説明

法面等の修景方法

【課題】 施工面が急勾配であっても、その修景を短期間で完了することができ、且つ低コストで施工をすることのできる新規な法面等の修景方法の開発を提供する。
【解決手段】 植生7として生育方向に指向性を持ったつた植物を採用し、ハンギング種の植生7Dと、クライミング種の植生7Uとを、それぞれの生育方向が対向するように施工面上に配置することにより、これら植生7の成長による施工面の被覆が短期間で行われるようにしたことを特徴として成り、施工対象となる法面Sが急勾配である等、木本の設置が困難である場合であっても、対向して配置されたハンギング種の植生7Dと、クライミング種の植生7Uとの双方の植生が接近しながら成長することによってなされるため、施工面全域の修景を短期間で完了することが可能となる。また使用する植生7の株数が少なくて済み、コストダウンを図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は道路側脇部に面した法面等に植生を植栽し、この植生の成長による施工面の被覆によって修景を行う方法に関するものであり、特に植生の成長による施工面の被覆を短期間で且つ低コストで行うことのできる手法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、山間部に建設された道路の側脇部に面した法面等には、崩落等の災害防止を目的としてモルタルを吹き付けることが行われてきた。しかしながら近年では、景観を損なわないようにするため、あるいは生態系保全のための自然環境の連続性確保を目的として、モルタル面に対して客土を設置するとともに植生を定着させ、この植生の成長による施工面の被覆によって修景を行う緑化工法を施すことが主流となっている。
【0003】
このような状況の下、本出願人は、上述したような緑化工法の開発に着手し、新たな土留めストッパ並びにこの土留めストッパを用いた緑化工法を開発し、既に実用新案権、意匠権、特許権の取得に至っている(例えば特許文献1〜3参照)。
これら一連の技術は、基本的に木本の苗木を保持する土留めストッパを用い、法面全域に苗木を点在させて定着させ、木本の成長によって枝葉による修景と根による客土の崩落防止を図るといった技術に関連するものである。
【0004】
ところで施工対象となる法面が急勾配である等、木本の設置が困難である場合には、斜面に沿って広がるように育成するつた類を植生として採用することも行われているが、一般的につる植物は成長が遅いため、修景に長期間を要してしまっているのが実情である。
もちろん上述した土留めストッパを用いて草本を法面の全域に設置することにより、修景を早期に完了させることも可能ではあるが、土留めストッパや草本の株の数が増すことによりコスト増大を招いてしまうことは避けられない。
【特許文献1】登録実用新案第2541425号公報
【特許文献2】意匠登録第938005号公報
【特許文献3】特許第2660315号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような背景を認識してなされたものであって、施工面が急勾配であっても、その修景を短期間で完了することができ、且つ低コストで施工をすることのできる新規な法面等の修景方法の開発を試みたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち請求項1記載の法面等の修景方法は、法面等の施工面に対して、植生と、この植生に適合した客土とを設置することにより、前記植生の成長に伴う施工面の被覆によって修景がなされるようにする工法において、前記植生として生育方向に指向性を持ったつた植物を採用し、ハンギング種の植生と、クライミング種の植生とを、それぞれの生育方向が対向するように施工面上に配置することにより、これら植生の成長による施工面の被覆が短期間で行われるようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、施工対象となる法面が急勾配である等、木本の設置が困難である場合であっても、つた植物による施工面の被覆によって修景を行うことができる。
またこのような修景は、対向して配置されたハンギング種の植生と、クライミング種の植生との双方の植生が接近しながら成長することによってなされるため、施工面全域の修景を短期間で完了することが可能となる。
またこのため使用する植生の株数が少なくて済み、コストダウンを実現することができる。
【0007】
