水質センサ
【課題】
本発明の課題は、例えば細い配管などでも利用できるように、流体の導電率を測定する電極の長さを短くした水質センサを提供することにある。
【解決手段】
本発明の水質センサによれば、流体の導電率を測定するために4本以上の電極が放射状に配置されるように電極保持部に保持される。測定用の電極の数を増加させることで、電極の表面積を維持したまま電極の長さを短くできる。すなわち、同じセル定数であっても、2本の電極からなる水質センサよりも短い電極の水質センサとなる。したがって、本発明の水質センサは、電極が配管の際に干渉することが少なくなり、配管部への取り付け時における自由度が大幅に向上する
本発明の課題は、例えば細い配管などでも利用できるように、流体の導電率を測定する電極の長さを短くした水質センサを提供することにある。
【解決手段】
本発明の水質センサによれば、流体の導電率を測定するために4本以上の電極が放射状に配置されるように電極保持部に保持される。測定用の電極の数を増加させることで、電極の表面積を維持したまま電極の長さを短くできる。すなわち、同じセル定数であっても、2本の電極からなる水質センサよりも短い電極の水質センサとなる。したがって、本発明の水質センサは、電極が配管の際に干渉することが少なくなり、配管部への取り付け時における自由度が大幅に向上する
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水質を測定するための水質センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、全有機炭素計といった水質の検査を行う機器に、導電率センサが用いられている。この導電率センサとしては、流体が流れる配管の途中に2本の棒状電極を備え、この2本の電極間の電位差を測定することで、流体の導電率を測定するものがある。このような導電率センサは、ティーなどの配管部材を用いて、配管部にねじ込みにより備え付けられる。また、水の導電率を測定するものとしては、4本の棒状電極を一列に配列させたセンサが開発されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
【特許文献1】実開昭62−203446号公報
【特許文献2】特開2001−255294号公報
【0004】
2本の棒状電極を用いる導電率センサの場合、配管部にねじ込みする際に、例えば電極の突出部分の長さが長いことで電極に配管が干渉するなど、配管部への取り付けにおいて、導電率センサ形状が大きく制限される。また、配管部に合わせて、電極の長さを短くすると、その導電率センサのセル定数が流体に適合しない場合もある。
【0005】
特許文献1及び特許文献2の導電率センサは、4本の棒状電極を使用しているが、流体の導電率の測定に使用される測定用電極は、1列に配列された電極のうち内側の2本である。すなわち、実質的に2本の電極からなる導電率センサと同様であり、同様の問題を有している。
【0006】
本発明は上記実状に鑑み、例えば細い配管などでも利用できるように、流体の導電率を測定する電極の長さを短くした水質センサを提供することを目的とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明の水質センサは、水質を測定するための4本以上の棒状電極と、前記電極を保持する電極保持部とを有し、前記電極は、前記電極保持部の端面で放射状に保持され、少なくとも1本以上が正極、かつ、少なくとも1本以上が負極として構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の水質センサによれば、流体の導電率を測定するために4本以上の電極が放射状に配置されるように電極保持部に保持される。測定用の電極の数を増加させることで、電極の表面積を維持したまま電極の長さを短くできる。すなわち、同じセル定数であっても、2本の電極からなる水質センサよりも短い電極の水質センサとなる。したがって、本発明の水質センサは、電極が配管の際に干渉することが少なくなり、配管部への取り付け時における自由度が大幅に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について、4本、6本、8本及び12本の電極を有する水質センサについて説明する。本発明の水質センサは、水質として測定する物理量に導電率を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば比抵抗といったその他水質に関わる物理量を測定することも可能である。また、電極の数として4本、6本、8本、12本という偶数本で構成される水質センサを例示するが、本発明は奇数本であってもよい。
【0010】
[実施の形態1]
実施の形態1で説明する本発明の水質センサは、図1及び図2のように、4本の電極10,11,12,13と、この電極10,11,12,13を保持する電極保持部30とを有している。
【0011】
電極10,11,12,13は、例えばステンレス綱、銀、銅、黄銅、金、白金、チタンなどからなる棒状の電極で、その一端は、所定の長さが突出するように電極保持部30に保持され、電極10,11,12,13の他端は、図示しない配線を介して、図示しない電源の正極又は負極に着脱自在に接続される端子50,51,52,53に電気的にそれぞれ接続されている。
【0012】
電極保持部30は、内部を中空とし、接続体33の接続側から一方端面31に向かって外径が小さくなる円錐台形の部材である。電極保持部30の一方端面31には、放射状に電極10,11,12,13の外形に合わせた4つの穴40,41,42,43が形成されており、この穴から電極10,11,12,13の一端が突出するように電極10,11,12,13が電極保持部30に保持される。より詳細には、一方端面31の任意の点としての中心点36を中心として、この4つの穴40,41,42,43が所定の半径の円上に形成されている。すなわち、電極10,11,12,13は、電極保持部30の一方端面31の中心点36を中心に放射状に配置されている。さらに詳細には、その中心点36を中心として、電極10,11,12,13が所定の半径の円上に配置されている。
【0013】
この穴40,41,42,43は、電極10,11,12,13同士がそれぞれ等間隔に配置されるような位置に設けられている。この穴40,41,42,43は、電極10,11,12,13が備えられることで、隙間なく密閉され、流体の導電率計測時に、流体が内部に流入しないようになっている。
【0014】
この電極保持部30の他方端面側には、後述する接続体33を介して、電極10,11,12,13の他端と電気的に接続する配線を束ねるケーブル35が突出するよう挿通されるケーブル突出部32が備えられており、このケーブル突出部32と電極保持部30とは、例えば六角ボルトのような内部を中空とする接続体33によって接続されている。すなわち、接続体33を介して接続される電極保持部30とケーブル突出部32とは、内部が繋がっており、おおよそ接続体33の内部で、電極10,11,12,13の他端と、配線とが接続されている。
【0015】
このような構造の水質センサは、図3のように、配管60に備えられる際、配管の外側から、電極保持部30の外側側面の中央近傍の外径に合わせた穴61を空け、その穴61に電極10,11,12,13を配管内の流体に接触させるように、電極保持部30が刺し入れられる。そして、ケーブル突出部32から突出しているケーブル35に束ねられた配線と接続されている端子50,51,52,53のそれぞれが電源の正極又は負極に着脱自在に接続される。
【0016】
このとき、端子50,51,52,53、すなわち、電極10,11,12,13の電源への接続方法としては、電源の正極と負極のそれぞれに、少なくとも1本の電極が接続されれば限定されるものではない。そして、電極10,11,12,13間の電位差を測定することで、電極10,11,12,13間を流れる流体の導電率を測定することができる。
【0017】
流体の導電率を測定する際、流体に適合するセル定数を有する水質センサを使用する必要がある。この水質センサのセル定数は、電極間の距離と、接液中の電極の表面積すなわち、接液中の電極の長さと太さに依存する。実施の形態1で説明する水質センサの場合、導電率を測定する電極が従来よりも多いため、同じ太さの電極を使用すれば、電源の正極と負極とのそれぞれに、電極10,11,12,13を均等となるように接続することで、表面積が大きくなる。したがって、セル定数の値が同じ従来の2本の電極からなる水質センサに比べて、電極の長さを短くすることができる。
【0018】
