水田作業機
【課題】薬剤散布装置を苗植付装置に取り付けた場合にも、苗植付装置の機体に対する不平行な姿勢を抑制できる水田作業機を提供することにある。
【解決手段】機体に苗植付装置6をローリング軸芯X周りでローリング自在に取付け、苗
植付装置6を機体と平行な姿勢に戻し付勢する主バランスバネ29を設ける。苗植付装置6に薬剤散布装置1を取付け、薬剤散布装置1を取り付けることによって苗植付装置6が機体と不平行な姿勢になるのを抑制し、苗植付装置6を機体と平行な姿勢に戻し付勢する補助バランスバネ45を、機体と苗植付装置6におけるローリング軸芯Xから外れた左右
一方に偏って位置するブラケット24bとに亘って設けてある。
【解決手段】機体に苗植付装置6をローリング軸芯X周りでローリング自在に取付け、苗
植付装置6を機体と平行な姿勢に戻し付勢する主バランスバネ29を設ける。苗植付装置6に薬剤散布装置1を取付け、薬剤散布装置1を取り付けることによって苗植付装置6が機体と不平行な姿勢になるのを抑制し、苗植付装置6を機体と平行な姿勢に戻し付勢する補助バランスバネ45を、機体と苗植付装置6におけるローリング軸芯Xから外れた左右
一方に偏って位置するブラケット24bとに亘って設けてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体に主作業装置をローリング軸芯周りでローリング自在に取付け、前記主作業装置を前記機体と平行な姿勢に戻し付勢する主付勢手段を設けてある水田作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
前記主付勢手段としてのバランスバネ(公報番号:36)は、主作業装置としての苗植付装置(公報内番号:6)に備えられ植え付け作動に連動して左右に一定ストロークで往復移動する苗のせ台(公報内番号:8)と、機体とに亘って架設してある。水田作業機においては、苗のせ台の往復移動に伴って苗植付装置が機体に対して不平行な姿勢に変化しようとするのをバランスバネが作動して、苗植付装置を平行な姿勢に戻し付勢すべく構成してある(特許文献1)。
【0003】
一方、主作業装置に補助作業装置が付設されることがある。この補助作業装置として、苗載せ台上のマット状苗に薬剤を供給する薬剤散布装置を挙げることができる(特許文献2)。
【0004】
特許文献2に記載の構成では、薬剤を供給する供給部(公報内番号:38)を苗載台(公報内番号:17)の苗のせ面に沿って移動すべく、支持フレーム(公報内番号:37)に支持し、支持フレームの左右方向に沿って架設されたガイドレール(公報番号:42)の左右一端にブラケット(公報番号:43)を設け、ブラケットに供給部を駆動する駆動部(公報内番号:39)を取り付けてあった。
【特許文献1】特開2008−109878号公報(段落〔0032〕、〔0033〕、図2、3)
【特許文献2】特開2006−296343号公報(段落〔0046〕、図4、6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
補助作業装置における駆動部は苗載せ台に立設された支持フレームの一端に装備されている。これによって、駆動部の重量が苗載せ台の一端に作用するので、その重量が偏芯荷重となり、主作業装置が機体に対して不平行な姿勢になろうとする。
【0006】
この場合に、特許文献1に記載してあるように、バランスバネが装着してあれば主作業装置の不平行な姿勢を抑制する機能を発揮するとも考えられるが、そのバランスバネは元来、苗載せ台の往復横移動に基づく苗植付装置の不平行な姿勢を抑制するために設けたものであるので、補助作業装置を追加構成した場合にまで、対応できる付勢力を発揮するものではなかった。
【0007】
本発明の目的は、補助作業装置を主作業装置に取り付けた場合にも、主作業装置の機体に対する不平行な姿勢を抑制できる水田作業機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
〔構成〕
請求項1に係る発明は、前記主作業装置に補助作業装置を取付け、前記補助作業装置を取り付けることによって前記主作業装置が機体と不平行な姿勢になるのを抑制し、前記主作業装置を前記機体と平行な姿勢に戻し付勢する補助付勢手段を、前記機体と前記主作業装置におけるローリング軸芯から外れた左右一方に偏って位置する取付部とに亘って設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0009】
〔作用〕
補助作業装置を設けることによって生ずる主作業装置の不平行な姿勢を解消すべく、戻し付勢力を発生する補助付勢手段を設ける。補助付勢手段を、機体と主作業装置におけるローリング軸芯から外れた左右一方に偏って位置する取付部とに亘って設けることによって、主作業装置を機体と平行な姿勢に戻し付勢する付勢力を発揮させるものにできる。
【0010】
〔効果〕
ローリング軸芯を挟んで左右一方に偏って補助付勢手段を設けることによって、補助作業装置を設けることによる主作業装置の不平行な姿勢への変化を抑制でき、主作業装置の機体に対する平行な姿勢を維持して、安定した作業を可能とする。
【0011】
〔構成〕
請求項2に係る発明は、前記主作業装置に補助作業装置を取付け、前記補助作業装置を取り付けることによって前記主作業装置が前記機体と不平行な姿勢になるのを抑制し、前記主作業装置を前記機体と平行な姿勢に戻し付勢する左右一対の補助付勢手段を、前記機体と前記主作業装置におけるローリング軸芯を挟んで両側に位置する取付部とに亘って夫々設け、前記左右一対の補助付勢手段のうち、平行な姿勢に戻し付勢する一方の補助付勢手段の付勢力を、他方の補助付勢手段の付勢力より大なる付勢力に設定してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0012】
〔作用効果〕
補助作業装置を主作業装置に取り付けることによって、主作業装置を平行な姿勢へ戻す戻し付勢力が大きくなる。これによって、その戻し付勢力を発生する主付勢手段の負担も重くなる。
【0013】
これに対して、補助付勢手段をローリング軸芯を挟んで左右に配置することによって、主付勢手段と補助付勢手段とで、主作業装置の平行な姿勢への戻し力を強化することができる。
【0014】
しかも、左右に配置した補助付勢手段の付勢力に差異を設けることによって、補助作業装置を主作業装置に取り付けることに起因して主作業装置の不平行な姿勢への変化も、抑制することができるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明である農作業機の実施例に係る薬剤散布装置1が装備された乗用型田植機の全体側面図である。この図に示すように、乗用型田植機は、左右一対の操向操作及び駆動自在な前車輪2,2と左右一対の駆動自在な後車輪3,3とによって自走する機体と、この機体の車体フレーム4の後部にリンク機構5を介して連結された主作業装置としての苗植付装置6とを備えて構成されている。苗植付装置6に、薬剤散布装置1が装備されている。この乗用型田植機は、消毒用の薬剤が供給された稲苗を圃場に植え付ける田植え作業を行う。
【0017】
すなわち、機体は、左右一対の前車輪2,2と左右一対の後車輪3,3とを備える他、車体フレーム4の前部に設けたエンジン7が装備された原動部と、車体フレーム4の後部に設けた運転座席8が装備された運転部と、原動部の両横側に設けた予備苗貯留装置9とを備えている。この機体は、左右一対の後車輪3,3を駆動自在に支持するミッションケース10から苗植付装置6のフィードケース20(図3参照)に延出された回転軸11を備えており、この回転軸11によってエンジン7の出力を苗植付装置6に伝達する。
