説明

汚染の危険を最小化する、容器に蓋を付ける装置

容器に蓋を付ける装置は、垂直方向に移動できるブラケット10、22の形態の中空の支持部材によって把持されかつ、カバー部13を貫通する垂直方向部分を備えている、蓋付けヘッド7を備え、蓋付けヘッドを回転駆動する。蓋付けヘッドのジョーを制御する機構が、カバー部13の上方で延びている支持部材10、22の部分内に包囲されて取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に蓋を付ける装置に関する。
【背景技術】
【0002】
容器が熱シールカプセルによって蓋を付けられるか、容器がネジ蓋によって蓋を付けられる場合、容器に高速で蓋を付けるために、連続して操作される一連の蓋付け装置を有する設備を提供することが望ましい。
【0003】
とりわけ、蓋付け装置が取り付けられる回転プラットフォームを有する回転台であって、蓋付け工程は、蓋を付けるべき容器を供給する搬入装置と、蓋を付けられた容器を運ぶ搬出装置との間で実施され、蓋付け部材が、プラットフォームの回転方向に見て、搬出装置と搬入装置との間の死角に収容される、回転台を提供することが公知である(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州公開特許公報第1834923号
【0005】
上述の特許文献の装置において、各蓋付け装置は、ブラケットの形状を有し、かつ、カバー部を貫通しておりかつカバー部の下に位置する操作部材に接続されている垂直方向部分を有する支持部材によって実施される蓋付けヘッドを有している。蓋付けヘッドは、高い位置と低い位置との間で垂直方向移動に沿って取り外し可能に容器支持部材と直角に取り付けられている。完全な蓋付けサイクルは、容器の搬出と干渉しないように、容器から出るちょうど前に蓋付けヘッドの上昇と、蓋又はあるいはカプセルを外すための蓋付けヘッドの下降と、容器の搬出と干渉しないように蓋付けヘッドの上昇と、容器上の蓋又はカプセルの固定の段階の間における蓋付けヘッドの下降とを含む。
【0006】
これら全ての運動を実施するために、蓋付けヘッドを実施する手段、すなわち、蓋付けヘッドを駆動する手段と、蓋付けヘッドの運動を制御する手段は、通常、蓋付けヘッドの上方に位置決めされている。
【0007】
これらの機構の位置により、様々な部分の運動が、容器内に入りうる汚染物質を伴い、製品に美的に包装する場合の最大の殺菌性の目的とは両立しない。さらに、設備が、容器を包囲する体積部を殺菌状態に保つべく層流を与える殺菌空気流装置を備えている場合、蓋付けを実施する手段は、その位置では、殺菌空気の流れにとって障害物であり、容器の周りで望まれる殺菌バリヤを壊す傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一つの目的は、汚染の危険を最小化する、容器に蓋を付ける装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため、本発明は、カバー部を貫通しておりかつカバー部の下に位置する操作部材に接続されている垂直方向部分を有する、ブラケットの形状を有する支持部材を有する、蓋付けヘッドを有する容器に蓋を付ける装置であって、蓋付けヘッドは、容器支持部材と直角でありかつ容器支持部材の上方で、高い位置と低い位置との間で垂直方向運動に沿って移動できるように、ブラケットの水平方向ブランチに接続されており、蓋付けヘッドは、蓋付けヘッドを実施する手段に接続されている、蓋付けヘッドを有する容器に蓋を付ける装置において、支持部材は中空であり、蓋付けヘッドを実施する手段は、カバー部の上方に延びている支持部材の一部分内に包囲されている、装置を提供することである。
【発明の効果】
【0010】
したがって、蓋付けヘッドを実施する手段によって生じうる汚染物質は、カバー部の上方の支持部材の部分に包囲されたままであり、カバー部の下では容器内に貫通する危険がない。
【0011】
本発明の有利な態様によれば、支持部材の垂直方向部分は、インターフェイスゾーンにおいて案内部材に関して摺動するように取り付けられている、支持管を有し、支持管及び案内部材は、可変の重なり位置にあり、インターフェイスゾーンは、蓋付けヘッドの低い位置における、蓋付けヘッドの下側端部よりも低いレベルにおいて延びている。したがって、蓋が付けられた容器は、支持管と案内部材の間の摩擦によって生じる汚染物質によって到達しえない。
【0012】
