説明

水性樹脂組成物及びこれを含む塗料組成物

【課題】形成塗膜の硬化性や塗膜物性に優れた水性樹脂組成物及びこれを含む水性塗料組成物を提供する。本発明の水性樹脂組成物は、建築用、自動車外板用、自動車部品用等の塗料用途に好適であり、また印刷インキ等の被覆材用途にも適用可能である。
【解決手段】環状カーボネート系化合物(i)と脂肪酸アミン(ii)との反応によって得られる1分子中に少なくとも2つの活性水素基を有する反応生成物(a)、ポリオール成分(b)、及びポリイソシアネート成分(c)を原料とするポリウレタン樹脂(I)が、水性媒体中に水分散されていることを特徴とする水性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪酸変性ポリウレタンを含有する水性樹脂組成物及びこれを含む塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリウレタン樹脂は、塗料、接着剤等に有用な材料として、広範に使用されている。一方、最近、溶剤系で合成された樹脂は、その合成に使用された溶剤が大気中に飛散し、環境及び人体を汚染するという欠点を有するので、溶剤タイプのポリウレタン樹脂に代わり、水溶性又は水分散性タイプのポリウレタン樹脂が塗料、接着剤等の分野で使用されつつあり、その使用検討も急速に進んでいる。
【0003】
このポリウレタン樹脂の用途として、常温から比較的低温加熱によって強固な架橋構造を有する皮膜を形成することが期待されており、その手法としてポリウレタン樹脂への不飽和脂肪酸に由来する酸化硬化性基の導入が種々提案されている。たとえば特許文献1、特許文献2には、木材用の水性ポリウレタン分散液が提案されており、該公報に記載の水性ポリウレタン分散液は、低温で酸化硬化可能なポリウレタンであるが、(不飽和)脂肪酸を導入することで、可塑化が著しく、速乾性が不十分であり、形成塗膜の耐候性等も十分ではないなどの欠点がある。
【0004】
そこでこれらの欠点を解消するために、本出願人は脂肪酸変性ポリウレタン樹脂とアクリルとの複合樹脂の水分散体について提案した(特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2000−226428号公報
【特許文献2】特開平7−166130号公報
【特許文献3】特開2006−52295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記で用いる脂肪酸変性ポリウレタン樹脂は、脂肪酸部分の導入時にエステル結合を介するため、貯蔵時の加水分解性が低下する場合があった。
【0007】
本発明の目的は、上記不具合が生じることなく、形成塗膜の硬化性や塗膜物性に優れた水性樹脂組成物及びこれを含む水性塗料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、環状カーボネート系化合物(i)と脂肪酸アミン(ii)との反応によって得られる1分子中に少なくとも2つの活性水素基を有する反応生成物(a)、ポリオール成分(b)、及びポリイソシアネート成分(c)を原料とするポリウレタン樹脂(I)が、水性媒体中に水分散されていることを特徴とする水性樹脂組成物、及びこれを含む水性塗料組成物に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の水性樹脂組成物によれば、脂肪酸部分をウレタン結合を介して導入したポリウレタン樹脂を含むため、貯蔵時の加水分解性が低下することなく、硬化性や塗膜物性などに優れた塗膜を形成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明において環状カーボネート系化合物(i)は、1分子当たりに少なくとも1つの環状カーボネート基を含有するものであり、通常、5員または6員環カーボネート基を含有する化合物である。5員環状カーボネートとしては、例えばグリセリンカーボネート(1,3−ジオキソラン−2−オン−4−メタノール)、1,3−ジオキソラン−2−オン−4−プロパノール、1,3−ジオキソラン−2−オン−ブタノール、1,3−ジオキソラン−2−オン−ペンタノールなどの多価アルコールと炭酸エステルとの反応物;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート;ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのフェノール類のジグリシジルエーテルやビスフェノール型エポキシ樹脂と炭酸ガスとの反応物等が挙げられる。6員環環状カーボネートは、(1,3−ジオキソラン−2−オン)−2−メチル,2−エチルプロパノール、(1,3−ジオキソラン−2−オン)−2,2−ジエチルプロパノール、(1,3−ジオキソラン−2−オン)−2,2−ジメチルプロパノール等が挙げられる。これらのうち、合成のし易さの点から、グリセリンカーボネートが好適に使用できる。また環状カーボネート系化合物(i)として、塗膜物性等の点からはビスフェノール骨格を有するものが好適に使用できる。
【0011】
