説明

気道中の生物膜を溶解するための加水分解酵素および酸化酵素の使用

気道中の生物膜の除去のための組成物は、肺炎マイコプラズマにより引き起こされる肺炎などの感染の治療にとって有用である。一般的には、前記組成物は、(1)多糖類中の2個の単糖類を接続するか、または気道中の生物膜を破壊するのに十分な糖タンパク質中のタンパク質分子と単糖類を接続する結合の加水分解を触媒する一定量の少なくとも1種の酵素;ならびに(2)気道への投与にとって好適な製薬上許容し得る担体を含む。前記組成物はさらに、ステロイド、リゾチーム、ラクトフェリン、もしくはペルオキシダーゼなどの成分を含んでもよい;ペルオキシダーゼが含まれる場合、前記組成物はさらに、過酸化物を生成するオキシダーゼならびにオキシダーゼのための基質を含んでもよい。前記組成物を、気道中の生物膜を溶解する該組成物の能力に基づく感染の治療のための方法において用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする、2007年7月6日に出願された「気道中の生物膜を溶解するための加水分解酵素および酸化酵素の使用」という表題のMicheal Pellicoによる米国特許仮出願第60/948,343号に由来する優先権を主張するものである。
【0002】
発明の分野
本発明は、生物膜溶解酵素、特に、加水分解酵素および酸化酵素を含む、気道治療組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、換気装置により誘導される肺炎は、感染に起因する病院死の主要な原因の1つである。そのような感染は、院内感染と呼ばれることが多い。
【0004】
肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)は、ペニシリン、セファロスポリン、およびバンコマイシンなどの多くの抗生物質に耐性である。肺炎マイコプラズマは、しばしば「歩く肺炎(walking pneumonia)」または「原発性非定型肺炎(primary atypical pneumonia)」と呼ばれる肺炎を引き起こす。
【0005】
他の事例の肺炎は、限定されるものではないが、連鎖球菌種、ブドウ球菌種、シュードモナス種、ヘモフィルス種、およびクラミジアなどのいくつかの細菌種により引き起こされ得る。
【0006】
肺炎の疾患を、2つの形態:気管支肺炎および大葉性肺炎に分けることができる。
【0007】
パプアニューギニアおよび南アフリカにおいて1970年代初頭に出現した多剤耐性型の肺炎連鎖球菌は、偶発的であると考えられたが、多剤耐性は今や地球全体に広がり、1985年以来急速に増加している。ペニシリン耐性の増加の次にセファロスポリンに対する耐性が増加し、次いで多剤耐性が増加した。ペニシリン耐性の発生率は1987年の0.02%未満から1994年には3%に増加し、1998年には、米国のいくつかの社会では30%に、いくつかの他の国の地域においては80%に増加した。他の抗生物質に対する耐性も同時に出現した:トリメトプリム/サルファに対しては26%の耐性、セフォタキシムに対しては30%の耐性、マクロライドに対しては30%の耐性、および多剤に対しては25%の耐性。耐性生物は完全に毒性のままである。
【0008】
気道感染のための現在の治療は、依然として抗生物質を用いるものである。しかしながら、抗生物質の多用は、抗生物質耐性細菌の増殖をもたらす。細菌が、耐性導入因子(RTF)として知られるプラスミドの作用を介して、1つの種から別の種に抗生物質耐性を拡散させる能力を有することが長年に渡って知られてきた。複数の耐性遺伝子を担持するプラスミドの作製が特に重要である。これらの機構は、A.A. SayersおよびD.o. Whitt, Bacterial Pathogenesis: A Molecular Approach (ASM Press, Washington, DC 1994), pp. 107-109(参照により本明細書に組み入れられるものとする)に記載されている。
【0009】
抗生物質がこの臨床状況において無効であることが多い理由は、細菌が粘液性の生物膜の内側で休止状態で生きていることが最近発見されたということである。そのような生物膜の一例は、耳に存在する。耳の後ろの表面上は無害そうな液体は、実際には、正しい環境下で活性化されるようになり、急速に増殖する細菌を含有する微生物担持生物膜である。この生物膜は、外耳道にも存在する。
【0010】
この修正された理解は、以前に、科学者が自由に浮遊する形態の細菌を研究したために生じたものである。細菌は環境中の毒素から自身を保護するため、粘液性の集団生活を好む。生物膜形成は段階的様式で起こる。第1に、無機または有機分子を表面に吸収させる。これは、細菌が表面に付着する能力を増加させる調節層を作る。一度、調節層が形成されたら、細菌付着が起こる。生細胞または死細胞は、同様の傾向で表面に付着するであろう。細菌の付着は、線毛、繊毛、鞭毛により、ならびに細胞外多糖類により媒介される。
【0011】
最初に形成された場合、調節層と細菌との結合は強くなく、容易に除去することができる。しかしながら、時間と共に、これらの結合は強化され、除去が困難になる。一度、生物膜内に埋め込まれたら、細菌細胞は細胞損傷を修復し、生物膜内の栄養素を代謝する機会を得る。生物膜が増殖を継続するにつれて、細胞外多糖類はますます防御を提供する。生物膜は24時間以内に成熟する。生物膜の発生は1時間以内に起こり得る。8時間後、91%を超える細菌が、生物膜内に強く付着する。生物膜内の細菌の殺傷には、自由に浮遊する細菌を殺傷するのに必要とされる抗生物質よりも1000倍多い抗生物質が必要である。この膜は抗生物質が細菌に到達するのを物理的に阻害する。さらに、生物膜中の多くの細菌は休止状態であり、抗生物質は典型的には、活発に分裂している細菌のみを殺傷する。
【0012】
同様に、生物膜は気道中にも存在する。気道は休止中の細菌の粘液容器で被覆されている。これらの不活発な細菌は、活発な感染の症候を引き起こさないが、最終的にはそれらははがれ落ち、自由に浮遊する活発な細菌になり、別の感染を引き起こす。これは、そのような患者における再発感染の存在の裏側にある重要な因子の1つである。データは、生物膜中に含まれる細菌が単一の細胞よりも耐性が高いことを示し、これは生物膜マトリクスによる物理的防御または生物膜中の細菌細胞の生理的変化により引き起こされると考えられる。
【0013】
細菌は、表面に付着し、生物膜の形成を開始する自然の傾向を有する。生物膜マトリクスは、細胞の類別と、多糖類、糖タンパク質、およびタンパク質などの細胞外ポリマーとの間に水路を有する微小コロニーの集合体である。糖類の間の様々な型の結合が、レバン、デキストラン、セルロース、グリコーゲン、およびアルギン酸などの多数の異なるクラスの多糖類を生じさせる。細菌は、多くの材料の表面に付着し、コロニー形成する能力を有する。付着は、細胞外多糖類の産生ならびに細胞形態および増殖速度の変化をもたらすことが多い。浮遊性細菌と比較して、表面に付着した細菌中では異なる遺伝子が発現される。結果として、表面に付着した細菌は、毒性化合物および殺生物剤に対する耐性の増加を示す。殺生物剤は自由に浮遊する細菌の殺傷において有効であると証明されているが、それらは生物膜内の細菌の破壊においては有効ではない。殺生物剤が有効になる前に、生物膜を破壊することが必須になる。
【0014】
生物膜を除去することが知られる多くの方法が存在する。生物膜を除去するのに用いられる方法としては、次亜塩素酸、過酸化水素、オゾン、界面活性剤、もしくは酸の使用、熱の適用、機械活動の使用、または超音波の使用が挙げられる。これらの方法の組合せも用いられる。
【0015】
これらの方法の多くは、有効であるが、気管などの、身体の上で、または体内で形成する生物膜上での使用にとっては好適ではない。これらの方法は、この状況における使用にとって、あまりにも厳しく、組織破壊的である。身体の上で、または体内で形成する生物膜を除去するための安全な方法が必要である。
【0016】
身体の上で、または体内で形成する生物膜の状況においてではなく、その前に、生物膜を溶解するための酵素が用いられてきた。洗濯用洗剤においては、実際、生物膜になり得る沈降物を除去するための酵素が用いられている。コンタクトレンズ溶液は、コンタクトレンズ上で増殖し得る生物膜を除去するための酵素を用いる。歯科分野においては、歯から歯垢、生物膜を除去するためにデキストラナーゼおよびムタナーゼが用いられている。
【0017】
従って、身体の上で、または体内で、特に、気道中で形成する生物膜を除去するための改良された方法の必要性が存在する。この改良された方法は、有効かつ安全であるべきである。改良された方法はまた、抗生物質および細菌感染のための他の治療と適合性であるべきである。
【発明の概要】
【0018】
本発明は、特に、気道中の生物膜を除去する活性を有する組成物に関する。本発明に従う組成物および方法は、気道感染の治療にとって好適である。
【0019】
本発明の一態様は、気道中の生物膜の除去のための組成物であって、
(1)多糖類中の2個の単糖類を接続するか、または気道中の生物膜を破壊するのに十分な糖タンパク質中のタンパク質分子と単糖類を接続する結合の加水分解を触媒する一定量の少なくとも1種の酵素;ならびに
(2)気道への投与にとって好適な製薬上許容し得る担体、
を含む、前記組成物である。
【0020】
多糖類中の2個の単糖類を接続するか、または糖タンパク質中のタンパク質分子と単糖類を接続する結合の加水分解を触媒する少なくとも1種の酵素を、キシラナーゼ、β-グルカナーゼ、セルラーゼ、α-ガラクトシダーゼ、グルカナーゼ、アミラーゼ、ヒアルロニダーゼ、ポリガラクツロナーゼ(ペクチナーゼ)、デキストラナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、プルラナーゼ、グリコシルセラミダーゼ、グルカン1,4-α-グルコシダーゼ、オリゴ-1,6-グルコシダーゼ、フコイダナーゼ、グリコシルセラミダーゼ、チオグルコシダーゼ、および糖ペプチドN-グリコシダーゼからなる群より選択することができる。典型的には、前記酵素を、キシラナーゼ、β-グルカナーゼ、セルラーゼ、α-ガラクトシダーゼ、グルカナーゼ、アミラーゼ、ヒアルロニダーゼ、ポリガラクツロナーゼ(ペクチナーゼ)、デキストラナーゼ、およびセロビオヒドロラーゼからなる群より選択する。
【0021】
前記組成物はさらに、気道中の炎症を予防または阻害するのに有効な量の少なくとも1種の成分を含んでもよい。これは、ヒドロコルチゾンなどのステロイドであってよい。
【0022】
前記組成物はさらに、マイコプラズマ肺炎の治療において有効な抗生物質を含んでもよい。あるいは、前記組成物は、抗ウイルス剤または抗真菌剤をさらに含んでもよい。
【0023】
前記組成物は、リゾチームまたはラクトフェリンをさらに含んでもよい。さらに、前記組成物は、殺菌作用を示すのに十分な量の少なくとも1種のペルオキシダーゼをさらに含んでもよい。好適なペルオキシダーゼはラクトペルオキシダーゼである。前記組成物がペルオキシダーゼを含む場合、該組成物は殺菌特性を有する有効な濃度のイオンが、ペルオキシダーゼの触媒作用により産生されるような量のペルオキシダーゼの酵素作用により殺菌特性を有するイオンに変換することができる少なくとも1種の基質をさらに含んでもよい。前記組成物がペルオキシダーゼを含む場合、該組成物は、グルコースオキシダーゼなどの殺菌的に有効な量のオキシダーゼ、ならびにオキシダーゼがグルコースオキシダーゼである場合、グルコースなどのオキシダーゼの基質をさらに含んでもよい。
【0024】
本発明の別の態様は、一定量の本発明に従う組成物を、気道感染を有する被験体に投与して、該感染を治療する工程を含む、気道感染を治療する方法である。この感染は、典型的には肺炎であり、肺炎マイコプラズマにより引き起こされる。この方法は、マイコプラズマ肺炎の治療において有効である抗生物質を、肺炎マイコプラズマに対する殺菌作用を示すのに十分な量で投与し、該抗生物質を該組成物の投与経路以外の経路により投与することをさらに含んでもよい。あるいは、本発明に従う組成物は、マイコプラズマ肺炎の治療において有効である抗生物質を含んでもよく、その場合、該方法は異なる経路による同じ抗生物質または異なる抗生物質の投与をさらに含んでもよい。
【発明を実施するための形態】
【0025】
抗生物質は、気道感染の主要な治療であるが、上記で考察されたように、一般的には自由に浮遊する細菌を殺傷するに過ぎない。不可能でない場合でも、抗生物質が生物膜中に埋め込まれた細菌を殺傷するのは難しい。
【0026】
第1に気道への生物膜溶解酵素系の適用または抗生物質と一緒の適用により、抗生物質はより有効になる。
【0027】
一般的には、本発明に従う組成物および方法における使用にとって好適な生物膜溶解酵素は、多糖類中の2個の単糖類を接続するか、または糖タンパク質中のタンパク質分子と単糖類を接続する結合の加水分解を触媒する酵素である。これらの酵素を、本明細書では「グリコシド結合加水分解酵素」と呼ぶ。
【0028】
本発明に従う組成物および方法における使用にとって好適な生物膜溶解酵素としては、限定されるものではないが、キシラナーゼ、β-グルカナーゼ、セルラーゼ、α-ガラクトシダーゼ、グルカナーゼ、アミラーゼ、ヒアルロニダーゼ、ポリガラクツロナーゼ(ペクチナーゼ)、デキストラナーゼ、およびセロビオヒドロラーゼが挙げられる。限定されるものではないが、プルラナーゼ、グリコシルセラミダーゼ、グルカン1,4-α-グルコシダーゼ、オリゴ-1,6-グルコシダーゼ、フコイダナーゼ、グリコシルセラミダーゼ、チオグルコシダーゼ、および糖ペプチドN-グルコシダーゼ、ならびに他の酵素などの、多糖類中の2個の単糖類を接続するか、または糖タンパク質中のタンパク質分子と単糖類を接続する結合を溶解することができる他の加水分解酵素を用いることもできる。
【0029】
キシラナーゼ(EC 3.2.1.8)、より正確には、エンド-1,4-β-キシラナーゼは、線状多糖類β-1,4-キシランを単糖類キシロースに分解する酵素のクラスに与えられた名称である。キシラナーゼは、キシラン中の1,4-β-D-キシロシド結合の分子内加水分解を触媒する。キシラナーゼは、サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)などの多くの微生物により産生される。キシラナーゼに関する情報は、http://www.brenda.unikoeln.de/php/result_flat.php4?ecno=3.2.1.8で入手可能である。
【0030】
β-グルカナーゼ(EC 3.2.1.6)、より正確には、エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼは、還元基が加水分解される結合に関与するD-グルコース残基自体がC-3で置換される場合、β-D-グルカン中の1,3-または1,4-結合の分子内加水分解を触媒する酵素である。β-グルカナーゼの多くの起源が公知であり、特に、カンジダ・ウティリス(Candida utilis)およびサッカロミセス・セレビジア(Saccharomyces cerevisiae)などの植物および菌類から公知である。β-グルカナーゼに関する情報は、http://www.brenda.uni-koeln.de/php/result_flat.php4?ecno=3.2.1.6で入手可能である。
【0031】
セルラーゼ(EC 3.2.1.4)は、セルロース、リケニンおよび穀類のβ-D-グルカン中の1,4-β-D-グルコシド結合の分子内加水分解を触媒する酵素である。セルラーゼの起源としては、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、クロストリジウム・サーモセルム(Clostridium thermocellum)、およびセルロモナス・フィミ(Cellulomonas fimi)が挙げられる。セルラーゼに関する情報は、http://www.brenda.uni-koeln.de/php/result_flat.php4?ecno=3.2.1.4で入手可能である。
【0032】
α-ガラクトシダーゼ(EC 3.2.1.22)は、ガラクトースオリゴ糖、ガラクトマンナンおよびガラクトヒドロラーゼなどのα-D-ガラクトシド中の末端非還元α-D-ガラクトース残基の加水分解を触媒する酵素である。α-ガラクトシダーゼの起源としては、A.niger、大腸菌、グリシン・マックス(Glycine max)(大豆)、およびラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)が挙げられる。α-ガラクトシダーゼに関する情報は、http://www.brenda.uni-koeln.de/php/result_flat.php4?ecno=3.2.1.22で入手可能である。
【0033】
グルカナーゼ、または1,3-β-D-グルコシダーゼ(EC 3.2.1.39)は、1,3-β-D-グルカン中の1,3-β-D-グルコシド結合の加水分解を触媒する酵素である。グルカナーゼの起源としては、アラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)、クロストリジウム・サーモセルム(C. thermocellum)、ホルデウム・バルガレ(Hordeum vulgare)、オリザ・サティバ(Oryza sativa)が挙げられる。グルカナーゼに関する情報は、http://www.brenda.uni-koeln.de/php/result_flat.php4?ecno=3.2.1.39で入手可能である。
【0034】
アミラーゼ、より正確には、α-アミラーゼ(EC 3.2.1.1)またはβ-アミラーゼ(EC 3.2.1.2)は、デンプンの成分であるアミロースを加水分解する酵素のクラスである。α-アミラーゼ酵素は、3個以上の1,4-α結合D-グルコース単位を含む多糖類中の1,4-α-D-グルコシド結合の分子内加水分解を触媒する。α-アミラーゼの起源としては、A.niger、アスペルギルス・オリザ(Aspergillus oryzae)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、およびバチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)が挙げられる。β-アミラーゼ酵素は、鎖の非還元末端から連続するマルトース単位を除去するように、多糖類中の1,4-β-D-グルコシド結合の加水分解を触媒する。β-アミラーゼの起源としては、H.vulgareおよびバチルス・セレウス(Bacillus cereus)が挙げられる。α-アミラーゼに関する情報は、http://www.brenda.unikoeln.de/php/result_flat.php4?ecno=3.2.1.1で入手可能である。β-アミラーゼに関する情報は、http://www.brenda.uni-koeln.de/php/result_flat.php4?ecno=3.2.1.2で入手可能である。
【0035】
ヒアルロニダーゼ、より正確には、ヒアルロン酸リアーゼ(EC 4.2.2.1)は、β-D-GalNAc-(1-4)-β-D-GlcA結合でヒアルロン酸鎖の切断を触媒し、最終的には多糖類を3-(4-デオキシ-β-D-グルク-4-エヌロノシル)-N-アセチル-D-グルコサミンに破壊する。ヒアルロニダーゼの起源としては、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)およびストレプトミセス・グリセウス(Streptomyces griseus)が挙げられる。ヒアルロニダーゼに関する情報は、http://www.brenda.uni-koeln.de/php/result_flat.php4?ecno=4.2.2.1で入手可能である。
【0036】
ペクチナーゼとしても知られ、その系統名がポリ(1,4-α-D-ガラクツロニド)グリカノヒドロラーゼ(EC 3.2.1.15)であるポリガラクツロナーゼは、ペクチン酸および他のガラクツロナン中の1,4-α-D-ガラクトシドロン結合の加水分解を触媒する。ポリガラクツロナーゼの起源としては、A.nigerおよびG.maxが挙げられる。ポリガラクツロナーゼに関する情報は、http://www.brenda.unikoeln.de/php/result_flat.php4?ecno=3.2.1.15で入手可能である。ペクチナーゼの好適な調製物は、Pectinex Ultra SPL(商標)としてNovo Nordiskにより市販されている。
【0037】
系統名が1,6-α-D-グルカン6-グルカノヒドロラーゼである、デキストラナーゼは、デキストラン中の1,6-α-D-グルコシド結合の分子内加水分解を触媒する。デキストラナーゼの起源としては、ペニシラム・フニクロサム(Penicillum funiculosum)およびアベナ・サチバ(Avena sativa)が挙げられる。デキストラナーゼに関する情報は、http://www.brenda.unikoeln.de/php/result_flat.php4?ecno=3.2.1.11で入手可能である。
【0038】
