説明

汚染地層浄化デモ装置

【課題】 汚染地層浄化システムを普及促進させる模擬実験を行って訴求効果のあるデモ装置の提供。
【解決手段】 原位置における汚染の核心または近傍に配設された噴射ノズル12から調整自在に噴射される噴射液2により汚染地層1′を撹拌しながら前記噴射ノズル12の周囲に配設された抽出管9から汚染物質を抽出する汚染地層浄化システム90を普及促進させる普及促進手段として、前記汚染地層1′を内部に充填して密閉可能な透明容器5と、前記透明容器5の中心から半径方向に噴射可能な噴射ノズル12および前記抽出管9を用いて前記汚染物質を抽出可能に構成された前記汚染地層浄化システム90の液送部と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染地層を原位置で浄化するシステムの普及を促進する普及促進手段に関し、特に、汚染洗浄の特徴ある工程を局部的に短時間でデモンストレーションできるようにした汚染地層浄化デモ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から周知の揮発性有機塩素系化学物質(以下、「VOCs」という)、例えば、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンなどの有機溶剤による地層の汚染など(以下、「汚染物質」という)を原位置において浄化する汚染地層浄化システムが実用化されている。
【0003】
そのなかでも極めて効果の高いことが立証された汚染地層浄化システムとして、汚染の核心または近傍に配設された噴射ノズルから、圧力と方向を調整自在に噴射される噴射液により汚染地層を撹拌しながら、噴射ノズルの周囲に配設された抽出管から汚染物質を抽出する汚染地層浄化システムがあった(特許文献1,特許文献2)。
【0004】
図3は従来の汚染地層浄化システム90のプラント構成を示す模式図であり、地上の処理プラント50も含めた汚染地層浄化システム90の全体を実態的に示している。図3に示すように、4本(図示する便宜上)の抽出管9,9で構成され、これら抽出管9,9に取り囲まれた汚染地層1′に掘削された噴射孔3から圧入ロッド11が挿入されている。これら圧入ロッド11および抽出管9,9の組み合わせは、汚染領域の規模に比例して配置される。
【0005】
以下、汚染地層浄化システム90の構成および、それを運転中の汚染洗浄液10の流れに沿って作用効果を説明する。
水槽54の水は、噴射ポンプ7の吸込側から吸い込まれ、吐出側に接続された圧入ホース17を経由して圧入ロッド11内へ注入される。この圧入ロッド11の周面には多数の噴射ノズル12a〜12cが穿設されており、そこから汚染地層1′へ噴射液2を噴射する。
【0006】
オプション添加手段6は汚染浄化を促進し効率化する添加物を噴射ポンプ7,7aにより添加する補助的な手段であり、例えば、周知のフェントン試薬である過酸化水素(H22)と硫酸第1鉄(FeSO4)を添加して浄化処理を高速化する。
【0007】
また、挿入された圧入ロッド11は、地上からきりもみ可能な図示せぬボーリング装置に似た設備によりR方向に回転しながら上下動作も可能である。そして、圧入ロッド11に配設されている噴射ノズル12a〜12cから噴射された噴射液2は、汚染地層1′を切り崩しながら浸透して洗浄し、汚染地層1′から汚染物質を溶出した汚染洗浄液10となり、圧入ロッド11を取り囲む4本の抽出管9,9の近辺に到達する。
【0008】
これらの抽出管9,9は真空ポンプ51で連続的に吸気され、負圧を維持しているので、周囲の汚染洗浄液10は、抽出管9,9の周囲に形成されたスクリーン47を透過して吸い込まれた後、深い井戸底に流れ落ちて溜まる。溜まった汚染洗浄液10は図示せぬ押し上げポンプ等により地上のノッチタンク52まで押し上げられる。
【0009】
ノッチタンク52まで押し上げられた汚染洗浄液10は、沈殿槽兼洗浄槽56を経由して曝気装置53に送られて曝気処理される。曝気処理で気化した汚染物質は活性炭吸着塔55を透過する間に吸着され、無害化された空気のみが大気中に放出される。一方、汚染洗浄液10に含まれる有害物質を曝気除去された無害の水は再生利用されるように水槽54に溜められる。
【0010】
また、水槽54の手前側に沈殿槽兼洗浄槽56があり、それに接続された図示せぬサンドポンプおよびフィルタープレス58が配設されている。沈殿槽兼洗浄槽56で沈殿させた汚泥をサンドポンプで取り出してフィルタープレス58に運び、このフィルタープレス58により加圧脱水処理してケーキ状のプレス汚泥59にし、廃棄物処理業者へ引き渡す。
【0011】
