説明

汚水処理装置

【課題】簡素な構成で固液分離槽の沈殿分離効果を向上させることのできる汚水処理装置を提供すること。
【解決手段】原水槽Aの被処理水を固液分離槽B1に流入させるための流入口19を、固液分離槽B1の幅方向の中心Zよりも右側の仕切り壁W1に設け、固液分離槽B1の被処理水を処理槽B2に流入させるための流出口20を、固液分離槽B1の幅方向の中心Zよりも左側の仕切り壁W1に設けるか、あるいは、流入口19を固液分離槽B1の幅方向の中心Zよりも左側の仕切り壁W1に設け、流出口20を固液分離槽B1の幅方向の中心Zよりも右側の仕切り壁W1に設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底面の四辺のそれぞれから上流側壁、下流側壁、右側壁、及び左側壁が立設し、前記上流側壁と前記下流側壁とが対向し、前記右側壁と前記左側壁とが対向し、被処理水が前記上流側壁側から流入して前記下流側壁側から放流され、前記上流側壁及び前記下流側壁が位置する方向を長手方向とし、前記右側壁及び前記左側壁が位置する方向を幅方向とする本体部を備え、前記本体部の中に、被処理水の移流方向に沿って、被処理水の原水を受ける原水槽、被処理水の固液分離を行う固液分離槽、及び被処理水を処理する処理槽が順に配置され仕切り壁で区画されている汚水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の汚水処理装置としては、例えば、特許文献1に示すものが知られている。ここでは、複数の固液分離槽が装置の長手方向に沿って直列に配置されており、被処理水がこれらの固液分離槽を順に移流しながら固液分離処理が行われるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭51−150865号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の汚水処理装置においては、複数の固液分離槽を装置の長手方向に沿って直列に配置している。しかし、近年装置の小型化が図られるにつれ各固液分離槽における長手方向の長さが短くなっていた。
その結果、被処理水が各固液分離槽を流れる距離が短くなるため、複数の固液分離槽を設けるわりには、所望する沈殿分離効果が得られ難い場合が生じていた。
本発明の目的は、簡素な構成で固液分離槽の沈殿分離効果を向上させることのできる汚水処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の汚水処理装置に係る第1特徴構成は、底面の四辺のそれぞれから上流側壁、下流側壁、右側壁、及び左側壁が立設し、前記上流側壁と前記下流側壁とが対向し、前記右側壁と前記左側壁とが対向し、被処理水が前記上流側壁側から流入して前記下流側壁側から放流され、前記上流側壁及び前記下流側壁が位置する方向を長手方向とし、前記右側壁及び前記左側壁が位置する方向を幅方向とする本体部を備え、前記本体部の中に、被処理水の移流方向の上流側から、被処理水の原水を受ける原水槽、被処理水の固液分離を行う固液分離槽、及び被処理水を処理する処理槽が順に配置され仕切り壁で区画されている汚水処理装置において、前記原水槽の被処理水を前記固液分離槽に流入させるための流入口を、前記固液分離槽の幅方向の中心よりも右側の仕切り壁に設け、前記固液分離槽の被処理水を前記処理槽に流入させるための流出口を、前記固液分離槽の幅方向の中心よりも左側の仕切り壁に設けるか、あるいは、前記流入口を前記固液分離槽の幅方向の中心よりも左側の仕切り壁に設け、前記流出口を前記固液分離槽の幅方向の中心よりも右側の仕切り壁に設けてある点にある。
【0006】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、被処理水を固液分離槽に流入させるための流入口、及び被処理水を固液分離槽から流出させるための流出口のそれぞれを、仕切り壁において、固液分離槽の幅方向の中心を境に右側及び左側(あるいは、左側及び右側)に設けているため、被処理水が固液分離槽に流入してから流出するまでの直線距離が長くなる。その結果、固液分離槽の長手方向の長さが短い場合でも固液分離槽を被処理水が通過する距離が長くなるため、固液分離槽の沈殿分離効果が向上する。
