水素貯蔵装置
【課題】水素貯蔵シリンダの位置を決めることができ、且つ冷却液と水素貯蔵シリンダとの間の熱交換効率を向上できる水素貯蔵装置を提供する。
【解決手段】3本で1組として寄り集まる水素貯蔵シリンダ11A,11Bの共通空隙にはスペーサ32が設けられている。スペーサ32の横断面形状は、3つの腕部32A,32B,32Cを備えた略三角形状に形成されている。各腕部32A,32B,32Cは、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11A,11B間に向かって延びている。スペーサ32の腕部32A,32B,32Cの先端部には突出部32A1,32A2,32B1,32B2,32C1,32C2が形成されている。突出部32A1,32A2,32B1,32B2,32C1,32C2は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111に接触している。
【解決手段】3本で1組として寄り集まる水素貯蔵シリンダ11A,11Bの共通空隙にはスペーサ32が設けられている。スペーサ32の横断面形状は、3つの腕部32A,32B,32Cを備えた略三角形状に形成されている。各腕部32A,32B,32Cは、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11A,11B間に向かって延びている。スペーサ32の腕部32A,32B,32Cの先端部には突出部32A1,32A2,32B1,32B2,32C1,32C2が形成されている。突出部32A1,32A2,32B1,32B2,32C1,32C2は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111に接触している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素吸蔵材を収容した複数の水素貯蔵シリンダが並列な状態でケースに収容されている水素貯蔵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水素吸蔵材を収容した複数の水素貯蔵シリンダを並列な状態でケースに収容する構成は、水素貯蔵量を増やす構成として簡便である。複数の水素貯蔵シリンダを並列な状態でケースに収容した水素貯蔵装置は、例えば特許文献1,2に開示されている。
【0003】
水素吸蔵材と水素とが結合するという反応が起きると、このときの反応熱によって温度が上がる。水素吸蔵材と水素とが結合するという反応の速度は、温度が上がると遅くなる。そのため、水素貯蔵シリンダの周囲に冷却液を流し、水素貯蔵シリンダを冷却することが望ましい。逆に水素を放出するときには、水素貯蔵シリンダの周囲に温水を流し、水素貯蔵シリンダを加熱することが望ましい。
【0004】
特許文献1に開示の装置では、寄り集まった3つの水素貯蔵シリンダ間の共通空隙に棒状スペーサを配置して隣り合う水素貯蔵シリンダを互いに離す構成が開示されている。隣り合う水素貯蔵シリンダを互いに離す構成によれば、冷却液と水素貯蔵シリンダとの間の熱交換効率が向上する。
【0005】
特許文献2に開示の装置では、寄り集まった3つの水素貯蔵シリンダ間の共通空隙に邪魔棒が配置されている。邪魔棒内には冷媒(冷却液)を流す流路が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61−4100号公報
【特許文献2】特開2004−346956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示の装置では、棒状スペーサが丸棒状であるため、寄り集まる3本の水素貯蔵シリンダ間における互いの位置を決めることができない。
特許文献2に開示の装置では、冷媒が水素貯蔵シリンダの外面に直接触れる構成ではないため、冷媒と水素貯蔵シリンダとの間の熱交換効率がよいとは言えない。
【0008】
本発明は、水素貯蔵シリンダの位置を決めることができ、且つ冷却液と水素貯蔵シリンダとの間の熱交換効率を向上できる水素貯蔵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、水素吸蔵材を収容した複数の水素貯蔵シリンダが並列な状態でケースに収容されている水素貯蔵装置を対象とし、請求項1の発明では、少なくとも3本の水素貯蔵シリンダによって区画される共通空隙にはスペーサが設けられており、前記スペーサは、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ間に向かって延びる腕部を前記共通空隙を区画する水素貯蔵シリンダの数と同数だけ備えており、前記各腕部には、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダの各外周面に向かって突出する突出部が形成されている。
【0010】
共通間隙を区画する複数の水素貯蔵シリンダの外周面は、スペーサの突出部に接することになる。このような接触構造は、共通間隙を区画する複数の水素貯蔵シリンダ間の互いの位置を確定する。
【0011】
又、突出部がスペーサの腕部と水素貯蔵シリンダの外周面との間に隙間を作るため、水素貯蔵シリンダの外周面に触れるように冷却液を流すことができ、冷却液と水素貯蔵シリンダとの間の熱交換効率が向上する。
【0012】
請求項2の発明では、少なくとも2本の前記水素貯蔵シリンダの外周面と前記ケースの内壁面とにより区画される共通空隙にはスペーサが設けられており、前記スペーサは、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ間に向かって延びる主腕部と、前記水素貯蔵シリンダの外周面と前記内壁面との間に向かって延びる副腕部とを備えており、前記主腕部には、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダの各外周面に向かって突出する突出部が形成され、前記副腕部には、水素貯蔵シリンダの外周面に向かって突出する突出部が形成されている。
【0013】
少なくとも2本の水素貯蔵シリンダのうちの1つは、スペーサの主腕部と副腕部とに接することになる。このような接触構造は、ケースの内壁面と隣り合う少なくとも2本の水素貯蔵シリンダ間の互いの位置を確定する。
【0014】
又、突出部が主腕部と水素貯蔵シリンダの外周面との間に隙間を作ると共に、突出部が副腕部と水素貯蔵シリンダの外周面との間に隙間を作るため、水素貯蔵シリンダの外周面に触れるように冷却液を流すことができ、冷却液と水素貯蔵シリンダとの間の熱交換効率が向上する。
【0015】
なお、請求項1の発明及び請求項2の発明は、後記の(イ)項に記載の構成となる。
好適な例では、前記スペーサは、その中心軸線の周りに回転対称な形状に形成されている。
【0016】
共通間隙を区画する水素貯蔵シリンダが3本の場合には、スペーサは、120°の回転対称な形状となり、共通間隙を区画する水素貯蔵シリンダが4本の場合には、スペーサは、90°の回転対称な形状となる。
【0017】
好適な例では、前記スペーサの前記突出部は、弾性体によって形成されている。
ケース内に複数の水素貯蔵シリンダを配置した場合の配置誤差がスペーサの突出部の弾性変形によって吸収される。
【0018】
好適な例では、前記スペーサは、弾性体で形成されている。
好適な例では、前記スペーサは、その突出部が弾性体によって形成されていると共に、隣り合う突出部間における前記スペーサの外面の部位が前記弾性体より硬質の形状保持部材によって形成されている。
【0019】
スペーサの外面の部位の形状変形が防止され、水素貯蔵シリンダとスペーサとの隙間が適正形状に確保される。
好適な例では、前記ケースは、前記水素貯蔵シリンダを収容する収容室を区画するように、前記水素貯蔵シリンダの軸方向両端側に配置される第1区画壁と第2区画壁とを備えており、前記スペーサは、前記第1区画壁と前記第2区画壁とに係合して前記スペーサを支持するための支軸を備えている。
【0020】
好適な例では、前記共通空隙を区画する水素貯蔵シリンダの数は、3である。
収納効率が最も良い。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、水素貯蔵シリンダの位置を決めることができ、且つ冷却液と水素貯蔵シリンダとの間の熱交換効率を向上できるという優れた効果を奏す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施形態を示し、(a)は、側断面図。(b)は、平断面図。
【図2】(a)は、図1(a)のA−A線断面図。(b)は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの配列位置を示す模式図。
【図3】(a)は、図1(a)のB−B線断面図。(b)は、図1(a)のC−C線断面図。
【図4】(a)は、部分拡大断面図。(b)は、スペーサ32を示す断面図。
【図5】(a)は、スペーサ32の斜視図。(b)は、スペーサ29の斜視図。(c)は、スペーサ31の斜視図。(d)は、スペーサ30の斜視図。
【図6】第2の実施形態を示し、(a)は、部分拡大断面図。(b)は、スペーサ32を示す断面図。
【図7】(a)は、形状保持部材を備えたスペーサ32の斜視図。(b)は、形状保持部材を備えたスペーサ29の斜視図。(c)は、形状保持部材を備えたスペーサ31の斜視図。(d)は、形状保持部材を備えたスペーサ30の斜視図。
【図8】第3の実施形態を示す断面図。
【図9】第4の実施形態を示す平断面図
【図10】第5の実施形態を示し、(a)は、断面図。(b)は、部分拡大断面図。
【図11】別の実施形態を示す部分拡大断面図。
【図12】別の実施形態を示す部分拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1(a)に示すように、複数の水素貯蔵シリンダ11A,11Bを収容するケース12は、ケース本体13と、ケース本体13の上部開口を閉じる蓋14とを備えている。ケース本体13内には、第1区画壁15によって冷却液流通室16が区画形成されていると共に、第2区画壁17によって冷却液流通室18が区画形成されている。第1区画壁15と第2区画壁17との間は、収容室19として区画されており、収容室19には複数の水素貯蔵シリンダ11A,11Bが互いに並列な状態(本実施形態では平行な状態)で収容されている。
【0024】
