水中土木工法におけるコンテナの高さ維持構造
【課題】本発明は、所定の水域にコンテナを沈設した後に、コンテナ内に設けたコンテナ高さ維持手段によってコンテナの側方への変位を抑制し、十分なコンテナ高さを確保するとともに、シート状部材により形成したコンテナに作用する引張力を低減することを目的としている。
【解決手段】このため、シート状部材をコンテナ形状に形成し、コンテナを船舶に敷設した後に、コンテナ内に中詰材を入れ、コンテナの開口部位を閉鎖した後に、船舶の底部を開放させて所定の水域に前記コンテナを一括沈設させ、複数個のコンテナを積層した後に、コンテナの表面部位の少なくとも一部を成形部材により覆設して所定の水域に構造物を構築する水中土木工法において、コンテナ内に中詰材を入れる際に、中詰材を層状に積層するようにコンテナ高さ維持手段を介設している。
【解決手段】このため、シート状部材をコンテナ形状に形成し、コンテナを船舶に敷設した後に、コンテナ内に中詰材を入れ、コンテナの開口部位を閉鎖した後に、船舶の底部を開放させて所定の水域に前記コンテナを一括沈設させ、複数個のコンテナを積層した後に、コンテナの表面部位の少なくとも一部を成形部材により覆設して所定の水域に構造物を構築する水中土木工法において、コンテナ内に中詰材を入れる際に、中詰材を層状に積層するようにコンテナ高さ維持手段を介設している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は水中土木工法におけるコンテナの高さ維持構造に係り、特に所定の水域にコンテナを沈設した後に、コンテナ内に設けたコンテナ高さ維持手段によってコンテナの側方への変位を抑制し、十分なコンテナ高さを維持する水中土木工法におけるコンテナの高さ維持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水中土木工法とは、海洋土木工法や河川底土木工法を意味し、所定の水域に構造物を構築するものであり、作業内容としては、例えばダムや岸壁、堤防の補強作業、あるいは突堤、防波堤の新設作業等が含まれる。
【0003】
【特許文献1】特公平6−43688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の水中土木工法、例えば海洋土木工法において、所定の水域に構造物を構築する際には、シート状部材により上部開口を有する断面五角形状(例えば、船舶の船底形状に合致させる形状とすることも可能である。)の本体部とこの本体部の上部開口を閉鎖する蓋部とからなる形状に形成したコンテナを、船底が開閉する全開式バージ船(「土運船」ともいう。)からなる船舶に敷設した後に、コンテナ内に浜砂や山砂、浚渫土砂、建設残土、水産加工の貝殻等からなる中詰材を入れ、このコンテナを所定の水域に沈設させ、所定の水域に構造物を構築している。
【0005】
ここで、前記海洋土木工法について、追加説明すると、図16に示す如く、船舶102にシート状部材により形成したコンテナ104の本体部106を敷設し、図17及び図18に示す如く、コンテナ104の本体部106内に中詰材110を入れる。
【0006】
そして、中詰材110の積み込み作業が終了した後には、図19に示す如く、前記コンテナ104の蓋部108によって本体部106の上面部位を閉鎖する。このとき、蓋部108によって本体部106の上面部位を閉鎖する方策としては、図示しないハンドミシンで縫製する方策や、ロープ(図示せず)を使用して縫製する方策が考えられる。
【0007】
前記コンテナ104の本体部106の上面部位の閉鎖作業が完了した後には、図20に示す如く、前記船舶102を所定の水域まで曳航し、図21に示す如く、船舶102の底部102aを開放させ、図22に示す如く、中詰材110を被覆したコンテナ104を投入落下して一括沈設させる。
【0008】
上述の如き工程を繰り返すことにより、図23及び図24に示す如く、複数個のコンテナ104を所定の水域に積層する。
【0009】
そして、複数個のコンテナ104を積層した後には、所定の水域に構造物150、250を構築している。
【0010】
参考までに記載すると、図25に示す如く、コンテナ104の表面部位を成形部材となる捨て石152で覆い、捨て石152の上面部位に大型のテトラポット154を載置するとともに、一部を水面から突出させる構成とすれば、前記構造物150を高波災害対策用の人工バリアとして利用することができる。
【0011】
また、図26に示す如く、コンテナ104の表面部位の一部とケーソン252との間にテトラポット254を載置する構成とすれば、前記構造物250を港湾等の海岸施設の災害復旧用として利用することができる。
【0012】
しかし、コンテナ104内に浜砂や山砂、浚渫土砂、建設残土、水産加工の貝殻等からなる中詰材110を入れた後に、所定の水域に沈設させることにより、コンテナ104の着底後に、コンテナ104内の中詰材110が側方、つまり本体部の幅方向(中詰材の容積により本体部の長手方向に余裕がある場合には、長手方向も含まれる。)に変位し、図22に示す如く、コンテナの高さHを十分に維持することができないという不都合がある。
【0013】
従って、所定の高さを確保するためには、必要以上に多数のコンテナを沈設させる必要があり、作業回数が増加し、人件費を含む作業コストが大となり、経済的に不利であるという不都合が生じる。
【0014】
また、沈設後のコンテナの形状を維持するために、堅固なコンテナを形成すると、徒にコンテナの材料費が嵩むとともに、重量増加に伴ってコンテナの搬送作業も困難となる等の多数の不具合が生じるため、容易に設計変更できない状況にあった。
【0015】
よって、この発明は、所定の水域にコンテナを沈設した後に、コンテナ内に設けたコンテナ高さ維持手段によってコンテナの側方への変位を抑制し、十分なコンテナ高さを確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、シート状部材をコンテナ形状に形成し、このコンテナを船舶に敷設した後に、コンテナ内に中詰材を入れ、コンテナの開口部位を閉鎖した後に、前記船舶の底部を開放させて所定の水域に前記コンテナを一括沈設させ、複数個のコンテナを積層した後に、所定の水域に構造物を構築する水中土木工法において、前記コンテナ内に中詰材を入れる際に、この中詰材を層状に積層するようにコンテナ高さ維持手段を介設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上詳細に説明した如くこの本発明によれば、シート状部材をコンテナ形状に形成し、このコンテナを船舶に敷設した後に、コンテナ内に中詰材を入れ、コンテナの開口部位を閉鎖した後に、船舶の底部を開放させて所定の水域にコンテナを一括沈設させ、複数個のコンテナを積層した後に、所定の水域に構造物を構築する水中土木工法において、コンテナ内に中詰材を入れる際に、中詰材を層状に積層するようにコンテナ高さ維持手段を介設したので、コンテナ高さ維持手段上の中詰材の重量による摩擦力を利用して沈設後の前記コンテナ内における中詰材の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナの高さを維持することができ、所定の水域に構造物を構築する際に、前記コンテナ高さ維持手段のコンテナの高さ維持機能によって、コンテナの使用個数の低減を図ることが可能となり、作業回数や人件費を含む作業コストの低減に寄与し得て、経済的に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
