説明

水処理のシステムおよび方法

【課題】汚染された水を処理する代表的なシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】一例において、本方法により、汚染された水の存在下で、金属塩反応物は移動濾材濾過に供給される。また、この方法により、移動濾材濾過からの流出水の平均汚染物質濃度を下げるのに効果的な移動濾材濾過の上流に移動濾材濾過から生じる廃液流が導入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、三次プロセス廃液流を、処理される水流にリサイクルすることを伴う水処理のプロセスおよびシステムを説明する。
【背景技術】
【0002】
廃水流および飲料水流などの水流から汚染物質を除去するさまざまな技法が既知である。しかし、これらの技法は、しばしば、使用するのに非経済的であり、および/または所望の有効性を欠いている。
【0003】
【特許文献1】米国特許第5843308号明細書
【特許文献2】米国特許第6426005号明細書
【特許文献3】米国特許仮出願第10/853472号明細書
【非特許文献1】RCRA 42 U.S.C. s/s 6901
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本願は、三次プロセス廃液流を、処理される水流にリサイクルすることを伴う水処理のプロセスおよびシステムを説明する。本明細書で使用される「水」、「廃水」、または「水流」は、処理されるすべての水を意味する。水は、必ずしも激しく汚染された水ではなく、リン、ヒ素、および/または他の汚染物質(有機、無機、生物学的、または放射線学的)などの微量の1つまたは複数の汚染物質だけを含んでもよい。
【0005】
一例において、三次プロセスには、処理される水を、金属塩反応剤および/またはその誘導体の存在下で移動床濾材濾過に通す反応性濾過(reactive filtration)プロセスが含まれる。水からの汚染物質は、金属塩残留物をも含む廃棄物廃液流に除去される。関連する金属塩残留物を伴う廃棄物の反応性濾過プロセスの上流の水流へのリサイクルにより、全体的なシステム汚染物質除去効率が高められる。言い換えると、リサイクルプロセスが開始された後の処理された水の汚染物質濃度は、リサイクルの前の汚染物質濃度より低くなる傾向がある。
【0006】
説明されるシステムおよび方法は、比較的高い動作の頑健性およびシステム安定性を提供しながら、使用および保守に関して比較的経済的である。たとえば、さまざまな実施態様は、リン、ヒ素、セレン、金属、および/または他の汚染物質を水または廃水から除去する経済的なプロセスを提供する。これらの態様のうちの少なくともいくつかは、所望の場合に、得られる流出水内の汚染物質濃度を非常に低いレベル(たとえば、数ppb(parts per billion)まで下げることができる。説明される概念は、新しい水処理システムで実施でき、あるいは、既存の水処理システムに便利に適用することができる。
【0007】
説明される実施形態の特徴および利点は、添付図面と共に次の説明を参照することによってよりたやすく理解することができる。
【0008】
添付図面は、本願の例示的実施形態を示す。
【0009】
さまざまな図面の類似する符号および指定は、可能な場合に必ず類似する要素を示すのに使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
代表的なシステム
図1〜3は、活性濾過(active filtration)などの三次処理システムを使用することによって水流を処理する代表的なプラントまたはシステムに関する。三次処理プロセスからの廃棄物の廃液流は、水流にリサイクルされて、効果的に汚染物質除去を高める。
【0011】
図1に、流入水20が予備および/または一次処理プロセス30を用いて処理される廃水処理プラント10を示す。次に、水は、流出水42を作る二次処理プロセス40に進む。水処理業界では、「二次処理」は、通常、一次処理の有無にかかわりなく、廃水処理プロセスの生物学的部分を指し、したがって、「二次浄化器」が、一連のプロセス内の最初の浄化器である場合がある。流出水42は、その後、さらなる処理のために三次および/または高度処理50に達する。説明される構成のうちのいくつかにおいて、下記で図8〜9に関してより詳細に説明するように、塩化第二鉄などの金属塩反応剤52が、三次または高度処理50中に添加される。
【0012】
三次および/または高度処理50は、流出水54を廃棄された排出物または廃棄物56から分離するのに役立つ。流出水54は、殺菌および/または排出プロセス60に移る。いくつかの実施態様で、廃棄物56は、このプラント処理のより前の点にリサイクルされる。この例では、廃棄物56は、この処理プラントの前側にリサイクルされる、すなわち、流入水20と組み合わされる。他の例では、廃棄物を、三次および/または高度処理50の上流の、該プラント内の中間点にリサイクルすることができる。廃棄物56には、汚染物質ならびに金属塩残留物62が含まれる可能性がある。金属塩残留物62およびリサイクルプロセスは、下記でより詳細に説明する。
【0013】
プラント10は、予備および/または一次処理プロセス30から廃棄材料70を除去してもよい。該プラントは、二次処理プロセス40からの汚泥を処理する汚泥処理施設80を有してもよい。汚泥処理施設80は、予備および/または一次処理30からの汚泥と三次および/または高度処理50からの汚泥とを処理してもよい。汚泥処理施設80からの固形物100を、濾液105から分離することができる。濾液105は、プラント10の前側に導いて戻すことができる。濾液105は、プラント10の前にリサイクルされる前に、金属塩残留物62を含む廃棄物56と組み合わせても組み合わせなくてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態において、予備および/または一次処理プロセス30は、任意のヘッドワーク(headwork)、またはスクリーニング、バーラック(bar rack)、コミニューター(comminutor)、沈砂除去、沈降タンク、浮上分離、および一次浄化などの単一のもしくは組み合わされた予備のもしくは一次の処理プロセスを含むか、予備処理または一次処理を含まない。本明細書で使用される「予備および/または一次処理」は、これらの同一の単一のまたは組み合わされたプロセスのすべてを含む。
【0015】
他の実施形態では、二次処理プロセス40は、好気性または嫌気性の浮遊増殖(suspended−growth)変形、好気性または嫌気性の付着増殖(attached−growth)変形、生物学的栄養塩除去変形、ラグーンシステム(lagoon system)、セプティックシステム(septic system)、物理化学システム、化学酸化、高度酸化(advanced oxidation)、膜濾過、または膜バイオリアクタを含む任意の形式の二次処理として現れてもよい。産業廃液流の処理などのいくつかの応用例において、二次処理または生物学的処理がなくてもよい。本明細書で使用される「二次処理」には、これらの同一の、単一または組み合わされたプロセスのすべてが含まれる。簡潔にするために、一次処理プロセス30および二次処理プロセス40の単一の構成だけを示す。しかし、当業者は、本明細書で提示される議論から、予備処理システム、一次処理システム、および/または二次処理システムのすべての組合せをさまざまな実施形態で利用できることを認めるに違いない。
【0016】
三次および/または高度処理プロセス50からの廃棄物56には、事前に加水分解された金属塩の形とすることができる金属塩残留物62が含まれる。本明細書で使用される「事前に加水分解された金属塩」は、三次および/または高度水処理方法によって生成された、あるいは金属塩反応剤52もしくは他の金属源を流入水以外の水源と混合することによって作製された、任意の金属塩残留物または廃棄物材料を意味する。流入水20の中へなど、プラント10においてより早い点へ金属塩残留物62を含む廃棄物56の一部またはすべてをリサイクルすることは、プラントの汚染物質除去効率のかなりの向上につながる可能性がある。たとえば、流出水54(および/または流出水42)内の汚染物質の濃度を、金属塩残留物リサイクルプロセスの開始の後に減らすことができる。いくつかの例で、金属塩残留物リサイクルと流出液54内の最小汚染物質濃度との間のラグタイムが経験される場合がある。このラグタイムは、固形物保持に関連すると思われる。いくつかの例で、このラグタイムは、非常に短い(すなわち、1日未満)可能性があるが、他の例では、数日から数週間のラグタイムが、金属塩残留物62のリサイクルの開始後、最小汚染物質濃度が流出水54内で実現される前に経験される可能性がある。要約すると、ラグタイム(存在するならば)がいったん満了すると、平均汚染物質濃度は、リサイクルプロセスの前より低くなる傾向がある。
【0017】
図2に示された実施形態などの、他の実施形態では、二次処理プロセスに活性汚泥プロセスが含まれる。活性汚泥プロセスには、二次処理40および二次浄化器202が含まれる。二次浄化器202からの返送活性汚泥(return activated sludge、RAS)204が、二次処理プロセス40の前方にリサイクルされる。汚泥の廃棄活性汚泥(waste activated sludge、WAS)206部分は、汚泥処理システム80に送られる。金属塩残留物62を含む廃棄物56を、予備および/または一次処理プロセス30の前または後で、ならびにRAS 204がプロセスウォーターにリサイクルされる点の前または後の点にリサイクルすることができる。金属塩残留物62を含む廃棄物56を、RAS 204、汚泥処理プロセス80からの濾液105などの他の水、または主プロセス流れに戻される前の他の流れの組合せのいずれかと組み合わせることもできる。
【0018】
いくつかの実施形態では、三次および/または高度処理50は、反応性濾過として現れ、その例を、下記で図8〜9に関してより詳細に説明する。三次および/または高度処理50は、反応性濾過、他の砂濾過に基づく技術、砂以外の濾材を使用する濾過技術、上向流浄化(upflow clarification)、高速浄化(high−rate clarification)、膜濾過、限外濾過、イオン交換、吸着、またはオゾン処理などの高度酸化プロセスを含む任意の、単一のまたは組み合わされた三次および/または高度処理技術として現れることができる。他の実施形態では、三次および/または高度処理50を、特許文献1または特許文献2に開示されたプロセスのように実施することができる。本明細書で使用される「三次および/または高度処理」には、これらの同一である単一または組み合わされた任意のプロセスが含まれる。
