説明

水車用バケット及び該バケットを有する水車並びに前記水車から成る水車発電機

【課題】水の位置エネルギーのみならず,運動エネルギーをも同時に有効に利用することができる,水車用バケット及び該バケットを有する水車並びに前記水車から成る水車発電機の提供
【解決手段】側面に開口部20を有する少なくとも3/4円弧を占める有底箱状に形成された一つの円弧10と,前記円弧10の接線11と中心線12との交点21から前記円弧10の円周上の1の接点22へ至る接線11と,前記交点21から前記円弧10の中心Cに向かって前記円弧10の円周上の交点24に至る直線13とで画定される形状で,前記円弧10と同一半径Rで前記交点の一端24と他端25を結ぶ対称線Sで対称を成す円弧のうち,前記円弧10の中心側に位置する円弧及び前記直線13を含み前記開口部20を形成した水車用バケット及び該バケットを有する水車並びに前記水車から成る水車発電機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,水車に使用されるバケット及び該バケットを有する水車並びに前記水車から成る水車発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電力事情に関して概観すると,原油価格が高騰の一途をたどり,自然エネルギーの活用が求められる中,水力発電は,繰り返し使え(再生可能),CO排出量の少ないクリーンな電源であることから見直されつつある。
【0003】
なかでも,国土の狭い日本では,新たにダムで大きな落差を作って発電する大規模な水力発電の開発は既に難しいことから,大規模な水源を必要とせず,小規模な水源で比較的簡単な工事で発電できる小規模な水力発電が注目されている。
【0004】
小規模な水力発電のうち,特に,落差を利用する上掛け水車による発電は,構造が比較的簡単でメンテナンスが容易であり,山間地,中小河川,農業用水路,上下水道施設の他,家庭での使用が期待できる。
【0005】
従来の上掛け水車として,例えば図10に示すような水車90が一般的に知られている。水車90は,水車軸99に一体の軸承板91を有し,該軸承板91の外周壁から複数枚の長方形状羽根板92,92,……を等角度間隔で夫々直径方向に延長すると共に,各羽根板92,92,……先端側間それぞれに,円弧帯状の左右側板93,93および円筒形の底板94を結合し,水受け部95,95,……を全周囲に渡って形成し,水車90の上方に設けられた水路96から放出された水により一方向に回転する。
【0006】
しかし,上掛け水車は,主に水の落差をそのまま位置エネルギーとして,つまり水に働く重力を利用するものであるところ,利用し得る落差が小さいため発電量が少なく効率が低いことが問題点としてあった。
【0007】
そこで,下記特許文献1には,水の位置エネルギーを有効に利用することを目的としたバケット型水車が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭56−27074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図8に示すように,特許文献1に記載の水車80は,水車軸81から放射状に等間隔に延設した長さの等しい多数のクモデ(後光)83それぞれの先端に設けられた軸受けで,上部に広い開口部を持った馬蹄形の断面を有するバケット82を支持するバケット軸84を,前記バケット82が回転可能となるように軸支し,前記バケット82内が空又は満水の場合でもバケット82が常に開口部を上方に向けた位置となるように前記バケット軸84の位置を前記バケット82の重心点の上方とし,前記バケット82それぞれの軸方向の一側面に固定した凸起がバケット水車80下端付近に設置された図示しないストッパーと衝突して回転するまで,バケット82内から排水されないように構成されている。さらに,このバケット水車80は,水勢で前記バケット82から水が飛散しないように,水路から直接水を導入せずに,前記バケット水車80上方に設けた給水ノズル86からの多数の整流状にした注水によって回転する構成となっている。
【0010】
しかしながら,前記水車80には以下のような問題点がある。
【0011】
図9に示すように,前記水車80は,上述した構成から,水車の最上位付近において給水ノズル86からの注水後,バケット82が水車下端付近に設置されたストッパーと衝突して回転し,排水するまでの間バケット82の開口部を上方に向けた位置とすることでバケット82からの水の流出を防止し,水の位置エネルギーを最大限利用しようとするものであるが,水の持つ運動エネルギーについては十分に利用しているといえない。
【0012】
水車上方に設けられた放水路から放出された水は一定の流速を持っているので,水が持つエネルギーは,位置エネルギーの他に,運動エネルギーをも有している。
【0013】
すなわち,上掛け水車は,水の位置エネルギーのみでなく,水の運動エネルギーについても利用しようとすることが可能であるが,ここで,水の運動エネルギーを利用する目的は,水車の羽根板又はバケットに水を衝突させることで,水車の回転に必要なモーメントを得ることによる。
