説明

油回収装置

【課題】本発明は、回収装置の構成を簡略化して低騒音、耐久性の向上を図るとともに、油が浮遊する液面の位置等の様々な状況に任意に対応させるものである。
【解決手段】上記目的を達成するために、一定の長さを有する捕捉体5を鉛直方向に上下動させる。この捕捉体5が下降したときには、液体の浮遊油を捕捉体5に付着させる。そして、この捕捉体5が液体面の上方に上昇したときには、付着した浮遊油を分離手段10で離脱させて回収するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体と分離して液面部に浮遊する油を回収する回収装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地下土壌中へ流出、漏洩した原油、重油、軽油等の油分は、土壌中の地下水の流れる透水層を介して拡散し、これらの油による地下水汚染が広がる。
【0003】
この油による地下水汚染を浄化するため、簡略化された装置で効率的に回収することが望まれている。
【0004】
また機械工場等においては、工作機械にはギヤー等の潤滑のために用いる切削液と加工油もあるが、これらを例えば床下等に溢した場合は、この加工油を分離回収する必要があった。
【0005】
従来、これらのこぼれた油の回収手段として、帯状吸着体と、走行駆動部と、離脱回収部とから構成される油の除去装置が知られている。
【0006】
この油の除去装置において構成される帯状吸着体は、複数のローラ間に無端状に捲回されていて、掘削孔の下端側と地上との間に循環走行するようになっている。
【0007】
また、走行駆動部は地上側に設置され、トップローラに軸連結されたモータと、このモータの駆動源とを備えている。
【0008】
さらに離脱回収部も、地上側に設置され、挟圧ローラと、回収槽とから構成されており、この挟圧ローラは、トップローラの下方に設置され、トップローラとともに循環走行する吸着体を挟圧して、吸着体の吸着マットに吸着保持されている油類を絞ることにより離脱させる装置である。(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
また、他の油の回収装置には、移動用車輪を具備したものがある。
【0010】
この油の回収装置は、床の上を移動可能な台車に、無端ベルトを回転自在な状態で吊り下げ、この台車に無端ベルトを回転させる回転装置と無端ベルトに付着した油を、無端ベルトから回収する回収装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0011】
さらに別の他の油回収装置では、回転自在な駆動ローラを有し、この駆動ローラによって駆動されるベルトを介して駆動ローラに吊下されたウエイトローラと、駆動されるベルトの下降側軌道において、液体(切削油)表面に浮上している潤滑油をベルトに付着させ、このベルトに付着した潤滑油を、スクレイパに設けられた毛細管現象を利用して吸引する吸引体によって吸引させて回収するものが知られている。(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平10−314714号公報
【特許文献2】特開2004−8964号公報
【特許文献3】実用新案登録第3005712号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1、2、3に記載されたものは、無端状のベルト(吸着体)を用い、複数のローラで支持し、循環走行するよう回転駆動されている。
【0013】
従って構造が複雑となり、大型化する。
【0014】
また循環走行することによって騒音が大きくなりやすく、無端状のベルトの耐久性、駆動動力が大きくなる課題があった。
【0015】
さらに油が浮遊する液面と無端状のベルトから油を分離、離脱させる手段との距離は、状況によって様々であり、これに対応させることが困難である。
【0016】
すなわち無端状のベルトの長さを変えるために都度交換する必要があり、汎用性、メンテナンス性に課題があった。
【0017】
さらに特許文献2では、アジャストローラの上下位置を調整して、無端状のベルトから油を分離、離脱させる手段との距離を変更するようにし、また特許文献3では、駆動ローラを固定する取付用ステイの高さをボルトとナットで変更するようにしたものであるが、段階的であり、任意の位置での無段階調整をすることができない。
