説明

決済装置、電子クーポン決済方法及び電子クーポン決済システム

【課題】顧客に電子クーポンを提供する企業に対する意識付けをするために、決済時に広告を表示する決済装置及び電子クーポン決済システムを提供する。
【解決手段】電子クーポン決済システム1において、リーダライタ装置20は、携帯端末30から受信した電子クーポンのクーポンIDに一致する電子クーポン情報に含まれるコマーシャルIDをクーポンIDマスタ記憶部23から読出して、決済装置10に送信する。決済装置10において、FSPアプリケーション管理部12は、受信したコマーシャルIDを関連クーポン情報表示部16に出力する。関連クーポン情報表示部16は、入力されたコマーシャルIDに対応する広告データを広告データ記憶部17から読出して再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に電子決済における電子クーポンによる割引及び広告表示に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のクーポンによる販売価格割引における決済処理では、紙のクーポンの授受及び紙のクーポンを用いた決済処理をバーコードリーダで読み取るなどの所定の手続きが行われていた。このため、顧客はクーポンを利用することを意識はしていたが、決済時に利用を忘れてしまいクーポンのメリットを十分に享受できないことがあった。また、店舗における店員が紙のクーポンを処理する際に、間違いが発生する問題もあった。この問題を解決するため、クーポンを電子化して決済手段と併せて管理することにより、決済処理を行う際に割引の特典を適用する技術などが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−24530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示されているクーポンを電子化した電子クーポンによる割引は、決済時に自動的に販売価格の割引などの処理が行わるため、顧客がクーポンの利用を意識せずに販売価格の割引が行われてしまう。このため、クーポンを提供する企業などにとって、クーポンを提供する意義としての広告効果及び顧客への割引に対する意識付けが低くなってしまうという問題がある。
また、電子クーポンは、決済に用いるクーポンを予め登録しておく必要があり、顧客が別の割引率の高いクーポンを所持していても利用することができないという問題もある。
【0004】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、顧客に電子クーポンを提供する企業に対する意識付けをするために、決済時に広告を表示し、且つ、電子クーポンによる自動的な決済処理を行う決済装置及び電子クーポン決済システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するために、本発明は、携帯端末と決済装置を備え、商品購入の際に割引が受けられる電子クーポンを利用した決済を行う電子クーポン決済システムにおける決済装置であって、前記電子クーポンに関連する広告情報と、該広告情報に予め割当てられ、該広告情報を一意に識別する広告識別子とを対応付けて記憶する広告情報記憶部と、前記電子クーポンを一意に識別するクーポン識別子、前記広告識別子、及び割引対象の商品を識別するための割引対象商品識別子を含む電子クーポン情報を対応付けて記憶するクーポン識別子マスタ記憶部と、入力される決済情報に含まれる決済対象の商品を識別する商品識別子に基づいて決済を行う電子決済部と、前記クーポン識別子と、前記携帯端末を一意に識別する携帯端末識別子と、を前記携帯端末から受信するリーダライタ通信部と、前記携帯端末から受信した前記クーポン識別子に対応する前記電子クーポン情報を前記クーポン識別子マスタ記憶部から読み出す電子クーポン情報読出し部と、前記電子クーポン情報読出し部が読み出す前記電子クーポン情報に含まれる前記広告識別子に対応する前記広告情報を前記広告情報記憶部から読出し、読み出した前記広告情報を表示する関連クーポン情報表示部と、を備えることを特徴とする決済装置である。
【0006】
また、本発明は、上記記載の発明において、前記携帯端末識別子ごとに前記電子クーポンを配布したか否かの情報を記録する携帯端末識別子マスタ記憶部、を備え、前記電子クーポン情報読出し部は、更に、受信した前記携帯端末識別子を用いて前記携帯端末識別子マスタ記憶部から該携帯端末識別子に対応する前記携帯端末に前記電子クーポンを配布したか否かの配布情報を読み出し、読み出した配布情報に基づいて、前記リーダライタ通信部を経由して関連する前記電子クーポンに含まれる前記クーポン識別子を該携帯端末に送信することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記記載の発明において、前記携帯端末から受信する前記クーポン識別子は複数存在し、前記クーポン識別子マスタ記憶部から、受信した前記クーポン識別子に対応する前記電子クーポン情報を取得して最適な前記電子クーポン情報を選択する電子クーポン処理部、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記記載の発明において、前記電子決済部は、前記電子クーポン処理部が選択する前記電子クーポンに基づき、前記クーポン割引率情報から割引金額を算出し、算出した割引金額を前記決済情報に含まれる決済金額から減ずる処理を行うことを特徴とする。
【0009】
また、上記問題を解決するために、本発明は、商品購入の際に割引が受けられる電子クーポンを一意に識別するクーポン識別子を記憶する携帯端末と、前記電子クーポンに関連した広告情報と、該広告情報に予め割当てられ、該広告情報を一意に識別する広告識別子とを対応付けて記憶する広告情報記憶部と、商品購入の際に割引が受けられる電子クーポンを一意に識別するクーポン識別子、前記広告識別子、及び割引対象の商品を識別するための割引対象商品識別子を含む電子クーポン情報を記憶するクーポン識別子マスタ記憶部と、を備え、入力される電子決済要求により電子決済を行う決済端末と、を有する電子クーポン決済システムによる電子クーポン決済方法であって、前記携帯端末から前記クーポン識別子を取得するステップと、前記クーポン識別子マスタ記憶部から、取得した前記クーポン識別子に対応する前記広告識別子を取得する電子クーポン処理ステップと、前記電子クーポン処理ステップにより取得した前記広告識別子を用いて、前記広告情報記憶部から前記広告情報を読み出して表示するステップと、を有することを特徴とする電子クーポン決済方法である。
