槽部9内に気泡を発生させるものである。
【0015】
該取付穴37にノブボルト16を通し、このノブボルト16を架台4に設けられた雌ネジ台41に螺着し、気泡盤2を架台4に取り付ける。
更に、前記気泡盤2の上壁2aの適宜箇所には、気泡盤2を掴むための取手穴15が開設されている。該取手穴15は操作者が掃除等に際し気泡盤2を外す時に指を差込む穴であり、取手穴15の開口部には指掛片15aが形成される。
【0016】
ブロア5は外気を取り込みこれを圧縮し、吐出口5aから吐出する。該ブロア5は気泡スイッチ17のオン・オフ操作により駆動・停止される。
【0017】
前記連通部6は、ブロア5の圧縮空気を気泡盤2の下方に導く管路であり、その基端はブロア5の吐出口5aに繋がれ、その先端は、支柱12の上部に設けられる噴出口14である。
噴出口14は気泡盤2の真下に位置しており、噴出口14から出た空気は、気泡盤2に入り、更に、気泡盤2の通気孔13を通過して浴槽内へ気泡を発生させる。
【0018】
連通部6の途中に、噴出口14からブロア5に向かって逆流する流体を阻止する逆止弁18と、連通部6の管径を変更調節し空気流量を調節する流量調節弁19とが設けられる。
【0019】
尚、図3中、20は濾過殺菌スイッチ、21は音声スイッチ、22は上昇スイッチ、23は停止スイッチ、24は下降スイッチ、25は湯温度調節器、26はシャワー用ミキシング、27はフィルター取出口、28はシャワーバルブ、29は湯温注意ランプ、30はオーバーフロー、31は肩掛けシャワーノズル、32はサイドパネル、38は担架センサー、39はシャワーノズル、40はセンターロック表示ランプである。
【0020】
実施例1を使用する際は、介助者は、脱衣した入浴者を搬送車(図示省略)上の担架33に乗せ搬送する。前記搬送車を昇降浴槽3に接合し、続いて、担架33を架台4へ移乗させる。
【0021】
次に、浴槽部9を上昇させ、架台4を底壁11へ接近させる。架台4に載った担架33及び入浴者を浴槽部9内に溜めた湯に浸け、入浴を行なう。介助者は、側壁9aの外側から入浴者の介助を行なう。
【0022】
気泡浴を行なう時は、気泡スイッチ17を投入し、ブロア5を駆動させる。
連通部6で圧縮空気を気泡盤2の真下の噴出口14へ導き、噴出口14から圧縮空気を吐出する。
圧縮空気は、気泡盤2の真下に噴き出た後上昇し、下部が開放された気泡盤2内に充満し、通気孔13から上方へ抜け出る。抜け出た圧縮空気は、浴槽部9内の湯に気泡を作る。
該気泡は上昇し湯面で破裂し、圧縮空気は外気へ放散する。
【0023】
退浴時は、浴槽部9を下降させ、担架33及び入浴者を浴槽部5内の湯から出す。担架33を、架台4から昇降浴槽3に接合掛止している前記搬送車へ移す。
前記搬送車を昇降浴槽3から離し、入浴者を、所望の場所へ搬送し担架33からベッド(図示省略)等へ降ろし、入浴を終わる。
昇降浴槽3の使用を終了する時は、該昇降浴槽3の湯を全て抜く。気泡盤2の下部は全面的に開放されているから、気泡盤2内に湯は残留しない。
【0024】
前記気泡盤2を掃除する時或いは保守点検時には、操作者は、浴槽部9を下降させ下限位置へ至らせる。浴槽部9を下降させると架台4及び気泡盤2は浴槽部9内から脱出し浴槽部9の上方外に位置する。
【0025】
次に、前述の位置にある気泡盤2を止めているノブボルト16を外し、気泡盤2の取手穴15に手をあてがい気泡盤2を掴み、該気泡盤2を架台4から離脱させる。気泡盤2を掃除或いは装置の保守点検をする。
【0026】
前述の作業を終わって該気泡盤2を架台4へ取着する時は、気泡盤2の取手穴15に手をあてがい、気泡盤2を持って架台4へ載せ、ノブボルト16で気泡盤2を架台4へ螺着する。
【実施例2】
【0027】
図4に示す実施例2は、実施例1の気泡盤2に係るノブボルト螺着方式を外嵌圧入方式に代えたものである。