【0018】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、回収装置の構成を簡略化して低騒音、耐久性の向上を図るとともに、油が浮遊する液面の位置等の様々な状況に任意に対応させることができる油回収装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
一定の長さを有する捕捉体を鉛直方向に上下動させ、この捕捉体が下降したときに、液体の浮遊油を前記捕捉体に付着させ、前記捕捉体が液体面の上方に上昇したとき、付着した浮游油を分離手段で離脱させて回収するものである。
【発明の効果】
【0020】
以上のように本発明の油回収装置によれば、回収装置の構成を簡略化して回転ローラ等の騒音が出る部材を必要最低限としたことにより、低騒音、耐久性の向上を図るとともに、油が浮遊する液面の位置等の様々な状況に任意に対応させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
第1の発明は、一定の長さを有する捕捉体を鉛直方向に上下動させ、この捕捉体が下降したときに、液体の浮游油を捕捉体に付着させ、この捕捉体が液体面の上方に上昇したときに、付着した浮游油を分離手段で離脱させて回収するものである。
【0022】
これによって、回収装置の構成を簡略化して低騒音、耐久性の向上を図るとともに、油が浮遊する液面の位置等の様々な状況に任意に対応させることができる。
【0023】
第2の発明は、第1の発明において、捕捉体を回転体に巻装し、前記回転体を正逆回転に制御して前記捕捉体を上下に往復移動させるものである。
【0024】
これによって、捕捉体を簡単な手段で精度よく上下動させさせることができ、さらに回転体の回転速度を変えることも可能で、これにより捕捉体の上下動の周期を調節することができる。
【0025】
第3の発明は、第1の発明において、回転体の正逆の回転数または回転角度を制御して捕捉体を上下動させる移動距離を設定するものである。
【0026】
これによって、捕捉体を上下動させる移動距離を簡単に設定することができ、地上から地下水の流れる透水層までの距離差、すなわち油の浮遊する液面と油を分離、離脱させる手段との位置(距離の差)の状況に簡単に対応せるこができる。
【0027】
第4の発明は、第1〜第3の発明において、捕捉体は、屈曲性を有し下端部に錘を設けたものである。
【0028】
これによって常に鉛直方向を維持して安定した上下動をさせることができる。
【0029】
第5の発明は、第1〜第4の発明において、回地上から地下水の流れる透水層に達するように掘削した通路内または井戸内で捕捉体を鉛直方向に上下動させ、地下水の浮上油を回収するものである。
【0030】
これによって特に、騒音を著しく低下させ、さらに大きな駆動動力を必要とせず、耐久性にも優れていることで、昼夜運転しても騒音公害を引き起こさず、また省エネルギー化を図ることができる。
【0031】
さらに掘削する井戸の小型化とともに、地下水の流れる透水層の深さに容易に対応させて地下水の油を回収することができる。
【0032】
第6の発明は、第1〜第4の発明において、容器に貯留する液体の浮上油を回収するものである。
【0033】
これによって工作機械での切削加工時に用いられる切削油と潤滑油を容器に貯留して区画し、水溶性である切削油上に分離浮遊する潤滑油を回収することができる。
【0034】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0035】
本発明の実施の形態の油回収装置について図1〜図6を参照しながら説明する。
【0036】
図1は油回収装置の一部側断面図、図2は本発明の実施の形態の捕捉手段と分離手段部の斜視図、図3は、捕捉手段と分離手段部の他の構成を示す斜視図、図4,5,6は捕捉手段の他の構成図である。
【0037】
図7は他の油回収装置の一部側断面図である。
【0038】
図1、図2において、筺体1の内部に固定板2を有し、固定板2上には巻取部3aを有する回転体3を設け、回転体3はギアードモータ4(駆動手段)によって正逆に回転駆動されるものである。
【0039】
回転体3に対向して、回転体3の回転数または回転角度を検出する近接センサ、磁気センサ、光センサ等を用いた検出手段3bを設け、前記検出手段3bとギアードモータ4(駆動手段)を接続した制御手段4aを設けている。
【0040】
この制御手段4aにより回転体3の正転逆転の回転駆動制御を行う。
【0041】
この巻取部3aに捕捉体である屈曲性を有するワイヤー5の一端が連設され、他端部には錘6が装着されている。
