説明

水圧転写用フィルム

【課題】カーボンブラックの濃度が高く、かつ分散安定性の優れた墨インキを含むインキ組成物にて印刷層が形成された水圧転写用フィルムを提供すること。
【解決手段】水溶性もしくは水膨潤性を有する基材フィルムと、転写用の印刷層とを有する水圧転写用フィルムであって、前記転写用の印刷層を形成するための印刷インキとして墨インキを含み、該墨インキ中のカーボンブラックの含有量が5〜30質量%であり、かつ、該カーボンブラックのDBP吸油量が80mL/100g以下であることを特徴とする水圧転写用フィルムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として凹凸による立体面や曲面を有する成形体の表面に転写層を形成するのに好適な水圧転写用フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車内装品、家電製品又はOA機器等には表面に木目調や金属調(金属光沢)などの装飾が施された成形品が利用されている。これらの成形品は複雑な三次元形状を有するものが多く、従来より、その複雑な形状からなる成形品に意匠性の高い装飾を簡便に施す方法が検討されている。
こうした装飾方法として、水圧を利用した水圧転写法が知られている。この水圧転写法は、水溶性あるいは水膨潤性の基材フィルムに、所望の装飾層を印刷した転写フィルムを用意し、該転写フィルムの装飾層に、有機溶剤を主成分とする活性剤を塗布して、該装飾層を膨潤、粘着化させる(これを活性化という)。その後に、前記転写フィルムを転写用の印刷層面を上面にして、水面上に浮遊させ、次いで、該転写フィルム上に被転写体となる物品を押圧して、水圧によって転写フィルムを被転写体の装飾処理をすべき被転写面に密着させた後、基材フィルムを除去して装飾層を転写する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで水圧転写によりさらに優れた意匠性を付与するために、特に印刷層面を構成する墨インキの高濃度化が必要とされている。墨インキは通常ビヒクルに顔料としてのカーボンブラックを分散したものを用いるが、カーボンブラックの濃度を高めていくと、カーボンブラックが二次凝集を起こす。凝集したカーボンブラックを含む墨インキは、転写フィルムに印刷層を形成するに際し、版のセルに入りにくく、また一旦セルに入ると抜けにくく、転写フィルムへの印刷において不具合を起こすことがあった。
特に優れた意匠性を付与するために、版のセルを細線化することが行われるが、この場合に、上記問題点がより顕著となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭54−33115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記問題点に鑑み、カーボンブラックの濃度が高く、かつ分散安定性の優れた墨インキを含むインキ組成物にて印刷層が形成された水圧転写用フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、水溶性もしくは水膨潤性を有する基材フィルムと、転写用の印刷層とを有する水圧転写用フィルムであって、前記転写用の印刷層を形成するための印刷インキとして墨インキを含み、該墨インキに特定のカーボンブラックを用いることで高濃度化することができることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)水溶性もしくは水膨潤性を有する基材フィルムと、転写用の印刷層とを有する水圧転写用フィルムであって、前記転写用の印刷層を形成するための印刷インキとして墨インキを含み、該墨インキ中のカーボンブラックの含有量が5〜30質量%であり、かつ、該カーボンブラックのDBP吸油量が80mL/100g以下であることを特徴とする水圧転写用フィルム、
(2)前記カーボンブラックの平均粒子径が5〜40μmである上記(1)に記載の水圧転写用フィルム、
(3)前記カーボンブラックの比表面積が30〜300m2/gである上記(1)又は(2)に記載の水圧転写用フィルム、及び