一例として、直径3mmの電極を用いて、本発明の水質センサと従来の水質センサとして図4のような2本の電極を使用した同型の水質センサとを比較する。この場合、本発明の水質センサ及び従来の水質センサは、電極が保持される電極保持部30の一方端面31の中心点36から一定の距離離れ、かつ各電極間の距離が均等となるように備えられている。従来の2本の電極を有する水質センサの場合、セル定数の値を0.2とすると、電極の長さは14mmである。
【0019】
一方、本発明の水質センサの場合、任意の点としての中心点36を介して対向する電極が同極となるように電源に接続すると、電極の長さが4.5mmでセル定数の値が0.2となり、電極の長さを68%短くすることができる。すなわち、図3のような例えば内径が9mmといった内径の小さな配管60に電極を備える場合、従来の2本の電極からなる水質センサでは、備え付けることができないが、本発明の水質センサであれば、水質センサを備え付けることが可能となる。したがって、配管全体の小型化が可能となり、水質センサを備えた導電率測定機器の小型化を図ることが可能となる。
【0020】
次に、実施の形態1で説明する水質センサの電極の電源への接続について説明する。電極10,11,12,13は、同じ形状で、電極保持部30の一方端面31の任意の点としての中心点を中心とした所定の半径の円上に等間隔に備えられており、各電極の表面積と、隣り合う電極間の距離及びその中心を介して対向する電極間の距離はそれぞれ同じである。セル定数の観点から実施の形態1で説明する水質センサの4本の電極の電源への接続の組み合わせは、図5乃至図7の3通りである。
【0021】
図5に示される電極の接続(平行接続)は、中心点36を介して対向する電極が異極となるような電源の正極及び負極に接続する組み合わせである。図6に示される電極の接続(クロス接続)は、中心点36を介して対向する電極が同極となるような電源の正極及び負極に接続する組み合わせである。図7に示される電極の接続(3:1接続)は、4本の電極のうち、1本を電源の正極又は負極、残りの3本の電極をそれとは異なる極となるような電源の正極及び負極に接続する組み合わせである。なお、図5乃至図7において、黒色又は白色で示される電極は、同じ色同士が同じ極に接続されていることを示している。以下、同様の図において同様に示す。
【0022】
図8は、電極の長さ及び接続の組み合わせの異なる水質センサにおけるセル定数と導電率との関係を示すグラフである。図8のように、電極の長さが同じであっても、電極の接続の組み合わせによってセル定数が変化することが分かる。この結果は、電極の長さを変えても同じ傾向にあり、4本の電極の接続の組み合わせを変えることで、異なるセル定数を有する水質センサとして機能することが分かる。
【0023】
水質センサにおいて、導電率を精密に測定する場合、流体に適合するセル定数を有する水質センサを用いる必要がある。従来では、セル定数の異なる数種の水質センサを用意する必要があったが、本発明の水質センサは、接続の組み合わせを変えることで、水質センサの形状を変えることなくセル定数を変えることができる。すなわち、1つの水質センサで対応することも可能であり、より精密な導電率の測定を行うことができる。この場合、予め水質センサのセル定数を標準溶液によって求めておき、実測する流体の状態に応じて、電源に対する電極の接続の組み合わせを適宜変更することが好ましい。
【0024】
[実施の形態2]
実施の形態1では、導電率を測定する4本の電極からなる水質センサについて説明したが、本発明の水質センサは、4本以上の電極を有するものであれば、これに限定されるものではない。実施の形態2では、導電率を測定する電極が6本の水質センサについて説明する。この実施の形態2で説明する水質センサは、電極の本数と電極の配置が異なること以外、実施の形態1と同様である。
【0025】
この水質センサの6本の電極は、図9のように、電極保持部30の一方端面31に放射状に配置されるように保持される。より詳細には、一方端面31の任意の点としての中心点36を中心に、電極が放射状に配置されている。さらには、その中心点36を中心として、所定の半径の円上に等間隔に電極が配置されている。
【0026】
そして、その電極は、中心点36を介して対向する電極が異極となるように電源の正極及び負極に接続されるとともに、6本の電極のうち3本の電極が正極、残りの3本の電極が負極となるように接続される。すなわち、隣合う電極が異極となるように接続されている。このような6本の電極を有する水質センサであっても実施の形態1と同様に流体の導電率を測定することができる。
【0027】
図10は、接液中の電極の長さの異なる水質センサにおけるセル定数と導電率との関係を示すグラフである。なお、ここでは、中心点36を介して対向する電極間の距離を12.5mmとして6本の電極を電極保持部30に保持した水質センサと、中心点36を介して対向する電極間の距離を15.5mmとして6本の電極を電極保持部30に保持した水質センサとを使用して測定されたものである。
【0028】
図10のように、電極間の距離を変えることで、セル定数が変化することがわかる。このような6本の電極を有する水質センサも、電源への電極の接続の組み合わせを変えることでセル定数を変えることができる。また、電極の数を多くすることで、電極の表面積を大きくできるため、電極の長さを短くすることができる。実施の形態2では、正極に接続される電極と負極に接続される電極との数を同数として説明したが、実施の形態1の3:1接続のように、X:Y(X及びYは自然数であって、X+Y=6を満たす)という比率となるように接続されてもよい。
【0029】
[実施の形態3]
実施の形態3では、導電率を測定する電極が8本の水質センサについて説明する。この実施の形態3で説明する水質センサは、電極の本数と電極の配置が異なること以外、実施の形態1及び2と同様である。
【0030】
この水質センサの8本の電極は、図11及び12のように、電極保持部30の一方端面31に放射状に配置されるように保持される。より詳細には、一方端面31の任意の点としての中心点36を中心に、電極が放射状に配置されている。さらには、その中心点36を中心として、所定の半径の円上に電極の一部である4本の電極がそれぞれ等間隔に電極が配置され、さらにその所定の半径よりも大きい半径の円上に残りの4本の電極がそれぞれ等間隔に電極が配置されている。そして、その電極は、中心点36を介して対向する電極が同極となるように電源の正極及び負極に接続される。
【0031】
さらには、図11に示される接続の組み合わせの場合、内側の円上に配置された4本の電極が全て同極となり、外側の円上に配置された残りの4本の電極が内側の4本の電極に対して異極となるように接続されている。図12に示される接続の組み合わせの場合は、内側と外側の円上のそれぞれに配置された4本の電極が1つおきに異極となるように接続されている。このような8本の電極を有する水質センサであっても実施の形態1と同様に流体の導電率を測定することができる。
【0032】
図13は、図11に示される接続の組み合わせによって電源の正極及び負極に接続された電極を有する水質センサにおけるセル定数と導電率との関係を示すグラフである。なお、ここでは、内側に配置される4本の電極における中心点36を介して対向する電極間の距離を7.5mm又は8.5mmとし、外側に配置される4本の電極における中心点36を介して対向する電極間の距離を12.5mm、14.5mm又は16mmとして8本の電極を電極保持部30に保持した4種類の水質センサを使用して測定されたものである。
【0033】
図13のように、内側の電極間の距離を7.5mmから8.5mmに変えると、内側と外側の電極間の距離が短くなる。したがって、セル定数が小さくなる。また、外側の電極間の距離を12.5mmから14.5mm、16mmに変えると、内側と外側の電極間の距離が長くなり、セル定数が大きくなる。
【0034】
図14は、図12に示される接続の組み合わせによって接続された電極を有する水質センサにおけるセル定数と導電率との関係を示すグラフである。なお、ここでは、図11に示される接続の組み合わせによって導電率を測定した際に使用した4種類の水質センサを使用して測定されたものである。図12に示される接続の組み合わせであっても、図11と同様に、電極間の距離によってセル定数が変わる。
【0035】
そして、図13と図14に示されるように、電源の正極及び負極への電極の接続の組み合わせを変えることで、水質センサの形状を変えることなくセル定数を変えることができる。また、電極の数を多くすることで、電極の表面積を大きくできるため、電極の長さを短くすることができる。実施の形態3では、正極に接続される電極と負極に接続される電極との数を同数として説明したが、実施の形態1の3:1接続のように、X:Y(X及びYは自然数であって、X+Y=8を満たす)という比率となるように接続されてもよい。
【0036】
[実施の形態4]
実施の形態4では、導電率を測定する電極が12本の水質センサについて説明する。この実施の形態4で説明する水質センサは、電極の本数と電極の配置が異なること以外、実施の形態1乃至3と同様である。