【0042】
前記回転体3、ギアードモータ4(駆動手段)で上下動手段を構成しているものである。なお前記駆動手段であるギアードモータ4は、ステッピングモータであってもよい。
【0043】
筒状体7の内側に通路8を構成し、この通路8に捕捉体であるワイヤー5が挿入されている。またワイヤー5を挟持し、ワイヤー5に付着した油を離脱させる分離手段である捕集体9を固定板2に固定している。
【0044】
捕集体9の通過孔9aがワイヤー5の全周にある程度圧接して接触するようにゴム等の弾性を有する材料で構成されている。
【0045】
また捕集体9の通過孔9aにワイヤー5を挿入しやすいようにするため、切れ目9bを形成させてある。
【0046】
捕集体9の下方には、捕集体9で離脱させた落下する油を受けて案内筒11に導く固定板2に固定したガイド10を設けている。案内筒11から回収容器12に油を回収する。
【0047】
筺体1の下部の地下土壌13、地下水の流れる透水層14を掘削してこの掘削穴に筒状体(B)15を挿入し、通路16を構成させている。
【0048】
なお透水層14に位置する筒状体(B)15の下部は地下水、浮遊油が十分入り込み、また通過できるように多数の孔、スリット(図示なし)が形成されている。
【0049】
筒状体7の内側に通路8と筒状体(B)15の内側の通路16は同軸状になるように設置されているものである。
【0050】
また、図3は前記捕捉体であるワイヤー5を複数本で構成した例を示し、図4は多数の円筒体または球体17をワイヤー5に通して捕捉体を構成したものである。
【0051】
図5はワイヤー5に植毛等の手段により線状付着体18を付加させたもので、図6は一定の巾を有するシート19で捕捉体を構成したものである。
【0052】
次に本実施の形態の基本的な動作を説明する。
【0053】
駆動手段であるギアードモータ4を駆動し回転体3を回転させて、回転体3の巻取部3aに巻き取られている捕捉体であるワイヤー5を、通路8、通路16に錘6を下端として地下水の流れる透水層14に到達するよう鉛直方向に吊り下げる。
【0054】
この際にワイヤー5は、油分離手段である捕集体9通過孔9aを基準として通路8、通路16のほぼ中央部に位置させている。
【0055】
通路8、通路16の内径は例えば約50ミリメートルでよい。
【0056】
錘6が地下水の流れる透水層14の下部に到達した位置を制御手段4aで記憶し、設置条件として設定する。
【0057】
次に回転体3を回転させて巻取部3aにワイヤー5を巻取り、上方に移動させる。
【0058】
このときワイヤー5が透水層14の液面に浮遊している油に順次接触して、ワイヤー5の表面に浮遊油が付着する。
【0059】
さらに浮遊油が付着したワイヤー5の下端が油を離脱させる油分離手段である捕集体9を通過したとき回転体3の回転方向を反転するよう制御し、ワイヤー5を下方に移動させ、錘6が透水層10の下部に到達した位置で再び回転体3の回転方向を逆にしてワイヤー5を上方に移動させ、一定の長さを有する捕捉体であるワイヤー5を一定の周期で鉛直方向に上下動させるものである。
【0060】
この動作によって、ワイヤー5に付着した浮遊油は、分離手段である捕集体9の通過孔9a部分でワイヤー5から分離し落下する。
【0061】
これを傾斜したガイド10で受けて案内体11に流動させ、回収容器12に油を回収する。
【0062】
このように一定の長さを有する捕捉体であるワイヤー5を鉛直方向に上下動させ、ワイヤー5が下降したとき、液体の浮遊油をワイヤー5に付着させ、ワイヤー5が地下水である液体面の上方に上昇したとき、付着した浮上油を分離手段である捕集体9で離脱させて回収するものである。
【0063】
従来技術においては、油を付着させる無端状のベルトを複数のローラで支持し、循環走行するよう回転駆動されている。
【0064】
したがって構造が複雑で大型となり、コスト高となる。
【0065】
また循環走行することによって騒音が大きく、ベルトの耐久性、必要な駆動動力が大きくなる等の点でも課題がある。
【0066】
これに対して、本発明の実施形態においては、捕捉体であるワイヤー5を鉛直方向に上下動させるので、回収装置の構成を簡略化させるとともに、低騒音化、耐久性の向上を図ることができる。
【0067】
また、捕捉体であるワイヤー5を回転体3に巻装し、前記回転体3の駆動手段であるギアードモータ4を正逆回転に制御することによって、前記ワイヤー5を簡単な手段で精度よく上下動させさせることができる。
【0068】
さらに回転体3の回転速度を変えることでワイヤー5の上下動の周期を調節することもできる。