【0010】
また、上記問題を解決するために、本発明は、商品購入の際に割引が受けられる電子クーポンを一意に識別するクーポン識別子を記憶するクーポン記憶部と、前記クーポン記憶部から前記クーポン識別子を読み出し、読み出した前記クーポン識別子を送信する携帯端末通信部と、を備える携帯端末と、前記携帯端末から前記クーポン識別子を受信するリーダライタ通信部と、前記クーポン識別子に対して、割引の対象となる商品の識別子である割引対象商品識別子と、前記商品の購入価格の割引率を示すクーポン割引率と、前記電子クーポンに関連する広告情報を一意に識別する広告識別子と、を含む電子クーポン情報を記憶するクーポン識別子マスタ記憶部と、前記携帯端末から受信した前記クーポン識別子に対応する前記電子クーポン情報を前記クーポン識別子マスタ記憶部から読み出し、読み出した前記電子クーポン情報を送信する電子クーポン情報読出し部と、を備えるリーダライタ装置と、前記広告識別子に対して前記広告情報を対応付けて記憶する広告情報記憶部と、入力される決済情報に含まれる前記商品の識別子である商品識別子に基づいて決済を行う電子決済部と、前記決済リーダライタ装置の電子クーポン情報読出し部から前記電子クーポン情報を受信し、前記商品識別子と一致する前記割引対象商品識別子を有する前記電子クーポン情報に含まれる前記広告識別子を出力する電子クーポン処理部と、前記電子クーポン処理部が出力した前記広告識別子に対応する前記広告情報を前記広告情報記憶部から読出して表示を行う関連クーポン情報表示部と、を備える決済装置と、を備えることを特徴とする電子クーポン決済システムである。
【0011】
また、上記問題を解決するために、本発明は、商品購入の際に割引が受けられる電子クーポンを一意に識別するクーポン識別子を記憶するクーポン記憶部と、前記クーポン記憶部から前記クーポン識別子を読み出し、読み出した前記クーポン識別子を送信する携帯端末通信部と、を備える携帯端末と、前記電子クーポンに関連する広告情報と、該広告情報に予め割当てられ、該広告情報を一意に識別する広告識別子と、を対応付けて記憶する広告情報記憶部と、商品購入の際に割引が受けられる電子クーポンを一意に識別するクーポン識別子、前記広告識別子、及び割引対象の商品を識別するための割引対象商品識別子を含む電子クーポン情報を対応付けて記憶するクーポン識別子マスタ記憶部と、入力される決済情報に含まれる商品を識別する商品識別子に基づいて決済を行う電子決済部と、前記携帯端末から受信した前記クーポン識別子に対応する前記電子クーポン情報を前記クーポン識別子マスタ記憶部から読み出す電子クーポン情報読出し部と、前記電子クーポン情報読出し部が読み出す前記電子クーポン情報に含まれる前記広告識別子に対応する前記広告情報を前記広告情報記憶部から読み出し、読み出した前記広告情報を表示する関連クーポン情報表示部と、を備える決済装置と、を備えることを特徴とする電子クーポン決済システムである。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、電子クーポンを用いた決済を行う際に、広告情報記憶部に記憶されるテキスト情報、音情報、及び画像情報のいずれかの情報、あるいは、組合せて構成される広告情報のうち、用いた電子クーポンに関連する広告情報を読み出して、関連クーポン情報表示部に表示する構成とした。これにより、電子クーポンを利用した顧客に対して電子クーポンを提供する企業などが広告情報を介して意識付けを行うことができ、電子クーポンを提供する利益を受けることができる。更に、クーポンを利用することにより、顧客に様々な情報の提供を行う機会を提供することが可能となる。
【0013】
また、この発明によれば、リーダライタ通信部を介して、決済装置が記憶する電子クーポンを携帯端末に送信し、記憶させる構成とした。これにより、電子クーポンを用いた割引を受ける際に、まだ配信を受けていない電子クーポンや、購入した商品に関連するクーポンなどを携帯端末に送信して記憶させる、すなわち、電子クーポンを配ることができる。その結果、顧客に新たなクーポンの利用を促すことが可能となる。
【0014】
また、この発明によれば、携帯端末から複数のクーポン識別子を受信した場合、クーポン識別子マスタ記憶に記憶される情報に基づいて、最適な電子クーポンを選択する構成とした。これにより、複数の電子クーポンが携帯端末に記憶されていたとき、クーポン識別子マスタ記憶部に記憶される情報を用いて電子クーポンを選択する、例えば、最もクーポン割引率の大きい電子クーポンを適用して決済を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態による決済装置及び電子クーポン決済システムを図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による電子クーポン決済システム1を示す概略ブロック図である。電子クーポン決済システム1は、顧客の携帯端末30との通信に基づいて決済を行う決済装置10、携帯端末30と通信を行うリーダライタ装置20、顧客の所持する決済を行う携帯端末30、決済全体の管理及び決済装置10及びリーダライタ装置20の電源供給開始時に電子クーポンの情報や広告データの情報を配信する決済サーバ装置40、及び決済装置10と決済サーバ装置40を接続するネットワーク50を有している。
決済装置10は、ネットワーク50及びリーダライタ装置20に接続され、また、電子決済を開始する情報が入力される。リーダライタ装置20は、携帯端末30と通信を行い、電子クーポン及び電子決済の授受を行う。
【0016】
決済装置10は、決済指示入力部11、FSPアプリケーション管理部12、電子決済部13、売上げ明細記憶部14、商品マスタ記憶部15、関連クーポン情報表示部16、広告データ記憶部17、及び決済完了通知部18を備えている。
【0017】
