説明

水性液体および血液を吸収する粉末状の架橋吸収性ポリマー、その製造方法および使用

【課題】少なくとも25g/g以上の保持力値に加えて少なくとも30×10−7、好ましくは少なくとも50×10−7cm3・s/gのSFC値を有する、というレベルで特性を兼備する超吸収性ポリマーを提供する。
【解決手段】吸収に使用可能であって、酸基を有して部分的に中和され、モノエチレン性不飽和モノマーを主原料とし、特に膨潤状態における液体輸送能力について改善された特性を示す架橋ポリマーに関する。該ポリマーは、その後、架橋剤化合物として使用されるポリオールと水溶液の形で供給されるカチオンとで構成される組み合わせによって150℃以上の温度でその表面を架橋される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水、水性液体および血液を吸収し、特性、とりわけ保持力が改善され、圧力下での液体保持能力が改善され、液体輸送能力が改善された粉末状の架橋ポリマー(超吸収剤)、および衛生用品と工業分野におけるその製造および吸収剤としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
超吸収剤は多量の水性液体および尿または血液のような体液を吸収して膨潤し、ヒドロゲルを形成し、特定の圧力下でそれらを保持することのできる、非水溶性で架橋されたポリマーである。これらの特徴的性質の結果として、これらのポリマーは主に衛生用品、例えば赤ん坊用のおむつ、失禁用品、またはライナーに組み込んで使用される。
【0003】
本質的に、現在において市場で入手可能な超吸収剤は架橋ポリアクリル酸または架橋されたスターチ/アクリル酸グラフト重合体であってカルボキシル基が水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム溶液で部分的に中和されたものである。
【0004】
美的理由および環境的見地から、赤ん坊用おむつ、失禁用品およびライナーのような衛生用品の設計は、より小さくかつ薄くなる傾向を増している。衛生用品の一定の保持能力を確保しつつ、上述の要求項目を実現可能にするには、大きな体積をもつフラッフ(fluff)の比率を下げるしかない。その結果として、超吸収剤は液体の輸送および分配に関する機能を荷なうことも必要となり、これらの機能はひと口で透過特性と表現することができる。
【0005】
超吸収剤材料の場合、透過性は添加された液体を輸送して、その膨潤状態の中に三次元的に分配する能力として理解されている。膨潤した超吸収剤ゲルでは、このプロセスはゲル粒子間の隙間を通っての毛管現象による輸送を介して生じる。膨潤した超吸収剤粒子を通過しての実際の液体輸送は拡散の法則に従ったものであり、衛生用品が使用されている条件においては、液体の分配に何ら役に立たないほど著しく遅いプロセスである。ゲルの安定性が欠如するために毛管輸送のできない超吸収剤材料では、これらの材料を繊維のマトリックスに植え付けることによって粒子間の相互分離が確保され、ゲルの封鎖現象が回避されてきた。新世代のおむつの構造では、吸収剤層は液体輸送をサポートするための繊維材料を少量しか有していないか、または全く有していない。したがって、そこに使用される超吸収剤は膨潤状態において充分に高い安定性をもたなければならず、そうであると膨潤ゲルは毛管空隙を充分な量で有して液体輸送が可能となる。
【0006】
ある面では、高いゲル強度を有する超吸収剤材料を得るためにポリマーの架橋レベルを上げることが可能であるが、これは不可避的に膨潤容量および保持能力の損失という結果につながる。まったくのところ、特許文献1に記載されたような種々の架橋剤とコモノマーの最適な組み合わせによれば透過特性を改善することができるが、場合によっては超吸収剤だけでできた層をおむつ構造に取り入れることが可能になるレベルまでは改善できない。
【0007】
さらに、ポリマー粒子の表面二次架橋法を使用することが可能である。いわゆる二次架橋の過程で、超吸収剤粒子表面のポリマー分子のカルボキシル基は、表面近傍の少なくとも2つのカルボキシル基と反応することができる種々の二次架橋剤と反応させられる。ゲル強度を上げることに加えて、圧力下での液体吸収能力が高く改善される。なぜなら、わずかに膨潤したポリマー粒子が相互に付着することによってさらなる液体の吸収を妨げられる、周知のゲル封鎖現象が抑制されるからである。
【0008】
液体吸収性樹脂の表面処理はすでによく知られたものである。分散性を向上させるために、多価の金属カチオンを使用して表面近傍のカルボキシル基のイオン結合型錯体形成をさせることが特許文献2に提案されている。この処理は場合によっては水を含んでもよい有機溶剤(アルコールおよびその他の有機溶剤)に分散させた多価の金属の塩を使用して実施される。
【0009】
反応性で表面架橋された化合物(アルキレン炭酸塩)を用いて超吸収剤ポリマーを二次処理して圧力下での液体吸収能力を向上させることは特許文献3に述べられている。
特許文献4には、超吸収剤ポリマー粉体をアルミニウム化合物と反応させることによって得られる、表面で架橋された吸水性樹脂が記載されている。水とジオールの混合液が処理液として使用されるが、これは溶剤として低級アルコールを使用する必要性をなくすことを意図するものである。好ましくは、架橋剤溶液100部が吸収剤100〜300部に対して使用される。実施例によると、アルミニウム成分との反応は室温下において実施される。水性の反応媒体に添加されるジオール(例えばポリエチレングリコール400および2000、1,3−ブタンジオールまたは1,5−ペンタンジオール)は、大量の水性処理液で処理される間に超吸収剤が凝集するのを阻止するように働く。その後に行なわれる100℃での乾燥操作において溶剤は除去される。こうして処理されたポリマーは充分なレベルの特性ではなく、圧力下での吸収性能の改善は達成されていない。さらに、大量の処理液を使用する処理は、現代の連続的運転プロセスにおいて経済的に実施可能ではない。
