説明

治療実施システム

種々の実施形態は、電極を有するリードに接続するためのポートと、ポートに接続され、かつ第1の電気治療タイプの一部として電極に電気パルスを送るように構成された刺激回路と、刺激回路に接続されたコントローラとからなる。操作中に、コントローラは、第1の電気治療タイプのプログラムされた電気治療の複数のパラメータを使用して、電気パルスの送付を制御し、第2の電気治療タイプの治療が適用される時を決定し、第2の電気治療タイプの治療が、第1の電気治療タイプ用の少なくとも1つのプログラムされた電気治療に影響を与えるように存在する時に、第1組のパラメータを使用して、第1の電気治療タイプ用の電気治療を行い、かつ第2の電気治療タイプの治療が存在しない時に、第2組のパラメータを使用して電気行う。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本明細書により、2005年5月10日に出願された米国特許出願第11/125503号に対して優先権の利益が請求され、その出願は本明細書に参考として組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本出願は、一般的に医療システムに、特には治療の実施を制御するためのシステム、装置、方法に関係する。
【背景技術】
【0003】
同じ状態を処置するために、又は異なる状態を処置するために、様々なタイプの治療が同時に、又はほぼ同時に実施できる。例えば、神経刺激(NS)治療と心律動管理(CRM)治療の両方を実施することが可能である。
【0004】
あるNS治療は、心収縮性と興奮性を変えることができる。副交感神経の直接電気刺激は、圧反射を活性化させ、交感神経活動の減少を誘発し、かつ血管抵抗を低下させることによって血圧を減少させる。副交感神経の活性化と同様に、交感神経の抑制は、急性虚血性心筋の側副灌流を増加させ、かつ心筋障害を低下させることによって、心筋梗塞に続く不整脈脆弱性の減少に関係する。神経刺激による交感及び副交感神経系のモジュレーションは、心筋梗塞に続く致命的不整脈になりやすい素因や、更なるリモデリングから心筋を保護するような、肯定的な臨床利益を有することが分かっている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
種々の実施態様において、システムは、少なくとも1つの電極を有する少なくとも1つのリードに接続するための少なくとも1つのポートと、少なくとも1つのポートに接続され、かつ第1の電気治療タイプの一部として電極の少なくとも1つに電気パルスを送るように構成された刺激回路と、刺激回路に接続されたコントローラとからなる。コントローラは、第1の電気治療タイプの少なくとも1つのプログラムされた電気治療の複数のパラメータを使用して、電気パルスの送付を制御するように構成される。コントローラは、第2の電気治療タイプの治療が適用される時を決定し、第2の電気治療タイプの治療が、第1の電気治療タイプ用の少なくとも1つのプログラムされた電気治療に影響を与えるように存在する時に、第1組のパラメータを使用して、第1の電気治療タイプ用の電気治療を行い、かつ第2の電気治療タイプの治療が存在しない時に、第2組のパラメータを使用して電気治療を行うように構成される。
【0006】
種々のシステム実施態様は、第1の治療タイプの治療を実施する手段と、第2の治療タイプの治療が、第1の治療タイプの治療に影響を与えるように存在するか否かを識別する手段と、第2の治療タイプの治療の存在に基づき、かつ複数のパラメータに基づき治療の実施を制御する手段とからなる。実施を制御する手段は、治療タイプ用の少なくとも1つのプログラムされた治療において第1組と第2組に組織される複数のパラメータに基づき治療の実施を制御する手段と、第2の治療タイプの治療が存在する時に、第1組のパラメータを使用して第1治療タイプの治療を実施する手段と、第2の治療タイプの治療が存在しない時に、第2組のパラメータを使用して第1治療タイプの治療を実施する手段とを含む。
【0007】
種々のシステム実施態様は、第1の治療タイプの治療を実施する手段と、第2の治療タイプの治療の強度を決定する手段と、第2の治療タイプの治療の強度に基づき選択されるパラメータの組を使用して、第1の治療タイプの治療を実施する手段を含む、第2の治療タイプの治療の強度に基づき第1の治療タイプの治療の実施を制御する手段とからなる。
【0008】
種々の実施態様において、第1の治療タイプは、心律動管理治療を含み、かつ第2の治療タイプは、神経刺激治療を含む。種々の実施態様において、第1の治療タイプは、神経刺激治療を含み、かつ第2の治療タイプは、心律動管理治療を含む。
【0009】
この要約は、本出願の教示内容の幾つかの概要であり、本要旨の排他的又は網羅的な処置であることを意図しない。本要旨に関する更なる詳細は、詳細な説明と添付の特許請求の範囲に見られる。他の形態は、各々が限定的な意味で解釈されるべきでない、以下の詳細な説明を読み、かつ理解し、その一部を成す図面を見れば、当業者にとって明白であろう。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本要旨の以下の詳細な説明は、本要旨が実施され得る特定の形態と実施態様を例証として示す添付図面を参照する。これらの実施態様は、当業者が本要旨を実施することを可能にするために、十分に詳細に記載される。他の実施態様が、利用でき、かつ構造的、論理的、電気的変更が、本要旨の範囲から逸脱することなく、なされ得る。本開示における「ある」、「1つの」又は「種々の」実施形態への参照は、必ずしも同じ実施形態に向けられず、かつかかる参照は、1つ以上の実施形態を意図している。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきでなく、かつ範囲は、添付の特許請求の範囲と、かかる特許請求の範囲が権利を与えられる法的均等物の全範囲によってのみ定義される。
【0011】
本要旨は、第1の治療タイプの治療を実施し、第2の治療タイプの治療が、第1の治療タイプの治療に影響を与えるように存在するか否かを識別し、かつ第2の治療タイプの治療の存在に基づき、かつ治療タイプ用の少なくとも1つのプログラムされた治療において第1組と第2組に組織される複数のパラメータに基づき治療の実施を制御する装置に関する。本要旨の幾つかの実施形態は、ペーシング治療や種々のペーシングモードのような心律動管理(CRM)タイプの治療、除細動治療、心再同期治療(CRT)、その組み合わせを行う装置に関係する。CRMタイプの治療は、神経刺激(NS)治療の存在下で行われる。CRM治療とNS治療は、同じ装置、又はリードに基づく、又はリードのない手段を介して通信する独立した埋め込み型装置に含まれても良い。
