説明

水処理設備

【課題】水処理において生物反応槽より生成する一酸化二窒素を回収できる水処理設備を提供する。又、水処理プロセスで生成するN2Oを高濃度で効率よく回収することができ、回収や処理に必要な動力を低減することができる水処理設備を提供する。
【解決手段】嫌気槽1と好気槽3を有し、嫌気槽1から好気槽3へ反応液を送水する水処理設備において、嫌気槽1と好気槽3のいずれか、又は嫌気槽1と好気槽3の間に設置され、反応液が鉛直方向を主流方向として流れる流路2と、流路2の底部に設置された流路内散気装置21と、流路2内から気体を回収する気体回収装置24を備えた水処理設備であり、水処理プロセスで生成するN2Oを高濃度で効率よく回収することができ、回収や処理に必要な動力を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理において生物反応槽より生成する一酸化二窒素を回収する水処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
温暖化問題が顕在化するなか、下水処理プロセスから発生する一酸化二窒素(N2O)が二酸化炭素の310倍の温室効果があるため、問題視されるようになってきた。N2Oの排出量は、下水処理場全体の温室効果ガス排出量の10%に相当する。しかし、現在のところ発生した一酸化二窒素の回収,除去処理は行われておらず、大気中に放出しているのが実情である。
【0003】
一酸化二窒素は、下水処理プロセスの窒素除去の過程で発生する。窒素除去方法として、例えば循環式硝化脱窒法がある。
【0004】
循環式硝化脱窒法は、前段に嫌気槽、後段に好気槽を配置し、硝化工程が進行する好気槽の硝化液を前段の嫌気槽に送水する。好気槽では、ブロワにより酸素が供給される。好気槽に流入した下水中には、アンモニア性窒素(NH4−N)が含まれ、好気槽中の硝化菌により亜硝酸性窒素(NO2−N)を経て硝酸性窒素(NO3−N)に酸化される。硝化工程で生成したNO2−NあるいはNO3−Nは嫌気槽に流入すると、脱窒菌により原水中の有機物を水素供与体として窒素(N2)に還元される。N2ガスが大気に放出されることで下水中の窒素が除去される。
【0005】
2Oは、脱窒過程,硝化過程のいずれでも生成するが、〔非特許文献1〕によれば、主たる生成源は脱窒過程と言われている。
【0006】
上述したように、硝化工程で生成したNO2−NあるいはNO3−Nが嫌気槽に流入すると、脱窒菌により窒素に還元される。N2Oは脱窒過程の中間生成物として生成する。生成するN2Oは溶存態で、通常はN2ガスへ速やかに還元される。その際、微細なN2ガス気泡が生成するが、その周囲には溶存態のN2O(以下、溶存N2O)が存在しており、N2ガス気泡のパージ効果により、N2ガス気泡内に気相のN2Oが取り込まれる。この気泡を、以下、N2O内包微細気泡と呼ぶ。
【0007】
還元反応が阻害される場合、すなわち脱窒不良時には、溶存N2Oが増加する。還元反応が阻害される原因としては、硝化槽からの高濃度の溶存酸素の流入、流入下水の有機物濃度の不足などが挙げられる。脱窒不良時には、嫌気槽の酸化還元電位が上昇するため、〔非特許文献2〕では、この酸化還元電位をN2O生成の指標とする方法を提案している。
【0008】
2Oの主たる生成源は嫌気槽であるが、大気中への主たる放出源は好気槽である。好気槽へは、嫌気槽で還元されずに残留した溶存N2Oが流入する。また、N2O内包微細気泡は浮上速度が小さく、その多くが嫌気槽の水面に到達しないため、大部分は好気槽へ流入する。好気槽では、散気装置で生成した気泡に、溶存N2Oと微細気泡中の気相のN2Oが取り込まれ、水面から大気中に放出される。〔非特許文献3〕では、溶存態N2Oのパージは20分程度で完了すると報告している。
【0009】
