説明

治療器具の調量装置の充填のための方法及び装置

本発明は、治療器具の調量装置の充填のための方法であり、この治療器具は、体外回路を備え、この体外回路には、治療器具の作動中に調量装置を用いて媒質を体外回路に注入可能なように、調量装置が接続され、調量装置内に在る濃縮物を希釈する工程を含み、調量装置内に在る濃縮物の希釈を、調量装置が体外回路に接続された状態で体外回路から希釈剤を受け取ることによって行う方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療器具の調量装置の充填のための方法であり、この治療器具は、体外回路を備え、この体外回路には、治療器具の作動中に調量装置を用いて媒質を体外回路に注入可能なように、調量装置が接続され、患者治療の開始前に調量装置内に在る濃縮物を希釈剤で希釈する工程を含む方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
体外血液治療プロセスでは、例えば抗凝血剤、特にヘパリンを使用して、治療中の血液凝固を防止する。
【0003】
一般的に、抗凝血剤は、抗凝血剤を治療器具の体外血液回路へ直接搬送するシリンジポンプを介して送り込まれる。
【0004】
従来技術によれば、シリンジポンプへ挿入されるヘパリンシリンジは、一般的には例えば30mlの体積を有し、このヘパリンシリンジに、まず、透析スタッフが少量の濃縮ヘパリンを手動で充填し、次に、生理的塩類溶液を手動で調量することにより、濃縮ヘパリンを所望の濃度に希釈する。
【0005】
したがって、一般的には、ヘパリンポンプは、医師の指示及び患者個人個人に応じて別々に治療スタッフによって充填され、その後、充填されたシリンジが血液ホースシステムに接続される。
【0006】
治療スタッフは、特定の投与量をシリンジポンプの特定の搬送率で処方に応じて投与できるように、希釈されたヘパリンの量及び濃度をヘパリンシリンジにおいて製造する必要がある。スタッフは、様々な考慮すべきパラメータを手動で換算又は計算する必要があり、通常、この手順は、医者により指示された処方に応じて治療開始前に各患者に対して個別に、且つ、別々に行われる。
【0007】
希釈されたヘパリンの充填されたシリンジを用意するためには、使い捨て手袋、濃縮ヘパリンを移し入れるための針の付いた使い捨てシリンジ、並びに、1瓶の生理的塩類溶液及び殺菌剤などの消耗品が各患者のために必要である。この手順は、各患者のためにそれぞれ数分かかり、時間がかかるだけではなく、上述のようにミスも起こり易い。
【0008】
従来技術により、濃縮抗凝血剤すなわちヘパリンと生理的塩類溶液との混合物が予め充填されたヘパリンシリンジを、透析機械のシリンジポンプに挿入し、血液治療時に特定の投与量指示に従って、ヘパリンを体外血液回路へ、すなわち、患者の血液へ注入することが知られている。例えば、特許文献1及び特許文献2が参照される。
【特許文献1】米国特許第5,015,226号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0234382号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、冒頭部分で述べたような方法を、調量装置の準備が従来技術で知られている処理よりも簡単になるように改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1の特徴を有する方法によって達成される。これによれば、調量装置内に在る濃縮物の希釈を、調量装置が体外回路に接続された状態で体外回路から希釈剤を受け取ることによって行う。従来技術では、例えばヘパリンシリンジを、体外血液回路に対して引き上げる、すなわち、ヘパリンシリンジに、体外血液回路から希釈剤、例えば生理的塩類溶液を充填することは知られていない。従来技術では、体外血液回路に対するシリンジの引き上げ動作は基本的に禁止されている、という先入観があった。
【0011】
本発明の方法は、とりわけ、調量装置の充填を比較的簡単に行え、これにより、スタッフは負担軽減され、それに応じて患者により集中することができるという利点を有している。このことは、スタッフの時間節約につながり、最終的には経費が節約される。
【0012】
さらに、従来技術で知られているような調量装置、例えばシリンジの比較的複雑な準備が省かれるので、安全性が確実に高まる。
【0013】
調量装置に、標準化された量、及び/又は、濃度の濃縮物を充填すると特に有利である。したがって、例えば、特定の標準化された量の濃縮ヘパリンが予め充填されたシリンジをシリンジポンプに挿入することが考えられる。治療の開始前に、体外血液回路から生理的塩類溶液を引き上げることにより、予め充填されたシリンジ内に在る濃縮物を所望の値に希釈する。この手順が自動的に、例えば透析器によって行われるならば、従来技術で知られているようなヘパリン希釈の手動による作業工程、及び、有利には、その場合に必要な治療スタッフによる換算も余分なものとなり、患者に対する安全性が高まり、スタッフの作業の量も本質的に低減される。