脂肪酸アミン(ii)は、1分子中にアミノ基及び脂肪酸残基を含有するものであり、例えばオレイン酸、リノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、牛脂、魚油、椰子油、大豆油、オリーブ油、アマニ油、綿実油、ナタネ油及びこれら油脂に水添して得られる硬化油、及びこれら油脂の脂肪酸などから選ばれる少なくとも1種を、エチレンジアミンなどのアルキレンジアミンやポリオキシアルキレンジアミン等を用いてアミン変性して得られるものが例示できる。これらのうち特に不飽和脂肪酸に由来するものが初期乾燥性や硬化性の点から好適に使用できる。
【0012】
反応生成物(a)は、化合物(i)中のカーボネート基と脂肪酸アミン(ii)中のアミノ基との反応によって得られるものであり、分子内にウレタン結合を有し、1分子中に少なくとも2つの活性水素基を有するものである。この反応は、通常40〜140℃、好ましくは80〜100℃の温度で行われる。
【0013】
上記環状カーボネート系化合物(i)と脂肪酸アミン(ii)とは、環状カーボネート系化合物(i)中の環状カーボネート基と脂肪酸アミン(ii)中のアミノ基とのモル比が1:0.5〜1:1.5、好ましくは1:0.7〜1:1.2の範囲となるように反応させることが望ましい。
【0014】
上記反応生成物(a)の含有割合は、(a)、(b)及び(c)成分の合計固形分重量に基づいて5〜80重量%、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは20〜65重量%の範囲内が好適である。この含有割合が5重量%未満では形成塗膜の硬化性が不十分となる場合があり、一方80重量%を越えると塗膜が軟化し塗膜物性が劣る恐れがあるので望ましくない。
【0015】
ポリオール成分(b)は、該反応生成物(a)以外の、1分子中に少なくとも2個以上の水酸基を有する、例えば低分子量グリコール類、高分子量グリコール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類等を含むことができ、それぞれ単独に用いてもよく、また、ポリエステルポリオールや高分子量グリコールに低分子量グリコールを併用しても良い。
【0016】
低分子量グリコール類としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、オクタンジオール、トリシクロデカンジメチロール、水添ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAポリエチレングリコールエーテル、ビスフェノールAポリプロピレングリコールエーテルなどがあり、これ等は単独または2種以上混合して使用しても良い。
【0017】
高分子量グリコール類としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカーボネートグリコールなどが挙げられ、ポリエステルポリオール類としては、グリコール成分とジカルボン酸成分を反応させたものが挙げられ、公知の方法で容易に製造でき、エステル化反応に限らず、エステル交換反応によっても製造できる。またε−カプロラクトン等の環状エステル化合物の開環反応によって得られるポリエステルジオール及びこれ等の共縮合ポリエステルも含むことができる。
【0018】
ポリオール成分(b)は、さらにカルボキシル基含有ジオールを含むことができる。カルボキシル基含有ジオールとしては、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸及びこれ等を縮合したポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールなどが挙げられる。これ等に12−ヒドロキシステアリン酸、パラオキシ安息香酸、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸、サリチル酸等のヒドロキシカルボン酸を併用することもできる。
【0019】
ポリイソシアネート成分(c)は、1分子中にイソシアネート基を2個以上含有するものであり、その具体的としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類;これらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類;これらのジイソシアネ−トのビュ−レットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4´−トルイジンジイソシアネ−ト、4,4´−ジフェニルエーテルイソシアネート、(m−もしくはp−)フェニレンジイソシアネート、4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、3,3´−ジメチル−4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物;これらのジイソシアネ−ト化合物のビュ−レットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;トリフェニルメタン−4,4´,4´´−