〔特許文献1〕には、好気槽より放出されるN2Oを好気槽上部で回収し、嫌気槽に注入することでN2へ還元し、N2Oの大気への放出量を削減する方法が記載されている。循環式硝化脱窒法を例に挙げると、〔非特許文献4〕に記載のように、通常、好気槽は9時間程度の滞留時間で、3段程度の複数段で構成される。〔特許文献1〕では、N2Oガスの回収効率を向上させるため、複数段の好気槽から放出されるN2Oガスのうち、1段目の好気槽で多く放出されることに着目し、既存の好気槽の1段目に回収機構を設置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−75821号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】花木ほか、“都市下水の硝化脱窒過程での亜酸化窒素の発生”、水環境学会誌、第23巻、第12号、pp.803−810(2000)
【非特許文献2】花木ほか、“都市下水の脱窒過程での亜酸化窒素の突発的発生”、水環境学会誌、第24巻、第7号、pp.473−476(2001)
【非特許文献3】糸川ほか、“高負荷間欠曝気式硝化・脱窒法における有機物制限条件下でのN2O生成機構、第34巻、環境工学研究論文集、pp.191−202(1997)
【非特許文献4】日本下水道協会、“下水道維持管理指針 後編−2003年度版−”、pp.131(2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
嫌気槽より流入するN2Oを好気槽での気泡に取り込み、好気槽の水面の上部で回収するためには、N2O内包微細気泡の場合では、散気装置で生成した気泡と瞬間的に接触させるだけで良く、溶存N2Oの場合では、多くとも20分程度パージすればよい。しかし、〔特許文献1〕で想定する既存の好気槽では、上流側から流入してきた処理水を、散気装置で生成した気泡により攪拌し、下流側の槽に流出させる。流入してきたN2O内包微細気泡と溶存N2Oは、攪拌により速やかに槽内に拡散する。槽の大きさは滞留時間で3時間程度のため、回収する全気体量が多くなり、その結果、回収ポンプの電力が増加する。また、希釈されるため、N2O濃度が低くなり、生物反応槽や、触媒などによる分解の効率が低下するといった課題があった。
【0013】
2Oの回収効率を向上させるため、既存の槽に越流壁を設け、槽の滞留時間を短くした場合は、主流方向が送水方向となるため、反応液の滞留時間にばらつきが生じる。その結果、攪拌されたN2Oの一部が散気装置による気泡に吸収されずに下流側の槽へ流出する恐れがある。
【0014】
本発明の目的は、水処理において生物反応槽より生成する一酸化二窒素を効率よく回収できる水処理設備を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、水処理プロセスで生成するN2Oを高濃度で効率よく回収することができ、回収や処理に必要な動力を低減することができる水処理設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の水処理設備は、嫌気槽と好気槽のいずれか、又は嫌気槽と好気槽の間に設置され、反応液が鉛直方向を主流方向として流れる流路と、流路の底部に設置された流路内散気装置と、流路内から気体を回収する気体回収装置とを備えたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、水処理プロセスで生成するN2Oを高濃度で効率よく回収することができ、回収や処理に必要な動力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例1である水処理設備の構成図。
【図2】実施例1の水処理設備の流路2の例を示す斜視図。
【図3】実施例1の水処理設備の流路2の例を示す斜視図。
【図4】実施例1の水処理設備の流路2の例を示す斜視図。
【図5】実施例1の水処理設備の流路2の例を示す斜視図。
【図6】実施例1の水処理設備の流路2の例を示す斜視図。
【図7】本発明の実施例2である水処理設備の構成図。
【図8】本発明の実施例3である水処理設備の構成図。
【図9】本発明の実施例4である水処理設備の構成図。