【0010】
特許文献5には超吸収性ポリマーの製造が記述されており、これによると、反応性の親水性ポリマーまたは反応性の有機金属化合物を少なくとも二官能性の架橋剤と100℃未満で反応させることによって、少なくとも10重量%の水分を含む吸収剤粒子表面に架橋された層が形成される。このポリマー生成物は吸収性、ゲル強度および透過性についてよくバランスのとれた相関関係を有するといわれるが、測定値は非常に貧弱な評価基準にしたがって判定されている。例えば、吸収性および透過性は何ら圧力負荷をかけることもなく測定されている。よく知られているこの方法の1つの欠点は溶剤とポリイミン、アルコキシル化シリコーンまたはチタン化合物のような毒性的に危険な架橋剤、およびエポキシド(好ましいものと記載されている)を使用していることである。
【0011】
特許文献6および特許文献7においては、有機溶剤中のアミノポリマーで市場に出回っている超吸収剤製品を適切に処理することにより、透過性と液体輸送性の特性改善が達成されている。毒物学的に危険なポリアミンおよびポリイミンを使用することに加えて、そこで述べられている方法の重大な欠点はポリマーの処理に必要な有機溶剤を大量に使用することである。工業生産は安全性の見地および付随するコストによって排除されるものである。上記処理薬剤の毒物学的危険性に加えて、二次架橋の高温下においてそれらが分解し易い傾向を有することもまた考慮に入れるべきである。このことは、その他の事象の中でも特に吸収剤粒子の黄変色に見ることができる。
【0012】
以上に述べた技術水準からは、圧力下において高い保持能力と液体吸収性能を維持しながら、この二次架橋段階透過性も劇的に増大させることが可能であるとは到底示唆を受けることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特許明細書DE 196 46 484
【特許文献2】米国特許4,043,952
【特許文献3】DE−A−40 20 780
【特許文献4】EP 0,233,067
【特許文献5】WO 96/05234
【特許文献6】WO 95/22356
【特許文献7】WO 97/12575
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって本発明の目的は、兼備する特性として、圧力下で高い吸収能力をもつだけでなく、通常は背反的な特性である高い保持能力と良好な透過性を合わせもつ、すなわち少なくとも25g/g以上の保持力値に加えて少なくとも30×10−7、好ましくは少なくとも50×10−7cm・s/gのSFC値を有する、というレベルで特性を兼備する超吸収性ポリマーを提供することにあった。とりわけ、非常に高い比率で超吸収剤を有する極薄型おむつの構造に使用することに特に適した超吸収性ポリマーを提供することが目的であった。特に、25g/g以上の保持力値と70×10−7cm・s/gを超えるSFC値の透過性を有するポリマーが本件では必要とされる。
【0015】
本発明のまた別の目的は、これらの超吸収性ポリマーのために簡単、経済的そして安全に実施可能な製造方法を見出し、定常的な製造品質を供給し、特に溶剤の使用量を少なくし、可能な限り有機溶剤を回避することであった。加えて、毒物学的に危険な物質を使用せずにこれらの方法は実施可能とならねばならない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の目的は、表面を二次架橋処理され、血液だけでなく、水、水性流体または漿液系流体を吸収し、
a)55〜99.9重量%、好ましくは70〜90重量%の、酸基を含み少なくとも25モル%が中和されており、重合されているエチレン性不飽和モノマーと、
b)0〜40重量%、好ましくは0〜20重量%の、a)と共重合可能で重合されているエチレン性不飽和ポリマーと、
c)0.1〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3重量%の、一種または2種以上の重合されている架橋剤と、
d)0〜30重量%、好ましくは0〜5重量%の水溶性ポリマー、
から構成され、a)〜d)の重量の合計が常に100重量%であるポリマー生成物であって、
e)前記ポリマー生成物に対して0.01〜5重量%の水溶液の状態にある表面二次架橋剤としての、少なくとも一種のポリオール、および、
f)ポリマー生成物に対して0.001〜1.0重量%の、水溶液状態のカチオン、
でコーティングされ、150〜300℃の二次架橋温度に加熱されることを特徴とするポリマー生成物を提供することにより達成される。
【0017】
驚異的なことに、顕著に改善された透過性と高い保持能力を有する超吸収剤樹脂は粒子状の吸収剤樹脂をポリオールの水溶液でコーティングすることによって得られ、該ポリオールは表面近傍において、塩成分のカチオンの存在下で150〜300℃に加熱されて、表面近傍の分子の基、好ましくはカルボキシル基と反応するのであった。
【発明の効果】
【0018】