水素貯蔵シリンダ11A,11Bの一端(左端)には栓20が嵌合されており、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの他端(右端)には栓21が嵌合されている。栓20は、収容室19に突出するように第1区画壁15を貫通しており、栓20には流通孔201が水素貯蔵シリンダ11A,11B内と冷却液流通室16とを連通するように形成されている。栓20は、図示しない抜け止め手段によって第1区画壁15から離脱不能に第1区画壁15に係止されている。
【0025】
図1(b)に示すように、ケース本体13の側壁131には管継ぎ手22が冷却液流通室16内に突出するように貫通して止着されており、管継ぎ手22には水素流通管23がケース本体13外で接続されている。管継ぎ手22には分配管28が接続されており、分配管28には各水素貯蔵シリンダ11A,11Bの栓20が接続されている。各水素貯蔵シリンダ11A,11Bの流通孔201は、分配管28及び管継ぎ手22を介して水素流通管23に連通されている。
【0026】
水素流通管23及び管継ぎ手22を介して分配管28に送られた水素は、流通孔201を介して水素貯蔵シリンダ11A,11B内へ流入する。水素貯蔵シリンダ11A,11B内へ流入した水素は、水素貯蔵シリンダ11A,11B内の粉末状の水素吸蔵合金(水素吸蔵材であって図示略)と結合して貯蔵される。
【0027】
ケース本体13の側壁132には管継ぎ手24が冷却液流通室16内に突出するように貫通して止着されており、管継ぎ手24には冷却液供給管25が接続されている。冷却液供給管25は、管継ぎ手24を介して冷却液流通室16に連通している。冷却液流通室16と収容室19とは、第1区画壁15に貫設された複数の流通孔152を介して連通している。
【0028】
ケース本体13の側壁132には管継ぎ手26が冷却液流通室18内に突出するように貫通して止着されており、管継ぎ手26には冷却液排出管27が接続されている。冷却液排出管27は、管継ぎ手26を介して冷却液流通室18に連通している。冷却液流通室18と収容室19とは、第2区画壁17に貫設された複数の流通孔171を介して連通している。
【0029】
図示しない冷却液供給源から冷却液供給管25を介して冷却液流通室16へ供給された冷却液は、流通孔152、収容室19及び流通孔171を経由して冷却液流通室18へ流出する。冷却液流通室18へ流出した冷却液は、冷却液排出管27を介して前記冷却液供給源へ還流する。
【0030】
図2(a)は、図1(a)のA−A線断面図である。水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111の横断面形状(水素貯蔵シリンダ11A,11Bの長さ方向に対して垂直な仮想平面上での形状)は、円である。図3(a)は、図1(a)のB−B線断面図であり、図3(b)は、図1(a)のC−C線断面図である。
【0031】
図2(a)に示すように、本実施形態では、ケース12に収容される水素貯蔵シリンダ11A,11Bの本数は、7本である。このうちの3本の水素貯蔵シリンダ11Aは、下段に並列に収容されており、残りの4本の水素貯蔵シリンダ11Bが上段に並列に収容されている。
【0032】
図2(b)は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの配列位置を示す模式図である。ケース本体13の底壁133と、下段の隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11Aとは、共通空隙K1を区画している。ケース本体13の下部の角部と、下段の左右の水素貯蔵シリンダ11Aとは、空隙K2を区画している。ケース本体13の側壁131と、上下で隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11A,11Bとは、共通空隙K3を区画している。ケース本体13の側壁132と、上下で隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11A,11Bとは、共通空隙K4を区画している。蓋14と、上段の隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11Bとは、共通空隙K5を区画している。ケース12の上部の角部と、上段の左右の水素貯蔵シリンダ11Bとは、空隙K6を区画している。
【0033】
1組に寄り集まる3本の水素貯蔵シリンダ11A,11Bは、共通空隙K7を区画している。
共通空隙K1,K3,K4,K5には図5(b)に示すスペーサ29(第2スペーサ)が図2(a)に示すように設けられており、空隙K2には図5(d)に示すスペーサ30が図2(a)に示すように設けられている。空隙K6には図5(c)に示すスペーサ31が図2(a)に示すように設けられており、共通空隙K7には図5(a)に示すスペーサ32が図2(a)に示すように設けられている。スペーサ29,30,31,32の材質は、いずれもゴム(弾性体)である。
【0034】
図5(a)に示すように、スペーサ32(第1スペーサ)の両端部にはネジ33,34が同軸上に止着されている。図5(b)に示すように、スペーサ29の両端部にはネジ35,36が同軸上に止着されている。図5(c)に示すように、スペーサ31の両端部にはネジ37,38が同軸上に止着されている。図5(d)に示すように、スペーサ30の両端部にはネジ39,40が同軸上に止着されている。
【0035】
図3(a)に示すように、スペーサ32に止着されたネジ33、スペーサ29に止着されたネジ35、スペーサ31に止着されたネジ37、及びスペーサ30に止着されたネジ39は、第1区画壁15を貫通して冷却液流通室16に突出している。支軸である各ネジ33,35,37,39の突出端部にはナット41,42,43,44が螺着されている。支軸であるネジ33,35,37,39は、ナット41,42,43,44の締め付けによって第1区画壁15に固定される。
【0036】
図3(b)に示すように、スペーサ32に止着されたネジ34、スペーサ29に止着されたネジ36、スペーサ31に止着されたネジ38、及びスペーサ30に止着されたネジ40は、第2区画壁17を貫通して冷却液流通室18に突出している。ネジ34,36,38,40は、ナット45,46,47,48の締め付けによって第2区画壁17に固定される。
【0037】
ネジ34,36,38,40が第2区画壁17に固定されると共に、ネジ33,35,37,39が第1区画壁15に固定されることにより、スペーサ29,30,31,32が第1区画壁15と第2区画壁17との間に不動配置される。
【0038】
図4(a)に示すように、スペーサ29,30,31,32の横断面形状(水素貯蔵シリンダ11A,11Bの長さ方向に対して垂直な仮想平面上での形状)は、略三角形状に形成されている。
【0039】
スペーサ29は、主腕部29Aと副腕部29B,29Cとを備えている。主腕部29Aは、隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ(11A,11B又は11A,11A又は11B,11B)間に向かって延びている。副腕部29B,29Cは、ケース12の内壁面と水素貯蔵シリンダ(11A又は11B)との間に向かって延びている。
【0040】
スペーサ30は、2つの腕部30A,30Bを備えている。腕部30A,30Bは、ケース12の内壁面と、ケース12の角に隣接する水素貯蔵シリンダ11Aとの間に向かって延びている。
【0041】
スペーサ31は、2つの腕部31A,31Bを備えている。腕部31A,31Bは、ケース12の内壁面と、ケース12の角に隣接する水素貯蔵シリンダ11Bとの間に向かって延びている。
【0042】
図4(b)に示すように、スペーサ32は、3つの腕部32A,32B,32Cを備えている。各腕部32Aは、共通空隙K7を区画する3本の水素貯蔵シリンダ(11A,11A又は11B,11A又は11B,11B)のうちの2本の水素貯蔵シリンダ間に向かって延びている。スペーサ32は、スペーサ32の中心軸線320(ネジ33,34の中心軸線)の周りに回転対称な形状に形成されている。スペーサ32は、120°の回転対称な形状である。
【0043】
スペーサ29の主腕部29Aの先端部には一対の突出部29A1,29A2が互いに逆方向に突出するように形成されている。つまり、一対の突出部29A1,29A2は、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダの各外周面111に向かって突出するように形成されている。スペーサ29の残りの2つの副腕部29B,29Cの先端部には突出部292,293が形成されている。突出部292,293間のスペーサ29の外面は、平面の接合面294に形成されている。突出部29A1と突出部292との間のスペーサ29の外面は、凹み形状の円周面295に形成されており、突出部29A2と突出部293との間のスペーサ29の外面は、凹み形状の円周面296に形成されている。スペーサ29の外面の部位である円周面295,296の曲率半径は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111の曲率半径よりも大きい。
【0044】
接合面294は、ケース12の内壁面(底壁133の内壁面134又は側壁131,132の内壁面135,136又は蓋14の内壁面141)に面接触している。突出部29A1,29A2は、隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111に接触している。突出部292は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111に接触しており、突出部293は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111に接触している。円周面295は、水素貯蔵シリンダ11Bの周壁110の外周面111から離れており、円周面295と水素貯蔵シリンダ11Bの周壁110の外周面111との間には隙間S1が生じている。円周面296は、水素貯蔵シリンダ11Aの周壁110の外周面111から離れており、円周面296と水素貯蔵シリンダ11Aの周壁110の外周面111との間には隙間S2が生じている。
【0045】
