説明

水性ポリウレタンエマルジョン組成物及びこれを用いたポリウレタンフィルム

帯電防止特性に優れ、洗浄後にも帯電防止特性をそのまま保持し、着用感が天然ラテックス手袋と類似し、アレルギーの生じない帯電防止用ポリウレタン手袋を製造することに使用される水生ポリウレタンエマルジョン組成物を提供する。
本発明はポリイソシアネート、ポリエステルポリオール、イオン性化合物を反応させてポリウレタンプレポリマーを製造し、アルカリまたはトリアルキルアミンによって中和させ、水に分散させた後に鎖延長剤のアミンとの反応によって鎖延長させて収得されるウレタン−尿素の結合を有する水性ポリウレタンエマルジョン組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水性ポリウレタンエマルジョン組成物及びこれを用いたポリウレタンフィルムに関するものである。より詳しくは、本発明はポリイソシアネート、ポリエステルポリオール、イオン性化合物を反応させてポリウレタンプレポリマーを製造し、アルカリまたはトリアルキルアミンで中和させ、水に分散させた後に鎖延長剤のアミンとの反応によって鎖延長させて収得される水性ポリウレタンエマルジョン組成物及びこれを用いたポリウレタンフィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
クリーンルームにおける帯電防止の機能は最も重要である。静電気によって生じる問題はほこり汚染とESD(静電気)放電による電子部品の破裂と劣化である。ほこり汚染の場合は、空気中に浮遊している帯電されたほこりが帯電物に近寄ると、静電誘導によって生じる引力により帯電物に引き寄せられて、製品が汚染される。次はESDの問題であって、表1のように帯電された人体や帯電物が電子部品や被導物に放電するようになると、放電電流は電子部品や被導物の抵抗の低い領域を通過し、これによって生じられる電流による熱エネルギーはマイクロチップの熱破損、気化などの問題を起こす。特に問題になることは、作業者は、放電された電圧が3.5KV以下の時は感知できないが、電気素子は、3.5KV以下の電圧においても大きな損傷を被るようになる。
【0003】
また、半導体製品の性能は、高速化と小電力化され、回路の高密度化のために配線及び金属電極は、極小化され、酸化絶縁膜は、薄膜化されている。これによって、小さい静電気の放電電流により生成される熱でさえも、回路の静電破壊が容易であるため、静電気の問題はさらに深刻な問題となっている。なお、半導体製品が完全に破壊された場合は、出荷検査などにおいてその発見は可能であるが、割と小さい静電気により電機劣化された製品は、出荷検査においてその発見が最も難しいため、静電気の問題は最も深刻である。
【0004】
このような静電気による深刻な問題を予防するために、静電気の多く発生する機械・器具・設備に対して接地の実施、帯電防止処理された物質の使用、導電性材料の使用、加湿処理、除電気設置などの様々な方法が実施されている。
【0005】
特に、作業者によって生じられる静電気を最小化するために、帯電を防止させる帯電防止服、帯電防止靴、帯電防止手袋などを作業者に着用させる。帯電防止手袋の場合、素子と直接接触する部分であるため、最も重要であるといえる。帯電防止手袋を着用することによって、素子の汚染を防止し、静電気の破壊現象を減少させることができる。帯電防止手袋の場合、現在使われている材料は天然ゴム、合成ゴム(NBR)及び塩化ポリビニル(PVC)などがある。天然ゴム手袋の場合、帯電防止の特性が非常に低く、アレルギー発生の危険が高く、合成ゴム(NBR)も静電気的特性が不足であり、アレルギーから完全に自由ではない。ポリビニル手袋の場合は可塑剤による部品の汚染が生じ、帯電防止特性、機械的物性及び着用感などの全般的な物性が劣る。このように、現在使われる帯電防止手袋の全般的な物性が十分でないため、既存の手袋に比べて優秀な帯電防止特性、優秀な着用感、アレルギー防止特性、優秀な機械的特性などを有する手袋が、大いに要求されている。
【0006】
表2はASTM D257に基づいた表面抵抗値による帯電防止特性を示したものである。表面抵抗が1012Ω/sq以上であれば、帯電が難しくなって静電気の発生が最も容易であり、表面抵抗があまり低い場合にも、スパーク発生の危険がある。また、表面抵抗が1010Ω/sq以下である場合、物体の蓄積された静電気は瞬間的に減衰され、1012Ω/sq程度では数秒ほどかかり、1014Ω/sqでは静電気の減衰時間に数分がかかる。従って、最も適合した表面抵抗は105Ω/sq乃至1010Ω/sqである。
【0007】
【表1】

【0008】
【表2】

【0009】
本発明では、天然ゴムと類似した物性を示し、優秀な帯電防止特性を示すポリウレタンを用いて帯電防止手袋を製造した。ポリウレタンを用いたポリウレタン手袋の製造例は国際特許公開番号第WO00/61651号及びWO01/55237号に記載されている。これらの特許出願の場合、ポリエテール系ポリオールを原料として、ポリウレタンの内部にイオン性グループの導入せずに外部乳化剤による強制乳化方法によって、ポリウレタンを合成した。このように製造されたポリエテールタイプのウレタン手袋の場合、分子構造上ポリエステルタイプに比べて親水性が劣り、親水性を示すイオン性グループが分子内に導入されていないため、親水性が弱いのみならず、表面抵抗が高くなり、帯電防止特性は減少する。また、外部乳化剤を導入して親水性を向上させたが、外部乳化剤の場合は内部に導入されたイオン性グループとは違って水により容易に洗い流される。従って、洗浄の後にはフィルム表面の帯電防止特性が大きく減少する原因になることもある。
