説明

水上独楽

【課題】水面に浮遊させながら比較的長い時間回転盤を回転せしめられ、フロートや把持体も回転でき、興趣に富み、取扱い易く、幼児等がより楽しく且つ手軽に遊べ、回転盤に強力な回転力を誰でも簡単に付与でき、しかも、構成簡素で、耐久性に優れ、量産に適し、低廉で、経済的な水上独楽を提供する。
【解決手段】フロートAと回転盤Bと把持体Cとを備え、フロートAと回転盤Bは、回転盤Bの回転力の一部或いは全てがフロートAに伝達可能となるよう軸5を介して連繋し、回転盤Bと把持体Cは、回転用ギヤ16付の軸15を介して連繋し、ベルト挿通孔21に挿通した回転用ベルト25のラック部26によって回転用ギヤ16を強制回転できるよう形成すると共に、軸15を介して回転盤Bを強制回転できるよう形成し、フロートAによって水面を浮遊しながら、回転盤Bが水面上方で回転できるよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、水面に浮遊させながらその一部或いは全てを回転せしめられ、興趣に富み、幼児等がより楽しく遊べるように工夫した水上独楽に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の水上独楽としては、例えば、特許文献1に示すようなものが提案されている。そして、これは、底面を略球面とした中空円筒体の頂面の中心に芯軸杆を突設し、中空円筒体の上部外周から回転方向に対し前端縁を高く後端縁を低く傾斜させた風受翼片の複数枚を放射状に配列突設し、風受翼片の外周縁を円環で互いに結着して構成したものである。
【0003】
【特許文献1】実開昭57−170796号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前述のような水上独楽にあっては、水上で回転せしめる場合、中空円筒体と水との接触抵抗が大きいために、手指によって芯軸片を摘んで上手に回転力を付与できたとしても、長い時間回転させることが難しく、物足りなさを感じてしまう等の難点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明は、前述の如き難点等を解消して、幼児等が水上独楽を水面に浮遊させながら比較的長い時間回転せしめられるようにし、しかも、興趣に富み、取扱い易く、幼児等がより楽しく且つ手軽に遊べるようにし、構成が簡素で、量産に適し、経済的な水上独楽を提供できるようにすべく創出されたもので、請求項1記載の水上独楽にあっては、水面に浮遊しながらその一部或いは全てが回転して遊ぶことが可能な水上独楽であって、所定の浮力を有するフロートAと、このフロートAの上方に正逆回転自在に装着される回転盤Bと、この回転盤Bの略中央上方に正逆回転自在に装着される把持体Cとを備え、フロートAと回転盤Bは、所定の摩擦力によって回転盤Bの回転力の一部或いは全てがフロートAに伝達可能となるように軸5を介して連繋され、回転盤Bには、回転用ギヤ16が固着された軸15が固定され、回転盤Bと把持体Cは、前記回転用ギヤ16付の軸15を介して連繋され、把持体Cに設けたベルト挿通孔21に挿通される回転用ベルト25のラック部26によって回転用ギヤ16を強制回転せしめられるよう形成すると共に、軸15を介して回転盤Bを強制回転せしめられるよう形成し、フロートAによって水面を浮遊しながら、回転盤Bが水面上方で回転できるように構成する手段を採用した。
【0006】
