説明

気液分配構造体及び蒸留器

【課題】液の流量の偏りを抑制する気液分配構造体と、この気液分配構造体を用いた高蒸留効率のコンパクトな熱交換型蒸留器と、気液接触面積を増大させ、高蒸留効率の構造を有する蒸留器とを提供する。
【解決手段】本発明に係る気液分配構造体は、流下する液体と上昇する気体が接触するための気液接触流路と、前記気液接触流路に液体を溢流により供給する液体流路と、前記気液接触流路からの気体を排出する気体排出流路とを備える。本発明に係る蒸留器は、この気液分配構造体を並列したものである。なお、本発明に係る蒸留器は、高温側流路としての気液分配構造体と低温側流路としての気液分配構造体とを交互に並列してなるものでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸留や分縮を効率よく行う気液分配構造体及び蒸留器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、蒸留や分縮を行う気液分配構造体及び蒸留器は公知となっている。例えば、下記特許文献1に、液体流路と気体排出流路とが隣接して設けられており、液体流路が、液体流路に導入された液体が液体流路内で均一に分配されるようにされた液体分配流路であることを特徴とする気液分配構造体が開示されている。
【特許文献1】特開2004−89835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1のものは、プレートフィン熱交換器の層の一部に組み込まれた気液分配構造体であり、装置全体の構造の簡略化を達成したものではあるが、供給される液の流量が低下した場合、流路の幅方向で、液の流量に偏りが生じ、その結果、蒸留の効率が低下することがある。
【0004】
そこで、本発明の目的は、液の流量の偏りを抑制する気液分配構造体と、この気液分配構造体を用いた高蒸留効率のコンパクトな熱交換型蒸留器と、気液接触面積を増大させ、高蒸留効率の構造を有する蒸留器とを提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0005】
本発明の気液分配構造体は、流下する液体と上昇する気体が接触するための気液接触流路と、前記気液接触流路に液体を溢流により供給する液体流路と、前記気液接触流路からの気体を排出する気体排出流路とを備えるものである。
上記構成により、供給される液の流量が低下した場合でも、流路の幅方向で液の流量に偏りが生じることがないので、蒸留の効率が低下することを抑制できる。
【0006】
本発明の気液分配構造体は、前記気体排出流路が前記液体流路の上部又は下部に設けられることが好ましい。
上記構成により、プレートフィン熱交換器のスペースを効率的に利用できるので、コンパクトな気液分配構造体を提供できる。
【0007】
本発明の気液分配構造体は、前記液体流路、前記気体排出流路、前記気液接触流路の一種以上にフィンが設けられていることが好ましい。
上記構成により、伝熱性が向上して熱交換効率が向上するとともに、蒸留効率も向上し、さらには上記各流路を形成する部材を補強できる。
【0008】
本発明の気液分配構造体は、外形が直方体型であることが好ましい。また、本発明の気液分配構造体は、プレートフィン型熱交換器の層の一部に組み込まれて用いられることが好ましい。
上記構成により、本発明の気液分配構造体を層の一部に組み込んだプレートフィン型熱交換器を提供することができる。
【0009】
本発明は、少なくとも1つの液体流路と、前記液体流路に隣接して設けられる少なくとも1つの気体排出流路と、前記液体流路及び前記気体排出流路の下部に設けられる気液接触流路とを備える気液分配構造体であって、前記液体流路が、前記液体流路に導入された液体を所定量貯溜し、鉛直方向上向きに流出させる流路であり、前記液体が、前記液体流路内を満たして溢れ出た際、前記気液接触流路内に流れ落ちて、前記気液接触流路内を上昇してくる気体と接触させられるものである。
上記構成により、偏流を抑制し、気体と液体との接触効率を向上させることができる。
【0010】
本発明の熱交換型の蒸留器は、上述したいずれかの気液分配構造体のうちから選ばれる少なくとも1種以上の気液分配構造体を複数組み合わせてなり、隣り合う前記気液分配構造体の気液接触流路が隣接するものであることが好ましい。なお、熱交換型の蒸留器とは交互に高温側気液分配構造体と低温側気液分配構造体とを配置する蒸留器のことをいう。
上記構成により、熱交換効率を向上させた蒸留器を提供できる。
【0011】
本発明は、流下する液体と上昇する気体が接触するための気液接触流路と、前記気液接触流路に液体を供給する液体流路と、前記気液接触流路からの気体を排出する気体排出流路を備える気液分配構造体を複数有する蒸留器であって、前記気液分配構造体が、前記液体流路が気体排出流路を挟んで両側に配される第1の気液分配構造体と、前記気体排出流路が液体流路を挟んで両側に配される第2の気液分配構造体とからなり、前記第1の気液分配構造体の液体流路側と前記第2の気液分配構造体の気体排出流路側とが接しているものである。
上記構成により、気液の接触面積を増大し、高い分離効率が得られ、かつコンパクトな構造の蒸留器を提供できる。
