説明

気道に沿って組織構造を拘束および/または支持する装置、システム、および方法

装置、システム、および方法は、気道に沿って組織構造を拘束および/または支持する。本発明の一側面は、所望の配向で下顎および/または頭部を機械的に支持する、装置、システム、および方法を提供する。装置、システム、および方法は、頭部の移動を拘束して、舌および口腔底の中、上、または付近の組織構造の気道の中への陥没に積極的に抵抗し、それにより、睡眠時無呼吸の発生を加減または予防する。本発明の別の側面は、咽頭気道自体の壁に沿って、頸部の中、上、あるいは付近の組織構造を外部から補強する、装置、システム、および方法を提供する。装置、システム、および方法は、咽頭気道を避けた所望の配向で、頸部の中、上、または付近のこれらの組織構造を機械的に支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、米国仮特許出願第61/201,256号(名称「Apparatus,Systems,and Methods for Constraining and/or Supporting Tissue Structures Along An Airway」、2008年12月9日出願)の利益を主張し、この出願の開示は、その全体が本明細書に参考として援用される。
【0002】
本願は、また、米国仮特許出願第61/276,222号(名称「Apparatus,Systems,and Methods for Constraining and/or Supporting Tissue Structures Along An Airway」、2009年9月9日出願)の利益を主張し、この出願の開示は、その全体が本明細書に参考として援用される。
【背景技術】
【0003】
「apnea(無呼吸)」というギリシャ語は、文字通りに「呼吸がないこと」を意味する。未治療の睡眠時無呼吸がある人々は、時には夜間に数百回、しばしば1分以上、睡眠中に繰り返し呼吸が止まる。
【0004】
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、睡眠呼吸障害の最も一般的な分類である。通常、身体の筋緊張が睡眠中に弛緩する。喉の高さで、人間の気道は、睡眠中に呼吸を妨げ得る軟組織の陥没性壁から成る。上部呼吸器感染中に多くの人々が体験する、軽度で時折の睡眠時無呼吸は、重要ではない場合があるが、慢性で重度の閉塞性睡眠時無呼吸は、睡眠不足および他の合併症を予防するために治療を必要とする。
【0005】
(例えば、肥満により)気道の周囲の低い筋緊張および軟組織、ならびに狭窄した気道を生じさせる構造的特徴がある個人は、閉塞性睡眠時無呼吸になる危険性が高い。高齢者は、若年者よりもOSAを有する可能性が高い。男性は、典型的に、女性および子供よりも睡眠時無呼吸患者が多いが、2つの後者も珍しくない。
【0006】
一般的な症状は、大きないびき、落ち着きのない睡眠、および日中の眠気を含む。診断検査は、家庭での酸素測定法および睡眠専門クリニックでの睡眠ポリグラフ計を含む。
【0007】
睡眠時無呼吸は、非常によく見られ、成人糖尿病と同程度に一般的であり、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)によれば、1200万人以上の米国人に影響を及ぼしている。未治療の睡眠時無呼吸は、高血圧および他の心臓血管疾患、記憶障害、体重増加、性的不能、および頭痛を引き起こし得る。また、未治療の睡眠時無呼吸は、仕事の機能障害および自動車事故に関与する場合がある。
【0008】
いくつかの治療は、アルコールまたは筋肉弛緩剤の回避、減量、および禁煙等の、生活様式の変化を伴う。多くの人々が、リクライニング台に載っているかのように、上半身を30度以上高くして眠ることにより便益を受けている。そうすることにより、気道の重力陥没を予防するのに役立つ。主に、重力成分が側臥位でより小さいため、仰臥位(仰向けに眠る)とは対照的に、側臥位(横向きに眠る)も睡眠時無呼吸の治療として推奨されている。睡眠中に気道を開いておくための種々の種類の口腔装置により便益を受けている人もいる。組織を除去し、引き締め、気道を開く外科的手技もあるが、これらは非常に煩わしくなる傾向がある。持続的気道陽圧法(CPAP)等の「人工呼吸器」も役立つ場合がある。
【0009】
CPAP機は、ホースを介して、鼻ピロー、鼻マスク、またはフルフェースマスクへと圧縮空気流を送達し、閉塞していない呼吸が可能となり、無呼吸および呼吸停止を軽減および/または予防するように、気道を支える(空気圧下で気道を開いておく)。これには、睡眠時無呼吸に付随することもある、極めて大きないびきを低減または排除するという付加的な便益がある。CPAPの候補になる見込みがある人は、機械への鼻マスクおよびホースが不快かつ不格好に見え、一部の患者に必要とされる気流が活発となり得るため、しばしば、この治療法を使用するのに気がすすまない。鼻詰まりを起こす患者がいる一方で、鼻炎または鼻水を体験し得る患者もいる。CPAPの使用に付随し得る他の症状は、過剰な量の空気を飲む込むことによって引き起こされる鼓腸、CPAPマスクの装着による皮膚のかぶれ、上部気道感染、目の充血および流涙、窒息および/または閉所恐怖症の不安および感覚、および移動中にCPAP機器を運び歩く必要性を含む。コンプライアンスは、自己鍛錬および強固な意志を必要とする。数週間以内に治療に適応する患者もいれば、より長期間にわたって奮闘する患者もおり、多くが完全に治療をやめる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、気道に沿って組織構造を拘束および/または支持するための装置、システム、および方法を提供する。
【0011】
本発明の一側面は、所望の配向で下顎および/または頭部を機械的に支持する、装置、システム、および方法を提供する。装置、システム、および方法は、頭部の移動を拘束して、舌および口腔底の中、上、または付近の組織構造の気道の中への陥没に積極的に抵抗し、それにより、睡眠時無呼吸の発生を加減または予防する。
【0012】
本発明の別の側面は、咽頭気道自体の壁に沿って、頸部の中、上、あるいは付近の組織構造を外部から補強する、装置、システム、および方法を提供する。装置、システム、および方法は、咽頭気道を避けた所望の配向で、頸部の中、上、または付近のこれらの組織構造を機械的に支持する。装置、システム、および方法が提供する機械的支持は、咽頭気道に向かった、および咽頭気道の中への、頸部の中、上、または付近の組織構造の陥没に積極的に抵抗し、それにより、睡眠時無呼吸の発生を加減または予防する。
【0013】
本発明の別の側面は、下顎の前部と舌骨との間の口腔底の中の組織領域の中、上、または付近に少なくとも1つの足場を設置する、装置、システム、および方法を提供する。足場は、口腔底において所望の配向に組織構造を機械的に支持して、所望の配向から外れた気道の中への組織構造の移動に積極的に抵抗し、それにより、睡眠時無呼吸の発生を加減または予防する。
【0014】
本発明のあらゆる側面では、装置、システム、および方法は、CPAPのような外部陽圧換気技法を使用することなく、有益な治療効果を達成し、睡眠時無呼吸の発生を加減または予防する。それにより、装置、システム、および方法は、CPAPマスクの不快感、ならびに、鼻および口の中の乾燥等の、CPAPが引き起こし得る症状を回避する。
【0015】
依然として、所望であれば、装置、システム、および方法は、CPAPのような外部陽圧換気技法と組み合わせて使用することができる。また、所望であれば、装置、システム、および方法は、感知した睡眠姿勢または睡眠音構造に従って組織構造の配向を補正する、全体的な治療システムに組み込むこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1−1】図1Aは、口を閉じた成人の口腔、咽頭、および喉頭の解剖学的側断面図である。図1Bは、口を開いた成人の口腔、咽頭、および喉頭の解剖学的側断面図である。図1Cおよび1Dは、口腔のフレームサイズの変化が気道開通性にどのように影響を及ぼすかを示す、口腔および気道の線図である。
【図1−2】図1Bは、口を開いた成人の口腔、咽頭、および喉頭の解剖学的側断面図である。図1Cおよび1Dは、口腔のフレームサイズの変化が気道開通性にどのように影響を及ぼすかを示す、口腔および気道の線図である。図1Bは、口を開いた成人の口腔、咽頭、および喉頭の解剖学的側断面図である。図1Cおよび1Dは、口腔のフレームサイズの変化が気道開通性にどのように影響を及ぼすかを示す、口腔および気道の線図である。
【図2】図2Aは、顎を閉じた人間の頭蓋骨の解剖学的側面図である。図2Bは、顎を開いた人間の頭蓋骨の解剖学的側面図である。
【図3】図3は、舌および咽頭の筋肉を示すように、表在および深部顔面構造ならびに下顎の左半分が除去されており、そのうちのいくつかが例証の目的で切断されている、図1Bに示された口腔の解剖学的側面図である。
【図4】図4は、頤舌筋および内舌筋の解剖学的側面図である。
【図5】図5は、舌骨およびそれに接続された筋肉も示す、頸部の主要な筋肉の解剖学的前面図である。
【図6】図6は、舌、外部喉頭、および咽頭の外来筋の解剖学的側面図である。
【図7】図7は、下から見た、下顎ならびに舌骨上筋および口腔底の解剖学的前面図である。
【図8】図8は、口腔底ならびに顎舌骨筋および頤舌骨筋の解剖学的上面図である。
【図9】図9は、個人が直立状態で活動している時の正常な閉塞されていない気道を通る空気の通過を示すように注釈が付けられた、口を閉じて立っている成人の口腔、咽頭、および喉頭の解剖学的側断面図である。
【図10】図10は、個人が睡眠中である時の気道を通る空気の通過を示すように注釈が付けられ、また、睡眠中に気道を狭くし得る、気道に沿った組織構造への重力の影響も示す、口を閉じた仰臥位睡眠中の成人の口腔、咽頭、および喉頭の解剖学的側断面図である。
【図11】図11は、気道の中へのある組織構造の陥没および結果として生じた気流の閉塞を示すように注釈が付けられている、気道に沿った組織構造への重力および開いた口の影響を示す、口を開いた仰臥位睡眠中の成人の口腔、咽頭、および喉頭の解剖学的側断面図である。
【図12】図12Aは、所望の配向から外れた下顎および/または頭部の移動に積極的に抵抗するように、所望の配向で下顎および/または頭部を機械的に支持する、個人によって装着された装置を基本的に示す、仰臥位睡眠中の個人の頭部の側面図である。図12Bは、所望の配向から外れた下顎および/または頭部の移動に積極的に抵抗し、それにより、閉塞されていない気道を維持するように機能する装置を示すように注釈が付けられた、図11Aに示された個人の口腔の解剖学的側断面図である。
【図13】図13A、13B、13Cおよび13Dは、装置が下顎および/または頭部に提供することができる、異なる種類の拘束力を示す、図12Aに示されたもののような装置を装着した個人の斜視図である。
【図14】図14A、14Bおよび14Cは、顎の真下で頸部の前部上に(喉頭の領域で)快適に挿入し、同様に、使用が必要とされないときに頸部から除去することができる、解剖学的形状に事前成形される構造としてサイズ決定および構成された、図12Aに示されたもののような装置の代表的な実施形態の斜視図である。
【図15】図15A、15Bおよび15Cは、喉頭の高さで頸部全体の周囲に装着されるフルカラー構造としてサイズ決定および構築され、個人が頸部の周囲のカラーの嵌合および形態を調節することができるように、解放可能な締結具を含む、図12Aに示されたもののような装置の代表的な実施形態の斜視図である。
【図16】図16Aおよび16Bは、使用期間中に皮膚と装置との間の密接な接触を維持するように、装置の内側に塗布された感圧医療グレード接着ゲルまたは材料を含む、図12Aに示されたもののような装置の代表的な実施形態の側面図である。
【図17】図17Aおよび17Bは、拘束力の大きさおよび/または方向を、挿入可能なステイの使用によって変化、改変、または漸増することができる、図12Aに示されたもののような装置の代表的な実施形態の斜視図である。
【図18】図18Aおよび18Bは、拘束力の大きさおよび/または方向を、加圧流体またはガスの使用によって変化、改変、または漸増することができる、図12Aに示されたもののような装置の代表的な実施形態の斜視図である。
【図19】図19Aは、個人の下顎および頭部への拘束力を調整することを可能にするアクチュエータを含む、図12Aに示されたもののような装置の代表的な実施形態の側面図である。図19Bは、感知した睡眠状態に応じてアクチュエータを制御する、全体的な治療システムに統合された、図19Aに示された装置の側面図である。
【図20】図20Aおよび20Bは、それぞれ、個人の下顎および頭部への拘束力を調整することを可能にするアクチュエータを含み、感知した睡眠状態に応じてアクチュエータを制御する、全体的な治療システムに統合された、図12Aに示されたもののような装置の代表的な実施形態の側面図および上面図である。
【図21】図21A、21Bおよび21Cは、肩と下顎との間の剛性の骨の固着点の間で支持されるようにサイズ決定および構成される、図12Aに示されたもののような装置の代表的な実施形態の斜視図である。
【図22】図22A、22Bおよび22Cは、軸方向に耐荷重構造を機械的に調整することができる、図21A、21Bおよび21Cに示されたもののような装置の代表的な実施形態の斜視図である。
【図23】図23A、23Bおよび23Cは、軸方向に耐荷重構造を空気圧で調整することができる、図22A、22Bおよび22Cに示されたもののような装置の代表的な実施形態の斜視図である。
【図24】図24A、24Bおよび24Cは、肩と下顎との間の剛性の骨の固着点の間で支持されるようにサイズ決定および構成され、回転旋回位置で頭部を拘束する、耐過重構造を備える、図12Aに示されたもののような装置の代表的な実施形態の斜視図である。
【図25】図25A、25Bおよび25Cは、肩と下顎との間の剛性の骨の固着点の間で支持されるようにサイズ決定および構成され、前方位置で顎を調整可能に拘束することができる、耐過重構造を備える、図12Aに示されたもののような装置の代表的な実施形態の側面図である。
【図26】図26A、26Bおよび26Cは、組織に付着するように接着材料を塗布することができる、顎支持表面を含む、図25A、25Bおよび25Cに示されたもののような装置の代表的な実施形態の側面図である。
【図27】図27A、27Bおよび27Cは、肩と下顎との間の剛性の骨の固着点の間で支持されるようにサイズ決定および構成され、回転旋回位置で頭部を拘束する、らせん状耐過重構造を備える、図12Aに示されたもののような装置の代表的な実施形態の斜視図である。
【図28】図28A、28Bおよび28Cは、頸部の中、上、または付近、および/または咽頭気道の壁に沿う、および/または口腔底の組織構造を外部から補強するように、接着材料が塗布されるネックピースを備える、装置の代表的な実施形態の図である。
【図29−1】図29Aおよび29Bは、頸部の中、上、または付近、および/または咽頭気道の壁に沿う、および/または口腔底の組織構造を外部から補強するように、陰圧が印加されるネックピースを備える、装置の代表的な実施形態の図である。
【図29−2】図29Cおよび29Dは、頸部の中、上、または付近、および/または口腔底の組織構造を外部から補強するように、陰圧が印加される頸部マスクまたはカップを備える、装置の代表的な実施形態の図である。
【図30】図30Aは、気道の中へのある組織構造の陥没および結果として生じた気流の閉塞を示すように注釈が付けられている、気道に沿った組織構造への重力および開いた口の影響を示す、口を開いた仰臥位睡眠中の成人の口腔、咽頭、および喉頭の解剖学的側断面図である。図30Bは、気道の中への組織構造の陥没に抵抗し、それにより、閉塞されていない気道を維持するように、頸部の中、上、または付近、および/または咽頭気道の壁に沿う、および/または口腔底の組織構造を外部から補強する働きをする、図28A/B/Cまたは図29A/Bに示されたもののような装置を示す、仰臥位睡眠中の個人の頭部の側面図である。
【図31】図31Aおよび31Bは、頸部の中、上、または付近、および/または咽頭気道の壁に沿った、および/または口腔底の組織構造を外部から補強するように、接着材料が塗布されるネックピースおよび顎支持材を備える、装置の代表的な実施形態の斜視図である。
【図32】図32Aおよび32Bは、頸部、咽頭気道、および/または口腔底の中、上、または付近の組織構造を補強する能力を、挿入可能なステイの使用によって段階的に調整することができる、図28Aに示されたもののような装置の代表的な実施形態の斜視図である。図32Cは、頸部、咽頭気道、および/または口腔底の中、上、または付近の組織構造を補強する能力を、アクチュエータの使用によって段階的に調整することができる、図28Aに示されたもののような装置の代表的な実施形態の斜視図である。
【図33】図33Aおよび33Bは、頸部、咽頭気道、および/または口腔底の中、上、または付近の組織構造を補強する能力を、流体またはガス圧力の使用によって段階的に調整することができ、感知した睡眠状態に応じて組織補強を制御する、全体的な治療システムに統合することができる、図28Aに示されたもののような装置の代表的な実施形態の斜視図である。
【図34−1】図34A、34Bおよび34Cは、組織構造を安定化し、それらの気道の中への移動に積極的に抵抗するように、所望の配向で組織構造を機械的に支持する、口腔底における組織構造の中、上、または付近に埋め込まれた足場の存在を示す、口を閉じた成人の口腔、咽頭、および喉頭の解剖学的図である。
【図34−2】図34A、34Bおよび34Cは、組織構造を安定化し、それらの気道の中への移動に積極的に抵抗するように、所望の配向で組織構造を機械的に支持する、口腔底における組織構造の中、上、または付近に埋め込まれた足場の存在を示す、口を閉じた成人の口腔、咽頭、および喉頭の解剖学的図である。図34Dは、下顎および/または舌骨の剛性骨構造への足場の固定を示す、図34A、34Bおよび34Cに示されたもののような、口腔底における組織構造の中、上、または付近に埋め込まれた足場のより図式的な側断面図である。
【図35−1】図35Aは、気道の中へのある組織構造の陥没および結果として生じた気流の閉塞を示すように注釈が付けられている、気道に沿った組織構造への重力および開いた口の影響を示す、口を開いた仰臥位睡眠中の成人の口腔、咽頭、および喉頭の解剖学的側断面図である。図35Bは、口腔底の中、上、または付近の組織構造を機械的に支持し、それらの気道の中への移動に積極的に抵抗するように機能する、図34A/B/Cに示された足場を示すように注釈が付けられた、図35Aに示された個人の口腔の解剖学的側断面図である。
【図35−2】図35Cは、図35Bに示されるような足場の存在が、気道開通性にどのように影響を及ぼすかを示す、図1Cおよび1Dに示されたもののような口腔および気道の図式的な側面図である。
【図36】図36および37は、組織構造を安定化し、それらの気道の中への移動に積極的に抵抗するように、所望の配向で組織構造を機械的に支持する、口腔底における組織構造の中、上、または付近に埋め込まれた足場の存在を示す、口を閉じた成人の口腔、咽頭、および喉頭の解剖学的図である。
【図37】図36および37は、組織構造を安定化し、それらの気道の中への移動に積極的に抵抗するように、所望の配向で組織構造を機械的に支持する、口腔底における組織構造の中、上、または付近に埋め込まれた足場の存在を示す、口を閉じた成人の口腔、咽頭、および喉頭の解剖学的図である。
【図38】図38A/B/C/Dは、口腔底における組織構造の中、上、または付近にアレイで埋め込まれた、図34A/B/Cおよび36/37に示されたもののような足場の平面図である。
【図39】図39A/B/C/D/Eおよび40は、所望の配向で組織構造を機械的に支持し、それらの気道の中への移動に積極的に抵抗する、優先的屈曲特徴を有する、口腔底における組織構造の中、上、または付近に埋め込むためにサイズ決定および構成された足場の代表的な実施形態の図である。
【図40】図39A/B/C/D/Eおよび40は、所望の配向で組織構造を機械的に支持し、それらの気道の中への移動に積極的に抵抗する、優先的屈曲特徴を有する、口腔底における組織構造の中、上、または付近に埋め込むためにサイズ決定および構成された足場の代表的な実施形態の図である。
【図41】図41Aおよび41Bは、口腔底の中、上、または付近の組織構造を機械的に支持し、それらの気道の中への移動に積極的に抵抗するように機能する、図39A/B/C/D/Eに示された足場を示すように注釈が付けられた、図41Aでは口を閉じ、図41Bでは口を開けた、仰臥睡眠姿勢の成人の口腔の解剖学的側断面図であり、図41Bはまた、足場の優先的屈曲特徴も示す。
【図42】図42および43は、組織の中で足場を安定化するのに役立つ特徴をさらに含む、図39A/B/C/D/Eおよび40に示されたもののような足場の代表的な実施形態の斜視図である。
【図43】図42および43は、組織の中で足場を安定化するのに役立つ特徴をさらに含む、図39A/B/C/D/Eおよび40に示されたもののような足場の代表的な実施形態の斜視図である。
【図44−1】図44A/B/C/D/Eおよび45は、所望の配向で組織構造を機械的に支持し、それらの気道の中への移動に積極的に抵抗する、優先的屈曲特徴を有する、口腔底における組織構造の中、上、または付近に埋め込むためにサイズ決定および構成された足場の代表的な実施形態の図である。