また、請求項2記載の水上独楽にあっては、水面に浮遊しながらその一部或いは全てが回転して遊ぶことが可能な水上独楽であって、所定の浮力を有するフロートAと、このフロートAの上方に正逆回転自在に装着される回転盤Bと、この回転盤Bの略中央上方に正逆回転自在に装着される把持体Cとを備え、フロートAは、底部が略逆円錐状に形成されるフロート基体1と、このフロート基体1の上部開放部分に接着されてこれを閉塞する蓋体2と、この蓋体2の下面に接着される略有底円筒状の軸受カップ7とを有し、回転盤Bの下部には抜止環6が固着された軸5が固定されると共に、回転盤Bの上部には回転用ギヤ16が固着された軸15が固定され、軸受カップ7は、その底部に設けた挿通穴8で抜止環6付の軸5の下端部分を回転自在に支持すると共に、フロートAの蓋体2中央に穿設した挿通孔4及び抜止環6付軸5の一部を囲繞するようにしてフロートA内への水の浸入を阻止できるように形成され、フロートAと回転盤Bは、所定の摩擦力によって回転盤Bの回転力の一部或いは全てがフロートAに伝達可能となるように抜止環6付の軸5を介して連繋され、回転盤Bと把持体Cは、所定の摩擦力によって回転盤Bの回転力の一部が把持体Cに伝達可能となるか、或いは回転盤Bの回転力が把持体Cに伝達されないように回転用ギヤ16付の軸15を介して連繋され、把持体Cに設けたベルト挿通孔21に挿通される回転用ベルト25のラック部26によって回転用ギヤ16を強制回転せしめられるよう形成すると共に、軸15を介して回転盤Bを強制回転せしめられるよう形成し、フロートAによって水面を浮遊しながら、回転盤Bが水面上方で回転できるように構成する手段を採用した。
【0007】
更に、請求項3記載の水上独楽にあっては、把持体Cは、その一部を互換装着自在となるように形成すると共に、その一部を適宜キャラクターのフィギュアで構成する手段を採用した。
【0008】
そして、請求項4記載の水上独楽にあっては、回転盤Bの表面に、適宜ルーレットの表示、或いは適宜占いの表示、或いは適宜ジャンケンの表示を設け、これらを指示する適宜指示部を把持体Cに設ける手段を採用した。
【発明の効果】
【0009】
従って、請求項1の水上独楽によれば、フロートAによって水上独楽を水面に浮遊させながら、水面上方にある回転盤Bを比較的長い時間回転せしめられるようになる。
すなわち、興趣に富み、取扱い易く、幼児等がより楽しく且つ手軽に遊べるような水上独楽となる。
しかも、構成が簡素で、耐久性に優れ、量産に適し、経済的な水上独楽を提供できるようになる。
【0010】
そして、把持体Cを一方の手指で摘むと共に、回転用ベルト25を他方の手指で摘んで引くだけで、回転盤Bに強力な回転力を誰でも簡単に付与できるようになる。
【0011】
加えて、フロートAと回転盤Bは、所定の摩擦力によって回転盤Bの回転力の一部或いは全てがフロートAに伝達可能となるように抜止環6付の軸5を介して連繋されるので、回転盤Bの回転力の一部或いは全てをフロートAに伝達して、回転盤Bが回転しながら、フロートAも水面で回転させることができるようになり、より興趣に富むものとなる。
特に、回転盤Bの回転力の一部がフロートAに伝達可能となるように軸5を介して連繋した場合は、回転盤Bを比較的速く且つ長く回転せしめられるようになると共に、フロートAを比較的遅く回転せしめられるようになり、フロートAによって水面をゆっくり回転しながら浮遊するようになり、回転盤Bは水面上方で速く且つ長く回転していられるようになる。或いは、回転盤Bの回転力の全てがフロートAに伝達可能となるように軸5を介して連繋された場合は、フロートAと回転盤Bを比較的速く回転せしめられるようになり、フロートAによって水面を比較的速く回転しながら浮遊するようになる。すなわち、フロートAと回転盤Bの連繋状態により、水上独楽の動作が異なるようになり、興趣に富むものとなる。
それから、回転盤Bの略中央上方に把持体Cを正逆回転自在に装着してあるので、把持体Cも回転でき、フロートAや回転盤Bの動作と合せて、水上独楽がより興趣に富むものとなる。
【0012】
また、請求項2の水上独楽によれば、フロートAによって水上独楽を水面に浮遊させながら、水面上方にある回転盤Bを比較的長い時間回転せしめられるようになる。
すなわち、興趣に富み、取扱い易く、幼児等がより楽しく且つ手軽に遊べるような水上独楽となる。
しかも、構成が簡素で、耐久性に優れ、量産に適し、経済的な水上独楽を提供できるようになる。
【0013】
そして、把持体Cを一方の手指で摘むと共に、回転用ベルト25を他方の手指で摘んで引くだけで、回転盤Bに強力な回転力を誰でも簡単に付与できるようになる。