まったく予期しなかったが、本発明の二次架橋剤成分を組み合わた水溶液により所望結果が得られる。即ち、圧力下においてさえも高い保持能力を有し、同時に優れた透過性を有する超吸収剤樹脂が提供される。有機二次架橋剤水溶液と塩の水溶液を加熱して連続して別々に使用すると、いずれの場合も、比較できるほどの良好な製品特性を得る結果には至らない。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ポリオールを有機二次架橋剤として水溶液で単独使用すると、高い保持能力、高いゲル強度および圧力下での高い吸収能力を有する製品を得る結果となる。しかしながら、膨潤状態における透過性の顕著な増大は、重合中にポリマーをそれに応じた高いレベルまで架橋させるか、またはより強力な二次架橋(二次架橋剤の量を増やすかまたはより厳密な条件にする)とそれに付随する保持能力の損失によってのみ達成可能である。
【0020】
同様に、高い正電荷密度のカチオンを使用して単独に二次架橋だけをすることは望ましい特性を兼備するポリマー生成物を得る結果とはならないであろう。特に、圧力下における満足できる液体吸収値および良好な透過性を得ることはできない。その結果、多価のカチオンだけで超吸収剤ポリマーを処理することは液体吸収速度を増加させることが可能なだけである。膨潤状態における圧力下の安定性または液体輸送特性さえも改善されない。
【0021】
本発明によると、ポリマー生成物の表面COOH基と反応するポリオールは有機二次架橋剤成分e)として使用される。
好ましくは、C〜Cのアルキレンジオール(例.エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジアンヒドロソルビトール)、グリセロール、トリメチロールプロパンのようなC〜Cのアルキレントリオールといった脂肪族ポリヒドロキシ化合物;ペンタエリトリトールおよび糖アルコール(例.ソルビトール)のようなより高官能性のヒドロキシ化合物;ならびにジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのようなジ−およびポリアルキレングリコール;2種以上の異なるモノマーユニットに基づくポリグリコール(例.エチレンオキシドユニットとプロピレンオキシドユニットのポリグリコール)がポリオールとして使用される。有機二次架橋剤成分またはその混合物は、架橋されるべきポリマー生成物に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜2.5重量%、さらに好ましくは0.5〜1.5重量%の量で使用される。
【0022】
本発明によると、塩の水溶液は表面近傍でカルボン酸基を架橋させるための成分f)として使用されることが好ましく、そのアニオンは塩化物、臭化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩、または酢酸塩や乳酸塩のような有機アニオンである。これらのカチオンは、好ましくは、一価または多価のカチオンに由来するものであって、一価のそれは、好ましくは、カリウム、ナトリウム、リチウムのようなアルカリ金属からのものであって、リチウムが好ましい。本発明により使用される二価のカチオンは亜鉛、ベリリウム、あるいはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウムのようなアルカリ土類金属に由来するものであって、マグネシウムが好ましい。本発明により使用可能な多価のカチオンのその他の例は、アルミニウム、鉄、クロム、マンガン、チタン、ジルコニウム、およびその他の遷移金属のカチオン、ならびにこれらのカチオンの複塩、または上述した塩の混合物である。アルミニウム塩およびミョウバン、およびAlCl×6HO、NaAl(SO×12HO、KAl(SO×12HO、またはAl(SO×14〜18HOのようなそれらの様々な水和物を使用することが好ましい。特にAl(SOおよびその水和物を使用することが好ましい。カチオンに対して計算すると、この塩成分はポリマー生成物に対して0.001〜1.0重量%、好ましくは0.005〜0.5重量%、さらに好ましくは0.01〜0.2重量%の量で使用されることが好ましい。
【0023】
表面架橋の対象となる吸水性ポリマー生成物は、a)55〜99.9重量%の、酸基を有するモノ不飽和モノマーの重合によって得られ、ここではカルボキシル基を含むモノマーが好ましく、例えばアクリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、またはこれらのモノマーの混合物である。好ましくは、酸基の少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも75%がカルボキシル基である。これらの酸基は少なくとも25モル%が中和され、すなわちそれらはナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの塩として存在する。中和の程度は少なくとも50モル%であることが好ましい。特に好ましいものは架橋剤の存在下においてそのカルボキシル基の50〜80モル%が中和されたアクリル酸またはメタクリル酸を重合させて得られるポリマー生成物である。
【0024】
a)と共重合可能な、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリル酸、ジメチルアミノアルキル(メタ)アクリル酸、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、またはアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドのようなエチレン性不飽和モノマーは0〜40重量%の間で、吸収性ポリマー生成物の製造における他方のモノマーb)として使用することができる。これらのモノマーが40重量%を超えるとポリマー生成物の膨潤性能を悪化させる可能性がある。