【図44−2】図44A/B/C/D/Eおよび45は、所望の配向で組織構造を機械的に支持し、それらの気道の中への移動に積極的に抵抗する、優先的屈曲特徴を有する、口腔底における組織構造の中、上、または付近に埋め込むためにサイズ決定および構成された足場の代表的な実施形態の図である。
【図45】図44A/B/C/D/Eおよび45は、所望の配向で組織構造を機械的に支持し、それらの気道の中への移動に積極的に抵抗する、優先的屈曲特徴を有する、口腔底における組織構造の中、上、または付近に埋め込むためにサイズ決定および構成された足場の代表的な実施形態の図である。
【図46−1】図46A/B/C/D/Eおよび47は、所望の配向で組織構造を機械的に支持し、それらの気道の中への移動に積極的に抵抗する、優先的屈曲特徴を有する、口腔底における組織構造の中、上、または付近に埋め込むためにサイズ決定および構成された足場の代表的な実施形態の図である。
【図46−2】図46A/B/C/D/Eおよび47は、所望の配向で組織構造を機械的に支持し、それらの気道の中への移動に積極的に抵抗する、優先的屈曲特徴を有する、口腔底における組織構造の中、上、または付近に埋め込むためにサイズ決定および構成された足場の代表的な実施形態の図である。
【図47】図46A/B/C/D/Eおよび47は、所望の配向で組織構造を機械的に支持し、それらの気道の中への移動に積極的に抵抗する、優先的屈曲特徴を有する、口腔底における組織構造の中、上、または付近に埋め込むためにサイズ決定および構成された足場の代表的な実施形態の図である。
【図48】図48A/B/C/D/E/Fおよび49は、所望の配向で組織構造を機械的に支持し、それらの気道の中への移動に積極的に抵抗する、優先的屈曲特徴を有する、口腔底における組織構造の中、上、または付近に埋め込むためにサイズ決定および構成された足場の代表的な実施形態の図である。
【図49】図48A/B/C/D/E/Fおよび49は、所望の配向で組織構造を機械的に支持し、それらの気道の中への移動に積極的に抵抗する、優先的屈曲特徴を有する、口腔底における組織構造の中、上、または付近に埋め込むためにサイズ決定および構成された足場の代表的な実施形態の図である。
【図50−1】図50Aは、経皮送達アセンブリを通した、図34A/B/Cおよび36/37に示されたもののような足場の非侵襲的埋込を示す、個人の解剖学的前面図である。
【図50−2】図50B、50C、50Dおよび50Eは、足場を口腔底の組織の中へ送達するための図50Aに示された送達アセンブリの操作を示す、一連の図である。
【図51】図51は、頸部に沿った、および/または口腔底を覆う外部皮膚に、接着材料によって付加される足場のアレイを示す、個人の解剖学的前面図である。
【図52】図52Aおよび52Bは、頸部に沿った、および/または口腔底を覆う外部皮膚に接着材料によって付加される、形成された一体可撓性補強構造を示す図である。
【図53−1】図53Aおよび53Bは、頸部の中、上、または付近、および/または咽頭気道の壁に沿った、および/または口腔底の組織構造を外部から補強するように、頸部または口腔底における組織構造の中、上、または付近に埋め込まれた磁石と磁気的に相互作用する、ネックピースおよび顎支持材を備える、装置の代表的な実施形態の斜視図であり、図53Cは、解剖学的側断面図である。
【図53−2】図53Aおよび53Bは、頸部の中、上、または付近、および/または咽頭気道の壁に沿った、および/または口腔底の組織構造を外部から補強するように、頸部または口腔底における組織構造の中、上、または付近に埋め込まれた磁石と磁気的に相互作用する、ネックピースおよび顎支持材を備える、装置の代表的な実施形態の斜視図であり、図53Cは、解剖学的側断面図である。
【図54】図54〜57は、気道の中への舌の後方滑脱に抵抗するように、口腔底の中のアンカに連結された舌懸垂構造を示し、アンカは、図55、56、および57の可撓性足場固着構造を備える、成人の口腔の解剖学的側断面図である。
【図55】図54〜57は、気道の中への舌の後方滑脱に抵抗するように、口腔底の中のアンカに連結された舌懸垂構造を示し、アンカは、図55、56、および57の可撓性足場固着構造を備える、成人の口腔の解剖学的側断面図である。
【図56】図54〜57は、気道の中への舌の後方滑脱に抵抗するように、口腔底の中のアンカに連結された舌懸垂構造を示し、アンカは、図55、56、および57の可撓性足場固着構造を備える、成人の口腔の解剖学的側断面図である。
【図57】図54〜57は、気道の中への舌の後方滑脱に抵抗するように、口腔底の中のアンカに連結された舌懸垂構造を示し、アンカは、図55、56、および57の可撓性足場固着構造を備える、成人の口腔の解剖学的側断面図である。
【図58】図58Aは、図55、56、および57に示されたもののようであるが、磁石または鉄鉱材のアレイをさらに含む、可撓性足場固着構造の代表的な実施形態の斜視図である。図58Bは、可撓性足場固着構造を優先的に屈曲する、ネックピースおよび顎支持材を備える装置と磁気的に相互作用する、図58Aに示された可撓性足場を示すように注釈が付けられた、仰臥睡眠姿勢の成人の口腔の解剖学的側断面図である。
【図59】図59Aおよび59Bは、気道の中への舌の後方滑脱に抵抗するように、外部磁気源(図59B参照)によって活性化されている、口腔底に配置され、舌の中、上、または付近の構造に繋留された磁気相互作用型形状の構造を示す、成人の口腔の解剖学的側断面図である。
【図60−1】図60Aから60Cは、口腔底に埋め込むための優先的屈曲特徴を有し、または舌の裏への取付部を有する、足場の代表的な実施形態の図である。
【図60−2】図60DおよびEは、舌の裏への取付部を用いて口腔底に埋め込まれた、図60Aから60Cに図示された足場を示す、成人の口腔の解剖学的側断面図であり、図60Dは、閉じた口を示し、図60Eは、足場を圧縮して優先的屈曲を引き起こすように開いた口を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この開示は、当業者が本発明を実践することを可能にするように詳細かつ的確であるが、本明細書で開示される物理的実施形態は、他の具体的構造で具現化されてもよい、本発明を例示するにすぎない。好ましい実施形態が説明されているが、請求項によって定義される本発明から逸脱することなく、詳細が変更されてもよい。
【0018】
(目次)
以下の説明は、以下の主要項および副項に分けられる。
【0019】
I.関連生体構造
A.口腔または口
1.口蓋(The Palate/Roof of the Mouth)
2.口腔底
3.舌
4.咽頭(咽頭気道)
B.下顎骨
C.頸部
1.舌骨
2.舌骨に付着した外舌筋
3.舌骨に付着した頸部の他の筋肉
4.嚥下
II.気道の陥没
III.下顎および/または頭部を拘束するための装置および方法
A.概観
1.第1の拘束状態(口の閉鎖を維持する)
2.第2の拘束状態(頭部の下方回転を制限する)
3.第3の拘束状態(顎に前方位置を提供する)
4.第4の拘束状態(頭部をねじる/持ち上げる)
B.代表的な実施形態
1.下顎/頭部支持
(i)ネックピースを有する顎支持材
(ii)感圧接着剤
(iii)下顎および/または頭部の可変拘束
(iv)下顎および/または頭部の動的拘束
(v)固着した耐過重構造
(vi)らせん状耐過重構造
IV.頸部の中、上、または付近の組織構造を補強するための装置および方法
A.概観
1.可変頸部補強/再成形
2.動的頸部補強/再成形
V.口腔底の中、上、または付近の足場
A.概観
B.代表的な配置
1.顎舌骨筋・頤舌骨筋
2.頤舌骨筋・頤舌筋
3.顎二腹筋・顎舌骨筋
C.代表的な足場構成
1.一般的な物理的特性
2.優先的屈曲特性
3.代表的な埋込方法
4.外部足場および組み合わせ
VI.口腔底の筋肉への舌の強化した固着
VII.舌との相互作用による口腔底における優先的屈曲。
【0020】
I.関連生体構造
A.口腔または口
図1Aは、成人の頭部における口腔の解剖学的な図(断面図)である。人間の生体構造では、口とも呼ばれる口腔は、それを通って食物および空気が身体に進入する開口を構成する。
【0021】
図2Aおよび2Bでさらに描写されるように、顎と呼ばれる1対の骨が、口の骨格を形成する。顎は、歯を含有し、移動可能な下顎(下顎骨)および固定した上顎を含む。顎は、相互に反対に移動することによって機能し(図1A/Bおよび/または2A/Bが示すように)、食物を噛み切り、咀嚼し、扱うために使用される。
【0022】
図1Aおよび1Bを再び参照すると、口腔の内部の非骨格境界は、唇、頬(図示せず)、硬口蓋および軟口蓋、および喉または咽頭によって画定される。口腔または口は、唇(口腔の正面または前方領域とも呼ばれる)において外側に開く。上顎に対して下顎を下げることは、図1Bが示すように、口を開く。口腔は、咽頭(口腔の後部または後方領域とも呼ばれる)に流れ込む。
【0023】
図1Aは、方向を描写するために使用される用語を図示した。前方および後方は、それぞれ、既述のように、前および後を意味する。上方または頭側および下方または尾側は、それぞれ、上および下を意味する。
【0024】
図1Aおよび1Bは、咽頭が口腔(および鼻腔)から食道および喉頭につながる円錐形の通路であることを示す。食道は、胃につながる。それは、口腔に進入する食物が、それを通って消化器系の中で消化するために胃の中へ運ばれる、経路である。喉頭は、気管(windpipe/trachea)の最上部に接続された中空の管状構造である。口腔に進入する空気は、肺に行く途中に喉頭を通過する。喉頭はまた、声も生成し、この理由により、発声器とも呼ばれる。喉頭はまた、下気道の中への食物および他の異物の通過も防止する。
【0025】
口の主な構造は、歯、口蓋、および舌である。関節動作する顎によって運ばれる歯は、摂取した食物を、消化に好適である小さい断片に引き裂き、砕く。口蓋は、鼻腔から口を分離し、空気および食物のための別個の通路を可能にする。舌は、口腔底に堅固に固着された大きな筋肉である。舌は、食物を設置して混合し、また、味覚のための感覚受容器を持つ。食物の摂取および初期消火および呼吸中の吸気における主要な役割に加えて、口および構造は、人間では発話に不可欠である。
【0026】
1.口蓋(The Palate/The Roof of the Mouth)
口蓋(図1Aおよび1B参照)は、口の天井部を構成する。それは、口腔および鼻腔を分離する。口蓋は、骨の前方硬口蓋と、人間では、骨格支持を持たず、口蓋垂と呼ばれる肉質の細長い突起で終端する、後方軟口蓋とから成る。
【0027】
硬口蓋は、総口蓋面積の3分の2を構成する。硬口蓋は、少量の粘液を分泌する、粘膜組織の湿った耐久性のある層によって覆われた骨板である。この層は、咀嚼中に舌が食物を撹拌している間に、食物を把持するのに役立つ、いくつかの隆起を形成する。硬口蓋は、舌が自由に動くための空間を提供し、口内の圧力が鼻道を閉鎖しないように鼻腔に剛性底を供給する。
【0028】
軟口蓋は、可動性および支持の両方を与える、筋肉および結合組織から成る。この口蓋は、非常に可撓性である。嚥下および吸引のために持ち上げられると、完全に封鎖し、口および咽頭口部から鼻腔および咽頭鼻部を分離する。持ち上げられている間、軟口蓋は、口腔内で真空を生成し、それは呼吸管から食物を締め出す。
【0029】
2.口腔底
口腔底(図3参照)は、下顎によって前方に、舌骨によって後方に境界をつけられる、組織領域である。口腔底は、相互に相互接続され、口腔底の組織の状態および配向によって相互に影響を受ける、(以降で説明されるような)舌骨および/または下顎骨に付着した筋肉等の他の組織構造によって、直接包囲される。口腔底は、舌が引き上げられたときにしか見えない。正中線には、舌が固着される隆起した襞(舌小帯と呼ばれる)がある。
【0030】
3.舌
舌(図4で拡大して示され、図1Aおよび1Bならびに3でも示される)は、口腔底上に位置する筋肉性器官である。舌は、種々の形状および位置を成すことができる、可動性の筋肉性器官である。舌は、部分的に口腔内に、かつ部分的に咽頭内に静置する(図1Aおよび2Bが示す)。
【0031】
舌は、人間では非常に可動性の構造であり、発話、咀嚼、および嚥下等の運動機能において重要な副器官である。それは、頬と併せて、咀嚼が完了するまで、上下の歯の間に食物を誘導し、維持することができる。
【0032】
安静時に、舌は、固有口腔の本質的に全体を占有する。舌は、咀嚼、味覚、嚥下、および口腔洗浄に関与する。その2つの主要な機能は、話している間に言葉を形成すること、および飲み込むときに食物を圧搾することである。
【0033】
4.咽頭(咽頭気道)
図1Aおよび1Bを再び参照すると、咽頭は、呼吸および消化機能の両方を果たす。呼吸機能については、咽頭は、身体にとって不可欠な気道としての機能を果たす。咽頭の気道の封鎖は、呼吸停止および結果として生じる正常な身体機能の障害または中断につながり得る。
【0034】
図6が示すように、収縮筋の厚い線維および結合組織が、頭蓋底および周辺構造に咽頭を取り付ける。環状および縦走収縮筋の両方が、咽頭の壁の中で発生する。環状筋は、食道に食物を押し進め、空気が飲み込まれることを防止するのに役立つ、収縮を形成する。縦走筋は、嚥下中に咽頭の壁を持ち上げる。
【0035】
B.下顎
図2Aおよび2Bを参照されたい。下顎骨は、下顎である。それは、下顎歯を収納する歯槽突起を有する、U字形の骨である。
【0036】
側面の下顎骨の上行部は、枝(分岐)と呼ばれる。それを用いて下顎があらゆる多様な移動を行うことができる関節は、各枝の上部の奥の隅にある丸みを帯びたこぶ、または顆と、各側頭骨における関節窩と呼ばれるくぼみとの間にある。これらの関節面の間で形成されるヒンジ型関節は、顎関節(TMJ)と呼ばれる。筋突起と呼ばれる、各枝の最上部および前面にある、別のかなり鋭い突起は、関節の一部を形成しない。それには、顎を閉じる際に他の筋肉とともに機能する、側頭筋が付着している。
【0037】
いくつかの筋肉群(図示せず)は、TMJに作用して、(i)下顎骨を持ち上げ、顎を閉じる、(ii)顎を突き出す、(iii)顎先を押し下げる、(iv)顎の側方運動を生じる、(v)下顎骨を持ち上げ、顎を閉じる、および(vi)食物を切断するための粉砕運動を生じる。
【0038】
C.頸部
頸部(図5参照)は、頭部を肩および胸部に接合する身体の一部である。頸部は、頭部、胴体、および四肢の間の主要導管である。筋肉、静脈(例えば、頸静脈)、動脈(例えば、頸動脈)、椎骨(例えば、7つの頸椎骨および囲い込まれた脊髄)、咽頭、および食道の一部等の、多くの重要な解剖学的構造が頸部に集まっている。広頚筋または広頸筋と呼ばれる、筋肉線維の広くて薄い平面が、頸部の各側面の浅筋膜の直下に延在する。口腔に入る食物と空気は、頚部を通過しなければならない。
【0039】
頸部には、図6が顕著に示すように、舌骨も存在する。舌骨は、下顎骨と喉頭の最大の軟骨である甲状軟骨との間の角度で、C3椎骨の高さで頸部の前部に位置する。
【0040】
1.舌骨
舌骨の主要な機能は、舌に対する固着構造としての機能を果たすことである。図6が示すように、舌骨は、頸部の前部で、かつ下顎骨と甲状軟骨との間で、舌根に設置される。舌骨には、他の骨との関節動作がない。それは、純粋に固着機能を果たす。舌骨は、(図5および6が示すように、また図3にも示されるように)茎突舌骨靱帯によって側頭骨の茎状突起から懸垂している。舌骨は、(前面図で図5が示すように)甲状軟骨に堅固に結び付けられている。それは、舌の筋肉に対する固着点としての機能を果たし、したがって、以降でより詳細に説明されるように、舌が気道を封鎖するのを防ぐ支柱としての機能を果たす。図7および8で最もよく示されるように、舌骨は、本体、1対の大きい方の角(大角)、および1対の小さい方の角(小角)から成る。舌骨は、多かれ少なかれU字形であり、本体が文字の中心部または基部を形成する。飲み込む行為において、舌骨、舌、および喉頭は全て、急速に上向きに動く。
【0041】
大角は、Uの肢部である。それらの外端は、概して、人間において、胸骨および鎖骨から耳の直下および後の頭部の各側面上の頭蓋底にある乳様突起部までに及ぶ、大きな胸鎖乳突筋(図5参照)によって重ね合わせられる。小角は、本体および大角の接合点と呼ばれる場所からの小さい突起である。
【0042】
2.舌骨に付着した外舌筋
ある外舌筋は、舌の外側から発生し、それに付着する。外舌筋は、主に舌の位置を変える。舌はまた、舌の形状を変える働きをする、内在筋も有する。しかしながら、舌の筋肉は、孤立して作用しない。いくつかの筋肉は、複数の作用を果たす。したがって、外舌筋は、舌の形状も変えることができる。
【0043】
舌骨に付着される外舌筋の中には、頤舌筋がある(図3、4、および6参照)。扇形の筋肉は、舌の体積の大部分に寄与する。それらは、顎の突出を形成する下顎骨の領域である、下顎骨の頤棘の上部からの短い腱によって生じる。それらは、舌が下方に進入し、それらの線維が舌の外側背面(すなわち、舌の後上面)に付着するにつれて、扇形に広がる。最下線維は、舌骨の本体に挿入し、舌を突出する、または「突き出す」ために、舌根を前方に引く。「舌根」は、舌骨および下顎骨に付着した、舌の下方の比較的固定された部分として定義される。両側に作用して、頤舌筋は、舌の中央部を押し下げ、中央の溝または溝状部を作成する。一方向に作用して、頤舌筋は、反対側に向かって舌を逸脱させる(または「振る」)。
【0044】
また、舌骨に付着される外舌筋の中には、舌骨舌筋もある(図3および6に示される)。それらは、大角の全長から、ならびに舌骨の本体から両側で発生する。それらは、舌の両側の後半またはそれ以上に挿入される。舌骨は、接触すると、舌を押し下げるように、および口腔を広げるように、筋肉を固着する。
【0045】
3.舌骨に付着した頸部の他の筋肉
頸部の前外側部で、舌骨は、内舌筋または外舌筋ではない他の筋肉に対する付着を提供する。これらの中には、舌骨の上方(上側または頭側)のある舌骨上筋がある。
【0046】
舌骨に付着した舌骨上筋は、顎舌骨筋を含む(図3および4に示される)。顎舌骨筋は、下顎骨の顎舌骨線(頤隆起とも呼ばれる、下顎骨の角度と下顎骨の前部との間の下顎骨の外側面に沿った線)に由来する。顎舌骨筋は、可動性であるが安定した口腔底、および隔膜としての機能を果たす舌の下方の筋肉のつり下げ部を形成する。これらの筋肉は、舌を支持し、飲み込むか、または舌を突出するときに、舌および舌骨を持ち上げる。
【0047】
舌骨に付着した舌骨上筋はまた、2つの頤舌骨筋も含む(同様に図3および4に示される)。2つの頤舌骨筋は、下顎骨の2つの半分が交わる点の近くから発生する。頤舌骨筋は、顎舌骨筋の上方にあり、そこで口腔底を強化する。筋肉の線維は、舌骨の本体に挿入されるように、中心線の近くで、下方および後方に延在する。筋肉の収縮は、口腔底を短縮し、咽頭を広げるように、舌骨を上方および前方に引く。
【0048】
舌骨に付着した舌骨上筋はまた、同様に下顎骨の顎二腹筋窩および側頭骨の乳突切痕に由来する、2つの顎二腹筋も含む(図5および7参照)。顎二腹筋は、舌骨に向かって下降し、中間腱によって接合される。深頸筋膜に由来する線維状つり下げ部は、各筋肉がこの腱を舌骨の本体および大角に接続するにつれて、各筋肉が前方および後方に摺動することを可能にする。顎二腹筋は、下顎骨を押し下げる一方で、嚥下および発話中に舌骨を持ち上げ、安定させる。
【0049】
舌骨下縁の中間部分には、胸骨および鎖骨から生じ、頸部の中で上方および相互に向かって続く長い筋肉である、胸骨舌骨筋(図5および7に示される)が挿入する。舌骨に付着した他の筋肉は、(舌骨を押し下げ、喉頭を持ち上げる)喉頭の甲状軟骨から生じる甲状舌骨筋(図5に示される)、(舌骨を押し下げ、後退させ、安定させる)肩甲骨上縁および関節包上靱帯から生じる肩甲舌骨筋(図示せず)、および(舌骨を持ち上げ、後退させ、それにより、口腔底を伸長する)側頭骨の茎状突起から生じる茎突舌骨筋(図4、5、および7に示される)である。
【0050】
4.嚥下
それが付着した筋肉に関する舌骨の位置は、「船首から船尾まで」固着されたときにそれが乗る、安定化させられた船の位置に結び付けられている。筋付着部を通して、舌骨は、咀嚼、嚥下、および発声において重要な役割を果たす。
【0051】
例えば、嚥下運動の初めに、頤舌骨筋および顎舌骨筋は、舌骨および口腔底を同時に持ち上げる。これらの筋肉は、茎突舌骨筋および顎二腹筋によって支援される。舌は、上向きに口蓋に押し付けられ、食物は、後方に押し進められる。
【0052】
II.気道の陥没
図9に示されるように、気道は、空気が肺の中に入り、外へ出る経路である。口および鼻は、通常の入口および出口ポートである。進入する空気は、喉(咽頭)の後部まで、舌と口蓋との間で口を通過し、発声器(喉頭)を通り、気管を下って進み続け、最終的に気管支(図示せず)として知られている肺の分岐管から外へ出る。通常の空気の呼吸は、口蓋、口蓋垂、および舌根の後で口または鼻道を通過し、次いで、咽頭気道の中へ入って通過し、喉頭の声帯の間および肺の中へ入る。
【0053】
図9に示されるように、覚醒し、活動中であり、直立している健康な個人において、通常の呼吸条件下では、重力が自然に、舌、口腔底における組織構造、および頸部の組織を尾側方向に、すなわち、脚に向かって引く。重力は、個人が直立しているときに、空気が口腔内で辿る経路をほとんど外れて脚に向かって、舌、口腔底における組織構造、および頸部の組織に自然な付勢を提供する。個人が直立しているときに提供される尾側重力付勢は、口腔内で気道から外れた所望の舌の配向を維持し、それにより、舌と口蓋との間の有益な間隔を提供し、ならびに、気道から外れた頸部組織の所望の配向を維持する。
【0054】
さらに、健康な個人が覚醒して活動中であるときに、舌、口腔底、頸部、咽頭気道または喉の上部、および/または下顎の筋肉の協調活動はまた、気道を開いておき、空気が、鼻道を通って口蓋、口蓋垂、および舌底の後を流れ、気道を通り、喉頭の声帯の間および肺の中へ流れることを可能にする。