【0010】
帯電防止特性を改善するために、国際特許公開番号第WO01/88024号では、ポリエテールポリオールに電導性誘導物質の塩イオンを導入して強制乳化方法による水性ポリウレタンエマルジョンを製造したが、これを用いて製造されたフィルムも十分な帯電防止特性を発現できなかった。
【特許文献1】WO00/61651号
【特許文献2】WO01/55237号
【特許文献3】WO01/88024号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記のような問題点を解決するために、本発明は、帯電防止特性に優れ、洗浄後にも帯電防止特性をそのまま保持し、着用感が天然ラテックス手袋と類似し、アレルギーの生じない帯電防止用ポリウレタン手袋を製造することに使用される水性ポリウレタンエマルジョン組成物を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の前記の目的及びその他の目的は、下記に説明される本発明によって全て達成されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明を達成するために、本発明はポリイソシアネート1乃至5重量部、ポリエステルポリオール15乃至20重量部、イオン性化合物0.1乃至3重量部、鎖延長剤0.1乃至1重量部、水25乃至60重量部、及び溶剤0乃至45重量部を含むことを特徴とする水性ポリウレタンエマルジョン組成物を提供する。
【0014】
なお、本発明はポリイソシアネート、ポリエステルポリオール、及びイオン性化合物を反応させてポリウレタンプレポリマーを製造する工程;及び前記プレポリマーをアルカリまたはトリアルキルアミンによって中和させ、水に分散させた後に鎖延長剤のアミンとの反応によって鎖延長させて水性ポリウレタンエマルジョン組成物を収得する工程;を含む、水性ポリウレタンエマルジョン組成物の製造方法を提供する。
【0015】
また、本発明は前記製造方法によって製造された水性ポリウレタンエマルジョンを用いて塩凝集工程により製造されるポリウレタンフィルムを提供する。
【0016】
また、本発明は前記ポリウレタンフィルムから製造される帯電防止用ポリウレタン手袋を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明について詳細に説明すると、次の通りである。
【0018】
本発明の水性ポリウレタンエマルジョン組成物は、ポリイソシアネート、ポリエステルポリオール、及びイオン性化合物を反応させてポリウレタンプレポリマーを製造し、アルカリまたはトリアルキルアミンによって中和させ、水に分散させた後に鎖延長剤のアミンとの反応によって鎖延長させて収得する。
【0019】
前記ポリイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネートまたは脂肪族ポリイソシアネートとすることができる。前記ポリイソシアネートの含量は、組成物の総重量に対して1乃至5重量部であり、望ましくは2乃至4重量部である。
【0020】
前記芳香族ポリイソシアネートは、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、2,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、ポリマーメチレンジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる。
【0021】
前記脂肪族ポリイソシアネートは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン、テトラメチルキシレンジイソシアネート、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる。
【0022】
本発明において、ポリイソシアネートと反応してプレポリマーを形成する成分であるポリエステルポリオールは、40乃至80重量部の多官能カルボン酸化合物と40乃至80重量部の多官能アルコール化合物とを重合して製造する。前記ポリエステルポリオールの含量は組成物の総重量に対して15乃至20重量部であり、望ましくは17乃至19重量部である。
【0023】
前記多官能カルボン酸化合物は、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、イタコン酸、セバシン酸、クロレンド酸、1,2,4−ブタン−トリカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレン、テトラヒドロ無水フタル酸、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる。