【0007】
第2特徴構成は、前記処理槽は、前記本体部の長手方向を区画する仕切り壁の下流側壁側に設けられ、前記原水槽が、前記長手方向を区画する仕切り壁側に配置され、前記原水槽の幅が、前記固液分離槽の幅よりも短く設定され、前記固液分離槽の前記流入口が、前記原水槽と前記固液分離槽との仕切り壁の上流側壁側に設けられている点にある。
【0008】
〔作用及び効果〕
本構成のごとく、原水槽を下流側の処理槽の仕切り壁側に配置し、原水槽の幅を固液分離槽の幅よりも短くし、固液分離槽の流入口を、原水槽との仕切り壁の上流側壁側に設けることによって、原水槽に流入してきた被処理水は、原水槽から固液分離槽へ上流側壁側に向かって移流し、固液分離槽内を幅方向に向かって流れ、処理槽へは下流側壁側に向かって移流する。つまり、被処理水を、原水槽の周りを流れるように移流させることができる。これにより、装置に流入してきた被処理水の原水が、処理槽に移流するまでの被処理水の移動距離をより長く設定することができ、固液分離槽の沈殿分離効果がより向上する。
【0009】
第3特徴構成は、被処理水の固液分離を行う第2固液分離槽が、前記固液分離槽と前記処理槽との間で、前記原水槽の幅方向に隣接して設けられている点にある。
【0010】
〔作用及び効果〕
本構成のごとく、さらなる第2の固液分離槽を設けることによって、原水槽から固液分離槽に移流した被処理水は、原水槽と第2固液分離槽との仕切り壁に沿って流れ、第2固液分離槽に移流し、その後処理槽に移流するので、被処理水が固液分離処理される距離を長くすることができ、さらにより確実に被処理水の固液分離を行うことができる。
【0011】
第4特徴構成は、前記原水槽が、流入する被処理水の原水を上部から受け入れる好気ろ床部と、該好気ろ床部に下から空気を供給する散気管とを備え、前記流入口が、前記固液分離槽の上下方向の中間部に設けられ、前記好気ろ床部の下方と、前記流入口を連通させる連通路が設けられている点にある。
【0012】
〔作用及び効果〕
本構成のごとく、原水槽が、流入する被処理水の原水を上部から受け入れる好気ろ床部と、該好気ろ床部に下から空気を供給する散気管とを備えることによって、被処理水が好気ろ床部で一旦捉えられ、散気管のばっ気によって攪拌されて分解される。これにより、原水槽における沈降汚泥が発生し難くなる。
また本構成のごとく、流入口と好気ろ床部の下方とを連通させる連通路が設けられているので、原水槽で発生した汚泥をスムーズに固液分離槽へ移流させることができる。また、流入口を固液分離槽の上下方向の中間部に設けているので、固液分離槽の上方に溜まっているスカムや下方に沈降している沈降汚泥を乱す虞が低くなるので、固液分離槽での汚泥貯留能力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る汚水処理装置を模式的に示した縦断側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る汚水処理装置の横断平面図である。
【図3】図2の矢視線III−IIIにおける縦断面図である。
【図4】図2の矢視線IV−IVにおける縦断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る汚水処理装置の横断平面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る汚水処理装置の横断平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の汚水処理装置の実施の形態として、生活排水等を処理する小型浄化槽を図面に基づいて説明する。
【0015】
〔第1実施形態〕
図1及び図2に示すように、浄化槽1は、底面2の四辺のそれぞれから上流側壁3、下流側壁4、右側壁5、及び左側壁6が立設し、上流側壁3と前記下流側壁4とが対向し、右側壁5と左側壁6とが対向して配置される本体部7を備える。尚、上流側壁3及び下流側壁4が位置する方向を長手方向Xとし、右側壁5及び左側壁6が位置する方向を幅方向Yとする。
【0016】
