説明

決済端末

【課題】利用者にとって使い勝手の良い決済端末を提供する。
【解決手段】本実施形態の決済端末は、電子マネー情報を記憶する記憶媒体に対する情報の読み書きを行うリーダライタと、商品に表示されている商品コードの情報を読み取るスキャナとを備える本体部と、前記本体部を着脱可能に保持する保持部と、を備え、前記本体部は、前記保持部に保持されている場合に、前記スキャナを介して一つの商品コードの情報を読み取って商品情報を登録した後、前記リーダライタを介して前記登録した商品情報に対して電子決済を行うことのみを許容する単品決済モードを実行し、他方、前記保持部から取り外された場合に、前記単品決済モードと異なるモードを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、決済端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を販売する店舗などに設置され、商品の登録および決済を行う決済端末としてPOS(Point Of Sales:販売時点情報管理)端末が一般的に知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、利用者にとって使い勝手の良い決済端末が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本実施形態の決済端末は、電子マネー情報を記憶する記憶媒体に対する情報の読み書きを行うリーダライタと、商品に表示されている商品コードの情報を読み取るスキャナとを備える本体部と、前記本体部を着脱可能に保持する保持部と、を備え、前記本体部は、前記保持部に保持されている場合に、前記スキャナを介して一つの商品コードの情報を読み取って商品情報を登録した後、前記リーダライタを介して前記登録した商品情報に対して電子決済を行うことのみを許容する単品決済モードを実行し、他方、前記保持部から取り外された場合に、前記単品決済モードと異なるモードを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、本実施形態に係る決済端末の外観構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る決済端末の外観構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、本体部の一側面を示す側面図である。
【図4】図4は、本体部の背面を示す背面図である。
【図5】図5は、保持部の正面を示す正面図である。
【図6】図6は、保持部の一側面を示す側面図である。
【図7】図7は、本体部の制御系のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、CPUの機能構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、本体部が保持部に保持されている状態における利用形態を示す斜視図である。
【図10】図10は、本体部が保持部から取り外された状態における利用形態を示す斜視図である。
【図11】図11は、決済端末における処理動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0007】
なお、本実施形態に係る決済端末は、概略的には、本体部が保持部に保持されている状態において、客自身が購入対象の商品に係る商品の登録および決済を行う決済モードを実行するセルフ式の決済端末となり、他方、本体部が保持部から取り外された状態において、店員により利用されるモードを実行する決済端末となるものである。
【0008】
最初に、本実施形態に係る決済端末1の外観構成について図1〜図6を用いて説明する。図1および図2は、本実施形態に係る決済端末1の外観構成を示す斜視図である。図1および図2に示すように、決済端末1は、本体部2と、その本体部2を着脱可能に保持する保持部(クレードル)3とを主体に構成されている。なお、図1が、本体部2が保持部3に保持されている様子を示し、図2が、本体部2が保持部3から取り外された様子を示している。
【0009】
図3は、本体部2の一側面を示す側面図であり、図4は、本体部2の背面を示す背面図であり、図5は、保持部3の正面を示す正面図であり、図6は、保持部3の一側面を示す側面図である。
【0010】
図示のように、本体部2は、正面に、各種情報を表示する液晶ディスプレイ(表示部)21と、その液晶ディスプレイ21に積層されるタッチパネル22と、所定の読取り窓を介して電子マネー情報を記憶した記憶媒体(携帯電話機や電子マネーカードなど)(不図示)に対する情報の読み書きを行う電子マネーRW23と、所定の読取り窓を介して店舗で販売される商品(不図示)に表示されているコードシンボル(例えば、バーコードなど)の情報(商品コード)を読み取るCCDスキャナ(以下、単に「スキャナ」という。)24とを備えている。
