説明

泡を低減させた分散液およびこのための製剤

農学的に活性な薬剤を分散するための組成物および方法が開示されている。一つの態様においては、固体の農薬製剤が開示されている。この固体の農薬製剤は農学的に活性な薬剤、脂肪酸塩およびキレート剤を含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は低減された発泡を呈する水性農業用製剤に関する。特に、本発明は、固形の農業用活性成分を分散させた場合の発泡の低減においてキレート剤と連動して脂肪酸塩を使用することならびに脂肪酸塩とキレート剤を含んでなる組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
希釈後に農業用処理のために散布され得る、農業用に有用な活性成分の製剤が水分散性の固体の形(固体の農薬製剤)で供給可能である。特に、WDGおよびWP製剤をもたらすことができる、このような製剤は、固体活性剤または固体キャリアに付けた液体活性成分の水分散性顆粒(WDG)および湿潤型粉末(WP)を含む。散布に有用な最終希釈液に最終的に可溶な一部の活性成分は、溶解により効果が発揮されるには水中での初期の分散を必要とする。WDGのこれらの特別な例は、別途水溶性顆粒(WSG)と記述され得る。
【0003】
農業用に有用な活性成分の製剤の更なるタイプは、水性媒体中に予め分散された固体粒子を供給することである。このような製剤は、通常、懸濁液濃縮物(SC)製剤タイプを含む。
【0004】
WDGにおいては、固体活性成分それ自身または固体キャリアに付けた後の固形の液体成分は凝集した形のものであり得る。これは、完全に一次粒子サイズに分散され、その後散布に好適な安定な分散液を維持しなければならない。WPの場合には、この製剤は粉末の形として残り得るが、希釈の水を浸透して、散布可能となり得る。水不溶性充填剤付きの水不溶性活性成分のWSGの場合には、活性成分および充填剤は凝集した形ものでもあり得る。液体SC製剤の場合には、固体粒子は分散状態を保ち、そしてこの製剤は、通常、最少の振盪により水の中に容易に分散される。
【0005】
分散性の形または予め分散された形の固体の活性成分をベースとする製剤を使用する場合の欠点は、分散および希釈工程で使用される振盪により発泡が発現することである。このような発泡は、散布液体を均等に散布する場合の困難な問題につながる可能性がある。更なる困難な問題は、散布液体が混合容器の頂部から泡で溢れるか、あるいはこぼれることを含む。加えて、泡が発現することによって、農家は散布の前に泡の鎮静を長時間待つ必要があり、あるいはシリコーンオイル乳化液をベースとする消泡剤などの高価で、潜在的には脱安定化性のタンク添加型の消泡剤を添加することが必要となり得る。このように、低い泡プロフィールまたは低減された泡プロフィールはこのような製剤の望ましい特性である。
【0006】
WDGおよびWPなどの水分散性製剤における発泡の発生は、通常、製剤中の界面活性剤の湿潤剤の存在の直接の結果である。しかしながら、種々の他の薬剤も泡の形成と発泡の安定化に寄与し得る。このような薬剤は、活性成分中の界面活性不純物、界面活性剤の分散剤、極微粒子化された固体および補助剤として添加される任意の界面活性剤を含み得る。微粒子または粉末の形の活性成分も泡の安定化を引き起こすか、あるいは寄与し得る。
【0007】
低発泡のWPおよびWDG製剤を製造する種々の試みが過去に行われた。このような試みは2つのアプローチを含む。第1のアプローチにおいては、上述の湿潤剤が低発泡の湿潤剤により置き換えられる。このような湿潤剤は、エトキシレートの一部をプロポキシレートまたはアセチレン系ジオールエトキシレートと混合したアルコールアルコキシレートを含む。このような製剤は、通常、この製剤に対して劣る分散性を呈する。ある場合には、これらは液体であるので、固体マトリックスの中に組み込むことによって、好適な湿潤剤として作用する有効性が制限される。
【0008】
第2のアプローチにおいては、よく知られた消泡剤が製剤に添加される。このような添加物は、シリコーンベースの消泡剤、ペルフルオロアルキル消泡剤およびアセチレン系ジオールを消泡剤として含む。通常、これらの添加物は製剤の効果的な分散を阻害するか、あるいは固体マトリックス中に緊密に包み込まれているので、消泡能力が観察されない。更には、あるオルガノシリコーン消泡剤は、加水分解不安定性および熱不安定性によって、WDGおよびWP製剤の製造に使用される条件下で分解する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