上述の如く発明したことにより、船舶の底部を開放させて中詰材を被覆したコンテナを所定の水域に投入落下して一括沈設させた際には、コンテナ高さ維持手段上の中詰材の重量による摩擦力を利用して沈設後のコンテナ内における中詰材の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナの高さを維持している。
【実施例1】
【0019】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【0020】
図1〜図9はこの発明の第1実施例を示すものである。図1〜図8において、2は船底が開閉する全開式バージ船(「土運船」ともいう。)からなる船舶、4はシート状部材により形成したコンテナである。
【0021】
このコンテナ4は、図2に示す如く、上部開口を有する断面五角形状(例えば、船舶の船底形状に合致させる形状とすることも可能である。)の本体部6と、この本体部6の上部開口を閉鎖する蓋部8とからなる。
【0022】
そして、前記コンテナ4を船舶2に敷設した後に、コンテナ4の本体部6内に浜砂や山砂、浚渫土砂、建設残土、水産加工の貝殻等からなる中詰材10を入れる。
【0023】
このとき、前記コンテナ4の本体部6内に中詰材10を入れる際に、この中詰材10を層状に積層するようにコンテナ高さ維持手段12を介設する構成とする。
【0024】
詳述すれば、前記コンテナ高さ維持手段12は、図10に示す如く、平面状抗張部材(「織布、不織布等のジオテキスタイルやジオグリッド」ともいう。)14からなり、前記平面状抗張部材14の両端のいずれか一方を必要に応じてコンテナ4の内周面部位に固着、例えば、この第1実施例においては、前記平面状抗張部材14の両端のいずれか一方をコンテナ4の内周面部位に固着させ、コンテナ4内において中詰材10と平面状抗張部材14とを交互に積層し、平面状抗張部材14上の中詰材10の重量による摩擦力を利用して前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナ4の高さを維持する構成とするものである。
【0025】
そして、この第1実施例においては、前記平面状抗張部材14の両端のいずれか一方、例えば左右交互にコンテナ4の内周面部位に固着させて設ける。
【0026】
すなわち、例えば3枚の前記平面状抗張部材14を使用する際には、図1に示す如く、底部側の第1層目の第1平面状抗張部材14−1の右側端部をコンテナ4の内周面部位に固着させて設け、上方の第2層目の第2平面状抗張部材14−2の左側端部をコンテナ4の内周面部位に固着させて設けるとともに、更に上方の第3層目の第3平面状抗張部材14−3の右側端部をコンテナ4の内周面部位に固着させて設ける。
【0027】
次に作用を説明する。
【0028】
海洋土木工法を実施する際には、図3に示す如く、前記コンテナ4を船舶2に敷設し、敷設したコンテナ4の本体部6内に浜砂や山砂、浚渫土砂、建設残土、水産加工の貝殻等からなる中詰材10を入れ、第1層目の第1中詰材層10−1を形成する。
【0029】
この第1層目の第1中詰材層10−1の形成後に、図4に示す如く、この第1層目の第1中詰材層10−1の上面に第1層目の第1平面状抗張部材14−1を広げ、第1層目の第1平面状抗張部材14−1の上面に前記中詰材10を入れ、第2層目の第2中詰材層10−2を形成する。
【0030】
また、この第2層目の第2中詰材層10−2の形成後に、この第2層目の第2中詰材層10−2の上面に第2層目の第2平面状抗張部材14−2を広げ、第2層目の第2平面状抗張部材14−2の上面に前記中詰材10を入れ、第3層目の第3中詰材層10−3を形成する。
【0031】
更に、この第3層目の第3中詰材層10−3の形成後に、この第3層目の第3中詰材層10−3の上面に第3層目の第3平面状抗張部材14−3を広げ、第3層目の第3平面状抗張部材14−3の上面に前記中詰材10を入れ、図5に示す如く、第4層目の第4中詰材層10−4を形成する。
【0032】
そして、前記中詰材10を入れて第4層目の第4中詰材層10−4を形成した後、つまり、中詰材10の積み込み作業が終了した後には、図6に及び図7に示す如く、前記コンテナ4の蓋部8によって本体部6の上面部位を閉鎖する。
【0033】
このとき、蓋部8によってコンテナ4の本体部6の上面部位を閉鎖する方策としては、図示しないハンドミシンで縫製する方策や、ロープ(図示せず)を使用して縫製する方策が考えられる。
【0034】
前記コンテナ4の本体部6の上面部位の閉鎖作業が完了すると、前記船舶2を所定の水域まで曳航し、船舶2の底部2aを開放させて中詰材10を被覆したコンテナ4を投入落下して一括沈設させると、図9に示す如く、前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位が開始されるが、第1〜第4層目の第1〜第4中詰材層10−1、10−2、10−3、10−4からなる中詰材10と、第1〜第3層目の第1〜第3平面状抗張部材14−1、14−2、14−3からなる平面状抗張部材14、つまり前記コンテナ高さ維持手段12とを交互に積層し、平面状抗張部材14上の中詰材10の重量による摩擦力を利用して前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナ4の高さH1を維持している。
【0035】
これにより、前記コンテナ4の本体部6内に中詰材10を入れる際に、この中詰材10を層状に積層するようにコンテナ高さ維持手段12を介設する構成としたことによって、コンテナ高さ維持手段12上の中詰材10の重量による摩擦力を利用して沈設後の前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナ4の高さH1を維持することができ、所定の水域に構造物を構築する際に、前記コンテナ高さ維持手段12のコンテナ4の高さ維持機能によって、コンテナ4の使用個数の低減を図ることが可能となり、作業回数や人件費を含む作業コストの低減に寄与し得て、経済的に有利である。
【0036】
また、前記コンテナ高さ維持手段12は、平面状抗張部材14からなり、前記平面状抗張部材14の両端のいずれか一方を必要に応じてコンテナ4の内周面部位に固着させ、コンテナ4内において中詰材10と平面状抗張部材14とを交互に積層し、平面状抗張部材14上の中詰材10の重量による摩擦力を利用して前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナ4の高さを維持する構成としたことにより、中詰材10と平面状抗張部材14とを交互に積層することによって、平面状抗張部材14上の中詰材10の重量による摩擦力を有効に利用することが可能となり、前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を確実に抑制し得るものである。
【0037】
更にまた、前記船舶の底部からの離脱時、水中底部への着底時、波浪による波圧作用時に生ずるシート状部材の張力を低減している。
【実施例2】
【0038】