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4´−ジメチルジフェニルメタン−2,2´,5,5´−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類;これらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロ−ルプロパン、ヘキサントリオ−ルなどのポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物;これらのウレタン化付加物のビュ−レットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物等を挙げることができる。
【0020】
本発明においてポリウレタン樹脂(I)は、上述の反応生成物(a)、ポリオール成分(b)、及びポリイソシアネート成分(c)を原料とするものであり、ポリウレタン樹脂(I)の製造は、特に限定されることなく従来公知の手法が採用でき、例えば前記したこれら成分を一度に反応させても良いし、多段的に反応させても良い。またイソシアネート基に不活性な有機溶剤中で行うことができる。後述する重合体(II)との複合化を行なう場合のポリウレタン樹脂(I)の製造は、溶剤の持ち込みを排除する点から、後述の重合性不飽和モノマー(d)中、イソシアネート基に不活性なモノマーを希釈成分として用いて行なうことが好適である。上記各成分の使用割合は種々変えることができるが、全成分中のイソシアネート基と水酸基との当量比が一般に1:0.5〜1:0.9、好ましくは1:0.6〜1:0.8になるようにするのが望ましい。反応は通常40〜180℃、好ましくは60〜130℃の温度で行われる。この反応を促進させるため、通常のウレタン化反応において使用されるトリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミン等のアミン系触媒や、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の錫系触媒などを必要に応じて用いてもよい。
【0021】
上記の通り得られるポリウレタン樹脂(I)は、水性媒体へ分散される。水性媒体としては、水、または水を主として水溶性有機溶媒などの有機溶媒を溶解してなる水−有機溶媒混合溶液などを挙げることができる。水分散は、特に制限なく従来公知の方法で行うことができ、例えば上記ポリウレタン樹脂(I)に中和剤、界面活性剤などを必要に応じて添加し、水を徐々に加えながら撹拌して混合分散することができる。中和剤としては、カルボキシル基を中和できるものであれば特に制限はないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、ジメチルアミノエタノール、2−メチル−2−アミノプロパノール、トリエチルアミン、アンモニウムなどが挙げられる。中和剤は、ポリウレタン樹脂(I)に加えてカルボキシル基を中和しておいてもよいし、分散媒である水に加えておき分散と同時に中和してもよい。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合物等のノニオン系界面活性剤、ラウリル硫酸ソーダ、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のアニオン系界面活性剤が挙げられる。
【0022】
上記ポリウレタン樹脂(I)は、さらに必要に応じて鎖延長剤を反応させることにより高分子量化することができる。鎖延長剤としては、例えばエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン;ヒドロキシエチルヒドラジン、ヒドロキシエチルジエチレントリアミン、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール、3−アミノプロパンジオール等のアミノ基と水酸基をもつ化合物;ヒドラジン類、酸ヒドラジド類等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組合せて使用することができる。
【0023】
上記ポリウレタン樹脂(I)は、酸価5〜60mgKOH/g、好ましくは10〜40mgKOH/gであることが、水分散性や形成塗膜の耐水性等の点から好適である。
【0024】
本発明では、さらに上記ポリウレタン樹脂(I)と重合性不飽和モノマー(d)による重合体(II)との複合樹脂(III)の水分散体を含有する水性樹脂組成物を提供するものである。
【0025】
重合性不飽和モノマー(d)としては、特に制限なく従来公知のモノマーが使用でき、通常、分子中に少なくとも1個、好ましくは1個の重合性不飽和基、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基などを含有する化合物が包含される。
【0026】