(4)前記印刷インキの溶剤が、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びプロピレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の水圧転写用フィルム、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カーボンブラックの濃度が高く、高い意匠性を付与することのできる水圧転写用フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の水圧転写用フィルムにおける構成の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の水圧転写用フィルムを用いて、水圧転写法で成形品を製造する際の一工程を概念的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の水圧転写用フィルムは、水溶性もしくは水膨潤性を有する基材フィルムと、転写用の印刷層とを有し、該印刷層を形成するための印刷インキとして墨インキを含み、該墨インキ中に特定の物性を有するカーボンブラックを5〜30質量%含有することを特徴とする。
【0010】
水溶性もしくは水膨潤性を有する基材フィルムとしては、水溶性もしくは水膨潤性を有するものであれば特に限定されるものではなく、従来水圧転写用フィルムとして一般に使用されているフィルムの中から、適宜選択して用いることができる。
この水溶性又は水膨潤性のフィルムを構成する樹脂としては、例えばポリビニルアルコール樹脂、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋白質、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸との共重合体、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が混合されて用いられてもよい。なお、基材フィルムには、マンナン、キサンタンガム、グアーガム等のゴム成分が添加されていてもよい。
【0011】
これらのうち、特に製膜安定性が良好であり、水に対する膨潤性及び溶解性が安定しており、かつ汎用性があるとの点から、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルムが好ましい。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、PVA以外に、澱粉やゴム等の添加剤を含有していてもよい。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、ポリビニルアルコールの重合度、ケン化度、及び澱粉やゴム等の添加剤の配合量等を変えることにより、基材フィルムに対して転写用の印刷層を形成する際に必要な機械的強度、取り扱い中の耐湿性、水面に浮かべてからの吸水による柔軟化の速度、水中での延展又は拡散に要する時間、転写工程での変形のし易さ等を適宜調節することができる。
【0012】
ポリビニルアルコール樹脂フィルムからなる基材フィルムとして好適なものは、特開昭54−92406号公報に説明されているようなものであり、例えば、PVA樹脂80質量%、高分子水溶性樹脂15質量%、澱粉5質量%の混合組成からなり、平衡水分3%程度のものが好適である。
また、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは水溶性ではあるが、水に溶解する前段階では水に膨潤して軟化しつつもフィルムとして存続することが好ましい。フィルムとして存続している状態にあるときに水圧転写を行なうことにより、水圧転写時の転写用の印刷層の過度の流動、変形を防止することができるからである。
【0013】
水溶性もしくは水膨潤性を有する基材フィルムの厚さとしては、10〜100μmが好ましい。10μm以上であると、製膜が容易であり、膜の均一性等の安定性が高い。一方、100μm以下であると、水による膨潤に一定の時間を要するため、水圧転写用フィルムが水面に浮遊されてから、転写が行われるまでの時間と合わせることにより、転写が確実になされる。また経済性が高い点でも有利である。以上の観点から、基材フィルムの厚さは、さらには20〜60μmの範囲が好ましい。
【0014】
なお、上記の水溶性もしくは水膨潤性を有する基材フィルムは、例えば紙、不織布、布等の水浸透性を有する基材と積層して使用することもできるが、このような水浸透性を有する基材と水溶性もしくは水膨潤性を有する基材フィルムとを積層したときには、水圧転写用シートを水面に浮かべる前に前記水浸透性を有する基材を水溶性もしくは水膨潤性を有する基材フィルムから分離させるか、又は水面に浮かべた後の水の作用によって水溶性もしくは水膨潤性を有する基材フィルムから前記水浸透性を有する基材が分離するように構成しておくことが好ましい。
【0015】
本発明の水圧転写用フィルムは、転写用の印刷層を有する。印刷層は、柄に応じて種々のインキを用いて形成され、例えば、インキをグラビア印刷により、重ね刷りして、絵柄層2層以上を有する印刷層が形成される。この重ね刷りにおいては、例えばカラー写真などを印刷する場合、通常3〜4回重ね刷りするのが一般的である。4色刷りでは、例えばC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)が一般に用いられる。