【0012】
本発明は、流下する液体と上昇する気体が接触するための気液接触流路と、前記気液接触流路に液体を溢流により供給する液体流路と、前記気液接触流路からの気体を排出する気体排出流路を備える気液分配構造体を複数有する蒸留器であって、前記液体流路が気体排出流路を挟んで両側に配される低温型気液分配構造体と、前記気体排出流路が液体流路を挟んで両側に配される高温型気液分配構造体とが隣接しており、前記低温型気液分配構造体の液体流路側と前記高温型気液分配構造体の気体排出流路側とが隣接しているものである。
上記構成により、気液の接触面積を増大し、高い分離効率が得られ、かつコンパクトな構造の蒸留器を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1(a)は本発明の第1実施形態に係る気液分配構造体の上部断面図、図1(b)は図1(a)のI−I矢視断面図、図1(c)は図1(a)のII−II矢視断面図である。なお、図1(a)においては、フィンを省略して示している。
【0014】
図1に示すように、第1実施形態に係る気液分配構造体10は、外形が直方体型であり、流下する液体(図1における黒矢印)と上昇する気体(図1における白抜き矢印)が接触するための気液接触流路21と、気液接触流路21からの気体を排出する気体排出流路22と、気液接触流路21に液体を溢流により供給する液体流路23と、液体が流下する液体下流路24とを備える。気体排出流路22は、液体流路23の下部に空間25を介して設けられている。また、気体排出流路22及び液体流路23は、気液分配構造体10内部において、地面に対し垂直に且つ側板1と所定間隔をあけて近設された仕切り板2を介して、液体下流路24と隣接して設けられている。また、気液接触流路21は、気体排出流路22及び液体下流路24の下部に設けられている。
【0015】
気液接触流路21は、仕切り板2と平行に設けられた仕切り板4a、4b、及び仕切り板2の側端面と垂直に設けられた側板9a、9bに囲まれてなる空間である。この気液接触流路21には、図1(b)(c)に示すように、フィン21aが上下方向に気体や液体が流れるように設けられている。フィン21aとしては、その種類は特に限定されず、例えばストレートフィン、セレートフィン、パーフォレートフィン等を用いることができる。以下に示す各フィンにおいても同様である。
【0016】
気体排出流路22は、仕切り板2、4bと、地面に対し水平な状態で仕切り板2、4bに挟持されるように固定された板部材3bと、側板9aとに囲まれてなる空間である。気体排出流路22の気体排出口22eの外部には、気体が排出される気体排出用ヘッダー6が設けられ、その先端に気体排出用ノズル8が設けられている。この気体排出流路22には、例えば、図1(c)に示すように、気体が水平方向に流されるフィン22aと、気体が気液分配構造体10の右斜め上方向に流されるフィン22bとが設けられている。これらフィン22a、22bは境界22cの部分で接しており、気体が連続して流れていくように形成されている。また、フィン22bとフィン21aとは、境界22dの部分で接しているか、又は例えば1mm程度の隙間を有して、フィン21aからフィン22bに気体が連続して流れていくように形成されている。
【0017】
液体流路23は、仕切り板2、4bと、仕切り板2、4bに地面に対し水平な状態で挟持されるように固定され、板部材3bの上部に設けられた板部材3aと、側板9aと、仕切り板4a、4b及び側板9a、9bの上端部に設けられた側板1とに囲まれてなる空間である。液体流路23の液体供給口23f外部には、液体が供給される液体供給用ヘッダー5が設けられ、その先端に液体供給用ノズル7が設けられている。この液体流路23には、例えば、図1(c)に示すように、液体が水平方向に流されるフィン23aと、液体が気液分配構造体10の左斜め上方向に流されるフィン23bと、液体の流れに抵抗をつけて水平方向への拡がりを促進するいわゆるハードウェイ型のフィン23cとが設けられている。フィン23a、23bは、境界23dの部分で接しており、液体が連続して流れていくように形成されている。フィン23cは、フィン23bと境界23eの部分で接しているか、又は例えば1mm程度の隙間を有して、フィン23bからの液体がフィン23cに連続して流れていくように形成されている。なお、図示しないが、フィン23cは、フィンの向きを上下方向としたいわゆるイージーウェイ型のものでもよい。
【0018】
液体下流路24は、仕切り板2、4aと、側板9a、9bと、側板1とに囲まれてなる空間であり、上部において液体流路23と、下部において気液接触流路21と連続した空間となっている。液体下流路24は、例えば、図1(b)に示すように、上下方向のフィン24aと、液体の流れに抵抗をつけて水平方向への拡がりを促進するいわゆるハードウェイ型のフィン24bとが設けられている。フィン24a、24bは、境界24cの部分で接しているか、又は例えば1mm程度の隙間を有して、液体が連続して流れていくように形成されている。また、フィン24bとフィン21aとは、境界24dの部分で接しているか、又は例えば1mm程度の隙間を有して、フィン24bからフィン21aに液体が連続して流れていくように形成されている。なお、フィン24bは上下方向のフィンでもよい。
