説明

水分測定装置及び水分測定方法

【課題】
従来の一室電解法を用いたカールフィッシャー電量滴定法による水分測定装置では、バックグランドの測定が不正確となるため水分測定結果がマイナスとなる傾向を示す。また、加熱水分気化装置を用いた測定では、キャリヤーガスである窒素ガスの通気によってバックグランドの測定が不可能となるため、一室電解法が使用できない難点があった。
【解決手段】
バックグランドの測定を正確に行うために、複数の電解陰極を設けた電解セルを考案した。測定にあたっては、試料の水分を測定するための電解陰極とバックグランドを測定するときの電解陰極を切換えて測定することによって、測定精度の向上が図られた。
また、加熱水分気化装置を用いた測定では、キャリヤーガスである窒素ガスを通気してもバックグランドの測定が可能となり、一室電解法による水分測定が可能となった。これにより、試薬の削減および高価な白金電極の使用量が削減できる一室電解法の応用範囲を広げることができた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカールフィッシャー電量滴定法(以後、KF電量滴定法と略記)を用いた水分測定装置および水分測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
KF電量滴定法を用いた水分測定法は、微量水分(μgオーダ)を正確に測定できる特長を備えていることから、液体試料、固体試料および気体試料などの品質管理分析の分野で広く使用されている。
KF電量滴定法には、その電解セルの構造において二室電解セル(例えば、特許文献1)または一室電解セルを用いた測定法がある。一室電解セルを用いた測定法(以後一室電解法と略記する)は二室電解セルを用いた方法(以後二室電解法と略記する)に比較して、電解隔膜を使用しないため対極液が不要であることおよび電解陰極の表面積を小さくすることができるため電解セルを小型化できる他、高価な白金を使用した電解陰極の製造コストを大幅に削減できるなどの数々の特長を有している。
【0003】
しかしながら、一室電解法は上述のような特長を備えているにもかかわらず、未だ普及していない現状である。その要因は、公定法(JISおよび日本薬局方など)への採用が認められていないことの他に、いくつかの未解決の問題点が存在することもその要因である。
【0004】
二室電解法は電解陰極が隔膜で電解陽極と隔てられ電解陰極で発生する妨害成分の拡散を防止しているのに対し、一室電解法では電解陰極で発生する妨害成分が拡散し測定結果に大きなバラツキを生じ正確に測定することができないため、この妨害生成物の生成量を小さくする方法が特許文献2および特許文献3に示されている。これらの文献では、一対の電解陽極と電解陰極を用い、電解陰極の表面積を小さくして電流密度を大きくすることで電解陰極から生成される発生液中のSO由来の妨害生成物の生成量を小さくし、水分を正確に測定するものである。また、二室電解法を用いて微量の水分を正確に測定するため方法が特許文献1で提案されている。この文献では試料の測定に先んじて電解セルのバックグランド(電解セルの外部から混入する水分を一分間当たりの漏れ込み量μgHO/分として表現し、以後BGと略記する)を測定し、試料の測定結果に対して補正を加えることで正確さを高めている。
【0005】
文献2および3の一室電解法には、BG測定精度に関する記述はなく、そのBG測定がどのようにして測定され且つ正確に測定されていたか不明である。そこで図1に示したBG測定用電解セルを用いて、一室電解法と二室電解法のBG値を同一環境において測定した結果、一室電解法のBG測定結果が不正確であること、そのほか固体試料測定のための加熱水分気化装置(例えば、特許文献4)と特許文献1に相当する水分測定装置を接続して測定する場合、前記BGの計測結果が異常値を示す不具合があることが明らかとなった。
本発明は、このようなBG測定の不具合要因を明らかにするとともに不具合点を改善し、より正確な水分測定結果を与える一室電解法によるKF電量滴定法にかかわるものである。
【特許文献1】特公昭60−13143号公報
【特許文献2】特開昭55−24652号公報
