説明

水溶液を濃縮するための改良されたデバイスおよびそのためのプロセス

本発明は、水溶液を約95%までより迅速かつ効果的に濃縮するための、図1〜4に示されるような改良された膜ベースのデバイス、水溶液を95%までより迅速かつ効果的に濃縮するための、改良された膜ベースのデバイスを製造する方法、およびまた、上述の膜ベースのデバイスを使用して、水溶液を約95%までより迅速かつ効果的に濃縮する、改良されたプロセスに関する。このプロセスは、水溶液を、水溶液コンテナに供給する工程、この供給された溶液を濾過して、浮遊粒子を除去する工程、得られた濾過後の溶液を膜モジュールに通す工程、この膜モジュール内で、濾液と濃縮物とを分離する工程、およびこの濃縮物を複数回回収して、非常に濃縮された最終濃縮物を得る工程を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、水溶液を約95%までより迅速かつ効果的に濃縮するための、図1〜4に示されるような改良された膜ベースのデバイス、水溶液を95%までより迅速かつ効果的に濃縮するための、改良された膜ベースのデバイスを製造する方法、およびまた、上述の膜ベースのデバイスを使用して、水溶液を約95%までより迅速かつ効果的に濃縮する、改良されたプロセスに関する。このプロセスは、水溶液を、水溶液コンテナに供給する工程、この供給された溶液を濾過して、浮遊粒子を除去する工程、得られた濾過後の溶液を膜モジュールに通す工程、この膜モジュール内で、濾液と濃縮物とを分離する工程、およびこの濃縮物を複数回回収して、非常に濃縮された最終濃縮物を得る工程を包含する。
【背景技術】
【0002】
(本願の背景および先行技術文献)
生物活性について薬草抽出物をスクリーニングすることに関係する、創薬研究の分野で働く研究者に周知であるように、水性抽出物を処理する従来の方法は、このような抽出物を、Buchi型のロータリーエバポレーターで可能な限り最大限に濃縮し、次いで、残っている水を凍結乾燥によって除去することである。この方法の主な欠点は、ロータリーエバポレーターで水を除去するプロセスが遅く、そしてその抽出物が、長時間にわたって高温に曝露されることである。従って、これらの欠点を克服することが、非常に望ましい。
【0003】
非特許文献1が参照され得る。この文献は、薬品において、薬物を迅速に市場に出すためには、大変な圧力が存在することを言及し、そして創薬研究に対する膜クロマトグラフィーの適用を記載する。従来のクロマトグラフィーと比較すると、膜クロマトグラフィーは、スループットおよび効率が100倍高く、膜クロマトグラフィーを、生物薬剤精製のための説得力のある選択肢にしている。上記目的のために使用されるイオン交換膜は、微細孔を有し、これらの微細孔は、荷電した親水性ポリマーで修飾されている。これらのポリマーは、この膜の細孔表面に架橋する。スルホン酸基を有する陽イオン交換膜は、タンパク質を保持し得、一方で、DNA、ウイルスおよび外毒素を通過することを可能にする。一方で、第四級アミン基を有する陰イオン交換膜は、DNA、ウイルスおよび外毒素を保持する。しかし、創薬研究のために、粗製薬草抽出物をより迅速に処理するための解決策は、報告されていない。
【0004】
非特許文献2が参照され得る。この文献において、逆浸透膜の大規模な適用が記載されている。重要な適用としては、以下からの産業流出液の処理が挙げられる:(i)電気めっき産業;(ii)パルプ産業および製紙産業;(iii)食品加工産業;(iv)薬物産業および生物工学;ならびに(v)織物産業;染色プロセス産業など。逆浸透膜を周囲温度で使用する、溶液の分離および濃縮は、現在使用されている、最も重要な進んだ技術である。産業プロセスのためのROの多くの適用が報告されており、そしてROはまた、超純水のための精製プロセスの一部として使用されているが、水性薬草抽出物に関連する創薬研究のためのその適用は、言及されていない。
【0005】
Frankfurt,GermanyのACHEMA 2003博覧会のC&E.News(2003年6月16日)の記事が参照され得る。ここで、多くの会社が、種々の適用のためにあつらえられ得る、膜濾過システムの実用的なモデルを展示した。
【0006】
Tumba,SwedenのAlfa Laval EngineeringグループのThomas Zachrissonは、ACHEMA 2003博覧会において、プレートおよびフレームの十字流膜濾過モジュールM39を展示した。このモジュールは、プレートに設置された、一連の平行な平坦なシートの膜を備える。これらのモジュールは、非常に粘性の製品および醗酵ブロスの限外濾過およびナノ濾過のために適切であることが、指摘された。これらのモジュールにおける膜は、抗生物質、酵素、血液製品および酵母抽出物の処理を実施するために、開発された。しかし、いずれのユニットも、創薬研究のための水性薬草抽出物の処理のために適切であることに言及しなかった。
【0007】
Columbia,Md−based W.R.Gaceの部門である、Grace Davison Membranesは、ポリアミドから作製され、STARMEMとして公知である、ある種の有機溶媒ナノ濾過(OSN)膜の製造を報告した。これらの膜は、溶媒、温度に対して安定であり、そして溶質分子の90%を排除する。これらのOSN膜は、有機溶媒から抗生物質を分離し得、高沸点の溶媒を低沸点の溶媒と交換し、そして相間移動触媒および有機金属触媒のようなプロセスにおける生成物から、触媒を分離する。しかし、創薬研究のための水性薬草抽出物の濃縮に適切な、いかなるユニットも、参照されなかった。
【0008】