図10及び図11はこの発明の第2実施例を示すものである。この第2実施例において、上述第1実施例のものと同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明する。
【0039】
この第2実施例の特徴とするところは、アンカープレート22と、このアンカープレート22に連結する線状、例えば鎖状抗張部材24とからなるコンテナ高さ維持手段26を使用する構成とした点にある。
【0040】
すなわち、前記コンテナ高さ維持手段26は、図10に示す如く、例えば四角形状に形成されるアンカープレート22と、2枚のアンカープレート22間を連結する鎖状抗張部材24とからなる。
【0041】
そして、コンテナ4内において、図10に示す如く、コンテナ4の両側にアンカープレート22を位置させつつ、両側の2枚のアンカープレート22を鎖状抗張部材24により連結して中詰材10と鎖状抗張部材24とを交互に積層し、両側に位置する前記アンカープレート22の引き抜き抵抗力を利用して前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナ4の高さを維持する構成とするものである。
【0042】
このとき、前記コンテナ高さ維持手段26は、前記コンテナ4の幅方向(図10において左右方向)である水平方向に対して直交する船舶の長手方向において、所定間隔毎に設置される。
【0043】
次に作用を説明する。
【0044】
海洋土木工法を実施する際には、前記コンテナ4を船舶に敷設し、敷設したコンテナ4の本体部6内に浜砂や山砂、浚渫土砂、建設残土、水産加工の貝殻等からなる中詰材10を入れ、第1層目の第1中詰材層10−1を形成する。
【0045】
この第1層目の第1中詰材層10−1の形成後に、図10に示す如く、この第1層目の第1中詰材層10−1上において、両側に第1層目の第1アンカープレート22−1を位置させ、2枚の第1アンカープレート22−1間を第1層目の第1鎖状抗張部材24−1により連結し、第1層目の第1鎖状抗張部材24−1の上面に前記中詰材10を入れ、第2層目の第2中詰材層10−2を形成する。
【0046】
また、この第2層目の第2中詰材層10−2の形成後に、この第2層目の第2中詰材層10−2上において、両側に第2層目の第2アンカープレート22−2を位置させ、2枚の第2アンカープレート22−2間を第2層目の第2鎖状抗張部材24−2により連結し、第2層目の第2鎖状抗張部材24−2の上面に前記中詰材10を入れ、第3層目の第3中詰材層10−3を形成する。
【0047】
更に、この第3層目の第3中詰材層10−3の形成後に、この第3層目の第3中詰材層10−3上において、両側に第3層目の第3アンカープレート22−3を位置させ、2枚の第3アンカープレート22−3間を第3層目の第3鎖状抗張部材24−3により連結し、第3層目の第3鎖状抗張部材24−3の上面に前記中詰材10を入れ、第4層目の第4中詰材層10−4を形成する。
【0048】
そして、前記中詰材10を入れて第4層目の第4中詰材層10−4を形成した後、つまり、中詰材10の積み込み作業が終了した後には、前記コンテナ4の蓋部8によって本体部6の上面部位を閉鎖する。
【0049】
前記コンテナ4の本体部6の上面部位の閉鎖作業が完了すると、前記船舶を所定の水域まで曳航し、船舶の底部を開放させて中詰材10を被覆したコンテナ4を投入落下して一括沈設させる。
【0050】
さすれば、図11に示す如く、前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位が開始されるが、第1〜第4層目の第1〜第4中詰材層10−1、10−2、10−3、10−4からなる中詰材10と、第1〜第3層目の第1〜第3アンカープレート22−1、22−2、22−3及び第1〜第3鎖状抗張部材24−1、24−2、24−3からなる鎖状抗張部材24、つまり前記コンテナ高さ維持手段26とを交互に積層し、両側に位置する前記アンカープレート22の引き抜き抵抗力を利用して前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナ4の高さH2を維持する。
【0051】
これにより、前記コンテナ高さ維持手段26によって、コンテナ4の使用個数の低減を図ることが可能となり、作業回数や人件費を含む作業コストの低減に寄与し得て、経済的に有利であるとともに、中詰材10とアンカープレート22及び鎖状抗張部材24とを交互に積層することによって、両側に位置する前記アンカープレート22の引き抜き阻止力を利用することが可能となり、前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を確実に抑制し得る。
【0052】
また、前記船舶の底部からの離脱時、水中底部への着底時、波浪による波圧作用時に生ずるシート状部材の張力を低減している。
【実施例3】
【0053】
図12はこの発明の第3実施例を示すものである。
【0054】
この第3実施例の特徴とするところは、前記コンテナ4を投入落下して一括沈設させる際に、所定位置に垂直落下させるために、コンテナ4の重心位置を変更させる垂直落下手段32を設けた点にある。
【0055】
すなわち、上述した第1実施例に開示したように、平面状抗張部材からなる前記コンテナ高さ維持手段を利用してコンテナ4内に中詰材を積み込む場合に、図12に示す如く、前記コンテナ4の下部に、重量物、例えば丸鋼部材34からなる前記垂直落下手段32を取り付けるものである。
【0056】
このとき、前記垂直落下手段32の取付方策としては、コンテナ4の外周底部において、ポケット状に形成した受け部を設け、この受け部内に丸鋼部材34からなる垂直落下手段32を入れる方策や、コンテナ4の外周底部において、複数個の環状保持部を形成し、この環状保持部に丸鋼部材34からなる垂直落下手段32を挿通させる方策等が考えられる。
【0057】
さすれば、前記コンテナ4を投入落下して一括沈設させる際には、前記垂直落下手段32の重量によって、コンテナ4の重心位置が変更され、垂直落下手段32が底部に位置するようにコンテナ4を所定位置に垂直落下させることが可能となる。
【0058】
また、上述した第1実施例に開示したような平面状抗張部材からなるコンテナ高さ維持手段を利用したコンテナ4に使用する際には、コンテナ4内の中詰材及び平面状抗張部材からなるコンテナ高さ維持手段を水平状態に位置させることが可能となり、コンテナ高さの維持機能の向上にも寄与し得る。
【0059】
更に、前記船舶の底部からの離脱時、水中底部への着底時、波浪による波圧作用時に生ずるシート状部材の張力を低減している。
【実施例4】
【0060】
図13はこの発明の第4実施例を示すものである。
【0061】
この第4実施例の特徴とするところは、前記コンテナ4を投入落下して一括沈設させる際に、所定位置に垂直落下させるために、コンテナ4に方向性を与える垂直落下手段42を設けた点にある。
【0062】
すなわち、上述した第2実施例に開示したように、アンカープレートと線状、つまり鎖状抗張部材とからなるコンテナ高さ維持手段を利用してコンテナ4内に中詰材を積み込む場合に、図13に示す如く、前記コンテナ4の上部に複数の翼部44からなる前記垂直落下手段42を取り付けるものである。
【0063】
このとき、前記垂直落下手段42の取付方策としては、コンテナ4の外周上部に所定長さを有する帯状の翼部44を複数取り付け、コンテナ沈設時の抵抗要因としてコンテナ4に方向性を与え、所定位置に垂直落下させるものである。