分散能力の低下を犠牲とすることなくこれらの製剤中の泡を低減させることが知られている一つの製剤添加物は、脂肪酸のナトリウム塩などのせっけんである。分散された製剤へのせっけん溶液の添加は泡低減を容易に示す。残念なことには、製剤に組み込む場合の脂肪酸塩の泡低減はかなり限定されることが示されてきた。標準試験はこの水が通常更に硬質であることを仮定しているが、これは主として軟水(例えば、カルシウムおよびマグネシウムイオンを含まない)中で起こるように思われる。その上に、最良の湿潤剤の一部に対しては、この泡低減はきわめて緩慢であって、まったく目に付かない。このように、発泡を低減させた製剤に対する継続的な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
キレート剤と組み合せて使用される脂肪酸塩は、WDG(WSGを含む)あるいはWP製剤、特に極めて効果的な湿潤剤を含むものの中に組み込まれる場合、泡の低減をもたらすことができることを見出した。
【0011】
第1の局面においては、本発明は、農学的に活性な薬剤、脂肪酸塩およびキレート剤を含んでなる固体の農薬製剤を提供する。好ましくは、この製剤はWDGまたはWPの形のものである。更に好ましい態様においては、この製剤は湿潤剤を更に含んでなる。
【0012】
もう一つの局面においては、本発明は、固形の農学的に活性な薬剤を水中に分散させることに関連する発泡の低減における脂肪酸塩とキレート剤の使用を提供する。
【0013】
本発明の更なる局面は、固形の農学的に活性な薬剤と脂肪酸塩およびキレート剤との組み合わせ物を準備し;そして前記組み合わせ物を水中に分散させる段階を含んでなる、固形の農学的に活性な薬剤の水性分散液を製造する方法を提供する。
【0014】
本発明のある態様においては、脂肪酸塩とキレート剤は、農学的に活性な薬剤および、場合によっては湿潤剤および分散剤などの他の農業的に許容し得る不活性製剤添加物と一緒に製剤されて、水分散性顆粒または湿潤型粉末を形成する。
【0015】
更にもう一つの局面においては、本発明は、脂肪酸塩およびキレート剤を含んでなる消泡組成物を提供する。脂肪酸塩およびキレート剤は、固形の農学的に活性な薬剤を水中で分散におけるこの消泡組成物の使用が脂肪酸塩単独の使用と比較した場合発泡の低減を生じるような比で好ましくは存在する。この消泡組成物は、キャリアまたは充填剤などの農業的に許容し得る1つ以上の不活性製剤添加物を含んでなり得る。
【0016】
本発明の詳細な説明がよく理解され得るように、前出は、本発明の特徴および工業的利点をやや広く概述した。本発明のクレームの主題を形成する、本発明の更なる特徴および
利点はこの明細書中でこれ以降述べられる。開示される概念および特定の態様は、本発明の同一目的を実施するための他の構造を改変あるいは設計するための基盤として容易に理解され得るということを認識すべきである。当分野の熟練者ならば、このような同等な構成は、添付の特許請求の範囲で説明するように本発明の精神および範囲から逸脱したものでないということも認識すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
一つの態様においては、組成物は、農学的に活性な薬剤、脂肪酸塩およびキレート剤を含んでなる。もう一つの態様においては、この組成物は、農学的に活性な薬剤、脂肪酸塩、キレート剤およびポリ酸ポリマーを含んでなる。理論により制約されることなく、このような組成物は、WPおよびWDG製剤の改善された泡低減分散液を提供し得る。更には、理論により制約されることなく、このような組成物は、湿潤剤が高度の発泡を発現する環境において発泡の低減をもたらす。
【0018】
