気液混合用のノズル、気液混合機構およびその用途
【課題】 簡単な構造で効率よく気体と液体との混合物から気体を微細気泡として分散させることが可能な気液混合ノズルを提供する。
【解決手段】 気液混合流体の導入口11と排出口12を有する流通管1と、流通管内部に気密・液密に嵌装された気液混合機構2とから構成された気液混合用ノズルの気液混合機構2は、気液混合流体を導入する内部導入口21aと、気液混合流体を攪拌混合する攪拌混合手段と、攪拌混合した流体を排出する排出口を有する気液攪拌混合部21と、流体の流量を規制する流量調整部22aと、流量規制した流体の圧力を連続的に変化させる圧力変化部22bとを有し、気液混合流体中の気体を液体中に微細気泡として分散された気液混合物とする気液混合物調製部22とから構成されている。
【解決手段】 気液混合流体の導入口11と排出口12を有する流通管1と、流通管内部に気密・液密に嵌装された気液混合機構2とから構成された気液混合用ノズルの気液混合機構2は、気液混合流体を導入する内部導入口21aと、気液混合流体を攪拌混合する攪拌混合手段と、攪拌混合した流体を排出する排出口を有する気液攪拌混合部21と、流体の流量を規制する流量調整部22aと、流量規制した流体の圧力を連続的に変化させる圧力変化部22bとを有し、気液混合流体中の気体を液体中に微細気泡として分散された気液混合物とする気液混合物調製部22とから構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気液混合用のノズルに関する。より詳しく述べると、本発明は、非常に簡単な構成で、なおかつ成型が容易な気液混合ノズルに関する。本発明は、さらに気液混合用のノズルを構成する気液混合機構に関する。さらにまた、本発明は、係る気液混合用のノズルの用途に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロバブル、ナノバブルといわれている微細気泡は、水中に直径50μm以下の気泡が生じている状態をいい、直径10μm程度あるいはそれ以下の微細気泡が1ml当たり水中等に数1000個存在すると牛乳のような白濁した状態となる。
【0003】
このような微細気泡が発生すると下記特性が生じる(非特許文献1)
上昇速度 通常の気泡は、急激に水液中を上昇し最終的に液面で破裂する。しかし、微細気泡は気泡体積が微細であるため、上昇速度が遅く長い間、水液中に滞在し続ける。例えば、直径10μmの気泡は1分間に3mm程度の上昇しかない。
【0004】
自己加圧効果 界面は気相と液相、液相と液相、液相と固相、固相と固相の二相間で形成される。この界面間で界面張力により加圧が生じる。この界面張力はヤングラプラスの式で導かれ、気泡の大きさに反比例して気泡に加わる圧力が高まる。このため、微細気泡は圧力により一層小さくになり、さらに圧力が高まる。理論上、無限の圧力が生じる。また、加圧効果により効果的に気体が水中に溶解する。
【0005】
表面電位特性 微細気泡はコロイドとしての側面があり、負に帯電をしている。このため、微細気泡同士は反発し合う。この性質のため、微細気泡同士の結合がなく、気泡濃度が減ることがない。
【0006】
自己圧壊 微細気泡の自己圧壊作用により、水や窒素などが分解されラジカルが生成される。生成メカニズムに関しては、諸説あり未だ決着が着いていない。
【0007】
このような微細な気泡を含む気泡液を生成するものとして、例えば以下の特許文献1又は2に記載のものがある。
【0008】
特許文献1は、気泡液中の気泡を更に微細化するための気泡微細化器に関するもので、本出願人の提案に係るものである。
この気泡微細化器は、圧力ポンプの吸圧力によって液体に気体を混合して発生させた気泡液を他の気泡微細化器によって微細化した後に、この気泡液中に含まれる気泡を更に微細化するためのものである。
【0009】
この気泡微細化器は、送液方向上流側に複数の液流入孔を穿設した隔壁を形成し、送液方向下流側が開口した外筒体と、この外筒体内に同軸的に配置され、送液方向に沿う所定の範囲にわたり一定の断面積にした太径部と、上流側気泡液路の下流側に、上流側から下流側に向けて次第に断面積が縮小する縮径部とを有する軸体とを備え、外筒体と軸体の間に気泡液路を形成するものとなっている。
【0010】
この気泡微細化器によって気泡液中の気泡を微細化するには、圧力ポンプにより圧送される気泡液を、液流入孔から外筒内に流入させ、前記気泡液路を通過させることになり、このとき、外筒体の隔壁によって気泡液に対する圧力が上昇した状態で、液流入孔から気泡液を外筒体内部に流入させ、その後、送液方向上流側から下流側に向けて次第に間隔が広くなる気泡液路を通過させることによって気泡液に対する圧力が変化するのを利用して、気泡液中の気泡を破壊し、微細化するものとなっている。
【0011】
一方、特許文献2に記載の発明は、微細な気泡を含む気泡液を発生させるものとして旋回流を利用した微細気泡発生装置となっている。
この微細気泡発生装置は、一端が閉口された円筒形の容器の閉口側に気体導入孔を開設し、前記円筒形の内壁円周面の一部にその接線方向に加圧液体導入口を開設するものとなっている。
【0012】
この微細気泡発生装置は、使用時に加圧液体導入口から円筒内に加圧液体を圧送してその内部に旋回流を生成することによって、円筒の中心軸の近傍に負圧部分を形成し、この負圧によって気体導入孔から円筒内に気体を吸い込み、圧力が最も低い中心軸上を気体が通過することによって、細い旋回気体渦を形成するものとなっている。そして、この円筒内で旋回流が加圧液体導入口から開口側へ向かって形成され、この旋回に伴って、液体と気体の比重差から液体には遠心力、気体には向心力が同時に働くことにより、液体部と気体部の分離された状態で、気体が開口側で噴射され、その噴射と同時に周囲の静液によって旋回が急激に弱められることにより、急激な旋回速度差が発生し、この旋回速度差によって旋回気体渦が切断されて、その結果として大量の微細気泡が発生し、開口側から放出される、とされたものである。
【0013】
また、特許文献3には、微細な気泡を効率良く大量に生成することのできる気泡微細化器を提供する目的で、上流側となる一端を閉塞し、下流側となる他端に放出口を設けてなる発生筒体には筒体外部から筒体の壁部を通して内壁周面に、この内壁周面に対して描かれる仮想の接線に並行する仮想線に沿って斜めに気泡液を噴射させる主噴射口と、該主噴射口からの噴射方向に対して発生筒体の軸心に近付くように変位させて気泡液を噴射させる従噴射口とを開設し、前記発生筒体の内部において、前記主噴射口から噴射される気泡液によって主旋回流を作る一方、該主旋回流に対して前記従噴射口から噴射される気泡液によって作られる従旋回流を交錯交流させることにより微細気泡を発生させることを特徴とした気泡微細化器が開示されている。
【0014】
非特許文献1には、旋廻流を利用したマイクロバブル発生器、ベンチュリ型マイクロバブル発生器、オーラジェット式マイクロバブル発生器、キャビテーション型マイクロバブル発生用ノズル、OHRラインミキサーを例示してマイクロバブルの発生状況を比較検討している。
【引用文献】
【0015】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】 特開2007−144421号公報
【特許文献2】 特開2006−116365号公報
【特許文献3】 特開2009−273992号公報
【特許文献4】 特開2009−72664号公報
【特許文献4】 特開2008−006365号公報
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】 マイクロバブルとその性能(芹澤昭示、八尋俊彦)日本混相流学会年会講演会2001(第2回)論文集,2001)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、従来技術の微細気泡発生用のノズルは、ノズル構成が複雑であり、目詰まりした際の清掃が困難であり、なおかつ高価なものであった。
【0019】
また、従来技術の微細気泡発生用のノズルは、気体と液体との混合物をかなり高圧(高い流量)で導入しないと、十分な効果が発生しないという欠点を有していた。
【0020】
したがって、本発明の課題は、簡単な構造で効率よく気体と液体との混合物から気体を微細気泡として分散させることが可能な気液混合ノズルを提供することである。本発明は、さらに通流管に装着してかかる気液混合用ノズルを構成するための気液混合機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の課題は、下記項目により達成される。
(1) 気液混合流体の導入口と排出口を有する流通管と、前記流通管内部に気密・液密に嵌装された気液混合機構とから構成された気液混合用ノズルであって、
前記気液混合機構は、
(A) 前記気導入口からの気液混合流体を導入する内部導入口と、前記導入口から導入した気液混合流体を攪拌混合する攪拌混合手段と、攪拌混合した流体を排出する排出口を有する気液攪拌混合部と、
(B) 前記気液攪拌混合部からの流体の流量を規制する流量調整部と、流量規制した流体の圧力を連続的に変化させる圧力変化部とを有し、気液混合流体中の気体を液体中に微細気泡として分散された気液混合物とする気液混合物調製部と、
から構成されていることを特徴とする気液混合用ノズル。
【0022】
(2) 前記気液攪拌混合部(A)は、内壁面、反射部材または両者により導入した気液混合流体を攪拌混合することを特徴とする1に記載の気液混合用ノズル。
【0023】
(3) 前記流通管の導入口および前記気液攪拌混合部の内部導入口は、前記気液攪拌混合部の中心からずれた位置に配置されていることを特徴とする1または2に記載の液混合用ノズル。
【0024】
(4) 前記流通管の導入口は、前記前記気液攪拌混合部の内部導入口を介して所定の角度で気液混合流体を通流させる構成を有していることを特徴とする1から3のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【0025】
(5) 前記気液混合物調製部(B)は、前記気液攪拌混合部(A)と一体成型された棒状体と前記流通管の内壁面とから構成されていることを特徴とする1から3のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【0026】
(6) 前記流量調整部は、前記棒状体の表面に設けた所定の断面積を有し、長手軸方向に沿って水平に設けられた少なくとも1つの流路より構成されていることを特徴とする5に記載の気液混合用ノズル。