【特許文献3】特開平5−10922号公報
【特許文献4】特開2002−286595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記文献に記載されている従来技術にはいくつかの不具合を有している。
第一の不具合として、従来の一室電解法を用いて前記特許文献2および3に記載されている陰極電流密度(0.5〜20A/cm)で測定すると、水分測定結果が二室電解法に比較してマイナスとなる結果を示す。この原因を調査した結果、BG計測結果が二室電解法の計測結果に比較して高めの値を示し、その結果、過剰に補正が行われて小さい水分測定結果を示すことが明らかとなった。その結果を表1に示した。表1は二室電解法と一室電解法のBGと水分測定結果を比較したものであり、測定時の電解電極の諸条件を併記してある。
【表1】


表1に示したBG測定結果および水分測定結果は、図1に示した電解セル3を使用して測定し、BGについては同一の電解陽極6に対して二室電解セル用電解陰極10から一室電解陰極7に切換スイッチ15で順次切り替え測定したもので測定時差による誤差は極力小さく、明らかに一室電解法が大きい値を示していることがわかる。一方、水分測定結果は2μLの純水をマイクロシリンジにより加え測定したもので、一室電解法の測定結果が小さい値を示しており、BG補正が過剰に補正されていることがわかる。
【0007】
上記不具合現象について考察すると、一室電解法では、試料の測定時の電解電流は100〜300mAと大きく文献2および3で示された大きさの電解陰極と電流密度で測定されるが、一方、試料の測定前のBG計測では電解セルのコンディションによってBGは異なり、その電解電流は一般に0.1〜10mAの電解電流となり通常は数mA(BG1の時の電解電流は0.1785mAに相当)である。したがって、BG測定時の電流密度(表1では0.0125A/cm)は試料測定時の電流密度(表1では3.75 A/cm )と比較して約1/300倍以上と小さい。電流密度が小さくなることで、電解陰極における妨害成分の発生効率が高まり、その結果BG計測値も増加するものと推測される。
【0008】
この対策として、電解陰極の表面積をより小さくして電流密度を高めることも考えられるが、実験の結果、試料測定時の電解電流を100〜300mAに保つためには表1に示した電解陰極の表面積0.008cmが必要であった。したがって、一室電解陰極としては表1に示した大きさが最小の大きさであった。
【0009】
第二の不具合は、加熱水分気化装置を接続した場合のBG計測結果が異常値を示す不具合である。
加熱水分気化装置を組み合わせて水分を測定する方法は、発生液に直接溶解できない固体試料(プラスチックペレットなど)を加熱し気化した水分をキャリャーガス(窒素ガスなどの不活性ガスなど)とともに発生液に通気して間接的に個体中の水分を測定するもので、産業界で広く活用されている。この方法に一室電解法を応用することの効果は大きく、第一に、対極室が不要であることから電解セルの構造が簡単となり小型化が可能である。第二に、対極液が不要なので対極液由来のBGが削減できるので、BG値が小さくなり測定精度が高まることが期待できる。
【0010】
第二の不具合現象は、図1に示した電解セル3を使用して発生液4に加熱水分気化装置からの乾燥窒素ガス17を通気すると、図2に示す様に二室電解法では安定していたBG値が一室電解陰極7aへ切換スイッチ15を切り替えた時点から急激に上昇する現象が発生するものである。図2に示したBG急増原因を探るために、図1の乾燥窒素ガス17の通気に代えて乾燥空気16を通気した結果、図2に示した現象は発生しないことを見出した(図3)。すなわち、窒素ガス通気以前は電解陰極7aでは主に発生液中の酸素の還元が行われSO由来の妨害成分の生成が少ないが、窒素ガスの通気によって酸素が除去された結果SO由来の妨害成分の生成が増大したものと推測される。
【0011】
