説明

治療用化合物

【発明の詳細な説明】
本発明はベンゾイミダゾール誘導体、およびそれらを医学的治療、特に、ヘルペスウイルスによるようなウイルス感染の治療または予防に用いることに関する。本発明はまた、ベンゾイミダゾール誘導体およびそれらを含有する医薬配合物の製造に関する。
DNAウイルスの中で、ヘルペスグループのウイルスはヒトにおける最も一般的なウイルス疾患の原因である。このグループには単純ヘルペスウイルスタイプ1および2(HSV)、水痘帯状ヘルペス(VZV)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン−バールウイルス(EBV)、ヒトヘルペスウイルスタイプ6(HHV−6)およびヒトヘルペスウイルスタイプ7(HHV−7)が含まれる。HSV−1およびHSV−2は、ヒトの最も一般的な感染原因物質の一つである。これらのウイルスのほとんどは宿主の神経細胞で生き残ることができ、いったん感染すると、臨床的に再発する感染の兆候の危険にさらされ、身体的および心理的に苦しめられる。
HSV感染は、皮膚、口および/または性器の広範なかつ衰弱した病変をしばしば特徴とする。最初の感染は無症状であるが、そのウイルスに以前さらされたことがあると、より重症になる傾向がある。眼のHSV感染は角膜炎または白内障の原因となり、視力を危うくする。新生児、免疫無防備状態の患者の感染、または中枢神経系へ感染が及ぶことは致命的である。
VZVは水疱瘡および帯状ヘルペスの原因となるヘルペスウイルスである。水疱瘡は免疫のない宿主に生じる主な疾患であり、幼児では通常、小胞疹と熱を特徴とする軽い病気である。帯状疱疹または帯状ヘルペスはVZVに以前感染した大人に生じる再発型の疾患である。帯状疱疹の臨床的発現は神経痛および片側性の小胞皮膚疹、および分散性の皮膚腫を特徴とする。炎症の広がりは麻痺または痙攣につながるかもしれない。髄膜に影響が及ぶと、昏睡を引き起こすことがある。VZVは、移植のためにまたは悪性新形成の治療のために免疫抑制薬を投与されている患者にとって重大なものであり、エイズ患者にとっては免疫系が損なわれているため重大な合併症である。
他のヘルペスウイルスと同じように、CMV感染によりウイルスと宿主とは存命中共生する。妊娠中の母親の感染に伴う先天的感染は、死もしくは全体的疾患(小頭症、肝脾腫大症、黄疸、精神遅滞)、盲目につながる網膜炎、またはそれほど重症ではない形では、成長不足、および胸および耳の感染症への感染しやすさのような臨床的な作用をもたらす。悪性疾患、移植に伴う免疫抑制薬での治療、またはヒト免疫不全ウイルス感染の結果のような免疫無防備状態の患者のCMC感染では、網膜炎、肺炎、胃腸障害および神経性疾患が生じる。
EBVによる主な疾患は急性または慢性感染性単核細胞症(腺熱)である。他のEBVまたはEBV関連疾患の例は、先天性または後天性細胞免疫欠乏の人にしばしば生じるリンパ増殖性疾患、例えば少年に生じるX結合リンパ増殖性疾患、EBV関連B細胞腫瘍、ホジキン病、鼻咽頭癌、バーキットリンパ腫、非ホジキンβ細胞リンパ腫、胸腺腫および口の毛状白斑症である。EBV感染はまた、肺を含めた上下気道の様々な上皮細胞由来腫瘍を伴うことも分かっている。
HHV−6は子供のinfantum subitumの原因物質並びに腎臓および骨髄移植患者各々の腎臓拒絶および間質肺炎の原因物質であることが知られており、そしてこれは多発性硬化症のような他の疾患を伴うかもしれない。骨髄移植患者の幹細胞の数を抑制することも確認されている。HHV−7は未判明疾患の原因物質である。
B型肝炎ウイルス(HBV)は世界的に非常に重要なウイルス病原体である。このウイルスは原発肝細胞癌の原因となるものであり、世界の肝癌の80%はこれによると考えられている。HBV感染の臨床的作用は頭痛、熱、倦怠感、吐き気、嘔吐、食欲不振および腹痛に及ぶ。ウイルスの複製は通常、人における数週間または数カ月続く回復期間中に、免疫反応によって制御されるが、感染は持続性の上記慢性肝疾患の原因となりうる。
PCT特許明細書第WO 92/07867号およびWO 94/08456号には、β−D−リボフラノシルリボシド類似体を含めた特定の抗ウイルス性多置換ベンゾイミダゾールヌクレオシド類似体が記載されている。PCT特許明細書第WO 93/18009号には糖残基が炭素環式基によって置き換えられている特定の抗ウイルス性ベンゾイミダゾール類似体が記載されている。
このたび、下記のような特定のL−糖置換ベンゾイミダゾール化合物が、特定のウイルス感染の治療または予防に有用であることを見いだした。本発明の第1の態様は、式(I):

(式中、Rは水素、ハロ原子、−NR1R2を表し、ここでR1およびR2は同じものでも異なるものでもよく、各々水素、C1-6アルキル、シアノC1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C1-6アルキルC3-7シクロアルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルキルC1-6アルキル、C2-6アルキニル、アリール、アリールC1-6アルキル、複素環式C1-6アルキル、−COC1-6アルキルから独立して選択されるか、あるいはR1R2はこれらが結合しているN原子と一緒になって3,4,5または6員複素環を形成する)
の新規化合物およびそれらの薬学的に許容される誘導体を提供するものである。
式(I)の化合物のさらに適したグループは式(I a):

(式中、Rは水素または−NR1R2を表し、ここでR1およびR2は同じものでも異なるものでもよく、各々水素、C1-6アルキル、シアノC1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、アリールC1-6アルキル、複素環式C1-6アルキル、−COC1-6アルキルから独立して選択されるか(但し、R1R2は共に水素ではない)、あるいはR1R2はこれらが結合しているN原子と一緒になって3,4,5または6員複素環を形成する)
の化合物およびそれらの薬学的に許容される誘導体である。
式(I)の化合物の例は次の式(I b):

(式中、Rはハロ原子または−NR1R2を表し、ここでR1は水素を表し、R2はC1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C1-6アルキルC3-7シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、アリールアルキルから選択されるか、あるいは同じものでも異なるものでもよいR1およびR2は共にC1-6アルキルであるか、あるいはR1R2はこれらが結合しているN原子と一緒になって3,4,5または6員複素環を形成する)
のβアノマーおよびそれらの薬学的に許容される誘導体である。
あるいは、式(I b)の化合物は、Rがハロ原子、またはモノC1-6アルキルアミノ、モノ(C1-6ヒドロキシアルキル)アミノ、ジC1-6アルキルアミノ、C3-7シクロアルキルアミノ、C1-6アルキルC3-7シクロアルキルアミノ、C2-6アルケニルアミノ、C2-6アルキニルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、