【0012】
種々の実施形態において、CRM装置は、警報を検出し、受信するか、別の方法で神経刺激の存在を識別し、かつ神経刺激の存在の原因となる、第1組から第2組のペーシング及び/又は除細動パラメータに切り替える。ある神経刺激は、心伝導、収縮性、興奮性をとりわけ変えられることが知られている。第2組のパラメータの使用は、神経刺激によって誘発されるかかる変化の原因となる。
【0013】
種々の実施形態において、神経刺激装置は、警報を検出し、受信するか、別の方法でCRM装置の存在を識別し、かつ第1組から第2組の神経刺激パラメータに切り替える。CRM治療は、電気エネルギーによって心組織を捕獲する。電気エネルギー自体は、問題を起こすことがある。第1組のパラメータから第2組のパラメータへの切り替えの例には、異なる神経標的を刺激すること、又はCRM治療を補うために、振幅、周波数、バーストタイミング、モルフォロジのような神経刺激信号パラメータを変えることを含む。他の例は、心臓の収縮性を選択的に制御するSVC−AO心脂肪パッド、洞調律を選択的に制御する洞房(SA)結節と関連するPV心脂肪パッド、及び/又は房室(AV)伝導を選択的に制御する房室(AV)結節と関連するIVC−LA心脂肪パッドを刺激することによるような、CRM治療と協働するための神経刺激行う。ヒトにおいて、SVC−AO心脂肪パッドは、上大静脈と大動脈の間の接合点に近接して位置し、PV心脂肪パッドは、右心房と右肺静脈の間の接合点に近接して位置し、かつIVC−LA心脂肪パッドは、下大静脈と左心房の間の接合点に近接して位置する。脂肪パッド神経節は、遠心経路の一部を成すので、心脂肪パッドの刺激は、心組織に直接影響を与える。例えば、副交感遠心神経を刺激することは、心拍数と伝導に選択的に影響を与えることができる。副交感経路の刺激は、交感性流出の節後抑制も有する。心脂肪パッドは、電極が、標的脂肪パッド内又はその近くに置かれた心外膜リード、血管内から標的脂肪パッドを経血管刺激する血管内供給リード、標的脂肪パッドへ血管壁を貫通する血管内供給リードによって刺激できる。例えば、迷走神経幹や迷走神経心臓枝のような神経経路は、神経カフを使用して、血管内から神経標的を経血管刺激する血管内供給リードや、神経標的に近接した位置に血管壁を貫通する血管内供給リードを使用して刺激できる。血管壁内の圧受容器は、血管内供給リードと、標的圧受容器に近接して位置決めされたステント状電極を使用して刺激できる。
【0014】
種々の実施形態によれば、CRM装置は、神経刺激の存在を識別する(例えば、神経刺激を検出するか、神経刺激装置によって警告される)。神経刺激が識別されると、装置は、その通常モードから「神経刺激モード」に切り替わる。このモードにおいて、装置は、神経刺激の存在に適応するために、V−V間隔、A−V間隔、抗頻脈ペーシング(ATP)速度、除細動しきい値等のようなパラメータの別の設定を使用する。第2組のパラメータは、幾つかの実施形態において独立してプログラム可能である。幾つかの実施形態は、第2組のパラメータをベースラインパラメータに自動的に関係付ける。
【0015】
神経刺激は、心伝導と興奮性を変えられるので。それ故に、神経刺激中の適切なCRM設定は、神経刺激不存在下での適切な設定と相違することがある。本要旨は、CRMと神経刺激装置が、適切な治療を連続的に行うことを可能にする。
【0016】
種々の実施形態は、CRMとNS行う能力を有し、かつ変更された心臓の状態の原因となる神経刺激中のぺーシングパラメータと除細動パラメータを自動的に調節する能力を有する、1つの装置又は1つ以上の装置内で、システムを提供する。神経刺激中に、幾つかの実施形態は、別の組のCRMパラメータに切り替わり、神経刺激によって引き起こされた心臓の変化を補償する。それ故に、システムは、2組のぺーシングパラメータと除細動パラメータを有する。組の中のパラメータは、相互に又は部分的に互いを除くことができる。一方の組のパラメータは、他方の組における下位の組のパラメータであっても良い。組は、同じパラメータを含むことができるが、1つ以上のパラメータに関して異なる値である。第2の組は、独立してプログラム可能であるか、又はベースラインパラメータに自動的に関係付けられる。
【0017】
図1は、本要旨の種々の実施形態による、埋め込み型医療装置(IMD)101と、プログラマ102とを含むシステム100を示す。IMD101の種々の実施形態は、神経刺激機能のみを含み、種々の実施形態は、CRM機能のみを含み、かつ種々の実施形態は、NS機能とCRM機能の組み合わせを含む。IMDは、薬物治療のような他の治療を実施するように設計できる。IMD及びプログラマは、データと命令を無線で通信することが可能である。種々の実施形態において、例えばプログラマとIMDは、データと命令を無線で通信するために、遠隔測定コイルを使用する。それ故に、プログラマは、IMDによって提供されたプログラムされた治療を調節するために使用でき、かつIMDは、例えば無線遠隔測定を使用して、(電池及びリード抵抗のような)装置データと(感知データや刺激データのような)治療データをプログラマに報告できる。
【0018】
図1は、埋め込み型医療装置(IMD)を示す。本要旨の形態は、外部装置を使用して実施できる。図1は、IMDがプログラマと通信することも示す。IMDは、個人情報端末、又は記録データに基づき組織化し、計算を行うことができ、かつ後でデータをプログラマに提供できる高度患者管理(APM)システム内で使用されるような他の電子装置と直接無線で通信もできる。
【0019】
図2は、図1のシステムにおけるIMDで使用できるような、CRM装置203の実施形態を示す。示した装置203はメモリ205に接続されたコントローラ204を含む。図は、装置に接続された電極206A、206Bを更に示す。図によれば、電極206A、206Bは、電極で電気信号を感知する感知モジュール207A、207Bと、電極への刺激信号を発生させるパルス発生器208A、208Bとに接続される。コントローラ204は、インタフェース209A、209Bを介して感知モジュール207A、207Bと、パルス発生モジュール208A、208Bとに接続される。
【0020】