【0011】
本体部2の一側面には、後述の「単品決済モード」または「複数決済モード」のいずれか一方の決済モードを指定するための押しボタン式の切替ボタン25と、客による決済の正否(即ち、客が正しく決済したか否か)を確認するための押しボタン式の確認ボタン26とが設けられている。
【0012】
本体部3の背面には、本体部2を保持部3に保持させる場合に保持部3の収納部31に収納されるとともに、本体部2を保持部3から取り外した場合に店舗の店員の手により把持される収納把持体27が設けられている。
【0013】
また、本体部3の背面には、本体部2を保持部3に保持させる場合に保持部3の一対の第1の連結部32、32と夫々連結する一対の第1の連結部28、28(図3、図4参照)と、同じく本体部2を保持部3に保持させる場合に保持部3の一対の第2の連結部33、33と夫々連結する一対の第2の連結部29、29(図3、図4参照)とが設けられている。
【0014】
更に、本体部3の背面には、本体部2を保持部3に保持させた場合に保持部3の一対の給電端子T3、T3と接続される一対の電源端子T1、T1(図3、図4参照)と、同じく本体部2を保持部3に保持させた場合に保持部3の通信端子T4と接続される通信端子T2(図3、図4参照)とが設けられている。
【0015】
保持部3は、上記収納把持体27を収納する収納部31を備えている。
【0016】
保持部3の正面には、上記一対の第1の連結部32、32と、上記一対の第2の連結部33、33と、上記一対の給電端子T3、T3と、上記通信端子T4とが設けられている(図2、図5、図6参照)。
【0017】
なお、本実施形態の決済端末1は、商品を販売する店舗に設置されるものであり、例えば、コンビニエンスストアの商品陳列棚毎に設置され、一つの商品のみを購入するような客が自身で購入対象の商品の登録および決済を行うのに利用される。なお、複数の商品を購入希望する客は、上記コンビニエンスストアの会計場所に設置されているPOS端末にて店員(キャッシャ)などの操作により複数の商品の登録および決済を行ってもらう。
【0018】
次に、本体部2の制御系のハードウェア構成について図7を用いて説明する。図7は、本体部2の制御系のハードウェア構成を示すブロック図である。図7に示すように、本体部2は、CPU(Central Processing Unit)20aと、ROM(Read Only Memory)20bと、RAM(Random Access Memory)20cとを備え、それらがバスラインBLを介して接続されている。CPU20aは、ROM20bに格納されたプログラムをRAM20cに展開して実行することにより、本体部2の処理動作を制御する処理制御部200(図9参照)として機能する。
【0019】
また、CPU20aには、バスラインBLやインターフェース(不図示)を介して、液晶ディスプレイ21、タッチパネル22、記憶装置(不揮発性メモリ)20d、入力I/F20e、電子マネーRW23、第1通信I/F20f、第2通信I/F20g、スキャナ24、履歴リーダ20h、電源制御部20iなどが接続されている。また、CPU20aには、上記入力I/F20eを介して切替ボタン25および確認ボタン26が接続されている。
【0020】
ROM20b、RAM20cおよび記憶装置20dは、記憶手段として機能するものであり、各種データを格納する。なお、記憶装置20dは、電源が遮断されても保持する必要のあるデータを記憶保持するための記憶手段であり、例えば、不揮発性メモリで構成される。
【0021】
第1通信I/F20fは、通信端子T2および保持部3の通信端子T4を介して有線で保持部3に接続され、決済済みシールSを発行するプリンタP1と通信を行うインタフェースであり、他方、第2通信I/F20gは、店員などにより予め本体部2に関連付けられ、Bluetooth(登録商標)や無線LAN(Local Area Network)などにより接続され、後述の前捌きモード実行時に事前登録券Rを発行するプリンタP2と通信を行うインタフェースである。なお、第1通信I/F20fおよび第2通信I/F20gは、図示しない店舗の会計場所に設置される親のPOS端末や店舗のオフィスに設置されるストアサーバなどとも通信を行うものである。
【0022】
履歴リーダ20hは、客による決済の正否を確認する際に、客の所持する記憶媒体(携帯電話機や電子マネーカードなど)から商品の購入履歴の情報を読み取る読取装置である。
【0023】