上記重合性不飽和モノマー(d)の具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロドデシル(メタ)アクリレ−ト等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート等のイソボルニル基を有する重合性不飽和化合物;アダマンチル(メタ)アクリレート等のアダマンチル基を有する重合性不飽和化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどのアルコキシシリル基を有する重合性不飽和化合物;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等のフッ素化アルキル基を有する重合性不飽和化合物;マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和化合物;N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基を有する化合物;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物等の含窒素重合性不飽和化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のC〜Cヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアルコ−ル、上記C〜Cヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン変性体などの水酸基を有する(メタ)アクリレート;分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等の水酸基を有する重合性不飽和化合物;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム塩、スルホエチルメタクリレート及びそのナトリウム塩やアンモニウム塩等のスルホン酸基を有する重合性不飽和化合物;2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノンなどのヒドロキシベンゾフェノン類とグリシジル(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、或いは2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収性官能基を有する重合性不飽和化合物;4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の紫外線安定性重合性不飽和化合物;アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等のカルボニル基を有する重合性不飽和化合物;アリル(メタ)アクリレ−ト、エチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、トリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、テトラエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、1,3−ブチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、1,4−ブタンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、グリセロ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレ−ト、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレ−ト、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、トリアリルイソシアヌレ−ト、ジアリルテレフタレ−ト、ジビニルベンゼン等の1分子中に少なくとも2個の重合性不飽和基を有する多ビニル化合物等が挙げられ、これらは得られる複合樹脂の水分散体に望まれる性能などに応じて単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0027】
前記ポリウレタン樹脂(I)と上記重合性不飽和モノマー(d)による重合体(II)との複合樹脂(III)の水分散体の製造は、従来公知の手法が特に制限なく採用でき、例えば上記ポリウレタン樹脂(I)及び水の存在下で、前述の重合性不飽和モノマー(d)を乳化重合する(方法1)、ポリウレタン樹脂(I)、重合性不飽和モノマー(d)及び乳化剤を含む混合物を、水性媒体中に平均粒子径が500nm以下程度になるように微分散させ、得られる乳化物を重合させる(方法2)、などの方法によって行なうことができる。
【0028】