(ここでnは2、3、4または5である)の基を表す化合物、並びにそれらの薬学的に許容される誘導体である。
上記式(I)の化合物の別の例としては、下記実施例1〜38の化合物がある。
ここで使用する基または基の一部としてのアルキルという用語は、直鎖または分枝鎖アルキル基を意味する。そのようなアルキル基は好ましくは1〜6個、最も好ましくは1〜4個の炭素原子を有し、特にメチル、エチル、i−プロピル、t−ブチルである。アルケニル基としては、EもしくはZ形またはこれらの混ざったものでもよく、少なくとも3個の炭素原子を含むときは、枝分かれしていてもよい。ハロという用語はクロロ、ブロモ、フルオロおよびヨードを含む。ハロC1-6アルキルという用語は、1つ以上の水素がハロによって置き換えられているアルキル基、好ましくは1、2または3個のハロ基を含むアルキル基を意味する。そのような基の例はトリフルオロメチルおよびフルオロイソプロピルである。基または基の一部としてのアリールという用語は、C1-6アルコキシ(例えばメトキシ)、ニトロ、ハロゲン(例えばクロロ)、アミノ、カルボキシレートおよびヒドロキシから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよいフェニルを意味する。複素環式という用語は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1つ以上(例えば1〜4個)の複素原子を含む飽和もしくは部分飽和(すなわち非芳香族)3,4,5または6員環を意味する。そのような基の例はピロリジンである。
本発明の範囲には、他のアノマーを実質的に含有しない、すなわち他のアノマーの存在が約5%w/w以下、好ましくは約2%w/w以下、特に1%w/w未満である。各々可能な式(I)の化合物のα−およびβ−アノマー並びにそれらの生理学的機能性誘導体、そしてどのような割合のものでもよいそのようなα−およびβ−アノマー混合物が包含される。β−アノマー形の式(I)の化合物が好ましい。
式(I b)の好ましい化合物の例としては、Rが−NR1R2を表し、ここにR1が水素であり、R2がC1-6アルキル、C3-7シクロアルキルおよびハロC1-6アルキルから選択される化合物、並びにこれらの薬学的に許容される誘導体がある。式(I b)の特に好ましい化合物の例としては、Rがイソプロピルアミノ、イソブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロペンチルアミノおよび2−フルオロ−1−メチルエチルアミノである化合物、並びにそれらの薬学的に許容される誘導体がある。
抗ウイルス薬として特に重要なベータ配置の式(I)の化合物は、2−シクロプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール、5,6−ジクロロ−2−((2−フルオロ−1−メチルエチルアミノ)−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾールおよび5,6−ジクロロ−2−イソプロピルアミノ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール、並びにそれらの薬学的に許容される誘導体である。
化合物5,6−ジクロロ−2−イソプロピルアミノ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾールがCMV感染の治療に特に有用であることが分かった。
上記式(I a)および(I b)の化合物を含めた式(I)の化合物、並びにそれらの薬学的に許容される誘導体は以後、本発明の化合物と呼ぶ。
“薬学的に許容される誘導体”は、本発明の化合物の薬学的または薬理学的に許容されるいかなる塩、エステル、もしくはそのようなエステルの塩、または投与したときに、本発明の化合物を(直接もしくは間接的に)提供しうるいかなる化合物、または抗ウイルス活性代謝産物もしくはそれらの残渣も意味する。
本発明の化合物の好ましいエステルは次の群から独立して選択される:(1)エステル基のカルボン酸部分の非カルボニル部分が直鎖もしくは分枝鎖アルキル(例えば、n−プロピル、t−ブチルまたはn−ブチル)、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル)、アリール(例えば、ハロゲン、C1-4アルキルもしくはC1-4アルコキシ、またはアミノによって置換されていてもよいフェニル)から選択される、2′−、3′−および/または5′−ヒドロキシ基のエステル化によって得られるカルボン酸エステル;(2)スルホン酸エステル、例えばアルキルまたはアラルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル);(3)アミノ酸エステル(例えば、L−バリルまたはL−イソロイシル);(4)ホスホン酸エステル、および(5)モノ−、ジ−またはトリ−リン酸エステル。ホスホン酸エステルは、例えばC1-20アルコールもしくはその反応性誘導体によって、または2,3−ジ(C6-24)アシルグリセロールによってさらにエステル化されていてもよい。
そのようなエステルでは、他に規定がなければ、存在するアルキル部分は1〜18個、特に1〜6個、とりわけ1〜4個の炭素原子を含んでいると有利である。そのようなエステルに存在するシクロアルキル部分は3〜6個の炭素原子を含んでいると有利である。そのようなエステルに存在するアリール部分はフェニル基を含むと有利である。
本発明の好ましいカルボン酸エステルの例としては、酢酸、酪酸および吉草酸エステルがある。L−バリルは特に好ましいアミノ酸エステルである。
いずれの上記化合物にも、それらの薬学的に許容される塩が含まれる。
薬学的に許容される塩の例は、有機カルボン酸、例えばアスコルビン酸、酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、p−アミノ安息香酸、およびコハク酸;有機スルホン酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、およびp−トルエンスルホン酸、並びに無機酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、スルファミン酸、およびピロリン酸の塩である。
治療に用いる場合、式(I)の化合物の塩は薬学的に許容されるものである。しかしながら、薬学的に許容されない酸および塩基の塩も、例えば、薬学的に許容される化合物の製造または精製に用いうる。薬学的に許容される酸または塩基から誘導された塩であってもまたはそうではなくても、全ての塩は本発明の範囲に包含される。
好ましい塩の例は、塩酸、硫酸、酢酸、コハク酸、クエン酸およびアスコルビン酸から形成される塩である。
本発明の別の態様は、本発明の化合物を、医学的治療、特にヘルペスウイルス感染のようなウイルス感染の治療または予防に用いるものである。本発明の化合物はCMV感染に対して活性であることが分かったが、初期の結果からこれらの化合物はHSV−1および−2、HHV6および7、VZV、EBV並びにHBV感染のような他のヘルペスウイルス感染に対しても活性であることを示した。
本発明によって治療しうる他のウイルス性の症状については後記する。本発明の化合物はCMV感染および関連症状の治療または予防に特に適している。本発明により治療しうるCMV症状の例については後記する。
本発明の別の態様は、感染した動物、例えばヒトを含めた哺乳動物におけるウイルス感染の症状または作用の治療または予防法を提供することであり、これは感染した動物を治療に有効な量の本発明の化合物で治療することよりなる。本発明のこの態様の具体例によると、ウイルス感染はCMV、HSV−1、HSV−2、VZV、EBV、HHV6またはHHV7のようなヘルペスウイルス感染である。本発明の別の態様には、HBV感染の症状または作用を治療または予防する方法が含まれる。
本発明はさらに、上記のような臨床的症状を示す動物、例えばヒトを含めた哺乳動物の臨床的症状の治療方法であって、治療に有効な量の本発明の化合物で上記動物を治療することよりなる上記の方法を提供するものである。本発明はまた、上記感染または症状の治療または予防方法も含む。
本発明のさらに別の態様は、上記ウイルス感染または症状の治療または予防用薬剤の製造における本発明の化合物の使用である。
本発明の上記化合物およびそれらの薬学的に許容される誘導体は、上記感染または症状を治療するための他の治療薬と組み合わせて使用してもよい。本発明による組み合わせ治療は、少なくとも1種の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される誘導体および少なくとも1種の他の薬学的に有効な成分の投与よりなる。有効成分および薬学的に有効な薬剤は、同じまたは別の配合物で同時にまたはどのような順序で投与してもよい。これらの有効成分および薬学的に有効な薬剤の量、並びに投与の相対的なタイミングは、所望の組み合わせ治療効果が得られるように選択する。組み合わせ治療では、本発明の化合物1種および下記の薬剤1種を投与するのが好ましい。
そのような別の治療薬剤の例は、(1α,2β、3α)−9−[2,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(−)BHCG,SQ−34514]、オキセタノシン−G(3,4−ビス(ヒドロキシメチル)2−オキセタノシル]グアニン、非環式ヌクレオシド(例えば、アシクロビール、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロール)、非環式ヌクレオシドホスホネート(例えば、(S)−1−(3−ヒドロキシ−2−ホスホニル−メトキシプロピル)シトシン(HPMC)、リボヌクレオチド還元酵素阻害剤、例えば2−アセチルピリジン 5−[(2−クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾン、3′−アジド−3′−デオキシチミジン、他の2′,3′−ジデオキシヌクレオシド、例えば2′,3′−ジデオキシシチジン、2′,3′−ジデオキシアデノシンおよび2′,3′−ジデオキシイノシン、2′,3′−ジデヒドロチミジン、タンパク質分解酵素阻害剤、例えばN−t−ブチル−デヒドロ−2−[2(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−3(S)−[[N−(2−キノリルカルボニル)−L−アスパルギニル]ブチル]−(4aS,8aS)−イソキノリン−3(S)−カルボキサミド(Ro 31−8959)、オキサチオランヌクレオシド類似体、例えば(−)−シス−1−(2−ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル)−シトシン(3TC)またはシス−1−(2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル)−5−フルオロシトシン(FTC)、3′−デオキシ−3′−フルオロチミジン、5−クロロ−2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオロウリジン、(−)−シス−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルアミノ)−9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノール、リバビリン、9−[4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ブト−1−イル]−グアニン(H2G)、tat−阻害剤、例えば7−クロロ−5−(2−ピリル)−3H−1,4−ベンゾジアゼピン−2(H)−オン(Ro5−3335)または7−クロロ−1,3−ジヒドロ−5−(1H−ピロール−2−イル)−3H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−アミン(Ro24−7429)、インターフェロン、例えばα−インターフェロン、腎臓排泄抑制剤、例えばプロベネシド、ヌクレオシド輸送抑制剤、例えばジピリダモル;ペントキシフィリン、N−アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン、α−トリコサンチン、ホスホノギ酸、並びに免疫調節物質、例えばインターロイキンIIまたはサイモシン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、エリトロポエチン、可溶性CD4およびそれらの遺伝工学的誘導体、または非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えばネビラピン(BI−RG−587)、ロビリド(α−APA)およびデラブリジン(BHAP)、並びにホスホノギ酸のようなウイルス感染または関連症状の治療に有効な薬剤である。
より好ましいのは、上記薬剤の1種と、上記式(I)の好ましいまたは特に好ましいグループの化合物の1種とを投与する組み合わせ療法である。最も好ましいのは、上記薬剤の1種と、上で特定した式(I)の化合物の1種とを一緒に用いる組み合わせ療法である。
本発明はさらに、本発明の化合物を、上で定義したような少なくとも1種の他の治療薬と同時にまたは順次投与するための薬剤の製造に使用することも包含する。
ここで有効成分とも呼ばれる本発明の化合物は、口、直腸、鼻、局所(経皮、口内および舌下を含む)、膣および非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内および硝子体内を含む)を含めた適当なルートによって治療のために投与しうる。受容者の症状および年令、感染の特徴、並びに選択された有効成分によって好ましいルートが変わることは明らかである。
一般に、上記症状の各々に適した投与量は0.01〜250mg/kg受容者(例えば、ヒト)の体重/日、好ましくは0.1〜100mg/kg体重/日、最も好ましくは0.5〜30mg/kg体重/日、特に1.0〜20mg/kg体重/日である。(断りがなければ、有効成分の重量は全て、式(I)の親化合物として計算されている;それらの塩またはエステルの場合、重量は比例して増加する)。所望投与量は、1、2、3、4、5、6またはそれ以上の小分けした投与量として1日かけて適当な間隔で投与してもよい。場合によっては、所望投与量を1日おきに投与してもよい。これらの小分けした投与量は、例えば、単位投与形態当たり有効成分を10〜1000mg、または50〜500mg、好ましくは20〜500mg、最も好ましくは100〜400mg含有する、単位投与形態で投与してもよい。
有効成分の血漿濃度が約0.025〜約100μM、好ましくは約0.1〜約70μM、最も好ましくは約0.25〜約50μMとなるように投与するのが理想的である。これは、例えば、有効成分の0.1〜5%溶液(任意に生理食塩水中の)の静脈内注射、または約0.1〜約250mg/kgの有効成分を含有する大丸薬として経口投与することによって達成しうる。所望の血中濃度は、約0.01〜約5.0mg/kg/時間となるような連続注入によって、または約0.4〜約15mg/kgの有効成分を含有する断続注入によって維持してもよい。
有効成分を単独投与することは可能であるが、これを医薬配合物として存在させるのが好ましい。本発明の配合物は、少なくとも1種の上で定義したような有効成分と、1種以上のそれらの許容しうる担体、および任意の他の治療薬とを含む。各担体は、配合物の他の成分と適合性であるという意味で“許容しうる”ものであり、かつ患者に害を及ぼさないものでなければならない。配合物は、口、直腸、鼻、局所(経皮、口内および舌下を含む)、膣および非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内および硝子体内を含む)投与に適したものを含む。配合物は単位投与形態であると好都合であり、医薬業界で周知の方法によって製造しうる。そのような方法には、有効成分と、1種以上の補助成分からなる担体とを混合する工程が含まれる。一般に、配合物は、有効成分と、液体担体または微粉砕固体担体またはこれらの両方を均一に混合し、次に、必要ならば、生成物を成形することによって製造される。
本発明はさらに、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される誘導体、および少なくとも1種の追加治療薬が、互いに別々に存在するおよびパーツのキットとして存在する、上で定義した医薬配合物を包含する。
経皮投与に適した組成物は、長時間、受容者の表皮に密着し続けるようにした不連続パッチとして存在させてもよい。そのようなパッチは活性化合物を、1)緩衝化させてもよい水溶液中に、または2)接着剤に溶解および/または分散させて、または3)重合体に分散させて、含有するのが好ましい。活性化合物の適当な濃度は約1%〜25%、好ましくは約3%〜15%である。1つの具体的な可能性として、活性化合物は、Pharmaceutical Reseach,3(6),318(1986)に概説されているような電気輸送またはイオン導入によってパッチから放出してもよい。
経口投与に適した本発明の配合物は、各々所定量の有効成分を含有するカプセル、カシェ剤または錠剤のような不連続単位として;粉剤または顆粒剤として;水性または非水性液体の溶液または懸濁液として;あるいは水中油液体エマルジョンまたは油中水液体エマルジョンとして提供してもよい。有効成分は大丸薬、舐剤またはパスタ剤としてもよい。
錠剤は、任意に1種以上の補助成分と共に、圧縮または成形することによって製造しうる。圧縮錠剤は、粉末または顆粒のような易流動性の有効成分を、任意に結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、錠剤分解物質(例えば、ナトリウムデンプングリコレート、架橋ポビドン、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、界面活性剤または分散剤と混合して、適当な機械で圧縮することによって製造しうる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適当な機械で成形することによって製造しうる。錠剤は被覆または刻み目を任意に施してもよく、そして、例えば、所望の放出特性が得られるようにヒドロキシプロピルメチルセルロースを様々な割合で用いて、有効成分が徐放出されるように配合してもよい。錠剤は、胃以外の腸の部分で放出されるように、腸内分解性被覆を施してもよい。
口内の局所投与に適した配合物の例には、通常はサッカロースおよびアラビアゴムまたはトラガカントのような香味基剤中の有効成分よりなるロゼンジ;ゼラチンおよびグリセリン、またはサッカロースおよびアラビアゴムのような不活性基剤中の有効成分よりなるトローチ;並びに適当な液体担体中の有効成分よりなるうがい薬がある。
直腸投与用配合物は、例えばココアバターまたはサリチル酸塩よりなる適当な基剤を含む座薬として提供しうる。
膣投与に適した配合物は、有効成分の他に、当業界で公知のような適当な担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー配合物として提供しうる。
担体が固体である直腸投与に適した医薬配合物は、単位投与座薬として提供するのが最も好ましい。適当な担体の例はココアバターおよび当業界で一般に用いられる他の材料である。座薬は、有効成分を組み合わせたものと、軟化または溶融担体とを混合し、次に、冷却し、そして型の中で成形することによって形成するのが好都合である。
非経口投与に適した配合物の例は、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および配合物を受容者の血液と等張性にする溶質を含有していてもよい水性および非水性等張殺菌注入溶液;懸濁化剤および増粘剤を含有していてもよい水性および非水性殺菌懸濁液である。配合物は単位投与または多投与用密閉容器、例えばアンプルおよびバイアルの形で提供してもよく、使用直前に殺菌液体担体、例えば注入用水を加えるだけでよい冷凍乾燥(凍結乾燥)状態で貯蔵してもよい。その場ですぐ注入する注入溶液および懸濁液は、上記殺菌粉末、顆粒および錠剤から製造してもよい。
好ましい単位投与配合物は、有効成分を、上記のような、1日当たりの投与量もしくは単位、1日当たりの小分けした投与量、または適当に分けた量で含有する配合物である。
本発明の配合物が、上で詳しく述べた成分の他に、この種の配合物にとって当業界で一般的な他の薬剤を含んでいてもよいことは無論のことであり、例えば、経口投与に適した配合物は甘味剤、増粘剤および香味剤のような薬剤をさらに含んでいてもよい。
本発明はさらに、上記式(I)の化合物およびそれらの誘導体を製造するための下記の工程を含むものであって、これは(A) 式(II)


(式中、Lは水素であり、R3、R4およびR5は各々ヒドロキシまたは保護されたヒドロキシ基である)
の化合物を、N−ブロモスクシンアミドのような適当なハロゲン化剤と反応させるか、あるいはLが適当な脱離原子または基、例えば、臭素のようなハロ原子、または有機(例えば、アルキル)スルホンもしくは有機(例えば、アルキルまたはアラルキル)スルフェート、例えばメチルスルホン(MeS(O))、メチルスルホネート(MeS(O)2O)またはトシレート(4−MePhS(O)2O基であり、R3、R4およびR5が上記定義通りであるとき、式H−NR1R2(ここでR1およびR2は上記定義通りである)のアミンと反応させる工程;あるいは(B) 式(III)


(式中、Rは上記定義通りである)
の化合物を、式(IV)


