説明

水切り乾燥装置

【課題】排水中から効率的にアルコールを回収することによって水切り溶液に含まれるアルコールの消費を抑制し、優れた水切り性を維持することができる水切り乾燥装置を提供する。
【解決手段】水切り乾燥装置1は、表面に水分が付着した被処理材5aを水切り溶液61中に浸漬して、被処理材5aから水分を除去する装置である。この水切り乾燥装置1は、フッ素系溶剤とアルコールとの混合溶液よりなる水切り溶液61を蓄える水切り槽21と、水切り槽21からあふれ出た水切り溶液61を蓄えると共に水切り溶液61から水分濃度の高い分離液62を浮上分離させるための分離槽22と、パーベーパレーション膜を用いて分離液62から水分を除去して濃縮させたアルコールを回収するアルコール回収装置4とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に水分が付着した被処理材を水切り溶液中に浸漬して該被処理材から水分を除去する水切り乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品、光学部品、精密機械部品、あるいは金属、非金属製品等(以下、物品と呼ぶ)は、一般的に純水等により洗浄した後、物品の表面に付着した水分を除去する水切り工程が必要とされている。この水切り工程が不十分であると、乾燥後の物品の表面に水じみが発生する等の問題が生じる。
【0003】
近年、物品の表面に付着した水分を容易に乾燥除去し、かつ乾燥後の水じみの発生を抑制することができる水切り溶液の組成物やその乾燥方法が提案されている。特にフッ素系溶剤とアルコールとの混合溶液は、低毒性、不燃性、低腐食性であり、なおかつ優れた水切り性を示す。そのため、この混合溶液は、工業的に有効な水切り溶液として利用することができ、これを用いた水切り乾燥方法も提案されている。
【0004】
上記水切り乾燥方法として、被処理材の表面に付着した水分を除去するために、水切り溶液に被処理材を浸漬し、超音波振動や撹拌などの物理的作用を付加させる方法が提供されている(特許文献1)。
【0005】
上記に示される方法は、図3に示すごとく、水切り乾燥装置9を用いて行われる。
まず、表面に水分が付着した被処理材95aを上記特定の水切り溶液961が蓄えられた水切り槽921に浸漬する。付着していた水分(以下、適宜、単に「水」と呼ぶ)は、水切り溶液961との比重差により浮力を受け、付着力が弱まるため、被処理材95aの表面から剥離される。剥離された水は水切り槽921の液面に浮上する。この浮上した水は、水切り槽921からあふれ出た水切り溶液961と共に分離槽922へ流れ落ちる。
【0006】
次に、被処理材95aを水切り槽921から蒸気槽927へ引き上げる。引き上げられた被処理材95bは、蒸気槽927に充満している蒸気によって表面に付着している水切り溶液961を蒸気乾燥させる。
これにより、被処理材95bの表面に付着した水分は除去される。
【0007】
一方、分離槽922に流れ落ちた水と水切り溶液961は、比重差により分離され、分離槽922の液面には水分濃度の高い分離液962が浮上分離する。分離液962は配管936を通り、排水963として外部に排出される。
また、分離槽922で分離された水切り溶液は回収され、水切り槽921に戻される。
【0008】
しかし、排水963は、いまだ高濃度のアルコールを含有し、適切な排水処理を施す必要がある。また、水切り作業を繰り返すことにより、水切り溶液961に含まれるアルコールは選択的に消費され、水切り性が低下するという問題がある。従って、優れた水切り性を維持するためには、アルコールを定期的に補給する必要がある。この定期的なアルコールの補給頻度又は量を低減し、省資源化に貢献するために、排水中から効率的にアルコールを回収できるシステムが望まれている。
【0009】