【0027】
(7) 前記圧力変化部は、前記長手軸方向の高さが連続的に変化するように構成されていることを特徴とする5または6に記載の気液混合用ノズル。
【0028】
(8) 前記気液混合機構または前記気液混合物調製部(B)は前記通流管の内壁面に複数設けられていることを特徴とする1から7のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【0029】
(9) 前記気液混合機構は、貫通した内部導入口と、内部に気液混合攪拌部とを有する前記通流管の内径と嵌合される内部に気液混合部を有する嵌合部と、
前記嵌合部と連続して設けられた前記嵌合部の外径より小径の外形を有する流量調整部と、前記流量調製部と連続して設けられた圧力変化部と、
前記嵌合部と流量調整部との内部に亘って設けられた気液混合攪拌部と、
から構成され、
前記流量調整部は、前記気液混合攪拌部で混合攪拌された混合流体を取り込むための少なくとも1つの貫通穴が前記流量調整部の周方向に備えていることを特徴とする1から8のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【0030】
(10) 前記流通管の気液混合流体の導入口の上流側に不純物を除去するための除去手段を有していることを特徴とする1から9のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【0031】
(11) 1から10のいずれか1項に記載の気液混合用ノズルと、前記気液混合用ノズルを液密に挿入する挿入口と、前記気液今用用ノズルで調製された気液混合流体を排出する少なくとも1つの排出口とを有する耐圧性容器と、前記耐圧性タンク内に設けられた整流機構とから構成される気液混合ユニット。
【0032】
(12) 気体発生手段と、前記気体発生手段からの気体と液体とを混合して圧送する圧送手段と、前記圧送手段からの液体混合流体を導入して、液体中に気体が微細気泡として存在する気液混合物を排出する1から11のいずれか1項に記載の気液混合用ノズルと、から構成される気液混合システム。
【0033】
(13) 気体発生手段と、前記気体発生手段からの気体と液体とを混合して圧送する圧送手段と、前記圧送手段からの液体混合流体を導入して、液体中に気体が微細気泡として存在する気液混合物を排出する12に記載の気液混合用ユニットと、から構成される気液混合システム。
【0034】
(14) 前記液体は、プール、水中歩行装置、入浴設備、足湯設備からなる群から選択されることを特徴とする12または13に記載の気液混合システム。
【0035】
(15) 前記気体は、水素、酸素、二酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1つの気体であることを特徴とする14に記載の気液混合システム。
【0036】
(16) 前記気体は、水素、酸素、二酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1つの気体に加えて殺菌用の気体であることを特徴とする15に記載の気液混合システム。
【0037】
(17) 前記気体を異なる気体供給源から切り替えて圧送手段に圧送することを特徴とする15または16に記載の気液混合システム。
【0038】
(18) 前記液体は、燃料用の液体であり、前記気体は助燃用の気体であることを特徴とする12または13に記載の気液混合システム。
【0039】
(19) 前記液体は、水素、酸素、オゾン、低級炭化水素またはこれらの混合物であることを特徴とする18に記載の気液混合システム。
【0040】
(21) 気液混合流体の導入口と排出口を有する流通管に前記流通管内部に気密・液密に嵌装して気液混合をするための気液混合機構であって、
(A) 前記気導入口からの気液混合流体を導入する内部導入口と、前記導入口から導入した気液混合流体を攪拌混合する攪拌混合手段と、攪拌混合した流体を排出する排出口を有する気液攪拌混合部と、
(B) 前記気液攪拌混合部からの流体の流量を規制する流量調整部と、流量規制した流体の圧力を連続的に変化させる圧力変化部とを有する気液混合物調製部と、
から構成されていることを特徴とする気液混合機構。
【発明の効果】
【0041】
本発明の気液混合用のノズルは、通流管と通流管内部に設けられた気液混合機構とから構成されている。この気液混合機構は、気液混合流体攪拌混合部と気液混合物調製部とが一体形成されている。気液混合流体攪拌混合部で攪拌混合された気液混合流体は、気液混合物調製部により流量調整されそして圧力変化により気液混合流体中の気体成分が微細気泡化して液体中に分散した気液混合物とする。このような簡単な構成で高濃度な微細気泡として気体を含有する気液混合物を連続的に安定して調製可能となる。
【0042】
また、このような気液混合用のノズルは、単独であるいは耐圧容器と組み合わせて構成される気液混合ユニットとして、浴槽、温泉施設に代表される入浴設備、足湯ユニットに代表される足湯設備、水中歩行装置、プール等に装着して気体が微細気泡として液体に混合された気液混合物発生システムとして適用可能である。
【0043】
さらに、このような気液混合用のノズルは、単独であるいは耐圧容器と組み合わせて構成される気液混合ユニットとして、重油、軽油、ガソリンに助燃用の気体、例えば、酸素、水素、オゾン、低級炭化水素が微分散した燃料を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】 本発明の第一実施形態にかかる気液混合用ノズルの概略図。
【図2】 本発明の第二実施形態にかかる気液混合用ノズルの概略図。
【図3】 本発明の第三実施形態にかかる気液混合用ノズルの概略図。
【図4】 本発明の第四実施形態にかかる気液混合用ノズルの概略図。
【図5】 本発明の気液混合ノズルの応用例を示す概略図。
【図6】 本発明の第五実施形態にかかる気液混合用ノズルの概略図。
【図7】 本発明の気液混合用ノズルを気液混合タンクに収納した気液混合ユニットの概略図。
【図8】 (a)、(b)は図7に示す気液混合ユニットの第1の適用例を示す概略図。
【図9】 図8に示す適用例における気液混合部分を示す概略図。
【図10】 本発明の気液混合用ノズルの第1の適用例を示す概略図。
【図11】 図7に示す気液混合ユニットの第2の適用例を示す概略図。
【図12】 本発明の気液混合用ノズルの第2の適用例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1から図4は、各々本発明の第一から第四実施形態にかかる気液混合用ノズルの概略図であり、そして図5は、本発明の気液混合ノズルの応用例を示す概略図である。
【0046】
図1から図4に示す通り、本発明の気液混合用ノズルは、気液混合流体の導入口と排出口を有する流通管1と、流通管1内部に気密・液密に嵌装された気液混合機構2とから主として構成されている。
【0047】
通流管1に設けられた導入口11は、図1に示す通り気液混合流体の通流方向に対して垂直方向の位置に配置してもよく、また図3に示す通り気液混合流体の通流に対して水平方向に配置されていてもよい。また、後述する通り旋回流を発生させるために、中心位置からずらして配置してもよくあるいは気液混合流体の通流方向に所定の角度を持たせるように配置してもよい。
【0048】
なお、本明細書で用いる用語「気液混合流体」とは、水等の液体と空気、酸素、オゾン、水素、二酸化炭素等が混ざった流体を言う。また、気液混合物とは、前記液体中に前記気体が微細気泡状で分散して渾然一体となった混合物を言う。さらに、通流管とは、気液混合流体を通流して気液混合物として排出するための導管を意味する。
【0049】
通流管10および気液混合機構20は、当該技術分野において周知の材料、例えば金属またはプラスチックなどの材料から構成されており、図1から図4に示す通り、気液混合機構20は、通流管10に気密、液密に嵌装されている。
【0050】
気液混合機構2は、気液攪拌混合部21と気液混合物調製部22とから主として構成されている。気液攪拌混合部21は、内部導入口21aと、気液混合流体を攪拌混合する攪拌混合手段と、攪拌混合した流体を排出する排出口21bを有している。そして、気液混合物調製部22は、流量調整部22aと、流量規制した流体の圧力を連続的に変化させる圧力変化部22bとから主として構成されている。
【0051】
気液攪拌混合部21は、導入された気液混合流体を均一に攪拌混合するためのものである。そのため、図1に示す実施形態では、導入した気液混合流体を気液攪拌混合部の内壁面による反射流と連続して導入される導入流とにより気液混合流体を攪拌混合する。また、図2に示す実施形態では、流体反射部材22cを用いて連続して導入される気液混合流体の導入流と反射板22cおよび気液攪拌混合部22の内壁面による反射流とにより気液混合流体を攪拌混合している。
【0052】
なお、反射部材21cは、図2に示す通り気液攪拌部21の内壁面に沿って設けることも可能であるが、これに限定されるものではない。例えば、気液混合攪拌部21の内部に所定の形状を有した反射部材を1つ以上設けることによっても同様な効果を奏する。
【0053】
また、図4に示す通り導入口(11、21a)から導入された気液混合流体を受ける受け部21dを設け受け部21dから反射された気液混合流体と連続して導入される気液混合流体とで攪拌混合することも可能である。このような構成は、通流管1の長手軸水平方向に気液混合流体の導入口(11、21a)を設ける場合に好ましい。
【0054】
このようにして攪拌混合された気液混合流体は、連続して下流側の流量調整部22aへと通流される。また、気液混合流体の導入口(11、21a)は、気液攪拌混合部21の中心からずらした位置に配置したり、あるいは所定の角度をもって気液混合流体を導入することにより気液攪拌混合部21内で旋回流が発生する。後者の場合、気液混合流体を導入する配管に所定角度をつけることによって達成される。
【0055】
気液混合物調製部22における流量調整部22aは、気液混合攪拌部21と連続して設けられ、気液混合機構10の長手軸方向通流管排出口12の方向に向かって直線的に設けられた溝から構成されている。なお、流量調製部22aの数は、目的に応じて適宜決定され、少なくとも1つ、好ましくは1つから8つ程度、より好ましくは1から4つ程度である。
【0056】