農学的に活性な薬剤は、植物、昆虫、菌および/または他の種々の生物の寿命、生殖能力および/または成長または代謝機能に悪影響を及ぼすいかなる化学物質も含む。一つの態様においては、農学的に活性な薬剤は、限定ではないが、除草剤(例えば、トリアジン、尿素およびスルホニル尿素)、殺虫剤(例えば、イミダクロプリド、フィプロニルおよび合成ピレスロイド)、殺菌剤、殺生物剤、軟体動物駆除剤、殺藻類剤、植物成長物質、駆虫剤、殺鼠剤、殺線虫剤、ダニ駆除剤、殺アメーバ剤、殺原生動物剤、作物安全性付与剤、補助剤またはこれらの組み合わせ物を含む。限定ではないが、農業用途における顆粒あるいは粉末形の農学的に活性な薬剤の例は、シマジン、アトラジン、テルブチルアジン、テルブチリン、プロメトリンおよびアメトリンなどのトリアジン除草剤;ジウロンおよびフルオメトロンなどの尿素除草剤;クロルスルフロン、メトスルフロンメチル、ニコスルフロンおよびトリアスルフロンなどのスルホニル尿素除草剤;フルメトスラムなどのスルホンアニリド除草剤;アジンホスメチル、クロルピリフォス、スルプロフォスおよびアザメチホスなどの有機リン殺虫剤;アルジカルブ、ベンジオカルブ、カルバアリールおよびフェノブカルブ(2−sec−ブチルフェニルメチルカーバメート)などのカーバメート殺虫剤;ビフェントリンなどの合成ピレスロイド;クロロタロニル、ジメトモルフ、ベノミル、カルベンダジム、マンコゼブを含む殺菌剤;ヘキサコナゾールおよびジニコナゾールなどのトリアゾール;およびプロパルジャイトなどのダニ駆除剤を含む。農学的に活性な薬剤は、引用により本明細書に全体で組み込まれている、Pesticide Dictionary(Farm Chemicals Handbookに含まれている)とBritish Crop Protection Society:Pesticides Manualに開示されている。一つの態様においては、農学的に活性な薬剤は、トリアジン、尿素またはこれらの組み合わせ物を含む。もう一つの態様においては、農学的に活性な薬剤は、WDGあるいはWP製剤中にトリアジン、尿素またはこれらの組み合わせ物を含む。いくつかの態様においては、農学的に活性な薬剤は、アトラジン、シマジンまたはこれらの組み合わせ物を含む。この組成物は1つ以上の農学的に活性な薬剤を含有し得るということが理解されるべきである。
【0019】
この明細書で使用されるように、「固形の農学的に活性な薬剤」は、固体の農学的に活性な薬剤あるいは好ましくはWDG(WSGを含む)またはWPなどの固形に製剤された固体あるいは液体の農学的に活性な薬剤を指す。例えば、いくつかの態様においては、固体の農薬製剤はWDGあるいはWPの形のものであり、そして少なくとも1つの農学的に活性な薬剤、少なくとも1つの脂肪酸塩、少なくとも1つのキレート剤(場合によっては、少なくとも1つのポリ酸ポリマー)を含む。
【0020】
この脂肪酸塩は、農学的に活性な薬剤と共に使用するのに好適ないかなる脂肪酸も含み得る。一つの態様においては、この脂肪酸塩は、飽和あるいは不飽和(例えば、シスおよ
び/またはトランスなどの1以上の不飽和度)であり得るC〜C21脂肪酸を含む。限定ではないが、飽和脂肪酸の例は、C12(ラウリン酸)、C14(ミリスチン酸)、C16(パルミチン酸)およびC18(ステアリン酸)を含む。限定ではないが、不飽和脂肪酸の例はC18(オレイン酸およびエライジン酸)を含む。
【0021】
この脂肪酸塩はいかなる好適な塩も含み得る。限定ではないが、好適な塩の例は、アンモニウムおよびアルキルアミン塩(例えば、NH、NHEt)、アルカリ金属(例えば、Li、Na、K)およびアルカリ土類(例えば、Mg2+およびCa2+)塩および三価金属塩(例えば、Al3+)を含む。限定ではないが、好適な脂肪酸塩の例は、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸アルミニウムまたはこれらの組み合わせ物を含む。
【0022】
一つの態様においては、この組成物は1つ以上のキレート剤を含んでなる。キレート剤は、分子が単一の金属イオンにいくつかの配位結合を形成し得る物質を指す。一つの態様においては、このキレート剤は、単一の金属イオンにいくつかの配位結合を形成し、そしてこの組成物の他の構成成分と適合性であるいかなる分子でもある。いくつかの態様においては、このキレート剤はいかなる農業的に許容し得る金属イオンキレート剤も含む。農業的に許容し得る金属イオンキレート剤の例は、限定ではないが、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびNa、Li、K、NH、Ca2+およびMg2+などのこれらの種々の塩および水和物;グルコン酸ナトリウムおよびこれらの塩などのグルコン酸;および遊離の酸形のニトリロ三酢酸(NTA)とジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)あるいはNa、Li、K、NH、Ca2+およびMg2+などのこれらの種々の塩および水和物の形;任意のこれらの水和物;またはこれらの組み合わせ物を含む。一つの好ましい例はEDTAの遊離の酸形である。