【0019】
空間25は、仕切り板2と板部材3a、3bと仕切り板4bと、側板9a、9bとに囲まれてなる閉鎖された空間であり、流体が入り込まないものである。なお、液体供給用ヘッダー5及び気体排出用ヘッダー6の溶接作業に支障をきたさぬよう、液体供給用ヘッダー5、気体排出用ヘッダー6間には所定間隔が設けられる必要があり、そのために空間25が設けられている。この空間25の内部には強度をあげるために通常はフィン25aが設けられている。
【0020】
次に、気液分配構造体10の作用について説明する。まず、液体供給用ノズル7へ供給された液体が液体供給用ヘッダー5へと供給され、フィン23a、23b、23cを備える液体流路23において貯溜される。貯溜された液体の上限が仕切り板2の高さを超えると、供給された液体が水平方向への拡がりを促進しつつ溢れ出し、この液体はフィン24a、24bを備える液体下流路24へと流下する。その後、流下した液体は、気液分配構造体10の下方からフィン21aを備えた気液接触流路21を上昇してくる気体と接触し、蒸留を行う。一方、気体は、液体で満たされた液体下流路24に入ることはできないので、フィン22a、22bを備える気体排出流路22内を上昇し、気体排出用ヘッダー6を介して気体排出用ノズル8から排出される。
【0021】
このような構成にすることにより、供給される液の流量が低下した場合でも、流路の幅方向で液の流量に偏りが生じることがないので、蒸留の効率が低下することを抑制できる。また、気体と液体との接触効率がよくなるので、熱交換効率を向上できる。また、各フィンにより、伝熱性が向上して熱交換効率が向上するとともに、上記各流路を形成する部材を補強できる。
【0022】
なお、上記第1実施形態の気液分配構造体における仕切り板2は、上部が側板1と離設されていたが、図2に示すように、上部に孔を有する仕切り板12として、その上部を側板1と接合して設けてもよい。また、この仕切り板12は、その上部が側板1と隙間をあけて設けられるものでもよい。以下に示す実施形態や変形例においても同様である。
【0023】
次に、本発明の第2実施形態に係る気液分配構造体について説明する。図3(a)は本発明の第2実施形態に係る気液分配構造体の上部断面図、図3(b)は図3(a)のIII−III矢視断面図、図3(c)は図3(a)のIV−IV矢視断面図である。なお、図3(a)においては、フィンを省略して示している。また、以降の各実施形態の説明では第1実施形態と同様の部分は説明を省略することがある。
【0024】
図3に示すように、第2実施形態に係る気液分配構造体20は、外形が直方体型であり、流下する液体(図3における黒矢印)と上昇する気体(図3における白抜き矢印)が接触するための気液接触流路21と、気液接触流路21からの気体を排出する気体排出流路26と、液体が流下する液体下流路27と、気液接触流路21に液体を溢流により供給する液体流路29とを備える。気体排出流路26は、液体流路29及び液体下流路27の上部に設けられている。また、液体流路29は、気液分配構造体20内部において、地面に対し垂直に且つ側板1と所定間隔をあけて近設された仕切り板2を介して、液体下流路27と隣接して設けられている。また、気液接触流路21は、液体流路29及び液体下流路27の下部に設けられている。
【0025】
気体排出流路26は、仕切り板4a、4bと、側板1、9aとに囲まれてなる空間である。この気体排出流路26の気体排出口26eの外部には、気体が排出される気体排出用ヘッダー6が設けられ、その先端に気体排出用ノズル8が設けられている。この気体排出流路26には、図3(b)に示すように、気体が水平方向に流されるフィン26aと、気体が気液分配構造体20の右斜め上方向に流されるフィン26bとが設けられている。これらフィン26a、26bは境界26cの部分で接しており、気体が連続して流れていくように形成されている。
【0026】
液体下流路27は、仕切り板2、4aと、側板9a、9bとに囲まれてなる空間であり、上部において液体流路29及び気体排出流路26と、下部において気液接触流路21と連続した空間となっている。この液体下流路27は、図3(b)に示すように、上下方向のフィン27aが設けられている。なお、液体下流路27の上部に気体排出流路26が設けられているので、この液体下流路27の流路を下方から上昇してきた気体が通過できるものである。
【0027】
液体流路29は、仕切り板2、4bと、仕切り板2の下端部と仕切り板4bとの間に地面に対し水平な状態で挟持されるように固定された板部材28aと、仕切り板4bに地面に対し水平な状態で固定され、仕切り板2上端部から離設された板部材28bと、側板9a、9bとに囲まれてなる空間である。この液体流路29の液体供給口29f外部には、液体が供給される液体供給用ヘッダー5が設けられ、その先端に液体供給用ノズル7が設けられている。この液体流路29には、例えば、図3(c)に示すように、液体が水平方向に流されるフィン29aと、液体が気液分配構造体20の左斜め上方向に流されるフィン29bと、液体の流れに抵抗をつけて水平方向への拡がりを促進するいわゆるハードウェイ型のフィン29cとが設けられている。フィン29a、29bは、境界29dの部分で接しており、液体が連続して流れていくように形成されている。フィン29cは、フィン29bと境界29eの部分で接しているか、又は例えば1mm程度の隙間を有して、フィン29bからの液体がフィン29cに連続して流れていくように形成されている。なお、図示しないが、フィン29cは、フィンの向きを上下方向としたいわゆるイージーウェイ型のものでもよい。