【0025】
少なくとも2つのエチレン状不飽和二重結合を有するか、または1つのエチレン状不飽和二重結合とモノマーa)の酸基に対して反応性を有する1つの官能性基を有するか、または酸基に対して反応性を有する多官能性基を有する化合物はすべて、a)とb)の重合中に存在する架橋剤成分c)として使用できる可能性がある。例を挙げることができるとすると、メチレンビスアクリル−もしくは−メタクリルアミド、またはエチレンビスアクリルアミドのような脂肪族アミド;並びにブタンジオールまたはエチレングリコール、ポリグリコール、トリメチロールプロパンのジ(メタ)アクリレートまたはトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(好ましくは1〜30モルのアルキレンオキシドでアルコキシル化(好ましくはエトキシル化)されたもの)のジ−およびトリアクリル酸エステル、アクリル酸およびメタクリル酸と、グリセロールおよびペンタエリトリトールの、並びに好ましくは1〜30モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたグリセロールおよびペンタエリトリトールのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのようなポリオールまたはアルコキシル化ポリオールとエチレン性不飽和の酸との脂肪酸エステル;そしてアリル(メタ)アクリレート、好ましくは1〜30モルのエチレンオキシドと反応させたアルコキシル化アリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、マレイン酸ジアリルエステル、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、リン酸または亜リン酸のアリルエステルのようなアリル化合物;そしてまた、メタクリルアミドまたはアクリルアミドのような不飽和アミドのN−メチロール化合物およびそれらから誘導されたエステルのような架橋性モノマーである。上述の架橋剤の混合物もまた使用可能である。架橋性コモノマーの比率はモノマー合計量に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.01〜3.0重量%である。
【0026】
部分的または完全にケン化されたポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルピロリドン、スターチまたはスターチ誘導体、ポリグリコール、またはポリ(アクリル酸)のような水溶性ポリマー生成物0〜30重量%を本発明による吸収性ポリマー生成物に水溶性ポリマーd)として、好ましくは重合により合体させて、含ませることが可能である。これらのポリマーの分子量はそれらが水に溶解する限り重要なものではない。好ましい水溶性ポリマーはスターチおよびポリ(ビニルアルコール)である。本発明の吸収性ポリマー生成物におけるこれらの水溶性ポリマーの好ましい含有量は、成分a)〜d)の合計量に対して約1〜5重量%、好ましくは0〜5重量%である。この水溶性ポリマー、好ましくはポリ(ビニルアルコール)のような合成ポリマーは、重合の対象となるモノマーがグラフト結合する基材として役割りを果たすことも可能である。
【0027】
アゾまたはペルオキソ化合物のような通常の開始剤、レドックス系またはUV開始剤(増感剤)がフリーラジカル重合を開始させるために使用される。
好ましくは、本発明のポリマー生成物は2つの方法によって製造される。
【0028】
第1の方法によると、好ましくはアクリル酸であるところの、部分的に中和されたモノマーa)が、架橋剤および場合により存在してもよい他の成分の存在下で水溶液中のフリーラジカル重合によってゲルに転換される。このゲルはその後破砕され、乾燥され、粉にひかれ、そして所望の粒子サイズに選別される。上記のような溶液重合は連続的またはバッチ方式で実施することができる。濃度条件、温度、開始剤の種類と量についての広範な可能性のあるバリエーションは従来技術の水準に属している。代表的な方法はUS 4,286,082、DE 27 06 135、およびUS 4,076,663の特許公報に記述され、これらの開示を引用に本願に含める。
【0029】
本発明の生成物を製造するために、逆相の懸濁重合液および乳化重合もまた使用可能である。これらの方法によると、モノマーa)(好ましくはアクリル酸)の部分的に中和された水溶液が保護コロイドおよび/または乳化剤を使用して疎水性の有機溶剤中に分散され、フリーラジカル開始剤を使用して重合が開始される。架橋剤はモノマー溶液に溶解して共に計量供給されるかまたは別に添加され、場合により重合中に加えられる。場合により、水溶性ポリマーd)がグラフト結合の基材としてモノマー溶液の成分として加えるか、または油相中に直接的に入れてもよい。その後、この混合物から共沸により水が除去され、ポリマー生成物が濾過され、場合によって乾燥してもよい。架橋は多官能性の架橋剤をモノマー溶液に溶解して重合により取り込ませるか、および/または重合ステップの間に適切な架橋剤をポリマーの官能基に反応させることにより実施することができる。例えば、これらの方法はUS 4,340,706、DE 37 13 601、DE 28 40 010、およびWO 96/05234に記載されており、これらの開示をここに引用して含める。
【0030】