この溝は、気液混合攪拌部21の断面積よりも小さい断面面積を有している。そして、気液混合攪拌部21で混合攪拌された気液混合流体は、流量調整部22aの長手軸方向に上流側から下流側に直線状に設けられた溝により流れが規制されそして流量混合攪拌部21よりも小さい断面積により高い流圧で上流側から下流側の圧力変化部22bへと流れる。
【0057】
この際の各流量調整部22aの長手軸方向の長さ、断面積は、目的に応じて適宜設定することが可能であり特に限定されるものではない。
【0058】
流量調整部22aの下流側に設けられた圧力変化部22bは流量調整部22で流れが規制され所定の圧力で流れる気液混合流体の圧力を変化させ、この圧力変化により気液混合流体中の気体を微細気泡として排出する作用を有している。
【0059】
そのため気液混合機構20の圧力変化部22bは、例えば所定角度の傾斜を有している。そして、気液混合機構20を通流管10に装着することにより連続的に断面積が変化する空間が形成される。流量調整部22aで流れが規制され所定の圧力で流れる気液混合流体は、この圧力変化部22bに沿って流れる際に、その圧力が連続的に変化するのに伴って気液混合流体中の気体の微細気泡が発生する。そして発生した微細気泡は、気液混合流体中に分散されて微細気泡を高い濃度で含有する気液混合物が排出口12より排出される。
【0060】
この際の圧力変化部22bは、流量調整部22aの数に応じて適宜設計される。すなわち、流量調製部22aが例えば1つである場合には、少なくとも1つの上流側から下流側へ向かって断面積が変化する傾斜を有していればよい。また、流量調製部22aが例えば2つである場合には、少なくとも2つの各々流量調製部22aに対応する上流側から下流側へ向かって断面積が変化する傾斜を有していればよい。さらに、流量調製部22aが例えば複数ある場合には、例えば円錐状の部材を設けることによって対応可能である。
【0061】
この場合、圧力変化部22bの傾斜角度は、本発明の目的・効果を奏する範囲内であれば特に限定されるものではない。本発明者等の実験によると傾斜角度は、15度以上が好ましい。
【0062】
この際に、本発明の気液混合物調製部22は、棒状の材料、例えばプラスチック材料から一体成型して構成することが好ましい。
【0063】
次に、図6に基づいて、本発明の最も好ましい実施形態である第5実施形態に係る気液混合用のノズルを説明する。なお、図6に示す実施形態において、図1〜図5に示す実施形態と同様な部材は同一の符号を附してその詳細な説明を省略する。図6は、第5実施形態に係る気液混合用のノズルの構成を示す図面である。
【0064】
図6に示す通り第5実施形態に係る気液混合用のノズルは、導入口11および排出口12を有する通流管1と、貫通した内部導入口と、内部に気液混合攪拌部とを有する前記通流管の内径と嵌合される内部に気液混合部を有する嵌合部20と、嵌合部20と連続して設けられた嵌合部20の外径より小径の外形を有する流量調整部21aと、流量調製部と連続して設けられた圧力変化部22bと、嵌合部20と流量調整部21aとの内部に亘って設けられた気液混合攪拌部21と、から主として構成されており、流量調整部22aは、前記気液混合攪拌部で混合攪拌された混合流体を取り込むための少なくとも1つの貫通穴が21a、21bが設けられている。なお、嵌合部20は、内部に気液混合攪拌部21を設けるとともに通流管1内部に設けられた気液混合機構を通流管1と液密に導入するための部材である。また、本実施形態においては、勘合部20は、段違い両ニップルにより構成されており、他方の面にはフィルタFが固定されている。このようにフィルタFを本発明のノズルに配置することにより不純物の除去を行うことが可能である。
【0065】
また、所望により流量調整部22aを安定させるために、図示しないボス等の留め具により流量調整部22aと通流管1の内壁とを係合させることができる。
【0066】
このように構成された第5実施形態に係る気液混合用のノズルは、図6に示す通り導入口から導入された気液混合物を嵌合部20から気液混合攪拌部21に通流させる。通流した気液混合物は、流量調整部21b側に設けた壁にぶつかり反射して混合攪拌される。
【0067】
そして、十分に混合攪拌された気液混合物は、排出口21a、22bから流量調整部22aに導入される。
【0068】
排出口21a、22b、22cは、流量調整部22aの周方向に設けられた貫通穴であり、1つであってもよいが、等間隔で複数個設けることが好ましい。このようにして排出口21a、22b、22cから流量調整部22aに導入された気液混合物の流量が調整される。なお、本実施形態の流量調整部22aは、嵌合部20より小径の外径を有する部材と通流管1の内部との隙間により構成されている。
【0069】
本発明者等の実験によると、通流管1の内径は大きければ大きい程、また流量調整部22aの長さは長い程、気体が均一に微細気泡として微分散した気液混合物を調製可能であることが判った。
【0070】
流量調整部22aで流量調整された気液混合物は、次いで圧力変化部22bにより急激な圧力変化させて気体が均一に微細気泡として微分散した気液混合物となり、排出口11から気体が均一に微細気泡として微分散した気液混合物として排出される。なお、図6に示す実施形態において、導入口11は、ノズル(通流管)の長手軸方向に対して水平に配置したが、本発明は導入口11の位置に限定されるものではなく、例えば導入口11をノズル(通流管)の長手軸方向に対して垂直に配置することも可能である。
【0071】
次に、図7に基づいて、本発明の気液混合用のノズルに基づく気液混合ユニットUを説明する。
【0072】
なお、図7に示す気液混合ユニットは、図6に示す気液混合用のノズルを配置した構成としているが、図1〜図4に示すノズルを適用してもよい。
【0073】
図7に示す気液混合ユニットは、本発明の気液混合ユニットで調製された気体が微細気泡として微分散した気液混合物を一時的に保管した後に一定の流量で供給するための気液混合物ユニットであり、気液混合用ノズルNと耐圧性タンクTとから構成されている。耐圧性タンクTは気液混合用ノズルNを液密に挿入する挿入口と、気液混合ノズルで調製された気液混合流体を排出する少なくとも1つの排出口T1と耐圧性タンクT内に設けられた整流機構T2とから構成されている。本実施形態では、整流機構T2一端がノズルに固定され他端がノズル内部に気液混合流体をノズル側に導入するように整流部T21を介して開放された筒状体から構成されている。また、導入口は、耐圧性タンクTの長手軸に対して垂直方向に若干中心をずらして配置されている。
【0074】
このように構成することにより導入口11より導入された気液混合流体は筒状の整流機構に沿って旋回流となり整流部T21に当たった後にノズル内部へと導入される。ノズル内部に導入された気液混合流体は、たとえば図6に示す通りに気体が微細気泡として微分散した気液混合物として排出口12から排出される。
【0075】
このように構成することにより本発明の気液混合用ノズルNで調製した気体が微細気泡として微分散した気液混合流体を容易に取り扱うことが可能となる。例えば、後述する入浴用途などに使用する場合には、2以上の排出口から気体が微細気泡として微分散した気液混合流体をジェット噴射することが可能となる。
【0076】
次に、図8から図10に基づいて本発明の気液混合ユニット(図8)および気液混合用ノズル(図10)を入浴、足湯、プール、水中歩行装置などヒトまたはペット等の身体に気体が微細気泡として微分散した気液混合流体を適用する例を示す。
【0077】
図7に示す実施形態は、浴槽(入浴装置、浴槽、温泉等における露天風呂、足湯、水中歩行装置)に本発明の気液混合ユニットUを適用した例を示す。図7(a)に示すように、ポンプPを介して水槽WT内の水(温水)循環流路内に本発明の気液混合ユニットUを水槽直前に配置する。
【0078】
そして、気体供給源Gからの気体をエゼクタ作用により温水に同伴させ気液混合ユニットU内で気体が微細気泡として微分散した気液混合流体をジェット噴射する。
【0079】
この際に、身体に好影響を及ぼす気体として、所望に応じて水素、酸素、二酸化炭素などを温水と混合することが好ましい。図9に示す通りまた、所望に応じて殺菌作用を有する気体としてオゾンを主体する気液混合流体(殺菌流体)を循環させた後に、所望の気体を循環させることも可能である。例えば、オゾンにより殺菌を施す場合には、図9に示す通り、PSAなどによる酸素濃縮装置により濃縮した酸素をオゾン発生装置によりオゾンとして供給し、その後酸素を供給する場合にはオゾン発生装置をバイパスさせて(あるいはオゾン発生装置の電源をオフにして)供給することも可能である。また、電気分解により水素、酸素を別個にあるいは混合して供給することも可能である。更に、酸素ボンベ、水素ボンベ、二酸化炭素ボンベなどのガス供給源からのガスを供給することも可能である。また、図10に示す通り本発明者等が先に出願し、パル・コーポレーションから発売される水素発生体を封入した気液混合部Mを介して水素と温水との混合物を用いることも本発明の範囲内である。また、図8(a)に示す通り、気液混ユニットUから2つの排出口から気液混合流体を噴射することにより気液混合物をジェット噴射することも可能である。
【0080】
近年、水素水の効能が注目されているが、本発明の気液混合ユニットを用いることで、入浴、足湯、プール、水中歩行装置などに水素が微分散した温水を容易に適用することが可能となる。また、所望に応じて液体の循環流路内にフィルタFを設けることも可能である。図示しないが、本発明の気液混合ユニット内にフィルタFを設けることも本発明の範囲内である。
【0081】
また、図8(b)に示す通りバッファタンクWTにより予め気液混合流体を調製しておき、所望に応じて必要箇所に給水することも可能であり、気液混合ユニットUの代わりに本発明の気液混合ノズルから直接気液混合流体を供給することも本発明の範囲内である。
【0082】
このような本発明の気液混合ユニットまたは気液混合ノズルを備えた入浴設備、足湯、水中歩行装置等は、新規である。したがって本発明は、本発明の気液混合ユニットまたは気液混合ノズルを備えた入浴設備、足湯、水中歩行装置まで拡張される。
【0083】
次に、図11および図12に基づいて、本発明の気液混合ユニット(図11)または気液混合用ノズル(図12)を燃料の改質に使用する例を説明する。
【0084】