PuronCompany,Aachen,GermanyのOlaf Kiepeは、ACHEMA 2003博覧会において、水処理のための膜を展示した。この会社は、ポリエステルに担持された、ポリエーテルスルホンの活性フィルムを製造する。これらの膜の潜在的な用途としては、都市の廃水処理、飲料水の製造および他の産業上の用途が挙げられる。
【0009】
ACHEMA 2003博覧会において、KERASEP CompanyのNathalie Garassinoは、セラミック材料から作製された管状モジュールを展示し、これらのモジュールは、ジルコニアおよびチタニア膜のフィルムで裏打ちされた。これらの膜の潜在的な用途としては、ソフトドリンク、果汁および醗酵液体の清澄化、乳汁のマイクロ濾過、ならびに生物分解性排水の処理が挙げられる。
【0010】
従来、水溶液の濃縮は、自然に太陽エネルギーを使用してか、または人工的に強制的な蒸発を介してかのいずれかで、蒸発によって実施されている。太陽エネルギーを使用する蒸発は、魅力的である。なぜなら、この蒸発は、無料のエネルギーを利用し、そして蒸発は、室温近くで実施され得るからである。しかし、このことは、溶液が光に曝露されることを必須にし、このことは、成分が光に不安定である場合に、欠点となる。
【0011】
従来、溶媒(水を含む)を溶液から除去するために、特に、科学実験室において、ロータリーエバポレーターが使用されている。このことは、水のような溶媒が蒸発されなければならない場合に、高温(代表的に、65℃を超える)の適用を包含する。
【0012】
水性薬草抽出物(これらは、それらの潜在的な生物活性特性について、広範に研究されている)は、代表的に、実験室において、濃縮のために、ロータリーエバポレーターを使用して処理される。その後、その濃縮物は、さらに、凍結乾燥に供され、次いで、バイオアッセイのためにサンプリングされる。この方法の1つの欠点は、研究のスループットが、抽出物がロータリーエバポレーター中で濃縮される速度によって制限され得ることである。別の欠点は、抽出物を高温に曝露することによって、この抽出物中の成分がこのような高い温度に長時間曝露されることによって(特に、その成分が熱に不安定である場合に)影響を受け得ることに関する不確実性が存在することである。
【0013】
膜ベースの脱水は、先行技術において記載されたように、いくつかの産業(例えば、食物産業および薬品産業)において、広範に使用されている。しかし、先行技術文献の調査および特許の検索は、水性の薬草抽出物を、例えば、上で言及した目的のために濃縮するための、膜ベースのデバイスを、全く示さなかった。報告された膜の脱水用途を考慮すると、このことは明らかに見えるかもしれないが、研究者らは、ロータリーエバポレーターの使用に頼り続けていることが、等しく事実である。なぜなら、適切な膜ベースのデバイスは、この目的で全く市場に出ていないからである。他方で、薄膜複合逆浸透螺旋膜モジュールに基づくこのようなデバイスが、本発明者らによって製造され、そしてインドの主要な実験室に、創薬研究の目的で与えられると、Director of Central Institute of Medicinal & Aromatic Plants,Lucknow,India(このような研究に多年にわたり携わってきた実験室)の以下の論評から明らかであるように、このデバイスの有用性の、圧倒的な肯定が存在した:「CIMAPのために好意により提供された、水抽出器/濃縮器装置の2つのユニットは、非常に良好に機能している。これらのユニットは、CIMAPにおいて製造された水抽出器の出力を増加させる際に、非常に有用である」。本発明の設備を提供された他の多くの実験室の反応も、類似であった。このことは、本発明者らに、水性薬草抽出物の濃縮の意図される適用のための、本発明のデバイスは、明らかではなく、そして非常に有用であることを結論付けさせる。
【非特許文献1】T.N.Warnerら、「Membrane based chromatography is paving the way for high throughput biopharmaceutical processing」、Modern Drug Discovery,2003年2月、p45
【非特許文献2】Ullmann、「Encyclopedia of Industrial Chemistry」第6版、Electronic Release、2002年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
(発明の目的)
本発明の主要な目的は、上記欠点を回避する、水溶液を濃縮するためのデバイスを開発することである。
【0015】
本発明の別の目的は、水性抽出物の濃縮の大部分が、ロータリーエバポレーターでの減圧蒸留という従来の方法より高いスループットで実施されることを可能にするデバイスを開発することである。
【0016】
本発明のなお別の目的は、水性薬草抽出溶液を脱水するためのプロセスを開発することである。
【0017】
本発明のなお別の目的は、濃縮された抽出物が、植物の成分、塩および重要な生物活性分子を吸収/保持するデバイスを開発することである。
【0018】
本発明のなお別の目的は、周囲温度で操作し得、そして熱的安定性が低い生物活性分子の分解を防止するデバイスを開発することである。
【0019】
本発明のなお別の目的は、自動洗浄サイクルが、使用される膜の効力および寿命を増加させるデバイスを開発することである。
【0020】
本発明のさらなる目的は、バイオアッセイのために望ましい形態で植物抽出物を調製するために必要とされる時間全体をかなり減少させ得るデバイスを開発することである。
【0021】
さらなる目的は、従来のロータリーエバポレーターより低い費用で、薬草抽出物の濃縮のために利用可能であり、一方で、周囲条件下でのより速いスループットを可能にするデバイスを作製することである。
【0022】