【0018】
苗植付装置6は、リンク機構5が油圧シリンダ12によって車体フレーム4に対して上下に揺動操作されることにより、苗植付装置6の下部に苗植付装置6の左右方向に並んで位置する三つの接地フロート21が圃場面に接地した下降作業状態と、接地フロート21が圃場面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降する。
【0019】
苗植付装置6を下降作業状態に下降させて機体を走行させると、苗植付装置6は、苗載せ台22の左右幅方向に並ぶ六つの苗載置部22a(図4参照)に載置されたマット状苗Aに薬剤散布装置1によって薬剤を供給し、苗植付装置6の後部に苗植付装置6の左右方向に並んで位置する六つの苗植付機構23によって薬剤供給済みの苗を圃場面の接地フロート21による整地後に植え付ける。
【0020】
苗植付装置6について詳述する。図2は、苗植付装置6の側面図である。図3は、苗植付装置6の概略平面図である。これらの図に示すように、苗植付装置6は、苗植付装置6の左右方向に沿った鋼管材で成るメインフレーム16と、このメインフレーム16に苗植付装置6の左右方向に並べて連結された三つの植付け駆動ケース25とを備えて構成された機体フレームを備えている。
【0021】
六つの苗植付機構23は、各植付け駆動ケース25の後端部の左右側に一つの苗植付機構23が駆動自在に支持される状態で機体フレームに支持されている。各苗植付機構23は、一対の苗植付け爪23a,23aを備えている。各苗植付機構23は、フィードケース20から植付け駆動ケース25を介して伝達された駆動力によって駆動され、各苗植付け爪23aの先端側が苗載せ台22の下端側に位置する苗取り出し口26と圃場面との間を、回動軌跡を描きながら上下に往復移動し、一対の苗植付け爪23a,23aによって交互に苗載せ台22の対応する苗載置部22aに載置されたマット状苗Aの下端部から一株分のブロック苗を切断して取り出し、取り出したブロック苗を圃場面に下降搬送して植え付けるよう苗植え運動を行う。
【0022】
苗載せ台22は、フィードケース20に駆動回動自在に設けた苗横送り軸27aが装備された横送り機構27によって各苗植付機構23の苗植え運動に連動させて、横送りガイドレール28に沿わせて機体左右方向に往復移送される。
【0023】
すなわち、苗載せ台22は、各苗植付機構23が苗載せ台22のマット状苗Aの下端部から、これの横一端側から他端側に向けて順次にブロック苗を取り出していくよう、各苗載置部22aのマット状苗Aを苗取り出し口26に対して機体左右方向に移送する。図4に示すように、苗取り出し口26は、横送りガイドレール28に設けた切り欠き孔によって形成されている。
【0024】
図3,5に示すように、苗載せ台22は、各苗載置部22aに一つずつ設けた苗縦送りベルト30を備えている。各苗縦送りベルト30の苗載せ台下端側が一本のベルト駆動軸31に巻回されている。ベルト駆動軸31は、苗載せ台22が左右の横移送ストロークエンドに到達する都度、フィードケース20に駆動自在に設けた苗縦送り軸32aが装備された苗縦送り機構32によって回転駆動され、各苗縦送りベルト30を回転駆動する。
【0025】
すなわち、各苗載置部22aの苗縦送りベルト30は、苗載せ台22が左右の横移送ストロークエンドに到達する都度、苗縦送り方向に設定ストロークだけ駆動され、対応する苗載置部22aに位置するマット状苗Aを苗植付機構23による苗縦方向での苗取り出し量に相当した長さだけ苗取り出し口26に向けて縦送りする。
【0026】
苗植付装置6をリンク機構5に装着する構造について説明する。図10及び図11に示すように、リンク機構5は、アングル形状のアッパーリンク5A、角パイプ形状のロアーリンク5B、アッパーリンク5Aとロアーリンク5Bの後端同士を連結するリアーリンク5Cとからなっている。
【0027】
リアーリンク5Cは、角パイプを四角形に枠組み形成したものであり、リアーリンク5Cの左右に配置した左右縦リンク部5eの内側に、夫々、アッパーリンク5Aをピンで装着し、左右リアーリンク5Cの下端部外側面に左右ロアーリンク5Bを配置して、左右ロアーリンク5Cの下端部を貫通する連結ピン13でそのロアーリンク5Bを装着している。
【0028】
リアーリンク5Cに装着される苗植付装置6側に属するブラケット14について説明する。ブラケット14は、リアーリンク5Cと同様に、角パイプを四角形に枠組み形成したものであり、このブラケット14をリアーリンク5Cに装着した状態で、四角形の枠部分が一致する形状を呈する。
【0029】
リアーリンク5Cの上辺部5aより後向きに引掛係止片5bが延出され、ブラケット14の上辺部14aに引掛係止片5bを係入する係入孔14bを形成してある。
【0030】
以上のような構成によって、ブラケット14の上辺部14aをリアーリンク5Cの引掛係止片5bに係止して、ブラケット14をリアーリンク5Cに装着可能である。
【0031】
ブラケット14をリアーリンク5Cに取り付けた状態で、互いに当接状態にある、リアーリンク5Cの下辺部5cとブラケット14の下辺部14cとを、締め付け固定する締付固定具15について説明する。
【0032】
図10(a)(b)及び図11に示すように、締付固定具15は、略U字状を呈するもので、下向きに開口し、上向きに凹入する外嵌装着凹入部15Aを形成してある。外嵌装着凹入部15Aは、二段階に凹入深さのことなる受止面15a、15bを形成してあり、リアーリンク5Cとブラケット14との断面形状に対応できるように構成してある。
【0033】
リアーリンク5Cに取り付けたブラケット14の取付状態を確定するために、締付固定具15を装着するには、二つの締付固定具15を、互いに当接状態にあるリアーリンク5Cの下辺部5cとブラケット14の下辺部14cとの左右二箇所に上方から外嵌装着凹入部15Aを差し込んで、リアーリンク5Cの下辺部5cとブラケット14の下辺部14cとの接合状態を強固に固めるとともに、ネジ込み固定してある付属の押しボルト15Bをブラケット14の下辺部14cに当て付けて、締め付け力を強化する構成を採っている。
【0034】
左右二つの締付固定具15は、後端面15C同士に当て付けた後補強板15Dと上端面15E同士に当て付けた上補強板15Fによって連結固定される。
【0035】
このように、締付固定具15でリアーリンク5Cとブラケット14との装着状態を維持できるので、田植機の稼動時間の増加や苗植付装置6の側端部を畦に接触させた場合にも、苗植付装置6の機体との平行度が変化することが少ない。
【0036】
左右二つの締付固定具15は、後端面15C同士に当て付けた後補強板15Dと上端面15E同士に当て付けた上補強板15Fによって連結固定されているので、多少、押しボルト15Bに緩みが生じても、左右の締付固定具15が脱落することを抑制できる。
【0037】
苗植付装置6のローリング構造について説明する。図10(a)及び図11に示すように、ブラケット14の下端にローリングボス14Aを配置し、そのローリングボス14Aを、ブラケット14の左右側辺部14bの下端部同士を連結するアングル状の横向きフレーム14Bの下端に取付固定してある。
【0038】