水槽54に溜められた水は、噴射ポンプ7の吸込側から吸い込まれ、吐出側に接続された圧入ホース17を経由して圧入ロッド11内へ注入される。この圧入ロッド11の周面には多数の噴射ノズル12a〜12cが穿設されており、そこから汚染地層1′へ噴射液2を噴射、汚染地層1′、抽出管9,9、ノッチタンク52へと回収のサイクルを繰り返す。
【0012】
さらに、汚染地層浄化システム90の発展形態として、VOCsの浄化処理にフェントン反応を積極的に応用して実用化した実施形態もある(特許文献3)。
【特許文献1】特許第3567435号公報(特許請求の範囲、第1図)
【特許文献2】特願2004−322874号公報([0027]、第1図)
【特許文献3】特願2004−322424号公報([0021〜0023]、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前記汚染地層浄化システム90を普及促進させる広告宣伝のため模擬実験して訴求効果のあるデモンストレーション(以下、「プロモーション・デモ」または「デモ」と略す)装置が望まれていた。
しかし、フラスコや試験管等による実験室レベルの模擬実験では説得力に乏しかった。したがって、実験室レベルを超え、実地検証にも匹敵する規模の予備実験に役立つような汚染浄化のデモ装置および、その支援設備の集合体(以下、「汚染地層浄化デモ装置」という)が望まれていた。
【0014】
また、汚染地層浄化システム90による浄化の効果、すなわち、汚染地層に対する浄化対策の費用対効果がある程度推定可能であり、その際の見学者となる地権者、土地売買斡旋業者、施工業者など利害関係者を飽きさせず、短時間で理解と協力が得られるようなプロモーション・デモ効果の高い汚染地層浄化デモ装置が望まれていた。
【0015】
具体的には、汚染物質を抽出する撹拌洗浄の工程のみ局部的に短時間でデモを完結できる汚染地層浄化デモ装置。
さらに、交通不便な場所にある汚染地層であっても、その汚染地層1′から、例えば1m3だけ掘り出してプロモーション・デモ装置の設置場所まで運び込むことにより、場所、時間、季節、天候、機材、設備に関する制約条件が少なく、交通至便の都会地であっても主催者および見学者の都合に合わせて汚染地層浄化システム90のプロモーション・デモが可能である汚染地層浄化デモ装置が望まれていた。
【0016】
なお、試験研究用にも好適であるように、通常の測定および検査の手段を併用すれば、通常のデータ提示も支援できる汚染地層浄化デモ装置が望まれていた。
また、エンジン潤滑油等の油性汚染物を効率的に回収することを見学者の目の前で立証して見せることのできる汚染地層浄化デモ装置も望まれていた。
【0017】
本発明は、前記課題を解決し、原位置の地下で汚染浄化される場合、直接には目視確認することが困難であるところを、地上でリアルタイムに観察でき、見学者に対する訴求効果が絶大であるようにした汚染地層浄化デモ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
請求項1に係る発明は、原位置における汚染の核心または近傍に配設された噴射ノズル(12)から調整自在に噴射される噴射液(2)により汚染地層(1′)が撹拌され前記噴射ノズル(12)の周囲に配設された抽出管(9)を透過した汚染物質が抽出される汚染地層浄化システム(90)を普及促進させる普及促進手段として、前記汚染地層(1′)を内部に充填して密閉可能な透明容器(5)と、この透明容器(5)の中心から半径方向に噴射可能な噴射ノズル(12)および前記抽出管(9)を用いて前記汚染物質を抽出可能に構成された前記汚染地層浄化システム(90)の液送部と、を備えたことを特徴とする汚染地層浄化デモ装置(100)である。
【0019】
請求項1に係る発明によれば、原位置の汚染地層(1′)をデモに供する僅かな分量だけ掘り出して透明容器(5)の内部に充填し、原位置の汚染地層(1′)と類似または同等に模擬した汚染地層(1)に含まれる汚染物質を、透明容器(5)の内から外へ抽出するように汚染地層浄化システム(90)を稼動すると、ガラス(アクリル樹脂)張りの透明容器(5)内で汚染地層(1)が浄化される様子を地上でリアルタイムに観察できる。
【0020】
特に、透明容器(5)の内部に模擬した汚染地層(1)が、見た目の変化を伴って浄化される様子を間近で観察できることによって汚染地層浄化システム(90)の有効性を見学者に訴求できる。
【0021】
また、見学者を飽きさせずに済む。なぜならば、噴射液(2)により汚染地層(1)を撹拌しながら噴射ノズル(12)の配設されたスクリーン(15)から汚染物質を抽出する重要な工程のみを局部的に観察させるというデモが短時間で完結できるからである。一方、それ以外で見学者の興味関心が薄いであろうと推定されるポンプ等の支援設備は背後に目立たないように配設して、透明容器(5)のみをクローズアップできる。同様の理由でしかも時間を要する廃液処理等の工程はとりあえず後回しにできるため、見学者の時間的または精神的な負担を軽減し、緊張感および集中力を維持できる程度の短時間で高い説得効果が得られる。