【0069】
さらに、油の浮遊する液面と油を分離、離脱させる分離手段との距離は、状況によって様々であり、これに対応させるため従来は、ベルトの交換、または機構的な手段による上下距離の調節を行っていたが、都度メンテナンスが必要で、上下距離の調節巾も大きく取れない。
【0070】
これに対して本実施形態によれば、回転体の駆動手段を正転または逆転の回転方向の切替え、回転数または回転角度を制御することによって、捕捉体であるワイヤー5の上下動させる移動距離を簡単に設定することができる。
【0071】
これにより、地上から透水層14までの距離差、すなわち油の浮遊する液面と油を分離、離脱させる分離手段である捕集体9との距離の差の状況に簡単に対応せるこができる。
【0072】
また、地上から透水層14に達するように掘削して通路8、通路16を形成し、この通路8、通路16内で捕捉体であるワイヤー5を鉛直方向に上下動させ、地下水の浮遊油を回収することによって、回収装置を簡略化させるとともに、低騒音化、耐久性の向上を図ることができる。
【0073】
特に、騒音を著しく低下させ、さらに回転体3の大きな駆動動力を必要とせず、耐久性にも優れていることで、昼夜運転しても騒音公害を引き起こさず、また省エネルギー化を図ることができる。
【0074】
また、従来液中に無端ベルトを常時挿入し、かつ無端ベルトの下端部に回転ローラを設ける必要がある。
【0075】
これによって、前記回転ローラの挿入、他への接触防止のために通路のサイズを大きくする必要がある。
【0076】
従って地中の掘削に大きな動力、設備および手間を要する課題がある。
【0077】
これに対して本実施形態によれば、捕捉体9であるワイヤー5の下端部には回転ローラを設ける必要がない。
【0078】
これによって通路16の径を小さくでき、地中の掘削に大きな動力、設備を必要とせず、作業を簡単に行うことができる。
【0079】
また、図3に示した捕捉体9をワイヤー5複数本で構成したもの、図4に示した多数の円筒体または球状体16をワイヤー5に通して構成したもの、図5に示したワイヤー5に植毛等の手段により線状付着体17を付加させたもので構成してもよく、この場合には通路8、通路16の径を大きくすることなく、浮遊油をより多く付着させて回収効率を向上させることができる。
【0080】
図6に示した前記捕捉体は、一定の巾を有するシート19で捕捉体を構成したもので、特に透水層14まで細長上の穴、比較的大きな井戸を掘削可能な場合に用いることによって、浮遊油をより多く付着させて回収効率を向上させることができる。
【0081】
前記したシート19は、屈曲性を有する板、繊維で編組したもの等で構成すればよい。
【0082】
従来技術においては、無端状のベルトを複数のローラで支持し、循環走行するよう回転駆動されているため、ローラに接触しない側のベルトの片面に油を付着させる必要がある。
【0083】
これに対して本発明の実施形態においては、捕捉体である一定の巾を有するシート19の両面に浮遊油を付着させ、付着した浮遊油を分離手段である捕集体9で離脱させて回収するものであり、従来技術に比べ回収効率を著しく向上させることができる。
【0084】
またワイヤー5、シート19の捕捉体は、屈曲性を有し下端部に錘を設けたことによって、常に鉛直方向を維持して安定した上下動をさせることができる。
【0085】
また従来技術においては、油を付着させる無端状のベルトを複数のローラで支持し、循環走行するよう回転駆動されている。
【0086】
したがって構造が複雑で大型となるため、結果としてコスト高となる。
【0087】
また循環走行することによって騒音が大きく、ベルトの耐久性、必要な駆動動力の点でも課題がある。
【0088】
これに対して、本発明の実施形態においては、捕捉体であるシート18を鉛直方向に上下動させ、分離手段である捕集体9で浮遊油を離脱させて回収するものであり、回収装置を簡略化させ、低騒音化、耐久性の向上を図ることができる。
【0089】
また、特に透水層14まで通路16を掘削して液体上の浮遊油を回収する例で説明したが、地下に井戸を設け、この井戸に集まる地下水の浮遊油を回収させるようにしてもよく、さらに透水層の一定領域を区画壁で区画して浮遊油を回収させるようにしてもよい。
【0090】
本発明の他の実施の形態の他の油回収装置を、図7を参照しながら説明する。
【0091】
図7は油回収装置の一部側断面図である。図1〜6と同一番号は同一箇所を示し、説明を省略する。
【0092】