また請求項2記載の法面等の修景方法は、前記要件に加え、前記植生を三段以上で配列する場合には、中間の段に対してはハンギング種の植生とクライミング種の植生との双方を設置することを特徴として成るものである。
この発明によれば、中間の段からは上下方向に植生が育成することとなり、施工面全域の修景を短期間で完了することが可能となる。
【0008】
更にまた請求項3記載の法面等の修景方法は、前記要件に加え、前記施工面に対して植生金網篭を設置し、この植生金網篭内に前記植生及び客土を収容することを特徴として成るものである。
この発明によれば、植生金網篭から通過した植生の根が施工面に沿って育成することができるため、植生の健全な育成と定着を促進することができる。
【0009】
更にまた請求項4記載の法面等の修景方法は、前記請求項3記載の要件に加え、前記施工面に対して、ラス網を張設し、その上にモルタル面を形成し、更にその上にヤシマットを敷設し、更にその上にラス網を張設し、その上に前記植生金網篭を設置することを特徴として成るものである。
この発明によれば、崩落等の災害防止を目的として吹き付けられるモルタルを上にヤシマットが敷設されるため、保水効果、断熱効果により、著しい温度上昇を引き起こして植栽にダメージを与えてしまうことがない。
また植生金網篭の下にはラス網が張設されるため、ハンギング種の植生がこれに絡み付いて下方に向かって生育することができる。
更にまた間接クライミング種の植生がラス網に絡み付いて上方に向かって生育することができる。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ハンギング種の植生と、クライミング種の植生とが、それぞれの生育方向が対向するように配置されるため、これらの植生の成長による施工面の被覆を早期に完了することができ、また低コストでの施工を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下本発明を実施するための最良の形態について、図示の実施例に基づいて説明するものであるが、この実施例に対して、本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更を加えることも可能である。
【実施例】
【0012】
本発明の「法面等の修景方法」は、山間部に建設された道路の側脇部に面した法面S等の施工面に対して、後述する植生7と、この植生7に適合した客土6とを設置することにより、前記植生7の成長による施工面の被覆によって、周辺の自然環境と調和した修景・緑化がなされるようにする施工方法である。
そして前記植生7として、生育方向に指向性を持った植物を採用し、この植生7の成長による施工面の被覆が短期間で行われるようにしたものである。
なおこの実施例では一例として図1、2に示すように、前記施工面たる法面Sに対して、ラス網1を張設し、その上にモルタル面2を形成し、更にその上にヤシマット3を敷設し、更にその上にラス網4を張設し、その上に客土6及び植生7を収容する植生金網篭5が設置されるような施工が行われるものとした。
【0013】
以下、本発明の修景方法について説明を行うものであり、施工の手順とともに各工程で供される諸部材について随時説明を行う。
なおこの実施例では、中腹部分に中段S2が形成された法面Sを施工面とするが、もちろんこのような段差が形成されていない法面Sであっても施工対象となる。
〔法面清掃工程〕
初めに施工面たる法面Sの清掃を行うものであり、浮石、草木の根など、モルタルやコンクリートの付着、品質に悪影響を及ぼすものを除去する。
また極端な凹凸がある場合は適宜慣らすとともに、更に湧水があった場合には適切な処理を施すようにする。
【0014】
〔ラス網張り工程〕
次に前記法面Sの凹凸に従ってラス網1を張設するものであり、適宜大小のアンカーピン11を用いて法面Sの表面に固定する。なおこの際、ラス網1の重ね合わせは10cm以上とし、またアンカーピン11の打設はハンマーによる打ち込み、ハンマードリルによる削孔・打設とする。
なお前記ラス網1としては、一例としてφ2.0×50×50mmの金網がビニル樹脂によって被覆されたものを用いた。
【0015】
〔モルタル・コンクリート打設工程〕
次いでモルタル面2を形成するものであり、前記ラス網1の上からモルタル・コンクリート21を湿式によって打設する。
なおモルタル・コンクリート21の配合は、吹付開始前に水セメント比50、55、60%の三種類の試験練を行い、練り混ぜ状況、ワーカビリティー、圧縮強度試験結果から判断して最適なものを選択する。