一方、苗植付装置6のフィードケース20の前端から前向きにローリング軸20Aを延出し、このローリング軸20Aをローリングボス14Aに挿入装着して、苗植付装置6をローリング軸20Aの軸芯X周りでローリング作動自在にリンク機構5に取り付け、機体
に対して苗植付装置6をローリング作動自在に構成してある。
【0039】
ローリング駆動構造について説明する。図1及び図9に示すように、ブラケット14の上面に取付台17を立設し、取付台17にローリング用モータMを取付固定し、ローリング用モータMによって駆動回転される回転体(図示せず)を設け、この回転体に作動ワイヤ18を巻回してある。作動ワイヤ18は、回転体に巻き付けられており、巻き終わりの両端部分を左右の両側方に延出している。
【0040】
作動ワイヤ18の左右の両端部分には、左右のローリングバネ19が夫々連結されており、左右のローリングバネ19は一端を前記両端部分に連係され、他端を苗載せ台22の支持フレーム24に取り付けてある。
【0041】
支持フレーム24は、左右向きのメインフレーム16の左右端から立設されている縦向きフレーム部分24Aと、左右の縦向きフレーム部分24Aの上端同士に亘って掛け渡されている横向きフレーム部分24Bとで構成されている。
【0042】
横向きフレーム部分24Bの両側端部に、左右に往復移動する苗載せ台22をガイドするガイドローラ24aが支持されており、苗載せ台22の背面に取り付けてあるガイドレール22Aをガイドローラ24aで案内すべく構成してある。上記したような構成になる支持フレーム24に対して、その横向きフレーム部分24Bにローリングバネ19の他端が連係されている。
【0043】
以上のような構成によって、ローリング用モータMを左右一方に回動させて、作動ワイヤ18を左右一方に繰出すと、支持フレーム24とともに苗植付装置6がローリング作動して、機体に対して左右方向に傾きを持った状態に設定され、苗植付装置6の圃面に対する傾きを調節することが可能である。
【0044】
ここに記載した左右のローリングバネ19は、機体が圃面に対して傾斜した場合であっても、左右のローリングバネ19の長さが変化して、苗植付装置6を圃面に追従するように、苗植付装置6を自由ローリング作動させるものである。尚、ローリングバネ19は、リンク機構5と支持フレーム24とに亘って掛け渡されているので、苗植付装置6の機体に対する不平行な姿勢を抑制する機能も持っており、付勢力を適切に設定することにより、主付勢手段として機能するものである。
【0045】
〔薬剤散布装置〕
図2及び図4に示すように、補助作業装置としての薬剤散布装置1は、苗載せ台22に左右一対の支柱40,40を介して支持されたガイドレール41と、このガイドレール41に支持された散布装置本体42と、ガイドレール41の一端部に設けた電動モータMを有した移送機構43とを備えて構成してある。
【0046】
図2,4,7とに示すように、散布装置本体42は、繰り出し機構46と、この繰り出し機構46の繰り出しケース47の上部に底部が連結されたタンク48と、繰り出しケース47の下部に連設された円筒形の繰り出し口49に上端側が接続されたホースで成るノズル50とを備えて構成してある。
【0047】
図7に示すように、散布装置本体42は、繰り出しケース47の後部に設けた取り付け部51でガイドレール41に摺動自在に支持されており、繰り出し機構46とタンク48とノズル50とが一体となって苗載せ台22に対してこれの左右方向に移動するようガイドレール41に沿って移動する。散布装置本体42は、ガイドレール41の上辺部41aの上向きカイド面で転動するよう取り付け部51に設けた樹脂製のコロ52と、ガイドレール41の縦辺部41bの後向きガイド面に摺接するよう取り付け部51に設けた樹脂製のスライド部材53と、ガイドレール41の下辺部41cの前向きガイド面に摺接するよう取り付け部51に設けた樹脂製のスライド部材53との作用により、ガイドレール41との摩擦が少ない状態で移動する。
【0048】
図8は、繰り出し機構46の縦断正面図である。この図と図7とに示すように、繰り出し機構46は、繰り出しケース47と、この繰り出しケース47の内部に回転自在に設けた繰り出しロール54と、繰り出しケース47の外部に回転自在に設けたロール駆動スプロケット55とを備えている。
【0049】
ロール駆動スプロケット55の回転支軸56の端部に一体回転自在に設けたギヤ57と、繰り出しロール54の一端側に一体回転自在に設けた内歯ギヤ58とが噛み合っている。これにより、ロール駆動スプロケット55は、回転操作されると、回転支軸56を介して繰り出しロール54を駆動する。すると、繰り出しロール54は、タンク48の底孔48aから繰り出しロール54の上側に流下した粒状の薬剤を、繰り出しロール54の周面に繰り出しロール回転方向に並んで位置する繰り出し凹部54aによって繰り出しロール54の下方に搬送して落下させる。繰り出しロール54から落下した薬剤は、繰り出し口49からノズル50に流入する。
【0050】
繰り出し機構46は、繰り出しケース47に回転操作自在に支持された調節ダイヤル59を備えている。この調節ダイヤル59の端部59aが、繰り出しロール54を回転自在に支持するよう繰り出しケース47に固定された支軸60のネジ軸部60aに螺合し、かつ、繰り出しロール54の一対の構成体54b,54bの一方に係合している。これにより、調節ダイヤル59は、回転操作されることにより、支軸60に沿って移動して構成体54bを移動操作し、各繰り出し凹部54aの容量を増減調節して繰り出しロール54による繰り出し量を増減調節する。
【0051】
図5に示すように、ノズル50は、繰り出し口49から流入した薬剤をノズル下端の開口50aから、マット状苗Aの苗植付機構23による取り出し苗が位置する下端部よりも苗載せ台上端側に位置する部位で、かつ苗押え杆61による苗葉押さえによって苗葉間に形成された隙間に落下させてマット状苗Aの床土部に供給する。ノズル50は、繰り出し口49からノズル内に延出された板金製の芯材62によって所定のノズル形状に保形されている。
【0052】
つまり、散布装置本体42は、ロール駆動スプロケット55が回転操作されることにより、繰り出し機構46が駆動され、タンク48に貯留されている薬剤を、繰り出し機構46によって、繰り出し凹部54aに入り込む量を一回の繰り出し量としてタンク48からノズル50に繰り出し、このノズル50によって苗載せ台22のマット状苗Aの床土部に落下させて供給するよう散布作動する。
【0053】
図6は、移送機構43の後面図である。これらの図に示すように、移送機構43は、電動モータMを備える他、この電動モータMの出力軸65に一体回転自在に設けた駆動スプロケット66と、この駆動スプロケット66とガイドレール41の電動モータMが位置する側とは反対側の端部に遊転自在に設けたスプロケット67とに巻回された無端チェーン68とを備えて構成してある。図6,7に示すように、無端チェーン68と、繰り出しケース47に設けた一対の移送アーム69,69とが一体移動自在に連結されている。
【0054】
これにより、移送機構43は、電動モータMによって駆動スプロケット66を介して無端チェーン68を駆動し、この無端チェーン68によって散布装置本体42をガイドレール41に沿わせて苗載せ台22の左右方向に移動させる。移送機構43は、電動モータMが正回転方向に駆動されることにより、散布装置本体42を苗載せ台22の左右方向での一方から他方に移送操作し、電動モータMが逆回転方向に駆動されることにより、散布装置本体42を苗載せ台22の左右方向での他方から一方に移送操作する。
