説明

水電解装置及び水電解装置の動作方法

【課題】安全性をより向上させた水電解装置を提供する。
【解決手段】水電解装置は、水電解スタック4と第1水供給排出部50と第2水供給排出部60と容器9とを具備する。水電解スタック4は、水の電気分解を行い酸素と水素とを生成する。第1水供給排出部50は、水電解スタック4の陽極に水の供給及び酸素と余剰水の排出を行う。第2水供給排出部60は、水電解スタック4の陰極に水の供給及び水素と余剰水の排出を行う。容器9は、水電解スタック4を水没させて格納する。第2水供給排出部60と容器9とは均圧化されている。水電解スタック4が停止するとき、第1水供給排出部50は、水電解スタック4に対して水の供給及び排出を行う配管を遮断する。遮断された箇所より容器9側を容器9と均圧化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水電解装置及び水電解装置の動作方法に関し、特に安全性を向上させた水電解装置及び水電解装置の動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水を電気分解して酸素(ガス)と水素(ガス)とを生成する水電解装置が知られている。水電解装置では、支燃性ガスである酸素と可燃性ガスである水素とが同時に比較的高純度で生成される。そのため、水電解装置は、故障や異常事態が発生しても、それらガスによる燃焼や爆発を起こさないような高い安全性が要求されている。特に、近年の水素需要の高まりから、比較的高い圧力で運転される水電解装置が増加しており、安全性の更なる向上が望まれている。
【0003】
水電解装置において、過去に発生した事故に関する報告が、非特許文献1(九州大学水素ステーション事故調査/報告書(第3報)要約版)及び非特許文献2(高圧ガス事故概要報告2005−415水素ステーション実証試験設備の爆発)に開示されている。非特許文献1及び非特許文献2において、事故の過程は概ね次のように報告されている。(1)事故は、電解セルの異常により高温高圧が発生して安全弁が作動した過程(第一段階)と、これに伴って発生した高温高圧と物質移動(配管を通じた水、ガス、異物の移動)により最終的に酸素側配管で燃焼と破裂が起きた過程(第二段階)とに分けて整理できる。(2)第一段階:電解セル内のある一部におけるチタン電極の発熱反応、又は、酸素と水素の混合気の発熱反応等により、電解セルの一部で異常反応が開始した。その後、圧力の異常が検知されて、電流が停止された。しかし、電解を停止した後も異常反応は続いた。電解セルの異常反応によって、高温、高圧が発生した。それにより、水素配管、酸素配管において安全弁が作動し、圧力は一旦降下した。(3)第二段階:電解セルの異常反応が続いたため再び系全体の圧力が上昇した。一方、電解セルで異常反応が生じた直後から、反応生成物、電解セルの破壊で生じた破片及び水素が循環水に運ばれ、酸素分離タンクに達し、更に安全弁に至る酸素配管にまで到達した。これらが酸素雰囲気中で燃焼することにより局所的な過大圧力を発生した。さらには圧力波が、先端が閉じた配管内に伝わり急激な圧縮を生じて局所的な過大圧力を発生した。その結果、酸素配管の延性破壊をもたらした。
【0004】
関連する技術として、特許文献1(特開2010−121146号公報)に固体高分子型水電解装置が開示されている。この固体高分子型水電解装置は、水電解槽と、水素気液分離器と、酸素気液分離器と、水循環ラインと、水素取出しラインと、酸素取出しラインと、水素排出ラインと、酸素排出ラインとを備えている。水電解槽は、高分子電解質膜を用いて水を電解し、陽極に酸素、陰極に水素を発生させる。水素気液分離器は、水電解槽の陰極にて発生した水素と水を分離する。酸素気液分離器は、水電解槽の陽極にて発生した酸素と水を分離する。水循環ラインは、水電解槽の陽極側へ水を供給するように水を循環させる循環ポンプを含む。水素取出しラインは、水電解槽と水素気液分離器との間に設けられている。酸素取出しラインは、水電解槽と酸素気液分離器との間に設けられている。水素排出ラインは、水素気液分離器に設けられている。酸素排出ラインは、酸素気液分離器に設けられている。この固体高分子型水電解装置において、水電解槽内の状態を検知するための少なくとも1つの計測機器と、水循環ライン、水素取出しラインおよび酸素取出しラインにそれぞれ設けられた遮断弁と、計測機器からの信号を処理して異常時に遮断弁の閉鎖信号を出力する制御手段とをさらに備えている。
【0005】
また、気体の水素及び酸素を製造する技術として特許文献2(特開2005−330514号公報)に水電解装置及び方法が開示されている。この水電解装置は、浄化層と、仕切り板と、水電解スタックと、水供給管と、第1の送給管と、第2の送給管と、水素排出部と、酸素排出部とを具備してなる。浄化層は、容器本体内に設けられ、循環する循環水を浄化する。仕切り板は、容器本体の頂部から垂下し、容器本体内を第1の部屋と第2の部屋とに分離する。水電解スタックは、容器本体の外部に設けられ、循環水を電気分解して水素と酸素を発生する。水供給管は、水電解スタックに浄化した循環水を供給する。第1の送給管は、水電解スタックから循環水に同伴されてなる水素/水・二層流を容器本体の第1の部屋に送給する。第2の送給管は、水電解スタックから循環水に同伴されてなる酸素/水・二層流を容器本体の第2の部屋に送給する。水素排出部は、第1の部屋から水素を排出する。酸素排出部は、第2の部屋から酸素を排出する。水電解スタックに供給する循環水を浄化しつつ自然循環してなる。すなわち、この水電解装置は、水の電気分解により気体の水素を製造している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−121146号公報
【特許文献2】特開2005−330514号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「九州大学水素ステーション事故調査 報告書(第3報)要約版」、http://www.kyushu−u.ac.jp/news/hydrogen/hydrogensummary0330.pdf
【非特許文献2】「高圧ガス事故概要報告2005−415水素ステーション実証試験設備の爆発」、http://www.khk.or.jp/activities/incident_investigation/hpg_incident/pdf/2005−415.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、安全性を向上させた水電解装置及び水電解装置の動作方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、故障や異常事態が発生しても、より安全に停止することが可能な水電解装置及び水電解装置の動作方法を提供することにある。
【0010】
この発明のこれらの目的とそれ以外の目的と利益とは以下の説明と添付図面とによって容易に確認することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0012】
本発明の水電解装置は、水電解スタック(4)と、第1水供給排出部(50)と、第2水供給排出部(60)と、容器(9)とを具備している。水電解スタック(4)は、水の電気分解を行い酸素と水素とを生成する。第1水供給排出部(50)は、水電解スタック(4)の陽極に対して水の供給及び酸素と余剰水の排出を行う。第2水供給排出部(60)は、水電解スタック(4)の陰極に対して水の供給及び水素と余剰水の排出を行う。容器(9)は、水電解スタック(4)を水没させて格納する。第2水供給排出部(60)と容器(9)とは均圧化されている。水電解スタック(4)が停止するとき、第1水供給排出部(50)は、水電解スタック(4)に対して水の供給及び排出を行う配管を遮断する。遮断された箇所より容器(9)側を容器(9)と均圧化する。