【0028】
次に、気液分配構造体20の作用について説明する。まず、液体供給用ノズル7へ供給された液体が液体供給用ヘッダー5へと供給され、フィン29a、29bを備える液体流路29において貯溜される。貯溜された液体の上限が仕切り板2の高さを超えると、供給された液体が水平方向への拡がりを促進しつつ溢れ出し、この液体はフィン27aを備える液体下流路27へと流下する。その後、流下した液体は、気液分配構造体20の下方からフィン21aを備えた気液接触流路21を上昇してくる気体と接触し、蒸留を行う。一方、気体は、液体で満たされた液体流路29に入ることはできないが、気体排出流路26が液体下流路27の上部に設けられているため、液体下流路27の流路内を上昇し、気体排出流路26内に入って、気体排出用ヘッダー6を介して気体排出用ノズル8から排出される。
【0029】
このような構成にすることにより、第1実施形態の気液分配構造体10と同様の効果を得ることができる。
【0030】
次に、本発明の第3実施形態に係る気液分配構造体について説明する。図4(a)は本発明の第3実施形態に係る気液分配構造体の上部断面図、図4(b)は図1(a)のI−I矢視断面図の変形例である。なお、図4(a)においては、フィンを省略して示している。
【0031】
図4(a)に示すように、第3実施形態に係る気液分配構造体30は、外形が直方体型であり、流下する液体(図4(a)における黒矢印)と上昇する気体(図4(a)における白抜き矢印)が接触するための気液接触流路21と、気液接触流路21からの気体を排出する気体排出流路32と、気液接触流路21に液体を溢流により供給する液体流路33と、液体が流下する液体下流路24、31とを備える。気体排出流路32は、液体流路33の下部に空間35を介して設けられている。また、気体排出流路32及び液体流路33は、気液分配構造体30内部において、地面に対し垂直に且つ側板1と所定間隔をあけて近設された仕切り板2、34を介して、液体下流路24、31に挟まれた状態で設けられている。また、気液接触流路21は、気体排出流路32及び液体下流路24、31の下部に設けられている。
【0032】
気体排出流路32は、仕切り板2、34と、地面に対し水平な状態で仕切り板2、34に挟持されるように固定された板部材3bと、側板9aとに囲まれてなる空間である。なお、フィン、気体排出用ヘッダー及び気体排出用ノズルの構成は図1(c)に示す気体排出流路22と同様である。
【0033】
液体流路33は、仕切り板2、34と、地面に対し水平な状態で仕切り板2、34に挟持されるように固定され、板部材3bの上部に設けられた板部材3aと、側板9aと、仕切り板4a、4b及び側板9a、9bの上端部に設けられた側板1とに囲まれてなる空間である。なお、フィン、液体供給用ヘッダー及び液体供給用ノズルの構成は図1(c)に示す液体流路23と同様である。
【0034】
液体下流路31は、仕切り板4b、34と、側板9a、9b(図示せず)と、側板1とに囲まれてなる空間であり、上部において液体流路33と、下部において気液接触流路21と連続した空間となっている。なお、ここでは、図4(b)に示すように、液体下流路24、31に液体を均等に分配するために、フィン24a上端部をハードウェイ型のフィン24eとして、フィン24aとフィン24eとが境界24fの部分で接するものであってもよい。
【0035】
空間35は、仕切り板2、34と、板部材3a、3bと、側板9a、9bとに囲まれてなる閉鎖された空間であり、流体が入り込まないものである。上述した空間25と同様の理由で設けられており、図示しないが、この空間35の内部には強度をあげるために空間25と同様のフィンが設けられている。
【0036】
次に、気液分配構造体30の作用について説明する。まず、液体供給用ノズル7へ供給された液体が液体供給用ヘッダー5へと供給され、フィン23a、23b、23cを備える液体流路23において貯溜される(同構成である図1(c)参照)。貯溜された液体の上限が仕切り板2、34の高さを超えると、供給された液体が水平方向への拡がりを促進しつつ溢れ出し、この液体はフィン24a、24bを備える液体下流路24及びフィン24a、24bと同様のフィンを有する液体下流路31へと流下する。その後、流下した液体は、気液分配構造体30の下方からフィン21aを備えた気液接触流路21を上昇してくる気体と接触し、蒸留を行う。一方、気体は、液体で満たされた液体下流路24、31に入ることはできないので、フィン22a、22bを備える気体排出流路22内を上昇し、気体排出用ヘッダー6を介して気体排出用ノズル8から排出される(同構成である図1(c)参照)。
【0037】
このような構成にすることにより、上記各実施形態の気液分配構造体と同様の効果を得ることができる。
【0038】