【0019】
事前に加水分解された金属塩反応剤などの金属塩反応剤52は、とりわけ、鉄、アルミニウム、マンガン、亜鉛、銅、マグネシウム、およびカルシウムを含むさまざまな金属、金属塩、金属間化合物、またはその組合せから作製してもよい。この反応剤の出発原料は、通常の水処理反応剤として商業的に得られる適切な純物質、別のプロセスからの廃棄物質もしくは副生成物質、または中間処理ありもしくは中間処理なしで採掘されまたは抽出された鉱物から得られる天然物質とすることができる。得られる溶液または残留物は、pH調整を必要としてもしなくてもよい。反応剤溶液は、連続流、半連続流、回分流、または有利とすることができる他の追加の方法で適用することができる。機械的混合を事前に加水分解された反応剤溶液に適用して、溶液のコンシステンシーを維持することができる。あるいは、金属イオンを、金属電極へ電流をかけることを伴う電解プロセスによって、または金属を含む材料もしくは廃棄生成物と酸もしくは酵素などの反応性反応剤との化学反応によって作り出してもよい。金属溶液は、ゼロ価鉄などの金属と水との自発反応から作成してもよい。通常、塩または化合物としての鉄が、さまざまな汚染物質との証明された反応性および水処理での現在の幅広い使用のため、金属反応剤として使用される。鉄還元菌(IRB)との酸化鉄の好ましい相互作用は、もう1つの潜在的な利点である。重要な汚染物質のいくつかは、著しい直接の鉄化合物反応性を有する。たとえば、塩化第二鉄は、リンまたはヒ素がターゲット汚染物質である場合に一般的に利用される反応剤である。ヒ素などのある種の汚染物質は、濃縮された有害廃棄物の放出に関連するプロセスの乱れ(process upset)から生じる潜在的な毒性の故に、水処理プロセスの中へリサイクルして戻すことがあまり望ましくないであろうことが認められている。他の事例では、金属塩残留物62を含む廃棄物56を、三次および/または高度処理50中に作製し、廃水処理プラント内でより前の点にリサイクルすることができる。
【0020】
図3に示された実施形態などのいくつかの実施形態では、リサイクル可能な金属塩残留物を作り、かつ/または水42から汚染物質を除去するように機能する別個の高度および/または三次処理プロセス50で、金属塩反応剤を作製することもできる。高度および/または三次処理プロセス50は、金属塩反応剤を、水処理プラント内のより後方または異なる水源からリサイクルされた濾液など、流入水以外の水(具体的には指定せず)と混合することになどにより、事前に加水分解された金属塩反応剤を作ることができる。この反応剤流れに対して、pH調整、大気酸素への曝露、汚水槽でのエージング、および/または他の化学処理もしくは物理処理が有効であろう。
【0021】
金属塩残留物を生成するための金属の入手可能性または残留物もしくはその溶液の安定性は、沈澱、共沈、溶液の酸化還元電位もしくはpHの変更、凝固剤もしくは凝固助剤の添加、または金属反応剤もしくは金属を含む媒体の組合せの使用を含む、金属または溶液の化学反応によって改善することができる。金属−反応剤溶液は、希釈しても濃縮してもよく、他の金属を含む固形物または金属を含まない固形物を添加して、所望の反応を向上させてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態において、塩化第二鉄などの金属塩反応剤52は、三次および/または高度処理50に添加されて、このプロセス中に水を処理し、金属塩残留物62を生成する。他の実施形態では、別の金属源が、このプロセスに添加されるか、このプロセス内で保持される。そのような例の1つにおいて、三次および/または高度処理の媒体は、ゼロ価金属、針鉄鉱、磁鉄鉱、酸化鉄、非晶質酸化鉄、粒状水酸化第二鉄、粒状酸化第二鉄、酸化鉄コーティングされた砂などの材料、または電気的に生成された鉄もしくは他の金属溶液という形のうちの、1つまたは複数の形の金属を含む。他の実施形態では、流入水20の鉄または他の金属含量が、金属塩残留物62を生成するのに使用される。
【0023】
いくつかの事例において、すべてではないが、予備処理および/または二次処理、30および40それぞれから生じる流出水を、三次および/または高度処理を利用して処理してもよい。そのような1つの実施形態を、図3に示すが、図3では、廃水処理プラント10は、二次処理40からの流出液の一部304だけを三次および/または高度処理50に送ることができる。この構成は、所望の総プラント流出液汚染物質濃度を達成するのに二次流出液流れ(42)全体を処理する必要がない情況で特に有用である。この事例では、二次処理40からの流出液の他の部分306は、三次および/または高度処理50を迂回し、殺菌および/または排出60に直接に進む。三次および/または高度処理50からの流出液54は、殺菌および/または排出60に直接に進むことができ、あるいは、二次処理40からの流出液もしくは汚泥処理プロセス80からの濾液105と組み合わされることができる。
【0024】
他の実施形態では、必要な排出液汚染物質濃度を達成するために、廃棄物流れ56のすべてを、処理プラント内のより前方の点にリサイクルする必要がない場合がある。そのような場合には、金属塩残留物62の一部だけをリサイクルする必要がある場合があり、他の部分を汚泥処理プロセス80に送ってもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、金属塩残留物のリサイクルは、さまざまな他の技法と共に使用することができる。たとえば、いくつかのそのような実施形態で、ポリマーなどの凝固剤または凝固助剤を、処理プラント内の任意のプロセスに添加してもよい。他の実施形態では、窒素濃度を低下させることを、本願のプロセスと同時に水処理プラント内で達成することができる。たとえば、脱窒を、リサイクル用の金属塩残留物の生成と同時に、三次および/または高度処理で達成することができる。
【0026】
他の実施形態では、殺菌プロセスを、三次および/または高度処理プロセスの前、その間、またはその後に適用することができる。これらの殺菌プロセスは、塩素処理、紫外線(UV)処理、オゾン処理、または他の殺菌プロセスもしくは高度酸化プロセスを含んでもよい。また、殺菌プロセスがない場合もある。三次および/または高度処理プロセス50から廃水処理の初期段階にリサイクルされる残留廃液流の追加の酸化容量により、廃水処理に使用される化学プロセスおよび微生物プロセスが援助されうる。
【0027】
他の実施形態において、汚泥処理システム80は、好気性消化もしくは嫌気性消化、フィルタプレス、ベルトフィルタプレス、遠心分離、乾燥床、ラグーン、ブレンディング、バルキング、堆肥化(composting)、粉砕、焼却、スクリーニング、安定化、シックニング、浮上分離、重力、回転ドラム、化学薬品添加、凍結融解、熱処理、予熱、または殺菌など、汚泥消化プロセス、汚泥調整プロセス、および/または汚泥脱水プロセスの任意の組合せを含めることができる。汚泥処理システムを、順番に並べられたバッチ反応器、セプティックシステム、およびラグーンにおけるような二次処理プロセスと、任意の方法で組み合わせることもできる。
【0028】
図4に示された水処理プロセス400などの本願のいくつかの実施形態では、事前に加水分解された金属塩402が、流入水404に添加される。事前に加水分解された金属塩によって処理された水は、水処理プロセス406に入れられる。水処理プロセス406は、予備、一次、二次、三次、または高度水処理プロセスまたは廃水処理プロセスのうちの単一のプロセスまたは任意の組合せとして現れることができる。水処理プロセス406は、地方自治体の廃水処理システムなどの集中廃水処理システム、あるいは、産業廃水処理システム、パッケージプラント廃水処理システム、および/またはセプティックシステムなどの分散廃水処理システムのいずれかを含めることができる。流入水404より低い濃度のリンなどのターゲット汚染物質を有する流出液流408が、作りだされる。
【0029】
1つの代表的な実施形態では、廃水処理プラント500は、図5に示されているように構成され、リンを除去するために運転された。図示された廃水処理プラント500からのテスト結果を、図6〜7に関連して説明する。この運転のプロセス条件は、下記で説明する。図5〜7は、下記で集合的に述べる。
【0030】
図5を参照すると、廃水処理プラント500への流入廃水502の流量は、平均約100万ガロン毎日(1 million gallons per day(MGD))であった。この実験中に、流入廃水502内の全リン濃度は、およそ4.6〜5.5mg/L Pの間で変動した。本明細書で使用される「mg/L P」は、総溶液またはスラリの1リットルあたりのミリグラム単位の全リンを意味する(類似する濃度の定義が、他の汚染物質または反応剤に適用される)。流入廃水502は、本質的にスクリーニングからなるプラントヘッドワーク504に引き込まれる。ヘッドワーク504の後に、廃水は、2つの酸化溝506の間でわけられる。酸化溝506の総容量は、約100万ガロンであり、結果として約1日の水理学的滞留時間(hydraulic detention time)となった。酸化溝506からの水は、2つの二次浄化器508を通過した。二次浄化器508を出る流出液流510も、約1MGDであった。二次浄化器508の底部からの汚泥は、返送活性汚泥(RAS)512および廃棄活性汚泥(WAS)514としてとられた。RAS 512は、酸化溝506の前の点にリサイクルされた。WAS 514は、好気性消化装置516に送られ、その後、脱水のためにベルトフィルタプレス518に送られた。
【0031】
二次浄化器508からの流出水510の第1部分520は、第1三次反応性濾過プロセス522まで導かれた。この例では、第1部分520は、約0.25MGDまたは約175ガロン毎分(gpm)であった。下記により詳細に説明するように、三次処理522に入る水の第1部分520の全リン濃度が、図6にプロットされている。第1三次処理522からの流出液524は、第2三次反応性濾過プロセス526に導かれた。第1反応性濾過処理522からの廃棄物流528および第2反応性濾過処理526からの廃棄物流530は、組み合わされて廃棄物532を形成し、廃棄物532は、フィルタプレス518からの濾液534に添加された。組み合わされた廃棄物流およびフィルタプレスからの濾液は、次に、プラントヘッドワーク504の後で酸化溝506の前の点にリサイクルされた。組み合わされた廃棄物532および534は、RAS 512流れが添加されたのと本質的に同一の場所で添加された。