(式中、R3、R4およびR5は各々ヒドロキシまたは保護されたヒドロキシ基であり、L1はα−またはβ−位置の適当な脱離基、例えばハロ(例えば、フルオロ、クロロまたはブロモ)、アルキル−もしくはアリールチオ(例えば、フェニルチオ)、またはアリールもしくは脂肪族エステル基、例えば、ベンゾエートまたはアセテートである)
の化合物と反応させる工程を含み、そして、その後またはこれと同時に、1つ以上の次の工程を望ましいまたは必要な順序でさらに行ってもよい:(i) 残留保護基を除去する工程;
(ii) 式(I)の化合物またはその保護形をさらに式(I)の化合物またはその保護形へ変換する工程;
(iii) 式(I)の化合物またはその保護形を、式(I)の化合物またはその保護形の薬学的に許容される誘導体へ変換する工程;
(iv) 式(I)の化合物またはその保護形の薬学的に許容される誘導体を、式(I)の化合物またはその保護形へ変換する工程;
(v) 式(I)の化合物またはその保護形の薬学的に許容される誘導体を、式(I)の化合物またはその保護形の別の薬学的に許容される誘導体に変換する工程;
(vi) 必要な場合、式(I)の化合物もしくはその保護形のまたは式(I)の化合物の薬学的に許容される誘導体のα−およびβ−アノマーを分離する工程。
工程Aは、Rがハロゲンである式(I)の化合物の製造に用いると好都合であるかもしれない。そのような化合物は、Lが水素、R3、R4およびR5が保護されたヒドロキシ基、好ましくはOC(O)CH3である式(II)の化合物を、ハロゲン化剤と反応させることによって都合よく製造しうる。ハロゲン化は一般的な方法、例えば、60〜150℃、好ましくは100℃に加熱したTHFまたは好ましくは1,4−ジオキサン中のN−ブロモスクシンイミド(NBS)のような臭素化剤を用いる臭素化で行いうる。
Rが−NR1R2(ここでR1およびR2は上記定義通りである)である式(I)の化合物は、Lがハロ原子、例えばブロモまたはクロロ原子である式(II)の化合物から、アミンH−NR1R2(ここでR1およびR2は上記定義通りである)との反応によって有利に製造しうる。この反応は高温、例えば70〜80℃にて、エタノールまたはジメチルスルホキシドのような有機溶媒中で有利に行われる。
保護基は、当業界に周知の一般的な化学技術によって除去しうる。
R3、R4およびR5が各々ヒドロキシ基である式(II)の化合物は、例えば、R3、R4およびR5が各々保護されたヒドロキシ基である式(II)の相当する化合物から製造することができる。R3、R4およびR5には一般的な保護基を用いうる。式(I)の化合物のエステルについては、上記のようなエステル基を用いると有利である。これらの保護基は、メタノール中の炭酸ナトリウムを用いるような一般的な化学技術、または豚の肝臓の酵素を用いるような酵素によって除去しうる、あるいは、R3、R4およびR5は、適当な弗化物源、例えばHF/ピリジン、n−Bu4NFもしくはEt4NFを用いて除去しうる。t−ブチルジフェニル−、t−ブチルジメチル−、トリイソプロピル−シリル基のようなシリル保護基、またはトシル酸およびメタノールを用いるような酸性条件下で除去しうる、ベンジリデンもしくはイソプロピリデン基のような環状アセタールまたはケタールを含んでいてもよい。
あるいは、R3、R4およびR5が保護されたヒドロキシ基である式(II)の化合物は、保護基の除去と同時に脱離基Lが所望のR基に変わる薬剤とまたは条件下で反応させてもよい。そのような薬剤の例はシクロプロピルアミン、並びに十分に求核性でありかつ立体障害とならない他の第1および第2アミンである。
Rが上記定義通りの式(I)の化合物およびLが上記定義通りの式(II)の化合物は、式(V)


(式中、上記定義通りのXはRまたはLに等しい)
の化合物を、式(IV)


(式中、R3、R4およびR5は各々ヒドロキシまたは保護されたヒドロキシ基であり、L1は上記定義通りである)
の化合物と反応させることによって製造しうる。
式(IV)および式(V)の化合物の反応はルイス酸、例えばトリメチルシリルトリフレート、四塩化第2スズまたは三弗化硼素を用いて行うことができ、トリメチルシリルトリフレートを用いるのがより好ましい。反応は一般に、中性溶媒中、高温で、例えばアセトニトリル中、15〜30℃で、または1,2−ジクロロエタン中、70〜90℃で行う。
式(V)の化合物は溶解性を向上させるために上記手順においてN1−位置でトリメチルシリル化すると有利である;例えば、塩化トリメチルシリル、ヘキサメチルジシラザン、最も好ましくはN,O−ビストリメチルシリルアセトアミド(BSA)で処理することによって行う。このシリル化は溶媒、好ましくは1,2−ジクロロエエタンまたはアセトニトリル中、好ましくは70〜80℃で行いうる。シリル化反応が完了した後、ルイス酸、次いで式(IV)の化合物を加える。
式(IV)の化合物は、当業者に周知の方法、例えば、D−リボース誘導体について公知のものと類似の方法で、あるいはActon他、J.Am.Chem.Soc.,1964,86,5352に記載の方法によるような化学文献から容易に入手しうる方法によって製造しうる。式(IV)の好ましい化合物は、R3、R4、R5およびLが各々OC(O)CH3の化合物である。この化合物は、D−リボースについて開発されたものと類似の方法で(R.D.Guthrie and S.C.Smith,Chemistry and Industry,1968,pp547−548)、次いで好適には、エタノールから再結晶することによって有利に製造しうる。
XがLまたは−NR1R2基(L、R1およびR2は上記定義通りである)である式(V)の化合物は、参照することによってここに記載されたものとするPCT明細書WO92/07867に記載の方法によって製造しうる。
あるいは、XがRであり、Rが基−NR1R2(R1およびR2は上記定義通りである)である式(V)の化合物は、式(VI)