メモリは、データと命令を含む。コントローラは、プログラムされたCRM治療を含む、装置内での種々の機能を実行するための命令にアクセスし、かつ操作するように構成される。メモリ205は、治療の実施を制御するために使用される複数のパラメータを含む。複数のパラメータは、少なくとも2つの組に組織される。プログラムされた治療は、少なくとも2組のパラメータのいずれかを使用して実行できる。種々の実施形態において、コントローラは、実施されるCRM治療タイプの除脈ペーシング又は除細動のような治療を実施する命令で作動する。コントローラは、神経刺激治療のような第2の治療タイプの治療がCRM治療に影響を与えるように存在するか否かを識別する。CRM治療の実施は、神経刺激治療タイプの存在に基づき制御される。幾つかの実施形態は、神経刺激治療の存在下で1組のパラメータを使用してCRM治療を実施し、かつ神経刺激治療が存在しない時に他の組のパラメータを使用してCRM治療を実施する。
【0021】
トランシーバ210は、コントローラ204に接続される。CRM装置は、例えばトランシーバ210を使用して、プログラマと無線通信することが可能である。例えば、種々の実施形態は、データと命令を無線通信する遠隔測定コイルを使用する。他の実施形態において、データ及び/又はエネルギーの通信は、超音波手段による。
【0022】
図3は、本要旨の種々の実施形態による、図1のシステムに示すプログラマ102、又は埋め込み型医療装置と通信する他の外部装置のようなプログラマ311を示す。他の外部装置の例には、個人情報端末(PDA)、又は高度患者管理(APM)システムにおける個人ラップトップ又はデスクトップコンピュータを含む。示した装置は、コントローラ回路312と、メモリ313とを含む。コントローラ回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせを使用して埋め込むことができる。例えば、種々の実施形態によれば、コントローラ回路は、メモリに埋め込まれた命令を実行し、埋め込み型装置への通信データ及び/又はプログラミング命令を含む多数の機能を実行するためにプロセッサを含む。示した装置311は、トランシーバ314と、埋め込み型装置と通信するために使用する関連した回路とを更に含む。種々の実施形態は、無線通信能力を有する。例えば、トランシーバや関連した回路の種々の実施形態には、埋め込み型装置と無線通信するために使用する遠隔測定コイルを含む。示した装置311は、ディスプレイ315と、キーボード又はマウス/ポインタのような入力/出力(I/O)装置316と、通信網を介するような、他の装置と通信するために使用する通信インタフェース317とを更に含む。
【0023】
プログラマは、行うためにIMDによって使用されるパラメータの組の一方での少なくとも幾つかのパラメータをプログラムできる。幾つかの実施形態において、IMDは、プログラムされた第1組のパラメータに応じて第2組のパラメータを自動的に決定する。種々の実施形態において、第1と第2組のパラメータ両方におけるパラメータの少なくとも幾つかが、プログラム可能である。
【0024】
図4は、多部位刺激と感知のために構成が決められた埋め込み型医療装置の実施形態の系統図を示す。この系統図は、多数のCRMタイプの治療を実行することが可能なIMDのもう一つの例を提供する。この図の考察で使用されるようなペーシングは、電気刺激に関係する。種々の実施形態において、所与のチャネルの刺激は、心筋を捕獲する刺激、神経刺激、又はペーシングと神経刺激の両方を含む。感知チャネルとぺーシングチャネルの3つの例が、「A」から「C」と指定される。示したチャネルは、リング電極418A−C及びチップ電極419A−Cを有する双極リードと、感知増幅器420A−Cと、パルス発生器421A−Cと、チャネルインタフェース422A−Cとからなる。これらのチャネルの各々は、このようにしてパルス発生器電極の間に伸長する刺激チャネルと、感知増幅器と電極の間に伸長する感知チャネルとを含む。チャネルインタフェース422A−Cは、マイクロプロセッサ423と双方向で通信し、かつ各インタフェースは、ペーシングパルスを出力し、ペーシングパルスの振幅を変え、かつ感知増幅器の利得及びしきい値を調節するために、マイクロプロセッサによって書き込めるレジスタと、感知増幅器からの感知信号入力をディジタル化するアナログ−ディジタル変換器とを含む。感知回路は、特定のチャネルによって発生した電位図信号(すなわち心臓電気活性を表す電極によって感知された電圧)が、規定の検出しきい値を超える時、腔感知を検出し、心房感知か心室感知を検出する。特定の刺激モードで使用される多数の調節可能なパラメータを含むアルゴリズムは、刺激を始動させるか、抑制するためにかかる感知を用い、かつ固有の心房拍数及び/又は心室拍数は、それぞれ心房感知及び心室感知の間の時間間隔を測定することによって検出できる。AV状態は、心房と心室の固有事象の間の時間間隔を測定することによって測定できる。
【0025】
スイッチングネットワーク424は、固有の心臓活性を検出するために感知増幅器の入力に、かつ刺激を与えるためにパルス発生器の出力に電極を切り替えるために使用される。スイッチングネットワークは、装置が、リードのリング電極とチップ電極の両方を使用する双極モードか、リードの電極の一方のみを使用する単極モードで感知又は刺激することも可能にし、装置ハウジング又は缶425が、接地電極の役目を果たすか、他のリード上の他の電極が、接地電極の役目を果たす。衝撃パルス発生器426は、衝撃を与えられる頻拍性型不整脈を検出すると、心房又は心室に一対の衝撃電極427を介して除細動衝撃を与えるコントローラにもインタフェースで接続される。チャネルインタフェース428と感知増幅器429は、神経刺激治療のような第2の治療タイプを検出するために使用するセンサ430から、感知された信号を受信するために、マイクロプロセッサとスイッチとの間に接続されている。
【0026】
コントローラ又はマイクロプロセッサは、チャネルを介して刺激を与えるのを制御すること、感知チャネルから受信した感知信号を解釈すること、逸脱間隔と感覚不応期を決めるためにタイマを設けることを含む、プログラムされた命令と、メモリ431内に記憶された多数の調節可能なパラメータとに従って装置の全体的な操作を制御する。コントローラは、感知された事象及び時間間隔の終了に応答してパルスがどのように出力されるかを決める、多数のプログラムされた刺激モードで装置を操作することが可能である。除脈を処置する大部分のペースメーカは、決められた間隔内で起こる感知された心臓事象がペーシングパルスを始動させるか、抑制する、いわゆるデマンドモードで同期作動するようにプログラムされる。抑制された刺激モードは、腔による固有拍動が検出されない決められた逸脱間隔の終了後にのみ、刺激パルスが、心周期中に心腔に送られるように、感知された固有活性に従ってペーシングを制御するために、逸脱間隔を利用する。心室刺激の逸脱間隔は、心室又は心房事象によって再始動でき、後者は、ペーシングが固有心房拍動を追跡することを可能にする。コントローラが、外部プログラマ又は遠隔モニタと通信することを可能にする遠隔測定インタフェース432も設けられている。インタフェース428、感知増幅器429、センサ430よりもむしろ、又はこれらに加えて、幾つかの実施形態は、遠隔測定インタフェースを介して、又は他の通信手段を介して警報又は他の通信を受信することにより、他のタイプの治療の存在を識別する。