【0014】
前記モーメントは,半径Rの水車の円周接線方向に水の衝突による力Fが作用すると,この水車はN=R×Fのモーメントで回転運動することになる。通常,水車の半径Rの値は一定なので,モーメントN(=R×F)の大小は,水車の円周接線方向の力Fに依存する。
【0015】
そこで,上述した水の持つ運動エネルギーに関し,特許文献1に記載のバケット水車80を半径(クモデの長さ)R’の円とみた場合,前記バケット水車80は,垂直に水が流れるように給水ノズル86を使用していることから,給水ノズル86から放出された水が垂直方向にバケット82に衝突した場合,つまり,バケット82に対し水の進行方向(垂直方向)に力F’が作用した場合,バケット水車80の円周接線方向にはF’・cosθの力が作用したことになる。なお,前記θは,給水ノズル86から注水される水の進行方向(垂直方向)のベクトルAと水車80の円周接線方向のベクトルBとがなす角である。また,前記θは図9中の水車軸81を通り水平方向に伸びるX軸とクモデ83とが成す角θ’と大きさが同じである。
【0016】
また,バケット82に充填された水の位置エネルギーを有効に活用するには,バケット水車80の最上位点付近から水を導入する必要があるが,図9中の前記θは90度に近くなり,cosθの値は0に近づき,水車を回転させようとする作用の大きさモーメントN(=R×F’・cosθ)の値も0に近づく。従って,この場合,水がバケット82に衝突する力F’の殆どはモーメントNに対して無駄となり,前記バケット水車80は水の持つ運動エネルギーを十分に利用できない。また,水勢で水が飛散しないように給水ノズル86より多数の整流状にしてから注水しているので,給水ノズル86を用いずそのまま放水路から導入される水に比べ速度が低下していることから,前記F’の値は小さい。
【0017】
すなわち,特許文献1に示すような回転自在に軸承したバケットを有する上掛け水車については,理論上,水の位置エネルギーを有効利用するには,水車の垂直方向最上位においてバケット内に水を満たし,その上さらに水の運動エネルギーを有効利用するには,放水路から水を水車の最上位における円周接線方向(水平方向)に放出してバケット内に水を導入させること,つまり,前記θの値を0とすることが好適であるが,これに近づけるために,前記バケット水車80の最上位において,給水ノズル86を用いずに放水路88の水平方向近傍の下方に,放出された水を導入しようとすれば,放出された水がバケット82の開口部に対して略平行に進むのでバケット82の直径方向の内壁面に衝突し,バケット自体に回転力が加えられ,バケット82に水を確保しておくことが難しい。
【0018】
すると,前記バケット82に対しては,放水路88から放出された水が重力により下方に向いた状態にならないと導入できないが,この場合,上述した通り,前記θの値が大きくなり水がバケット82に衝突する力の殆どはモーメントNに対して無駄となり,前記バケット水車80は水の持つ運動エネルギーを十分に利用できない。
【0019】
かように,特許文献1に記載の水車80について,給水ノズル86を用いずに,放水路から水を勢いそのままに導入すると,水がバケット82の底に当たって飛散し上部の広い開口部から水が溢れあるいは飛散したり,水がバケット82の底に当たった衝撃でバケット82が押し込まれるように回転して傾きバケット82から水がこぼれ,位置エネルギーの損失が生じやすくなる。
【0020】
以上から,特許文献1に記載のバケット水車80では,水の持つ位置エネルギー及び運動エネルギー両方を同時に有効利用することが難しい。
【0021】
そこで,本発明は,水の位置エネルギーのみならず,運動エネルギーをも同時に有効に利用することができる,水車用バケット及び該バケットを有する水車並びに前記水車から成る水車発電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
【0023】
前記課題を解決するために,本発明の水車用バケット1は,一つの円弧10の少なくとも3/4円弧から成り,前記円弧10の中心線12の延長線と,前記円弧10の一の接点22(22’)における接線11(11’)との交点21(21’)に至り,該交点から前記円弧10の円周上の一端に位置する交点24において,前記円弧10の中心線12に連通する直線13とで画定される二の側面23a,23bを,所定間隔を介して対峙し,底面33と共に,前記少なくとも3/4円弧を被覆する空間を形成すると共に,前記円弧10と同一半径Rで,前記円弧の交点の一端24と他端25を結ぶ対称線Sで対称を成す円弧のうち,前記円弧10の中心側に位置する1/4円弧15と,該円弧15に連続する前記直線13から成る曲線及び直線を含んで画定される開口部20(20’)から成る有底箱状に形成したことを特徴とする(請求項1)。
【0024】
本発明のバケットの開口部20(20’)は,前記対称線Sと,前記直線13で画定されることを特徴とする(請求項2)。
【0025】
前記バケット1に接点22から前記円弧10の中心に向かって抵抗板31を設けることができる(請求項3)。