【0032】
第1三次処理522および第2三次処理526は、50ft2の濾過面積および60インチの床深さを有する上向流連続逆洗(continuous−backwash)移動床砂濾過を使用した。両濾過の媒体は、シリカを含む砂であり、砂粒子は、0.9mmの有効直径および1.5の均等係数を有した。第1三次処理522プロセス条件には、約0.25MGDまたは約175gpm)の流入流量と、約180標準立方フィート毎時(scfh)の圧縮空気流と、約15mg/L Feの化学的線量率(chemical dose rate)が含まれた。使用された化学反応剤には、塩化第二鉄が含まれた。第1三次処理522プロセスからの廃棄物流528の流量は、約15gpmであった。したがって、第1三次処理522から得られる三次流出液524は、約160gpmであった。第2三次処理526プロセス条件には、約160gpmの流入流量と、約140scfhの圧縮空気流と、約10mg/L Feの化学的線量率が含まれた。使用された化学反応剤には、塩化第二鉄が含まれた。第2三次処理526からの廃棄物流530の流量は、約15gpmであった。したがって、第2三次処理526からの結果の三次流出液536は、約145gpmであった。三次処理プロセス522および526の両方からの組み合わされた廃棄物流532は、約30gpmであった。
【0033】
図6に、全リンレベル対プラント運転日のプロット600を示す。流入水520の全リン(TP)レベルが、全般的に602に示されているように個々の日について示されているが、プロット600が示されるページの物理的制約に起因して、すべての日が具体的に指定されてはいない。同様に、流出水524の全リンレベルが、全般的に604に示されているが、すべての日が具体的に指定されてはいない。最後に、流出水536の全リンレベルが、全般的に606に示されているが、すべての日が具体的に指定されてはいない。
【0034】
二次処理(506および508)プロセスでの汚泥滞留時間は、約21〜26日であった。廃棄物532に含まれる金属塩残留物538の添加を含む、このプロセス全体が定常状態に達する時間は、汚泥齢の倍数とすることができ、少なくとも約26日とすることができる。二次流出液510(すなわち、流入液520)の全リン濃度の劇的な低下が、全般的に608として示され、実験の約43日で安定し始めると思われる。したがって、図6に示された結果は、過渡条件を表すと思われる(すなわち、このシステムは、このグラフに示された最後の2〜3日で定常状態に達している可能性がある)。
【0035】
この事例では、流入水520の全リン602は、0.22mg/L Pから4.68mg/L Pまでの範囲にわたった。三次流出液524の全リン604は、0.024mg/L Pから0.52mg/L Pまでの範囲にわたった。三次流出液536の全リン606は、0.002mg/L Pから0.029mg/L Pまでの範囲にわたった。流入水520と同様に、三次処理流出液(604および606)の両方が、全リンの濃度の低下を示した。
【0036】
図6の低リン濃度範囲610のより多くの詳細を示すために、図7に、プロット600に対してy軸で狭められたスケールを有するプロット700を示す。また、図7では、x軸は、このシステムの運転の最後の12日すなわち37日目から48日目のデータだけを示すように調整されている。図7からわかるように、流入水520のリン濃度602は、48日目まで低下しつつあり、これは、このシステムがまだ定常状態でなかったことを暗示する。三次流出水524および三次流出水536のそれぞれのリン濃度604および606は、運転の最初の36日と比較して、最後の12日間において、より少ない変動性を示した。図7を参照すると、この実験の最後の12日間に、第1三次プロセスへの流入液520の全リン(TP)濃度602は、0.22mg/L Pから0.80mg/L Pまでの範囲にわたり、0.50mg/L Pの平均濃度であった。同一期間に、三次流出液524の全リン濃度604は、0.024mg/L Pから0.076mg/L Pまでの範囲にわたり、平均値は0.053mg/L Pであった。さらに、同一期間に、三次流出液536の全リン濃度606は、0.002mg/L Pから0.014mg/L Pまでの範囲にわたり、平均値は0.008mg/L Pであった。
【0037】
この実施形態では、第1三次プロセスへの流入液520の全鉄濃度は、鉄が三次処理中に導入された点の前には0.06mg/L Feから0.28mg/L Feまでの範囲であった。三次流出液の金属塩残留物538のリサイクルにより、ヘッドワーク504に入れられる前の廃水に約5mg/L Feが追加されていたが、この実験期間にわたり、流入液520の鉄濃度の大きい増加はなかった。リサイクルされた三次金属塩残留物538からの余剰鉄分は、二次浄化器508での沈下によって廃水プロセス流れから除去されたと考えられる。三次流出液536の全鉄濃度は、0.13mg/L Feから0.89mg/L Feまでの範囲であった。三次流出液536の全鉄濃度は、この実験のより後ではより低く、この実験の最後の10日間には、鉄濃度は、0.13mg/L Feから0.36mg/L Feまでの範囲であり、0.22mg/L Feの平均値であった。
【0038】
さらなるデータは、総懸濁固形物(TSS)が、二次浄化器508の流出液510で少なくとも約5〜6mg/Lから約2〜3mg/Lに低下したことを示す。生物学的酸素要求量(BOD)は、二次浄化器508の流出液510で少なくとも約8mg/Lから約6mg/Lに低下した。
【0039】
これらの実験結果は、非常に低い全リン濃度が二次浄化器508からの流出液で達成されたことを示す。これらのレベルは、特にリサイクルされる廃棄物532が提供する比較的低い鉄量での、廃水処理プラントへの化学薬品添加について予測されるレベルより低かった。また、リンレベルは、特にリンを蓄積する有機体の選択に必要と通常は考えられる無酸素水域(anoxic basin)なしでの、生物学的リン除去について通常予測されるレベルより低かった。TSS濃度およびBOD濃度も、このプロセスによって低下した。この実験では、汚泥処理システムは、本願のプロセスの追加に対処するようには調整されず、既存の汚泥処理機器(515および516)は、新しいプロセス構成を処理することができ、汚泥ハンドリングは、実際に改善された。
【0040】
代表的な反応性濾過
図8〜9に、図1〜3および5に関して説明したものなどの代表的な三次および/または高度処理プロセスで使用できる反応性濾過処理システムの具体例を示す。
【0041】
図8に、上記の反応性濾過の概念など、本発明の概念の実施形態を実施するのに使用できる移動床粒子放射状反応性濾過システム810を示す。図8を参照すると、廃水は、入口管814を介して、垂直に向けられた円筒形の処理容器812に流れる。容器812には、濾過室816、ステム818、および膨張重力沈下室820が含まれる。濾過室816には、砂床822、酸化鉄コーティングされた砂、砂および鉄の細粒などの化合物を含むさまざまな鉄でコーティングされた砂、または別の適切な濾材が含まれる。入口管814は、下に濾過室816へと延びる。廃水は、入口管814の穴のあいた下側部分824に沿って砂822内に排出される。処理された水は、濾過室816から穴のあいた外周部826を介してスリーブ828に流れ、引出管830を介して容器812から取り出される。入口管814の下側部分824と濾過室816の外周部826との穴あけは、砂がこれらの穴あけを通過するのを防ぐために、必要に応じて網がつけられる。
【0042】
容器812の比較的狭いステム818は、濾過室816を膨張室820に接続する。汚泥除去ポート832は、膨張室820の最下部の近くに配置される。再循環管834は、濾過室816の最下部から膨張室820の最上部まで延びる。空気圧縮機836が、濾過室816の最下部で再循環管834に空気をポンピングすることにより、空気、水、砂、および濾過された粒子は容器812を通る反時計回りの動きを引き起こされる。フラッパ弁などの逆流防止器838は、再循環管834内の物質が圧縮機836に逆流するのを防ぐ。再循環管834上の流量制御弁839、サンプリングチューブ840、サンプリング弁842、および掃除口(clean−out)843、ならびにステム818内のサイトグラス844は、必要または望ましい場合に設けることができる。
【0043】
運転中に、入口管814を介して濾過室816にポンピングされた廃水は、半径方向に砂822を介してスリーブ828に入り、処理済みの水として引出管830に流れ出る。砂822は、重力の影響の下で、容器812を通って一般に継続的に下に移動する。使用済みの砂および水の曝気された混合物が、濾過室816の最下部から上へ、膨張室820へ、再循環管834を介して、廃水から除去された汚染物質と一緒に流れる。空気は、このシステムの加圧を防ぐために膨張室820の最上部から大気に排出される。砂822内の水の圧力ヘッドは、処理済みの水の一部が濾過室816から上にステム818を介して膨張室820に流れて、膨張室820に戻る使用済み砂粒子から汚染物を洗い落とすように保たれる。この洗浄水は、現在は、砂より密でない傾向がある高濃度の汚染物質を担持しながら、室820から除去され、汚泥除去ポート832を介して流れ出る。1つの運転で、濾過用の砂床の最上部は、濾過室816の高さの3/4である。膨張室820および狭いステム818には、まず砂822の最下部に移動され、管834を介して膨張室820内にある水に循環される濾過された粒子を含む希釈された砂および水の混合物が含まれる。1つの事例において、入口管814と、出口830および832と、再循環管834とでの水の流れを、汚染物質を担持する入口水のうちの5〜10%の割合が、汚泥除去ポート832を介して排出されるように、釣り合わせることが出来る。
【0044】