【0013】
上記の水電解装置において、第1水供給排出部(50)は、第1配管(11)と、第1弁(V21)と、第2配管(12)と、第2弁(V22)と、第3配管(13)と、第3弁(V23)とを備えていることが好ましい。第1配管(11)は、水電解スタック(4)の陽極に水を供給する。第1弁(V21)は、第1配管(11)の途中に設けられている。第2配管(12)は、陽極の余剰水及び酸素を水電解スタック(4)から排出する。第2弁(V22)は、第2配管(12)の途中に設けられている。第3配管(13)は、第1弁(V21)よりも容器(9)側の第1配管(11a)又は第2弁(V22)よりも容器(9)側の第2配管(12a)と容器(9)とを接続する。第3弁(V23)は、第3配管(13)の途中に設けられている。水電解スタック(4)が停止するとき、第1弁(V21)及び第2弁(V22)を閉止し、閉止後に第3弁(V23)を開放し、第1弁(V21)よりも容器(9)側の第1配管(11)及び第2弁(V22)よりも容器(9)側の第2配管(12)を、容器(9)と均圧化することが好ましい。
【0014】
上記の水電解装置において、第2水供給排出部(60)は、第4配管(15)と、第5配管(16)と、水素気液分離部(3)と、第6配管(18)とを備えていることが好ましい。第4配管(15)は、水電解スタック(4)の陰極に水を供給する。第5配管(16)は、陰極の余剰水及び水素を水電解スタック(4)から排出する。水素気液分離部(3)は、第4配管(15)と第5配管(16)とに接続され、余剰水と水素とを気液分離する。第6配管(18)は、水素気液分離部(3)と容器(9)とを接続する。記第6配管(18)を介して第2水供給排出部(60)と容器(9)とは均圧化されることが好ましい。
【0015】
上記の水電解装置において、第2水供給排出部(60)は、第4弁(V11)と、第5弁(V12)と、第6弁(V14)と、第7配管(17)と、第7弁(V13)とを備えていることが好ましい。第4弁(V11)は、第4配管(15)の途中に設けられている。第5弁(V12)は、第5配管(16)の途中に設けられている。第6弁(V14)は、第6配管(18)の途中に設けられている。第7配管(17)は、第4弁(V11)よりも容器(9)側の第4配管(15a)又は第2弁(V12)よりも容器(9)側の第5配管(16a)と容器(9)とを接続する。第7弁(V13)は、第7配管(17)の途中に設けられている。水電解スタック(4)が停止するとき、第4弁(V11)、第5弁(V12)及び第6弁(V14)を閉止し、閉止後に第7弁(V13)を開放することが好ましい。
【0016】
上記の水電解装置において、容器(9)内の水を循環させる容器内水循環部(41、42)を更に具備していることが好ましい。
【0017】
上記の水電解装置において、第2水供給排出部(60)は、第4配管(15、15b)と、第6配管(18b)と、第5配管(16)と、水素気液分離部(3)とを備えていることが好ましい。第4配管(15、15b)は、容器(9)に水を供給する。第6配管(18b)は、容器(9)の水を水電解スタック(4)の陰極に供給する。第5配管(16)は、陰極の余剰水及び水素を水電解スタック(4)から排出する。水素気液分離部(3)は、第4配管(15)と第5配管(16)とに接続され、余剰水と水素とを気液分離する。第4配管(15、15b)又は第6配管(18b)と水電解スタック(4)の陰極から第5配管(16)を介して第2水供給排出部(60)と容器(9)とは均圧化されることが好ましい。
【0018】
上記の水電解装置において、第2水供給排出部(60)は、第4配管(15b)の途中に設けられた第4弁(V11)と、第5配管(16)の途中に設けられた第5弁(V12)とを備えていることが好ましい。水電解スタック(4)が停止するとき、第4弁(V11)及び第5弁(V12)を閉止することが好ましい。
【0019】
上記の水電解装置において、第2水供給排出部(60)は、第4配管(15)と、第5配管(16)と、水素気液分離部(3)と、第7配管(17c)と、第6配管(18c)とを備えていることが好ましい。第4配管(15)は、水電解スタック(4)の陰極に水を供給する。第5配管(16)は、陰極の余剰水及び水素を水電解スタック(4)から排出する。水素気液分離部(3)は、第4配管(15)と第5配管(16)とに接続され、余剰水と水素とを気液分離する。第7配管(17c)は、第4配管(15)と容器(9)とを接続する。第6配管(18c)は、水素気液分離部(3)と容器(9)とを接続する。第6配管(18c)又は第7配管(17c)を介して第2水供給排出部(60)と容器(9)とは均圧化されることが好ましい。
【0020】
上記の水電解装置において、第2水供給排出部(60)は、第4弁(V11)と、第5弁(V12)と、第6弁(V14)とを備えていることが好ましい。第4弁(V11)は、第4配管(15a)の途中に設けられている。第5弁(V12)は、第5配管(16)の途中に設けられている。第6弁(V14)は、第6配管(18c)の途中に設けられている。水電解スタック(4)が停止するとき、第4弁(V11)、第5弁(V12)及び第6弁(V14)を閉止することが好ましい。
【0021】
上記の水電解装置において、第2水供給排出部(60)及び容器(9)のうちの一方若しくは両方に設けられ、第2水供給排出部(60)及び容器(9)の圧力を降下させる圧力降下弁(RV)を更に具備することが好ましい。
【0022】
本発明の水電解装置の動作方法において、水電解装置は、水電解スタック(4)と、水電解スタック(4)の陽極に対して水の供給及び酸素と余剰水の排出を行う第1水供給排出部(50)と、水電解スタック(4)の陰極に対して水の供給及び水素と余剰水の排出を行う第2水供給排出部(60)と、水電解スタック(4)を水没させて格納する容器(9)とを具備し、第2水供給排出部(60)と容器(9)とは均圧化されている。水電解装置の動作方法は、水電解スタック(4)が停止するとき、第1水供給排出部(50)が、水電解スタック(4)に対して水の供給及び排出を行う配管を遮断するステップと、第1水供給排出部(50)が、遮断された箇所より容器(9)側を容器(9)と均圧化するステップとを具備している。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、水電解装置の安全性を向上させることができる。また、本発明により、水電解装置に故障や異常事態が発生しても、その水電解装置を安全に停止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態に係る水電解装置の動作方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の第2の実施の形態に係る水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明の第3の実施の形態に係る水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図5】図5は、本発明の第4の実施の形態に係る水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図6】図6は、本発明の第5の実施の形態に係る水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図7】図7は、本発明の第6の実施の形態に係る水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図8】図8は、本発明の第7の実施の形態に係る水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態に係る水電解装置及び水電解装置の動作方法に関して、添付図面を参照して説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る水電解装置の構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。水電解装置1は、水を電気分解して気体の水素及び気体の酸素を生成する。水電解装置1は、水電解スタック4と、第1水供給排出部50と、第2水供給排出部60と、容器9と、電力供給部7と、制御部8とを具備している。