また吹き付けはサンドポケットができないように跳ね返り物を十分に排除しながら行うものとする。
更に打ち継ぎ目となる個所は清掃し、十分に湿らせて接続の馴染みが良くなるようにし、層吹きは行わないようにする。
【0016】
〔モルタル面補強工程〕
次に前記モルタル・コンクリート21が乾いてモルタル面2が形成された時点で、このモルタル面2の補強を行うものであり、まず後述する補強材25を挿入するための孔22を、一例としてスカイドリル(バックホウタイプ)を用いて穿孔する。この際、穿孔位置、穿孔角度に注意しながら、所定の穿孔長を確保するようにする。また穿孔完了後には、孔22内のスライムをエアーにより除去しておく。
次に前記孔22内にセメントミルク23を注入し、更に補強材25の主要部材である鋼棒251を挿入するものであり、この際、鋼棒251をスリーブ状のスペーサ252に挿通させてこれらを孔22内に挿入することにより、鋼棒251が孔22の中心に位置するようにする。
なお前記鋼棒251は、その一端にねじ山が形成された一例として直径16mm長さ600mmの棒状部材である。
【0017】
その後セメントミルク23が十分に硬化した時点で、前記鋼棒251の露出部分に頭部プレート253を装着し、ナット254で固定する。この際、モルタル面2に凹凸がある場合には頭部プレート253とモルタル面2との間にモルタルを充填し、頭部プレート253とモルタル面2との密着を図るようにすることが好ましい。
因みに前記補強材25としては、本出願人による発明である、特願2005−049157「法面の修景方法並びにこれに用いるスポットアンカー」に記載されたスポットアンカーを用いてもよい。
【0018】
〔ヤシマット敷設工程〕
次に前記モルタル面2の全域にヤシ繊維で形成されたヤシマット3(一例として厚さ10mm)を敷設し、座金付きのコンクリート釘31にて固定する。
このようなヤシマット3は、保水、排水、保温等を担うものであり、同様の性状を有するものであれば、他の素材で形成することも可能であって、例えばヤシ以外の植物性長繊維や合成樹脂製の長繊維を用いてマット状に形成したり、あるいは軟性の発泡合成樹脂を用いてマット状に形成することも可能である。
なおヤシマット3の設置面積や厚さについては、施工面の環境に応じて適宜調整することにより、保水性、排水性、保温性の最適化やコストダウンを図るようにする。
【0019】
〔植生補助金網張り工程〕
次に前記ヤシマット3の全域にラス網4を張設し、アンカーピン41にて固定するものであり、この際、ラス網1の重ね合わせは10cm以上とし、またアンカーピン41の打設はハンマーによる打ち込み、ハンマードリルによる削孔・打設とする。
なお前記ラス網4としては、一例としてφ2.6×50×50mmの金網がビニル樹脂によって被覆されたものを用いた。
このラス網4は、植生7が成長するときの絡み付き個所として機能することとなるものである。
【0020】
〔植生金網篭設置工程〕
次に植生金網篭5を設置するものであり、このものは、植生7とともに、これに適した客土6を収容するものである。これに因み植生金網篭5は、通気性及び通水性を有することはもちろん、根が通過できるような構成が採られるものである。
具体的に植生金網篭5は図3に示すように、一例として直径4〜5mmの亜鉛アルミ合金メッキ線が100×100mmの格子状に組まれて形成された底板51と、同様の線材が50×100mmの格子状に組まれて形成された側板52とを、結合コイル53を用いて400×1000×450mm、400×2000×450mm程の箱形に組み立てたものである。
このような植生金網篭5は図3(a)に示すように、予め長寸の側板52二枚を結合コイル53により底板51に組み付けて折り畳んだ状態で現場に持ち込まれるものであり、現場において作業者が図3(b)に示すように側板52を展開し、更に図3(c)に示すように短寸の側板52を四本の結合コイル53により組み付けることにより、植生金網篭5が完成する。
このため植生金網篭5を効率的に運搬することができるとともに、容易に組み立てることが可能となるものである。
なお植生金網篭5の代わりに、樹脂繊維等の繊網体によって形成された袋状物を用いることもできる。この場合、繊網体の素材としては、生分解性樹脂または麻、木綿等の植物繊維の使用も可能である。
【0021】
そして前記植生金網篭5を法面Sの最下段S1、中段S2及び最上段S3にそれぞれ設置するものであり、この実施例では一例として図6に示すように植生金網篭5を連続して直線状に設置するようにしたが、図7に示すように正面視で千鳥格子状になるように配置してもよい。