【0037】
この水質センサの12本の電極は、図15乃至図17ように、電極保持部30の一方端面31に放射状に配置されるように保持される。より詳細には、一方端面31の任意の点としての中心点36を中心に、電極が放射状に配置されている。さらには、その中心点36を中心として、所定の半径の円上に電極の一部である4本の電極がそれぞれ等間隔に電極が配置され、さらにその所定の半径よりも大きい半径の円上に残りの8本の電極がそれぞれ等間隔に電極が配置されている。そして、その電極は、中心点36を介して対向する電極が同極となるように電源の正極及び負極に接続される。
【0038】
さらには、図15に示される接続の組み合わせ(A)の場合、内側の円上に配置された4本の電極が全て同極となり、外側の円上に配置された残りの8本の電極が内側の4本の電極に対して異極となるように接続されている。図16に示される接続の組み合わせ(B)の場合は、内側の円上に配置された4本の電極が1つおきに異極となるように接続され、外側の円上に配置された8本の電極が2つおきに異極となるように接続されている。図17に示される接続の組み合わせ(C)の場合は、内側の円上に配置された4本の電極が1つおきに異極となるように接続され、外側の円上に配置された8本の電極が1つおきに異極となるように接続されている。
【0039】
図18は、図15乃至図17に示されるような接続の組み合わせによって電源の正極および負極に接続された電極を有する水質センサにおけるセル定数と導電率との関係を示すグラフである。なお、ここでは、内側に配置される4本の電極における中心点36を介して対向する電極間の距離を7.5mmとし、外側に配置される8本の電極における中心点36を介して対向する電極間の距離を16mmとした水質センサを使用して計測されたものである。
【0040】
図18に示されるように、電源の正極及び負極への電極の接続の組み合わせを変えることで、水質センサの形状を変えることなくセル定数を変えることができる。また、電極の数を多くすることで、電極の表面積を大きくできるため、電極の長さを短くすることができる。実施の形態4では、正極に接続される電極と負極に接続される電極との数を同数として説明したが、実施の形態1の3:1接続のように、X:Y(X及びYは自然数であって、X+Y=12を満たす)という比率となるように接続されてもよい。
【0041】
実施の形態1乃至4で説明したように、測定用の電極を4本以上とすることで、電極の長さを短くすることができるが、この電極の本数は、4本以上であればよく、奇数本であっても、偶数本であってもよい。
【0042】
また、上述のように、本発明の水質センサは、正極となる電極と、負極となる電極は、電源との接続配線を変えることで、適宜変更可能である。接続配線を変えること、すなわち、正極となる電極と負極となる電極の組み合わせを変えることで、表面積や電極間の距離が変化するため、上述したように、電極に形状や電極保持部上の位置など、すなわち水質センサの外観を変えることなくセル定数を変えることができる。このとき、電極全てを正極又は負極にする必要はなく、電源に接続されない電極があってもよい。
【0043】
さらには、電極の配線回路を変更することで、種々の機能を有する水質センサとすることもできる。例えば、上述では、電極を流体の電位差を計測するものとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、電極の配線回路を変更することで電流値を計測することも可能であり、電位差測定用の電極と電流値測定用の電極とを併存させることも可能である。さらに、水質センサで測定できる導電率や比抵抗といった水質としての物理量は、流体の汚れや温度などによって変化することもある。この場合、本発明の水質センサは、電極の一部の配線回路を変更することで、流体の汚れや温度で変化する物理量を補償するための補償用電極として使用することも可能である。すなわち、このように、電極の配線を変えることで、セル定数だけでなく、水質センサに種々の機能を持たせることもできる。
【0044】
なお、上述では導電率の測定を例に挙げて説明したが、本発明の水質センサは、導電率の逆数である比抵抗も測定可能であり、電極間を流れる流体の電流、電圧、抵抗等から測定できる物理量を水質として測定することができる。
【0045】
[実施の形態5]
上述した実施の形態1乃至4で説明した水質センサは、電極保持部の内部に複数の電極に接続された増幅器としてのアンプを備える電装部を具備していてもよい。実施の形態5では、このアンプを備える電装部を具備する水質センサについて説明する。なお、実施の形態5では、実施の形態1で説明した4本の電極を有する水質センサの電極保持部に電装部を具備させたものを説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0046】
実施の形態5で説明する水質センサは、図19及び図20のように、4本の電極10,11,12,13と、この電極10,11,12,13を保持する電極保持部30とを有している。この電極10,11,12,13と電極保持部30は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0047】
電極保持部30の他方端面側には、電極保持部30に一体形成された接続体33を介して、電装部39が備えられている。例えば、接続体33を六角ボルトのような形状とすることで、スパナ等を用いて、容易に流路に実施の形態5で説明する水質センサを備えることができる。この電装部39は、内部を中空とし、接続体33と一体形成された筐体と蓋体とから構成され、筐体における接続体33のある側とは反対側に開閉自在の蓋体が備えられた構造となっている。そして、電装部39の内部には、電極10,11,12,13によって検知した信号を増幅する増幅器としてのアンプを備えた増幅回路基板37が納められており、その増幅回路基板37から延びるケーブル38が電装部39の筐体側面から突出している。なお、この電極保持部30、接続体33、電装部39の筐体は、一体形成されているが、これらは独立した部材として構成されたものを組み立てて形成されたものであってもよい。
【0048】
各電極10,11,12,13は、電装部39内で配線を介して、増幅回路基板37のアンプの入力に接続されており、各電極10,11,12,13で検知された信号が増幅され、この増幅された信号に基づいて電流又は電圧が測定される。測定された電流又は電圧によって、導電率や比抵抗といった水質としての物理量が測定できる。
【0049】
このように、電装部39と電極10,11,12,13を保持する電極保持部30とを一体とすることで、各電極10,11,12,13から増幅回路基板37へと接続される配線が、電極保持部30と一体となっている電装部39内に納められるため、水質センサの外側に出される配線の数が少なくなり、配線と増幅回路基板37との接続の信頼性を向上させることができる。
【0050】
[実施の形態6]
実施の形態6は、図21のように、上述した実施の形態1乃至5に示された水質センサの電極保持部30に代えて、内部に内部流路71を備える電極保持部70としたものである。この電極保持部70以外の部材については、実施の形態5に示されるものと同様であるため説明を省略する。
【0051】
電極保持部70は、絶縁材料により形成され、流体が流れるL字状に屈曲した内部流路71を有する中空状の部材で、流体が流れる流路としても機能する。ここで、絶縁材料としては、耐腐食性を有する樹脂材料が適しており、例えばポリフッ化ビニリデン(Poly vinylidene fluoride:PVDF)が挙げられる。
【0052】
この電極保持部70には、流体が流れる方向(図21中矢印79方向)における内部流路71の略中央である内部流路71の屈曲部に実施の形態1と同様の電極10,11,12,13の外径に合わせた4つの穴45,46,47,48が形成されている。この穴45,46,47,48は、電極保持部70の外側と内部流路71とが接続されるような貫通穴で、この穴45,46,47,48から電極10,11,12,13の一端が内部流路71内に配設されるように差し込まれて、電極保持部70に保持される。このとき、この穴45,46,47,48は、電極10,11,12,13が保持されることで、内部流路71を流れる流体が漏れ出ないような構造となっている。
【0053】