【0014】
特に、フロートAは、フロート基体1と、このフロート基体1の上部開放部分に接着されてこれを閉塞する蓋体2と、この蓋体2の下面に接着される略有底円筒状の軸受カップ7とを有し、軸受カップ7は、その底部に設けた挿通穴8で抜止環6付の軸5の下端部分を回転自在に支持すると共に、フロートAの蓋体2中央に穿設した挿通孔4及び抜止環6付軸5の一部を囲繞するようにしてフロートA内への水の浸入を阻止できるように形成されるので、挿通孔4から水が浸入したとしても軸受カップ7内で止まり、フロートA内に水が浸入するのを確実に防止できるようになり、所定の浮力を確保でき、水上独楽が水中に沈んでしまう虞のないものとなる。
しかも、フロート基体1は、底部が略逆円錐状に形成されているので、水上独楽を床上等でも回転させることができるようになる。
【0015】
加えて、フロートAと回転盤Bは、所定の摩擦力によって回転盤Bの回転力の一部或いは全てがフロートAに伝達可能となるように抜止環6付の軸5を介して連繋されるので、回転盤Bの回転力の一部或いは全てをフロートAに伝達して、回転盤Bが回転しながら、フロートAも水面で回転させることができるようになり、より興趣に富むものとなる。
しかも、回転盤Bの回転力の一部がフロートAに伝達可能となるように軸5を介して連繋した場合は、回転盤Bを比較的速く且つ長く回転せしめられるようになると共に、フロートAを比較的遅く回転せしめられるようになり、フロートAによって水面をゆっくり回転しながら浮遊するようになり、回転盤Bは水面上方で速く且つ長く回転していられるようになる。或いは、回転盤Bの回転力の全てがフロートAに伝達可能となるように軸5を介して連繋された場合は、フロートAと回転盤Bを比較的速く回転せしめられるようになり、フロートAによって水面を比較的速く回転しながら浮遊するようになる。すなわち、フロートAと回転盤Bの連繋状態により、水上独楽の動作が異なるようになり、興趣に富むものとなる。
それから、回転盤Bと把持体Cは、所定の摩擦力によって回転盤Bの回転力の一部が把持体Cに伝達可能となるか、或いは回転盤Bの回転力が把持体Cに伝達されないように回転用ギヤ16付の軸15を介して連繋されるので、把持体Cが回転盤Bと異なった動作をするようになり、フロートAの動作と合せて、水上独楽がより興趣に富むものとなる。
【0016】
更に、請求項3の水上独楽によれば、適宜キャラクターのフィギュアで構成した把持体Cの一部を互換装着することにより、より興趣に富む水上独楽となる。
【0017】
そして、請求項4の水上独楽によれば、把持体Cに設けた適宜指示部により、回転する回転盤Bの表面に設けた適宜ルーレットの表示、或いは適宜占いの表示、或いは適宜ジャンケンの表示を適宜指示できることとなり、複数の人数でも楽しめる興趣に富む水上独楽となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を説明すると、次の通りである。
本発明の水上独楽は、水面に浮遊しながらその一部或いは全てが回転して遊ぶことが可能なものであって、所定の浮力を有するフロートAと、このフロートAの上方に正逆回転自在に装着される回転盤Bと、この回転盤Bの略中央上方に正逆回転自在に装着される把持体Cと、回転盤Bを強制回転せしめる回転用ベルト25とを備えたものである。
そして、フロートAと回転盤Bは、所定の摩擦力によって回転盤Bの回転力の一部或いは全てがフロートAに伝達可能となるように軸5を介して連繋されている。
また、回転盤Bには、回転用ギヤ16が固着された軸15が固定されている。
更に、回転盤Bと把持体Cは、前記回転用ギヤ16付の軸15を介して連繋され、把持体Cに設けたベルト挿通孔21に挿通される回転用ベルト25のラック部26によって回転用ギヤ16を強制回転せしめられるよう形成すると共に、軸15を介して回転盤Bを強制回転せしめられるよう形成し、フロートAによって水面を浮遊しながら、回転盤Bが水面に接触することなく、その上方でスムーズに回転できるように構成されている。