【0064】
さすれば、前記コンテナ4を投入落下して一括沈設させる際には、前記垂直落下手段42の機能によって、コンテナ4に方向性を与え、コンテナ4を所定位置に垂直落下させることが可能となる。
【0065】
また、上述した第2実施例に開示したようなアンカープレートと線状、つまり鎖状抗張部材とからなるコンテナ高さ維持手段を利用したコンテナ4に使用する際には、コンテナ4内の中詰材とアンカープレート及び線状、つまり鎖状抗張部材からなるコンテナ高さ維持手段とを水平状態に位置させることが可能となり、コンテナ高さの維持機能の向上にも寄与し得る。
【実施例5】
【0066】
図14及び図15はこの発明の第5実施例を示すものである。
【0067】
この第5実施例の特徴とするところは、前記コンテナ4の本体部6内に中詰材10を入れる際に、この中詰材10を包持する平板状抗張部材52を設けた点にある。
【0068】
すなわち、図14に示す如く、第1層目の第1中詰材層10−1の形成後に、この第1層目の第1中詰材層10−1の上面に平板状抗張部材52を広げ、この平板状抗張部材52内に中詰材10を入れ、平板状抗張部材52内に第2層目の第2中詰材層10−2を形成する。
【0069】
そして、この第2層目の第2中詰材層10−2の上面を、図14に示す如く、平板状抗張部材52の両端にて覆い、この覆った平板状抗張部材52の上面に中詰材10を入れ、第3層目の第3中詰材層10−3を形成するものである。
【0070】
前記コンテナ4の本体部6の上面部位の閉鎖作業が完了すると、前記船舶を所定の水域まで曳航し、船舶の底部を開放させて中詰材10を被覆したコンテナ4を投入落下して一括沈設させる。
【0071】
さすれば、図15に示す如く、前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位が開始され、第2層目の第2中詰材層10−2の上面を覆う平板状抗張部材52の両端が開放されることとなるが、第1〜第3層目の第1〜第3中詰材層10−1、10−2、10−3からなる中詰材10と、平板状抗張部材52とを交互に積層し、平板状抗張部材52の引き抜き抵抗力を利用して前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナ4の高さH3を維持する。
【0072】
また、前記船舶の底部からの離脱時、水中底部への着底時、波浪による波圧作用時に生ずるシート状部材の張力を低減している。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】この発明の第1実施例を示す水中土木工法におけるコンテナの概略断面図である。
【図2】コンテナの概略斜視図である。
【図3】船舶内にコンテナを敷設する状態を示す概略斜視図である。
【図4】船舶内にコンテナを敷設した際の状態を示す概略斜視図である。
【図5】船舶のコンテナ内に中詰材を入れた状態を示す概略斜視図である。
【図6】船舶のコンテナ内に中詰材を入れた後に蓋部を伸ばした状態を示す概略斜視図である。
【図7】船舶のコンテナ内に中詰材を入れた後に蓋部により開口部位を閉鎖する状態を示す概略断面図である。
【図8】船舶のコンテナ内に中詰材を入れた後に蓋部により開口部位を閉鎖した状態を示す概略斜視図である。
【図9】所定の水域においてコンテナを沈設した際の概略断面説明図である。
【図10】この発明の第2実施例を示す水中土木工法におけるコンテナの概略断面図である。
【図11】所定の水域においてコンテナを沈設した際の概略断面説明図である。
【図12】この発明の第3実施例を示すコンテナの概略斜視図である。
【図13】この発明の第4実施例を示すコンテナの概略斜視図である。
【図14】この発明の第5実施例を示す水中土木工法におけるコンテナの概略断面図である。
【図15】所定の水域においてコンテナを沈設した際の概略断面説明図である。
【図16】この発明の従来技術を示す船舶内にコンテナを敷設した状態の概略図である。
【図17】船舶のコンテナ内に中詰材を入れる状態を示す概略図である。
【図18】船舶のコンテナ内に中詰材を入れた状態を示す概略図である。
【図19】船舶のコンテナ内に中詰材を入れた後に蓋部により開口部位を閉鎖した状態を示す概略図である。
【図20】船舶の底部を開放させてコンテナを落下させる状態の概略図である。
【図21】船舶の底部を開放させてコンテナを落下させる状態の概略説明図である。
【図22】所定の水域に船舶からコンテナを落下させ沈設させた状態の概略説明図である。
【図23】所定の水域において複数のコンテナを沈設させている状態の船舶の概略側面図である。
【図24】所定の水域において複数のコンテナを沈設させている状態の船舶の概略正面図である。
【図25】所定の水域に高波災害対策用の人工バリアとして機能する構造物を構築した状態を示す概略図である。
【図26】所定の水域に港湾等の海岸施設の災害復旧用として機能する構造物を構築した状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0074】
2 船底が開閉する全開式バージ船(「土運船」ともいう。)からなる船舶
4 シート状部材により形成したコンテナ
6 本体部
8 蓋部
10 中詰材
12 コンテナ高さ維持手段
14 平面状抗張部材(「織布、不織布等のジオテキスタイルやジオグリッド」ともいう。)
14−1 第1層目の第1平面状抗張部材
14−2 第2層目の第2平面状抗張部材
14−3 第3層目の第3平面状抗張部材
【技術分野】
【0001】
この発明は水中土木工法におけるコンテナの高さ維持構造に係り、特に所定の水域にコンテナを沈設した後に、コンテナ内に設けたコンテナ高さ維持手段によってコンテナの側方への変位を抑制し、十分なコンテナ高さを維持する水中土木工法におけるコンテナの高さ維持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水中土木工法とは、海洋土木工法や河川底土木工法を意味し、所定の水域に構造物を構築するものであり、作業内容としては、例えばダムや岸壁、堤防の補強作業、あるいは突堤、防波堤の新設作業等が含まれる。
【0003】
【特許文献1】特公平6−43688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の水中土木工法、例えば海洋土木工法において、所定の水域に構造物を構築する際には、シート状部材により上部開口を有する断面五角形状(例えば、船舶の船底形状に合致させる形状とすることも可能である。)の本体部とこの本体部の上部開口を閉鎖する蓋部とからなる形状に形成したコンテナを、船底が開閉する全開式バージ船(「土運船」ともいう。)からなる船舶に敷設した後に、コンテナ内に浜砂や山砂、浚渫土砂、建設残土、水産加工の貝殻等からなる中詰材を入れ、このコンテナを所定の水域に沈設させ、所定の水域に構造物を構築している。
【0005】
ここで、前記海洋土木工法について、追加説明すると、図16に示す如く、船舶102にシート状部材により形成したコンテナ104の本体部106を敷設し、図17及び図18に示す如く、コンテナ104の本体部106内に中詰材110を入れる。
【0006】