図11に示す実施形態は、燃料タンクFT内の燃料を助燃用の気体(例えば、酸素、酸素+オゾン、水素、水素+酸素、炭化水素ガス)などと気液混合して助燃用の気体が微細気泡として微分散した燃料を調製する例を示す。また、図12に示す実施形態は、燃料を助燃用の気体(例えば、酸素、酸素+オゾン、水素、水素+酸素、炭化水素ガス)などと気液混合して助燃用の気体が微細気泡として微分散した燃料をオンサイトで調製する例を示す。これらの機構は、図8〜図10に示す実施形態において使用する液体が温水であるのに対して、図11および図12に示す実施形態では使用する液体が重油、軽油、ガソリンなどの燃料油である点以外は同様であるのでその詳細な説明は省略する。
【0085】
図11および図12に示す実施形態により、燃料の改質を容易に行うことが可能となる。また、図8から図10に示す実施形態と同様に、本発明の気液混合ユニットまたは気液混合ノズルを備えた燃料改質機構は新規である。従って本発明は、本発明の気液混合ユニットまたは気液混合ノズルを備えた燃料改質機構にまで拡張される。
【0086】
以上、説明した通り本発明の気液混合ノズルは、前記導入口からの気液混合流体を導入口からの圧力を利用して連続的に攪拌・混合するための気液混合攪拌部と、前記気液混合攪拌部からの気液混合流体の流量を調整する流量調整部と、前記流量調整部で流量調整された気液混合流体中の気体を微細気泡として液体中に分散させる圧力変化部という簡単な構成で、導入された気液混合物中の気体成分を攪拌・混合し、流量調整した後に所定角度を有する圧力変化部により圧力変化を生じさせて気液混合物中の気体を微細気泡として液体中に均一にかつ高い効率で分散させることが可能である。そのため、高濃度で気体の微細気泡を均一に分散された気液混合物を効率よく排出することが可能である。そのため、例えば水と空気との混合気体を利用して池、海洋等の水域浄化(海水の養殖場・活魚槽・活魚運搬車の暴露気、海水や廃水からのSS・油分の分離、海水や廃水へのオゾン溶解、・SSが少ない廃水処理槽への暴気等)の用途や本発明者等が先に開発した気液混合装置(図4参照)を用いた水素、炭酸ガスを微細気泡として含む気液混合物の製造などの種々の用途の気液混合装置・微細気泡発生装置用のノズルとして好適に用いることが可能である。
【0087】
このように構成された本発明の気液混合用ノズルは、例えば気液混合機構または前記気液混合物調製部を通流管の内壁面に複数設けて構成することが可能である。さらに、気液混合流体の導入口と排出口を有する流通管に前記流通管内部に気密・液密に嵌装して気液混合をするための気液混合機構とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上、説明した通り本発明の気液混合ノズルは、前記導入口からの気液混合流体を導入口からの圧力を利用して連続的に攪拌・混合するための気液混合攪拌部と、前記気液混合攪拌部からの気液混合流体の流量を調整する流量調整部と、前記流量調整部で流量調整された気液混合流体中の気体を微細気泡として液体中に分散させる圧力変化部という簡単な構成で、導入された気液混合物中の気体成分を攪拌・混合し、流量調整した後に所定角度を有する傾斜部により圧力変化を生じさせて気液混合物中の気体を微細気泡として液体中に均一にかつ高い効率で分散させることが可能である。そのため、高濃度で気体の微細気泡を均一に分散された気液混合物を効率よく排出することが可能である。そのため、例えば水と空気との混合気体を利用して池、海洋等の水域浄化(海水の養殖場・活魚槽・活魚運搬車の暴露気、海水や廃水からのSS・油分の分離、海水や廃水へのオゾン溶解、・SSが少ない廃水処理槽への暴気等)の用途や本発明者等が先に開発した気液混合装置(図4参照)を用いた水素、炭酸ガスを微細気泡として含む気液混合物の製造などの種々の用途の気液混合装置・微細気泡発生装置用のノズルとして好適に用いることが可能である。
【0089】
また、また、このような気液混合用のノズルは、単独であるいは耐圧容器と組み合わせて構成される気液混合ユニットとして、浴槽、温泉施設に代表される入浴設備、足湯ユニットに代表される足湯設備、水中歩行装置、プール等に装着して気体が微細気泡として液体に混合された気液混合物発生システムとして適用可能である。
【0090】
さらに、このような気液混合用のノズルは、単独であるいは耐圧容器と組み合わせて構成される気液混合ユニットとして、重油、軽油、ガソリンに助燃用の気体、例えば、酸素、水素、オゾン、低級炭化水素が微分散した燃料を提供することが可能である。
【符号の説明】
【0091】
10 通流管
11 導入口
12 排出口
20 気液混合機構
21 気液混合攪拌部
22 気液混合物調製部
22a 流量調整部
22b 圧力変化部
【技術分野】
【0001】
本発明は、気液混合用のノズルに関する。より詳しく述べると、本発明は、非常に簡単な構成で、なおかつ成型が容易な気液混合ノズルに関する。本発明は、さらに気液混合用のノズルを構成する気液混合機構に関する。さらにまた、本発明は、係る気液混合用のノズルの用途に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロバブル、ナノバブルといわれている微細気泡は、水中に直径50μm以下の気泡が生じている状態をいい、直径10μm程度あるいはそれ以下の微細気泡が1ml当たり水中等に数1000個存在すると牛乳のような白濁した状態となる。
【0003】
このような微細気泡が発生すると下記特性が生じる(非特許文献1)
上昇速度 通常の気泡は、急激に水液中を上昇し最終的に液面で破裂する。しかし、微細気泡は気泡体積が微細であるため、上昇速度が遅く長い間、水液中に滞在し続ける。例えば、直径10μmの気泡は1分間に3mm程度の上昇しかない。
【0004】
自己加圧効果 界面は気相と液相、液相と液相、液相と固相、固相と固相の二相間で形成される。この界面間で界面張力により加圧が生じる。この界面張力はヤングラプラスの式で導かれ、気泡の大きさに反比例して気泡に加わる圧力が高まる。このため、微細気泡は圧力により一層小さくになり、さらに圧力が高まる。理論上、無限の圧力が生じる。また、加圧効果により効果的に気体が水中に溶解する。
【0005】
表面電位特性 微細気泡はコロイドとしての側面があり、負に帯電をしている。このため、微細気泡同士は反発し合う。この性質のため、微細気泡同士の結合がなく、気泡濃度が減ることがない。
【0006】
自己圧壊 微細気泡の自己圧壊作用により、水や窒素などが分解されラジカルが生成される。生成メカニズムに関しては、諸説あり未だ決着が着いていない。
【0007】
このような微細な気泡を含む気泡液を生成するものとして、例えば以下の特許文献1又は2に記載のものがある。
【0008】
特許文献1は、気泡液中の気泡を更に微細化するための気泡微細化器に関するもので、本出願人の提案に係るものである。
この気泡微細化器は、圧力ポンプの吸圧力によって液体に気体を混合して発生させた気泡液を他の気泡微細化器によって微細化した後に、この気泡液中に含まれる気泡を更に微細化するためのものである。
【0009】
この気泡微細化器は、送液方向上流側に複数の液流入孔を穿設した隔壁を形成し、送液方向下流側が開口した外筒体と、この外筒体内に同軸的に配置され、送液方向に沿う所定の範囲にわたり一定の断面積にした太径部と、上流側気泡液路の下流側に、上流側から下流側に向けて次第に断面積が縮小する縮径部とを有する軸体とを備え、外筒体と軸体の間に気泡液路を形成するものとなっている。
【0010】
この気泡微細化器によって気泡液中の気泡を微細化するには、圧力ポンプにより圧送される気泡液を、液流入孔から外筒内に流入させ、前記気泡液路を通過させることになり、このとき、外筒体の隔壁によって気泡液に対する圧力が上昇した状態で、液流入孔から気泡液を外筒体内部に流入させ、その後、送液方向上流側から下流側に向けて次第に間隔が広くなる気泡液路を通過させることによって気泡液に対する圧力が変化するのを利用して、気泡液中の気泡を破壊し、微細化するものとなっている。
【0011】
一方、特許文献2に記載の発明は、微細な気泡を含む気泡液を発生させるものとして旋回流を利用した微細気泡発生装置となっている。
この微細気泡発生装置は、一端が閉口された円筒形の容器の閉口側に気体導入孔を開設し、前記円筒形の内壁円周面の一部にその接線方向に加圧液体導入口を開設するものとなっている。
【0012】
この微細気泡発生装置は、使用時に加圧液体導入口から円筒内に加圧液体を圧送してその内部に旋回流を生成することによって、円筒の中心軸の近傍に負圧部分を形成し、この負圧によって気体導入孔から円筒内に気体を吸い込み、圧力が最も低い中心軸上を気体が通過することによって、細い旋回気体渦を形成するものとなっている。そして、この円筒内で旋回流が加圧液体導入口から開口側へ向かって形成され、この旋回に伴って、液体と気体の比重差から液体には遠心力、気体には向心力が同時に働くことにより、液体部と気体部の分離された状態で、気体が開口側で噴射され、その噴射と同時に周囲の静液によって旋回が急激に弱められることにより、急激な旋回速度差が発生し、この旋回速度差によって旋回気体渦が切断されて、その結果として大量の微細気泡が発生し、開口側から放出される、とされたものである。
【0013】
また、特許文献3には、微細な気泡を効率良く大量に生成することのできる気泡微細化器を提供する目的で、上流側となる一端を閉塞し、下流側となる他端に放出口を設けてなる発生筒体には筒体外部から筒体の壁部を通して内壁周面に、この内壁周面に対して描かれる仮想の接線に並行する仮想線に沿って斜めに気泡液を噴射させる主噴射口と、該主噴射口からの噴射方向に対して発生筒体の軸心に近付くように変位させて気泡液を噴射させる従噴射口とを開設し、前記発生筒体の内部において、前記主噴射口から噴射される気泡液によって主旋回流を作る一方、該主旋回流に対して前記従噴射口から噴射される気泡液によって作られる従旋回流を交錯交流させることにより微細気泡を発生させることを特徴とした気泡微細化器が開示されている。
【0014】
非特許文献1には、旋廻流を利用したマイクロバブル発生器、ベンチュリ型マイクロバブル発生器、オーラジェット式マイクロバブル発生器、キャビテーション型マイクロバブル発生用ノズル、OHRラインミキサーを例示してマイクロバブルの発生状況を比較検討している。
【引用文献】
【0015】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】 特開2007−144421号公報
【特許文献2】 特開2006−116365号公報
【特許文献3】 特開2009−273992号公報
【特許文献4】 特開2009−72664号公報
【特許文献4】 特開2008−006365号公報