本発明のなおさらなる目的は、多用量の潜在的に有望なリード抽出物を処理し、そして最終的に、水性植物抽出物から生物活性物質を経済的に生成するためにスケールアップされ得るデバイスを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
(発明の要旨)
本発明は、水溶液を約95%までより迅速かつ効果的に濃縮するための、図1〜4に示されるような改良された膜ベースのデバイス、水溶液を95%までより迅速かつ効果的に濃縮するための、改良された膜ベースのデバイスを製造する方法、およびまた、上述の膜ベースのデバイスを使用して、水溶液を約95%までより迅速かつ効果的に濃縮する、改良されたプロセスに関する。このプロセスは、水溶液を、水溶液コンテナに供給する工程、この供給された溶液を濾過して、浮遊粒子を除去する工程、得られた濾過後の溶液を膜モジュールに通す工程、この膜モジュール内で、濾液と濃縮物とを分離する工程、およびこの濃縮物を複数回回収して、非常に濃縮された最終濃縮物を得る工程を包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(発明の詳細な説明)
本発明は、水溶液を約95%までより迅速かつ効果的に濃縮するための、図1〜4に示されるような改良された膜ベースのデバイス、水溶液を95%までより迅速かつ効果的に濃縮するための、改良された膜ベースのデバイスを製造する方法、およびまた、上述の膜ベースのデバイスを使用して、水溶液を約95%までより迅速かつ効果的に濃縮する、改良されたプロセスに関する。このプロセスは、水溶液を、水溶液コンテナに供給する工程、この供給された溶液を濾過して、浮遊粒子を除去する工程、得られた濾過後の溶液を膜モジュールに通す工程、この膜モジュール内で、濾液と濃縮物とを分離する工程、およびこの濃縮物を複数回回収して、非常に濃縮された最終濃縮物を得る工程を包含する。
【0025】
本発明は、水溶液を約95%までより迅速かつ効果的に濃縮するための、図1〜4に示されるような改良された膜ベースのデバイスに関する。ここで、このデバイスは、以下を備える:
【0026】
【表5】

本発明のなお別の実施形態は、薬草抽出物を濃縮する際に特に効果的なデバイスを提供する。
【0027】
本発明のなお別の実施形態は、基本的な設計および操作パラメータを全く変化させずにスケールアップされ得るデバイスを提供する。
【0028】
本発明のなお別の実施形態は、室温(好ましくは、約25℃)で機能することによって、溶液の安定性を維持するデバイスを提供する。
【0029】
本発明のなお別の実施形態は、泡立てることなく水溶液を濃縮するデバイスを提供する。
【0030】
本発明のなお別の実施形態は、溶液の全ての成分を保持する濃縮物を提供する。
【0031】
本発明のさらに別の実施形態は、供給物を連続的に供給するためのレザバとしてはたらく垂直コンテナを提供する。
【0032】
本発明のなお別の実施形態は、連続的に水を除去する出口弁を備える濾液コンテナを提供する。
【0033】
本発明のさらに別の実施形態は、それぞれ、浮遊した粒子および捕捉した空気を除去し、従って、透明な溶液のみを膜モジュールに流すことが可能な抽気弁に連結されたフィルタ容器を提供する。
【0034】
本発明のなお別の実施形態は、他の成分を保持しつつ、水を通し、溶液をシステム内に循環させる、螺旋状薄膜複合膜を備える膜モジュールを提供する。
【0035】
本発明のさらに別の実施形態は、廃液/洗浄の操作モードの間に、水溶液/水の経路変更を助けるソレノイド弁を提供する。
【0036】
本発明のなお別の実施形態は、水溶液を連続的に流すために充分な圧力が達成されることを可能にする、圧力ポンプを提供する。
【0037】
本発明のさらに別の実施形態は、水溶液を濃縮し、そして、最適な寿命のために膜を連続的に洗浄するのを助ける、オンオフスイッチに連結された、コントロールパネルを提供する。
【0038】
本発明のなお別の実施形態は、約6:1の比の長さと直径を有する膜モジュールを提供する。
【0039】
本発明のさらに別の実施形態は、130μmと170μmの範囲の全体の厚みを有する膜を提供する。
【0040】
本発明のなお別の実施形態は、約4:1の比の長さと直径を有する水溶液コンテナを提供する。
【0041】
本発明のさらに別の実施形態は、約4:1の比の長さと直径を有する濾液コンテナを提供する。
【0042】
本発明のなお別の実施形態は、濃縮モード、廃液モードおよび洗浄モードからなる群より選択されるモードにおいて、流れの方向を制御するソレノイド弁を提供する。
【0043】
本発明のもう1つの実施形態は、水溶液を95%まで迅速かつ効率的に濃縮するための、改善された膜ベースのデバイスの製造方法を提供し、このデバイスは、図1〜4に示されるように組み立てることによって製造される。
【0044】
本発明のなお別の実施形態は、図面に示されるような様式で上述の構成要素を備えるデバイスを提供する。
【0045】
図1〜4の膜ベースのデバイスを使用して、水溶液を約95%まで迅速かつ効率的に濃縮する改善されたプロセスであって、上記プロセスは、以下の工程を包含する:
a.水溶液を、水溶液コンテナ(1)に供給する工程、
b.浮遊粒子を除去するために、供給溶液を濾過(3)する工程、
c.この結果的に生じる濾過された溶液を膜モジュール(7)に通す工程、
d.膜モジュールにおいて濾液および濃縮物を分離する工程、ならびに
e.濃縮物を複数回回収して、高度に濃縮された最終濃縮物を得る工程。
【0046】
本発明のさらに別の実施形態は、図面に示される様式で上述の構成要素を備えるデバイスを提供する。
【0047】
本発明のなお別の実施形態は、薬草抽出物を濃縮するのに特に有効なプロセスを提供する。
【0048】
本発明のさらに別の実施形態は、基本設計および操作パラメータの変更なしでスケールアップされ得るデバイスを提供する。
