説明

決済装置

【課題】 レシートの印刷を効率的に行う。
【解決手段】 実施形態の決済装置は、判断手段、取得手段、第1および第2の記憶手段、算出手段、決済手段、印刷手段および制御手段を含む。判断手段は、操作に基づいて客層を判断する。第1の記憶手段は、一取引期間内に取得手段により取得される商品情報を記憶する。第2の記憶手段は、取引期間の開始以降に最も新しく判断された客層情報を記憶する。算出手段は、記憶された価格または商品情報に基づいて買上金額を算出する。決済手段は、算出された買上金額を電子マネーにより決済する。印刷手段は、決済された取引を表したレシートを印刷する。制御手段は、決済が完了した際に客層情報が記憶されるならばレシートの印刷を開始し、客層情報が記憶されないならばその後に客層が判断されたことに応じてレシートの印刷を開始するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、決済装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一部の決済装置では、販売分析のために顧客の客層を操作者による操作に応じて判定している。
【0003】
そしてこの種の決済装置では、上記の操作が確実に行われるように、客層を指定するための操作が行われたことに応じて決済完了と判定し、レシートの印刷を開始している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−164894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レシートに印刷すべき情報が揃っていても、客層を指定するための操作が行われなければレシートの印刷は開始されない。
【0006】
このような事情から、レシートの印刷を効率的に行えることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の決済装置は、判断手段、取得手段、第1の記憶手段、第2の記憶手段、算出手段、決済手段、印刷手段および制御手段を含む。判断手段は、操作者による操作に基づいて顧客の客層を判断する。取得手段は、商品情報を取得する。第1の記憶手段は、一取引期間内に取得手段により取得される1つまたは複数の価格または商品情報を記憶する。第2の記憶手段は、一取引期間の開始以降に判断手段により最も新しく判断された客層を表す客層情報を記憶する。算出手段は、第1の記憶手段に記憶された1つまたは複数の価格または商品情報に基づいて買上金額を算出する。決済手段は、算出手段により算出された買上金額を電子マネーにより決済する。印刷手段は、決済手段により決済された取引の内容を表したレシートを印刷する。制御手段は、決済手段による決済が完了した際に第2の記憶手段に客層情報が記憶されているならばレシートの印刷を開始し、第2の記憶手段に客層情報が記憶されていないならばその後に判断手段により客層が判断されたことに応じてレシートの印刷を開始するように印刷手段を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態に係るPOS端末装置の要部構成を示すブロック図。
【図2】CPUの処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下実施の形態の一例を図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、決済装置としてPOS(point-of-sale)端末装置を例に説明する。
【0010】
図1は本実施形態に係るPOS端末装置100の要部構成を示すブロック図である。
【0011】
このPOS端末装置100は、CPU(central processing unit)1、ROM(read-only memory)2、RAM(random-access memory)3、補助記憶ユニット4、時計ユニット5、モードスイッチ6、ドロワ開放ユニット7、入出力ポート(I/O)8、スキャナ9、スキャナコントローラ10、タッチセンサ11、入力コントローラ12、オペレータ用表示器13、表示コントローラ14、客面表示器15、表示コントローラ16、カードリーダ17、カードリーダコントローラ18、プリンタ19、プリンタコントローラ20および通信デバイス21を含む。これらの各部は、システムバス22にそれぞれ接続されている。
【0012】
CPU1は、ROM2およびRAM3に記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、POS端末装置100としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
【0013】
ROM2は、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM2は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM2は、CPU1が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合も有る。
【0014】