【0055】
しかしながら、睡眠中に(図10参照)、舌、口腔底における組織構造、および/または頸部の組織は、それらが張力を失うにつれて、または睡眠体位が重力の影響を変えるにつれて、気道の中へ移行または陥没する。睡眠中の舌、口腔底における組織構造、および/または頸部の組織の望ましくない移行または陥没は、1つの原因または原因の組み合わせに起因し得る。
【0056】
1つの原因は重力である。睡眠中に、個人は、もはや直立していないが、代わりに、腹臥、仰臥、または横臥位で横たわっている。横たわっている個人の組織への重力の引張は、脚に向かっていない。代わりに、横たわっている個人への重力は、内側に向けて、および/または気道に向かって、舌、および/または口腔底における組織構造、および/または頸部の組織の配向を移行する働きをする。
【0057】
別の原因は、睡眠中に、舌、頸部、咽頭気道の上部、および/または下顎の筋肉またはそれらに影響を及ぼす筋肉の多くが、呼吸と同期した電気的活動の位相変化を受け、これらの筋肉の弛緩につながり得ることである。睡眠の1つの特定の段階である、急速眼球運動(REM)中に、筋肉が完全に弛緩する場合がある。筋肉はまた、吸入の開始前の呼気中に完全に弛緩する。
【0058】
また、睡眠中に、下顎に影響を及ぼす筋肉が弛緩し得る。下顎が(図11が示すように)下がり、口が開く。睡眠中に、頭部も屈曲して内側に回転してもよく、または平行移動がTMJ内で発生して、下顎の後方摺動を引き起こしてもよい。睡眠中の下顎および/または頭部配向の移行は、口腔底内の下顎骨と舌骨との間の天然前後距離の短縮につながる。
【0059】
下顎骨と舌骨との間の天然前後距離は、図9でD1として示されている。睡眠中の下顎および/または頭部配向の移行によって引き起こされる、下顎骨と舌骨との間の短縮した前後距離は、図11でD2として示されている。D1(図9)とD2(図11)との間の比較が示すように、D2はD1未満である。
【0060】
前後距離が下顎および頭部配向によって縮小されるにつれて、この空間を占有する舌および口腔底における組織構造は、内側に向かって、かつ気道に向かって移行される。
【0061】
また、睡眠中に、自然な筋活動の減少または欠如の結果として、舌根の位置は、気道に向かって気道の中へ、後方向に移行し得る。さらに、睡眠中に、頸部の自然な筋活動の減少または欠如は、気道に向かって気道の中への頸部の組織の陥没につながり得る。
【0062】
図10が示すように、多くの個人にとって、組織への重力の睡眠関連影響、および/または下顎および頭部配向の変化、および/または舌、口腔底、あるいは頸部に影響を及ぼす筋肉のうちの1つ以上の弛緩にもかかわらず、気道は、睡眠中の空気流を可能にするのに十分開いたままである。
【0063】
しかしながら、図11に示されるように、他の個人は、種々の理由により、気道が狭くなるにつれて、より慢性または重度の呼吸制約を体験する傾向がある。そのような個人にとって、睡眠中の気道の狭窄は、習慣的ないびきまたは閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)等の睡眠呼吸障害症状を伴って起こり得る。そのような個人は、呼吸停止さえ体験する場合があり、それは、血中酸素濃度の顕著な低下につながり、覚醒の結果になり、深い回復睡眠を達成することを不可能にする。
【0064】
例えば、一部の個人では、遺伝、疾患、または肥満により、軟口蓋、口蓋垂、および/または舌等の口内の組織構造が、拡大されるか、または柔軟性を失う場合があり、または咽頭気道自体の壁が、頸部領域中の組織拡大または組織柔軟性の欠如により、狭窄している場合がある。そのような個人にとって、下顎、舌、頸部、および/または咽頭気道の上部の筋肉の弛緩は、口腔底の中、および/または舌根にある、および/または頸部に沿った組織を、気道の口、鼻、または咽頭領域の中へ落下させ、それにより、呼吸のための気道を閉塞または完全に閉鎖し得る。一部の個人では、個人が仰向けになって仰臥位で安静している場合に、この結果が悪化する。大きないびきおよび苦しい呼吸が発生し得る。気道の完全封鎖が発生すると(図11が示すように)、空気が肺に到達できない。呼吸は、血流中の酸素の不足が個人を覚醒させるか、睡眠のレベルをより浅くさせるまで、停止する。これらの発作が睡眠中に繰り返し発生する場合、症状は閉塞性睡眠時無呼吸と呼ばれる。気道の部分的封鎖も、血中酸素濃度の低下(酸素飽和度の低下)および呼吸低下と呼ばれる症状につながり得る。呼吸低下はまた、閉塞性睡眠時無呼吸にもつながり得る。
【0065】
III.下顎および/または頭部を拘束するための装置および方法
図12Aは、下顎および/または頭部を拘束するための装置10を基本的に示す。使用中に、装置10は、習慣的ないびきまたは閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)等の睡眠呼吸障害症状がある個人が深い回復睡眠を達成するのに役立つ。
【0066】
説明されるように、装置10は、前述のCPAPおよびその付随する問題のような、外部陽圧換気技法の使用を伴わずに機能する。しかしながら、所望であれば、CPAPのような外部陽圧換気技法と組み合わせて、装置10を使用することができる。装置10はまた、睡眠中に舌および/または顎を設置するために使用される口腔内口腔装置と、Pillar(登録商標)手技(Restore Medical Inc.)と、または上下顎前進(MA)あるいは口蓋垂軟口蓋咽頭切除術(UPPP)等の組織除去あるいは他の外科的介入技法と組み合わせて使用することもできる。装置10の相加効果は、これらのしばしば極めて侵襲的な外科的手技の必要な性質および程度を加減し、それにより、しばしば長い回復時間を短縮し、患者アピールを増加させることができる。CPAP、口腔装置、および外科的手技と組み合わせて使用されると、装置10の存在は、従来の治療の成功率を増加させることができる。
【0067】
A.概観
基本的に、図12Aが示すように、装置10は、特に、個人が睡眠姿勢であるときに、所望の配向で下顎および/または頭部を機械的に支持する。装置10が提供する機械的支持は、所望の配向から外れた下顎および/または頭部の移動に積極的に抵抗する。
【0068】
装置10が提供する機械的支持の治療結果は、下顎骨と舌骨との間の所望の前後距離を維持することを含むことができる。この編成で、下顎骨と舌骨との間の所望の前後距離は、図12Bが示すように、気道から外れて位置する配向に向かって、舌および口腔底における組織構造を付勢するように選択される。それにより、装置10は、気道に向かい、かつ気道の中に位置する配向への、舌および口腔底における組織構造の移動(図11に示されるように)に抵抗する。
【0069】
しかしながら、装置10が組織に提供する機械的支持は、下顎骨と舌骨との間の前後距離の維持を含む必要はない。
【0070】
例えば、装置10が提供する機械的支持の別の治療結果は、咽頭気道に沿った筋肉への張力の印加を含むことができる。装置10によって印加される張力は、より剛性の気道を生成する。装置10によって印加される張力は、図12Bが示すように、咽頭気道に向かった、および咽頭気道の中への頸部の組織の陥没に抵抗するように、頸部の筋肉構造を調節する。
【0071】
装置10は、下顎および/または頭部を拘束するように、1つ以上の異なる状態を課すことができる。異なる状態は、気道に向かい、かつ気道の中に位置する配向への、舌および口腔底における組織構造の移動に抵抗する際に、相互を補完する。舌および組織構造が気道の中へ陥没した、図11に示された組織の配向を、装置10の存在が、気道に向かい、かつ気道の中に位置する配向への、舌および口腔底における組織構造の移動に抵抗する働きをする、図12Bの組織の配向と比較されたい。代表的な実施形態では、4つの状態が、単独で、または組み合わせて、開示される。
【0072】
1.第1の拘束状態(口の閉鎖を維持する)
図13Aに示されるように、装置10は、口を開くことにつながる下顎の関節動作に積極的に抵抗するように、第1の拘束状態12を課してもよい。第1の拘束状態12は、顎(したがって口)を閉じたままにする。この拘束状態12は、下顎骨と舌骨との間の所望の前後距離を確立し、維持することができる。
【0073】
2.第2の拘束状態(頭部の下方回転を制限する)
図13Bが示すように、装置10は、頭部の下方回転(うなずき)を積極的に制限するように、第2の拘束状態14を課してもよい。第2の拘束状態14は、顎、したがって頭部を持ち上げる。この拘束状態14も、下顎骨と舌骨との間の所望の前後距離を確立し、維持することができる。顎および下顎骨への持ち上げる力はまた、開いた気道を伸張し、維持する働きをすることもできる。
【0074】
3.第3の拘束状態(顎に前方位置を提供する)
図13Cが示すように、装置10はまた、TMJ内で下顎の下方平行移動に積極的に抵抗するように、第3の拘束状態16も課してもよい。第3の拘束状態16は、個人の顎の自然な位置ではない場合がある、突出した前歯の反対咬合位置へと、下顎をわずかに前方に移動させてもよい。この拘束状態16は、下顎骨と舌骨との間の所望の前後距離を増加させることができる。代替として、第3の拘束状態16は、少なくとも、下顎を前方に移動させることなく所望の前後距離を維持してもよい。
【0075】
4.第4の拘束状態(頭部をねじる/持ち上げる)
図13Dが示すように、装置は、頭部への所望の捻転ならびに上昇を維持するように、第4の拘束状態18を課してもよい。第4の拘束状態18は、片側へ頭部をわずかにねじらせるように、下顎に横力またはトルクを印加する。この拘束状態18は、より剛性の気道を生成するように、咽頭気道に沿った筋肉構造に張力を印加する。
【0076】
B.代表的な実施形態
以降でより詳細に説明されるように、装置10のサイズ、構成、および機械的性質は、特に、自然な筋活動の欠如または減少している睡眠中に、および/または気道閉塞を引き起こし得る睡眠姿勢中に、下顎および/または頭部に上記の拘束状態12、14、16、18のうちの1つ以上を課するように選択される。睡眠中にこれらの目的を達成するための装置10のサイズ、構成、および機械的性質は、顎が意図的に開かれること、または頭部が意図的に方向を変えられることを可能にするように、随意筋活動によって意図された正常な活動に合理的に適応するのに十分な柔軟性および可撓性と釣り合いを取られる。以降で説明されるように、装置10の特定のサイズ、構成、および機械的性質は、個別患者に合わせるか、またはカスタマイズすることができる。
【0077】
1.下顎/頭部支持
(i)ネックピースを伴った顎支持材
図14A、14B、および14Cは、下顎および/または頭部を拘束するための装置10の代表的な基本実施形態を示す。装置10は、ネックピース20または留め金と、ネックピース20によって運ばれる顎支持材22とを備える。顎支持材22は、好ましくは、顎支持材22と、口腔底の中、上、または付近の組織との間に間隙を提供する、顎の下の凹面ポケット領域430を含む。ポケット領域430によって提供される間隙は、顎支持材22が、使用中に、口腔底の中、上、または付近の筋肉または組織を不注意に圧縮しないことを確実にする。顎支持構造による口腔底の中、上、または付近の筋肉または組織の圧縮は、下顎、舌骨、および舌を安定させる一方で、それらの間の相対移動に適応するようにトランポリンとしての機能を果たす、口腔底が下顎、舌骨、および舌に提供する天然固着機能を妨げ得る。
【0078】
ネックピース20は、様々に構成することができる。図13A、13B、および13Cに示された実施形態では、ネックピース20は、顎の真下で頸部の前部上に(喉頭の領域で)快適に挿入されるようにサイズ決定および構成される、解剖学的形状に事前成形される構造を備える。構造は、同様に、使用が必要とされないときに頸部から除去することができる。
【0079】
この編成では、顎支持材22は、一体事前形成デバイスを形成する、一体化して形成された構成要素を備えることができる。デバイスは、例えば、弾性または半弾性材料から成形または形成することができる。事前形成デバイスは、デバイスを装着する個人の特定の生体構造に基づいて、成形、サイズ決定、および輪郭形成することができる。しかしながら、デバイスはまた、人間の顎および頸部の一般モデルの範囲にさらに基づいて、成形、サイズ決定、および輪郭形成することもできる。
【0080】
顎支持材22は、織物材料でできている構造を備え、単回または限定使用の使い捨てアイテムとして扱うことができる。顎支持材22は、バンドエイドのような解放可能な接着剤で、頸部の前部に付加することができる。
【0081】
いくらか異なる実施形態が、図15A、15B、および15Cに示されている。この実施形態では、ネックピース20は、喉頭の高さで頸部全体の周囲に装着されるようにサイズ決定および構成される、フルカラー構造を備える。この編成では、カラーは、望ましくは、個人が頸部の周囲のカラーの嵌合および形態を調整することができるように、例えば、スナップ、磁石、バックル、ストラップ、VELCRO(登録商標)織物、および同等物等の解放可能な締結具24を含む。この配列において、カラーは、詰められた織物からできていることができる。
【0082】
いずれか一方の実施形態では、顎支持材22は、望ましくは、前方かつわずかに上方の配向でネックピース20から延在する。ネックピース20が頸部上で装着されるときに、顎支持材22は、口が閉じられると顎の下で快適に嵌合するようにサイズ決定および構成される。前述のように、顎支持材22は、好ましくは、口腔底が下顎、舌骨、および舌に提供する天然固着機能への干渉を回避するように、顎支持材22と、口腔底の中、上、または付近の組織との間に間隙を提供する、顎の下の凹面ポケット領域430を含む。
【0083】
いずれか一方の実施形態では、ネックピース20および顎支持材22は、装置の特徴が所望される時(すなわち、夜間、睡眠中)に、頸部上に容易に嵌合されるようにサイズ決定および構成される。ネックピース20および顎支持材22の嵌合および形態は、装置10の特徴が所望されないとき(すなわち、個人が覚醒して活動中である日中の時間中)に、身体からのネックピース20および顎支持材22の容易な除去を可能にする。
【0084】
ネックピース20および顎支持材22に対する材料の機械的性質、ならびにネックピース20への顎支持材22の取付および配向は、特に、睡眠中に起こり得るような、頭部が傾転しないようにするか、または口を閉じておく自然な筋活動の欠如または減少があるときに、頭部の傾転、または上顎から離れた下顎の開放による意図しない関節動作を防止するのに十分な機械的抵抗を提供するように選択される。
【0085】
依然として、顎支持材22およびネックピース20に対する材料の機械的性質は、十分な可撓性と釣り合いを取られ、随意筋活動の結果として、口の意図的な開放に適応するように屈する。望ましくは、材料は、快適性のために、柔らかく、しなやかで通気性のある織物を含む。
【0086】
図14Cおよび15Cに示されるように、装置10は、閉鎖位置にある下顎に対する屈服可能なバットレスを形成する。それにより、装置10は、口を閉じたままにしておく第1の拘束状態12を課することによって、下顎骨と舌骨との間の所望の前後距離を維持する働きをすることができる。装置10はまた、頭部の下方回転を積極的に制限する、第2の拘束状態14も課する。
【0087】
顎支持材22およびネックピース20のサイズおよび構成は、顎の下および口腔底の中の軟組織への直接圧力を制限するように、選択および輪郭形成される。これらの組織領域への直接圧力を制限することにより、気道に向かったこれらの組織領域の意図しない内向き移動、および結果として生じる気道の狭窄を防止する。
【0088】
(ii)感圧接着剤
図16Aおよび16Bに示されるように、装置10は、感圧医療グレード接着ゲルまたは材料26を含むことができる。接着材料26は、ネックピース20および/または顎支持材22の内側に塗布される。接着材料26は、使用期間中に皮膚とネックピース20および/または顎支持材22との間の密接な接触を維持する。前述のように、装置10は、織物材料でできている構造を備え、単回または限定使用の使い捨てアイテムとして扱うことができる。接着材料26は、特に人工肛門造設術ケアの分野で、皮膚への接着のために使用される、従来の感圧組成物を備えることができる。そのような接着材料26の例は、Hollister人工肛門造設術用接着剤(Hollister Inc,Libertyville,IL)、Nu−HopeTM接着剤(Bruce Medical)、またはPermatypeTM外科用接着剤(edipMed.com)を含む。
【0089】
代表的な感圧接着材料26は、親水コロイドと呼ばれる、吸水性膨張粒子が分散される、自己接着性エラストマー基質を備える。
【0090】
組織への接着材料26の接着は、顎支持材22によって決定付けられるような下顎の配向を安定させる。アセンブリとともに接着材料26を含むことは、少なくとも1つの付加的な望ましい拘束状態の達成を増進し、それにより、装置の全体的機能を増進することができる。
【0091】
例えば、顎支持材22への接着材料26の塗布は、顎に前方位置(図16B参照)を提供して維持するものである、第3の拘束状態16を課することを可能にする。顎支持材22の上の接着材料26は、顎組織を把持する。下顎の望ましい前方配向を確立し、次いで、顎支持材22による接着力によって維持することができる。接着力は、所望のわずかな前方(突出)配向で下顎を維持し、それにより、TMJ内の下顎の後方平行移動に積極的に抵抗することができる。しかしながら、接着材料26を使用せずに、装置の形態および嵌合で第3の拘束状態16を達成できることを理解されたい。前述のように、顎支持材22は、好ましくは、通常、顎支持材22と、口腔底の中、上、または付近の組織との間に間隙を提供する、顎の下の凹面ポケット領域430を含む。口腔底の中、上、または付近の組織は、組織を圧縮することなく、このポケット領域430に引き込むことができ、それにより、使用中に、口腔底が下顎、舌骨、および舌に提供する天然固着機能への干渉を回避する。
【0092】
(iii)下顎および/または頭部の可変拘束
図17Aおよび17Bは、下顎および/または頭部を拘束するための装置10の代表的でより高度な実施形態を示す。この実施形態では、拘束力の大きさおよび/または方向を、変化、改変、または漸増することができる。
【0093】
図17Aおよび17Bに示されるように、ネックピース20および/または顎支持材22は、ポケット28を含む。ポケット28は、強化要素またはステイ30を受容するようにサイズ決定および構成される。しめされるように、ステイ30は、プラスチック材料の細片を備えることができるが、他の断面構成、直線または曲線、および材料の選択が可能である。各ステイ30は、例えば、長さ、厚さ、弾性、引張強度、屈曲(標準ガーレー単位)、圧縮性、バネ定数、トルク、形状等に関して表すことができる、1つ以上の定量化可能な物理的性質を保有する。個別に、または2つ以上の群で、ステイ30の意図的な選択および挿入によって、所望の方法で下顎および頭部を拘束する能力に影響を及ぼす、ネックピース20および/または顎支持材22の物理的性質を段階的に調整することができる。経時的に、ネックピース20および/または顎支持材22の物理的性質は、深い回復睡眠を最もよく導くネックピース20および/または顎支持材22の物理的性質を、個人に対して最適化するように、その個人の睡眠性能に対して漸増することができる。
【0094】
代替として、図18Aおよび18Bに示されるように、ポケット28は、外部源32からガスまたは流体圧力を受容するように、または別様に拡大あるいは拡張されるように、膨張式チャンバを備えることができる。膨張式チャンバ28の意図的な拡張によって、例えば、個別に、または2つ以上の膨張式チャンバの群で、ガスまたは流体圧力の導入によって、所望の方法で下顎および頭部を拘束する能力に影響を及ぼす、ネックピース20および/または顎支持材22の物理的性質を段階的に調整することができる。経時的に、ネックピース20および/または顎支持材22の物理的性質は、深い回復睡眠を最もよく導くネックピース20および/または顎支持材22の物理的性質を、個人に対して最適化するように、その個人の睡眠性能に対して漸増することができる。
【0095】
先行実施形態では、前述のように、顎支持材22が、口腔底の中、上、または付近の組織を圧縮することなく、組織の変位に適応することができ、それにより、使用中に、口腔底が下顎、舌骨、および舌に提供する天然固着機能への干渉を回避することが望ましい。
【0096】
(iv)下顎および/または頭部の動的拘束
拘束力の大きさおよび/または方向はまた、動的に変化させることもできる。図19Aに示されるように、下顎および/または頭部を拘束するための装置10は、顎支持材22に連結されるアクチュエータ34を含むことができ、アクチュエータ34の操作によって顎支持材22を関節動作させることを可能にする。アクチュエータ34を操作して、個人の下顎および頭部に漸進的な持ち上げる力および/または回転力を及ぼすように、顎支持材22を顎に向かって段階的に関節動作させることができる。逆に、アクチュエータ34は、持ち上げる力を加減するように、顎から離して顎支持材22を関節動作させることができる。前述のように、顎および下顎への持ち上げる力および/または回転力はまた、開いた気道を伸張し、維持する働きをすることもできる。
【0097】
顎支持材22を関節動作させるためのアクチュエータ34は、様々となり得て、種々の方法で制御することができる。例えば、電気機械的リフタまたは形状活性化材料が、顎支持材22に組み込まれてもよい。