セルラーゼとしても知られ、その系統名が1,4-(1,3;1,4)-β-D-グルカン4-グルカノヒドロラーゼ(EC 3.2.1.4)である、セロビオヒドロラーゼは、セルロース、リケニンおよび穀類のβ-D-グルカン中の1,4-β-D-グルコシド結合の分子内加水分解を触媒する。セロビオヒドロラーゼの起源としては、A.nigerおよびクロストリジウム・セルロリティカム(Clostridium cellulolyticum)が挙げられる。セロビオヒドロラーゼに関する情報は、http://www.brenda.uni-koeln.de/php/result_flat.php4?ecno=3.2.1.4で入手可能である。
【0039】
これらの酵素の1種以上を、気道中への投与にとって好適な製薬上許容し得る担体と共に、本発明に従う組成物中に含有させる。従って、本発明の一実施形態は、気道中の生物膜の除去のための組成物であって、
(1)多糖類中の2個の単糖類を接続するか、または気道中の生物膜を破壊するのに十分な糖タンパク質中のタンパク質分子と単糖類を接続する結合の加水分解を触媒する一定量の少なくとも1種の酵素;ならびに
(2)気道への投与にとって好適な製薬上許容し得る担体、
を含む、前記組成物である。
【0040】
気道中への投与にとって好適な製薬上許容し得る担体は、バッファー、前記組成物の粘度を制御する成分、保存剤、および当業界で公知の他の従来の成分を含んでもよい。前記組成物中に含まれる特定成分の例を、以下の製剤1〜製剤26に提供する。
【0041】
気道中への投与にとって好適である当業界で公知の様々な製薬上許容し得る担体を、本発明に従う組成物中で用いることができる。典型的には、本発明に従う組成物中に、製薬上許容し得る担体は、水、グリセロール、およびプロピレングリコールからなる群より選択される1種以上の成分を含む。1つの代替においては、前記担体は、それ自身、好適な担体である水を含む。別の代替においては、該担体はグリセロールを含む。さらに別の代替においては、該担体は水およびグリセロールを含む。さらに別の代替においては、前記担体は水、グリセロール、およびプロピレングリコールを含む。
【0042】
本発明に従う組成物は、気道中の炎症を予防(防止)するか、または阻害するのに有効な量の少なくとも1種の成分をさらに含んでもよい。好適な成分は、限定されるものではないが、ヒドロコルチゾン、ベクロメタゾン、ブデノシド、シクレゾニド、フルニゾリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、およびトリアムシノロン、ならびにその塩、溶媒和物、類似体、コンジナー、バイオイソスター、加水分解産物、代謝物、前駆体、およびプロドラッグなどのステロイドである。好ましいステロイドはヒドロコルチゾンである。
【0043】
本発明に従う組成物は、肺炎マイコプラズマに対する殺菌作用を示すのに有効な量のマイコプラズマ肺炎の治療において有効である抗生物質をさらに含んでもよい。本発明に従う組成物中に含まれる抗生物質は、例えば、アミカシン;限定されるものではないが、チカルシリン、ピペラシリン、メズロシリン、もしくはアズロシリンなどの広域ペニシリン;セフタジジム;セフェピム;シプロフロキサシン;トブラマイシン;アズトレオナム;イミペネム;またはメロペネムであってよい。あるいは、上記の抗生物質などの抗生物質を、別々に投与して、生物膜中の細菌の殺傷を促進することができる。別々に投与する場合、抗生物質を局所的または全身的に投与することができる。
【0044】
別の代替においては、本発明に従う組成物は、限定されるものではないが、インフルエンザウイルスの1種以上の株に対して活性な抗ウイルス剤などの抗ウイルス剤を含んでもよい。そのような抗ウイルス剤としては、限定されるものではないが、アマンタジン、オセルタミビル、リマンタジン、ザナミビル、およびリバビリンが挙げられる。肺炎マイコプラズマにより引き起こされるものなどの慢性細菌感染を有する患者においては、インフルエンザウイルスにより引き起こされるものなどの感染は、急性肺炎または気管支炎などの重篤な合併症をもたらす;そのような合併症は、命を脅かす場合もある。あるいは、前記抗ウイルス剤を、上記のように別々に投与してもよい。
【0045】
さらに別の代替においては、本発明に従う組成物は、限定されるものではないが、気管に影響する全身感染を引き起こし得る1種以上の菌類に対して活性な抗真菌剤などの抗真菌剤をさらに含んでもよい。そのような菌類としては、限定されるものではないが、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、コクシドイデス・イミティス(Coccidoides immitis)、ヒストプラズマ・カプスラタム(Histoplasma capsulatum)、ブラストミセス・デルマティティディス(Blastomyces dermatitidis)、カンジダ・アルビカンス(C. albicans)などのカンジダ種、アスペルギルス・フミガタス(A. fumigatus)などのアスペルギルス種、ムコル(Mucor)種、およびリゾプス(Rhizopus)種が挙げられる。そのような抗真菌剤としては、限定されるものではないが、アンホテリシンB、イトラコナゾール、ケトコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、クロトリマゾール、ミコナゾール、エコナゾール、ブトコナゾール、オキシコナゾール、スルコナゾール、テルコナゾール、酢酸カスポフンギン、グリセオフルビン、およびテルビナフィンが挙げられる。あるいは、抗真菌剤を、上記のように別々に投与することができる。
【0046】
本発明に従う組成物は、殺菌作用を示すのに十分な量のリゾチーム、ラクトフェリン、およびペルオキシダーゼからなる群より選択される一定量の少なくとも1種のさらなる抗細菌酵素をさらに含んでもよい。典型的には、ペルオキシダーゼを、ラクトペルオキシダーゼ、ミエロペルオキシダーゼ、西洋わさびペルオキシダーゼ、好酸球ペルオキシダーゼ、およびグルタチオンペルオキシダーゼからなる群より選択する。好ましくは、ペルオキシダーゼを、ラクトペルオキシダーゼおよびミエロペルオキシダーゼからなる群より選択する。より好ましくは、ペルオキシダーゼは、ラクトペルオキシダーゼである。ラクトペルオキシダーゼは、1つの商業的な実施形態においては、ミルクに由来する凍結乾燥粉末である糖タンパク質である。この市販のペルオキシダーゼは、80 IU/mgの活性およびL-チロシンヨード化のための93,000の投影分子量を有する。ラクトペルオキシダーゼについて報告された物理化学的特性としては、78,000の分子量、アミノ酸組成を反映する、0.74の部分比容およびラクトペルオキシダーゼ1モルあたり1.0モルのヘムの存在が挙げられる。抗細菌組成物が酵素に基づく場合、2部分系が好ましい。この2部分系は、
(1)第1の成分:
(a)以下のうちの1つ:
(i)オキシドリダクターゼ酵素が特異的である基質の酸化を触媒することにより過酸化水素を産生するオキシドリダクターゼ酵素(ペルオキシダーゼと反応するのに十分な過酸化水素の量が産生される十分な量のオキシドリダクターゼ酵素を含む第1の成分);および
(ii)ペルオキシダーゼと反応するのに十分な過酸化水素の量が産生される十分な量のオキシドリダクターゼ酵素により触媒される反応において酸化可能である基質、
(b)過酸化水素と、酸素受容体として作用し、過酸化水素と反応して殺生物剤を形成することができる塩との反応を触媒するペルオキシダーゼ酵素であって、殺生物剤が治療上有効な濃度で産生されるような十分な量で存在する前記酵素;および
(c)酵素と酸化可能な基質が、存在する場合、安定である水性もしくは非水性媒体、
を含む前記第1の成分;ならびに
(2)第2の成分:
(a)他のオキシドリダクターゼ酵素と、(1)に存在しないオキシドリダクターゼ酵素により触媒される反応において酸化可能である基質;および
(b)酸素受容体として作用し、過酸化水素と反応して、治療上有効な濃度の殺生物剤を形成するのに十分な量の殺生物剤を形成することができる塩;および
(c)他のオキシドリダクターゼ酵素および酸化可能な基質および酸素受容体として作用する塩が安定であるが、但し、第1の成分と第2の成分の媒体のうちの1つが水性である、水性または非水性媒体、
を含む前記第2の成分、
を含む。
【0047】
この実施形態は、追加の内因性過酸化水素が存在しないか、または疾患プロセスにより産生される最少量の内因性過酸化水素しか存在しない菌類により引き起こされるものなどの疾患および症状の治療にとって特に好適である。従って、この実施形態においては、酸化可能な基質と、該基質にとって特異的なオキシドリダクターゼ酵素を添加して、十分な量の過酸化水素を確保し、有効量の殺生物剤を作製する。
【0048】
典型的には、前記組成物は、約0.5〜約500国際単位のオキシドリダクターゼ酵素を含む。典型的には、前記組成物は、約0.015〜約0.6ミリモルの酸化可能な基質を含む。典型的には、前記組成物は、約0.05〜約30国際単位のペルオキシダーゼ酵素を含む。典型的には、前記組成物は、約0.0001〜約0.01ミリモルの酸素受容器として作用する塩を含む。
【0049】
1つの代替においては、第1および第2の成分の媒体は、両方とも水性媒体である。別の代替においては、第1の成分の媒体は、グリセロールなどの非水性媒体であってよい。本明細書で用いられる用語「水性」は、有意な割合の水が媒体中に存在する限り、グリセロールまたはソルビトールなどの非水性成分を排除しない。
【0050】
以下の実施例に示されるように、成分は、第1および第2の成分の間で互換性であってよい。例えば、オキシドリダクターゼ酵素により触媒される反応において酸化可能である基質を、第1の成分に含有させ、オキシドリダクターゼ酵素を第2の成分に含有させることができる。
【0051】
2種以上のペルオキシダーゼ酵素を含有させることができる。例えば、第1の成分は、ラクトペルオキシダーゼと西洋わさびペルオキシダーゼの両方を含んでもよい。他の組合せのペルオキシダーゼを用いることもできる。
【0052】
第1の成分および第2の成分を、別々に調製し、使用前に混合することができる。
【0053】
本明細書で用いられる用語「国際単位(IU)」は、その酵素に関する規定の標準的なアッセイ条件下で、1分あたりに1マイクロモルの基質の変換を触媒する酵素の量と定義される。
【0054】
前記組成物がラクトペルオキシダーゼ、ミエロペルオキシダーゼ、西洋わさびペルオキシダーゼ、および好酸球ペルオキシダーゼ、またはグルタチオンペルオキシダーゼなどのペルオキシダーゼ酵素を含む場合、該組成物はペルオキシダーゼ酵素の酵素作用により殺菌特性を有するイオンに変換することができる少なくとも1種の基質をさらに含んでもよい。この基質は、有効濃度の殺菌特性を有するイオンがペルオキシダーゼ酵素の触媒作用により産生されるような量で存在する。好適な基質としては、限定されるものではないが、チオシアン酸塩、ヨウ素酸塩、または塩素酸塩などの陰イオンのアルカリ金属塩が挙げられる。アルカリ金属塩は、典型的には、ナトリウム塩またはカリウム塩であるが、リチウム塩またはセシウム塩などの他のアルカリ金属塩を用いてもよい。ペルオキシダーゼ酵素は、チオシアン酸塩の次亜チオシアン酸(-OSCN)、酸素分子(O2)、および水への変換を触媒する。同様に、ペルオキシダーゼ酵素はヨウ素酸塩または塩素酸塩の次亜ヨウ素酸塩または次亜塩素酸塩への変換を触媒する。これらの陰イオンは殺菌活性を有する。
【0055】
ペルオキシダーゼを含む本発明に従う代替的な組成物においては、カタラーゼ阻害剤がさらに含まれる。ペルオキシダーゼ酵素の有効性は、多くの組織中に存在するカタラーゼの存在により影響され得る。カタラーゼは、過酸化水素に関してペルオキシダーゼと競合する。カタラーゼの存在による過酸化水素の損失を減少させるために、カタラーゼに特異的である有効量の酵素阻害剤を、本発明に従う組成物中に有利に組み入れることができる。カタラーゼに特異的な好適な酵素阻害剤としては、限定されるものではないが、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、パルミチン酸アスコルビル、もしくはその混合物などのアスコルビン酸塩が挙げられ、本発明に従う組成物中に含有させることができる。本発明に従う組成物中のアスコルビン酸塩の有効濃度は、組成物1グラムあたり、約1 x 10-6〜約1 x 10-4ミリモルである。硫酸第一鉄、塩化第一鉄、またはヨウ化第一鉄などの鉄塩を、カタラーゼ阻害剤としてのその役割におけるアスコルビン酸塩の増強剤として本発明に従う組成物中に組み入れることもできる。特に好ましい鉄塩は、硫酸第一鉄である。
【0056】
ペルオキシダーゼ酵素と、ペルオキシダーゼ酵素の酵素的作用により殺菌特性を有するイオンに変換することができる少なくとも1種の基質とを含む本発明に従う組成物を、アミノヘキソースと共に有利に製剤化して、酸化された陰イオン殺生物剤の収率もしくは蓄積を増加させることもでき、アミノヘキソースの量は酸化された陰イオン殺生物剤の収率もしくは蓄積を増加させるのに有効なものである。典型的には、アミノヘキソースはアミノグルコースであるが、アミノガラクトースなどの他のアミノヘキソースを用いることもできる。典型的には、アミノグルコースを、グルコサミン、N-アセチルグルコサミン、およびその混合物からなる群より選択する。典型的には、アミノグルコースは、組成物1グラムあたり、約0.0001ミリモル〜約0.002ミリモルの濃度で前記組成物中に存在する。好ましくは、アミノグルコースは、組成物1グラムあたり、約0.0003ミリモル〜約0.001ミリモルの濃度で前記組成物中に存在する。
【0057】
ペルオキシダーゼを含む本発明に従う組成物は、殺菌上有効量のオキシダーゼおよび必要に応じて、殺菌上有効量のオキシダーゼのための基質をさらに含んでもよい。オキシダーゼは、該基質を酸化し、過酸化水素を産生し、次いで、存在する場合、ペルオキシダーゼによる基質としてこれを用いる。オキシダーゼの使用は、ペルオキシダーゼも存在する場合にのみ必要である。
【0058】
典型的には、オキシドリダクターゼ酵素を、Schillerらの米国特許第4,340,448号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)に記載のような、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、尿酸オキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、D-アミノ酸オキシダーゼ、D-グルタミン酸オキシダーゼ、グリシンオキシダーゼ、グリコール酸オキシダーゼ、L-ソルビン酸オキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、およびアミンオキシダーゼからなる群より選択する。ニトロエタンオキシダーゼ、D-アスパラギン酸オキシダーゼ、L-アミノ酸オキシダーゼ、リン酸ピリドキサミンオキシダーゼ、エタノールアミンオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、シュウ酸オキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、アリールアルコールオキシダーゼ、ピリドキシン4-オキシダーゼ、デヒドロオロチン酸オキシダーゼ、ラトステロールオキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼ、N-メチルアミノ酸オキシダーゼ、N6-メチルリジンオキシダーゼ、6-ヒドロキシ-L-ニコチンオキシダーゼ、6-ヒドロキシ-D-ニコチンオキシダーゼ、3-ヒドロキシアントラニル酸オキシダーゼ、アルデヒドオキシダーゼ、およびキサンチンオキシダーゼなどの他の酵素を用いてもよい。
【0059】
これらの酵素について、グルコースオキシダーゼは、β-D-グルコース、水、および酸素の反応を触媒し、過酸化水素およびグルコン酸を産生する。ガラクトースオキシダーゼはD-ガラクトースおよび酸素の反応を触媒し、過酸化水素およびD-ガラクト-ヘキソジアルドースを産生する。尿酸オキシダーゼは尿酸、水、および酸素の反応を触媒し、過酸化水素、アラントイン、および二酸化炭素を産生する。コリンオキシダーゼは、コリンおよび酸素の反応を触媒し、過酸化水素およびベタインアルデヒドを産生する。D-アミノ酸オキシダーゼはD-プロリン、D-メチオニン、D-イソロイシン、D-アラニン、D-バリン、もしくはD-フェニルアラニンなどのD-アミノ酸と水および酸素との反応を触媒し、過酸化水素、アンモニア、および酸化されるD-アミノ酸に対応するα-ケト酸を産生する。D-グルタミン酸オキシダーゼはD-グルタミン酸、水、および酸素の反応を触媒し、過酸化水素、アンモニア、および2-ケトグルタル酸を産生する。グリシンオキシダーゼはグリシン、水、および酸素の反応を触媒し、過酸化水素、アンモニア、およびグリオキシル酸を産生する。グリコール酸オキシダーゼ(2-ヒドロキシ酸オキシダーゼとしても知られる)はグリコール酸および酸素の反応を触媒し、2-ケト酢酸および過酸化水素を産生する。L-ソルボースオキシダーゼはL-ソルボースおよび酸素の反応を触媒し、5-デヒドロ-D-フルクトースおよび過酸化水素を産生する。アルコールオキシダーゼは低級一次アルコールもしくは不飽和アルコールおよび酸素の反応を触媒し、対応するアルデヒドおよび過酸化水素を産生する。アミンオキシダーゼはアミン、典型的には、一次アミンだけでなく、いくつかの事例においては、二次もしくは三次アミン、水、および酸素の反応を触媒し、対応するアルデヒド、アンモニア、および過酸化水素を産生する。例示的な反応においては、グルコースオキシダーゼは、気道の組織への適用の間にβ-D-グルコース、水、および酸素の反応を触媒し、過酸化水素およびグルコン酸を産生する。
【0060】
本発明に従う組成物中での使用にとって好適ないくつかの好ましいオキシダーゼの特性が公知である。例えば、アスペルギルス・ニガーに由来するグルコースオキシダーゼは、150,000の分子量を有することが決定されている(Pazurら(1965))。この酵素は、2個の分子の酸化還元補酵素フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)を含む糖タンパク質である。そのアミノ酸組成が決定されている。この酵素の等電点は4.2である。この酵素の最適pHは5.5であり、4〜7の広いpH範囲を有する。この酵素の阻害剤は、一価銀イオンおよび二価水銀イオンおよび銅イオンを含む。
【0061】
ダクチリウム・デンドロイデス(Dactylium dendroides)に由来するガラクトースオキシダーゼは、42,000の分子量を有する。それは1モルあたり1グラムの銅原子を含む金属酵素である。そのアミノ酸組成は決定されている。この酵素の最適pHは7である。
【0062】
ブタ肝臓またはウシ肝臓に由来する尿酸オキシダーゼ(ウリカーゼ)は、100,000の分子量を有する。それは1モルあたり1グラムの銅原子を含む金属酵素である。この酵素の等電点は6.3である。この酵素の最適pHは9である。
【0063】
ブタ腎臓に由来するD-アミノ酸オキシダーゼは、90,000の分子量を有する。この酵素は、2分子のフラビンアデニンジヌクレオチドを含む糖タンパク質である。この酵素の最適pHは9.1である。特定の重金属が、この酵素の阻害剤である。
【0064】
典型的には、酸化可能な基質は、液体1ミリリットルあたり約0.015ミリモルから組成物1グラムあたり約0.6ミリモルの濃度で前記組成物中に存在する。好ましくは、酸化可能な基質は、組成物1グラムあたり約0.025ミリモルから組成物1グラムあたり約0.1ミリモルの濃度で前記組成物中に存在する。酸素受容器として作用する塩は、典型的には、組成物1グラムあたり約0.0001ミリモル〜約0.01ミリモルの濃度で前記組成物中に存在する。酸素受容器として作用する塩は、好ましくは、組成物1グラムあたり約0.001ミリモル〜約0.006ミリモルの濃度で前記組成物中に存在する。
【0065】
典型的には、オキシドリダクターゼ酵素は、組成物1グラムあたり約0.5 IU〜約500 IUの濃度で前記組成物中に存在する。好ましくは、オキシドリダクターゼ酵素は、組成物1グラムあたり約10 IU〜約40 IUの濃度で前記組成物中に存在する。オキシドリダクターゼ酵素を、必要に応じて、グラムあたり、もしくはミリリットルベースあたりの国際単位で表される濃度を特定する標識と共に、乾燥または液体形態で供給する。
【0066】
特に好ましいオキシダーゼはグルコースオキシダーゼである。グルコースオキシダーゼが本発明に従う組成物中に含まれる場合、該組成物中に含有させるグルコースオキシダーゼのための好ましい基質は、β-D-グルコースである。別のオキシダーゼ酵素を用いる場合、好適な基質は上記のものである。
【0067】