【0016】
本発明では、該印刷層を形成するための印刷インキとして墨インキを含む。そして、該墨インキ中のカーボンブラックの含有量が5〜30質量%であることを特徴とする。カーボンブラックの含有量が5質量%未満であると、被転写物に高い意匠性を付与することができず、また30質量%を超えると、カーボンブラックが二次凝集を起こし、良好な印刷適性が得られない。以上の観点から、墨インキ中のカーボンブラックの含有量は10〜25質量%の範囲がより好ましい。
なお、従来の水圧転写用フィルムに用いられる墨インキ中のカーボンブラックの含有量は、多くても10質量%未満であり、本発明では、カーボンブラックを従来のものに比べて高濃度に含有させることができる。
【0017】
本発明で使用するカーボンブラックは、DBP吸油量が80mL/100g以下であることを特徴とする。DBP吸油量が80mL/100g以下であると、墨インキ中に5質量%以上のカーボンブラックを含有させても二次凝集が起こらず、また溶剤中での安定性が高い。以上の観点から、カーボンブラックのDBP吸油量は60mL/100g以下であることがさらに好ましい。
なお、DBP吸油量の下限値については特に制限はないが、樹脂あるいは溶剤との相溶性、あるいは分散性の点で通常、20mL/100g程度である。なお、DBP吸油量はJIS K 6221に準拠して測定した値である。
【0018】
また、本発明で用いるカーボンブラックの平均粒子径は5〜40μmの範囲であることが好ましい。5μm以上であると、十分な濃度を得やすく、一方、40μm以下であると、インキの転移が良好となる。以上の観点から、カーボンブラックの平均粒子径は10〜30μmの範囲であることがさらに好ましい。なお、平均粒子径はレーザー回折による噴霧粒径を計測する方法によって測定した値である。
【0019】
さらに、本発明で用いるカーボンブラックの比表面積は30〜300m2/gの範囲であることが好ましい。カーボンブラックの比表面積が30m2/g以上であると高濃度印字のインキが得られ、一方、カーボンブラックの比表面積が300m2/g以下であると、二次凝集が起こらず、分散液が安定である。以上の観点から、カーボンブラックの比表面積は50〜200m2/gの範囲であることがさらに好ましい。なお、比表面積はBET法により測定したもので、JIS K 6221に準拠して測定した値である。
【0020】
本発明で用いるカーボンブラックの種類としては特に制限はなく、アニリンブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラックなどを用いることができる。
【0021】
次に、本発明の水圧転写用フィルムにおける印刷層を形成するための印刷インキとしては、墨インキを含むことを必須とするが、それ以外の着色剤としては、従来公知のものを適宜選択して用いることができ、例えばチタン白、アンチモン白、鉛白、鉄黒、黄鉛、チタンイエロー、朱、カドミウムレッド、群青、コバルトブルー、パール顔料、アルミペースト等のシルバー顔料などの無機顔料;ベンジジンイエロー、イソインドリノンイエロー、ポリアゾレッド、キナクリドンレッド、インダスレンブルー、フタロシアニンブルー、ジスアゾイエロー、不溶性アゾ(レッド)等の有機顔料を用いることができる。
【0022】
また、印刷インキに含有されるビヒクルとしては特に制限はなく、例えば、アマニ油、大豆油、合成乾性油等の各種の油脂類;ロジン、硬化ロジン、ロジンエステル、重合ロジン等の天然樹脂;フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、アルキッド樹脂、石油樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノアルキッド樹脂、フッ素樹脂等の合成樹脂;ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート樹脂、エチルセルロース等の繊維素誘導体;塩化ゴム、環化ゴム等のゴム誘導体;その他カゼイン、デキストリン、ゼイン等を挙げることができる。
これらのうち、ニトロセルロース(硝化綿)及びアルキッド樹脂が好ましい。また、これらのビヒクルの含有量としては印刷インキ中に3〜40質量%の範囲であることが好ましい。
【0023】
さらに、転写用の印刷層を形成するための上記の印刷インキには、必要に応じて、可塑剤を含有することができる。可塑剤としては特に限定されないが、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)などのフタル酸エステルが好ましい。