【0055】
無端チェーン68は、散布装置本体42を移送操作すると同時に繰り出し機構46を駆動するようロール駆動スプロケット55に巻回されており、移送機構43は、散布装置本体42を移送操作すると同時に、散布装置本体42を散布作動するよう駆動操作する。
【0056】
〔バランスバネ〕
苗植付装置6、及び、薬剤散布装置1を設けることによって、機体に対する平行な姿勢の崩れを抑制する主付勢手段としての主バランスバネ29と、補助付勢手段としての補助バランスバネ45を設けることについて説明する。
【0057】
前記したように、苗載せ台22は、横送り機構27によって各苗植付機構23の苗植え運動に連動させて、横送りガイドレール28に沿わせて機体左右方向に往復移送される。このことによって、苗載せ台22の位置がリンク機構5に対して左右に偏芯することとなり、重量バランスの崩れを生じて、苗植付装置6が機体に対して不平行な姿勢となる。
【0058】
上記した苗植付装置6の機体に対する平行な姿勢の崩れを抑制する目的で、図1及び図9に示すように、主バランスバネ29が設けてある。リンク機構5の上面には取付台17が設けてあり、その取付台17から板状ブラケット17Aを立設し、主バランスバネ29の一端を板状ブラケット17Aに係止してある。主バランスバネ29の他端を苗載せ台22の背面に設けてある取付用ブラケット22Bに係止して、主バランスバネ29を設けてある。主バランスバネ29は、取付台17より苗載せ台22の背面における左右二箇所に向けて設けてあり、苗植付装置6が機体と不平行な姿勢になるのを抑制してある。
【0059】
補助付勢手段としての補助バランスバネ45について説明する。薬剤散布装置1について先に説明したが、散布装置本体42を左右に往復駆動する移送機構43を設けてある。この移送機構43において電動モータM等の駆動手段を苗載せ台22の右端から立設した右側の支柱40に設けてある。これによって、苗植付装置6が機体に対して不平行な姿勢になる。
【0060】
そこで、補助バランスバネ45を設ける。つまり、取付台17から引掛け係止用のブラケット17Bを左側方に延出し、そのブラケット17Bに補助バランスバネ45の一端を係止している。一方、支持フレーム24の横向きフレーム部分24Bにおけるローリング軸芯から外れた左側に偏って位置する部分に、取付部としてのブラケット24bを取付け、ブラケット24bに補助バランスバネ45の他端を引っ掛け係止してある。
【0061】
このように、補助作業装置としての薬剤散布装置1の駆動モータM等を苗載せ台22の右端相当位置に設置したので、補助バランスバネ45をローリング軸芯Xを挟んで反対側である左側に張設して、苗植付装置6の不平行な姿勢を抑制している。
【0062】
〔別実施の形態〕
(1)主付勢手段の一つとして、前記したローリングバネ19と主バランスバネ29との機能を合わせ持った複用途バネ63について説明する。
【0063】
図12に示すように、ローリング用の回転体(図示せず)に巻回されている作動ワイヤ18の一端に、複用途バネ63の一端を連結し、複用途バネ63の他端を苗載せ台22の背面に設けた取付用ブラケット22Bに引掛け係止してある。
【0064】
このように、複用途バネ63は、一端をローリング用の作動ワイヤ18に連結し、他端を苗載せ台22の取付用ブラケット22Bに係止してあるので、これによってローリングバネ19と主バランスバネ29の用途を併せ持ったバランスバネとして機能させることができる。
【0065】
(2)補助作業装置としては、上記した薬剤散布装置1以外に次のような装置を挙げることができる。
【0066】
(イ)圃場に薬剤を散布すべく、苗植付装置6に併設される薬剤散布装置であってもよい。
【0067】
(ロ)圃場に肥料を供給すべく、苗植付装置6に併設される施肥装置であってもよい。液状の肥料を施す液状施肥装置であってもよい。
【0068】
(ハ)後車輪3と接地フロート21との間で、左右方向に複数の整地ロールを並設させて、接地フロート21に先行して圃面を均すべく、苗植付装置6に併設される、整地ロータ装置であってもよい。
【0069】
(3)上記した補助作業装置を苗植付装置6に併設した場合において、補助作業装置自体に左右重量バランスを欠く要因がある場合には、前記したように、左右の一方に補助バランスバネ45を配置することも可能であるが、ここでは、図13に示すように、ローリング軸芯を挟んで両側に補助バランスバネ45を設けてもよい。つまり、ローリング軸芯を挟んで両側に補助バランスバネ45の他端を係止する取付部としての板状のブラケット24bを設けてもよい。
【0070】
なお、左右の補助バランスバネ45の一方は、左右の補助バランスバネ45の他方よりバネの巻き数が少なく構成されて、一方の補助バランスバネ45の付勢力が他方の補助バランスバネ45の付勢力より強くなるように設定されている。図示しないが、補助バランスバネ45の線径や巻き径や長さ等を異ならせることで、左右の補助バランスバネ45の付勢力が異なるものとなるように構成してもよく、また、右の補助バランスバネ45の付勢力を強く設定してもよく、左の補助バランスバネ45の付勢力を強く設定してもよい。
【0071】
(4)主作業装置としては、種籾を直接圃面に供給する直播装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】薬剤散布装置を併設した乗用型田植機の全体側面図
【図2】苗植付装置と薬剤散布装置の側面図
【図3】苗植付装置の概略平面図
【図4】薬剤散布装置の後面図
【図5】苗載せ台と散布装置本体の側面図
【図6】移送機構の後面図
【図7】散布装置本体の繰り出し機構配設部での縦断側面図
【図8】繰り出し機構の縦断正面図
【図9】リンク機構、苗載せ台、バランスバネを示す正面図
【図10】(a)リンク機構とブラケットとを締付固定具で固定する状態を示す縦断側面図、(b)締付固定具を示す斜視図
【図11】リンク機構とブラケットとを締付固定具で固定する状態を示す横断平面図
【図12】リンク機構、苗載せ台、バランスバネの別実施構造を示す正面図
【図13】リンク機構、苗載せ台、バランスバネの別実施構造を示す正面図
【符号の説明】
【0073】
1 薬剤散布装置(補助作業装置)
6 苗植付装置(主作業装置)
24b ブラケット(取付部)
29 主バランスバネ(主付勢手段)
45 補助バランスバネ(補助付勢手段)
X ローリング軸芯
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体に主作業装置をローリング軸芯周りでローリング自在に取付け、前記主作業装置を前記機体と平行な姿勢に戻し付勢する主付勢手段を設けてある水田作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
前記主付勢手段としてのバランスバネ(公報番号:36)は、主作業装置としての苗植付装置(公報内番号:6)に備えられ植え付け作動に連動して左右に一定ストロークで往復移動する苗のせ台(公報内番号:8)と、機体とに亘って架設してある。水田作業機においては、苗のせ台の往復移動に伴って苗植付装置が機体に対して不平行な姿勢に変化しようとするのをバランスバネが作動して、苗植付装置を平行な姿勢に戻し付勢すべく構成してある(特許文献1)。
【0003】
一方、主作業装置に補助作業装置が付設されることがある。この補助作業装置として、苗載せ台上のマット状苗に薬剤を供給する薬剤散布装置を挙げることができる(特許文献2)。