また、電極保持部70は、一方端部に流体が流入する流体流入部72と、他方端部に流体が流出する流体流出部73とが一体形成されている。流体流入部72は、流体が流れる流路80に接続される接続部材である。この流体流入部72は、流路80の開口部81の内径よりも小さい外径を有しており、開口部81の内側に嵌め込むような形状となっている。すなわち、流路流入部72は、雄形の接続部材となる。また流路流入部72における流体が流れる方向の下流側には、開口部81の突起82と略同形の突起75が流体流入部72の外周を一周するように設けられている。そして、流体流入部72における開口部81の内側に嵌め込まれる部分には窪み76が流体流入部72の外周を一周するように形成され、この窪み76には流体が漏れ出すことを防止するためのオーリング83が備えられる。そして、流路流入部72の突起75は、開口部81の突起82とともに、板状部材を略C環状に形成した所謂クイックファスナ85に嵌め込まれ、これにより、電極保持部70と流路80とが接続される。このクイックファスナ85によって、本発明の水質センサをコネクタのように簡便に扱うことができるようになる。
【0054】
流路流出部73は、流路流入部72と略同様の形状で、流体が流れる流路80に接続される接続部材である。この流体流出部73は、図示しない流路の開口部の内径よりも小さい外径を有しており、その開口部の内側に嵌め込むような形状となっている。すなわち、流路流出部73は、雄形の接続部材となる。また流路流出部73における流体が流れる方向の下流側には、突起77が流体流出部73の外周を一周するように設けられている。そして、流体流出部73には窪み78が流体流出部73の外周を一周するように形成され、この窪み78には流体が漏れ出すことを防止するための図示しないオーリングが備えられる。流路流出部73の突起75は、流路流入部72の突起75と同様に、クイックファスナ85に嵌め込まれる。
【0055】
このように形成される実施の形態6で説明する水質センサは、流路80の開口部81を介して、流体流入部72に流入した流体が電極保持部70の内部流路71を通り、流路流出部73から流出する。このとき、この水質センサは、上述で説明したように電極10,11,12,13によって、内部流路71を流れる流体の水質を測定する。このように実施の形態6で説明する本発明の水質センサは、このような構造とすることで、簡便に水質センサを流路に備えることができる。そして、水質センサを接続する工程において、作業員が流体の流れる部位を触れてしまったり、十分かつ適切な接続を完了せずに流体を流してしまう等の可能性を低減し、水質汚染や漏水の危険性を低下させることができる。
【0056】
また、実施の形態6で説明する水質センサは、図22のように、内部流路71に配設される10,11,12,13の周囲を囲むように、外極90が備えられていてもよい。
【0057】
外極90は、電極10,11,12,13とほぼ同様の材質、例えばステンレス綱、銀、銅、黄銅、金、白金、チタンなどからなる内部を空洞とした筒状部材で、内部流路71の側面における内部流路71に配設される電極10,11,12,13の先端部分に対応する位置に備えられる。この外極90は、電装部39内の増幅回路基板37から延びる配線91に接続され、棒状の電極10,11,12,13と略同様の機能を有する。すなわち、電極10,11,12,13及び外極90によって構成される5つの電極によって流体の水質を測定することができる。したがって、この配線接続を変えることで、セル定数を変化させることも可能であり、より流体に適したセル定数を選択することができる。すなわち、より詳細に流体の水質を測定することができる。
【0058】
なお、実施の形態6では、電極保持部70に内部流路71を設けた形状となっているが、内部流路71、流体流入部72及び流体流出部73を有する流路形成体に実施の形態1乃至5で説明した水質センサの電極保持部30を保持させるようにしてもよい。この場合、流路形成体には電極保持部30の形状に合わせた保持穴が形成され、電極保持部30は電極の一端が内部流路71内に配設されるように流路形成体の保持穴に保持される。このとき、保持穴に電極保持部30が保持されることで、内部流路71を流れる流体が漏れ出ないような構造となっている。このような水質センサであっても上述と同様の効果を有するとともに、同形の電極保持部30を有するものであれば、付け替えることも容易となる。
【0059】
なお、実施の形態6で説明する本発明の水質センサは、上記の記述に限られるものではなく、例えば内部流路71に流体の温度を検出するためのサーミスタや熱電対といった感熱素子を備えたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施の形態1で説明する水質センサの側面図である。
【図2】実施の形態1で説明する水質センサの正面図である。
【図3】配管に備えた実施の形態1で説明する水質センサを示す図である。
【図4】従来の水質センサの側面図である。
【図5】実施の形態1で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の組み合わせを説明する図である。
【図6】実施の形態1で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の別の組み合わせを説明する図である。
【図7】実施の形態1で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の別の組み合わせを説明する図である。
【図8】実施の形態1で説明する水質センサにおける導電率とセル定数との関係を示すグラフである。
【図9】実施の形態2で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の組み合わせを説明する図である。
【図10】実施の形態2で説明する水質センサにおける導電率とセル定数との関係を示すグラフである。
【図11】実施の形態3で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の組み合わせを説明する図である。
【図12】実施の形態3で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の別の組み合わせを説明する図である。
【図13】図11で示される接続の組み合わせを有する実施の形態3で説明する水質センサにおける導電率とセル定数との関係を示すグラフである。
【図14】図12で示される接続の組み合わせを有する実施の形態3で説明する水質センサにおける導電率とセル定数との関係を示すグラフである。
【図15】実施の形態4で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の組み合わせを説明する図である。
【図16】実施の形態4で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の別の組み合わせを説明する図である。
【図17】実施の形態4で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の別の組み合わせを説明する図である。
【図18】実施の形態4で説明する水質センサにおける導電率とセル定数との関係を示すグラフである。
【図19】実施の形態5で説明する水質センサの側面図である。
【図20】実施の形態5で説明する水質センサの正面図である。
【図21】実施の形態6で説明する水質センサの一部切り欠き断面図である。
【図22】実施の形態6で説明する水質センサの断面図である。
【符号の説明】
【0061】
10,11,12,13 電極
30,70 電極保持部
31 一方端面
32 ケーブル突出部
33 接続体
35,38 ケーブル
36 中心点
37 増幅回路基板
39 電装部
40,41,42,43,45,46,47,48 穴
50,51,52,53 端子
60 配管
61 穴
71 内部流路
72 流体流入部
73 流体流出部
75,77,82 突起
76,78 窪み
80 流路
81 開口部
83 オーリング
90 外極
91 配線
【技術分野】
【0001】
本発明は、水質を測定するための水質センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、全有機炭素計といった水質の検査を行う機器に、導電率センサが用いられている。この導電率センサとしては、流体が流れる配管の途中に2本の棒状電極を備え、この2本の電極間の電位差を測定することで、流体の導電率を測定するものがある。このような導電率センサは、ティーなどの配管部材を用いて、配管部にねじ込みにより備え付けられる。また、水の導電率を測定するものとしては、4本の棒状電極を一列に配列させたセンサが開発されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
【特許文献1】実開昭62−203446号公報
【特許文献2】特開2001−255294号公報
【0004】
2本の棒状電極を用いる導電率センサの場合、配管部にねじ込みする際に、例えば電極の突出部分の長さが長いことで電極に配管が干渉するなど、配管部への取り付けにおいて、導電率センサ形状が大きく制限される。また、配管部に合わせて、電極の長さを短くすると、その導電率センサのセル定数が流体に適合しない場合もある。