電源制御部20iは、本体部2への電源供給を制御するものであり、本体部2が保持部3に保持されている場合(即ち、電源端子T1と給電端子T3とが接続状態である場合)には、コンセント(不図示)を介して接続される商用電源(外部電源)PWからの電力を本体部2の内部の各構成要素(CPU20a、ROM20b、RAM20c、液晶ディスプレイ21、タッチパネル22、記憶装置20d、電子マネーRW23、スキャナ24、履歴リーダ20hなど)に供給し、一方、本体部2が保持部3から取り外されている場合(即ち、電源端子T1と給電端子T3とが非接続状態である場合)には、本体部2が内蔵する蓄電池20jからの電力を上記各構成要素に供給する。
【0024】
即ち、本実施形態の本体部2は、保持部3に保持されている状態では、商用電源(外部電源)PWから供給される電力により動作し、他方、保持部3から取り外された状態では、内蔵されている蓄電池20jから供給される電力により動作するようになっている。
【0025】
次に、本体部2の機能構成について図8を用いて説明する。図8は、CPU20aの機能構成を示すブロック図である。図8に示すように、CPU20aは、ROM20bなどに記憶されるプログラムをRAM20cなどに展開して実行することにより、処理制御部200として機能する。なお、処理制御部200は、状態判定部200a、決済モード切替部200b、単品決済部200c、複数決済部200d、前捌き部200e、プリンタ切替部200f、購入履歴確認部200gを有している。
【0026】
ここで、状態判定部200aは、電源端子T1と給電端子T3の接続状態/非接続状態により本体部2が保持部3に保持されているか、保持部3から取り外されているかを判定するものである。
【0027】
決済モード切替部200bは、状態判定部200aの判定結果に基づき本体部2が保持部3に保持されている状態で、切替ボタン25および入力I/F20eを介して「単品決済モード」を指定する指示が入力された場合に、本体部2が実行する決済モードを「単品決済モード」にすべく、後述の単品決済部200cに実行指示を出力するものである。また、決済モード切替部200bは、本体部2が保持部3に保持されている状態で、切替ボタン25および入力I/F20eを介して「複数決済モード」を指定する指示が入力された場合に、本体部2が実行する決済モードを「複数決済モード」にすべく、後述の複数決済部200dに実行指示を出力するものである。
【0028】
単品決済部200cは、上記決済モード切替部200bからの実行指示に基づいて、スキャナ24を介して一つの商品の商品コードの情報を読み取って商品情報を登録した後、上記電子マネーRW23を介して上記登録した商品情報に対して電子決済を行うことのみを許容する「単品決済モード」を実行するものである。なお、この単品決済部200cは、商品の単品決済を終了した場合に、プリンタP1を用いて決済済みシールSを発行する。
【0029】
複数決済部200dは、上記決済モード切替部200bからの実行指示に基づいて、スキャナ24を介して1または複数の商品の商品コードの情報を読み取り商品情報を登録し、上記電子マネーRW23を介して上記登録した1または複数の商品の電子マネーによる決済を行うことを一取引とした「複数決済モード」を実行するものである。
【0030】
前捌き部200eは、状態判定部200aの判定結果に基づき本体部2が保持部3から取り外された場合に、スキャナ24を介して1または複数の商品の商品コードの情報を取得して商品情報を登録し、該登録した商品情報をコード化したQRコード(2次元コード)を印字した事前登録券R(図10)をプリンタP2を用いて発行する「前捌きモード」を実行するものである。
【0031】
プリンタ切替部200fは、状態判定部200aの判定結果に基づき本体部2が保持部3に保持されている場合に、第1通信I/F20fを用いて保持部3に接続されているプリンタP1と通信接続を行い、他方、状態判定部200aの判定結果に基づき本体部2が保持部3から取り外された場合には、第2通信I/F20gを用いて予め店員などにより本体部2と関連付けられているプリンタP2と通信接続を行うものである。
【0032】
購入履歴確認部200gは、状態判定部200aの判定結果に基づき本体部2が保持部3に保持されている場合で、且つ、確認ボタン26が押下操作された場合に、履歴リーダ20hを用いて、客の所持する記憶媒体(携帯電話機や電子マネーカードなど)から履歴情報を読み取って液晶ディスプレイ21に表示し、客による決済の正否を確認する「確認モード」を実行するものである。なお、購入履歴確認部200gは、購入履歴情報として、自店舗の購入情報のみを液晶ディスプレイ21に表示し、他店舗の購入情報は液晶ディスプレイ21に表示しない。
【0033】