決済指示入力部11は、決済対象となる商品の情報と共に、電子決済を行うことを行うことを示す情報が入力される。FSP(Frequent Shoppers Program)アプリケーション管理部12は、入力される決済対象となる商品情報から電子決済を指示し、電子クーポン含まれる情報に基づいて広告データを再生する指示を行う。電子決済部13は、FSPアプリケーション管理部12から入力される情報に基づいて、商品マスタ記憶部15に記録されている商品情報に含まれる商品金額を読出し、決済を行い、決済結果を売上げ明細記憶部14に書き込み、記憶させる。売上げ明細記憶部14は、電子決済部13が行った決済の情報が記録される。商品マスタ記憶部15は、決済対象となる商品の情報が記録される。関連クーポン情報表示部16は、入力される電子クーポンに含まれるコマーシャルIDを用いて、広告データ記憶部17から広告データを読出して再生する。広告データ記憶部17は、コマーシャルIDごとに対応付けられた広告データが記憶される。決済完了通知部18は、決済指示入力部11に決済情報が入力され開始された決済が完了したことを出力する。また、決済完了通知部18が行う出力は、音、画像、紙への出力などにより決済装置10を操作する者に決済完了が通知を行う。
【0018】
リーダライタ装置20は、決済アプリケーション部21、FSPアプリケーション部22、クーポンIDマスタ記憶部23、携帯端末IDマスタ記憶部24、及びリーダライタ通信部25を備えている。
【0019】
決済アプリケーション部21は、電子決済開始の指示を受けると、リーダライタ通信部25を介して携帯端末30と通信を行い、電子決済処理を行う。リーダライタ通信部25は、携帯端末30と非接触の無線通信を行う。FSPアプリケーション部22は、電子クーポン情報取得の指示を受けると、リーダライタ通信部25を介して携帯端末30に記録されている電子クーポンのクーポンIDを取得し、クーポンIDマスタ記憶部23に記憶されている電子クーポンの情報と照会する。また、FSPアプリケーション部22は、携帯端末IDを用いて、携帯端末IDマスタ記憶部24から電子クーポンの配信情報を読み出し、当該携帯端末IDに対応する携帯端末30に電子クーポンが配布されているか否かを判断する。クーポンIDマスタ記憶部23には、電子クーポンン情報が記憶される。携帯端末IDマスタ記憶部24には、携帯端末30に対する電子クーポンの配信情報が記憶される。リーダライタ通信部25は、決済アプリケーション部21及びFSPアプリケーション部22からの指示に従い、携帯端末30と通信を行う。
【0020】
携帯端末30は、携帯端末通信部31、クーポン記憶部32、携帯端末ID記憶部33、及び携帯端末決済部34を備えている。
携帯端末通信部31は、リーダライタ装置20と通信し、リーダライタ装置20からの要求に応じて、クーポン記憶部32に記憶されている電子クーポンのクーポンIDを読み出して送信する、あるいは、携帯端末ID記憶部33に記憶されている携帯端末30の識別子を読出して送信する。クーポン記憶部32には、リーダライタ装置20から受信した電子クーポンの情報が記録される。携帯端末ID記憶部33には、携帯端末30ごとに割当てられる識別子が記憶される。携帯端末決済部34は、入力された決済金額情報に基づいて電子決済を行う。
【0021】
次に、携帯端末ID記憶部33に記録される携帯端末ID、クーポン記憶部32に記録される取得電子クーポン情報について説明する。図2(a)は、携帯端末ID記憶部33に記録される携帯端末IDである。携帯端末IDは、携帯端末30ごとに1つ割当てられる。図2(b)は、クーポン記憶部32に記録される取得電子クーポン情報に含まれるデータ構成及びデータ例を示す概略図である。図示するように、取得電子クーポン情報は、行と列からなる2次元の表形式のデータであり、クーポンIDとクーポン情報の項目の列を有している。取得電子クーポン情報の各行は、電子クーポンごとに存在する。クーポンIDは、電子クーポンを識別する識別子である。クーポン情報は、携帯端末30において、どのような電子クーポンであるかを示すためのテキスト情報である。
【0022】
続いて、クーポンIDマスタ記憶部23に記憶される電子クーポンマスタ情報、携帯端末IDマスタ記憶部24に記憶される電子クーポン配信情報について説明する。
図3(a)は、クーポンIDマスタ記憶部23に記憶される電子クーポンマスタ情報のデータ構成及びデータ例を示す概略図である。図示するように、電子クーポンマスタ情報は、行と列からなる2次元の表形式のデータであり、クーポンID、割引対象商品ID、クーポン割引率、及びコマーシャルIDの各項目の列を有している。また、電子クーポンマスタ情報の各行は、クーポンID、割引対象商品ID、クーポン割引率、及びコマーシャルIDを含む電子クーポンごとに存在する電子クーポン情報である。電子クーポンマスタ情報は、クーポンIDにより取得電子クーポン情報と関連付けられ、コマーシャルIDにより広告データテーブルと関連付けられる。クーポンIDは、電子クーポンを識別する識別子である。割引対象商品IDは、当該電子クーポンにより割引の特典を受けられる商品IDを示す識別子である。クーポン割引率は、当該電子クーポンを適用することにより受けられる販売価格の割引率を示す情報である。コマーシャルIDは、当該電子クーポンを適用することにより、決済装置10に再生される広告データの識別子を示す情報である。
なお、電子クーポンマスタ情報において、電子クーポンに対応付けられる広告データは、例えば、決済対象の商品に関する情報や、決済対象の商品に関連する異なる商品や、電子クーポンを提供する企業や団体などの情報である。すなわち、クーポンIDマスタ記憶部23には、電子クーポンに関連する広告データが対応付けられて記憶される。
【0023】
図3(b)は、携帯端末IDマスタ記憶部24に記憶される電子クーポン配信情報のデータ構成及びデータ列を示す概略図である。図示するように、電子クーポン配信情報は、行と列からなる2次元の表形式のデータであり、携帯端末IDと、クーポン配布フラグの各項目の列を有している。また、電子クーポン配信情報の各行は、携帯端末IDごとに存在する。携帯端末IDは、携帯端末30を識別する識別子である。クーポン配布フラグは、電子クーポンが配布されたか否かを示す2値の配布情報である。
【0024】