スペーサ30の2つの腕部30A,30Bには突出部301,302が水素貯蔵シリンダ11Aの外周面111に向けて突出するように形成されている。スペーサ30の角と突出部301との間のスペーサ30の外面は、平面の接合面303に形成されており、前記角と突出部302との間のスペーサ30の外面は、平面の接合面304に形成されている。突出部301,302間のスペーサ30の外面は、凹み形状の円周面305に形成されている。円周面305の曲率半径は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111の曲率半径よりも大きい。
【0046】
接合面303は、ケース12の内壁面(側壁131,132の内壁面135,136)に面接触しており、接合面304は、ケース12の内壁面(底壁133の内壁面134)に面接触している。突出部301,302は、水素貯蔵シリンダ11Aの周壁110の外周面111に接触している。円周面305は、水素貯蔵シリンダ11Aの周壁110の外周面111から離れており、円周面305と水素貯蔵シリンダ11Aの周壁110の外周面111との間には隙間S3が生じている。
【0047】
スペーサ31の腕部31A,31Bには突出部311,312が形成されている。スペーサ31の角と突出部311との間のスペーサ29の外面は、平面の接合面313に形成されており、前記角と突出部312との間のスペーサ31の外面は、平面の接合面314に形成されている。突出部311,312間のスペーサ31の外面は、凹み形状の円周面315に形成されている。円周面315の曲率半径は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111の曲率半径よりも大きい。
【0048】
接合面313は、ケース12の内壁面(蓋14の内壁面141)に面接触しており、接合面314は、ケース12の内壁面(側壁131,132の内壁面135,136)に面接触している。突出部311,312は、水素貯蔵シリンダ11Bの周壁110の外周面111に接触している。円周面315は、水素貯蔵シリンダ11Bの周壁110の外周面111から離れており、円周面315と水素貯蔵シリンダ11Bの周壁110の外周面111との間には隙間S4が生じている。
【0049】
スペーサ32の腕部32Aの先端部には一対の突出部32A1,32A2が互いに逆方向に突出するように形成されている。つまり、一対の突出部32A1,32A2は、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダの各外周面111に向かって突出するように形成されている。
【0050】
スペーサ32の腕部32Bの先端部には一対の突出部32B1,32B2が互いに逆方向に突出するように形成されている。つまり、一対の突出部32B1,32B2は、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダの各外周面111に向かって突出するように形成されている。
【0051】
スペーサ32の腕部32Cの先端部には一対の突出部32C1,32C2が互いに逆方向に突出するように形成されている。つまり、一対の突出部32C1,32C2は、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダの各外周面111に向かって突出するように形成されている。
【0052】
突出部32A1,32B2間のスペーサ32の外面は、凹み形状の円周面324に形成されている。突出部32B1,32C2間のスペーサ32の外面は、凹み形状の円周面325に形成されており、突出部32C1,32A2間のスペーサ32の外面は、凹み形状の円周面326に形成されている。スペーサ32の外面の部位である円周面324,325,326の曲率半径は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111の曲率半径よりも大きい。
【0053】
突出部32A1,32A2は、左右で隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11B,11Bの周壁110の外周面111に接触している。突出部32B1,32B2は、上下で隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111に接触しており、突出部32C1,32C2は、上下で隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111に接触している。円周面324と水素貯蔵シリンダ11Bの周壁110の外周面111との間には隙間S5が生じている。円周面325は、水素貯蔵シリンダ11Aの周壁110の外周面111から離れており、円周面325と水素貯蔵シリンダ11Aの周壁110の外周面111との間には隙間S6が生じている。円周面326は、水素貯蔵シリンダ11Bの周壁110の外周面111から離れており、円周面326と水素貯蔵シリンダ11Bの周壁110の外周面111との間には隙間S7が生じている。
【0054】
突出部29A1,29A2及び突出部32A1,32A2,32B1,32B2,32C1,32C2は、隣り合う水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111を離し、突出部292,293,301,302,311,312は、ケース12の内壁面と水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111とを離す。
【0055】
冷却液供給管25から収容室19へ供給された冷却液は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周囲及びスペーサ29,30,31,32の周囲に沿って第1区画壁15側から第2区画壁17側へ流れる。これにより水素貯蔵シリンダ11A,11Bが冷却される。
【0056】
ケース12の各内壁面134,135,136,141と、隣接する水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111とは、共通空隙K1,K2,K3,K4,K5,K6を区画している。又、共通空隙K7は、3本の水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111によって区画されている。外周面111及び内壁面134,135,136,141は、共通空隙を区画する区画壁面である。共通空隙K1,K2,K3,K4,K5,K6,K7は、これら複数の区画壁面の少なくとも3つによって区画されている。
【0057】
スペーサ29,30,31,32は、共通空隙を区画するように、且つ少なくとも外周面111を含むように互いに隣り合う一対の区画壁面間に向かって延びる腕部を、共通空隙を区画する区画壁面の数と同数だけ備えている。そして、前記各腕部には、少なくとも外周面111を含むように互いに隣り合う一対の区画壁面のうち、この外周面111に向かって突出する突出部が形成されている。
【0058】
本実施形態では以下の効果が得られる。
(1)水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111に接合するスペーサ32の突出部32A1,32A2,32B1,32B2,32C1,32C2は、1組に寄り集まって共通空隙K7を区画する水素貯蔵シリンダ11A,11Bの本数(本実施形態では3)だけある。そのため、1組に寄り集まった3本の水素貯蔵シリンダ11A,11Bのうち、隣り合う水素貯蔵シリンダ11A,11Bがスペーサ32の1つの腕部(32A、32B又は32C)に形成された一対の突出部(32A1,32A2、32B1,32B2、又は32C1,32C2)を挟むことになる。従って、1組に寄り集まった3本の水素貯蔵シリンダ11A,11Bはそれぞれ、スペーサ32の1つの腕部(32A、32B又は32C)に形成された一対の突出部(32A1,32A2、32B1,32B2、又は32C1,32C2)に接することになる。このような接触構造は、1組に寄り集まった3本の水素貯蔵シリンダ11A,11B間の互いの位置を確定する。
【0059】
又、スペーサ32の外面の部位(円周面324,325,326)と水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111との間に隙間S5,S6,S7があるため、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111とスペーサ32との間で該外周面111の大部分に触れるように冷却液を流すことができる。その結果、冷却液と水素貯蔵シリンダ11A,11Bとの間の熱交換効率が向上する。
【0060】
(2)ケース12の内壁面に隣り合って1組に寄り集まった2本の水素貯蔵シリンダは、スペーサ29の突出部29A1,29A2を挟むことになる。又、1組に寄り集まった2本の水素貯蔵シリンダとケース12の内壁面とは、それぞれスペーサ29の突出部292,293を挟むことになる。従って、1組に寄り集まった2本の水素貯蔵シリンダはそれぞれ、スペーサ29の突出部29A1,29A2と、突出部292,293とに接することになる。このような接触構造は、ケース12の内壁面と隣り合って1組に寄り集まった2本の水素貯蔵シリンダの位置を確定する。
【0061】
又、スペーサ29の外面の部位(円周面295,296)と水素貯蔵シリンダの外周面111との間に隙間S1,S2があるため、水素貯蔵シリンダの外周面111とスペーサ29との間で該外周面111の大部分に触れるように冷却液を流すことができ、冷却液と水素貯蔵シリンダとの間の熱交換効率が向上する。
【0062】
(3)スペーサ32をその中心軸線320の周りに回転対称な形状に形成した構成は、隣り合う水素貯蔵シリンダ間の全ての間隔を一定にする上で簡便な構成である。
(4)水素貯蔵シリンダ11A,11Bの強度を確保するために水素貯蔵シリンダ11A,11Bに熱処理(例えばT6処理)を施すことがあるが、この熱処理によって水素貯蔵シリンダ11A,11Bが変形することがある。あるいは、ケース本体13及び蓋14の寸法誤差や、ケース本体13と蓋14との組み付け誤差等により、ケース12内に複数の水素貯蔵シリンダ11A,11Bを配置した場合の配置誤差が生じる場合がある。スペーサ29,30,31,32をゴム製とした構成では、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの変形や前記の配置誤差がスペーサ29の突出部29A1,29A2及び突出部292,293、スペーサ30,31,32の突出部301,302,311,312,32A1,32A2,32B1,32B2,32C1,32C2の弾性変形によって吸収される。