【0005】
特許文献1及び特許文献2の導電率センサは、4本の棒状電極を使用しているが、流体の導電率の測定に使用される測定用電極は、1列に配列された電極のうち内側の2本である。すなわち、実質的に2本の電極からなる導電率センサと同様であり、同様の問題を有している。
【0006】
本発明は上記実状に鑑み、例えば細い配管などでも利用できるように、流体の導電率を測定する電極の長さを短くした水質センサを提供することを目的とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明の水質センサは、水質を測定するための4本以上の棒状電極と、前記電極を保持する電極保持部とを有し、前記電極は、前記電極保持部の端面で放射状に保持され、少なくとも1本以上が正極、かつ、少なくとも1本以上が負極として構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の水質センサによれば、流体の導電率を測定するために4本以上の電極が放射状に配置されるように電極保持部に保持される。測定用の電極の数を増加させることで、電極の表面積を維持したまま電極の長さを短くできる。すなわち、同じセル定数であっても、2本の電極からなる水質センサよりも短い電極の水質センサとなる。したがって、本発明の水質センサは、電極が配管の際に干渉することが少なくなり、配管部への取り付け時における自由度が大幅に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について、4本、6本、8本及び12本の電極を有する水質センサについて説明する。本発明の水質センサは、水質として測定する物理量に導電率を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば比抵抗といったその他水質に関わる物理量を測定することも可能である。また、電極の数として4本、6本、8本、12本という偶数本で構成される水質センサを例示するが、本発明は奇数本であってもよい。
【0010】
[実施の形態1]
実施の形態1で説明する本発明の水質センサは、図1及び図2のように、4本の電極10,11,12,13と、この電極10,11,12,13を保持する電極保持部30とを有している。
【0011】
電極10,11,12,13は、例えばステンレス綱、銀、銅、黄銅、金、白金、チタンなどからなる棒状の電極で、その一端は、所定の長さが突出するように電極保持部30に保持され、電極10,11,12,13の他端は、図示しない配線を介して、図示しない電源の正極又は負極に着脱自在に接続される端子50,51,52,53に電気的にそれぞれ接続されている。
【0012】
電極保持部30は、内部を中空とし、接続体33の接続側から一方端面31に向かって外径が小さくなる円錐台形の部材である。電極保持部30の一方端面31には、放射状に電極10,11,12,13の外形に合わせた4つの穴40,41,42,43が形成されており、この穴から電極10,11,12,13の一端が突出するように電極10,11,12,13が電極保持部30に保持される。より詳細には、一方端面31の任意の点としての中心点36を中心として、この4つの穴40,41,42,43が所定の半径の円上に形成されている。すなわち、電極10,11,12,13は、電極保持部30の一方端面31の中心点36を中心に放射状に配置されている。さらに詳細には、その中心点36を中心として、電極10,11,12,13が所定の半径の円上に配置されている。
【0013】
この穴40,41,42,43は、電極10,11,12,13同士がそれぞれ等間隔に配置されるような位置に設けられている。この穴40,41,42,43は、電極10,11,12,13が備えられることで、隙間なく密閉され、流体の導電率計測時に、流体が内部に流入しないようになっている。
【0014】
この電極保持部30の他方端面側には、後述する接続体33を介して、電極10,11,12,13の他端と電気的に接続する配線を束ねるケーブル35が突出するよう挿通されるケーブル突出部32が備えられており、このケーブル突出部32と電極保持部30とは、例えば六角ボルトのような内部を中空とする接続体33によって接続されている。すなわち、接続体33を介して接続される電極保持部30とケーブル突出部32とは、内部が繋がっており、おおよそ接続体33の内部で、電極10,11,12,13の他端と、配線とが接続されている。
【0015】
このような構造の水質センサは、図3のように、配管60に備えられる際、配管の外側から、電極保持部30の外側側面の中央近傍の外径に合わせた穴61を空け、その穴61に電極10,11,12,13を配管内の流体に接触させるように、電極保持部30が刺し入れられる。そして、ケーブル突出部32から突出しているケーブル35に束ねられた配線と接続されている端子50,51,52,53のそれぞれが電源の正極又は負極に着脱自在に接続される。
【0016】
このとき、端子50,51,52,53、すなわち、電極10,11,12,13の電源への接続方法としては、電源の正極と負極のそれぞれに、少なくとも1本の電極が接続されれば限定されるものではない。そして、電極10,11,12,13間の電位差を測定することで、電極10,11,12,13間を流れる流体の導電率を測定することができる。
【0017】
流体の導電率を測定する際、流体に適合するセル定数を有する水質センサを使用する必要がある。この水質センサのセル定数は、電極間の距離と、接液中の電極の表面積すなわち、接液中の電極の長さと太さに依存する。実施の形態1で説明する水質センサの場合、導電率を測定する電極が従来よりも多いため、同じ太さの電極を使用すれば、電源の正極と負極とのそれぞれに、電極10,11,12,13を均等となるように接続することで、表面積が大きくなる。したがって、セル定数の値が同じ従来の2本の電極からなる水質センサに比べて、電極の長さを短くすることができる。
【0018】
一例として、直径3mmの電極を用いて、本発明の水質センサと従来の水質センサとして図4のような2本の電極を使用した同型の水質センサとを比較する。この場合、本発明の水質センサ及び従来の水質センサは、電極が保持される電極保持部30の一方端面31の中心点36から一定の距離離れ、かつ各電極間の距離が均等となるように備えられている。従来の2本の電極を有する水質センサの場合、セル定数の値を0.2とすると、電極の長さは14mmである。
【0019】
一方、本発明の水質センサの場合、任意の点としての中心点36を介して対向する電極が同極となるように電源に接続すると、電極の長さが4.5mmでセル定数の値が0.2となり、電極の長さを68%短くすることができる。すなわち、図3のような例えば内径が9mmといった内径の小さな配管60に電極を備える場合、従来の2本の電極からなる水質センサでは、備え付けることができないが、本発明の水質センサであれば、水質センサを備え付けることが可能となる。したがって、配管全体の小型化が可能となり、水質センサを備えた導電率測定機器の小型化を図ることが可能となる。
【0020】
次に、実施の形態1で説明する水質センサの電極の電源への接続について説明する。電極10,11,12,13は、同じ形状で、電極保持部30の一方端面31の任意の点としての中心点を中心とした所定の半径の円上に等間隔に備えられており、各電極の表面積と、隣り合う電極間の距離及びその中心を介して対向する電極間の距離はそれぞれ同じである。セル定数の観点から実施の形態1で説明する水質センサの4本の電極の電源への接続の組み合わせは、図5乃至図7の3通りである。
【0021】
図5に示される電極の接続(平行接続)は、中心点36を介して対向する電極が異極となるような電源の正極及び負極に接続する組み合わせである。図6に示される電極の接続(クロス接続)は、中心点36を介して対向する電極が同極となるような電源の正極及び負極に接続する組み合わせである。図7に示される電極の接続(3:1接続)は、4本の電極のうち、1本を電源の正極又は負極、残りの3本の電極をそれとは異なる極となるような電源の正極及び負極に接続する組み合わせである。なお、図5乃至図7において、黒色又は白色で示される電極は、同じ色同士が同じ極に接続されていることを示している。以下、同様の図において同様に示す。
【0022】
図8は、電極の長さ及び接続の組み合わせの異なる水質センサにおけるセル定数と導電率との関係を示すグラフである。図8のように、電極の長さが同じであっても、電極の接続の組み合わせによってセル定数が変化することが分かる。この結果は、電極の長さを変えても同じ傾向にあり、4本の電極の接続の組み合わせを変えることで、異なるセル定数を有する水質センサとして機能することが分かる。