次に、本発明の第4実施形態に係る気液分配構造体について説明する。図5(a)は本発明の第4実施形態に係る気液分配構造体の上部断面図、図5(b)は図5(a)の気液分配構造体の斜視図であって、液体供給及び気体排出側を示す図である。なお、図5(a)においては、フィンを省略して示している。
【0039】
図5に示すように、気液分配構造体40は、外形が直方体型であり、流下する液体(図5における黒矢印)と上昇する気体(図5における白抜き矢印)が接触するための気液接触流路21と、気液接触流路21からの気体を排出する気体排出流路22、42と、気液接触流路21に液体を溢流により供給する液体流路23、43と、液体が流下する液体下流路44とを備える。気体排出流路22、42は、液体流路23、43それぞれの下部に空間25、45をそれぞれ介して設けられている。また、気体排出流路22、42及び液体流路23、43は、気液分配構造体40内部において、地面に対し垂直に且つ側板1と所定間隔をあけて近設された仕切り板2、41を介して、液体下流路44を挟みこむ状態で設けられている。また、気液接触流路21は、気体排出流路22、42及び液体下流路44の下部に設けられている。
【0040】
気体排出流路42は、図1における気体排出流路22と同構成であり、仕切り板41と、地面に対し水平な状態で仕切り板4a、41に挟持されるように固定された板部材46bと、側板9a(図示せず)とに囲まれてなる空間である。なお、フィンの構成は図1(c)に示す気体排出流路22と同様である。図5(b)に示す気体排出用ヘッダー47は、筒を軸方向に半分にした形状のものであって、気体排出流路22、42の各気体排出口(図示しないが、図1(c)の22eと同様のもの)を覆うように取り付けられ、この気体排出口からの気体を集約することができるものである。図5(b)に示す気体排出用ノズル48は、気体排出用ヘッダー47の曲面の軸方向中央部でその内部と連通するように設けられている。
【0041】
液体流路43は、図1における液体流路23と同構成であり、仕切り板4a、41と、地面に対し水平な状態で仕切り板4a、41に挟持されるように固定され、板部材46bの上部に設けられた板部材46aと、側板9a(図示せず)と、仕切り板4a、4b及び側板9a、9bの上端部に設けられた側板1とに囲まれてなる空間である。なお、フィンの構成は図1(c)に示す液体流路23と同様である。図5(b)に示す液体供給用ヘッダー49は、筒を軸方向に半分にした形状のものであって、液体流路23、43の各液体供給口(図示しないが、図1(c)の23fと同様のもの)を覆うように取り付けられ、この液体供給口へ液体を均一に分配供給することができるものである。図5(b)に示す液体供給用ノズル50は、液体供給用ヘッダー49の曲面の軸方向中央部でその内部と連通するように設けられている。
【0042】
液体下流路44は、仕切り板2、41と、側板9a、9b(図示せず)と、側板1とに囲まれてなる空間であり、上部において液体流路23、43と、下部において気液接触流路21と連続した空間となっている。
【0043】
空間45は、仕切り板4a、41と、板部材46a、46bと、側板9a、9b(図示せず)とに囲まれてなる閉鎖された空間であり、流体が入り込まないものである。上述した空間25と同様の理由で設けられており、図示しないが、この空間45の内部には強度をあげるために空間25と同様のフィンが設けられている。
【0044】
次に、気液分配構造体40の作用について説明する。まず、液体供給用ノズル50へ供給された液体が液体供給用ヘッダー49へと供給され、フィン23a、23b、23cを備える液体流路23(図1(c)のものと同様の構成)及びフィン23a、23b、23cと同様のフィンを備える液体流路43において貯溜される。貯溜された液体の上限が仕切り板2、41の高さを超えると、供給された液体が水平方向への拡がりを促進しつつ溢れ出し、この液体は図1(b)に示すフィン24a、24bと同様のフィンを備える液体下流路44へと流下する。その後、流下した液体は、気液分配構造体40の下方からフィン21aを備えた気液接触流路21を上昇してくる気体と接触し、蒸留を行う。一方、気体は、液体で満たされた液体下流路44に入ることはできないので、気体排出流路22、42内を上昇し、気体排出流路22、42から排出された気体を集約する気体排出用ヘッダー47を介して気体排出用ノズル48から排出される。
【0045】
このような構成にすることにより、上記各実施形態の気液分配構造体と同様の効果を得ることができる。
【0046】
次に、本発明の実施形態に係る蒸留器について説明する。図6は、本発明の実施形態に係る蒸留器の一部の斜視図である。図7は、図6の蒸留器の液体供給用ノズル及び液体供給用ヘッダー、気体排出用ノズル及び気体排出用ヘッダーを取り外した際の斜視図である。
【0047】
蒸留器60は、気液分配構造体10a、10bを交互に並設し、隣接する流路間で各仕切り板を介して熱交換を行うものである。なお、液体供給口及び気体排出口が気液分配構造体10a、10bとで逆側方向となるように設けられている。また、気液分配構造体10aは、液体供給用ノズル、液体供給用ヘッダー、気体排出用ノズル及び気体排出用ヘッダー以外は図1に示す第1実施形態に係る気液分配構造体10と同構成である。また、気液分配構造体10bにおいても同様である。