【0063】
(5)共通空隙を区画する水素貯蔵シリンダ11A,11Bの寄り集まり数を3とした構成は、ケース内での収納効率を最大にする。
次に、図6及び図7の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合を用い、その詳細説明は省略する。
【0064】
図6(a)に示すように、スペーサ29の円周面295,296と、突出部29A1の一側面と、突出部292の一側面とには薄板形状の形状保持部材49が面接合状態で止着されている。スペーサ30の円周面305と突出部301,302の一側面とには薄板形状の形状保持部材50が面接合状態で止着されている。スペーサ31の円周面315と突出部311,312の一側面とには薄板形状の形状保持部材51が面接合状態で止着されている。
【0065】
図6(b)に示すように、スペーサ32の円周面324,325,326と突出部32A1,32A2,32B1,32B2,32C1,32C2の一側面とには薄板形状の形状保持部材52が面接合状態で止着されている。
【0066】
形状保持部材49,50,51,52は、スペーサ29,30,31,32の材質よりも硬質の材質(例えば合成樹脂、金属等)によって形成されている。
図7(a)は、形状保持部材52を止着したスペーサ32を示し、図7(b)は、形状保持部材49を止着したスペーサ29を示す。図7(c)は、形状保持部材51を止着したスペーサ31を示し、図7(d)は、形状保持部材50を止着したスペーサ30を示す。
【0067】
形状保持部材49,50,51,52は、スペーサ29,30,31,32の円周面295,296,305,315,324,325,326の形状変形を防止している。その結果、スペーサ29,30,31,32と水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111との間の隙間S1〜S7が適正形状に確保される。これにより、収容室19内における冷却液の流れが適正状態に確保される。
【0068】
次に、図8の第3の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合を用い、その詳細説明は省略する。
第3の実施形態は、第1の実施形態におけるスペーサ30が無い点のみが第1の実施形態と異なる。スペーサ30がなくとも水素貯蔵シリンダ11A,11Bの配置位置は、スペーサ29,31,32によって確定される。
【0069】
次に、図9の第4の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合を用い、その詳細説明は省略する。
第4の実施形態では、第1の実施形態におけるスペーサ29〜32に止着されたネジ33〜40の代わりに、支軸53,54が用いられている。第1区画壁15には支持孔152が収容室19側から凹設されており、支持孔152には支軸53が嵌入されている。第2区画壁17には支持孔172が収容室19側から凹設されており、支持孔172には支軸54が嵌入されている。
【0070】
ケース本体13に第1区画壁15と第2区画壁17とを固定した後でも、スペーサ29〜32(図9ではスペーサ29,32のみを図示)を湾曲させて支持孔152,172に支軸53,54を嵌入することができ、スペーサ29〜32の配設が楽である。
【0071】
次に、図10(a),(b)の第5の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合を用い、その詳細説明は省略する。
第5の実施形態では、下段に配設される水素貯蔵シリンダ11Aの本数と、上段に配設される水素貯蔵シリンダ11Bの本数とが同じである。水素貯蔵シリンダ11A,11Bは、4本で1組に寄り集まって共通空隙を区画している。スペーサ32Eは、4つの腕部327A,327B,327C,327Dを備えた90°の回転対称な形状である。スペーサ32Eは、各腕部327A,327B,327C,327Dに対の突出部327A1,327A2,327B1,327B2,327C1,327C2,327D1,327D2を備えている。隣り合う突出部327A1,327B2間、隣り合う突出部327B1,327C2間、隣り合う突出部327C1,327D2間、隣り合う突出部327D1,327A2間におけるスペーサ32Eの外面の部位は、円周面328に形成されている。円周面328と水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111との間には隙間S8が生じている。
【0072】
なお、ケース本体13の下部の角にはスペーサ31が用いられている。
第5の実施形態では、第1の実施形態における(1)〜(4)項と同様の効果が得られる。
【0073】
本発明では以下のような実施形態も可能である。
○図11に示すように、腕部32Aの先端部に一対の突出部32A1,32A2と、別の一対の突出部32A3,32A4とを設け、腕部32Bの先端部に一対の突出部32B1,32B2と、別の一対の突出部32B3,32B4とを設け、腕部32Cの先端部に一対の突出部32C1,32C2と、別の一対の突出部32C3,32C4とを設けてもよい。
【0074】
○図12に示すように、3本の水素貯蔵シリンダ11Cの外周面111と、ケース12Cの内壁面121,122とによって区画される共通空隙にスペーサ55を設けてもよい。スペーサ55は、2つの主腕部56,57と、2つの副腕部58,59とを備えている。主腕部56,57には外周面111に接する突出部561,562,571,572が形成されており、副腕部58,59には外周面111に接する突出部581,591が形成されている。この実施形態は、請求項2に含まれる。
【0075】
○スペーサ29〜32,32E,55を合成樹脂によって形成してもよい。
○スペーサ29〜32,32E,55を金属によって形成してもよい。
○スペーサ29,30,31,32,32E,55の突出部のみをゴムで形成し、残りを合成樹脂あるいは金属で形成してもよい。
【0076】
○単一の突出部の代わりに、複数の突出部をスペーサの長さ方向に直列に配設した構成としてもよい。
前記した実施形態から把握できる技術思想について以下に記載する。
【0077】
(イ)水素吸蔵材を収容した複数の水素貯蔵シリンダが並列な状態でケースに収容されている水素貯蔵装置において、
複数本の前記水素貯蔵シリンダの外周面と前記ケースの内壁面とをそれぞれ区画壁面とした場合、複数の前記区画壁面の少なくとも3つによって区画される共通空隙にはスペーサが設けられており、
前記スペーサは、前記共通空隙を区画するように、且つ少なくとも前記外周面を含むように互いに隣り合う一対の区画壁面間に向かって延びる腕部を、前記共通空隙を区画する区画壁面の数と同数だけ備えており、
前記各腕部には、少なくとも前記外周面を含むように互いに隣り合う一対の区画壁面のうち前記外周面に向かって突出する突出部が形成されている水素貯蔵装置。
【符号の説明】
【0078】
11A,11B…水素貯蔵シリンダ。111…外周面。12…ケース。121,122,134,135,136,141…内壁面。15…第1区画壁。17…第2区画壁。19…収容室。29,30,31,32,32E,55…スペーサ。29A,56,57…主腕部。29A1,29A2…突出部。29B,29C,副腕部58,59…副腕部。292,293…突出部。295,296…外面の部位である円周面。30A,30B,31A,31…腕部。320…中心軸線。32A,32B,32C…腕部。32A1,32A2,32B1,32B2,32C1,32C2,561,562,571,572,581,591…突出部。324,325,326…外面の部位である円周面。33〜40…支軸としてのネジ。49〜52…形状保持部材。53,54…支軸。S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8…隙間。K1,K3,K4,K5,K7…共通間隙。
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素吸蔵材を収容した複数の水素貯蔵シリンダが並列な状態でケースに収容されている水素貯蔵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水素吸蔵材を収容した複数の水素貯蔵シリンダを並列な状態でケースに収容する構成は、水素貯蔵量を増やす構成として簡便である。複数の水素貯蔵シリンダを並列な状態でケースに収容した水素貯蔵装置は、例えば特許文献1,2に開示されている。
【0003】
水素吸蔵材と水素とが結合するという反応が起きると、このときの反応熱によって温度が上がる。水素吸蔵材と水素とが結合するという反応の速度は、温度が上がると遅くなる。そのため、水素貯蔵シリンダの周囲に冷却液を流し、水素貯蔵シリンダを冷却することが望ましい。逆に水素を放出するときには、水素貯蔵シリンダの周囲に温水を流し、水素貯蔵シリンダを加熱することが望ましい。
【0004】
特許文献1に開示の装置では、寄り集まった3つの水素貯蔵シリンダ間の共通空隙に棒状スペーサを配置して隣り合う水素貯蔵シリンダを互いに離す構成が開示されている。隣り合う水素貯蔵シリンダを互いに離す構成によれば、冷却液と水素貯蔵シリンダとの間の熱交換効率が向上する。
【0005】
特許文献2に開示の装置では、寄り集まった3つの水素貯蔵シリンダ間の共通空隙に邪魔棒が配置されている。邪魔棒内には冷媒(冷却液)を流す流路が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61−4100号公報
【特許文献2】特開2004−346956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示の装置では、棒状スペーサが丸棒状であるため、寄り集まる3本の水素貯蔵シリンダ間における互いの位置を決めることができない。
特許文献2に開示の装置では、冷媒が水素貯蔵シリンダの外面に直接触れる構成ではないため、冷媒と水素貯蔵シリンダとの間の熱交換効率がよいとは言えない。
【0008】