【0026】
前記抵抗板31の基端部において,前記円弧側に貫通する水抜き穴32を,実施形態では,3箇所に設ける(請求項4)。
【0027】
又,前記バケット1に前記対称線Sの他端25から円弧10の中心Cに向かって補強板26を設けることができる(請求項5)。
【0028】
前記開口部20は,前記円弧10と同一半径Rで前記交点の一端24と他端25を結ぶ対称線S及び前記直線13から形成することができる(請求項6,図1(B),図6,及び図7のバケット1参照)。
【0029】
本発明の水車40は,水車軸51に連結する軸承板42と,水車の左右に,所定間隔を介して平行に対峙する一対の水輪箍(輪板)45と,この水輪箍と前記軸承板42間に架設されるクモデ44と,前記クモデに取り付けられるアミダ46と,このアミダ間で,前記水輪箍に配置される前記バケットから成り,
前記クモデ及びアミダは,共に同数の,実施形態ではそれぞれ,8組ずつ水車40の左右(図5)にそれぞれ対をなして,計16本,前記水車軸を介して軸方向に所定間隔を介して設けられる。
【0030】
前記クモデは,軸承板4と水輪箍間に取り付けられる。すなわち,前記クモデは,一端を水車軸51に固着された前記軸承板42から等角度の放射状に,8組配設し,他端を水輪箍45に固着する。
【0031】
そして,前記アミダは,前記クモデ44の隣接する2本のクモデ44h,44aの軸承板42の固着端である一端からそれぞれ約1/3の距離において,このアミダ46aの一端側を前記各クモデ44h,44aの前記位置にそれぞれ取り付け,このアミダ46aの他端を,前記隣接する2本のクモデの水車40の回転方向に位置するクモデ44bの隣接するクモデ44cの他端近傍に固着し,
さらに,前記クモデ44a,44bの前記取付面の反対面で前記位置に,前記アミダに隣接するアミダ46bの一端を,他端を,隣接するクモデ44cに取り付けると共に,
実施形態ではそれぞれ,順次,8組ずつ水車40の左右(図5)にそれぞれ対をなして,計16本,前記水車軸の軸方向に所定間隔を介して平行に設けられている。
【0032】
かようにして,合計8組左右1対の16本のクモデとアミダを取り付け,前記水輪箍の隣接する2のクモデとアミダ間には,2のバケットをそれぞれ配置し,計16個のバケットが設けられる(請求項7,8)。
【0033】
又,本発明の水車は,前記バケットを水輪箍45に回転自在に支持し,前記バケット1に係合板49を懸吊し,バケットの水車40における最下位において,前記係合板を水車40外に設けたストッパー59に係合自在に設けることができる(請求項9)。
【0034】
また,前記バケットを水輪箍45に回転自在に支持し,前記バケット1に重り47を懸吊し,該重り47を,水車40の最下位において,水車外に設けたストッパー59と衝突させて,バケット1を回転させ排水することができる(請求項10,図7)。
【0035】
加えて,前記水車は,前記水車40の水を保持している側の略垂直方向中央から下端近傍まで,水車40の回転軌跡外周下方に樋状のカバー62により覆うように設けることができる(請求項11)。
【0036】
さらに,前記放水路の先端の水平方向近傍の下方に,水車の垂直方向最上位のバケットの開口部20を臨ませて配置することができる(請求項12)。
【0037】
なお,本発明水車を前記上掛け水車と同時に,下方のバケットを流水に埋没させ,下掛け水車としても使用することにより,より多くの回転力を得ることが出来る。
【発明の効果】
【0038】
上述した構成から成る本発明の水車用バケット1によれば,放水路の水平方向近傍の下方に放出される水でも効率よく導入でき,水がバケット1から溢れあるいは飛散しにくくなる。
【0039】
さらに,本発明のバケット1に抵抗板31を設けた場合は,バケット1に設けられた前記抵抗板31が,放水路から放出された水の進行方向に対して略直交する堰となることから,バケット1の円弧状の底に直接衝突する場合に比べ,放水路60から放出される水の運動エネルギーを,水車の回転エネルギーとしてより効果的に利用できる。
【0040】
また,本発明のバケット1に前記水抜き穴32を形成した場合は,前記抵抗板31を設けたバケット1について,排水時,前記抵抗板31が堰となってバケット1内に残留した水を全て排出することができる。
【0041】
また,本発明のバケット1に補強板26を設けた場合,バケット1に導入された水がバケット1の底に当たってバケット1の円弧状の底に沿って跳ね返る際に前記補強板26が堰となって水が溢れあるいは飛散しにくくなり,水の位置エネルギーの損失を防ぐことができる。
【0042】
本発明の水車は,上述した本発明のバケット1を備えた水車40により,前記水車40の垂直方向最上位において前記放水路60の水平方向近傍の下方に,放出される水を前記バケット1に導入させることができ,水の位置エネルギー及び運動エネルギーを同時に,水車の回転エネルギーとして有効利用して発電量を増やすことができる。
【0043】
また,本発明の水車について,水車40のバケット1を回転可能に軸支した場合,水車最上位において導入された水の自重によりバケット1の姿勢が保たれることで,水車の最下位においてバケット1が回転するまでバケット1から排出されないことから,水の位置エネルギーをさらに有効に利用することができる。