【0027】
水電解スタック4は、水を電気分解して酸素と水素とを生成する。例えば直列接続された、複数の水電解セルを備えている。水電解セルは、電解質膜と、その一方の面に設けられた陽極(+極又はアノード)と、他方の面に設けられた陰極(−極又はカソード)とを備えている。電解質膜は、固体高分子電解質膜であり、パーフルオロスルホン酸膜のようなフッ素系電解質膜に例示される。陽極及び陰極は、その電解質膜に適した公知の材料を用いることができる。水電解スタック4は、各水電解セルの陽極と陰極との間に、電力供給部7からの電圧を印加する。それにより、各水電解セルにおいて、陽極側に供給された水が電気分解されて、陽極側に酸素が生成され、陰極側に水素が生成される。各水電解セルの陽極側の酸素と未反応の水(余剰水)とは、第1水供給排出部50へ送出される。各水電解セルの陰極側の水素と電解質膜を透過した水及び供給された水(余剰水)とは、第2水供給排出部60へ送出される。
【0028】
第1水供給排出部50は、水電解スタック4の(水電解セルの)陽極に対して水を供給し、及び、生成した酸素と余剰水とを陽極から排出する。第1水供給排出部50は、第1配管11と、第1弁V21と、第2配管12と、第2弁V22と、第3配管13と、第3弁V23と、酸素気液分離部2と、ポンプ5とを備えている。第1配管11は、酸素気液分離部2と水電解スタック4(陽極側)とを接続している。水電解スタック4の(水電解セルの)陽極に水を供給する。第1弁V21は、第1配管11の途中に設けられている。通常の運転時には開放され、(緊急)停止時に閉止される。第2配管12は、水電解スタック4(陽極側)と酸素気液分離部2とを接続している。陽極の酸素及び余剰水を水電解スタック4から排出する。第2弁V22は、第2配管12の途中に設けられている。通常の運転時には開放され、(緊急)停止時に閉止される。第3配管13は、第1弁V21よりも容器9側の第1配管11a又は第2弁V22よりも容器9側の第2配管12aと、容器9とを接続している。容器9に接続された第1配管11a又は第2配管12aと容器9とを均圧化するために使用する。図1では、第1弁V21よりも容器9側の第1配管11aと、容器9とを接続している。第3弁V23は、第3配管13の途中に設けられている。通常の運転時には閉止され、(緊急)停止時に開放される。酸素気液分離部2は、水供給装置(図示されず)から水電解用の水を供給され、貯蔵する。その水は、水電解スタック4の各水電解セルの陽極側に第1配管11を介して供給される。酸素気液分離部2は、水電解スタック4の各水電解セルで生成された酸素と余剰水とを第2配管12を介して受け取る。そして、生成された酸素を水から分離する。分離された酸素は、外部へ送出される。ポンプ5は、第1配管11の途中に設けられている。第1配管11を介して、酸素気液分離部2の水を受け取り、水電解スタック4の陽極側へ供給する。
【0029】
第2水供給排出部60は、水電解スタック4の(水電解セルの)陰極に対して水を供給し、及び、生成した水素と余剰水とを陰極から排出する。第2水供給排出部60は、第4配管15と、第5配管16と、水素気液分離部3と、ポンプ6と、第6配管18と、気液分離部21とを備えている。第4配管15は、水素気液分離部3と水電解スタック4(陰極側)とを接続している。水電解スタック4の(水電解セルの)陰極に水を供給する。第5配管16は、水電解スタック4(陰極側)と水素気液分離部3とを接続している。陰極の水素及び余剰水を前記水電解スタック4から排出する。水素気液分離部3は、水供給装置(図示されず)から水電解用の水を供給され、貯蔵する。その水は、水電解反応に直接的には寄与しないが、水電解スタック4の各水電解セルの陰極側に第4配管15を介して供給される。水素気液分離部3は、水電解スタック4の各水電解セルで生成された水素と余剰水とを第5配管16を介して受け取る。そして、生成された水素を水から分離する。分離された水素は、外部へ送出される。ポンプ6は、第4配管15の途中に設けられている。第4配管15を介して、水素気液分離部3の水を受け取り、水電解スタック4の陰極側へ供給する。第6配管18は、水素気液分離器3と容器9とを接続している。気液分離部21は、第6配管18の途中に設けられ、第6配管18中の気液を分離する。第6配管18を介して、第2水供給排出部60と容器9とは均圧化されている。
【0030】
なお、気液分離器21もしくは水素気液分離部3には、圧力降下弁RVが設けられていることが好ましい。図1では、水素気液分離部3に、当該圧力降下弁が設けられている。この圧力降下弁RVは、容器9(耐圧容器)の安全弁(圧力逃がし弁)として機能する。ただし、容器9の本体に直接設けられていても良い。
【0031】
容器9は、内部に貯蔵した純水中に水電解スタック4を水没させて格納している。すなわち、水電解スタック4は外部を純水で覆われている。このとき、上述のように、その純水は第6配管18を介して第2水供給排出部60と均圧化されている。よって容器9の内部は大気圧よりも高い圧力であり、発生する水素ガスと等しい圧力となっている。
【0032】
電力供給部7は、水電解スタック4の各水電解セルの陽極と陰極との間に印加される水電解用の電圧を、水電解スタック4へ供給する。また、電力供給部7は、水電解スタック4の電圧及び電流(及び各水電解セルの電圧及び電流)を計測可能である。
【0033】
制御部8は、ポンプ5、ポンプ6及び電力供給部7の運転動作や停止動作などを制御する情報処理装置であり、プログラマブルロジックコントローラ(PLC:programmable logic controller)に例示される。PLCは内蔵するメモリーに書き込まれた、本実施の形態に係る水電解装置の動作方法を記述したシーケンスラダープログラムを実行し、計測や演算を実施してポンプ5やポンプ6や電力供給部7や第1弁V21、第2弁V22、第3弁V23のようなハードウエアを制御する。
【0034】
以上のように、第1水供給排出部50内の水は、酸素気液分離部2−第1配管11−水電解スタック4(の各水電解セルの陽極)−第2配管12−酸素気液分離部2の循環経路をポンプ5により循環する。この経路及び水を酸素系の循環経路及び水ともいう。また、第2水供給排出部60内の水は、水素気液分離部3−第4配管15−水電解スタック4(の各水電解セルの陰極)−第5配管16−水素気液分離部3の循環経路をポンプ6により循環する。この経路及び水を水素系の循環経路及び水ともいう。各循環経路には適宜、流量や圧力を調整する弁を設けても良い。両循環経路は、電解質膜への影響を考慮して、概ね同圧になるように制御されることが好ましい。