本発明は、水素貯蔵シリンダの位置を決めることができ、且つ冷却液と水素貯蔵シリンダとの間の熱交換効率を向上できる水素貯蔵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、水素吸蔵材を収容した複数の水素貯蔵シリンダが並列な状態でケースに収容されている水素貯蔵装置を対象とし、請求項1の発明では、少なくとも3本の水素貯蔵シリンダによって区画される共通空隙にはスペーサが設けられており、前記スペーサは、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ間に向かって延びる腕部を前記共通空隙を区画する水素貯蔵シリンダの数と同数だけ備えており、前記各腕部には、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダの各外周面に向かって突出する突出部が形成されている。
【0010】
共通間隙を区画する複数の水素貯蔵シリンダの外周面は、スペーサの突出部に接することになる。このような接触構造は、共通間隙を区画する複数の水素貯蔵シリンダ間の互いの位置を確定する。
【0011】
又、突出部がスペーサの腕部と水素貯蔵シリンダの外周面との間に隙間を作るため、水素貯蔵シリンダの外周面に触れるように冷却液を流すことができ、冷却液と水素貯蔵シリンダとの間の熱交換効率が向上する。
【0012】
請求項2の発明では、少なくとも2本の前記水素貯蔵シリンダの外周面と前記ケースの内壁面とにより区画される共通空隙にはスペーサが設けられており、前記スペーサは、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ間に向かって延びる主腕部と、前記水素貯蔵シリンダの外周面と前記内壁面との間に向かって延びる副腕部とを備えており、前記主腕部には、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダの各外周面に向かって突出する突出部が形成され、前記副腕部には、水素貯蔵シリンダの外周面に向かって突出する突出部が形成されている。
【0013】
少なくとも2本の水素貯蔵シリンダのうちの1つは、スペーサの主腕部と副腕部とに接することになる。このような接触構造は、ケースの内壁面と隣り合う少なくとも2本の水素貯蔵シリンダ間の互いの位置を確定する。
【0014】
又、突出部が主腕部と水素貯蔵シリンダの外周面との間に隙間を作ると共に、突出部が副腕部と水素貯蔵シリンダの外周面との間に隙間を作るため、水素貯蔵シリンダの外周面に触れるように冷却液を流すことができ、冷却液と水素貯蔵シリンダとの間の熱交換効率が向上する。
【0015】
なお、請求項1の発明及び請求項2の発明は、後記の(イ)項に記載の構成となる。
好適な例では、前記スペーサは、その中心軸線の周りに回転対称な形状に形成されている。
【0016】
共通間隙を区画する水素貯蔵シリンダが3本の場合には、スペーサは、120°の回転対称な形状となり、共通間隙を区画する水素貯蔵シリンダが4本の場合には、スペーサは、90°の回転対称な形状となる。
【0017】
好適な例では、前記スペーサの前記突出部は、弾性体によって形成されている。
ケース内に複数の水素貯蔵シリンダを配置した場合の配置誤差がスペーサの突出部の弾性変形によって吸収される。
【0018】
好適な例では、前記スペーサは、弾性体で形成されている。
好適な例では、前記スペーサは、その突出部が弾性体によって形成されていると共に、隣り合う突出部間における前記スペーサの外面の部位が前記弾性体より硬質の形状保持部材によって形成されている。
【0019】
スペーサの外面の部位の形状変形が防止され、水素貯蔵シリンダとスペーサとの隙間が適正形状に確保される。
好適な例では、前記ケースは、前記水素貯蔵シリンダを収容する収容室を区画するように、前記水素貯蔵シリンダの軸方向両端側に配置される第1区画壁と第2区画壁とを備えており、前記スペーサは、前記第1区画壁と前記第2区画壁とに係合して前記スペーサを支持するための支軸を備えている。
【0020】
好適な例では、前記共通空隙を区画する水素貯蔵シリンダの数は、3である。
収納効率が最も良い。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、水素貯蔵シリンダの位置を決めることができ、且つ冷却液と水素貯蔵シリンダとの間の熱交換効率を向上できるという優れた効果を奏す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施形態を示し、(a)は、側断面図。(b)は、平断面図。
【図2】(a)は、図1(a)のA−A線断面図。(b)は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの配列位置を示す模式図。
【図3】(a)は、図1(a)のB−B線断面図。(b)は、図1(a)のC−C線断面図。
【図4】(a)は、部分拡大断面図。(b)は、スペーサ32を示す断面図。
【図5】(a)は、スペーサ32の斜視図。(b)は、スペーサ29の斜視図。(c)は、スペーサ31の斜視図。(d)は、スペーサ30の斜視図。
【図6】第2の実施形態を示し、(a)は、部分拡大断面図。(b)は、スペーサ32を示す断面図。
【図7】(a)は、形状保持部材を備えたスペーサ32の斜視図。(b)は、形状保持部材を備えたスペーサ29の斜視図。(c)は、形状保持部材を備えたスペーサ31の斜視図。(d)は、形状保持部材を備えたスペーサ30の斜視図。
【図8】第3の実施形態を示す断面図。
【図9】第4の実施形態を示す平断面図
【図10】第5の実施形態を示し、(a)は、断面図。(b)は、部分拡大断面図。
【図11】別の実施形態を示す部分拡大断面図。
【図12】別の実施形態を示す部分拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1(a)に示すように、複数の水素貯蔵シリンダ11A,11Bを収容するケース12は、ケース本体13と、ケース本体13の上部開口を閉じる蓋14とを備えている。ケース本体13内には、第1区画壁15によって冷却液流通室16が区画形成されていると共に、第2区画壁17によって冷却液流通室18が区画形成されている。第1区画壁15と第2区画壁17との間は、収容室19として区画されており、収容室19には複数の水素貯蔵シリンダ11A,11Bが互いに並列な状態(本実施形態では平行な状態)で収容されている。
【0024】
水素貯蔵シリンダ11A,11Bの一端(左端)には栓20が嵌合されており、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの他端(右端)には栓21が嵌合されている。栓20は、収容室19に突出するように第1区画壁15を貫通しており、栓20には流通孔201が水素貯蔵シリンダ11A,11B内と冷却液流通室16とを連通するように形成されている。栓20は、図示しない抜け止め手段によって第1区画壁15から離脱不能に第1区画壁15に係止されている。
【0025】
図1(b)に示すように、ケース本体13の側壁131には管継ぎ手22が冷却液流通室16内に突出するように貫通して止着されており、管継ぎ手22には水素流通管23がケース本体13外で接続されている。管継ぎ手22には分配管28が接続されており、分配管28には各水素貯蔵シリンダ11A,11Bの栓20が接続されている。各水素貯蔵シリンダ11A,11Bの流通孔201は、分配管28及び管継ぎ手22を介して水素流通管23に連通されている。
【0026】
水素流通管23及び管継ぎ手22を介して分配管28に送られた水素は、流通孔201を介して水素貯蔵シリンダ11A,11B内へ流入する。水素貯蔵シリンダ11A,11B内へ流入した水素は、水素貯蔵シリンダ11A,11B内の粉末状の水素吸蔵合金(水素吸蔵材であって図示略)と結合して貯蔵される。
【0027】
ケース本体13の側壁132には管継ぎ手24が冷却液流通室16内に突出するように貫通して止着されており、管継ぎ手24には冷却液供給管25が接続されている。冷却液供給管25は、管継ぎ手24を介して冷却液流通室16に連通している。冷却液流通室16と収容室19とは、第1区画壁15に貫設された複数の流通孔152を介して連通している。
【0028】
ケース本体13の側壁132には管継ぎ手26が冷却液流通室18内に突出するように貫通して止着されており、管継ぎ手26には冷却液排出管27が接続されている。冷却液排出管27は、管継ぎ手26を介して冷却液流通室18に連通している。冷却液流通室18と収容室19とは、第2区画壁17に貫設された複数の流通孔171を介して連通している。
【0029】
図示しない冷却液供給源から冷却液供給管25を介して冷却液流通室16へ供給された冷却液は、流通孔152、収容室19及び流通孔171を経由して冷却液流通室18へ流出する。冷却液流通室18へ流出した冷却液は、冷却液排出管27を介して前記冷却液供給源へ還流する。
【0030】
図2(a)は、図1(a)のA−A線断面図である。水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111の横断面形状(水素貯蔵シリンダ11A,11Bの長さ方向に対して垂直な仮想平面上での形状)は、円である。図3(a)は、図1(a)のB−B線断面図であり、図3(b)は、図1(a)のC−C線断面図である。
【0031】
図2(a)に示すように、本実施形態では、ケース12に収容される水素貯蔵シリンダ11A,11Bの本数は、7本である。このうちの3本の水素貯蔵シリンダ11Aは、下段に並列に収容されており、残りの4本の水素貯蔵シリンダ11Bが上段に並列に収容されている。
【0032】
図2(b)は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの配列位置を示す模式図である。ケース本体13の底壁133と、下段の隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11Aとは、共通空隙K1を区画している。ケース本体13の下部の角部と、下段の左右の水素貯蔵シリンダ11Aとは、空隙K2を区画している。ケース本体13の側壁131と、上下で隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11A,11Bとは、共通空隙K3を区画している。ケース本体13の側壁132と、上下で隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11A,11Bとは、共通空隙K4を区画している。蓋14と、上段の隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11Bとは、共通空隙K5を区画している。ケース12の上部の角部と、上段の左右の水素貯蔵シリンダ11Bとは、空隙K6を区画している。