図4は、決済装置10が記憶する情報である売上げ明細管理テーブル、商品管理テーブル、及び広告データ管理テーブルについて説明する。売上げ明細管理テーブルは、売上げ明細記憶部14に記憶される情報である。図4(a)は、売上げ明細管理テーブルのデータ構成及びデータ列を示す概略図である。図示するように、売上げ明細管理テーブルは、行と列からなる2次元の表形式のデータであり、取引決済ID、関連クーポンID、割引後取引決済金額、及び割引金額の各項目の列を有している。また、売上げ明細管理テーブルの各行は、決済装置10で処理される電子決済ごとに存在する。取引決済IDは、決済を識別する識別子である。関連クーポンIDは、当該決済において適用された電子クーポンを示す識別子である。割引後取引決済金額は、電子クーポンのクーポン割引率を適用した販売価格の割引の特典を受けた後の決済金額を示す情報である。割引金額は、適用される電子クーポンのクーポン割引率に応じて決済金額から減額される金額を示す情報である。
【0025】
商品管理テーブルは、商品マスタ記憶部15に記憶される情報である。図4(b)は、商品管理テーブルのデータ構成及びデータ列を示す概略図である。図示するように、商品管理テーブルは、列と行からなる2次元の表形式のデータであり、商品ID、商品名、及び商品金額の各項目の列を有している。また、商品管理テーブルの各行は、商品ごとに存在する。商品IDは、消費印を識別する識別子である。商品名は、商品の名称を示す情報である。商品金額は、商品の販売単価を示す情報である。
【0026】
広告データ管理テーブルは、広告データ記憶部17に記憶される情報である。図4(c)は、広告データ管理テーブルのデータ構成及びデータ列を示す概略図である。図示するように、広告データ管理テーブルは、行と列からなる2次元の表形式のデータであり、コマーシャルIDと、広告データとの各項目の列を有している。また、この広告データ管理テーブルの各行は、広告データごとに存在する。コマーシャルIDは、広告データを識別する識別子である。広告データは、テキスト情報、音情報、又は画像情報のいずれか1つ、あるいは、組合せた情報であり、電子クーポンにより価格割引の特典を受けた顧客に、当該電子クーポンを提供した企業又は団体を顧客に意識させる情報である。また、広告データは、関連クーポン情報表示部16で再生される。なお、広告データは、企業又は団体についての情報だけでなく、購入された商品に関連する情報であってもよい。
【0027】
次に、図5は、決済装置10の動作を示すフローチャートである。この図を用いて、決済装置10の動作を説明する。
決済装置10は、決済指示入力部11から決済対象の商品IDを含む決済指示情報が入力される(ステップS101)。
【0028】
決済指示入力部11は、決死指示情報が入力されると、決済対象の商品IDと共に、決済開始の情報をFSPアプリケーション管理部12に出力する。FSPアプリケーション管理部12は、決済指示入力部11から決済開始の情報が入力されると、リーダライタ装置20のFSPアプリケーション部22にFSPアプリケーションの起動を指示する(ステップS102)。
【0029】
FSPアプリケーション管理部12は、リーダライタ装置20のFSPアプリケーション部22から電子クーポン情報が入力されると、決済対象の商品IDを割引対象商品IDとして含む電子クーポンを選択する。このとき、決済対象の商品IDを含む電子クーポンが複数存在する場合は、クーポン割引率の最も高い最適な電子クーポンを選択する(ステップS103)。
このように、FSPアプリケーション管理部12が電子クーポンを選択することで、顧客は複数の電子クーポンが携帯端末30に記憶されていたとき、電子クーポンを選択する手間が省ける。
なお、電子クーポンが複数存在する場合、FSPアプリケーション管理部12は、最適な電子クーポンの選択としては、割引率の高い電子クーポンを選択する以外に、残りの有効期限が最も短い電子クーポンを選択する、あるいは、特典として受けられる景品が多い電子クーポンを選択するようにしてもよい。この場合、電子クーポン情報には、有効期限や、割引率以外の特典についての情報が含まれることになる。
【0030】
続いて、FSPアプリケーション管理部12は、電子クーポンを選択すると、選択した電子クーポンの情報に含まれるコマーシャルIDを関連クーポン情報表示部16に出力する。関連クーポン情報表示部16は、FSPアプリケーション管理部12からコマーシャルIDが入力されると、広告データ記憶部17に記憶される当該コマーシャルIDに対応する広告データを読み出し、読み出した広告データを再生する(ステップS104)。
なお、広告データの再生については、決済を行う顧客の目に付き易い位置に表示し、顧客に電子クーポンを利用していることの意識付けを行う。また、決済処理の完了に関わらず、広告データは終了するまで再生される。
【0031】
更に、FSPアプリケーション管理部12は、決済対象の商品ID、及び選択した電子クーポンのクーポン割引率を電子決済部13に出力し、電子決済部13に電子決済の開始を指示する。電子決済部13は、FSPアプリケーション管理部12から入力された商品IDから、商品マスタ記憶部15から決済対象の商品情報を読出して商品金額を取得する。また、電子決済部13は、取得した商品金額と、入力されたクーポン割引率から割引金額を算出して、商品金額から算出した割引金額を割引いた決済金額を算出する(ステップS105)。
【0032】
また、FSPアプリケーション管理部12は、リーダライタ装置20のFSPアプリケーション部22からFSPアプリケーション完了を受信する(ステップS106)。
【0033】
FSPアプリケーション管理部12は、FSPアプリケーション完了を受信すると、電子決済部13に通知する。電子決済部13は、リーダライタ装置20の決済アプリケーション部21に決済アプリケーション起動の指示、及び算出した決済金額情報を送信する(ステップS107)。
【0034】
電子決済部13は、リーダライタ装置20の決済アプリケーション部21から電子決済完了を受信するのに応じて、当該決済の取引決済ID、適用した電子クーポンのクーポンID、割引後の決済金額、及び当該電子クーポンを適用したことで割引かれた金額を1つの決済情報として売上げ明細記憶部14に書き込み、記録させる。更に、電子決済が終了したことを外部に通知するために、FSPアプリケーション管理部12を介して、決済完了通知部18に決済の完了を通知する(ステップS108)。
なお、ステップS104、ステップS105、及びステップS106は、説明した順序と異なる順序で処理してもよい。
【0035】