【0004】
特許文献2に記載の構成では、薬剤を供給する供給部(公報内番号:38)を苗載台(公報内番号:17)の苗のせ面に沿って移動すべく、支持フレーム(公報内番号:37)に支持し、支持フレームの左右方向に沿って架設されたガイドレール(公報番号:42)の左右一端にブラケット(公報番号:43)を設け、ブラケットに供給部を駆動する駆動部(公報内番号:39)を取り付けてあった。
【特許文献1】特開2008−109878号公報(段落〔0032〕、〔0033〕、図2、3)
【特許文献2】特開2006−296343号公報(段落〔0046〕、図4、6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
補助作業装置における駆動部は苗載せ台に立設された支持フレームの一端に装備されている。これによって、駆動部の重量が苗載せ台の一端に作用するので、その重量が偏芯荷重となり、主作業装置が機体に対して不平行な姿勢になろうとする。
【0006】
この場合に、特許文献1に記載してあるように、バランスバネが装着してあれば主作業装置の不平行な姿勢を抑制する機能を発揮するとも考えられるが、そのバランスバネは元来、苗載せ台の往復横移動に基づく苗植付装置の不平行な姿勢を抑制するために設けたものであるので、補助作業装置を追加構成した場合にまで、対応できる付勢力を発揮するものではなかった。
【0007】
本発明の目的は、補助作業装置を主作業装置に取り付けた場合にも、主作業装置の機体に対する不平行な姿勢を抑制できる水田作業機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
〔構成〕
請求項1に係る発明は、前記主作業装置に補助作業装置を取付け、前記補助作業装置を取り付けることによって前記主作業装置が機体と不平行な姿勢になるのを抑制し、前記主作業装置を前記機体と平行な姿勢に戻し付勢する補助付勢手段を、前記機体と前記主作業装置におけるローリング軸芯から外れた左右一方に偏って位置する取付部とに亘って設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0009】
〔作用〕
補助作業装置を設けることによって生ずる主作業装置の不平行な姿勢を解消すべく、戻し付勢力を発生する補助付勢手段を設ける。補助付勢手段を、機体と主作業装置におけるローリング軸芯から外れた左右一方に偏って位置する取付部とに亘って設けることによって、主作業装置を機体と平行な姿勢に戻し付勢する付勢力を発揮させるものにできる。
【0010】
〔効果〕
ローリング軸芯を挟んで左右一方に偏って補助付勢手段を設けることによって、補助作業装置を設けることによる主作業装置の不平行な姿勢への変化を抑制でき、主作業装置の機体に対する平行な姿勢を維持して、安定した作業を可能とする。
【0011】
〔構成〕
請求項2に係る発明は、前記主作業装置に補助作業装置を取付け、前記補助作業装置を取り付けることによって前記主作業装置が前記機体と不平行な姿勢になるのを抑制し、前記主作業装置を前記機体と平行な姿勢に戻し付勢する左右一対の補助付勢手段を、前記機体と前記主作業装置におけるローリング軸芯を挟んで両側に位置する取付部とに亘って夫々設け、前記左右一対の補助付勢手段のうち、平行な姿勢に戻し付勢する一方の補助付勢手段の付勢力を、他方の補助付勢手段の付勢力より大なる付勢力に設定してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0012】
〔作用効果〕
補助作業装置を主作業装置に取り付けることによって、主作業装置を平行な姿勢へ戻す戻し付勢力が大きくなる。これによって、その戻し付勢力を発生する主付勢手段の負担も重くなる。
【0013】
これに対して、補助付勢手段をローリング軸芯を挟んで左右に配置することによって、主付勢手段と補助付勢手段とで、主作業装置の平行な姿勢への戻し力を強化することができる。
【0014】
しかも、左右に配置した補助付勢手段の付勢力に差異を設けることによって、補助作業装置を主作業装置に取り付けることに起因して主作業装置の不平行な姿勢への変化も、抑制することができるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明である農作業機の実施例に係る薬剤散布装置1が装備された乗用型田植機の全体側面図である。この図に示すように、乗用型田植機は、左右一対の操向操作及び駆動自在な前車輪2,2と左右一対の駆動自在な後車輪3,3とによって自走する機体と、この機体の車体フレーム4の後部にリンク機構5を介して連結された主作業装置としての苗植付装置6とを備えて構成されている。苗植付装置6に、薬剤散布装置1が装備されている。この乗用型田植機は、消毒用の薬剤が供給された稲苗を圃場に植え付ける田植え作業を行う。
【0017】
すなわち、機体は、左右一対の前車輪2,2と左右一対の後車輪3,3とを備える他、車体フレーム4の前部に設けたエンジン7が装備された原動部と、車体フレーム4の後部に設けた運転座席8が装備された運転部と、原動部の両横側に設けた予備苗貯留装置9とを備えている。この機体は、左右一対の後車輪3,3を駆動自在に支持するミッションケース10から苗植付装置6のフィードケース20(図3参照)に延出された回転軸11を備えており、この回転軸11によってエンジン7の出力を苗植付装置6に伝達する。
【0018】
苗植付装置6は、リンク機構5が油圧シリンダ12によって車体フレーム4に対して上下に揺動操作されることにより、苗植付装置6の下部に苗植付装置6の左右方向に並んで位置する三つの接地フロート21が圃場面に接地した下降作業状態と、接地フロート21が圃場面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降する。
【0019】
苗植付装置6を下降作業状態に下降させて機体を走行させると、苗植付装置6は、苗載せ台22の左右幅方向に並ぶ六つの苗載置部22a(図4参照)に載置されたマット状苗Aに薬剤散布装置1によって薬剤を供給し、苗植付装置6の後部に苗植付装置6の左右方向に並んで位置する六つの苗植付機構23によって薬剤供給済みの苗を圃場面の接地フロート21による整地後に植え付ける。
【0020】
苗植付装置6について詳述する。図2は、苗植付装置6の側面図である。図3は、苗植付装置6の概略平面図である。これらの図に示すように、苗植付装置6は、苗植付装置6の左右方向に沿った鋼管材で成るメインフレーム16と、このメインフレーム16に苗植付装置6の左右方向に並べて連結された三つの植付け駆動ケース25とを備えて構成された機体フレームを備えている。
【0021】
六つの苗植付機構23は、各植付け駆動ケース25の後端部の左右側に一つの苗植付機構23が駆動自在に支持される状態で機体フレームに支持されている。各苗植付機構23は、一対の苗植付け爪23a,23aを備えている。各苗植付機構23は、フィードケース20から植付け駆動ケース25を介して伝達された駆動力によって駆動され、各苗植付け爪23aの先端側が苗載せ台22の下端側に位置する苗取り出し口26と圃場面との間を、回動軌跡を描きながら上下に往復移動し、一対の苗植付け爪23a,23aによって交互に苗載せ台22の対応する苗載置部22aに載置されたマット状苗Aの下端部から一株分のブロック苗を切断して取り出し、取り出したブロック苗を圃場面に下降搬送して植え付けるよう苗植え運動を行う。