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】 マイクロバブルとその性能(芹澤昭示、八尋俊彦)日本混相流学会年会講演会2001(第2回)論文集,2001)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、従来技術の微細気泡発生用のノズルは、ノズル構成が複雑であり、目詰まりした際の清掃が困難であり、なおかつ高価なものであった。
【0019】
また、従来技術の微細気泡発生用のノズルは、気体と液体との混合物をかなり高圧(高い流量)で導入しないと、十分な効果が発生しないという欠点を有していた。
【0020】
したがって、本発明の課題は、簡単な構造で効率よく気体と液体との混合物から気体を微細気泡として分散させることが可能な気液混合ノズルを提供することである。本発明は、さらに通流管に装着してかかる気液混合用ノズルを構成するための気液混合機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の課題は、下記項目により達成される。
(1) 気液混合流体の導入口と排出口を有する流通管と、前記流通管内部に気密・液密に嵌装された気液混合機構とから構成された気液混合用ノズルであって、
前記気液混合機構は、
(A) 前記気導入口からの気液混合流体を導入する内部導入口と、前記導入口から導入した気液混合流体を攪拌混合する攪拌混合手段と、攪拌混合した流体を排出する排出口を有する気液攪拌混合部と、
(B) 前記気液攪拌混合部からの流体の流量を規制する流量調整部と、流量規制した流体の圧力を連続的に変化させる圧力変化部とを有し、気液混合流体中の気体を液体中に微細気泡として分散された気液混合物とする気液混合物調製部と、
から構成されていることを特徴とする気液混合用ノズル。
【0022】
(2) 前記気液攪拌混合部(A)は、内壁面、反射部材または両者により導入した気液混合流体を攪拌混合することを特徴とする1に記載の気液混合用ノズル。
【0023】
(3) 前記流通管の導入口および前記気液攪拌混合部の内部導入口は、前記気液攪拌混合部の中心からずれた位置に配置されていることを特徴とする1または2に記載の液混合用ノズル。
【0024】
(4) 前記流通管の導入口は、前記前記気液攪拌混合部の内部導入口を介して所定の角度で気液混合流体を通流させる構成を有していることを特徴とする1から3のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【0025】
(5) 前記気液混合物調製部(B)は、前記気液攪拌混合部(A)と一体成型された棒状体と前記流通管の内壁面とから構成されていることを特徴とする1から3のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【0026】
(6) 前記流量調整部は、前記棒状体の表面に設けた所定の断面積を有し、長手軸方向に沿って水平に設けられた少なくとも1つの流路より構成されていることを特徴とする5に記載の気液混合用ノズル。
【0027】
(7) 前記圧力変化部は、前記長手軸方向の高さが連続的に変化するように構成されていることを特徴とする5または6に記載の気液混合用ノズル。
【0028】
(8) 前記気液混合機構または前記気液混合物調製部(B)は前記通流管の内壁面に複数設けられていることを特徴とする1から7のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【0029】
(9) 前記気液混合機構は、貫通した内部導入口と、内部に気液混合攪拌部とを有する前記通流管の内径と嵌合される内部に気液混合部を有する嵌合部と、
前記嵌合部と連続して設けられた前記嵌合部の外径より小径の外形を有する流量調整部と、前記流量調製部と連続して設けられた圧力変化部と、
前記嵌合部と流量調整部との内部に亘って設けられた気液混合攪拌部と、
から構成され、
前記流量調整部は、前記気液混合攪拌部で混合攪拌された混合流体を取り込むための少なくとも1つの貫通穴が前記流量調整部の周方向に備えていることを特徴とする1から8のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【0030】
(10) 前記流通管の気液混合流体の導入口の上流側に不純物を除去するための除去手段を有していることを特徴とする1から9のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【0031】
(11) 1から10のいずれか1項に記載の気液混合用ノズルと、前記気液混合用ノズルを液密に挿入する挿入口と、前記気液今用用ノズルで調製された気液混合流体を排出する少なくとも1つの排出口とを有する耐圧性容器と、前記耐圧性タンク内に設けられた整流機構とから構成される気液混合ユニット。
【0032】
(12) 気体発生手段と、前記気体発生手段からの気体と液体とを混合して圧送する圧送手段と、前記圧送手段からの液体混合流体を導入して、液体中に気体が微細気泡として存在する気液混合物を排出する1から11のいずれか1項に記載の気液混合用ノズルと、から構成される気液混合システム。
【0033】
(13) 気体発生手段と、前記気体発生手段からの気体と液体とを混合して圧送する圧送手段と、前記圧送手段からの液体混合流体を導入して、液体中に気体が微細気泡として存在する気液混合物を排出する12に記載の気液混合用ユニットと、から構成される気液混合システム。
【0034】
(14) 前記液体は、プール、水中歩行装置、入浴設備、足湯設備からなる群から選択されることを特徴とする12または13に記載の気液混合システム。
【0035】
(15) 前記気体は、水素、酸素、二酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1つの気体であることを特徴とする14に記載の気液混合システム。
【0036】
(16) 前記気体は、水素、酸素、二酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1つの気体に加えて殺菌用の気体であることを特徴とする15に記載の気液混合システム。
【0037】
(17) 前記気体を異なる気体供給源から切り替えて圧送手段に圧送することを特徴とする15または16に記載の気液混合システム。
【0038】
(18) 前記液体は、燃料用の液体であり、前記気体は助燃用の気体であることを特徴とする12または13に記載の気液混合システム。
【0039】
(19) 前記液体は、水素、酸素、オゾン、低級炭化水素またはこれらの混合物であることを特徴とする18に記載の気液混合システム。
【0040】
(21) 気液混合流体の導入口と排出口を有する流通管に前記流通管内部に気密・液密に嵌装して気液混合をするための気液混合機構であって、
(A) 前記気導入口からの気液混合流体を導入する内部導入口と、前記導入口から導入した気液混合流体を攪拌混合する攪拌混合手段と、攪拌混合した流体を排出する排出口を有する気液攪拌混合部と、
(B) 前記気液攪拌混合部からの流体の流量を規制する流量調整部と、流量規制した流体の圧力を連続的に変化させる圧力変化部とを有する気液混合物調製部と、
から構成されていることを特徴とする気液混合機構。
【発明の効果】
【0041】
本発明の気液混合用のノズルは、通流管と通流管内部に設けられた気液混合機構とから構成されている。この気液混合機構は、気液混合流体攪拌混合部と気液混合物調製部とが一体形成されている。気液混合流体攪拌混合部で攪拌混合された気液混合流体は、気液混合物調製部により流量調整されそして圧力変化により気液混合流体中の気体成分が微細気泡化して液体中に分散した気液混合物とする。このような簡単な構成で高濃度な微細気泡として気体を含有する気液混合物を連続的に安定して調製可能となる。
【0042】
また、このような気液混合用のノズルは、単独であるいは耐圧容器と組み合わせて構成される気液混合ユニットとして、浴槽、温泉施設に代表される入浴設備、足湯ユニットに代表される足湯設備、水中歩行装置、プール等に装着して気体が微細気泡として液体に混合された気液混合物発生システムとして適用可能である。
【0043】
さらに、このような気液混合用のノズルは、単独であるいは耐圧容器と組み合わせて構成される気液混合ユニットとして、重油、軽油、ガソリンに助燃用の気体、例えば、酸素、水素、オゾン、低級炭化水素が微分散した燃料を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】 本発明の第一実施形態にかかる気液混合用ノズルの概略図。
【図2】 本発明の第二実施形態にかかる気液混合用ノズルの概略図。
【図3】 本発明の第三実施形態にかかる気液混合用ノズルの概略図。
【図4】 本発明の第四実施形態にかかる気液混合用ノズルの概略図。
【図5】 本発明の気液混合ノズルの応用例を示す概略図。
【図6】 本発明の第五実施形態にかかる気液混合用ノズルの概略図。
【図7】 本発明の気液混合用ノズルを気液混合タンクに収納した気液混合ユニットの概略図。
【図8】 (a)、(b)は図7に示す気液混合ユニットの第1の適用例を示す概略図。
【図9】 図8に示す適用例における気液混合部分を示す概略図。
【図10】 本発明の気液混合用ノズルの第1の適用例を示す概略図。
【図11】 図7に示す気液混合ユニットの第2の適用例を示す概略図。
【図12】 本発明の気液混合用ノズルの第2の適用例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1から図4は、各々本発明の第一から第四実施形態にかかる気液混合用ノズルの概略図であり、そして図5は、本発明の気液混合ノズルの応用例を示す概略図である。
【0046】
図1から図4に示す通り、本発明の気液混合用ノズルは、気液混合流体の導入口と排出口を有する流通管1と、流通管1内部に気密・液密に嵌装された気液混合機構2とから主として構成されている。
【0047】
通流管1に設けられた導入口11は、図1に示す通り気液混合流体の通流方向に対して垂直方向の位置に配置してもよく、また図3に示す通り気液混合流体の通流に対して水平方向に配置されていてもよい。また、後述する通り旋回流を発生させるために、中心位置からずらして配置してもよくあるいは気液混合流体の通流方向に所定の角度を持たせるように配置してもよい。
【0048】
なお、本明細書で用いる用語「気液混合流体」とは、水等の液体と空気、酸素、オゾン、水素、二酸化炭素等が混ざった流体を言う。また、気液混合物とは、前記液体中に前記気体が微細気泡状で分散して渾然一体となった混合物を言う。さらに、通流管とは、気液混合流体を通流して気液混合物として排出するための導管を意味する。