次に、図6は、リーダライタ装置20の動作を示すフローチャートである。この図を用いて、リーダライタ装置20の動作を説明する。
リーダライタ装置20のFSPアプリケーション部22は、決済装置10のFSPアプリケーション管理部12からFSPアプリケーションの起動指示を受信する(ステップS201)。
【0036】
FSPアプリケーション部22は、決済装置10からFSPアプリケーションの起動指示を受信すると、リーダライタ通信部25に携帯端末30の携帯端末IDの受信を指示する。リーダライタ通信部25は、携帯端末30の携帯端末ID記憶部33に記憶されている携帯端末IDを要求する信号を送信する(ステップS202)。
【0037】
リーダライタ通信部25は、携帯端末30の携帯端末通信部31から当該携帯端末30の携帯端末IDを受信すると、受信した携帯端末IDをFSPアプリケーション部22に出力する(ステップS203)。
続いて、FSPアプリケーション部22は、携帯端末30のクーポン記憶部32に記憶されている電子クーポンIDを全て読み出す指示をリーダライタ通信部25に出力する。リーダライタ通信部25は、クーポン記憶部32に記憶される全ての電子クーポンIDを要求する信号を送信する(ステップS204)
【0038】
リーダライタ通信部25は、携帯端末30の携帯端末通信部31から当該携帯端末30のクーポン記憶部32が記憶する全ての電子クーポンIDを受信すると、受信した全ての電子クーポンIDをFSPアプリケーション部22に出力する(ステップS205)。
続いて、FSPアプリケーション部22は、リーダライタ通信部25から入力された電子クーポンIDに一致する電子クーポン情報をクーポンIDマスタ記憶部23から読み出し、読み出した電子クーポン情報を決済装置10のFSPアプリケーション管理部12に送信する(ステップS206)。
【0039】
また、FSPアプリケーション部22は、受信した携帯端末30の携帯端末IDに一致する電子クーポン配信情報を携帯端末IDマスタ記憶部24から読出し、読み出した電子クーポン配信情報の配布情報をチェックする。電子クーポンがまだ配布されていない携帯端末である場合、FSPアプリケーション部22は、クーポンIDマスタ記憶部23に記憶される電子クーポン情報を読み出して、読み出した電子クーポン情報からクーポンID及びクーポン情報をリーダライタ通信部25に出力して、携帯端末30に送信するように指示する。リーダライタ通信部25は、FSPアプリケーション部22から入力されたクーポンID及びクーポン情報を携帯端末30の携帯端末通信部31に送信して、携帯端末30に記憶させる(ステップS207)。
なお、FSPアプリケーション部22がクーポンIDマスタ記憶部23から読み出だす電子クーポン情報は、決済対象の商品に関連する商品の電子クーポン情報、決済対象の商品と同じ商品の有効期限が異なる電子クーポン情報などから選択して読み出す。また、クーポンIDマスタ記憶部23から読み出す電子クーポン情報は、携帯端末IDに応じて異なる電子クーポン情報であってもよい。更に、既に電子クーポンの配布を受けている場合、関連する商品の電子クーポン情報や、有効期限の異なる電子クーポン情報が選択されてもよい。
【0040】
続いて、FSPアプリケーション部22は、FSPアプリケーションの完了を決済装置10のFSPアプリケーション管理部12に送信する(ステップS208)。
【0041】
決済アプリケーション部21は、決済装置10の電子決済部13からの電子決済要求、及び決済金額情報を受信し、決済アプリケーションを起動する(ステップS209)。
決済アプリケーション部21は、受信した決済金額情報をリーダライタ通信部25に出力する。リーダライタ通信部25は、決済アプリケーション部21から入力された決済金額情報を携帯端末30の携帯端末通信部31に送信して電子決済を要求する(ステップS210)。
【0042】
リーダライタ通信部25は、携帯端末30の携帯端末通信部31から電子決済の完了を示す情報を受信し、電子決済の完了情報を決済アプリケーション部21に出力する。決済アプリケーション部21は、リーダライタ通信部25から入力された電子決済の完了情報を決済装置10の電子決済部13に送信し、決済アプリケーションを終了する(ステップS211)。
【0043】
次に、図7は、携帯端末30の動作を示すフローチャートである。この図を用いて、携帯端末30の動作を説明する。
携帯端末30の携帯端末通信部31は、リーダライタ装置20のリーダライタ通信部25から携帯端末IDの要求を受信すると、携帯端末通信部31は、携帯端末ID記憶部33から携帯端末IDを読出し、読み出した携帯端末IDをリーダライタ装置20のリーダライタ通信部25に送信する(ステップS301)。
【0044】
携帯端末通信部31は、リーダライタ装置20のリーダライタ通信部25から電子クーポン情報のクーポンIDの要求を受信すると、携帯端末通信部31は、クーポン記憶部32からクーポンIDを読出し、読み出したクーポンIDをリーダライタ装置20のリーダライタ通信部25に送信する(ステップS302)。
【0045】
携帯端末通信部31は、リーダライタ装置20のリーダライタ通信部25から電子クーポン情報のクーポンIDを受信し、受信したクーポンIDをクーポン記憶部32に書き込み、記憶させる。また、携帯端末通信部31は、電子クーポンの記録が完了したことを示す信号をリーダライタ装置20に送信する(ステップS303)。
【0046】
携帯端末通信部31は、リーダライタ装置20のリーダライタ通信部25から電子決済要求、及び決済金額情報を受信し、受信した決済金額情報を携帯端末決済部34に出力する。携帯端末決済部34は、携帯端末通信部31から入力された決済金額情報を用いて電子決済を行い、決済完了情報を携帯端末通信部31に出力する。携帯端末通信部31は、携帯端末決済部34から入力された決済完了情報をリーダライタ装置20のリーダライタ通信部25に送信して決済を完了する(ステップS304)。
【0047】