の化合物を、ジアミンをベンゾイミダゾールに環化しうる1種またはそれ以上の薬剤と反応させることによって製造しうる。一般に、式(I)の化合物は式(VII)
S=C=NR1R2 (VII)
(式中、R1およびR2は上記定義通りである)
のイソチオシアネートと反応させてもよい。
反応はカルボジイミド、例えばジシクロヘキシルカルボジイミドまたは1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミドメト−p−トルエン−スルホネートの存在下、中性芳香族溶媒、例えばトルエン、最も好ましくはピリジンの存在下、高温、好ましくは75〜150℃で行いうる。
Xが水素である式(V)の化合物は、商業的に得られるか、あるいは式(VI)の化合物をホルムアミジンと水性酸性条件下、室温〜80℃で反応させることによって製造しうる。
式(VI)および(VII)の化合物は、当業者に周知の方法または化学文献から容易に入手しうる方法によって製造しても、あるいは商業的に得てもよい。
本発明のエステルは当業界で周知の方法によって製造してもよく、例えば式(I)の化合物は、適当なエステル化剤、例えば適当な酸ハライドまたは無水物との反応によって薬学的に許容されるエステルに変えうる。
式(I)の化合物は、適当なアルキル化剤と一般的な方法で反応させることによって式(I)の相当する薬学的に許容されるエステルに変えうる。
それらのエステルを含めた式(I)の化合物は、一般的な方法、例えば、適当な酸で処理することによって、それらの薬学的に許容される塩に変えうる。式(I)のエステルまたは式(I)のエステルの塩は、例えば、加水分解によって、親化合物に変えうる。
β−およびα−アノマーは、単一溶融、または1:20のメタノール:ジクロロメタンのような溶媒の組み合わせを用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって純粋な形に分離および単離しうる。
本発明はさらに、新規中間体としての上記定義通りの式(II)の化合物を包含する。式(II)の好ましい化合物の例は、Lが水素またはハロ、好ましくはクロロまたはブロモ、R3、R4およびR5がヒドロキシまたは保護されたヒドロキシ基、好ましくはOC(O)CH3の化合物である。
式(II)の特に好ましい化合物は2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾールおよび2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾールである。
本発明はまた、XがRであり、Rが基−NR1R2(R1およびR2は上記定義通りであり、但し、R1およびR2は共に水素またはメチルではない)である式(V)の中間体を包含する。
式(V)の好ましい化合物の例は2−(シクロプロピルアミノ)−5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール、5,6−ジクロロ−2−(イソロピルアミノ)−1H−ベンゾイミダゾールおよび5,6−ジクロロ−2−(2−フルオロ−1−メチルエチルアミノ)−1H−ベンゾイミダゾールである。
次の実施例は本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。薬剤の実施例で使用する“有効成分”とう用語は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される誘導体を意味する。この用語はまた、1種以上の治療薬と組み合わせた式(I)の化合物またはその薬学的に許容される誘導体も包含する。
実施例12−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール 2−ブロモ−5,6−ジクロロベンゾイミダゾール(1.0g、3.8mmol)、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(アルドリッチ、0.94mL,3.8mmol)およびアセトニトリル(アルドリッチ シュアー シール、25mL)を混合し、窒素下で1時間還流した。溶液を室温に冷却し、トリメチルシリルトリフレート(アルドリッチ、1.5mL,7.6mmol)を加えた。15分後、L−リボースを出発物質として用いた以外は、Guthrie and Smith(Chemistry and Industry,1968,pp547−548)の方法によって製造した、固体の1,2,3,5−テトラ−O−アセチル−L−リボフラノース(1.2g、3.8mmol)を加えた。溶液を窒素下、室温で18時間撹拌し、次に10%水性炭酸水素ナトリウム(100mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(2×150ml)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム(無水物)で乾燥し、濾過し、蒸発させた。粗製残留物を1:30のアセトン:CH2Cl2を用いてシリカゲルカラム(5×20cm、230〜400メッシュ)で精製して2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(3,4,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(1.2g、2.2mmol、60%)を得た;融点142℃;[a]20D=(+)87.4(c=0.5DMF);UV lmax(e):pH7.0:298nm(7,600),289(7,400),254(8,800);0.1N NaOH:298nm(7,600),289(7,400),256(7,300);MS(EI):m/z(相対強度)524(0.15,M+);1H NMR(DMSO−d6)d8.08(s,1H,Ar−H),8.01(s,1H,Ar−H),6.22(d,1H,H−1′,J=7.1Hz),5.56(dd,1H,H−2′,J=7.1Hz,J=7.2Hz),5.45(dd,1H,H−3′,J=7.2Hz,J=4.5Hz),4.55−4.47(m,2H,H−4′および5′),4.37(d,1H,H−5″,J=9.7Hz),2.15(s,3H,OAc),2.14(s,3H,OAc),2.01(s,3H,OAc)。
元素分析値:C18H17N2O7Cl2Brとして計算された理論値:C,41.25;H,3.27;N,5.34。実測値:41.16;H,3.39;N,5.20。
さらに、少量のα−アノマー(2−ブロモ−5,6−−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール)が得られた(0.11g、0.22mmol、6%);融点<65℃;[a]20D=(+)206.8(c=0.5DMF);MS(AP+):m/z(相対強度)524(0.8,M+);1H NMR(DMSO−d6)d7.95(s,1H,Ar−H),7.91(s,1H,Ar−H),6.66(d,1H,H−1′,J=4.2Hz),5.68(t,1H,H−2′,J=4.6Hz),5.52(t,1H,H−3′,J=5.9Hz),487−4.81(m,1H,H−4′),4.37−4.24(m,2H,H−5″),2.08(s,3H,OAc),2.03(s,3H,OAc),1.51(s,3H,OAc)。
元素分析値:C18H17N2O7Cl2Brとして計算された理論値:C,41.25;H,3.27;N,5.34。
実測値:C,41.39;H,3.35;N,5.29。
実施例22−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール 炭酸ナトリウム(0.28g、2.65mmol)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(1.39g、2.65mmol)を水(4mL)、メタノール(20mL)およびエタノール(20mL)と混合し、室温で1.5時間撹拌した。酢酸(0.3mL、5.3mmol)を加え、懸濁液を濃縮して固体を得た。残留物を1:9のエタノール:CH2Cl2を用いてシリカゲルカラム(2.5×20cm、230〜400メッシュ)で精製して2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−β−L−リボフラノシル−1H−ベンゾイミダゾールを白色非晶質固体(0.79g、2.0mmol、75%)として得た;融点169℃;[a]20D=(+)105(c=0.5DMF);UV lmax(e):pH7.0:298nm(6,700),289(6,500),255(6,900);0.1N NaOH:298nm(6,700),295(5,400),256(6,700);MS(CI):m/z 399(M+1);1H NMR(DMSO−d6)d8.57(s,1H,Ar−H),7.96(s,1H,Ar−H),5.89(d,J=7.9Hz,H−1′),5.48(d,1H,OH,J=6.3Hz),5.42(t,1H,OH,J=4.5Hz),5.29(d,1H,OH,J=4.2Hz),4.43(はっきりしたdd,1H,H−2′,J=13.3,J=6.1Hz),4.14(はっきりしたt,1H,H−3′,J=4.3Hz),4.01(はっきりしたd,1H,H−4′,J=1.7Hz),3.77−3.63(m,2H,H−5′)。
元素分析値:C12H11N2O4Cl2Br・0.20C2H6Oとして計算された理論値:C,36.57;H,3.02;N,6.88。
実測値:C,36.68;H,2.85;N,7.05。
実施例32−(シクロプロピルアミノ)−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール シクロプロピルアミン(5mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.10g、0.25mmol)を無水エタノール(5mL)と混合し、75℃で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:20のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×15cm、230〜400メッシュ)で精製して0.073gの生成物を得た。この物質を1:5:5のメタノール:酢酸エチル:ヘキサンを用いて第2のシリカゲルカラム(2.5cm×10cm、230〜400メッシュ)でさらに精製して、白色固体(0.051g、0.14mmol、55%)を得た;融点228〜230℃(分解);[a]20D=(−)17.4(c=0.5エタノール、無水);UV lmax(e):pH7.0:303nm(10,400),274(1,700),259(9.100);0.1N NaOH:304nm(10,700),295(1,900),259(8,800);MS(CI):m/z(相対強度)374(13.2,M+1);1H NMR(DMSO−d6)d7.6(s,1H,Ar−H),7.42(s,1H,Ar−H),5.71(d,J=7.6Hz,H−1′),5.65(t,1H,OH,J=4.3Hz),5.25−5.21(m,2H,OH),4.22(はっきりしたdd,1H,H−2′,J=13.4,J=7.6Hz),4.02(はっきりしたt,1H,H−3′,J=7.1Hz),3.95(s,1H,H−4′),3.67−3.62(m,2H,H−5′),2.78−2.74(m,1H,シクロプロピル−CH),0.67(d,2H,J=7.1Hz,クロプロピル−CH2),0.53−0.47(m,2H,シクロプロピル−CH2)。
元素分析値:C15H16N3O4Cl2・0.50C4H8O2として計算された理論値:C,49.98;H,5.18;N,9.77。
実測値:C,49.86;H,5.18;N,9.80。
実施例42−(アリルアミノ)−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール アリルアミン(5mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.60g、1.14mmol)を無水エタノール(10mL)と混合し、75℃で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:9のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×20cm、230〜400メッシュ)で精製してオフホワイト色の固体(0.325g、0.87mmol、76%)を得た;融点220℃(分解);[a]20D=(−)16.0(c=0.5DMF);UV lmax(e):pH7.0:303nm(11,200),275(2,000),259(9,900);0.1N NaOH:304nm(11,300),275(2,000),259(9,200);MS(CI):m/z(相対強度)374(100,M+1);1H NMR(DMSO−d6)d7.66(s,1H,Ar−H),7.35(s,1H,Ar−H),5.98−5.85(m,1H,CH=CH2)、5.76(d,1H,J=7.6Hz,H−1′),5.62(t,1H,OH,J=4.3Hz),5.28(d,1H,OH,J=7.6Hz),5.23(d,1H,OH,J=4.2Hz),5.16(d,1H,CH=CH2、J=18.6Hz),5.05(d,1H,CH=CH2、J=10.2Hz),4.30(はっきりしたdd,1H,H−2′,J=13.1,J=7.6Hz),4.06(はっきりしたt,1H,H−3′,J=5.6Hz),3.97(br,s,1H,H−4′,CH2CH=CH2),3.71−3.60(m,2H,H−5′)。
元素分析値:C15H17N3O4Cl2・0.30H2Oとして計算された理論値:C,47.46;H,4.67;N,11.07。
実測値:C,47.50;H,4.68;N,11.02。
実施例55,6−ジクロロ−2−(イソプロピルアミノ)−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール イソプロピルアミン(10mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(1.0g、1.9mmol)を無水エタノール(20mL)と混合し、75℃で48時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:20のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製して、Rfがより高い物質少量で汚染された生成物を得た。これを、1:25のメタノール:ジクロロメタンを用いて、2mmシリカゲルローターを備えたクロマトトロンで精製して白色固体(0.43g、1.15mmol、60%)を得た;[a]20D=(−)22.4(c=0.5DMF);UV lmax(e):pH7.0:304nm(9,500),275(1,800),260(8,300);0.1N NaOH:304nm(9,900),275(1,900),260(8,100);MS(CI):m/z(相対強度)376(100,M+1);1H NMR(DMSO−d6)d7.59(s,1H,Ar−H),7.35(s,1H,Ar−H),6.90(d,1H,NH,J=7.8Hz),5.73(d,1H,H−1′,J=6.5Hz),5.62(t,1H,OH,J=4.2Hz),5.27−5.23(m,2H,OH),4.27(はっきりしたdd,1H,J=13.4,J=7.6Hz),4.11−3.99(m,2H),3.97(br,s,1H),3.72−3.61(m,2H,H−5′),1.18(d,6H,CH(CH3、J=6.6Hz)。
元素分析値:C15H19N3O4Cl2・1.00H2Oとして計算された理論値:C,45.70;H,5.37;N,10.66。
実測値:C,45.75;H,4.98;N,10.50。
実施例62−(シクロペンチルアミン)−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール シクロペンチルアミノ(5mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.6g、1.1mmol)を無水エタノール(10mL)と混合し、70℃で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:9のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製して白色固体(0.27g、0.68mmol、59%)を得た;融点140℃;[a]20D=(−)24.0(c=0.5DMF);UV lmax(e):pH7.0:305nm(12,700),276(2,400),260(10,600),245(7,400);0.1N NaOH:305nm(12,600),276(2,200),260(9,900),247(7,300);MS(CI):m/z(相対強度)402(100,M+1);1H NMR(DMSO−d6)d7.60(s,1H,Ar−H),7.36(s,1H,Ar−H),6.91(d,1H,NH,J=6.8Hz),5.74(d,1H,H−1′,J=7.6Hz),5.61(t,1H,OH,J=4.2Hz),5.26(d,1H,OH,J=8.1Hz),5.23(d,1H,OH,J=5.5Hz),4.30−4.14(m,2H,NHCH,H−2′),4.05(はっきりしたt,1H,H−3′,J=4.9Hz),3.96(br.s,1H,H−4′),3.72−3.59(m,2H,H−5′),1.19(br,s,2H,CH2),1.66(br.s,2H,CH2),1.52(br.s,4H,CH2)。
元素分析値:C17H21N3O4Cl2・0.20H2Oとして計算された理論値:C,50.31;H,5.31N,10.38。
実測値:C,50.13;H,5.31;N,10.05。
実施例72−(ベンジルアミノ)−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール ベンジルアミン(10mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(1.0g、1.9mmol)を無水エタノール(20mL)と混合し、70℃で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:9のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製した。粗生成物はベンジルアミンを含有していた。この物質をさらに、3:7のアセトン:ヘキサンを用いて第2のシリカゲルカラム(2.5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製して、少量の不純物を含む生成物を得た。第2のシリカゲルカラムと同じ第3のシリカゲルカラムを最終の精製に用いて、オフホワイト色の固体(0.26g、0.62mmol、32%)を得た;融点123℃;[a]20D=(−)4.6(c=0.5DMF);UV lmax(e):pH7.0:304nm(10,600),276(1,800),260(9,600);0.1N NaOH:305nm(10,500),276(1,500),260(8,500);MS(CI):m/z(相対強度)424(100,M+1);1H NMR(DMSO−d6)d7.78(t,1H,J=5.9Hz,NH),7.68(s,1H,Ar−H),7.34(s,1H,Ar−H),7.34−7.18(m,5H,Ar−H),5.80(d,1H,H−1′,J=7.6Hz),5.67(t,1H,OH,J=4.1Hz),5.32(d,1H,OH,J7.6Hz),5.25(d,1H,OH,J=4.6Hz),4.55(d,2H,PhCH2,J=5.7Hz),4.34(はっきりしたdd,1H,H−2′,J=13.1Hz,J=7.4Hz),4.08(はっきりしたt,1H,H−3′,J=3.8Hz),4.00(br.s,1H,H−4′),3.73−3.61(m,2H,H−5′)。
元素分析値:C19H19N3O4Cl2・0.10H2Oとして計算された理論値:C,53.56;H,4.54;N,9.86。
実測値:C,53.23;H,4.62;N,9.71。
実施例82−アゼチジノ−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール アゼチジン(1g)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.6g、1.1mmol)を無水エタノール(10mL)と混合し、75℃で72時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:20のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製してオフホワイト色の固体(0.35g、0.93mmol、82%)を得た;融点244〜245℃;[a]20D=(−)69.6(c=0.5DMF);UV lmax(e):pH7.0:305nm(9,900),275(1,500),260(9,800);0.1N NaOH:305nm(9,800),276(1,600),260(7,800);MS(CI):m/z(相対強度)376(100,M+1);1H NMR(DMSO−d6)d8.60(s,1H,Ar−H),7.49(s,1H,Ar−H),5.43(d,1H,H−1′,J=7.6Hz),5.33(d,1H,OH,J=6.6Hz),5.26(t,1H,OH,J=4.7Hz),5.13(d,1H,OH,J=4.7Hz),4.35(はっきりしたdd,1H,H−2′,J=12.6Hz,J=6.0Hz),4.17(t,4H,CH2,J=7.6Hz),4.07(はっきりしたt,1H,H−3′,J=6.1Hz),3.88(d,1H,H−4′,J=2.4Hz),3.64(br.s,2H,H−5′),2.39−2.29(m,2H,CH2)。
元素分析値:C15H17N3O4Cl2として計算された理論値:C,48.14;H,4.58;N,11.23。
実測値:C,48.00;H,4.59;N,11.15。
実施例95,6−ジクロロ−2−(プロパルギルアミノ)−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール プロパルギルアミン(4mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.6g、1.1mmol)を無水エタノール(10mL)と混合し、70℃で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:20のエタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製して、0.18gの粗生成物を得た。この物質をさらに、1:9のメタノール:ジクロロメタンを用いて2mmローターを備えたクロマトトロンで精製して淡黄色固体(0.135g、0.36mmol、32%)を得た;融点182〜184℃;[a]20D=(−)9.2(c=0.5DMF);UV lmax(e):pH7.0:300nm(8,900),272(1,700),258(8,300);0.1N NaOH:301nm(8,700),272(1,800),259(7,500);MS(CI):m/z(相対強度)372(100,M+1);1H NMR(DMSO−d6)d7.73(s,1H,Ar−H),7.58(t,1H,J=5.5Hz,NH),7.43(s,1H,Ar−H),5.75(d,1H,H−1′,J=5.0Hz),5.66(t,1H,OH,J=4.3Hz),5.29(d,1H,OH,J=7.6Hz),5.24(d,1H,OH,J=4.2Hz),4.28(はっきりしたdd,1H,H−2′,J=13.2Hz,J=7.4Hz),4.11−4.04(m,3H,H−3′,CH2),3.97(br.s,1H,H−4′),3.73−3.61(m,2H,H−5′),3.10(s,1H,CH)。
元素分析値:C15H15N3O4Cl2・0.75H2Oとして計算された理論値:C,46.71;H,4.31;N,10.89。
実測値:C,46.52;H,4.23;N,10.72。
実施例105,6−ジクロロ−2−(n−プロピルアミノ)−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール n−プロピルアミン(7mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.6g、1.1mmol)を無水エタノール(10mL)と混合し、70℃で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:9のエタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製して、オフホワイト色の固体(0.36g、0.96mmol、84%)を得た;融点231〜233℃;[a]20D=(−)23.6(c=0.5DMF);UV lmax(e):pH7.0:305nm(9.900),275(1,500),260(9,800);0.1N NaOH:305nm(9,800),275(1,500),260(9,800);0.1N NaOH:305nm(9,800),276(1,600),260(7,800);MS(CI):m/z(相対強度)376(100,M+1);1H NMR(DMSO−d6)d7.60(s,1H,Ar−H),7.35(s,1H,Ar−H),7.15(t,1H,J=5.4Hz,NH),5.74(d,1H,H−1′,J=7.6Hz),5.66(t,1H,OH,J=4.0Hz),5.28(d,1H,OH,J=7.6Hz),5.24(d,1H,OH,J=4.2Hz),4.34−4.25(m,1H,H−2′),4.06(はっきりしたt,1H,H−3′,J=4.7Hz),4.00(br.s,1H,H−4′),3.72−3.61(m,2H,H−5′),3.31−3.24(m,2H,NH2CH2),1.57(q,2H,J=7.3Hz,CH2),0.88(t,3H,J=7.5Hz,CH3)。
元素分析値:C15H19N3O4Cl2・0.25H2Oとして計算された理論値:C,47.32;H,5.16;N,11.04。
実測値:C,47.43;H,5.20;N,10.74。
実施例115,6−ジクロロ−2−(イソブチルアミノ)−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール イソブチルアミン(10mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.6g、1.1mmol)を無水エタノール(50mL)と混合し、75℃で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:20のメタノール:ジクロロメタン(500mL)、次いで1:9のメタノール:ジクロロメタンを用い、シリカゲルカラム(2.5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製して、黄褐色の固体(0.39g、1.0mmol、90%)を得た;融点136℃;[a]20D=(−)28.4(c=0.5DMF)。
元素分析値:C16H21N3O4Cl2として計算された理論値:C,48.13;H,5.55;N,10.52。
実測値:C,48.08;H,5.57;N,10.41。
実施例122−((5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)アミノ)エタノール エタノールアミン(25mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.62g、1.2mmol)を無水エタノール(50mL)と混合し、80℃で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:20のメタノール:ジクロロメタン(500mL)、次いで1:9のメタノール:ジクロロメタンを用い、シリカゲルカラム(2.5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製した。粗生成物が得られ、これを1:1のアセトン:ジクロロメタン、次いで1:2のエタノール:ジクロロメタンを用いて、シリカゲルフィルターパッドでさらに精製した。1:6のエタノール:酢酸エチルを用い、2mmローターを備えたクロマトトロンでさらに精製して純粋な生成物(0.064g、0.17mmol、14%)を得た;[a]20D=(−)14.2(c=0.5DMF)。
元素分析値:C14H17N3O5Cl2・0.50H2Oとして計算された理論値:C,43.43;H,4.69;N,10.85。実測値:C,43.74;H,5.02;N,10.53。
実施例135,6−ジクロロ−2−((1−エチルプロピル)アミノ)−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール 1−エチルプロピルアミン(5mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.6g、1.1mmol)を無水エタノール(20mL)と混合し、80℃で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:15のメタノール:ジクロロメタン(500mL)、次いで1:9のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製して、少量の不純物を含む生成物(0.31g)を得た。この物質を1:2のアセトン:ジクロロメタンを用い、2mmローターを備えたクロマトトロンでさらに精製して白色固体(0.24g、0.59mmol、52%)を得た;[a]20D=(−)39.4(c=0.5DMF)。
元素分析値:C17H23N3O4Cl2として計算された理論値:C,50.50;H,5.73;N,10.39。
実測値:C,50.44;H,5.88;N,10.14。
実施例142−(シクロヘキシルアミノ)−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール シクロヘキシルアミン(5mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.6g、1.1mmol)を無水エタノール(20mL)と混合し、80℃で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:15のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製して、少量の不純物を含む生成物(0.38g)を得た。この物質を1:2のアセトン:ジクロロメタンを用い、2mmローターを備えたクロマトトロンでさらに精製して、0.25gの少し不純な物質の他に、純粋な生成物を白色固体(0.059g、0.14mmol、12%)として得た;[a]20D=(−)24.0(c=0.5DMF)。
元素分析値:C18H23N3O4Cl2・0.30H2Oとして計算された理論値:C,51.27;H,5.64;N,9.96。
実測値:C,51.18;H,5.68;N,9.88。
実施例152−アニリノ−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール アニリン(5mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.6g、1.1mmol)を無水エタノール(35mL)と混合し、80℃で14日間撹拌した。反応混合物を濃縮し、アニリンを高真空下、80℃で留去した。褐色の残留物をメタノール(50mL)に溶解し、K2CO3を加えた。この溶液を18時間撹拌した。溶液を濾過、濃縮し、1:15のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製して白色固体(0.024g、0.06mmol、5%)を得た;MS(AP+):m/z(相対強度)410(19.39,M+1);1H NMR(DMSO−d6)d9.09(s,1H,NH),7.83(s,2H,Ar−H),7.78(d,1H,,Ar−H,J7.9Hz),7.58(s,2H,Ar−H),7.31(t,2H,Ar−H,J=7.9Hz),6.99(t,1H,Ar−H,J=7.5Hz),5.95(d,1H,H−1′,J=7.8Hz),5.86(t,1H,OH,J=4.4Hz),5.38(d,1H,OH,J=7.6Hz),5.30(d,1H,OH,J=4.2Hz),4.33(はっきりしたdd,1H,H−4′,J=13.4Hz,J=7.8Hz),4.11(はっきりしたt,1H,H−2′,J=4.8Hz),4.05(s,1H,H−4′),3.79−3.71(m,2H,H−5′)。
実施例165,6−ジクロロ−2−(n−ペンチルアミノ)−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール n−ペンチルアミン(5mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.6g、1.1mmol)を無水エタノール(10mL)と混合し、80℃で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:15のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製して、いくらかの不純物を含む生成物0.55gを得た。この物質を1:20のメタノール:ジクロロメタンを用いて第2のシリカゲルカラム(2.5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製して、オフホワイト色の固体(0.40g、0.99mmol、87%)を得た;融点102〜103;[a]20D=(−)22.0(c=0.5DMF)。
元素分析値:C17H23N3O4Cl2として計算された理論値:C,50.50;H,5.73;N,10.40。
実測値:50.25;H,5.85;N,10.26。
実施例172−((5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)アミノ)アセトニトリル アミノアセトニトリル塩酸塩(1.2g、13mmol)、トリエチルアミン(5mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.6g、1.1mmol)を無水エタノール(40mL)と混合し、80℃で3日間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を酢酸エチル(150mL)で希釈し、10%炭酸水素ナトリウム(25mL)、次いで水(2×25mL)で抽出した。酢酸エチル層を乾燥し(Na2SO4)、デカントし、濃縮して褐色油状物(0.67g)を得、1:15のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製した。カラムから得た2種類の主な生成物は2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(5−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.32g)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.14g)であった。Rfのより低い物質(0.19g)を単離し、1:20のメタノール:ジクロロメタンを用いて2mmローターを備えたクロマトトロンでさらに精製してオフホワイト色の固体(0.024g、0.06mmol、5%)を得た;MS(AP−):m/z(相対強度)317(80,M−2);1H NMR(DMSO−d6)d7.87(t,1H,NH,J=5.9Hz),7.83(s,1H,Ar−H),7.52(s,1H,Ar−H),5.74(d,1H,H−1′,J=7.6Hz),5.68(t,1H,OH,J=4.1Hz),5.32(d,1H,OH,J=7.1Hz),5.23(d,1H,OH,J=4.2Hz),4.37(d,2H,CH2CN,J=5.3Hz),4.28(はっきりしたdd,1H,H−4′,J=13.0Hz,J=7.2Hz),4.07(はっきりしたt,1H,H−3′,J=3.5Hz),3.98(s,1H,H−3′),3.73−3.63(m,2H,H−5′)。
元素分析値:C14H14N4O4Cl2・0.30CH4O・0.15CH2Cl2として計算された理論値:C,43.88;H,3.95;N,14.16。
実測値:43.81;H,3.90;N,14.21。
実施例182−(n−ブチルアミノ)−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール n−ブチルアミン(5mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.6g、1.1mmol)を無水エタノール(10mL)と混合し、80℃で18時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:9のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×18cm、230〜400メッシュ)で精製した。粗生成物が得られた(0.73g)。これを1:20のアセトン:ジクロロメタンを用いて2mmローターを備えたクロマトトロンでさらに精製してオフホワイト色の固体(0.20g、0.51mmol、45%)を得た;融点220〜222℃;[a]20D=(−)17.2(c=0.5DMF)。
元素分析値:C16H21N3O4Cl2・1/10H2O・1/2C3H6Oとして計算された理論値:C,49.91;H,5.79;N,9.98。
実測値:49.75;H,5.90;N,10.16。
実施例192−(sec−ブチルアミノ)−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール sec−ブチルアミン(3mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.6g、1.1mmol)を無水エタノール(10mL)と混合し、80℃で18時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:20のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×18cm、230〜400メッシュ)で精製した。粗生成物が得られた(0.37g)。これを1:2のメタノール:ジクロロメタンを用いて2mmローターを備えたクロマトトロンでさらに精製してジアステレオマーの混合物であるオフホワイト色の固体(0.21g、0.55mmol、48%)を得た;融点121〜122℃;[a]20D=(−)23.8(c=0.5DMF)。
元素分析値:C16H21N3O4Cl2・7/10H2Oとして計算された理論値:C,47.70;H,5.60;N,10.43。
実測値:47.76;H,5.51;N,10.16。
実施例202−(シクロブチルアミノ)−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール シクロブチルアミン(3mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.6g、1.1mmol)を無水エタノール(10mL)と混合し、80℃で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、2:1の酢酸エチル:ヘキサンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×18cm、230〜400メッシュ)で精製した。粗生成物が得られた(0.42g)。これを1:20のメタノール:ジクロロメタンを用いて2mmローターを備えたクロマトトロンに何回も循環させてさらに精製して白色固体(0.26g、0.67mmol、59%)を得た;融点220〜221℃;[a]20D=(−)22.4(c=0.5DMF)。
元素分析値:C16H19N3O4Cl2として計算された理論値:C,49.50;H,4.93;N,10.82。
実測値:49.22;H,4.90;N,10.61。
実施例212−(シクロヘプチルアミノ)−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール シクロヘプチルアミン(2mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.4g、1.0mmol)を無水エタノール(10mL)と混合し、80℃で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:20:20のメタノール:酢酸エチル:ヘキサンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×18cm、230〜400メッシュ)で精製してオフホワイト色の固体(0.13g、0.3mmol、30%)を得た;融点137〜138℃;[a]20D=(−)21.6(c=0.5DMF)。
元素分析値:C16H19N3O4Cl2・11/10H2Oとして計算された理論値:C,50.70;H,6.09;N,9.33。
実測値:50.91;H,5.91;N,9.13。
実施例225,6−ジクロロ−2−((2−1−ピロリジニル)エチル)アミノ)−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール 1−(2−アミノエチル)ピロリジン(1.9mL、13.5mmol)、トリエチルアミン(2mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.6g、1.1mmol)を無水エタノール(10mL)と混合し、80℃で18時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:20のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×18cm、230〜400メッシュ)で精製した。カラムから得られる主生成物を中和した脱イオン水に溶解し、ジクロロメタンに抽出して、オフホワイト色の固体(0.26g、0.6mmol、53%)を得た;融点123〜124℃;[a]20D=(−)20.4(c=0.5DMF)。