また植生金網篭5の固定は図2に示すように、正面の側板52を支えるようにアンカーピン54を打ち込むとともに、必要に応じて法面S側にもアンカーピン54を打ち込み、これらのアンカーピン54と植生金網篭5とをメッキバインド線55によって結束することにより行われる。
【0022】
次いで図4に示すように、植生金網篭5の内側に植生7の保護のための遮光ネット57を貼設するとともに、断熱シート56を側板52の裏側部分の遮光ネット57の内側に貼設し、更に排水性を向上させて根腐れを防止するためにパーライト58を底から5cm程まで敷き詰める。
なお前記断熱シート56及び遮光ネット57は、施工面の環境に応じて適宜増減させることにより、植生7の保護の最適化やコストダウンを図るようにする。
【0023】
次いで植生金網篭5内に客土6を投入するものであり、この実施例では、植生7に適合したものとするために、客土材61、土壌改良材62及び固形肥料63を適宜配合して客土6を調製するようにした。
なお前記固形肥料63については、植生7の栽工が済んだ時点で、根に触れないように埋め込むものとする。
また前記植生金網篭5は、図2に示すように斜面に接しないように設置するのが好ましく、これは植生7が健全に育つためには、適度の通気性が必要だからである。
しかしながら現場の状況等により植生金網篭5を法面Sに接して設ける必要がある場合には、図5並びに図3中仮想線で示したように一対の側板52の形状を台形にした植生金網篭5が用いられる。
【0024】
〔植栽工程〕
そして図6に示すように植生7を植栽するものであり、この植生7として生育方向に指向性を持った植物を採用し、ハンギング種の植生7Dと、クライミング種の植生7Uとが、それぞれの生育方向が対向するように配置し、植生7の成長による施工面の被覆が短期間でなされるようにする。
植生7としてはつた類が採用されるものであり、更には主として壁面に貼り付いたり樹木に絡み付きながら上方に向かって生育するクライミング種の植生7Uと、壁面に貼り付かずに下垂した状態で下方に向かって育成するハンギング種の植生7Dものとが選択的に採用される。
前記クライミング種の植生7Uとしては、直接クライミング種であるヘデラ・ヘリックス、キズタ(フユズタ)、ナツズタ、イタビカズラ等や、間接クライミング種であるムベ、ツリガネカズラ等が挙げられる。
一方、前記ハンギング種の植生7Dとしては、ヘデラ・カナリエンシス、フクリンツルニチニチソウ等が挙げられる。
また前記ナツズタは落葉性の品種であり、その他のものは常緑性の品種であるので、例えば紅葉等の周辺環境に応じて、これら落葉性、常緑性の品種を適宜選択したり混在させることにより、違和感の無い修景を行うことができるものである。
【0025】
そして前記法面Sの上部にハンギング種の植生7Dを設置するものであり、最上段S3及び中段S2に設置された植生金網篭5の客土6に植栽する。
また前記法面の下部にクライミング種の植生7Uを設置するものであり、最下段S1及び中段S2に設置された植生金網篭5の客土6に植栽する。
すなわち中段S2には、ハンギング種の植生7Dとクライミング種の植生7Uとの双方が設置されるものであり、この結果、最下段S1と中段S2との間、並びに中段S2と最上段S3との間で、ハンギング種の植生7Dと、クライミング種の植生7Uとが、それぞれの生育方向が対向するように配置されることとなる。
【0026】
次いで前記客土6の表面をマルチング材64によって3cm程の厚さで覆うことにより、雑草の繁殖を防いで植生7の生育が阻害されないようにする。
因みにこのマルチング材65としては、本出願人による発明である特許第1795196号「樹皮製マルチング材の製造方法」によって製造された、樹皮を細かく不定形に破砕し、その表面に希釈したアスファルト乳剤と糊料との混合液を散布して、暗褐色に着色すると共に適度な粘結性を付与させたものを使用したが、この他にも適宜のものを採用することができる。
【0027】
〔植生の生育による修景〕
上述のようにして法面Sに対する施工が完了すると、やがて植生7が成長することにより、法面Sの修景すなわち緑化が進行する。
具体的には、最上段S3及び中段S2に設置されたハンギング種の植生7Dは、ラス網4に絡み付くことにより、下降しながら成長してゆくこととなる。
一方、最下段S1及び中段S2に設置されたクライミング種の植生7Uは、ラス網4に絡み付くことにより、上昇しながら成長してゆくこととなる。