【0048】
各気液分配構造体10aは、図7に示すそれぞれの液体供給口63を覆うように、筒を軸方向に半分にした形状の液体供給用ヘッダー61が取り付けられ、液体供給用ノズル62が、液体供給用ヘッダー61の曲面の軸方向中央部でその内部と連通するように設けられている。また、各気液分配構造体10aは、図7に示すそれぞれの気体排出口64を覆うように、筒を軸方向に半分にした形状の気体排出用ヘッダー65が取り付けられ、気体排出用ノズル66が、気体排出用ヘッダー65の曲面の軸方向中央部でその内部と連通するように設けられている。
【0049】
各気液分配構造体10bにおいては、各気液分配構造体10aの液体供給側と逆側に、各気液分配構造体10bの液体供給口を覆う液体供給用ヘッダー61、液体供給用ノズル62、各気液分配構造体10bの気体排出口を覆う気体排出用ヘッダー65及び気体排出用ノズル66と同構成の液体供給用ヘッダー67、液体供給用ノズル(図示せず)、気体排出用ヘッダー68及び気体排出用ノズル(図示せず)を備える。
【0050】
次に、蒸留器60の作用について説明する。例えば、気液分配構造体10aを高温側流路、気液分配構造体10bを低温側流路とすると、気液分配構造体10aと気液分配構造体10bとの間で熱交換が行われ、かつ、気液分配構造体10a及び気液分配構造体10bそれぞれの流路内で蒸留が行われる。
【0051】
上記構成により、液の流量の偏りを抑制し、気液の接触効率が向上し、これによって高い蒸留効率が得られ、かつ、装置全体の構造が簡略化された蒸留器を提供できる。
【0052】
なお、蒸留器60においては、気液分配構造体10を用いたが、これに限らず、上記実施形態の気液分配構造体を複数組み合わせる等して、蒸留器60と同様の効果が得られる蒸留器としてもよい。
【0053】
次に、本発明の別実施形態に係る蒸留器について説明する。図8は、本発明の実施形態に係る蒸留器の一部の斜視図である。図9は、図8の蒸留器の液体供給用ノズル及び液体供給用ヘッダー、気体排出用ノズル及び気体排出用ヘッダーを取り外した際の斜視図である。図10(a)は図8の蒸留器に用いられる低温側の気液分配構造体の断面図、図10(b)は図10(a)のVI−VI矢視断面図、図10(c)は図10(a)のVII−VII矢視断面図である。図11は、図8の蒸留器に用いられる高温側の気液分配構造体の断面図である。
【0054】
蒸留器80は、気液分配構造体100、110を交互に並設し、隣接する流路間で各仕切り板を介して熱交換を行うものである。なお、図示しないが、液体供給口及び気体排出口が気液分配構造体100と気液分配構造体110とで逆側方向となるように設けられている。
【0055】
各気液分配構造体100は、図9に示すそれぞれの液体供給口103g、104gを覆うように、筒を軸方向に半分にした形状の液体供給用ヘッダー81が取り付けられ、液体供給用ノズル82が、液体供給用ヘッダー81の曲面の軸方向中央部でその内部と連通するように設けられている。また、各気液分配構造体100は、図9に示すそれぞれの気体排出口101fを覆うように、筒を軸方向に半分にした形状の気体排出用ヘッダー83が取り付けられ、気体排出用ノズル84が、気体排出用ヘッダー83の曲面の軸方向中央部でその内部と連通するように設けられている。
【0056】
各気液分配構造体110においては、各気液分配構造体100の液体供給側と逆側に、各気液分配構造体110の液体供給口を覆う液体供給用ヘッダー81、液体供給用ノズル82、各気液分配構造体110の気体排出口を覆う気体排出用ヘッダー83及び気体排出用ノズル84と同構成の液体供給用ヘッダー85、液体供給用ノズル(図示せず)、気体排出用ヘッダー86及び気体排出用ノズル(図示せず)を備える。
【0057】
気液分配構造体100は、外形が直方体型であり、流下する液体(図10における黒矢印)と上昇する気体(図10における白抜き矢印)が接触するための気液接触流路21と、気体を排出する気体排出流路101と、気液接触流路21から気体排出流路101に気体を上昇通過させる気体上昇流路102と、気液接触流路21に液体を供給する液体流路103、104とを備える。気体上昇流路102は、気液分配構造体100内部において、地面に対し垂直に、所定間隔を有して設けられている仕切り板105、106を介して、液体流路103、104に挟まれた状態で設けられている。また、気体上昇流路102及び液体流路103、104の上部に気体排出流路101は配設され、下部に気液接触流路21が配設されている。
【0058】
気体排出流路101は、仕切り板4a、4bと、側板1、9aと、仕切り板4a、105の上端部に地面に対し水平な状態で固定された板部材107と、仕切り板4b、106の上端部に地面に対し水平な状態で固定された板部材108とに囲まれてなる空間である。この気体排出流路101には、例えば、図10(b)に示すように、気体が水平方向に流されるフィン101aと、気体が気液分配構造体100の右斜め上方向に流されるフィン101bと、気体が上下方向に流されるフィン101cとが設けられている。フィン101a、101bは境界101dの部分で、フィン101b、101cは境界101eの部分で接しているか、または隙間が少し設けられて、それぞれの境界部分で気体が連続して流れていくように形成されている。