また、該印刷インキには、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、ビスアマイドワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプッシュワックス、石油ワックス、脂肪酸エステル系ワックスなどのワックスを含有することができる。
本発明においては、可塑剤とワックスの合計量として、印刷インキ中に0.1〜10質量%含有されることが好ましい。
【0024】
さらに、転写用の印刷層を形成するための上記の印刷インキには、必要に応じて、炭酸カルシウム、マイクロシリカ等の体質顔料を充填剤として添加してもよい。これら充填剤の含有量としては、0.5〜10質量%程度である。
また、該印刷インキには、紫外線吸収剤や光安定剤を添加することが好ましく、被転写体の被転写面に転写される印刷層の耐候性を高めることができる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有機系化合物や、粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム等の無機質系化合物が挙げられ、また、光安定剤としては、例えばビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系ラジカル捕捉剤等のラジカル捕捉剤などを挙げることができる。
なお、これら紫外線吸収剤や光安定剤の含有量は、それぞれ0.5〜10質量%程度である。
【0025】
次に、本発明で用いる印刷インキの溶剤としては、特に制限はなく、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等、あるいはこれらの混合液であるガソリン、石油、ベンジン、ミネラルスピリット、石油ナフサ等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;トリクロルエチレン、パークロルエチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等の一価のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテル、エチレングリコール・モノ・メチルエーテル、エチレングリコール・モノ・エチルエーテル、ジエチレングリコール・モノ・メチルエーテル、ジエチレングリコール・モノ・エチルエーテル、ジエチレングリコール・モノ・ブチルエーテル、ジエチレングリコール・ジ・ブチルエーテル、プロピレングリコール・モノ・ブチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、エチレングリコール・モノ・メチルエーテル・アセテート、エチレングリコール・モノ・エチルエーテル・アセテート、ジエチレングリコール・モノ・メチルエーテル・アセテート、ジエチレングリコール・モノ・エチルエーテル・アセテート、ジエチレングリコール・モノ・ブチルエーテル・アセテート等の酢酸エステル類;酪酸エステル等のエステル類;ニトロ炭化水素類;ニトリル類;アミン類;その他アセタール類;酸類;フラン類等が挙げられる。これらのうち、環境等を考慮すると、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素は用いないことが好ましく、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコール・モノ・ブチルエーテルなどを用いることが好ましい。なお、これらの溶剤は1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
【0026】
以下、本発明の水圧転写用フィルムの層構成及び該フィルムを用いての転写方法について説明する。
図1は、本発明の水圧転写用フィルムにおける構成の一例を示す概略断面図である。水圧転写用フィルム10は、基材1の一方の面に、グラビア印刷により、第1の絵柄層2、第2の絵柄層3、第3の絵柄層4及び第4の絵柄層5が、順に設けられ、印刷層6が形成されている。
各絵柄層の厚さに特に制限はないが、通常0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜5μmである。
【0027】
成形品は、例えば、(A)水圧転写用フィルムの印刷層に、活性剤を塗布し、該印刷層の少なくとも一部を溶解又は膨潤して軟化させる活性化工程、(B)前記活性化工程を経た水圧転写用フィルムを、基材フィルム側が水面側に向くように水面上に浮遊させ、次いで水面上に浮遊した印刷物上に被転写体を押圧し、水圧によって該印刷物を被転写体の被転写面に密着させる工程、(C)被転写体の被転写面に密着した印刷物の基材フィルムを完全に除去して印刷層のみを転写する脱膜工程、及び(D)転写された印刷層上に、必要に応じ保護膜を形成する工程、を施すことにより製造することができる。