本発明の別の有利な態様によれば、蓋付けヘッドは、支持部材の内部において延びておりかつカバー部の下に位置する駆動モータに接続されている駆動ロッドを有する、回転駆動機構によって回転駆動させられる、蓋を把持する手段を備えている。したがって、機構のより大きな部分は、最大の利用可能な体積部分内に位置し、重大な部品の殺菌性を損なうことなく操作可能である。
【0013】
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照しつつ、制限しない特定の実施例の以下の記載を読むことによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、支持部材の対称面を通過する垂直面を有する、本発明の蓋付け装置の略図的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照して、ジョーを有する蓋付けヘッドを有する蓋付け装置を参照しつつ本発明を説明する。しかしながら、本発明は、いくつかの用途で、蓋を熱シールすることができるように、蓋を把持するための弾性コーンを有する蓋付けヘッド又は加熱蓋付けヘッドを有する蓋付け装置にも適用される。
【0016】
図面を参照すると、一連の蓋付け部署を有する回転式蓋付けトレイを参照しつつ蓋付け装置を示す。なお、図では、各蓋付け装置2は、蓋付け部署の一つのみを示している。公知のように、上記の設備は、ネックによって容器4を保持するように、本実施例ではクランプである、容器3用の支持部材に各々が関連している、一連の蓋付け装置2を担持している回転プラットフォーム1を有している。公知の別の方法では、各蓋付け部署は、蓋が蓋付けヘッド7によって螺着される時、容器が回転するのを防ぐように容器に関して位置決めされる回転防止部材5を有している。
【0017】
図示する実施例では、蓋付けヘッド7は、公知の方法で、ブラケットの形状を有する支持部材によって担持されており、この支持部材は、カバー部13を貫通しかつカバー部13の下に位置する操作部材に接続されている、垂直方向部分10を有している。蓋付けヘッドが、ブラケットの水平ブランチ部に接続されており、高い位置と低い位置との間で容器3用の支持部材と直角に移動可能である。蓋付けヘッドは、図示しない弾性手段によって開放位置へ戻される複数のジョー8を有している。ジョーの閉鎖は、ジョーの複数の部分の間で移動できるように取り付けられている制御部材9によって行われる。
【0018】
本発明によれば、支持部材は、中空であり、かつ、垂直に延びている支持管10を有している。支持管10は、一方で、案内管11によって案内され、かつ、他方で、非回転装置5の支持アームによって担持されている案内リング12によって案内される。案内管11は、回転プラットフォーム1に固定されている中央マスト14と一体のカバー部13にシールして固定されている。カバー部13は、蓋付けヘッド7の下に延びており、カバー部13の外側縁部に沿って、機械のフレームによって担持されている仕切要素15に関連している。ジョイント16は、カバー13と仕切要素15の間をシールする。支持管10は、カバー13を貫通し、支持管10の下側端部は、プラットフォームによって担持されている垂直方向に延びている小さなコラム部18上で摺動するように取り付けられている操作アーム17を有している操作部材に固定されている。操作アーム17の位置は、公知の方法で、図示しないカムと協働しているローラ42によって決定され、かつ支持管10の位置を正確に決定するように、プラットフォーム1の円形経路の特定の地点において位置決めされる。
【0019】
蓋付けヘッドの容器への圧力は、さらに、操作アーム17に作用するシリンダ19によって決定される。
【0020】
図示の好適な実施例では、案内管11は、支持管10を包囲している。支持管10は、支持管10にシールして固定されているスカート部20を有し、かつ、案内管11の上側端部を覆っている。したがって、支持管10の垂直方向の往復運動の間、案内管11の上側端部は、スカート部20によって一定に覆われたままであり、案内管11の内部で、支持管10の摩擦によって生じうる粒子が上方に逃れえないが、逆に、カバー13の下へ下方に引かれ、粒子が容器に届きえない。
【0021】