【0014】
本発明の更なる一観点では、調量装置は、シリンジの挿入されたシリンジポンプであり、希釈剤の受け取りをシリンジの引き上げによって行う。
【0015】
治療センターには相応に予め充填されたシリンジが供給されるように、濃縮物の上記標準化された量、及び/又は、濃度を工場側で設定しておくことが考えられる。同様に、一般的には、シリンジをバッチ単位で治療スタッフにより準備し、現場に蓄えておくことも考えられる。上述のように、相応のシリンジ製造者による標準的にヘパリン調合剤が予め充填されたシリンジの配給も考えられる。当然、本発明は、ヘパリンの使用に制限されない。患者の血液に送り込むことのできる濃縮物ならば本発明の範囲内で使用可能である。
【0016】
本発明の他の観点では、調量装置による希釈剤の受け取りを、体外回路の洗浄段階の間に、好ましくは体外回路の洗浄段階の終了直前に行う。
【0017】
本発明の他の観点では、体外回路の洗浄を、塩類溶液、又は、好ましくはオンラインで製造された透析液によって行い、したがって、希釈剤は、塩類溶液、又は、透析液である。
【0018】
上述のように、濃縮物は、抗凝血剤であることが好ましく、ヘパリンであることが特に好ましい。
【0019】
本発明の他の観点では、体外回路に接続されており、調量装置による希釈剤の受け取りの間に圧力を監視する圧力センサが備えられ、調量装置により受け取られた液体の体積と測定された圧力とが不一致である場合、使用者に情報を与える。この情報は、例えば、警報として、すなわち、聴覚的又は視覚的な表示として発生してもよい。したがって、圧力センサは、体外血液回路とシリンジ又はシリンジから体外血液回路へ延びるホースとの間の接続場所における漏洩を圧力監視により認識するために使用される。
【0020】
本発明の他の一観点では、入力手段が備えられ、この入力手段を用いて、調量しようとする媒質の患者個人個人についての濃度を入力可能であり、制御ユニットが備えられ、この制御ユニットは、入力手段により得られたデータに基づいて、希釈剤の必要な体積を自動的に決定し、調量装置が決定された体積の希釈剤を受け取るように、調量装置を駆動する。例えば、患者個人個人の処方は、カルテ又はその他の記憶手段から治療器具により読み取り可能であり、又は、治療器具へ転送され、これらの情報に基づいて、希釈剤の必要な体積を自動的に計算し、次に、調量装置を用いて受け取ることが考えられる。
【0021】
さらに、調量装置に、複数の標準化された量、及び/又は、濃度のうちの1つの量、及び/又は、濃度の濃縮物を充填し、治療器具は、入力手段を備え、この入力手段に、それが標準化された濃縮物のどれであるかを入力可能なことも考えられる。治療器具には、例えば工場側又は治療センター側で決定されたヘパリン濃度を知らせるだけでよい。濃度の新たな入力は、予め充填されたシリンジの充填物の交換の際にのみ必要であるが、各治療の際には必要ない。
【0022】
透析機械が配給者側で予め充填されたヘパリンシリンジの特性を既知の光学的、機械的、又は、電子的な手段によって自動的に認識できるように、ヘパリンシリンジに認識特徴を備えることも可能である。
【0023】
治療器具は、透析器であることが好ましい。
【0024】
さらに、本発明は、体外回路、例えば血液ホースセット、及び/又は、カセットシステムの受け取りに適した装置、すなわち治療器具、好ましくは透析機械に関する。治療器具は、希釈剤を有する濃縮物のための調量装置を備えている。本発明によれば、治療器具は、制御ユニットと、入力手段とを備え、又は、これらと接続されており、制御ユニットは、入力手段により得られたデータに基づいて、希釈剤の必要な体積を自動的に決定し、調量装置が決定された体積の希釈剤を体外血液回路から受け取るように、調量装置を駆動する。
【0025】
治療器具の更なる有利な形態は従属請求項13から23の主題である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