上記方法1では、上記ポリウレタン樹脂(I)及び水の存在下で、前述の重合性不飽和モノマー(d)を乳化重合するものであり、乳化剤としては、該ポリウレタン樹脂(I)に、必要に応じて公知のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などを適宜併用することができ、該乳化剤の1種または2種以上の存在下で重合開始剤を使用して乳化重合することができる。重合開始剤には、例えばアゾイソバレロニトリル、4、4´−アゾビス−4−シアノ吉草酸のようなアゾ系開始剤、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、t−ブチルハイドロパーオキシド等の過酸化物等既知のものを用いることができる。また該重合開始剤には、必要に応じて、糖、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、鉄錯体等の還元剤を併用し、レドックス重合系としてもよい。また、乳化重合反応温度は30〜95℃程度が好ましい。
【0029】
また、得られる複合樹脂の水分散体の粒子の機械的安定性を向上させるために、該複合樹脂の水分散体が酸性基を有する場合には、これを前述のような中和剤により中和することが望ましい。該中和剤は、中和後の水性樹脂分散体のpHが6.5〜9.0程度となるような量で用いることが望ましい。
【0030】
上記方法1ではさらに、水及び乳化剤の存在下で、前述の重合性不飽和モノマー(d)を用いて多段階で乳化重合を行なっても良く、そのうちの少なくとも1段階の乳化重合において、上記の脂肪酸変性ポリウレタン樹脂(I)を存在させることができる。
【0031】
上記方法2では、ポリウレタン樹脂(I)、重合性不飽和モノマー(d)及び乳化剤を含む混合物を、水性媒体中に平均粒子径が500nm以下、好ましくは80〜400nm、さらに好ましくは100〜300nmの範囲内程度になるように微分散させ、得られる乳化物を重合させるものである。乳化剤としては上述の説明で例示のものが特に制限なく使用できる。ここで平均粒子径は、試料を脱イオン水にて希釈し、「SALD−3100」(商品名、島津製作所社製、レーザー回折式粒度分布測定装置)を用いて、常温(20℃程度)にして測定したときの値であり、また、平均粒子径の測定は、微粒化されたモノマー乳化物又は水性樹脂分散体の製造後24時間以内に行うものとする。
【0032】
上記混合物の水性媒体中への微分散は、通常、高エネルギーせん断能力を有する分散機を用いて行うことができる。その際に使用しうる該分散機としては、例えば、高圧乳化装置、超音波乳化機、高圧コロイドミル、高圧ホモジナイザー等が挙げられる。これらの分散機は、通常、10〜1000MPa、好ましくは50〜300MPa程度の高圧下で操作することができる。また、該機械にて分散を行う前に、該モノマー混合物をあらかじめディスパー等で予備乳化してもよい。得られる乳化物の重合は、例えば、ミニエマルション重合法に従い、微分散後の乳化物を撹拌機を備えた反応器に全量仕込み、重合開始剤を添加し、攪拌しながら加熱することにより行うことができる。
【0033】
複合樹脂(III)の水分散体の製造において、前記ポリウレタン樹脂(I)と重合性不飽和モノマー(d)との使用割合は、固形分重量比で10:90〜95:5、好ましくは20:80〜90:10の範囲内であることが、乳化重合時の安定性や速乾性、塗膜性能の点から好適である。
【0034】
本発明の水性樹脂組成物は、上記ポリウレタン樹脂(I)の水分散体を含有するものであり、また上記複合樹脂(III)の水分散体を含有するものである。本発明の水性樹脂組成物は、さらに必要に応じて他の水溶性もしくは水分散性の樹脂を含有することができる。他の水溶性もしくは水分散性の樹脂としては、アクリル樹脂、アルキド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
【0035】
上記水性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、湿潤剤、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、有機溶剤、増粘剤、防腐剤、防かび剤、pH調整剤、架橋剤、硬化触媒、金属ドライヤー、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、表面調整剤などの添加剤を適宜選択し組合せて含有することができる。
【0036】
かくして、上記水性樹脂組成物は、建築用、自動車外板用、自動車部品用等の塗料用途や印刷インキ等の被覆材、塗料用添加剤、不織布用等の接合剤、接着剤、充填剤、成形材料、レジスト等の種々の用途に使用することができる。
【0037】
本発明はまた、上記の水性樹脂組成物を含む水性塗料組成物を提供するものである。
【0038】
上記水性塗料組成物は、クリヤー塗料として又はエナメル塗料として使用することができる。エナメル塗料として使用する場合には、顔料分として、塗料分野で既知の着色顔料,光輝性顔料、体質顔料、防錆顔料等を配合することができる。
【0039】
本発明の水性塗料組成物は、被塗面に、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、ハケ塗装、ローラー塗装、リシンガン、万能ガン等の方法で塗布することができる。