【0028】
[(A)工程]
この工程は、水圧転写用フィルムの印刷層に、活性剤を塗布し、該印刷層の少なくとも一部を溶解又は膨潤して軟化させる活性化工程である。
当該(A)工程において用いられる活性剤は、水圧転写用フィルムにおける転写用の印刷層の少なくとも一部を溶解又は膨潤して軟化させる溶剤を含有するものであって、被転写体の被転写面に転写用の印刷層を転写させる工程が水中で完了するまで蒸発してしまうことがなく、かつ被転写体の被転写面を侵食することのない溶剤を含有するものが好ましい。
このような溶剤としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等、あるいはこれらの混合液であるガソリン、石油ベンジン、ミネラルスピリットなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;トリクロルエチレン、パークロルエチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール等の1価アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート等の酢酸エステル類などが単独であるいは混合溶剤として使用される。
【0029】
本発明で用いる活性剤としては、溶剤のみを使用してもよいが、溶剤中に、例えば下記の樹脂を、溶剤に対して5〜90質量%程度添加してなるものも用いることができる。この樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル重合体;ポリスチレンやポリスチレン誘導体等のスチレン系重合体;ポリ酢酸ビニル等のビニルエステル重合体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸又はフマル酸等の不飽和カルボン酸類のエステル誘導体の重合体;同ニトリル誘導体又は同酸アミド誘導体の重合体;上記の不飽和カルボン酸類の酸アミド誘導体のN−メチロール誘導体及び同N−アルキルメチロールエーテル誘導体、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、2−ヒドロキシエチル−(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−(メタ)アクリレート、エチレングリコール−モノ(メタ)アクリレート等の単量体の、単独又は共重合体等からなる熱可塑性樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;フェノール系樹脂;メラミン系樹脂;尿素樹脂;エポキシ系樹脂;フタル酸ジアリル系樹脂;ケイ素樹脂;ポリウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂又はそれらの変性樹脂若しくは初期縮合物、或いは、天然樹脂、ロジン及びその誘導体、ニトロセルロース等のセルロース誘導体、天然又は合成ゴム、石油樹脂、セルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース系樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。なお、これらの樹脂は可塑剤を5〜30質量%程度含有していてもよい。
また、活性剤中には体質顔料を含んでいてもよい。体質顔料としては、沈降性炭酸バリウム、炭酸カルシウム、クレイ、シリカ等が挙げられ、これらは活性剤中に1〜25質量%の範囲で含有されることが好ましい。
このような活性剤を、印刷物の転写用印刷面に施すには、公知の塗工法、例えばグラビアオフセットコート、グラビアコート、ロールコート、バーコート、スプレーコートなどの方法を用いることができる。該活性剤の塗工量は、通常1〜50g/m2程度、好ましくは3〜30g/m2程度である。
【0030】
[(B)工程]
この工程は、前記活性化工程を経た水圧転写用フィルムを、基材側が水面側に向くように水面上に浮遊させ、次いで水面上に浮遊した水圧転写用フィルム上に被転写体を押圧し、水圧によって該水圧転写用フィルムを被転写体の被転写面に密着させる工程である。
前記活性化工程を経た水圧転写用フィルムを水面に浮遊させるには、枚葉の印刷物を1枚ずつ浮遊させてもよく、また水を一方向に流し、その水面上に連続帯状の水圧転写用フィルムを、連続的に供給して浮遊させてもよい。