以上の事実から、溶存酸素の存在が一室電解法による水分測定をより可能としていることが明らかである。また、一般にKF電量滴定法に使われているメタノールなどの有機溶媒中の溶存酸素は水中のそれに比較して約10倍(0.024mol/L)と大きく、陰極電解反応におけるSOの還元に先んじて酸素が還元されSO由来の妨害成分の生成が減少し、その結果一室電解法による測定法が成立しているものと推測される。一方、除酸素された発生液を用いて一室電解法で測定すると、電解陰極ではメタノールの電解によって生成する水素ガスの他にSO由来の妨害成分が生成する。さらに電解電流密度が小さくなるBG測定時には、SO由来の妨害成分の電解効率が大きくなることによってBG測定結果も大きくなるものと推測される。SO由来の妨害成分としては、SOの電解還元によってSO- -またはS- -が生成され、これが電解陽極で生成したヨウ素と反応し妨害しているものと推測される。
前記諸点に着目し、本発明は、構成の簡単な一室電解法において、BGを可及的正確に検出することで、二室電解法と同等かこれを超える高精度で検出できる水分検出装置、あるいは同じく水分検出方法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的は、発生液を入れる電解セルと、この電解セルに設けられ前記発生液に浸す電解陽極およびこの電解陽極の対極となる電解陰極と、同じく発生液に浸す指示電極とを具備する水分測定装置において、前記電解陰極は前記発生液に浸す部分の表面積が相互に異なる複数個の電極から構成されているものである水分測定装置、あるいは、電解セルに発生液を入れ、この発生液に電解陽極、電解陰極及び指示電極を浸し、電極に流れる電流から水分を測定する方法であって、前記電解陰極を複数個設け、電極に流れる電流の大きさに応じて複数個の電解電極を選択的に切り換えて水分を測定する水分測定方法によって達成される。
【0013】
言い換えると本発明は、電解陰極としてBG測定用と試料測定用の二種類の電解陰極を準備し、試料測定時はその両極を切換え、水分が発生液に多量にあるときは電解陰極Bで電解し水分が少なくなり終点近傍となった時点のパルス電解(電解電流10mA)では電解陰極Cを用いて測定するように構成したものである。
また、BG補正電流は電解陰極Cに切り替えるようにすること、すなわち、BG測定時は電解陰極Cを用いて測定するように構成したものである。
【発明の効果】
【0014】
前記手段によれば、構成の簡単な一室電解法において、BGを可及的正確に検出することで、水分を高精度で検出できる水分検出装置、あるいは同じく水分検出方法を提供することができるものであり、結果としてJISなどで認定されている二室電解法と遜色がないかあるいはこれを凌駕する性能の水分測定装置を提供することができたものである。
【0015】
以下、その効果を具体的に説明する。図1に示した電解セル3に発生液4を加えて除酸素するために乾燥窒素ガス17を通気し、表3に示した電解陰極BおよびCの表面積を備える一体型の一室電解陰極7bを用いて水分の測定とBGの測定を二室電解法と比較して測定した。測定結果を表2に示した。表2に示した結果が示すように、除酸素された発生液を用いて測定しても、本発明による一室電解法の結果と二室電解法の結果が殆ど一致していることがわかる。
【0016】
一方、本発明の方が二室電解法よりも優れている部分もあり、小型で高性能の水分測定装置を提供することができることがわかる。
【表2】


表3に示した結果は、試料として純水を用いて測定した結果であり、本発明による一室電解法の結果と二室電解法の結果が一致していることがわかる。
【表3】


また、本発明による測定法によれば、従来の酸素を含んでいる発生液または除酸素された発生液を用いても同じ測定結果が得られ、特に従来一室電解法が使用できなかった加熱水分気化装置を接続した水分測定への応用も可能となった。このことは、KF電量滴定による水分測定技術の向上が図られることになり、測定精度の改善の他、微量水分測定装置の小型改良によって試薬消費量が減少し環境負荷の削減および希少価値の高い白金の使用量の削減が可能となる。
【実施例】
【0017】
本発明の実施例を図4および図5に基づいて説明する。図4は本発明による水分測定装置のブロック図を示したものである。また図5に本発明の水分測定装置の電解様式と水分測定フローを時系列に表した模式図である。