【実施例】
【0019】
それから、図示例の水上独楽について詳しく説明すると、フロートAは、底部が略逆円錐状に形成されるフロート基体1と、このフロート基体1の上部開放部分に接着されてこれを閉塞する蓋体2と、この蓋体2の下面に接着される略有底円筒状の軸受カップ7とを有するものとなっている。
更に、回転盤Bの下部には抜止環6が固着された軸5が固定されると共に、回転盤Bの上部には回転用ギヤ16が固着された軸15が固定されている。
そして、軸受カップ7は、その底部に設けた挿通穴8で抜止環6付の軸5の下端部分を回転自在に支持すると共に、フロートAの蓋体2中央に穿設した挿通孔4及び抜止環6付軸5の一部を囲繞するようにしてフロートA内への水の浸入を阻止できるように形成されている。
また、フロートAと回転盤Bは、所定の摩擦力によって回転盤Bの回転力の一部或いは全てがフロートAに伝達可能となるように抜止環6付の軸5を介して連繋され、回転盤Bと把持体Cは、所定の摩擦力によって回転盤Bの回転力の一部が把持体Cに伝達可能となるか、或いは回転盤Bの回転力が把持体Cに伝達されないように回転用ギヤ16付の軸15を介して連繋されている。
それから、把持体Cに設けたベルト挿通孔21に挿通される回転用ベルト25のラック部26によって回転用ギヤ16を強制回転せしめられるよう形成すると共に、軸15を介して回転盤Bを強制回転せしめられるよう形成し、フロートAによって水面を浮遊しながら、回転盤Bが水面上方で回転できるように構成されている。
【0020】
ところで、把持体Cは、図5に示すように、その一部を互換装着自在となるように形成すると共に、その一部を適宜キャラクターのフィギュアで構成しても良い。
【0021】
加えて、回転盤Bの表面には、図4に示すように、適宜ルーレットの表示、或いは適宜占いの表示、或いは適宜ジャンケンの表示を設け、これらを指示する適宜指示部を把持体Cに設けても良い。
【0022】
前記フロートAは、例えば、適宜合成樹脂材によって略中空体状に形成され、水面に安定的に浮遊させることもできるし、床面等の上でも安定的に且つスムーズに回転せしめられるように形成されている。
尚、フロートA内には、その浮遊状態を安定させるための錘等を適宜位置に配することもできる。また、フロートAは、その回転中に生じるジャイロ効果(回転盤Bの回転中に生じるジャイロ効果も含む)が作用しているときは、水面に安定的に浮遊していられるように形成し、その回転が停止したとき(回転盤Bの回転が停止したとき)には、把持体Cが水面に接触したり或いは水面内に潜るようになって、水上独楽自体が大きく傾いてしまうように形成しても良い。すなわち、複数の水上独楽を同時に回転せしめて、その回転時間を競うようにした場合、水上独楽の回転停止状態が明らかに判断できるように形成しても良い。
【0023】
更に、フロートA内には、例えば、その回転中(或いは浮遊安定状態にあるとき)にこれを検出して適宜音を発生するような音発生機構を内蔵しておいても良い。更に、フロートA内には、その回転中(或いは浮遊安定状態にあるとき)にこれを検出して適宜光を発生するような光発生機構を内蔵しておいても良い。
【0024】
前記フロート基体1は、例えば、適宜合成樹脂材で形成され、その上部が略円筒状を呈すると共に、その下部が略逆円錐状を呈する上部が開放されている略容器状に形成されている。尚、このフロート基体1は、水面に浮遊させたときに十分な浮力を発生できると共に、浮遊状態が安定し、しかも、水面に対して回転する際の抵抗が少なく、床面等の上でもスムーズに回転できるようにしたものが好ましい。
【0025】
前記蓋体2は、例えば、適宜合成樹脂材で形成され、その中央部分に凹部3を有する略円板状に形成されている。そして、フロート基体1の上部開口部分に接着(例えば、超音波接着)されて、フロートAが中空体状となって十分な浮力が得られるよう形成されている。
【0026】
前記凹部3は、例えば、略逆円錐台状に形成され、その底壁中央には、抜止環6付の軸5が回転自在に挿通できるような挿通孔4が穿設されている。尚、挿通孔4は、抜止環6付の軸5との摩擦が低減されて、軸5がスムーズに回転できるように形成されたものであれば良い。