【0033】
1組に寄り集まる3本の水素貯蔵シリンダ11A,11Bは、共通空隙K7を区画している。
共通空隙K1,K3,K4,K5には図5(b)に示すスペーサ29(第2スペーサ)が図2(a)に示すように設けられており、空隙K2には図5(d)に示すスペーサ30が図2(a)に示すように設けられている。空隙K6には図5(c)に示すスペーサ31が図2(a)に示すように設けられており、共通空隙K7には図5(a)に示すスペーサ32が図2(a)に示すように設けられている。スペーサ29,30,31,32の材質は、いずれもゴム(弾性体)である。
【0034】
図5(a)に示すように、スペーサ32(第1スペーサ)の両端部にはネジ33,34が同軸上に止着されている。図5(b)に示すように、スペーサ29の両端部にはネジ35,36が同軸上に止着されている。図5(c)に示すように、スペーサ31の両端部にはネジ37,38が同軸上に止着されている。図5(d)に示すように、スペーサ30の両端部にはネジ39,40が同軸上に止着されている。
【0035】
図3(a)に示すように、スペーサ32に止着されたネジ33、スペーサ29に止着されたネジ35、スペーサ31に止着されたネジ37、及びスペーサ30に止着されたネジ39は、第1区画壁15を貫通して冷却液流通室16に突出している。支軸である各ネジ33,35,37,39の突出端部にはナット41,42,43,44が螺着されている。支軸であるネジ33,35,37,39は、ナット41,42,43,44の締め付けによって第1区画壁15に固定される。
【0036】
図3(b)に示すように、スペーサ32に止着されたネジ34、スペーサ29に止着されたネジ36、スペーサ31に止着されたネジ38、及びスペーサ30に止着されたネジ40は、第2区画壁17を貫通して冷却液流通室18に突出している。ネジ34,36,38,40は、ナット45,46,47,48の締め付けによって第2区画壁17に固定される。
【0037】
ネジ34,36,38,40が第2区画壁17に固定されると共に、ネジ33,35,37,39が第1区画壁15に固定されることにより、スペーサ29,30,31,32が第1区画壁15と第2区画壁17との間に不動配置される。
【0038】
図4(a)に示すように、スペーサ29,30,31,32の横断面形状(水素貯蔵シリンダ11A,11Bの長さ方向に対して垂直な仮想平面上での形状)は、略三角形状に形成されている。
【0039】
スペーサ29は、主腕部29Aと副腕部29B,29Cとを備えている。主腕部29Aは、隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ(11A,11B又は11A,11A又は11B,11B)間に向かって延びている。副腕部29B,29Cは、ケース12の内壁面と水素貯蔵シリンダ(11A又は11B)との間に向かって延びている。
【0040】
スペーサ30は、2つの腕部30A,30Bを備えている。腕部30A,30Bは、ケース12の内壁面と、ケース12の角に隣接する水素貯蔵シリンダ11Aとの間に向かって延びている。
【0041】
スペーサ31は、2つの腕部31A,31Bを備えている。腕部31A,31Bは、ケース12の内壁面と、ケース12の角に隣接する水素貯蔵シリンダ11Bとの間に向かって延びている。
【0042】
図4(b)に示すように、スペーサ32は、3つの腕部32A,32B,32Cを備えている。各腕部32Aは、共通空隙K7を区画する3本の水素貯蔵シリンダ(11A,11A又は11B,11A又は11B,11B)のうちの2本の水素貯蔵シリンダ間に向かって延びている。スペーサ32は、スペーサ32の中心軸線320(ネジ33,34の中心軸線)の周りに回転対称な形状に形成されている。スペーサ32は、120°の回転対称な形状である。
【0043】
スペーサ29の主腕部29Aの先端部には一対の突出部29A1,29A2が互いに逆方向に突出するように形成されている。つまり、一対の突出部29A1,29A2は、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダの各外周面111に向かって突出するように形成されている。スペーサ29の残りの2つの副腕部29B,29Cの先端部には突出部292,293が形成されている。突出部292,293間のスペーサ29の外面は、平面の接合面294に形成されている。突出部29A1と突出部292との間のスペーサ29の外面は、凹み形状の円周面295に形成されており、突出部29A2と突出部293との間のスペーサ29の外面は、凹み形状の円周面296に形成されている。スペーサ29の外面の部位である円周面295,296の曲率半径は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111の曲率半径よりも大きい。
【0044】
接合面294は、ケース12の内壁面(底壁133の内壁面134又は側壁131,132の内壁面135,136又は蓋14の内壁面141)に面接触している。突出部29A1,29A2は、隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111に接触している。突出部292は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111に接触しており、突出部293は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111に接触している。円周面295は、水素貯蔵シリンダ11Bの周壁110の外周面111から離れており、円周面295と水素貯蔵シリンダ11Bの周壁110の外周面111との間には隙間S1が生じている。円周面296は、水素貯蔵シリンダ11Aの周壁110の外周面111から離れており、円周面296と水素貯蔵シリンダ11Aの周壁110の外周面111との間には隙間S2が生じている。
【0045】
スペーサ30の2つの腕部30A,30Bには突出部301,302が水素貯蔵シリンダ11Aの外周面111に向けて突出するように形成されている。スペーサ30の角と突出部301との間のスペーサ30の外面は、平面の接合面303に形成されており、前記角と突出部302との間のスペーサ30の外面は、平面の接合面304に形成されている。突出部301,302間のスペーサ30の外面は、凹み形状の円周面305に形成されている。円周面305の曲率半径は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111の曲率半径よりも大きい。
【0046】
接合面303は、ケース12の内壁面(側壁131,132の内壁面135,136)に面接触しており、接合面304は、ケース12の内壁面(底壁133の内壁面134)に面接触している。突出部301,302は、水素貯蔵シリンダ11Aの周壁110の外周面111に接触している。円周面305は、水素貯蔵シリンダ11Aの周壁110の外周面111から離れており、円周面305と水素貯蔵シリンダ11Aの周壁110の外周面111との間には隙間S3が生じている。
【0047】
スペーサ31の腕部31A,31Bには突出部311,312が形成されている。スペーサ31の角と突出部311との間のスペーサ29の外面は、平面の接合面313に形成されており、前記角と突出部312との間のスペーサ31の外面は、平面の接合面314に形成されている。突出部311,312間のスペーサ31の外面は、凹み形状の円周面315に形成されている。円周面315の曲率半径は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111の曲率半径よりも大きい。
【0048】
接合面313は、ケース12の内壁面(蓋14の内壁面141)に面接触しており、接合面314は、ケース12の内壁面(側壁131,132の内壁面135,136)に面接触している。突出部311,312は、水素貯蔵シリンダ11Bの周壁110の外周面111に接触している。円周面315は、水素貯蔵シリンダ11Bの周壁110の外周面111から離れており、円周面315と水素貯蔵シリンダ11Bの周壁110の外周面111との間には隙間S4が生じている。
【0049】
スペーサ32の腕部32Aの先端部には一対の突出部32A1,32A2が互いに逆方向に突出するように形成されている。つまり、一対の突出部32A1,32A2は、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダの各外周面111に向かって突出するように形成されている。
【0050】
スペーサ32の腕部32Bの先端部には一対の突出部32B1,32B2が互いに逆方向に突出するように形成されている。つまり、一対の突出部32B1,32B2は、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダの各外周面111に向かって突出するように形成されている。
【0051】
スペーサ32の腕部32Cの先端部には一対の突出部32C1,32C2が互いに逆方向に突出するように形成されている。つまり、一対の突出部32C1,32C2は、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダの各外周面111に向かって突出するように形成されている。
【0052】
突出部32A1,32B2間のスペーサ32の外面は、凹み形状の円周面324に形成されている。突出部32B1,32C2間のスペーサ32の外面は、凹み形状の円周面325に形成されており、突出部32C1,32A2間のスペーサ32の外面は、凹み形状の円周面326に形成されている。スペーサ32の外面の部位である円周面324,325,326の曲率半径は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111の曲率半径よりも大きい。
【0053】