【0023】
この組成物は、脂肪酸塩単独の使用に比較した場合に発泡の低減の結果を得るのに効果的である脂肪酸塩:キレート剤の比を含み得る。好適な比は、当分野の熟練者には既知であるルーチン実験により得られ、そして約1:100〜約100:1の、あるいは約1:50〜約.50:1あるいは約1:25〜約25:1の重量あるいはモル範囲の比を含み得る。好ましい比は、約1:10〜約10:1の、あるいは約1:5〜約5:1の範囲を含む。いくつかの製剤に対しては、このキレート剤は、重量あるいはモル過剰の、例えば約1:1.5:約1:3の、あるいは約1:2w/wの脂肪酸塩:キレート剤の比で存在する。
【0024】
理論により制約されることなく、この組成物中の脂肪酸塩とキレート剤の消泡組み合わせ物または「消泡組成物」のレベルは、この製剤中の所望の活性成分の強度により制限され得る。いくつかの態様においては、この組成物中の脂肪酸塩とキレート剤の消泡組み合わせ物のレベルは、約0.1%w/w〜約20%w/w、あるいは約0.8〜約1.6%w/w、あるいは約2.0%w/wの範囲であり得る。
【0025】
一つの態様においては、この組成物はポリ酸ポリマーを更に含んでなる。ポリ酸ポリマーは、脂肪酸塩とキレート剤の消泡効果を更に増進し得るということが見出された。このポリ酸ポリマーは、酸基(例えば、カルボン酸、スルホン酸またはホスホン酸)を担持するモノマー残基を含んでなるポリマーを含み、そして酸モノマー残基、特にカルボン酸あるいはカルボン酸無水物モノマーのホモポリマーおよび2つ以上のこのような酸モノマー残基のコポリマーを含む。加えて、このポリ酸ポリマーは、いかなる農業的に許容し得る金属イオン塩(Na、Li、K、Mg2+、Ca2+およびAl3+などの)および/またはこのポリマーのアンモニウム(例えば、NH)あるいはスルホニウム塩などの、いかなる他の農業的に許容し得るカチオン塩も含む。ポリ酸ポリマーは、酸誘導体化された芳香族モノマーを重合するか、あるいは芳香族モノマーを重合し、引き続いて酸
誘導体化することにより得られる、ポリスチレンのスルホン酸およびホスホン酸誘導体と、縮合ポリフェノールおよびポリナフタレンも含み得る。ポリ酸ポリマーの例は、限定ではないが、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウムおよびアクリル酸およびメタクリル酸モノマー残基の混合の組み合わせ物(コポリマー)およびポリマレイン酸(例えば、マレイン酸またはマレイン酸無水物からの)を含む。好ましい態様においては、このポリ酸ポリマーは、約500〜20000ダルトンの、あるいは約10000ダルトン未満の、あるいは約2100〜約5000ダルトンの、更にあるいは約2100〜約3500ダルトンの範囲の平均分子量を有する、ポリアクリル酸ナトリウムを含んでなるポリ酸ポリマー塩である。代替の態様においては、このキレート剤はポリ酸ポリマーである。
【0026】
ポリ酸ポリマー:脂肪酸塩とキレート剤の組み合わせ物の比は、約1:50〜約50:1、あるいは約1:3〜約1:1、あるいは約1:1.2の範囲であり得る。理論により制約されることなく、このポリ酸ポリマーは、希釈製剤のpHを変えずに消泡剤(例えば.脂肪酸塩とキレート剤の組み合わせ物)の効果を増進する。このポリ酸ポリマーは、いくつかの製剤においてはクレイおよび他の不活性充填剤に対する有効な分散剤としても作用し得る。
【0027】
ポリ酸ポリマーと脂肪酸塩およびキレート剤組み合わせ物の消泡組み合わせ物のレベルは、この組成物の約0.5〜約20重量%、あるいはこの組成物の約1.2〜約2.5重量%であり得る。
【0028】
農学的に活性な成分を例えばWP、WDG、SCあるいはWSG製剤に製剤する場合には、充填剤とキャリア、分散剤および湿潤剤を含む、広範な種々の他の構成成分、農業的に許容し得る添加物が使用され得る。農学的に活性な薬剤をWP、WDGあるいはWSG製剤に製剤するいかなる好適な方法も使用され得る。