【0024】
前記多官能アルコール化合物は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオールなどのジオール類;グリセリン、ブタントリオール、ヘキサントリオール、トリメチロールブタン、トリメチロールペンタン、及びトリメタノールプロパンなどのトリオール類;ペンタエリトリトールなどのテトラオール;及びこれらの混合物からなる群から選ばれる。前記ポリエステルポリオールの分子量は500乃至6000が適当であり、より望ましくは1000乃至4000である。
【0025】
前記プレポリマーに親水性を導入するために使用されるイオン性化合物は、ジメチロールプロパン酸、ジメチロールブタン酸、グリコール酸、チオグリコール酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、ジヒドロキシリンゴ酸、ジヒドロキシ酒石酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる。前記イオン性化合物の含量は組成物の総重量に対して0.1乃至3重量部であり、望ましくは0.5乃至1重量部である。
【0026】
本発明においては、プレポリマーの水分散後に分子量を増加させるためにアミン化合物を使用し、鎖延長剤の前記アミンは、ジエチレントリアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、エチレンジアミン、m-キシレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ヒドラジン、ヘキサンジアミン、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる。前記鎖延長剤の含量は組成物の総重量に対して0.1乃至1重量部であり、望ましくは0.3乃至0.8重量部である。
【0027】
本発明ではイオン性化合物を水分散の前に中和する。必要に応じて水分散の後に中和することもできる。前記中和に使用されるアルカリ及びトリアルキルアミンは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルエタノールアミン、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる。
【0028】
本発明では分散の前にプレポリマーの粘度を調節するために溶剤を使用し、分散の前に粘度に応じて溶剤を使用しないこともできる。分散前の粘度は20,000cps以下が適当であり、より望ましくは8,000cps以下である。前記溶剤は、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトン、トルエン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる。前記溶剤の含量は組成物の総重量に対して0乃至45重量部であり、望ましくは10乃至30重量部である。
【0029】
本発明から得られたウレタン−尿素の結合を有する水性ポリウレタンエマルジョンは、使用用途に応じて溶剤除去の工程を通じて溶剤を除去することもでき、溶剤除去をしないで使用することもできる。このようにして得られた水性ポリウレタンエマルジョンの粒子サイズは50nm乃至1000nmであり、固形分の含量は10乃至50重量部であることを特徴とする。
【0030】
本発明において、水性ポリウレタンエマルジョンから製造された製品の耐水性、耐溶剤性、機械的物性などを補強するために、水性ポリウレタンエマルジョン内にアジリジン、エポキシ、オキサゾリン、オキサジン、メラミン、及びカルボジイミドベースの2官能以上のワン-コンポーネント架橋剤(one-component crosslinking agent)を添加して製造することができる。用途に応じて、架橋剤を使用せず十分な物性が発現されると、使用しなくても構わない。
【0031】
また、本発明は水性ポリウレタンエマルジョンを用いて既に公知である手袋製造工程の塩凝集工程によって製造されるポリウレタン手袋を提供する。
【0032】
その他に、本発明では水性ポリウレタンエマルジョンに消泡剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤を添加することができる。
【0033】
本発明において、ウレタン手袋はラテックス手袋の製造に使用される既に公知の塩凝集工程により作られる。全体的な製造工程を調べてみれば、先ず、手形のモールドを塩溶液に10秒間浸漬して薄い塩膜を形成する。塩膜が形成されたモールドをポリウレタン分散液に浸漬して、20秒間塩凝集過程を経る。塩凝集工程により形成されたウレタンフィルムは水洗、乾燥、架橋工程を経た後、最終ポリウレタン手袋となる。
【0034】
以下、下記の実施例をもって本発明をより詳しく説明するが、本発明の範囲が実施例に限られるものではない。
【実施例】
【0035】
<実施例1>