【0044】
また,本発明の水車について,図4に示すように,水車40の水を排出前の保持している側の垂直方向中央から下端付近まで,水車40の外周に沿って覆うように樋状のカバー62を設けた場合,前記カバー62により,バケット1から落下した水又はバケット1に導入されなかった水がカバー62内を流れ,このカバー62内のバケット1に再度投入され,残余は,排水路54に流出することで水車40を回転させるモーメントとして働き,水の位置エネルギー及び運動エネルギーの損失を補うことができる。
【0045】
本発明の水車について,前記放水路60の先端が,水車40の垂直方向最上位のバケット1に対して略水平方向の下方近傍に水が放出されるように,水車40に向けて放出する水流の向きを調整する水流変更部材を放水路60に配置した場合は,水の作用によるモーメントN(=R×F・cosθ)に対する無駄がなくなり,水の運動エネルギーについて十分に利用することができ,水車発電機として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】(A)は,本発明に係る水車用バケットの基本的な実施形態の側面図,(B)は,斜視図,
【図2】本発明に係る水車用バケットの実施形態の部分拡大図,
【図3】本発明に係る水車用バケットの実施形態の部分拡大図,
【図4】本発明に係る実施形態の水車用バケット示す基本的な実施形態の側面図,
【図5】図4に示す水車用バケットを用いた水車発電機の正面図,
【図6】図4に示す水車用バケットを用いた水車40に作用する水のモーメントの説明図,
【図7】バケット1に衝突した水の流れを示す図,
【図8】従来のバケット型水車を示した側面図,
【図9】図8に示す従来のバケット水車に作用する水のモーメントに関する図,
【図10】従来の上掛け水車を例示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下,本発明の水車用バケット及び該バケットを有する水車を水車発電機の実施形態と共に,それぞれ詳細に説明する。
【0048】
バケット
図1(A),(B)に示すように,本実施形態のバケット1は,一側面23aと,この一側面と展開時,対称に形成され,所定間隔,実施形態では,250mmを介して平行に対峙する他側面23bと,前記一側面及び他側面の外周と同一曲率で形成され,前記両面部の外周に設けられた底面を成す底面33と,前記一側面23a及び他側面23bの外周により画定される開口部とから成る。
【0049】
前記一側面23a及び他側面23bは,実施形態では,直径300mmの少なくとも3/4円弧状を成し,この円弧の一端24を通過する中心線12を延長した直線13と,この直線13に交わる前記円弧の接線11,ここでは,前記中心線から45°に位置する接点22からの接線11との交点21で,前記直線13により,前記円弧より略三角形状に膨出した一の端部面を成す膨出部27(27’)を有する一側面23a及び他側面23bが形成される。そして,前記3/4円弧の一端24の反対方向の端縁で,一側面23a及び他側面23bの他端25が画定される。
【0050】
さらに,一実施形態においては,前記3/4円弧の直線13との交点ないし前記一端24と,前記円弧の他端25間の対称線Sにおいて,前記円弧10と同一半径Rで対称を成す円弧のうち,前記円弧10の中心側に位置する円弧15を少なくとも含む,ここでは,円弧及び直線から成る開口部20を形成する。かように,開口部20を有する一側面及び他側面と底面により,金属製の水密状に連結あるいは,プレス成形し,又は,合成樹脂などで一体成形し,有底箱状のバケット1が構成される。
【0051】
他の実施形態においては,前記開口部20は,前記一端24及び他端25間の対称線S及び前記直線13の二の直線部から形成することができる。
【0052】
なお,前記接線11は,同図(A)に示すように,前記直線13の延長線上に交点を得られる接点22’における接線11’として形成し,前記円弧より略三角形状に膨出した一の端部面を成す膨出部27の容量を大きくすることも出来る。放水路からの水量が多大となるような場合には,かような構成が有効である。
【0053】
本発明のバケット1の他の実施形態は,図2に示すように,前記実施形態のバケット1に接点22から円弧10の中心Cに向かって一側面23a及び他側面23b間に抵抗板31を設けた構造である。必ずしも抵抗板31により一側面23a及び他側面23b間を閉塞する必要はない。
【0054】
必要に応じ,前記抵抗板31の基端部に,下向きU事情の水抜き穴32が形成されている。また,前記水抜き穴32は,前記抵抗板近傍の前記バケット1の一側面23aないし他側面23b又は前記底面33にも形成可能である。なお,前記水抜き穴32の大きさは適宜変更可能である。
【0055】
さらに,図3に示すように,前記実施形態のバケット1に前記対称線Sの他端25から円弧10の中心Cに向かって補強板26を設けている。
【0056】