【0098】
図示した実施形態では、顎支持材22は、ソレノイド制御弁40を通した圧力源38からの流体(例えば、ガスまたは空気)圧力の印加に応じて拡張される、膨張式チャンバ36を備える。ソレノイド制御弁40は、圧力源から顎支持チャンバ36への流体の伝達を可能にする開放状態と、圧力源から顎支持チャンバ36への流体の伝達を防止する閉鎖状態と、顎支持チャンバ36から流体圧力を放出する放出状態とを含む。
【0099】
アクチュエータ34は、通常、閉鎖状態で制御弁40を維持する。アクチュエータ34は、弁40を開いて、個人の顎の下で顎支持チャンバ36を拡張するように動作する。顎支持チャンバ36の漸進的拡張は、個人の顎を段階的に持ち上げ、および/または回転力を提供し、および/または下顎および/または頭部の移動回転に対する漸進的抵抗を提供する。
【0100】
アクチュエータ34は、個人によって、または医療助手によって、手動で操作することができる。アクチュエータ34は、持上げの大きさの測定値および設定を伴う手動制御ユニット42を含むことができる。手動制御ユニット42を使用して、個人または医療助手は、所望の持上げの大きさを選択することができる。経時的に、持上げの大きさは、深い回復睡眠を最もよく導く持上げの大きさを、個人に対して最適化するように、その個人の睡眠性能に対して漸増することができる。
【0101】
下顎および/または頭部を拘束するための動的に制御された装置10は、深い回復睡眠を最もよく導く方式で、持上げの大きさをリアルタイムで調整するように、個人の胴体の位置、または個人の頭部の位置、あるいは両方、睡眠音または振動構造、血圧、血中酸素濃度、心拍数、呼吸数、周期的な呼吸停止、および/または筋肉の緊張、または他の感知した身体的状態に関して、感知した睡眠状態、例えば、個人の身体的睡眠姿勢および/または睡眠姿勢に応じてアクチュエータ34を制御する、全体的な治療システムに統合することができる。
【0102】
例えば、図19Bでは、ネックピース20は、個人の睡眠に付随する身体的または生理的状態を感知するためのセンサ46を持つ。例えば、図示した実施形態では、音感要素(例えば、1つ以上のマイクロホン)を、ネックピース20に組み込むことができる。マイクロホン46は、個人の睡眠音構造を検出する。睡眠音構造は、監視した睡眠音構造が「最良」または所望の基準に一致しない場合に、アラーム出力50を生成する、監視要素48によって、事前にプログラムされた規則に従って監視および処理される。
【0103】
アラーム出力50は、アクチュエータ42に伝達される。事前にプログラムされた規則に従って、アクチュエータ42は、チャンバ36を段階的に拡張し、持ち上げて個人の顎に漸進的な持ち上げる力および/または回転力を及ぼすように、制御弁40を制御する。
【0104】
個人の顎を漸進的に持ち上げること、および/または個人の頭部の向きを段階的に変えることにより、気道を伸張する。これは次に、気道の開放、および基準状態に向かった睡眠音構造の変化につながる。基準状態が戻ると、アクチュエータ42は、顎支持チャンバから流体圧力を放出し、弁134を閉鎖状態に戻す。
【0105】
図20Aおよび20Bは、上記で識別されるように、感知した睡眠状態に応じて下顎および/または頭部を拘束するための動的に制御された装置10の別の代表的な実施形態を示す。
【0106】
この実施形態では、装置10は、(図20Aが示すように)個人が睡眠表面上で横向きの睡眠姿勢で安静している間に、個人の頸部を支持するようにサイズ決定および構成される構造52を備える。構造52は、頸部支持表面56を含み、その上で、個人が頸部の側面を静置する一方で、頭部は枕に静置する。
【0107】
図20Bは、頸部支持表面126の後方領域58が、頸部の後部用の台を形成るように睡眠表面54から離れて上向きに輪郭形成される一方で、個人は、頸部支持表面56の残りの部分で頸部の側面で安静していることを、最も良く示す。頸部支持表面56の前方領域60(個人の頭部が対面する方向)も、個人の顎用の前方台を形成するように、上向きに輪郭形成されるが、後方領域ほどではない。この編成では、支持表面は、非対称の「U」字形を成す。
【0108】
構造は、頸部支持表面の前方および後方領域の間に位置する、下顎設置表面62を含む。下顎設置表面62は、個人の顎の輪郭の下に位置するようにサイズ決定および構成される。
【0109】
この編成では、個人の睡眠に付随する身体的または生理的状態を感知するためのセンサ64を、装置に連結することができる。例えば、図示した実施形態では、音感要素64(例えば、1つ以上のマイクロホン)を、頸部支持表面60の前方領域に組み込むことができる(図20Aおよび20Bが示すように)。マイクロホン64は、頸部支持構造56に横向きで安静している個人の睡眠音構造を検出する。睡眠音構造は、事前にプログラムされた規則に従って監視および処理され、監視した睡眠音構造が「最良」または所望の基準に一致しない場合に、アラーム出力が生成される。
【0110】
是正措置要素66は、頸部支持表面56に対する下顎設置表面62の上昇を制御する。是正措置要素66の制御下で、下顎設置表面62は、個人の顎に漸進的な持ち上げる力および/または回転力を及ぼすように、頸部支持表面より上側に段階的に持ち上げることができる。
【0111】
下顎設置表面62の持上げおよび/または回転は、種々の方法で制御することができる。例えば、電気機械的リフタまたは補強材が使用されてもよい。図示した実施形態では、下顎設置表面62は、ソレノイド制御弁70を通した流体源68からの流体圧力の印加に応じて、持ち上げられる。ソレノイド制御弁70は、流体源68から下顎設置表面62の中への流体圧力の伝達を可能にする開放状態と、流体源68から下顎設置表面62の中への流体圧力の伝達を防止する閉鎖状態と、下顎設置表面を折り畳み状態にするように、そこから流体圧力を放出する放出状態とを含む。
【0112】
是正措置要素66は、通常、閉鎖状態で制御弁134を維持する。感知した望ましくない睡眠状態(すなわち、アラーム状態)に応じて、是正措置要素66は、個人の顎の下の下顎設置表面を増進的に持ち上げるように、弁70を増進的に開く。下顎設置表面を増進的に持ち上げることにより、個人の顎を段階的に持ち上げ、個人の頭部の向きを段階的に変え、気道を伸張する。これは次に、気道の開放、および基準状態に向かった睡眠音構造の変化につながる。代替として、基準状態は、個人の胴体の位置、または個人の頭部の位置、あるいは両方、睡眠音または振動構造、血圧、血中酸素濃度、心拍数、呼吸数、周期的な呼吸停止、および/または筋肉の緊張、または他の感知した身体的状態に関して、別の感知した睡眠状態、例えば、個人の身体的睡眠姿勢および/または睡眠姿勢を含むことができる。基準状態が戻ると、是正措置要素66は、下顎設置表面62から流体圧力を放出し、弁70を閉鎖状態に戻す。
【0113】
前述のように、先行実施形態における顎および顎先の持上げは、好ましくは、使用中に、口腔底が下顎、舌骨、および舌に提供する天然固着機能への干渉を回避するように、口腔底の中、上、または付近の組織を圧縮することを回避する。
【0114】
(v)固着した耐過重構造
図21A、21B、および21Cに示された実施形態では、装置10は、肩と下顎との間の剛性の骨の固着点(図23Cに示される)の間で支持されるようにサイズ決定および構成される、耐過重構造72を含む。
【0115】
耐過重構造72は、尾側領域74を含む。尾側領域74は、少なくとも部分的に左右の鎖骨と接触して胸部または背部に係合するようにサイズ決定および構成される。鎖骨(clavicle、collar boneとも呼ばれる)は、肩帯(胸帯)の一部を構成する長い骨である。鎖骨は、頸部の組織構造に関して図5でも示されている。
【0116】
耐過重構造72はまた、頭側領域76も含む。頭側領域76は、少なくとも部分的に下顎の骨周辺に係合するようにサイズ決定および構成される。この目的で、頭側領域76は、使用中に下顎の骨周辺が静置する、チャネルを含むように輪郭形成92することができる。この実施形態では、頭側領域76は、そうでなければ、顎の下の軟組織との接触を実質的に含まない。
【0117】
左右の鎖骨および下顎の骨周辺は、それぞれ、耐過重構造72に対する剛性の尾側および頭側固着点を備える。図示した実施形態では、構造の中間領域は、尾側および頭側領域74および76に連結される耐荷重トラスまたはスペーサ78を備える。ヒンジ継手80は、使用のために定位置に挿入し、使用後に除去するために、構造72が開放(図21Aが示すように)および閉鎖(図21Bが示すように)されることを可能にする。解放可能なラッチ82は、使用のために閉鎖位置で構造72を係止する(図21Cが示すように)。解放可能なラッチ82は、個人が構造72の嵌合および形態を調整することができるように、例えば、スナップ、磁石、バックル、ストラップ、VELCRO(登録商標)織物、および同等物等の解放可能な締結具を備えることができる。
【0118】
口が閉じられたときに、鎖骨および下顎の骨の剛性の固着点の間に挿入されて、耐過重構造72は、前述の方式で下顎および/または頭部を拘束する。
【0119】
(軸方向調整)
一実施形態(図22AA、22B、および22C参照)では、構造72の中間領域中の耐過重トラス78は、尾側および頭側端領域74および76の間の軸方向距離の調整を可能にする機構84を含む。図示した実施形態では、耐過重トラス78は、伸縮延長脚部78aおよび78bを備える。この編成では、調整機構84は、脚部78aおよび78bの伸縮式接合点において、1つ以上のネジクランプ86を備える。ネジクランプ86を緩めることにより、軸方向に(図22Bの矢印が示すように)延長または退縮のために脚部を解放し、それにより、それぞれ、尾側および頭側領域74および76の間の軸方向距離を増加または縮小する。ネジクランプ86を締めることにより、図22Cが示すような所望の長さで固守するように、延長または退縮に対して脚部78aおよび78bを係止する。
【0120】
調整機構84は、個人の生体構造および治療目的に従って、構造72の軸長を調整することを可能にする。このようにして、口を閉じたままにし、頭部の下方回転を制限する、上記で説明される第1および第2の拘束状態12および14は、所与の個人に対して最適化および/または漸増することができる。
【0121】
調整機構84はまた、個人の下顎および頭部に増進した持ち上げる力を及ぼして、気道を伸張してさらに開くことも可能にする。
【0122】
代替として、図23A、23B、および23Cに示されるように、調整機構84は、外部源90からのガスまたは流体圧力の導入に応じて軸方向に拡張する、伸縮空気圧式チャンバまたはシリンダ88を備えることができる。
【0123】
(回転付勢)
別の実施形態(図24A、24B、および24C参照)では、耐過重構造72は、軸方向軸の周囲で尾側領域74に対して頭側領域76に回転オフセットを提供するようにサイズ決定および構成される。図示した実施形態では、耐過重構造72は、固定された事前設定オフセットを伴って製造される。
【0124】
回転オフセットは、上記で説明される第4の拘束状態18を課すことを可能にする。回転オフセットは、顎への所望のねじれまたはトルクを確立し、維持する。軸長調整機構84とともに、回転オフセットはまた、顎の所望の上昇を確立し、維持する。回転オフセットは、片側への顎のねじれを引き起こすように、下顎に横力またはトルクを印加する。この拘束状態14は、より剛性の気道を生成するように、咽頭気道に沿った筋肉構造に張力を印加する。
【0125】
(下顎調整)
図25A、25B、および25Cに示された実施形態では、頭側領域76の輪郭形成チャネル92は、前方向にチャネル92を平行移動させるために、トラック90上で摺動する。係止ネジ94は、所望の平行移動位置でチャネルを固守する。調整可能な下顎静置チャネル92は、顎に前方位置を提供し、維持するものである、第3の拘束状態16を課すことを可能にする。チャネル92に顎を静置し、次いで、チャネル92を前方に平行移動させることにより、下顎を前方に移動させ、下顎の所望の前方配向を確立する。係止されると、チャネル92は、下顎を所望のわずかに前方の(突出した)配向に維持して、それにより、TMJ内で下顎の下方平行移動に積極的に抵抗する。
【0126】
代替として、上記の実施形態のうちのいずれかで、構造72の頭側領域76は、図26Aに示されるように、形成された顎嵌合チャネル92の代わりに、より大きい組織支持表面96を含むことができる。この実施形態では、組織支持領域96は、望ましくは、例えば、柔らかく、しなやかで通気性のある織物、例えば、網目状材料を備える、ユーザ快適性のための可撓性で柔らかい材料で形成される。
【0127】
さらに、図26Bに示されるように、接着材料26は、組織支持領域96に塗布することができる。接着材料26は、顎の下の表面組織に接着する。組織支持領域96への表面組織の接着は、口腔底の中、上、または付近の組織構造に安定力を及ぼすことができる。安定力は、気道から離れて尾側方向に表面組織を引く。
【0128】
以降でより詳細に説明されるように、この領域中の組織構造の天然相互接続形態により、表面組織への安定力の印加は、この領域中の内部組織構造、例えば、内舌筋および外舌筋を間接的に安定させる働きもする。組織支持領域96への表面組織の接着は、顎および口腔底の中、上、または付近の組織構造を補強して、気道の中への陥没を避けた所望の配向でそれらを保持する。機械的安定化および支持はまた、これらの組織構造の振動を弱める働きをし、それにより、睡眠中の大きな呼吸またはいびきを加減することもできる。
【0129】
組織支持領域96への表面組織の接着はまた、TMJ内で下顎の下方平行移動に抵抗するように、および/または、顎に前方位置を提供し、維持する、第3の拘束状態16を課するように、下顎の前方安定化を強化することもできる。
【0130】
(vi)らせん状耐過重構造
図27Aおよび27Bは、肩と下顎との間の剛性の骨の固着点の間で支持されるようにサイズ決定および構成される、耐過重構造72の代替実施形態を示す。
【0131】
耐過重構造72は、尾側領域74を含む。尾側領域74は、図27Cが示すように、少なくとも部分的に左右の鎖骨と接触して、胸部および背部に係合するようにサイズ決定および構成される。
【0132】
耐過重構造72はまた、頭側領域76も含む。頭側領域76は、少なくとも部分的に下顎の骨周辺に係合するようにサイズ決定および構成される。
【0133】
図27A、27B、および27Cに示された実施形態では、構造の中間領域は、尾側および頭側領域74および76の間でらせん状になる、らせん状耐過重部材98を備える。
【0134】
図27Bが示すように、口が閉じているときに、鎖骨と下顎との間の剛性の骨の固着点の間に挿入されると、らせん状耐過重部材98は、下顎に持ち上げる力を印加し、それにより、口を閉じて顎を持ち上げたままにするように、下顎および/または頭部を拘束する。らせん状耐過重部材98はまた、耐過重部材98のらせん状ねじれの方向で下顎に優先的トルクも印加する。それにより、らせん状耐過重部材98は、付加的な拘束状態を課し、咽頭気道に沿った筋肉組織に張力を印加するように優先的に頭部をねじり、それにより、より剛性の気道を生成する。
【0135】
らせん状耐過重部材98は、事前形成された弾性または半弾性材料を含むことができる。代替として、らせん状耐過重部材98は、鎖骨と下顎との間の空間で嵌合し、自身を固着するように原位置で(例えば、空気圧式流体圧力に応じて)拡大および拡張する構造を備えることができる(図27C参照)。この編成で、流体圧力の調整は、らせん状構造72が提供する、持上げおよび/または優先的トルクを調整する働きをする。前述のように、個人または医療助手は、求められる持上げおよび/または優先的トルクの治療目的を達成するように、流体圧力の所望の大きさを選択することができる。経時的に、流体圧力の大きさは、深い回復睡眠を最もよく導く持上げおよび/または優先的トルクの大きさを、個人に対して最適化するように、その個人の睡眠性能に対して漸増することができる。
【0136】
拡張型らせん状耐過重部材98は、深い回復睡眠を最もよく導く持上げおよびトルクの大きさをリアルタイムで調整するように、個人の胴体の位置、または個人の頭部の位置、あるいは両方、睡眠音または振動構造、血圧、血中酸素濃度、心拍数、呼吸数、周期的な呼吸停止、および/または筋肉の緊張、または他の感知した生理的あるいは身体的状態に関して、感知した睡眠状態、例えば、個人の身体的睡眠姿勢および/または睡眠姿勢に応じて流体圧力の大きさを制御する、全体的な治療システムに統合することができる。
【0137】
前述のように、上記で説明されるような耐過重構造は、好ましくは、使用中に、口腔底が下顎、舌骨、および舌に提供する天然固着機能への干渉を回避するように、口腔底の中、上、または付近の組織を圧縮することを回避する。
【0138】
IV.頸部の中、上、または付近の組織構造を補強するための装置および方法
下顎および/または頭部を拘束するための装置および方法が説明されている。装置および方法は、構造上の構成要素として、ネックピース20を含んでいる。これらの実施形態では、ネックピース20は、その実施形態で、下顎および/または頭部の所望の配向を達成する主要な治療有益性を提供する、構造上の構成要素として説明された、顎支持材22用の担体としての機能を果たす。
【0139】
図28A、28B、および28Cは、異なる主要な治療有益性を果たすネックピース100を備える、装置を示す。この治療有益性は、頸部の中、上、または付近、および/または咽頭気道の壁に沿った、および/または口腔底の組織構造を外部から補強することである。
【0140】
多様な組織構造が、頸部、咽頭気道、および口腔底を占有する。これらの構造は、表皮から舌および舌底に内側に向かって相互に相互接続される、真皮、脂肪、および筋肉の層を備える。それらの天然相互接続形態により、これらの組織構造のうちの1つを補強する、移動させる、または拘束する力の印加は、実際には、種々の程度でそれら全てを補強し、移動させ、または拘束する。ネックピース100は、気道の中への陥没を避けた所望の配向で、頸部、咽頭気道、および口腔底の中、上、または付近にある(すなわち、それらを完全に円周方向に包囲する)これらの相互接続された組織構造を機械的に安定化して支持するようにサイズ決定および構成される。ネックピース100が提供する機械的安定化および支持は、気道に向かった、および気道の中への、頸部、咽頭気道、および口腔底の中、上、または付近の組織構造の移動または陥没に積極的に抵抗する。ネックピース100が提供する機械的安定化および支持はまた、これらの組織構造の振動を弱める働きをし、それにより、睡眠中の大きな呼吸またはいびきを加減することもできる。
【0141】
前述のように、ネックピース100は、CPAPのような外部陽圧換気技法を使用することなく機能することができる。しかしながら、ネックピース100はまた、CPAPと、および/または睡眠中に舌および/または顎を設置するために使用される口腔内口腔装置と、Pillar(登録商標)手技(Restore Medical Inc.)と、および/または上下顎前進(MA)あるいは口蓋垂軟口蓋咽頭切除術(UPPP)等の組織除去あるいは他の外科的介入技法と組み合わせて使用することもできる。ネックピース100の相加効果は、これらのしばしば極めて侵襲的な外科的手技の必要な性質および程度を加減し、それにより、しばしば長い回復時間を短縮し、患者アピールを増加させることができる。CPAP、口腔装置、および外科的手技と組み合わせて使用されると、ネックピース100の存在は、従来の治療の成功率を増加させることができる。
【0142】
望ましくは、頸部の中、上、あるいは付近、および/または咽頭気道自体の壁に沿った、および/または口腔底の組織構造を外部から補強する構造は、口腔底の中、上、または付近の組織を圧縮することを回避して、使用中に、口腔底が下顎、舌骨、および舌に提供する天然固着機能への干渉を回避するようにサイズ決定および構成される。
【0143】
A.概観
図28A、28B、および28Cでは、ネックピース100は、下顎と鎖骨(clavicle/collar bone)との間で頸部を取り囲むようにサイズ決定および構成される、カラー102の形態を成す。鎖骨および下顎は、カラー102に対する剛性の骨の固着点を提供する。カラー102は、ユーザ快適性のために可撓性で柔らかい(望ましくは、柔らかく、しなやかで通気性のある織物を備える)が、それでもなお、説明される方式で機能するように必要サイズおよび機械的性質を保有する。ネックピース100は、織物材料を備え、単回または限定使用の使い捨てアイテムとして扱うことができる。
【0144】
図示した実施形態では、カラー102は、カラー102を装着する個人の生体構造および形態に基づいて医療介護提供者によって判定される、わずかな差(例えば、5cm未満、より望ましくは約0.5cmから約2cmの間)だけ頸部の天然外側円周を超える内側円周を有する、サイズおよび構成である。わずかに大きすぎるカラー102は、気道から離れた配向に、頸部、咽頭気道、および口腔底の中、上、または付近の組織構造を一致させることを可能にする。
【0145】
ネックピース100は、カラー102の内側に塗布される感圧医療グレード接着ゲルまたは材料104を含む(図28Aおよび28C参照)。前述のように、接着材料104は、特に人工肛門造設術ケアの分野で、皮膚への接着のために使用される、従来の感圧組成物を備えることができる。代表的な感圧接着組成物は、親水コロイドと呼ばれる、吸水性膨張粒子が分散される、自己接着性エラストマー基質を備える。
【0146】