【0023】
水質センサにおいて、導電率を精密に測定する場合、流体に適合するセル定数を有する水質センサを用いる必要がある。従来では、セル定数の異なる数種の水質センサを用意する必要があったが、本発明の水質センサは、接続の組み合わせを変えることで、水質センサの形状を変えることなくセル定数を変えることができる。すなわち、1つの水質センサで対応することも可能であり、より精密な導電率の測定を行うことができる。この場合、予め水質センサのセル定数を標準溶液によって求めておき、実測する流体の状態に応じて、電源に対する電極の接続の組み合わせを適宜変更することが好ましい。
【0024】
[実施の形態2]
実施の形態1では、導電率を測定する4本の電極からなる水質センサについて説明したが、本発明の水質センサは、4本以上の電極を有するものであれば、これに限定されるものではない。実施の形態2では、導電率を測定する電極が6本の水質センサについて説明する。この実施の形態2で説明する水質センサは、電極の本数と電極の配置が異なること以外、実施の形態1と同様である。
【0025】
この水質センサの6本の電極は、図9のように、電極保持部30の一方端面31に放射状に配置されるように保持される。より詳細には、一方端面31の任意の点としての中心点36を中心に、電極が放射状に配置されている。さらには、その中心点36を中心として、所定の半径の円上に等間隔に電極が配置されている。
【0026】
そして、その電極は、中心点36を介して対向する電極が異極となるように電源の正極及び負極に接続されるとともに、6本の電極のうち3本の電極が正極、残りの3本の電極が負極となるように接続される。すなわち、隣合う電極が異極となるように接続されている。このような6本の電極を有する水質センサであっても実施の形態1と同様に流体の導電率を測定することができる。
【0027】
図10は、接液中の電極の長さの異なる水質センサにおけるセル定数と導電率との関係を示すグラフである。なお、ここでは、中心点36を介して対向する電極間の距離を12.5mmとして6本の電極を電極保持部30に保持した水質センサと、中心点36を介して対向する電極間の距離を15.5mmとして6本の電極を電極保持部30に保持した水質センサとを使用して測定されたものである。
【0028】
図10のように、電極間の距離を変えることで、セル定数が変化することがわかる。このような6本の電極を有する水質センサも、電源への電極の接続の組み合わせを変えることでセル定数を変えることができる。また、電極の数を多くすることで、電極の表面積を大きくできるため、電極の長さを短くすることができる。実施の形態2では、正極に接続される電極と負極に接続される電極との数を同数として説明したが、実施の形態1の3:1接続のように、X:Y(X及びYは自然数であって、X+Y=6を満たす)という比率となるように接続されてもよい。
【0029】
[実施の形態3]
実施の形態3では、導電率を測定する電極が8本の水質センサについて説明する。この実施の形態3で説明する水質センサは、電極の本数と電極の配置が異なること以外、実施の形態1及び2と同様である。
【0030】
この水質センサの8本の電極は、図11及び12のように、電極保持部30の一方端面31に放射状に配置されるように保持される。より詳細には、一方端面31の任意の点としての中心点36を中心に、電極が放射状に配置されている。さらには、その中心点36を中心として、所定の半径の円上に電極の一部である4本の電極がそれぞれ等間隔に電極が配置され、さらにその所定の半径よりも大きい半径の円上に残りの4本の電極がそれぞれ等間隔に電極が配置されている。そして、その電極は、中心点36を介して対向する電極が同極となるように電源の正極及び負極に接続される。
【0031】
さらには、図11に示される接続の組み合わせの場合、内側の円上に配置された4本の電極が全て同極となり、外側の円上に配置された残りの4本の電極が内側の4本の電極に対して異極となるように接続されている。図12に示される接続の組み合わせの場合は、内側と外側の円上のそれぞれに配置された4本の電極が1つおきに異極となるように接続されている。このような8本の電極を有する水質センサであっても実施の形態1と同様に流体の導電率を測定することができる。
【0032】
図13は、図11に示される接続の組み合わせによって電源の正極及び負極に接続された電極を有する水質センサにおけるセル定数と導電率との関係を示すグラフである。なお、ここでは、内側に配置される4本の電極における中心点36を介して対向する電極間の距離を7.5mm又は8.5mmとし、外側に配置される4本の電極における中心点36を介して対向する電極間の距離を12.5mm、14.5mm又は16mmとして8本の電極を電極保持部30に保持した4種類の水質センサを使用して測定されたものである。
【0033】
図13のように、内側の電極間の距離を7.5mmから8.5mmに変えると、内側と外側の電極間の距離が短くなる。したがって、セル定数が小さくなる。また、外側の電極間の距離を12.5mmから14.5mm、16mmに変えると、内側と外側の電極間の距離が長くなり、セル定数が大きくなる。
【0034】
図14は、図12に示される接続の組み合わせによって接続された電極を有する水質センサにおけるセル定数と導電率との関係を示すグラフである。なお、ここでは、図11に示される接続の組み合わせによって導電率を測定した際に使用した4種類の水質センサを使用して測定されたものである。図12に示される接続の組み合わせであっても、図11と同様に、電極間の距離によってセル定数が変わる。
【0035】
そして、図13と図14に示されるように、電源の正極及び負極への電極の接続の組み合わせを変えることで、水質センサの形状を変えることなくセル定数を変えることができる。また、電極の数を多くすることで、電極の表面積を大きくできるため、電極の長さを短くすることができる。実施の形態3では、正極に接続される電極と負極に接続される電極との数を同数として説明したが、実施の形態1の3:1接続のように、X:Y(X及びYは自然数であって、X+Y=8を満たす)という比率となるように接続されてもよい。
【0036】
[実施の形態4]
実施の形態4では、導電率を測定する電極が12本の水質センサについて説明する。この実施の形態4で説明する水質センサは、電極の本数と電極の配置が異なること以外、実施の形態1乃至3と同様である。
【0037】
この水質センサの12本の電極は、図15乃至図17ように、電極保持部30の一方端面31に放射状に配置されるように保持される。より詳細には、一方端面31の任意の点としての中心点36を中心に、電極が放射状に配置されている。さらには、その中心点36を中心として、所定の半径の円上に電極の一部である4本の電極がそれぞれ等間隔に電極が配置され、さらにその所定の半径よりも大きい半径の円上に残りの8本の電極がそれぞれ等間隔に電極が配置されている。そして、その電極は、中心点36を介して対向する電極が同極となるように電源の正極及び負極に接続される。
【0038】
さらには、図15に示される接続の組み合わせ(A)の場合、内側の円上に配置された4本の電極が全て同極となり、外側の円上に配置された残りの8本の電極が内側の4本の電極に対して異極となるように接続されている。図16に示される接続の組み合わせ(B)の場合は、内側の円上に配置された4本の電極が1つおきに異極となるように接続され、外側の円上に配置された8本の電極が2つおきに異極となるように接続されている。図17に示される接続の組み合わせ(C)の場合は、内側の円上に配置された4本の電極が1つおきに異極となるように接続され、外側の円上に配置された8本の電極が1つおきに異極となるように接続されている。
【0039】
図18は、図15乃至図17に示されるような接続の組み合わせによって電源の正極および負極に接続された電極を有する水質センサにおけるセル定数と導電率との関係を示すグラフである。なお、ここでは、内側に配置される4本の電極における中心点36を介して対向する電極間の距離を7.5mmとし、外側に配置される8本の電極における中心点36を介して対向する電極間の距離を16mmとした水質センサを使用して計測されたものである。
【0040】
図18に示されるように、電源の正極及び負極への電極の接続の組み合わせを変えることで、水質センサの形状を変えることなくセル定数を変えることができる。また、電極の数を多くすることで、電極の表面積を大きくできるため、電極の長さを短くすることができる。実施の形態4では、正極に接続される電極と負極に接続される電極との数を同数として説明したが、実施の形態1の3:1接続のように、X:Y(X及びYは自然数であって、X+Y=12を満たす)という比率となるように接続されてもよい。
【0041】