ポリウレタンプレポリマーを製造するために、アジピン酸と1,4−ブタンジオールを原料としたポリエステルポリオール(分子量3000)180g、ジメチロールプロピオン酸6gを80℃で30分間混合後、ジフェニルメタンジイソシアネート140gを投入した。10分後粘度が上昇し、粘度を低めるためにアセトン430gを投入した。4時間の反応後、%NCOが1%未満に到達したとき、反応器の温度を40℃に下げ、トリエチルアミン(TEA)16gを投入して30分間中和させた。中和後500rpm以上で激しく撹拌しながら水350gを投入した。分散後すぐに、鎖延長剤のヒドラジン1gを投入して1時間以上にわたり十分撹拌した。水分散の終了後、反応器の温度を50℃に上げた後、減圧してアセトンを除去してから、固形分40%のポリウレタンエマルジョンを収得した。
【0036】
次いで、フィルムを、塩凝集の工程を通じて製造した。セラミックモールドを20%CaCl2溶液に浸漬させた後、100℃で5分間乾燥させ、ポリウレタンエマルジョンに20秒間浸漬した。浸漬後、100℃で10分間乾燥させた後、50℃の水で2分間浸漬し、以後100℃で20分間架橋工程を経た後、フィルムを完成した。
【0037】
<実施例2>
アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールを原料として合成したポリエステルポリオール(分子量3000)を使用して実施例1と同じく実施した。
【0038】
<比較例1>
ポリエステルポリオールの代わりにポリプロピレングリコールを原料とすることを除いては実施例1と同じく実施した。
【0039】
<比較例2>
DMBAの代わりに外部乳化剤としてドデシルスルホン酸8gを使用することを除いては実施例1と同じく実施した。
試験結果を表3に示す。
【0040】
<比較例3>
ポリエステルポリオールの代わりにポリプロピレングリコールを原料として使用し、DMBAの代わりに外部乳化剤としてドデシルスルホン酸8gを使用して比較例1と同じく実施した。試験結果は表3に示した。
【0041】
【表3】

【0042】
表3からみれば、ポリエステルポリオールを使用したウレタンフィルムは、ポリプロピレングリコールを使用したウレタンフィルムに比べて、洗浄前・後においても、優れた表面抵抗性を示している。また、内部乳化剤を導入したものは、洗浄前・後に表面抵抗性の大きな変化はないが、外部乳化剤を使用したものは、洗浄後に表面抵抗性が顕著に高くなることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上から説明したように、本発明による水性ポリウレタンエマルジョン組成物から製造されたポリウレタン手袋は、帯電防止特性に優れ、洗浄後にも帯電防止特性をそのまま保持し、着用感が天然ラテックス手袋と類似し、アレルギーの生じない効果がある有用な発明である。
【0044】
前記において、本発明は、記載された具体例を中心に詳細に説明したが、本発明の範疇及び技術思想範囲内で当業者にとって多様な変形及び修正が可能であることは明らかであり、このような変形及び修正が、添付された本発明の特許請求範囲に属することも当然である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイソシアネート1乃至5重量部、ポリエステルポリオール15乃至20重量部、イオン性化合物0.1乃至3重量部、鎖延長剤0.1乃至1重量部、水25乃至60重量部、及び溶剤0乃至45重量部を含めてなることを特徴とする水性ポリウレタンエマルジョン組成物。
【請求項2】
前記ポリイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネートまたは脂肪族ポリイソシアネートであることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタンエマルジョン組成物。
【請求項3】
前記芳香族ポリイソシアネートは、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、2,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、ポリマーメチレンジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項2に記載の水性ポリウレタンエマルジョン組成物。
【請求項4】
前記脂肪族ポリイソシアネートは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン、テトラメチルキシレンジイソシアネート、及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項2に記載の水性ポリウレタンエマルジョン組成物。
【請求項5】
前記ポリエステルポリオールは、40乃至80重量部の多官能カルボン酸化合物及び40乃至80重量部の多官能アルコール化合物を重合して製造されることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタンエマルジョン組成物。
【請求項6】
前記多官能カルボン酸化合物は、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、イタコン酸、セバシン酸、クロレンド酸、1,2,4−ブタン−トリカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレン、テトラヒドロ無水フタル酸、及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項5に記載の水性ポリウレタンエマルジョン組成物。