【0027】
前記軸5は、例えば、金属製の丸棒状に形成され、その上部が挿通孔4に挿通されると共に、その上端部分が回転盤Bの下面に突設した軸受部11の固定穴12に圧入固定されている。一方、軸5の下端部は、軸受カップ7の挿通穴8に回転自在に支持されるようになる。
【0028】
前記抜止環6は、例えば、適宜金属材や、合成樹脂材や、複合材等によって略厚肉円環状に形成され、軸5の軸心方向略中央部分に固着されている。そして、凹部3の底壁下方に配されて、軸5が挿通孔4から抜けないように形成されている。尚、抜止環6は、凹部3の底壁下面に接触せず、軸5がスムーズに回転できるように形成されている。
【0029】
前記軸受カップ7は、例えば、適宜合成樹脂材によって略有底円筒状に形成され、その底壁上面部分に抜止環6付の軸5の下端部分を回転自在に支持する挿通穴8が形成されている。そして、軸受カップ7の上端開口部分が蓋体2の凹部3底壁下面に接着できるように形成されている。すなわち、軸受カップ7は、その底部に設けた挿通穴8で抜止環6付の軸5の下端部分をスムーズに且つ安定的に回転できるよう支持している。加えて、蓋体2の凹部3底壁中央に穿設した挿通孔4及び抜止環6付の軸5の下部を囲繞できるように形成されており、挿通孔4から水が浸入しても、軸受カップ7内で止まり、それ以上フロートA内に水が浸入するのを確実に防止できるよう配慮されている。
【0030】
前記回転盤Bは、例えば、適宜合成樹脂材によって略円盤状に形成され、略円板状の盤基体10と、この盤基体10の下面中央部分に下方に向って突設される軸受部11とで構成されている。尚、盤基体10下面は、前記フロートAの上面に接触することなく、僅かに離れた状態に配置され、回転盤BがフロートAに対して摩擦抵抗が少なくよりスムーズに回転できるように形成してある。
【0031】
そして、盤基体10の上面には、例えば、適宜模様や、適宜キャラクター及びキャラクターに関連する図柄や、適宜ルーレットの表示や、適宜占いの表示や、適宜ジャンケンの表示等が設けられ、綺麗で楽しく遊べ、或いはゲーム等もできるように構成される。尚、これらの模様や図柄は、例えば、プリントされたシールを盤基体10上面に接着することで設けても良い。
【0032】
前記軸受部11は、例えば、凹部3内に収まるような略短円柱状に形成され、その下部には、軸5上端部が嵌入固定される固定穴12が穿設されている。また、盤基体10及び軸受部11上部に跨るように、軸15下端部が嵌入固定される固定穴13が穿設されている。尚、軸受部11下面は、前記凹部3底壁の上面に接触することなく、僅かに離れた状態に配置され、回転盤BがフロートAに対して摩擦抵抗が少なくよりスムーズに回転できるように形成してある。
また、軸5と軸15とを一本の軸で構成した場合は、固定穴12と固定穴13は、一つの貫通孔となる。
【0033】
ところで、盤基体10には、前記音発生機構の一部を配しても良いし、或いは、適宜パーツ(例えば、外観上の体裁を良くするようなオプションパーツや、把持体Cのフィギュアに関連するようなアイテムパーツや、回転盤Bの回転時に相手を威嚇するようなバトルパーツ等)を着脱自在に装着できるように形成しても良い。
【0034】
前記軸15は、例えば、金属製の丸棒状に形成され、その下端部が盤基体10の固定穴13に圧入固定されている。一方、軸15の上端部は、把持体Cに回転自在に支持されるよう形成されている。尚、軸15は、前記軸5と一体的に形成したものであっても良い。
【0035】
前記回転用ギヤ16は、例えば、適宜金属材や、合成樹脂材や、複合材等によって略ピニオン状に形成され、軸15の軸心方向略中央部分に固着されている。そして、把持体Cの底壁と中間壁で挟まれるように配されて、軸15から把持体Cが逸脱しないように形成されている。
【0036】
前記把持体Cは、例えば、適宜合成樹脂材によって適宜形態に形成できるもので、軸15に回転自在に装着される基部と、この基部の上方に配される把持部20とからなる。