【0022】
苗載せ台22は、フィードケース20に駆動回動自在に設けた苗横送り軸27aが装備された横送り機構27によって各苗植付機構23の苗植え運動に連動させて、横送りガイドレール28に沿わせて機体左右方向に往復移送される。
【0023】
すなわち、苗載せ台22は、各苗植付機構23が苗載せ台22のマット状苗Aの下端部から、これの横一端側から他端側に向けて順次にブロック苗を取り出していくよう、各苗載置部22aのマット状苗Aを苗取り出し口26に対して機体左右方向に移送する。図4に示すように、苗取り出し口26は、横送りガイドレール28に設けた切り欠き孔によって形成されている。
【0024】
図3,5に示すように、苗載せ台22は、各苗載置部22aに一つずつ設けた苗縦送りベルト30を備えている。各苗縦送りベルト30の苗載せ台下端側が一本のベルト駆動軸31に巻回されている。ベルト駆動軸31は、苗載せ台22が左右の横移送ストロークエンドに到達する都度、フィードケース20に駆動自在に設けた苗縦送り軸32aが装備された苗縦送り機構32によって回転駆動され、各苗縦送りベルト30を回転駆動する。
【0025】
すなわち、各苗載置部22aの苗縦送りベルト30は、苗載せ台22が左右の横移送ストロークエンドに到達する都度、苗縦送り方向に設定ストロークだけ駆動され、対応する苗載置部22aに位置するマット状苗Aを苗植付機構23による苗縦方向での苗取り出し量に相当した長さだけ苗取り出し口26に向けて縦送りする。
【0026】
苗植付装置6をリンク機構5に装着する構造について説明する。図10及び図11に示すように、リンク機構5は、アングル形状のアッパーリンク5A、角パイプ形状のロアーリンク5B、アッパーリンク5Aとロアーリンク5Bの後端同士を連結するリアーリンク5Cとからなっている。
【0027】
リアーリンク5Cは、角パイプを四角形に枠組み形成したものであり、リアーリンク5Cの左右に配置した左右縦リンク部5eの内側に、夫々、アッパーリンク5Aをピンで装着し、左右リアーリンク5Cの下端部外側面に左右ロアーリンク5Bを配置して、左右ロアーリンク5Cの下端部を貫通する連結ピン13でそのロアーリンク5Bを装着している。
【0028】
リアーリンク5Cに装着される苗植付装置6側に属するブラケット14について説明する。ブラケット14は、リアーリンク5Cと同様に、角パイプを四角形に枠組み形成したものであり、このブラケット14をリアーリンク5Cに装着した状態で、四角形の枠部分が一致する形状を呈する。
【0029】
リアーリンク5Cの上辺部5aより後向きに引掛係止片5bが延出され、ブラケット14の上辺部14aに引掛係止片5bを係入する係入孔14bを形成してある。
【0030】
以上のような構成によって、ブラケット14の上辺部14aをリアーリンク5Cの引掛係止片5bに係止して、ブラケット14をリアーリンク5Cに装着可能である。
【0031】
ブラケット14をリアーリンク5Cに取り付けた状態で、互いに当接状態にある、リアーリンク5Cの下辺部5cとブラケット14の下辺部14cとを、締め付け固定する締付固定具15について説明する。
【0032】
図10(a)(b)及び図11に示すように、締付固定具15は、略U字状を呈するもので、下向きに開口し、上向きに凹入する外嵌装着凹入部15Aを形成してある。外嵌装着凹入部15Aは、二段階に凹入深さのことなる受止面15a、15bを形成してあり、リアーリンク5Cとブラケット14との断面形状に対応できるように構成してある。
【0033】
リアーリンク5Cに取り付けたブラケット14の取付状態を確定するために、締付固定具15を装着するには、二つの締付固定具15を、互いに当接状態にあるリアーリンク5Cの下辺部5cとブラケット14の下辺部14cとの左右二箇所に上方から外嵌装着凹入部15Aを差し込んで、リアーリンク5Cの下辺部5cとブラケット14の下辺部14cとの接合状態を強固に固めるとともに、ネジ込み固定してある付属の押しボルト15Bをブラケット14の下辺部14cに当て付けて、締め付け力を強化する構成を採っている。
【0034】
左右二つの締付固定具15は、後端面15C同士に当て付けた後補強板15Dと上端面15E同士に当て付けた上補強板15Fによって連結固定される。
【0035】
このように、締付固定具15でリアーリンク5Cとブラケット14との装着状態を維持できるので、田植機の稼動時間の増加や苗植付装置6の側端部を畦に接触させた場合にも、苗植付装置6の機体との平行度が変化することが少ない。
【0036】
左右二つの締付固定具15は、後端面15C同士に当て付けた後補強板15Dと上端面15E同士に当て付けた上補強板15Fによって連結固定されているので、多少、押しボルト15Bに緩みが生じても、左右の締付固定具15が脱落することを抑制できる。
【0037】
苗植付装置6のローリング構造について説明する。図10(a)及び図11に示すように、ブラケット14の下端にローリングボス14Aを配置し、そのローリングボス14Aを、ブラケット14の左右側辺部14bの下端部同士を連結するアングル状の横向きフレーム14Bの下端に取付固定してある。
【0038】
一方、苗植付装置6のフィードケース20の前端から前向きにローリング軸20Aを延出し、このローリング軸20Aをローリングボス14Aに挿入装着して、苗植付装置6をローリング軸20Aの軸芯X周りでローリング作動自在にリンク機構5に取り付け、機体
に対して苗植付装置6をローリング作動自在に構成してある。
【0039】
ローリング駆動構造について説明する。図1及び図9に示すように、ブラケット14の上面に取付台17を立設し、取付台17にローリング用モータMを取付固定し、ローリング用モータMによって駆動回転される回転体(図示せず)を設け、この回転体に作動ワイヤ18を巻回してある。作動ワイヤ18は、回転体に巻き付けられており、巻き終わりの両端部分を左右の両側方に延出している。
【0040】
作動ワイヤ18の左右の両端部分には、左右のローリングバネ19が夫々連結されており、左右のローリングバネ19は一端を前記両端部分に連係され、他端を苗載せ台22の支持フレーム24に取り付けてある。
【0041】
支持フレーム24は、左右向きのメインフレーム16の左右端から立設されている縦向きフレーム部分24Aと、左右の縦向きフレーム部分24Aの上端同士に亘って掛け渡されている横向きフレーム部分24Bとで構成されている。
【0042】
横向きフレーム部分24Bの両側端部に、左右に往復移動する苗載せ台22をガイドするガイドローラ24aが支持されており、苗載せ台22の背面に取り付けてあるガイドレール22Aをガイドローラ24aで案内すべく構成してある。上記したような構成になる支持フレーム24に対して、その横向きフレーム部分24Bにローリングバネ19の他端が連係されている。
【0043】
以上のような構成によって、ローリング用モータMを左右一方に回動させて、作動ワイヤ18を左右一方に繰出すと、支持フレーム24とともに苗植付装置6がローリング作動して、機体に対して左右方向に傾きを持った状態に設定され、苗植付装置6の圃面に対する傾きを調節することが可能である。
【0044】
ここに記載した左右のローリングバネ19は、機体が圃面に対して傾斜した場合であっても、左右のローリングバネ19の長さが変化して、苗植付装置6を圃面に追従するように、苗植付装置6を自由ローリング作動させるものである。尚、ローリングバネ19は、リンク機構5と支持フレーム24とに亘って掛け渡されているので、苗植付装置6の機体に対する不平行な姿勢を抑制する機能も持っており、付勢力を適切に設定することにより、主付勢手段として機能するものである。