発明の更なる利点及び詳細を、図に示す実施形態を参照してより詳しく説明する。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によれば、図1に示す、工場側で決定されたヘパリン濃度で予め充填されているヘパリンシリンジ10を、治療プロセス/透析プロセスの実施のために、血液ホースシステム20の装備中に、ホースシステムに接続し、備えられている搬送ユニット、すなわちシリンジポンプ30に挿入する。生理的液体、好ましくは生理的塩類溶液による血液ホースシステム20の洗浄段階の間に、洗浄の終了の直前に、ヘパリンポンプ30に、シリンジ10における定義されたヘパリン濃度になるまで生理的液体を充填する。このため、工場側で決定されたシリンジ内におけるヘパリン濃度を、この実施形態では透析器として構成された治療器具に知らせる。その結果、治療器具は、患者個人個人に指示された処方箋を参照して、希釈剤の必要な体積を計算し、シリンジ10が、計算された体積の生理的液体を体外血液回路20から接続配管40を介して受け取るように、シリンジ10の相応の起動を自動的に行う。その結果、処方された濃度の希釈ヘパリン溶液が、シリンジ10内に存在するようになる。
【0028】
さらに、治療器具は、患者に対して個別に指示された処方箋を参照して、ヘパリンポンプの搬送率を自動的に計算し、定義されたプロファイルに従って、治療しようとする血液に、治療中にそれを加えることが可能である。
【0029】
本発明の方法を実施するための可能なプロセスフローを以下で説明する。
【0030】
ヘパリン投与量は、一般的に、「ユニット」の単位で表される。透析治療におけるヘパリンの典型的な投与量は、毎時約500から1,000ユニットである。1回の初回量は、1,000から3,000ユニットである。ヘパリンは、5mlのガラス瓶に25,000ユニットを入れて提供される。したがって、工場側で予め充填された30mlサイズのヘパリンシリンジは、10,000ユニットの選択された投与量で予め充填されていてもよい。これは、10,000/25,000*5ml=2mlの体積に相当する。これらのヘパリンシリンジは、工場側で又は比較的多数が透析センターにおいて予め充填され得る。
【0031】
予め2mlのヘパリンが充填された30mlのヘパリンシリンジ10を、準備の間に体外血液ホースシステム20に接続し、洗浄手順の終了前に新鮮な生理的洗浄溶液、例えば透析液により自動的に充填する。例えば、20,000ユニット/20ml=1,000ユニット/mlのヘパリン濃度となるように、ヘパリンシリンジに18mlの洗浄溶液を充填してもよい。30mlのシリンジの機械側の充填は、25mlの体積を上回らないほうがよい。処方箋が、2,500ユニットの初回量を治療の開始時に要求し、継続的に500ユニット/時の投与量を要求しているならば、ヘパリンポンプ30は、治療開始直後に2.5mlの薬物適用量一回分を血液に加える。ヘパリンシリンジの搬送率は、所望の停止時間まで継続的に0.5ml/hである。
【0032】
図1から分かるように、体外血液ホースシステムには、圧力センサ50が接続されている。この圧力センサ50は、動脈血液ホース配管にいずれにせよ存在する圧力センサであってもよい。本発明の方法の範囲内において、センサ50は、シリンジ10の充填を監視する機能を果たす。血液ホースシステム20から希釈剤を受け取るためにシリンジ10を引き上げる間に、圧力をセンサ50によって監視する。シリンジ10の圧力降下と充填との間に不一致が確定されたら、この不一致を使用者に適宜知らせることができる。このようにして、密閉性を試験することができ、接続ホース40と体外血液ホースシステム20との間の接続場所60の漏洩は、圧力監視により認識される。充填物を、洗浄手順に従って、塩類袋又はオンラインで用意された透析液から取り出すことができる。
【0033】
ヘパリンシリンジは、血液ホースシステム20の代わりに、図1には示していないカセットシステムに接続されていてもよい。
【0034】
体外回路という用語は、本発明の範囲においては、例えば、血液ホースシステム、カセットシステムなど、又は、体外回路の任意のその他の構成要素及び構成部材を含む。
【0035】
図2は、シリンジ10内における体積の経時変化(上側に表示)と、シリンジ10内におけるヘパリン溶液のヘパリン濃度の経時変化(下側に表示)とを示す。
【0036】
時間ゾーンは、それぞれ、装備段階1、シリンジの充填2、患者の接続3、ヘパリン薬物適用量一回分投与4、及び、治療中の継続的なヘパリン投与5を表している。
【0037】
医者の処方箋に従って、「ユニット」単位のヘパリンの初回量、「ユニット/時」単位の継続的な投与量、プロファイル、及び、停止時間を、治療器具に入力又は患者カルテ毎に伝達する。工場側で充填されたヘパリンシリンジにおける濃度の入力は、予め充填されたシリンジの充填物を交換する場合にのみ必要であるが、各治療前には必要ない。
【0038】
簡単な関係式によれば、ヘパリンシリンジの装置側での充填に基づいてヘパリンの濃度を決定し、医者の指示に従って初期体積及び搬送率を決定する。
【0039】
例えば以下の計算工程が装置によって実施される。
25mlで充填されたシリンジの濃度:
CHep=10,000ユニット/25ml=400(ユニット/ml)
初回量が2,000ユニットの場合の初期体積:
VinitHep=2,000ユニット/CHep=5ml