そして、中詰材110の積み込み作業が終了した後には、図19に示す如く、前記コンテナ104の蓋部108によって本体部106の上面部位を閉鎖する。このとき、蓋部108によって本体部106の上面部位を閉鎖する方策としては、図示しないハンドミシンで縫製する方策や、ロープ(図示せず)を使用して縫製する方策が考えられる。
【0007】
前記コンテナ104の本体部106の上面部位の閉鎖作業が完了した後には、図20に示す如く、前記船舶102を所定の水域まで曳航し、図21に示す如く、船舶102の底部102aを開放させ、図22に示す如く、中詰材110を被覆したコンテナ104を投入落下して一括沈設させる。
【0008】
上述の如き工程を繰り返すことにより、図23及び図24に示す如く、複数個のコンテナ104を所定の水域に積層する。
【0009】
そして、複数個のコンテナ104を積層した後には、所定の水域に構造物150、250を構築している。
【0010】
参考までに記載すると、図25に示す如く、コンテナ104の表面部位を成形部材となる捨て石152で覆い、捨て石152の上面部位に大型のテトラポット154を載置するとともに、一部を水面から突出させる構成とすれば、前記構造物150を高波災害対策用の人工バリアとして利用することができる。
【0011】
また、図26に示す如く、コンテナ104の表面部位の一部とケーソン252との間にテトラポット254を載置する構成とすれば、前記構造物250を港湾等の海岸施設の災害復旧用として利用することができる。
【0012】
しかし、コンテナ104内に浜砂や山砂、浚渫土砂、建設残土、水産加工の貝殻等からなる中詰材110を入れた後に、所定の水域に沈設させることにより、コンテナ104の着底後に、コンテナ104内の中詰材110が側方、つまり本体部の幅方向(中詰材の容積により本体部の長手方向に余裕がある場合には、長手方向も含まれる。)に変位し、図22に示す如く、コンテナの高さHを十分に維持することができないという不都合がある。
【0013】
従って、所定の高さを確保するためには、必要以上に多数のコンテナを沈設させる必要があり、作業回数が増加し、人件費を含む作業コストが大となり、経済的に不利であるという不都合が生じる。
【0014】
また、沈設後のコンテナの形状を維持するために、堅固なコンテナを形成すると、徒にコンテナの材料費が嵩むとともに、重量増加に伴ってコンテナの搬送作業も困難となる等の多数の不具合が生じるため、容易に設計変更できない状況にあった。
【0015】
よって、この発明は、所定の水域にコンテナを沈設した後に、コンテナ内に設けたコンテナ高さ維持手段によってコンテナの側方への変位を抑制し、十分なコンテナ高さを確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、シート状部材をコンテナ形状に形成し、このコンテナを船舶に敷設した後に、コンテナ内に中詰材を入れ、コンテナの開口部位を閉鎖した後に、前記船舶の底部を開放させて所定の水域に前記コンテナを一括沈設させ、複数個のコンテナを積層した後に、所定の水域に構造物を構築する水中土木工法において、前記コンテナ内に中詰材を入れる際に、この中詰材を層状に積層するようにコンテナ高さ維持手段を介設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上詳細に説明した如くこの本発明によれば、シート状部材をコンテナ形状に形成し、このコンテナを船舶に敷設した後に、コンテナ内に中詰材を入れ、コンテナの開口部位を閉鎖した後に、船舶の底部を開放させて所定の水域にコンテナを一括沈設させ、複数個のコンテナを積層した後に、所定の水域に構造物を構築する水中土木工法において、コンテナ内に中詰材を入れる際に、中詰材を層状に積層するようにコンテナ高さ維持手段を介設したので、コンテナ高さ維持手段上の中詰材の重量による摩擦力を利用して沈設後の前記コンテナ内における中詰材の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナの高さを維持することができ、所定の水域に構造物を構築する際に、前記コンテナ高さ維持手段のコンテナの高さ維持機能によって、コンテナの使用個数の低減を図ることが可能となり、作業回数や人件費を含む作業コストの低減に寄与し得て、経済的に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
上述の如く発明したことにより、船舶の底部を開放させて中詰材を被覆したコンテナを所定の水域に投入落下して一括沈設させた際には、コンテナ高さ維持手段上の中詰材の重量による摩擦力を利用して沈設後のコンテナ内における中詰材の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナの高さを維持している。
【実施例1】
【0019】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【0020】
図1〜図9はこの発明の第1実施例を示すものである。図1〜図8において、2は船底が開閉する全開式バージ船(「土運船」ともいう。)からなる船舶、4はシート状部材により形成したコンテナである。
【0021】
このコンテナ4は、図2に示す如く、上部開口を有する断面五角形状(例えば、船舶の船底形状に合致させる形状とすることも可能である。)の本体部6と、この本体部6の上部開口を閉鎖する蓋部8とからなる。
【0022】
そして、前記コンテナ4を船舶2に敷設した後に、コンテナ4の本体部6内に浜砂や山砂、浚渫土砂、建設残土、水産加工の貝殻等からなる中詰材10を入れる。
【0023】
このとき、前記コンテナ4の本体部6内に中詰材10を入れる際に、この中詰材10を層状に積層するようにコンテナ高さ維持手段12を介設する構成とする。
【0024】
詳述すれば、前記コンテナ高さ維持手段12は、図10に示す如く、平面状抗張部材(「織布、不織布等のジオテキスタイルやジオグリッド」ともいう。)14からなり、前記平面状抗張部材14の両端のいずれか一方を必要に応じてコンテナ4の内周面部位に固着、例えば、この第1実施例においては、前記平面状抗張部材14の両端のいずれか一方をコンテナ4の内周面部位に固着させ、コンテナ4内において中詰材10と平面状抗張部材14とを交互に積層し、平面状抗張部材14上の中詰材10の重量による摩擦力を利用して前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナ4の高さを維持する構成とするものである。
【0025】
そして、この第1実施例においては、前記平面状抗張部材14の両端のいずれか一方、例えば左右交互にコンテナ4の内周面部位に固着させて設ける。
【0026】
すなわち、例えば3枚の前記平面状抗張部材14を使用する際には、図1に示す如く、底部側の第1層目の第1平面状抗張部材14−1の右側端部をコンテナ4の内周面部位に固着させて設け、上方の第2層目の第2平面状抗張部材14−2の左側端部をコンテナ4の内周面部位に固着させて設けるとともに、更に上方の第3層目の第3平面状抗張部材14−3の右側端部をコンテナ4の内周面部位に固着させて設ける。
【0027】
次に作用を説明する。
【0028】
海洋土木工法を実施する際には、図3に示す如く、前記コンテナ4を船舶2に敷設し、敷設したコンテナ4の本体部6内に浜砂や山砂、浚渫土砂、建設残土、水産加工の貝殻等からなる中詰材10を入れ、第1層目の第1中詰材層10−1を形成する。
【0029】