上述した各実施形態のバケット1は,取り付けることできれば水車の構造に関し特に限定はなく,従来の各種水車に使用することができる。
【0057】
バケットを備えた水車及び水車発電機
続いて,上述した本発明のバケット1を備えた本発明の水車及び水車発電機の実施形態について説明する。
【0058】
図4〜図7に示すように,本実施形態の水車発電機70は,放水路60と,放水路60から放出された水により一方向に回転する水車40とを備え,水車40の回転で,水車軸41が回転することによりこれに直結駆動される発電機52a,bを設けたものである。
【0059】
図4及び図5において,前記水車40は,水車軸51に連結する軸承板42と,水車の左右両面に,所定間隔すなわち,バケットを両箍間に支持し得る間隔を介して平行に対峙する一対の,水車の外径を画定する,水輪箍(輪板)45と,この水輪箍と前記軸承板42間に架設される,左右片面で8組,表裏で16本となるクモデ44と,アミダ46から成る。
【0060】
前記クモデ及びアミダは,共に8本ずつ水車40の左右(図5)又は図4紙面表裏にそれぞれ対をなして,前記軸承板42の軸方向に所定間隔を介して平行に設けられる。従って,以下のクモデ44と,アミダ46に関する説明は,図4において述べることにし,同様の構成が図4紙面背面側にも以下の符号に対応する部材として存在するため,図5における説明を除き,省略する。
【0061】
前記クモデ44は,一端を,水車軸51に固着された前記軸承板42から等角度の放射状に8組(表裏で16本)配設し,他端を水輪箍45に固着する。そして,前記クモデ44の隣接する2本のクモデ44h,44aの軸承板42の固着端である一端からそれぞれ約1/3の距離において,図4紙面前方に,前記クモデより若干長いアミダ46aの一端側を前記各クモデ44h,44aの図4紙面前方において,前記位置にそれぞれ取り付け,このアミダ46aの他端を,前記隣接する2本のクモデの水車40の回転方向に位置するクモデ44bの隣接するクモデ44cの他端近傍(水輪箍45の内側)で同図紙面前方に固着する。
【0062】
次に,クモデ44a,44bの図4紙面後方で,前記位置に,アミダ46bの一端を,他端を沈設するクモデ44cに取り付ける。順次,以下の組み合わせにおいて,クモデの表裏を交互に,アミダを取り付ける。
クモデ + アミダ
44b,c 46c (図4紙面前方)
44c,d 46d (図4紙面後方)
44d,e 46e (図4紙面前方)
44e,f 46f (図4紙面後方)
44f,g 46g (図4紙面前方)
【0063】
以下,44g,hと46gまで同様に取り付け,これらを水輪箍45の同図背面側にも配置する。
【0064】
そして,前記バケット1は,表裏で,平行に対峙する一対の水輪箍45に対して,表裏で対峙して隣接する二のクモデ間に,それぞれ2台づつ,軸部材48により,計18台,支持している。
【0065】
前記軸部材48は,バケット1内を貫通する例えばボルト両端をバケット両側面23a,23bにおいてナットにより螺着してバケットを支持固定してもよいし,貫通するボルト両端にナットを溶接などにより固着することにより,回転自在にもしくは固定的に軸承してもよい。
【0066】
また,バケット1の取り付けについては,上述した通り,バケット1を支持する軸部材48を一対の水輪箍45に装着するが,図1に示す実施形態の水車においては,前記軸部材48によるバケットの装着につき,このバケット1が回転しないように固定的に固着している。
【0067】
また,前記バケット1の水輪箍45への支持につき,バケットの最上位位置において,水を放出する放水路60の先端の直下方近傍とバケット1の開口部20が対向するように固定される。なお,バケット1を固定する際のバケット1の姿勢につき適宜変更することができ,例えば,水車40のバケット1が最上位においてその開口部20を上方に向けバケット1の対称線Sが水平となるように固定されてもよい。
【0068】
また,上述のように,バケット1を支持する軸部材48により,バケット1を回転可能に軸支することができ,バケット1の固定と軸支を切り替え可能としてもよい。
【0069】
そして,前記水車40について,図5に示すように,排水路54の底面又は排水路54を挟んで,両岸に排水路54の水流の向きに対して直交するように間隔を介して立設された一対の台座50a,50bに,軸受56a,56bを介して回転可能に水平に軸着された水車軸51に前記水車40の前記軸承板42が連結されている。
【0070】
また,本実施形態の水車発電機70は,図5に示すように,水車軸51に2台の発電機52a,52bが,水車40を介して対向するように装着されていて,水車40と共に回転する水車軸51に軸直結され,前記軸51の回転数に応じた発電電力が得られる。なお,本実施形態の水車発電機70は,前記発電機52a,52bとして,前記水車軸51が正逆どちらの回転方向に回転しても発電することできる仕様のものを使用している。
【0071】
前記発電機52a,52bが得た電気エネルギーはケーブル58を通じて,図示しない他の機器,例えば,蓄電池へ送り,発電機52a,52bの電力を充電するなどして,自己消費とするか,又,売電に供給してもよい。