電解セルとしては図4に示したガラス製の電解セル3が使用される。電解セルには終点を検出するための指示電極2(二本の白金線がガラス先端に封入されている)が配置され、電解セル3に加えられた発生液4の水分が無くなった終点を検出するための入力アンプ12に接続されている。指示電極2からの終点検出信号は入力アンプ12によって増幅された後マイクロコンピュータに取り込まれ、図5(1)に示した電解のオンオフ制御をおこなう制御値と終点の判断制御が行われる。図5(1)の縦軸は指示電極信号のレベルを示し、横軸は測定時間を示す。図5(1)のA領域は発生液3に水分が多く存在する領域を示し、B領域は水分の大部分が測定され残り少ない領域を示している。図5(1)のC領域は発生液3の水分のほとんどが測定され無水の状態を示す。図5(1)には、ブランクの消去、BGの測定、試料の測定中の指示電極信号の変化を示している。
【0018】
電解セル3には、KF反応成分であるヨウ素を電解発生するための電解陽極6(表2の電解陰極と同じ表面積を有する白金製のもの)と本発明による複数の電解陰極B18および電解陰極C19を備える電解陰極7bが配置され、各電解陰極は白金製でスイッチを経由して電解電源14に接続されている。各電解電極による電解の動作状態は、図5(2)に示した電解電流−時間フロー図によって表わされる。図5(2)の縦軸は電解電流の大きさを示し、横軸は測定時間を示す。また、図5(3)に示した水分測定装置の運転状況に対応して電解制御がマイクロコンピュータによって行われる。図5(3)はブランク消去、BG測定、試料注入および水分測定などの分析フローと、各段階で使用される本発明の電解陰極(BおよびC)の使用状況を示している。
【0019】
電解セル3には、水分の混入を防ぐための乾燥管1が取り付けられている。電解セル3にはKF電量滴定法のための市販の発生液4(ハイドラナール・アクアライトRS-Aなど)約100mLが加えられる。発生液は電解セル3の下に配される回転マグネットと磁気結合されて回転するマグネチックピース5によって適宜攪拌される。
水分測定装置に電源が投入されると、最初にブランクを消去(図5(3)“ブランク消去”)するための電解が行われる。ブランク消去は元々発生液4に含まれていた水分を電解で消去するもので、電解陽極6と電解陰極B18に接続され100〜300mAの最大電解電流が加えられる(図5(1)のA領域)。電解電流としては図5(2)Ibが流され、次第に発生液4の水分が電解によって消去され指示電極2の信号が図5(1)のB領域に到達するとIbによる電解を一時中断する。電解中断中にKF反応の遅れが取り戻されると、指示電極信号は再びA領域に戻る。A領域に戻った時点で再びIbによる電解が行われる。
【0020】
このようにして、電解が進みB領域に指示電極電位が留まるようになると、電解陰極B18から電解陰極C19に切換えられ電解は小電流(10mA以下)によって連続的に行われる。この時点は図5(3)に示した“バックグランド測定”に相当し、電解セル内の水分は徐々に減少していき、これに伴い電解電流も徐々に減少していく。もはや電解電流が一定となる時点が来るがこの時点をBG(図5(2)“BG電流”)と呼び先に述べたブランクと区別する。BGの値は一般には10μgHO/分以内であり、この時のBG電流は10×0.1785mA=1.785mAとなりブランク消去時の電解電流100〜300mAに較べると約1/50〜1/150の電流である。
【0021】
BGが一定となった時点で試料の測定が可能となる。図4キーボード21の“試料の注入”キーの操作によってBG電流値がマイクロコンピュータに記憶される。この時点からBG電流が電解陰極C19に流される。試料が注入され検出電極2からの指示電極電位がA領域になると電解陰極は電解陰極B18に切換えられ電解(図5(2)“IS”)が行われる。電解陰極B18による電解中はBG電流値に相当するBGがコンピュータによって演算補正される。測定が進み指示電極電位がA領域からB領域に入ると、電解は前記ブランク消去時と同様な様式で電解が断続的に行われる。指示電極電位がB領域に入ると電解陰極は電解陰極C19に切換り前記記憶されたBG電流が流され補正される。指示電極電位がB領域に一定時間(2〜3秒)留まるようになると電解陰極C19によって断続的な電解(図5(2)のパルス電解:約10mAの電流で一定時間の電解)が行われる。