【請求項7】
前記多官能アルコール化合物は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオールなどのジオール類;グリセリン、ブタントリオール、ヘキサントリオール、トリメチロールブタン、トリメチロールペンタン、及びトリメタノールプロパンなどのトリオール類;ペンタエリトリトールなどのテトラオール;及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項5に記載の水性ポリウレタンエマルジョン組成物。
【請求項8】
前記ポリエステルポリオールの分子量は1000乃至4000であることを特徴とする、請求項5に記載の水性ポリウレタンエマルジョン組成物。
【請求項9】
前記イオン性化合物は、ジメチロールプロパン酸、ジメチロールブタン酸、グリコール酸、チオグリコール酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、ジヒドロキシリンゴ酸、ジヒドロキシ酒石酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタンエマルジョン組成物。
【請求項10】
前記鎖延長剤のアミンは、ジエチレントリアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、エチレンジアミン、m-キシレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ヒドラジン、ヘキサンジアミン、及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタンエマルジョン組成物。
【請求項11】
前記アルカリまたはトリアルキルアミンは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルエタノールアミン、及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタンエマルジョン組成物。
【請求項12】
前記溶剤は、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトン、トルエン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタンエマルジョン組成物。
【請求項13】
水性ポリウレタンエマルジョン粒子のサイズが50nm乃至1000nmであることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタンエマルジョン組成物。
【請求項14】
水性ポリウレタンエマルジョン固形分の含量が組成物の総重量に対して10乃至50重量部であることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタンエマルジョン組成物。
【請求項15】
アジリジン、エポキシ、オキサゾリン、オキサジン、メラミン、またはカルボジイミドベースの2官能以上のワン-コンポーネント架橋剤をさらに添加して製造されることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタンエマルジョン組成物。
【請求項16】
ポリイソシアネート、ポリエステルポリオール、及びイオン性化合物を反応させてポリウレタンプレポリマーを製造する工程;及び
前記プレポリマーをアルカリまたはトリアルキルアミンによって中和させ、水に分散させた後に鎖延長剤のアミンとの反応によって鎖延長させて水性ポリウレタンエマルジョン組成物を収得する工程;
を含めてなることを特徴とする、水性ポリウレタンエマルジョン組成物の製造方法。
【請求項17】
請求項1に記載の水性ポリウレタンエマルジョンを用いて塩凝集工程により製造されることを特徴とする、ポリウレタンフィルム。
【請求項18】
前記ポリウレタンフィルムの表面抵抗が1×105Ω/sq乃至1×1012Ω/sqであることを特徴とする、請求項17に記載のポリウレタンフィルム。
【請求項19】
請求項17に記載のポリウレタンフィルムから製造されることを特徴とする、帯電防止用ポリウレタン手袋。

【公表番号】特表2008−506830(P2008−506830A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522410(P2007−522410)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【国際出願番号】PCT/KR2005/001844
【国際公開番号】WO2006/009351
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(507019167)ホーサン・ケメックス・カンパニー・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】