【0072】
なお,前記発電機は,軸直結とせず水車軸51の回転を,発電用増速装置を介して,発電機に入力するよう設けてもよい。
【0073】
以上のように構成された水車によると,水車用バケットの効果を含め,以下の効果を奏する。
【0074】
まず,放水路60から放出される水の働きについて説明すると,放水路から放出された水は,バケットの開口部20よりバケット1内に入りバケット1の底に衝突(水の運動エネルギー)した際に水車40の回転モーメントとして作用することで水車40を回転させ,さらにその後も,バケット1内に残留しこれに重力が働く(水の位置エネルギー)ことで水車40の回転モーメントとして作用して水車40を回転させることができる。
【0075】
そして,本発明の水車は,上述した水の作用に関し,図6に示すように,水車40が備えるバケット1が,膨出部27により,放水路60から放出された水を水車40の垂直方向最上位にて受け入れることもできるので,水の位置エネルギーを十分に利用でき,さらに,放水路60から放出された水がバケット1に衝突する際の水の進行方向のベクトルaと,水車40の垂直方向最上位における円周接線方向(水平方向)のベクトルbとが成す角度θの値を,0に近づけることができるので,水の作用によるモーメントN(=R×F・cosθ)に対する無駄がなくなり,水の運動エネルギーについても十分に利用することができる。
【0076】
また,上述した実施形態のバケット1の形状から,バケット1に導入される水はバケットから水が溢れあるいは飛散しにくく,水の位置エネルギーを有効に利用できる。なお,排出され難い要因として,上述した特許文献1に記載のバケット82に比べても,開口部20のバケット1全体に対して占める範囲が狭いことが挙げられるが,その他に,バケット1内に流入した水Wは,バケット1の円弧形状の底から向心力を得て底に沿って図7における紙面上反時計回りに円運動し,バケット1の開口部20の他端25を通過した瞬間には水Wは円弧10の接線方向つまり直上に向かいその後重力により直下に落下するので,バケット1から漏れることなく再びバケット1に導入される(図4参照)。ただし,前記バケット1の開口部20の他端25に差し掛かかる前に,流入した水Wのほとんどが速度を失いバケット内に残留する。
【0077】
また,水の作用によるモーメントN(=R×F・cosθ)についてさらに説明すると,前記θにつき,水車40の最上位での円周接線方向は水平方向であるので,放水路から放出される水がかなりの水平方向の速度を持っていれば,前記θの値は0に近づき,さらにこの場合,水の速度が早いことからFの値も大きくなり,モーメントN(=R×F・cosθ)の値が大きくなる。
【0078】
なお,上述した本発明のバケット1が有する効果は,前記水車40以外の従来の水車であってもバケット1を取り付けることできれば,水車の構造に関し特に限定はなく,発揮することができる。
【0079】
なお,以下に他の実施形態のバケット1に特有の効果について主に説明する。
【0080】
前記バケット1に設けられた前記抵抗板31が,放水路60から放出された水の進行方向に対して略直交する堰となることから,バケット1の円弧状の底に直接衝突する場合に比べ,放水路60から放出された水の運動エネルギーをより効果的に利用できる。
【0081】
なお,バケット1内の水の水位の変化は,前記抵抗板31を設けた場合,前記抵抗板31が堰となって水車40の垂直方向最低位置のバケット1にも水が残留する。そこで,バケット1の前記抵抗板31基端付近,前記接線11と前記円弧10の円弧の境目接点22に位置する前記抵抗板31を境にして前記円弧側に水抜き穴32を形成した他の実施形態のバケット1を使用することで,水車40の最下位において,バケット1内が空となるようにすることができる。
【0082】
また,バケット1に補強板26を設けた場合,バケット1に導入された水がバケット1の底面33の底面に当たって円弧状の底面に沿って跳ね返る際に前記補強板26が堰となって水が溢れあるいは飛散しにくくなり,水の位置エネルギーを効率よく利用できる。
【0083】
また,本実施形態の水車には,図4に示すように,樋状のカバー62を,水車40の水を保持している側の垂直方向中央から下端付近まで,水車40の外周に沿って覆うように設けることができる。前記カバー62により,バケット1から落下した水又はバケット1に導入されなかった水がカバー62内を流れ,このカバー62内のバケット1に再度衝突することで水車40を回転させるモーメントとして働き,水の位置エネルギー及び運動エネルギーの損失を補うことができる。
【0084】
また,図4に示すように,クモデ44の先端部を水輪箍45により周方向に互いに連結し,さらに,複数のアミダ46で,水車40の中央に正八角形を形成させるように一のクモデ44の先端から,前記位置のクモデ44から回転方向90度先の他のクモデの中央よりやや基端側までを途中複数本のクモデを介して連結して水車40を補強することができる。
【0085】
なお,図示は省略するが,バケット1を支持するにつき,軸部材48にバケット1を回転自在に軸支させることができる。