上記水性塗料組成物が適用できる被塗面としては、特に制限されるものではなく、例えば、鉄、アルミニウム等の金属;コンクリート、モルタル、スレート板、木材、石材等の無機基材;プラスチック等の有機基材などの基材面及びこれらの表面処理面などが挙げられ、特に金属面及びその表面処理面が好適である。これらの被塗面に、本発明の水性塗料組成物を下塗り塗料として塗布でき、必要に応じて、さらに既知の上塗り塗料を塗布することができる。
【実施例】
【0040】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。尚、「部」及び「%」は、別記しない限り「重量部」及び「重量%」を示す。
【0041】
実施例1
攪拌機、冷却管および窒素導入管を備えた四つ口フラスコに、「エピコート828」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製)376部を仕込み、これに二酸化炭素を通気して80℃で付加させ両末端に環状カーボネート基を有する反応生成物(i)を得た。同フラスコ中に「アミンSB」(大豆アルキルアミン、日本油脂社製)760部を仕込み、反応生成物(i)に80℃で4時間反応させ、反応生成物(a−1)を得た。
【0042】
次いで同フラスコ中にイソホロンジイソシアネート669部、ジメチロールプロピオン酸130部、N−メチルピロリドン505.8部を加え、反応生成物(a−1)に80℃で4時間反応させウレタンプレポリマーを得た。これを50℃以下に冷却後、さらにメチルエチルケトン842.9部を加え均一になるまで攪拌した後、トリエチルアミン80.8部を添加し中和した。その中にさらに脱イオン水2740部を0.5時間かけて添加しプレポリマーの水分散体を得た。この水分散体に10%エチレンジアミン水溶液601.1部を0.5時間かけて添加し、プレポリマーの鎖延長反応を50℃で2時間行った。さらに真空ポンプにより減圧し、メチルエチルケトンを脱溶剤して、平均粒子径82nm、不揮発分35.1%のポリウレタン樹脂の水分散液(I−1)を得た。尚、平均粒子径は「SALD−3100」(商品名:島津製作所社製、レーザー回式粒度分布測定装置)で測定した。
【0043】
実施例2
攪拌機、冷却管および窒素導入管を備えた四つ口フラスコに、グリセリンカーボネート354部、「アミンSB」(大豆アルキルアミン、日本油脂社製)1194部を仕込み、80℃で4時間反応させ、反応生成物(a−2)を得た。
【0044】
次いで同フラスコ中にイソホロンジイソシアネート1115部、ジメチロールプロピオン酸130部、N−メチルピロリドン698.3部を加え、反応生成物(a−2)に80℃で4時間反応させウレタンプレポリマーを得た。これを50℃以下に冷却後、さらにメチルエチルケトン363.8部を加え均一になるまで攪拌した後、トリエチルアミン80.8部を添加し中和した。その中にさらに脱イオン水3950部を0.5時間かけて添加しプレポリマーの水分散体を得た。この水分散体に10%エチレンジアミン水溶液601部を0.5時間かけて添加し、プレポリマーの鎖延長反応を50℃で2時間行なった。さらに真空ポンプにより減圧し、メチルエチルケトンを脱溶剤して、平均粒子径86nm、不揮発分34.9%のポリウレタン樹脂の水分散液(I−2)を得た。
【0045】
実施例3
攪拌機、冷却管および窒素導入管を備えた四つ口フラスコに、グリセリンカーボネート354部、「アミンSB」(大豆アルキルアミン、日本油脂社製)835.部を仕込み、80℃で4時間反応させ、反応生成物(a−3)を得た。
【0046】
次いで同フラスコ中にイソホロンジイソシアネート1115部、ジメチロールプロピオン酸130部、トリメチロールプロパン26.8部、N−メチルピロリドン698.3部を加え、反応生成物(a−3)に80℃でイソシアネート価が34になるまで反応させウレタンプレポリマーを得た。これを50℃以下に冷却後、さらにメチルエチルケトン3450部を加え均一になるまで攪拌した後、トリエチルアミン80.8部を添加し中和した。その中にさらに脱イオン水3950部を0.5時間かけて添加しプレポリマーの水分散体を得た。この水分散体に10%エチレンジアミン水溶液601部を0.5時間かけて添加し、プレポリマーの鎖延長反応を50℃で2時間行なった。さらに真空ポンプにより減圧し、メチルエチルケトンを脱溶剤して、平均粒子径86nm、不揮発分34.9%のポリウレタン樹脂の水分散液(I−3)を得た。
【0047】
実施例4
実施例3と同様の装置を用いて反応生成物(a−3)を得た後、次いで同フラスコ中にイソホロンジイソシアネート1115部、ジメチロールプロピオン酸130部、ブチルアクリレート1396.6部、重合禁止剤としてハイドロキノン1.68部を加え、反応生成物(a−3)に80℃で4時間反応させウレタンプレポリマーを得た。これを50℃以下に冷却後、スチレン698.3部、メチルメタクリレート698.9部を加え均一になるまで攪拌した後、トリエチルアミン80.8部を添加し中和した。その中にさらに脱イオン水9550部を0.5時間かけて添加しプレポリマー及びモノマーの乳化物を得た。この乳化物に10%エチレンジアミン水溶液601部を0.5時間かけて添加し、プレポリマーの鎖延長反応を50℃で2時間行なった後、70℃まで昇温し、その中に「VA−057」(Wako社製、水溶性ラジカルアゾ系開始剤)14部を脱イオン水126部に溶解した溶液を1時間かけて滴下し、さらに同温度で2時間保持して、平均粒子径81nm、不揮発分36.1%の複合樹脂の水分散液(I−4)を得た。