RAM3は、CPU1が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM3は、CPU1が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。RAM3の記憶領域の一部は、商品リストエリアおよび客層情報エリアとして使用される。またRAM3は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合も有る。商品リストエリアは、決済の対象となる商品に関する情報のリストを表した情報を記憶する。客層情報エリアは、客層を表した客層情報を記憶する。なお、客層とは、顧客をその特性に応じて区分する階層のことである。典型的には客層は、年齢と性別とにより定まる。すなわち客層は例えば、「二十代、男性」や「三十代、女性」のように定められる。そして客層情報は、客層の個々を識別可能なように予め定められる。ただし、客層は、例えば年齢および性別のいずれか一方のみにより区分しても良い。あるいは年齢および性別とは異なる特性を組み合わせて客層を区分しても良い。ただし客層は、顧客の外見から店員が判断できるように定められる。
【0015】
補助記憶ユニット4は、例えばハードディスクドライブやSSD(solid state drive)などであり、CPU1が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU1での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット4に記憶されるデータには、PLU(price look up)ファイルおよび組合せ情報を含む。PLUファイルは、POS端末装置100が使用される店舗で販売または提供される商品(物品またはサービス)についての情報が記述されている。
【0016】
ROM2、RAM3または補助記憶ユニット4に記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する売上登録処理に関して記述した売上登録プログラムを含む。この売上登録プログラムがRAM3または補助記憶ユニット4に記憶される場合、POS端末装置100の譲渡は、一般的に売上登録プログラムがRAM3または補助記憶ユニット4に記憶された状態にて行われる。しかし、POS端末装置100を売上登録プログラムがRAM3または補助記憶ユニット4に記憶されない状態で譲渡されるとともに、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して上記の売上登録プログラムを譲渡され、この売上登録プログラムが上記の別途に譲渡されたPOS端末装置100のRAM3または補助記憶ユニット4に書き込まれても良い。
【0017】
時計ユニット5は、定常的に計時動作を行い、日付および時刻を表した日時情報を生成する。
【0018】
モードスイッチ6は、特定の鍵によって回転可能な鍵穴の向きを検出し、その検出結果をモード信号として出力する。鍵穴の向きには業務モードがそれぞれ割り付けられており、モード信号はこれらの動作モードのいずれが選択されているかを示す信号となる。業務モードは、登録、点検および精算などの各モードを含む。ちなみに登録モードは、スキャナ9またはタッチセンサ11によりPLUコードが入力されされると、このPLUコードで識別される商品の販売または提供に係るデータ処理を行う。点検モードは、登録モードでの処理により生成された商品販売データから得られた売上集計データをレポート出力する。精算モードは、点検モードと同様に売上集計データをレポート出力した後に、この売上集計データをクリアする。
【0019】
ドロワ開放ユニット7は、ドロワを自動的に開放する。
【0020】
入出力ポート8は、モードスイッチ6が出力するモード信号をモードデータに変換してRAM3に書き込んだり、CPU1からドロワ開放が指示されたことに応じてドロワ開放ユニット7を駆動するための駆動信号をドロワ開放ユニット7に対して出力する。
【0021】
スキャナ9は、商品に印刷されたバーコードを読み取る。スキャナ9には、固定タイプおよびハンディタイプのいずれか、またはその双方を含み得る。
【0022】
スキャナコントローラ10は、CPU1の制御の下にスキャナ9の動作を制御するとともに、スキャナ9で生成されたスキャンデータをRAM3に書き込む。
【0023】
入力ユニット11は、操作者による操作を検出する。入力ユニット11は、タッチセンサやキースイッチなどの周知の入力デバイスを適宜に含み得る。入力ユニット11に含まれた入力デバイスの一部は、客層キー群11aに割り当てられる。入力ユニット11にタッチセンサが含まれる場合、このタッチセンサはオペレータ用表示器13の表示面に積層配置される。そして入力ユニット11は、オペレータ用表示器13の表示画面への操作者によるタッチがなされた際に、そのタッチ位置に応じた検出信号を出力する。入力ユニット11にキースイッチが含まれる場合、入力ユニット11は押下されたキースイッチを識別可能な検出信号を出力する。入力コントローラ12は、入力ユニット11から出力された検出信号に基づいて上記の操作内容を判定し、その操作内容を表したコマンドをRAM3に書き込む。
【0024】
オペレータ用表示器13は、例えばLCD(liquid crystal display)であり、CPU1の制御の下に任意の画像を表示可能である。オペレータ用表示器13は、オペレータに対して提示するべき各種の情報を表した画像を表示するために利用される。
【0025】