【0022】
また、交通不便な場所にある汚染地層(1′)であっても、例えば約1m3程度を掘り出して、この汚染地層浄化デモ装置(100)まで搬入すれば、いつでもどこでも、場所、時間、天候、機材、に関する制約条件が少なく、交通至便の都会地であってもプロモーション・デモができる。したがって、主催者および見学者の都合に合わせて汚染地層浄化システム(90)のプロモーション・デモを実行できる。
【0023】
なお、汚染地層浄化デモ装置(100)に通常の測定および検査を併用すれば、それらのデータも提示できるので試験研究用に好適であることは言うまでもない。したがって、汚染地層(1′)を透明容器(5)に充填した汚染地層浄化デモ装置(100)を1回稼動すれば、汚染地層浄化システム(90)を用いて該当する汚染地層(1′)の浄化に関する予備実験を実地検証したことになる。
【0024】
そして、汚染地層浄化システム(90)による浄化の効果、すなわち、汚染地層(1′)に対する浄化対策の費用対効果を、ある程度推定することができるので、地権者、土地売買斡旋業者、施工業者など利害関係者の理解を短時間で得ることができる。
このようなわけで、汚染地層浄化システム(90)を普及促進させるのに、汚染地層浄化デモ装置(100)は効果的である。
【0025】
請求項2に係る発明は、油性汚染物(14)を回収する前記汚染地層浄化デモ装置(100)であって、水に浮く油膜の深さ(D)に一致させるように深さを調整可能なスクリーン深さ調整機構(13)を備えたことを特徴とする請求項1に記載の汚染地層浄化デモ装置(100)である。
【0026】
請求項2に係る発明によれば、水に浮いた油膜の深さに一致する深さ(D)に、スクリーン(15)の深さを調整するように、スクリーン深さ調整機構(13)を調整すれば、汚染地層(1′)から高濃度の油性汚染物(14)を短時間で吸い出せるので、効率良く油性汚染物(14)を回収することが可能となる。その結果、処理を必要とする油水混濁廃液の抽出を少ない容積に抑制しながら完了させることが可能となる。
【0027】
請求項3に係る発明は、前記スクリーン(15)に負圧吸引手段を接続したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の汚染地層浄化デモ装置(100)である。
【0028】
請求項3に係る発明によれば、スクリーン(15)に接続した負圧吸引手段により、さらに短時間で効率良く油性汚染物(14)を吸い出して回収することが可能となる。
【0029】
請求項4に係る発明は、フェントン反応によるVOCs浄化促進手段として、硫酸鉄(II)を含む鉄(II)塩が添加された第1液(2x)と、過酸化水素が添加された第2液(2y)が、汚染浄化の化学反応する前段階まで隔離され、前記透明容器中に設定された前記汚染地層(1′)中に挿入された圧入ロッド(11)を通して、前記汚染地層(1′)の深遠部(1x,1y)まで同時に注入される2液独立圧入手段(30)と、を備えた前記汚染地層浄化システム(90)において、前記2液独立圧入手段(30)は、前記第1液(2x)を供給する第1液供給手段(4x)と、前記第2液(2y)を供給する第2液供給手段(4y)と、制御自在に加圧した前記第1液(2x)および前記第2液(2y)を別経路に区別して前記圧入ロッド(11)に圧入可能な噴射ポンプ(7)と、前記圧入ロッド(11)に圧入された前記第1液(2x)と前記第2液(2y)を、相反して遠ざける方向に噴射するように前記圧入ロッド(11)の周面上に離間して配設された第1の噴射ノズル(12j)および第2の噴射ノズル(12k)と、前記第1液(2x)および前記第2液(2y)に対応して独立した第1の経路(21x)および第2の経路(21y)と、を備えたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の汚染地層浄化デモ装置(100)である。
【0030】
請求項4に係る発明によれば、フェントン反応による汚染地層浄化システム(90)において、硫酸鉄(II)を含む鉄(II)塩が添加された第1液(2x)と、過酸化水素が添加された第2液(2y)との2液を汚染地層(1′)中で混合させ、その2液を汚染地層(1′)の深遠部(1x,1y)で化学反応させることにより、汚染地層(1′)を温度80〜100℃に加熱しながら、フェントン反応によるVOCs浄化を促進できる。
【0031】
そして、汚染地層(1)の温度80〜100℃に加熱すると、粘度の高かった油性汚染物(14)の粘度を下げて抽出を容易にし、ほぼ密閉された透明容器(5)内でフェントン反応に伴って発生したガスの圧力により油性汚染物(14)を自噴させるので汚染浄化をさらに効率化することが可能となる。