【0045】
〔薬剤散布装置〕
図2及び図4に示すように、補助作業装置としての薬剤散布装置1は、苗載せ台22に左右一対の支柱40,40を介して支持されたガイドレール41と、このガイドレール41に支持された散布装置本体42と、ガイドレール41の一端部に設けた電動モータMを有した移送機構43とを備えて構成してある。
【0046】
図2,4,7とに示すように、散布装置本体42は、繰り出し機構46と、この繰り出し機構46の繰り出しケース47の上部に底部が連結されたタンク48と、繰り出しケース47の下部に連設された円筒形の繰り出し口49に上端側が接続されたホースで成るノズル50とを備えて構成してある。
【0047】
図7に示すように、散布装置本体42は、繰り出しケース47の後部に設けた取り付け部51でガイドレール41に摺動自在に支持されており、繰り出し機構46とタンク48とノズル50とが一体となって苗載せ台22に対してこれの左右方向に移動するようガイドレール41に沿って移動する。散布装置本体42は、ガイドレール41の上辺部41aの上向きカイド面で転動するよう取り付け部51に設けた樹脂製のコロ52と、ガイドレール41の縦辺部41bの後向きガイド面に摺接するよう取り付け部51に設けた樹脂製のスライド部材53と、ガイドレール41の下辺部41cの前向きガイド面に摺接するよう取り付け部51に設けた樹脂製のスライド部材53との作用により、ガイドレール41との摩擦が少ない状態で移動する。
【0048】
図8は、繰り出し機構46の縦断正面図である。この図と図7とに示すように、繰り出し機構46は、繰り出しケース47と、この繰り出しケース47の内部に回転自在に設けた繰り出しロール54と、繰り出しケース47の外部に回転自在に設けたロール駆動スプロケット55とを備えている。
【0049】
ロール駆動スプロケット55の回転支軸56の端部に一体回転自在に設けたギヤ57と、繰り出しロール54の一端側に一体回転自在に設けた内歯ギヤ58とが噛み合っている。これにより、ロール駆動スプロケット55は、回転操作されると、回転支軸56を介して繰り出しロール54を駆動する。すると、繰り出しロール54は、タンク48の底孔48aから繰り出しロール54の上側に流下した粒状の薬剤を、繰り出しロール54の周面に繰り出しロール回転方向に並んで位置する繰り出し凹部54aによって繰り出しロール54の下方に搬送して落下させる。繰り出しロール54から落下した薬剤は、繰り出し口49からノズル50に流入する。
【0050】
繰り出し機構46は、繰り出しケース47に回転操作自在に支持された調節ダイヤル59を備えている。この調節ダイヤル59の端部59aが、繰り出しロール54を回転自在に支持するよう繰り出しケース47に固定された支軸60のネジ軸部60aに螺合し、かつ、繰り出しロール54の一対の構成体54b,54bの一方に係合している。これにより、調節ダイヤル59は、回転操作されることにより、支軸60に沿って移動して構成体54bを移動操作し、各繰り出し凹部54aの容量を増減調節して繰り出しロール54による繰り出し量を増減調節する。
【0051】
図5に示すように、ノズル50は、繰り出し口49から流入した薬剤をノズル下端の開口50aから、マット状苗Aの苗植付機構23による取り出し苗が位置する下端部よりも苗載せ台上端側に位置する部位で、かつ苗押え杆61による苗葉押さえによって苗葉間に形成された隙間に落下させてマット状苗Aの床土部に供給する。ノズル50は、繰り出し口49からノズル内に延出された板金製の芯材62によって所定のノズル形状に保形されている。
【0052】
つまり、散布装置本体42は、ロール駆動スプロケット55が回転操作されることにより、繰り出し機構46が駆動され、タンク48に貯留されている薬剤を、繰り出し機構46によって、繰り出し凹部54aに入り込む量を一回の繰り出し量としてタンク48からノズル50に繰り出し、このノズル50によって苗載せ台22のマット状苗Aの床土部に落下させて供給するよう散布作動する。
【0053】
図6は、移送機構43の後面図である。これらの図に示すように、移送機構43は、電動モータMを備える他、この電動モータMの出力軸65に一体回転自在に設けた駆動スプロケット66と、この駆動スプロケット66とガイドレール41の電動モータMが位置する側とは反対側の端部に遊転自在に設けたスプロケット67とに巻回された無端チェーン68とを備えて構成してある。図6,7に示すように、無端チェーン68と、繰り出しケース47に設けた一対の移送アーム69,69とが一体移動自在に連結されている。
【0054】
これにより、移送機構43は、電動モータMによって駆動スプロケット66を介して無端チェーン68を駆動し、この無端チェーン68によって散布装置本体42をガイドレール41に沿わせて苗載せ台22の左右方向に移動させる。移送機構43は、電動モータMが正回転方向に駆動されることにより、散布装置本体42を苗載せ台22の左右方向での一方から他方に移送操作し、電動モータMが逆回転方向に駆動されることにより、散布装置本体42を苗載せ台22の左右方向での他方から一方に移送操作する。
【0055】
無端チェーン68は、散布装置本体42を移送操作すると同時に繰り出し機構46を駆動するようロール駆動スプロケット55に巻回されており、移送機構43は、散布装置本体42を移送操作すると同時に、散布装置本体42を散布作動するよう駆動操作する。
【0056】
〔バランスバネ〕
苗植付装置6、及び、薬剤散布装置1を設けることによって、機体に対する平行な姿勢の崩れを抑制する主付勢手段としての主バランスバネ29と、補助付勢手段としての補助バランスバネ45を設けることについて説明する。
【0057】
前記したように、苗載せ台22は、横送り機構27によって各苗植付機構23の苗植え運動に連動させて、横送りガイドレール28に沿わせて機体左右方向に往復移送される。このことによって、苗載せ台22の位置がリンク機構5に対して左右に偏芯することとなり、重量バランスの崩れを生じて、苗植付装置6が機体に対して不平行な姿勢となる。
【0058】
上記した苗植付装置6の機体に対する平行な姿勢の崩れを抑制する目的で、図1及び図9に示すように、主バランスバネ29が設けてある。リンク機構5の上面には取付台17が設けてあり、その取付台17から板状ブラケット17Aを立設し、主バランスバネ29の一端を板状ブラケット17Aに係止してある。主バランスバネ29の他端を苗載せ台22の背面に設けてある取付用ブラケット22Bに係止して、主バランスバネ29を設けてある。主バランスバネ29は、取付台17より苗載せ台22の背面における左右二箇所に向けて設けてあり、苗植付装置6が機体と不平行な姿勢になるのを抑制してある。
【0059】
補助付勢手段としての補助バランスバネ45について説明する。薬剤散布装置1について先に説明したが、散布装置本体42を左右に往復駆動する移送機構43を設けてある。この移送機構43において電動モータM等の駆動手段を苗載せ台22の右端から立設した右側の支柱40に設けてある。これによって、苗植付装置6が機体に対して不平行な姿勢になる。
【0060】