表示コントローラ14は、CPU1の制御の下にオペレータ用表示器13の動作を制御する。
【0026】
客面表示器15は、例えばLCDや蛍光表示装置であり、CPU1の制御の下に任意の画像を表示可能である。客面表示器15は、客に対して提示するべき各種の情報を表した画像を表示するために利用される。
【0027】
表示コントローラ16は、CPU1の制御の下に客面表示器15の動作を制御する。
【0028】
カードリーダ17は、決済カードに記録されたカード情報を読み取る。なお、決済カードとは、現金によらずに決済を行うためのカードのことであり、電子マネー用のICカードを少なくとも含む。カードリーダ17は、ICカードに内蔵されたICチップと通信を行って、当該ICチップが保持している情報をカード情報として読み取る。従ってカードリーダ17は、カード媒体以外の例えば携帯電話端末などの媒体に内蔵された同種のICカードが保持している情報もカード情報として読み取る。
【0029】
カードリーダコントローラ18は、CPU1の制御の下にカードリーダ17の動作を制御するとともに、カードリーダ17から出力されたカード情報をRAM3に書き込む。
【0030】
プリンタ19は、例えばサーマルプリンタやドットインパクトプリンタなどであり、レシートを印刷する。
【0031】
プリンタコントローラ20は、CPU1の制御の下にプリンタ19の動作を制御する。
【0032】
通信デバイス21は、LAN(local area network)やインターネットなどの通信ネットワーク101を介してサーバ102と通信する。
【0033】
サーバ102は、POS端末装置100が設置されているのと同じ店舗に備えられたいわゆる店舗サーバや、POS端末装置100が設置されているのと同じ店舗を含んだ複数の店舗を総括する本部に備えられたいわゆる本部サーバである。サーバ102は、POS端末装置100およびその他のPOS端末装置(図示せず)でそれぞれ生成された商品販売データを集計したり、各POS端末装置で使用するデータを管理する。サーバ102は、POS端末装置100およびその他のPOS端末装置に配信するためのPLUファイルおよびレート情報を保持している。
【0034】
次に以上のように構成されたPOS端末装置100の動作について説明する。
【0035】
図2は登録モードが設定されているときにおけるCPU1のフローチャートである。鍵によって業務モードが登録モードに設定されたことがモードスイッチ6により検出されたことに応じて、CPU1は図2に示す処理を開始する。なお、鍵によって業務モードが登録モードに設定されたことがモードスイッチ6により検出されたことに応じて、CPU1は図2に示す処理を終了する。
【0036】
ステップSa1においてCPU1は、RAM3内の商品リストエリアおよび客層情報エリアをともに初期状態にクリアする。
【0037】
こののちにCPU1は、ステップSa2乃至Sa4の待ち受け状態となる。この待ち受け状態の中にステップSa2においてCPU1は、PLUコードが取得されたか否かを確認する。ステップSa3においてCPU1は、客層キー群11a内のいずれかのキーが押下されたか否かを確認する。ステップSa4においてCPU1は、決済の実行が操作者により指示されたか否かを確認する。
【0038】
さて、商品にバーコードとして表記されたPLUコードがスキャナ9により読み取られるか、あるいは入力ユニット11にてPLUコードを入力するための操作がなされたならば、その入力されたPLUコードはスキャナコントローラ10または入力コントローラ12によってRAM3に書き込まれる。このようにして、商品情報としてのPLUコードが取得される。PLUは取得せずに、操作者により指定された価格を取得することもできる。このことを受けてCPU1は、ステップSa2でYESと判定し、ステップSa2からステップSa5へ進む。
【0039】
ステップSa5においてCPU1は、上記のようにRAM3に書き込まれたPLUコードおよびそれに対応付けられた情報を補助記憶ユニット4に記憶されたPLUファイルの中から取得する。そしてCPU1は、ここで取得したPLUコード、部門、品名および価格の各情報をRAM2の商品リストエリアに追加保存する。なお、価格のみがRAM3に書き込まれた場合には、CPU1はその価格を商品リストエリアに追加保存する。
【0040】
ステップSa6においてCPU1は、上記の追加保存により更新された商品リストに基づいて、その商品リストに含まれる商品に関する買上金額を算出する。そしてこののちにCPU1は、ステップSa2乃至ステップSa4の待ち受け状態に戻る。
【0041】
一方、客層キー群11a内のいずれかのキーが押下されたならば、その押下されたキーに関するキーコードが入力コントローラ12によってRAM13に書き込まれる。このことを受けてCPU1は、ステップSa3でYESと判定し、ステップSa3からステップSa7へ進む。
【0042】
ステップSa7においてCPU1は、上記の押下されたキーに応じた客層情報を客層情報エリアに上書き保存する。そしてこののちにCPU1は、ステップSa2乃至ステップSa4の待ち受け状態に戻る。
【0043】
さて、小計キーを押下する操作などによって決済処理の開始が操作者により指示されたならば、CPU1はステップSa4でYESと判定し、ステップSa4からステップSa8へ移行する。
【0044】