接着材料104の存在により、カラー102の内側は、頸部に沿った表面組織に接着する。図28Cに示されるように、カラー102の内側円周が、頸部の天然円周よりも意図的にわずかに大きいため、カラー102上の接着材料104は、頸部、咽頭気道、および口腔底の組織構造から外向きに組織を引き離す。接着材料104は、この位置で組織を保持して、頸部、咽頭気道、および口腔底の中、上、付近、または周囲にある(すなわち、それらを完全に円周方向に包囲する)組織構造に安定力を及ぼす。
【0147】
カラー102を装着する個人の生体構造および形態に応じて、カラー102の内側円周は、装着者の頸部の天然外側円周を有意に超える必要がなくてよい。カラー102および接着材料104によって生成される接着力は、頸部、咽頭気道、および口腔底の中、上、または付近の組織構造を機械的に補強して安定させ、それにより、気道の中へのこれらの組織構造の移動または陥没に抵抗する。そうでなければ、カラー102は、頸部の円周を拡大する必要はない。
【0148】
依然として、所望であれば、カラー102の内側円周も、頸部、咽頭気道、および口腔底の中、上、または付近の組織構造に引張力を及ぼすように、頸部に対してサイズ決定することができる。外側接着力は、カラー102のわずかにより大きい円周に向かって、これらの組織構造を再成形する。
【0149】
それにより、カラー102は、頸部、咽頭気道、および口腔底の中、上、または付近の組織構造を安定化および/または再成形する働きをし、気道の中への陥没から離れた円周および配向で、それらを保持および/または付勢する。頸部に沿った組織および特大カラー102上の接着材料104との間の接着力は、気道の中への陥没に対して、頸部、咽頭気道、および口腔底の中、上、または付近の組織構造を補強する。接着力は、気道の内側に向かった組織の移動または陥没に機械的に抵抗する。この点に関して、カラー102は、舌および口腔底の中、上、または付近の軟組織構造への内向き圧力を回避するという点で独特である。前述のように、口腔底の中、上、または付近の組織を圧縮することを回避し、それにより、使用中に、口腔底が下顎、舌骨、および舌に提供する天然固着機能への干渉を回避することが望ましい。
【0150】
カラー102上の接着材料104が組織構造に印加する力は、増大または強化するか、あるいはカラー102の内側と頸上部および顎下の軟組織との間の領域中の陰圧の存在に、その全体で置換することができる。図29Aが示すように、下顎と鎖骨の固着点との間の好適な密閉界面106の配置は、カラー102の内部に沿って密閉チャンバ108を形成することができる。外部源110から密閉チャンバに陰圧を印加することにより、気道から組織を引き離す。外部源110は、例えば、カラーによって担持することができる空気ポンプを備えることができ、または、それは、図29Aが示すように、カラー102から遠隔で、例えば、ベッドのそばに位置し、管類によってチャンバ16に連結することができる。空気ポンプ110は、例えば、ダイヤフラムポンプ機構、または往復ピストン機構、または遠心(タービン)換気機構を備えることができる。空気ポンプ110は、手動で操作されてもよく、または電源114が、空気ポンプ110を駆動してもよい。電源114は、例えば、従来の電気レセプタクルに差し込むことができる、または電池式となり得る、または両方となり得る(その場合、バッテリは再充電可能となり得る)、電気モータとなり得る。駆動されると、空気ポンプ110は、大気圧よりも小さい圧力条件をチャンバ108内で確立するように、チャンバ108から空気を引き出す。
【0151】
調節器112が、空気ポンプ110の動作を管理して、チャンバ108内で所望の大気圧以下の条件を確立して維持するように連結されてもよい。所望の圧力条件は、大気圧よりも小さくなるように選択され、望ましくは、典型的には呼吸サイクルの吸入相中に遭遇する、咽頭導管中で体験される予期された最小圧力条件よりも小さい。選択される圧力は、望ましくは、大気圧、重力、上部気道気道筋活動による組織内の収縮力、および吸入中に生成される大気圧以下の管腔圧力によって生成される内向きの力の相互作用によって生成される、管腔外力のべクトル和を無効にする。チャンバ16内で確立される圧力条件は、少なくとも−1cmHO、望ましくは−10cmHOであるべきと考えられる。生成される圧力はまた、望ましくは、個々の気道の異なる構造差も考慮に入れる。
【0152】
皮膚およびカラー102の内側がともに押し付けられたときに、空気が脱出する(しかし再進入しない)ことを可能にする、一方向弁の使用によって、陰圧も生成することができる。
【0153】
陰圧の存在は、気道から離して頸部の中、上、または付近の組織構造を保持するように、カラー102上の接着材料104によって組織に印加される引張力を補完する。
【0154】
代替として、接着材料104を使用することなく、陰圧のみが、気道から離れて頸部の中、上、または付近の組織構造を保持する働きをすることができる。
【0155】
別の代替編成(図29B参照)では、カラー102は、外部源110に連結される陰圧ポート116のアレイを含むことができる。ポート116は、接着材料104と同様に、かつ気道から離して頸部の中、上、または付近の組織構造を保持する同じ有益な効果を伴って、陰圧を伝達し、カラー102の内部と接触するように局所領域を引き込む。
【0156】
別の代替実施形態(図29Cおよび29D参照)では、喉および/または口腔底の領域中で可撓性ストラップ302を用いて、より小さい頸部マスクまたはカップ300を付加することができる。頸部マスクまたはカップ300は、内部空気チャンバ306を形成するように、その周辺に密閉界面304を含む(図29C参照)。空気ポンプ308は、図29Cが示すように、陰圧を空気チャンバ306に印加するように、管類310によって頸部マスクに連結することができる。図29Dが示すように、装着すると、空気チャンバ306内の陰圧の存在は、気道から離して頸部および/または口腔底の中、上、または付近の組織構造を保持する。
【0157】
B.組織補強
睡眠中(図30A参照)、個人が腹臥、仰臥、または横臥位で横たわっている時、ならびに頸部、および/または咽頭気道、および/または口腔底の中にある、またはそれらに影響を及ぼす筋肉が弛緩できるときに、下顎が下がることができ(図30Aが示すように)、口が開く。睡眠中に、頭部が屈曲して下方に回転してもよく、または平行移動がTMJ内で発生して下顎の後方摺動を引き起こしてもよい。睡眠中の下顎および/または頭部配向の移行は、口腔底内の下顎骨と舌骨との間の天然前後距離の短縮につながる。前後距離が下顎および頭部配向によって縮小されるにつれて、この空間を占有する舌および口腔底における組織構造は、内側に向かって、かつ気道に向かって移行される。下顎骨と舌骨との間の前後距離の縮小がない場合でさえも、自然な筋活動の減少または欠如、および睡眠中の重力が、気道に向かって、および気道の中へ、後方向に舌根の位置を移行することができる。さらに、睡眠中に、頸部の自然な筋活動の減少または欠如が、気道に向かった、および気道の中への頸部の組織の陥没につながり得る。結果として、気道が縮小または封鎖さえされ得る。
【0158】
図30Bに示されるように、カラー102およびそれが持つ接着材料104の存在は、気道に向かった、および気道の中への陥没に抵抗するように、頸部、および/または咽頭気道、および/または口腔底の中、上、または付近の組織構造を調節する。カラー102およびそれが持つ接着材料104の存在は、気道の中への陥没から離して、これらの組織構造を外向きに補強する。カラー102は、好ましくは、以降でより詳細に説明されるように、使用中に、カラー102が口腔底を圧縮して、舌の望ましい下降および気道への有益な効果を妨害しないように、口腔底の下にある組織を受容するようにサイズ決定および構成される、凹面ポケット領域430を含む。
【0159】
装置の補強効果は、拡大された、またはそうでなければ通常の緊張性または柔軟性が欠けている組織構造を有する、個人に特に有利である。そのような個人に対して、カラー102の使用前に、頸部の皮膚を引き締めることが当然であってもよい。頸部の皮膚は、例えば、外科的に、または、薬剤の注入あるいは熱によるもの等のコラーゲン引き締め技術の使用によって、または脂肪吸引術によって、または頸部持上げ技法によって、引き締めることができる。頸部の皮膚はまた、装置の使用前に感圧テープで包むことによって、局所的に引き締められてもよい。
【0160】
図29Aが示すように、カラー102は、望ましくは、使用前に、個人が頸部の周囲にカラー102を固定し、使用後に、頸部からカラー102を除去することができるように、例えば、スナップ、磁石、バックル、ストラップ、VELCRO(登録商標)織物、および同等物等の解放可能な締結具118を含む。接着材料104は、カラー102の除去時に解放する。締結具118は、個人がカラー102を緩めるか、または締めて、組織構造に及ぼされる引張力を調整することを可能にする。
【0161】
カラー102は、頸部、咽頭気道、および/または口腔底の中、上、または付近の組織構造への有益な補強効果を達成するように、(図29Bが示すように)単独で使用することができる。図31Aおよび31Bが示すように、カラー102はまた、頸部補強を下顎および/または頭部拘束と組み合わせる、多機能アセンブリ100を作成するように、前述のもののような顎支持材120を含むこともできる。
【0162】
ネックピースまたはカラー102は、弾性網目状材料から形成することができる。代替として、ネックピースまたはカラー102は、例えば、弾性または半弾性ポリマー材料でできている、事前形成デバイスを備えることができる。いずれか一方の編成では、ネックピースまたはカラー102は、デバイスを装着する個人の特定の生体構造に基づいて、成形、サイズ決定、および輪郭形成することができる。しかしながら、ネックピースまたはカラー102はまた、人間の生体構造の一連の一般モデルにさらに基づいて、成形、サイズ決定、および輪郭形成することもできる。
【0163】
カラー102の内側円周、およびそれと頸部の天然外側円周との間の差は、例えば、単純フィルム、MRI、またはCRTスキャンを使用して、個人の頸部の中、上、または付近の組織構造の形態の分析によって支援される、人間の骨格生体構造の教科書を使用する医療専門家によって評価することができる。
【0164】
カラー102の内側円周は、深い回復睡眠を最もよく導く内側円周を、個人に対して最適化するように、その個人の睡眠性能に対して漸増することができる。使用される接着材料104の選択および塗布も、所望の結果を最適化するように漸増することができる。
【0165】
以前に論議されたように、ネックピースまたはカラー102、および一般的に装置100のサイズおよび構成も、顎の下および口腔底の中の軟組織への直接圧力を制限し、気道に向かったこれらの組織領域の意図しない内向き移動、および結果として生じる気道の狭窄を防止するように、選択および輪郭形成される。
【0166】
1.可変頸部補強/再成形
ネックピースまたはカラー102の物理的性質は、可変にすることができる。図32Aおよび32Bに示されるように、ネックピースまたはカラー102は、補強要素またはステイ124を受容するようにサイズ決定および構成されるポケット122を、その外側円周に含むことができる。以前に論議されたように、ステイ124は、プラスチック材料の細片を備えることができるが、他の断面構成、直線または曲線、および材料の選択が可能である。所与のステイ124の物理的性質は、例えば、長さ、厚さ、弾性、引張強度、屈曲(標準ガーレー単位)、圧縮性、バネ定数、トルク、形状等に関して、特徴付けることができる。個別に、または2つ以上の群で、ステイ124の意図的な選択および挿入によって、頸部、咽頭気道、および/または口腔底の中、上、または付近の組織構造を補強する能力に影響を及ぼす、ネックピースまたはカラー102の物理的性質を段階的に調整することができる。経時的に、ネックピースまたはカラー102の物理的性質は、深い回復睡眠を最もよく導くネックピースの物理的性質を、個人に対して最適化するように、その個人の睡眠性能に対して漸増することができる。
【0167】
一変化例では、ネックピースまたはカラー102の機械的性質は、アクチュエータ126の制御によって変化させることができる。アクチュエータ126を操作して、可撓性または剛性および/または円周に関するネックピースの機械的性質を、段階的に変化させることができる。ネックピースの機械的性質を変化させるための機構は、変化し得る。例えば、ステイ124は、例えば、電流の伝導をもたらすように硬化する、形状活性化材料を含んでもよい。
【0168】
2.動的頸部補強/再成形
図示した実施形態(図33Aおよび33B参照)では、ネックピースまたはカラー102は、ソレノイド制御弁130を通して圧力源130から流体圧力を受容する、チャンバ128を含む。流体圧力は、ネックピースまたはカラー102の円周を拡張するか、またはそれに接触し、また、ネックピースまたはカラー102を多かれ少なかれ可撓性にする。アクチュエータは、弁で調節して、ネックピースのチャンバの中に、より多いまたは少ない流体圧力を漸進的に導入するように動作する。漸進的な流体圧力改変はまた、ネックピースを硬化または軟化することができ、また、その円周を収縮または拡張する。
【0169】
アクチュエータ126は、個人によって、または医療助手によって操作することができる。アクチュエータ126は、手動制御と、圧力の大きさの測定値および設定とを含むことができる。アクチュエータ126を使用して、個人または医療助手は、所望の圧力の大きさを選択することができる。経時的に、圧力の大きさは、深い回復睡眠を最もよく導く持上げの大きさを、個人に対して最適化するように、その個人の睡眠性能に対して漸増することができる。
【0170】
図33Aおよび33Bが示すように、頸部を成形するための動的に制御された装置100は、深い回復睡眠を提供するように、個人の胴体の位置、または個人の頭部の位置、あるいは両方、睡眠音または振動構造、血圧、血中酸素濃度、心拍数、呼吸数、周期的な呼吸停止、および/または筋肉の緊張、または他の感知した生理的あるいは身体的状態に関して、感知した睡眠状態、例えば、個人の身体的睡眠姿勢および/または睡眠姿勢に応じてアクチュエータ126を制御する、全体的な治療システム134に統合することができる。
【0171】
頭部または下顎を移動させることが、無呼吸事象を補正するための最も単純かつ最も効果的な手段のうちの1つであってもよい。したがって、動的に制御された装置100はまた、以前に説明された、図19Aで開示された方式で、下顎および頭部への拘束力の大きさおよび/または方向に影響を及ぼすこともできる。このようにして、顎支持材22に連結されるアクチュエータ34は、感知した状態に応じて、個人の下顎および頭部に漸進的な持ち上げる力および/または回転力を及ぼすように、アクチュエータ34の操作によって顎支持材22を関節動作させることを可能にする。前述のように、顎先および下顎への持ち上げる力および/または回転力はまた、開いた気道を伸張し、維持する働きをすることもできる。頭部または下顎を移動させることが、無呼吸事象を補正するための最も単純かつ最も効果的な手段のうちの1つであってもよい。
【0172】
この動的に制御された装置100は、印加されている陽性空気圧の大きさが、カラーの配向に影響を及ぼす、感知した状態のうちの1つになるように、陽性空気圧システムと一体化することもできる。陽圧は、個人によって装着される鼻マスク、フルフェースマスク、または鼻ピローに印加される。マスクに連結される機械は、漸増圧力とも呼ばれる規定の圧力で、送達デバイスに圧縮空気流を送達する。CPAPの意向は、妨害されていない呼吸が可能になり、いびき、無呼吸、および呼吸低下を低減および/または予防するように、気道をさせる(空気圧下で開いておく)。
【0173】
例えば、高い漸増圧量が必要とされるときに、マスクは引き締められなければならない。これは、下顎を下降させ、舌を後退させ、それにより、さらに高い圧力を引き起こす。この状態を感知し、それに応じて、個人の下顎および頭部に持ち上げる力および/または回転力を及ぼすようにカラー102を調整することにより、圧力要求を低減するか、またはマスクを過剰に締め付けることなく、より高い圧力が印加されることを可能にする。
【0174】
したがって、カラー102は、陽性気道圧療法を投与しながら、頭部位置および組織安定化を達成するように、陽性気道圧マスク(ピローおよび同等物)と一体化することができる。
【0175】
V.口腔底の中、上、または付近の足場
A.概説
図1Aおよび1Bが示すように、口腔は、比較的安定した構造、すなわち、硬口蓋および頸椎を備える剛構造、および口腔底によって構成される。口腔底は、顎舌骨および頤舌骨等の表在性筋肉を備える。口腔底は、下顎(前方)および舌骨(後方)の剛性可動性構造によって境界をつけられる。口腔底の筋肉は、これらの剛性可動性構造の間に延在する。下顎骨および舌骨とともに、口腔底の筋肉はまた、舌に対する固着構造としての機能も果たす。該領域は、それらの間の相対移動に適応しながら、これらの構造を安定させる、トランポリンのように挙動する。
【0176】
覚醒している間に、フレームサイズは、口腔底筋の活動張力によって維持される(すなわち、トランポリンを張り詰めて保つ)。フレームにおける活動張力は、次に、下顎の前方位置を維持し、口腔の中でより大きい容量を生成し、したがって、十分な直径の気道を生成する。これは、図1Cでも図式的に示されている。
【0177】
しかしながら、睡眠中の筋活動の欠如、重力、呼吸サイクル中の陰圧連鎖は全て、舌が後方向に摺動し、気道を閉鎖するための条件を生成する。これは、図1Dでも図式的に示されている。睡眠中に、口腔底筋が活動張力を失い、トランポリンが緩くなる。他の筋肉の張力の欠如により、下顎が下降し、(後方向に)後退する。口腔底の緩んだ筋肉は、舌が口腔底の筋肉を内向きに引くため、内向きに座屈または屈曲する。下顎が気道に向かって再配置し、下顎骨と舌骨との間の距離を短縮する。口腔のフレームサイズが減少する。舌が後方に摺動し、気道を閉鎖する。
【0178】
図34A、34B、および34Cは、口腔底における選択された組織領域の中、上、または付近に配置された少なくとも1つの足場138を備える、システム136を示す。使用中に、足場138は、習慣的ないびきまたは閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)等の睡眠呼吸障害症状がある個人が、深い回復睡眠を達成するのに役立つ。図34A、34B、および34Cが示すように、足場138のうちの少なくとも1つが、下顎骨の前部と舌骨との間の口腔底における選択された組織領域の中、上、または付近に配置される。
【0179】
口腔底を占有する多様な組織構造は、表皮から頤舌筋、舌、および舌底に内側に向かって相互に相互接続される、真皮、脂肪、および筋肉の層を備える。それらの天然相互接続形態により、これらの組織構造のうちの1つを補強する、移動させる、または拘束する力の印加は、実際には、種々の程度でそれら全てを補強し、移動させ、または拘束する。類推により、この構造は、舌の運動および安定化の両方を提供する、トランポリンと以前に例えられている。足場138は、実際には、トランポリンを硬化し、成形する。
【0180】
足場138は、生体適合性金属またはポリマー材料、あるいは、生体適合性を付与する材料またはそのような材料の組み合わせで好適に被覆され、含浸され、または別様に処理される、金属またはポリマー材料でできている、成形された細長い本体を備える。
【0181】
足場138の本体の物理的特性は、組織に配置されると、その領域中で自然な筋活動が欠如または減少していても、足場138が口腔底において所望の配向で選択された組織領域を機械的に支持するように、長さ、厚さ、弾性、引張強度、屈曲(標準ガーレー単位)、圧縮性、バネ定数、トルク、形状等に関して選択される。この機能を達成するために、足場138は、剛性材料、または選択されたバネ定数(例えば、舌組織と同様のバネ定数)を有する半剛性あるいは弾性材料、または電気的作動成形材料、または熱的活性化成形材料、またはそれらの組み合わせを含むことができる。足場138はまた、口腔底に注入される流体または材料、および独力で(例えば、架橋によって)、または光、超音波、熱、または無線周波数エネルギー等の印加された外部エネルギーに応じて、原位置で硬化または硬直する、流体または材料を含むこともできる。足場138はまた、損傷を形成し、硬化するように、例えば、無線周波数エネルギー、熱、レーザ、または冷気の印加によって切除されている、口腔底における組織の領域を備えることもできる。足場138が提供する機械的支持は、組織領域を安定させ、それにより、そうでなければ、その領域中の自然な筋活動の欠如または減少により発生する、所望の配向から外れた、選択された組織領域の移動に対する積極的な抵抗を提供する。足場138が提供する機械的支持はまた、組織領域の振動を弱める働きをし、それにより、睡眠中の大きな呼吸またはいびきを加減することもできる。
【0182】
図35Aおよび35Bに示されるように、足場の機械的支持によって提供される所望の配向は、例えば、睡眠中に舌の望ましくない後方移動に抵抗する働きをすることができる。図1Dに関して前述のように(また、図35Aで解剖学的に示されるように)、睡眠中の口腔底における自然な筋活動の欠如は、舌根を後方に落下させ、気道を狭窄または閉塞し得る。前述のように、下顎が下降して(後方向に)後退し、口腔底の筋肉が内向きに座屈または屈曲し、下顎が気道に向かって再配置し、下顎骨と舌骨との間の距離を短縮する。下顎骨と舌骨との間のこの距離の変化は、口腔のフレームサイズの減少につながる。フレームサイズの減少は、舌を気道の中へ陥没させる。舌は、後方向に摺動し、気道を閉鎖する。