元素分析値:C18H24N4O4Cl2・3/2H2O・1/2C4H8O2として計算された理論値:C,47.82;H,6.22;N,11.15。
実測値:47.79;H,6.06;N,10.97。
実施例232−((シクロプロピルメチル)アミノ)−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール (アミノメチル)シクロプロパン塩酸塩(1.6g、15mmol)、トリエチルアミン(2mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.55g、1.05mmol)を無水エタノール(10mL)と混合し、80℃で6時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:20のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×18cm、230〜400メッシュ)で精製した。カラムから得られる主生成物を1:10:10のメタノール:酢酸エチル:ヘキサンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×18cm、230〜400メッシュ)で精製してオフホワイト色の固体(0.30g、0.77mmol、74%)を得た;融点229〜230℃;[a]20D=(−)24.8(c=0.5DMF)。
元素分析値:C16H19N3O4Cl2として計算された理論値:C,49.50;H,4.93;N,10.83。
実測値:49.30;H,5.02;N,10.66。
実施例242−(t−ブチルアミノ)−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール 2−(t−ブチルアミノ)−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(2.0g、3.9mmol)のメタノール(40mL)およびエタノール(40mL)中の溶液を、炭酸ナトリウム(0.61g、5.8mmol)の水(10ml)中の溶液と混合した。溶液を室温で5時間撹拌し、次にメタノールおよびエタノールを回転蒸発器で除去した。その後、溶液を酢酸エチル(150mL)と飽和NaCl(20mL)との間で抽出した。有機物質を濃縮し、1:20のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×14cm、230〜400メッシュ)で精製して白色固体(1.25g、3.2mmol、83%)を得た;融点118〜120℃;[a]20D=(−)30.2(c=0.5DMF)。
元素分析値:C16H21N3O4Cl2・2/5H2O・CH4Oとして計算された理論値:C,48.01;H,5.75;N,10.24。
実測値:48.20;H,5.73;N,10.05。
実施例252−(t−ブチルアミノ)−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール 無水1,2−ジクロロエタン(15mL)、2−(t−ブチルアミノ)−5,6−ジクロロベンゾイミダゾール(1.5g、5.84mmol)およびN,O−ビストリメチルシリルアセトアミド(2.2mL、8.8mmol)を混合し、80℃で30分間撹拌した。トリメチルシリルトリフレート(1.1mL、5.84mmol)を加え、溶液を80℃で45分間撹拌した。固体の1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−β−L−リボフラノシド(L−TAR)(2.0g、6.42mmol)を加え、80℃で3時間撹拌を続けた。ここでさらにL−TARを加えた(0.5g、1.6mmol)。1時間後、反応を冷飽和炭酸水素ナトリウム(40mL)で急冷し、そしてジクロロメタン(2×150mL)で抽出した。まとめた有機物質を乾燥し(硫酸ナトリウム)、デカントし、濃縮して4.0gの金色の固体を得た。この物質を1:30のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製してオフホワイト色の固体(2.21g、4.3mmol、73%)を得た;[a]20D=(−)28.4(c=0.5DMF)。
元素分析値:C22H27N3O7Cl2・1CH4Oとして計算された理論値:C,50.37;H,5.70;N,7.66。
実測値:50.74;H,5.41;N,7.28。
実施例262−(t−ブチルアミノ)−5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール 4,5−ジクロロフェニレンジアミン(8.0g、45.2mmol)(アルドリッチ、ミルウォーキーWI)を、無水ピリジン(100mL)中のt−ブチルイソチオシアネート(6.3mL、49.7mmol)(アルドリッチ、ミルウォーキーWI)と混合した。溶液を窒素の下で、80℃にて1時間加熱した。1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド メト−p−トルエンスルホネート(24.9g、58.8mmol)(フルカ ケミカ)を無水ピリジン(90mL)と共に加えた。この溶液を90℃で2.5時間加熱した。ピリジンを回転蒸発器によって除去し、残留物を酢酸エチル(300μM)に溶解し、水(4×100mL)で抽出した。酢酸エチル層を脱色炭素で処理し、酢酸エチルを用いてシリカゲルフィルターパッド(4×8cm、230〜400メッシュ)に通して洗浄した。粗生成物を1:4の酢酸エチル:ヘキサンを用いてシリカゲルカラム(5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製した。粗フラクションを1:3の酢酸エチル:ヘキサンを用いる第2の同じカラムで再精製した。2つのカラムからの純粋なフラクションを一緒にして、黄褐色の固体(3.13g、12.1mmol、27%)を得た;融点219〜221℃;MS(API+):m/z(相対強度)258(100,M+1);1H NMR(DMSO−d6)d10.31(s,1H,NH),7.31(s,2H,Ar−H),6.61(s,1H,NH),1.38(s,9H,t−ブチル)。
元素分析値:C11H13N3Cl2として計算された理論値:C,51.18;H,5.08;N,16.28。
実測値:51.11;H,5.12;N,16.18。
実施例272−アミノ−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール 2−アミノ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(1.0g、2.2mmol)のメタノール(17mL)およびエタノール(17mL)中の溶液を、炭酸ナトリウム(0.25g、2.4mmol)の水(4mL)中の溶液と混合した。溶液を室温で64時間加熱し、メタノールおよびエタノールを回転蒸発器によって除去した。次に、溶液を酢酸エチル(2×100mL)と飽和NaCl(20mL)との間で抽出した。有機物質を濃縮し、1:10のメタノール:ジクロロメタンを用いるシリカゲルカラム(2.5cm×14cm、230〜400メッシュ)で精製して白色固体(4.1g、1.24mmol、57%)を得た;融点110〜112℃;[a]20D=(−)4.2(c=0.5DMF)。
元素分析値:C12H13N3O4Cl2・3/5H2O・2/5CH4Oとして計算された理論値:C,41.63;H,4.45;N,11.74。
実測値:41.47;H,4.27;N,11.58。
実施例282−アミノ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール 無水1,2−ジクロロエタン(100mL)、2−アミノ−5,6−ジクロロベンゾイミダゾール(10g、49.5mmol)(Horner and Henry J.Med.Chem.1968,11,946−949の方法によって合成)およびN,O−ビストリメチルシリルアセトアミド(18.3mL、74.2mmol)を混合し、80℃で30分間撹拌し、全ての固体を溶解した。トリメチルシリルトリフレート(9.3mL、48.3mmol)を加え、溶液を80℃で20分間撹拌した。固体の1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−β−L−リボフラノシド(L−TAR)(17.3g、54.4mmol)を3時間かけて4回で加え、同時に撹拌を80℃で続けた。最後の添加の45分後に、反応を冷飽和炭酸水素ナトリウム(100mL)で急冷し、そしてジクロロメタン(200mL)で抽出した。まとめた有機物質を乾燥し(硫酸ナトリウム)、デカントし、濃縮して24.8gの粘稠な赤色油状物を得た。この物質を1:40のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(5×20cm、230〜400メッシュ)で精製した。NMRから、トリメチルシリル基を含むカラムからの高rF生成物であることが分かった。これらのフラクションをTHF中の弗化テトラブチルアンモニウムと24時間反応させ、1:10のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルフィルターパッドに通して濾過した。全ての生成物を含有するフラクションをまとめ、1:1のアセトン:ジクロロメタンを用いるシリカゲルカラム(5×14cm、230〜400メッシュ)で精製してオフホワイト色の固体(3.4g、7.4mmol、15%)を得た;[a]20D=(−)48.0(c=0.5DMF)。
元素分析値:C18H19N3O7Cl2・1/4CH2Cl2・1/2C3H6Oとして計算された理論値:C,46.46;H,4.44;N,8.23。
実測値:46.59;H,4.35;N,8.07。
実施例295,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−2−((2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)−1H−ベンゾイミダゾール テトラエチルアミン(2mL)、2,2,2−トリフルオロエチルアミン(2mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.4g、1.0mmol)をDMSO(10mL)と混合し、80℃で17日間、密閉管内で撹拌した。反応混合物を水(30mL)とジクロロメタン(3×100mL)との間で抽出した。有機物質を濃縮し、1:4のアセトン:ジクロロメタン、次に1:15のメタノール:ジクロロメタンを用いる2mmローターを備えたクロマトトロンに何回も循環させることによって精製してオフホワイト色の固体(0.02g、0.05mmol、5%)を得た;MS(API+):m/z(相対強度)416(100,M+)。
元素分析値:C14H14N3O4FCl2・1/2H2O・4/5CH4Oとして計算された理論値:C,39.42;H,4.13;N,9.25。
実測値:39.34;H,3.95;N,9.08。
実施例305,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール 5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.43g、0.96mmol)のメタノール(10mL)およびエタノール(10mL)中の溶液を、炭酸ナトリウム(0.15g、1.4mmol)の水(2.5mL)中の溶液と混合した。溶液を室温で24時間撹拌し、次にメタノールおよびエタノールを回転蒸発器で除去した。その後、溶液を酢酸エチル(4×100mL)と飽和NaCl(20mL)との間で抽出した。有機物質を濃縮して、分析的に純粋な白色固体(0.27g、0.85mmol、88%)を得た;融点209〜210℃;[a]20D=(+)63(c=0.5DMF)。
元素分析値:C12H12N2O4Cl2・2/5H2O・1/10C4H8O2として計算された理論値:C,44.44;H,4.09;N,8.36。
実測値:44.49;H,3.91;N,8.14。
実施例315,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール 無水アセトニトリル(20mL)、5,6−ジクロロベンゾイミダゾール(EMS−ドチコン社)(0.59g、3.1mmol)およびN,O−ビストリメチルシリルアセトアミド(0.77mL、3.1mmol)を混合し、80℃で30分間撹拌し、全ての固体を溶解した。トリメチルシリルトリフレート(0.75mL、3.9mmol)を加え、溶液を室温で15分間撹拌した。この間に、大量の固体が形成された。固体の1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−β−L−リボフラノシド(L−TAR)(1.0g、3.1mmol)を加え、次に溶液を80℃に温めた。全ての固体は溶解した。1.5時間後に、反応混合物を冷飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)で急冷し、そしてジクロロメタン(100mL)で抽出した。有機物質を乾燥し(硫酸ナトリウム)、デカントし、濃縮して1.7gの黄色油状物を得た。この物質を1:40のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×18cm、230〜400メッシュ)で精製して1.37gのある程度純粋な生成物を得た。2:3ヘキサン:酢酸エチルを用いる第2のシリカゲルカラム(2.5cm×16cm、230〜400メッシュ)で純粋な生成物を白色固体(0.8g、1.78mmol、57%)として得た;[a]20D=(−)46.8(c=0.5DMF)。
元素分析値:C18H18N2O7Cl2として計算された理論値:C,48.56;H,4.07;N,6.29。
実測値:48.45;H,4.11;N,6.19。
実施例322−アセトアミド−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール 2−アセトアミド−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.35g、0.75mmol)のメタノール(8mL)およびエタノール(8mL)中の溶液を、炭酸ナトリウム(0.12g、1.1mmol)の水(2mL)中の溶液と混合した。溶液を室温で24時間撹拌し、次にメタノールおよびエタノールを回転蒸発器で除去した。その後、溶液を酢酸エチル(2×150mL)と飽和NaCl(20mL)との間で抽出した。有機物質を濃縮し、1:10のメタノール:ジクロロメタンを用いる2mmローターを備えたクロマトトロンに何回も循環させることによって精製して白色固体(0.067g、0.18mmol、23%)を得た;この物質を1H NMR、MSおよびHPLCにより確認したところ、1H NMRにより約7%の2−アミノ−5,6−ジクロロ−β−L−リボフラノシル−1H−ベンゾイミダゾールを含んでいた。HPLCから2種類の少量(〜5%)の不純物を含むことが分かった。
実施例335,6−ジクロロ−2−(メチルアミノ)−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール メチルアミン塩酸塩(3.0g、45mmol)、トリエチルアミン(3mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.6g、1.1mmol)を無水エタノール(25mL)と混合し、80℃で24時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(50mL)と酢酸エチル(150mL)との間で分離させた。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、シリカゲル(15g)に吸収させた。この物質を1:10のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(5cm×10cm、230〜400メッシュ)に乾燥負荷させた。主生成物がカラムから白色固体(0.22g、0.62mmol、54%)として得られた;融点238〜240℃;[a]20D=(−)15.2(c=0.5DMF)。
元素分析値:C13H15N3O4Cl2・1/2CH4Oとして計算された理論値:C,44.52;H,4.70;N,11.54。
実測値:44.43;H,4.58;N,11.36。
実施例345,6−ジクロロ−2−(エチルアミノ)−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール エチルアミン塩酸塩(3.7g、46mmol)、トリエチルアミン(7mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.60g、1.1mmol)を無水エタノール(20mL)と混合し、80℃で24時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(2×50mL)と酢酸エチル(200mL)との間で分離させた。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、1:20のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×18cm、230〜400メッシュ)で精製した。カラムからの主生成物は白色固体(0.30g、0.96mmol、87%)であった;融点155〜157℃;[a]20D=(−)20.6(c=0.5DMF)。
元素分析値:C14H17N3O4Cl2・1/2H2Oとして計算された理論値:C,45.30;H,4.89;N,11.32。
実測値:45.44;H,4.78;N,11.18。
実施例352−シクロプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−1−(α−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール シクロプロピルアミン(10mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−α−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.60g、1.1mmol)(β−アノマーの合成から少量の生成物として得られる、実施例1参照)を無水エタノール(50mL)と混合し、80℃で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:9のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×16cm、230〜400メッシュ)で精製して0.25gの粗生成物を得た。この物質を1:15のメタノール:ジクロロメタンを用いる1mmシリカゲルローターを備えたクロマトトロンに何回も循環させることによってさらに精製して白色固体(0.060g、0.14mmol、14%)を得た;融点140〜141℃;[a]20D=(−)51.8(c=0.5DMF);UV lmax(e):pH7.0:303nm(10,600),274(1,700);0.1N NaOH:304nm(10,800),275(2,400);MS(CI):m/z(相対強度)374(29.7,M+1);1H NMR(DMSO−d6)d7.48(s,1H,Ar−H),7.38(s,1H,Ar−H),7.08(br.s,1H,NH),5.86(d,1H,H−1′,J=3.4Hz),5.50(d,1H,OH,J=4.5Hz),5.22(d,1H,OH,J=7.1Hz),4.84(t,1H,OH,J=5.7Hz),4.15(dd,1H,H−2′,J=7.9Hz,J=4Hz),4.10(dd,1H,H−3′,J=7.3Hz,J=4.5Hz),4.05−4.01(m,1H,H−4′),3.66−3.61(m,1H,H−5′),3.47−3.41(m,1H,H−5″),2.74−2.71(dd,1H,シクロプロピル−CH,J=6.7Hz,J=3.3Hz),0.69(d,2H,J=6.9Hz,シクロプロピル−CH2),0.51−0.45(m,2H,シクロプロピル−CH2)。
元素分析値:C15H17N3O4Cl2・0.60CH4O・0.2CH2Cl2として計算された理論値:C,46.24;H,4.86;N,10.24。
実測値:C,46.13;H,4.83;N,10.28。
実施例365,6−ジクロロ−2−(イソプロピルアミノ)−1−(α−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール イソプロピルアミン(10mL)および2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−α−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.60g、1.14mmol)(β−アノマーの合成から少量の生成物として得られる)を無水エタノール(10mL)と混合し、80℃で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1:15のメタノール:ジクロロメタンを用いてシリカゲルカラム(2.5cm×18cm、230〜400メッシュ)で精製して0.39gの粗生成物を得た。この物質を1:2のアセトン:ジクロロメタンを用いる1mmシリカゲルローターを備えたクロマトトロンでさらに精製して白色固体(0.29g、0.78mmol、68%)を得た;融点131〜133℃;[a]20D=(−)41.4(c=0.5DMF);UV lmax(e):pH7.0:304nm(11,000),276(2,000);0.1N NaOH:306nm(11,500),277(2,500);MS(CI):m/z(相対強度)376(34.8,M+1);1H NMR(DMSO−d6)d7.46(s,1H,Ar−H),7.31(s,1H,Ar−H),6.63(d,1H,NH,J=7.4Hz),5.94(d,1H,H−1′,J=3.4Hz),5.53(d,1H,OH,J=4.4Hz),5.22(d,1H,OH,J=7.1Hz),4.86(t,1H,OH,J=5.7Hz),4.15(dd,1H,H−2′,J=7.7Hz,J=4.0Hz),4.10(dd,1H,H−3′,J=7.3Hz,J=4.3Hz),4.05−3.94(m,2H,イソプロピルCH,H−4′),3.69−3.63(m,1H,H−5′),3.49−3.41(m,1H,H−5″),1.19(d,3H,J=6.5Hz,シクロプロピル−CH3),1.18(m,3H,0イソプロピル−CH3)。
元素分析値:C15H17N3O4Cl2・0.4CH2Cl2として計算された理論値:C,45.09;H,4.86;N,10.24。
実測値:C,45.10;H,4.97;N,10.00。
実施例375,6−ジクロロ−2−((2−フルオロ−1−メチルエチルアミノ)−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール 炭酸ナトリウム(0.032g、0.30mmol)および5,6−ジクロロ−2−(2−フルオロイソプロピルアミノ)−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.10g、0.20mmol)を水(1mL)、メタノール(2.5mL)およびエタノール(2.5mL)と混合し、室温で3時間撹拌した。溶液を濃縮してほとんどのメタノールおよびエタノールを除去し、そして酢酸エチル(75mL)と混合した。この溶液を飽和NaCl(2×5mL)で抽出した。有機物質を乾燥し(Na2SO4)、デカントし、そして濃縮した。残留物を1:10のメタノール:CH2Cl2を用いる1mmローターを備えたクロマトトロンで精製して白色固体(0.066g、0.17mmol、84%)を得た;[a]20D=(−)24.8(c=0.5DMF);MS(AP+):m/z(相対強度)394(98,M+);1H NMR(DMSO−d6)d7.64(s,1H,Ar−H),7.37(s,1H,Ar−H),7.13(d,0.5H,NH,J=7.9Hz),7.07(d,0.5H,NH,J=7.6Hz),5.76(d,1H,J=7.9Hz,H−1′),5.69(m,1H,OH),5.31−5.23(m,2H,OH),4.51−4.45(m,1H,CH2F),4.35−4.32(m,1H,CH2F),4.29−4.17(m,2H,H−2′およびH−3′),4.06−3.97(m,1H,NHCH),3.97(br.s,1H,H−4′),3.70−3.31(m,2H,H−5′),1.22−1.18(m,3H,CH(CH3))。
元素分析値:C15H18N3O4Cl2F・0.40H2Oとして計算された理論値:C,44.88;H,4.72;N,10.47。
実測値:C,44.98;H,4.76;N,10.46。
実施例385,6−ジクロロ−2−((2−フルオロ−1−メチルエチルアミノ)−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール フルオロアセトン(5g)および5,6−ジクロロ−2−アミノ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.38g、0.82mmol)をトシル酸(0.050g、0.26mmol)と混合し、ディーンスタークトラップを取り付けたフラスコ内で還流撹拌した。4時間後、シアノ硼水素化ナトリウム(0.16g、2.4mmol)を加え、還流を6時間続けた。溶液を酢酸エチル(200mL)で希釈し、飽和NaCl(2×50mL)および水(50mL)で洗浄した。有機物質を乾燥し(NaSO4)、デカントし、そして濃縮した。粗生成物を1:25のメタノール:CH2Cl2を用いてシリカゲルカラム(230〜400メッシュ、2.5cm×18cm、)で精製して0.19gの粗生成物を得た。この物質を1:1の酢酸エチル:ヘキサンを用いるクロマトトロン(2mmローター)で精製して淡黄色固体(0.10g、0.20mmol、24%)を得た;MS(API+):m/z(相対強度)520(62.63,M+);1H NMR(DMSO−d6)d7.66(s,1H,Ar−H),7.51(s,1H,Ar−H),7.30(d,1H,NH,J=7.6Hz),6.25(d,1H,H−1′,J=7.5Hz),5.31−5.23(m,1H,H−2′),5.48−5.44(m,1H,H−3′),4.63−4.26(m,6H,CH2F,CH,H−4′および5′),2.21(s,3H,OAc),2.19(s,3H,OAc),2.02(s,3H,OAc),1.24(d,3H,CH(CH3),J=7.5Hz)。元素分析値:C21H24N3O7Cl2Fとして計算された理論値:C,48,47;H,4.65;N,8.08。
実測値:C,48.60;H,4.73;N,7.94。
実施例395,6−ジクロロ−2−(イソプロピルアミノ)−1H−ベンゾイミダゾール 5,6−ジクロロ−1,2−フェニレンジアミン(0.61g、3.4mmol)およびイソプロピルイソチオシアネート(0.39g、3.8mmol)を無水ピリジン(10mL)中で混合し、80℃で15分間撹拌した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.06g、5.14mmol)を次に加え、得られた混合物を100℃で5時間撹拌した。トルエン(30mL)を加え、混合物を回転蒸発器で濃縮すると、褐色の残留物が得られた。生成物を6.5:3:0.5の酢酸エチル/ヘキサン/トリエチルアミンを用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製してゴム状固体を得た。これをアセトニトリルから再結晶して、0.46g(60%)の黄褐色固体を得た;融点218〜220℃。
元素分析値:C10H11Cl2N3として計算された理論値:C,49.20;H,4.54;N,17.21。
実測値:C,49.31;H,4.59;N,17.33。
一般的手順I:1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド メト−p−トルエンスルホネートを脱硫剤として用いる2−(アルキルアミノ)−1H−ベンゾイミダゾールの合成 適当な1,2−フェニレンジアミンを、適当なイソチオシアネート(1.0〜1.25mmol/ジアミンのmmol)および無水ピリジン(3〜5mL/ジアミンのmmol)と混合する。得られた混合物を80℃で30分間加熱し、次に1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド メト−p−トルエンスルホネート(1.1〜1.35mmol/ジアミンのmmol)を固体として1回で加える。得られた混合物を80〜90℃で3〜20時間撹拌し、その後、室温に冷却する。あとの手順は、生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって、あるいはアセトニトリルまたは1,4−ジオキサンからの再結晶によって精製する以外は、上記と同じである。
5,6−ジクロロ−2−(イソプロピルアミノ)−1H−ベンゾイミダゾール 5,6−ジクロロ−1,2−フェニレンジアミン(200.0g、1.13mmol)、イソプロピルイソチオシアネート(122.0g、1.21mol)、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド メト−p−トルエンスルホネート(622.0g、1.47mol)およびピリジン(4L)を一般的手順Iに従って用いた。生成物をアセトニトリルから再結晶して184g(67%)の褐色固体を得た。分析データは上記のものと一致した。
2−(シクロプロピルアミノ)−5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール 4,5−ジクロロ−1,2−フェニレンジアミン(6.04g、34.1mmol)、シクロプロピルイソチオシアネート(3.69g、37.2mol)、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド メト−p−トルエンスルホネート(20.1g、47.4mol)およびピリジン(135mL)を一般的手順Iに従って用いた。生成物をアセトニトリルから再結晶して5.82g(70%)の黄色固体を得た;融点223〜225℃。
元素分析値:C10H9Cl2N3として計算された理論値:C,49.61;H,3.75;N,17.36。
実測値:C,49.53;H,3.78;N,17.12。
一般的順的II:2−(アルキルアミノ)−1H−ベンゾイミダゾールと1,2,3,5−トリ−O−アセチル−L−リボフラノースとのカップリング 適当な2−(アルキルアミノ)−1H−ベンゾイミダゾールを、1,2−ジクロロエタン(2〜3mL/ベンゾイミダゾールのmmol)およびN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(1〜1.25mmol/ベンゾイミダゾールのmmol)と混合し、得られた混合物を80に30分間化加熱した。トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(0.5〜0.7mmol/ベンゾイミダゾールのmmol)を加え、混合物を80℃でさらに15分間撹拌し、その後、1,2,3,5−テトラ−O−アセチル−L−リボフラノース(1〜1,25mmol/ベンゾイミダゾールのmmol)を固体として1回で加えた。得られた混合物を80℃で2〜20時間撹拌し、その後、室温に冷却した。5%水性炭酸水素ナトリウム(10mL/ベンゾイミダゾールのmmol)およびジクロロメタン(3〜5mL/ベンゾイミダゾールのmmol)で希釈し、2相混合物を室温で30分間撹拌した。有機層を集め、水性層を追加のジクロロメタン(3〜5mL/ベンゾイミダゾールのmmol)で逆抽出し、まとめた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、回転蒸発器を用いて溶媒を除去した。生成物はシリカゲルクロマトグラフィーによってさらに精製した。
5,6−ジクロロ−2−(イソプロピルアミノ)−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール 5,6−ジクロロ−2−(イソプロピルアミノ)−1H−ベンゾイミダゾール(25.0g、102mmol)、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(25.9mL、21.3g、105mmol、1.03eq.)、1,2−ジクロロエタン(300mL)、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(12.8mL、14.7g、66.2mmol、0.65eq.)および1−2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノース(34.1g、107mmol、1.05eq.)を、一般的手順IIに従って用いた。35:1のジクロロメタン/メタノールを用いてシリカゲルクロマトグラフィーを行ったところ、39.6g(77%)の黄色泡状物を得た。MS(CI):m/z501(M+1)。
一般的手順III:2−(アルキルアミノ)−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾールの脱保護 適当な2−(アルキルアミノ)−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾールをエタノール(4〜5mL/トリアセテートのmmol)に溶解した。別のフラスコに、炭酸ナトリウム(1.0〜1.3mmol/トリアセテートのmmol)、水(1〜2mL/トリアセテートのmmol)およびメタノール(3mL/トリアセテートのmmol)を入れた。炭酸ナトリウム懸濁液をトリアセテートのエタノール溶液に室温にて1回で加えた。得られた混合物を室温で18時間撹拌した。次に、混合物を酢酸エチル(25mL/トリアセテートのmmol)で希釈した。有機層を集め、飽和水性ブライン(100mL/トリアセテートのmmol)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒を回転蒸発器によって除去した。生成物はシリカゲルクロマトグラフィーによりさらに精製した。
5,6−ジクロロ−2−(イソプロピルアミノ)−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール 5,6−ジクロロ−2−(イソプロピルアミノ)−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール(7.50g、14.93mmol)、炭酸ナトリウム(1.72g、16.23mmol)、水(29mL)、メタノール(100mL)およびエタノール(100mL)を、一般的手順IIIに従って用いた。55:45のジクロロメタン/メタノールを用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、4.72g(84%)の白色泡状物を得た。分析データは指定構造と一致した。
実施例40ヒトサイトメザロウイルス(HCMV)分析 HCMV株AD169を96穴プレート内のヒト胚芽肺細胞(MRC5細胞)の単層上で成長させた。約0.01感染ウイルス粒子/細胞の比率での細胞感染後、試験化合物を各3組の6種類の濃度で選択した穴に加えた。化合物の細胞毒性を調べるために、非感染細胞の単層を含む穴にも同じ濃度の化合物を加えた。プレートを5日間インキュベートし、顕微鏡試験から細胞毒性は極めて少ないと評価した。抗ウイルス効果に対するIC50は、ガドラー法(Antimicrob.Agents Chemother,1983,24,370−374)に類似のブロッティングおよび定量的特異的DNAハイブリダイゼーションによる各穴のHCMV DNA測定から評価した。
実施例 HCMV MRC5tox IC50 CC50 実施例3 0.06−0.23μM 30μM 実施例4 0.91−2.5μM 100μM 実施例5 0.03−0.05μM 100μM 実施例10 1.1−1.3μM 100μM 実施例8 41μM 100μM 実施例12 3.5−5.8μM 100μM 実施例34 0.75−0.85μM 100μM 実施例41錠剤配合物 次の配合物AおよびBは、成分をポビドン溶液と共に湿式粒状化し、次にステアリン酸マグネシウムを加え、そして圧縮することによって製造した。
配合物A mg/錠剤 mg/錠剤(a) 有効成分 250 250 (b) ラクトースB.P. 210 26 (c) ポビドンB.P. 15 9 (d) ナトリウムデンプングリコレート 20 12 (e) ステアリン酸マグネシウム 5 3 500 300 配合物B mg/錠剤 mg/錠剤(a) 有効成分 250 250 (b) ラクトース 150 − (c) アビセル PH 101 60 26 (d) ポビドン B.P. 15 9 (e) ナトリウムデンプングリコレート 20 12 (f) ステアリン酸マグネシウム 5 3 500 300 配合物C mg/錠剤 有効成分 100 ラクトース 200 デンプン 50 ポビドン 5 ステアリン酸マグネシウム 359 次の配合物DおよびEは、混合成分の直接圧縮によって製造した。配合物Eに用いたラクトースは直接圧縮タイプ(デイリー クレストー“ゼパロックス”のものであった。
配合物D mg/錠剤 有効成分 250 予備ゼラチン化デンプン NF15 150 400 配合物E mg/錠剤 有効成分 250 ラクトース 150 アビセル 100 500 配合物F(調整放出配合物)
配合物は、成分(下記)をポビドン溶液と共に粒状化し、次にステアリン酸マグネシウムを加え、そして圧縮することによって製造した。
配合物 mg/錠剤(a) 有効成分 500 (b) ヒドロキシプロピルメチルセルロース 112 (メトセル K4M プリーミウム)
(c) ラクトース B.P. 53 (d) ポビドン B.P.C. 28 (e) ステアリン酸マグネシウム 7 700 実施例42カプセル配合物配合物A カプセル配合物は、上記実施例1の配合物Dの成分を混合し、2個構成ハードゼラチンカプセルに詰めることによって製造した。配合物B(下記)は同様に製造した。
配合物B mg/錠剤(a) 有効成分 250 (b) ラクトース B.P. 143 (c) ナトリウムデンプングリコレート 25 (d) ステアリン酸マグネシウム 2 420 配合物C mg/錠剤(a) 有効成分 250 (b) マクロゴール 4000 BP 350 600 カプセルは、マクロゴール 4000 BPを溶融し、有効成分を溶融物に分散し、そして溶融物を2個構成ハードゼラチンカプセルに詰めることによって製造した。
配合物D mg/錠剤 有効成分 250 レシチン 100 落花生油 100 450 カプセルは、有効成分をレシチンおよび落花生油に分散し、そして分散液を弾性ソフトゼラチンカプセルに詰めることによって製造した。
配合物E(調整放出カプセル)
次の調整放出カプセル配合物は、押し出し機を使用して成分a、bおよびcを押し出し、押し出し物を球状にし、そして乾燥することによって製造した。次に、乾燥ペレットを放出制御膜(d)で被覆し、そして2個構成ハードゼラチンカプセルに詰めた。
mg/錠剤(a) 有効成分 250 (b) マイクロクリスタリンセルロース 125 (c) ラクトース BP 125 (d) エチルセルロース 13 513 実施例43注射用配合物配合物A 有効成分 0.200g 塩酸溶液、0.1M 最終的にpH4.0〜7.0 水酸化ナトリウム溶液、0.1M 最終的にpH4.0〜7.0 殺菌水 最終的に10ml 有効成分は大部分の水(35〜40℃)に溶解し、pHは塩酸または水酸化ナトリウムで適当に4.0〜7.0に調整した。次に、バッチを水で所望の体積にし、殺菌微細孔フィルターに通して、殺菌した10mlのコハク色のガラスバイアル(タイプ1)へ濾過し、殺菌した蓋で閉じた。
配合物B 有効成分 0.125g 発熱物質を含まない殺菌した pH7のリン酸塩緩衝液 最終的に25ml実施例44筋肉内注射 有効成分 0.20g ベンジルアルコール 0.10g グリコフロール 1.45g 注射用の水 最終的に3.00ml 有効成分をグリコフロールに溶解した。ベンジルアルコールを加え、溶解し、水を加えて3mlにした。次に、混合物を殺菌微細孔フィルターに通して濾過し、殺菌した3mlのコハク色のガラスバイアル(タイプ1)に密閉した。
実施例45シロップ 有効成分 0.2500g ソルビトール溶液 1.5000g グリセロール 2.000g 安息香酸ナトリウム 0.0050g 香味剤、ピーチ 17.42.3169 0.0125ml 精製水 最終的に5.000ml 有効成分をグリセロールと大部分の精製水との混合物に溶解した。安息香酸ナトリウム水溶液を溶液に加え、次に、ソルビトール溶液、最後に香味剤を加えた。精製水を加えて所望の体積にし、十分混合した。
実施例46座薬 mg/座薬 有効成分(631m)* 250 硬質脂肪、BP(Witepsol H15−ダイナミット ノーベル) 1770 2020 * 有効成分は、粒子の少なくとも90%は直径631m以下である粉末として用いた。
Witepsol H15の1/5を最高45℃の蒸気ジャケットパンで溶融した。有効成分を1001mふるいにかけてより分け、滑らかな懸濁液が得られるまで、切断ヘッドを取り付けたシルバーソンを使用して混合しながら溶融基剤に加えた。混合物を45℃に維持し、残りのWitepsol H15を懸濁液に加え、撹拌して確実に均質な混合物にした。全懸濁液を2501mステンレス鋼ふるいに通し、撹拌を続けながら、40℃に冷却した。38〜40℃で、2.02gの混合物を適当な2mlプラスチック型に詰めた。座薬を室温に冷却した。
実施例47ペッサリー mg/ペッサリー 有効成分(631m) 250 無水デキストロース 380 ジャガイモデンプン 363 硫酸マグネシウム 7 1000 上記成分は直接混合した。ペッサリーは得られた混合物の直接圧縮によって製造した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】式(I):