特に、存在する場合、以下の組合せのグリコシド結合加水分解酵素およびペルオキシダーゼを、本発明に従う組成物中で用いることができる:(1)グリコシド結合加水分解酵素としてのペクチナーゼ;(2)デキストラナーゼおよびグリコシド結合加水分解酵素としてのペクチナーゼ;(3)デキストラナーゼおよびグリコシド結合加水分解酵素としてのペクチナーゼ+ペルオキシダーゼとしてのラクトペルオキシダーゼ;(4)グリコシド結合加水分解酵素としてのペクチナーゼ+ペルオキシダーゼとしてのラクトペルオキシダーゼ;(5)デキストラナーゼおよびグリコシド結合加水分解酵素としてのキシラナーゼ;(6)α-ガラクトシダーゼおよびグリコシド結合加水分解酵素としてのアミラーゼ;(7)ペクチナーゼおよびグリコシド結合加水分解酵素としてのアミラーゼ+ペルオキシダーゼとしてのラクトペルオキシダーゼ;(8)デキストラナーゼ、ペクチナーゼ、およびグリコシド結合加水分解酵素としてのβ-D-グルコシダーゼ+ペルオキシダーゼとしてのラクトペルオキシダーゼ;(9)デキストラナーゼ、ペクチナーゼ、およびグリコシド結合加水分解酵素としてのセルラーゼ+ペルオキシダーゼとしてのラクトペルオキシダーゼ;ならびに(10)デキストラナーゼ、ペクチナーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、およびグリコシド結合加水分解酵素としてのキシラナーゼ+ペルオキシダーゼとしてのラクトペルオキシダーゼ。他の組合せも可能である。これらの組合せを、リゾチームおよび/またはラクトフェリンと混合することができる。さらに、上記に示されたように、グルコースオキシダーゼまたは別のオキシダーゼを、ペルオキシドの起源+β-D-グルコースなどのオキシダーゼのための基質として含有させることができる。
【0068】
着色料、キレート化剤、保存剤、および安定化剤などの製薬業界で一般的に知られる他の成分を、これらの追加成分が、本発明に従う組成物の活性が依存する加水分解反応および酸化還元反応を阻害しないという条件で、本発明に従う組成物中に組込むことができる。
【0069】
前記組成物は、プロセッシングの間および包装中に酵素作用を阻害する酵素固定粘度を有する組成物を提供するための増粘剤をさらに含んでもよい。好ましい増粘剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(Klucel)である。他の増粘剤は当業界で公知であり、代替的に用いることができる。これらの増粘剤としては、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、PVM、PVM/MAコポリマー、キサンタンゴム、およびその混合物が挙げられる。
【0070】
前記組成物は、水性であっても非水性であってもよい。該組成物が水性である場合、水の濃度(w/w)は、典型的には、該組成物に含まれる成分の正確な組合せならびにグリセロール、プロピレングリコール、もしくはトリプロピレングリコールなどの有意な割合の担体成分の存在もしくは非存在に応じて、約0.120%〜約99.993%の水である。しかしながら、前記組成物は、本質的に水含量のない非水性組成物であってよい。
【0071】
1つの好ましい代替においては、前記組成物を、気道感染を治療するために製剤化する。本明細書で用いられる用語「治療する」、「治療すること」、「治療」および類似する用語は、気道感染または任意の他の疾患もしくは症状の治癒を暗示せず、むしろ、この用語は、限定されるものではないが、細菌の数もしくは生存能力の低下、発熱の低下、疼痛の低下、痰の減少、咳の減少、気道機能の尺度の改善、水疱音の発生もしくは気道機能障害の他の指示因子の減少、患者が経験する被験体の福祉の改善、または任意の他の臨床的に検出可能な改善などの、治療する疾患もしくは症状における任意の臨床的に検出可能な改善を指すように用いられる。
【0072】
1つの好ましい代替においては、前記組成物を、肺炎マイコプラズマによる感染を治療するために製剤化する。
【0073】
別の好ましい代替においては、前記組成物を、気道感染の原因となる他の細菌による感染を治療するために製剤化する。
【0074】
さらに別の好ましい代替においては、前記組成物を、ウイルス性気道感染だけを治療するために、または細菌性気道感染と共に、ウイルス性気道感染を治療するために製剤化する。生物膜の存在は、患者の耐性を低下させ、細菌性またはウイルス性であってよい二次感染に対する該患者の罹患性を増加させる。
【0075】
本発明に従う組成物の物理的形態は、例えば、溶液であってよい。
【0076】
本発明に従う組成物を、液体の調製のために脂溶性成分と水溶性成分とを混合するための化粧品業界ならびに市販薬および処方薬の業界では従来的である技術などの当業界で公知の技術により製剤化することができる。これらの混合技術は、手動混合および機械的混合の両方を含み、ならびに均質化混合およびスイープ混合を含む。当業者であれば、用いられる混合技術を、混合しようとする成分の粘度およびこれらの成分の容量、ならびに脂溶性および水溶性成分の相対比率、水の割合、および所望の組成物の最終的な物理的形態などの変数に基づいて選択することができる。
【0077】
本発明に従う組成物の特定の実施形態としては、限定されるものではないが、以下のものが挙げられる。
【0078】
製剤1は、ペクチナーゼ酵素を含む水性組成物である。これらの製剤においては、(w/w)に関して%を与える。
【0079】
典型的には、製剤1は、
(1)約0.072%〜約0.0108%のペクチナーゼ;
(2)必要に応じて、約12.33%〜約18.49%のグリセロール;
(3)必要に応じて、約0.352%〜約0.528%のヒドロキシプロピルセルロース;および
(4)水が残りの組成を100%にするような割合の水、
を含む。
【0080】
好ましくは、製剤1は、
(1)約0.0072%〜約0.0108%のペクチナーゼ;および
(2)約99.989%〜約99.993%の水、
を含む。
【0081】
より好ましくは、製剤1は、
(1)約0.009%のペクチナーゼ;および
(2)約99.991%の水、
を含む。
【0082】
製剤2は、ペクチナーゼなどの別の水性製剤である。製剤2はヒドロコルチゾンを含む。
【0083】
典型的には、製剤2は、
(1)約52.761%〜約64.485%のプロピレングリコール;
(2)必要に応じて、約3.0%〜約15.0%のグリセロール;
(3)約0.80%〜約1.20%のヒドロコルチゾン;
(4)約0.08%〜約0.12%のペクチナーゼ;および
(5)水が残りの組成を100%にするような割合の水、
を含む。
【0084】
好ましくは、製剤2は、
(1)約52.761%〜約64.485%のプロピレングリコール;
(2)約36.770%〜約44.942%の水;
(3)約0.80%〜約1.20%のヒドロコルチゾン;および
(4)約0.08%〜約0.12%のペクチナーゼ、
を含む。
【0085】
より好ましくは、製剤2は、
(1)約58.623%のプロピレングリコール;
(2)約40.856%の水;
(3)約1.00%のヒドロコルチゾン;および
(4)約0.010%のペクチナーゼ、
を含む。
【0086】
製剤3は、2種の酵素、デキストラナーゼとペクチナーゼを含む水性組成物である。
【0087】
典型的には、製剤3は、
(1)約0.08%〜約0.12%のデキストラナーゼ;
(2)約0.08%〜約0.12%のペクチナーゼ;
(3)約1.152%〜約1.728%のトリプロピレングリコール;
(4)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(5)必要に応じて、約5.00%〜約15.00%のグリセロール;
(6)必要に応じて、約10.00%〜約30.00%のプロピレングリコール;および
(7)水が残りの組成を100%にするような割合の水、
を含む。
【0088】
好ましくは、製剤3は、
(1)約0.08%〜約0.12%のデキストラナーゼ;
(2)約0.08%〜約0.12%のペクチナーゼ;
(3)約1.152%〜約1.728%のトリプロピレングリコール;
(4)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;および
(5)約94.425%〜約96.283%の水、
を含む。
【0089】
より好ましくは、製剤3は、
(1)約0.010%のデキストラナーゼ;
(2)約0.010%のペクチナーゼ;
(3)約1.440%のトリプロピレングリコール;
(4)約3.006%のベンジルアルコール;および
(5)約95.033%の水、
を含む。
【0090】
製剤4は、デキストラナーゼを含む水性組成物である。
【0091】
典型的には、製剤4は、
(1)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(2)約0.008%〜約0.012%のデキストラナーゼ;
(3)必要に応じて、約5.00%〜約15.00%のグリセロール;
(4)必要に応じて、約10.00%〜約30.00%のプロピレングリコール;
(5)必要に応じて、約0.40%〜約0.60%のヒドロキシプロピルセルロース;および
(6)水が残りの組成を100%にするような割合の水、
を含む。
【0092】
好ましくは、製剤4は、
(1)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(2)約0.008%〜約0.012%のデキストラナーゼ;および
(3)約96.381%〜約97.587%の水、
を含む。
【0093】
より好ましくは、製剤4は、
(1)約3.006%のベンジルアルコール;
(2)約0.10%のデキストラナーゼ;および
(3)約96.984%の水、
を含む。
【0094】
製剤5は、デキストラナーゼおよびペクチナーゼを含み、過酸化水素の起源としてラクトペルオキシダーゼをさらに含む水性組成物である。製剤5は、必要に応じて、ヒドロキシプロピルセルロースをさらに含む。
【0095】
典型的には、製剤5は、
(1)約16.328%〜約24.492%のグリセロール;
(2)約63.561%〜約76.490%のプロピレングリコール;
(3)必要に応じて、約0.40%〜約0.60%のヒドロキシプロピルセルロース;
(4)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(5)約0.008%〜約0.012%のデキストラナーゼ;
(6)約0.008%〜約0.012%のラクトペルオキシダーゼ;
(7)約0.008%〜約0.012%のペクチナーゼ;および
(8)約4.353%〜約6.529%の水、
を含む。
【0096】
好ましくは、製剤5は、
(1)約20.410%のグリセロール;
(2)約70.623%のプロピレングリコール;
(3)約3.006%のベンジルアルコール;
(4)約0.010%のデキストラナーゼ;
(5)約0.010%のラクトペルオキシダーゼ;
(6)約0.020%のペクチナーゼ;および
(7)約5.941%の水、
を含む。
【0097】
製剤6は、デキストラナーゼおよびペクチナーゼを含み、リゾチームおよびラクトフェリンをさらに含む水性組成物である。製剤6はヒドロキシプロピルセルロースをさらに含む。
【0098】
典型的には、製剤6は、
(1)約88.784%〜約92.522%のグリセロール;
(2)約0.40%〜約0.60%のヒドロキシプロピルセルロース;
(3)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(4)約0.08%〜約0.12%のリゾチーム;
(5)約0.08%〜約0.12%のラクトフェリン;
(6)約0.08%〜約0.12%のラクトペルオキシダーゼ;
(7)約0.08%〜約0.12%のペクチナーゼ;および
(8)約4.353%〜約6.529%の水、
を含む。
【0099】
好ましくは、製剤6は、
(1)約90.933%のグリセロール;
(2)約0.50%のヒドロキシプロピルセルロース;
(3)約3.006%のベンジルアルコール;
(4)約0.010%のリゾチーム;
(5)約0.010%のラクトフェリン;
(6)約0.010%のラクトペルオキシダーゼ;
(7)約0.010%のペクチナーゼ;および
(8)約5.441%の水、
を含む。
【0100】
製剤7は、デキストラナーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、およびペクチナーゼを含む水性組成物である。製剤7は、ベンジルアルコールを含まない。
【0101】
典型的には、製剤7は、
(1)約16.830%〜約25.246%のグリセロール;
(2)約0.412%〜約0.618%のヒドロキシプロピルセルロース;
(3)約0.00824%〜約0.0124%のデキストラナーゼ;
(4)約0.00824%〜約0.0124%のラクトペルオキシダーゼ;
(5)約0.00824%〜約0.0124%のペクチナーゼ;および
(6)約70.004%〜約84.978%の水、
を含む。
【0102】
好ましくは、製剤7は、
(1)約21.038%のグリセロール;
(2)約0.515%のヒドロキシプロピルセルロース;
(3)約0.0103%のデキストラナーゼ;
(4)約0.0103%のラクトペルオキシダーゼ;
(5)約0.0103%のペクチナーゼ;および
(6)約78.416%の水、
を含む。
【0103】
製剤8は、デキストラナーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、およびペクチナーゼを含み、グリセロール、プロピレングリコール、およびトリプロピレングリコールを含む水性組成物である。製剤8は、ベンジルアルコールを含まない。
【0104】
典型的には、製剤8は、
(1)約25.201%〜約37.813%のグリセロール;
(2)約47.114%〜約57.584%のプロピレングリコール;
(3)約8.375%〜約12.563%のトリプロピレングリコール;
(4)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(5)約0.00832%〜約0.0125%のラクトペルオキシダーゼ;
(6)約0.00832%〜約0.0125%のペクチナーゼ;および
(7)約4.510%〜約6.766%の水、
を含む。
【0105】
好ましくは、製剤8は、
(1)約31.511%のグリセロール;
(2)約52.349%のプロピレングリコール;
(3)約10.469%のトリプロピレングリコール;
(4)約0.0104%のデキストラナーゼ;
(5)約0.0104%のラクトペルオキシダーゼ;
(6)約0.0104%のペクチナーゼ;および
(7)約5.638%の水、
を含む。
【0106】
製剤9は、デキストラナーゼおよびキシラナーゼを含み、グリセロールおよびトリプロピレングリコールを含む水性組成物である。製剤9は、ベンジルアルコールを含まない。
【0107】
典型的には、製剤9は、
(1)約16.919%〜約25.379%のグリセロール;
(2)約56.440%〜約68.982%のプロピレングリコール;
(3)約8.383%〜約12.575%のトリプロピレングリコール;
(4)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(5)約0.00832%〜約0.0125%のキシラナーゼ;および
(6)約4.510%〜約6.766%の水、
を含む。
【0108】
好ましくは、製剤9は、
(1)約21.149%のグリセロール;
(2)約62.711%のプロピレングリコール;
(3)約10.479%のトリプロピレングリコール;
(4)約0.104%のデキストラナーゼ;
(5)約0.104%のキシラナーゼ;および
(6)約5.638%の水、
を含む。
【0109】
製剤10は、製剤9と類似しているが、プロピレングリコールを含まず、製剤9におけるプロピレングリコールの割合をトリプロピレングリコールと置換したものである。
【0110】
典型的には、製剤10は、
(1)約16.919%〜約25.379%のグリセロール;
(2)約64.823%〜約78.554%のトリプロピレングリコール;
(3)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(4)約0.00832%〜約0.0125%のキシラナーゼ;および
(5)約4.510%〜約6.766%の水、
を含む。
【0111】
好ましくは、製剤10は、
(1)約21.149%のグリセロール;
(2)約73.190%のトリプロピレングリコール;
(3)約0.104%のデキストラナーゼ;
(4)約0.104%のキシラナーゼ;および
(5)約5.638%の水、
を含む。
【0112】
製剤11は、α-ガラクトシダーゼおよびアミラーゼを含み、グリセロールおよびプロピレングリコールを含む水性組成物である。製剤11はベンジルアルコールを含まない。
【0113】
典型的には、製剤11は、
(1)約73.051%〜約84.927%のプロピレングリコール;
(2)約0.460%〜約0.690%のヒドロキシプロピルセルロース;
(3)約0.0092%〜約0.0138%のα-ガラクトシダーゼ;
(4)約0.0092%〜約0.0138%のアミラーゼ;および
(5)約14.595%〜約21.893%の水、
を含む。
【0114】
好ましくは、製剤11は、
(1)約78.989%のプロピレングリコール;
(2)約0.575%のヒドロキシプロピルセルロース;
(3)約0.115%のα-ガラクトシダーゼ;
(4)約0.115%のアミラーゼ;および
(5)約83.977%の水、
を含む。
【0115】
製剤12は、ラクトペルオキシダーゼ、ペクチナーゼ、およびアミラーゼを含み、グリセロールおよびプロピレングリコールを含む水性組成物である。製剤12は、ベンジルアルコールを含まない。
【0116】
典型的には、製剤12は、
(1)約14.596%〜約21.894%のグリセロール;
(2)約69.818%〜約82.069%のプロピレングリコール;
(3)約0.00944%〜約0.0141%のラクトペルオキシダーゼ;
(4)約0.0474%〜約0.0710%のペクチナーゼ;
(5)約0.0190%〜約0.0284%のアミラーゼ;および
(6)約3.259%〜約4.889%の水、
を含む。
【0117】
好ましくは、製剤12は、
(1)約18.245%のグリセロール;
(2)約77.576%のプロピレングリセロール;
(3)約0.0118%のラクトペルオキシダーゼ;
(4)約0.0592%のペクチナーゼ;
(5)約0.0237%のアミラーゼ;および
(6)約4.074%の水、
を含む。
【0118】
製剤13は、デキストラナーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、およびペクチナーゼを含む水性組成物である。製剤13は、グリセロール、プロピレングリコール、およびトリプロピレングリコールを含む。製剤13は、チオシアン酸カリウムをさらに含む。製剤13は、ベンジルアルコールを含まない。
【0119】
典型的には、製剤13は、
(1)約25.204%〜約37.806%のグリセロール;
(2)約47.105%〜約57.572%のプロピレングリコール;
(3)約8.374%〜約12.560%のトリプロピレングリコール;
(4)約0.00832%〜約0.0725%のデキストラナーゼ;
(5)約0.0166%〜約0.0248%のラクトペルオキシダーゼ;
(6)約0.00832%〜約0.0125%のペクチナーゼ;
(7)約0.00832%〜約0.0125%のチオシアン酸カリウム;および
(8)約4.510%〜約6.764%の水、
を含む。
【0120】
好ましくは、製剤13は、
(1)約31.505%のグリセロール;
(2)約52.339%のプロピレングリコール;
(3)約10.467%のトリプロピレングリコール;
(4)約0.0104%のデキストラナーゼ;
(5)約0.0207%のラクトペルオキシダーゼ;
(6)約0.0104%のペクチナーゼ;
(7)約0.0104%のチオシアン酸カリウム;および
(8)約5.637%の水、
を含む。
【0121】
製剤14は、デキストラナーゼおよびラクトペルオキシダーゼを含む非水性組成物である。製剤14は、グリセロールおよびプロピレングリコールを含む。製剤14は、チオシアン酸カリウムをさらに含む。製剤14はベンジルアルコールを含まない。
【0122】
典型的には、製剤14は、
(1)約12.846%〜約19.268%のグリセロール;
(2)約75.530%〜約87.112%のプロピレングリコール;
(3)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(4)約0.0166%〜約0.0250%のラクトペルオキシダーゼ;
(5)約0.00832%〜約0.0125%のペクチナーゼ;および
(6)約0.00832%〜約0.0125%のチオシアン酸カリウム、
を含む。
【0123】
好ましくは、製剤14は、
(1)約16.057%のグリセロール;
(2)約83.901%のプロピレングリコール;
(3)約0.0104%のデキストラナーゼ;
(4)約0.0208%のラクトペルオキシダーゼ;
(5)約0.0104%のペクチナーゼ;および
(6)約0.0104%のチオシアン酸カリウム、
を含む。
【0124】
製剤15は、デキストラナーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、およびペクチナーゼを含む非水性製剤である。製剤15は、リゾチームおよびヨウ素酸カリウムも含む。製剤15はグリセロールおよびプロピレングリコールを含み、ベンジルアルコールを含まない。
【0125】
典型的には、製剤15は、