図2は、当該(B)工程を概念的に示す説明図である。すなわち、当該(B)工程においては、水面W上に浮遊させた水圧転写用フィルム10’の上から、被転写体7を、その被転写面8が下方となるようにして下降させて、被転写体7を水中に押し込むことで、その被転写面8の形状に沿って該水圧転写用フィルム10’を伸ばし変形させて、水圧によって被転写面8に水圧転写用フィルム10’を密着させる。なお、印刷物10’を水面Wに浮かべてその基材フィルム1’が水と接した際、該基材フィルム1’が水膨潤性の場合には膨潤し、水溶性の場合は溶解する。従って、基材フィルム1’が水膨潤性の場合は、該基材フィルム1’は、印刷層6’と一体となって被転写面8に密着する。一方、基材フィルム1’が水溶性の場合には、完全に水に溶解し印刷層6’のみが水面上に浮遊する場合と基材フィルム1’の一部が溶解し一部が残存する場合とがある。前者の印刷層6’のみが水面上に浮遊する場合は、被転写体7には印刷層6’のみが密着した状態となる。
【0031】
水圧転写用フィルム10’を浮かべ水圧を印加する為の水は、該水圧転写用フィルム10’の基材フィルム1’の種類(例えば水溶性あるいは水膨潤性の差)等に応じ、適宣水温を調整するのが良い。例えば、基材フィルム1’が澱粉系フィルムの場合は水温25〜50℃がよい。また、基材フィルム1’の除去を促進する添加剤を添加してもよく、例えば澱粉系フィルムの場合はアミラーゼ等を添加することが好ましい。
なお、本発明においては、前記(A)工程と(B)工程を、(A’)工程と(B’)工程に変更することができる。
すなわち、前記(A)工程の代わりに、(A’)水圧転写用フィルムを、基材フィルム側が水面側に向くように水面上に浮遊させる工程を設け、前記(B)工程の代わりに、(B’)水面上に浮遊している水圧転写用フィルムの印刷層に、活性剤を塗布し、該印刷層の少なくとも一部を溶解又は膨潤して軟化させ、次いで水面上に浮遊した水圧転写用フィルム上に被転写体を押圧し、水圧によって該水圧転写用フィルムを被転写体の被転写面に密着させる工程、を設けることができる。
【0032】
本発明において用いられる被転写体としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、繊維系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂のほか、鉄、アルミニウム、銅等の金属、陶磁器、ガラス、琺瑯等のセラミックス、木材等の材料からなる構造体を使用することができる。被転写面の形状は、平面形状である二次元形状であってもよいし、凹凸形状や曲面形状などの三次元形状であってもよい。これらの中で、通常、樹脂構造体が多用される。この樹脂製構造体は、成形時において離型剤が付着すると共に、ゴミや脂分なども付着することがあり、水圧転写用フィルムの印刷層を密着性よく転写させるために、予め脱脂液により被転写面を清浄化しておくことが好ましい。
脱脂液としては、アルカリ脱脂剤等の界面活性剤不含の物が用いられる。例えば界面活性剤不含のカリウム・リン酸塩系の弱アルカリ性液体を用いることができる。このようなカリウム・リン酸塩系の液は、界面活性剤を含まないので被転写体の表面から水をはじくことができる。このように被転写体の表面において水とのなじみを抑えることにより、被転写体と水圧転写用フィルムの印刷層との間に水が侵入することを防止することができ、被転写体の被転写面に該印刷層を直接的かつ確実に付着させることができる。
また、前記被転写体の被転写面には、水圧転写用フィルムの印刷層表面との間の密着性を良好にするために、プライマー層を予め形成しておくこともできる。
【0033】
[(C)工程]
この工程は、被転写体の被転写面に密着した水圧転写用フィルムの基材フィルムを完全に除去して印刷層のみを転写する工程である。
当該(C)工程においては、基材フィルムも印刷層と共に被転写体に押圧され被転写体に密着した場合に、その基材フィルムを溶解あるいは洗浄で除去し、印刷層のみを被転写体上に残す工程である、従って、被転写体を水中に押込み、水圧を印加する際に、水面上に印刷層のみが浮遊している場合には、この(C)工程は不要である。つまり、(C)工程は、水圧転写用フィルムの基材フィルムの少なくとも一部が溶解せずに被転写体上に残存している場合に、被転写体の被転写面に転写された印刷層が十分に密着後、その基材フィルムを除去する工程である。
基材フィルムの除去は、例えば、水を用いてシャワー洗浄することで行うことができる。この(C)工程により、被転写面に付着している基材フィルムは完全に除去される。なお、シャワー洗浄の条件は、基材フィルムの種類等で異なるが、通常は水温15〜60℃程度、洗浄時間10秒〜5分程度が好ましい。そして、(C)工程の後、あるいは(C)工程が省略される場合は、前記(B)工程の後で、被転写体を十分乾燥し水分を蒸発させれば、被転写体の被転写面に転写された印刷層によって、所望の意匠が付与された成形品が得られる。