【0049】
本発明のなお別の実施形態は、室温(好ましくは25℃)にて実施されるプロセスを提供する。
【0050】
本発明のさらに別の実施形態は、泡立ちのない水溶液の濃縮物を提供する。
【0051】
本発明のなお別の実施形態は、溶液の全要素を保持する濃縮物を提供する。
【0052】
本発明のさらに別の実施形態は、供給物の連続的な供給のためのレザバとしてはたらく垂直コンテナを提供する。
【0053】
本発明のなお別の実施形態は、連続的に水を除去する出口弁を備える濾液コンテナを提供する。
【0054】
本発明のさらに別の実施形態は、それぞれ、浮遊した粒子および捕捉した空気を除去し、従って、透明な溶液のみを膜モジュールに流すことが可能な抽気弁に連結されたフィルタ容器を提供する。
【0055】
本発明のなお別の実施形態は、他の成分を保持しつつ、水を通し、溶液をシステム内に循環させる、螺旋状複合薄膜を備える膜モジュールを提供する。
【0056】
本発明のさらに別の実施形態は、廃液/洗浄の操作モードの間に、水溶液/水の経路変更を助けるソレノイド弁を提供する。
【0057】
本発明のなお別の実施形態は、水溶液を連続的に流すために充分な圧力が達成されることを可能にする、圧力ポンプを提供する。
【0058】
本発明のさらに別の実施形態は、水溶液を濃縮し、そして、最適な寿命のために膜を連続的に洗浄するのを助ける、オンオフスイッチに連結された、コントロールパネルを提供する。
【0059】
本発明のなお別の実施形態は、約6:1の比の長さと直径を有する膜モジュールを提供する。
【0060】
本発明のさらに別の実施形態は、130μmと170μmの範囲の全体の厚みを有する膜を提供する。
【0061】
本発明のなお別の実施形態は、約4:1の比の長さと直径を有する水溶液コンテナを提供する。
【0062】
本発明のさらに別の実施形態は、約4:1の比の長さと直径を有する濾液コンテナを提供する。
【0063】
本発明のなお別の実施形態は、濃縮モード、廃液モードおよび洗浄モードからなる群より選択されるモードにおいて、流れの方向を制御するソレノイド弁を提供する。
【0064】
本発明のさらに別の実施形態は、滞留量を排除するのを助けるプロセスを提供する。
【0065】
本発明のなお別の実施形態は、膜付着物を最小にするプロセスを提供する。
【0066】
本発明のさらに別の実施形態は、溶液の汚染を防止するプロセスを提供する。
【0067】
本発明は、水性の薬草抽出物の濃縮の改善されたプロセスに関する。より具体的には、本発明は、より迅速な操作、および熱分解に対して熱不安定性な成分の感受性を減少するための、周囲温度でのこのような抽出物の膜ベースの脱水に関する。このシステムはさらに、無人操作が可能である。
【0068】
1.デバイスを通して薬草抽出物を濃縮するための膜ベースのプロセスであって、このデバイスは以下を備える:
(i)溶質成分を廃棄する一方で、水を透過することが可能なプラスチック本体(17)に統合された半透膜を有する主要膜モジュール(7)、ならびに布製フィルタ(15)を備えるフィルタ容器(3)および濾液を経路変更および濃縮された抽出溶液を抽出物コンテナ(1)へと回収することが可能な1つ以上のソレノイド弁(8、9)を通過した後に、膜モジュール(7)に抽出溶液を導き得るダイアフラム型圧力ポンプ(6)。
(ii)上記組み合わせの膜モジュール、後チャンバ内の圧力ポンプ、およびフィルタ容器が、このデバイスの前チャンバ内の抽出物コンテナおよび濾液コンテナに隣接して固定されており、後チャンバに設置されたソレノイド弁(10、11)は、廃液モードの間に、抽出物コンテナに気圧を加えることにより、膜モジュールからの溶液の流れを押すことが可能であり、空気が、外部の空気圧縮器から供給される。
(iii)上記膜モジュール(7)はまた、圧力ポンプ(6)、フィルタ容器(3)および洗浄モードの間に膜を洗浄するために可撓性の管を通して水源に接続された複数のソレノイド弁(12、13)を備える。
【0069】
本発明のなお別の実施形態は、水性の抽出物、より好ましくは、過度に粘性でも油性でもなく、過剰量の浸透圧を増強する成分を含まない水性抽出物の濃縮に特に有用である。
【0070】
本発明のさらに別の実施形態では、この半透膜は、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、セルロースブレンド、ポリアミド膜、より好ましくは、通常の試験条件下で95%を超える脱塩率を、そしてより好ましくは、99%を超える脱塩能力を有する薄膜複合逆浸透膜のような、逆浸透の用途に適した型のものである。
【0071】
本発明のなお別の実施形態では、薄膜複合膜は、繊維で補強したプラスチック本体/ABSプラスチック本体の内部にある「O」リングおよび迂回シールである。
【0072】
本発明のさらに別の実施形態では、原動力は、例えば、最適な流れを得るための、ダイアフラム型圧力ポンプである。
【0073】
本発明のなお別の実施形態では、フィルタ容器は、例えば、布製フィルタを備える従来のフィルタである。
【0074】
本発明のさらに別の実施形態では、ソレノイド弁は、例えば、流れの経路変更を助ける従来の弁である。
【0075】
本発明のなお別の実施形態では、デバイスは、10〜95%、より具体的には、50〜80%の範囲で水性抽出溶液を濃縮し得る。
【0076】
本発明のさらに別の実施形態では、デバイスは、周囲温度にて機能し得、熱感受性の水性抽出物を濃縮するのに特に有用であり得る。
【0077】
本発明のなお別の実施形態では、特定の設計のデバイスは、濃縮プロセスの間に泡の形成を抑制し、従って、抽出物が植物性サポニンのような泡立ちを促進する物質を含む場合に特に有益である。このデバイスにおいて、これらの抽出物の濃度は、熱による従来の濃縮方法の間中、非常に問題となる。