【0086】
なお,本実施形態の水車40については,バケット1の大きさにより,水車40に備えられた各バケット1が回転時に相互に接触しないように,放射状に設けられた複数のクモデ44・・・の間隔を調整するか,長いクモデ44を使用して各バケット1間の距離を調整する。
【0087】
ここで,バケット1を回転自在にアミダ46に対してボルト・ナット等の軸部材48で軸支する場合については,水車40の垂直方向最上位にあるバケット1が空の状態において,放水路60の先端に対し前記バケット1の開口部20が対向する姿勢を維持するように前記バケット1に対して前記軸部材48で軸承したり,又は,バケットに重り47(図7)を吊り下げてバケットの姿勢を調整する。なお,バケット1の姿勢については,例えば,水車40の複数のバケット1が最上位においてその開口部20を上方に向けバケット1の対称線Sが水平となるように前記軸部材48で固定されてもよく,前記に限定されず適宜変更可能である。
【0088】
なお,前記バケット1内に水が充填しても,バケット1内の水の自重によりバケット1内が空の場合と同じ姿勢を保つ。
【0089】
そして,バケット1には係合板49を吊り下げ,水車40の垂直方向最下位において,水車外に設けたストッパー59と衝突させて,バケット1が回転するようにする。なお,前記重り47を係合板49(重り兼係合板)とすることも可能である(図7参照)。
【0090】
本実施形態にかかる水車用バケットを用いた水車については,放水路60から放出される流速が比較的遅く,略水平方向に向かう水が少ない場合に特に有効である。まず,勢いが弱くとも放水路60から放出される水は水平方向に進みつつ下方に向かうことから,この水車40を備える本発明のバケット1の直線13と接線11が成す突出した形状により水車40の垂直方向最上位から受け入れることができる。そして,最上位において導入された水の自重によりバケットの姿勢が保たれることで,水車の最下位においてバケット1が回転するまで途中バケット1から水が排出されないことから,水の位置エネルギーを有効に利用し,水の運動エネルギーの不足分を補うことができる。なお,水の衝突によりバケット1が多少回転したとしても,直線13と接線11から成る突出した形状より水が排出されず,また,バケット1内に水が充填される過程で,バケット1は水の自重によりすぐに姿勢を立て直す。
【0091】
なお,本実施形態の水車に,上述した樋状のカバー62を,水車40の水を保持している側の垂直方向中央から下端付近まで,水車40の外周に沿って覆うように設けることができる。
【0092】
以上,本発明のバケット及び水車並びに水車発電機の実施形態につき説明したが,本発明の範囲はこれに限定されるものではなく,発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0093】
例えば,放水路60について,水の作用によるモーメントN(=R×F・cosθ)に対する無駄をなくし,水の運動エネルギーについても十分に利用するため,水車40の垂直方向最上位のバケット1に対して放水路の水平方向近傍の下方に,水が排出されるように,水車に対する位置を変えたり,水車40に向けて放出する水流の向きを調整する水流変更部材を放水路60の先端に着脱自在に取り付けることができる。
【0094】
なお,本願水車は,上記発電機としての使用において,これを双胴船に台座を介して載置固定し,小河川等に滞留させて,美感と共に発電を行うことも出来る。
【実施例】
【0095】
本発明の水車用バケットを用いた水車発電機70につき,前記実施形態のバケット1を使用し,さらに,下記条件にて実施したところ,本発明の水車発電機70は効率よく発電することができることが確認された。
【0096】
〈実施条件〉
水車40の直径(全体):2400mm(円周 7.536m)
バケット1の円弧10の直径:300mm
バケット1の幅:250mm
放水路 流量 約1.8m/min 流速 約0.7m/sec
水車回転数 実測値:5.57rpm(約6〜10rpm)
発電機出力:440W/1機
【符号の説明】
【0097】
1 バケット
10 円弧
11,11’ 接線
12 中心線
13 直線
15 円弧
20,20’ 開口部
21,21’ 交点
22,22’ 接点
23 側面
23a 一側面
23b 他側面
C 中心
24 交点・一端
25 他端
26 補強板
27 膨出部
31 抵抗板
32 水抜き穴
33 底面
40 水車
42 軸承板
44a〜h クモデ
45 水輪箍(輪板)
46a〜h アミダ
47 重り
48 軸部材
49 係合板
50a,b 台座
51 水車軸
52a,b 発電機
54 排水路
56 軸受
58 ケーブル
59 ストッパー
60 放水路
62 カバー
70 水車発電機
80 水車
81 水車軸
82 バケット
83 クモデ(後光)
84 バケット軸
86 給水ノズル
88 放水路
90 水車
91 軸承板
92 羽根板
93 側板
94 底板
95 水受け部
96 放水路
A,a 水の進行方向のベクトル