(式中、Rは水素、ハロ原子、−NR1R2を表し、ここでR1およびR2は同一でも異なっていてもよく、各々水素、C1-6アルキル、シアノC1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C1-6アルキルC3-7シクロアルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルキルC1-6アルキル、C2-6アルキニル、アリール、アリールC1-6アルキル、複素環式C1-6アルキル、−COC1-6アルキルから独立して選択されるか、あるいはR1R2はこれらが結合しているN原子と一緒になって3,4,5または6員複素環を形成する)
の化合物、およびその薬学的に許容される塩またはエステル。
【請求項2】β−アノマーの形の請求項1に記載の化合物。
【請求項3】α−アノマーの形の請求項1に記載の化合物。
【請求項4】式(I b):

(式中、Rはハロ原子または−NR1R2を表し、ここでR1は水素を表し、R2はC1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C2-6アルケニル、C1-6アルキルC3-7シクロアルキル、C2-6アルキニル、アリール、アリールアルキルから選択され、あるいはR1およびR2は同一でも異なっていてもよく、共にC1-6アルキルであるか、あるいはR1R2はこれらが結合しているN原子と一緒になって3,4,5または6員複素環を形成していてもよい)
の請求項1に記載の化合物、およびその薬学的に許容される塩またはエステル。
【請求項5】Rが−NR1R2を表し、ここでR1が水素を表し、R2がC1-6アルキル、C3-7シクロアルキルおよびハロC1-6アルキルから選択される請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物、およびその薬学的に許容される塩またはエステル。
【請求項6】Rがイソプロピルアミノ、イソブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロペンチルアミノまたは2−フルオロ−1−メチルエチルアミノを表す請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物、およびその薬学的に許容される塩またはエステル。
【請求項7】5,6−ジクロロ−2−イソプロピルアミノ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール、2−シクロプロピルアミノ−5,6−ジクロロ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール、および5,6−ジクロロ−2−((2−フルオロ−1−メチルエチルアミノ)−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾールから選択される請求項1に記載の化合物、並びにその薬学的に許容される塩またはエステル。
【請求項8】5,6−ジクロロ−2−イソプロピルアミノ−1−(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール。
【請求項9】請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物の薬学的に許容される塩またはエステル。
【請求項10】塩の形態である請求項9に記載の誘導体。
【請求項11】エステルの形態である請求項9に記載の誘導体。
【請求項12】塩が有機カルボン酸、有機スルホン酸および無機酸の塩から選択される、請求項10に記載の誘導体。
【請求項13】エステルがカルボン酸エステル、スルホン酸エステル、アミノ酸エステル、ホスホン酸エステル、およびモノ−、ジ−またはトリ−リン酸エステルから選択される、請求項11に記載の誘導体。
【請求項14】請求項1〜13のいずれか1項で定義された式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩またはエステルと、そのための薬学的に許容される担体とを含む医薬配合物。
【請求項15】治療に用いるための請求項14に記載の配合物。
【請求項16】ヘルペスウイルス感染の治療または予防に用いられる、請求項14に記載の配合物。
【請求項17】ヘルペスウイルス感染が、単純ヘルペスウイルス1、単純ヘルペスウイルス2、水痘帯状ヘルペス、サイトメガロウイルス、エプスタイン−バールウイルス、ヒトヘルペスウイルス6およびヒトヘルペスウイルス7から選択される、請求項16に記載の配合物。
【請求項18】他の抗ウイルス剤の少なくとも1種を更に含んでなり、他の抗ウイルス剤を同時または順次投与する請求項14〜17のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項19】請求項1〜13のいずれか1項に記載の式(I)の化合物の製造方法であって、式(II)