突出部32A1,32A2は、左右で隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11B,11Bの周壁110の外周面111に接触している。突出部32B1,32B2は、上下で隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111に接触しており、突出部32C1,32C2は、上下で隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周壁110の外周面111に接触している。円周面324と水素貯蔵シリンダ11Bの周壁110の外周面111との間には隙間S5が生じている。円周面325は、水素貯蔵シリンダ11Aの周壁110の外周面111から離れており、円周面325と水素貯蔵シリンダ11Aの周壁110の外周面111との間には隙間S6が生じている。円周面326は、水素貯蔵シリンダ11Bの周壁110の外周面111から離れており、円周面326と水素貯蔵シリンダ11Bの周壁110の外周面111との間には隙間S7が生じている。
【0054】
突出部29A1,29A2及び突出部32A1,32A2,32B1,32B2,32C1,32C2は、隣り合う水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111を離し、突出部292,293,301,302,311,312は、ケース12の内壁面と水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111とを離す。
【0055】
冷却液供給管25から収容室19へ供給された冷却液は、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの周囲及びスペーサ29,30,31,32の周囲に沿って第1区画壁15側から第2区画壁17側へ流れる。これにより水素貯蔵シリンダ11A,11Bが冷却される。
【0056】
ケース12の各内壁面134,135,136,141と、隣接する水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111とは、共通空隙K1,K2,K3,K4,K5,K6を区画している。又、共通空隙K7は、3本の水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111によって区画されている。外周面111及び内壁面134,135,136,141は、共通空隙を区画する区画壁面である。共通空隙K1,K2,K3,K4,K5,K6,K7は、これら複数の区画壁面の少なくとも3つによって区画されている。
【0057】
スペーサ29,30,31,32は、共通空隙を区画するように、且つ少なくとも外周面111を含むように互いに隣り合う一対の区画壁面間に向かって延びる腕部を、共通空隙を区画する区画壁面の数と同数だけ備えている。そして、前記各腕部には、少なくとも外周面111を含むように互いに隣り合う一対の区画壁面のうち、この外周面111に向かって突出する突出部が形成されている。
【0058】
本実施形態では以下の効果が得られる。
(1)水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111に接合するスペーサ32の突出部32A1,32A2,32B1,32B2,32C1,32C2は、1組に寄り集まって共通空隙K7を区画する水素貯蔵シリンダ11A,11Bの本数(本実施形態では3)だけある。そのため、1組に寄り集まった3本の水素貯蔵シリンダ11A,11Bのうち、隣り合う水素貯蔵シリンダ11A,11Bがスペーサ32の1つの腕部(32A、32B又は32C)に形成された一対の突出部(32A1,32A2、32B1,32B2、又は32C1,32C2)を挟むことになる。従って、1組に寄り集まった3本の水素貯蔵シリンダ11A,11Bはそれぞれ、スペーサ32の1つの腕部(32A、32B又は32C)に形成された一対の突出部(32A1,32A2、32B1,32B2、又は32C1,32C2)に接することになる。このような接触構造は、1組に寄り集まった3本の水素貯蔵シリンダ11A,11B間の互いの位置を確定する。
【0059】
又、スペーサ32の外面の部位(円周面324,325,326)と水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111との間に隙間S5,S6,S7があるため、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111とスペーサ32との間で該外周面111の大部分に触れるように冷却液を流すことができる。その結果、冷却液と水素貯蔵シリンダ11A,11Bとの間の熱交換効率が向上する。
【0060】
(2)ケース12の内壁面に隣り合って1組に寄り集まった2本の水素貯蔵シリンダは、スペーサ29の突出部29A1,29A2を挟むことになる。又、1組に寄り集まった2本の水素貯蔵シリンダとケース12の内壁面とは、それぞれスペーサ29の突出部292,293を挟むことになる。従って、1組に寄り集まった2本の水素貯蔵シリンダはそれぞれ、スペーサ29の突出部29A1,29A2と、突出部292,293とに接することになる。このような接触構造は、ケース12の内壁面と隣り合って1組に寄り集まった2本の水素貯蔵シリンダの位置を確定する。
【0061】
又、スペーサ29の外面の部位(円周面295,296)と水素貯蔵シリンダの外周面111との間に隙間S1,S2があるため、水素貯蔵シリンダの外周面111とスペーサ29との間で該外周面111の大部分に触れるように冷却液を流すことができ、冷却液と水素貯蔵シリンダとの間の熱交換効率が向上する。
【0062】
(3)スペーサ32をその中心軸線320の周りに回転対称な形状に形成した構成は、隣り合う水素貯蔵シリンダ間の全ての間隔を一定にする上で簡便な構成である。
(4)水素貯蔵シリンダ11A,11Bの強度を確保するために水素貯蔵シリンダ11A,11Bに熱処理(例えばT6処理)を施すことがあるが、この熱処理によって水素貯蔵シリンダ11A,11Bが変形することがある。あるいは、ケース本体13及び蓋14の寸法誤差や、ケース本体13と蓋14との組み付け誤差等により、ケース12内に複数の水素貯蔵シリンダ11A,11Bを配置した場合の配置誤差が生じる場合がある。スペーサ29,30,31,32をゴム製とした構成では、水素貯蔵シリンダ11A,11Bの変形や前記の配置誤差がスペーサ29の突出部29A1,29A2及び突出部292,293、スペーサ30,31,32の突出部301,302,311,312,32A1,32A2,32B1,32B2,32C1,32C2の弾性変形によって吸収される。
【0063】
(5)共通空隙を区画する水素貯蔵シリンダ11A,11Bの寄り集まり数を3とした構成は、ケース内での収納効率を最大にする。
次に、図6及び図7の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合を用い、その詳細説明は省略する。
【0064】
図6(a)に示すように、スペーサ29の円周面295,296と、突出部29A1の一側面と、突出部292の一側面とには薄板形状の形状保持部材49が面接合状態で止着されている。スペーサ30の円周面305と突出部301,302の一側面とには薄板形状の形状保持部材50が面接合状態で止着されている。スペーサ31の円周面315と突出部311,312の一側面とには薄板形状の形状保持部材51が面接合状態で止着されている。
【0065】
図6(b)に示すように、スペーサ32の円周面324,325,326と突出部32A1,32A2,32B1,32B2,32C1,32C2の一側面とには薄板形状の形状保持部材52が面接合状態で止着されている。
【0066】
形状保持部材49,50,51,52は、スペーサ29,30,31,32の材質よりも硬質の材質(例えば合成樹脂、金属等)によって形成されている。
図7(a)は、形状保持部材52を止着したスペーサ32を示し、図7(b)は、形状保持部材49を止着したスペーサ29を示す。図7(c)は、形状保持部材51を止着したスペーサ31を示し、図7(d)は、形状保持部材50を止着したスペーサ30を示す。
【0067】
形状保持部材49,50,51,52は、スペーサ29,30,31,32の円周面295,296,305,315,324,325,326の形状変形を防止している。その結果、スペーサ29,30,31,32と水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111との間の隙間S1〜S7が適正形状に確保される。これにより、収容室19内における冷却液の流れが適正状態に確保される。
【0068】
次に、図8の第3の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合を用い、その詳細説明は省略する。
第3の実施形態は、第1の実施形態におけるスペーサ30が無い点のみが第1の実施形態と異なる。スペーサ30がなくとも水素貯蔵シリンダ11A,11Bの配置位置は、スペーサ29,31,32によって確定される。
【0069】
次に、図9の第4の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合を用い、その詳細説明は省略する。
第4の実施形態では、第1の実施形態におけるスペーサ29〜32に止着されたネジ33〜40の代わりに、支軸53,54が用いられている。第1区画壁15には支持孔152が収容室19側から凹設されており、支持孔152には支軸53が嵌入されている。第2区画壁17には支持孔172が収容室19側から凹設されており、支持孔172には支軸54が嵌入されている。
【0070】
ケース本体13に第1区画壁15と第2区画壁17とを固定した後でも、スペーサ29〜32(図9ではスペーサ29,32のみを図示)を湾曲させて支持孔152,172に支軸53,54を嵌入することができ、スペーサ29〜32の配設が楽である。
【0071】
次に、図10(a),(b)の第5の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合を用い、その詳細説明は省略する。