【図10】本発明の実施例5である水処理設備の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の各実施例を図面により説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は本発明の実施例1の構成図である。図1は、活性汚泥により下水を処理する設備で、処理方法が循環式硝化脱窒法の場合を示している。
【0021】
上流側から、嫌気槽1と、流路2と、好気槽3と最終沈殿池4が配置され、これらは流路により連通している。流路2の底部には流路内散気装置21が設置され、ブロワ22と連通している。好気槽3の底部には好気槽内散気装置31が設置され、ブロワ32と連通している。流路2の上部には気体回収口23が設置され、気体回収装置24と連通している。
【0022】
原水100は、矢印11で示される送水方向に流れて嫌気槽1に流入し、反応液として嫌気槽1,流路2,好気槽3で処理され、放流水101として放流される。好気槽3からは硝化液33が、最終沈殿池4からは返送汚泥41が嫌気槽1に送水される。
【0023】
流路2では、流路入口26を流路2の上方に設置し、流路出口27を流路2の下方に設置することで、流路2の主流方向25を鉛直方向下向きとしている。
【0024】
嫌気槽1で生成したN2O内包微細気泡と溶存N2Oは流路2に流入する。流路2では主流方向25が鉛直方向下向きのため、〔特許文献1〕に記載されている好気槽とは異なり、N2Oは矢印11で示す送水方向には拡散しない。そのため、20分程度の滞留時間とすることで、好気槽3に流出するN2Oを極力少なくすることができ、少ないブロワ22の送風量で、N2Oを回収することができる。
【0025】
図1に示す例では、主流方向25を鉛直方向下向きとしたが、上向きでもよく、紙面奥行き方向あるいは手前方向に速度成分を有するようにしても良い。
【0026】
本実施例の変形例について説明する。好気槽3の底部に設置された好気槽内散気装置から放出した気体、すなわち空気の気泡に含まれる酸素は、好気槽3の反応液に溶解し、反応液内の微生物に消費される。好気槽3で硝化反応を良好に進行させるためには、好気槽3内の水面を通過する単位水面面積当りの気体流量は一定量以上必要となる。
【0027】
この気体流量と比較すると、原水100の状態にもよるが、一般的に嫌気槽1から流入するN2Oを回収するために必要な、流路2内の水面を通過する単位水面面積当りの気体流量は、好気槽3内の水面を通過する単位水面面積当りの気体流量より少ない。したがって、本実施例では、流路2内の水面を通過する単位水面面積当りの気体流量を、好気槽3内の水面を通過する単位水面面積当りの気体流量より少なくする。その結果、ブロワ22に必要な電力を低減できる。実施に際しては、例えば好気槽3内の水面を通過する単位水面面積当りの気体流量10m3/m2/hrに対して、流路2内の水面を通過する単位水面面積当りの気体流量はそれよりも小さい5m3/m2/hr程度が好ましい。
【0028】
この例では、主流方向25を鉛直方向下向きとしたが、上向きでもよく、紙面奥行き方向あるいは手前方向に速度成分を持っても良い。
【0029】
又、本実施例では流路2を、嫌気槽1と好気槽3の外部に設置する例を示したが、嫌気槽1や好気槽3の内部に設置しても良い。このように構成した例を図2から図6に示す。
【0030】
図2は、嫌気槽1の越流口を流路入口26とし、好気槽3の内部に流路2を設置している。図3は、図2と同様に、嫌気槽1の越流口を流路入口26とし、嫌気槽1の内部に流路2を設置している。流路2の側壁に嫌気槽1と好気槽3の間に設置された側壁を利用している。
【0031】
図4は、図2と同様に、好気槽3内部に流路2を設置しており、流路2の側壁に嫌気槽1と好気槽3の間に設置された側壁を利用している。主流方向25として紙面手前方向の速度成分があるが、流路入口26を紙面奥側、流路出口を紙面手前側とすることで、反応液の滞留時間の分散を小さくし、N2Oの一部が散気装置による気泡に吸収されずに下流側の槽へ流出することを極力防ぐことができる。
【0032】
図5は、嫌気槽1の流出口が嫌気槽1の底部に設置されている場合で、この場合は、流路2の主流方向は鉛直方向上向きとなる。
【0033】