いくつかの実施形態において、図8のシステムを使用して、廃水の入ってくる流れから汚染物質を濾過するプロセスを実施すると同時に、酸化鉄がコーティングされた砂床および/または他の鉄を含む化合物がコーティングされた砂床を継続的に再生成することができる。このプロセスは、濾過によっておよび/または吸着によってなど、汚染物質を除去する反応性濾材を作成し、利用する。反応性濾材は、吸着などの化学プロセスを介して廃水から汚染物質を除去する付加的能力を有する任意の濾材である。たとえば、酸化鉄がコーティングされた砂床は、反応性濾材であり、水から汚染物質をスクリーニングし、砂の細粒の反応性表面が、水から汚染物質を吸着する。一実施形態において、砂床822の10〜30体積パーセントの比率の鉄金属細粒は、腐食性の鉄金属の固相反応性表面ならびに、濾床内の砂と反応して反応性酸化鉄コーティングされた砂および/または他の鉄を含む化合物を作成し、汚染物質と相互作用する、Fe(II)の塩およびFe(III)の塩などの溶解した鉄の源を提供する。鉄金属および砂の混合物を有する水溶液の還元性が強い性質は、汚染された水に溶解した有機溶剤の還元分解などの化学反応に有用である可能性がある。標準水素電極に対して−200mV未満の還元電位を、30%鉄:砂混合物について観察することができる。
【0045】
いくつかの実施形態において、濾材上に反応性表面を作成することができる反応剤は、ターゲット汚染物質に関して5:1から200:1などのモル比で廃水の入ってくる流れに添加される。可溶性のマンガン、アルミニウム、または亜鉛および銅などの他の金属により、適切な反応剤がもたらされることが期待される一方、鉄は、一般に、さまざまな汚染物質との証明された反応性および水処理での現在の幅広い使用に起因して、反応剤として使用される。たとえば、塩化第二鉄は、リンまたはヒ素がターゲット汚染物質である時の代表的な反応剤である。処理のターゲットにされるどの特定の水にも、添加される活性反応剤の代替反応経路および競合する反応経路がある可能性がある。これらの経路は、廃水内の特定の水の化学的性質の結果である。たとえば、高濃度の溶解したカルボナートまたはホスフェートを有する廃水は、ヒ素などのターゲット汚染物質と競争して、添加された鉄塩と反応することがある。フィールドスタディでの水ヒ素に対するFe(III)のモル比は、100:1を超えていた。これらの調査では、パイロットスケール運転で毎分10ガロンの速度で処理し、飲用の源水でのヒ素の入口濃度は、約40ppbから5ppbに減らされた。しかし、他の水タイプは、より少ない代替競合反応経路を有してもよい。いくつかの実施態様をフィールドテストして、特定の処理環境に関する最適モル比を判定し、酸化鉄によってコーティングされた砂を形成するのに十分に過剰な反応剤が反応性砂表面に供給されることを保証することができる。さらに別の実施態様では、金属塩反応剤および/またはその誘導体によって砂をコーティングするのに十分な量に基づいて金属塩反応剤を投与してもよく、あるいは、総懸濁固形物対全溶解固形物比(TSS/TDS)と一致するように投与してもよい。最適に近い反応剤投与率を計算することにより、さらに、得られる流出液内に大量の過剰反応剤を有することから起因する反応剤コストおよびプロセスコストを減らすことができる。
【0046】
溶解したリンおよび懸濁したリンの除去において、フィールドスタディにより、大流量低濃度除去の成功は、このプロセスにおいては5:1から40:1までの鉄対リンモル比で発生することが実証された。実際の反応剤投与を、完全に近い溶液反応およびすべての競合反応経路の飽和を保証し、溶液内の残留鉄が砂床と反応することを可能にするように最適化することが有利である可能性がある。リンで汚染された試験廃水のいくつかで、条件の正しいバランスの最適化によって、8:1の鉄対リンの比が生じる。金属塩反応剤、この例では塩化第二鉄は、砂の表面と反応して、他の化合物の中でも、酸化鉄でコーティングされた砂(IOCS)および/または水和した鉄でコーティングされた砂(hydrous ferric coated sand)を形成する。IOCSは、水が運ぶリンおよびヒ素などの汚染物質に対する固定相除去経路を提供する。廃水内の汚染物質は、高効率の収着除去およびイオン交換除去に対して「固定」(ゆっくり移動する)IOCS床上の「移動」相として曝露される。移動する砂の物理的作用により、砂細粒の表面は摩滅され、追加の鉄塩および水汚染物質の反応の活性点が再生成される。したがって、汚染物質と結合するための再生成された反応部位は、流れる水に継続的に提示される。摩滅された砂−鉄−汚染物質固形物は、砂床のスクリーン濾過作用によって除去される。処理された水は、汚染物質が実質的に除去され、排出、リサイクル、または処理後措置の準備ができた状態で砂濾床から出る。
【0047】
収着は、溶液から鉱物への不飽和溶質の除去である。被収着質は、溶液から除去される種であり、吸収剤は、溶液種がそれに収着される固形物である。3タイプの収着すなわち、溶質が水和された種として鉱物表面に保持される吸着、溶質が鉱物構造の表面に組み込まれる吸収、およびイオンが吸収剤に以前にあった同極性に帯電したイオンと場所を交換することによって、表面に吸着されるイオン交換がある。砂内のシリケートなどの鉱物表面は、固定されたまたは獲得された表面電荷を有し、この表面電荷は、pHなどの水の化学的性質と、砂の表面電荷と複合し得る鉄塩などの溶解した溶質とによって変更され得る。鉱物の特性である固定された表面電荷および水の特性であるpHの結果として、鉱物表面は、正味プロトン荷電ゼロ点(point of zero net proton charge、PZNPC)を持つようになる。PZNPCは、正味表面電荷が0になるpHである。PZNPCより低いpHでは、正味表面電荷は正であり、PZNPCより高いpHでは、正味表面電荷は負になる。これらの表面電荷は、溶液からそれぞれ反対に帯電した陰イオンまたは陽イオンを引き付けることを可能にする。正に帯電したFe(III)などのより大量の溶解した構成物質を、砂内のシリケートなどの負に帯電した表面に、その表面が全体的に正に帯電し、したがってホスフェートおよびアルセナートなどの陰イオンを引き付けるようになる程度まで引き付けることができる。シリカすなわちSiO2は、2という低いPZNPCを有し、鉄オキシ水酸化物すなわちα−FeOOHは、7.8というPZNPCを有し、水酸化鉄すなわちFe(OH)3は、8.5というPZNPCを有する。砂表面に形成される酸化鉄の量を増やすことによって、砂粒のPZNPCを正味表面電荷が正になるように増加させることができ、これによって約6〜8というより高いpHレベルでホスフェートおよびアルセナートなどの陰イオンを引き付けるようになることができる。飲料水および廃水を含むほとんどの環境水は、これらの中性周辺(circum−neutral)pHレベルで存在する。したがって、砂への酸化鉄の選択的添加により、有用な吸着剤が作成される。
【0048】
図8に示されたシステムなどの移動砂床システムでは、現在は濾過可能な固形廃棄物の形の濃縮された汚染物が、汚泥除去ポート832を介して、膨張室818での継続的な水洗によってこのシステムから除去される。この継続的な水洗および廃棄物除去のプロセスは、飲料水内のヒ素などの危険性物質の場合に特に重要である。上記で図1〜3に関して述べたように、水洗/廃水流出物(すなわち、図1〜3の廃棄物56)は、通常は入ってくる水の5〜10%であるが、リサイクルし、沈下または浄化による懸濁固形物の分離に続くプロセスに送ることができる。粒子濾液が砂上および砂中に留まる固定床システムでは、砂床は、濃縮された汚染物質廃棄物を除去するために、周期的に洗い流されるか交換される。
【0049】
いくつかのシナリオにおいて、図8のシステムを使用して、廃水を処理するための酸化プロセスの実施形態を実施することができる。オゾンガス(O3)を、水が砂822を通過する前にオゾン注入口846で廃水と混合することができる。水へのオゾン可溶性は限られているので、砂822上の鉱物表面が、通過するオゾンを含む廃水からオゾンを吸収する。本文書で使用される時に、「オゾン化」水は、水とオゾンのすべての混合物または他の組合せを意味する。砂822の表面でのオゾンの吸着は、水に含まれる酸化可能な物質との反応を強化する。二重結合炭素を攻撃するオゾンなど、どの酸化剤も、好ましい化学反応性を有するので、複数の酸化経路を導入または作ることによって、酸化しうる汚染物質に使用可能な破壊的経路を強化することが望ましい。通常の砂の中のシリカは、可逆オゾン収着部位兼活性表面として働く。酸化鉄または酸化マンガンなどの砂の中のまたは砂に吸収された鉱物酸化物は、オゾンを反応性ヒドロペルオキシドに変換する触媒として働く。水が砂822を通過する時に、吸着されたオゾン、ヒドロペルオキシド、ならびに他の酸化性の副産物およびヒドロペルオキシドとの表面反応が、溶解したオゾンの反応性溶液の化学的性質を高める。これは、溶解した化学化合物を酸化する表面反応、微生物の細胞壁および細胞構成物質への酸化性攻撃による強められた殺菌、および固体表面貯留による全酸化剤処理量(total oxidant loading)の保全を可能にする。
【0050】
このプロセスの実施形態は、濾過および酸化によって汚染物質を除去する、再生可能な触媒作用の酸化性濾材を作成し、利用することができる。汚染物質の最大の酸化は、移動する砂822の微粒子除去濾過特性と組み合わされる。廃棄物(ポート832)内、処理済みの水(ポート830)内、および再循環水(管834)内のオゾンレベルを監視して、入ってくる廃水に導入されるオゾンの量を最適化するのを助けることができる。オゾンは、たとえば、接触器、ディフューザ、または望ましくない気泡が砂濾過床に入らないようにするために排出されるか真空ポンピングされるヘッドスペースを伴うベンチュリ効果ミキサなど、任意の適切な気体液体混合技法を使用して廃水と混合される。
【0051】
移動床に砂または他の適切な濾材を配置することにより、オゾン吸着部位ならびに触媒表面および活性表面を継続的に再生することが補佐される。移動は、たとえば、流体の流れを使用して床を流動化するか移動することによって、オーガーまたは攪拌棒などの機械的作用によって、超音波の印加などの音響作用によって、または圧縮空気を使用する物理的搬送によって達成することができる。
【0052】
音響キャビテーション用の超音波エネルギーまたは圧力ジェットまたは流体力学的キャビテーション用のディフューザを、オゾンを含む水へ適用することは、超酸化物、ヒドロキシラジカル、および過酸化物を含む高エネルギーの反応性酸化剤を形成するために、いくつかの応用例で望ましい場合がある。溶解した有機物およびリンなどの反応性汚染物質の除去を援助するための必要に応じてまたはそれに望ましいように、濾材に反応性表面を作製することができる反応剤を、廃水の入ってくる流れに添加することができる。可溶性のマンガン、アルミニウム、または亜鉛および銅などの他の金属により、適切な反応剤がもたらされることが期待される一方、鉄は、一般に、さまざまな汚染物質との証明された反応性および水処理での現在の幅広い使用に起因して、反応剤として使用される。たとえば、塩化第二鉄は、リンまたはヒ素がターゲット汚染物質である時の適切な反応剤である。塩化第二鉄の添加の後の廃水内の懸濁鉄オキシ水酸化物粒子も、オゾンからのヒドロペルオキシド形成用の触媒表面になる。塩化第二鉄または他の完全に酸化された金属塩の添加は、オゾンの直接消費またはオゾンに関する競合に対して影響が最小限であろうと期待される。