【0035】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る水電解装置の動作方法に関して説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る水電解装置の動作方法を示すフローチャートである。
【0036】
水電解装置1は、通常の運転動作では、水を電気分解して気体の水素及び気体の酸素を生成する。具体的には、以下の動作を行う。酸素気液分離部2の水は、制御部8の制御に基づくポンプ5の運転により、水電解スタック4へ所定の流量で第1配管11を介して供給される。それにより、水電解スタック4の各水電解セルの陽極に水が供給される。一方、水素気液分離部3の水は、制御部8の制御に基づくポンプ6の運転により、水電解スタック4へ所定の流量で第4配管15を介して供給される。それにより、水電解スタック4の各水電解セルの陰極に水が供給される。陽極側に供給された水は、水電解スタック4の各水電解セルにおいて、制御部8の制御に基づき電力供給部7から供給され、陽極と陰極との間に印加された電圧により電気分解される。それにより、各水電解セルの陽極側に酸素(ガス)が生成し、陰極側に水素(ガス)が生成される。このとき、各水電解セルの陽極側の酸素は、未反応の水(余剰水)の循環に伴って、酸素気液分離部2へ第2配管12を介して送出される。各水電解セルの陰極側の水素は、電解質膜を透過した水及び供給された水(余剰水)の循環に伴って、水素気液分離部3へ第5配管16を介して送出される。余剰水中の酸素は、酸素気液分離部2により余剰水から分離され、外部へ送出される。余剰水中の水素は、水素気液分離部3により余剰水から分離され、外部へ送出される。
【0037】
水電解装置1は、停止(緊急停止を含む)の運転動作では、水の電気分解を停止するとともに、以下の停止動作を行う。
制御部8は、ユーザによる入力や、各種センサ(例示:各配管や容器9に設けられた圧力センサ、各配管の近傍や容器9に設けられたガスセンサ、各配管や容器9や水電解セルに設けられた温度センサ、水電解セルの電流や電圧を計測する電流計や電圧計;以上、図示されず)の値を参照して、水電解装置1を停止するか否か判定する(ステップS01)。例えば、所定の閾値を超えるような、異常な圧力や温度や電流・電圧を検出した場合や、ガス漏れを検知した場合などにおいて、水電解装置1を停止すべき状態であると判定する。水電解装置1を停止すると判定した場合、電力供給部7は、制御部8の制御に基づいて、水電解スタック4への電力の供給を停止する(ステップS02)。それにより、水の電気分解が停止される。
【0038】
水の電気分解が停止して所定の時間経過後、ポンプ5及びポンプ6は、制御部8の制御に基づいて、運転を停止する(ステップS03)。水の電気分解が停止しても、ポンプ5及びポンプ6を所定の時間だけ運転することで、陽極近傍の酸素及び陰極近傍の水素を水電解セルから強制的に除去することができる。この場合、できるだけ早期に酸素及び水素を除去するために、水の流量を一時的に大きくするように、ポンプ5及びポンプ6を制御しても良い。
【0039】
次に、第1水供給排出部50において、制御部8の制御により、第1弁V21及び第2弁V22(酸素系循環経路の配管遮断用の弁)が閉止される(ステップS04)。これにより、酸素気液分離部2、第1弁V21よりも酸素気液分離部2側の第1配管11、及び第2弁V22よりも酸素気液分離部2側の第2配管12が、水電解スタック4から切り離される。すなわち、酸素系の循環経路(酸素気液分離部2を含む)を水電解スタック4から切り離すことができる。その結果、もし仮に水電解スタック4において燃焼反応などが発生した場合であっても、第1配管11や第2配管12を通じた水電解スタック4から酸素系の循環経路への水、ガス、焼損物質などの移動を停止させることができる。
【0040】
続いて、第1水供給排出部50において、制御部8の制御により、第1弁V21及び第2弁V22の閉止後に第3弁V23(均圧化用の弁)が開放される(ステップS05)。これにより、第1弁V21よりも容器9側の第1配管11a及び第2弁V22よりも容器9側の第2配管12aを、容器9と均圧化する。すなわち、第1弁V21及び第2弁V22よりも容器9側の酸素系の循環経路(酸素気液分離部2を含む)と水素系の循環経路との差圧発生を防止する。その結果、水素系の循環経路から酸素系の循環経路への水、ガス、焼損物質などの移動を停止することができる。また、第1弁V21及び第2弁V22よりも容器9側の酸素系の循環経路で高圧が発生した場合でも、その高圧を、第1配管11a、第2配管12a及び水電解スタック4の各水電解セルの陽極に閉止することなく、純水で満たされた容器9内に逃がすことができ、かつ水電解セルの陽極と均圧化を図ることができる。
【0041】
以上のようにして、本発明の第1の実施の形態に係る水電解装置の動作方法が実行される。
【0042】
上記の動作方法において、水電解スタック4及び/又は水素系の循環経路から酸素系の循環経路への水、ガス、焼損物質などの移動を停止する緊急性が高い場合には、(すなわち膜の損傷が生じた兆候すなわち、スタック・セルに関する各部温度上昇、過大な圧力上昇、電圧・電流の急変を検知した場合には、)ステップS03における所定の時間経過を待たずに直ちにポンプを停止して、ステップS04へ移行しても良い。それにより、極めて早期に、水電解スタック4及び/又は水素系の循環経路から酸素系の循環経路への水、ガス、焼損物質などの移動を停止することができる。また、ステップS04とステップS05とは、停止の完了を速めるために、ほぼ同時に行われることが好ましい。
【0043】
本実施の形態では、(緊急)停止時に、酸素系の循環経路(酸素気液分離部2を含む)を水電解スタック4から切り離すことができる。それにより、もし仮に水電解スタック4において異常が発生した場合であっても、水電解スタック4から酸素系の循環経路への水、ガス、焼損物質などの移動を停止させることができる。さらに、配管遮断用の弁(閉止済み)よりも容器9側の酸素系の循環経路(水電解スタック4の各水電解セルの陰極を含む)と水素系の循環経路との差圧発生を防止することができる。それにより、もし仮に水電解スタック4において異常が発生した場合であっても、差圧による破損の拡大や、水素系の循環経路から酸素系の循環経路への水、ガス、焼損物質などの移動を停止することができる。特に酸素側への物質移動は、非特許文献1、2にあるように、大きな事故につながる場合がある。従って、酸素系循環経路への物質移動が防止された本実施の形態により、故障や異常事態が発生しても、より安全に水電解装置を停止することが可能となる。
【0044】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る水電解装置の構成について説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態に係る水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。本実施の形態に係る水電解装置1aは、第1の実施の形態の水電解装置1(図1)と比較して、容器9内の水(純水)を循環する構成を更に具備している点で相違している。以下、第1の実施の形態の水電解装置1と相違する点について主に説明する。
【0045】