支持管10と案内リング12との間の摩擦によって生じうる汚染物質に関して、この汚染物質が、容器4の開口部の下で生じるであろう、すなわち、蓋付けヘッドが図の点線40で示す低い位置にある時に、蓋付けヘッド7の下側端部によって到達するレベルの下で生じるであろうということに留意すべきである。容器4の開口部に向けて上昇するであろう充填粒子による汚染の危険は、特に設備の天井から流れる殺菌空気の流れを利用する間において、存在しない。支持クランプ3を担持するアーム内で、支持管10用の通路21が、容器4の開口部に非常に近いということに留意しなければならない。いかなる汚染物質が通路21を通した支持管10の運動によって生じるのを防ぐために、通路21は、大きな寸法を有する。支持管10の上側端部、は、ハウジンング22に接続され、ハウジング22は、水平に延びておりかつ支持管10と共に、ブラケットの形状を有する支持部材を形成する。ハウジング22は、上記支持部材の水平なブランチを形成する。この水平な部材は、水平なブランチ22の下で垂直方向に延びている蓋付けヘッド7を担持している。
【0022】
蓋付けヘッド7を回転させる駆動は、支持管10内で支持管10と同軸に延びている中空軸23を用いて得ることができる。支持管10の下側端部を越えてカバー13の下に延びている、中空軸23は、下側端部において、プラットフォーム1の下で固定されているモータ駆動軸26によって担持されている円錐形ピニオン25と協働する、円錐形ピニオン24を貫通しているリブ部を有している。フード部13の下のこの駆動機構の位置を考慮すると、回転駆動機構が蓋付けヘッドの上方に位置する従来の装置とは異なって、駆動機構による汚染物質の危険が全体的に除去される。
【0023】
ハウジング22内へ延びている上側端部において、中空軸23は、中間ピニオン28と協働しているピニオン27を担持している。中間ピニオン28は、中空軸30が関連しているピニオン29と係合している。中空軸30の下側端部は、蓋付けヘッド7を担持する。駆動モータ26によって中空軸23の回転中、回転運動は中空軸30に伝達され、中空軸30がキャピングヘッド7を回転させる。直角でありかつ蓋付けヘッド7の上方にある唯一の可動部は、中空軸30であり、中空軸30の位置により汚染の危険を最小化するということに留意すべきである。汚染の危険をさらに最小化するために、ハウジング22は、出口において、中空軸30を包囲するOリング41を備えている。
【0024】
蓋付けヘッド7のジョーの制御部材9は、回転しつつ駆動する中空軸30の内部に延びている制御ロッド31に接続されている。制御ロッド31は、中空軸30と同時に回転駆動される。制御ロッド31は、その上部において、ボールストップ33が設けられているプレート32を有し、ハウジング22の内部に取り付けられたロッカーアーム34の一端部が、制御ロッド31と当接しうる。ロッカーアーム34の反対の端部は、同様に、制御ロッド37の上側端部に固定されているプレート36によって担持されているボールストップ35上に当接する。制御ロッド37の下側端部は、ボールストップ38を通して制御シリンダ39に押圧する。したがって、制御ロッド31及び37は、蓋付けヘッド7の回転中に操作することができる。
【0025】
当然、本発明は、例示した実施例に限定せず、特許請求の範囲によって確定された発明の範囲を逸脱することなく実施例を修正しうる。
【0026】
とりわけ、本発明は、ジョーを有する蓋付けヘッドを有する装置について記載されたが、本発明は、弾性把持コーンを有する蓋付けヘッドを有する蓋付け装置にも適用できる。この場合、制御ロッド31及び37及びロッカーアーム34は、制御シリンダ39と共に除去される。
【0027】
同様に、蓋付けヘッド7は、熱シールヘッドに代えることもできる。この場合、支持管10及びハウジング22は、熱シールヘッドの電源を含み、必要な場合には、空気管により蓋をシールする。
【0028】
本発明を蓋付け操作中において、ネックで吊るしている容器について記載してきたが、本発明は、容器4が底部によって支持されている設備にも適用することができる。
【0029】
本発明は、容器の低いレベルで位置決めされている、全ての制御及び駆動機構について示してきたが、汚染物質を生じうる可動部が容器の開口部の下に、すなわち、蓋付けヘッドの低い位置の下に配置される場合に、装置のいくつかの部分が容器の脇に位置決めすることができる。
【0030】
本発明が、中空駆動軸23の内部に延びている制御ロッド37を有するものとして示してきたが、制御ロッド37は、支持管10の内側の、制御軸23と平行に取り付けることができる。この場合、制御ロッドは、駆動軸23の回転中において、回転駆動されず、ボールストップ35及び38は、除去することができる。