【0049】
通流管10および気液混合機構20は、当該技術分野において周知の材料、例えば金属またはプラスチックなどの材料から構成されており、図1から図4に示す通り、気液混合機構20は、通流管10に気密、液密に嵌装されている。
【0050】
気液混合機構2は、気液攪拌混合部21と気液混合物調製部22とから主として構成されている。気液攪拌混合部21は、内部導入口21aと、気液混合流体を攪拌混合する攪拌混合手段と、攪拌混合した流体を排出する排出口21bを有している。そして、気液混合物調製部22は、流量調整部22aと、流量規制した流体の圧力を連続的に変化させる圧力変化部22bとから主として構成されている。
【0051】
気液攪拌混合部21は、導入された気液混合流体を均一に攪拌混合するためのものである。そのため、図1に示す実施形態では、導入した気液混合流体を気液攪拌混合部の内壁面による反射流と連続して導入される導入流とにより気液混合流体を攪拌混合する。また、図2に示す実施形態では、流体反射部材22cを用いて連続して導入される気液混合流体の導入流と反射板22cおよび気液攪拌混合部22の内壁面による反射流とにより気液混合流体を攪拌混合している。
【0052】
なお、反射部材21cは、図2に示す通り気液攪拌部21の内壁面に沿って設けることも可能であるが、これに限定されるものではない。例えば、気液混合攪拌部21の内部に所定の形状を有した反射部材を1つ以上設けることによっても同様な効果を奏する。
【0053】
また、図4に示す通り導入口(11、21a)から導入された気液混合流体を受ける受け部21dを設け受け部21dから反射された気液混合流体と連続して導入される気液混合流体とで攪拌混合することも可能である。このような構成は、通流管1の長手軸水平方向に気液混合流体の導入口(11、21a)を設ける場合に好ましい。
【0054】
このようにして攪拌混合された気液混合流体は、連続して下流側の流量調整部22aへと通流される。また、気液混合流体の導入口(11、21a)は、気液攪拌混合部21の中心からずらした位置に配置したり、あるいは所定の角度をもって気液混合流体を導入することにより気液攪拌混合部21内で旋回流が発生する。後者の場合、気液混合流体を導入する配管に所定角度をつけることによって達成される。
【0055】
気液混合物調製部22における流量調整部22aは、気液混合攪拌部21と連続して設けられ、気液混合機構10の長手軸方向通流管排出口12の方向に向かって直線的に設けられた溝から構成されている。なお、流量調製部22aの数は、目的に応じて適宜決定され、少なくとも1つ、好ましくは1つから8つ程度、より好ましくは1から4つ程度である。
【0056】
この溝は、気液混合攪拌部21の断面積よりも小さい断面面積を有している。そして、気液混合攪拌部21で混合攪拌された気液混合流体は、流量調整部22aの長手軸方向に上流側から下流側に直線状に設けられた溝により流れが規制されそして流量混合攪拌部21よりも小さい断面積により高い流圧で上流側から下流側の圧力変化部22bへと流れる。
【0057】
この際の各流量調整部22aの長手軸方向の長さ、断面積は、目的に応じて適宜設定することが可能であり特に限定されるものではない。
【0058】
流量調整部22aの下流側に設けられた圧力変化部22bは流量調整部22で流れが規制され所定の圧力で流れる気液混合流体の圧力を変化させ、この圧力変化により気液混合流体中の気体を微細気泡として排出する作用を有している。
【0059】
そのため気液混合機構20の圧力変化部22bは、例えば所定角度の傾斜を有している。そして、気液混合機構20を通流管10に装着することにより連続的に断面積が変化する空間が形成される。流量調整部22aで流れが規制され所定の圧力で流れる気液混合流体は、この圧力変化部22bに沿って流れる際に、その圧力が連続的に変化するのに伴って気液混合流体中の気体の微細気泡が発生する。そして発生した微細気泡は、気液混合流体中に分散されて微細気泡を高い濃度で含有する気液混合物が排出口12より排出される。
【0060】
この際の圧力変化部22bは、流量調整部22aの数に応じて適宜設計される。すなわち、流量調製部22aが例えば1つである場合には、少なくとも1つの上流側から下流側へ向かって断面積が変化する傾斜を有していればよい。また、流量調製部22aが例えば2つである場合には、少なくとも2つの各々流量調製部22aに対応する上流側から下流側へ向かって断面積が変化する傾斜を有していればよい。さらに、流量調製部22aが例えば複数ある場合には、例えば円錐状の部材を設けることによって対応可能である。
【0061】
この場合、圧力変化部22bの傾斜角度は、本発明の目的・効果を奏する範囲内であれば特に限定されるものではない。本発明者等の実験によると傾斜角度は、15度以上が好ましい。
【0062】
この際に、本発明の気液混合物調製部22は、棒状の材料、例えばプラスチック材料から一体成型して構成することが好ましい。
【0063】
次に、図6に基づいて、本発明の最も好ましい実施形態である第5実施形態に係る気液混合用のノズルを説明する。なお、図6に示す実施形態において、図1〜図5に示す実施形態と同様な部材は同一の符号を附してその詳細な説明を省略する。図6は、第5実施形態に係る気液混合用のノズルの構成を示す図面である。
【0064】
図6に示す通り第5実施形態に係る気液混合用のノズルは、導入口11および排出口12を有する通流管1と、貫通した内部導入口と、内部に気液混合攪拌部とを有する前記通流管の内径と嵌合される内部に気液混合部を有する嵌合部20と、嵌合部20と連続して設けられた嵌合部20の外径より小径の外形を有する流量調整部21aと、流量調製部と連続して設けられた圧力変化部22bと、嵌合部20と流量調整部21aとの内部に亘って設けられた気液混合攪拌部21と、から主として構成されており、流量調整部22aは、前記気液混合攪拌部で混合攪拌された混合流体を取り込むための少なくとも1つの貫通穴が21a、21bが設けられている。なお、嵌合部20は、内部に気液混合攪拌部21を設けるとともに通流管1内部に設けられた気液混合機構を通流管1と液密に導入するための部材である。また、本実施形態においては、勘合部20は、段違い両ニップルにより構成されており、他方の面にはフィルタFが固定されている。このようにフィルタFを本発明のノズルに配置することにより不純物の除去を行うことが可能である。
【0065】
また、所望により流量調整部22aを安定させるために、図示しないボス等の留め具により流量調整部22aと通流管1の内壁とを係合させることができる。
【0066】
このように構成された第5実施形態に係る気液混合用のノズルは、図6に示す通り導入口から導入された気液混合物を嵌合部20から気液混合攪拌部21に通流させる。通流した気液混合物は、流量調整部21b側に設けた壁にぶつかり反射して混合攪拌される。
【0067】
そして、十分に混合攪拌された気液混合物は、排出口21a、22bから流量調整部22aに導入される。
【0068】
排出口21a、22b、22cは、流量調整部22aの周方向に設けられた貫通穴であり、1つであってもよいが、等間隔で複数個設けることが好ましい。このようにして排出口21a、22b、22cから流量調整部22aに導入された気液混合物の流量が調整される。なお、本実施形態の流量調整部22aは、嵌合部20より小径の外径を有する部材と通流管1の内部との隙間により構成されている。
【0069】
本発明者等の実験によると、通流管1の内径は大きければ大きい程、また流量調整部22aの長さは長い程、気体が均一に微細気泡として微分散した気液混合物を調製可能であることが判った。
【0070】
流量調整部22aで流量調整された気液混合物は、次いで圧力変化部22bにより急激な圧力変化させて気体が均一に微細気泡として微分散した気液混合物となり、排出口11から気体が均一に微細気泡として微分散した気液混合物として排出される。なお、図6に示す実施形態において、導入口11は、ノズル(通流管)の長手軸方向に対して水平に配置したが、本発明は導入口11の位置に限定されるものではなく、例えば導入口11をノズル(通流管)の長手軸方向に対して垂直に配置することも可能である。
【0071】
次に、図7に基づいて、本発明の気液混合用のノズルに基づく気液混合ユニットUを説明する。
【0072】
なお、図7に示す気液混合ユニットは、図6に示す気液混合用のノズルを配置した構成としているが、図1〜図4に示すノズルを適用してもよい。
【0073】
図7に示す気液混合ユニットは、本発明の気液混合ユニットで調製された気体が微細気泡として微分散した気液混合物を一時的に保管した後に一定の流量で供給するための気液混合物ユニットであり、気液混合用ノズルNと耐圧性タンクTとから構成されている。耐圧性タンクTは気液混合用ノズルNを液密に挿入する挿入口と、気液混合ノズルで調製された気液混合流体を排出する少なくとも1つの排出口T1と耐圧性タンクT内に設けられた整流機構T2とから構成されている。本実施形態では、整流機構T2一端がノズルに固定され他端がノズル内部に気液混合流体をノズル側に導入するように整流部T21を介して開放された筒状体から構成されている。また、導入口は、耐圧性タンクTの長手軸に対して垂直方向に若干中心をずらして配置されている。
【0074】
このように構成することにより導入口11より導入された気液混合流体は筒状の整流機構に沿って旋回流となり整流部T21に当たった後にノズル内部へと導入される。ノズル内部に導入された気液混合流体は、たとえば図6に示す通りに気体が微細気泡として微分散した気液混合物として排出口12から排出される。
【0075】
このように構成することにより本発明の気液混合用ノズルNで調製した気体が微細気泡として微分散した気液混合流体を容易に取り扱うことが可能となる。例えば、後述する入浴用途などに使用する場合には、2以上の排出口から気体が微細気泡として微分散した気液混合流体をジェット噴射することが可能となる。
【0076】
次に、図8から図10に基づいて本発明の気液混合ユニット(図8)および気液混合用ノズル(図10)を入浴、足湯、プール、水中歩行装置などヒトまたはペット等の身体に気体が微細気泡として微分散した気液混合流体を適用する例を示す。
【0077】
図7に示す実施形態は、浴槽(入浴装置、浴槽、温泉等における露天風呂、足湯、水中歩行装置)に本発明の気液混合ユニットUを適用した例を示す。図7(a)に示すように、ポンプPを介して水槽WT内の水(温水)循環流路内に本発明の気液混合ユニットUを水槽直前に配置する。