この第1層目の第1中詰材層10−1の形成後に、図4に示す如く、この第1層目の第1中詰材層10−1の上面に第1層目の第1平面状抗張部材14−1を広げ、第1層目の第1平面状抗張部材14−1の上面に前記中詰材10を入れ、第2層目の第2中詰材層10−2を形成する。
【0030】
また、この第2層目の第2中詰材層10−2の形成後に、この第2層目の第2中詰材層10−2の上面に第2層目の第2平面状抗張部材14−2を広げ、第2層目の第2平面状抗張部材14−2の上面に前記中詰材10を入れ、第3層目の第3中詰材層10−3を形成する。
【0031】
更に、この第3層目の第3中詰材層10−3の形成後に、この第3層目の第3中詰材層10−3の上面に第3層目の第3平面状抗張部材14−3を広げ、第3層目の第3平面状抗張部材14−3の上面に前記中詰材10を入れ、図5に示す如く、第4層目の第4中詰材層10−4を形成する。
【0032】
そして、前記中詰材10を入れて第4層目の第4中詰材層10−4を形成した後、つまり、中詰材10の積み込み作業が終了した後には、図6に及び図7に示す如く、前記コンテナ4の蓋部8によって本体部6の上面部位を閉鎖する。
【0033】
このとき、蓋部8によってコンテナ4の本体部6の上面部位を閉鎖する方策としては、図示しないハンドミシンで縫製する方策や、ロープ(図示せず)を使用して縫製する方策が考えられる。
【0034】
前記コンテナ4の本体部6の上面部位の閉鎖作業が完了すると、前記船舶2を所定の水域まで曳航し、船舶2の底部2aを開放させて中詰材10を被覆したコンテナ4を投入落下して一括沈設させると、図9に示す如く、前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位が開始されるが、第1〜第4層目の第1〜第4中詰材層10−1、10−2、10−3、10−4からなる中詰材10と、第1〜第3層目の第1〜第3平面状抗張部材14−1、14−2、14−3からなる平面状抗張部材14、つまり前記コンテナ高さ維持手段12とを交互に積層し、平面状抗張部材14上の中詰材10の重量による摩擦力を利用して前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナ4の高さH1を維持している。
【0035】
これにより、前記コンテナ4の本体部6内に中詰材10を入れる際に、この中詰材10を層状に積層するようにコンテナ高さ維持手段12を介設する構成としたことによって、コンテナ高さ維持手段12上の中詰材10の重量による摩擦力を利用して沈設後の前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナ4の高さH1を維持することができ、所定の水域に構造物を構築する際に、前記コンテナ高さ維持手段12のコンテナ4の高さ維持機能によって、コンテナ4の使用個数の低減を図ることが可能となり、作業回数や人件費を含む作業コストの低減に寄与し得て、経済的に有利である。
【0036】
また、前記コンテナ高さ維持手段12は、平面状抗張部材14からなり、前記平面状抗張部材14の両端のいずれか一方を必要に応じてコンテナ4の内周面部位に固着させ、コンテナ4内において中詰材10と平面状抗張部材14とを交互に積層し、平面状抗張部材14上の中詰材10の重量による摩擦力を利用して前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナ4の高さを維持する構成としたことにより、中詰材10と平面状抗張部材14とを交互に積層することによって、平面状抗張部材14上の中詰材10の重量による摩擦力を有効に利用することが可能となり、前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を確実に抑制し得るものである。
【0037】
更にまた、前記船舶の底部からの離脱時、水中底部への着底時、波浪による波圧作用時に生ずるシート状部材の張力を低減している。
【実施例2】
【0038】
図10及び図11はこの発明の第2実施例を示すものである。この第2実施例において、上述第1実施例のものと同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明する。
【0039】
この第2実施例の特徴とするところは、アンカープレート22と、このアンカープレート22に連結する線状、例えば鎖状抗張部材24とからなるコンテナ高さ維持手段26を使用する構成とした点にある。
【0040】
すなわち、前記コンテナ高さ維持手段26は、図10に示す如く、例えば四角形状に形成されるアンカープレート22と、2枚のアンカープレート22間を連結する鎖状抗張部材24とからなる。
【0041】
そして、コンテナ4内において、図10に示す如く、コンテナ4の両側にアンカープレート22を位置させつつ、両側の2枚のアンカープレート22を鎖状抗張部材24により連結して中詰材10と鎖状抗張部材24とを交互に積層し、両側に位置する前記アンカープレート22の引き抜き抵抗力を利用して前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナ4の高さを維持する構成とするものである。
【0042】
このとき、前記コンテナ高さ維持手段26は、前記コンテナ4の幅方向(図10において左右方向)である水平方向に対して直交する船舶の長手方向において、所定間隔毎に設置される。
【0043】
次に作用を説明する。
【0044】
海洋土木工法を実施する際には、前記コンテナ4を船舶に敷設し、敷設したコンテナ4の本体部6内に浜砂や山砂、浚渫土砂、建設残土、水産加工の貝殻等からなる中詰材10を入れ、第1層目の第1中詰材層10−1を形成する。
【0045】
この第1層目の第1中詰材層10−1の形成後に、図10に示す如く、この第1層目の第1中詰材層10−1上において、両側に第1層目の第1アンカープレート22−1を位置させ、2枚の第1アンカープレート22−1間を第1層目の第1鎖状抗張部材24−1により連結し、第1層目の第1鎖状抗張部材24−1の上面に前記中詰材10を入れ、第2層目の第2中詰材層10−2を形成する。
【0046】
また、この第2層目の第2中詰材層10−2の形成後に、この第2層目の第2中詰材層10−2上において、両側に第2層目の第2アンカープレート22−2を位置させ、2枚の第2アンカープレート22−2間を第2層目の第2鎖状抗張部材24−2により連結し、第2層目の第2鎖状抗張部材24−2の上面に前記中詰材10を入れ、第3層目の第3中詰材層10−3を形成する。
【0047】
更に、この第3層目の第3中詰材層10−3の形成後に、この第3層目の第3中詰材層10−3上において、両側に第3層目の第3アンカープレート22−3を位置させ、2枚の第3アンカープレート22−3間を第3層目の第3鎖状抗張部材24−3により連結し、第3層目の第3鎖状抗張部材24−3の上面に前記中詰材10を入れ、第4層目の第4中詰材層10−4を形成する。
【0048】
そして、前記中詰材10を入れて第4層目の第4中詰材層10−4を形成した後、つまり、中詰材10の積み込み作業が終了した後には、前記コンテナ4の蓋部8によって本体部6の上面部位を閉鎖する。
【0049】
前記コンテナ4の本体部6の上面部位の閉鎖作業が完了すると、前記船舶を所定の水域まで曳航し、船舶の底部を開放させて中詰材10を被覆したコンテナ4を投入落下して一括沈設させる。