【0029】
ある態様においては、この組成物は湿潤剤も含んでなり得る。理論により制約されることなく、WP中の湿潤剤の主要な機能は、粉末が水を透過させ、そして分散性とならしめることを可能とすることである。実際には、このことは粉末中の疎水性粒子の間の空気の排除を含む。WDGの場合には、湿潤剤の役割は三通りある。第1には、これによって、製剤の一次結合剤/凝集剤として使用される水は均等に分布し、その後に乾燥段階時に部分的に除去することが可能となる。第2の機能は、希釈時の水を結合粒子の間の空気の充満した細孔空隙の中に浸透することを可能とさせることにより、顆粒マトリックスが一次粒子サイズに崩壊することを助けることである。第3に、崩壊工程が開始させるために、湿潤剤は固体顆粒の水の中への浸漬を助ける。
【0030】
湿潤剤は、限定ではないが、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、モノおよびジ−アルキルスルホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、エーテルカルボン酸塩、アルキルエーテルサルフェートおよびアルキルエーテルリン酸塩の塩を含み得る。アルキルポリサッカライド、アルコールエトキシレートおよびアルキルフェノールエトキシレートなどの非イオン性界面活性剤も使用される。これらの多くは液体の形のものであるので、固体マトリックスの中に組み込むことにより固形でしばしば提供される。この湿潤剤は製剤中で約1〜3%w/wの割合で使用され得る。
【0031】
アルキルポリサッカライドの湿潤剤の類からの非限定的な例は、グルコースおよび一次炭化水素アルコールとの反応から誘導されるアルキルポリグルコシドである。ECOTERIC AS 20およびECOTERIC AS 10(Huntsman Corporation Australia Pty Ltd)から入手されるものなどの高結
晶性誘導体が更に好ましい。モノアルキルスルホコハク酸塩類からの非限定的な例は、シクロヘキシル、イソ−オクチルおよびn−オクチルスルホコハク酸のナトリウムあるいはカリウム塩である。ジアルキルスルホコハク酸塩類からの非限定的な例は、ジシクロヘキシル、ジイソオクチルおよびジ−n−オクチルスルホコハク酸のナトリウムあるいはカリウム塩である。非イオン性界面活性剤の類からの非限定的な例は、TERIC 168(Huntsman Corporation Australia Pty Ltdから市販)と、TERIC 157(Huntsman Corporation Australia Pty Ltdから市販)などの不溶性多孔質ケイ酸塩キャリアに付けられたものを含む。尿素界面活性剤錯体からの湿潤剤の非限定的な例は、アルコールエトキシレートの尿素付加物TERWET 7050(Huntsman Corporation Australia Pty Ltdの)などの界面活性剤である。アルキルベンゼンおよびアルキルサルフェート(スルホネート)の塩の非限定的な例は、Huntsman Corporation Australia Pty Ltdから市販されているTERWET 1004ならびにHuntsman LLCから市販されているNANSA HS 80、EMPICOL LV、EMPCIOL LX S95/SおよびNANSA LSS 495/Hを含む。
【0032】
この製剤は、限定ではないが、アルキルナフタレンスルホン酸塩縮合物塩、アルキルフェノール縮合物塩、スルホン酸化リグニン塩、ポリ酸樹脂コポリマー塩、ポリフェノールホルムアルデヒド樹脂塩、トリスチリルフェノールエトキシレートサルフェート塩などのポリアリールエーテルサルフェート塩、アルコキシル化アルキルフェノールおよびアルコールならびにエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーを含む、界面活性剤を分散剤として更に含み得る。他の分散剤は、引用により本明細書に全体で組み込まれている、WO9918788およびWO9918787で述べられているものを含み得る。
【0033】