【0078】
そして、気体供給源Gからの気体をエゼクタ作用により温水に同伴させ気液混合ユニットU内で気体が微細気泡として微分散した気液混合流体をジェット噴射する。
【0079】
この際に、身体に好影響を及ぼす気体として、所望に応じて水素、酸素、二酸化炭素などを温水と混合することが好ましい。図9に示す通りまた、所望に応じて殺菌作用を有する気体としてオゾンを主体する気液混合流体(殺菌流体)を循環させた後に、所望の気体を循環させることも可能である。例えば、オゾンにより殺菌を施す場合には、図9に示す通り、PSAなどによる酸素濃縮装置により濃縮した酸素をオゾン発生装置によりオゾンとして供給し、その後酸素を供給する場合にはオゾン発生装置をバイパスさせて(あるいはオゾン発生装置の電源をオフにして)供給することも可能である。また、電気分解により水素、酸素を別個にあるいは混合して供給することも可能である。更に、酸素ボンベ、水素ボンベ、二酸化炭素ボンベなどのガス供給源からのガスを供給することも可能である。また、図10に示す通り本発明者等が先に出願し、パル・コーポレーションから発売される水素発生体を封入した気液混合部Mを介して水素と温水との混合物を用いることも本発明の範囲内である。また、図8(a)に示す通り、気液混ユニットUから2つの排出口から気液混合流体を噴射することにより気液混合物をジェット噴射することも可能である。
【0080】
近年、水素水の効能が注目されているが、本発明の気液混合ユニットを用いることで、入浴、足湯、プール、水中歩行装置などに水素が微分散した温水を容易に適用することが可能となる。また、所望に応じて液体の循環流路内にフィルタFを設けることも可能である。図示しないが、本発明の気液混合ユニット内にフィルタFを設けることも本発明の範囲内である。
【0081】
また、図8(b)に示す通りバッファタンクWTにより予め気液混合流体を調製しておき、所望に応じて必要箇所に給水することも可能であり、気液混合ユニットUの代わりに本発明の気液混合ノズルから直接気液混合流体を供給することも本発明の範囲内である。
【0082】
このような本発明の気液混合ユニットまたは気液混合ノズルを備えた入浴設備、足湯、水中歩行装置等は、新規である。したがって本発明は、本発明の気液混合ユニットまたは気液混合ノズルを備えた入浴設備、足湯、水中歩行装置まで拡張される。
【0083】
次に、図11および図12に基づいて、本発明の気液混合ユニット(図11)または気液混合用ノズル(図12)を燃料の改質に使用する例を説明する。
【0084】
図11に示す実施形態は、燃料タンクFT内の燃料を助燃用の気体(例えば、酸素、酸素+オゾン、水素、水素+酸素、炭化水素ガス)などと気液混合して助燃用の気体が微細気泡として微分散した燃料を調製する例を示す。また、図12に示す実施形態は、燃料を助燃用の気体(例えば、酸素、酸素+オゾン、水素、水素+酸素、炭化水素ガス)などと気液混合して助燃用の気体が微細気泡として微分散した燃料をオンサイトで調製する例を示す。これらの機構は、図8〜図10に示す実施形態において使用する液体が温水であるのに対して、図11および図12に示す実施形態では使用する液体が重油、軽油、ガソリンなどの燃料油である点以外は同様であるのでその詳細な説明は省略する。
【0085】
図11および図12に示す実施形態により、燃料の改質を容易に行うことが可能となる。また、図8から図10に示す実施形態と同様に、本発明の気液混合ユニットまたは気液混合ノズルを備えた燃料改質機構は新規である。従って本発明は、本発明の気液混合ユニットまたは気液混合ノズルを備えた燃料改質機構にまで拡張される。
【0086】
以上、説明した通り本発明の気液混合ノズルは、前記導入口からの気液混合流体を導入口からの圧力を利用して連続的に攪拌・混合するための気液混合攪拌部と、前記気液混合攪拌部からの気液混合流体の流量を調整する流量調整部と、前記流量調整部で流量調整された気液混合流体中の気体を微細気泡として液体中に分散させる圧力変化部という簡単な構成で、導入された気液混合物中の気体成分を攪拌・混合し、流量調整した後に所定角度を有する圧力変化部により圧力変化を生じさせて気液混合物中の気体を微細気泡として液体中に均一にかつ高い効率で分散させることが可能である。そのため、高濃度で気体の微細気泡を均一に分散された気液混合物を効率よく排出することが可能である。そのため、例えば水と空気との混合気体を利用して池、海洋等の水域浄化(海水の養殖場・活魚槽・活魚運搬車の暴露気、海水や廃水からのSS・油分の分離、海水や廃水へのオゾン溶解、・SSが少ない廃水処理槽への暴気等)の用途や本発明者等が先に開発した気液混合装置(図4参照)を用いた水素、炭酸ガスを微細気泡として含む気液混合物の製造などの種々の用途の気液混合装置・微細気泡発生装置用のノズルとして好適に用いることが可能である。
【0087】
このように構成された本発明の気液混合用ノズルは、例えば気液混合機構または前記気液混合物調製部を通流管の内壁面に複数設けて構成することが可能である。さらに、気液混合流体の導入口と排出口を有する流通管に前記流通管内部に気密・液密に嵌装して気液混合をするための気液混合機構とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上、説明した通り本発明の気液混合ノズルは、前記導入口からの気液混合流体を導入口からの圧力を利用して連続的に攪拌・混合するための気液混合攪拌部と、前記気液混合攪拌部からの気液混合流体の流量を調整する流量調整部と、前記流量調整部で流量調整された気液混合流体中の気体を微細気泡として液体中に分散させる圧力変化部という簡単な構成で、導入された気液混合物中の気体成分を攪拌・混合し、流量調整した後に所定角度を有する傾斜部により圧力変化を生じさせて気液混合物中の気体を微細気泡として液体中に均一にかつ高い効率で分散させることが可能である。そのため、高濃度で気体の微細気泡を均一に分散された気液混合物を効率よく排出することが可能である。そのため、例えば水と空気との混合気体を利用して池、海洋等の水域浄化(海水の養殖場・活魚槽・活魚運搬車の暴露気、海水や廃水からのSS・油分の分離、海水や廃水へのオゾン溶解、・SSが少ない廃水処理槽への暴気等)の用途や本発明者等が先に開発した気液混合装置(図4参照)を用いた水素、炭酸ガスを微細気泡として含む気液混合物の製造などの種々の用途の気液混合装置・微細気泡発生装置用のノズルとして好適に用いることが可能である。
【0089】
また、また、このような気液混合用のノズルは、単独であるいは耐圧容器と組み合わせて構成される気液混合ユニットとして、浴槽、温泉施設に代表される入浴設備、足湯ユニットに代表される足湯設備、水中歩行装置、プール等に装着して気体が微細気泡として液体に混合された気液混合物発生システムとして適用可能である。
【0090】
さらに、このような気液混合用のノズルは、単独であるいは耐圧容器と組み合わせて構成される気液混合ユニットとして、重油、軽油、ガソリンに助燃用の気体、例えば、酸素、水素、オゾン、低級炭化水素が微分散した燃料を提供することが可能である。
【符号の説明】
【0091】
10 通流管
11 導入口
12 排出口
20 気液混合機構
21 気液混合攪拌部
22 気液混合物調製部
22a 流量調整部
22b 圧力変化部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気液混合流体の導入口と排出口を有する流通管と、前記流通管内部に気密・液密に嵌装された気液混合機構とから構成された気液混合用ノズルであって、
前記気液混合機構は、
(A) 前記気導入口からの気液混合流体を導入する内部導入口と、前記導入口から導入した気液混合流体を攪拌混合する攪拌混合手段と、攪拌混合した流体を排出する排出口を有する気液攪拌混合部と、
(B) 前記気液攪拌混合部からの流体の流量を規制する流量調整部と、流量規制した流体の圧力を連続的に変化させる圧力変化部とを有し、気液混合流体中の気体を液体中に微細気泡として分散された気液混合物とする気液混合物調製部と、
から構成されていることを特徴とする気液混合用ノズル。
【請求項2】
前記気液攪拌混合部(A)は、内壁面、反射部材または両者により導入した気液混合流体を攪拌混合することを特徴とする請求項1に記載の気液混合用ノズル。
【請求項3】
前記流通管の導入口および前記気液攪拌混合部の内部導入口は、前記気液攪拌混合部の中心からずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液混合用ノズル。
【請求項4】
前記流通管の導入口は、前記前記気液攪拌混合部の内部導入口を介して所定の角度で気液混合流体を通流させる構成を有していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【請求項5】
前記気液混合物調製部(B)は、前記気液攪拌混合部(A)と一体成型された棒状体と前記流通管の内壁面とから構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【請求項6】
前記流量調整部は、前記棒状体の表面に設けた所定の断面積を有し、長手軸方向に沿って水平に設けられた少なくとも1つの流路より構成されていることを特徴とする請求項5に記載の気液混合用ノズル。
【請求項7】
前記圧力変化部は、前記長手軸方向の高さが連続的に変化するように構成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の気液混合用ノズル。
【請求項8】
前記気液混合機構または前記気液混合物調製部(B)は前記通流管の内壁面に複数設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【請求項9】
前記気液混合機構は、貫通した内部導入口と、内部に気液混合攪拌部とを有する前記通流管の内径と嵌合される内部に気液混合部を有する嵌合部と、
前記嵌合部と連続して設けられた前記嵌合部の外径より小径の外形を有する流量調整部と、前記流量調製部と連続して設けられた圧力変化部と、
前記嵌合部と流量調整部との内部に亘って設けられた気液混合攪拌部と、
から構成され、
前記流量調整部は、前記気液混合攪拌部で混合攪拌された混合流体を取り込むための少なくとも1つの貫通穴が前記流量調整部の周方向に備えていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【請求項10】