(式中、Lは水素であり、R3、R4およびR5は各々ヒドロキシまたは保護されたヒドロキシ基である)
の化合物を、適当なハロゲン化剤と反応させることを含んでなり、そして、その後またはこれと同時に、1つ以上の次の追加工程を望ましいまたは必要な順序でさらに行ってもよい上記の方法:(i) 残留保護基を除去する工程;
(ii) 式(I)の化合物またはその保護形をさらに別の式(I)の化合物またはその保護形へ変換する工程;
(iii) 式(I)の化合物またはその保護形を、式(I)の化合物またはその保護形の薬学的に許容される塩またはエステルへ変換する工程;
(iv) 式(I)の化合物またはその保護形の薬学的に許容される塩またはエステルを、式(I)の化合物またはその保護形へ変換する工程;
(v) 式(I)の化合物またはその保護形の薬学的に許容される塩またはエステルを、式(I)の化合物またはその保護形の別の薬学的に許容される塩またはエステルへ変換する工程;
(vi) 必要な場合、式(I)の化合物もしくはその保護形のまたは式(I)の化合物の薬学的に許容される塩またはエステルのα−およびβ−アノマーを分離する工程。
【請求項20】請求項1〜13のいずれか1項に記載の式(I)の化合物の製造方法であって、式(II)