即ち、店員は、正しく決済をしていないと思われる客(即ち、決済したふりをして商品を持ち帰ろうとする客など)から電子マネー情報が記憶されている記憶媒体(携帯電話機や電子マネーカード)を拝借して、履歴リーダ20hに履歴情報を読み取らせ、購入履歴確認部200gによって液晶ディスプレイ21に履歴情報を表示させることで、その表示された履歴情報から、客が持っている商品の値段と、液晶ディスプレイ21に表示された購入履歴の一番新しい値段とを比べ両者が一致していれば正しく決済されたと判断し、他方、両者が一致していなければ決済が正しく行われていないと判断することができる。
【0034】
なお、本実施形態の決済端末1は、基本的には、店員などによる切替ボタン25の押下操作に基づき単品決済モードを実行するように設定される。
【0035】
次に、本実施形態の決済端末1の利用形態について図9および図10を用いて説明する。図9は、本体部2が保持部3に保持されている状態における利用形態を示す斜視図であり、図10は、本体部2が保持部3から取り外された状態における利用形態を示す斜視図である。
【0036】
即ち、本実施形態の決済端末1は、本体部2が保持部3に保持されている状態においては、上記単品決済部200cによる上記「単品決済モード」または上記複数決済部200dによる上記「複数決済モード」のいずれか一方を実行し、「単品決済モード」を実行する場合には、客が購入する一つの商品の決済が終了した場合に、保持部3に接続されているプリンタP1で決済済みシールS(図9参照)を発行する。
【0037】
また、本実施形態の決済端末1は、本体部2が保持部3から取り外された状態においては、上記前捌き部200eによる上記「前捌きモード」を実行し、予め店員などにより本体部2と関連付けられているプリンタP2で事前登録券R(図10参照)を発行する。
【0038】
なお、発行された事前登録券Rは、該当する客に手渡される。そして、客が、その事前登録券Rを店舗の会計場所で店員(キャッシャ)に手渡すと、キャッシャが客から受け取った事前登録券Rに印字されているQRコード(2次元コード)Qを会計場所に設置されている親となるPOS端末に接続されたスキャナに読み取らせる。すると、POS端末が、スキャナによって読み取られたQRコードに組み込まれたデータに基づいて決済処理を実行する。
【0039】
次に、上記した構成を有する決済端末1における処理動作について図11を用いて説明する。図11は、決済端末1における処理動作の流れを示すフローチャートである。
【0040】
図11に示すように、決済端末1では、処理制御部200の状態判定部200aが、本体部2が保持部3に保持されているか否かを判定する(ステップS1)。この判定の結果、状態判定部200aが、本体部2が保持部3に保持されている(図9参照)と判定した場合(ステップS1:Yes)、続いて、処理制御部200では、単品決済モードが指定されているか否かを判定する(ステップS2)。
【0041】
即ち、ステップS2の処理においては、決済モード切替部200bが、状態判定部200aの判定結果に基づき本体部2が保持部3に保持されている状態で、切替ボタン25および入力I/F20eを介して「単品決済モード」を指定する指示が入力されていると、「単品決済モード」が指定されていると判定し(ステップS2:Yes)、本体部2が実行する決済モードを「単品決済モード」にすべく、単品決済部200cに実行指示を出力する。これにより、続くステップS3において、単品決済部200cが動作して、本体部2が上述の単品決済モードを実行可能な状態に遷移する。
【0042】
なお、上記ステップS3においては、プリンタ切替部200fが、第1通信I/F20fを用いて保持部3に接続されているプリンタP1(図9参照)と通信接続を行う。
【0043】
また、他方、上記ステップS2の処理において、決済モード切替部200bが、状態判定部200aの判定結果に基づき本体部2が保持部3に保持されている状態で、切替ボタン25および入力I/F20eを介して「複数決済モード」を指定する指示が入力されていると、「複数決済モード」が指定されていると判定し(ステップS2:No)、本体部2が実行する決済モードを「複数決済モード」にすべく、複数決済部200dに実行指示を出力する。これにより、続くステップS4において、複数決済部200dが動作して、本体部2が上述の複数決済モードを実行可能な状態に遷移する。
【0044】
一方、上記ステップS1の判定の結果、状態判定部200aが、本体部2が保持部3に保持されていない(図10参照)と判定した場合(ステップS1:No)、続いて、処理制御部200では、前捌き部200eが動作して、本体部2が上述の前捌きモードを実行可能な状態に遷移する(ステップS5)。
【0045】