電解の中断中は電解陰極C19には記憶されたBG電流が流される。かくして、終点を一定の“待ち時間”(図5(1)一般には15秒〜20秒間)保持した時測定を終了する。水分測定結果が表示器(図5表示器20)にμgHOまたはppm単位で表示される。測定終了後は、次の測定に備えて電解セルのBG測定が再び電解陰極C19によって行われる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来の二室電解法と一室電解法のBGを比較測定するために用いた測定装置を示す概略断面図。
【図2】徐酸素した発生液を使用した時のBGにおいて、二室電解法から一室電解法に切換えた時のBGの異常上昇を示すデータを示す。
【図3】酸素を含んだ発生液を使用した時のBG測定において、二室電解法から一室電解法に切換えた時のBGに変化がないことを示すデータを示す。
【図4】本発明の一実施例を示す一室電解法測定装置のブロック図。
【図5】本発明の水分測定装置の電解様式と水分測定フローを時系列に表した模式図。
【符号の説明】
【0023】
1、乾燥管
2、指示電極
3、電解セル
4、発生液
5、マグネチックピース
6、電解陽極
7a、一室電解陰極
7b、一室電解陰極
8、窒素ガス導入用発泡管
9、対極室
10、二室電解セル用電解陰極
11、 対極液
12、入力アンプ
13、マイクロコンピュータ
14、電解電源
15、切換スイッチ
16、乾燥空気
17、乾燥窒素ガス
18、電解陰極B
19、電解陰極C
20、表示器
21、キーボード
22、プリンタ
23、電解隔膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発生液を入れる電解セルと、この電解セルに設けられ前記発生液に浸す電解陽極およびこの電解陽極の対極となる電解陰極と、同じく発生液に浸す指示電極とを具備する水分測定装置において、前記電解陰極は前記発生液に浸す部分の表面積が相互に異なる少なくとも二つの電極から構成されているものである水分測定装置。
【請求項2】
前記複数個の電解陰極は、一方の電解陰極の表面積を他方に比し1から50%の範囲内にしたものである請求項1記載の水分測定装置。
【請求項3】
電解セルに発生液を入れ、この発生液に電解陽極、電解陰極及び指示電極を浸し、この電解陽極に流れる電流から水分を測定する方法であって、前記電解陰極を複数個設け、前記指示電極から検出された電位が、あらかじめ設定された電解の制御値よりも低下したことを検出し、前記複数個の電解陰極を表面積の大きい電解陰極から小さい電解陰極に切り換えてバックグランド値を測定し、且つ、前記バックグランド値に相当する電流を電解陽極に流し、試料の水分測定値を補正する水分測定方法。
【請求項4】
電解セルに発生液を入れ、この発生液に電解陽極、電解陰極及び指示電極を浸し、この電解陽極に流れる電流から水分を測定する方法であって、前記電解陰極を複数個設け、前記指示電極から検出された電位が、あらかじめ設定した制御値を越えたときに、前記複数個の電解陰極を表面積の小さい電解陰極から大きい電解陰極に切り換えて最大電解電流を電解陽極に流す請求項3記載の水分測定方法。
【請求項5】
電解セルに発生液を入れ、この発生液に電解陽極、電解陰極及び指示電極を浸し、この電解陽極に流れる電流から水分を測定する方法であって、前記電解陰極を複数個設け、前記指示電極から検出された電位が、あらかじめ設定した制御値よりも低下し一定時間経過した時、前記複数個の電解陰極を表面積の大きい電解陰極から小さい電解陰極に切り換え、断続的な電解によって暫時終点に近づける電解制御を行う試料の水分測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−60535(P2010−60535A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229430(P2008−229430)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(000240042)平沼産業株式会社 (9)