そこで、補助バランスバネ45を設ける。つまり、取付台17から引掛け係止用のブラケット17Bを左側方に延出し、そのブラケット17Bに補助バランスバネ45の一端を係止している。一方、支持フレーム24の横向きフレーム部分24Bにおけるローリング軸芯から外れた左側に偏って位置する部分に、取付部としてのブラケット24bを取付け、ブラケット24bに補助バランスバネ45の他端を引っ掛け係止してある。
【0061】
このように、補助作業装置としての薬剤散布装置1の駆動モータM等を苗載せ台22の右端相当位置に設置したので、補助バランスバネ45をローリング軸芯Xを挟んで反対側である左側に張設して、苗植付装置6の不平行な姿勢を抑制している。
【0062】
〔別実施の形態〕
(1)主付勢手段の一つとして、前記したローリングバネ19と主バランスバネ29との機能を合わせ持った複用途バネ63について説明する。
【0063】
図12に示すように、ローリング用の回転体(図示せず)に巻回されている作動ワイヤ18の一端に、複用途バネ63の一端を連結し、複用途バネ63の他端を苗載せ台22の背面に設けた取付用ブラケット22Bに引掛け係止してある。
【0064】
このように、複用途バネ63は、一端をローリング用の作動ワイヤ18に連結し、他端を苗載せ台22の取付用ブラケット22Bに係止してあるので、これによってローリングバネ19と主バランスバネ29の用途を併せ持ったバランスバネとして機能させることができる。
【0065】
(2)補助作業装置としては、上記した薬剤散布装置1以外に次のような装置を挙げることができる。
【0066】
(イ)圃場に薬剤を散布すべく、苗植付装置6に併設される薬剤散布装置であってもよい。
【0067】
(ロ)圃場に肥料を供給すべく、苗植付装置6に併設される施肥装置であってもよい。液状の肥料を施す液状施肥装置であってもよい。
【0068】
(ハ)後車輪3と接地フロート21との間で、左右方向に複数の整地ロールを並設させて、接地フロート21に先行して圃面を均すべく、苗植付装置6に併設される、整地ロータ装置であってもよい。
【0069】
(3)上記した補助作業装置を苗植付装置6に併設した場合において、補助作業装置自体に左右重量バランスを欠く要因がある場合には、前記したように、左右の一方に補助バランスバネ45を配置することも可能であるが、ここでは、図13に示すように、ローリング軸芯を挟んで両側に補助バランスバネ45を設けてもよい。つまり、ローリング軸芯を挟んで両側に補助バランスバネ45の他端を係止する取付部としての板状のブラケット24bを設けてもよい。
【0070】
なお、左右の補助バランスバネ45の一方は、左右の補助バランスバネ45の他方よりバネの巻き数が少なく構成されて、一方の補助バランスバネ45の付勢力が他方の補助バランスバネ45の付勢力より強くなるように設定されている。図示しないが、補助バランスバネ45の線径や巻き径や長さ等を異ならせることで、左右の補助バランスバネ45の付勢力が異なるものとなるように構成してもよく、また、右の補助バランスバネ45の付勢力を強く設定してもよく、左の補助バランスバネ45の付勢力を強く設定してもよい。
【0071】
(4)主作業装置としては、種籾を直接圃面に供給する直播装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】薬剤散布装置を併設した乗用型田植機の全体側面図
【図2】苗植付装置と薬剤散布装置の側面図
【図3】苗植付装置の概略平面図
【図4】薬剤散布装置の後面図
【図5】苗載せ台と散布装置本体の側面図
【図6】移送機構の後面図
【図7】散布装置本体の繰り出し機構配設部での縦断側面図
【図8】繰り出し機構の縦断正面図
【図9】リンク機構、苗載せ台、バランスバネを示す正面図
【図10】(a)リンク機構とブラケットとを締付固定具で固定する状態を示す縦断側面図、(b)締付固定具を示す斜視図
【図11】リンク機構とブラケットとを締付固定具で固定する状態を示す横断平面図
【図12】リンク機構、苗載せ台、バランスバネの別実施構造を示す正面図
【図13】リンク機構、苗載せ台、バランスバネの別実施構造を示す正面図
【符号の説明】
【0073】
1 薬剤散布装置(補助作業装置)
6 苗植付装置(主作業装置)
24b ブラケット(取付部)
29 主バランスバネ(主付勢手段)
45 補助バランスバネ(補助付勢手段)
X ローリング軸芯
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体に主作業装置をローリング軸芯周りでローリング自在に取付け、前記主作業装置を前記機体と平行な姿勢に戻し付勢する主付勢手段を設けてある水田作業機であって、
前記主作業装置に補助作業装置を取付け、前記補助作業装置を取り付けることによって前記主作業装置が機体と不平行な姿勢になるのを抑制し、前記主作業装置を前記機体と平行な姿勢に戻し付勢する補助付勢手段を、前記機体と前記主作業装置におけるローリング軸芯から外れた左右一方に偏って位置する取付部とに亘って設けてある水田作業機。
【請求項2】
機体に主作業装置をローリング軸芯周りでローリング自在に取付け、前記主作業装置を前記機体と平行な姿勢に戻し付勢する主付勢手段を設けてある水田作業機であって、
前記主作業装置に補助作業装置を取付け、前記補助作業装置を取り付けることによって前記主作業装置が前記機体と不平行な姿勢になるのを抑制し、前記主作業装置を前記機体と平行な姿勢に戻し付勢する左右一対の補助付勢手段を、前記機体と前記主作業装置におけるローリング軸芯を挟んで両側に位置する取付部とに亘って夫々設け、前記左右一対の補助付勢手段のうち、平行な姿勢に戻し付勢する一方の補助付勢手段の付勢力を、他方の補助付勢手段の付勢力より大なる付勢力に設定してある水田作業機。
【請求項1】
機体に主作業装置をローリング軸芯周りでローリング自在に取付け、前記主作業装置を前記機体と平行な姿勢に戻し付勢する主付勢手段を設けてある水田作業機であって、
前記主作業装置に補助作業装置を取付け、前記補助作業装置を取り付けることによって前記主作業装置が機体と不平行な姿勢になるのを抑制し、前記主作業装置を前記機体と平行な姿勢に戻し付勢する補助付勢手段を、前記機体と前記主作業装置におけるローリング軸芯から外れた左右一方に偏って位置する取付部とに亘って設けてある水田作業機。
【請求項2】
機体に主作業装置をローリング軸芯周りでローリング自在に取付け、前記主作業装置を前記機体と平行な姿勢に戻し付勢する主付勢手段を設けてある水田作業機であって、
前記主作業装置に補助作業装置を取付け、前記補助作業装置を取り付けることによって前記主作業装置が前記機体と不平行な姿勢になるのを抑制し、前記主作業装置を前記機体と平行な姿勢に戻し付勢する左右一対の補助付勢手段を、前記機体と前記主作業装置におけるローリング軸芯を挟んで両側に位置する取付部とに亘って夫々設け、前記左右一対の補助付勢手段のうち、平行な姿勢に戻し付勢する一方の補助付勢手段の付勢力を、他方の補助付勢手段の付勢力より大なる付勢力に設定してある水田作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−136675(P2010−136675A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315886(P2008−315886)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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