図6は、流路2の底面を流路出口27とし、流路内散気装置21として好気槽内散気装置31を利用している。流路出口27が流路2の側面にある場合でも、好気槽内散気装置31で生成した気泡を適切な形状のガイドにより流路2に導くことにより、流路内散気装置21として、好気槽内散気装置31を利用できる。
【実施例2】
【0034】
図3は本発明の実施例2の構成図である。本実施例は、実施例1と同様に構成されているが、本実施例では、好気槽気体回収口34が好気槽3に設けられ、好気槽気体回収口34がブロワ22と連通している。
【0035】
上述したように、好気槽の硝化工程においてもN2Oが生成する。本実施例では、好気槽3で生成したN2Oをブロワ22により回収し、流路内散気装置21から流路2に注入している。これにより、嫌気槽1で生成し、好気槽3へ流入したN2Oの他に、好気槽3で生成したN2Oも気体回収装置24で回収できる。
【0036】
本実施例では、主流方向25を鉛直方向下向きとしたが、上向きでもよく、紙面奥行き方向あるいは手前方向に速度成分を持っても良い。
【0037】
本実施例では流路2を、嫌気槽1と好気槽3の外部に設置したが、嫌気槽1や好気槽3の内部に設置しても良い。
【実施例3】
【0038】
図8は、本発明の実施例3の構成図である。本実施例は、実施例1と同様に構成されているが、本実施例では、嫌気槽気体回収口12が嫌気槽1に設けられ、嫌気槽気体回収口12がブロワ22と連通している。
【0039】
上述したように、嫌気槽1ではN2O内包微細気泡が生成する。微細気泡は浮上速度が小さいため、その多くは好気槽3へ流入するが、一部は嫌気槽1で水面に到達する。その結果、一部のN2Oは嫌気槽1の水面から放出される。
【0040】
本実施例では、嫌気槽1で生成したN2Oをブロワ22により回収し、流路内散気装置21を通じて流路2に注入する。これにより、嫌気槽1で生成したN2Oの全量を気体回収装置24で回収できる。
【0041】
本実施例では、嫌気槽1の水面から放出される気体をブロワ22へ導入したが、実施例2の方法も同時に用いて、好気槽3の水面から放出される気体もブロワ22に導入しても良い。
【0042】
本実施例では、主流方向25を鉛直方向下向きとしたが、上向きでもよく、紙面奥行き方向あるいは手前方向に速度成分を持っても良い。
【0043】
本実施例では流路2を、嫌気槽1と好気槽3の外部に設置したが、嫌気槽1や好気槽3の内部に設置しても良い。
【実施例4】
【0044】
図9は、本発明の実施例4の構成図である。本実施例は、実施例1と同様に構成されているが、本実施例では、嫌気槽1に酸化還元電位計13が設置され、酸化還元電位計13の測定値は第一気体回収量制御部14に送られる。第一気体回収量制御部14は、ブロワ22に信号を送信し、ブロワ22の流量を制御する。
【0045】
上述したように、酸化還元電位計の測定値は、嫌気槽1での脱窒の程度の指標となり、値が大きいと脱窒が進行していない。脱窒良好時にはN2Oの生成量が減少することから、値が小さい場合にはN2Oの回収に必要な気泡量は少なくなるため、ブロワ22の流量を低減できる。
【0046】
ブロワ22の気体流量yは、酸化還元電位計13の計測値xに対して、(数1)に示すような関数形としてもよく、複数のxに対して複数のyを対応付ける(表1)を用いても良い。
【0047】
y=ax+b(a,bは定数) …(数1)
【0048】
【表1】

【0049】
本実施例では、主流方向25を鉛直方向下向きとしたが、上向きでもよく、紙面奥行き方向あるいは手前方向に成分を持っても良い。
【0050】
本実施例では流路2を、嫌気槽1と好気槽3の外部に設置したが、嫌気槽1や好気槽3の内部に設置しても良い。
【実施例5】
【0051】
図10は、本発明の実施例5の構成図である。本実施例は、実施例1と同様に構成されているが、本実施例では、嫌気槽1に溶存酸素濃度計15が設置され、溶存酸素濃度計15の測定値は第二気体回収量制御部16に送られる。第二気体回収量制御部16はブロワ22に信号を送信し、ブロワ22の流量を制御する。
【0052】