第5の実施形態では、下段に配設される水素貯蔵シリンダ11Aの本数と、上段に配設される水素貯蔵シリンダ11Bの本数とが同じである。水素貯蔵シリンダ11A,11Bは、4本で1組に寄り集まって共通空隙を区画している。スペーサ32Eは、4つの腕部327A,327B,327C,327Dを備えた90°の回転対称な形状である。スペーサ32Eは、各腕部327A,327B,327C,327Dに対の突出部327A1,327A2,327B1,327B2,327C1,327C2,327D1,327D2を備えている。隣り合う突出部327A1,327B2間、隣り合う突出部327B1,327C2間、隣り合う突出部327C1,327D2間、隣り合う突出部327D1,327A2間におけるスペーサ32Eの外面の部位は、円周面328に形成されている。円周面328と水素貯蔵シリンダ11A,11Bの外周面111との間には隙間S8が生じている。
【0072】
なお、ケース本体13の下部の角にはスペーサ31が用いられている。
第5の実施形態では、第1の実施形態における(1)〜(4)項と同様の効果が得られる。
【0073】
本発明では以下のような実施形態も可能である。
○図11に示すように、腕部32Aの先端部に一対の突出部32A1,32A2と、別の一対の突出部32A3,32A4とを設け、腕部32Bの先端部に一対の突出部32B1,32B2と、別の一対の突出部32B3,32B4とを設け、腕部32Cの先端部に一対の突出部32C1,32C2と、別の一対の突出部32C3,32C4とを設けてもよい。
【0074】
○図12に示すように、3本の水素貯蔵シリンダ11Cの外周面111と、ケース12Cの内壁面121,122とによって区画される共通空隙にスペーサ55を設けてもよい。スペーサ55は、2つの主腕部56,57と、2つの副腕部58,59とを備えている。主腕部56,57には外周面111に接する突出部561,562,571,572が形成されており、副腕部58,59には外周面111に接する突出部581,591が形成されている。この実施形態は、請求項2に含まれる。
【0075】
○スペーサ29〜32,32E,55を合成樹脂によって形成してもよい。
○スペーサ29〜32,32E,55を金属によって形成してもよい。
○スペーサ29,30,31,32,32E,55の突出部のみをゴムで形成し、残りを合成樹脂あるいは金属で形成してもよい。
【0076】
○単一の突出部の代わりに、複数の突出部をスペーサの長さ方向に直列に配設した構成としてもよい。
前記した実施形態から把握できる技術思想について以下に記載する。
【0077】
(イ)水素吸蔵材を収容した複数の水素貯蔵シリンダが並列な状態でケースに収容されている水素貯蔵装置において、
複数本の前記水素貯蔵シリンダの外周面と前記ケースの内壁面とをそれぞれ区画壁面とした場合、複数の前記区画壁面の少なくとも3つによって区画される共通空隙にはスペーサが設けられており、
前記スペーサは、前記共通空隙を区画するように、且つ少なくとも前記外周面を含むように互いに隣り合う一対の区画壁面間に向かって延びる腕部を、前記共通空隙を区画する区画壁面の数と同数だけ備えており、
前記各腕部には、少なくとも前記外周面を含むように互いに隣り合う一対の区画壁面のうち前記外周面に向かって突出する突出部が形成されている水素貯蔵装置。
【符号の説明】
【0078】
11A,11B…水素貯蔵シリンダ。111…外周面。12…ケース。121,122,134,135,136,141…内壁面。15…第1区画壁。17…第2区画壁。19…収容室。29,30,31,32,32E,55…スペーサ。29A,56,57…主腕部。29A1,29A2…突出部。29B,29C,副腕部58,59…副腕部。292,293…突出部。295,296…外面の部位である円周面。30A,30B,31A,31…腕部。320…中心軸線。32A,32B,32C…腕部。32A1,32A2,32B1,32B2,32C1,32C2,561,562,571,572,581,591…突出部。324,325,326…外面の部位である円周面。33〜40…支軸としてのネジ。49〜52…形状保持部材。53,54…支軸。S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8…隙間。K1,K3,K4,K5,K7…共通間隙。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素吸蔵材を収容した複数の水素貯蔵シリンダが並列な状態でケースに収容されている水素貯蔵装置において、
少なくとも3本の水素貯蔵シリンダによって区画される共通空隙にはスペーサが設けられており、
前記スペーサは、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ間に向かって延びる腕部を前記共通空隙を区画する水素貯蔵シリンダの数と同数だけ備えており、
前記各腕部には、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダの各外周面に向かって突出する突出部が形成されている水素貯蔵装置。
【請求項2】
水素吸蔵材を収容した複数の水素貯蔵シリンダが並列な状態でケースに収容されている水素貯蔵装置において、
少なくとも2本の前記水素貯蔵シリンダの外周面と前記ケースの内壁面とにより区画される共通空隙にはスペーサが設けられており、
前記スペーサは、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ間に向かって延びる主腕部と、前記水素貯蔵シリンダの外周面と前記内壁面との間に向かって延びる副腕部とを備えており、
前記主腕部には、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダの各外周面に向かって突出する突出部が形成され、前記副腕部には、水素貯蔵シリンダの外周面に向かって突出する突出部が形成されている水素貯蔵装置。
【請求項3】
前記スペーサは、その中心軸線の周りに回転対称な形状に形成されている請求項1に記載の水素貯蔵装置。
【請求項4】
前記スペーサの前記突出部は、弾性体によって形成されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の水素貯蔵装置。
【請求項5】
前記スペーサは、弾性体で形成されている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の水素貯蔵装置。
【請求項6】
前記スペーサは、その突出部が弾性体によって形成されていると共に、隣り合う突出部間における前記スペーサの外面の部位が前記弾性体より硬質の形状保持部材によって形成されている請求項4に記載の水素貯蔵装置。
【請求項7】
前記ケースは、前記水素貯蔵シリンダを収容する収容室を区画するように、前記水素貯蔵シリンダの軸方向両端側に配置される第1区画壁と第2区画壁とを備えており、前記スペーサは、前記第1区画壁と前記第2区画壁とに係合して前記スペーサを支持するための支軸を備えている請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の水素貯蔵装置。
【請求項8】
前記共通空隙を区画する水素貯蔵シリンダの数は、3である請求項1に記載の水素貯蔵装置。
【請求項1】
水素吸蔵材を収容した複数の水素貯蔵シリンダが並列な状態でケースに収容されている水素貯蔵装置において、
少なくとも3本の水素貯蔵シリンダによって区画される共通空隙にはスペーサが設けられており、
前記スペーサは、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ間に向かって延びる腕部を前記共通空隙を区画する水素貯蔵シリンダの数と同数だけ備えており、
前記各腕部には、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダの各外周面に向かって突出する突出部が形成されている水素貯蔵装置。
【請求項2】
水素吸蔵材を収容した複数の水素貯蔵シリンダが並列な状態でケースに収容されている水素貯蔵装置において、
少なくとも2本の前記水素貯蔵シリンダの外周面と前記ケースの内壁面とにより区画される共通空隙にはスペーサが設けられており、
前記スペーサは、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダ間に向かって延びる主腕部と、前記水素貯蔵シリンダの外周面と前記内壁面との間に向かって延びる副腕部とを備えており、
前記主腕部には、互いに隣り合う一対の水素貯蔵シリンダの各外周面に向かって突出する突出部が形成され、前記副腕部には、水素貯蔵シリンダの外周面に向かって突出する突出部が形成されている水素貯蔵装置。
【請求項3】
前記スペーサは、その中心軸線の周りに回転対称な形状に形成されている請求項1に記載の水素貯蔵装置。
【請求項4】
前記スペーサの前記突出部は、弾性体によって形成されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の水素貯蔵装置。
【請求項5】
前記スペーサは、弾性体で形成されている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の水素貯蔵装置。
【請求項6】
前記スペーサは、その突出部が弾性体によって形成されていると共に、隣り合う突出部間における前記スペーサの外面の部位が前記弾性体より硬質の形状保持部材によって形成されている請求項4に記載の水素貯蔵装置。
【請求項7】
前記ケースは、前記水素貯蔵シリンダを収容する収容室を区画するように、前記水素貯蔵シリンダの軸方向両端側に配置される第1区画壁と第2区画壁とを備えており、前記スペーサは、前記第1区画壁と前記第2区画壁とに係合して前記スペーサを支持するための支軸を備えている請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の水素貯蔵装置。
【請求項8】
前記共通空隙を区画する水素貯蔵シリンダの数は、3である請求項1に記載の水素貯蔵装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−7633(P2012−7633A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141626(P2010−141626)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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