【0078】
本発明のさらに別の実施形態では、デバイスは、濃縮された抽出溶液中に植物成分、塩および重要な生物活性分子を大部分保持し得る。
【0079】
本発明のなお別の実施形態では、濾液は、さらに濾液中の有機物質の損失を<0.5%nレベルまで最小にするために再処理するための抽出物コンテナに入れられ得る。
【0080】
本発明のさらに別の実施形態では、設計は、第2のROモジュールにおいて濾液を再処理し、さらに、第3のROモジュールにおいて第2のROモジュールからの濾液を再処理する一方で、各段階からの濃縮物を最初の抽出物コンテナに戻し供給することによって、植物物質をほぼ完全に(0.1%未満)含まない濾液を達成するために、可撓性である。
【0081】
本発明のなお別の実施形態では、達成可能な濃縮の程度は、膜の排除効率を増加させ、最終的な濾液における損失をさらに最小にするために一連の膜モジュールを有する一方で、ポンプの圧力を増加させることによって高められ得る。
【0082】
本発明のさらに別の実施形態では、デバイスは、基本的な設計および操作のパラメータを有意に変化させることなく、大容量の水性薬草抽出物を処理するためにスケールアップされ得る。
【0083】
水性の薬草抽出物を濃縮するための膜ベースのデバイスは、実質的に、実施例および本明細書に添付される図面を参照して本明細書中に記載される。
【0084】
本発明のデバイスは、細菌抽出物、藻類抽出物および動物抽出物のような他の水性の生物活性抽出物の濃縮に有用であることは、当業者に明白である。
【0085】
本発明は、膜ベースのデバイスを用いる、水性の薬草抽出物を濃縮する改善されたプロセスに関する。より具体的には、本発明は、創薬探索のために実験室規模で遭遇されるような1〜20Lの範囲の容量を有する抽出物の濃縮に関する。このデバイスは、このような目的のために従来使用されているロータリーエバポレーターの優れた代替物である。主な利点は以下の通りである:(i)抽出物が過度に粘性でも油性でもなく、過剰量の浸透圧を増強する成分を含まないほとんどの場合において、濃縮の速度が速いこと、(ii)抽出物内の熱不安定性成分の熱分解に対する感受性を減らす、周囲温度での操作、そして(iii)特に、抽出物が、泡を形成する物質(例えば、植物性サポニン)を含む場合に、ロータリーエバポレーター内のこのような抽出物がしばしば遭遇する泡立ちの問題を排除すること。濃縮された濾液は、重要な薬草成分を保持し、最終的な濾液には無視できる損失しかない。
【0086】
薬草抽出物の濃縮のための本発明のデバイスは、以下から構成される:
i.供給抽出物を連続的に供給するためのレザバとしてはたらく、垂直コンテナ
ii.水を連続的に除去するための出口弁を備える濾液コンテナ
iii.それぞれ、浮遊粒子および捕捉された空気を除去し得る抽気弁と連結され、透明な溶液のみを膜モジュールに流す、フィルタ容器
iv.螺旋状の薄膜複合膜を備える膜モジュールであって、他の成分を保持する一方で水を通し、抽出物をシステム内で循環させる、膜モジュール
v.濾液/洗浄の操作モードの間、濃縮プロセス、廃液プロセスおよび洗浄プロセスの間に、抽出物/水を経路変更するためのソレノイド弁
vi.洗浄プロセスの間に膜表面上で抽出物を連続的に流し、水を流すために充分な圧力が達成されることを可能にする、圧力ポンプ
vii.水性の薬草抽出物を濃縮し、そして、最適な寿命のために膜を連続的に洗浄するための、オンオフスイッチに連結された、コントロールパネル。
【0087】
本発明のデバイスの詳細は、本明細書に添付される図面の図1〜4に示される。
【0088】
【表6】

(デバイスの説明)
本発明のデバイスの物理的な実施形態において、12インチの長さ、2インチの直径、および0.45mの有効膜面積を有する膜モジュール(7)は、抽出溶液のための入口、および濾液および濃縮された抽出物のための2つの出口(図6)を有し、この濃縮された抽出物は、回収される。従来技術において記載されたような薄膜複合材として構成され、NaCl分離のために、24時間あたり、膜面積の1平方フィートあたり、30ガロンの流量を有し、225psiの適用圧力、25℃の温度、および2000mg/LのNaCl供給濃度の標準的な試験条件下で、95%を超える排除効率を有する、140〜160μmの全体的な厚みを有する膜が、水性の薬草抽出溶液を濃縮するために選択され得る。布製フィルタを備えるフィルタ容器(3)は、水性の抽出溶液がフィルタ容器を通過し、次いで、透明な溶液が膜モジュールに入るように、圧力ポンプ(6)の前に提供される。ダイアフラム型の圧力ポンプ(6)が、後チャンバ内の供給用抽出溶液コンテナに接続される。このポンプは、供給用抽出物に圧力をかけて、それにより、膜を通る水の透過を補助する。そしてこのポンプはまた、洗浄モードにおいて、洗浄する目的のための正常な圧力において、膜表面全体に水を流すことが可能である。アクリル性の材料から作製され、300mmの長さおよび75mmの直径であり、かつ1000mLの有効容量を有する円筒形形状を有する抽出物コンテナ(1)は、(i)抽出溶液を添加するための、頂部にある開閉蓋(open lid)、および(ii)濃縮された水性の抽出溶液を回収するための、底部にある出口弁から構成される。アクリル性の材料から作製され、300mmの長さおよび75mmの直径であり、かつ1000mLの有効容量を有する円筒形形状を有する濾液コンテナ(2)は、膜を通した後に濾液(水)を回収する底部にある出口弁から構成される。後チャンバは、プラスチック材料から作製された複数のソレノイド弁(8〜13)を備えられる。これらのソレノイド弁は、「濃縮」モード、「廃液」モード、および「洗浄」モードの間の操作のために、オンオフスイッチを有するコントロールパネル(4、5)を通してAC電源に接続される。