図8及び図9は、本実施形態の電子クーポン決済システム1に含まれる携帯端末30、リーダライタ装置20、及び決済装置10が行う電子クーポン決済の処理過程を示すシーケンス図である。図8及び図9の順に図示されるシーケンス図を用いて電子クーポン決済の処理過程を説明する。なお、図2(a)で図示される携帯端末IDが携帯端末ID記憶部33に記憶されており、図2(b)で図示される取得電子クーポン情報がクーポン記憶部32に記憶されているとする。また、図3(a)で図示される電子クーポンマスタ情報がクーポンIDマスタ記憶部23に記憶されており、図3(b)で図示される電子クーポン配信情報が携帯端末IDマスタ記憶部24に記憶されているとする。また、図4(b)で図示される商品管理テーブルが決済装置10に記憶されており、図4(c)で図示される広告データ管理テーブルが広告データ記憶部17に記憶されているとする。更に、決済対象となる商品は「XXコーヒー」とする。
【0048】
決済装置10は、決済指示入力部11が、「商品ID:13454(XXコーヒー)」に対する電子決済指示を受信し(ステップS101)、FSPアプリケーション管理部12が、FSPアプリケーション起動の指示を送信する(ステップS102、及びステップS401)。
【0049】
リーダライタ装置20は、FSPアプリケーション部22がFSPアプリケーション起動の指示を受信し(ステップS201)、リーダライタ通信部25が携帯端末30の携帯端末IDの要求する信号を送信する(ステップS202、及びS402)。
【0050】
携帯端末30は、携帯端末通信部31が計端端末IDの要求を受信し、携帯端末ID記憶部33から携帯端末ID「123456789」を読み出してリーダライタ装置20に送信する(ステップS301、及びステップS403)。
【0051】
リーダライタ装置20では、リーダライタ通信部25が受信した携帯端末IDをFSPアプリケーション部22に出力すると、FSPアプリケーション部22がリーダライタ通信部25に電子クーポンのクーポンIDを読み出す指示を出力する。また、リーダライタ通信部25が、FSPアプリケーション部22から入力された指示により、携帯端末30に電子クーポンのクーポンIDを要求する信号を送信する(ステップS204、及びステップS404)。
【0052】
携帯端末30では、携帯端末通信部31がリーダライタ装置20からクーポンIDの要求を受信し、クーポン記憶部32からクーポンID「C00123」を読出してリーダライタ装置20に送信する(ステップS302、及びステップS405)。
【0053】
リーダライタ装置20では、リーダライタ通信部25が携帯端末30から電子クーポンのクーポンID「C00123」を受信し、受信したクーポンIDをFSPアプリケーション部22に出力する(ステップS205)。続いて、FSPアプリケーション部22が、入力されたクーポンIDに一致する電子クーポン情報「クーポンID:C00123、割引対象商品ID:13454、クーポン割引率−20%、コマーシャルID:CM001」をクーポンIDマスタ記憶部23から読出し、読み出した電子クーポン情報を決済装置10に送信する(ステップS206、ステップS406)。
【0054】
決済装置10では、FSPアプリケーション管理部12が、電子クーポン情報「クーポンID:C00123、割引対象商品ID:13454、クーポン割引率−20%、コマーシャルID:CM001」をリーダライタ装置20から受信すると、決済対象の商品IDを含む電子クーポンを選択する(ステップS103)。
【0055】
続いて、FSPアプリケーション管理部12は、選択した電子クーポン情報に含まれるコマーシャルID「CM0001」を関連クーポン情報表示部16に出力する。関連クーポン情報表示部16は、入力されたコマーシャルID「CM001」に一致する広告データを広告データ記憶部17から読出して再生する(ステップS104)。
【0056】
また、FSPアプリケーション管理部12は、決済対象の商品ID「13454」、及び選択した電子クーポンのクーポン割引率「−20%」を電子決済部13に出力する。電子決済部13は、入力された商品ID「13454」を用いて商品マスタ記憶部15から決済対象の商品情報「商品ID:13454、商品名:XXコーヒー、商品金額:300」を読出し、読み出した商品情報の商品金額を取得して割引金額「−60」を算出する。また、電子決済部13は、算出した割引金額「−60」と読み出した商品金額「300」とから決済金額「240」を算出する(ステップS105)。
【0057】
リーダライタ装置20は、決済装置10に電子クーポン情報を送信した後に、FSPアプリケーション部22が、受信した携帯端末ID「123456789」を用いて、携帯端末IDマスタ記憶部24から当該携帯端末IDに対する電子クーポンの配布情報「0」を読み出す。当該携帯端末30は、電子クーポンがまだ配布されていない場合、FSPアプリケーション部22は、クーポンIDマスタ記憶部23から電子クーポン情報「クーポンID:C00102、割引対象商品ID:13454、クーポン割引率:−10%、コマーシャルID:CM001」を読み出してリーダライタ通信部25にクーポンID「C00102」を出力する。リーダライタ通信部25は、入力された電子クーポン情報「C00102」を携帯端末30に送信する(ステップS207、及びステップS407)。当該携帯端末30に電子クーポンが既に配布されていた場合、ステップS208の動作を行う。
【0058】
携帯端末30では、携帯端末通信部31は、リーダライタ装置20から電子クーポン「C00102」を受信すると、受信した電子クーポン「C00102」をクーポン記憶部32に書き込み、記憶させる。また、携帯端末通信部31は、記録を示す信号をリーダライタ装置20に送信する(ステップS303、及びステップS408)。
【0059】
リーダライタ装置20では、リーダライタ通信部25が、新たな電子クーポン配布の完了信号を受信すると、FSPアプリケーション部22に通知する。FSPアプリケーション部22は、FSPアプリケーションの完了を決済装置10に送信する(ステップS208、及びステップS409)。
【0060】
決済装置10では、FSPアプリケーション管理部12が、リーダライタ装置20からFSPアプリケーション完了を受信する(ステップS106)と、電子決済部13にその旨を通知する。電子決済部13は、リーダライタ装置20に決済アプリケーション起動の指示を送信する(ステップS107、及びステップS410)。
【0061】
リーダライタ装置20では、決済アプリケーション部21が、決済装置10から決済アプリケーション起動の指示を受信して(ステップS209)、決済アプリケーション起動の指示と共に受信した決済金額情報「240」と決済指示情報とをリーダライタ通信部25に出力する。リーダライタ通信部25は、入力された決済金額情報「240」と決済指示情報とを携帯端末30に送信する(ステップS210、及びステップS411)。