(1)約12.834%〜約19.250%のグリセロール;
(2)約75.439%〜約87.100%のプロピレングリコール;
(3)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(4)約0.0166%〜約0.0250%のラクトペルオキシダーゼ;
(5)約0.0166%〜約0.0250%のペクチナーゼ;
(6)約0.0166%〜約0.0250%のリゾチーム;および
(7)約0.00832%〜約0.0125%のヨウ素酸カリウム、
を含む。
【0126】
好ましくは、製剤15は、
(1)約16.042%のグリセロール;
(2)約83.821%のプロピレングリコール;
(3)約0.0104%のデキストラナーゼ;
(4)約0.0208%のラクトペルオキシダーゼ;
(5)約0.0208%のペクチナーゼ;
(6)約0.0208%のリゾチーム;および
(7)約0.0104%のヨウ素酸カリウム、
を含む。
【0127】
製剤16は、デキストラナーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、およびペクチナーゼを含む非水性組成物である。製剤16は、グリセロール、プロピレングリコール、およびトリプロピレングリコール、ならびにリゾチーム、ラクトフェリン、およびヨウ素酸カリウムを含む。製剤16は、ベンジルアルコールを含まない。
【0128】
典型的には、製剤16は、
(1)約8.670%〜約13.004%のグリセロール;
(2)約75.439%〜約87.091%のプロピレングリコール;
(3)約4.164%〜約6.246%のトリプロピレングリコール;
(4)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(5)約0.0166%〜約0.0250%のラクトペルオキシダーゼ;
(6)約0.0166%〜約0.0250%のペクチナーゼ;
(7)約0.0166%〜約0.0250%のリゾチーム;
(8)約0.00832%〜約0.0125%のラクトフェリン;および
(9)約0.00832%〜約0.0125%のヨウ素酸カリウム、
を含む。
【0129】
好ましくは、製剤16は、
(1)約10.847%のグリセロール;
(2)約83.821%のプロピレングリコール;
(3)約5.205%のトリプロピレングリコール;
(4)約0.0104%のデキストラナーゼ;
(5)約0.0208%のラクトペルオキシダーゼ;
(6)約0.0208%のペクチナーゼ;
(7)約0.0208%のリゾチーム;
(8)約0.0104%のラクトフェリン;および
(9)約0.0104%のヨウ素酸カリウム、
を含む。
【0130】
製剤17は、デキストラナーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、ペクチナーゼ、およびβ-D-グルコシダーゼを含む非水性組成物である。製剤17はヨウ素酸カリウム、ならびにグリセロール、プロピレングリコール、およびトリプロピレングリコールをさらに含む。製剤17はベンジルアルコールを含まない。
【0131】
典型的には、製剤17は、
(1)約8.678%〜約13.016%のグリセロール;
(2)約75.512%〜約87.104%のプロピレングリコール;
(3)約4.168%〜約6.252%のトリプロピレングリコール;
(4)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(5)約0.0166%〜約0.0250%のラクトペルオキシダーゼ;
(6)約0.00832%〜約0.0125%のペクチナーゼ;
(7)約0.00832%〜約0.0125%のβ-D-グルコシダーゼ;および
(8)約0.00832%〜約0.0125%のヨウ素酸カリウム、
を含む。
【0132】
好ましくは、製剤17は、
(1)約10.847%のグリセロール;
(2)約83.902%のプロピレングリコール;
(3)約5.210%のトリプロピレングリコール;
(4)約0.0104%のデキストラナーゼ;
(5)約0.0208%のラクトペルオキシダーゼ;
(6)約0.0104%のペクチナーゼ;
(7)約0.0104%のβ-D-グルコシダーゼ;および
(8)約0.0104%のヨウ素酸カリウム、
を含む。
【0133】
製剤18は、デキストラナーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、ペクチナーゼ、およびセルラーゼを含む非水性製剤である。製剤18は、グリセロール、プロピレングリコール、およびトリプロピレングリコールを含む。製剤18は、チオシアン酸カリウムをさらに含む。製剤18はベンジルアルコールを含まない。
【0134】
典型的には、製剤18は、
(1)約17.014%〜約25.520%のグリセロール;
(2)約66.134%〜約78.768%のプロピレングリコール;
(3)約4.168%〜約6.252%のトリプロピレングリコール;
(4)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(5)約0.0166%〜約0.0250%のラクトペルオキシダーゼ;
(6)約0.00832%〜約0.0125%のペクチナーゼ;
(7)約0.00832%〜約0.0125%のセルラーゼ;および
(8)約0.00832%〜約0.0125%のチオシアン酸カリウム、
を含む。
【0135】
好ましくは、製剤18は、
(1)約21.267%のグリセロール;
(2)約73.482%のプロピレングリコール;
(3)約5.210%のトリプロピレングリコール;
(4)約0.0104%のデキストラナーゼ;
(5)約0.0208%のラクトペルオキシダーゼ;
(6)約0.0104%のペクチナーゼ;
(7)約0.0104%のセルラーゼ;および
(8)約0.0104%のチオシアン酸カリウム、
を含む。
【0136】
製剤19は、デキストラナーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、ペクチナーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、およびキシラナーゼ、ならびにチオシアン酸カリウムを含む非水性組成物である。製剤19は、グリセロール、プロピレングリコール、およびトリプロピレングリコールを含む。製剤19はベンジルアルコールを含まない。
【0137】
典型的には、製剤19は、
(1)約16.998%〜約25.496%のグリセロール;
(2)約66.070%〜約78.763%のプロピレングリコール;
(3)約4.164%〜約6.246%のトリプロピレングリコール;
(4)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(5)約0.0166%〜約0.0250%のラクトペルオキシダーゼ;
(6)約0.0832%〜約0.0125%のペクチナーゼ;
(7)約0.0832%〜約0.0125%のセルラーゼ;
(8)約0.0166%〜約0.0250%のアミラーゼ;
(9)約0.0832%〜約0.0125%のキシラナーゼ;および
(10)約0.0832%〜約0.0125%のチオシアン酸カリウム、
を含む。
【0138】
好ましくは、製剤19は、
(1)約21.247%のグリセロール;
(2)約73.411%のプロピレングリコール;
(3)約5.205%のトリプロピレングリコール;
(4)約0.0104%のデキストラナーゼ;
(5)約0.0208%のラクトペルオキシダーゼ;
(6)約0.0104%のペクチナーゼ;
(7)約0.0104%のセルラーゼ;
(8)約0.0208%のアミラーゼ;
(9)約0.0104%のキシラナーゼ;および
(10)約0.0104%のチオシアン酸カリウム、
を含む。
【0139】
製剤20は、デキストラナーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ペクチナーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、およびキシラナーゼ、ならびにヨウ素酸カリウムを含む非水性組成物である。製剤20は、グリセロールおよびプロピレングリコールを含む。製剤20はβ-D-グルコースも含む。製剤20はベンジルアルコールを含む。
【0140】
典型的には、製剤20は、
(1)約19.311%〜約28.967%のグリセロール;
(2)約65.497%〜約78.212%のプロピレングリコール;
(3)約2.194%〜約3.296%のベンジルアルコール;
(4)約0.220%〜約0.330%のβ-D-グルコース;
(5)約0.00731%〜約0.0110%のデキストラナーゼ;
(6)約0.00658%〜約0.00988%のラクトペルオキシダーゼ;
(7)約0.00585%〜約0.00877%のグルコースオキシダーゼ;
(8)約0.00658%〜約0.00988%のペクチナーゼ;
(9)約0.00731%〜約0.0110%のデキストラナーゼ;
(10)約0.0146%〜約0.0220%のアミラーゼ;
(11)約0.00731%〜約0.0110%のキシラナーゼ;および
(12)約0.00731%〜約0.0110%のヨウ素酸カリウム、
を含む。
【0141】
好ましくは、製剤20は、
(1)約24.139%のグリセロール;
(2)約72.775%のプロピレングリコール;
(3)約2.747%のベンジルアルコール;
(4)約0.275%のβ-D-グルコース;
(5)約0.00914%のデキストラナーゼ;
(6)約0.00823%のラクトペルオキシダーゼ;
(7)約0.00731%のグルコースオキシダーゼ;
(8)約0.00823%のペクチナーゼ;
(9)約0.00914%のセルラーゼ;
(10)約0.0183%のアミラーゼ;
(11)約0.00914%のキシラナーゼ;および
(12)約0.00914%のヨウ素酸カリウム、
を含む。
【0142】
製剤21は、デキストラナーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、およびペクチナーゼを含む非水性組成物である。製剤21は、グリセロールおよびプロピレングリコールを含む。製剤21は、ヒドロコルチゾンおよびヨウ素酸カリウムをさらに含む。製剤21はさらにベンジルアルコールも含む。
【0143】
典型的には、製剤21は、
(1)約19.142%〜約28.712%のグリセロール;
(2)約64.924%〜約77.702%のプロピレングリコール;
(3)約2.178%〜約3.268%のベンジルアルコール;
(4)約0.725%〜約1.087%のヒドロコルチゾン;
(5)約0.218%〜約0.328%のβ-D-グルコース;
(6)約0.00725%〜約0.0109%のデキストラナーゼ;
(7)約0.00652%〜約0.00978%のラクトペルオキシダーゼ;
(8)約0.00580%〜約0.00870%のグルコースオキシダーゼ;
(9)約0.00725%〜約0.0109%のペクチナーゼ;および
(10)約0.00725%〜約0.0109%のヨウ素酸カリウム、
を含む。
【0144】
好ましくは、製剤21は、
(1)約23.927%のグリセロール;
(2)約72.138%のプロピレングリコール;
(3)約2.723%のベンジルアルコール;
(4)約0.906%のヒドロコルチゾン;
(5)約0.273%のβ-D-グルコース;
(6)約0.00906%のデキストラナーゼ;
(7)約0.00815%のラクトペルオキシダーゼ;
(8)約0.00725%のグルコースオキシダーゼ;
(9)約0.00906%のペクチナーゼ;および
(10)約0.00906%のヨウ素酸カリウム、
を含む。
【0145】
製剤22は、最少量の水を含む水性組成物である。製剤22はラクトペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、およびペクチナーゼ、およびβ-D-グルコースを含む。製剤22は、グリセロールおよびプロピレングリコール、ならびにヒドロキシプロピルセルロースを含む。製剤22はヒドロコルチゾンおよびベンジルアルコール、ならびにラクトフェリンおよびリゾチームをさらに含む。
【0146】
典型的には、製剤22は、
(1)約28.328%〜約42.492%のグリセロール;
(2)約52.761%〜約64.485%のプロピレングリコール;
(3)約1.152%〜約1.728%のヒドロキシプロピルセルロース;
(4)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(5)約0.120%〜約0.180%の水;
(6)約0.800%〜約1.200%のヒドロコルチゾン;
(7)約0.241%〜約0.361%のβ-D-グルコース;
(8)約0.0064%〜約0.0096%のラクトペルオキシダーゼ;
(9)約0.0008%〜約0.0012%のグルコースオキシダーゼ;
(10)約0.0064%〜約0.0096%のラクトフェリン;
(11)約0.0064%〜約0.0096%のリゾチーム;
(12)約0.0080%〜約0.0120%のペクチナーゼ;および
(13)約0.028%〜約0.042%のヨウ素酸カリウム、
を含む。
【0147】
好ましくは、製剤22は、
(1)約35.410%のグリセロール;
(2)約58.623%のプロピレングリコール;
(3)約1.440%のヒドロキシプロピルセルロース;
(4)約3.006%のベンジルアルコール;
(5)約0.150%の水;
(6)約1.000%のヒドロコルチゾン;
(7)約0.301%のβ-D-グルコース;
(8)約0.008%のラクトペルオキシダーゼ;
(9)約0.001%のグルコースオキシダーゼ;
(10)約0.008%のラクトフェリン;
(11)約0.008%のリゾチーム;
(12)約0.010%のペクチナーゼ;および
(13)約0.035%のヨウ素酸カリウム、
を含む。
【0148】
製剤23は、製剤22中のヨウ素酸カリウムを製剤23中のチオシアン酸カリウムに置換する以外は、製剤22と同じである。
【0149】
典型的には、製剤23は、
(1)約28.328%〜約42.492%のグリセロール;
(2)約52.761%〜約64.485%のプロピレングリコール;
(3)約1.152%〜約1.728%のヒドロキシプロピルセルロース;
(4)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(5)約0.120%〜約0.180%の水;
(6)約0.800%〜約1.200%のヒドロコルチゾン;
(7)約0.241%〜約0.361%のβ-D-グルコース;
(8)約0.0064%〜約0.0096%のラクトペルオキシダーゼ;
(9)約0.0008%〜約0.0012%のグルコースオキシダーゼ;
(10)約0.0064%〜約0.0096%のラクトフェリン;
(11)約0.0064%〜約0.0096%のリゾチーム;
(12)約0.0080%〜約0.0120%のペクチナーゼ;および
(13)約0.028%〜約0.042%のチオシアン酸カリウム、
を含む。
【0150】
好ましくは、製剤23は、
(1)約35.410%のグリセロール;
(2)約58.623%のプロピレングリコール;
(3)約1.440%のヒドロキシプロピルセルロース;
(4)約3.006%のベンジルアルコール;
(5)約0.150%の水;
(6)約1.000%のヒドロコルチゾン;
(7)約0.301%のβ-D-グルコース;
(8)約0.008%のラクトペルオキシダーゼ;
(9)約0.001%のグルコースオキシダーゼ;
(10)約0.008%のラクトフェリン;
(11)約0.008%のリゾチーム;
(12)約0.010%のペクチナーゼ;および
(13)約0.035%のチオシアン酸カリウム、
を含む。
【0151】
製剤24は、ヒドロキシプロピルセルロースおよびベンジルアルコールを含まないこと以外は製剤23と同様である。製剤24はチオシアン酸カリウムを含む。
【0152】
典型的には、製剤24は、
(1)約31.885%〜約47.827%のグリセロール;
(2)約52.761%〜約64.485%のプロピレングリコール;
(3)約0.120%〜約0.180%の水;
(4)約0.800%〜約1.200%のヒドロコルチゾン;
(5)約0.241%〜約0.361%のβ-D-グルコース;
(6)約0.0064%〜約0.0096%のラクトペルオキシダーゼ;
(7)約0.0008%〜約0.0012%のグルコースオキシダーゼ;
(8)約0.0064%〜約0.0096%のラクトフェリン;
(9)約0.0064%〜約0.0096%のリゾチーム;
(10)約0.0080%〜約0.0120%のペクチナーゼ;および
(11)約0.028%〜約0.042%のチオシアン酸カリウム、
を含む。
【0153】
好ましくは、製剤24は、
(1)約39.856%のグリセロール;
(2)約58.623%のプロピレングリコール;
(3)約0.150%の水;
(4)約1.000%のヒドロコルチゾン;
(5)約0.301%のβ-D-グルコース;
(6)約0.008%のラクトペルオキシダーゼ;
(7)約0.001%のグルコースオキシダーゼ;
(8)約0.008%のラクトフェリン;
(9)約0.008%のリゾチーム;
(10)約0.010%のペクチナーゼ;および
(11)約0.035%のチオシアン酸カリウム、
を含む。
【0154】
製剤25も製剤23および24と同様であるが、ベンジルアルコールを含み、ヒドロキシプロピルセルロースを含まない。
【0155】
典型的には、製剤25は、
(1)約29.480%〜約44.220%のグリセロール;
(2)約52.761%〜約64.485%のプロピレングリコール;
(3)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(4)約0.120%〜約0.180%の水;
(5)約0.800%〜約1.200%のヒドロコルチゾン;
(6)約0.241%〜約0.361%のβ-D-グルコース;
(7)約0.0064%〜約0.0096%のラクトペルオキシダーゼ;
(8)約0.0008%〜約0.0012%のグルコースオキシダーゼ;
(9)約0.0064%〜約0.0096%のラクトフェリン;
(10)約0.0064%〜約0.0096%のリゾチーム;
(11)約0.0080%〜約0.0120%のペクチナーゼ;および
(12)約0.028%〜約0.042%のチオシアン酸カリウム、
を含む。
【0156】
好ましくは、製剤25は、
(1)約36.850%のグリセロール;
(2)約58.623%のプロピレングリコール;
(3)約3.006%のベンジルアルコール;
(4)約0.150%の水;
(5)約1.000%のヒドロコルチゾン;
(6)約0.301%のβ-D-グルコース;
(7)約0.008%のラクトペルオキシダーゼ;
(8)約0.001%のグルコースオキシダーゼ;
(9)約0.008%のラクトフェリン;
(10)約0.008%のリゾチーム;
(11)約0.010%のペクチナーゼ;および
(12)約0.035%のチオシアン酸カリウム、
を含む。
【0157】
製剤26は、ラクトペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ペクチナーゼ、およびデキストラナーゼを含む、最少量の水を含む水性組成物である。製剤26は、グリセロールおよびプロピレングリコール、ならびにヒドロキシプロピルセルロースを含む。製剤26は、ラクトフェリンおよびリゾチーム、ならびにβ-D-グルコースおよびチオシアン酸カリウムをさらに含む。製剤26はベンジルアルコールをさらに含む。
【0158】
典型的には、製剤26は、
(1)約28.328%〜約42.492%のグリセロール;
(2)約53.652%〜約65.574%のプロピレングリコール;
(3)約1.152%〜約1.728%のヒドロキシプロピルセルロース;
(4)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(5)約0.120%〜約0.180%の水;
(6)約0.241%〜約0.361%のβ-D-グルコース;
(7)約0.0064%〜約0.0096%のラクトペルオキシダーゼ;
(8)約0.0008%〜約0.0012%のグルコースオキシダーゼ;
(9)約0.0064%〜約0.0096%のラクトフェリン;
(10)約0.0064%〜約0.0096%のリゾチーム;
(11)約0.0080%〜約0.0120%のペクチナーゼ;
(12)約0.0080%〜約0.0120%のデキストラナーゼ;および
(13)約0.028%〜約0.042%のチオシアン酸カリウム、
を含む。
【0159】
好ましくは、製剤26は、
(1)約35.410%のグリセロール;
(2)約59.613%のプロピレングリコール;
(3)約1.440%のヒドロキシプロピルセルロース;
(4)約3.006%のベンジルアルコール;
(5)約0.150%の水;
(6)約0.301%のβ-D-グルコース;
(7)約0.008%のラクトペルオキシダーゼ;
(8)約0.001%のグルコースオキシダーゼ;
(9)約0.008%のラクトフェリン;
(10)約0.008%のリゾチーム;
(11)約0.010%のペクチナーゼ;
(12)約0.010%のデキストラナーゼ;および
(13)約0.035%のチオシアン酸カリウム、
を含む。
【0160】