なお、上記ステップS5においては、プリンタ切替部200fが、第2通信I/F20gを用いて予め店員などにより本体部2と関連付けられているプリンタP2(図10参照)と通信接続を行う。
【0046】
なお、上記ステップS3およびステップS4の処理においては、本体部2が保持部3から取り外されたか否かを判定しており、この判定の結果、本体部2が保持部3に保持されていると判定した場合には、それぞれの処理(ステップS3またはステップS4の処理)を継続する。一方、ステップS3およびステップS4における上記判定の結果、本体部2が保持部3から取り外されたと判定した場合には、処理制御部200は、処理をステップS5に移行させる。
【0047】
また、一方、上記ステップS5の処理においては、本体部2が保持部3に保持されたか否かを判定しており、この判定の結果、本体部2が保持部3から取り外されていると判定した場合には、ステップS5の処理を継続する。一方、ステップS5における上記判定の結果、本体部2が保持部3に保持されたと判定した場合には、処理制御部200は、上記ステップS1の判定において、Yesとし、その後、処理をステップS2の判定処理に移行させて以下同様の処理を行う。
【0048】
ここで、上記図11の具体的な処理の一例について説明する。
【0049】
例えば、ステップS3の処理において、客がコンビニエンスストアなどの店舗において缶ジュースという1つの商品を購入する場合の単品決済処理について説明する。
【0050】
この場合、ステップS3の処理において、本実施形態の決済端末1が設置されるコンビニエンスストアなどの店舗に訪れた客が商品陳列棚から所望の缶ジュース(商品)を手に取り、その缶ジュースに表示されるバーコード(商品コード部)をスキャナ24の読取り窓にかざす。すると、決済端末1では、単品決済部200cが、スキャナ24が上記缶ジュースのバーコードを読取って、当該缶ジュースに対応付けられた商品コードを取得し、該取得した商品コードに基づいて、同店舗の会計場所に設置される親のPOS端末(不図示)や店舗のオフィスに設置されるストアサーバ(不図示)から当該商品コードに対応した価格(単価を示す情報で、例えば「100円」など)を取得する。
【0051】
続いて、決済端末1では、単品決済部200cが、上記缶ジュースに関する情報、即ち、商品名(○○ジュースなど)や価格(「100円」など)を液晶ディスプレイ21に表示し、一商品である上記缶ジュースの電子マネー決済(電子決済)の実行を待機する。
【0052】
この待機状態において、客が自己が所持する電子マネー情報が記憶された記憶媒体(携帯電話機や電子マネーカードなど)を電子マネーRW23の読取り窓にかざすと、決済端末1では、単品決済部200cが、電子マネーRW23を介して上記缶ジュースの決済(会計)処理を実行する。この時、残高が足りて無事に電子決済が終了した場合には、決済端末1は、液晶ディスプレイ21に決済が終了した旨を客に通知する情報(例えば、「決済が終了しました。決済済みシールが発行されますので、商品に貼付してお持ち帰り下さい。」など)を表示する。一方、残高が足りなくて電子決済が終了しなかった場合には、決済端末1は、液晶ディスプレイ21に残高不足を客に通知する情報(例えば、「50円残高が不足しています。」など)を表示する。
【0053】
なお、上述した処理において決済が無事に終了すると、決済端末1は、記憶装置20dなどに、一取引に係る商品の売上情報(商品名「○○ジュース」、単価「100円」、個数「1」など)を所定の売上ファイルに登録する。
【0054】
次に、ステップS4の処理において、客がコンビニエンスストアなどの店舗において缶ジュース(商品)とパン(商品)という2つの商品を購入する場合の複数決済処理について説明する。
【0055】
この場合、ステップS3の処理において、決済端末1が設置されるコンビニエンスストアなどの店舗に訪れた客が商品陳列棚から所望の缶ジュース(商品)とパン(商品)を手に取り、まず、缶ジュースに表示されるバーコード(商品コード部)をスキャナ24の読取り窓にかざす。
【0056】
すると、決済端末1では、複数決済部200dが、スキャナ24が上記缶ジュースのバーコードを読取り、続いて、上記缶ジュースに対応付けられた商品コードを取得し、該取得した商品コードに基づいて、上記親のPOS端末(不図示)や上記ストアサーバ(不図示)から商品コードに対応した価格(例えば、「100円」など)を取得する。
【0057】
続いて、決済端末1では、複数決済部200dが、上記缶ジュースに関する情報、即ち、商品名(○○ジュースなど)を液晶ディスプレイ21に表示し、続いて、客による他の商品のバーコードをスキャナに読み取らせるための読み取り操作が行われることを待機したり、客によりタッチパネルを介して所定の締め操作が行われるのを待機したり、電子マネーRW23の読取り窓に記憶媒体がかざされるのを待機する。