【0089】
本発明のデバイス、およびその操作の詳細は、以下のように、(i)濃縮モード、(ii)廃液モード、および(iii)洗浄モードについて与えられる:
(i)濃縮モード:頂部に開閉蓋を有し、底部に出口弁を有する水性抽出物コンテナは、アクリル性の材料から作製される。これは、30cmの長さと7.5cmの直径を有する円筒状の形状である。希釈溶液を含む抽出物コンテナは、デバイスの後ろ側にある圧力ポンプに接続される。希釈溶液は、膜モジュールの前に備えられるフィルタの助けを借りて、濾過され、その結果、透明な溶液のみが、迂回シールを使用することによって、TFC膜を通過する。この段階で、モジュールの頂部にある「O」リングは、濾液を濃縮された抽出物から分離する。濾液(水)は、濾液コンテナにポンプで注入され、濃縮物は、抽出物コンテナにポンプで注入される。
【0090】
(ii)廃液モード:5CFM(立方フィート/分)より大きい通気能力を有する外部の空気圧縮器は、PVCパイプランを通して、ソレノイド弁の開放端部に接続されている。コンプレッサーからの空気は、フィルタを通して膜モジュール内に入れられる。濃縮操作の完了後、濃縮物は、圧縮された空気によって圧力をかけられ、この圧縮された空気は、次いで、膜モジュールに圧力をかけて、滞留した濃縮物を抽出物コンテナに入れる。透過溶液および抽出溶液が、次いで、それぞれのコンテナから除去される。
【0091】
(iii)洗浄モード:水レザバに接続され、5〜6LPM(L/分)の流速を有する蛇口は、PVCパイプラインを通してソレノイド弁の開放端部に接続されている。レザバからの水は、一定の速度で流れることが可能であり、そして、膜モジュールに入る前に、水は、圧力ポンプとフィルタを通過する。水は、接着性物質および粘着性の可溶性物質を共に運び、そして、濃縮モードが機能する前に、膜表面を完全にきれいにすることが必須である。ソレノイド弁を通る廃棄水は、排液中に処理される。
【0092】
水性の薬草抽出溶液を濃縮する従来技術としては、太陽光または高温で操作される科学的機器を使用するエバポレーションが挙げられる。本発明において、希釈された抽出溶液が、周囲温度において、圧力下で、水を通過させる薄膜複合逆浸透膜を備える螺旋状モジュールを通してくみ上げられるデバイスが設計および開発され、このデバイスでは、30分よりも短い時間で抽出物が濃縮される。このデバイスにおいて、熱的にあまり安定でない生物活性分子の分解を回避することが可能である。
【0093】
(i)螺旋状の膜モジュール;(ii)ダイアフラム型の圧力ポンプ;(iii)フィルタ容器;(iv)背圧調節器;(v)一連のソレノイド弁;(vi)入口および出口を備える溶液コンテナを組合せて構成される、植物抽出物を濃縮するための、本発明のデバイスの新規性は、周囲温度における、水溶性の植物抽出物からの連続的かつ迅速な水の除去を提供し、温度感受性の生物活性分子の分解を回避することである。さらに、螺旋状の膜モジュールを使用する薬草抽出物の濃縮は、抽出物が主に有機分子から構成され、抽出物内の他の溶質に起因する浸透圧の大きな上昇がない場合に、75〜90%のレベルまで達成され得る。本発明の別の新規性は、時折、ロータリーエバポレーターにおける従来の濃縮法に伴う深刻な問題となる、泡の形成の問題がないことである。別の重要な特徴は、少量の抽出物が濃縮されなければならない場合に特に重要となってくる、滞留量がないことである。別の重要な特徴は、膜の汚れおよび抽出物の汚染の問題を最小限にする、自動洗浄サイクルである。別の新規性は、抽出物の濃縮と全く同じ方法が、大規模でも実行可能であり、スケールアップに関する問題がないことである。これは、スケールアップにおける表面積:容量の変動のような問題が存在しないからである。
【0094】
本発明のデバイスの工程は、以下のサブシステムと組合せて上記の新規性を可能とする:
(i)水性の薬草抽出物の濃縮のための、ロータリーエバポレーターに取って代わる概念。
(ii)薄膜複合膜を備える螺旋状の膜モジュールが、周囲温度において圧力下で水を除去するために提供される。
(iii)ダイアフラム型の圧力ポンプが、濃縮モードの間に、最小の生物による膜の汚染での透過を可能するために、膜表面全体に圧力をかけ、乱流を生じるため、そして、洗浄モードの間に膜表面を洗浄するために、提供される。
(iv)布製フィルタを備えるフィルタ容器は、浮遊粒子を排除し、濾過された抽出物を膜モジュールに提供して、汚れおよび詰りを最小にする。
(iv)背圧調節器に連結されたソレノイド弁は、それぞれ、濃縮モード、洗浄モード、および廃液モードの間に、植物抽出溶液、水および空気の流れを提供する。
(v)ユーザにやさしく、繰り返して使用するためのシステムの清浄度を維持しながら、濃縮された抽出物の簡単な調製を可能にする、異なる操作のためのタッチスクリーンコントロールパネル。
(vi)必要なときに、抽出溶液に遮断された空気の流れを除去するために開かれ得る、抽気弁が提供される。
(vii)滞留量による損失を排除することによる、全抽出物の回収。
【0095】
以下の実施例は、例示の目的で与えられ、それゆえ、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0096】
(実施例1)