【0059】
気体上昇流路102は、仕切り板105、106と、側板9a、9bとに囲まれてなる空間である。この気体上昇流路102には、気体が上下方向に流されるフィン102aが設けられ、境界102bでフィン101cと、境界102cでフィン21aとそれぞれ接しているか、または隙間が少し設けられて、それぞれの境界部分で気体が連続して流れていくように形成されている。
【0060】
液体流路103は、仕切り板4a、105と、板部材107と、側板9a、9bとに囲まれてなる空間である。この液体流路103には、例えば、図10(c)に示すように、液体が水平方向に流されるフィン103aと、液体が気液分配構造体100の左斜め下方向に流されるフィン103bと、ハードウェイ型のフィン103cとが設けられている。フィン103a、103bは境界103dの部分で、フィン103b、103cは境界103eの部分で、フィン21a、103cは境界103fの部分で接しているか、または隙間が少し設けられて、それぞれの境界部分で液体が連続して流れていくように形成されている。
【0061】
液体流路104は、仕切り板4b、106と、板部材108と、側板9a、9bとに囲まれてなる空間である。この液体流路104には、液体流路103と同構成のフィンが設けられている。
【0062】
気液分配構造体110は、図11に示すように、外形が直方体型であり、流下する液体(図11における黒矢印)と上昇する気体(図11における白抜き矢印)が接触するための気液接触流路21と、気体を排出する気体排出流路111と、気液接触流路21から気体排出流路111に気体を上昇通過させる気体上昇流路112、113と、気液接触流路21に液体を供給する液体流路114とを備える。液体流路114は、気液分配構造体110内部において、地面に対し垂直に、所定間隔を有して設けられている仕切り板115、116を介して、気体上昇流路112、113に挟まれた状態で設けられている。また、気体上昇流路112、113及び液体流路114の上部に気体排出流路111が配設され、下部に気液接触流路21が配設されている。なお、図11におけるVIII−VIII矢視断面の構成は図10(b)と同様であり、IX−IX矢視断面の構成は図10(c)と同様である。
【0063】
気体排出流路111は、仕切り板4a、4bと、側板1と、側板9a(図示せず)と、仕切り板115、116の上端部に地面に対し水平な状態で固定された板部材117とに囲まれてなる空間である。この気体排出流路111は、図10における気体排出流路101と同構成のフィンを有する。
【0064】
気体上昇流路112は、仕切り板4a、115と、側板9a、9b(図示せず)とに囲まれてなる空間である。この気体上昇流路112は、図10における気体上昇流路102と同構成のフィンを有する。
【0065】
気体上昇流路113は、仕切り板4b、116と、側板9a、9b(図示せず)とに囲まれてなる空間である。この気体上昇流路113は、気体上昇流路112と同構成のフィンを有する。
【0066】
液体流路114は、仕切り板115、116と、板部材117と、側板9a、9bとに囲まれてなる空間である。この液体流路114には、図10における液体流路104と同構成のフィンが設けられている。
【0067】
次に、蒸留器80の作用について説明する。気液分配構造体100は低温側流路、気液分配構造体110は高温側流路であるので、気液分配構造体100は、隣接する気液分配構造体110により、その仕切り板が加熱される。ここで、気液分配構造体100内において、気液分配構造体100の気液接触流路に隣接する気液分配構造体110側の仕切り板に沿って流下するように液体を供給すると、気液分配構造体100の仕切り板壁面において液体は流下しながら沸騰してその一部が蒸発し、気体となって気液分配構造体100の仕切り板壁面から離れて流路を上昇する。その際に流下する液体の表面を乱し、また微少な液滴を同伴するので、流下する液体の表面積、言い換えれば気液の接触面積は増大される。
一方、気液分配構造体110では、隣接する気液分配構造体100により、仕切り板が冷却される。ここで、気液分配構造体110内において、液体流路114から液体を気液接触流路21に供給する。気液接触流路21を上昇する気体は仕切り板4a、4bにより一部が凝縮し、仕切り板4a、4bの内側表面に沿って液膜を形成しながら気液接触流路21を流下する。その結果として、気液接触流路21における液体の表面積、言い換えれば気液の接触面積は増大される。
【0068】
上記構成により、気液の接触効率が向上し、これによって高い蒸留効率が得られ、かつ、装置全体の構造が簡略化された蒸留器を提供できる。
【0069】
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】(a)は本発明の第1実施形態に係る気液分配構造体の上部断面図、(b)は(a)のI−I矢視断面図、(c)は(a)のII−II矢視断面図である。
【図2】仕切り板2の変形例を示す図である。