【0053】
図9に、移動床反応性濾過システム900を示し、図1〜3および5の説明と一貫する反応性濾過機構のもう1つの例を提供する。図9を参照すると、濾過システム900には、予備反応器(pre−reactor)システム920と反応性濾過システム940の両方が含まれる。廃水は、入口管980および流量制御弁1000を介して予備反応器920の蛇行パイピング960にポンピングされる。金属塩反応剤または他の適切な反応剤(例は上記および下記で説明される)が、入口管980のすぐ下流の反応剤注入口1020を介して蛇行パイピング960に導入される。いくつかの例では、蛇行パイピング960は、入口管980と比較してパイピング960を通る流れを遅くするために、入口管980より実質的に大きい。より遅い流れは、反応剤が廃水と混ざり、廃水内の汚染物質と反応するのに利用できる時間を増やす。廃水の流れは、より小さい入口管980からより大きい蛇行パイピング960への遷移の近くでより乱流的である。この乱流に反応剤を導入することも、混合を助ける。
【0054】
廃水/反応剤混合物は、蛇行パイピング960の直線部分1040およびゆるやかな曲がり部1060を通って流れる。廃水/反応剤混合物は、蛇行パイピング960から、この混合物を反応性濾過システム940に導く引出管1080に出る。割り当てられた反応時間に関して規定された投与は、(1)さらなる反応を制限する平衡過程および拡散律速過程(diffusion limited process)とは対照的に、予備反応器システム920内の金属塩反応剤と溶解した汚染物質との間の共沈反応および凝集反応がほぼ希薄濃度に達するまで進むことを可能にし、(2)天然水との競合する反応経路を反応剤によって飽和させ、かつ(3)反応性濾過システム940内の濾材を活性化するのに十分な過剰反応剤をこの混合物に残す、のに十分な量および濃度で金属塩反応剤を導入する。過剰な金属塩反応剤の量は、流入する溶液の反応容量(reactive capacity)と、汚染物質との直接表面吸着反応または鉱化作用反応に使用可能とすることのできる酸化鉄コーティングされた砂を継続的に形成するための砂濾過床への過剰な金属塩反応剤供給の要望とによって決定される。
【0055】
蛇行パイピング960を通る比較的遅い流れは、析出物のよりよい凝結を可能にする。直線部分1040は、より少ない乱流のため凝結を強めることが可能となる。周期的なゆるやかな曲がり部1060により、さらなる乱流が導入され、維持され、流れる溶液を周期的に混ぜるための流れ渦が導入される。1つの事例では、蛇行する混合配置により、2〜8分間の流速の減少を可能にし、十分な反応予備時間が可能にされる。この配置の設計は、予備反応器組み立て品内での沈澱固形物の析出を防ぐのに十分な流れの維持を考慮することを必要とする。ほとんどの応用例の蛇行パイピング960の実際の長さおよび直径は、必要な反応時間(通常は1〜5分)の最適化、所望の流量、配備の場所で使用可能な空間、および処理水内の競合する反応の存在について生じる。
【0056】
リンは、水および廃水内に、溶解したオルトホスフェート、ポリホスフェート、および複合有機リン化合物として存在する。地方自治体廃水処理プラントの二次流出液または三次流出液などの通常のリンを含む廃水には、主にオルトホスフェート(PO43-)およびポリホスフェートとしておよび粒子としての溶解した部分またはリンを含む固形物の懸濁した部分がある。微量のヒ素が、時々、飲料水のいくつかの源で、および一部の廃水ではより高い濃度で見つかる。ヒ素は、還元されたアルセナイト、As(III)の形、または酸化されたアルセナート、As(V)の形で天然水に現れる可能性がある。アルセナートは、鉄塩およびアルミニウム塩と反応して、不溶性化合物を形成する。アルセナイト汚染を有する水は、反応性金属塩とのさらなる反応を可能にするために、塩素などの酸化剤を用いて処理することができる。塩化第二鉄または硫酸第二鉄が、一般に、水からリンおよびヒ素を除去する金属塩反応剤として使用されるが、他の塩および第1鉄化合物を使用することができる。これらの金属塩は、物理的手段(凝固、凝集)または直接もしくは間接の化学反応のいずれかによって、溶液内の他の汚染物質と反応することができる。
【0057】
リンに関して、塩化第二鉄を、廃水内のリンに対して5:1から40:1までのモル比で添加することができる。予備反応器システムにより、砂床反応性濾過システムでの濾過に適用できる、FePO4、藍鉄鉱、および腐植質フルボ有機リン(humic−fulvic organic phosphorus)固形物などの金属ホスフェートを形成するための予備反応が可能になる。藍鉄鉱は、鉄陽イオンおよびリン酸エステルの溶液内でたやすく形成される、非常に熱力学的に安定した化合物である。過剰な鉄塩反応剤は、未反応で砂床まで通過し、この砂床で、砂の表面に結合して、鉄コーティングされた砂、ホスフェートおよびポリホスフェート反応性表面を形成する。金属陽イオンは、固体砂表面上のシリケートおよび他の負に帯電した基に選択的に結合する。この結合により、鉄コーティングされた砂表面上の部分的に帯電した陽イオン境界層が作られ、可溶性のオルトホスフェートおよびポリホスフェートと反応する。このプロセスの移動相(処理水)および固定相(鉄コーティングされた砂)の構成により、拡散過程が、このプロセスの希釈溶液反応経路内でほとんど排除されるため、リンのほぼ定量的な除去が可能になる。試験から、このプロセスが、オルトホスフェートを99%を超える効率で検出限界(10ppb)未満まで除去でき、全リンを最初の濃度からの除去の90%を超える効率で40ppb未満まで除去できることが示された。
【0058】
上記で説明したプロセスは、米国資源保全再生法によって指示された毒性指標浸出法(TCLP)によって無害と分類され(非特許文献1以下参照)、埋立地で処理できる鉄ヒ素固形物と、低級緩効性肥料として農業応用で使用できるリン酸鉄固形物とを作ることが示された。
【0059】
いくつかの実施態様で、オゾンが、オゾン注入口1090でまたはその代わりに蛇行パイピング960の冒頭で、予備処理された廃水と混合される。これに、オゾン処理プロセスからの過剰気体によって形成されるヘッドスペースの排出または真空処理を続けることができる。というのは、砂濾過に入る大量の気泡が望ましくない場合があるからである。予備処理されオゾン処理された廃水は、入口管1120を介して、反応性濾過システム940の垂直に向けられた円筒形の処理容器1100に入る。入口管1120は、容器1100の中心に置かれる。容器1100には、砂床1160または別の適切な濾材を含む濾過室1140が含まれる。入口管1120は、下に濾過室1140内に延びて、穴のあいたマニホールド1180を介して砂床1160の下側部分に廃水を排出する。濾過室1140にポンピングされた廃水は、砂1160を介し、濾過室1140の最上部付近のバッフル1200を越えて十分に処理された水として上に進み、ベイズン1220に進み、引出管1240を介して容器1100から取り出される。
【0060】
再循環管1260は、容器1100の中央で濾過室1140の最下部から最上部まで延びる。入口管1120は、再循環管1260の中央で下に延びる。注入流れ排出マニホールド1180は、再循環管1260内の開口部を介して外に延びる。空気圧縮機1280は、空気注入管1290を介して容器1100の最下部で使用済みの砂および水に空気をポンピングする。曝気された使用済みの砂および水の混合物は、廃水から除去された汚染物質と一緒に再循環管1260を介して砂および微粒子/水分離機1300まで登る。分離機1300は、全般的に、たとえば物理的分離、重力分離、粒子サイズ分離、磁気分離、膜分離、またはサイクロン分離(cyclonic separation)を使用できる任意の適切な分離デバイスを表す。分離機1300によって混合物から分離された砂は、濾過室1140にリサイクルされる。現在非常に汚染されている廃水は、汚泥除去ポート1340を介して除去される。汚泥除去ポート1340を、廃棄物を運ぶ機構(すなわち、パイプ、配管、トラフなど)に接続して、廃水または廃棄物の、このシステムの上流点へのリサイクルを容易にすることができる。砂1160は、重力の影響の下で、容器1100を通って下に継続的に移動する。
【0061】
反応性濾材は、反応性酸化鉄層の継続的な再生を補佐するために移動床内に配備される。移動は、たとえば、流体の流れを使用して床を流動化するか移動することによって、オーガーまたは攪拌棒などの機械的作用によって、超音波の印加などの音響作用によって、または圧縮空気を使用する物理的搬送によって達成することができる。
【0062】
他の反応性濾過実施形態を利用することができる。たとえば、濾材は、反応性酸化物表面を形成するために溶解した鉄と反応できる、任意の天然のまたは合成の、有機のまたは無機の基質とすることができる。濾材の粒子サイズは、望まれる濾過および流れのレベルに適切なサイズになる。次の無機材料により、適切な濾材が提供されると期待される:砂;シリカのビーズまたは細粒;高珪酸塩ガラス;ガラスビーズ;ガラス砂;ゼロライト;橄欖石、赤鉄鉱、針鉄鉱などの鉱物砂;珪藻土;鉄オキシ水酸化物細粒;酸化鉄細粒;セラミックのビーズまたは細粒;鉄金属の細粒またはビーズ;鉄金属コーティングされたビーズまたは細粒;および合成または天然の鉄コーティングされた砂。次の有機材料により、適切な濾材が提供されると期待される:ポリスチレンビーズ;ポリエチレンビーズ;改質カチオン性表面ポリマー(modified cationic surface polymer)ビーズ;改質アニオン性表面ポリマー(modified anionic surface polymer)ビーズ;混合されたまたは純粋なポリマーのビーズまたは細粒;およびポリマーコーティングされた無機のビーズまたは細粒。これらの材料のうちのいくつかは、塩化第二鉄溶液などの活性反応剤の添加によって維持されまたは補充されることができる自然に発生する反応部位を有することができる。砂の周知の濾過特性、その安価な使用、その水処理における慣例的応用、酸化鉄コーティングされた砂を形成する内圏および外圏の金属酸化物結合のための天然の反応性シリケート表面、およびその摩耗特性の故に、砂は、移動床プロセスでの活性濾材の好ましい実施形態である。