【発明の効果】
【0032】
請求項1に係る発明によれば、下記の効果がある。
(1)ガラス(アクリル樹脂)張りの透明容器内に模擬して充填した汚染地層が浄化される様子をリアルタイムに観察できるので、見学者に与える訴求効果が高い。
【0033】
(2)見学者を飽きさせずに済む。また、見学者の場所と時間的または精神的な負担を軽減し、緊張感および集中力を維持できる短時間で訴求効果を上げられる。
【0034】
(3)交通不便な場所にある汚染地層であっても、いつでもどこでも、場所、時間、天候、機材、に関する制約条件を少なくできる。すなわち、交通至便の都会地で、主催者および見学者の都合に合わせて汚染地層浄化システムのプロモーション・デモを実施することができる。
【0035】
(4)汚染地層浄化デモ装置に通常の測定および検査の手段を併用すれば、通常のデータも提示できるので試験研究用に好適であることは言うまでもない。
【0036】
(5)汚染地層を透明容器に充填した汚染地層浄化デモ装置を1回稼動すれば、汚染地層浄化システムを用いて汚染地層の浄化を実地検証したことに匹敵する効果が得られる。
【0037】
(6)汚染地層浄化システムによる浄化の効果、すなわち、汚染地層に対する浄化対策の費用対効果をある程度推定できるので、地権者、土地売買斡旋業者、施工業者など利害関係者の理解が短時間で得られる。
このようなわけで、汚染地層浄化システムを普及促進させるのに、汚染地層浄化デモ装置は効果的である。
【0038】
請求項2に係る発明によれば、効率良く油性汚染物を回収することが可能となる。その結果、処理を必要とする油水混濁廃液の抽出を少ない容積に抑制しながら完了させることが可能となる。
【0039】
請求項3に係る発明によれば、さらに短時間で効率良く油性汚染物を吸い出して回収することが可能となる。
【0040】
請求項4に係る発明によれば、粘度の高かった油性汚染物の粘度を下げて抽出を容易にし、ほぼ密閉された透明容器内で発生したガス圧力により油性汚染物を自噴させるので汚染浄化をさらに効率化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の第1実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施の形態においては、主に揮発性有機塩素化合物(VOCs)による汚染地層1′を修復する場合について説明する。また、重金属その他、エンジン潤滑油等の汚染物質による汚染地層1′を修復する場合にも適用することができる。
【0042】
図1は汚染地層浄化デモ装置の要部斜視図であり、ほぼ立方体に鋼鉄製の枠(図から省略)が組まれ、その枠に透明なアクリル樹脂板が固定され(以後、「ガラス張り」という)、周囲から透視可能な箱型の透明容器5が形成されている。この透明容器5は、ほぼ立方体を構成する6面のうち、上面だけが上蓋40により開閉自在であり密閉も可能である。そして、相当の圧力、高温および容器内部の噴流に耐えるような強度に設計されている。
【0043】
透明容器5の上蓋40はクレーン等で四隅を均等に吊り上げることにより水平を維持して昇降可能である。また、図示せぬボルト止めの支援による閉蓋状態では圧力鍋のように気密性を保持することができる。ただし、透明容器5の設計強度を超える程の危険な高圧を回避する安全対策として上蓋40には安全弁16が配設されている。
【0044】
上蓋40の中心部近傍には、卓上ボール盤に似て垂直に自立する支柱60が配設されている。その支柱60の一側面には長手(垂直)方向にラックギヤ62が形成され、これに噛合するピニオンギヤ63と、そのピニオンギヤ63に軸結合した操作ハンドル64を備えて上下動作自在であって、圧入ロッド11にきりもみ回転力を付与するモータ65が配設されている。このモータ65は図示せぬ減速機構を介して垂直に軸支された圧入ロッド11を毎分数回転できりもみ回転させることが可能である。
【0045】
圧入ロッド11の上端近傍にはスイーベル61が配設され、このスイーベル61は圧入ロッド11を回転自在に支承しながら圧入ロッド11内に流体を圧入可能である。圧入ロッド11の先端近傍には第1の噴射ノズル12jと第2の噴射ノズル12kが軸直角方向に開口している。この圧入ロッド11を先端から透明容器5の汚染地層1中に差し込めばスイーベル61から圧入する流体を汚染地層1中へ注射することが可能である。
【0046】
スイーベル61には第1液2xを圧入する第1の経路21xと、第2液2yを圧入する第2の経路21yが独立して配管接続され、図2に示すように、後記する2液独立圧入手段30の一部を構成している。