【0048】
比較例1
攪拌機、冷却管および窒素導入管を備えた四つ口フラスコに、「エマルジーMU」(理研ビタミン社製、蒸留モノ脂肪酸グリセライド、モノエステル含量93%以上、ヨウ素価108〜120)354部、「プラクセルPLC205」(ダイセル化学工業社製、ポリカプロラクトンジオール)550部、ジメチロールプロピオン酸130部、イソホロンジイソシアネート892部、N−メチルピロリドン481.5部を加え、80℃で4時間反応させてウレタンプレポリマーを得た。これを50℃以下に冷却後、さらにメチルエチルケトン802.5部を加え均一になるまで攪拌した後、トリエチルアミン80.8部を添加し中和した。その中にさらに脱イオン水2592.5部を0.5時間かけて添加しプレポリマーの水分散体を得た。この水分散体に10%エチレンジアミン水溶液601部を0.5時間かけて添加し、プレポリマーの鎖延長反応を50℃で2時間行なった。さらに真空ポンプにより減圧し、メチルエチルケトンを脱溶剤して、平均粒子径91nm、不揮発分35.1%のポリウレタン樹脂の水分散液(I−5)を得た。
【0049】
実施例5〜8及び比較例2
上記で得られた各水性樹脂分散液を用いて、下記表1に記載の配合組成により、水性樹脂組成物を得た。各水性樹脂組成物を下記試験に供し評価した。結果を表1にあわせて示す。
【0050】
(注1)「DICNATE1000W」:大日本インキ社製、商品名、金属ドライヤー、Co含有率3.6%
(注2)「TEXANOL」:イーストマンケミカル社製、商品名、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、造膜助剤
【0051】
評価試験方法
(*1)貯蔵安定性:実施例1〜4及び比較例1の樹脂の水分散液を100ccの容器に70gずつ入れて、密閉状態で40℃で10日間放置した。その後、容器内の水分散液の状態を目視で評価した(○:異常なし、×:分離)。
【0052】
(*2)硬化性:実施例5〜8及び比較例2の各水性樹脂組成物を乾燥膜厚で40μmになるようにアプリケーターでポリプロピレン板に塗装し、20℃で10日間で乾燥させた後、ポリプロピレン板から乾燥膜を剥離して4×4cmの大きさにカットし、試験片とした。
【0053】
得られた試験片を、アセトン中に20℃で24時間浸漬した。抽出前後の塗膜重量から塗膜抽出残分を下記の通り算出した。
塗膜抽出残分(%)=(抽出した後の膜の重量/抽出前の膜の重量)×100(%)。
【0054】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状カーボネート系化合物(i)と脂肪酸アミン(ii)との反応によって得られる1分子中に少なくとも2つの活性水素基を有する反応生成物(a)、ポリオール成分(b)、及びポリイソシアネート成分(c)を原料とするポリウレタン樹脂(I)が、水性媒体中に水分散されていることを特徴とする水性樹脂組成物。
【請求項2】
環状カーボネート系化合物(i)が、1分子中に少なくとも1つの水酸基および少なくとも1つの環状カーボネート基を含有するものである請求項1記載の水性樹脂組成物。
【請求項3】
環状カーボネート系化合物(i)が、グリセリンカーボネートである請求項2記載の水性樹脂組成物。
【請求項4】
環状カーボネート系化合物(i)が、ビスフェノール骨格を有する請求項1記載の水性樹脂組成物。
【請求項5】
脂肪酸アミン(ii)が、不飽和脂肪酸に由来する請求項1記載の水性樹脂組成物。
【請求項6】
反応生成物(a)が、環状カーボネート系化合物(i)中の環状カーボネート基と脂肪酸アミン(ii)中のアミノ基とのモル比が1:0.5〜1:1.5の範囲となるように反応させて得られるものである請求項1記載の水性樹脂組成物。
【請求項7】
ポリオール成分(b)が、カルボキシル基含有ジオールを含有する請求項1記載の水性樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項記載のポリウレタン樹脂(I)と重合性不飽和モノマー(d)による重合体(II)との複合樹脂(III)の水分散体を含有することを特徴とする水性樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の水性樹脂組成物を含んでなる水性塗料組成物。
【請求項10】
被塗面に、請求項9記載の水性塗料組成物を塗装することを特徴とする塗膜形成方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法により形成される塗装物品。


【公開番号】特開2007−291157(P2007−291157A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−117437(P2006−117437)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【出願人】(000001409)関西ペイント株式会社 (815)
【Fターム(参考)】