【特許文献1】特開平5−320615号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、排水中から効率的にアルコールを回収することによって水切り溶液に含まれるアルコールの消費を抑制し、優れた水切り性を維持することができる水切り乾燥装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、表面に水分が付着した被処理材を水切り溶液中に浸漬して該被処理材から水分を除去する水切り乾燥装置において、フッ素系溶剤とアルコールとの混合溶液よりなる上記水切り溶液を蓄える水切り槽と、該水切り槽からあふれ出た上記水切り溶液を蓄えると共に該水切り溶液から水分濃度の高い分離液を浮上分離させるための分離槽と、パーベーパレーション膜を用いて上記分離液から水分を除去して濃縮させたアルコールを回収するアルコール回収装置とを有していることを特徴とする水切り乾燥装置にある(請求項1)。
【0012】
本発明の水切り乾燥装置は、パーベーパレーション膜を有するアルコール回収装置を設けている。そのため、この水切り乾燥装置を使用すれば、被処理材からの水分除去を十分に行うことができると共に、使用した水切り溶液の排水中から効率的にアルコールを回収できる。
【0013】
即ち、まず、表面に水分が付着した被処理材を上記特定の水切り溶液が蓄えられた水切り槽に浸漬する。付着していた水分は上記水切り溶液との比重差により浮力を受け、付着力が弱まるため、上記被処理材の表面から剥離される。剥離された水は上記水切り槽の液面に浮上する。この浮上した水は、上記水切り槽からあふれ出た上記水切り溶液と共に上記分離槽に流れ落ちる。
【0014】
上記分離槽に流れ落ちた水と水切り溶液は、比重差により分離され、該分離槽の液面には水分濃度の高い分離液が浮上分離する。上記分離液はアルコール回収装置へ送られ、上記パーベーパレーション膜により水分が除去される。そして、アルコール濃度を高めて濃縮させたアルコールを回収し、上記水切り槽に戻すことができる。
【0015】
これにより、高濃度のアルコールを上記水切り槽へ定期的に補給することができ、アルコールの消費を抑制することができる。また、水切り作業の繰り返しによる水切り性の低下を抑制し、優れた水切り性を維持することができる。
また、パーベーパレーション膜を透過した水は、排水として外部に排出されるが、アルコール濃度が低いため、排水処理を施す負荷が大幅に軽減する。
【0016】
以上のごとく、本発明によれば、排水中から効率的にアルコールを回収することによって水切り溶液に含まれるアルコールの消費を抑制し、優れた水切り性を維持することができる水切り乾燥装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明において、上記水切り溶液はフッ素系溶剤とアルコールとの混合溶液からなる。上記フッ素系溶剤としては、例えば、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン等を用いることができる。また、上記アルコールとしては、例えば、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール等を用いることができる。
【0018】
また、本発明において、上記パーベーパレーション膜としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリイミド、キトサン、ゼオライト等を用いることができる。なお、パーベーパレーション膜とは、蒸発させた処理液を透過させ、特定物質を分離・回収する、孔のない均質膜である。
【0019】
また、上記分離槽と上記アルコール回収装置との間には、上記分離液にアルコールを加えてアルコール濃度を調整するための調整槽が配設されていることが好ましい(請求項2)。この場合には、上記調整槽で上記分離液にアルコールを加えてアルコール濃度を高めた後、例えば、50wt%以上に調整した後に、上記アルコール回収装置に送ることができる。これにより、上記パーベーパレーション膜によるアルコールの濃縮効率を高めることができる。
【0020】
また、上記アルコール回収装置は、処理すべき上記分離液を蓄える濃縮槽と、上記パーベーパレーション膜を備えたパーベーパレーション膜モジュールとを有しており、上記濃縮槽と上記パーベーパレーション膜モジュールとの間には、上記濃縮槽から上記分離液を上記パーベーパレーション膜モジュールに供給する供給経路と、上記パーベーパレーション膜モジュールから導出された上記分離液を上記濃縮槽に戻す導出経路とが設けられており、上記濃縮槽と上記パーベーパレーション膜モジュールとの間を上記分離液が循環可能に構成されていることが好ましい(請求項3)。この場合には、上記濃縮槽と上記パーベーパレーション膜モジュールとの間を上記分離液が連続的に循環することができるため、上記パーベーパレーション膜によるアルコールの濃縮効率を高めることができる。