別の代替においては、本発明に従う組成物はさらに、肺炎マイコプラズマに対する殺菌作用を示すのに有効な量のマイコプラズマ肺炎の治療において有効である抗生物質を含んでもよい。これらの抗生物質は上記されており、限定されるものではないが、アミカシン;限定されるものではないが、チカルシリン、ピペラシリン、メズロシリン、もしくはアズロシリンなどの広域ペニシリン;セフタジジム;セフェピム;シプロフロキサシン;トブラマイシン;アズトレオナム;イミペネム;またはメロペネムが挙げられる。気道感染を引き起こし得る他の細菌に対して有効である他の抗生物質を用いることができる。
【0161】
上記で詳述されたものと類似する他の製剤を調製することができる。
【0162】
本発明の別の実施形態は、上記の本発明に従う組成物の一定量を、気道感染を有する被験体に投与して、該感染を治療する工程を含む、気道感染を治療する方法である。被験体のための正確な治療上有効量は、被験体の年齢、大きさ、体重、および健康、感染の程度、感染を引き起こす細菌もしくは他の微生物、感染を悪化させ得るアレルギー反応などの他の症状の存在、本発明に従う組成物の投与の経路および頻度、ならびに投与のために選択される治療剤もしくは治療剤の組合せ、ならびに投与される治療剤の薬物動態に影響する肝臓および腎臓の機能などの変数に依存するであろう。かくして、前もって正確な有効量を特定するのは有用ではない。しかしながら、所与の状況のための有効量を、日常的な実験により決定することができ、それは医師の判断の範囲内にある。同様に、当業者であれば、投与の経路および頻度を、上記パラメーターを参照して決定することができる。
【0163】
気管などの気道感染または他の症状の治療において望ましいことが多い1つの投与経路は、エアロゾルの使用である。エアロゾルとしての投与のための組成物の調製を、以下で詳細に説明する。
【0164】
本発明に従う組成物を、該組成物の物理的形態および意図される投与経路に応じて、1種以上の製薬上の賦形剤と共に投与するために製剤化することができる。製薬上の賦形剤としては、必ずしも限定されるものではないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖類もしくは様々な型のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、野菜油、ポリエチレングリコールおよび生理学的に適合性の溶媒が挙げられる。他の製薬上の賦形剤は当業界でよく知られている。同様に、本発明に従う組成物を、再度、該組成物の物理的形態および意図される投与経路に応じて、1種以上の製薬上許容し得る担体と共に投与するために製剤化することができる。製薬上許容し得る担体の例としては、限定されるものではないが、水性および非水性溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌剤および/もしくは抗真菌剤、等張剤および/もしくは吸収遅延剤などの溶媒のいずれかならびに/または全部が挙げられる。製薬上活性な物質のためのそのような媒体および/または薬剤の使用は当業界でよく知られている。任意の従来の媒体、担体、または薬剤が活性成分と不適合である場合を除いて、本発明に従う組成物中でのその使用が意図される。特に、上記のように、補助活性成分を該組成物中に組み入れることもできる。本発明に従う組成物については、調製は、FDA Office of Biologics Standardsまたは薬剤を規制する他の規制当局により要求されるような無菌性、発熱性、一般的安全性、および純度標準を満たすべきである。
【0165】
かくして、本発明に従う組成物を、経口、持続放出経口、頬、舌下、吸入、送気、または非経口投与のために製剤化することができる。
【0166】
前記組成物を従来の調製物もしくは持続放出調製物中で経口投与する場合、典型的には、それを錠剤、カプセル、ピル、トローチ、ウエハース、または溶液、懸濁液、チンキ剤、もしくはシロップ剤などの液体などの従来の単位投与形態で投与する。経口製剤は、典型的には、そのような通常用いられる賦形剤、例えば、医薬等級のマンニトール、ラクトース、スターチ、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム、および他の従来の製薬上の賦形剤を含む。特定の規定の実施形態においては、経口医薬組成物は、不活性希釈剤および/もしくは吸収可能な食用担体を含み、ならびに/またはそれらを硬質もしくは軟質ゼラチンカプセル中に封入することができる。あるいは、それらを錠剤に圧縮することができる。特に、獣医学的実用のための別の代替として、それらを食物中に直接含有させることができる。経口治療剤の投与のためには、それらを賦形剤と共に組み入れるか、または摂取可能な錠剤、頬錠剤、糖衣錠、ピル、トローチ、カプセル、ウェハースの形態で、もしくは他の従来の剤形で用いることができる。
【0167】
錠剤、ピル、トローチ、カプセル、ウェハース、または他の従来の剤形は、以下のもの:トラガカント、アカシア、コーンスターチ、ソルビトール、スターチ粘液、ポリビニルピロリドン、もしくはゼラチンなどの結合剤;リン酸二カルシウム、ラクトース、微結晶セルロース、もしくは糖などの賦形剤または充填剤;ジャガイモデンプン、クロスカルメロースナトリウム、もしくはグリコール酸ナトリウムデンプン、もしくはアルギン酸などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコール、もしくはシリカなどの潤滑剤;スクロース、ラクトース、もしくはサッカリンなどの甘味料;ラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤;またはペパーミント、冬緑油、オレンジ香料、もしくはチェリー香料などの香料も含んでもよい。単位投与形態がカプセルである場合、それは、上記の型の材料に加えて、液体担体を含んでもよい。様々な他の材料を、コーティングとして存在させるか、またはさもなければ剤形の物理的形態および特性を改変することができる。例えば、錠剤、ピル、またはカプセルを、シェラック、糖、またはその両方でコーティングすることができる。本発明の医薬組成物を、自体公知である様式で、例えば、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠製造、空中浮遊、乳濁化、カプセル封入、捕捉または凍結乾燥プロセスにより製造することができる。
【0168】
経口使用のための医薬調製物を、前記活性化合物と、固形賦形剤とを混合し、必要に応じて、得られる混合物を粉砕し、必要に応じて、好適な補助剤を添加した後、顆粒の混合物を加工して、錠剤または糖衣錠コアを得ることにより取得することができる。好適な賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトール、もしくはソルビトールなどの糖類などの充填剤;例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースなどのセルロース調製物、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)である。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、もしくはアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの崩壊剤を添加してもよい。
【0169】
糖衣錠コアを、好適なコーティングと共に提供する。この目的のために、必要に応じて、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および好適な有機溶媒または溶媒混合物を含んでもよい、濃縮糖溶液を用いることができる。活性化合物用量の様々な組合せを同定するか、または特性評価するために、染料もしくは色素を、錠剤もしくは糖衣錠コーティングに添加することができる。
【0170】
経口的に用いることができる医薬調製物としては、ゼラチン製押し込み型カプセル、ならびにゼラチンおよびグリセロールもしくはソルビトールなどの可塑剤から作られた軟質密封カプセルが挙げられる。押し込み型カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、および必要に応じて、安定化剤と混合した活性成分を含んでもよい。軟質カプセルにおいては、活性化合物を、脂肪油、液体パラフィン、もしくは液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体中に溶解するか、または懸濁することができる。さらに、安定化剤を添加することができる。
【0171】
1つの代替においては、持続放出製剤を用いる。持続放出製剤は当業界でよく知られている。例えば、それらは、参照により本明細書に組み入れられるものとするBaichawalの米国特許第6,039,980号に記載のように、ジメチルシロキサン、ケイ酸、マンナンとガラクタンの混合物、キサンタン、および微小海藻などの担体と組合わせた、キサンタンゴムおよびローカストビーンガムなどの多糖類の使用を含んでもよい。他の持続放出製剤は、参照により本明細書に組み入れられるものとするSaikawaらの米国特許第6,740,634号に記載の乳酸-グリコール酸ポリマーなどの生分解性ポリマーを含む。さらに他の持続放出製剤は、参照により本明細書に組み入れられるものとするKeithの米国特許第4,428,926号に記載のポリビニルアルコールとポリエチレングリコールに基づくポリマーを含む拡張性格子を含む。さらに他の持続放出製剤は、官能基として4級アンモニウム基を有するアクリル酸とメタクリル酸のコポリマーならびに中性エステル基を有するエチルアクリル酸-メチルメタクリル酸コポリマーを含む、Rohm & HaasのEudragit(商標)ポリマーに基づく。
【0172】
経口液体調製物は、例えば、水性もしくは油性懸濁液、溶液、乳濁液、シロップ、チンキ剤、もしくはエリキシル剤の形態にあってよく、または使用前に水もしくは他の好適なビヒクルを用いて再構成させるための乾燥製品として提供することができる。そのような液体調製物は、懸濁剤、例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/砂糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、もしくは水素化食用油脂;レシチン、モノオレイン酸ソルビタン、もしくはアカシアなどの乳化剤;非水性ビヒクル(食用油を含んでもよい)、例えば、アーモンド油、分画ココナッツ油、油性エステル、プロピレングリコール、もしくはエチルアルコール;または保存剤、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、もしくはソルビン酸などの従来の添加物を含んでもよい。前記調製物はまた、必要に応じて、バッファー塩、香料、着色料、または甘味料(例えば、マンニトール)を含んでもよい。
【0173】
当業者であれば、投与経路が吸収の速度または効率の重要な決定因子であることを認識できる。例えば、消化経路、例えば、経口、直腸、舌下、または頬が、一般的に最も安全な投与経路であると考えられる。循環中への薬剤の送達はゆっくりであり、かくして、有害な急性作用を有する可能性がある薬剤の高い血中レベルを急速に消失させる。これは最も安全な投与経路であると考えられるが、いくつかの欠点もある。1つの重要な欠点は、吸収速度が変化することであり、これは、血管中の小さい範囲が薬剤の毒性効果からその所望の治療効果を分離する場合、すなわち、薬剤が比較的低い治療指数を有する場合、重要な問題である。また、特に、直腸投与経路を選択する場合、または患者が経口投与を不愉快なものとして受け止める場合、患者のコンプライアンスは常に確保されるわけではない。さらに、経口投与に関しては、薬剤がその標的部位に到達する前に大規模な肝臓代謝が起こり得る。別の投与経路は非経口であり、これは消化管を回避するものである。非経口投与の1つの重要な利点は、薬剤がその標的部位に到達するのに要する時間が減少し、緊急時には必須である迅速な応答をもたらす。さらに、非経口投与により、より正確な用量の送達が可能になる。また、非経口投与により、薬剤のより迅速な吸収が可能になるが、副作用の増加をもたらし得る。消化管投与と違って、非経口投与には薬剤の無菌製剤が必要であり、無菌技術が必須である。非経口投与に関する最も重要な欠点は、それが不溶性物質には適さないことである。消化管投与経路および非経口投与経路に加えて、局所および吸入投与が有用であり得る。薬剤の局所投与は、局所症状の治療にとって有用であるが、通常は全身吸収が少ない。薬剤の吸入は、循環への急速な接近を提供し、気体性および揮発性薬剤、または気化もしくは噴霧することができる薬剤にとっては一般的な投与経路である。また、薬剤のための標的が肺経路に存在する場合には、それは望ましい投与経路である。
【0174】
化合物を非経口投与のために製剤化する、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、病巣内、または腹腔内経路を介する注入のために製剤化する場合、多くのオプションが可能である。活性成分として有効量のβ-アドレナリン逆作動薬を含む水性組成物の調製は、当業者には公知であろう。典型的には、そのような組成物を注射可能な、液体溶液および/または懸濁液として調製することができる。注射の前に液体の添加の際に溶液および/または懸濁液を調製するための使用にとって好適な固体形態を調製することもできる。この調製物を乳化することもできる。
【0175】
注入可能な使用にとって好適な医薬形態としては、滅菌水溶液および/もしくは分散液;ゴマ油、ピーナッツ油、オレイン酸エチル、トリグリセリド、および/もしくは水性プロピレングリコールなどの合成脂肪酸エステルを含む製剤;ならびに/または滅菌注射溶液および/もしくは分散液の即時調製のための滅菌粉末が挙げられる。水性注入懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの懸濁液の粘度を増加させる物質を含んでもよい。必要に応じて、懸濁液は、好適な安定化剤または高度に濃縮された溶液の調製を可能にする化合物の溶解性を増加させる薬剤を含んでもよい。全ての場合において、前記形態は無菌性であり、および/または溶液が投与にとって好適な直径のシリンジおよび針を容易に通過する程度まで、液体でなければならない。それは、製造および保存の条件下で安定でなければならず、細菌または菌類などの微生物の夾雑作用に対して保存しなければならない。
【0176】
遊離塩基または薬理学上許容し得る塩としての活性化合物の溶液を、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と好適に混合した水の中で調製することができる。また、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、および/もしくはその混合物中で、ならびに/または油中で、分散物を調製することもできる。通常の保存および使用条件下では、これらの調製物は微生物の増殖を防止するための保存剤を含む。好適な非感作性および非アレルギー性保存剤は、当業界でよく知られている。
【0177】
また、前記担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および/もしくは液体ポリエチレングリコールなど)、その好適な混合物、ならびに/または野菜油を含む溶媒および/または分散媒体であってもよい。例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散物の場合、好適な粒子径の維持により、および/または界面活性剤の使用により、適切な流動性を維持することができる。微生物の作用の防止を、様々な抗細菌剤および/または抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、もしくはチメロサールの含有によりもたらすことができる。多くの場合、等張性薬剤、例えば、糖類または塩化ナトリウムを含有させるのが好ましいであろう。多くの場合、ハンクス液、リンゲル液、または生理食塩バッファーなどの生理的に適合性のバッファー中の溶液を調製することが好ましい。注射可能な組成物の長時間の吸収を、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよび/またはゼラチンの組成物中での使用によりもたらすことができる。
【0178】
滅菌注射溶液を、好適な溶媒中、必要とされる量の活性化合物を、上記に列挙された様々な他の成分と共に組み入れ、必要に応じて、滅菌することにより調製する。典型的には、滅菌を濾過により行う。一般的には、分散物を、様々な滅菌活性成分を、基本分散媒体および/または他の必要な成分を含む滅菌ビヒクル中に組み入れることにより調製する。滅菌注射溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製の好ましい方法は、活性成分と、以前に滅菌濾過されたその溶液に由来する任意のさらなる所望の成分との粉末を得る減圧乾燥および/または凍結乾燥技術である。溶媒としてのジメチルスルホキシド(DMSO)の使用を想定し、極端に迅速な浸透をもたらし、必要に応じて、高濃度の活性薬剤を小さい領域に送達する場合、直接注入のためのより濃縮された溶液または高濃度の溶液の調製も意図される。
【0179】
水性溶液中での非経口投与のために、例えば、溶液を必要に応じて好適に緩衝化し、および/または最初に液体希釈剤を十分な塩水、グルコース、もしくは他の等張化剤を用いて等張性にするべきである。これらの特定の水性溶液は、静脈内、筋肉内、皮下、または腹腔内投与にとって特に好適である。これに関して、用いることができる滅菌水性媒体は本開示に照らせば当業者には公知であろう。例えば、1回用量を1 mLの等張性NaCl溶液に溶解し、1000 mLの皮下注入液に添加するか、または提唱される点滴部位に注入することができる(例えば、「Remington's Pharmaceutical Sciences」(第15版)、pp. 1035-1038, 1570-1580を参照されたい)。用量におけるいくらかの変動が、治療する被験体の症状に応じて必然的に生じるであろう。投与を担う人は、任意の事象において、個々の被験体のための好適な用量を決定するであろう。本発明に従う化合物および組成物を、ボーラス注射もしくは連続的点滴による非経口投与のために製剤かすることもでき、例えば、アンプル、バイアル、少量点滴、もしくは予め充填されたシリンジなどの単位投与形態で、または保存剤を添加した複数回投与容器中で提供することができる。
【0180】
本発明に従う組成物の別の投与経路は、鼻溶液、鼻スプレー、エアロゾル、または吸入抗原などの剤形を用いる、経鼻投与である。鼻溶液は通常、液滴またはスプレー中で鼻腔に投与するように設計された水性溶液である。典型的には、鼻溶液が鼻分泌物と多くの点で類似するように、正常の繊毛作用が維持されるように、それらを調製する。かくして、通常、水性鼻溶液は等張性であり、および/またはこれをわずかに緩衝化して、約5.5〜約6.5のpHを維持する。さらに、眼調製物中で用いられるものと同様の抗微生物保存剤、および/または好適な薬剤安定化剤を、必要に応じて、製剤中に含有させることができる。様々な市販の鼻調製物が公知であり、例えば、抗生物質または抗ヒスタミン剤を含んでもよい。スプレー組成物を、例えば、水性溶液もしくは懸濁液として、または加圧包装から誘導されるエアロゾルとして、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、二酸化炭素、もしくは他の好適な気体などの好適な推進剤の使用と共に製剤化することができる。
【0181】
非常に少ない用量の吸入薬が、最少の副作用を有する最適な療法を提供するため、典型的には、鼻投与経路を介するエアロゾル療法により、ほぼ理想的な利益対危険比を達成することができる。しかしながら、エアロゾル化により投与される薬剤の治療効力は薬剤自身の薬理学的特性だけでなく、送達装置の特性にも依存する。送達装置の特性は、肺に蓄積される薬剤の量および気道中での薬剤の分布パターンに影響する。
【0182】
エアロゾルは、微細な粒子の空中懸濁液である。粒子は固体または液体であってよい。エアロゾル粒子はヘテロ分散性(すなわち、粒子が様々なサイズのものである)であり、エアロゾル粒径分布は対数正規分布により最良に記載される。粒子は滞留(堆積)し、互いに付着し(凝集)し、管および粘膜などの構造物に付着する(蓄積)する傾向がある。エアロゾルにより送達される粒子を、その空気力学的性質に基づいて都合よく特性評価することができる。1つのパラメーターは、空気動力学的中央粒子径(MMAD)である。定義により、1μMのMMADを有する粒子分布は、単位密度の液滴としての同じ平均定着速度および1μMの直径を有する。
【0183】
エアロゾル粒子のサイズ、ならびに呼吸器系に影響する変数は、気道中での吸入されたエアロゾルの蓄積に影響する。一方、直径10μMより大きい粒子は、肺中に蓄積する可能性は低い。しかしながら、0.5μMより小さい粒子は、肺胞に到達する可能性が高いか、または発散され得る。従って、1μM〜5μMの直径を有する粒子は、より低い気管中に最も効率的に蓄積する。これらのサイズの粒子は、生物膜の発生に関連する感染などの、気道疾患および症状の治療のための治療剤の送達にとって最も効率的である。