(式中、Lはハロ原子、有機スルホン、有機スルフェート、メチルスルホネート、またはトシレートから選択される脱離原子または基であり、R3、R4およびR5は各々ヒドロキシまたは保護されたヒドロキシ基である)
の化合物を、式H−NR1R2(ここでR1およびR2は請求項1で定義した通りである)のアミンと反応させることを含んでなり、そして、その後またはこれと同時に、1つ以上の次の追加工程を望ましいまたは必要な順序でさらに行ってもよい上記の方法:(i) 残留保護基を除去する工程;
(ii) 式(I)の化合物またはその保護形をさらに別の式(I)の化合物またはその保護形へ変換する工程;
(iii) 式(I)の化合物またはその保護形を、式(I)の化合物またはその保護形の薬学的に許容される塩またはエステルへ変換する工程;
(iv) 式(I)の化合物またはその保護形の薬学的に許容される塩またはエステルを、式(I)の化合物またはその保護形へ変換する工程;
(v) 式(I)の化合物またはその保護形の薬学的に許容される塩またはエステルを、式(I)の化合物またはその保護形の別の薬学的に許容される塩またはエステルへ変換する工程;
(vi) 必要な場合、式(I)の化合物もしくはその保護形のまたは式(I)の化合物の薬学的に許容される塩またはエステルのα−およびβ−アノマーを分離する工程。
【請求項21】請求項1〜13のいずれか1項に記載の式(I)の化合物の製造方法であって、式(III)


(式中、Rは請求項1で定義した通りである)
の化合物を、式(IV)


(式中、R3、R4およびR5は各々ヒドロキシまたは保護されたヒドロキシ基であり、L1はハロ、アルキルチオ、アリールチオ、アリールエステル基、または脂肪族エステル基から選択されるα−またはβ−位置の適当な脱離基である)
の化合物と反応させることを含んでなり、そして、その後またはこれと同時に、1つ以上の次の追加工程を望ましいまたは必要な順序でさらに行ってもよい上記の方法:(i) 残留保護基を除去する工程;
(ii) 式(I)の化合物またはその保護形をさらに別の式(I)の化合物またはその保護形へ変換する工程;
(iii) 式(I)の化合物またはその保護形を、式(I)の化合物またはその保護形の薬学的に許容される塩またはエステルへ変換する工程;
(iv) 式(I)の化合物またはその保護形の薬学的に許容される塩またはエステルを、式(I)の化合物またはその保護形へ変換する工程;
(v) 式(I)の化合物またはその保護形の薬学的に許容される塩またはエステルを、式(I)の化合物またはその保護形の別の薬学的に許容される塩またはエステルへ変換する工程;
(vi) 必要な場合、式(I)の化合物もしくはその保護形のまたは式(I)の化合物の薬学的に許容される塩またはエステルのα−およびβ−アノマーを分離する工程。
【請求項22】式(II)


(式中、Lは水素、ハロ原子、有機スルホン、有機スルフェート、メチルスルホネートまたは、トシレートから選択される脱離原子または基であり、R3、R4およびR5は各々ヒドロキシまたは保護されたヒドロキシ基である)
の化合物。
【請求項23】Lが水素またはハロ原子であり、R3、R4およびR5が各々ヒドロキシまたは保護されたヒドロキシ基である、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】保護されたヒドロキシ基がOC(O)CH3である、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール。
【請求項26】2−ブロモ−5,6−ジクロロ−1(β−L−リボフラノシル)−1H−ベンゾイミダゾール。

【特許番号】特許第3225045号(P3225045)
【登録日】平成13年8月24日(2001.8.24)
【発行日】平成13年11月5日(2001.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−503550
【出願日】平成7年7月6日(1995.7.6)
【公表番号】特表平10−502356
【公表日】平成10年3月3日(1998.3.3)
【国際出願番号】PCT/GB95/01597
【国際公開番号】WO96/01833
【国際公開日】平成8年1月25日(1996.1.25)
【審査請求日】平成12年6月13日(2000.6.13)
【早期審査対象出願】早期審査対象出願
【出願人】(999999999)ザ、ウェルカム、ファンデーション、リミテッド