投与量が500ユニット/時の場合の継続的な搬送率:
QHep=(500ユニット/h)・(1/CHep)=1.25(ml/h)
【0040】
ここに例示した実施形態によれば、患者専用に処方されたヘパリンの投与量を「ユニット」の単位から「ml/時」の搬送率への換算が省かれる、という利点が得られる。必要な計算工程を、装置側で実施することができる。これにより、計算エラーが確実に回避される。したがって、ヘパリンポンプの搬送率は、スタッフには無関係であり、処方された「ユニット」の単位の投与量にだけ注意を集中すればよい。
【0041】
上で説明したように、工場側で、又は、透析センターにおいて予め充填されたヘパリンシリンジを使用することで、個別化した且つ患者に合わせた量でヘパリンが充填されるという利点が生じ、付加的な消耗品の使用が省略される。準備段階の間に体外血液回路から調量装置すなわちシリンジを充填することにより、プロセスフローは、従来技術で知られている解決策よりも大幅に簡単化される。更なる利点は、接続場所と吸込管路とを密閉性及び通過性について装置側で同時に試験することができるということから生じ、このために、上記圧力センサを使用することができる。ヘパリンシリンジの標準化された準備により、消耗品が節約され、それによりコストの利点が生じる。本発明の方法は、自動的に実施されることが好ましい。つまり、使用者の介入は不要であることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、体外血液回路に接続されたシリンジポンプの概略図である。
【図2】図2は、ヘパリンシリンジ内に在るヘパリン溶液の体積及び濃度の経時変化を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療器具の調量装置の充填のための方法であり、前記治療器具は、体外回路(20)を備え、前記体外回路(20)には、前記治療器具の作動中に前記調量装置を用いて媒質を前記体外回路(20)に注入可能なように、前記調量装置が接続され、前記調量装置内に在る濃縮物を希釈剤で希釈する工程を含む方法であって、
前記調量装置内に在る濃縮物の希釈を、前記調量装置が前記体外回路(20)に接続された状態で前記体外回路(20)から前記希釈剤を受け取ることによって行うことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記調量装置に、標準化された量、及び/又は、濃度の濃縮物を充填することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、
前記調量装置は、シリンジ(10)の挿入されたシリンジポンプ(30)であり、
前記希釈剤の受け取りを、前記シリンジ(10)の引き上げにより行うことを特徴とする方法。
【請求項4】
前記請求項のいずれか1つに記載の方法において、
前記調量装置による前記希釈剤の受け取りを、前記体外回路(20)の洗浄段階の間に、好ましくは前記体外回路(20)の前記洗浄段階の終了直前に行うことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
前記体外回路(20)の前記洗浄を、塩類溶液、又は、好ましくはオンラインで製造された透析液によって行い、
したがって、前記希釈剤は、塩類溶液、又は、透析液であることを特徴とする方法。
【請求項6】
前記請求項のいずれか1つに記載の方法において、
前記濃縮物は、抗凝血剤であることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記抗凝血剤は、ヘパリンであることを特徴とする方法。
【請求項8】
前記請求項のいずれか1つに記載の方法において、
前記体外回路(20)に接続された圧力センサ(50)を備え、
前記調量装置による前記希釈剤の受け取りの間に、前記圧力センサ(50)を用いて測定された圧力を監視し、
前記調量装置により受け取られた液体の体積と前記測定された圧力とが不一致である場合、使用者に情報を与えることを特徴とする方法。
【請求項9】
前記請求項のいずれか1つに記載の方法において、
入力手段を備え、該入力手段を用いて、調量しようとする媒質の患者個人個人についての濃度を入力可能であり、
制御ユニットを備え、該制御ユニットは、前記入力手段により得られたデータに基づいて、前記希釈剤の必要な体積を自動的に決定し、前記調量装置が前記決定された体積の希釈剤を受け取るように、前記調量装置を駆動することを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、
前記入力手段は、読取装置を備え、該読取装置を用いて、患者個人個人の処方を、カルテ又はその他の記憶手段から読み取り可能であることを特徴とする方法。
【請求項11】