【0058】
ここで、客が他の商品、即ち、パンに表示されるバーコード(商品コード部)をスキャナ24の読取り窓にかざす。
【0059】
すると、決済端末1では、複数決済部200dが、スキャナ24が上記パンのバーコードを読取り、続いて、上記パンに対応付けられた商品コードを取得し、該取得した商品コードに基づいて、上記親のPOS端末(不図示)や上記ストアサーバ(不図示)から商品コードに対応した価格(例えば、「120円」など)を取得し、続いて、決済端末1は、上記パンに関する情報、即ち、商品名(○○パンなど)を液晶ディスプレイ21に表示し、続いて、客による他の商品のバーコードをスキャナに読み取らせるための読み取り操作が行われることを待機するとともに、商品の電子マネー決済(電子決済)の実行を待機する。
【0060】
そして、客が購入希望する全ての商品のバーコードを読み取らせたことにより、客が自己が所持する電子マネー情報が記憶された記憶媒体(携帯電話機や電子マネーカードなど)を電子マネーRW23の読取り窓にかざすと、決済端末1では、電子マネーRW23を介して上記缶ジュースおよびパンという2つの商品の決済(会計)処理を実行する。この時、上述したのと同様に、決済端末1は、液晶ディスプレイ21に、決済が終了した旨を客に通知する情報や残高不足を客に通知する情報などを表示する。
【0061】
なお、上述した処理において決済が無事に終了すると、決済端末1では、複数決済部200dが、記憶装置20dなどに、一取引に係る商品の売上情報(商品名「○○ジュース」、単価「100円」、個数「1」と、商品名「○○パン」、単価「120円」、個数「1」など)を所定の売上ファイルに登録する。
【0062】
次に、ステップS5の処理において、例えば、コンビニエンスストアなどの店舗の会計場所に複数(多数)の客が決済(会計)待ちで行列を作っている場合などにおいて、店員が商品陳列棚に設置されているある一つの決済端末1の本体部2を保持部3から取り外して、上記行列を作っている客の買い物籠に入っている商品、例えば、缶ジュースとパンという2つの商品を事前登録する前捌き処理を行う場合について説明する。
【0063】
この場合、ステップS5の処理において、店員が、上記客の上記買い物籠に入っている商品、缶ジュースとパンという2つの商品のバーコードをスキャナ24に読み込ませる。すると、本体部2では、前捌き部200eが、スキャナ24を介して読み込んだ「缶ジュース」および「パン」という2つの商品の各商品コードを取得し、該取得した各商品コードに基づいて上記親のPOS端末やストアサーバから各商品(缶ジュースおよびパン)の商品情報(商品名「○○ジュース」、価格「100円」、個数「1」、および、商品名「○○パン」、価格「120円」、個数「1」など)を売上ファイルに登録し、該登録した情報をコード化したQRコード(2次元コード)を印字した事前登録券R(図10参照)をプリンタP2を用いて発行する。これにより、店員が上記発行された事前登録券Rを該当する客に手渡す。
【0064】
以上説明した実施形態によれば、一つの商品のみを購入希望する客(利用者)にとっては会計場所などに並ばずとも陳列棚に設置されている決済端末1を用いて単品決済を行うことができるため、利用者にとって使い勝手の良い決済端末を提供することができる。
【0065】
以上、例示的な実施形態に基づいて説明したが、本発明は、上記した実施形態により限定されるものではない。
【0066】
なお、上記した実施形態では、本体部2が保持部3に保持されている場合に、切替ボタン25の切替指示に基づき、単品決済モードおよび複数決済モードのいずれか一方を実行可能な形態について説明したが、これに限定されず、単品決済モードのみ実行可能なように構成することも可能である。
【0067】
また、上記した実施形態では特に説明していないが、切替ボタン25および確認ボタン26は、店員などの店舗の関係者のみが操作でき、客が操作できないように構成しても良い。例えば、上記関係者がタッチパネルなどを介してパスワードを入力することで上記切替ボタン25および確認ボタン26が操作できるように構成することも可能であるし、本体部2に設けられた鍵穴に所定の鍵(キー)を入れてロックを解除することで上記切替ボタン25および確認ボタン26が操作できるように構成することも可能である。
【0068】
また、上記した実施形態では特に説明していないが、決済済みシールSを印字発行するプリンタP1や事前登録券Rを印字発行するプリンタP2の種類は問わないものとする。
【0069】