このポリマーゲルは、水分含量が0.5〜25重量%、好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは1〜8重量%となるまで、普通は100〜200℃の範囲の温度で乾燥される。
【0031】
本発明による吸収性ポリマー生成物の粒子形状に関する特別な制限はない。このポリマー生成物は逆相懸濁重合によって得られるビーズの形状でも、または溶液重合で得られるゲル塊を乾燥および粉体化することで生じる不規則形状の粒子の形でもよい。通常、粒子サイズは3000μm未満、好ましくは20〜2000μmの間、さらに好ましくは150〜850μmの間である。
【0032】
本発明による二次架橋剤成分は水溶液の形で適用される。適切な溶剤は水および場合によってはアセトン、メタノール、エタノール、もしくは2−プロパノールのような極性で水混和性の有機溶剤、またはそれらの混合液がある。溶剤成分に関しては、本発明で意味する“水溶液”という用語は、水に加えて他の有機溶剤も含まれ得ることを示している。各二次架橋剤成分の水性溶剤中の濃度は広い範囲内で変化可能であり、1〜80重量%、好ましくは5〜65重量%、さらに好ましくは10〜40重量%の範囲である。二次架橋剤としてのポリオールのための、そして塩成分のための好ましい溶剤は水であって、これはポリマー生成物に対して0.5〜10重量%、好ましくは0.75〜5重量%、さらに好ましくは1.0〜4重量%の量で使用される。
【0033】
ポリオールおよび塩成分が水溶液中に存在する場合、両成分の可溶量は塩析効果によって制限され、組成に応じて適合化されねばならない。爆発を回避するための安全上の理由から有機溶剤の量はできる限り低く保たねばならないので、水/有機溶剤/有機二次架橋剤化合物/塩成分の安定な混合相は化合物の濃度をどのようにしても達成することはできない。例えば、好ましい溶液は重量にして水が1.5〜3重量部、ポリオール成分が0.5〜1重量部、無機塩が0.4〜0.6重量部で構成される。通常、使用される溶剤の合計量はポリマー生成物に対して0.5〜12重量%、好ましくは1〜7重量%、さらに好ましくは1〜5重量%の範囲である。
【0034】
水と上述の有機溶剤のほかに、無機もしくは有機の酸のような他の可溶化剤または錯化剤も、ポリマー生成物に適用する液体の量を削減するために使用することができる。
【0035】
成分e)およびf)の両成分の溶解度に応じて、溶液はポリマー生成物に適用される前に20〜100℃、好ましくは20〜60℃に加熱される。ポリマー生成物における両成分の均一な分布が確保されるならば、ポリオールの溶液と塩成分の溶液を、別々であっても同時に計量供給してもよく、材料はそれに引き続いて熱処理を受ける。1つの単一溶液がポリマー生成物に適用され、そこに両方の成分が溶解していることが好ましい。
【0036】
二次架橋剤溶液は徹底的にポリマー粒子と混合する必要がある。二次架橋剤溶液を適用するための適切な混合装置は、例えば、Patterson−Kelley型ミキサー、DRAIS型乱流ミキサー、Loedige型ミキサー、Ruberg型ミキサー、スクリューミキサー、パンミキサー、および流動床ミキサー、並びに、回転刃を使用してポリマー粉体を高速振動数で混合する連続動作型の垂直ミキサー(Schugi型ミキサー)である。ポリマー生成物の製造の間において特定のプロセスステップ内にあるポリマー生成物をコーティングすることもまた可能である。この目的のためには、逆相懸濁液重合が特に適している。
【0037】
いったん二次架橋剤溶液がポリマー粒子と混合されると、二次架橋反応は150〜300℃、好ましくは150℃を超えて250℃まで、さらに好ましくは160〜210℃の範囲の温度で実施されることが好ましい。追加の加熱を行う最適時間は単一種からなる架橋剤各々について少しのテストで容易に決定することが可能であり、超吸収剤の所望の特性パターンが熱により損傷され、破壊される点により制限される。この熱処理は通常の乾燥器またはオーブンで実施することが可能であり、例を挙げると、ロータリーチューブ乾燥器、流動床乾燥器、ディスク乾燥器、ブレード乾燥器、または赤外線乾燥器である。
【0038】
本発明のポリマーはよく知られた方法によって、連続的またはバッチ方式で、工業的規模で製造可能である。
【0039】
本発明によるポリマー生成物は広範な応用分野で使用可能である。例えば、ライナー、おむつまたは傷口手当て用品に使用されると、それらは多量の経血、尿、またはその他の体液を急速に吸収する性質を示す。本発明による超吸収剤は圧力下においてさえ吸収した液体を保持し、加えて、その膨潤状態の構造内に追加の液体を分配することができるので、フラッフのような親水性の繊維状材料に対して、これまで可能であったよりも高濃度でそれらを使用することが特に好ましい。それらはおむつの構造内部でフラッフの量をゼロにして均質な超吸収剤層として使用することに適しており、それにより特に薄型のおむつが可能になる。さらに、このポリマーは成人用の衛生用品(失禁用品)に使用することに適している。
【0040】
本発明によるポリマーは、例えば紙、フラッフまたは合成繊維に混ぜ込むことによって、または紙、フラッフまたは不織布製の基材の間に超吸収剤を分散させることによって、または支持材料中に加工処理してウェブを形成することによって、ほとんどの多様な目的に適した吸収性製品にも使用することができる。加えて、本発明のポリマーは水性液体を吸収しなければならないあらゆる場合に、例えばケーブルの外殻内、食品のパッケージ内、植物栽培の農業分野において貯水器として、および環境への放出を遅らせながら行なう機能を有する活性物質の運搬体として使用される。