【0027】
図5は、本要旨の種々の実施形態による、神経刺激(NS)部品534と、心律動管理(CRM)部品535とを有する図1に101で示すような埋め込み型医療装置(IMD)533を示す。示した装置533は、コントローラ536と、メモリ537とを含む。種々の実施形態によれば、コントローラは、圧受容器刺激及びCRM機能を実行するために、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせを含む。例えば、本開示において論じられる、少なくとも2つのパラメータの組に組織される複数のパラメータを含む、プログラムされた治療応用は、メモリ内に実装され、かつプロセッサによって実施されるコンピュータ読み取り可能な命令として記憶されることが可能である。種々の実施形態によれば、コントローラは、圧受容器刺激とCRM機能を実行するために、メモリ内に埋め込まれた命令を実施するプロセッサを含む。示した装置533は、プログラマ又は他の外部若しくは内部装置と通信するために使用する、トランシーバ538と、関連した回路とを更に含む。種々の実施形態は遠隔測定コイルを含む。
【0028】
CRM治療セクション535は、コントローラの制御下で、1つ以上の電極を使用して心臓を刺激、及び/又は心臓信号を感知する部品を含む。CRM治療セクションは、心臓を刺激するために電極を介して電気信号を提供するために使用するパルス発生器539を含み、かつ感知された心臓信号を検出及び処理するために、感知回路540を更に含む。インタフェース541は、一般的にコントローラ536及びパルス発生器539及び感知回路540間の通信に使用するために示される。3つの電極は、CRM行うための使用の例として示される。しかしながら本要旨は、特定数の電極部位に限定されない。各電極は、その独自のパルス発生器と、感知回路とを含むことがある。しかしながら、本要旨は、そのように限定されない。パルス発生及び感知機能は、複数の電極により機能するために多重化できる。
【0029】
NS治療セクション534は、コントローラの制御下で、圧受容器を刺激、及び/又は神経活性に関連したANSパラメータ、又は血圧や呼吸のようなANSパラメータ代用物を感知するための部品を含む。3つのインタフェース542が、ANS治療の実施に使用するために示されている。しかしながら、本要旨は、特定数のインタフェース、又はいかなる特定の刺激若しくは感知機能にも限定されない。パルス発生器543は、圧受容器部位を刺激するために使用する電極に、電気パルスを提供するために使用される。種々の実施形態によれば、パルス発生器は、刺激パルスの振幅、刺激パルスの周波数、パルスのバースト周波数、だけでなく方形波、三角波、正弦波、及び白色雑音又は他の信号を模倣するための所望の調和成分を有する波のようなパルスのモルフォロジを設定し、かつ幾つかの実施形態では変更する回路を含む。感知回路544は、神経活性、血圧、呼吸等のセンサのような、センサからの信号を検出し処理するために使用される。インタフェース542は、一般的にコントローラ536とパルス発生器543や感知回路544との間の通信のための使用される。各インタフェースは、例えば別個のリードを制御するために使用できる。NS治療セクションの種々の実施形態は、圧受容器を刺激するパルス発生器のみを含む。
【0030】
種々の実施形態によれば、リード及びリード上の電極は、電極が、適切にパルスを伝達でき、かつ心臓からの信号を感知できるように心臓に対して、かつ神経標的を刺激し、かつ幾つかの実施形態において神経標的からの神経連絡を感知するための神経標的に対して物理的に配置される。神経標的の例は、所望の神経刺激行うために、圧受容器のような遠心経路と求心経路の両方、迷走神経のような神経幹と神経枝、心脂肪パッドを含む。多数のリードと、リード当り多数の電極があるかもしれないので、構成は、特定の1つ以上の電極を使用するためにプログラムできる。
【0031】
装置のリードは、心房ペーシング、右及び/または左心室ペーシング、及び/又は除細動のような、CRM行う1つ以上のリードを含む。装置は、適切な位置に置かれる少なくとも1つの神経刺激リードも含む。幾つかの実施形態は、同じリードを使用して神経刺激とCRM治療を実行する。神経刺激リードの例には:高濃度の圧受容器の近傍の肺動脈内に置かれた膨張性刺激リードと;心脂肪パッドを経血管刺激する心脂肪パッドに近接して置かれた血液内供給リードと;脂肪パッド内又はその近くに置かれた電極を有する心外膜リードと;大動脈、頸動脈、又は迷走神経の周りに置かれたカフ電極と、大動脈、頸動脈、又は迷走神経を経血管刺激するために置かれた血液内供給リードとを含む。他の神経標的を刺激する他のリードの設置を使うこともある。
【0032】
コントローラは、第1の電気治療タイプの少なくとも1つのプログラムされた電気治療の複数のパラメータを使用して、電気パルスの送付を制御する。コントローラは、警報信号を介して感知できるか、又は通信できる、第2の電気治療タイプの治療が適用される時を決定するように構成される。コントローラは、第2の電気治療タイプの治療が、第1の電気治療タイプ用の少なくとも1つのプログラムされた電気治療に影響を与えるように存在する時に、第1組のパラメータを使用して、第1の電気治療タイプ用の電気治療を行い、かつ第2の電気治療タイプの治療が存在しない時に、第2組のパラメータを使用して電気治療を行う。
【0033】
幾つかの実施形態において、第1の電気治療タイプは、CRMタイプの治療であり、かつ第2の電気治療は、神経刺激タイプの治療である。多数のCRMタイプの治療がある。例には、心室除細動、心房除細動、除脈と頻脈のペーシングのようなペーシング、心律動管理治療を含む。幾つかの実施形態において、第2の電気治療タイプは、神経刺激(NS)タイプの治療である。多数のNSタイプの治療がある。例には、抗高血圧治療、心筋梗塞用の治療を含み、さらに心伝導と収縮性を選択的に制御するための刺激を含む。他の実施形態において、第1の電気治療タイプは、NSタイプであり、かつ第2の電気治療タイプは、CRMタイプである。
【0034】