ステップSa8においてCPU1は、決済に電子マネーを使用するか否かを確認する。そして、電子マネー以外による決済が操作者により要求されたならばCPU1は、ステップSa8でNOと判定し、ステップSa8からステップSa9へ進む。
【0045】
ステップSa9においてCPU1は、例えば預かり金額を表す情報のような決済用情報を、例えば入力ユニット11および入力コントローラ12およびRAM3を介して入力する。
【0046】
ステップSa10においてCPU1は、各層キー群11a内のいずれかのキーが押下されるのを待ち受ける。そして客層キー群11a内のいずれかのキーが押下されたことを受けてCPU1は、ステップSa10でYESと判定し、ステップSa10からステップSa11へ進む。
【0047】
ステップSa11においてCPU1は、上記の押下されたキーに応じた客層情報を客層情報エリアに上書き保存する。
【0048】
ステップSa12においてCPU1は、ステップSa6で最も新しく算出された買上金額について決済するための処理をステップSa9で入力した決済用情報を用いて行う。
【0049】
一方、決済に電子マネーを使用することが操作者により要求されたならばCPU1は、ステップSa8でNOと判定し、ステップSa8からステップSa13へ進む。
【0050】
ステップSa13においてCPU1は、ステップSa6で最も新しく算出された買上金額について決済するための処理を、このときにカードリーダ17で電子マネー用のICカードから読み取られるカード情報を使用して決済する。
【0051】
ステップSa14においてCPU1は、客層情報が客層情報エリアに記憶されているか否かを確認する。そして客層情報エリアがステップSa1にてクリアされたときの状態のままであるならば、CPU1はステップSa14でNOと判定し、ステップSa14からステップSa15へ進む。
【0052】
ステップSa15においてCPU1は、各層キー群11a内のいずれかのキーが押下されるのを待ち受ける。そして客層キー群11a内のいずれかのキーが押下されたことを受けてCPU1は、ステップSa15でYESと判定し、ステップSa15からステップSa16へ進む。
【0053】
ステップSa16においてCPU1は、上記の押下されたキーに応じた客層情報を客層情報エリアに上書き保存する。
【0054】
ステップSa16において客層情報を客層情報エリアに保存し終えたならばCPU1は、ステップSa17へ進む。一方、ステップSa12にて決済を終えた場合にも、CPU1はステップSa17へ進む。さらには、客層情報が客層情報エリアに既に記憶されているためにステップSa14においてYESと判定した場合にCPU1は、ステップSa15およびSa16の処理を行うことなくステップSa14からステップSa17へ進む。
【0055】
ステップSa17においてCPU1は、レシートを印刷するための処理を行う。具体的には、ステップSa11またはステップSa13で行った決済に関するレシートを表したレシート情報を生成し、これをRAM3を介してプリンタコントローラ20へ与えるとともに、そのプリントを指示する。この指示を受けてプリントコントローラ20は、レシート情報が表すレシートを印刷するようにプリンタ19を駆動する。
【0056】
ステップSa18においてCPU1は、メモリ処理を実行する。このメモリ処理は例えば、今回の決済に関わる情報を管理するためのデータファイルを作成して補助記憶ユニット4に保存する処理や、POS端末装置100での売り上げの管理のためのデータファイルを更新する処理などの様々な周知の処理を含み得る。なお、決済に関わる情報を管理するためのデータファイルには、客層情報が含まれる。
【0057】
ステップSa19においてCPU1は、トラン出力を実行する。すなわちCPU1は、サーバ102での情報管理のために必要な周知のトランザクションを作成する。そしてCPU1は、通信デバイス21を制御し、上記のトランザクションを通信ネットワーク101を介してサーバ102に送信する。なおトランザクションには、客層情報が含まれる。
【0058】
ステップSa19の処理が終了すれば、一つの取引に関するCPU1の処理が完了する。そしてこの場合にCPU1は、ステップSa1に処理を戻し、それ以降の処理を前述したのと同様にして繰り返す。つまり、新たな取引についての売り上げ登録のための処理を行う。
【0059】
以上のようにPOS端末装置100によれば、一つの取引についての処理が終了してから次の取引についての決済処理の開始が指示されるまでの一取引期間内において操作者の操作に応じた客層の判定を行う。そして電子マネーを使用した決済を行った場合に、客層が既に判定できているならば、即座にレシートの印刷を開始する。これにより、操作者が、一取引期間内の任意のタイミングで客層の指定を行えば、電子マネーによる決済が行われた後にレシートが発行されるまでの待ち時間が最小限に抑えられる。
【0060】
これに対して、電子マネー以外による決済が操作者により要求された場合には、POS端末装置100は客層の指定をトリガとして決済を実行し、その終了後にレシートを印刷する。また、電子マネーによる決済を行った場合であっても、客層が判定できていないならば、客層が指定されるのを待ってレシートを印刷する。かくして、客層の指定がなされないままでレシートの印刷が行われることがなく、客層の指定を操作者に確実に行わせることができる。
【0061】