異なるところは、例えば工作機械での切削加工時に用いられる切削油と潤滑油を容器20に貯留して区画し、水溶性である切削油上に分離浮遊する潤滑油を回収するものである。
【0093】
特に切削油と潤滑油を貯留する容器20内の液面の変動時、また容器20を床下や地下に設ける等の設置状況においても、潤滑油が浮遊する液面の位置等の様々な状況に任意に対応させることができ、また回収装置の構成を簡略化して低騒音、耐久性の向上を図ることができる。
【0094】
なお、屈曲性を有する捕捉体であるワイヤー5、シート19の下端部が透水層14、井戸、容器等の区画領域の底部に接触した後も、さらにワイヤー5、シート19を一定距離下降させてから上昇させるようにしてもよく、これによってワイヤー5、シート19の油の付着する長さを増加させてより効率的な回収を図ることができる。
【0095】
また、本実施形態においては、駆動手段であるギアードモータ4、回転体3、回転体3の巻取部3aから捕捉体の上下動手段としたが、捕捉体を複数の回転体(図示なし)で挟持し、前記少なくとも一つの回転体の駆動手段を正逆回転に制御して前記捕捉体を上下動させるとともに、回転体の駆動手段の正逆切替え及びその回転数または回転角度を制御して捕捉体を上下動させる移動距離を設定する構成やその他の手段であってもよい。
【0096】
また、付着した油の分離手段として、捕集体9の通過孔9aからなる構成としたが、ポンプ等による吸引手段、高速気流による油の離脱手段等を用いてもよく、本実施形態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0097】
液体上に分離して浮遊する付着性物質を回収する分野への用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の一実施の形態の油回収装置の一部側断面図
【図2】本発明の一実施の形態の油回収装置の捕捉手段と分離手段部の斜視図
【図3】捕捉手段と分離手段部の他の構成を示す斜視図
【図4】捕捉手段の他の構成図
【図5】捕捉手段の他の構成図
【図6】捕捉手段の他の構成図
【図7】本発明の一実施の形態の他の油回収装置の一部側断面図
【符号の説明】
【0099】
1 筺体
2 固定板
3 回転体
3a 巻取部
3 回転検出手段
4 ギアードモータ(駆動手段)
4a 制御手段
5 ワイヤー
6 錘
7 筒状体
8 通路
9 捕集体(分離手段)
9a 通過孔
10 ガイド
11 案内筒
12 回収容器
13 地下土壌
14 透水層
15 筒状体(B)
16 通路
17 円筒体
18 線状付着体
19 シート
20 容器



【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の長さを有する捕捉体を鉛直方向に上下動させ、前記捕捉体が下降したときに、液体の浮遊油を前記捕捉体に付着させ、前記捕捉体が液体面の上方に上昇したとき、付着した前記浮遊油を分離手段で離脱させて回収することを特徴とする油回収装置。
【請求項2】
前記捕捉体を回転体に巻装し、前記回転体を正転又は逆転に制御して、前記捕捉体を上下動させることを特徴とする請求項1に記載の油回収装置。
【請求項3】
前記回転体を正転又は逆転させる回転の切替え及び、前記回転体の回転数または、前記回転体の回転角度を制御して、前記捕捉体を上下動させて移動距離を設定することを特徴とする請求項2に記載の油回収装置。
【請求項4】
前記捕捉体は屈曲性を有し、前記捕捉体の下端部に錘を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の油回収装置。
【請求項5】
地上から透水層に達するまで掘削穴または井戸を設け、前記掘削穴または前記井戸内で前記捕捉体を鉛直方向に上下動させ、地下水中の浮遊油を回収する請求項1から4のいずれか1項に記載の油回収装置。
【請求項6】
前記捕捉体を鉛直方向に上下動させ、前記捕捉体に付着せしめた液体の浮遊油を、地上に設けた容器内に貯留し、前記浮遊油を回収することを特徴とした請求項1から4のいずれか1項に記載の油回収装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−289314(P2006−289314A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−116886(P2005−116886)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】