本体部7の中に、汚水(被処理水)の移流方向の上流側から、汚水の原水を受ける原水槽としての好気ろ床槽A、汚水の固液分離を行う固液分離槽B1、並びに汚水を処理する処理槽として、嫌気ろ床槽C、担体流動槽D、沈殿槽E、及び消毒槽Gが順に配置され仕切り壁Wで区画されている。
【0017】
また、本実施形態においては、好気ろ床槽Aと固液分離槽B1は、上流側壁3と処理槽の上流側壁3側の仕切り壁(嫌気ろ床槽Cとの仕切り壁W2)との間に設けられ、好気ろ床槽Aの幅が、固液分離槽B1の幅の幅よりもおよそ半分程度と短く設定されており、好気ろ床槽Aが、長手方向Xにおいて嫌気ろ床槽Cとの仕切り壁W2側に配置されている。本実施形態では、好気ろ床槽Aは、固液分離槽B1の幅方向Yの中心Zよりも右側(右側壁5側)に偏心しており、好気ろ床槽A及び固液分離槽B1と下流側の嫌気ろ床槽Cとを仕切る仕切り壁W2側に配置される。
【0018】
汚水はまず、浄化槽1の上流側壁3の上端から延びる原水流入管18から好気ろ床槽Aに流入する。
【0019】
好気ろ床槽Aは、好気性微生物を付着生息させるろ材が充填される好気ろ床部10と、好気ろ床部10に下から空気を供給する散気管K1とを備える。汚水は、原水流入部18から好気ろ床部10の上部に流入し、流入した汚水が好気ろ床部10を通過する際に、好気性微生物による有機物の分解が行われる。
【0020】
次いで、図2及び図3に示すように、好気ろ床槽Aの好気ろ床部10を通過した汚水は、好気ろ床部10の下方と、固液分離槽B1の流入口19とを連通する連通路30を通り、好気ろ床槽Aと固液分離槽B1とを仕切る仕切り壁W1の流入口19から固液分離槽B1に移流する。この流入口19は、仕切り壁W1において、固液分離槽B1の幅方向Yの中心Zよりも右側(右側壁5側)であって、仕切り壁W1の右端の上下方向の中間部に設けられている。
【0021】
そして、図2に示すように、流入口19から移流してきた汚水は、固液分離槽B1内を固液分離処理されつつ、好気ろ床槽Aの周りを回るように、左側壁6側、そして仕切り壁W2側へと移流し、汚水中の固形物が沈殿して除去される。
【0022】
次いで、固液分離槽B1の汚水は、固液分離槽B1と嫌気ろ床槽Cとを仕切る仕切り壁W2の流出口20から嫌気ろ床槽Cに移流する。図4に示すように、この流出口20は、仕切り壁W2において、固液分離槽B1の幅方向Yの中心Zよりも左側(左側壁6側)であって、好気ろ床槽A付近の上下方向の中間部に設けられている。
【0023】
嫌気ろ床槽Cは、嫌気性微生物を付着生息させるろ材が充填される嫌気ろ床部12を備える。汚水が嫌気ろ床部12を通過する際に、固形物の分離、嫌気性微生物の働きによる有機物の分解、及び脱窒(嫌気処理)が行われて汚水中の窒素成分が除去される。
【0024】
次いで、嫌気ろ床槽Cの嫌気ろ床部12を通過した汚水は、移流口22から担体流動槽Dに移流する。
【0025】
好気処理を行う担体流動槽Dには、略球形の樹脂製の担体Tが多数充填されており、下部に散気管K2が設けられている。散気管K2には、図示しないばっ気ブロアから空気が供給される。散気管K2から空気が供給されることによって、担体Tが槽内で流動し、担体Tの表面に付着している好気性微生物による有機物の分解とアンモニア性窒素の硝化(好気処理)が行われる。
【0026】
担体流動槽Dは、下部において沈殿槽Eと連通しており、担体流動槽Dの汚水は、沈殿槽Eを上向きに流れ消毒槽Gに移流する。また、担体流動槽Dには、床部の汚水及び汚泥を、好気ろ床槽Aに移送するための循環エアリフトポンプP2と返送管15が設けられている。
【0027】
消毒槽Gの消毒装置16に流入した汚水は、消毒装置16の固形消毒剤と接触して消毒された後、槽外に放流される。
【0028】
以下に本発明の汚水処理装置の第2及び第3実施形態について説明するが、ここでは、上記第1実施形態と異なる構成についてのみ説明し、上記第1実施形態で説明した構成部品と同じ作用を有する構成部品については、同じ符号を付すことにより説明を省略する。
【0029】
〔第2実施形態〕