水電解装置1aは、更に、容器用配管41と、容器用ポンプ42とを具備している。容器用配管41は、気液分離器21と容器9とを接続している。容器用ポンプ42は、容器用配管41の途中に設けられている。容器用ポンプ42は制御部8に制御される。容器9内の水は、気液分離器21−容器用配管41(容器用ポンプ42)−容器9−第6配管18(途中まで)−気液分離器21の循環経路を循環する。この第6配管18(、気液分離器21)、容器用配管41、容器用ポンプ42は、容器9内の水を循環させる容器内水循環部と見ることができる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る水電解装置の動作方法に関して説明する。本実施の形態に係る水電解装置の動作方法については、通常の運転動作では、上記容器内水循環部を動作させる点、及び、停止(緊急停止を含む)の運転動作では上記容器内水循環部を停止させる点(停止させるタイミングは、ステップS01より後であれば可)、以外は第1の実施の形態の場合と同様である。
【0047】
本実施の形態についても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
更に、このような容器内水循環部を設けることで、水電解スタック4からガス(酸素又は水素)の微小リークがあった場合、容器9の内部にガス溜まりが出来るのを防止することができる。それにより、予期せぬ燃焼反応等をより確実に防止することができる。また、この容器内水循環部に不純物除去装置(例示:イオン交換樹脂)を設ければ、水電解スタック4を覆う水(純水)の純度を保つことができる。それにより、容器9内の機器や各配管の腐食等をより確実に防止し、安全をより向上させることができる。
【0048】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る水電解装置の構成について説明する。図4は、本発明の第3の実施の形態に係る水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。本実施の形態に係る水電解装置1bは、第1の実施の形態の水電解装置1(図1)と比較して、容器9内の水(純水)を循環するようにしている点、水電解セルの陰極に供給する水と容器9内の水とが共通である点で相違している。それに伴い、第2水供給排水部60の構成が第1の実施の形態と相違している。以下、第1の実施の形態の水電解装置1と相違する点について主に説明する。
【0049】
第2水供給排出部60は、水電解スタック4の(水電解セルの)陰極に対して水を供給し、及び、生成した水素と余剰水とを陰極から排出する。第2水供給排出部60は、第4配管15、15bと、第6配管18bと、第5配管16と、水素気液分離部3と、ポンプ6とを備えている。第4配管15、15bは、水素気液分離部3と容器9とを接続し、容器9に水を供給する。第6配管18bは、容器9と水電解スタック4(陰極側)とを接続し、水電解スタック4の(水電解セルの)陰極に水を供給する。第5配管16は、水電解スタック4(陰極側)と水素気液分離部3とを接続し、陰極の水素及び余剰水を水電解スタック4から排出する。水素気液分離部3は、水供給装置(図示されず)から水電解用の水を供給され、貯蔵する。その水は、水電解反応に直接的には寄与しないが、水電解スタック4の各水電解セルの陰極側に、第4配管15、15b−容器9−第6配管18bの経路を介して供給される。水素気液分離部3は、水電解スタック4の各水電解セルで生成された水素と余剰水とを第5配管16を介して受け取る。そして、生成された水素を水から分離する。分離された水素は、外部へ送出される。ポンプ6は、第4配管15の途中に設けられている。第4配管15を介して、水素気液分離部3の水を受け取り、容器9へ供給する。第4配管15、15b又は第6配管18bと水電解スタック4の陰極側と第5配管16を介して、第2水供給排出部60と容器9とは均圧化されている。この場合、水素系循環経路の配管内に水電解スタック4を配置していると見ることもできる。
【0050】
以上のように、第2水供給排出部60内の水は、水素気液分離部3−第4配管15、15b−容器9−第6配管18b−水電解スタック4(の各水電解セルの陰極)−第5配管16−水素気液分離部3の循環経路をポンプ6により循環する。この経路及び水を水素系の循環経路及び水ともいう。酸素系の循環経路及び水については、第1の実施の形態等同様である。各循環経路には適宜、流量や圧力を調整する弁を設けても良い。両循環経路は、電解質膜への影響を考慮して、概ね同圧になるように制御されることが好ましい。
【0051】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る水電解装置の動作方法に関して説明する。本実施の形態に係る水電解装置の動作方法については、通常の運転動作において、上述した容器9を含む水素系の循環経路の水を水電解スタック4の(各水電解セルの)陰極に供給する点、以外は第1の実施の形態の場合と同様である。
【0052】
本実施の形態についても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
更に、このような水素系の循環経路を設けることで、この水素系の循環経路に不純物除去装置(例示:イオン交換樹脂)を設ければ、水電解スタック4を覆う水(純水)及び陰極に供給される水の純度を保つことができる。それにより、ポンプの数量を増やすことなく、容器9内の機器や各配管の腐食等や陰極や電解質膜の劣化等をより確実に防止し、安全をより向上させることができる。
【0053】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態に係る水電解装置の構成について説明する。図5は、本発明の第4の実施の形態に係る水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。本実施の形態に係る水電解装置1cは、第1の実施の形態の水電解装置1(図1)と比較して、容器9内の水(純水)を循環するようにしている点、水電解セルの陰極に供給する水と容器9内の水とが共通である点で相違している。それに伴い、第2水供給排水部60の構成が第1の実施の形態と相違している。以下、第1の実施の形態の水電解装置1と相違する点について主に説明する。
【0054】
第2水供給排出部60は、水電解スタック4の(水電解セルの)陰極に対して水を供給し、及び、生成した水素と余剰水とを陰極から排出する。第2水供給排出部60は、第4配管15、15aと、第6配管18cと、第7配管17c、第5配管16と、水素気液分離部3と、ポンプ6とを備えている。第4配管15、15aは、水素気液分離部3と水電解スタック4(陰極側)とを接続し、水電解スタック4の(水電解セルの)陰極に水を供給する。第7配管17cは、第4配管15aの途中から分岐して容器9に接続され、容器9に水を供給する。第6配管18cは、容器9と水素気液分離部3とを接続し、容器9の水を水素気液分離部3へ送出している。第5配管16は、水電解スタック4(陰極側)と水素気液分離部3とを接続し、陰極の水素及び余剰水を水電解スタック4から排出する。水素気液分離部3は、水供給装置(図示されず)から水電解用の水を供給され、貯蔵する。その水は、水電解反応に直接的には寄与しないが、水電解スタック4の各水電解セルの陰極側に第4配管15、15aを介して供給される。水素気液分離部3は、水電解スタック4の各水電解セルで生成された水素と余剰水とを第5配管16を介して受け取る。そして、生成された水素を水から分離する。分離された水素は、外部へ送出される。更に、容器9の水を第6配管18cから受け取る。ポンプ6は、第4配管15の途中に設けられている。第4配管15を介して、水素気液分離部3の水を受け取り、水電解スタック4(陰極側)及び容器9へ供給する。第6配管18c又は第7配管17cを介して、第2水供給排出部60と容器9とは均圧化されている。