【図3】(a)は本発明の第2実施形態に係る気液分配構造体の上部断面図、(b)は(a)のIII−III矢視断面図、(c)は(a)のIV−IV矢視断面図である。
【図4】(a)は本発明の第3実施形態に係る気液分配構造体の上部断面図、(b)は(a)のV−V矢視断面図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る気液分配構造体の上部断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る蒸留器の一部の斜視図である。
【図7】図6の蒸留器の液体供給用ノズル及び液体供給用ヘッダー、気体排出用ノズル及び気体排出用ヘッダーを取り外した際の斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る蒸留器の一部の斜視図である。
【図9】図8の蒸留器の液体供給用ノズル及び液体供給用ヘッダー、気体排出用ノズル及び気体排出用ヘッダーを取り外した際の斜視図である。
【図10】(a)は図8の蒸留器に用いられる低温側の気液分配構造体の断面図、(b)は(a)のVI−VI矢視断面図、(c)は(a)のVII−VII矢視断面図である。
【図11】図8の蒸留器に用いられる高温側の気液分配構造体の断面図である。
【符号の説明】
【0071】
5、49、61、67、81、85 液体供給用ヘッダー
6、47、65、68、83、86 気体排出用ヘッダー
7、50、62、82 液体供給用ノズル
8、48、66、84 気体排出用ノズル
10、10a、10b、20、30、40 気液分配構造体
21 気液接触流路
22e、26e、64、101f 気体排出口
22、26、32、42、101、111 気体排出流路
23f、29f、63、103g 液体供給口
23、29、33、43、103、104、114 液体流路
24、27、31、44 液体下流路
25、35、45 空間
60、80 蒸留器
100、110 気液分配構造体
102、112、113 気体上昇流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流下する液体と上昇する気体が接触するための気液接触流路と、
前記気液接触流路に液体を溢流により供給する液体流路と、
前記気液接触流路からの気体を排出する気体排出流路とを備える気液分配構造体。
【請求項2】
前記気体排出流路が、前記液体流路の上部又は下部に設けられる請求項1記載の気液分配構造体。
【請求項3】
前記液体流路、前記気体排出流路、前記気液接触流路の一種以上にフィンが設けられている請求項1又は2に記載の気液分配構造体。
【請求項4】
外形が直方体型である請求項1〜3のいずれかに記載の気液分配構造体。
【請求項5】
プレートフィン型熱交換器の層の一部に組み込まれて用いられる請求項1〜4のいずれかに記載の気液分配構造体。
【請求項6】
少なくとも1つの液体流路と、前記液体流路に隣接して設けられる少なくとも1つの気体排出流路と、前記液体流路及び前記気体排出流路の下部に設けられる気液接触流路とを備える気液分配構造体であって、
前記液体流路が、前記液体流路に導入された液体を所定量貯溜し、鉛直方向上向きに流出させる流路であり、前記液体が、前記液体流路内を満たして溢れ出た際、前記気液接触流路内に流れ落ちて、前記気液接触流路内を上昇してくる気体と接触させられる気液分配構造体。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の気液分配構造体のうちから選ばれる少なくとも1種以上の気液分配構造体を複数組み合わせてなり、隣り合う前記気液分配構造体の気液接触流路が隣接する熱交換型の蒸留器。
【請求項8】
流下する液体と上昇する気体が接触するための気液接触流路と、
前記気液接触流路に液体を供給する液体流路と、
前記気液接触流路からの気体を排出する気体排出流路を備える気液分配構造体を複数有する蒸留器であって、
前記気液分配構造体が、前記液体流路が気体排出流路を挟んで両側に配される第1の気液分配構造体と、前記気体排出流路が液体流路を挟んで両側に配される第2の気液分配構造体とからなり、
前記第1の気液分配構造体の液体流路側と前記第2の気液分配構造体の気体排出流路側とが接している蒸留器。
【請求項9】
流下する液体と上昇する気体が接触するための気液接触流路と、
前記気液接触流路に液体を溢流により供給する液体流路と、
前記気液接触流路からの気体を排出する気体排出流路を備える気液分配構造体を複数有する蒸留器であって、
前記液体流路が気体排出流路を挟んで両側に配される低温型気液分配構造体と、
前記気体排出流路が液体流路を挟んで両側に配される高温型気液分配構造体とが隣接しており、前記低温型気液分配構造体の液体流路側と前記高温型気液分配構造体の気体排出流路側とが隣接している蒸留器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−15277(P2006−15277A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−197137(P2004−197137)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】