500gの海草Ulva lactucaを、800mlの冷水中で24時間消化し、時折撹拌した。暗黄色の抽出物を分離し、容量を1Lにし、抽出溶液コンテナ(図1)に入れた。圧力ポンプの助けにより、膜モジュールに入る前に、希釈した抽出物を、フィルタ容器を通過させ、このフィルタ容器において、浮遊する不純物を除去した。この希釈された暗色の溶液を、次いで、膜モジュールにポンプでくみ上げ、この膜モジュールでは、逆浸透膜が、水を通して濾液として回収し、そして濃縮された溶液が、抽出物コンテナに回収された。30分の時間内に、回収された容量は、総供給容量の80%であり、濃縮された液と、つりあった。浸透溶液を、高精度液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析し、その結果は、検出可能な多糖類がなかったことをはっきりと示した。この濾液は、フェノールスルホン酸法で確認すると、炭水化物についてネガティブな試験を示した。濃縮された液は、植物成分、塩、重要な生物活性分子を保持した。実験室モデルであるBuchi型ロータリーエバポレーターでの同じ程度の濃縮には、4時間かかった。
【0097】
(実施例2)
350gの海草、Dictyota dichotomaを、600mlの熱水(70℃)中で24時間消化し、時折撹拌した。24時間後、暗黄色の抽出溶液を分離し、容量を800mlにし、抽出溶液コンテナ(図1)に入れた。膜モジュールを通す前に、30℃の希釈した抽出物を、圧力ポンプの助けにより、フィルタ容器での濾過に供し、このフィルタ容器において、浮遊する不純物を除去した。膜モジュールにおいて、逆浸透膜が、水を通過させ、濾液として回収し、そして、濃縮された溶液を、抽出物コンテナに回収した。20分の時間内に、560mlの濾液が回収され、残りの240mlは濃縮された液であった。フェノールスルホン酸法で試験すると、無色の濾液は、検出可能な炭水化物を示さなかった。高精度液体クロマトグラフィー(HPLC)分析は、微量な多糖類の存在も示さなかった。濃縮された液は、植物成分、塩、および重要な生物活性分子を保持した。
【0098】
(実施例3)
コードCIMAP1を有する水性の薬草抽出物を、新規なデバイスにより、60〜70%濃縮した。図5は、最初の薬草抽出物(A)、抽出物からの濾液(B)、濾液を回収して得た2回目の濾液(C)、そして蒸留水(D)のHPLC追跡を示す。1回目の濾液は、5%未満の薬草成分を含むが、この量は、2回目の濾液では無視できるものであり、2回目の濾液のHPLCによる追跡は、蒸留水のようなフラットな基線を示す。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】図1は、デバイスの前方から見た立面図を表す図である。
【図2】図2は、デバイスの後方から見た立面図を表す図である。
【図3】図3は、抽気弁に連結されたデバイスのフィルタ容器を表す図である。
【図4】図4は、デバイスの膜モジュールを表す図である。
【図5】図5aは、最初の薬草抽出物のHPLCプロフィールを表す図である。図5bは、抽出物からの濾液のHPLCプロフィールを表す図である。図5cは、濾液を回収して得た2回目の濾液のHPLCプロフィールを表す図である。図5dは、蒸留水のHPLCプロフィールを表す図である。
【図6】図6aは、1回目の濾液のHPLCプロフィールを表す図である。図6bは、2回目の濾液のHPLCを表す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶液を約95%までより迅速かつ効果的に濃縮するための、図1〜4に示されるような改良された膜ベースのデバイスであって、該デバイスは、以下:
【表1】

を備える、デバイス。
【請求項2】
前記デバイスは、薬草抽出物を濃縮する際に特に効果的である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記デバイスは、基本的な設計および操作パラメータを全く変化させずにスケールアップされ得る、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記デバイスは、室温で、好ましくは約25℃で機能することによって、前記溶液の安定性を維持する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記デバイスは、泡立てることなく水溶液を濃縮する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記濃縮物は、前記溶液の全ての成分を保持する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
垂直なコンテナが、供給物の連続的な供給のためのレザバとして働く、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
出口弁を備える濾液コンテナが、水を連続的に除去する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
抽気弁に接続された前記フィルタ容器が、それぞれ、浮遊粒子および捕捉された空気の除去を可能にし、これによって、透明な溶液のみが、前記膜モジュールに流入することを可能にする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
螺旋薄膜複合膜を備える前記膜モジュールが、水が通過することを可能にし、一方で、他の成分を保持し、そして前記溶液を前記システム内で循環させる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ソレノイド弁が、操作の廃液/洗浄モードの間に、水溶液/水の経路を変化させることを補助する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記圧力ポンプが、水溶液の連続的な流れのために充分な圧力が達成されることを可能にする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