【0047】
上蓋40における圧入ロッド11の貫通点から放射状の等距離に、それぞれ圧入ロッド11と平行かつ垂直な抽出管9が、上蓋40から下向きに植設され、汚染地層1の上部近傍にスクリーン15を開口している。スクリーン15は4本の抽出管9それぞれの周面に内外を貫通するように穿孔された直径約1mmのパンチ孔により形成されている。なお、スクリーン15はパンチ孔に限らずスリット形状でも構わない。
【0048】
また、汚染地層浄化デモ装置100により油性汚染物14を回収するにあたり、水に浮く油膜の深さDに一致させるようにスクリーン15の深さを調整可能なスクリーン深さ調整機構13を上蓋40の四隅の近傍に備えている。なお、ここでいう深さDは上蓋40から油性汚染物14の油膜厚みの中間までの距離を意味する。
【0049】
抽出管9のそれぞれに回収管18が接続され、抽出された汚染洗浄液10を所定の廃液槽に一時収容できるように配管されている。なお、デモ効果を狙って見学者から容易に目視できるような廃液槽の構造であることが望ましい。つまり、回収管18から廃液槽へと吐出される汚染洗浄液10が、例えば当初は濃厚な油性汚染物14であったところを、洗浄が進行するにつれ、見学者の目の前で透明性が高い真水へと変化する様子を見せることに意義がある。
【0050】
上蓋40における圧入ロッド11の近傍で圧入ロッド11と平行かつ垂直な注水管19が、上蓋40から下向きに植設され、汚染地層1の下部近傍で放射状の注水・噴射が可能であるように開口している。この注水管19は圧入ロッド11とは別に大量の洗浄水を注水することが好適な場合に注水の用をなす。
【0051】
汚染地層浄化デモ装置100は、フェントン反応によるVOCs浄化促進手段として、硫酸鉄(II)を含む鉄(II)塩が添加された第1液2xと、過酸化水素が添加された第2液2yを併用した場合の顕著な効果を見せることもできる。ただし、デモ効果の妨げになる水蒸気の発生があれば、その湯煙を見学者の視界から遮蔽できる構造にすることが好ましい。
【0052】
フェントン反応は周知のようにVOCsによる汚染の浄化に効果的で、汚染物質は過酸化水素によって速やかに崩壊し、最終生産物である二酸化炭素と水になるほか、塩素で処理された合成物が存在すれば、塩化物イオンも分解され無害化される。そのフェントン反応に伴って発熱し、汚染地層1を例えば80℃〜100℃まで過熱できるので、VOCsを高速度で分解する化学反応を促進するほか高粘度の油性汚染物14に対しては、粘性を低下させることにより抽出管9からの抽出を効率良くすることが可能である。
【0053】
ここで、汚染地層浄化デモ装置100を用いてプロモーション・デモを実施することが可能なフェントン反応による汚染地層浄化(以下、「フェントン浄化」という)の概略を説明する。
図2はVOCsを含む原位置の汚染地層1′にも対するフェントン浄化の説明図であり、汚染地層1′に挿入された圧入ロッド11を通し、2液でなるフェントン薬液を汚染地層1′へ独立に圧入して汚染地層1′を撹拌することにより、短時間で汚染地層浄化を完了させるように構成された2液独立圧入手段30を示している。
【0054】
2液独立圧入手段30は汚染地層1′に直接挿入された圧入ロッド11を通してフェントン薬液を圧入する。この、2液独立圧入手段30は、2液でなるフェントン薬液のうち、一方の第1液2xを供給する第1液供給手段4xと、他方の第2液2yを供給する第2液供給手段4yと、これらにより供給された第1液2xおよび第2液2yの隔離を保ちながら、これら2液それぞれを所定の圧力に加圧して圧入ロッド11に圧入可能な噴射ポンプ7を備えている。
【0055】
噴射ポンプ7は、原位置における汚染地層1に対し、フェントン薬液を100MPaから400MPaに加圧して圧入ロッド11に圧入する。しかし、デモが目的である汚染地層浄化デモ装置100の場合、透明容器5の設計耐圧を超えない程度に制限して用いる。しかも、透明容器5内の油性汚染物14が、見学者の見ている前で数十分のうちに浄化を完了できる程度に、フェントン反応を速度調整するようにフェントン薬液を圧入する。
【0056】
2液独立圧入手段30は、圧入ロッド11に第1のポンプ7xと第2のポンプ7yによりそれぞれ独立に圧入された第1液2xと第2液2yを、圧入ロッド11から相反して遠ざける方向に噴射させるように、圧入ロッド11の先端近傍の周面に、原位置浄化用にあっては軸方向に約20〜60cm間隔で第1の噴射ノズル12jおよび第2の噴射ノズル12kが離間して配設されている。このため、第1液2xおよび第2液2yの2液でなるフェントン薬液が互いに遠ざかる方向、すなわち、深遠部1xと、その反対方向の深遠部1yに噴射される。ただし、この軸方向の離間距離も、デモが目的である汚染地層浄化デモ装置100の場合、約10cm程度の短い間隔とすることで良好な結果が得られた。