この組成物は、例えば、限定ではないが、天然および合成ケイ酸塩とケイ酸塩鉱物、鉱物質酸化物および水酸化物などの充填剤およびキャリアなどの農業用途で使用され得る他の不溶性材料と、また天然および合成的に誘導される有機材料も含み得る。このような材料は、多孔質キャリアとして、水分阻止剤として添加されて、製剤が結合あるい凝集する性質を助け、そして/あるいは製剤を好都合の重量まで充填し得る。このような充填剤の例は、珪藻土などの天然ケイ酸塩、合成沈降シリカ、カオリン、アタプルジャイトおよびベントナイトなどのクレイ、またゼオライト、二酸化チタン、鉄酸化物および水酸化物、アルミニウム酸化物および水酸化物、非晶質および結晶性シリカ、珪藻土、タルク、マイカ、尿素−ホルムアルデヒドおよびポリフェノール系樹脂と、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、尿素および炭酸ナトリウムまたはバガス、木炭または合成有機ポリマーなどの有機材料を含み得る。
【0034】
この組成物のpHは消泡効果に影響を及ぼし得る。この組成物の好ましいpH範囲は約4〜9である。理論により制約されることなく、この範囲外のpHは、活性剤の劣化を生じ、そして/あるいは消泡性の低下が観察され得る。更には、理論により制約されることなく、pHが低過ぎると、ある分散剤タイプは希釈時にもはや有効に機能し得ない。更に好ましいpH範囲は5〜8である。特に好ましいpH範囲は6〜7である。
【0035】
この組成物は、WDG、WP、SC、緩慢分散性顆粒(GR)およびWSG製剤などの製剤と、Crop Life International organizationによりその時々で分類され得る任意の他の固体分散性製剤タイプ中で消泡効果を有し得る。例えば、一つの態様においては、組成物は、水、農学的に活性な薬剤、脂肪酸塩、キレート剤(および場合によってはポリ酸ポリマー)を含んでなる懸濁液濃縮物製剤タイプ(SC)である。SC製剤に対しては、脂肪酸塩:キレート剤の比は農業用製剤に好適ないかなる比も含み得る。一つの態様においては、脂肪酸塩:キレート剤の比は、約1:20〜約20:1、あるいは約1:.1.5〜l:3の範囲であり得る。SC製剤中の脂肪酸塩およびキレート剤のレベルは、約0.1〜20%w/w、あるいは約0.8〜2.0%w/wの範囲であり得る。
【0036】
構成成分の「組み合わせ物」は、場合によってはWDG、SCまたはWPとして調剤された構成成分の緊密な混合物、またはそれぞれの構成成分を分散容器または混合容器中に単に入れたもの、または成分間の任意の他の程度の混和物を指し得る。このように、例えば水性分散液を製造するための本発明の方法が組み合わせ物を提供し、そして分散させることを指す場合には、これは、WDG、SCまたはWPとして製剤されたすべての構成成分またはWDG、SCまたはWPとして製剤された活性剤と、別々の構成成分として、あるいは消泡組成物として準備された脂肪酸塩およびキレート剤を分散タンクまたは分散容器の中に準備することを含むことができる。構成成分の少なくとも1つ以上が別々に準備される場合には、これらを場合によっては最初に一緒に混合し、その後に分散させるか、あるいは分散工程時に単純に混合することができる。
【0037】
製剤を水性媒体中で分散させることは、いかなる好適な方法によっても行われ得る。例えば、この方法は、組成物の性状および組成物の構成成分との相溶性を考慮に入れ得る。好ましい態様においては、組成物の水溶液中での分散は手によるか、あるいは最少の機械的振盪により行われる。機械的振盪は攪拌、混合、ブレンドおよび他の好適な方法を含み得る。
【0038】
この組成物は、WDG、SCまたはWPに製剤されるか、あるいは活性成分と共に単純に製剤されるなどの、固形の活性剤を分散させるのに使用するための別々の組成物として提供され得る。
【0039】
当分野の熟練者ならば、この明細書中で説明される本発明は特に説明したもの以外の変形および改変を受けることがあるということを認識するであろう。本発明は、精神および範囲の内に入るすべてのこのような変形および改変を含むということを理解すべきである。本発明は、また、段階、特徴、この明細書中で個別的あるいは集合的に引用されるか、あるいは示される組成物および化合物および前記段階または特徴の任意の2つ以上の任意およびすべての組み合わせもすべて含む。
【0040】