また、上記した実施形態における本体部2と保持部3とを連結する部材(第1の連結部28、28、第2の連結部29、29、第1の連結部32、32、第2の連結部33、33など)および本体部2と保持部3とを電気的に接続する部材(一対の電源端子T1、T1、通信端子T2、一対の給電端子T3、T3、通信端子T4など)の形状や、設置箇所なども任意に設定することが可能である。
【0070】
また、上記した実施形態の決済端末1(本体部2)で実行されるプログラムは、ROM20bなどの記憶部に予め組み込んで提供することが可能である。また、上記プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶して提供することが可能である。更に、上記プログラムは、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布したりすることも可能である。
【0071】
また、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
1 決済端末
2 本体部
3 保持部
20a CPU
200 処理制御部
200a 状態判定部
200b 決済モード切替部(決済モード切替手段)
200c 単品決済部
200d 複数決済部
200e 前捌き部
200f プリンタ切替部(プリンタ切替手段)
200g 購入履歴確認部(確認モード実行手段)
23 電子マネーRW(リーダライタ)
25 切替ボタン(切替指示手段)
26 確認ボタン(確認指示手段)
S 決済済みシール
R 事前登録券
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特開2007−141120号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子マネー情報を記憶する記憶媒体に対する情報の読み書きを行うリーダライタと、商品に表示されている商品コードの情報を読み取るスキャナとを備える本体部と、
前記本体部を着脱可能に保持する保持部と、
を備え、
前記本体部は、前記保持部に保持されている場合に、前記スキャナを介して一つの商品コードの情報を読み取って商品情報を登録した後、前記リーダライタを介して前記登録した商品情報に対して電子決済を行うことのみを許容する単品決済モードを実行し、他方、前記保持部から取り外された場合に、前記単品決済モードと異なるモードを実行する決済端末。
【請求項2】
前記本体部は、
前記決済モードの切替え指示を行う切替指示手段と、
前記切替指示手段の切替え指示に基づいて、前記単品決済モードと、前記スキャナを介して1または複数の商品コードの情報を読み取って商品情報を登録した後、前記リーダライタを介して前記登録した商品情報に対して電子決済を行うことを許容する複数決済モードとを切替える決済モード切替手段と、
を更に備える、請求項1に記載の決済端末。
【請求項3】
前記本体部は、前記保持部から取り外された場合に、前記スキャナを介して1または複数の商品の商品コードの情報を読み取り商品情報を登録し、該登録した商品情報をコード化したコードを印字した事前登録券を所定のプリンタで発行する前捌きモードを実行する前捌き手段を更に備える、請求項1または2に記載の決済端末。
【請求項4】
前記本体部は、前記保持部に保持されている場合に、前記保持部に関連付けられたプリンタに通信接続し、他方、前記保持部から取り外された場合に、前記事前登録券を発行する先として指定されているプリンタに通信接続するプリンタ切替手段を更に備える、請求項3に記載の決済端末。
【請求項5】
前記本体部は、
前記記憶媒体に記憶されている商品の購入履歴を示す履歴情報を読み取る読取手段と、
客による決済の正否を確認する動作を指示する確認指示手段と、
前記確認指示手段の指示に基づいて、前記読取手段を介して客の所持する記憶媒体から前記履歴情報を読み取って表示部に表示し、客による決済の正否を確認する確認モードを実行する確認モード実行手段と、
を更に備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の決済端末。
【請求項6】
前記本体部は、前記単品決済モードにおいて単品決済が終了した場合に当該決済が終了した商品に貼付する、決済が終了していることを示す決済済みシールを所定のプリンタで印字発行する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の決済端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−54639(P2013−54639A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193707(P2011−193707)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】