【0062】
携帯端末30では、携帯端末通信部31が決済金額情報「240」と決済指示情報とを受信し、受信した決済金額情報と決済指示情報とを携帯端末決済部34に出力する。携帯端末決済部34は、入力された決済金額情報と決済指示情報とを用いて決済処理をして、決済処理の完了を示す信号を携帯端末通信部31に出力する。携帯端末通信部31は、入力された決済完了信号をリーダライタ装置20に送信する(ステップS304、及びステップS412)。
【0063】
リーダライタ装置20では、リーダライタ通信部25が、携帯端末30から決済完了信号を受信し、受信した決済完了信号を決済アプリケーション部21に出力する。決済アプリケーション部21は、リーダライタ通信部25から決済完了信号が入力されると、決済アプリケーションを終了して、決済完了信号を決済装置10に送信する(ステップS211、及びステップS413)。
【0064】
決済装置10では、電子決済部13が、リーダライタ装置20から決済完了信号を受信して、当該決済の取引済ID「T07045321」、適用した電子クーポンのクーポンID「C00123」、割引後の決済金額「240」、及び当該電子クーポンを適用したことで割引かれた金額「60」を1つの決済情報として売上げ明細記憶部14に書き込み、記録させる。また、電子決済部13は、電子決済が完了したことを外部に通知する要求をFSPアプリケーション管理部12に出力する。FSPアプリケーション管理部12は、入力された通知要求を決済完了通知部18に出力する。決済完了通知部18は、通知用が入力されると外部に通知を行う(ステップS108)。
【0065】
以上の電子クーポン決済システム1の動作により、電子クーポンで割引の特典を受けた際に、電子クーポンに応じた広告データが再生される。これにより、電子クーポンによる割引の特典を受けた顧客は、電子クーポンを提供した企業などを意識することになる。更に、企業は、電子クーポンを提供することにより、顧客に意識付けを行う機会を得ることが可能となる。
【0066】
なお、本実施形態においては、決済装置10、及びリーダライタ装置20が異なる装置である構成を示したが、同一の装置で構成してもよい。
また、本実施形態の構成では、決済対象商品の商品IDが含まれる電子クーポンが複数ある場合、FSPアプリケーション管理部12がいずれの電子クーポンを使用するか選択したが、FSPアプリケーション部22が選択を行ってもよい。そのとき、FSPアプリケーション管理部12は、FSPアプリケーション部22に決済対象商品の商品IDを送信することになる。
【0067】
上述の決済装置10及びリーダライタ装置20は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した電子クーポン決済の処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0068】
なお、本発明に記載の電子クーポン情報読出し部は、FSPアプリケーション部22に対応し、本発明に記載の電子クーポン処理部は、FSPアプリケーション管理部12に対応する。また、本発明に記載の広告情報は、広告データに対応し、本発明に記載の広告識別子は、コマーシャルIDに対応し、本発明に記載の広告情報記憶部は、広告データ記憶部17に対応する。また、本発明に記載のクーポン識別子は、クーポンIDに対応し、本発明に記載の商品識別子は、商品IDに対応し、本発明に記載のクーポン識別子マスタ記憶部は、クーポンIDマスタ記憶部23に対応する。また、本発明に記載の携帯端末識別子は、携帯端末IDに対応し、本発明に記載の携帯端末識別子マスタ記憶部は、携帯端末IDマスタ記憶部24に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本実施形態による電子クーポン決済システム1を示すブロック図である。
【図2】同実施形態における携帯端末が記憶する情報を示す図である。
【図3】同実施形態におけるリーダライタ装置が記憶する情報を示す図である。
【図4】同実施形態における決済装置が記憶する情報を示す図である。
【図5】同実施形態における決済装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】同実施形態におけるリーダライタ装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】同実施形態における携帯端末の動作を示すフロー茶とである。
【図8】同実施形態における電子クーポン決済システムの動作を示すシーケンス図である。
【図9】同実施形態における電子クーポン決済システムの動作を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0070】
1…電子クーポン決済システム
10…決済装置、11…決済指示入力部、12…FSPアプリケーション管理部
13…電子決済部、14…売上げ明細記憶部、15…商品マスタ記憶部
16…関連クーポン情報表示部、17…広告データ記憶部、18…決済完了通知部
20…リーダライタ装置、21…決済アプリケーション部
22…FSPアプリケーション部、23…クーポンIDマスタ記憶部
24…携帯端末IDマスタ記憶部、25…リーダライタ通信部
30…携帯端末、31…携帯端末通信部、32…クーポン記憶部
33…携帯端末ID記憶部、34…携帯端末決済部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と決済装置を備え、商品購入の際に割引が受けられる電子クーポンを利用した決済を行う電子クーポン決済システムにおける決済装置であって、
前記電子クーポンに関連する広告情報と、該広告情報に予め割当てられ、該広告情報を一意に識別する広告識別子とを対応付けて記憶する広告情報記憶部と、
前記電子クーポンを一意に識別するクーポン識別子、前記広告識別子、及び割引対象の商品を識別するための割引対象商品識別子を対応付け電子クーポン情報として記憶するクーポン識別子マスタ記憶部と、
入力される決済情報に含まれる決済対象の商品を識別する商品識別子に基づいて決済を行う電子決済部と、