【0183】
図35Bが示すように、口腔底における足場138の機械的支持は、所望の配向で舌を支持するように組織を調節し、実際には、舌骨との相互作用を通して舌を支持する、自然な筋活動を模倣する。類推を再び参照すると、足場138は、硬化してトランポリンを成形する。これは、図35Cで図式的に示されている。足場138は、口腔底の張力を増加させ、内向き座屈を防止し、後方舌陥没に対する抵抗を増加させるように口腔底を安定させる。足場138は、下顎骨と舌骨との間の距離を増加させ、張力を維持し、口を閉じ、顎先を上げた、顎前方配向に向かって、下顎の位置を付勢する。口腔底における足場138の機械的支持は、咽頭気道の中への舌の後方移動に抵抗するように、睡眠中の自然な筋活動がない場合に組織領域を安定させる。
【0184】
足場の機械的支持によって提供される所望の配向はまた、下顎が開くと、気道から離して口底の中、上、または付近の組織構造の変位を付勢する働きをすることもできる。前述のように、下顎が開く(下方に関節動作する)と、下顎骨と舌骨との間の前後距離が短縮し、口腔底の中、上、または付近の組織構造が移行する。典型的には、眠っている(もはや直立ではない)時の個人の重力位置、および睡眠中の筋肉の弛緩により、口が開くと、口腔底の中、上、または付近の組織構造は、気道に向かって移行する傾向がある。足場の機械的支持は、図35Bの反力の矢印によって示されるように、気道の外に組織構造を方向付ける反力の生成によって、この傾向に抵抗する。それにより、足場138は、口腔底を成形する。外向きの力は、重力により、内向きの力に対抗する。それにより、足場138は、口腔のフレームサイズを増加させ、口腔容量を増加させる一方で、また、この状態でフレームを安定させる。足場138の存在は、フレームサイズを増加させ、安定させることによって、舌底を安定させ、口腔容量を維持するように、睡眠中に口腔内の力のバランスのわずかな移行を提供する。気道の断面積のわずかな増加さえも、気道安定性の指数間数的改善をもたらす。
【0185】
足場の機械的支持によって提供される所望の配向はまた、睡眠中に口を開くことなく、TMJの後方平行移動に積極的に抵抗する働きをすることもできる。前述のように、自然な筋活動の欠如は、TMJの後方平行移動を引き起こし得て、それは次に、咽頭気道の狭窄を引き起こし得る。口腔底における足場138の機械的支持は、睡眠中の自然な筋活動がない場合に組織領域を安定させて、咽頭気道の狭窄または閉鎖に抵抗するように、睡眠中のTMJの後方平行移動に抵抗するよう組織を調節する。
【0186】
B.口腔底の中、上、または付近の選択された組織領域中での代表的な配置
足場138は、皮膚の表皮から頤舌筋の内側までの口腔底の中のどこかに配置することができる。これは、この領域中の組織構造の相互接続性質による。領域内の組織構造のうちの1つを安定化または補強することによって、他の相互接続された組織構造を安定化および/または拘束することができる。
【0187】
ここで、限定ではなく例証のために、代表的な実施形態を説明する。
【0188】
1.顎舌骨と頤舌骨筋との間
図34A/B/C、35A/B
1つの代表的な実施形態(図34A/B/Cおよび図35Bに示される)では、足場138は、口腔底の中、上、または付近で、顎舌骨筋と頤舌骨筋との間に配置される。両方の舌骨上筋は、下顎骨で発生し、舌骨に挿入される。
【0189】
顎舌骨は、嚥下および発話中に舌骨、口腔底、および舌を持ち上げる働きをする。
【0190】
頤舌骨は、舌骨を前上方に(前方および上方に)引き、口腔底を短縮し、咽頭を広げる働きをする。
【0191】
口腔底の中、上、または付近のこれらの2つの舌骨上筋の間での足場138の配置は、睡眠中のこれらの舌骨上筋の自然な活動の減少または欠如によって引き起こされる、口腔底における望ましくない生理的条件の形成に抵抗する、機械的支持を組織領域内で提供する。
【0192】
例えば、口腔底の中、上、または付近で、顎舌骨筋と頤舌骨筋との間に配置されると、足場138は、筋肉が睡眠中に弛緩し、反対重力条件が存在し、および/または口が開くときに、気道の中へのこれらの組織構造の陥没に抵抗する機械的支持を、口腔底の中、上、または付近の組織構造に提供する。
【0193】
さらに、足場138と筋肉との間の相互作用は、顎舌骨筋の影響を受ける、望ましい組織配向を安定させる働きをすることもでき、それは、開いた気道を維持するのに有利である。それにより、足場138の機械的支持は、開いた咽頭気道を維持するのに有利ではなく、代わりに、咽頭気道の狭窄または閉塞につながる、口腔底および舌の後方下降に対する抵抗の欠如によって特徴付けられる、筋肉が睡眠中に弛緩し、反対重力条件が存在し、および/または口が開く時の反対組織配向の形成に抵抗する。足場138の機械的支持は、そうでなければ、足場138がない場合に、睡眠中の顎舌骨筋の自然な活動の減少または欠如により発生する、望ましくない生理的条件を加減する。この反対組織配向に抵抗することによって、足場138は、咽頭気道の狭窄または閉塞、および結果として生じる無呼吸発作に抵抗する。
【0194】
口腔底の中、上、または付近で、顎舌骨筋と頤舌骨筋との間に配置されると、足場138と筋肉との間の相互作用はまた、頤舌骨筋の影響を受ける、望ましい組織配向を安定させる機械的支持を、口腔底の組織に提供することもでき、それは、開いた咽頭気道を維持するのに有利である。それにより、足場138の機械的支持は、開いた咽頭気道を維持するのに有利ではなく、代わりに、咽頭気道の狭窄または閉塞につながる、後方および下方(後および下)への舌骨の移動に対する抵抗の欠如、口腔底の拡大、および咽頭の狭窄によって特徴付けられる、筋肉が睡眠中に弛緩し、反対重力条件が存在し、および/または口が開く時の反対組織配向の形成に抵抗する。足場138の機械的支持は、そうでなければ、足場138がない場合に、睡眠中の頤舌骨筋の自然な活動の減少または欠如により発生し得る、望ましくない生理的条件を加減する。この他の反対組織配向に抵抗することによって、足場138はさらに、咽頭気道の狭窄または閉塞、および結果として生じる無呼吸発作に抵抗する。
【0195】
足場138は、下顎骨および/または舌骨の剛構造への取付を伴わずに、口腔底の筋肉組織に埋め込まれてもよい。代替として、足場138は、例えば、ネジ、縫合糸、または締め付けによって、これらの剛性骨構造の一方または両方に取り付けられてもよい。下顎骨および舌骨の両方に固定された足場138の代表的な実施形態が、図34Dに示されている。剛構造に可撓性足場138の端を取り付けることによって、インプラントの形状に影響を及ぼすことができる。図34Dに示されるように、可撓性足場138は、気道の外へ組織構造を方向付け、舌骨を前方に引き出す反力の生成のために、外向き配向で口腔底の筋肉組織を付勢するように、外向き屈曲を伴って固定することができる。代替として、可撓性足場138は、外向き屈曲を成すように、または要求に応じて硬化するように、エネルギー源、例えば、電気または熱エネルギーあるいは同等物によって、活性化することができる。足場138と1つまたは複数の剛性骨構造との間の接続点は、足場138の組織成形機能を強化するように、ヒンジまたはバネ荷重ヒンジを含むことができる。
【0196】
2.頤舌骨筋と頤舌筋との間
別の代表的な実施形態(図36に示される)では、足場138は、口腔底の中、上、または付近で、頤舌骨筋と頤舌筋との間に配置される。
【0197】
頤舌骨筋は、下顎骨で発生し、舌骨に挿入される、舌骨上筋である。頤舌骨筋は、舌骨を前上方に(前方および上方に)引き、口腔底を短縮し、咽頭を広げる働きをする。
【0198】
頤舌筋は、下顎骨頤棘の上部で発生し、舌背ならびに舌骨の本体に挿入される、外舌筋である。頤舌筋は、突出のために舌を前方に引く働きをする。
【0199】
外舌筋(舌骨に挿入する)と舌骨上筋(同様に舌骨に挿入する)との間の足場138の配置は、筋肉が睡眠中に弛緩し、反対重力条件が存在し、および/または口が開くときに、気道の中へのこれらの組織構造の陥没に抵抗する機械的支持を、口腔底の中、上、または付近の組織構造に提供する。
【0200】
さらに、足場138と筋肉との間の相互作用はまた、睡眠中のこれらの筋肉の自然な活動の減少または欠如によって引き起こされる、口腔底における望ましくない生理的条件の形成に抵抗する働きをすることもできる。
【0201】
例えば、口腔底の中、上、または付近で、頤舌骨筋と頤舌筋との間に配置されると、足場138は、頤舌骨筋の影響を受ける、望ましい組織配向を安定させる機械的支持を、口腔底の組織に提供することもでき、それは、開いた咽頭気道を維持するのに有利である。それにより、足場138の機械的支持は、開いた咽頭気道を維持するのに有利ではなく、代わりに、咽頭気道の狭窄または閉塞につながる、後方および下方(後および下)への舌骨の移動に対する抵抗の欠如、口腔底の拡大、および咽頭の狭窄によって特徴付けられる、筋肉が睡眠中に弛緩し、反対重力条件が存在し、および/または口が開く時の反対組織配向の形成に抵抗する。足場138の機械的支持は、そうでなければ、足場138がない場合に、睡眠中の頤舌骨筋の自然な活動の減少または欠如により発生する、望ましくない生理的条件を加減する。この反対組織配向に抵抗することによって、足場138はさらに、咽頭気道の狭窄または閉塞、および結果として生じる無呼吸発作に抵抗する。
【0202】
さらに、口腔底の中、上、または付近で、頤舌骨筋と頤舌筋との間に配置されると、足場138は、頤舌筋の影響を受ける、望ましい組織配向を安定させる機械的支持を、口腔底の組織に提供し、それは、開いた咽頭気道を維持するのに有利である。それにより、足場138の機械的支持は、開いた咽頭気道を維持するのに有利ではなく、代わりに、咽頭気道の狭窄または閉塞につながる、舌の後方移動に対する抵抗の欠如によって特徴付けられる、筋肉が睡眠中に弛緩し、反対重力条件が存在し、および/または口が開く時の反対組織配向の形成に抵抗する。足場138の機械的支持は、そうでなければ、足場138がない場合に、睡眠中の頤舌筋の自然な活動の減少または欠如により発生し得る、望ましくない生理的条件を加減する。この反対組織配向に抵抗することによって、足場138は、咽頭気道の狭窄または閉塞、および結果として生じる無呼吸発作に抵抗する。
【0203】
以前に説明されたように、足場138は、所望であれば、図34Dで以前に示されたように、ネジ、縫合糸、または締め付けによって、剛性骨構造の一方または両方に取り付けられてもよい。剛構造に可撓性足場138の端を取り付けることによって、インプラントの形状に影響を及ぼすことができる。図34Dに示されるように、可撓性足場138は、気道の外へ組織構造を方向付け、舌骨を前方に引き出す反力の生成のために、外向き配向で口腔底の筋肉組織を付勢するように、外向き屈曲を伴って固定することができる。代替として、可撓性足場138は、外向き屈曲を成すように、または要求に応じて硬化するように、エネルギー源、例えば、電気または熱エネルギーあるいは同等物によって、活性化することができる。足場138と1つまたは複数の剛性骨構造との間の接続点は、足場138の組織成形機能を強化するように、ヒンジまたはバネ荷重ヒンジを含むことができる。
【0204】
3.顎二腹筋と顎舌骨筋との間
別の代表的な実施形態(図37に示される)では、足場138は、口腔底の中、上、または付近で、顎二腹筋と顎舌骨筋との間に配置される。両方は、下顎骨で発生し、舌骨に挿入される、舌骨上筋である。
【0205】
顎二腹筋は、下顎骨を押し下げ(閉鎖し)、嚥下および発話中に舌骨を持ち上げる働きをする。
【0206】
顎舌骨は、嚥下および発話中に舌骨、口腔底、および舌を持ち上げる働きをする。
【0207】
例えば、舌骨上顎二腹筋と顎舌骨との間に配置されると、足場138は、筋肉が睡眠中に弛緩し、反対重力条件が存在し、および/または口が開くときに、気道の中へのこれらの組織構造の陥没に抵抗する機械的支持を、口腔底の中、上、または付近の組織構造に提供することができる。
【0208】
さらに、足場138と筋肉との間の相互作用はまた、睡眠中のこれらの筋肉の自然な活動の減少または欠如によって引き起こされる、口腔底における望ましくない生理的条件の形成に抵抗する働きをすることもできる。
【0209】
例えば、口腔底の中、上、または付近で、顎二腹筋と顎舌骨筋との間に配置されると、足場138は、顎二腹筋の影響を受ける、望ましい組織配向を安定させる機械的支持を、口腔底の中、上、または付近の組織に提供し、それは、開いた咽頭気道を維持するのに有利である。それにより、足場138の機械的支持は、開いた咽頭気道を維持するのに有利ではなく、代わりに、咽頭気道の狭窄または閉塞につながる、下顎骨の押下(閉鎖)に対する抵抗の欠如によって特徴付けられる、筋肉が睡眠中に弛緩し、反対重力条件が存在し、および/または口が開く時の反対組織配向の形成に抵抗する。足場138の機械的支持は、そうでなければ、足場138がない場合に、睡眠中の顎二腹筋の自然な活動の減少または欠如により発生する、望ましくない生理的条件を加減する。この反対組織配向に抵抗することによって、足場138は、咽頭気道の狭窄または閉塞、および結果として生じる無呼吸発作に抵抗する。
【0210】
さらに、口腔底の中、上、または付近で、顎二腹筋と顎舌骨筋との間に配置されると、足場138は、顎舌骨筋の影響を受ける、望ましい組織配向を安定させる機械的支持を、口腔底の組織に提供し、それは、開いた咽頭気道を維持するのに有利である。それにより、足場138の機械的支持は、開いた咽頭気道を維持するのに有利ではなく、代わりに、咽頭気道の狭窄または閉塞につながる、口腔底および舌の下降に対する抵抗の欠如によって特徴付けられる、筋肉が睡眠中に弛緩し、反対重力条件が存在し、および/または口が開く時の反対組織配向の形成に抵抗する。足場138の機械的支持は、そうでなければ、足場138がない場合に、睡眠中の顎舌骨筋の自然な活動の減少または欠如により発生する、望ましくない生理的条件を加減する。この反対組織配向に抵抗することによって、足場138は、咽頭気道の狭窄または閉塞、および結果として生じる無呼吸発作に抵抗する。
【0211】
以前に説明されたように、足場138は、所望であれば、図34Dで以前に示されたように、ネジ、縫合糸、または締め付けによって、下顎骨および舌骨の剛性骨構造の一方または両方に取り付けられてもよい。剛構造に可撓性足場138の端を取り付けることによって、インプラントの形状に影響を及ぼすことができる。図34Dに示されるように、可撓性足場138は、気道の外へ組織構造を方向付け、舌骨を前方に引き出す反力の生成のために、外向き配向で口腔底の筋肉組織を付勢するように、外向き屈曲を伴って固定することができる。代替として、可撓性足場138は、外向き屈曲を成すように、または要求に応じて硬化するように、エネルギー源、例えば、電気または熱エネルギーあるいは同等物によって、活性化することができる。足場138と1つまたは複数の剛性骨構造との間の接続点は、足場138の組織成形機能を強化するように、ヒンジまたはバネ荷重ヒンジを含むことができる。
【0212】
C.代表的な足場構成
1.一般的な物理特性
図34A/B/Cは、足場138の基本の代表的な実施形態を示す。
【0213】
示されるように、足場138は、可能な限り薄い、埋め込まれたときに上下方向に測定される、側面外形を含む。代表的な側面外形は、最大約10mmに及ぶことができるが、約1mmから4mmの間の側面外形が、最も望ましいと考えられる。この属性は、埋め込まれたときに足場138に快適性を添える。
【0214】
望ましくは、足場138は、埋め込まれたときに所望の配向を維持するように、その幅よりも大きい長さを有して、形状が略長方形である。さらに、示されるように、足場138は、舌骨の間の前後空間の中に快適に静置するように、長さがサイズ決定される。代表的な長さは、約30mmから約40mmの間に及ぶ。1つの代表的な実施形態では、足場138の前方領域および後方領域は、それぞれ、下顎骨および舌骨から約5mmに静置する。他の代表的な実施形態では、足場138は、例えば、下顎骨および/または舌により近く、またはより遠くに、例えば、下顎骨および/または舌骨から1cmの範囲まで、静置することができる。
【0215】
足場138は、安定化のために、所望に応じて、周辺組織に縫合されてもよい。しかしながら、縫合は、全ての場合において必要とは考えられない。局所組織形態が、安定化のために縫合が必要とされるかどうかを決定付ける。縫合のための最も望ましい場所は、下の周辺、または舌骨に付着した結合組織への縫合である。
【0216】
足場138は、剛性または半剛性材料を含むことができる。使用中に、足場138は、足場138の縦長さが前後方向に配向された状態で、口腔底の中、上、または付近の組織構造に埋め込まれる。下顎の下方/後方回転または後方平行移動は、舌骨と下顎骨との間の前後距離を短縮する傾向がある。前述のように、下顎骨と舌骨との間の前後距離の縮小は、抵抗されなければ、気道に向かって頭側に、口腔底の中、上、または付近の組織構造を変位する。剛性または半剛性足場138の存在は、口腔底の中、上、または付近の組織構造を硬化し、それにより、気道に向かったそれらの変位に抵抗する。このように、足場138は、頭側方向に気道の中への陥没に対して組織構造を付勢する働きをする。足場138の物理的特性は、足場138の存在が、下顎運動とともに舌骨の後方運動を引き起こさないように、加減されるべきである。
【0217】
足場138の外面は、組織内での移動を防止するように粗面化することができる。粗面化した表面は、例えば、移動を防止し、および/または組織内方成長を推進するように、微孔性表面を備えることができる。この編成では、組織内方成長が発生するまで、最初に組織内での足場138の位置を安定させるために、吸収性縫合材料を使用することができる。
【0218】
図38Aが示すように、1つより多くの足場138が、口腔底の中、上、または付近における標的組織領域の中に配置されてもよい。例えば、図38Aに示されるように、それぞれ約3mmの幅を有する、3つの足場138a、138b、および138bを、約10mmの複合厚さのために、組織領域の前後距離に沿って配置することができる。したがって、足場のより幅広い横アレイを作成するように、より小さい幅(例えば、1mmから3mm)の複数の足場138を、一列に埋め込むことができる。図38Bが示すように、足場138の位置は、足場138(1)から138(7)の前後アレイ140を形成して、前後距離に沿って交互にすることもできる。足場138の数(n)、したがって、アレイの複合横幅および前後長は、変化する。足場のアレイ140は、アレイの前幅(例えば、10mmから20mm)が、より大きい後幅(例えば、20mmから30mm)まで増加し、複数の足場に台形状アレイを提供するように、前後方向に(図38Bが示すように)幅を増加させることができる。足場のアレイは、所望であれば、横配向で(図38Cが示すように)、または斜交配向で(図38Dが示すように)、または前後、横、および/または斜交配向の組み合わせで延在することができる。
【0219】
2.優先的屈曲特性
第1の代表的な実施形態
図39A/B/C/D/Eは、足場138の別の代表的な実施形態を示す。この実施形態では、足場138は、ポリマー材料から形成される剛性または半剛性コア本体142を備える。コア本体142は、その後方領域146よりも狭い前方領域144を有し、平面図で(図39Bが最も良く示すように、その前後軸に沿って)形状が台形である。前方領域144の代表的な幅は、約10mmから約20mmの間に及ぶ。後方領域146の代表的な幅は、約20mmから30mmの間に及ぶ。前後方向の縦方向漸減は、埋め込まれたときに足場138の移動に抵抗する働きをする。
【0220】
コア本体142の表面148は、交差パターンで配設される、低減した厚さの離間領域に割り込まれる。図39Bで最も良く示されるように、これらのパターンは、この表面148に沿って可撓性ヒンジ152によって分離される、段差のアレイ150を形成する。パターンは、図39Aが最も良く示すように、コア本体142の他方の表面156まで延在しない。
【0221】
ヒンジ152は、コア本体142の表面148上で、低減した厚さの領域を形成する。コア本体142の一方の側面148上にあり、他方の側面156上にないヒンジ152は、一方向に足場138のコア本体142に優先的可撓性を付与する。側面148上の段差150およびヒンジ152の意図的なパターンにより、圧縮を受けると、足場138は、側面156の方向に外向きの反対の第2の方向よりも(図39Eに示されるように)側面148の方向に外向きの第1の方向で、容易に屈曲する。これは、ヒンジ連結段差150が、第2の方向への屈曲を防止するように接触および干渉するが、開いて、(図39Eに示されるように)第1の方向への屈曲が発生するときに干渉しないためである。可撓性材料154は、図39Dおよび39Eが示すように、コア本体142全体を包み込み、屈曲中に組織がヒンジ152に進入してその内側で挟持されないように、段差150およびヒンジ152を取り囲む。
【0222】
使用中(図40および41A参照)に、足場138は、口腔底の中、上、または付近の組織構造に埋め込まれる。埋め込まれると、足場138は、狭いほうの前方領域144が下顎骨に対面し、広いほうの後方領域146が舌骨に対面する状態で配向される(図40および41A参照)。埋め込まれると、足場138のヒンジ連結段差表面148は、同様に図40および41Aが示すように、脚に向かって、すなわち、尾側方向に配向される。
【0223】