前記流通管の気液混合流体の導入口の上流側に不純物を除去するための除去手段を有していることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の気液混合用ノズルと、前記気液混合用ノズルを液密に挿入する挿入口と、前記気液今用用ノズルで調製された気液混合流体を排出する少なくとも1つの排出口とを有する耐圧性容器と、前記耐圧性タンク内に設けられた整流機構とから構成される気液混合ユニット。
【請求項12】
気体発生手段と、
前記気体発生手段からの気体と液体とを混合して圧送する圧送手段と、
前記圧送手段からの液体混合流体を導入して、液体中に気体が微細気泡として存在する気液混合物を排出する請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の気液混合用ノズルと、から構成される気液混合システム。
【請求項13】
気体発生手段と、
前記気体発生手段からの気体と液体とを混合して圧送する圧送手段と、
前記圧送手段からの液体混合流体を導入して、液体中に気体が微細気泡として存在する気液混合物を排出する請求項12に記載の気液混合用ユニットと、から構成される気液混合システム。
【請求項14】
前記液体は、プール、水中歩行装置、入浴設備、足湯設備からなる群から選択されることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の気液混合システム。
【請求項15】
前記気体は、水素、酸素、二酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1つの気体であることを特徴とする請求項14に記載の気液混合システム。
【請求項16】
前記気体は、水素、酸素、二酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1つの気体に加えて殺菌用の気体であることを特徴とする請求項16に記載の気液混合システム。
【請求項17】
前記気体を異なる気体供給源から切り替えて圧送手段に圧送することを特徴とする請求項15または請求項16に記載の気液混合システム。
【請求項18】
前記液体は、燃料用の液体であり、前記気体は助燃用気体であることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の気液混合システム。
【請求項19】
前記液体は、水素、酸素、オゾン、低級炭化水素またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項18に記載の気液混合システム。
【請求項20】
気液混合流体の導入口と排出口を有する流通管に前記流通管内部に気密・液密に嵌装して気液混合をするための気液混合機構であって、
(A) 前記気導入口からの気液混合流体を導入する内部導入口と、前記導入口から導入した気液混合流体を攪拌混合する攪拌混合手段と、攪拌混合した流体を排出する排出口を有する気液攪拌混合部と、
(B) 前記気液攪拌混合部からの流体の流量を規制する流量調整部と、流量規制した流体の圧力を連続的に変化させる圧力変化部とを有する気液混合物調製部と、
から構成されていることを特徴とする気液混合機構。
【請求項1】
気液混合流体の導入口と排出口を有する流通管と、前記流通管内部に気密・液密に嵌装された気液混合機構とから構成された気液混合用ノズルであって、
前記気液混合機構は、
(A) 前記気導入口からの気液混合流体を導入する内部導入口と、前記導入口から導入した気液混合流体を攪拌混合する攪拌混合手段と、攪拌混合した流体を排出する排出口を有する気液攪拌混合部と、
(B) 前記気液攪拌混合部からの流体の流量を規制する流量調整部と、流量規制した流体の圧力を連続的に変化させる圧力変化部とを有し、気液混合流体中の気体を液体中に微細気泡として分散された気液混合物とする気液混合物調製部と、
から構成されていることを特徴とする気液混合用ノズル。
【請求項2】
前記気液攪拌混合部(A)は、内壁面、反射部材または両者により導入した気液混合流体を攪拌混合することを特徴とする請求項1に記載の気液混合用ノズル。
【請求項3】
前記流通管の導入口および前記気液攪拌混合部の内部導入口は、前記気液攪拌混合部の中心からずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液混合用ノズル。
【請求項4】
前記流通管の導入口は、前記前記気液攪拌混合部の内部導入口を介して所定の角度で気液混合流体を通流させる構成を有していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【請求項5】
前記気液混合物調製部(B)は、前記気液攪拌混合部(A)と一体成型された棒状体と前記流通管の内壁面とから構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【請求項6】
前記流量調整部は、前記棒状体の表面に設けた所定の断面積を有し、長手軸方向に沿って水平に設けられた少なくとも1つの流路より構成されていることを特徴とする請求項5に記載の気液混合用ノズル。
【請求項7】
前記圧力変化部は、前記長手軸方向の高さが連続的に変化するように構成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の気液混合用ノズル。
【請求項8】
前記気液混合機構または前記気液混合物調製部(B)は前記通流管の内壁面に複数設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【請求項9】
前記気液混合機構は、貫通した内部導入口と、内部に気液混合攪拌部とを有する前記通流管の内径と嵌合される内部に気液混合部を有する嵌合部と、
前記嵌合部と連続して設けられた前記嵌合部の外径より小径の外形を有する流量調整部と、前記流量調製部と連続して設けられた圧力変化部と、
前記嵌合部と流量調整部との内部に亘って設けられた気液混合攪拌部と、
から構成され、
前記流量調整部は、前記気液混合攪拌部で混合攪拌された混合流体を取り込むための少なくとも1つの貫通穴が前記流量調整部の周方向に備えていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【請求項10】
前記流通管の気液混合流体の導入口の上流側に不純物を除去するための除去手段を有していることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の気液混合用ノズル。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の気液混合用ノズルと、前記気液混合用ノズルを液密に挿入する挿入口と、前記気液今用用ノズルで調製された気液混合流体を排出する少なくとも1つの排出口とを有する耐圧性容器と、前記耐圧性タンク内に設けられた整流機構とから構成される気液混合ユニット。
【請求項12】
気体発生手段と、
前記気体発生手段からの気体と液体とを混合して圧送する圧送手段と、
前記圧送手段からの液体混合流体を導入して、液体中に気体が微細気泡として存在する気液混合物を排出する請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の気液混合用ノズルと、から構成される気液混合システム。
【請求項13】
気体発生手段と、
前記気体発生手段からの気体と液体とを混合して圧送する圧送手段と、
前記圧送手段からの液体混合流体を導入して、液体中に気体が微細気泡として存在する気液混合物を排出する請求項12に記載の気液混合用ユニットと、から構成される気液混合システム。
【請求項14】
前記液体は、プール、水中歩行装置、入浴設備、足湯設備からなる群から選択されることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の気液混合システム。
【請求項15】
前記気体は、水素、酸素、二酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1つの気体であることを特徴とする請求項14に記載の気液混合システム。
【請求項16】
前記気体は、水素、酸素、二酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1つの気体に加えて殺菌用の気体であることを特徴とする請求項16に記載の気液混合システム。
【請求項17】
前記気体を異なる気体供給源から切り替えて圧送手段に圧送することを特徴とする請求項15または請求項16に記載の気液混合システム。
【請求項18】
前記液体は、燃料用の液体であり、前記気体は助燃用気体であることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の気液混合システム。
【請求項19】
前記液体は、水素、酸素、オゾン、低級炭化水素またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項18に記載の気液混合システム。
【請求項20】
気液混合流体の導入口と排出口を有する流通管に前記流通管内部に気密・液密に嵌装して気液混合をするための気液混合機構であって、
(A) 前記気導入口からの気液混合流体を導入する内部導入口と、前記導入口から導入した気液混合流体を攪拌混合する攪拌混合手段と、攪拌混合した流体を排出する排出口を有する気液攪拌混合部と、
(B) 前記気液攪拌混合部からの流体の流量を規制する流量調整部と、流量規制した流体の圧力を連続的に変化させる圧力変化部とを有する気液混合物調製部と、
から構成されていることを特徴とする気液混合機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−218343(P2011−218343A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−165340(P2010−165340)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(306016523)株式会社菊池エコアース (11)
【出願人】(506127975)株式会社石原製作所 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(306016523)株式会社菊池エコアース (11)
【出願人】(506127975)株式会社石原製作所 (4)
【Fターム(参考)】
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