複数のパラメータが、所望の治療を実施するためにコントローラによって実行されるアルゴリズムによって使用される。多くの場合、これらのパラメータは、調節可能である。例えばプログラマは、IMD内でパラメータを調節することが可能である。本要旨は、第1タイプの所与の治療のために少なくとも2組にパラメータを組織する。使用されるパラメータの組は、第2の治療タイプが存在するか否かによって決まる。異なるパラメータの組は、パラメータの少なくとも1つに関して異なる値を表せるか、又は少なくとも1つの異なるパラメータを表せる。異なるパラメータの組は、例えば心房ペーシング(AOO、AAI)、心室ペーシング(VVI、VOO)、二重腔ペーシング(DDI、DDD、VDD)のような異なるペーシングモードを表せる。それ故に、パラメータの組を変更することは、ペーシングモードを変更できる。その上、パラメータの組を変更することは、DDDペーシングモードにおける基本速度、上の速度、AV間隔、心室不応、心室ブランキングのような、特定のペーシングモード用のパラメータの値を変更できる。
【0035】
幾つかの実施形態において、第1の電気治療タイプは、NSタイプの治療であり、かつ第2の電気治療は、CRMタイプの治療である。神経刺激のパラメータの例には、神経標的の位置を制御し、かつ振幅、周波数、(バースト周波数及びバースト期間のような)バーストタイミング、モルフォロジを制御するパラメータを含む。
【0036】
図6は、本要旨の種々の実施形態による、プログラマ646と、埋め込み型神経刺激(NS)装置647と、埋め込み型心律動管理(CRM)装置648とを含むシステム645を示す。種々の形態は、NS装置とCRM装置又は他の心臓刺激器との間を通信する方法を含む。この通信は、装置647又は648の一方が、他方の装置から受信したデータ及び/又は通信信号に基づき、より適切な治療(すなわち、より適切なNS治療又はCRM治療)を実施することを可能にする。幾つかの実施形態は、オンデマンド通信を提供する。示したNS装置とCRM装置は、互いに無線通信することが可能であり、かつプログラマは、NS装置とCRM装置の少なくとも一方と無線通信することが可能である。例えば、種々の実施形態は、互いにデータと命令を無線通信するために、遠隔測定コイルを使用する。他の実施形態において、データ及び/又はエネルギーの通信は、超音波手段による。幾つかの実施形態において、リードは、2つの装置間の配線通信路を提供する。CRM装置の例は、図3l、4に示す。
【0037】
図7は、本要旨の種々の実施形態による、図1のシステム100におけるIMD101として、又は図6のシステム645における神経刺激器647として組み込むことができるような、埋め込み型神経刺激(NS)装置749を示す。示した神経刺激器749は、メモリ751に接続されたコントローラ回路750と、センサ752と、神経刺激回路753と、トランシーバ754とを含む。電極は、刺激回路753に接続される。メモリは、コントローラによって動く命令又はアルゴリズムを含み、かつ所望の神経刺激を行うアルゴリズムにおいて使用するパラメータを更に含む。幾つかの実施形態は、神経刺激のフィードバックを提供するために、センサ、例えば神経センサか、心拍数センサのような他の生理学的センサを使用する。刺激回路は、電極に伝達される神経刺激信号のパラメータを調節するように構成される。種々の実施形態によれば、振幅、周波数、モルフォロジ、バーストタイミング(バーストの周波数及び期間)の1つ以上を、調節することが可能である。メモリ内のパラメータは、他の治療タイプが存在するか否かに応じて神経刺激信号の1つ以上のパラメータを調節することによるような、神経刺激を選択的に変えるためにパラメータの組に組織される。
【0038】
図8は、例えば図1に示したIMDのような、本要旨の種々の実施形態による装置を示す。示した装置855は、第1タイプの行うように構成され、かつ行うために刺激回路857に接続されたコントローラ856を含む。少なくとも1つのポート858は、刺激回路857に接続される。ポート858は、少なくとも1つのリード859と接続するように構成され、各リードは、少なくとも1つの電極を含む。リード及び電極は、所望の治療を行うために位置決めされる。各ポートは、電極への通信チャネルを提供する。
【0039】
コントローラは、第2タイプの治療の存在のインジケータ860を受信するように構成される。コントローラは、第1の治療タイプの少なくとも1つの治療861を提供するように構成され、かつ2つのモードで作動することが可能である。コントローラは、第2のタイプの治療が存在しない時に、第1タイプの行う第1のパラメータの組を使用する1つの治療モード862に入る。コントローラは、第2タイプの治療が存在する時に、第1タイプの行う第2のパラメータの組を使用する他の治療モード863に入る。それ故、第2タイプの治療が、事実上断続的であるとしても、装置は、第1タイプの治療を実施し続けることが可能である。
【0040】
図9は、例えば図1に示したIMDのような、本要旨の種々の実施形態による装置を示す。示した装置955は、ヘッダセクション965と、パルス発生器セクション964とを含む。パルス発生器セクションは、処理回路を含み、かつヘッダは、リード959を受ける物理的インタフェースを提供し、かつ各リード電極に通信チャネルを提供するポートを介して電気的インタフェースを更に提供する。
【0041】
示した装置955は、第1タイプの行うように構成され、かつ行うために刺激回路957に接続されたコントローラ956を含む。少なくとも1つのポート958は、スイッチ966を介して刺激回路957に接続される。センサ回路967も、スイッチ966を介して少なくとも1つのポート958に接続される。スイッチは、同じ通信チャネルが、刺激及び感知の両方に使用されることを可能にするために使用される。センサ回路967は、コントローラ956に接続される。
【0042】
装置955は、治療を制御する複数の調節可能なパラメータと、命令とを含む、メモリ968を更に含む。示したように、パラメータは、2つのパラメータの組969と970に組織される。コントローラは、センサ回路967を介した検出された治療及び/又はトランシーバ971を介した通信された信号のような、第2タイプの治療の存在のインジケータを受信する。コントローラは、第1の治療タイプの少なくとも1つの治療961を提供するように構成され、かつ2つのモードで作動することが可能である。コントローラは、第2タイプの治療が存在しない時に、第1タイプの行う第1のパラメータの組969を使用する1つの治療モード962に入り。コントローラは、第2タイプの治療が存在する時に、第1タイプの行う第2のパラメータの組970を使用する他の治療モード963に入る。