【0041】
驚異的なことに、本発明による超吸収剤は透過性における顕著な改善、すなわち膨潤状態での液体輸送の改善を示す。少なくとも27g/gの保持力(TB)において、透過性の数値(SFC)が70×10−7cm・s/gまでのポリマー生成物が得られ、好ましくはこのポリマーは、少なくとも25g/gの保持力において70×10−7cm・s/gを超える値から150×10−7cm・s/g以上のSFC値を有する。これらの優れたSFCおよび保持力値に加えて、本発明のポリマーは少なくとも18g/gの圧力下での液体吸収測定値(AAP0.7)を示す。
【0042】
非常に高いSFC値、高い保持力および圧力下での高い吸収性という卓越した特性を兼備した本発明の製品は、毒物学的に危険な物質を使用することなしに製造可能である。
【0043】
以下に述べる実施例から分かるように、本発明による二次架橋は種々の化学構造を有する多様なポリマー製品に応用可能である。こうして、特殊な架橋剤の組み合わせ、コモノマーまたは少なくともわずかに透過性を上げるためにポリマー製品製造の間の初期ステージで行なう高価な二次処理工程を頼みにする必要はもはやなくなる。
【0044】
[テスト方法]
本発明の吸収性ポリマー生成物の特徴を示すために、保持力(TB)、圧力下での吸収性(AAP)および膨潤状態における0.9%生理食塩水溶液についての透過性(SFC)が測定される。
【0045】
a)保持力はティーバッグ法に従って測定され、3回の測定の平均値として与えられる。約200mgのポリマー生成物をティーバッグ内にとり付け、0.9%NaCl溶液中に30分間浸漬する。引き続いて、このティーバッグを遠心機(直径23cm、毎分1,400回転)で3分間遠心力をかけ、秤量する。空試験値としては吸水性ポリマーを含まないティーバッグについて操作を行なう。
保持力=(最終重量−空試験値)/初期重量[g/g]
【0046】
b)圧力下での液体吸収性(EP 0,339,461によるAAPテスト)
圧力下(圧力荷重50g/cm)での吸収性はEP 0,339,461(7ページ)に記載の方法に従って判定する。約0.9gの超吸収剤を網目スクリーンの底を有するシリンダー内に秤量する。均一に広げた超吸収剤の層にピストンで50g/cmの圧力を加える。その後、前もって計量したこのシリンダーを、0.9%NaCl溶液を入れたトレーに配置したガラスフィルタープレートの上に設置する。該トレーをシリンダーに配置するとき、前記NaCl溶液の液面レベルはフィルタープレートの高さに正確に一致している。このシリンダーユニットに0.9%NaCl溶液を1時間吸収させた後に再度計量し、AAPを以下のように算出する。
【0047】
AAP=最終重量(シリンダーユニット+超吸収剤)−初期重量(シリンダーユニット+浸潤した超吸収剤)/超吸収剤初期重量
【0048】
c)膨潤状態での透過性(WO 95/22356によるSFCテスト)
0.9gの超吸収剤を網目スクリーンの底を有するシリンダー内に秤量し、網目スクリーン表面に注意深く広げる。この超吸収剤材料をJAYCO合成尿[組成:塩化カリウム2.0g、硫酸ナトリウム2.0g、リン酸二水素アンモニウム0.85g、リン酸水素アンモニウム0.15g、塩化カルシウム0.19g、塩化マグネシウム0.23gを無水塩として蒸留水1lに溶解]中で1時間、圧力20g/cmにて膨潤させる。超吸収剤の膨潤高さを検出した後、一定の流体静力学的圧力で0.118MのNaCl溶液を水平にしたリザーバー容器から膨潤したゲル層を通して流す。測定の間、膨潤したゲル層は特殊な網目スクリーンのシリンダーでカバーされ、これによりゲル上での0.118MのNaCl溶液の均一な分布と、測定中のゲル層構造の(20〜25℃で測定した)一定した状態が確保される。膨潤した超吸収剤に作用する圧力はなお20g/cmである。コンピュータと目盛り尺を使用し、ゲル層を通過する液量を時間の関数として、20秒の間隔をおいて10分間検出する。膨潤ゲル層を通過する流速(g/s)は、勾配の外挿と2〜10分の流速における時間t=0に対する中心判定による回帰分析を使用して判定する。SFC値(K)は以下のように算出される。
【0049】
【数1】

【0050】
ここで、
(t=0):流速でg/s
:ゲル層の厚さでcm
r:NaCl溶液の密度(1.003g/cm
A:測定用シリンダー内にあるゲル層の上側面積(28.27cm
ΔP:ゲル層に加わっている流体静力学的圧力(4920ダイン/cm
K:SFC値[cm・s・g−1
【0051】
ティーバッグ保持力およびSFC値からの数字の形式的な足し算は、未処理の超吸収剤粉末またはよく知られた方法で表面二次架橋を施された製品と比較して、本発明のポリマー生成物におけるこれらの特性の組み合わせの突然の上昇を例証的に説明している。本発明による生成物では、前記数字はこれら2つの値のうちの一方の高い寄与(例えば、高いTB保持力と低いSFC値、またはその逆)によって生まれるものではない。
【実施例】
【0052】
実施例および比較例では、表面二次架橋用に向けられたそれぞれの粉末は150μmから850μmの粒子サイズに選別された。
【0053】
[実施例1]
ポリアクリル酸(粉末A)を、70%中和したアクリル酸のモノマー水溶液中の含有量が26重量%であり、これがアクリル酸に対して0.7重量%の架橋剤(トリアリルアミンとポリエチレングリコールジアクリレートの混合物)を使用して架橋されるという製造方法により得た。その後、ポリマー生成物の乾燥および粉砕、粒子サイズ150〜850μmの選別を実施した。100gのこの粉末a)と、1gのエチレングリコール、2.5gの水、および0.5gの硫酸アルミニウム14水和物からなる溶液とを激しく撹拌して混合し、その後に175℃に熱したオーブンで60分間加熱した。