足場138(組織ほど可撓性ではない)の存在は、口腔底の中、上、または付近の組織構造を補強する。さらに、下顎骨と舌骨との間の口腔底の組織構造の圧縮に応じて、足場138の圧縮が発生する。図41Bが示すように、組織構造は、例えば、口を開くこと、または下顎の後方平行移動に応じて、圧縮される。組織構造は、舌骨と下顎骨との間の前後距離が短縮するため、これが発生すると圧縮される。
【0224】
圧縮されると、足場138は、(図41Bが示すように)尾側方向に優先的に屈曲することによって反応する。このようにして、足場138は、気道の中への陥没に対して、頭側方向に組織構造を動的に補強または付勢する働きをする。
【0225】
足場138は、所望であれば、バネ定数を有する可撓性材料で作ることができる。この足場138は、屈曲させられると、所望の尾側方向に活性バネ力を付与する。しかしながら、図39Aから39Eに示されるように、好ましくは、(図39Eが示すように)所望される優先的屈曲特性を提供するように弱められる場合に、本質的にバネ定数を持たない剛性または半剛性構造を使用することができる。
【0226】
さらに、足場138の優先的屈曲は、下顎の運動に積極的に抵抗することができる。しかしながら、下顎の運動に積極的に抵抗しなくても、それでもなお、足場138は、気道に向かって内向きに屈曲する(これは、個人が睡眠姿勢であるときに重力によってさらに支援される、自然な傾斜である)よりもむしろ、口腔底の圧縮された組織を強制的に(口腔底から離して)外に屈曲させるように、有益な方法で、下顎の運動に反応することができる。
【0227】
(組織安定化を伴う代表的な実施形態)
図42および43は、優先的屈曲性を有する足場138の他の代表的な構成を示す。図42および43に示された足場138は、概して、図39Aから39Dに示されるような優先的屈曲を付与する、同じ構造的特徴を備える(段差150およびヒンジ152は、図42および43の切断部分で示されるように、可撓性材料154によって覆われる)。図42では、足場138はさらに、組織の強化した安定化のために、輪郭形成された縁158と、延長「ウイング」160とを含む。図43では、足場138はさらに、組織内方成長、および強化した長期組織安定化のために、組織用の貫通穴162を含む。組織の安定化は、埋め込まれた時の足場138の移動に抵抗する。
【0228】
別の代表的な実施形態
図44A/B/C/D/E/Fは、優先的屈曲特性を有する、別の代表的な足場138を示す。図44Aに示されるように、足場138は、金属またはポリマー材料から形成されるコア本体164を備える。コア本体164は、その後方領域176よりも狭い前方領域174を有し、平面図で(図44Aが最もよく示すように、その前後軸に沿って)形状が台形である。コア本体164は、対向表面166(図44Cの拡大図で示される)および168(図44Dの拡大図で示される)を含む。表面166は、コア本体164の縦軸に沿って、それにわたってコア本体164(図44Aおよび44C参照)の中へ均一に延在する、離間切り込み170のパターンを含む。各切り込み170は、薄く、コア本体164の材料を通って他方の表面168まで延在しない(図44Dが示すように)。材料の薄い連続的な切られていない層は、図44Dが示すように、本体の表面168に沿って残留する。したがって、コア本体164の表面166は、スロット付きであり、切り込み170によって弱められ、他方の表面168は、そうではない。
【0229】
切り込み170のパターンは、表面166に沿ってコア本体を優先的に弱める。スロット付き表面は、切り込みを開く方向へのコア本体164の優先的屈曲に適応し、連続層168は、切り込み170の間の可撓性ヒンジ点のアレイにおいて屈曲する。コア本体164は、図44Eが示すように、スロット付き表面166に向かった方向に、前端から後端の間で屈曲する。コア本体164はまた、図44Fが示すように、スロット付き表面166に向かった同じ方向に、側縁の間で屈曲する。切り込み170は、連続表面168に向かった反対方向への本体の屈曲に抵抗するように、閉鎖し、干渉する。
【0230】
図44Aが示すように、コア本体164は、望ましくは、コア本体164の全体的剛性を低減する働きもする、コア本体164を通って延在する、大きい貫通穴172のパターンを含む。図44Bが示すように、ポリマー材料174、例えば、シリコーンまたはウレタンが、コア本体164および貫通穴172を包み込み、屈曲中に周辺組織を保護する。
【0231】
使用中(図45参照)に、スロット付き足場138は、縦軸が前後方向に沿って配向された状態で、口腔底の中、上、または付近の組織構造に埋め込まれる。狭いほうの前端174が下顎骨に対面し、広いほうの後端176が舌骨に対面する。連続表面168は、図44Eおよび44Fでも示されるように、口蓋に向かって頭側方向に配向される(すなわち、スロット付き表面168が尾側方向に対面する)。足場138(組織ほど可撓性ではない)の存在は、口腔底の中、上、または付近の組織構造を補強する。さらに、以前に説明されたように、口腔底の中、上、または付近の組織構造の圧縮に応じて、足場138の圧縮が発生する。圧縮されると、スロット付き足場138は、(図44Eおよび44Fが示すように)優先的に尾側に屈曲することによって反応する。このようにして、スロット付き足場138は、気道の中への陥没に対して、頭側方向に組織構造を付勢する働きをする。
【0232】
(別の代表的な実施形態)
図46A/B/C/D/Eおよび47は、優先的屈曲特性を有する、足場138の別の代表的な実施形態を示す。この実施形態(図46A参照)では、足場138は、柔らかい可撓性ポリマー材料180内に封入される、2つ以上のバーアセンブリ178(金属またはポリマー)を含む。
【0233】
図46Bおよび46Cに示されるように、各バーアセンブリ178は、可撓性台座182と、可撓性コア要素184とを備える。台座182は、隆起台座端領域186を含む。可撓性コア要素184は、各コア要素184の端188が隆起台座端領域186と機能的に位置を合わせる状態で、台座182内に解放可能にはまる(図46Bおよび46D参照)。入れ子構成は、台座182からのコア要素184の分離に対する屈服摩擦抵抗を提供するようにサイズ決定および構成することができる。軟質ポリマー材料180は、コア要素184が台座182の中にはまった状態で各バーアセンブリ178を封入する。
【0234】
この編成(図46D参照)では、所与のバーアセンブリ178が、コア要素184の端188に対して隆起台座端領域186を圧縮する、第1の方向に屈曲させられると、台座182およびコア要素184は、機械的に接続されたユニットとして、この方向の屈曲に対する抵抗を提供するように干渉する。バーアセンブリ178が反対の第2の方向に屈曲させられると(図46E参照)、隆起台座端領域186は、コア要素184の端188から離れる。台座182およびコア要素184は、干渉せず、代わりに、別々に屈曲する。1つの厚いバーを屈曲する(図46Dに示されるように)よりもむしろ、薄い積層バーを屈曲する(図46Eに示されるように、端が自由である時)ことが容易であるため、バーアセンブリ178は、図46Eに示された第2の方向の屈曲に対して、あまり抵抗を提供しない。
【0235】
図示した実施形態(図46A参照)では、バーアセンブリ178が軟質ポリマー材料180によって封入されると、足場138は、埋め込まれたときに、その後方領域192よりも狭い前方領域190を有し、平面図で(脚に向かって見て)形状が台形である。バーアセンブリ178は、既述のような屈曲特性に従って足場138の優先的屈曲を提供するように、各バーアセンブリの台座182が同じ平面内で配向された状態で、軟質ポリマー材料180内に閉じ込められる。
【0236】
使用中(図47参照)に、足場138は、前方領域190が前方向に配向され、すなわち、下顎骨に対面する状態で、口腔底の中、上、または付近の組織構造に埋め込まれる。足場138はまた、(図46Eが示すように)バーアセンブリ178の台座182が口蓋に向かって頭側方向に配向された状態で、配向される。圧縮力が足場138を屈曲しようとすると、バーアセンブリ178の隆起台座端領域186は、それぞれのコア要素184の端188に対して圧縮され、この屈曲方向でバーアセンブリ178に剛性を提供し、それにより、口腔の中への(すなわち、頭側方向への)組織移動に抵抗する。バーアセンブリ178は、図46Eが示すように、口腔から離して、反対の尾側方向に優先的可撓性を提供する。それにより、足場138は、尾側方向への優先的付勢または補強を組織に提供する。
【0237】
足場138は、優先的屈曲または硬化のオン/オフ活性化を組み込んでもよい。このようにして、足場138は、夜間により剛性になるか、または成形されるように、外部手段によって「活性化」されてもよい。例えば、顎の下の組織を操作することによって、睡眠前に優先的屈曲状態(すなわち、尾側配向)で足場138を成形するように、インプラントに組み込まれた優先的屈曲機構に圧力を印加することができる。逆に、顎の下の組織の操作は、日中に中立配向の足場138を戻すことができる。望ましくは、優先的屈曲機構は、所望の配向が成されると、可聴指示(例えば、「クリック」音)を提供する。代替として、優先的屈曲は、電気、RF、磁気、または温度手段によって活性化することができる。足場138は、形状記憶材料または形状活性化材料を含むことができる。
【0238】
望ましくは、各バーアセンブリ178の台座182およびコア要素184は、本質的に同じ剛性を保有する。このように、所与の足場138内のバーアセンブリの優先的屈曲特性の平衡を保ち、制御することができる。別の編成では、コア要素184は、標的の優先的屈曲特性を達成するように所望に応じて組み立てることができる、複数のより薄くてあまり剛性ではない屈曲要素を備えてもよい。
【0239】
(別の代表的な実施形態)
図48A/B/Cは、口腔底の中、上、または付近の組織構造に優先的配向を提供する、足場138の別の代表的な実施形態を示す。
【0240】
この実施形態では、足場138は、第2のポリマー材料196に封入される第1のポリマー材料を含む、コア本体194(図48C参照)を含む。コア本体194は、鞍形構造(図48Bで最も良く示される)を形成する、両方向(長さおよび幅)に湾曲した表面を伴って事前形成される。鞍形構造は、凸状湾曲表面196と、逆凹状湾曲表面198とを含む。コア本体194の第1のポリマー材料は、剛性または半剛性であり、所望の鞍形構成を維持するのに十分な剛性を保有する。コア本体194を封入する第2のポリマー材料196は、周辺組織との非外傷性界面を提供するように、あまり剛性ではない。
【0241】
図48Aに示されるように、足場138は、安定化のために、輪郭形成された縁200と、延長「ウイング」202とを含むことができる。足場138はまた、組織内方成長および長期組織安定化のために、組織用の貫通穴204を含むこともできる。望ましくは、コア本体194も、埋め込まれたときに、後方領域208よりも狭い前方領域206を有し、図48Aが示すように、平面図で(脚に向かって見て)形状が台形である。
【0242】
使用するために(図49参照)、足場138は、前方領域206が下顎骨に向かって前方向に配向された状態で、口腔底の中、上、または付近の組織構造に埋め込まれる。足場138はまた、凸状湾曲表面196が脚に向かって配向された状態で、配向される。したがって、足場138は、尾側方向への優先的付勢または補強を組織に提供する。
【0243】
図48D、48E、および48Fは、第2のポリマー材料196に封入される第1のポリマー材料を含むコア本体194を含む、足場138の別の実施形態を図示する。この実施形態では、コア本体194は、図48Eが最も良く示すように、例えば、ニチノール材料を含む、半剛性メッシュ194Aを含む。図48Fでさらに示されるように、コア本体194はさらに、メッシュ材料194Aに接着する界面194B(例えば、シリコーンおよび織物を含む)を含む。界面194Bは、コア本体194を封入する第2のポリマー材料196の外層に耐久性遷移を提供し、例えば、軟組織との可撓性界面を提供するように、シリコーンを含むことができる。半剛性コアメッシュ194Aおよび上を覆う織物界面194Bは、使用中に塑性変形に対する抵抗を提供する。
【0244】
前述のように、コア本体194は、鞍形構造(図48Dで最も良く示される)を形成する、両方向(長さおよび幅)に湾曲した表面を伴って事前形成される。鞍形構造は、凸状湾曲表面196と、逆凹状湾曲表面198とを含む。コア本体194の第1のポリマー材料は、剛性または半剛性であり、所望の鞍形構成を維持するのに十分な剛性を保有する。コア本体194を封入する第2のポリマー材料196は、周辺組織との非外傷性界面を提供するように、あまり剛性ではない。
【0245】
図48Aに示されるように、足場138は、安定化のために、輪郭形成された縁200と、延長「ウイング」202とを含むことができる。足場138はまた、組織内方成長および長期組織安定化のために、組織用の貫通穴204を含むこともできる。
【0246】
3.代表的な埋込方法
図34Bに示されたもののような足場138を埋め込むための代表的な方法は、望ましくは、自然な顎の襞に沿って、顎の下に横表在切開を加えるステップを含む。方法は、顎舌骨筋へのアクセスを提供するように、広頸筋を切断するステップを含む。顎舌骨筋へのアクセスは、切断される必要がない、2つの顎二腹筋の間で取得することができる。方法は、顎舌骨筋と頤舌骨筋との間の筋肉面へのアクセスを獲得するように、顎二腹筋の間の顎舌骨筋を切断および解離するステップを含む。
【0247】
方法は、足場138の薄い寸法が上/舌方向にあり、足場138の長さおよび幅が横ならびに前/後方向に延在するように、この平面内に足場138を配置するステップを含む。
【0248】
方法は、随意で、安定化のために所望に応じて周辺組織にインプラントを縫合するステップを含むことができる。縫合のための最も所望の場所は、舌骨の周囲、または舌骨に付着した結合組織である。足場138の本体は、足場138の本体の付加的な安定化のために、頤舌筋の中への延長部を有し、ならびに、頤舌筋自体の安定化を提供してもよい。以前に説明されたように、足場138は、所望であれば、図34Dで以前に示されたように、例えば、ネジ、縫合糸、または締め付けによって、下顎骨および舌骨の剛性骨構造の一方または両方に取り付けられてもよい。
【0249】
方法は、顎舌骨筋および広頸筋を縫合して閉じ、次いで、表在皮膚切開を閉鎖するステップを含む。
【0250】
足場138は、代替として、小切開212を通して経皮的に挿入される送達アセンブリ210(図50A参照)を通した、足場138のトロカール、および/または針、および/または内視鏡的送達を含む、低侵襲方法を使用して埋め込むことができる。図50Bが示すように、代表的な実施形態では、送達アセンブリ210は、カニューレ400と、カニューレ400を通して前進させることができるスタイレット402とを含む。図50Cが示すように、足場138は、折り畳み式であり、図50Aも示すように、経皮的送達のために、カニューレ400の遠位端内に折り畳み状態で維持することができる。カニューレ400の中のスタイレット402を前進させることにより、図50Dが示すように、カニューレ400の遠位端から足場138を押し進める。足場138は、例えば、頤舌骨筋面と顎舌骨筋面との間で、口腔底の天然組織面内に形成されるポケットの上に配置し、その中に固定するために、図50Eが示すように、自己拡張する。筋膜、舌骨、および下顎骨の天然境界は、埋め込まれた足場138の安定性を提供する。代替として、舌骨および下顎骨は、前述のように、足場138の固定部位を提供することができる。
【0251】
手技は、低侵襲性であり、高い技能または手術経験を必要としない。これは、短期間で、例えば、10分以内で、蛍光透視法または他の画像診断法を用いることなく、局所または全身麻酔あるいは意識下鎮静で行うことができる。足場138の埋込は、完全かつ迅速に可逆的である。
【0252】
代替実施形態では、足場138は、配置後に流体で充填するか、または別様に硬化することができる、中空本体を備えることができる。
【0253】
4.外部足場および組み合わせ
前述のように、多様な組織構造が、表皮から舌および舌底に内側に向かって相互に相互接続される、真皮、脂肪、および筋肉の層を備える、頸部、咽頭気道、および口腔底を占有する。接着ブレースまたはカラー102が、気道の中への陥没に対してこれらの組織構造を安定化および補強するように、頸部の組織と関連して配置するために説明されている。代替として、足場138が、同じ目的で口腔底の組織構造の中、上、または付近の埋込のために説明されている。
【0254】
この領域中の組織構造の天然相互接続形態により、1つ以上の足場138は、気道の中への陥没に対してこれらの組織構造を安定化および補強するように、頸部に沿って、および/または口腔底の付近で、表皮組織の中または上あるいは真皮組織の中の配置のために、サイズ決定および構成することができる。前述のように、接着材料104によって付加される顎支持材構造は、外部足場138の代表的な実施形態である。図51が示すように、足場138はまた、頸部または上を覆う口腔底に沿った外部皮膚に接着材料104によって付加される、個々の複数本または細片の材料を含むこともできる。これらの外部足場138の優先的屈曲は、埋め込まれた足場138と同様に、気道の中への陥没から離して、頸部、咽頭気道、および口腔底の中、上、または付近の組織構造を安定化または付勢する働きをする。
【0255】
図52Aおよび52Bに示されるように、足場138は、形成された可撓性補強構造320を備えることができる。補強構造320(図52A参照)は、1対の離間トラス322と、トラス322の近位部を横断して延在する中間横断支柱324とを備える。横断支柱は、ポケット326を形成するくぼみを含む。ポケット326は、口腔底の中、上、または付近の変位した組織を受容して、組織を圧縮することを回避し、それにより、使用中に、口腔底が下顎、舌骨、および舌に提供する天然固着機能への干渉を回避するようにサイズ決定および構成される。
【0256】
図52Bが示すように、補強構造320は、頸部に沿って、および/または口腔底の付近で、表皮組織上に接着材料328によって付加することができる。図52Bに示されるように、補強構造320は、装着されると、口腔底の下の顎領域の真下、および頸部領域に嵌合し、そこから喉頭の上にある組織まで延在するように、サイズ決定および構成される。ポケット326の中の接着材料328は、外向きに組織を保持し、前述の足場と本質的に同様に、気道の中への陥没から離して、口腔底の中、上、または付近の組織構造を安定化または付勢する。
【0257】
さらに、頸部および/または口腔底と関連して配置される、外部および内部(埋め込まれた)構造の組み合わせを含む、システムおよび方法も、気道の中への陥没から離して、頸部、咽頭気道、および口腔底の中、上、または付近の組織構造を安定化または付勢するように、配置し、配向することができる。
【0258】
例えば、気道の中への陥没に対して組織構造を安定化するように、接着剤を使用して、または陰圧によって、頸部組織に連結される、外部ブレースまたはカラー102が説明されている。同様に(図53A/B/C参照)、外部ブレースまたはカラー102は、ブレースまたはカラー102によって担持される1つ以上の外部磁石212または鉄鋼材と、頸部および/または口腔底の組織構造の中、上、または付近に埋め込まれる1つ以上の磁石210または鉄鋼材との間の磁気引力によって、頸部組織に連結することができる。外部磁石212またはブレースまたはカラー102上の鉄鋼材と、埋め込まれた磁石210または鉄鋼材との間の磁気引力は、(図52Cが示すように)接着および/または陰圧の使用によって、またはよらずに、頸部、咽頭気道、および口腔底の中、上、または付近の組織構造に安定力を及ぼすことができる。磁気引力は、頸部、咽頭気道、および/または口腔底の中、上、または付近の組織構造を機械的に補強および安定化し、それにより、気道の中へのこれらの組織構造の移動または陥没に抵抗することができる。カラー102の内側円周も、磁気相互作用の結果として、頸部、咽頭気道、および/または口腔底の中、上、または付近の組織構造に引張力を及ぼすように、頸部に対してサイズ決定することができる。磁気的に生成された外向き引張力はまた、ブレースまたはカラー102によって確立される、わずかにより大きい円周に向かって、これらの組織構造を成形することもできる。カラー102は、説明されているように、使用中に、カラー102が口腔底を圧縮して、舌の望ましい下降および気道への有益な効果を妨害しないように、口腔底の下にある組織を受容する、顎の下の凹面ポケット領域430を含む。
【0259】
VI.口腔底の筋肉への舌の強化した固着
従来の舌懸垂は、顎の中に小さいチタンネジを配置することを伴う。縫合糸(ネジに取り付けられる)が、舌を通して螺合され、締められる。目的は、気道の閉塞を予防するために、個人が眠っているときに、舌をその適正な場所で保持することである。舌骨懸垂も、舌を通して螺合された縫合糸が舌骨の中のネジに取り付けられる、閉塞性舌底を治療する補助的な手技である。異なる従来の舌懸垂システムは、Repose(登録商標)骨ネジ(Influent Medical/Medtronic)、Jacksonらの米国特許第2006/0207612号(Aspire Medical)(顎に取り付けられたテザーを締め、長さおよび張力を調整するスプールアセンブリを含む)、Koehnelの米国特許第2007/0288057号(顎に取り付けられた調整可能な弾性テザー要素を含む)、Hegdeらの米国特許第2007/0246052号(Pavad Medical)(顎に繋留される変形可能な電気要素を舌に埋め込む)、Sandersの米国特許第2007/0261701号、第2008/0188947号(Linguaflex)(舌インプラントを顎に繋留する)、およびIanceaらの米国特許第2009/0044814号(Phillips)(舌または外舌筋の中の有刺縫合糸を顎に固着する)によって例示される。全ての従来の舌懸垂システムでは、舌インプラントは、下顎骨または舌骨等の剛構造に固着される。