【0055】
以上のように、第2水供給排出部60内の水は、水素気液分離部3−第4配管15、15a−水電解スタック4(の各水電解セルの陰極)−第5配管16−水素気液分離部3、及び、水素気液分離部3−第4配管15−第7配管17c−容器9−第6配管18c−水素気液分離部3、という二つの並列の循環経路(第4配管15,15aを途中まで共用)をポンプ6により循環する。この経路及び水を水素系の循環経路及び水ともいう。酸素系の循環経路及び水については、第1の実施の形態等同様である。各循環経路には適宜、流量や圧力を調整する弁を設けても良い。両循環経路は、電解質膜への影響を考慮して、概ね同圧になるように制御されることが好ましい。
【0056】
次に、本発明の第4の実施の形態に係る水電解装置の動作方法に関して説明する。本実施の形態に係る水電解装置の動作方法については、通常の運転動作において、上述した二つの並列した水素系の循環経路の水を水電解スタック4の(各水電解セルの)陰極及び容器9に供給する点、以外は第1の実施の形態の場合と同様である。
【0057】
本実施の形態についても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
更に、このような水素系の循環経路を設けることで、この水素系の循環経路に不純物除去装置(例示:イオン交換樹脂)を設ければ、水電解スタック4を覆う水(純水)及び陰極に供給される水の純度を保つことができる。それにより、ポンプの数量を増やすことなく容器9内の機器や各配管の腐食等や陰極や電解質膜の劣化等をより確実に防止し、安全をより向上させることができる。
【0058】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態に係る水電解装置の構成について説明する。図6は、本発明の第5の実施の形態に係る水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。本実施の形態に係る水電解装置1dは、第2の実施の形態の水電解装置1a(図3)と比較して、水素系の循環経路にも弁が設けられている点で相違している。それに伴い、第2水供給排水部60の構成が第2の実施の形態と相違している。以下、第2の実施の形態の水電解装置1aと相違する点について主に説明する。
【0059】
第2水供給排出部60は、水電解スタック4の(水電解セルの)陰極に対して水を供給し、及び、生成した水素と余剰水とを陰極から排出する。第2水供給排出部60は、第4配管15、15aと、第4弁V11と、第5配管16、16aと、第5弁V12と、第7配管17と、第7弁V13と、水素気液分離部3と、ポンプ6と、第6配管18と、第6弁V14と、気液分離部21とを備えている。第4弁V11は、第4配管15の途中に設けられている。通常の運転時には解放され、(緊急)停止時に閉止される。第5弁V12は、第5配管16の途中に設けられている。通常の運転時には解放され、(緊急)停止時に閉止される。第7配管17は、第4弁V11よりも容器9側の第4配管15a又は第5弁V12よりも容器9側の第5配管16aと、容器9とを接続している。容器9に接続された第4配管15a又は第5配管16aと容器9とを均圧化するために使用される。図6では、第4弁V11よりも容器9側の第4配管15aと、容器9とを接続している。第7弁V13は、第7配管17の途中に設けられている。通常の運転時には閉止され、(緊急)停止時に開放される。第6弁V14は、第6配管18の途中に設けられている。通常の運転時には解放され、(緊急)停止時に閉止される。第4弁V11、第5弁V12、第7弁V13及び第6弁V14は、制御部8に制御される。第4配管15、第5配管16、第6配管18、水素気液分離部3、ポンプ6、気液分離部21については、第2の実施の形態と同様である。第6配管18を介して、第2水供給排出部60と容器9とは均圧化されている。なお、本実施の形態では、圧力降下弁RVが、気液分離部21に設けられている。
【0060】
次に、本発明の第5の実施の形態に係る水電解装置の動作方法に関して説明する。本実施の形態に係る水電解装置の動作方法については、以下の点以外は第2の実施の形態の場合と同様である。すなわち、通常の運転動作では、第4弁V11、第5弁V12、第6弁V14及び第7弁V13が存在し、第4弁V11、第5弁V12及び第6弁V14が開放され、第7弁V13が閉止している点である。停止(緊急停止を含む)の運転動作では、ステップS04において、更に第4弁V11、第5弁V12及び第6弁V14(水素系循環経路の配管遮断用の弁)が閉止され、ステップS05において、第7弁V13(均圧化用の弁)が開放される点である。
【0061】
上記ステップS04の追加の動作により、水素気液分離部3、第4弁V11よりも水素気液分離部3側の第4配管15、及び第5弁V12よりも水素気液分離部3側の第5配管16が、水電解スタック4から切り離される。すなわち、水素系の循環経路を水電解スタック4から切り離すことができる。その結果、もし仮に水電解スタック4において燃焼反応などが発生した場合であっても、第4配管15や第5配管16を通じた水電解スタック4から水素系の循環経路(水素気液分離部3を含む)への水、ガス、焼損物質などの移動を停止させることができる。
【0062】
上記ステップS05の動作では、第1弁V21よりも容器9側の第1配管11及び第2弁V22よりも容器9側の第2配管12も、容器9と均圧化する。すなわち、第4弁V11及び第5弁V12よりも容器9側の水素系の循環経路と酸素系の循環経路との差圧発生を防止する。その結果、差圧による破損の拡大を防止することができる。また、第4弁V11及び第5弁V12よりも容器9側の水素系の循環経路で高圧が発生した場合でも、第4配管15a、第5配管16a及び水電解スタック4の各水電解セルの陰極に閉止することなく、その高圧を、純水で満たされた容器9内に逃がすことができる。
【0063】
本実施の形態についても、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
酸素系の循環管路だけでなく、更、水素系の循環管路も水電解スタック4や容器9から遮断されるので、水電解装置1dの安全性をより高めることができる。
【0064】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態に係る水電解装置の構成について説明する。図7は、本発明の第6の実施の形態に係る水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。本実施の形態に係る水電解装置1eは、第3の実施の形態の水電解装置1b(図4)と比較して、水素系の循環経路にも弁が設けられている点で相違している。それに伴い、第2水供給排水部60の構成が第3の実施の形態と相違している。以下、第3の実施の形態の水電解装置1bと相違する点について主に説明する。
【0065】