【0057】
図2に示す圧入ロッド11は2重管構造のため、2種類の流体を独立に流通させるが、3重以上の多重管構造にしても構わない。そして、圧入ロッド11は図1に示したスイーベル61により、原位置においてはR方向に毎分4〜12回転で自転しながら毎分10〜30cmの速度で引き上げる。この、自転速度と引き上げ速度も、デモが目的の汚染地層浄化デモ装置100においては適切に加減する。自転速度はモータ65を制御し、引き上げ速度は操作ハンドル64の手動操作で加減する。
【0058】
本来、高速反応により工期の短縮するためのフェントン反応であるため、原位置の地下にある汚染地層1′において化学反応の高速化を狙った工法であるが、見学者の見ている前で数十分のうちに浄化を完了できる安全範囲内でフェントン反応の速度を制限することにより、プロモーション・デモの効果を上げるものとする。
【0059】
なお、安全上の制約条件として、透明容器5の設計耐圧を超えて破壊するような圧力にならない程度に制限して用いる。しかも、透明容器5内の油汚染が、見学者の見ている前で数十分のうちに浄化を完了できる程度に、フェントン反応の速度を制限しながら、圧入ロッド11にフェントン薬液を圧入する。
【0060】
したがって、2液でなるフェントン薬液のうち、一方の第1液2xは硫酸鉄(II)を含む鉄(II)塩が添加された水溶液、他方の第2液2yは過酸化水素が添加された水溶液であり、汚染物質の種類または汚染地層1′の地質に応じて、薬液の種類、濃度、分量および頻度または圧入のタイミング等を最適に制御する。
【0061】
なお、この2液でなるフェントン薬液も、デモが目的である汚染地層浄化デモ装置100の場合は、フェントン反応が高速で進む第1液2xを硫酸鉄(II)とせずに、反応速度が遅くなるような種類の鉄(II)塩を選択して添加した水溶液を採用しても構わない。
【0062】
このような、原位置における汚染地層1′のフェントン浄化は該当する場所に相当の設備群を完備することが必要であるが、いつでも、どこでも、交通至便の都会地でもプロモーション・デモの目的を達成するために、移動および設置が容易であるように軽便な設備群でも構成できる。
【0063】
ここで、汚染地層浄化デモ装置100の構成を再確認するとともに、作用・効果を説明する。汚染地層浄化デモ装置100は汚染地層浄化システム90を普及し促進させるため、汚染浄化の模擬実験をプロモーション・デモして見せるようにした普及促進手段である。したがって、汚染地層浄化システム90の液送部のうち、模擬実験するために必要最小限の機能を含んでいる。具体的には、噴射ポンプ7、圧入ホース17、圧入ロッド11、抽出管9および回収管18であり、デモの趣旨や状況に応じて、図示せぬ廃液槽、水槽54またはフェントン試薬を添加するオプション添加手段6を備える。
【0064】
具体的には、地上に設置された透明容器5に充填された汚染地層1を、噴射液2により撹拌しながら汚染地層1の中に配設された抽出管9のスクリーン15から汚染物質を抽出するように噴射ポンプ7および配管等の設備群を備えてシステム構成されている。
【0065】
図1に示した汚染地層浄化デモ装置100は、フェントン浄化を併用した場合にも、油性汚染物14が効率よく回収される効果をプロモーション・デモして見せることが可能である。その際はデモが目的なので、原位置に井戸を掘削した噴射孔3に圧入ロッド11を挿入する代わりに、地上に目視可能な見本を設置する。
【0066】
具体的には原位置の汚染地層1′を掘り出して図1に示す透明容器5の中に充填した汚染地層1をプロモーション・デモに適する程度の穏やかさで汚染浄化する。そして、透明容器5内における汚染地層1の撹拌作用のほか、フェントン反応により発熱を伴ったCO2等のガス発生状況および油性汚染物14の抽出される様子が鮮明に観察できる。
【0067】
汚染地層浄化デモ装置100では、汚染地層1′から掘り出した約1m3の土を密閉可能な透明容器5に詰め込んで汚染地層1を内部に模擬する。このように透明容器5の内部に模擬された汚染地層1の中心を汚染の核心と見なし、その核心または近傍に上下動作および回転動作自在に配設された噴射ノズル12から噴射液2を調整自在に噴射する。
【0068】
第1、第2の噴射ノズル12j,12kは、透明容器5の中心から半径方向に噴射可能であり、ほぼ密閉された透明容器5内はその噴射により内部圧力が高まる。
【0069】
一方、透明容器5の内周壁面に近い位置で垂直に配設された抽出管9は、汚染地層1′の底部近傍でスクリーン15を汚染地層1の中に開口している。
噴射ノズル12から噴射液2が噴射されることにより高まった内部圧力を大気圧と均衡させるように、汚泥等がスクリーン15を透過して抽出管9内へ抽出され、抽出管9に接続された回収管18を通じて透明容器5外へと抽出される。