【0034】
[(D)工程]
この工程は、転写された印刷層上に、必要に応じ保護膜を形成する工程である。
当該(D)工程においては、前記(C)工程にて被転写体の被転写面に転写された印刷層に対し、表面強度向上、表面保護、表面艶調整などのために必要に応じ塗装を施し、透明保護膜を形成する。この透明保護膜としては、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂など、具体的にはウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ケイ素系樹脂などが用いられる。塗装方法としては、スプレー塗装、静電塗装、刷毛塗り、浸漬塗装、など公知の方法を用いることができる。
【0035】
本発明の水圧転写用フィルムを用いて装飾される成型品は、特に高い意匠性が要求される自動車内装材、建材、家具類、電気製品のハウジングなどとして好適に用いられる。
【実施例】
【0036】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られた転写用印刷物及び水圧転写成形品について以下に示す性能評価を行った。
【0037】
(1)印刷性
グラビア印刷機にて、基材フィルムに4版の印刷を行った。印刷された水圧転写用フィルムについて、版に形成されたセルの水圧転写用フィルムでの転移を目視にて評価した。評価は下記の判定基準に従った。
○:印刷されたイメージは版に形成されたセルと同じ形であった。
△:印刷されたイメージは版に形成されたセルより小さくなった。
×:版に形成されたセルが一部印刷されなかった。
【0038】
(2)転写性及び意匠性
水圧転写用フィルムに活性剤を塗布して水に浮かべ、被転写体に転写した。転写の状態及び水圧転写成形品の意匠性を目視にて評価した。評価は下記の判定基準に従った。
○:濃度が高く、柄が鮮映であった。
△:濃度が低く、柄が一部不鮮映であった。
×:墨インキと他のインキとの重ねが悪く、墨インキ又はその他の色の一部に抜けがあった。
【0039】
(3)実施例1及び比較例1で作製した水圧転写用フィルムにおいて、各インキについて各諧調における濃度を測定した。なお、ここで濃度とは入射光に対する反射光の強度割合を測定し、以下の式で表現したものである。
濃度(D)=log(IW/IB
W:構成用の白地からの反射光量
B:印刷面からの反射光量
また、諧調とは水圧転写用フィルム上におけるインキが転移したドットの面積%を示すものであり、諧調100%はベタ印刷を意味する。
【0040】
実施例1
(1)水圧転写用フィルムの作製
水溶性フィルムとして、PVAフィルム[日本合成化学工業(株)製、「ハイセロンC−300」、厚さ40μm]を用い、その片面に電動式グラビア印刷機にて、第1表に示す4種のインキを用いて、重ね刷りにより図1に示すように第1絵柄層〜第4絵柄層からなる厚さ4μmの印刷層(木目模様)を設けることにより水圧転写用フィルムを作製した。
【0041】
(2)水圧転写成形品の作製
上記(1)で得た水圧転写用フィルムの印刷層表面に、下記組成
ブチルセロソルブアセテート 26質量部
ブチルカルビトールアセテート 26質量部
ブチルメタクリレート重合体 8質量部
ジブチルフタレート 20質量部
硫酸バリウム 20質量部
の活性剤を13g/m2塗工した後、図2の如く、水温30℃の水面W上にこの転写用印刷物10’をその基材フィルム1’側が水面側を向く様にして浮遊させた。そして、1分間経過し基材フィルム1’が膨潤状態となった後に、ABS樹脂製成形体の被転写体7を、水圧転写用フィルム10’の上方から押入れて、被転写体7の被転写面8に水圧転写用フィルム10’を延展させ密着させた。この後、該水圧転写用フィルムが表面に延展し密着した被転写体を水中から引出した。次に、脱基材フィルムの工程(上記(C)工程)として、該被転写体に40℃の温水シャワーを30秒間噴射した後、さらに清水シャワーを噴射して、被転写体上に付着している該水圧転写用フィルムの基材フィルムを除去した。次いで、被転写体を乾燥して、印刷層が被転写体に転写された転写物品を得た。
次いで、転写物品の印刷層の表面に、透明保護層として厚さ10μmのアクリル系樹脂層を形成して、水圧転写成形品を作製した。この水圧転写成形品の性能評価結果を第1表に示す。なお、水圧転写成形品は本木に近い高意匠性の成形品であった。
【0042】
実施例2
実施例1で用いたのと同様のカーボンを用い、組成比を第1表に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして水圧転写用フィルムを作製し、同様にして水圧転写成形品を作製した。これらの水圧転写成形品の性能評価結果を第1表に示す。