第2水供給排出部60は、水電解スタック4の(水電解セルの)陰極に対して水を供給し、及び、生成した水素と余剰水とを陰極から排出する。第2水供給排出部60は、第4配管15、15bと、第4弁V11と、第6配管18bと、第5配管16と、第5弁V12と、水素気液分離部3と、ポンプ6とを備えている。第4弁V11は、第4配管15、15bの途中に設けられている。通常の運転時には解放され、(緊急)停止時に閉止される。第5弁V12は、第5配管16の途中に設けられている。通常の運転時には解放され、(緊急)停止時に閉止される。第4弁V11と第5弁V12は、制御部8に制御される。第4配管15、15b、第6配管18b、第5配管16、水素気液分離部3及びポンプ6については、第3の実施の形態と同様である。第4配管15、15b又は第6配管18bと水電解スタック4の陰極側と第5配管16を介して、第2水供給排出部60と容器9とは均圧化されている。この場合、水素系循環経路の配管内に水電解スタック4を配置していると見ることもできる。なお、本実施の形態では、圧力降下弁RVが容器9(耐圧容器)の本体に直接設けられていている。
【0066】
次に、本発明の第6の実施の形態に係る水電解装置の動作方法に関して説明する。本実施の形態に係る水電解装置の動作方法については、以下の点以外は第3の実施の形態の場合と同様である。すなわち、通常の運転動作では、第4弁V11及び第5弁V12が存在し、第4弁V11及び第5弁V12が開放されている点である。停止(緊急停止を含む)の運転動作では、ステップS04において、更に第4弁V11及び第5弁V12(水素系循環経路の配管遮断用の弁)が閉止される点である。
【0067】
上記ステップS04の追加の動作により、水素気液分離部3、第4弁V11よりも水素気液分離部3側の第4配管15、及び第5弁V12よりも水素気液分離部3側の第5配管16が、水電解スタック4から切り離される。すなわち、水素系の循環経路(水素気液分離部3を含む)を水電解スタック4から切り離すことができる。その結果、もし仮に水電解スタック4において燃焼反応などが発生した場合であっても、第4配管15や第5配管16を通じた水電解スタック4から水素系の循環経路への水、ガス、焼損物質などの移動を停止させることができる。容器9側の水素系の循環経路で高圧が発生した場合は、一旦、耐圧性の容器9内に満たされた純水中に圧力が放出された後に、圧力降下弁RVから排出できる。
【0068】
本実施の形態についても、第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
酸素系の循環管路だけでなく、更、水素系の循環管路も水電解スタック4や容器9から遮断されるので、水電解装置1eの安全性をより高めることができる。
【0069】
(第7の実施の形態)
本発明の第7の実施の形態に係る水電解装置の構成について説明する。図8は、本発明の第7の実施の形態に係る水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。本実施の形態に係る水電解装置1fは、第4の実施の形態の水電解装置1c(図5)と比較して、水素系の循環経路にも弁が設けられている点で相違している。それに伴い、第2水供給排水部60の構成が第4の実施の形態と相違している。以下、第4の実施の形態の水電解装置1cと相違する点について主に説明する。
【0070】
第2水供給排出部60は、水電解スタック4の(水電解セルの)陰極に対して水を供給し、及び、生成した水素と余剰水とを陰極から排出する。第2水供給排出部60は、第4配管15、15aと、第4弁V11と、第5配管16と、第5弁V12と、第6配管18cと、第6弁V14と、第7配管17cと、水素気液分離部3と、ポンプ6とを備えている。第4弁V11は、第4配管15の途中に設けられている。通常の運転時には解放され、(緊急)停止時に閉止される。第5弁V12は、第5配管16の途中に設けられている。通常の運転時には解放され、(緊急)停止時に閉止される。第6弁V14は、第6配管18cの途中に設けられている。通常の運転時には解放され、(緊急)停止時に閉止される。第4弁V11、第5弁V12及び第6弁V14は、制御部8に制御される。第4配管15、15a、第5配管16、第6配管18c、第7配管17c、水素気液分離部3及びポンプ6については、第4の実施の形態と同様である。第6配管18c又は第7配管17cを介して、第2水供給排出部60と容器9とは均圧化されている。
【0071】
次に、本発明の第7の実施の形態に係る水電解装置の動作方法に関して説明する。本実施の形態に係る水電解装置の動作方法については、以下の点以外は第4の実施の形態の場合と同様である。すなわち、通常の運転動作では、第4弁V11、第5弁V12及び第6弁V14が存在し、第4弁V11、第5弁V12及び第6弁V14が開放されている点である。停止(緊急停止を含む)の運転動作では、ステップS04において、更に第4弁V11、第5弁V12及び第6弁V14(水素系循環経路の配管遮断用の弁)が閉止される点である。
【0072】
上記ステップS04の追加の動作により、水素気液分離部3、第4弁V11よりも水素気液分離部3側の第4配管15a、第5弁V12よりも水素気液分離部3側の第5配管16、第6弁V14よりも水素気液分離部3側の第6配管18cが、水電解スタック4から切り離される。すなわち、水素系の循環経路(水素気液分離部3を含む)を水電解スタック4から切り離すことができる。その結果、もし仮に水電解スタック4において燃焼反応などが発生した場合であっても、第4配管15や第5配管16や第6配管18cを通じた水電解スタック4から水素系の循環経路への水、ガス、焼損物質などの移動を停止させることができる。
【0073】
本実施の形態についても、第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
酸素系の循環管路だけでなく、更、水素系の循環管路も水電解スタック4や容器9から遮断されるので、水電解装置1fの安全性をより高めることができる。
【0074】
以上説明されたように、本発明の実施の形態は以下の効果を有する。
本発明の第1〜4の実施の形態では、酸素系の循環管路にのみ遮断弁(第1弁V21、第2弁V22、第3弁V23)が設けられている。そのため、酸素系の循環管路の遮断弁を閉鎖することによって、支燃性が高く物質を選ぶことなく燃焼させる危険な酸素を含む酸素系の循環管路を、水電解スタック4や水素系の循環管路から遮断することができる。
【0075】
加えて、ポンプ5(酸素側)により酸素系の循環管路に水を循環させておくことによって、ガス保有量の少ない水電解スタック4近傍のみで第3弁V23を「開」とし、その酸素系の循環管路を水素系の循環管路へ均圧させて、損傷しやすい電解質膜を差圧から保護することが可能となる。ガス保有量が少ない理由はポンプ5で常に発生したガス(酸素)を水電解スタック4近傍から押出しているためである。
【0076】
更に、上記の通り水素側に圧力降下弁RVを設けている。水電解スタック4近傍にて圧力が上昇した場合には比較的安全な水素側から、且つ、一箇所から減圧できる。酸素側から減圧することは、支燃性が高く物質を選ぶことなく燃焼させる危険な酸素を含む酸素系の循環経路中への損傷物の流入などを招き危険である。そのおそれが無い水素側からの減圧により安全性が向上する。また、一系統から減圧することで、水素系と酸素系との差圧発生を防止でき、安全性が向上する。これにより、損傷しやすい電解質膜を差圧から保護することが可能となると同時に、減圧後の差圧による酸素側への焼損物流入も防止できる。
【0077】