そして、基部は、例えば、一対の左右半割体を接合することで形成され、また、この基部には、一対のベルト挿通孔21が穿設されて、回転用ベルト25のラック部26を有する部分がスムーズに挿通できると共に、ラック部26が回転用ギヤ16に確実に歯合できるように形成されている。尚、基部は、軸15に対して摩擦抵抗が少なくよりスムーズに回転できるように形成してあり、基部の下面は、前記盤基体10の上面に接触することなく、僅かに離れた状態に配置され、把持体Cが回転盤Bに対して摩擦抵抗が少なく(或いはできる限り少なく)よりスムーズに回転できるように形成してある。
【0037】
把持部20は、手指で摘み易く形成されたものであれば良く、その表面には、例えば、適宜模様や、適宜キャラクター及びキャラクターに関連する図柄等を表示しても良い。
ところで、盤基体10に適宜ルーレットの表示や、適宜占いの表示や、適宜ジャンケンの表示等を設けた場合は、これらを指示する適宜指示部を把持体Cに設けても良い(図4参照)。
尚、把持体Cは、所定の摩擦力によって回転盤Bの回転力の一部が把持体Cに伝達可能となるか、或いは回転盤Bの回転力が把持体Cに伝達されない(摩擦力をできる限り小さくする)ように回転用ギヤ16付の軸15を介して連繋されており、把持体Cは、回転盤BやフロートAと異なった動作をさせることが可能で、より興趣に富む動作を期待できるよう形成されている。しかも、回転している把持体Cに不意の外力が加えられても、この外力を受け流せ、把持体C自体が損傷し難いものとなるように形成されている。
【0038】
また、把持体Cの把持部20(或いは、把持部20の一部)を、基部(或いは、把持部20の残り部分)に対して互換装着可能となるように構成しても良い(図5参照)。このとき、把持部20(或いは、把持部20の一部)は、例えば、適宜キャラクターのフィギュアで構成し、幼児等がより楽しめるような、興趣に富むものとすることができる。尚、互換装着手段としては、例えば、適宜突起と、この突起が嵌脱自在となるような穴とで構成しても良いし、その他適宜手段を採用できるものである。
【0039】
前記回転用ベルト25は、例えば、適宜合成樹脂材によって形成され、その長尺ベルト部分の片面には、回転用ギヤ16に歯合可能なラック部26が配されている。
【0040】
ところで、水上独楽の具体的構成、形状、寸法、材質、フロートAの具体的構成、形状、寸法、材質、フロート基体1の具体的構成、形状、寸法、材質、蓋体2の具体的構成、形状、寸法、材質、フロート基体1への接着手段、凹部3の具体的構成、形状、寸法、挿通孔4の具体的構成、形状、寸法、軸5の具体的構成、形状、寸法、材質、蓋体2への具体的固定手段、抜止環6の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、軸受カップ7の具体的構成、形状、寸法、材質、挿通穴8の具体的構成、形状、寸法、回転盤Bの具体的構成、形状、寸法、材質、盤基体10の具体的構成、形状、寸法、材質、軸受部11の具体的構成、形状、寸法、材質、固定穴12の具体的構成、形状、寸法、固定穴13の具体的構成、形状、寸法、軸15の具体的構成、形状、寸法、材質、蓋体2への具体的固定手段、回転用ギヤ16の具体的構成、形状、寸法、材質、把持体Cの具体的構成、形状、寸法、材質、基部の具体的構成、形状、寸法、材質、把持部20の具体的構成、形状、寸法、材質、ベルト挿通孔21の具体的構成、形状、寸法、配設位置、数、回転用ベルト25の具体的構成、形状、寸法、材質、ラック部26の具体的構成、形状、寸法等は、図示例のもの等に限定されることなく適宜自由に設定、変更できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の水上独楽を例示する分解斜視図である。
【図2】本発明の水上独楽を例示する縦断面図である。
【図3】本発明の水上独楽を例示する一部切欠平面図である。
【図4】本発明の他の水上独楽を例示する平面図である。