実施の形態1乃至4で説明したように、測定用の電極を4本以上とすることで、電極の長さを短くすることができるが、この電極の本数は、4本以上であればよく、奇数本であっても、偶数本であってもよい。
【0042】
また、上述のように、本発明の水質センサは、正極となる電極と、負極となる電極は、電源との接続配線を変えることで、適宜変更可能である。接続配線を変えること、すなわち、正極となる電極と負極となる電極の組み合わせを変えることで、表面積や電極間の距離が変化するため、上述したように、電極に形状や電極保持部上の位置など、すなわち水質センサの外観を変えることなくセル定数を変えることができる。このとき、電極全てを正極又は負極にする必要はなく、電源に接続されない電極があってもよい。
【0043】
さらには、電極の配線回路を変更することで、種々の機能を有する水質センサとすることもできる。例えば、上述では、電極を流体の電位差を計測するものとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、電極の配線回路を変更することで電流値を計測することも可能であり、電位差測定用の電極と電流値測定用の電極とを併存させることも可能である。さらに、水質センサで測定できる導電率や比抵抗といった水質としての物理量は、流体の汚れや温度などによって変化することもある。この場合、本発明の水質センサは、電極の一部の配線回路を変更することで、流体の汚れや温度で変化する物理量を補償するための補償用電極として使用することも可能である。すなわち、このように、電極の配線を変えることで、セル定数だけでなく、水質センサに種々の機能を持たせることもできる。
【0044】
なお、上述では導電率の測定を例に挙げて説明したが、本発明の水質センサは、導電率の逆数である比抵抗も測定可能であり、電極間を流れる流体の電流、電圧、抵抗等から測定できる物理量を水質として測定することができる。
【0045】
[実施の形態5]
上述した実施の形態1乃至4で説明した水質センサは、電極保持部の内部に複数の電極に接続された増幅器としてのアンプを備える電装部を具備していてもよい。実施の形態5では、このアンプを備える電装部を具備する水質センサについて説明する。なお、実施の形態5では、実施の形態1で説明した4本の電極を有する水質センサの電極保持部に電装部を具備させたものを説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0046】
実施の形態5で説明する水質センサは、図19及び図20のように、4本の電極10,11,12,13と、この電極10,11,12,13を保持する電極保持部30とを有している。この電極10,11,12,13と電極保持部30は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0047】
電極保持部30の他方端面側には、電極保持部30に一体形成された接続体33を介して、電装部39が備えられている。例えば、接続体33を六角ボルトのような形状とすることで、スパナ等を用いて、容易に流路に実施の形態5で説明する水質センサを備えることができる。この電装部39は、内部を中空とし、接続体33と一体形成された筐体と蓋体とから構成され、筐体における接続体33のある側とは反対側に開閉自在の蓋体が備えられた構造となっている。そして、電装部39の内部には、電極10,11,12,13によって検知した信号を増幅する増幅器としてのアンプを備えた増幅回路基板37が納められており、その増幅回路基板37から延びるケーブル38が電装部39の筐体側面から突出している。なお、この電極保持部30、接続体33、電装部39の筐体は、一体形成されているが、これらは独立した部材として構成されたものを組み立てて形成されたものであってもよい。
【0048】
各電極10,11,12,13は、電装部39内で配線を介して、増幅回路基板37のアンプの入力に接続されており、各電極10,11,12,13で検知された信号が増幅され、この増幅された信号に基づいて電流又は電圧が測定される。測定された電流又は電圧によって、導電率や比抵抗といった水質としての物理量が測定できる。
【0049】
このように、電装部39と電極10,11,12,13を保持する電極保持部30とを一体とすることで、各電極10,11,12,13から増幅回路基板37へと接続される配線が、電極保持部30と一体となっている電装部39内に納められるため、水質センサの外側に出される配線の数が少なくなり、配線と増幅回路基板37との接続の信頼性を向上させることができる。
【0050】
[実施の形態6]
実施の形態6は、図21のように、上述した実施の形態1乃至5に示された水質センサの電極保持部30に代えて、内部に内部流路71を備える電極保持部70としたものである。この電極保持部70以外の部材については、実施の形態5に示されるものと同様であるため説明を省略する。
【0051】
電極保持部70は、絶縁材料により形成され、流体が流れるL字状に屈曲した内部流路71を有する中空状の部材で、流体が流れる流路としても機能する。ここで、絶縁材料としては、耐腐食性を有する樹脂材料が適しており、例えばポリフッ化ビニリデン(Poly vinylidene fluoride:PVDF)が挙げられる。
【0052】
この電極保持部70には、流体が流れる方向(図21中矢印79方向)における内部流路71の略中央である内部流路71の屈曲部に実施の形態1と同様の電極10,11,12,13の外径に合わせた4つの穴45,46,47,48が形成されている。この穴45,46,47,48は、電極保持部70の外側と内部流路71とが接続されるような貫通穴で、この穴45,46,47,48から電極10,11,12,13の一端が内部流路71内に配設されるように差し込まれて、電極保持部70に保持される。このとき、この穴45,46,47,48は、電極10,11,12,13が保持されることで、内部流路71を流れる流体が漏れ出ないような構造となっている。
【0053】
また、電極保持部70は、一方端部に流体が流入する流体流入部72と、他方端部に流体が流出する流体流出部73とが一体形成されている。流体流入部72は、流体が流れる流路80に接続される接続部材である。この流体流入部72は、流路80の開口部81の内径よりも小さい外径を有しており、開口部81の内側に嵌め込むような形状となっている。すなわち、流路流入部72は、雄形の接続部材となる。また流路流入部72における流体が流れる方向の下流側には、開口部81の突起82と略同形の突起75が流体流入部72の外周を一周するように設けられている。そして、流体流入部72における開口部81の内側に嵌め込まれる部分には窪み76が流体流入部72の外周を一周するように形成され、この窪み76には流体が漏れ出すことを防止するためのオーリング83が備えられる。そして、流路流入部72の突起75は、開口部81の突起82とともに、板状部材を略C環状に形成した所謂クイックファスナ85に嵌め込まれ、これにより、電極保持部70と流路80とが接続される。このクイックファスナ85によって、本発明の水質センサをコネクタのように簡便に扱うことができるようになる。
【0054】
流路流出部73は、流路流入部72と略同様の形状で、流体が流れる流路80に接続される接続部材である。この流体流出部73は、図示しない流路の開口部の内径よりも小さい外径を有しており、その開口部の内側に嵌め込むような形状となっている。すなわち、流路流出部73は、雄形の接続部材となる。また流路流出部73における流体が流れる方向の下流側には、突起77が流体流出部73の外周を一周するように設けられている。そして、流体流出部73には窪み78が流体流出部73の外周を一周するように形成され、この窪み78には流体が漏れ出すことを防止するための図示しないオーリングが備えられる。流路流出部73の突起75は、流路流入部72の突起75と同様に、クイックファスナ85に嵌め込まれる。
【0055】
このように形成される実施の形態6で説明する水質センサは、流路80の開口部81を介して、流体流入部72に流入した流体が電極保持部70の内部流路71を通り、流路流出部73から流出する。このとき、この水質センサは、上述で説明したように電極10,11,12,13によって、内部流路71を流れる流体の水質を測定する。このように実施の形態6で説明する本発明の水質センサは、このような構造とすることで、簡便に水質センサを流路に備えることができる。そして、水質センサを接続する工程において、作業員が流体の流れる部位を触れてしまったり、十分かつ適切な接続を完了せずに流体を流してしまう等の可能性を低減し、水質汚染や漏水の危険性を低下させることができる。
【0056】
また、実施の形態6で説明する水質センサは、図22のように、内部流路71に配設される10,11,12,13の周囲を囲むように、外極90が備えられていてもよい。
【0057】