図5に示すように、第2実施形態においては、好気ろ床槽Aの幅が、固液分離槽B1の幅のおよそ半分程度に設定されており、さらに、嫌気ろ床槽C(処理槽)の上流側壁3側の仕切り壁W2側で、好気ろ床槽Aに隣接して第2固液分離槽B2が設けられている。本実施形態では、好気ろ床槽Aは、固液分離槽B1の幅方向Yの中心Zよりも右側(右側壁5側)に偏心して配置され、第2固液分離槽B2は、固液分離槽B1の下流側で、且つ好気ろ床槽Aの左側(左側壁6側)に配置され、好気ろ床槽Aと第2固液分離槽B2は、下流の嫌気ろ床槽Cに隣接するように配置される。
【0030】
汚水はまず、浄化槽1の上流側壁3の上端から延びる原水流入管18から好気ろ床槽Aに流入する。
【0031】
次いで、図5に示すように、好気ろ床槽Aの汚水は、好気ろ床槽Aと固液分離槽B1とを仕切る仕切り壁W1(後述するように、本実施形態おけるこの仕切り壁W1は固液分離槽B1と第2固液分離槽B2とを仕切る仕切り壁でもある)の流入口19から固液分離槽B1に移流する。この流入口19は、第1実施形態と同様に、仕切り壁W1において、固液分離槽B1の幅方向Yの中心Zよりも右側(右側壁5側)であって、仕切り壁W1の右端の上下方向の中間部に設けられている。
【0032】
そして、流入口19から移流してきた汚水は、固液分離槽B1内を固液分離処理されつつ左側壁6側に流れ、汚水中の固形物が沈殿して除去される。
【0033】
次いで、固液分離槽B1の汚水は、固液分離槽B1と第2固液分離槽B2とを仕切る仕切り壁W1の流出口20から第2固液分離槽B2に移流する。図5に示すように、この流出口20は、仕切り壁W1において、固液分離槽B1の幅方向Yの中心Zよりも左側(左側壁6側)であって、且つ仕切り壁W1の左端の上下方向の中間部に設けられている。
【0034】
そして、流出口20から移流してきた汚水は、第2固液分離槽B2内を好気ろ床槽A側に流れ、上記固液分離槽B1と同様に、汚水中の固形物が沈殿して除去される。
【0035】
次いで、第2固液分離槽B2の汚水は、第2固液分離槽B2と嫌気ろ床槽Cとを仕切る仕切り壁W2(本実施形態おけるこの仕切り壁W2は、好気ろ床槽Aと嫌気ろ床槽Cとを仕切る仕切り壁でもある)の第2流出口21から嫌気ろ床槽Cに移流する。図5に示すように、この第2流出口21は、仕切り壁W2において、浄化槽1の幅方向Yの中心Zよりも左側(左側壁6側)であって、且つ好気ろ床槽A付近の上下方向の中間部に設けられている。
【0036】
嫌気ろ床槽Cに移流した汚水については、その後、上述の第1実施形態と同様の処理が実施される。
【0037】
本実施形態では、流入口19から固液分離槽B1に移流してきた被処理水は、好気ろ床槽Aと第2固液分離槽B2との仕切り壁W1に沿って、仕切り壁W1の左側の流出口20に移流するため、固液分離槽B1の移流距離を長くすることができる。
【0038】
流出口20から第2固液分離槽B2に移流した被処理水はさらに固液分離処理されて嫌気ろ床槽Cに移流するため、全体的に固液分離処理する距離を長くすることができる。
【0039】
〔第3実施形態〕
図6に示すように、第3実施形態においては、本体部7の中に、長手方向Xの上流側壁3側から、汚水の原水を受ける原水槽としての好気ろ床槽A、及び汚水の固液分離を行う固液分離槽B1が順に配置され仕切り壁W1で区画されている。
【0040】
汚水はまず、浄化槽1の上流側壁3の上端に設けてある原水流入管18から好気ろ床槽Aに流入する。
【0041】
次いで、図6に示すように、好気ろ床槽Aの汚水は、好気ろ床槽Aと固液分離槽B1とを仕切る仕切り壁W1の流入口19から固液分離槽B1に自然移流する。この流入口19は、仕切り壁W1において、固液分離槽B1の幅方向Yの中心Zよりも左側(左側壁6側)であって、仕切り壁W1の左端の上下方向の中間部に設けられている。
【0042】
そして、流入口19から移流してきた汚水は、固液分離槽B1内を固液分離処理されつつ右側壁5側に流れ、汚水中の固形物が沈殿して除去される。
【0043】
次いで、固液分離槽B1の汚水は、固液分離槽B1と嫌気ろ床槽Cとを仕切る仕切り壁W2の流出口20から嫌気ろ床槽Cに自然移流する。この流出口20は、仕切り壁W2において、固液分離槽B1の幅方向Yの中心Zよりも右側(右側壁5側)であって、仕切り壁W2の上下方向の中間部に設けられている。
【0044】
嫌気ろ床槽Cに移流した汚水については、その後、上述の第1実施形態と同様の処理が実施される。
【0045】
〔その他の実施形態〕