【0260】
口腔底、下顎、および舌骨の筋肉の天然相互接続形態は、舌懸垂のための舌に対する天然固着構造としての機能を果たすことが発見されている。
【0261】
図54〜57は、舌の中または上の配置のためにサイズ決定および構成される舌懸垂構造406を備える、種々の舌懸垂システム404を示す。舌懸垂構造406は、例えば、(図54が示すような)ループ状縫合糸構造420を備えることができる。舌懸垂構造406は、(図55が示すような)突起状組織インプラント422を備えることができる。舌懸垂構造406は、(図56に示されるように)舌に外科的に埋め込まれるようにサイズ決定および構成される、成形された略可撓性本体424を備えることができる。図55および56では、舌懸垂構造406の本体は、生体適合性金属またはポリマー材料、あるいは、生体適合性を付与する材料またはそのような材料の組み合わせで好適に被覆され、含浸され、または別様に処理される、金属またはポリマー材料を含むことができる。図57に示されるように、舌懸垂構造406は、舌の後方領域上の外部組織上に配置される、円盤形構造426を備える。1つの編成では、円盤形舌懸垂構造426は、拡張型バルーンを備える。
【0262】
図54〜57に示された舌懸垂システム404は、口腔底に埋め込まれる固着構造408を含む。固着構造408は、舌懸垂構造406を、下顎骨と舌骨との間の口腔底の筋肉組織に繋留して、舌懸垂構造406に前方力(図54から56のFA)を及ぼす。前方固着力FAは、前述の方式で睡眠中に発生し得るように、舌を前方に引き、気道の中への舌の後方移動に抵抗する。
【0263】
図54では、固着構造408は、筋肉組織に係合し、別様にその内側にとどまる、突起を有する組織アンカ410を含む。代替として、または組み合わせて、組織アンカ410は、筋肉組織中でその位置をさらに固定し、安定させるように、隣接組織に縫合または接着することができる。
【0264】
図55〜57では、固着構造408は、前述のように、口腔底の筋肉に埋め込まれる可撓性足場138を含む。この編成では、可撓性足場固着構造138は、前述の方式で睡眠中に発生し得るように、舌に前方力FAを及ぼし、気道の中への舌の後方移動に抵抗する。可撓性足場固着構造138は、舌組織中でその位置をさらに固定し、安定させるように、隣接舌組織に縫合または接着することができる。当然ながら、可撓性足場固着構造138は、所望であれば、図54に示された組織アンカ410の代わりに使用することができる。
【0265】
図55〜57では、可撓性固着足場構造138は、テザー構造418によって舌構造406に連結される。テザー構造418は、例えば、縫合糸、または同等の生体適合性糸、繊維、コイル、あるいはケーブル材料、またはニチノール材料、またはポリマーワイヤ、または生体吸収性カラム構造を備えることができる。図54では、ループ状縫合構造420を、可撓性固着足場構造138に直接連結することができる
図55〜57に示されるように、口腔底において舌懸垂構造406を可撓性足場固着構造138に固着することにより、取付点の引き抜きまたは不具合の可能性を低減する。重要なことには、口腔底において舌懸垂構造406を可撓性足場固着構造138に固着することにより、舌懸垂構造406を包囲する軟組織(頤舌筋)への応力を加減し、舌懸垂構造406の移動、したがって、経時的な舌組織懸垂効果の低減の可能性を軽減する。口腔底において可撓性足場固着構造に連結されるテザー構造418は、剛性で曲がらない下顎骨/舌骨ネジ接合点に連結される、テザー構造のように破損しない。腔底における可撓性足場固着構造は、前述のように、口腔底のトランポリン効果により、しなやかな界面を提供する。可撓性足場固着構造138は、下顎骨/舌骨ネジ接合点が提供しない、応力およびひずみ緩和を提供する。舌懸垂要素406は、口腔底において可撓性足場固着構造に連結されると、自らを引き抜かず、異物感または発話および嚥下への干渉を生成する可能性が低い。
【0266】
口腔底における可撓性足場固着構造138は、前述の方式で、優先的に成形され、下向きに曲げられた鞍形構造を備えることが望ましい。可撓性足場固着構造の優先的屈曲は、口腔底の筋肉を外向きに曲げ、また、剛性骨構造に対して引くことなく、口腔の容量を増加させるために、適正なベクトルで舌を外向きに引き、それにより、舌懸垂の動態を増大および強化する。優先的に屈曲させられ、下向きに曲げられた鞍形構造はまた、下顎が下がるにつれて屈曲し、さらに、気道の結果として生じる閉鎖を予防するように、口腔から離して口腔底を変位する一方で、また、同じ効果のために舌をさらに下げる。全体として、口腔底における可撓性足場固着構造は、睡眠中に口腔の動的環境内で、舌懸垂ベクトルへの適正な方向を提供し、維持する。
【0267】
1つの編成では、口腔底における可撓性足場固着構造138は、下顎骨と舌骨の間の口腔底に向かって真っ直ぐである、結果として生じる引き抜き力のベクトルを伴って、下顎骨および舌骨に縫合糸または締結具で取り付けることができる。
【0268】
可撓性足場固着構造138は、口腔を通して配置される事前成形インプラント、または顎の下、顎下領域、または口腔で展開される事前成形インプラントの形態となり得る。可撓性足場固着構造は、口腔底に注入される流体または流動性材料、および独力で(例えば、架橋によって)、または光、超音波、熱、または無線周波数エネルギー等の印加された外部エネルギーに応じて、原位置で硬化または硬直する、流体または流動性材料を含むことができる。可撓性足場固着構造は、膨張性構造を備えることができる。
【0269】
可撓性足場固着構造138は、選択されたバネ定数(例えば、舌組織と同様のバネ定数)を有する弾性材料で作ることができ、または、手動圧力、または電気、熱、あるいは電磁エネルギーの印加、または他の選択的に適用された活性化手段に応じて、上記で説明されるように、所望の優先的屈曲を形成するように要求に応じて変形可能かつ活性化することができる。
【0270】
例えば、図58Aおよび58Bが示すように、前述のように、1つ以上の磁石214または鉄鋼材を可撓性足場固着構造138に組み込むことができる。磁石214または鉄鋼材は、可撓性足場固着構造138の材料と永久的に一体化するか、またはそれに付加することができ、あるいは、磁石214または鉄鋼材は、(例えば、MRIのために所望されるときに、除去を可能にするように)可撓性足場固着構造138の材料に解放可能に取り付けることができる。
【0271】
磁石の外部アレイ212(例えば、顎担体構造102の上にある)は、前述のように、可撓性足場固着構造138を優先的に屈曲して、尾側方向に口腔底組織の筋肉を優先的に付勢または補強するように、可撓性足場固着構造138によって担持される磁石214と相互作用する。前述のように、顎担体構造102は、好ましくは、顎担体構造102が口腔底を圧縮して、舌の望ましい下降および気道への有益な効果を妨害しないように、足場138が口腔から離して口腔底を変位するにつれて、口腔底の下にある組織を受容する、凹面ポケット領域430を含む。
【0272】
別の実施形態が、図59Aおよび59Bに示されている。この実施形態では、磁性または鉄鋼材でできている、成形された磁気的に相互作用する構造440が、口腔底に位置する。磁気的に相互作用する構造440は、可撓性または半可撓性テザー要素442によって舌の中のアンカ444に連結される。代替として、磁性成形構造440は、舌の後方領域上の外部組織上に配置される、図57に示されたもののような構造426に、可撓性または半可撓性テザー要素442によって連結することができる。テザー要素442は、縫合糸、または同等の生体適合性糸、繊維、コイル、あるいはケーブル材料、またはニチノール材料、またはポリマーワイヤ、または生体吸収性カラム構造等の、可撓性または半可撓性材料で作ることができる。
【0273】
外部カラー(図59B参照)の中の対応する1つまたは複数の磁石212は、舌444の中のアンカに磁力ベクトルを設定するように、磁気的に相互作用する構造440を引き付ける。ベクトルは、舌を前方に引き、気道に向かった舌の後方移動に抵抗する。カラー上の1つまたは複数の磁石212は、電磁石または希土類磁石を備えることができる。カラー上の磁石212の位置および強度は、力のベクトルの方向および大きさを変化させるように操作することができる。
【0274】
磁気的に相互作用する構造440は、様々にサイズ決定および構成することができる。それは、球形(ボール形)となり得るか、または、チィアドロップ、または円盤のように、あるいは曲面足場として成形されてもよい。構造の表面は、望ましくは、平滑であり、その全体的な幾何学形状は、組織中で滑走または浮遊することを可能にするように丸みを帯びている。それにより、その位置は、外部影響に適応することができる。磁気的に相互作用する成形構造440は、口腔底を含む周辺筋肉および組織に縫合されない。それにより、それは、外部から印加された磁力に応じて、口腔底の組織および筋肉の隣接領域中で移動または「滑走」することができる。
【0275】
磁気的に相互作用する構造440のサイズおよび構成は、皮下脂肪の領域を含む、口腔底筋よりも表在性の組織への埋込を可能にする。これにより、磁気的に相互作用する構造440は、より大きい組織容量および皮下脂肪を有する人々に埋め込むために適する。
【0276】
例えば、ティアドロップ形構造440の頂点が舌の中のアンカ444に接合されるテザー要素442に連結された状態で、顎の中の皮下脂肪領域または真皮を占有するように、ティアドロップ形構造440が、口腔底筋よりも表面的に埋め込まれてもよい。インプラントのティアドロップ形は、テザー取付接合点における応力を低減する。カラー上の磁石212による外力ベクトルを受けると、そのティアドロップ形の曲面前面性質は、ティアドロップ形構造440が、皮下脂肪または真皮の中で浮遊または滑走して、外部から印加された磁力のベクトルと最良に整合する位置を成す。皮下脂肪または真皮の中で口腔底に表面的に位置し、ティアドロップ構造440は、そもそも外部磁気源に近いため、力は、縮小した距離の2乗で増幅される。また、皮下脂肪組織または脂肪の中で浮遊または滑走することができ、ティアドロップ形構造440は、外部磁気源に最も近い位置をさらに探し、さらに力を増加させる。皮下脂肪または真皮の中で浮遊または滑走することによって、ティアドロップ形構造440は、力のベクトルの大きさおよび方向を最大化するように自らを設置することができる。このようにして、テザー要素442および舌アンカ444に課される力/方向/ベクトルは、改善した結果を達成するように、および経時的に発生する場合がある変化に適応するように、漸増および調整することができる。テザー要素442は、テザー要素442上の締め上げ位置を変化させることにより、その効果的な長さを変化させることを可能にするように、歯止め、リール等によってテザー張力の指標付けを可能にする機構を含んでもよい。
【0277】
前述のように、カラー上の顎担体構造102は、好ましくは、顎担体構造102が口腔底を圧縮して、舌の望ましい下降および気道への有益な効果を妨害しないように、外部磁石212との磁気相互作用に応じて成形構造440が移動するにつれて、口腔底の下にある組織を受容する、凹面ポケット領域430を含む。
【0278】
VII.舌との相互作用による口腔底における優先的屈曲
図60A(1)は、ポリマー材料から形成された剛性または半剛性コア本体500を備える、足場138の別の代表的な実施形態を示す。表面502の領域510は、コア本体500の中へ均一に延在する、離間切り込み504のパターンを含む。各切り込み504は、薄く、コア本体500の材料を通って他方の表面506まで延在しない(図60Bおよび60Cも参照)。材料の薄い連続的な切られていない層は、本体の表面506に沿って残留する。したがって、コア本体500の表面502は、スロット付きであり、切り込み502によって弱められ、他方の表面506は、そうではない。
【0279】
切り込み504のパターンは、領域510に沿ってコア本体を優先的に弱め、ヒンジを形成する。コア本体500は、連続表面506に向かった方向にヒンジ510の周囲で枢動する(図60Bおよび60C参照)。切り込み504は、スロット付き表面502に向かった反対方向への本体の屈曲に抵抗するように、閉鎖し、干渉する。つまり、ヒンジ510により、圧縮を受けると、足場138は、側面502の方向に外向きの反対の第2の方向よりも側面506の方向に外向きの第1の方向で、容易に屈曲する。
【0280】
加えて、直立指部または突起512のパターンが、本体500の縁に隣接する表面506から延在する。複数の指部または突起512が、(本体500の縦軸にわたって)縁に沿って横一列に延在してもよく、あるいは複数の指部または突起512が、((図60A(1)が示すように)本体500の縦軸にわたって)縁から縦一列に延在してもよく、あるいは複数の指部または突起512が、(図60A(2)が示すように)本体500の縦軸にわたって横列および縦列で延在してもよい。指部または突起512は、使用中に舌の後部における組織を穿刺するようにサイズ決定および構成される(図60D参照)。突起または指部512は、望ましくは、非剛性材料でできており、丸みを帯びた非外傷性先端を有してもよい。突起または指部512はまた、可変剛性を有してもよく、本体500に隣接するとより剛性であり、先端に隣接するとあまり剛性ではない。
【0281】
使用中に、足場138は、口腔底の中、上、または付近の組織構造に埋め込まれる(図60D参照)。埋め込まれると、足場138は、前方領域514(指部または突起512を含まない)が下顎骨に対面し、後方領域516(指部または突起512を有する)が舌骨に対面する状態で配向される。埋め込まれると、足場138のスロット付きヒンジ510は、脚に向かって、すなわち、尾側方向に配向される。この編成では、指部または突起514は、舌の後部(または舌底)の中へ延在し、その中で引っ掛かりを得る。
【0282】
足場138(組織ほど可撓性ではない)の存在は、口腔底の中、上、または付近の組織構造を補強する。さらに、下顎骨と舌骨との間の口腔底の組織構造の圧縮に応じて、足場138の圧縮が発生する。組織構造は、例えば、口を開くこと(図60E参照)、または下顎の後方平行移動に応じて、圧縮される。組織構造は、舌骨と下顎骨との間の前後距離が短縮するため、これが発生すると圧縮される。
【0283】
圧縮されると(図60Eが示すように)、足場138は、尾側方向に優先的に屈曲または枢動することによって反応する。このようにして、足場138は、気道の中への陥没に対して、頭側方向に組織構造を動的に補強または付勢する働きをする。さらに優先的に枢動することによって、足場138は、後舌面に前方持上げ力を印加し、気道から外へ前方に舌を持ち上げる。
【0284】
足場138は、所望であれば、バネ定数を有する可撓性材料で作ることができる。この足場138は、屈曲させられると、所望の尾側方向に活性バネ力を付与する。しかしながら、好ましくは、所望される優先的屈曲特性を提供するように弱められる場合に、本質的にバネ定数を持たない剛性または半剛性構造を使用することができる。
【0285】
代替として、足場138は、枢動して外向き屈曲を成すように、または要求に応じて硬化するように、エネルギー源、例えば、電気または熱または磁気エネルギー、あるいは同等物によって活性化することができる。
【0286】
発明の上記の実施形態は、その原則を記述するにすぎず、限定されるものではない。本発明の範囲は、それらの同等物を含む、以下の請求項の範囲から判定されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に個人が睡眠姿勢にあるときに、下顎および/または頭部を所望の配向で機械的に支持し、該下顎および/または頭部の該所望の配向から外れる移動に積極的に抵抗する手段を含む、装置。
【請求項2】
ネックピースを備える装置であって、該ネックピースは、頸部の中、上、もしくは付近における、および/または咽頭気道自体の壁、および/または口腔底に沿う組織構造を外部から補強することにより、気道の中への陥没から離れる方向に偏向した所望の配向に、該頸部、咽頭気道、および口腔底の中、上、または付近における相互接続された組織構造を機械的に安定化および支持する、装置。
【請求項3】
下顎の前部と舌骨との間の口腔底の中の選択された組織領域の中、上、または付近に配置される少なくとも1つの足場を備える、システム。
【請求項4】
前記足場は、組織内に体内的に配置される、請求項3のシステム。
【請求項5】
前記足場は、皮膚上に体外的に配置される、請求項3のシステム。
【請求項6】
舌の中に配置されるインプラントを備えるシステムであって、該インプラントは、口腔底の中に配置されるインプラントに連結される、システム。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図28C】
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【図29−1】
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【図29−2】
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【図30】
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【図31A】
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【図31B】
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【図32A】
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【図32B】
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【図32C】
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【図33】
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【図34−1】
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【図34−2】
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【図35−1】
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【図35−2】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44−1】
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【図44−2】
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【図45】
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【図46−1】
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【図46−2】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50−1】
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【図50−2】
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【図51】
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【図52A】
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【図52B】
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【図53−1】
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【図53−2】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60−1】
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【図60−2】
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【公表番号】特表2012−511340(P2012−511340A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539516(P2011−539516)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/006413
【国際公開番号】WO2010/068251
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(511138364)エイチ−メディカル (1)
【Fターム(参考)】