B,b 円周接線方向のベクトル
C 中心
S 対称線
W 水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの円弧の少なくとも3/4円弧から成り,前記円弧の中心線と,前記円弧の一の接点における接線との交点に至り,該交点から前記円弧の円周上の交点において,前記円弧の中心線に連通する直線とで画定される二の側面を,所定間隔を介して対峙し,底面と共に,少なくとも前記3/4円弧を被覆する空間を画定すると共に,前記円弧と同一半径で前記交点の一端と他端を結ぶ対称線で対称を成す円弧のうち,前記円弧の中心側に位置する円弧と,該円弧に連続する前記直線から成る曲線及び直線を含んで画定される開口部から成る有底箱状に形成したことを特徴とする水車用バケット。
【請求項2】
前記バケットの開口部は,前記対称線と,前記直線で画定されることを特徴とする請求項1又は2記載の水車用バケット。
【請求項3】
前記バケットに前記接点から前記円弧の中心に向かって抵抗板を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の水車用バケット。
【請求項4】
前記抵抗板基端部において,前記円弧側に水抜き穴を設けたことを特徴とする請求項3記載の水車用バケット。
【請求項5】
前記バケットに前記対称線の他端から前記円弧の中心に向かって補強板を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の水車用バケット。
【請求項6】
前記開口部は,前記円弧と同一半径で前記交点の一端と他端を結ぶ対称線及び前記直線から形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の水車用バケット。
【請求項7】
水車軸に所定間隔を介して連結した一対の軸承板と,水車の左右に,所定間隔を介して平行に対峙する一対の水輪箍と,この水輪箍と前記軸承板間に架設される複数のクモデと,前記クモデに連結する複数のアミダと,該アミダ間で,前記水輪箍に複数配置される前記バケットを備え,前記クモデ及びアミダは,前記対を成す軸承板に,それぞれ対をなして,平行に設けられ,該クモデは一端を前記軸承板から等角度の放射状に配設され,他端を水輪箍に固着すると共に,前記アミダは,隣接する2本のクモデの軸承板の固着端である一端からそれぞれ所定位置の取付面に,該アミダの一端側を取り付け,このアミダの他端を,前記隣接する2のクモデの水車の回転方向に位置するクモデに隣接するクモデの他端近傍の取付面に固着し,さらに,前記クモデの前記取付面の反対面で前記位置に前記アミダに隣接して他のアミダの一端を取り付け,他端を前記隣接するクモデの他端近傍の前記取付面の反対面に取り付けると共に,順次,それぞれ,前記クモデの取付面と,前記反対面を交互に入れ替えて,前記クモデに前記アミダを取り付けたことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載のバケットを有する水車。
【請求項8】
前記クモデ及びアミダは,前記クモデの隣接する2本のクモデの軸承板の固着端である一端からそれぞれ約1/3の距離における前記取付面に,前記アミダの一端側を,前記各クモデの前記位置の取付面に対して取り付け,それぞれ,同数のクモデに対して同数のアミダを取り付けると共に,前記水輪箍の隣接する2のクモデとアミダ間には,2のバケットをそれぞれ配置したことを特徴とする請求項7記載のバケットを有する水車。
【請求項9】
前記バケットを前記水輪箍に回転自在に支持し,該バケットに係合板を懸吊し,バケットの水車における最下位において,前記係合板を水車外に設けたストッパーに係合自在に設けたことを特徴とする請求項7記載の水車用バケットを有する水車。
【請求項10】
前記バケットに重りを懸吊し,該重りを,水車の最下位において,水車外に設けたストッパーと衝突させて,バケットを回転自在と成す係合板としたことを特徴とする請求項9記載の水車用バケットを有する水車。
【請求項11】
前記水車の水を保持している側の垂直方向略中央から下端付近まで,水車の回転軌跡外周下方に樋状のカバーにより覆うように設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の水車用バケットを有する水車。
【請求項12】
前記放水路の先端の水平方向近傍の下方に,水車の垂直方向最上位のバケットの開口部20を臨ませて配置したことを特徴とする請求項7記載の水車用バケットを有する水車。
【請求項13】
請求項7記載の水車を有し,該水車の回転により発電する発電機を備える水車発電機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−87650(P2013−87650A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226800(P2011−226800)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(511248836)
【Fターム(参考)】