【実施例】
【0021】
(実施例1)
以下に、本発明の実施例にかかる水切り乾燥装置について図1〜図3を用いて説明する。
本例の水切り乾燥装置1は、表面に水分が付着した被処理材5aを水切り溶液61中に浸漬して、被処理材5aから水分を除去する装置である。
この水切り乾燥装置1は、フッ素系溶剤とアルコールとの混合溶液よりなる水切り溶液61を蓄える水切り槽21と、水切り槽21からあふれ出た水と水切り溶液61を蓄えると共に水切り溶液61から水分濃度の高い分離液62を浮上分離させるための分離槽22と、パーベーパレーション膜を用いて分離液62から水分を除去して濃縮させたアルコールを回収するアルコール回収装置4とを有している。
以下、さらに詳説する。
【0022】
水切り乾燥装置1は、図1に示すごとく、水切り乾燥部2と、調整槽3と、アルコール回収装置4と、これらをつなぐ複数の配管とにより構成されている。
水切り乾燥部2は、被処理材5aを水切り槽21に浸漬するための開放口28を有し、上方が開放されている。
また、水切り乾燥部2の下方には、水切り溶液61を蓄えると共に、表面に水分が付着した被処理材5aを浸漬する水切り槽21が配設されている。
【0023】
水切り槽21の隣には、水切り槽21からあふれ出た水と水切り溶液61を蓄えると共に、比重差により水分濃度の高い分離液62を浮上分離させるための分離槽22が並設されている。
分離槽22の隣には、分離槽22で分離され、下方に溜まった水切り溶液を連通口221から導入し、備蓄する備蓄槽23が並設されている。
備蓄槽23の隣には、備蓄槽23からあふれ出た水切り溶液と、アルコール回収装置4から回収されたアルコールと水切り溶液を混合する回収槽24が並設されている。なお、回収槽24は、バルブ371を備えた配管37を通じてアルコール回収装置4と接続されている。なお、回収槽24を介さず、水切り槽21とバルブ371を備えた配管37を通じて後述するアルコール回収装置4と接続する構成とすることもできる。
【0024】
また、水切り槽21には、分離槽22を併設した側と反対側に、回収された水切り溶液を蓄えると共に、定期的あるいは連続的に水切り溶液を水切り槽21へ供給する供給槽25が並設されている。なお、供給槽25を並設せず、水切り槽21の液面へ水切り溶液を直接供給する構成とすることもできる。
【0025】
供給槽25の隣には、水切り槽21から引き上げられた被処理材5bの蒸気乾燥のために用いる、蒸気を発生させる蒸気発生槽26が並設されている。蒸気発生槽26の底部には、蒸気発生槽26に蓄えられた水切り溶液61を加熱し、蒸気とするためのヒータ261が配設されている。
なお、供給槽25及び蒸気発生槽26と回収槽24とは、ポンプ311を備えた配管31を通じて接続されており、回収槽24内の液を供給槽25又は蒸気発生槽に送ることができるよう構成されている。
【0026】
水切り乾燥部2の上方には、蒸気発生槽26から発生した蒸気を充満させると共に、水切り槽21から引き上げられた被処理材5bの表面に付着している水切り溶液61を蒸気乾燥させる蒸気槽27が配設されている。
また、蒸気槽27の上部には、開放口28から外部へ放出される蒸気を冷却する冷却管271が、蒸気槽27の側壁に沿って配設されている。この冷却管271の内部には、冷却水が循環している。
【0027】
冷却管271には、冷却管271の表面で冷やされ、蒸気から液体となった水切り溶液61を回収する回収器271が配設されている。冷却管271と回収器272とは、配管32を通じて接続されている。
また、回収器272には、回収した水切り溶液61を水切り槽21に戻すための配管33が配設されている。
【0028】
水切り乾燥部2内に配設された分離槽22とアルコール回収装置4との間には、図1に示すごとく、分離液62にアルコールを加えてアルコール濃度を調整するための調整槽3が配設されている。調整槽3は、ポンプ341を備えた配管34を通じて分離槽22と、バルブ351を備えた配管35を通じてアルコール回収装置4とそれぞれ接続されている。
なお、調整槽3を配設せずに分離槽22とアルコール回収装置4とを直接的に接続する構成とすることもできる。
【0029】