【0054】
【表1】

【0055】
[比較例1〜8]
100gのポリマー粉末Aまたは粉末B(Favor(登録商標)SXM6860(比較例13参照))を下記の溶液で徹底して混合することでコーティングし、その後、乾燥した(60℃、60分間)。EP 0,233,067参照。
溶液A:ポリエチレングリコール400(8部)、AlCl×6HO(20部)、および水(72部)の溶液25g。溶液B:ポリエチレングリコール400(8部)、Al(SO×14HO(20部)、および水(72部)の溶液25g。溶液C:1,3−ブタンジオール(8部)、AlCl×6HO(20部)、および水(72部)の溶液25g。溶液D:1,3−ブタンジオール(8部)、Al(SO×14HO(20部)および水(72部)の溶液25g。
【0056】
【表2】

【0057】
[比較例9〜12]
100gのポリマー粉末Aまたは粉末B、Favor(登録商標)SXM6860(比較例13参照)を下記の溶液に徹底して混合してコーティングし、その後、乾燥した(100℃、90分間)、EP 0,233,067参照。
溶液E:1,3−ブタンジオール(15部)、AlCl×6HO(31部)、および水(85部)の溶液50g。溶液F:1,3−ブタンジオール(15部)、Al(SO×14HO(31部)、および水(85部)の溶液50g。
【0058】
【表3】

【0059】
[比較例13]
100gのFavor(登録商標)SXM6860(Stockhausen GmbH & Co.の市販製品、二次表面架橋されたポリアクリレート)を2.5gの水および0.5gの硫酸アルミニウム14水和物と激しく撹拌して混合し、その後、180℃に熱したオーブンで30分間加熱した。
【0060】
【表4】

【0061】
[実施例2]
アクリル酸に対して0.8重量%量のポリエチレングリコールジアフリレートで架橋され、70モル%がナトリウム塩として中和されている粉末のポリアクリル酸(粉末C、100g)を乾燥して粉砕した後に150〜850μmに選別し、1gのエチレングリコール、2.5gの水および0.5gの硫酸アルミニウム18水和物の溶液と激しく撹拌して混合し、その後、180℃に熱したオーブンで30分間加熱した。
【0062】
【表5】

【0063】
[実施例3および4]
70モル%がナトリウム塩として存在する粉末状架橋ポリアクリル酸(粉末D)を乾燥および粉砕した後、150〜850μmで選別し、下記の表に示した組成を有する溶液と激しく撹拌して混合し、その後、下記に示した条件でオーブンで加熱した。
【0064】
【表6】


* エチレングリコール
** プロピレングリコール
*** Al(SO×18H
【0065】
上記の実施例では、本発明のポリマー生成物の膨潤状態における、SFC値で特徴づけられる透過性が顕著に改善されることが示されている。高い透過性であるにもかかわらず、他の2つの関連パラメータ、すなわちティーバッグ保持力と圧力下における液体吸収性(AAP0.7)は高いレベルにある。高い保持能力、圧力下における良好な液体吸収性および膨潤状態における高い透過性を含む特性の適切な兼備は、ポリオールと無機塩成分とを組み合わせて使用して処理し、コーティングされたポリマー製品を少なくとも150℃に加熱することで達成することができることも実証された。塩成分の単独使用(比較例13)、または本発明による温度未満の温度での架橋(比較例1〜12および14)は所望の特性パターンを得る結果とはならない。比較例により得られる生成物は本発明の生成物に匹敵する超吸収剤に近い結果にすらならない。さらに、多量の水溶液または有機溶剤を使用してポリマー生成物をコーティングするとき、方法の実施可能性の点で重大な問題(材料の凝集塊、および排気しなければならない多量の有機性蒸気)が発生するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に二次架橋が施されており、水、水性または漿液系の流体ならびに血液を吸収し、
a)55〜99.9重量%の、酸基を含んで少なくとも25モル%が中和されており、重合されているエチレン性不飽和モノマーと、
b)a)と共重合可能であって、重合されているエチレン性不飽和0〜40重量%のモノマーと、
c)0.1〜5.0重量%の一種または2種以上の重合されている架橋剤と、
d)0〜30重量%の水溶性ポリマー、
から構成され、a)〜d)の重量の合計が100重量%であるポリマー生成物であって、
e)前記ポリマー生成物に対して0.01〜5重量%の、水溶液状態にある、表面二次架橋剤として少なくとも一種のポリオールと、
f)ポリマー生成物に対して0.001〜1.0重量%の、水溶液状態のカチオン、
で処理され、150〜300℃の二次架橋温度まで加熱されていることを特徴とするポリマー生成物。
【請求項2】
成分e)が0.1〜2.5重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%、成分f)が0.005〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.2重量%で使用されることを特徴とする、請求項1に記載のポリマー生成物。
【請求項3】
成分e)およびf)のための溶剤として水が単独で使用されることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリマー生成物。
【請求項4】