上述したように、好気槽3から持ち込まれる硝化液33の溶存酸素濃度が大きい場合や、原水100の溶存酸素濃度が大きい場合は、嫌気槽1の溶存酸素濃度が向上し、脱窒反応を阻害する。溶存酸素濃度が大きくなると、脱窒反応が阻害され、嫌気槽1でのN2O生成量が増加する。この場合、N2Oの回収に必要な気泡量が多くなるため、ブロワ22の流量を増加する必要がある。
【0053】
ブロワ22の流量yは、溶存酸素濃度計15の計測値xに対して、(数1)のような関数形としてもよいし、複数のxに対して複数のyを対応付ける(表2)表を用いても良い。
【0054】
y=ax+b(a,bは定数) …(数1)
【0055】
【表2】

【0056】
本実施例では、主流方向25を鉛直方向下向きとしたが、上向きでもよく、紙面奥行き方向あるいは手前方向に成分を持っても良い。
【0057】
本実施例では流路2を、嫌気槽1と好気槽3の外部に設置したが、嫌気槽1や好気槽3の内部に設置しても良い。
【0058】
なお、〔実施例1〕から〔実施例5〕の全ての実施例において、気体回収機構24でのN2Oを含む気体の回収には、吸引ポンプを用いても良く、ブロワ22の送気エネルギーを利用しても良い。
【0059】
また、気体回収装置24で回収したN2Oは、回収したN2Oを含む気体を嫌気槽1などの生物反応槽へ導入して溶解、生物分解して処理しても良く、触媒装置に導入して分解しても良く、吸着装置に導入して固定しても良い。
【0060】
各実施例では、水処理の例として、循環式硝化脱窒法を取り上げたが、嫌気処理から好気処理へと処理が進むプロセスであれば、いずれのプロセスでも適用可能である。また、下水処理に限定するものではなく、工業用水などの廃水処理を対象としても良い。
【符号の説明】
【0061】
1 嫌気槽
2 流路
3 好気槽
4 最終沈殿池
12 嫌気槽気体回収口
13 酸化還元電位計
14 第一気体回収量制御部
15 溶存酸素濃度計
16 第二気体回収量制御部
21 流路内散気装置
22,32 ブロワ
23 気体回収口
24 気体回収装置
25 主流方向
26 流路入口
27 流路出口
31 好気槽内散気装置
33 硝化液
34 好気槽気体回収口
41 返送汚泥

【特許請求の範囲】
【請求項1】
嫌気槽と好気槽を有し、該嫌気槽から前記好気槽へ反応液を送水する水処理設備において、前記嫌気槽と前記好気槽のいずれか、又は前記嫌気槽と前記好気槽の間に設置され、前記反応液が鉛直方向を主流方向として流れる流路と、該流路の底部に設置された流路内散気装置と、前記流路内から気体を回収する気体回収装置とを備えた水処理設備。
【請求項2】
前記流路内散気装置に導入する気体として前記好気槽の上部で回収した気体を用いる請求項1に記載の水処理設備。
【請求項3】
前記流路内散気装置に導入する気体として前記嫌気槽の上部で回収した気体を用いる請求項1に記載の水処理設備。
【請求項4】
前記嫌気槽に設置された酸化還元電位計と、前記酸化還元電位計の計測値に基づいて前記気体回収装置による回収量を制御する第一気体回収量制御部を備えた請求項1から3のいずれかに記載の水処理設備。
【請求項5】
前記嫌気槽に設置された溶存酸素濃度計と、前記溶存酸素濃度計の計測値に基づいて前記気体回収装置による回収量を制御する第二気体回収量制御部を備えた請求項1から4のいずれかに記載の水処理設備。
【請求項6】
前記流路内散気装置から発生した気体が前記流路内の水面を通過する単位水面面積あたりの気体流量が、前記好気槽の底部に設置された好気槽内散気装置から放出した気体が前記好気槽内の水面を通過する単位水面面積あたりの気体流量より少なく設定されている請求項1から5のいずれかに記載の水処理設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−110501(P2011−110501A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269400(P2009−269400)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】