なお、操作者は、商品のバーコードをスキャナ9により読み取らせる操作や入力ユニット11にてPLUコードを入力するための操作を行うのに先立ってや、それらの操作の合間に客層情報の指定操作を行えば良く、買上商品の登録をする操作の中で効率的に客層情報の指定を行える。
【0062】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0063】
CPU1は図2に示すステップSa13の処理の中で、ICカードが顧客によりカードリーダ17にかざされて、そしてカード情報がカードリーダ17により読み取られるのを待つ。そこでCPU1は、この期間においても客層キーの押下を待ち受けるようにしても良い。
【0064】
決済用情報の入力を完了したことを操作者が指定するためのいわゆる現計キーなどのようなキーを入力ユニット11に設けておき、このキーが押下された際に客層情報エリアに客層情報が記憶されているならば、その客層情報を有効として図2におけるステップSa10およびSa11を行わないようにしても良い。このようにすれば、買上商品の登録をする操作の中で時間の空きがあれば、そのときに客層情報の指定を操作者が行っておけば、決済用情報の入力からレシート発行までの期間を短縮できる場合がある。顧客の客層を判断して、それに応じたキーを客層キー群11aの中から選択して押下する作業に比べて、特定の1つのキーを押下する作業は明らかに簡単なため、決済用情報の入力後の操作者の作業時間を短縮し、結果としてレシート発行までの期間を短縮できることになる。
【0065】
キャッシュレジスタなどのような別のタイプの決済装置においても、上記実施形態の技術思想を適用することが可能である。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
1…CPU、2…ROM、3…RAM、4…補助記憶ユニット、5…時計ユニット、6…モードスイッチ、7…ドロワ開放ユニット、8…入出力ポート、9…スキャナ、10…スキャナコントローラ、11…入力ユニット、12…入力コントローラ、13…オペレータ用表示器、14…表示コントローラ、15…客面表示器、16…表示コントローラ、17…カードリーダ、18…カードリーダコントローラ、19…プリンタ、20…プリンタコントローラ、100…POS端末装置、101…通信ネットワーク、102…サーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者による操作に基づいて顧客の客層を判断する判断手段と、
商品情報を取得する取得手段と、
一取引期間内に前記取得手段により取得される1つまたは複数の前記価格または前記商品情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記一取引期間の開始以降に前記判断手段により最も新しく判断された客層を表す客層情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶された1つまたは複数の前記価格または商品情報に基づいて買上金額を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記買上金額を電子マネーにより決済する決済手段と、
前記決済手段により決済された取引の内容を表したレシートを印刷する印刷手段と、
前記決済手段による決済が完了した際に前記第2の記憶手段に前記客層情報が記憶されているならば前記レシートの印刷を開始し、前記第2の記憶手段に前記客層情報が記憶されていないならばその後に前記判断手段により前記客層が判断されたことに応じて前記レシートの印刷を開始するように前記印刷手段を制御する制御手段とを具備する決済装置。
【請求項2】
前記第1の記憶手段に記憶された前記商品情報と、前記レシートの印刷を開始する際に前記第2の記憶手段に記憶されている前記客層情報とを別の装置へ送信する送信手段をさらに備える請求項1に記載の決済装置。
【請求項3】
前記決済手段は、前記電子マネーによる決済の他に、前記電子マネーを使用するのとは別の第2の方法での決済を行うことが可能で、
前記制御手段は、前記決済手段が前記第2の方法での決済を行った場合には、その後に前記判断手段により前記客層が判断されたことに応じて前記レシートの印刷を開始するように前記印刷手段を制御する請求項1に記載の決済装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記決済手段が前記第2の方法での決済を行った場合であっても、前記第2の記憶手段に前記客層情報が記憶されているならば、その後に前記判断手段により前記客層が判断されるのを待つこと無しに前記レシートの印刷を開始するように前記印刷手段を制御する請求項3に記載の決済装置。
【請求項5】
前記判断手段は、前記一取引期間内に前記客層を判断することを特徴とする請求項1に記載の決済装置。
【請求項6】
前記判断手段は、前記決済手段が前記電子マネーの情報を取得できるまでの待ち期間内にも前記客層を判断することを特徴とする請求項1に記載の決済装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−185579(P2012−185579A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46905(P2011−46905)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】