【0043】
本要旨は、第2タイプの治療が存在するか否かに応じて第1タイプの治療を実施するために使用されるパラメータを自動的に調節することが可能である。本要旨は、第2タイプの治療の強度に基づき、第1タイプの治療を行うために使用されるパラメータを自動的に調節することも可能である。かかる実施形態は、異なる強度レベルを決める1つ以上のしきい値強度に基づく。各強度レベルは、パラメータの組と関連する。幾つかの実施形態は、第2の治療の強度と比例してパラメータを調節する。パラメータの調節は、第2タイプの治療の強度変化と線形的に又は非線形的に関連させる。第1の治療タイプの治療に使用されるパラメータの組は、第2の治療タイプの治療が存在するか否かのみに基づき、第2の治療タイプの治療の強度のみに基づくことができ、かつ第2の治療タイプの治療が存在するか否かと、第2の治療タイプの治療の強度との組み合わせに基づくことができる。
【0044】
図10は、種々の実施形態による方法を示す。1072で、第1タイプ(例えばCRM治療)の治療(例えば除脈支援ペーシング)が実施される。1073で、第2治療タイプ(神経刺激治療)の治療(例えば心脂肪パッドの神経刺激)が存在するか否かが決定され、かつ/又は第2タイプの治療の強度が決定される。1074で、第1の治療タイプの治療の実施が、少なくとも2組に組織された複数のパラメータに基づき、かつ第2タイプの治療が存在するか否か、及び/又は第2タイプの治療の強度に基づき制御される。
【0045】
図11Aは、種々の実施形態による、少なくとも2つの組に組織される複数のパラメータに基づき、かつ第2タイプの治療(例えば神経刺激治療)が存在するか否かに基づき、第1タイプの治療(例えばCRM治療)の実施を制御する方法を示す。1173で、第2タイプの治療が存在するか否かが決定される。第2タイプの治療が存在しないならば、プロセスは、第1タイプの治療が第1のパラメータの組を使用して実施される1174に進む。第2タイプの治療が存在するならば、プロセスは、第1タイプの治療が第2のパラメータの組を使用して実施される1175に進む。
【0046】
図11Bは、種々の実施形態による、第2タイプの治療(例えば神経刺激治療)の強度に基づき、第1タイプの治療(例えばCRM治療)の実施を制御する方法を示す。1176で、第2タイプの治療の強度レベルが決定される。強度レベルの決定は、高い及び低い強度のような、しきい値によって分離された少数の別個のレベルを使用できるか、又は最低から最高強度までの連続にわたって強度レベルをより正確に数値化できる。1177で、第1タイプの治療は、1176で決定された強度レベルに基づき選択されたパラメータの組を使用して実施される。
【0047】
図11Cは、種々の実施形態による、第2タイプの治療(例えば神経刺激治療)が存在するか否かと、第2タイプの治療の強度に基づいて、第1タイプの治療(例えばCRM治療)の実施を制御する方法を示す。1178で、第2タイプの治療が存在するか否かが決定される。第2タイプの治療が存在しないならば、プロセスは、第2タイプの治療なしの状況に関して選択されたパラメータの組を使用して実施される1179に進む。第2タイプの治療が存在するならば、プロセスは、第2タイプの治療の強度レベルが決定される1180と、第1タイプの治療が強度レベルに基づき選択されるパラメータの組を使用して実施される1181とに進む。
【0048】
図12A、12B、12Cは、種々の実施形態による複数のパラメータを示し、かつ第1と第2組のパラメータを更に示す。図12Aは、組が互いを除いている第1組と第2組を示す。すなわち組は、各組が他の組に対して別個のパラメータを含むように、相互に排他的に決められ及び組織される。図12Bは、少なくとも部分的に含まれ、少なくとも幾つかのパラメータを共有するように決められ、組織される、第1組と第2組を示す。図12Cは第2組の下位の組である第1組を示す。示した第1と第2組の間の関係に加えて、幾つかの実施形態は、パラメータの組の間の相違は、パラメータの異なる調節可能な、又はプログラム可能な値によって提供される同じパラメータを有する組を含むこともある。
【0049】
幾つかの実施形態において、各パラメータの組の調節可能なパラメータ全部は、独立してプログラム可能である。幾つかの実施形態において、一方のパラメータの組の調節可能なパラメータは、プログラム可能であり、かつ他方のパラメータの組の調節可能なパラメータは、第1のパラメータの組のパラメータに関する値に応じて、自動的に調節される。
【0050】
当業者は、本明細書に示され、かつ記載されたモジュールや他の回路が、ソフトウェア、ハードウェア、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせを使用して実施できることを理解するであろう。このようにして、示したモジュールと回路は、ソフトウェアの実装、ハードウェアの実装、ソフトウェアとハードウェアの実装を包含することが意図される。
【0051】
本開示に示した方法は、本要旨の範囲内の他の方法を除くことが意図されない。当業者は、本開示を読み、かつ理解すると、本要旨の範囲内の他の方法を理解するであろう。上記実施形態、及び示した実施形態の部分は、必ずしも相互に排他的でない。これらの実施形態、及びその部分は、組み合わせることができる。例えば、種々の実施形態が、2つ以上の示したプロセスを組み合わせる。2つ以上の感知されたパラメータは、所望のCRM行うために使用される複合パラメータに組み合わせられる。種々の実施形態において、以上で提供された方法は、プロセッサによって行われる時に、プロセッサにそれぞれの方法を実行させる、命令シーケンスを表す搬送波又は伝搬信号において具体化されるコンピュータデータ信号として実施される。種々の実施形態において、以上に提供された方法は、プロセッサがそれぞれの方法を実行することを命令できるコンピュータアクセス可能な媒体に含まれる1組の命令として実施される。種々の実施形態において、媒体は、磁気媒体、電子媒体又は光学媒体である。
【0052】
特定の実施形態が、本明細書に示され、かつ記載されたが、同じ目的を達成するために計算されるいかなる配置も、示した特定の実施形態の代わりに用いられることが、当業者によって認められるであろう。本出願は、本要旨の適応例及び変形例をカバーすることが意図される。上記の記述は、例示的であり、かつ限定的でないことが意図されることを理解されるべきである。上記実施形態の組み合わせ、並びに他の実施形態における上記実施形態の一部の組み合わせは、上記記述を精査すれば、当業者にとって明らかであろう。本要旨の範囲は、添付の特許請求の範囲を、かかる特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に参照して、決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】種々の実施形態による、埋め込み型医療装置(IMD)と、プログラマとを含むシステムを示す。