【0184】
呼吸可能な液滴(すなわち、5μMより小さい直径を有する液滴)内に含まれるエアロゾル質量の割合は、用いられる吸入装置に依存する。ゆっくりした、安定な吸入は、肺の末梢部分を浸透する粒子数を増加させる。吸入される容量が増加するにつれて、エアロゾルは気管支樹により末梢的に浸透することができる。吸入の完了時の呼吸停止時間により、肺末梢部に浸透したこれらの粒子は重力を介して気道中に定着することができる。典型的には、急性喘息を有する患者において観察される吸気流速の増加は、吸入される薬剤の損失の増加をもたらす。エアロゾル粒子は、上気道中で、および最初の2〜3個の気管支区分の分岐で衝突するため、これが起こる。肺気道疾患に関連する他の因子も、エアロゾルの蓄積を変化させ得る。気道閉塞および肺実質中の変化は、喘息を有する患者における末梢気道中の肺蓄積と関連することが多い。
【0185】
エアロゾル投与においては、鼻は、肺中でのその蓄積の前に粒子を効率的に捕捉する;従って、エアロゾル化された粒子の口による呼吸が好ましい。エアロゾル化された粒子は、多くの部位から失われる。一般的には、小さい気道に到達する噴霧用量の量は15%以下である。多くの場合、約90%の吸入用量が飲み込まれた後、胃腸管から吸収される。気道に到達する用量のごく一部は血流にも吸収される。従って、飲み込まれた画分の用量は、経口製剤と同じ方法で吸収および代謝されるが、気道に到達する用量のごく一部は血流中に吸収され、静脈内用量と同じ方法で代謝される。
【0186】
薬剤を局所投与する場合(肺へのエアロゾル送達を介する)、所望の治療効果は局所組織濃度に依存し、これは血漿薬剤濃度に直接関連しない。十分に大きい用量の任意の薬剤を投与する場合、全身活性を多くの活性薬剤を用いて容易に証明することができる。これはいくつかの含意を有する。第1に、吸入しようとする薬剤の選択のために、局所薬剤は、標的組織内の高い内在活性と、全身的に吸収される薬剤の急速な不活性化とを組合せなければならない。第2に、低い経口生体利用能(弱い胃腸吸収または高い初回通過肝臓代謝に起因するかどうか)を有する薬剤については、より少ない全身副作用が期待されるべきである。多くの吸入薬剤は低用量で投与され、低い経口生体利用能を有するため、これらの薬剤の血漿濃度は経口投与後よりも非常に低い。
【0187】
さらに、肺吸収に影響する因子を考慮すべきである。テルブタリンは、健康な非喫煙者よりも健康な喫煙者においてより迅速に肺を通して吸収されることが最近示された。これは前記薬剤の作用の開始に影響し得る。嚢胞性線維症を有する10人の患者において、吸入されたサルブタモールの生体利用能が、健康な成人におけるよりも高いことも見出された。生体利用能におけるこの差異に関する1つの提唱される機構は、嚢胞性線維症を有する患者における気管気管支樹の慢性疾患が、この組織中でのサルブタモールのより高い浸透性をもたらすということである。しかしながら、データはこの領域に限定され、これらの主張を立証するにはさらなる精査が必要である。
【0188】
最後に、吸入された薬剤の絶対的な肺生体利用能は、血中濃度が低いため、評価するのが困難であり、肺吸収および経口吸収を、できるだけ正確に決定しようとする肺生体利用能について識別するべきである。炭を用いて、飲み込まれた画分の吸入されたテルブタリンを吸着させて、薬剤の肺吸収を識別することができる。最近、サルブタモールの吸入後30分間の採尿が肺に送達された薬剤量を表すことが示された。この技術を、他の吸入薬の生体利用能の決定に適用することができる。吸入薬の生体利用能の決定のための他の技術も当業界で公知である;これらのものとしては、FEV1測定値を用いる薬力学的方法、放射標識製剤を用いる肺蓄積試験、または主に尿排出量測定値を用いる薬物動態試験が挙げられる。
【0189】
治療用エアロゾルは、一般的には、ジェットネブライザー内での液体の噴霧または液体の静置プールの振動(超音波噴霧)により製造される。予め形成されたエアロゾルを投与してもよい。後者の例としては、MDIおよび乾燥粉末装置が挙げられる。どのような送達装置を用いても、患者にはそれを正確に使用するように教えるべきである。
【0190】
全てのジェットネブライザーは、よく知られた香水吹き容器により表される、同様の操作原理を介して作動する。液体を密閉された容器の底に入れ、コンプレッサーまたは装置を通過する圧縮気体シリンダーからの空気の噴射によりエアロゾルを生成する。超音波ネブライザーは、約1 mHzの周波数で変換器の上にある液体を振動させることによりエアロゾルを製造する。これは、空気の流れにより装置から患者に向かって運ばれる粒子雲をもたらす。量、粒子のサイズおよび分布が変化するエアロゾルを、ネブライザーの設計およびそれを操作する方法に応じて、ネブライザーにより製造することができる。全てのネブライザーが最適な効力を提供するのに必要な仕様(MMAD、フロー、出力)を有するわけではないことに留意すべきである。最近の研究により、健康なボランティアにおいて4種のネブライザーからの肺蓄積が比較され、これにより、ネブライザー中に最初に負荷された用量の割合として表される肺エアロゾル蓄積中央値が2〜19%の範囲であることが示された。噴霧されたエアロゾルは、5歳未満の子供にとって、および呼吸不全がMDIもしくは乾燥粉末吸入器からの吸入を悪化させ得る重篤な喘息の治療において特に有用である。副作用を最小化するために、噴霧される溶液のpHおよびオスモル濃度を制御すべきである。
【0191】
定量噴霧式吸入器(MDI)は、その利便性および有効性のため、おそらく外来患者への吸入薬送達に用いられる最も広く用いられている治療用エアロゾルである。現在の使用における多くのMDIは、推進剤中に薬剤の懸濁液を含む。MDIの2つの主要な部品:(i)推進剤、活性薬剤、および定量チャンバーを含む密閉されたプラスチック製もしくは金属製のシリンダーであるキャニスター;ならびに(ii)キャニスターを保持し、放出されたエアロゾルを患者の気道に向かわせる成型されたプラスチック容器であるアクチュエーターが存在する。
【0192】
最適な薬剤送達のために設計された蒸気圧およびスプレー特性を達成するように推進剤混合物を選択する。以前はクロロフルオロカーボンが用いられていたが、環境的な関心事のため、非塩素化推進剤が現在では用いられている。通常は1μM未満の薬剤の微細粒子を、加圧された(液体化された)推進剤中に懸濁する。薬剤が凝集するのを防止するために、典型的には、オレイン酸ソルビタン、レシチンまたはオレイン酸などの界面活性剤を添加する;他の界面活性剤は当業界で公知である。定量チャンバーは通常、25〜100μLを含む。定量チャンバーの含量は、キャニスターがアクチュエーター中に押し下げられた時に放出される。ほぼ即座に、推進剤は蒸発を開始し、粒子中への放出された液体の分散をもたらし、大きな推進力で前方に向かって推進される。最適な肺への薬剤蓄積のために、ゆっくりした吸気の開始時に薬剤を放出させ、約5秒間継続した後、10秒間呼吸を止めるべきである。MDIの有効性を改善するために、いくつかの吸入補助器具が設計されている。これらのものは、手で呼吸する調整が難しい患者において最も有用である。短い管(例えば、円錐もしくは球体)はエアロゾルを口の中にまっすぐ指向させることができ、または折畳み式バッグは3〜5秒間、懸濁液中に粒子を保持するエアロゾル貯蔵器として働き、その間、患者は薬剤を吸入することができる。しかしながら、これらの装置のいずれかを用いる場合、中咽頭に進入する際のエアロゾルの速度は低下し、肺での薬剤利用性および中咽頭での蓄積が低下する。
【0193】
乾燥粉末吸入器は、MDIを用いるのが難しい患者(例えば、子供および高齢の患者)に薬剤を送達するために考案されたものである。一般的には、好適な用量を、流動補助剤または大きいラクトースもしくはグルコース粒子などの充填剤と共にカプセル中に入れる。この装置の内側で、最初にカプセルに針で穴を開ける(例えば、Spinhaler(登録商標))か、または半分に剪断する(例えば、Rotohaler(登録商標))。吸入の間に、カプセルが回転するか、またはプロペラが回転し、カプセルの内容物が吸気された空気に進入し、気道への送達にとって好適な小粒子に破壊されるのを引き起こす条件を作る。この粉末を分散させるのに必要なエネルギーは、患者の吸気努力に由来するものである。最近、より便利な複数回用量乾燥粉末吸入器が導入された(例えば、Diskhaler(登録商標)、Turbuhaler(登録商標))。乾燥粉末吸入器に関連する潜在的な問題としては、食道の刺激および続いて、気道中での粉末の直接的作用に起因する咳が挙げられる。さらに、カプセルの壁面は、カプセルが薬剤を放出するのに失敗するか、または凝集した粉末を破壊するのに失敗した結果として、薬剤で被覆され得る。これは、実質的に全部の薬剤が口中に蓄積する原因となり得る。これらの粉末装置はクロロフルオロカーボンを含まず、MDIの代わりとなり得る。
【0194】
吸入薬からの最大の効果を確保するためには、薬剤の薬理学的特性と薬剤をエアロゾル化するのに用いられる装置の両方を考慮すべきである。いくつかの活性薬剤について、MDI投与、乾燥粉末吸入器を用いる投与、または噴霧溶の溶液などの、様々な肺蓄積技術を用いる様々な製剤が利用可能である。乾燥粉末吸入器からの単位用量は、MDIからの放出の2倍であるが、それらは同じ気管支拡張作用を有する。それらの装置の特性は変化する。定量式吸入器については、典型的には20〜40%の用量が肺に蓄積するが、中咽頭中では最大80%が蓄積する。スペーサーと共にMDIを用いる場合、典型的には約20%の用量が肺に蓄積するが、中咽頭中では最大でも5%に過ぎない。かくして、スペーサーの使用は中咽頭に蓄積する薬剤の比率を低下させることができる。乾燥粉末吸入器については、典型的には11〜16%の用量が肺に、31〜72%が中咽頭に蓄積する。ネブライザーについては、典型的には7〜32%の用量が肺に、1〜9%が中咽頭に蓄積する。当業者であれば、確実に適切な吸入療法装置を使用し、好適な器具を調製することができる。吸入療法の使用に関する考慮は、参照により本明細書に組み入れられるものとする、A.M. Tabaret & B. Schmit、「Pharmacokinetic Optimisation of Asthma Treatment」、Clin. Pharmacokinet. 26: 396-418 (1994)に記載されている。
【0195】
気道感染を治療する方法はさらに、肺炎マイコプラズマに対する殺菌作用を示すのに有効な量の、マイコプラズマ肺炎の治療において有効な抗生物質の投与を含んでもよく、この抗生物質を、本発明に従う組成物の投与経路以外の経路により投与する。好適な抗生物質は上記のものである。本発明に従う組成物が抗生物質を含む場合、本発明に従う組成物の投与経路以外の経路により投与される抗生物質は、該組成物に含まれるのと同じ抗生物質であってもよく、または異なる抗生物質であってもよい。本発明に従う組成物が抗生物質を含まない場合、追加の経路により投与される抗生物質は、感染の治療において有効であると上記された任意の抗生物質であってよい。当業者であれば、投与経路、投与される用量、および投与頻度を、被験者の年齢、大きさ、体重、および健康、感染の程度、感染を引き起こす細菌、感染を悪化させ得るアレルギー反応などの他の症状の存在、ならびに投与のために選択される治療剤もしくは治療剤の組合せ、ならびに投与される治療剤の薬物動態に影響する肝臓および腎臓機能などの変数、ならびに抗生物質の分子量および疎水性もしくは親水性の相対的な程度などの抗生物質の特性、ならびに消化管中での加水分解に対する感受性などの、上記のパラメーターを参照して決定することができる。典型的には、追加の経路により投与される抗生物質の投与は、経口または非経口経路によるものである;非経口の場合、典型的には、抗生物質を筋肉内投与する。重篤な感染のいくつかの場合、静脈内投与が必要な場合がある。特定の抗生物質および最適な投与経路に関する情報を、例えば、J.G. Hardman & L.E. Limbird(編)、「Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics」(第10版、McGraw-Hili, New York, 2001)(その関連する部分は参照により本明細書に組み入れられるものとする)に見出すことができる。
【0196】
発明の利点
本発明は、気道感染および特に、肺炎マイコプラズマにより引き起こされる感染を治療するための安全かつ有効な手段を提供する。本発明に従う組成物および方法は、細菌を運ぶ生物膜の除去において、そのような感染のより有効な治療を提供するだけでなく、感染の再発も防止する。本発明に従う組成物および方法は、抗生物質投与などの他の治療様式と共に使用するのに好適であり、炎症または他の副作用を引き起こさない。
【0197】
従って、本発明に従う組成物および方法は、感染の治療および特に、肺炎マイコプラズマにより引き起こされる感染の治療のための薬剤の調製に関して産業上の利用性を有する。
【0198】
本明細書に例示的に記載された本発明を、本明細書に具体的に開示されていない、任意の要素、限定の非存在下で好適に実施することができる。かくして、例えば、用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing)」などは、拡張的に、また限定することなく読むべきである。さらに、本明細書で用いられる用語および表現は限定の用語ではなく、説明の用語として用いられており、そのような用語および表現の使用において、示され、記載される未来の任意の等価物もしくはその任意の一部を排除する意図はなく、特許請求される本発明の範囲内で様々な改変が可能であることが認識される。かくして、本発明を好ましい実施形態および必要に応じた特徴により具体的に開示してきたが、当業者であれば、本明細書に開示された本発明の改変および変更を再分類することができ、そのような改変および変更が、本明細書に開示された本発明の範囲内にあると考えられることを理解すべきである。本発明を、本明細書に広く、かつ一般的に記載してきた。全般的な開示の範囲内にある、より狭い種および亜属分類の各々もこれらの本発明の一部を形成する。これは、切り出された材料がその中に特異的に存在するかどうかに拘わらず、属に由来する任意の主題を除くという条件付きで、または負の限定で、各発明の一般的記載を含む。
【0199】
さらに、本発明の特徴または態様をマーカッシュ群の点で記載する場合、当業者であれば、本発明がまた、マーカッシュ群の任意の個々のメンバーまたはメンバーの亜群の点でも記載されることを認識するであろう。また、上記説明は例示的なものであり、制限的なものではないことも理解されるべきである。多くの実施形態が、上記説明を精査する際に当業者に明らかとなるであろう。従って、本発明の範囲は、上記説明を参照して決定されるべきであるが、その代わりに、添付の特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の完全な範囲と共に、そのような特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。特許刊行物を含む、全ての論文および参考文献の開示は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気道中の生物膜を除去するための組成物であって、
(a)多糖類中の2個の単糖類を接続するか、または気道中の生物膜を破壊するのに十分な糖タンパク質中のタンパク質分子と単糖類を接続する結合の加水分解を触媒する一定量の少なくとも1種の酵素;ならびに
(b)気道への投与にとって好適な製薬上許容し得る担体、
を含む、前記組成物。
【請求項2】
多糖類中の2個の単糖類を接続するか、または糖タンパク質中のタンパク質分子と単糖類を接続する結合の加水分解を触媒する少なくとも1種の酵素が、キシラナーゼ、β-グルカナーゼ、セルラーゼ、α-ガラクトシダーゼ、グルカナーゼ、アミラーゼ、ヒアルロニダーゼ、ポリガラクツロナーゼ(ペクチナーゼ)、デキストラナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、プルラナーゼ、グリコシルセラミダーゼ、グルカン1,4-α-グルコシダーゼ、オリゴ-1,6-グルコシダーゼ、フコイダナーゼ、グリコシルセラミダーゼ、チオグルコシダーゼ、および糖ペプチドN-グリコシダーゼからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
多糖類中の2個の単糖類を接続するか、または糖タンパク質中のタンパク質分子と単糖類を接続する結合の加水分解を触媒する少なくとも1種の酵素が、キシラナーゼ、β-グルカナーゼ、セルラーゼ、α-ガラクトシダーゼ、グルカナーゼ、アミラーゼ、ヒアルロニダーゼ、ポリガラクツロナーゼ(ペクチナーゼ)、デキストラナーゼ、およびセロビオヒドロラーゼからなる群より選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
多糖類中の2個の単糖類を接続するか、または糖タンパク質中のタンパク質分子と単糖類を接続する結合の加水分解を触媒する少なくとも1種の酵素がペクチナーゼである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
多糖類中の2個の単糖類を接続するか、または糖タンパク質中のタンパク質分子と単糖類を接続する結合の加水分解を触媒する少なくとも1種の酵素が、デキストラナーゼおよびペクチナーゼである、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
多糖類中の2個の単糖類を接続するか、または糖タンパク質中のタンパク質分子と単糖類を接続する結合の加水分解を触媒する少なくとも1種の酵素が、デキストラナーゼおよびキシラナーゼである、請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
多糖類中の2個の単糖類を接続するか、または糖タンパク質中のタンパク質分子と単糖類を接続する結合の加水分解を触媒する少なくとも1種の酵素が、α-ガラクトシダーゼおよびアミラーゼである、請求項3に記載の組成物。
【請求項8】
多糖類中の2個の単糖類を接続するか、または糖タンパク質中のタンパク質分子と単糖類を接続する結合の加水分解を触媒する少なくとも1種の酵素が、ペクチナーゼおよびアミラーゼである、請求項3に記載の組成物。
【請求項9】
多糖類中の2個の単糖類を接続するか、または糖タンパク質中のタンパク質分子と単糖類を接続する結合の加水分解を触媒する少なくとも1種の酵素が、デキストラナーゼ、ペクチナーゼ、およびβ-D-グルコシダーゼである、請求項3に記載の組成物。
【請求項10】
多糖類中の2個の単糖類を接続するか、または糖タンパク質中のタンパク質分子と単糖類を接続する結合の加水分解を触媒する少なくとも1種の酵素が、デキストラナーゼ、ペクチナーゼ、およびセルラーゼである、請求項3に記載の組成物。
【請求項11】
多糖類中の2個の単糖類を接続するか、または糖タンパク質中のタンパク質分子と単糖類を接続する結合の加水分解を触媒する少なくとも1種の酵素が、デキストラナーゼ、ペクチナーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、およびキシラナーゼである、請求項3に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、気道中での炎症を防止または阻害するのに有効な量の少なくとも1種の成分をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
気道中での炎症を防止または阻害するのに有効な量の少なくとも1種の成分がステロイドである、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記ステロイドが、ヒドロコルチゾン、ベクロメタゾン、ブデノシド、シクレゾニド、フルニゾリド、フルチカゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、およびトリアムシノロン、ならびにその塩、溶媒和物、類似体、コンジナー、バイオイソスター、加水分解物、代謝物、前駆体、およびプロドラッグからなる群より選択されるステロイドである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記ステロイドがヒドロコルチゾンである、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
気道への投与にとって好適な製薬上許容し得る担体がプロピレングリコールを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
気道への投与にとって好適な製薬上許容し得る担体がプロピレングリコールおよびグリセロールを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