【0063】
適切な濾材には、腐食性の鉄金属細粒または鉄化合物と結合する能力を有するイオン交換樹脂が含まれる。腐食性の鉄金属細粒により、水内の微量の塩化溶剤を除去するのに使用できる還元性の過程が可能になる。試験から、図8のシステム内に配備された30体積%の鉄−砂床は、標準水素電極に対して−200mVの溶液酸化還元電位を有する。一般的な鉄細粒または鉄細粒および砂の固定床の配備は、反応性鉄金属表面の気孔率の損失または不動態化に見舞われる。移動床配備の運動は、鉄金属表面およびそれに関連する化学的反応部位に継続的に活力を与えると同時に、濾過能力を維持することを可能にする。元々は2から3ppmのリンを含む汚染された排出水からのリンの除去について、98%の効率が実証された。
【0064】
たとえばヒ素の除去など、いくつかの情況で、アルセナイトを鉄に反応するアルセナートに変換するために、廃水を予備的に酸化することが望ましい場合がある。中性周辺のpHの天然溶液内のアルセナイトは、非イオン性であり、したがって、通常はほとんどの処理配置で非反応性である。予備的酸化は、塩素処理、超音波処理、またはオゾン処理などの通常の水の酸化操作を使用して達成することができる。予備的酸化操作は、一連の全水処理プロセスの一部とすることができ、濾過、曝気、化学処理、凝集、浄化、ならびに飲料水の通常の処理および殺菌に必要である可能性がある他の処理などの他の通常の水処理プロセスをその前またはその後に置くことができる。
【0065】
上記で説明したシステムでは、過剰な第二鉄が、廃水内の粒子のFe−−AsまたはFe−−Pの固形物および溶けている残留AsまたはPと一緒に砂床1160に入る。第二鉄イオンは、砂表面と反応して、酸化鉄コーティングされた砂(IOCS)を形成する。IOCSは、溶液から残留溶液As/Pを吸収する。移動する砂の物理的作用により、砂細粒の表面は摩滅され、追加のIOCS形成およびFe−−As反応またはFe−−P反応のための活性点が新しくされる。したがって、As/P結合のための新鮮な反応部位が、砂表面の顕微鏡的侵食を介して、流れる水に継続的に提供される。オゾンを使用する実施態様では、オゾンにより、任意の還元されたAs(III)がAs(IV)に酸化され、これを鉄化合物により反応するようにされる。オゾンおよび関連する溶液酸化剤は、有機汚染物質をも破壊し、殺菌につながる。
【0066】
化学的および微生物汚染は、天然および人為改変的手段を介して水に入り、そのような汚染の除去により、水は、飲料水を含むさまざまな使用と廃水を天然水塊に戻すこととに適したものにされる。酸化は、炭化水素化学物質から二酸化炭素と水を作るなど、汚染する化学化合物を、その鉱化された形に変換することができる。オゾン処理、金属酸化物触媒作用によるオゾン処理、表面吸収オゾン処理、およびオゾンを用いる超音波キャビテーションまたは流体力学的キャビテーションなどの複数の酸化モードを同時に適用することによって、使用可能な酸化剤の総数を増やし、その化学的多様性を高めることができ、したがって、扱いにくいまたは処理しにくい化合物についても完全に鉱化作用させる可能性を高めることができる。これは、強められた酸化を介して、水内の毒性の高い物質または生理活性の高い物質の濃度を減らす直接の応用例を有する。廃水内の非常に生理活性の高い物質の具体例は、医薬品およびホルモン活性化合物である。それに付随して、強められた酸化は、細菌およびウィルスなどの伝染病病原体によって汚染された水の殺菌の完全さを高めるという望ましい効果を有する。
【0067】
代表的方法
図10に、水流からの汚染物質除去の代表的なプロセスまたは方法1400を示す。
【0068】
ブロック1402で、金属塩反応剤は、汚染された水の存在下で移動濾材濾過に供給される。金属塩反応剤の具体例には、塩化第二鉄などの鉄を含む化合物が含まれる。他の例には、とりわけ鉄、アルミニウム、マンガン、亜鉛、銅、マグネシウム、およびカルシウムを含む、さまざまな金属、金属塩、金属間化合物、またはこれらの組合せが含まれ、さらなる例が、上記に記載されている。
【0069】
移動濾材濾過の具体例には、図8〜9に示したものなどの、上向流濾材濾過が含まれる。他の濾材濾過を、その代わりに使用することができる、たとえば、とりわけ、さまざまな移動床または固定床、上向流または下向流、重力または圧力濾過を、汚染物質除去の凝固−濾過、イオン交換、または吸着に基づく除去機構のいずれかと共に、さまざまな実施形態で使用することができる。金属塩反応剤を、水が移動濾材濾過に達する前に、汚染された水に導入することができ、あるいは、金属塩反応剤を、移動濾材濾過の場所で直接に導入することができる。いくつかの事例で、金属塩反応剤は、水が濾材一面に流れる間に濾材表面で概して継続的に金属塩反応剤を再生するのに効果的に水に添加される。移動濾材により、汚染物質に結合されていてもそうでなくても、金属塩反応剤は濾材の表面から洗い落とされる。洗い落とされた金属塩反応剤および関連する汚染物質は、廃液流に分離される一方で、添加される金属塩反応剤は、これらの洗い落とされた表面に結合することができる。
【0070】
ブロック1404で、移動濾材濾過から生じる廃液流は、移動濾材濾過からの流出水の平均汚染物質濃度を下げるのに効果的に移動濾材濾過の上流に導入される。いくつかの事例では、廃液流を移動濾材濾過の上流に導入することにより、移動濾材濾過で受け取られる流入水と移動濾材濾過からの流出水の両方の平均汚染物質濃度が効果的に減少する。そのような例を、下記で詳細に説明し、また、上記で図5〜7に関して説明した。
【0071】
いくつかの場合において、廃液流には、全体的なシステム汚染物質除去効率および/または水処理速度を高めるために全体的な処理プロセスにとって有用とすることができる金属塩残留物が含まれる。いくつかのシナリオで、これらの金属塩残留物は、加水分解された金属塩を受け取る上流構成要素の視点から、上流構成要素によって受け取られる前に金属塩が加水分解されているという点で、事前に加水分解された金属塩と考えることができる。本質的に、金属塩残留物は、金属塩などの前駆体型ではなく、その活性型で上流構成要素に至る。
【0072】
ターゲット汚染物質がリンであり、金属塩反応剤が塩化第二鉄などの鉄を含む化合物を含む1つの例を、下記でより詳細に説明する。この事例では、廃水処理プラントの三次反応性濾過からの、加水分解された鉄塩などの鉄を含むプロセス残留物は、処理プラント内で一次処理、二次処理、または生物学的処理の上流の点など、処理プラントの源流にリサイクルされた時の可溶状態にとどめられたリン(P)に関して安定していることが観察される。さらに、データは、反応性濾過プロセスからの未処理の鉄残留物が、生物学的機構、化学的機構、または機械的機構あるいはこれらの機構の組合せのいずれかによって、廃水プラント内の通常の全リン(TP)除去、総懸濁固形物(TSS)除去、および生物学的酸素要求量(BOD)除去を実際に改善することを示唆する。したがって、これらのリサイクルされる残留材料は、通常の地方自治体のおよび他の廃水処理プラントの化学増強一次処理(chemically enhanced primary treatment、CEPT)プロセスならびに他の予備プロセス、一次プロセス、および二次プロセスを刺激し、強化する。反応性濾過プロセス残留物をプラントのTP、TSS、およびBODの除去効率を高める反応剤として使用することは、既存の手法に対する利点であり改善である。
【0073】
動作の証拠は、一次処理および二次処理の固形物除去が、三次鉄残留物添加によって高められることを示す。この効果は、鉄化合物が、通常の未処理の地方自治体廃水を構成する1〜5%固形物溶液内のより小さい粒子を凝結することによって生じると推定される。オルトホスフェートおよびポリホスフェートとしての反応性リンの、リサイクルされた三次鉄残留廃棄物からの鉄固形物および溶解した鉄陽イオンとのさらなる直接反応も、可能である。固形物除去は、通常の廃水の一次/二次処理動作での酸化および浄化による通常の固形物除去中に行われる。この固形物および汚染物質の除去は、凝結および凝集に加えて、生物凝集(bioflocculation)および造粒の刺激により行うことができる。通常の廃水プロセス動作では、二次生物学プロセスから一次処理への返送活性汚泥(RAS)は、一連の処理内の微生物の変化および化学的変化が、マイクロバイアルイノキュラ(microbial innocula)成分および劣化した化学的成分に関して安定することを保証する。RASが、プロセスの乱れを最小にすることによって、全体的な処理動作を安定化するのを助けることは、周知である。鉄によって改質されたRASは、総合的なプラント動作でのこれらの変化も維持し、安定化させることとなる。その効果の1つは、このシステムの第二鉄投与に応答する鉄還元菌(IRB)の個数および活動度の向上である。IRBは、次の過程を介するなど、嫌気性条件でのリンの生物学的処理または摂取において有効である。
【0074】
【数1】

【0075】
ここで、CH2Oは、炭素を含む基質を示す。
【0076】
いくつかの構成で、反応性濾過プロセスは、約1mg/L未満のリン流入濃度でより効率的に働く場合があるが、プロセス残留廃液流を使用して、プラント動作を改善し、反応性濾過流入リンレベルを高い範囲(約1〜10mg/L)から高効率反応性濾過により有利なレベル(すなわち、約1mg/L未満)に下げることができる。汚染物質除去および水処理のために凝固剤または反応物として処理流れ内の複数の場所での金属塩反応剤添加を使用する標準的な水処理の実施により、通常、リンレベルは約0.5〜1.5mg/Lまで下げられるが、三次反応性濾過によって達成可能な非常に低いレベル(たとえば、0.030mg/L未満)をもたらすことは実証されていない。プラントTP/TSS/BOD除去を高め、より高効率の反応性濾過を活用し、固形物管理を高めるための三次処理残留物(すなわち、金属塩残留物)の使用は、すべてが全反応剤の化学的添加を制限するが、一つのプロセス改善である。
【0077】