本発明の第5〜7の実施の形態では、酸素系の循環管路だけでなく水素系の循環管路にも遮断弁(第4弁V11、第5弁V12、第7弁V13、第6弁V14)が設けられている。すなわち、更に水素系の循環管路の気相と遮断する第4弁V11、第5弁12が遮断した後、第5の実施の形態であれば「開」とした第7弁V13を介して、第6の実施の形態であれば第6配管18bを介して、第7の実施の形態であれば、第7配管17cを介して、水素系の循環管路の水電解スタック4近傍(ここもガス保有量は極少)が水に満たされた耐圧容器内に均圧化される。それによって、水電解スタック4近傍にて圧力が上昇した場合に、圧縮されたガスが少なくほとんどが非圧縮性の水で満たされた部位=水電解スタック4近傍の水素系及び酸素系循環管路や耐圧性の容器9内部から減圧すればよく、容器9に設けた圧力降下弁RVからすばやく安全に減圧することができる。
【0078】
本発明は上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。各実施の形態の技術は、技術的に矛盾の発生しない限り相互に適用可能である。
【符号の説明】
【0079】
V21 第1弁
V22 第2弁
V23 第3弁
V11 第4弁
V12 第5弁
V13 第7弁
V14 第6弁
RV 圧力降下弁
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f 水電解装置
2 酸素気液分離部
3 水素気液分離部
4 水電解スタック
5 ポンプ
6 ポンプ
9 容器
11 第1配管
12 第2配管
13 第3配管
15、15a、15b 第4配管
16、16a 第5配管
17、17c 第7配管
18、18b、18c 第6配管
21 気液分離部
41 容器用配管
42 容器用ポンプ
50 第1水供給排出部
60 第2水供給排出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水の電気分解を行い酸素と水素とを生成する水電解スタックと、
前記水電解スタックの陽極に対して水の供給及び前記酸素と余剰水の排出を行う第1水供給排出部と、
前記水電解スタックの陰極に対して水の供給及び前記水素と余剰水の排出を行う第2水供給排出部と、
前記水電解スタックを水没させて格納する容器と
を具備し、
前記第2水供給排出部と前記容器とは均圧化され、
前記水電解スタックが停止するとき、前記第1水供給排出部は、
前記水電解スタックに対して水の供給及び排出を行う配管を遮断し、
前記遮断された箇所より前記容器側を前記容器と均圧化する
水電解装置。
【請求項2】
請求項1に記載の水電解装置において、
前記第1水供給排出部は、
前記水電解スタックの陽極に水を供給する第1配管と、
前記第1配管の途中に設けられた第1弁と、
前記陽極の余剰水及び前記酸素を前記水電解スタックから排出する第2配管と、
前記第2配管の途中に設けられた第2弁と、
前記第1弁よりも前記容器側の前記第1配管又は前記第2弁よりも前記容器側の前記第2配管と前記容器とを接続する第3配管と、
前記第3配管の途中に設けられた第3弁と
を備え、
前記水電解スタックが停止するとき、
前記第1弁及び前記第2弁を閉止し、
前記閉止後に前記第3弁を開放して、
前記第1弁よりも前記容器側の前記第1配管及び前記第2弁よりも前記容器側の前記第2配管を、前記容器と均圧化する
水電解装置。
【請求項3】
請求項2に記載の水電解装置において、
前記第2水供給排出部は、
前記水電解スタックの陰極に水を供給する第4配管と、
前記陰極の余剰水及び前記水素を前記水電解スタックから排出する第5配管と、
前記第4配管と前記第5配管とに接続され、前記余剰水と前記水素とを気液分離する水素気液分離部と、
前記水素気液分離部と前記容器とを接続する第6配管と
を備え、
前記第6配管を介して前記第2水供給排出部と前記容器とは均圧化される
水電解装置。
【請求項4】
請求項3に記載の水電解装置において、
前記第2水供給排出部は、
前記第4配管の途中に設けられた第4弁と、
前記第5配管の途中に設けられた第5弁と、
前記第6配管の途中に設けられた第6弁と、
前記第4弁よりも前記容器側の前記第4配管又は前記第2弁よりも前記容器側の前記第5配管と前記容器とを接続する第7配管と、
前記第7配管の途中に設けられた第7弁と
を備え、
前記水電解スタックが停止するとき、
前記第4弁、前記第5弁及び前記第6弁を閉止し、
前記閉止後に前記第7弁を開放する
水電解装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか一項に記載の水電解装置において、
前記容器内の水を循環させる容器内水循環部を更に具備する
水電解装置。
【請求項6】
請求項2に記載の水電解装置において、
前記第2水供給排出部は、
前記容器に水を供給する第4配管と、
前記容器の水を前記水電解スタックの陰極に供給する第6配管と、
前記陰極の余剰水及び前記水素を前記水電解スタックから排出する第5配管と、
前記第4配管と前記第5配管とに接続され、前記余剰水と前記水素とを気液分離する水素気液分離部と
を備え、
前記第4配管又は前記第6配管を介して前記第2水供給排出部と前記容器とは均圧化される
水電解装置。
【請求項7】
請求項6に記載の水電解装置において、
前記第2水供給排出部は、
前記第4配管の途中に設けられた第4弁と、
前記第5配管の途中に設けられた第5弁と
を備え、
前記水電解スタックが停止するとき、
前記第4弁及び前記第5弁を閉止する
水電解装置。
【請求項8】
請求項2に記載の水電解装置において、
前記第2水供給排出部は、
前記水電解スタックの陰極に水を供給する第4配管と、
前記陰極の余剰水及び前記水素を前記水電解スタックから排出する第5配管と、
前記第4配管と前記第5配管とに接続され、前記余剰水と前記水素とを気液分離する水素気液分離部と、
前記第4配管と前記容器とを接続する第7配管と、
前記水素気液分離部と前記容器とを接続する第6配管と
を備え、
前記第6配管又は前記第7配管を介して前記第2水供給排出部と前記容器とは均圧化される
水電解装置。
【請求項9】
請求項8に記載の水電解装置において、
前記第2水供給排出部は、
前記第4配管の途中に設けられた第4弁と、
前記第5配管の途中に設けられた第5弁と、
前記第6配管の途中に設けられた第6弁と
を備え、
前記水電解スタックが停止するとき、
前記第4弁、前記第5弁及び前記第6弁を閉止する
水電解装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の水電解装置において、
前記第2水供給排出部及び前記容器のうちの一方若しくは両方に設けられ、前記第2水供給排出部及び前記容器の圧力を降下させる圧力降下弁を更に具備する
水電解装置。
【請求項11】
水電解装置の動作方法であって、
ここで、水電解スタックと、
前記水電解スタックの陽極に対して水の供給及び前記酸素と余剰水の排出を行う第1水供給排出部と、
前記水電解スタックの陰極に対して水の供給及び前記水素と余剰水の排出を行う第2水供給排出部と、
前記水電解スタックを水没させて格納する容器と
を具備し、
前記第2水供給排出部と前記容器とは均圧化され、
前記水電解装置の動作方法は、
前記水電解スタックが停止するとき、
前記第1水供給排出部が、前記水電解スタックに対して水の供給及び排出を行う配管を遮断するステップと、
前記第1水供給排出部が、前記遮断された箇所より前記容器側を前記容器と均圧化するステップと
を具備する
水電解装置の動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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