【図2】図1のシステムにおけるIMDで使用できるような、CRM装置の実施形態を示す。
【図3】図1のシステムに示したプログラマ、又は種々の実施形態による、埋め込み型医療装置と通信する他の外部装置のような、プログラマを示す。
【図4】多部位刺激及び感知のために構成が決められた埋め込み型医療装置の実施形態の系統図を示す。
【図5】種々の実施形態による、神経刺激(NS)部品と、心律動管理(CRM)部品とを有する図1に示すような埋め込み型医療装置(IMD)を示す。
【図6】種々の実施形態による、プログラマと、埋め込み型神経刺激(NS)装置と、埋め込み型心律動管理(CRM)装置とを含むシステムを示す。
【図7】本要旨の種々の実施形態による、図1のシステムにおけるIMDとして、又は図6のシステムにおける神経刺激器として組み込むことができるような、埋め込み型神経刺激(NS)装置を示す。
【図8】例えば図1に示したIMDのような、種々の実施形態による装置を示す。
【図9】例えば図1に示したIMDのような、種々の実施形態による装置を示す。
【図10】種々の実施形態による方法を示す。
【図11A】種々の実施形態による、少なくとも2つの組に組織される複数のパラメータに基づき、かつ第2タイプの治療(例えば神経刺激治療)が存在するか否かに基づき、第1タイプの治療(例えばCRM治療)の実施を制御する方法を示す。
【図11B】種々の実施形態による、第2タイプの治療(例えば神経刺激治療)の強度に基づき、第1タイプの治療(例えばCRM治療)の実施を制御する方法を示す。
【図11C】種々の実施形態による、第2タイプの治療(例えば神経刺激治療)が存在するか否か、と第2タイプの治療の強度に基づき、第1タイプの治療(例えばCRM治療)の実施を制御する方法を示す。
【図12】種々の実施形態による複数のパラメータを示し、かつ第1と第2組のパラメータを更に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電極を有する少なくとも1つのリードに接続するための少なくとも1つのポートと、
少なくとも1つのポートに接続され、かつ第1の電気治療タイプの一部として電極の少なくとも1つに電気パルスを送るように構成された刺激回路と、
第1の電気治療タイプの少なくとも1つのプログラムされた電気治療の複数のパラメータを使用して、電気パルスの送付を制御するために、刺激回路に接続されたコントローラとからなるシステムであって、コントローラは、第2の電気治療タイプの治療が適用される時を決定し、第2の電気治療タイプの治療が、第1の電気治療タイプの少なくとも1つのプログラムされた電気治療に影響を与えるように存在する時に、第1組のパラメータを使用して、第1の電気治療タイプの電気治療を行い、第2の電気治療タイプの治療が存在しない時に、第2組のパラメータを使用して電気治療を行うように構成されるシステム。
【請求項2】
少なくとも1つのポートに接続され、かつ電極の少なくとも1つから固有信号を感知するように構成されたセンサ回路をさらに有し、コントローラは、センサ回路に接続され、かつ感知された固有信号を、複数のパラメータと共に使用して電気パルスの送付を制御するように構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第1の電気治療タイプは心律動管理治療であり、第2の電気治療タイプは神経刺激治療である請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
第1ペーシングモードは、第1組のパラメータを使用し、第2ペーシングモードは、第2組のパラメータを使用する請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
第1の電気治療タイプの少なくとも1つのプログラムされた電気治療は、デマンドペーシング治療を含む請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
デマンドペーシング治療は、抗頻脈ペーシング(ATP)速度のパラメータを含み、第1組のパラメータがATP速度の第1の値を含み、第2組のパラメータがATP速度の第2の値を含む請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
デマンドペーシング治療がAV間隔のパラメータを含み、第1組のパラメータがAV間隔の第1の値を含み、第2組のパラメータがAV間隔の第2の値を含む請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
デマンドペーシング治療はVV間隔のパラメータを含み、第1組のパラメータがVV間隔の第1の値を含み、第2組のパラメータがVV間隔の第2の値を含む請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
デマンドペーシング治療は、第1組のパラメータによる第1ペーシングモードと、第2組のパラメータによる第2ペーシングモードとを含む請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
第1の電気治療タイプの少なくとも1つのプログラムされた電気治療は除細動治療を含む請求項3に記載のシステム。
【請求項11】
除細動治療は除細動しきい値のパラメータを含み、第1組のパラメータが除細動しきい値の第1の値を含み、第2組のパラメータが除細動しきい値の第2の値を含む請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
第1の電気治療タイプは神経刺激治療であり、第2の電気治療タイプは心律動管理治療である請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
第1組のパラメータが神経刺激信号の振幅の第1の値を含み、第2組のパラメータが振幅の第2の値を含む請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
第1組のパラメータが神経刺激信号の周波数の第1の値を含み、第2組のパラメータが周波数の第2の値を含む請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