【0050】
さすれば、図11に示す如く、前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位が開始されるが、第1〜第4層目の第1〜第4中詰材層10−1、10−2、10−3、10−4からなる中詰材10と、第1〜第3層目の第1〜第3アンカープレート22−1、22−2、22−3及び第1〜第3鎖状抗張部材24−1、24−2、24−3からなる鎖状抗張部材24、つまり前記コンテナ高さ維持手段26とを交互に積層し、両側に位置する前記アンカープレート22の引き抜き抵抗力を利用して前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナ4の高さH2を維持する。
【0051】
これにより、前記コンテナ高さ維持手段26によって、コンテナ4の使用個数の低減を図ることが可能となり、作業回数や人件費を含む作業コストの低減に寄与し得て、経済的に有利であるとともに、中詰材10とアンカープレート22及び鎖状抗張部材24とを交互に積層することによって、両側に位置する前記アンカープレート22の引き抜き阻止力を利用することが可能となり、前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を確実に抑制し得る。
【0052】
また、前記船舶の底部からの離脱時、水中底部への着底時、波浪による波圧作用時に生ずるシート状部材の張力を低減している。
【実施例3】
【0053】
図12はこの発明の第3実施例を示すものである。
【0054】
この第3実施例の特徴とするところは、前記コンテナ4を投入落下して一括沈設させる際に、所定位置に垂直落下させるために、コンテナ4の重心位置を変更させる垂直落下手段32を設けた点にある。
【0055】
すなわち、上述した第1実施例に開示したように、平面状抗張部材からなる前記コンテナ高さ維持手段を利用してコンテナ4内に中詰材を積み込む場合に、図12に示す如く、前記コンテナ4の下部に、重量物、例えば丸鋼部材34からなる前記垂直落下手段32を取り付けるものである。
【0056】
このとき、前記垂直落下手段32の取付方策としては、コンテナ4の外周底部において、ポケット状に形成した受け部を設け、この受け部内に丸鋼部材34からなる垂直落下手段32を入れる方策や、コンテナ4の外周底部において、複数個の環状保持部を形成し、この環状保持部に丸鋼部材34からなる垂直落下手段32を挿通させる方策等が考えられる。
【0057】
さすれば、前記コンテナ4を投入落下して一括沈設させる際には、前記垂直落下手段32の重量によって、コンテナ4の重心位置が変更され、垂直落下手段32が底部に位置するようにコンテナ4を所定位置に垂直落下させることが可能となる。
【0058】
また、上述した第1実施例に開示したような平面状抗張部材からなるコンテナ高さ維持手段を利用したコンテナ4に使用する際には、コンテナ4内の中詰材及び平面状抗張部材からなるコンテナ高さ維持手段を水平状態に位置させることが可能となり、コンテナ高さの維持機能の向上にも寄与し得る。
【0059】
更に、前記船舶の底部からの離脱時、水中底部への着底時、波浪による波圧作用時に生ずるシート状部材の張力を低減している。
【実施例4】
【0060】
図13はこの発明の第4実施例を示すものである。
【0061】
この第4実施例の特徴とするところは、前記コンテナ4を投入落下して一括沈設させる際に、所定位置に垂直落下させるために、コンテナ4に方向性を与える垂直落下手段42を設けた点にある。
【0062】
すなわち、上述した第2実施例に開示したように、アンカープレートと線状、つまり鎖状抗張部材とからなるコンテナ高さ維持手段を利用してコンテナ4内に中詰材を積み込む場合に、図13に示す如く、前記コンテナ4の上部に複数の翼部44からなる前記垂直落下手段42を取り付けるものである。
【0063】
このとき、前記垂直落下手段42の取付方策としては、コンテナ4の外周上部に所定長さを有する帯状の翼部44を複数取り付け、コンテナ沈設時の抵抗要因としてコンテナ4に方向性を与え、所定位置に垂直落下させるものである。
【0064】
さすれば、前記コンテナ4を投入落下して一括沈設させる際には、前記垂直落下手段42の機能によって、コンテナ4に方向性を与え、コンテナ4を所定位置に垂直落下させることが可能となる。
【0065】
また、上述した第2実施例に開示したようなアンカープレートと線状、つまり鎖状抗張部材とからなるコンテナ高さ維持手段を利用したコンテナ4に使用する際には、コンテナ4内の中詰材とアンカープレート及び線状、つまり鎖状抗張部材からなるコンテナ高さ維持手段とを水平状態に位置させることが可能となり、コンテナ高さの維持機能の向上にも寄与し得る。
【実施例5】
【0066】
図14及び図15はこの発明の第5実施例を示すものである。
【0067】
この第5実施例の特徴とするところは、前記コンテナ4の本体部6内に中詰材10を入れる際に、この中詰材10を包持する平板状抗張部材52を設けた点にある。
【0068】
すなわち、図14に示す如く、第1層目の第1中詰材層10−1の形成後に、この第1層目の第1中詰材層10−1の上面に平板状抗張部材52を広げ、この平板状抗張部材52内に中詰材10を入れ、平板状抗張部材52内に第2層目の第2中詰材層10−2を形成する。
【0069】
そして、この第2層目の第2中詰材層10−2の上面を、図14に示す如く、平板状抗張部材52の両端にて覆い、この覆った平板状抗張部材52の上面に中詰材10を入れ、第3層目の第3中詰材層10−3を形成するものである。
【0070】
前記コンテナ4の本体部6の上面部位の閉鎖作業が完了すると、前記船舶を所定の水域まで曳航し、船舶の底部を開放させて中詰材10を被覆したコンテナ4を投入落下して一括沈設させる。
【0071】
さすれば、図15に示す如く、前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位が開始され、第2層目の第2中詰材層10−2の上面を覆う平板状抗張部材52の両端が開放されることとなるが、第1〜第3層目の第1〜第3中詰材層10−1、10−2、10−3からなる中詰材10と、平板状抗張部材52とを交互に積層し、平板状抗張部材52の引き抜き抵抗力を利用して前記コンテナ4内における中詰材10の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナ4の高さH3を維持する。
【0072】
また、前記船舶の底部からの離脱時、水中底部への着底時、波浪による波圧作用時に生ずるシート状部材の張力を低減している。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】この発明の第1実施例を示す水中土木工法におけるコンテナの概略断面図である。
【図2】コンテナの概略斜視図である。
【図3】船舶内にコンテナを敷設する状態を示す概略斜視図である。
【図4】船舶内にコンテナを敷設した際の状態を示す概略斜視図である。
【図5】船舶のコンテナ内に中詰材を入れた状態を示す概略斜視図である。
【図6】船舶のコンテナ内に中詰材を入れた後に蓋部を伸ばした状態を示す概略斜視図である。
【図7】船舶のコンテナ内に中詰材を入れた後に蓋部により開口部位を閉鎖する状態を示す概略断面図である。