【図5】本発明の他の水上独楽を例示する縦断面図である。
【符号の説明】
【0042】
A フロート
1 フロート基体
2 蓋体
3 凹部
4 挿通孔
5 軸
6 抜止環
7 軸受カップ
8 挿通穴
B 回転盤
10 盤基体
11 軸受部
12 固定穴
13 固定穴
15 軸
16 回転用ギヤ
C 把持体
20 把持部
21 ベルト挿通孔
25 回転用ベルト
26 ラック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水面に浮遊しながらその一部或いは全てが回転して遊ぶことが可能な水上独楽であって、所定の浮力を有するフロートと、このフロートの上方に正逆回転自在に装着される回転盤と、この回転盤の略中央上方に正逆回転自在に装着される把持体とを備え、フロートと回転盤は、所定の摩擦力によって回転盤の回転力の一部或いは全てがフロートに伝達可能となるように軸を介して連繋され、回転盤には、回転用ギヤが固着された軸が固定され、回転盤と把持体は、前記回転用ギヤ付の軸を介して連繋され、把持体に設けたベルト挿通孔に挿通される回転用ベルトのラック部によって回転用ギヤを強制回転せしめられるよう形成すると共に、軸を介して回転盤を強制回転せしめられるよう形成し、フロートによって水面を浮遊しながら、回転盤が水面上方で回転できるように構成したことを特徴とする水上独楽。
【請求項2】
水面に浮遊しながらその一部或いは全てが回転して遊ぶことが可能な水上独楽であって、所定の浮力を有するフロートと、このフロートの上方に正逆回転自在に装着される回転盤と、この回転盤の略中央上方に正逆回転自在に装着される把持体とを備え、フロートは、底部が略逆円錐状に形成されるフロート基体と、このフロート基体の上部開放部分に接着されてこれを閉塞する蓋体と、この蓋体の下面に接着される略有底円筒状の軸受カップとを有し、回転盤の下部には抜止環が固着された軸が固定されると共に、回転盤の上部には回転用ギヤが固着された軸が固定され、軸受カップは、その底部に設けた挿通穴で抜止環付の軸の下端部分を回転自在に支持すると共に、フロートの蓋体中央に穿設した挿通孔及び抜止環付軸の一部を囲繞するようにしてフロート内への水の浸入を阻止できるように形成され、フロートと回転盤は、所定の摩擦力によって回転盤の回転力の一部或いは全てがフロートに伝達可能となるように抜止環付の軸を介して連繋され、回転盤と把持体は、所定の摩擦力によって回転盤の回転力の一部が把持体に伝達可能となるか、或いは回転盤の回転力が把持体に伝達されないように回転用ギヤ付の軸を介して連繋され、把持体に設けたベルト挿通孔に挿通される回転用ベルトのラック部によって回転用ギヤを強制回転せしめられるよう形成すると共に、軸を介して回転盤を強制回転せしめられるよう形成し、フロートによって水面を浮遊しながら、回転盤が水面上方で回転できるように構成したことを特徴とする水上独楽。
【請求項3】
把持体は、その一部を互換装着自在となるように形成すると共に、その一部を適宜キャラクターのフィギュアで構成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の水上独楽。
【請求項4】
回転盤の表面に、適宜ルーレットの表示、或いは適宜占いの表示、或いは適宜ジャンケンの表示を設け、これらを指示する適宜指示部を把持体に設けたことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の水上独楽。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−118895(P2009−118895A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−293036(P2007−293036)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(500500594)株式会社ハート (1)
【Fターム(参考)】