前記請求項のいずれか1つに記載の方法において、
前記調量装置に、複数の標準化された量、及び/又は、濃度のうちの1つの量、及び/又は、濃度の濃縮物を充填し、
前記治療器具は、入力手段を備え、該入力手段に、それが前記標準化された濃縮物のうちのどれであるのかを入力可能であることを特徴とする方法。
【請求項12】
希釈剤を有する濃縮物のための調量装置を備え、体外回路(20)の受け取りに適した治療器具、好ましくは透析機械であって、
前記治療器具は、制御ユニットと、入力手段とを備え、
前記制御ユニットは、前記入力手段により得られたデータに基づいて、前記希釈剤の必要な体積を自動的に決定し、前記調量装置が前記決定された体積の希釈剤を前記体外回路(20)から受け取るように、前記調量装置を駆動するように構成されていることを特徴とする治療器具。
【請求項13】
請求項12に記載の治療器具において、
前記調量装置に、標準化された量及び濃度の濃縮物が充填されていることを特徴とする治療器具。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の治療器具において、
前記調量装置は、シリンジ(10)の挿入されたシリンジポンプ(30)であり、
前記調量装置は、前記体外回路(20)からの前記希釈剤の受け取りが前記シリンジ(10)の引き上げによって行われるように配置されていることを特徴とする治療器具。
【請求項15】
請求項12から14のいずれか1つに記載の治療器具において、
前記制御ユニットは、前記調量装置による前記希釈剤の受け取りが前記体外回路(20)の洗浄段階の間に、好ましくは前記体外回路(20)の前記洗浄段階の終了直前に行われるように構成されていることを特徴とする治療器具。
【請求項16】
請求項15に記載の治療器具において、
前記体外回路(20)を洗浄するための洗浄剤として、塩類溶液、又は、好ましくはオンラインで生産された透析液を備え、
したがって、前記希釈剤は、塩類溶液、又は、透析液であることを特徴とする治療器具。
【請求項17】
請求項12から16のいずれか1つに記載の治療器具において、
前記濃縮物は、抗凝血剤であることを特徴とする治療器具。
【請求項18】
請求項17に記載の治療器具において、
前記抗凝血剤は、ヘパリンであることを特徴とする治療器具。
【請求項19】
請求項12から18のいずれか1つに記載の治療器具において、
前記体外回路(20)に接続された圧力センサ(50)と、
前記調量装置による希釈剤の受け取りの間に、前記圧力センサ(50)を用いて測定された圧力を監視する監視手段と、
前記調量装置により受け取られた液体の体積と前記測定された圧力とが不一致である場合、使用者に情報を与える情報手段とを備えることを特徴とする治療器具。
【請求項20】
請求項12から19のいずれか1つに記載の治療器具において、
入力手段を備え、前記入力手段を用いて、調量しようとする媒質の患者個人個人についての濃度を入力可能であることを特徴とする治療器具。
【請求項21】
請求項12から20のいずれか1つに記載の治療器具において、
前記入力手段は、読取装置を備え、該読取装置を用いて、患者個人個人の処方を、カルテ又はその他の記憶手段から読み取り可能であることを特徴とする治療器具。
【請求項22】
請求項12から21のいずれか1つに記載の治療器具において、
前記調量装置に、複数の標準化された量、及び/又は、濃度のうちの1つの量、及び/又は、濃度の濃縮物が充填されており、
前記治療器具は、入力手段を備え、該入力手段に、それが標準化された濃縮物のうちのどれであるのかを入力可能であることを特徴とする治療器具。
【請求項23】
請求項12から22のいずれか1つに記載の治療器具において、
前記体外回路(20)は、血液ホースセット及び/若しくはカセットシステムを備え、又は、これら構成部材の1つ若しくは両方からなることを特徴とする治療器具。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−501221(P2010−501221A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524964(P2009−524964)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007428
【国際公開番号】WO2008/022792
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(599117152)フレゼニウス メディカル ケアー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (50)
【氏名又は名称原語表記】Fresenius Medical Care Deutschland GmbH
【Fターム(参考)】