【0070】
ここで、スクリーン15が汚染地層1の地表面より少し下がった深さDに保持されていれば、水よりも比重が軽くて浮かぶ性質の油性汚染物14のみを効率良く抽出することが可能である。
【0071】
スクリーン15が油性汚染物14のみに浸っている状態を保持すれば、スクリーン15を通過した油性汚染物14のみを抽出して汚染地層1から排除できる。
【0072】
実際に原位置の汚染地層1′を掘り出して透明容器5の内部に充填し、汚染地層1′と類似または同等に模擬して設定した汚染地層1に含まれる汚染物質を、透明容器5の内から外へ抽出するように汚染地層浄化システム90を稼動する。
【0073】
このようにして、従来から測定・検査されている数値等のデータ以前に、透明容器5の内部に模擬した汚染地層1が、見た目の変化を伴って速やかに浄化される様子を、見学者に観察させることによって汚染地層浄化システム90の有効性を訴求できる。
【0074】
また、見学者を飽きさせずに済む。なぜならば、噴射液2により汚染地層1′を撹拌しながら噴射ノズル12の配設されたスクリーン15から汚染物質を抽出する重要な工程のみ局部的に観察させるというデモを短時間で完結できるからである。
【0075】
一方、見学者の興味関心が薄いであろうと推定されるポンプ等の支援設備は背後で目立たない位置に配設しておけば、透明容器5のみをクローズアップできる。同様の理由かつ時間を要する廃液処理等の工程はとりあえず後回しにできるため、見学者の時間的または精神的な負担を軽減し、緊張感および集中力を維持できる短時間に高い説得効果が得られる。
【0076】
また、交通不便な場所にある原位置の汚染地層1′であっても、そこから約1m3程度を掘り出して、汚染地層浄化デモ装置100の設置箇所まで搬入すれば、いつでもどこでも、場所、時間、天候、機材に関する制約条件を少なく交通至便の都会地でも、主催者および見学者の都合に合わせて汚染地層浄化システム90のプロモーション・デモが開催できる。
【0077】
なお、汚染地層浄化デモ装置100に通常の測定および検査を併用すれば、それらのデータも提示できるので試験研究用に好適であることは言うまでもない。つまり、原位置から約1m3ばかり掘り出した汚染地層1′を透明容器5に充填することにより模擬した汚染地層1に対して、汚染地層浄化デモ装置100を1回稼動すれば、汚染地層浄化システム90を用いて該当する汚染地層1′の浄化を実地検証したことに匹敵する。
【0078】
そして、汚染地層浄化システム90による浄化の効果、すなわち、汚染地層1′に対する浄化対策の費用対効果の目安が推定できる。ひいては、地権者、土地売買斡旋業者、施工業者など利害関係者の理解が短時間で得られる。このようなわけで、汚染地層浄化システム90を普及促進させるのに汚染地層浄化デモ装置100は絶大な効果が得られる。
【0079】
また、汚染地層浄化デモ装置100の浄化対象となる汚染地層1が、主にエンジン潤滑油等の油性汚染物14である想定によるプロモーション・デモの場合、ガソリンスタンドまたは自動車整備工場から発生したオイル交換による約100リットルばかりの廃油等を、透明容器5に充填した約1m3の汚染地層1に混入してデモの開始に備えておく。
【0080】
そして、水に浮いた油膜の深さに一致する深さDに、スクリーン15の深さを一致させるように、スクリーン深さ調整機構13により、抽出管9の高さを調整すれば、汚染地層1から高濃度の油性汚染物14のみを短時間で吸い出せるので、効率良く油性汚染物14を回収することが可能となる。その結果、処理を必要とする油水混濁廃液の抽出を少ない容積に抑制しながらプロモーション・デモを完了させることが可能となる。このとき粘性の高い真っ黒な廃油が回収管18から排出される様子を見学者に見せることで、プロモーション・デモの目的を達成できる。
【0081】
プロモーション・デモの進行に応じて、注水管19から圧入ロッド11とは別に、毎分20リットル程度の洗浄水を透明容器5内へ注水することにより、透明容器5の汚染地層1を洗浄して回収管18から排出される汚染洗浄液10が、黒い油水混濁廃液から透明な真水に変化する様子を見学者に見せれば、数値データとは異なる格別の訴求効果が得られる。
【0082】
また、負圧吸引手段として図3に示した真空ポンプ51を回収管18に接続して吸引した場合は、さらに短時間で効率良く油性汚染物14を吸い出して回収することが可能となる。
【0083】