外極90は、電極10,11,12,13とほぼ同様の材質、例えばステンレス綱、銀、銅、黄銅、金、白金、チタンなどからなる内部を空洞とした筒状部材で、内部流路71の側面における内部流路71に配設される電極10,11,12,13の先端部分に対応する位置に備えられる。この外極90は、電装部39内の増幅回路基板37から延びる配線91に接続され、棒状の電極10,11,12,13と略同様の機能を有する。すなわち、電極10,11,12,13及び外極90によって構成される5つの電極によって流体の水質を測定することができる。したがって、この配線接続を変えることで、セル定数を変化させることも可能であり、より流体に適したセル定数を選択することができる。すなわち、より詳細に流体の水質を測定することができる。
【0058】
なお、実施の形態6では、電極保持部70に内部流路71を設けた形状となっているが、内部流路71、流体流入部72及び流体流出部73を有する流路形成体に実施の形態1乃至5で説明した水質センサの電極保持部30を保持させるようにしてもよい。この場合、流路形成体には電極保持部30の形状に合わせた保持穴が形成され、電極保持部30は電極の一端が内部流路71内に配設されるように流路形成体の保持穴に保持される。このとき、保持穴に電極保持部30が保持されることで、内部流路71を流れる流体が漏れ出ないような構造となっている。このような水質センサであっても上述と同様の効果を有するとともに、同形の電極保持部30を有するものであれば、付け替えることも容易となる。
【0059】
なお、実施の形態6で説明する本発明の水質センサは、上記の記述に限られるものではなく、例えば内部流路71に流体の温度を検出するためのサーミスタや熱電対といった感熱素子を備えたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施の形態1で説明する水質センサの側面図である。
【図2】実施の形態1で説明する水質センサの正面図である。
【図3】配管に備えた実施の形態1で説明する水質センサを示す図である。
【図4】従来の水質センサの側面図である。
【図5】実施の形態1で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の組み合わせを説明する図である。
【図6】実施の形態1で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の別の組み合わせを説明する図である。
【図7】実施の形態1で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の別の組み合わせを説明する図である。
【図8】実施の形態1で説明する水質センサにおける導電率とセル定数との関係を示すグラフである。
【図9】実施の形態2で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の組み合わせを説明する図である。
【図10】実施の形態2で説明する水質センサにおける導電率とセル定数との関係を示すグラフである。
【図11】実施の形態3で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の組み合わせを説明する図である。
【図12】実施の形態3で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の別の組み合わせを説明する図である。
【図13】図11で示される接続の組み合わせを有する実施の形態3で説明する水質センサにおける導電率とセル定数との関係を示すグラフである。
【図14】図12で示される接続の組み合わせを有する実施の形態3で説明する水質センサにおける導電率とセル定数との関係を示すグラフである。
【図15】実施の形態4で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の組み合わせを説明する図である。
【図16】実施の形態4で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の別の組み合わせを説明する図である。
【図17】実施の形態4で説明する水質センサの電極を電源に接続する際の別の組み合わせを説明する図である。
【図18】実施の形態4で説明する水質センサにおける導電率とセル定数との関係を示すグラフである。
【図19】実施の形態5で説明する水質センサの側面図である。
【図20】実施の形態5で説明する水質センサの正面図である。
【図21】実施の形態6で説明する水質センサの一部切り欠き断面図である。
【図22】実施の形態6で説明する水質センサの断面図である。
【符号の説明】
【0061】
10,11,12,13 電極
30,70 電極保持部
31 一方端面
32 ケーブル突出部
33 接続体
35,38 ケーブル
36 中心点
37 増幅回路基板
39 電装部
40,41,42,43,45,46,47,48 穴
50,51,52,53 端子
60 配管
61 穴
71 内部流路
72 流体流入部
73 流体流出部
75,77,82 突起
76,78 窪み
80 流路
81 開口部
83 オーリング
90 外極
91 配線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の水質を測定するための4本以上の棒状電極と、
前記電極を保持する電極保持部とを有し、
前記電極は、前記電極保持部の端面で放射状に保持され、少なくとも1本以上が正極、かつ、少なくとも1本以上が負極として構成されることを特徴とする水質センサ。
【請求項2】
前記電極は、前記正極として構成される電極と、前記負極として構成される電極の組み合わせを変えることを特徴とする請求項1に記載の水質センサ。
【請求項3】
前記電極保持部には、複数の前記電極に接続された増幅器を備える電装部が一体形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の水質センサ。
【請求項4】
前記電極保持部は、
前記流体が流れる内部流路が形成され、一方端部に前記流体を流入させ、前記流体が流れる流路と接続される流体流入部と、他方端部に前記流体を流出させ、前記流体が流れる流路と接続される流体流出部とを備え、前記電極の一端が前記内部流路内に配設されるように前記電極を保持することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の水質センサ。
【請求項5】
前記流体流入部及び/又は前記流体流出部は、前記流路とクイックファスナによって接続されることを特徴とする請求項4に記載の水質センサ。
【請求項1】
流体の水質を測定するための4本以上の棒状電極と、
前記電極を保持する電極保持部とを有し、
前記電極は、前記電極保持部の端面で放射状に保持され、少なくとも1本以上が正極、かつ、少なくとも1本以上が負極として構成されることを特徴とする水質センサ。
【請求項2】
前記電極は、前記正極として構成される電極と、前記負極として構成される電極の組み合わせを変えることを特徴とする請求項1に記載の水質センサ。
【請求項3】
前記電極保持部には、複数の前記電極に接続された増幅器を備える電装部が一体形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の水質センサ。
【請求項4】
前記電極保持部は、
前記流体が流れる内部流路が形成され、一方端部に前記流体を流入させ、前記流体が流れる流路と接続される流体流入部と、他方端部に前記流体を流出させ、前記流体が流れる流路と接続される流体流出部とを備え、前記電極の一端が前記内部流路内に配設されるように前記電極を保持することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の水質センサ。
【請求項5】
前記流体流入部及び/又は前記流体流出部は、前記流路とクイックファスナによって接続されることを特徴とする請求項4に記載の水質センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2009−85851(P2009−85851A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−258116(P2007−258116)
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【出願人】(596166324)テクノ・モリオカ株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【出願人】(596166324)テクノ・モリオカ株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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