実施例2の外嵌圧入方式は、一方の部材である気泡盤2の上壁2aに止穴34が開設され、他方の部材である架台4の雌ネジ台41にゴム等で作られる圧入止具35が突設される。
【0028】
気泡盤2を架台4に取着する時は、架台4に気泡盤2を載せ、前記止穴34を圧入止具35に合わせ、気泡盤2を下方向へ押す。
前記止穴34を圧入止具35に外嵌圧入して気泡盤2を架台4の所定位置へ掛止する。
気泡盤2を架台4から離脱する時は、気泡盤2を上方向へ引き、止穴34から圧入された圧入止具35を抜き外し、気泡盤2を架台4から外す。
【0029】
尚、浴槽36の他の例として、架台4が設けられない非昇降浴槽(=固定浴槽)では、底壁11へ圧入止具35が突設され、該圧入止具35へ気泡盤2の止穴34が外嵌圧入されて気泡盤2が底壁11の所定位置へ掛止される。
【産業上の利用可能性】
【0030】
浴槽部9内へ気泡を発生させるものであって、人手で掃除をし易く、保守管理時の操作を容易にするために、上壁2aには複数の通気孔13を開設し、下部が開放された蓋様のものとした気泡盤2に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明実施例1の気泡盤の正面断面図である。
【図2】本発明実施例1の気泡盤の平面図である。
【図3】本発明実施例1の斜視図である。
【図4】本発明実施例2の外嵌圧入方式を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
2 気泡盤
2a 上壁
2b 凹部
3 昇降浴槽
4 架台
5 ブロア
6 連通部
11 底壁
13 通気孔
15 取手穴
16 ノブボルト
34 止穴
35 圧入止具
36 浴槽
37 取付穴
41 雌ネジ台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽(36)と、浴槽(36)内へ気泡を発生させる気泡盤(2)と、圧縮空気を供給するブロア(5)と、ブロア(5)の空気を気泡盤(2)へ導く連通部(6)とからなり、
前記気泡盤(2)の上壁(2a)には複数の通気孔(13)が開設され該気泡盤(2)の下部は開放され蓋様のものであることを特徴とする気泡盤付浴槽。
【請求項2】
浴槽(36)は昇降浴槽(3)であり、該昇降浴槽(3)にはその内部に進入・退出する非昇降の架台(4)が設けられ、
気泡盤(2)は前記架台(4)に設けられることを特徴とする請求項1記載の気泡盤付浴槽。
【請求項3】
気泡盤(2)の上壁(2a)には、気泡盤(2)を掴むための取手穴(15)が設けられることを特徴とする請求項1記載の気泡盤付浴槽。
【請求項4】
一方の部材である気泡盤(2)の上壁(2a)には凹部(2b)が形成され、凹部(2b)には取付穴(37)が開けられ、他方の部材である浴槽(36)の底壁(11)又は架台(4)には、雌ネジ台(41)が設けられ、
ノブボルト(16)で凹部(2b)を雌ネジ台(41)に螺着することによって気泡盤(2)が他方の部材の所定位置へ掛止されることを特徴とする請求項1記載の気泡盤付浴槽。
【請求項5】
一方の部材である気泡盤(2)の上壁(2a)には止穴(34)が開設され、他方の部材である浴槽(36)の底壁(11)又は架台(4)には圧入止具(35)が設けられ、
前記止穴(34)が圧入止具(35)に外嵌圧入されて気泡盤(2)が他方部材の所定位置へ掛止されることを特徴とする請求項1記載の気泡盤付浴槽。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−542(P2007−542A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−187171(P2005−187171)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(000103471)オージー技研株式会社 (109)
【Fターム(参考)】