気道への投与にとって好適な製薬上許容し得る担体がプロピレングリコール、グリセロール、およびトリプロピレングリコールを含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、肺炎マイコプラズマに対する殺菌作用を示すのに有効な量の、マイコプラズマ肺炎の治療において有効である抗生物質をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記抗生物質が、アミカシン、チカルシリン、ピペラシリン、メズロシリン、アズロシリン、セフタジジム、セフェピム、シプロフロキサシン、トブラマイシン、アズトレオナム、イミペネム、およびメロペネムからなる群より選択される、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
殺菌作用を示すのに十分な量のリゾチームをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
殺菌作用を示すのに十分な量のラクトフェリンをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
殺菌作用を示すのに十分な量の少なくとも1種のペルオキシダーゼをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
少なくとも1種のペルオキシダーゼが、ラクトペルオキシダーゼ、ミエロペルオキシダーゼ、西洋わさびペルオキシダーゼ、好酸球ペルオキシダーゼ、およびグルタチオンペルオキシダーゼからなる群より選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
少なくとも1種のペルオキシダーゼが、ラクトペルオキシダーゼおよびミエロペルオキシダーゼからなる群より選択される、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
少なくとも1種のペルオキシダーゼがラクトペルオキシダーゼである、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物が、殺菌特性を有する有効濃度のイオンがペルオキシダーゼの触媒作用により産生されるような量の、ペルオキシダーゼの酵素作用により殺菌特性を有するイオンに変換することができる少なくとも1種の基質をさらに含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項28】
少なくとも1種の基質が、チオシアン酸、ヨウ素酸、または塩素酸のアルカリ金属塩である、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
アルカリ金属塩がナトリウム塩またはカリウム塩である、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
アルカリ金属塩がチオシアン酸カリウムまたはヨウ素酸カリウムである、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記組成物がカタラーゼ阻害剤をさらに含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項32】
カタラーゼ阻害剤が、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、パルミチン酸アスコルビル、およびその混合物からなる群より選択される、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記組成物が、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、およびヨウ化第一鉄からなる群より選択される鉄塩をさらに含む、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
鉄塩が硫酸第一鉄である、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記組成物が、酸化された陰イオン殺生物剤の収率または蓄積を増加させるのに有効な量のアミノヘキソースをさらに含む、請求項27に記載の組成物。
【請求項36】
アミノヘキソースがアミノグルコースである、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
アミノグルコースが、グルコサミン、N-アセチルグルコサミン、およびその混合物からなる群より選択される、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記組成物が、殺菌的に有効な量のオキシダーゼをさらに含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項39】
オキシダーゼが、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、尿酸オキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、D-アミノ酸オキシダーゼ、D-グルタミン酸オキシダーゼ、グリシンオキシダーゼ、グリコール酸オキシダーゼ、L-ソルボースオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、およびアミンオキシダーゼからなる群より選択される、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
オキシダーゼがグルコースオキシダーゼである、請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
前記組成物が、殺菌的に有効な量のオキシダーゼのための基質をさらに含む、請求項38に記載の組成物。
【請求項42】
前記組成物が、殺菌的に有効な量のグルコースオキシダーゼのための基質としてグルコースをさらに含む、請求項40に記載の組成物。
【請求項43】
前記組成物が、プロセッシングの間に、および包装中に酵素作用を阻害する酵素固定粘度を有する組成物を提供するための増粘剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項44】
増粘剤がヒドロキシプロピルセルロースである、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
水性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項46】
非水性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項47】
気道感染を治療するために製剤化された、請求項1に記載の組成物。
【請求項48】
肺炎マイコプラズマにより引き起こされる肺炎を治療するために製剤化された、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
ウイルス性気道感染を治療するために製剤化された、請求項47に記載の組成物。
【請求項50】
エアロゾルとしての投与のために製剤化された、請求項1に記載の組成物。
【請求項51】
前記組成物が、
(a)約0.072%〜約0.0108%のペクチナーゼ;
(b)必要に応じて、約12.33%〜約18.49%のグリセロール;
(c)必要に応じて、約0.352%〜約0.528%のヒドロキシプロピルセルロース;および
(d)水が残りの組成を100%にするような割合の水、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項52】
前記組成物が、
(a)約0.0072%〜約0.0108%のペクチナーゼ;および
(b)約99.989%〜約99.993%の水、
を含む、請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
前記組成物が、
(a)約0.009%のペクチナーゼ;および
(b)約99.991%の水、
を含む、請求項52に記載の組成物。
【請求項54】
前記組成物が、
(a)約52.761%〜約64.485%のプロピレングリコール;
(b)必要に応じて、約3.0%〜約15.0%のグリセロール;
(c)約0.80%〜約1.20%のヒドロコルチゾン;
(d)約0.80%〜約1.20%のペクチナーゼ;および
(e)水が残りの組成を100%にするような割合の水、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項55】
前記組成物が、
(a)約52.761%〜約64.485%のプロピレングリコール;
(b)約36.770%〜約44.942%の水;
(c)約0.80%〜約1.20%のヒドロコルチゾン;および
(d)約0.80%〜約1.20%のペクチナーゼ、
を含む、請求項54に記載の組成物。
【請求項56】
前記組成物が、
(a)約58.623%のプロピレングリコール;
(b)約40.856%の水;
(c)約1.00%のヒドロコルチゾン;および
(d)約0.010%のペクチナーゼ、
を含む、請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
前記組成物が、
(a)約0.08%〜約0.12%のデキストラナーゼ;
(b)約0.08%〜約0.12%のペクチナーゼ;
(c)約1.152%〜約1.728%のトリプロピレングリコール;
(d)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(e)必要に応じて、約5.00%〜約15.00%のグリセロール;
(f)必要に応じて、約10.00%〜約30.00%のプロピレングリコール;および
(g)水が残りの組成を100%にするような割合の水、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項58】
前記組成物が、
(a)約0.08%〜約0.12%のデキストラナーゼ;
(b)約0.08%〜約0.12%のペクチナーゼ;
(c)約1.152%〜約1.728%のトリプロピレングリコール;
(d)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;および
(e)約94.425%〜約96.283%の水、
を含む、請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
前記組成物が、
(a)約0.010%のデキストラナーゼ;
(b)約0.010%のペクチナーゼ;
(c)約1.440%のトリプロピレングリコール;
(d)約3.006%のベンジルアルコール;および
(e)約95.033%の水、
を含む、請求項58に記載の組成物。
【請求項60】
前記組成物が、
(a)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(b)約0.008%〜約0.012%のデキストラナーゼ;
(c)必要に応じて、約5.00%〜約15.00%のグリセロール;
(d)必要に応じて、約10.00%〜約30.00%のプロピレングリコール;
(e)必要に応じて、約0.40%〜約0.60%のヒドロキシプロピルセルロース;および
(f)水が残りの組成を100%にするような割合の水、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項61】
前記組成物が、
(a)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(b)約0.008%〜約0.012%のデキストラナーゼ;および
(c)約96.381%〜約97.587%の水、
を含む、請求項60に記載の組成物。
【請求項62】
前記組成物が、
(a)約3.006%のベンジルアルコール;
(b)約0.10%のデキストラナーゼ;および
(c)約96.984%の水、
を含む、請求項61に記載の組成物。
【請求項63】
前記組成物が、
(a)約16.328%〜約24.492%のグリセロール;
(b)約63.561%〜約76.490%のプロピレングリコール;
(c)必要に応じて、約0.40%〜約0.60%のヒドロキシプロピルセルロース;
(d)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(e)約0.008%〜約0.012%のデキストラナーゼ;
(f)約0.008%〜約0.012%のラクトペルオキシダーゼ;
(g)約0.008%〜約0.012%のペクチナーゼ;および
(h)約4.353%〜約6.529%の水、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項64】
前記組成物が、
(a)約20.410%のグリセロール;
(b)約70.623%のプロピレングリコール;
(c)約3.006%のベンジルアルコール;
(d)約0.010%のデキストラナーゼ;
(e)約0.010%のラクトペルオキシダーゼ;
(f)約0.020%のペクチナーゼ;および
(g)約5.941%の水、
を含む、請求項63に記載の組成物。
【請求項65】
前記組成物が、
(a)約88.784%〜約92.522%のグリセロール;
(b)約0.40%〜約0.60%のヒドロキシプロピルセルロース;
(c)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(d)約0.08%〜約0.12%のリゾチーム;
(e)約0.08%〜約0.12%のラクトフェリン;
(f)約0.08%〜約0.12%のラクトペルオキシダーゼ;
(g)約0.08%〜約0.12%のペクチナーゼ;および
(h)約4.353%〜約6.529%の水、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項66】
前記組成物が、
(a)約90.933%のグリセロール;
(b)約0.50%のヒドロキシプロピルセルロース;
(c)約3.006%のベンジルアルコール;
(d)約0.010%のリゾチーム;
(e)約0.010%のラクトフェリン;
(f)約0.010%のラクトペルオキシダーゼ;
(g)約0.010%のペクチナーゼ;および
(h)約5.441%の水、
を含む、請求項65に記載の組成物。
【請求項67】
前記組成物が、
(a)約16.830%〜約25.246%のグリセロール;
(b)約0.412%〜約0.618%のヒドロキシプロピルセルロース;
(c)約0.00824%〜約0.0124%のデキストラナーゼ;
(d)約0.00824%〜約0.0124%のラクトペルオキシダーゼ;
(e)約0.00824%〜約0.0124%のペクチナーゼ;および
(f)約70.004%〜約84.978%の水、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項68】
前記組成物が、
(a)約21.038%のグリセロール;
(b)約0.515%のヒドロキシプロピルセルロース;
(c)約0.0103%のデキストラナーゼ;
(d)約0.0103%のラクトペルオキシダーゼ;
(e)約0.0103%のペクチナーゼ;および
(f)約78.416%の水、
を含む、請求項67に記載の組成物。
【請求項69】
前記組成物が、
(a)約25.201%〜約37.813%のグリセロール;
(b)約47.114%〜約57.584%のプロピレングリコール;
(c)約8.375%〜約12.563%のトリプロピレングリコール;
(d)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(e)約0.00832%〜約0.0125%のラクトペルオキシダーゼ;
(f)約0.00832%〜約0.0125%のペクチナーゼ;および
(g)約4.510%〜約6.766%の水、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項70】
前記組成物が、
(a)約31.511%のグリセロール;
(b)約52.349%のプロピレングリコール;
(c)約10.469%のトリプロピレングリコール;
(d)約0.0104%のデキストラナーゼ;
(e)約0.0104%のラクトペルオキシダーゼ;
(f)約0.0104%のペクチナーゼ;および
(g)約5.638%の水、
を含む、請求項69に記載の組成物。
【請求項71】
前記組成物が、
(a)約16.919%〜約25.379%のグリセロール;
(b)約56.440%〜約68.982%のプロピレングリコール;
(c)約8.383%〜約12.575%のトリプロピレングリコール;
(d)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(e)約0.00832%〜約0.0125%のキシラナーゼ;および
(f)約4.510%〜約6.766%の水、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項72】
前記組成物が、
(a)約21.149%のグリセロール;
(b)約62.711%のプロピレングリコール;
(c)約10.479%のトリプロピレングリコール;
(d)約0.104%のデキストラナーゼ;
(e)約0.104%のキシラナーゼ;および
(f)約5.638%の水、
を含む、請求項71に記載の組成物。
【請求項73】
前記組成物が、
(a)約16.919%〜約25.379%のグリセロール;
(b)約64.823%〜約78.554%のトリプロピレングリコール;
(c)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(d)約0.00832%〜約0.0125%のキシラナーゼ;および
(e)約4.510%〜約6.766%の水、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項74】
前記組成物が、
(a)約21.149%のグリセロール;
(b)約73.190%のトリプロピレングリコール;
(c)約0.104%のデキストラナーゼ;
(d)約0.104%のキシラナーゼ;および
(e)約5.638%の水、
を含む、請求項73に記載の組成物。
【請求項75】
前記組成物が、
(a)約73.051%〜約84.927%のプロピレングリコール;
(b)約0.460%〜約0.690%のヒドロキシプロピルセルロース;
(c)約0.0092%〜約0.0138%のα-ガラクトシダーゼ;
(d)約0.0092%〜約0.0138%のアミラーゼ;および
(e)約14.595%〜約21.893%の水、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項76】
前記組成物が、
(a)約78.989%のプロピレングリコール;
(b)約0.575%のヒドロキシプロピルセルロース;
(c)約0.115%のα-ガラクトシダーゼ;
(d)約0.115%のアミラーゼ;および
(e)約83.977%の水、
を含む、請求項75に記載の組成物。
【請求項77】
前記組成物が、
(a)約14.596%〜約21.894%のグリセロール;
(b)約69.818%〜約82.069%のプロピレングリコール;
(c)約0.00944%〜約0.0141%のラクトペルオキシダーゼ;
(d)約0.0474%〜約0.0710%のペクチナーゼ;
(e)約0.0190%〜約0.0284%のアミラーゼ;および
(f)約3.259%〜約4.889%の水、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項78】
前記組成物が、
(a)約18.245%のグリセロール;
(b)約77.576%のプロピレングリコール;
(c)約0.0118%のラクトペルオキシダーゼ;
(d)約0.0592%のペクチナーゼ;
(e)約0.0237%のアミラーゼ;および
(f)約4.074%の水、
を含む、請求項77に記載の組成物。
【請求項79】
前記組成物が、
(a)約25.204%〜約37.806%のグリセロール;
(b)約47.105%〜約57.572%のプロピレングリコール;
(c)約8.374%〜約12.560%のトリプロピレングリコール;
(d)約0.00832%〜約0.0725%のデキストラナーゼ;
(e)約0.0166%〜約0.0248%のラクトペルオキシダーゼ;
(f)約0.00832%〜約0.0125%のペクチナーゼ;
(g)約0.00832%〜約0.0125%のチオシアン酸カリウム;および
(h)約4.510%〜約6.764%の水、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項80】
前記組成物が、
(a)約31.505%のグリセロール;
(b)約52.339%のプロピレングリコール;
(c)約10.467%のトリプロピレングリコール;
(d)約0.0104%のデキストラナーゼ;
(e)約0.0207%のラクトペルオキシダーゼ;
(f)約0.0104%のペクチナーゼ;
(g)約0.0104%のチオシアン酸カリウム;および
(h)約5.637%の水、
を含む、請求項79に記載の組成物。
【請求項81】
前記組成物が、
(a)約12.846%〜約19.268%のグリセロール;
(b)約75.530%〜約87.112%のプロピレングリコール;