成分e)およびf)が共に水溶液で使用されることを特徴とする、請求項1〜3に記載のポリマー生成物。
【請求項5】
別々または一緒に加えられる水溶液中の水の合計量がポリマー生成物に対して0.5〜10重量%、好ましくは0.75〜5重量%、さらに好ましくは1.0〜4重量%であることを特徴とする、請求項1〜4に記載のポリマー生成物。
【請求項6】
アルカリまたはアルカリ土類金属、亜鉛、鉄、アルミニウム、チタン、または他の遷移金属のカチオン、または2種の異なるカチオンの複塩、または塩の混合物、好ましくはアルミニウム塩、が成分f)として使用されていることを特徴とする、請求項1〜5に記載のポリマー生成物。
【請求項7】
〜Cのアルキレンジオール、C〜Cのアルキレントリオール、より高官能性のヒドロキシ化合物ならびに/あるいはジ−およびポリアルキレングリコールがポリオールとして使用されていることを特徴とする、請求項1〜6に記載のポリマー生成物。
【請求項8】
二次架橋温度が150℃を超えて250℃まで、好ましくは180℃から210℃までであることを特徴とする、請求項1〜7に記載のポリマー生成物。
【請求項9】
モノマーユニットa)の酸基の少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%がカルボキシル基であることを特徴とする、請求項1〜8に記載のポリマー生成物。
【請求項10】
モノマーユニットa)がアクリル酸および/またはメタクリル酸由来のものであることを特徴とする、請求項1〜9に記載のポリマー生成物。
【請求項11】
スターチおよび/またはポリ(ビニルアルコール)またはそれらの誘導体が成分d)として使用されていることを特徴とする、請求項1〜10に記載のポリマー生成物。
【請求項12】
ポリマー生成物が、透過性(SFC)が70×10−7cm・s/gまでのときに、少なくとも27g/gの保持力(TB)を有することを特徴とする、請求項1〜11に記載のポリマー生成物。
【請求項13】
ポリマー生成物が、透過性(SFC)が70×10−7cm・s/gを超えて150×10−7cm・s/gまでのときに、少なくとも25g/gの保持力(TB)を有することを特徴とする、請求項1〜12に記載のポリマー生成物。
【請求項14】
ポリマー生成物が少なくとも18g/gの圧力下での液体吸収性(AAP0.7)を有することを特徴とする、請求項12または13に記載のポリマー生成物。
【請求項15】
請求項1〜14に記載の吸収性ポリマー生成物を製造する方法であって、
a)55〜99.9重量%の、酸基を含んで少なくとも25モル%が中和されている、エチレン性不飽和モノマーと、
b)0〜40重量%の、a)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーと、
c)0.1〜5.0重量%の一種または2種以上の架橋剤化合物と、
d)0〜30重量%の水溶性ポリマーと、
の、成分a)〜d)の合計が100重量%である混合物がフリーラジカル重合に供され、場合により破砕、乾燥、粉末化、選別処理されること、および、このポリマー粉末が、
e)該ポリマー生成物に対して0.01〜5重量%の、表面二次架橋剤としての、水溶液状態にある少なくとも一種のポリオールと、
f)該ポリマー生成物に対して0.001〜1.0重量%の、水溶液状態にあるカチオン、
とで処理され、そこでは、一緒にまたは別々に存在する成分e)の水溶液およびf)の水溶液とポリマー粉末との激しい混合が実施され、その後に150〜300℃に加熱してポリマー粉末の熱二次架橋が実施されることを特徴とする上記の方法。
【請求項16】
使用されるポリマー粉末が0.5〜25重量%、好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは1〜8重量%の水分含量を有することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
使用されるポリマー粉末が3000μm未満、好ましくは20〜2000μm、さらに好ましくは150〜850μmの粒子サイズを有することを特徴とする、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
成分e)の水溶液およびf)の水溶液が使用前に20℃〜100℃、好ましくは20℃〜60℃に加熱されることを特徴とする、請求項15〜17に記載の方法。
【請求項19】
150℃を超えて250℃まで、好ましくは160℃〜210℃の温度に加熱が実施されることを特徴とする、請求項15〜18に記載の方法。
【請求項20】
請求項1〜15に記載のポリマー生成物の、水または水性液体の吸収剤として、好ましくは体液を吸収するための構造へ、フォーム化されたおよびフォーム化されていないシート材料へ、パッケージ材料へ、植物栽培のための構造物へ、土壌改質剤として、または活性物質のための運搬体としての使用。
【請求項21】
請求項1〜15に記載のポリマー生成物の、吸収性挿入物(インサート)の層における専用吸収剤に対する主成分としての使用。

【公開番号】特開2012−97276(P2012−97276A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−5232(P2012−5232)
【出願日】平成24年1月13日(2012.1.13)
【分割の表示】特願2000−604079(P2000−604079)の分割
【原出願日】平成12年2月26日(2000.2.26)
【出願人】(504341139)エボニック ストックハウゼン ゲーエムベーハー (35)
【Fターム(参考)】