1.上述の第1〜第3実施形態の好気ろ床槽A及び固液分離槽B1に関して、浄化槽1の幅方向Yの中心Zを通る長手方向Xに延びる線を軸として線対称となるように、左右の構成を入れ替えて構成しても良い。即ち、第1及び第2実施形態では、流出口20を、仕切り壁Wにおいて、固液分離槽B1の幅方向Yの中心Zよりも左側(左側壁6側)に設け、流出口20を仕切り壁Wにおいて、固液分離槽B1の幅方向Yの中心Zよりも右側(右側壁5側)に設けても良い。また、第3実施形態では、流出口20を、仕切り壁Wにおいて、固液分離槽B1の幅方向Yの中心Zよりも右側(右側壁5側)に設け、流出口20を仕切り壁Wにおいて、固液分離槽B1の幅方向Yの中心Zよりも左側(左側壁6側)に設けても良い。
2.上述の実施形態では、処理槽として嫌気ろ床槽C、担体流動槽D、沈殿槽E、消毒槽Gの構成としたが、これに限定されるものではなく、処理槽は、固液分離処理、嫌気処理、好気処理などを行う処理槽の組合せであれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係る汚水処理装置は、小型の浄化槽だけでなく、中型及び大型の浄化槽に用いることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 浄化槽
2 底面
3 上流側壁
4 下流側壁
5 右側壁
6 左側壁
7 本体部
10 好気ろ床部
12 嫌気ろ床部
19 流入口
20 流出口
A 好気ろ床槽(原水槽)
B1 固液分離槽
B2 第2固液分離槽
C 嫌気ろ床槽(処理槽)
W 仕切り壁
X 長手方向
Y 幅方向
Z 幅方向の中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面の四辺のそれぞれから上流側壁、下流側壁、右側壁、及び左側壁が立設し、
前記上流側壁と前記下流側壁とが対向し、前記右側壁と前記左側壁とが対向し、被処理水が前記上流側壁側から流入して前記下流側壁側から放流され、前記上流側壁及び前記下流側壁が位置する方向を長手方向とし、前記右側壁及び前記左側壁が位置する方向を幅方向とする本体部を備え、
前記本体部の中に、被処理水の移流方向の上流側から、被処理水の原水を受ける原水槽、被処理水の固液分離を行う固液分離槽、及び被処理水を処理する処理槽が順に配置され仕切り壁で区画されている汚水処理装置において、
前記原水槽の被処理水を前記固液分離槽に流入させるための流入口を、前記固液分離槽の幅方向の中心よりも右側の仕切り壁に設け、前記固液分離槽の被処理水を前記処理槽に流入させるための流出口を、前記固液分離槽の幅方向の中心よりも左側の仕切り壁に設けるか、あるいは、前記流入口を前記固液分離槽の幅方向の中心よりも左側の仕切り壁に設け、前記流出口を前記固液分離槽の幅方向の中心よりも右側の仕切り壁に設けてある汚水処理装置。
【請求項2】
前記処理槽は、前記本体部の長手方向を区画する仕切り壁の下流側壁側に設けられ、前記原水槽が、前記長手方向を区画する仕切り壁側に配置され、前記原水槽の幅が、前記固液分離槽の幅よりも短く設定され、前記固液分離槽の前記流入口が、前記原水槽と前記固液分離槽との仕切り壁の上流側壁側に設けられている請求項1に記載の汚水処理装置。
【請求項3】
被処理水の固液分離を行う第2固液分離槽が、前記固液分離槽と前記処理槽との間で、前記原水槽の幅方向に隣接して設けられている請求項2に記載の汚水処理装置。
【請求項4】
前記原水槽が、流入する被処理水の原水を上部から受け入れる好気ろ床部と、該好気ろ床部に下から空気を供給する散気管とを備え、前記流入口が、前記固液分離槽の上下方向の中間部に設けられ、前記好気ろ床部の下方と、前記流入口を連通させる連通路が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の汚水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−206083(P2012−206083A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75776(P2011−75776)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】