三次プロセス残留物の一次廃水処理または二次廃水処理への生産的リサイクルは、反応性濾過プロセスに対する改善である。このリサイクルは、反応性濾過の残留廃液流を管理して、廃水処理プラントでの総合汚染物質除去効率を高める。これは、固形廃棄物としての処分のために、しばしば別の単位操作によって、通常は直接に除去されるはずのプロセス副産物の「グリーンケミストリー」リサイクル応用例である。たとえば、特許文献2には、三次処理からの廃液流の処理に関する追加的単位操作が示されている。この追加的単位操作は、残留廃棄固形物をプロセス水から分離する。しかし、この参考文献では、残留廃棄固形物は、水処理プラント内での再利用について調査も示唆もされていない。したがって、本願は、その方法に対する改善である。三次処理(たとえば、砂もしくは他の濾材濾過、膜濾過、限外濾過、磁化された鉄化合物の磁性除去、または他の物理的方法もしくは機械的方法)、二次プロセス(たとえば、好気性または嫌気性の浮遊増殖変形、好気性または嫌気性の付着増殖変形、生物学的栄養塩除去変形、ラグーンシステム、セプティックシステム、物理化学システム、化学酸化、高度酸化、膜濾過、または膜バイオリアクタ)、および一次処理(たとえば、CEPTまたは一次凝結および凝集、沈砂除去、または沈降)などの分離プロセスで金属塩、混合物、またはポリマーを使用する他の水処理方法も、この金属水酸化物および金属酸化物の残留廃液流の直接の再利用およびリサイクルから利益を得ることができる。この利益は、化学的、機械的、または生物学的な処理の利益とすることができる。したがって、一次処理および二次処理を強化するための残留廃液流、特に三次処理残留物からの再利用は、特に方法が汚染物質除去を高めるために第二鉄を使用する時に、これらの三次処理方法(膜リアクタおよび膜濾過、限外濾過、ならびに他の物理的、機械的、または化学的方法)に対する改善である。
【0078】
地方自治体廃水処理プラントでの化学的プロセスおよび生物学的プロセスは、三次処理残留廃液流にある既に可溶状態にとどめられているリンを解放するようには見られない。これは、おそらく、熱力学的に安定なリン酸鉄化合物および鉱物の形成に起因する。実際に、研究により、第二鉄によって処理される嫌気性および好気性の水処理での鉄リン化合物形成と、強化された微生物プロセスおよび化学的プロセスとが詳細に記録されている。
【0079】
処理プラントは、バイオソリッド除去について既に最適化されているので、追加の固形物管理単位操作を導入する必要がないという点で、全体的な三次処理設備に対するコスト節約となる。土壌利用バイオソリッド(land−applied biosolid)に置かれる鉄の質量収支は、通常の土には10000〜50000mg/kg(すなわち、1〜5重量%)の全鉄が含まれるので、問題ではない。反応性濾過処理残留物は、一連の水処理にこれらを添加することによって活用できるさらなる未使用の反応力を有する。この添加は、一次処理または二次処理の固形物分離単位操作の後で、反応性濾過ステップの前に行うことができる。三次処理の前のTSS、BOD、およびTPでの観察された減少などの汚染物質除去効率の強化により、三次処理プロセスでの反応剤第二鉄投与が一次プロセスおよび二次プロセスでの第二鉄活性の安定レベルに応答して減らされるという、能動的フィードバック機構を確立できることが示唆される。この反応剤投与の減少により、運転コストは減らされる。さらに、作られるバイオソリッドは、よりコンパクトであり、より簡単に脱水され、通常の脱水プレス動作でのより少ない機器故障をもたらす。総合的プラント動作におけるこの追加的な改善は、第二鉄プロセス残留物を一次および二次の廃水処理動作にリサイクルすることから生じる結果である。
【0080】
三次および/または高度処理プロセスから金属塩残留物をリサイクルするというプロセス改善は、金属塩反応剤を投与されている場合がある浄化器からの返送活性汚泥(RAS)が処理プラントの生物学的処理部分へ通常にリサイクルされることとは実質的に異なる。RASのリサイクルは、金属塩が投与されている場合であっても、本願の実施形態と同一の汚染物質除去効率を達成しない(たとえば、「Chemically Enhanced Primary Sludge Fermentation Method」と題する特許文献3参照)。これは、一次および二次の水処理対象水に見られる複雑な競合する化学的微小環境内のあまり展開されていない金属塩析出物(すなわち、あまり加水分解されず、重合せず、および凝集していない金属塩)からの汚染物質の不十分な反応または放出に起因する可能性がある。実際に、水酸化鉄および酸化鉄としての鉄残留固形物の存在が、顕微鏡的な(たとえば、約1〜10mmの)固形物表面に起因して生物凝集、造粒、およびIRB活動度を刺激する可能性がある。三次および/または高度処理プロセスの追加は、プラント内の他の動作でのプロセス不履行またはプロセスの乱れからの保護または冗長性の必要以上のレベルを提供するので、有利でもある。
【0081】
金属塩は、水を処理する反応剤として広く使用されてきたが、金属の事前活性化または事前加水分解は、水への金属塩反応剤の投与に対する改善である。事前に加水分解された、ポリ塩化アルミニウム(PAX)などの金属塩は、商業的使用のために生産されているが、三次処理プロセス水または側流水を使用することによる水処理プラント内での即時使用のために金属塩を事前加水分解するというこの方法は、既存の実践より優れた改善である。
【0082】
一次および二次の廃水処理プロセスへの実質的な第二鉄の添加により、活性IRB生物膜によって、コンクリート、金属配管、または他の意図されたもしくは使用可能な表面などの処理プラント接触面が活性化されることが期待される。この活性化は、これらの表面での酸化鉄コーティングの形成によって強化されることとなる。本願の一実施形態には、酸化鉄析出用の水処理プロセス内の追加の設計された表面または工作された表面の作製と、第二鉄化合物添加に続く後続のIRB生物膜形成とが含まれる。これらの表面は、通常、大きい相対表面積を有し、プラスチック、セラミック、玉砂利、織物、金属、または酸化鉄および生物膜環境用の安定した表面を提供することを意図された他の材料を含めることができる、高密度、中密度、または低密度(水に対して、沈む媒体または浮く媒体)の材料から構成することができる。他の実施形態では、処理プラントの処理する、懸濁したまたは沈下した固形物で除去されることを意図された、通常は小さく(たとえば、1mm未満から約10mmまで)適当な材料から作られた、追加され、かつ消費可能な表面を、酸化鉄および生物膜展開用の追加表面として、処理の初期段階に追加できることが期待される。これらの追加される表面が、リサイクル可能でもあり、かつ/または水処理プロセスで作られる固形物の特性を改善するであろうことは、有利であると考えられる。
【0083】
地方自治体の廃水処理または下水処理のほかに、食品加工廃水または産業プロセス廃水など、他の水処理応用例および廃水処理応用例が、この同一のプロセスから利益を得ることができる。予備処理または一次処理として一連の処理の前に向かって固形物分離ステップで金属塩を使用する処理プロセスを、本明細書に記載の本願の実施形態のうちのいくつかを実践することによって改善することもできる。
【0084】
上記の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、本発明的概念を実践できる特定の代表的実施形態を例として示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明的概念を実践できるようにするのに十分に詳細に説明され、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、さまざまな開示される実施形態に対する変更を行うことができ、他の実施形態を利用できることを理解されたい。したがって、この詳細な説明は、いかなる形でも限定として解釈されてはならない。
【0085】
そうではないと示されない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される、汚染物質または反応剤の濃度、反応条件、分離条件などを示すすべての数は、すべての事例において用語「約」によって修飾されているものとして理解されなければならない。したがって、そうではないと示されない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に示される数値パラメータは、少なくとも特定の分析技法に依存して変化し得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲の同等物の原則の適用を限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効桁数に鑑みて、通常の丸め技法を適用することによって解釈されなければならない。示された数値は、できる限り正確に報告されている。しかし、すべての数値に、そのめいめいの試験測定に見られる標準偏差から必然的に生じるある種の誤差が本質的に含まれる。
【0086】
図面に関連して、当業者は、本願の範囲が図示の特定の実施形態を超えて拡張されることを理解するに違いない。たとえば、あるプロセスオプションについて明示的な流れの矢印が図面に含まれない場合であっても、流れのすべてを、部分的にまたは全体的に、図示のプロセスの他の部分にそらすか、廃棄物に追い出すことができる。本願は、運転条件の調整、さまざまなプロセスフローの分割される分数を変更するためのパイプおよび弁の構成の変更などを含む、慣例的なプロセスの実験および最適化も組み込む。一般に、プロセスパラメータは、経済的運転を確立するために選択され、パラメータは、時々、たとえば供給物内の汚染物質プロファイルおよびターゲット汚染物質除去効率に応じて、変更される必要がある。当業者は、不適当な実験なしでそのようなプロセス操作をたやすく実行することができる。
【0087】
結論
水流からの汚染物質除去に関する代表的な技法、方法、デバイス、システムなどを、構造的特徴および/または方法論的動作に固有の言葉で説明したが、添付の特許請求の範囲で定義される主題が、説明された特定の特徴または動作に必ずしも限定されないことを理解されたい。そうではなく、これらの特定の特徴および動作は、請求される方法、デバイス、システムなどを実施する例示的な形態として開示されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明のさまざまな実施形態を実施するのに使用できる廃水処理システムを示す図である。
【図2】本発明のさまざまな実施形態を実施するのに使用できる廃水処理システムを示す図である。
【図3】本発明のさまざまな実施形態を実施するのに使用できる廃水処理システムを示す図である。
【図4】本発明のさまざまな実施形態を実施するのに使用できる廃水処理システムを示す図である。