アルコール回収装置4は、図2に示すごとく、分離液62を蓄える濃縮槽41と、パーベーパレーション膜421を備えたパーベーパレーション膜モジュール42とを有している。また、濃縮槽41とパーベーパレーション膜モジュール42との間には、ヒータ431を備えた加熱装置43が配設されている。
【0030】
濃縮槽41、パーベーパレーション膜モジュール42、加熱装置43は、ポンプ451を備えた配管45と配管46、47とを通じて接続されており、分離液62が循環可能であるように構成されている。
また、濃縮槽41は、ポンプ351を備えた配管35を通じて調整槽3と、バルブ371を備えた配管37を通じて回収槽24とそれぞれ接続されている。なお、回収槽24を介さず、濃縮槽41と水切り槽21とをバルブ371を備えた配管37を通じて直接的に接続する構成とすることもできる。
【0031】
パーペーパレーション膜モジュール42には、パーベーパレーション膜421を透過した蒸気を冷却するコンデンサー44が配設されている。パーベーパレーション膜モジュール42とコンデンサー44とは、配管48を通じて接続されている。また、コンデンサー44には、排水63を外部に排出するための配管36が配設されている。
なお、コンデンサー44は配設しない構成とすることもできる。
【0032】
本例では、水切り溶液61として、フッ素系溶剤であるハイドロフルオロエーテルとアルコールであるイソプロピルアルコールとの混合溶液を用いた。また、パーベーパレーション膜421として三井造船(株)製のA型ゼオライト膜チューブを用いた。
【0033】
次に、水切り乾燥装置1を用いて水切り乾燥を行う方法について説明する。
まず、表面に水分が付着した被処理材5aを、開放口28から水切り溶液61が蓄えられた水切り槽21に浸漬する。付着していた水分は水切り溶液61との比重差により浮力を受け、付着力が弱まるため、被処理材5aの表面から剥離される。剥離された水は水切り槽21の液面に浮上する。このとき、水切り溶液61に超音波振動や撹拌などの物理的作用を加えることにより、被処理材5aの表面に残留している付着した水分をしっかりと取り除くことができる。浮上した水は、水切り槽21からあふれ出た水切り溶液61と共に分離槽22へ流れ落ちる。
【0034】
次に、被処理材5aを水切り槽21から蒸気槽27へ引き上げる。引き上げられた被処理材5bは、蒸気槽27に充満している蒸気によって表面に付着している水切り溶液61を蒸気乾燥させる。
蒸気槽27に充満している蒸気は、開放口28から外部へ放出されないように、内部に冷却水を循環させている冷却管271の表面で冷やされ、液体となって回収器272に回収される。回収された水切り溶液61は配管33を通り、水切り槽21に戻される。
【0035】
一方、分離槽22に流れ落ちた水と水切り溶液61は、比重差により分離され、分離槽22の液面には水分濃度の高い分離液62が浮上分離する。この分離液62は配管34を通り、調整槽3に送られる。
なお、分離槽22で分離された水切り溶液は、分離槽22の下方に溜まり、連通口221から備蓄槽23へ導入される。さらに、備蓄槽23からあふれ出た水切り溶液は、回収槽24に回収される。
【0036】
調整槽3に送られた分離液62は、アルコール回収装置4でのアルコールの濃縮を効率よく行うため、アルコール濃度が常に50wt%以上になるようにアルコールを加えて濃度調整を行う。濃度調整された分離液62は配管35を通り、アルコール回収装置4に送られる。
【0037】
アルコール回収装置4に送られた分離液62は、バルブ371を閉鎖した状態で濃縮槽41に蓄えられ、ある一定量となったところでバルブ351を閉鎖する。これにより、アルコール回収装置4は、濃縮槽41とパーベーパレーション膜モジュール42との間に、ヒータ431を備えた加熱装置43を設けた循環系が形成される。
【0038】
濃縮槽41に蓄えられた分離液62はポンプ451の駆動によって配管45を通り、加熱装置43に送られる。そして、加熱装置43に備えられたヒータ431によって加熱され、蒸気となって配管46を通り、パーベーパレーション膜モジュール42に送られる。蒸気となった分離液62は、パーベーパレーション膜モジュール42に備えられたパーベーパレーション膜421により脱水・アルコール濃縮され、配管47を通り、濃縮槽41に戻される。