【0031】
ピニオン27、28、29のセットは、凹凸のあるベルト等を有する伝達機構に交換することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー部(13)を貫通しておりかつ前記カバー部(13)の下に位置する操作部材(17、42)に接続されている垂直方向部分(10)を有する、ブラケットの形状を有する支持部材(10、22)を有する、蓋付けヘッドを有する容器に蓋を付ける装置であって、前記蓋付けヘッドは、容器支持部材(3)と直角でありかつ前記容器支持部材(3)の上方で、高い位置と低い位置との間で垂直方向運動に沿って移動できるように、前記ブラケットの水平方向ブランチに接続されており、前記蓋付けヘッドは、前記蓋付けヘッドを実施する手段に接続されている、蓋付けヘッドを有する容器に蓋を付ける装置において、
前記支持部材は中空であり、
前記蓋付けヘッドを実施する手段は、前記カバー部の上方に延びている前記支持部材の一部分内に包囲されている、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記支持部材の前記垂直方向部分は、インターフェイスゾーンにおいて案内部材(11、12)に関して摺動するように取り付けられている、支持管(10)を有し、
前記支持管及び前記案内部材は、可変の重なり位置にあり、
前記インターフェイスゾーンは、前記蓋付けヘッドの前記低い位置における、前記蓋付けヘッドの前記下側端部よりも低いレベルにおいて延びていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記案内部材(11)は、前記支持管の一部を包囲しており、
前記支持管は、前記支持管(10)にシールして固定されている上側端部を有しかつ前記案内部材(11)の上側端部を覆うスカート部(20)を有していることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記蓋付けヘッド(7)は、前記支持部材(10、20)の内部において延びておりかつ前記カバー部の下に位置する駆動モータ(26)に接続されている、回転駆動機構(23、27、28、29、30)によって回転駆動させられる、蓋を把持する手段(8)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記蓋付けヘッドを回転駆動するための機構は、前記支持部材の水平方向部分内に位置する伝達機構(27、28、29)によって接続されている二つの垂直方向軸(23、30)を有していることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記蓋を把持する手段は、前記支持部材の前記水平方向ブランチ内に位置決めされている制御ロッド(31、37)を有している制御機構(9、31、34、37)によって制御される複数のジョー(8)を有していることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記制御ロッドは、前記回転駆動機構の管状駆動軸(30、23)の内部に延びていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記案内部材(11)は、前記カバー部(13)上でシールして固定されていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記案内部材(11)は、前記支持管の一部を包囲しており、
前記支持管は、前記支持管(10)にシールして固定されている上側端部を有しかつ前記案内部材(11)の上側端部を覆うスカート部(20)を有していることを特徴とする請求項8に記載の装置。

【図1】
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【公表番号】特表2011−506212(P2011−506212A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536501(P2010−536501)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001669
【国際公開番号】WO2009/098409
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(398036346)
【Fターム(参考)】