【図5】本発明のさまざまな実施形態を実施するのに使用できる廃水処理システムを示す図である。
【図6】本願の一実施形態から得られる結果を示す図である。
【図7】図6に示された結果の代替の見方を示す図である。
【図8】一実施形態による図1〜5に関して導入された廃水処理システムの特定の構成要素を示す図である。
【図9】一実施形態による図1〜5に関して導入された廃水処理システムの特定の構成要素を示す図である。
【図10】一実施形態による水流からの汚染物質除去の代表的な方法を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0089】
10 廃水処理プラント
20 流入水
30 予備および/または一次処理プロセス
40 二次処理プロセス
42 (二次処理)流出水
50 三次および/または高度処理プロセス
52 金属塩試薬
54 (三次処理)流出水
56 廃棄物
60 殺菌および/または排出プロセス
62 金属塩残留物
70 廃棄材料
80 汚泥処理施設
100 固形物
105 濾液
202 二次浄化器
204 返送活性汚泥(RAS)
206 廃棄活性汚泥(WAS)
304 流出液の一部
306 流出液の他の部分
400 水処理プロセス
402 事前に加水分解された金属塩
404 流入水
406 水処理プロセス
408 流出液流
500 廃水処理プラント
502 流入廃水
504 ヘッドワーク
506 酸化溝
508 二次浄化器
510 流出液流
512 返送活性汚泥(RAS)
512 廃棄物
514 廃棄活性汚泥(WAS)
516 消化装置
518 ベルトフィルタプレス
518 固形物
520 流出水の第1の部分
522 第1三次反応濾過プロセス
524 流出液
526 第2三次反応濾過プロセス
528 廃棄物流
530 廃棄物流
532 廃棄物
534 濾液
600 プロット
602 流入水520の全リン
604 三次流出液524の全リン
606 三次流出液536の全リン
608 流入液520の全リン
610 低リン濃度範囲
700 プロット
810 移動床粒子放射状反応性濾過システム
812 処理容器
814 入口管
816 濾過室
818 ステム
820 膨張重力沈下室
822 砂
824 814の穴の開いた下側部分
826 穴の開いた外周部
828 スリーブ
830 引出管
832 汚泥除去ポート
834 再循環管
836 空気圧縮機
838 逆流防止器
839 流量制御弁
840 サンプリングチューブ
842 サンプリング弁
843 掃除口
844 サイトグラス
846 オゾン注入口
900 移動床反応性濾過システム
920 予備反応器システム
940 反応性濾過システム
960 蛇行パイピング
980 入口管
1000 流量制御弁
1020 反応剤注入口
1040 蛇行パイピングの直線部分
1060 蛇行パイピングのゆるやかな曲がり部
1080 引出管
1100 処理容器
1120 入口管
1140 濾過室
1160 砂床
1180 穴の開いたマニホールド
1200 バッフル
1220 ベイズン
1240 引出管
1260 再循環管
1280 空気圧縮機
1290 空気注入管
1300 砂・粒子/水分離機
1340 汚泥除去ポート
1400 水流からの汚染物質除去の代表的なプロセス
1402 ブロック
1404 ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属塩残留物(62)および汚染物質を水流(42)から分離するように動作する三次および/または高度処理機構(50)と、
前記金属塩残留物(62)および前記汚染物質を、前記三次および/または高度処理機構(50)の上流の点で前記水流(42)にリサイクルするように動作する機構(1340)と
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記三次または高度処理機構は、反応性濾過機構を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記反応性濾過機構は、汚染物質を水から除去する吸着濾材の継続的再生を含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記吸着濾材の前記再生は、金属塩残留物の作製を含むことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
リサイクルするように動作する前記システムは、前記三次または高度処理機構の一部を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
金属塩反応剤(52)の存在下での処理のために、汚染された流入水流(42)を移動濾材床濾過に供給するステップ、
前記移動濾材床濾過内の得られた流出水流(54)から廃液流(56)を分離するステップであって、前記廃液流(56)は、汚染物質と前記金属塩反応剤(52)の金属塩残留物(62)とを含む、分離するステップ、および
前記流入水流(42)と前記流出水流(54)との両方の平均汚染物質濃度を下げるのに効果的な前記移動濾材床濾過の上流の点に、前記汚染物質および前記金属塩残留物(62)を含む前記廃液流(56)をリサイクルするステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記供給するステップは、加水分解された形の前記金属塩反応剤の存在下で前記汚染された流入水流を供給することを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記供給するステップの前に1つまたは複数の予備処理または二次処理を用いて前記汚染された流入水流を処理することをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記リサイクルするステップは、前記1つまたは複数の予備処理または二次処理の上流の点に前記廃液流をリサイクルすることを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記リサイクルするステップは、事前に加水分解された金属塩残留物として前記金属塩残留物をリサイクルすることを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記リサイクルするステップは、前記流入水内の金属塩残留物濃度の増加をもたらさないことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項12】
水(42)を濾材一面に流しながら前記濾材表面上に金属塩反応剤(52)を概して継続的に再生するステップ、
前記水(42)の大部分から汚染物質と少なくとも一部の前記金属塩反応剤(52)とを分離するステップ、および
前記濾材の上流の点で前記分離された汚染物質と前記少なくとも一部の金属塩反応剤(52)を前記水(42)にリサイクルするステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記分離するステップは、少なくとも一部の前記濾材の表面を前記濾材のそれ以外の表面に対して洗い落とすのに効果的に、前記少なくとも一部の濾材を移動するのに十分な空気を前記濾材を経て通すことを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記洗い落とすことは、前記表面から前記金属塩の誘導体を除去することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記金属塩反応剤は鉄を含む材料を含み、前記概して継続的に再生するステップは、前記濾材表面上に酸化鉄を形成するのに十分な金属塩反応剤を供給することを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
濾材表面での金属塩反応剤の前記概して継続的に再生するステップは、吸着濾材の再生を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項17】
汚染された水の存在下で移動濾材濾過に金属塩反応剤を供給するステップ(1402)、および
前記移動濾材濾過からの流出水の平均汚染物質濃度を下げるのに効果的に前記移動濾材濾過の上流に、前記移動濾材濾過から生じる廃液流を導入するステップ(1404)と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記供給するステップは、鉄、アルミニウム、マンガン、亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム、およびこれらの混合物からなる群から選択された金属から作製された金属塩反応剤を供給することを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記供給するステップは、前記廃液流内に加水分解された金属塩残留物を生成するのに十分な量の前記金属塩反応剤を供給することを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記導入するステップは、前記汚染された水のための二次処理プロセスの上流に前記廃液流をリサイクルすることを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記導入するステップは、前記移動濾材濾過に供給される前記汚染された水の汚染物質濃度の低下をもたらすことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記導入するステップは、前記移動濾材濾過に供給される前記汚染された水の金属塩反応剤濃度の増加をもたらさないことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記導入するステップは、前記廃液流の全体より少ないものを導入することを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−203291(P2007−203291A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−19226(P2007−19226)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(507031871)ブルー ウォーター テクノロジーズ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】