【図8】船舶のコンテナ内に中詰材を入れた後に蓋部により開口部位を閉鎖した状態を示す概略斜視図である。
【図9】所定の水域においてコンテナを沈設した際の概略断面説明図である。
【図10】この発明の第2実施例を示す水中土木工法におけるコンテナの概略断面図である。
【図11】所定の水域においてコンテナを沈設した際の概略断面説明図である。
【図12】この発明の第3実施例を示すコンテナの概略斜視図である。
【図13】この発明の第4実施例を示すコンテナの概略斜視図である。
【図14】この発明の第5実施例を示す水中土木工法におけるコンテナの概略断面図である。
【図15】所定の水域においてコンテナを沈設した際の概略断面説明図である。
【図16】この発明の従来技術を示す船舶内にコンテナを敷設した状態の概略図である。
【図17】船舶のコンテナ内に中詰材を入れる状態を示す概略図である。
【図18】船舶のコンテナ内に中詰材を入れた状態を示す概略図である。
【図19】船舶のコンテナ内に中詰材を入れた後に蓋部により開口部位を閉鎖した状態を示す概略図である。
【図20】船舶の底部を開放させてコンテナを落下させる状態の概略図である。
【図21】船舶の底部を開放させてコンテナを落下させる状態の概略説明図である。
【図22】所定の水域に船舶からコンテナを落下させ沈設させた状態の概略説明図である。
【図23】所定の水域において複数のコンテナを沈設させている状態の船舶の概略側面図である。
【図24】所定の水域において複数のコンテナを沈設させている状態の船舶の概略正面図である。
【図25】所定の水域に高波災害対策用の人工バリアとして機能する構造物を構築した状態を示す概略図である。
【図26】所定の水域に港湾等の海岸施設の災害復旧用として機能する構造物を構築した状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0074】
2 船底が開閉する全開式バージ船(「土運船」ともいう。)からなる船舶
4 シート状部材により形成したコンテナ
6 本体部
8 蓋部
10 中詰材
12 コンテナ高さ維持手段
14 平面状抗張部材(「織布、不織布等のジオテキスタイルやジオグリッド」ともいう。)
14−1 第1層目の第1平面状抗張部材
14−2 第2層目の第2平面状抗張部材
14−3 第3層目の第3平面状抗張部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状部材をコンテナ形状に形成し、このコンテナを船舶に敷設した後に、コンテナ内に中詰材を入れ、コンテナの開口部位を閉鎖した後に、前記船舶の底部を開放させて所定の水域に前記コンテナを一括沈設させ、複数個のコンテナを積層した後に、所定の水域に構造物を構築する水中土木工法において、前記コンテナ内に中詰材を入れる際に、この中詰材を層状に積層するようにコンテナ高さ維持手段を介設したことを特徴とする水中土木工法におけるコンテナの高さ維持構造。
【請求項2】
前記コンテナ高さ維持手段は、平面状抗張部材からなり、前記平面状抗張部材の両端のいずれか一方を必要に応じてコンテナの内周面部位に固着させ、コンテナ内において中詰材と平面状抗張部材とを交互に積層し、平面状抗張部材上の中詰材の重量による摩擦力を利用して前記コンテナ内における中詰材の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナの高さを維持する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の水中土木工法におけるコンテナの高さ維持構造。
【請求項3】
前記コンテナ高さ維持手段は、アンカープレートと、このアンカープレートに連結する線状抗張部材とからなり、コンテナ内においてコンテナの両側にアンカープレートを位置させつつ、アンカープレートを線状抗張部材により連結して中詰材と線状抗張部材とを交互に積層し、両側に位置する前記アンカープレートの引き抜き阻止力を利用して前記コンテナ内における中詰材の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナの高さを維持する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の水中土木工法におけるコンテナの高さ維持構造。
【請求項4】
前記船舶の底部からの離脱時、水中底部への着底時、波浪による波圧作用時に生ずるシート状部材の張力を低減することを特徴とする請求項1に記載の水中土木工法におけるコンテナの高さ維持構造。
【請求項1】
シート状部材をコンテナ形状に形成し、このコンテナを船舶に敷設した後に、コンテナ内に中詰材を入れ、コンテナの開口部位を閉鎖した後に、前記船舶の底部を開放させて所定の水域に前記コンテナを一括沈設させ、複数個のコンテナを積層した後に、所定の水域に構造物を構築する水中土木工法において、前記コンテナ内に中詰材を入れる際に、この中詰材を層状に積層するようにコンテナ高さ維持手段を介設したことを特徴とする水中土木工法におけるコンテナの高さ維持構造。
【請求項2】
前記コンテナ高さ維持手段は、平面状抗張部材からなり、前記平面状抗張部材の両端のいずれか一方を必要に応じてコンテナの内周面部位に固着させ、コンテナ内において中詰材と平面状抗張部材とを交互に積層し、平面状抗張部材上の中詰材の重量による摩擦力を利用して前記コンテナ内における中詰材の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナの高さを維持する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の水中土木工法におけるコンテナの高さ維持構造。
【請求項3】
前記コンテナ高さ維持手段は、アンカープレートと、このアンカープレートに連結する線状抗張部材とからなり、コンテナ内においてコンテナの両側にアンカープレートを位置させつつ、アンカープレートを線状抗張部材により連結して中詰材と線状抗張部材とを交互に積層し、両側に位置する前記アンカープレートの引き抜き阻止力を利用して前記コンテナ内における中詰材の水平方向への変位を抑制し、沈設後のコンテナの高さを維持する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の水中土木工法におけるコンテナの高さ維持構造。
【請求項4】
前記船舶の底部からの離脱時、水中底部への着底時、波浪による波圧作用時に生ずるシート状部材の張力を低減することを特徴とする請求項1に記載の水中土木工法におけるコンテナの高さ維持構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2006−249690(P2006−249690A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−64180(P2005−64180)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(391047190)岡三リビック株式会社 (20)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(391047190)岡三リビック株式会社 (20)
【Fターム(参考)】
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