このため、ハンギング種の植生7Dと、クライミング種の植生7Uとが、それぞれの生育方向が対向するように配置された個所においては、図6、7に段階的に示すように上下方向から植生7が伸びてくるため、植生7による法面Sの修景が短期間で完了することとなる。
【0028】
なおクライミング種の植生7Uのうち、特に直接クライミング種であるキズタ(フユズタ)、ナツズタ等は、吸盤着毛でラス網4が無くてもヤシマット3やモルタル面2に吸着して上昇しながら成長することができるため、キズタ、ナツズタが先行して成長するようにしておけば、これに対してヘデラ・ヘリックスが絡み付き、上昇しながら成長することが可能となる。したがってクライミング種の植生7Uのみが設けられるような場合には、ラス網4の設置が不要となる。
【0029】
また本発明によると、ヤシマット3が敷設されるため、モルタル面2が露出していた場合には、外気温度が22℃のときに直射日光による輻射熱が45℃を超えてしまうが、ヤシマット3による保水効果、断熱効果により、著しい温度上昇を引き起こして植生7にダメージを与えてしまうことがない。
更にまた本発明によると、客土6の表層部はマルチング材64によって被覆されているため、客土6の乾燥が防止され、更に雑草の繁殖を防止して植生7の生育が促進されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の修景方法による施工が施された法面を一部破断して示す斜視図である。
【図2】本発明の修景方法による施工が施された法面を示す縦断側面図及び横断側面図である。
【図3】植生金網篭の組み立ての様子を段階的に示す斜視図である。
【図4】植生金網篭に客土を収容した状態を示す縦断側面図である。
【図5】形状を異ならせた植生金網篭を示す斜視図である。
【図6】植生が法面を修景する様子を段階的に示す正面図及び縦断側面図である。
【図7】植生金網篭の配置態様を異ならせた場合の植生が法面を修景する様子を段階的に示す正面図及び縦断側面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 ラス網
11 アンカーピン
2 モルタル面
21 モルタル・コンクリート
22 孔
23 セメントミルク
25 補強材
251 鋼棒
252 スペーサ
253 頭部プレート
254 ナット
3 ヤシマット
31 コンクリート釘
4 ラス網
41 アンカーピン
5 植生金網篭
51 底板
52 側板
53 結合コイル
54 アンカーピン
55 メッキバインド線
56 断熱シート
57 遮光ネット
58 パーライト
6 客土
61 客土材
62 土壌改良材
63 固形肥料
64 マルチング材
7 植生
7D 植生(ハンギング種)
7U 植生(クライミング種)
S 法面
S1 最下段
S2 中段
S3 最上段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
法面等の施工面に対して、植生と、この植生に適合した客土とを設置することにより、前記植生の成長に伴う施工面の被覆によって修景がなされるようにする工法において、前記植生として生育方向に指向性を持ったつた植物を採用し、ハンギング種の植生と、クライミング種の植生とを、それぞれの生育方向が対向するように施工面上に配置することにより、これら植生の成長による施工面の被覆が短期間で行われるようにしたことを特徴とする法面等の修景方法。
【請求項2】
前記植生を三段以上で配列する場合には、中間の段に対してはハンギング種の植生とクライミング種の植生との双方を設置することを特徴とする請求項1記載の法面等の修景方法。
【請求項3】
前記施工面に対して植生金網篭を設置し、この植生金網篭内に前記植生及び客土を収容することを特徴とする請求項1または2記載の法面等の修景方法。
【請求項4】
前記施工面に対して、ラス網を張設し、その上にモルタル面を形成し、更にその上にヤシマットを敷設し、更にその上にラス網を張設し、その上に前記植生金網篭を設置することを特徴とする請求項3記載の法面等の修景方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−291724(P2007−291724A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−120790(P2006−120790)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(390037268)富士見緑化株式会社 (5)
【Fターム(参考)】