(c)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(d)約0.0166%〜約0.0250%のラクトペルオキシダーゼ;
(e)約0.00832%〜約0.0125%のペクチナーゼ;および
(f)約0.00832%〜約0.0125%のチオシアン酸カリウム、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項82】
前記組成物が、
(a)約16.057%のグリセロール;
(b)約83.901%のプロピレングリコール;
(c)約0.0104%のデキストラナーゼ;
(d)約0.0208%のラクトペルオキシダーゼ;
(e)約0.0104%のペクチナーゼ;および
(f)約0.0104%のチオシアン酸カリウム、
を含む、請求項81に記載の組成物。
【請求項83】
前記組成物が、
(a)約12.834%〜約19.250%のグリセロール;
(b)約75.439%〜約87.100%のプロピレングリコール;
(c)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(d)約0.0166%〜約0.0250%のラクトペルオキシダーゼ;
(e)約0.0166%〜約0.0250%のペクチナーゼ;
(f)約0.0166%〜約0.0250%のリゾチーム;および
(g)約0.00832%〜約0.0125%のヨウ素酸カリウム、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項84】
前記組成物が、
(a)約16.042%のグリセロール;
(b)約83.821%のプロピレングリコール;
(c)約0.0104%のデキストラナーゼ;
(d)約0.0208%のラクトペルオキシダーゼ;
(e)約0.0208%のペクチナーゼ;
(f)約0.0208%のリゾチーム;および
(g)約0.0104%のヨウ素酸カリウム、
を含む、請求項83に記載の組成物。
【請求項85】
前記組成物が、
(a)約8.670%〜約13.004%のグリセロール;
(b)約75.439%〜約87.091%のプロピレングリコール;
(c)約4.164%〜約6.246%のトリプロピレングリコール;
(d)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(e)約0.0166%〜約0.0250%のラクトペルオキシダーゼ;
(f)約0.0166%〜約0.0250%のペクチナーゼ;
(g)約0.0166%〜約0.0250%のリゾチーム;
(h)約0.00832%〜約0.0125%のラクトフェリン;および
(i)約0.00832%〜約0.0125%のヨウ素酸カリウム、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項86】
前記組成物が、
(a)約10.847%のグリセロール;
(b)約83.821%のプロピレングリコール;
(c)約5.205%のトリプロピレングリコール;
(d)約0.0104%のデキストラナーゼ;
(e)約0.0208%のラクトペルオキシダーゼ;
(f)約0.0208%のペクチナーゼ;
(g)約0.0208%のリゾチーム;
(h)約0.0104%のラクトフェリン;および
(i)約0.0104%のヨウ素酸カリウム、
を含む、請求項85に記載の組成物。
【請求項87】
前記組成物が、
(a)約8.678%〜約13.016%のグリセロール;
(b)約75.512%〜約87.104%のプロピレングリコール;
(c)約4.168%〜約6.252%のトリプロピレングリコール;
(d)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(e)約0.0166%〜約0.0250%のラクトペルオキシダーゼ;
(f)約0.00832%〜約0.0125%のペクチナーゼ;
(g)約0.00832%〜約0.0125%のβ-D-グルコシダーゼ;および
(h)約0.00832%〜約0.0125%のヨウ素酸カリウム、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項88】
前記組成物が、
(a)約10.847%のグリセロール;
(b)約83.902%のプロピレングリコール;
(c)約5.210%のトリプロピレングリコール;
(d)約0.0104%のデキストラナーゼ;
(e)約0.0208%のラクトペルオキシダーゼ;
(f)約0.0104%のペクチナーゼ;
(g)約0.0104%のβ-D-グルコシダーゼ;および
(h)約0.0104%のヨウ素酸カリウム、
を含む、請求項87に記載の組成物。
【請求項89】
前記組成物が、
(a)約17.014%〜約25.520%のグリセロール;
(b)約66.134%〜約78.768%のプロピレングリコール;
(c)約4.168%〜約6.252%のトリプロピレングリコール;
(d)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(e)約0.0166%〜約0.0250%のラクトペルオキシダーゼ;
(f)約0.00832%〜約0.0125%のペクチナーゼ;
(g)約0.00832%〜約0.0125%のセルラーゼ;および
(h)約0.00832%〜約0.0125%のチオシアン酸カリウム、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項90】
前記組成物が、
(a)約21.267%のグリセロール;
(b)約73.482%のプロピレングリコール;
(c)約5.210%のトリプロピレングリコール;
(d)約0.0104%のデキストラナーゼ;
(e)約0.0208%のラクトペルオキシダーゼ;
(f)約0.0104%のペクチナーゼ;
(g)約0.0104%のセルラーゼ;および
(h)約0.0104%のチオシアン酸カリウム、
を含む、請求項89に記載の組成物。
【請求項91】
前記組成物が、
(a)約16.998%〜約25.496%のグリセロール;
(b)約66.070%〜約78.763%のプロピレングリコール;
(c)約4.164%〜約6.246%のトリプロピレングリコール;
(d)約0.00832%〜約0.0125%のデキストラナーゼ;
(e)約0.0166%〜約0.0250%のラクトペルオキシダーゼ;
(f)約0.00832%〜約0.0125%のペクチナーゼ;
(g)約0.00832%〜約0.0125%のセルラーゼ;
(h)約0.0166%〜約0.0250%のアミラーゼ;
(i)約0.00832%〜約0.0125%のキシラナーゼ;および
(j)約0.00832%〜約0.0125%のチオシアン酸カリウム、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項92】
前記組成物が、
(a)約21.247%のグリセロール;
(b)約73.411%のプロピレングリコール;
(c)約5.205%のトリプロピレングリコール;
(d)約0.0104%のデキストラナーゼ;
(e)約0.0208%のラクトペルオキシダーゼ;
(f)約0.0104%のペクチナーゼ;
(g)約0.0104%のセルラーゼ;
(h)約0.0208%のアミラーゼ;
(i)約0.0104%のキシラナーゼ;および
(j)約0.0104%のチオシアン酸カリウム、
を含む、請求項91に記載の組成物。
【請求項93】
前記組成物が、
(a)約19.311%〜約28.967%のグリセロール;
(b)約65.497%〜約78.212%のプロピレングリコール;
(c)約2.194%〜約3.296%のベンジルアルコール;
(d)約0.220%〜約0.330%のβ-D-グルコース;
(e)約0.00731%〜約0.0110%のデキストラナーゼ;
(f)約0.00658%〜約0.00988%のラクトペルオキシダーゼ;
(g)約0.00585%〜約0.00877%のグルコースオキシダーゼ;
(h)約0.00658%〜約0.00988%のペクチナーゼ;
(i)約0.00731%〜約0.0110%のデキストラナーゼ;
(j)約0.0146%〜約0.0220%のアミラーゼ;
(k)約0.00731%〜約0.0110%のキシラナーゼ;および
(l)約0.00731%〜約0.0110%のヨウ素酸カリウム、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項94】
前記組成物が、
(a)約24.139%のグリセロール;
(b)約72.775%のプロピレングリコール;
(c)約2.747%のベンジルアルコール;
(d)約0.275%のβ-D-グルコース;
(e)約0.00914%のデキストラナーゼ;
(f)約0.00823%のラクトペルオキシダーゼ;
(g)約0.00731%のグルコースオキシダーゼ;
(h)約0.00823%のペクチナーゼ;
(i)約0.00914%のセルラーゼ;
(j)約0.0183%のアミラーゼ;
(k)約0.00914%のキシラナーゼ;および
(l)約0.00914%のヨウ素酸カリウム、
を含む、請求項93に記載の組成物。
【請求項95】
前記組成物が、
(a)約19.142%〜約28.712%のグリセロール;
(b)約64.924%〜約77.702%のプロピレングリコール;
(c)約2.178%〜約3.268%のベンジルアルコール;
(d)約0.725%〜約1.087%のヒドロコルチゾン;
(e)約0.218%〜約0.328%のβ-D-グルコース;
(f)約0.00725%〜約0.0109%のデキストラナーゼ;
(g)約0.00652%〜約0.00978%のラクトペルオキシダーゼ;
(h)約0.00580%〜約0.00870%のグルコースオキシダーゼ;
(i)約0.00725%〜約0.0109%のペクチナーゼ;および
(j)約0.00725%〜約0.0109%のヨウ素酸カリウム、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項96】
前記組成物が、
(a)約23.927%のグリセロール;
(b)約72.138%のプロピレングリコール;
(c)約2.723%のベンジルアルコール;
(d)約0.906%のヒドロコルチゾン;
(e)約0.273%のβ-D-グルコース;
(f)約0.00906%のデキストラナーゼ;
(g)約0.00815%のラクトペルオキシダーゼ;
(h)約0.00725%のグルコースオキシダーゼ;
(i)約0.00906%のペクチナーゼ;および
(j)約0.00906%のヨウ素酸カリウム、
を含む、請求項95に記載の組成物。
【請求項97】
前記組成物が、
(a)約28.328%〜約42.492%のグリセロール;
(b)約52.761%〜約64.485%のプロピレングリコール;
(c)約1.152%〜約1.728%のヒドロキシプロピルセルロース;
(d)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(e)約0.120%〜約0.180%の水;
(f)約0.800%〜約1.200%のヒドロコルチゾン;
(g)約0.241%〜約0.361%のβ-D-グルコース;
(h)約0.0064%〜約0.0096%のラクトペルオキシダーゼ;
(i)約0.0008%〜約0.0012%のグルコースオキシダーゼ;
(j)約0.0064%〜約0.0096%のラクトフェリン;
(k)約0.0064%〜約0.0096%のリゾチーム;
(l)約0.0080%〜約0.0120%のペクチナーゼ;および
(m)約0.028%〜約0.042%のヨウ素酸カリウム、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項98】
前記組成物が、
(a)約35.410%のグリセロール;
(b)約58.623%のプロピレングリコール;
(c)約1.440%のヒドロキシプロピルセルロース;
(d)約3.006%のベンジルアルコール;
(e)約0.150%の水;
(f)約1.000%のヒドロコルチゾン;
(g)約0.301%のβ-D-グルコース;
(h)約0.008%のラクトペルオキシダーゼ;
(i)約0.001%のグルコースオキシダーゼ;
(j)約0.008%のラクトフェリン;
(k)約0.008%のリゾチーム;
(l)約0.010%のペクチナーゼ;および
(m)約0.035%のヨウ素酸カリウム、
を含む、請求項97に記載の組成物。
【請求項99】
前記組成物が、
(a)約28.328%〜約42.492%のグリセロール;
(b)約52.761%〜約64.485%のプロピレングリコール;
(c)約1.152%〜約1.728%のヒドロキシプロピルセルロース;
(d)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(e)約0.120%〜約0.180%の水;
(f)約0.800%〜約1.200%のヒドロコルチゾン;
(g)約0.241%〜約0.361%のβ-D-グルコース;
(h)約0.0064%〜約0.0096%のラクトペルオキシダーゼ;
(i)約0.0008%〜約0.0012%のグルコースオキシダーゼ;
(j)約0.0064%〜約0.0096%のラクトフェリン;
(k)約0.0064%〜約0.0096%のリゾチーム;
(l)約0.0080%〜約0.0120%のペクチナーゼ;および
(m)約0.028%〜約0.042%のチオシアン酸カリウム、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項100】
前記組成物が、
(a)約35.410%のグリセロール;
(b)約58.623%のプロピレングリコール;
(c)約1.440%のヒドロキシプロピルセルロース;
(d)約3.006%のベンジルアルコール;
(e)約0.150%の水;
(f)約1.000%のヒドロコルチゾン;
(g)約0.301%のβ-D-グルコース;
(h)約0.008%のラクトペルオキシダーゼ;
(i)約0.001%のグルコースオキシダーゼ;
(j)約0.008%のラクトフェリン;
(k)約0.008%のリゾチーム;
(l)約0.010%のペクチナーゼ;および
(m)約0.035%のチオシアン酸カリウム、
を含む、請求項99に記載の組成物。
【請求項101】
前記組成物が、
(a)約31.885%〜約47.827%のグリセロール;
(b)約52.761%〜約64.485%のプロピレングリコール;
(c)約0.120%〜約0.180%の水;
(d)約0.800%〜約1.200%のヒドロコルチゾン;
(e)約0.241%〜約0.361%のβ-D-グルコース;
(f)約0.0064%〜約0.0096%のラクトペルオキシダーゼ;
(g)約0.0008%〜約0.0012%のグルコースオキシダーゼ;
(h)約0.0064%〜約0.0096%のラクトフェリン;
(i)約0.0064%〜約0.0096%のリゾチーム;
(j)約0.0080%〜約0.0120%のペクチナーゼ;および
(k)約0.028%〜約0.042%のチオシアン酸カリウム、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項102】
前記組成物が、
(a)約39.856%のグリセロール;
(b)約58.623%のプロピレングリコール;
(c)約0.150%の水;
(d)約1.000%のヒドロコルチゾン;
(e)約0.301%のβ-D-グルコース;
(f)約0.008%のラクトペルオキシダーゼ;
(g)約0.001%のグルコースオキシダーゼ;
(h)約0.008%のラクトフェリン;
(i)約0.008%のリゾチーム;
(j)約0.010%のペクチナーゼ;および
(k)約0.035%のチオシアン酸カリウム、
を含む、請求項101に記載の組成物。
【請求項103】
前記組成物が、
(a)約29.480%〜約44.220%のグリセロール;
(b)約52.761%〜約64.485%のプロピレングリコール;
(c)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(d)約0.120%〜約0.180%の水;
(e)約0.800%〜約1.200%のヒドロコルチゾン;
(f)約0.241%〜約0.361%のβ-D-グルコース;
(g)約0.0064%〜約0.0096%のラクトペルオキシダーゼ;
(h)約0.0008%〜約0.0012%のグルコースオキシダーゼ;
(i)約0.0064%〜約0.0096%のラクトフェリン;
(j)約0.0064%〜約0.0096%のリゾチーム;
(k)約0.0080%〜約0.0120%のペクチナーゼ;および
(l)約0.028%〜約0.042%のチオシアン酸カリウム、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項104】
前記組成物が、
(a)約36.850%のグリセロール;
(b)約58.623%のプロピレングリコール;
(c)約3.006%のベンジルアルコール;
(d)約0.150%の水;
(e)約1.000%のヒドロコルチゾン;
(f)約0.301%のβ-D-グルコース;
(g)約0.008%のラクトペルオキシダーゼ;
(h)約0.001%のグルコースオキシダーゼ;
(i)約0.008%のラクトフェリン;
(j)約0.008%のリゾチーム;
(k)約0.010%のペクチナーゼ;および
(l)約0.035%のチオシアン酸カリウム、
を含む、請求項103に記載の組成物。
【請求項105】
前記組成物が、
(a)約28.328%〜約42.492%のグリセロール;
(b)約53.652%〜約65.574%のプロピレングリコール;
(c)約1.152%〜約1.728%のヒドロキシプロピルセルロース;
(d)約2.405%〜約3.607%のベンジルアルコール;
(e)約0.120%〜約0.180%の水;
(f)約0.241%〜約0.361%のβ-D-グルコース;
(g)約0.0064%〜約0.0096%のラクトペルオキシダーゼ;
(h)約0.0008%〜約0.0012%のグルコースオキシダーゼ;
(i)約0.0064%〜約0.0096%のラクトフェリン;
(j)約0.0064%〜約0.0096%のリゾチーム;
(k)約0.0080%〜約0.0120%のペクチナーゼ;
(l)約0.0080%〜約0.0120%のデキストラナーゼ;および
(m)約0.028%〜約0.042%のチオシアン酸カリウム、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項106】
前記組成物が、
(a)約35.410%のグリセロール;
(b)約59.613%のプロピレングリコール;
(c)約1.440%のヒドロキシプロピルセルロース;
(d)約3.006%のベンジルアルコール;
(e)約0.150%の水;
(f)約0.301%のβ-D-グルコース;
(g)約0.008%のラクトペルオキシダーゼ;
(h)約0.001%のグルコースオキシダーゼ;
(i)約0.008%のラクトフェリン;
(j)約0.008%のリゾチーム;
(k)約0.010%のペクチナーゼ;
(l)約0.010%のデキストラナーゼ;および
(m)約0.035%のチオシアン酸カリウム、
を含む、請求項105に記載の組成物。
【請求項107】
一定量の請求項1に記載の組成物を、気道感染を有する被験体に投与して、該感染を治療する工程を含む、気道感染を治療する方法。
【請求項108】
前記気道感染が肺炎である、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
気道感染が肺炎マイコプラズマにより引き起こされる、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記方法が、肺炎マイコプラズマに対する殺菌作用を示すのに有効な量の、マイコプラズマ肺炎の治療において有効である抗生物質を投与することをさらに含み、該抗生物質を、前記組成物の投与経路以外の経路により投与する、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記組成物の投与経路以外の経路が経口である、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記組成物の投与経路以外の経路が非経口である、請求項110に記載の方法。
【請求項113】
前記組成物の投与経路以外の経路が筋肉内である、請求項110に記載の方法。
【請求項114】
前記組成物の投与経路以外の経路により投与される抗生物質が、前記組成物中に含まれる抗生物質と同じである、請求項110に記載の方法。
【請求項115】
前記組成物の投与経路以外の経路により投与される抗生物質が、前記組成物中に含まれる抗生物質とは異なる、請求項110に記載の方法。

【公表番号】特表2010−532788(P2010−532788A)
【公表日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516075(P2010−516075)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/051819
【国際公開番号】WO2009/009156
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(510007012)ラクレード,インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】