第1組のパラメータが神経刺激信号のバーストタイミングに関連した第1の値を含み、第2組のパラメータがバーストタイミングに関連した第2の値を含む請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
第1組のパラメータが神経刺激信号のモルフォロジの第1の値を含み、第2組のパラメータがモルフォロジの第2の値を含む請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
第1組のパラメータが神経刺激信号の振幅、周波数、バーストタイミング、モルフォロジの少なくとも1つの値を含み、第2組のパラメータが神経刺激信号の振幅、周波数、バーストタイミング、モルフォロジの少なくとも1つの他の値を含む請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
第1組のパラメータと第2組のパラメータが独立してプログラム可能である請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
第1と第2組のパラメータの一方の組がプログラム可能な組であり、かつ第1と第2組のパラメータの他方の組がプログラム可能な組に応じて自動的に決定される請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
第1組のパラメータ全部が第2組のパラメータ全部を除く請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
第1組のパラメータと第2組のパラメータが幾つかの相互のパラメータを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
第1組のパラメータがプログラム可能なパラメータの第1のパラメータ値を含み、第2組のパラメータが第1のパラメータ値と異なるプログラム可能なパラメータの第2のパラメータ値を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
システムが、埋め込み型医療装置を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
システムが、第1の電気治療タイプの治療と第2の電気治療タイプの治療の両方を提供するように構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
システムが、第2の電気治療タイプの治療を感知するように構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
システムが、第2の電気治療タイプの治療が適用される時、警報を受信するように構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
第1の治療タイプの治療を実施する手段と、
第2の治療タイプの治療が第1の治療タイプの治療に影響を与えるように存在するか否かを識別する手段と、
第2の治療タイプの治療の存在に基づき、かつ複数のパラメータに基づき治療の実施を制御する手段とからなるシステムであって、実施を制御する手段が
治療タイプ用の少なくとも1つのプログラムされた治療において第1組と第2組に組織される複数のパラメータに基づき治療の実施を制御する手段と、
第2の治療タイプの治療が存在する時に、第1組のパラメータを使用して第1治療タイプの治療を実施する手段と、
第2の治療タイプの治療が存在しない時に、第2組のパラメータを使用して第1治療タイプの治療を実施する手段とを含むシステム。
【請求項28】
治療を実施する手段が電気パルスを送る手段を含む請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
第2の治療タイプの治療の存在に基づいて治療の実施を制御する手段が第2の治療タイプの治療の存在を感知する手段を含む請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
第2の治療タイプの治療の存在に基づいて治療の実施を制御する手段が第2の治療タイプの治療の実施を表示する信号を受信する手段を含む請求項27に記載のシステム。
【請求項31】
第1の治療タイプが心律動管理(CRM)治療タイプを含み、第2の治療タイプが神経刺激(NS)治療タイプを含む請求項27に記載のシステム。
【請求項32】
第1の治療タイプが神経刺激(NS)治療タイプを含み、第2の治療タイプが心律動管理(CRM)刺激治療タイプを含む請求項27に記載のシステム。
【請求項33】
第1の治療タイプの治療を実施する手段と、
第2の治療タイプの治療の強度を決定する手段と、
第2の治療タイプの治療の強度に基づき選択されるパラメータの組を使用して第1の治療タイプの治療を実施する手段を含み、第2の治療タイプの治療の強度に基づき第1の治療タイプの治療の実施を制御する手段とからなるシステム。
【請求項34】
第2タイプの治療が存在するか否か決定する手段と、
第2タイプの治療が存在しない時に使用するために選択されるパラメータの組を使用して第1のタイプの治療を実施する手段と、
第2のタイプの治療が存在する時に第2の治療タイプの治療の強度に基づき選択されるパラメータの組を使用して第1の治療タイプの治療を実施する手段とから更に有する請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
第1の治療タイプが心律動管理治療であり、第2の治療タイプが神経刺激治療である請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
第1の治療タイプが神経刺激治療であり、第2の治療タイプが心律動管理治療である請求項33に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−544770(P2008−544770A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511206(P2008−511206)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/017539
【国際公開番号】WO2006/121929
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(505003528)カーディアック・ペースメーカーズ・インコーポレーテッド (466)
【Fターム(参考)】