【0043】
比較例1
実施例1の墨インキ及び赤インキに代えて、第1表に示す墨インキ及び赤インキを用いたこと以外は実施例1と同様にして水圧転写用フィルムを作製し、同様にして水圧転写成形品を作製した。これらの水圧転写成形品の性能評価結果を第1表に示す。
【0044】
比較例2
実施例1のインキ組成を第1表に示すインキ組成に代えたこと以外は実施例1と同様にして、水圧転写用フィルムを作製し、実施例1と同様にして水圧転写成形品を得た。評価結果を第1表に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
【表2】

【0047】
*1 カーボンブラックA;DBP吸油量60mL/100g、平均粒子径28μm、比表面積64m2/g
*2 カーボンブラックB;DBP吸油量90mL/100g、平均粒子径25μm、比表面積180m2/g
*3 カーボンブラックC;DBP吸油量87mL/100g、平均粒子径28μm、比表面積77m2/g
*4 DOP;フタル酸ジ−2−エチルヘキシル
*5 IPA;イソプロピルアルコール
PGM;プロピレングリコールモノブチルエーテル
【0048】
【表3】

【0049】
表2から、本発明の水圧転写用フィルムは、高い諧調領域で高い濃度を示す。従って、成形品の柄の鮮映性を高めることができ、また、高濃度の諧調表現が可能である。このため、成形品に高い意匠性を付与することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の水圧転写用フィルムは、墨インキにおいて、カーボンブラックの二次凝集が起こらないために、濃度を高くすることができる。従って、成形品の柄の鮮映性を高めることができ、また、高濃度の諧調表現が可能であり、成形品に高い意匠性を付与することができる。また、墨インキ中のカーボンブラック濃度が高いことから、版を細線化することができ、さらに高い意匠性を付与することができる。さらには、墨インキと他のインキとの重ね塗り性が向上し、重ね塗りによって墨インキ又は他の色のインキが版にとられることがなく、成形品に高い意匠性を付与することができる。なお、本発明の水圧転写用フィルムにおいては、溶剤としてトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素を使用しないため環境に対しても配慮されたものとなっている。
【符号の説明】
【0051】
1 基材フィルム
1’ 基材フィルム
2 第1の絵柄層
3 第2の絵柄層
4 第3の絵柄層
5 第4の絵柄層
6 印刷層
6’ 活性剤含有印刷層
7 被転写体
8 被転写面
10 水圧転写用フィルム
10’水圧転写用フィルム
W 水面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性もしくは水膨潤性を有する基材フィルムと、転写用の印刷層とを有する水圧転写用フィルムの製造方法であって、前記印刷層を印刷インキをグラビア印刷して形成し、前記印刷インキが墨インキを含み、該墨インキ中のカーボンブラックの含有量が10〜30質量%であり、かつ、該カーボンブラックのDBP吸油量が80mL/100g以下であることを特徴とする水圧転写用フィルムの製造方法。
【請求項2】
前記カーボンブラックの平均粒子径が5〜40μmである請求項1に記載の水圧転写用フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記カーボンブラックの比表面積が30〜300m2/gである請求項1又は2に記載の水圧転写用フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記印刷インキの溶剤が、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びプロピレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の水圧転写用フィルムの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−56552(P2013−56552A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−244625(P2012−244625)
【出願日】平成24年11月6日(2012.11.6)
【分割の表示】特願2006−262917(P2006−262917)の分割
【原出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】