前記クーポン識別子と、前記携帯端末を一意に識別する携帯端末識別子と、を前記携帯端末から受信するリーダライタ通信部と、
前記携帯端末から受信した前記クーポン識別子に対応する前記電子クーポン情報を前記クーポン識別子マスタ記憶部から読み出す電子クーポン情報読出し部と、
前記電子クーポン情報読出し部が読み出す前記電子クーポン情報に含まれる前記広告識別子に対応する前記広告情報を前記広告情報記憶部から読出し、読み出した前記広告情報を表示する関連クーポン情報表示部と、
を備えることを特徴とする決済装置。
【請求項2】
前記携帯端末識別子ごとに前記電子クーポンを配布したか否かの情報を記録する携帯端末識別子マスタ記憶部、
を備え、
前記電子クーポン情報読出し部は、更に、
受信した前記携帯端末識別子を用いて前記携帯端末識別子マスタ記憶部から該携帯端末識別子に対応する前記携帯端末に前記電子クーポンを配布したか否かの配布情報を読み出し、読み出した配布情報に基づいて、前記リーダライタ通信部を経由して関連する前記電子クーポンに含まれる前記クーポン識別子を該携帯端末に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の決済装置。
【請求項3】
前記携帯端末から受信する前記クーポン識別子は複数存在し、前記クーポン識別子マスタ記憶部から、受信した前記クーポン識別子に対応する前記電子クーポン情報を取得して最適な前記電子クーポン情報を選択する電子クーポン処理部、
を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の決済装置。
【請求項4】
前記電子決済部は、
前記電子クーポン処理部が選択する前記電子クーポンに基づき、前記クーポン割引率情報から割引金額を算出し、算出した割引金額を前記決済情報に含まれる決済金額から減ずる処理を行う、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の決済装置。
【請求項5】
商品購入の際に割引が受けられる電子クーポンを一意に識別するクーポン識別子を記憶する携帯端末と、前記電子クーポンに関連した広告情報と、該広告情報に予め割当てられ、該広告情報を一意に識別する広告識別子とを対応付けて記憶する広告情報記憶部と、商品購入の際に割引が受けられる電子クーポンを一意に識別するクーポン識別子、前記広告識別子、及び割引対象の商品を識別するための割引対象商品識別子を含む電子クーポン情報を記憶するクーポン識別子マスタ記憶部と、を備え、入力される電子決済要求により電子決済を行う決済端末と、を有する電子クーポン決済システムによる電子クーポン決済方法であって、
前記携帯端末から前記クーポン識別子を取得するステップと、
前記クーポン識別子マスタ記憶部から、取得した前記クーポン識別子に対応する前記広告識別子を取得する電子クーポン処理ステップと、
前記電子クーポン処理ステップにより取得した前記広告識別子を用いて、前記広告情報記憶部から前記広告情報を読み出して表示するステップと、
を有することを特徴とする電子クーポン決済方法。
【請求項6】
商品購入の際に割引が受けられる電子クーポンを一意に識別するクーポン識別子を記憶するクーポン記憶部と、
前記クーポン記憶部から前記クーポン識別子を読み出し、読み出した前記クーポン識別子を送信する携帯端末通信部と、
を備える携帯端末と、
前記携帯端末から前記クーポン識別子を受信するリーダライタ通信部と、
前記クーポン識別子に対して、割引の対象となる商品の識別子である割引対象商品識別子と、前記商品の購入価格の割引率を示すクーポン割引率と、前記電子クーポンに関連する広告情報を一意に識別する広告識別子と、を含む電子クーポン情報を記憶するクーポン識別子マスタ記憶部と、
前記携帯端末から受信した前記クーポン識別子に対応する前記電子クーポン情報を前記クーポン識別子マスタ記憶部から読み出し、読み出した前記電子クーポン情報を送信する電子クーポン情報読出し部と、
を備えるリーダライタ装置と、
前記広告識別子に対して前記広告情報を対応付けて記憶する広告情報記憶部と、
入力される決済情報に含まれる前記商品の識別子である商品識別子に基づいて決済を行う電子決済部と、
前記決済リーダライタ装置の電子クーポン情報読出し部から前記電子クーポン情報を受信し、前記商品識別子と一致する前記割引対象商品識別子を有する前記電子クーポン情報に含まれる前記広告識別子を出力する電子クーポン処理部と、
前記電子クーポン処理部が出力した前記広告識別子に対応する前記広告情報を前記広告情報記憶部から読出して表示を行う関連クーポン情報表示部と、
を備える決済装置と、
を備えることを特徴とする電子クーポン決済システム。
【請求項7】
商品購入の際に割引が受けられる電子クーポンを一意に識別するクーポン識別子を記憶するクーポン記憶部と、
前記クーポン記憶部から前記クーポン識別子を読み出し、読み出した前記クーポン識別子を送信する携帯端末通信部と、
を備える携帯端末と、
前記電子クーポンに関連する広告情報と、該広告情報に予め割当てられ、該広告情報を一意に識別する広告識別子と、を対応付けて記憶する広告情報記憶部と、
商品購入の際に割引が受けられる電子クーポンを一意に識別するクーポン識別子、前記広告識別子、及び割引対象の商品を識別するための割引対象商品識別子を含む電子クーポン情報を対応付けて記憶するクーポン識別子マスタ記憶部と、
入力される決済情報に含まれる商品を識別する商品識別子に基づいて決済を行う電子決済部と、
前記携帯端末から受信した前記クーポン識別子に対応する前記電子クーポン情報を前記クーポン識別子マスタ記憶部から読み出す電子クーポン情報読出し部と、
前記電子クーポン情報読出し部が読み出す前記電子クーポン情報に含まれる前記広告識別子に対応する前記広告情報を前記広告情報記憶部から読み出し、読み出した前記広告情報を表示する関連クーポン情報表示部と、
を備える決済装置と、
を備えることを特徴とする電子クーポン決済システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−245018(P2009−245018A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88656(P2008−88656)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【Fターム(参考)】