以上のように汚染地層浄化デモ装置100を用いて、汚染地層浄化システム90による浄化のプロモーション・デモを実施すれば、ガソリンスタンドや自動車整備工場の小規模な跡地に残存するエンジン潤滑油等の油性汚染物14を、コンパクトな汚染地層浄化システム90により短時間で完全浄化できることの理解が得られるので、当該浄化が普及促進される。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】汚染地層浄化デモ装置の要部斜視図である。
【図2】フェントン浄化の説明図である。
【図3】従来の汚染地層浄化システムのプラント構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0085】
1 (模擬した)汚染地層
1′ (原位置の)汚染地層
2 噴射液
2x 第1液
2y 第2液
3 噴射孔
4x 第1液供給手段
4y 第2液供給手段
5 透明容器
6 オプション添加手段
7,7a 噴射ポンプ
9 抽出管
10 汚染洗浄液
11 圧入ロッド
12,12a,12j,12k 噴射ノズル
13 スクリーン深さ調整機構
14 油性汚染物
15,47 スクリーン
16 安全弁
17 圧入ホース
18 回収管
19 注水管
21x 第1の経路
21y 第2の経路
30 2液独立圧入手段
40 上蓋
50 処理プラント
51 真空ポンプ
52 ノッチタンク
53 曝気装置
54 水槽
55 活性炭吸着塔
56 沈殿槽兼洗浄槽
58 フィルタープレス
59 プレス汚泥
60 支柱
61 スイーベル
62 ラックギヤ
63 ピニオンギヤ
64 操作ハンドル
65 モータ
90 汚染地層浄化システム
100 汚染地層浄化デモ装置
D (油膜の)深さ
R 圧入ロッドの回転方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原位置における汚染の核心または近傍に配設された噴射ノズル(12)から調整自在に噴射される噴射液(2)により汚染地層(1′)が撹拌され前記噴射ノズル(12)の周囲に配設された抽出管(9)を透過した汚染物質が抽出される汚染地層浄化システム(90)を普及促進させる普及促進手段として、
前記汚染地層(1′)を内部に充填して密閉可能な透明容器(5)と、
前記透明容器(5)の中心から半径方向に噴射可能な噴射ノズル(12)および前記抽出管(9)を用いて前記汚染物質を抽出可能に構成された前記汚染地層浄化システム(90)の液送部と、を備えたことを特徴とする汚染地層浄化デモ装置(100)。
【請求項2】
油性汚染物(14)を回収する前記汚染地層浄化デモ装置(100)であって、
水に浮く油膜の深さ(D)に一致させるようにスクリーン(15)の深さを調整可能なスクリーン深さ調整機構(13)を備えたことを特徴とする請求項1に記載の汚染地層浄化デモ装置(100)。
【請求項3】
前記スクリーン(15)に負圧吸引手段を接続したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の汚染地層浄化デモ装置(100)。
【請求項4】
フェントン反応によるVOCs浄化促進手段として、
硫酸鉄(II)を含む鉄(II)塩が添加された第1液(2x)と、過酸化水素が添加された第2液(2y)が、汚染浄化の化学反応する前段階まで隔離され、前記透明容器中に設定された前記汚染地層(1′)中に挿入された圧入ロッド(11)を通して、前記汚染地層(1′)の深遠部(1x,1y)まで同時に注入される2液独立圧入手段(30)と、を備えた前記汚染地層浄化システム(90)において、
前記2液独立圧入手段(30)は、
前記第1液(2x)を供給する第1液供給手段(4x)と、
前記第2液(2y)を供給する第2液供給手段(4y)と、
制御自在に加圧した前記第1液(2x)および前記第2液(2y)を別経路に区別して前記圧入ロッド(11)に圧入可能な噴射ポンプ(7)と、
前記圧入ロッド(11)に圧入された前記第1液(2x)と前記第2液(2y)を、相反して遠ざける方向に噴射するように前記圧入ロッド(11)の周面上に離間して配設された第1の噴射ノズル(12j)および第2の噴射ノズル(12k)と、
前記第1液(2x)および前記第2液(2y)に対応して独立した第1の経路(21x)および第2の経路(21y)と、を備えたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の汚染地層浄化デモ装置(100)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−334570(P2006−334570A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−166042(P2005−166042)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(501442688)田中環境開発株式会社 (4)
【Fターム(参考)】