ONスイッチおよびOFFスイッチに接続された前記制御パネルが、前記水溶液を濃縮すること、および最適な寿命のために前記膜を連続的に洗浄することを補助する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記膜モジュールが、約6:1の比の長さおよび直径を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記膜が、130ミクロン〜170ミクロンの間の範囲の全厚さを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記水溶液コンテナが、約4:1の比の長さおよび直径を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記濾液コンテナが、約4:1の比の長さおよび直径を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記ソレノイド弁が、濃縮モード、廃液モード、および洗浄モードからなる群より選択されるモードで、前記流れの方向を制御する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項19】
水溶液を95%までより迅速かつ効果的に濃縮するための、改良された膜ベースのデバイスを製造する方法であって、該デバイスは、図1〜4に示されるような様式
【表2】

で組み立てることによって製造される、方法。
【請求項20】
前記デバイスが、以下:
【表3】

を備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
図1〜4の膜ベースのデバイスを使用して、水溶液を約95%までより迅速かつ効果的に濃縮する、改良されたプロセスであって、該プロセスは、以下の工程:
a.該水溶液を、水溶液コンテナ(1)に供給する工程、
b.該供給された溶液を濾過(3)して、浮遊粒子を除去する工程、
c.該得られた濾過後の溶液を膜モジュール(7)に通す工程、
d.該膜モジュール内で、濾液と濃縮物とを分離する工程、および
e.該濃縮物を複数回回収して、非常に濃縮された最終濃縮物を得る工程、
を包含する、プロセス。
【請求項22】
前記デバイスが、以下:
【表4】

を備える、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
前記プロセスは、薬草抽出物を濃縮する際に特に効果的である、請求項21に記載のプロセス。
【請求項24】
前記デバイスは、基本的な設計および操作パラメータを全く変化させずにスケールアップされ得る、請求項21に記載のプロセス。
【請求項25】
前記プロセスは、室温で、好ましくは約25℃で実施される、請求項21に記載のプロセス。
【請求項26】
前記水溶液の濃縮は、泡立ちがない、請求項21に記載のプロセス。
【請求項27】
前記濃縮物は、前記溶液の全ての成分を保持する、請求項21に記載のプロセス。
【請求項28】
垂直なコンテナが、供給物の連続的な供給のためのレザバとして働く、請求項21に記載のプロセス。
【請求項29】
出口弁を備える濾液コンテナが、水を連続的に除去する、請求項21に記載のプロセス。
【請求項30】
抽気弁に接続された前記フィルタ容器が、それぞれ、浮遊粒子および捕捉された空気の除去を可能にし、これによって、透明な溶液のみが、前記膜モジュールに流入することを可能にする、請求項21に記載のプロセス。
【請求項31】
螺旋薄膜複合膜を備える前記膜モジュールが、水が通過することを可能にし、一方で、他の成分を保持し、そして前記溶液を前記システム内で循環させる、請求項21に記載のプロセス。
【請求項32】
前記ソレノイド弁が、操作の廃液/洗浄モードの間に、水溶液/水の経路を変化させることを補助する、請求項21に記載のプロセス。
【請求項33】
前記圧力ポンプが、水溶液の連続的な流れのために充分な圧力が達成されることを可能にする、請求項21に記載のプロセス。
【請求項34】
ONスイッチおよびOFFスイッチに接続された前記制御パネルが、前記水溶液を濃縮すること、および最適な寿命のために前記膜を連続的に洗浄することを補助する、請求項21に記載のプロセス。
【請求項35】
前記膜モジュールが、約6:1の比の長さおよび直径を有する、請求項21に記載のプロセス。
【請求項36】
前記膜が、130ミクロン〜170ミクロンの間の範囲の全厚さを有する、請求項21に記載のプロセス。
【請求項37】
前記水溶液コンテナが、約4:1の比の長さおよび直径を有する、請求項21に記載のプロセス。
【請求項38】
前記濾液コンテナが、約4:1の比の長さおよび直径を有する、請求項21に記載のプロセス。
【請求項39】
前記ソレノイド弁が、濃縮モード、廃液モード、および洗浄モードからなる群より選択されるモードで、前記流れの方向を制御する、請求項21に記載のプロセス。
【請求項40】
前記プロセスが、滞留量を排除することを補助する、請求項21に記載のプロセス。
【請求項41】
前記プロセスが、前記膜の付着物を最小にする、請求項21に記載のプロセス。
【請求項42】
前記プロセスが、前記溶液の汚染を最小にする、請求項21に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−516057(P2007−516057A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510555(P2005−510555)
【出願日】平成15年11月14日(2003.11.14)
【国際出願番号】PCT/IB2003/005167
【国際公開番号】WO2005/046846
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(599032822)カウンセル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ (6)
【Fターム(参考)】