【0039】
一方、パーベーパレーション膜421を蒸気となって透過した水は、配管48を通り、コンデンサー44に送られる。そして、コンデンサー44によって冷却されて液体となり、排水63として配管36を通り外部に排出されるが、アルコール濃度は低いため、排水処理を施す負荷が大幅に軽減される。
【0040】
分離液62は、濃縮槽41とパーベーパレーション膜モジュール42との間を数回循環し、パーベーパレーション膜421による脱水・アルコール濃縮を繰り返し行う。
十分に脱水され、所定のアルコール濃度(望ましくはアルコール濃度が95wt%以上)に濃縮された分離液62は、濃縮槽41から配管37を通り、回収槽24に回収される。
【0041】
アルコール回収装置4より回収槽24に回収されたアルコールは、水切り溶液とともに配管31を通り、供給槽25及び蒸気発生槽26に送られる。供給槽25に送られたアルコールは、水切り溶液とともに水切り槽21に戻される。なお、アルコール回収装置4より回収されたアルコールを濃縮槽41から配管37を通り、回収槽24を介さずに水切り槽21に戻してもよい。
【0042】
これらにより、高濃度のアルコールを水切り槽21へ定期的に補給することができ、アルコールの消費を抑制することができる。また、水切り作業の繰り返しによる水切り性の低下を抑制し、優れた水切り性を維持することができる。
【0043】
以上のごとく、本例によれば、排水中から効率的にアルコールを回収することによって水切り溶液に含まれるアルコールの消費を抑制し、優れた水切り性を維持することができる水切り乾燥装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】実施例1における、水切り乾燥装置の構成を示す説明図。
【図2】実施例1における、調整槽とアルコールとの構成を示す回収装置の説明図。
【図3】従来例における、水切り乾燥装置の構成を示す説明図。
【符号の説明】
【0045】
1 水切り乾燥装置
21 水切り槽
22 分離槽
3 調整槽
4 アルコール回収装置
41 濃縮槽
42 パーベーパレーション膜モジュール
421 パーベーパレーション膜
5a、5b 被処理材
61 水切り溶液
62 分離液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に水分が付着した被処理材を水切り溶液中に浸漬して該被処理材から水分を除去する水切り乾燥装置において、
フッ素系溶剤とアルコールとの混合溶液よりなる上記水切り溶液を蓄える水切り槽と、
該水切り槽からあふれ出た上記水切り溶液を蓄えると共に該水切り溶液から水分濃度の高い分離液を浮上分離させるための分離槽と、
パーベーパレーション膜を用いて上記分離液から水分を除去して濃縮させたアルコールを回収するアルコール回収装置とを有していることを特徴とする水切り乾燥装置。
【請求項2】
請求項1において、上記分離槽と上記アルコール回収装置との間には、上記分離液にアルコールを加えてアルコール濃度を調整するための調整槽が配設されていることを特徴とする水切り乾燥装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、上記アルコール回収装置は、処理すべき上記分離液を蓄える濃縮槽と、上記パーベーパレーション膜を備えたパーベーパレーション膜モジュールとを有しており、
上記濃縮槽と上記パーベーパレーション膜モジュールとの間には、上記濃縮槽から上記分離液を上記パーベーパレーション膜モジュールに供給する供給経路と、上記パーベーパレーション膜モジュールから導出された上記分離液を上記濃縮槽に戻す導出経路とが設けられており、
上記濃縮槽と上記パーベーパレーション膜モジュールとの間を上記分離液が循環可能に構成されていることを特徴とする水切り乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−15214(P2006−15214A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194327(P2004−194327)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(599050815)新オオツカ株式会社 (9)
【Fターム(参考)】