本発明のある態様を例示する目的で含まれ、そしてこの明細書中で前述した一般性を限定するようには意図されていない、以下の非限定的な実施例を参照しながら、本発明を説明する。
【実施例】
【0041】
Collaborative International Pesticides Analytical Council(CIPAC)により開発され、そして方法MT47.2に記述されている標準発泡試験を使用して、Food and Agriculture Organisation of the United Nations,Rome(FAO)により設定されている種々の活性成分の製剤に対して許容し得る泡の限界を測定した。これらの実施例および本発明の例示の目的には、消泡組み合わせ物を含有しない比較の製剤を超えるいかなる改善も望ましいものと考えられる。更に好ましい泡レベル(例えば、通常の農業的な使用に対して許容し得ると考えられる)は、製剤のタイプに依って変わり得る。下記に例示するようにアトラジンおよびシマジンのWDGおよびWP製剤に対しては、振盪を停止した2分後での30mm未満の泡高さが通常の農業的な使用に対しては許容し得るとみなされる。アメトリンの製剤に対しては、振盪を停止した2分後での40mm未満の泡高さが通常の農業的な使用に対しては許容し得るとみなされ
る。
【0042】
これらの実施例の目的には、泡高さは、振盪を停止した後の初期高さ「初期」、1分後の高さ「1分」および2分後の高さ「2分」として示される。発現した泡は、更に、5分にわたって泡高さが低下しないことを意味する「安定」、あるいは泡高さが低下し続ける「不安定」とも記述され得る。
【0043】
実際のCIPAC試験は、100mlの目盛よりも上の40mmの間隔を持つ100mlのメスシリンダーを規定している。この試験には、製剤の間の大きな差を示すのに50mm間隔のあるシリンダーを使用した。50mmの表示レベルに達したいかなる製剤も最大の高さに達したと推測することができる。このような製剤が更に高い泡高さを生じ続けるかどうかは確認不能である。
【0044】
この製剤が広い使用に許容し得るかどうかを示すために、製剤の一般的な分散性も示す。WDG製剤の場合には、含まれている必要な分散試験は、CIPACMT168懸濁性およびCIPACMT−167湿式篩別保持である。これらの性質に対して要求される標準は各製剤と共に、そして場所から場所へと変わる。実用の目的には、65%の懸濁性の結果が最低の許容し得るレベルであり、そして53ミクロン篩に対する<1%の湿式篩別保持および150ミクロン篩に対する0.1%が最低の許容し得るレベルである。
【0045】
WP製剤に対しては、静的湿潤時間試験CIPACMT53.3.1を更に行う。<1分の静的湿潤時間が以下の実施例の製剤において許容し得ると考えられる。SC製剤に対しては、経時的に固体相の沈降またはいかなる著しい粘度変化も示さない製剤を得ることが望まれる。この明細書中のSC製剤の場合にはこれらの性質も測定する。
【0046】
比較例
比較例1〜17の製剤に対する永続的な発泡および分散性についての結果を比較例17の後の表1に示す。
【0047】
比較例1
アトラジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
アトラジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :42
TERSPERSE2100 :5
TERWET1004 :16
タルクT20A :14
水(残存) :5
【0048】
最初にこの固体成分を手によりブレンドし、次にこれらを実験室粉末ミル中で一緒にミル掛けすることにより、この顆粒を製造した。この粉末を振盪下で混合しながら、ほぼ18%w/wの量の水を添加した。次に、部分的に湿った粉末を実験室規模のバスケットタイプ押し出し機で1mmのスクリーンから押し出した。押し出したストランドを振盪によりほぼ均一なサイズに壊し、次に流動床乾燥器中でほぼ0.5%w/wの残存水含量に乾燥した。
【0049】
TERSPERSE 2700は、Huntsman Corporation Australia Pty Limitedにより供給される酸樹脂コポリマーベースの分散剤である。TERSPERSE 2100は、Huntsman LLCにより供給されるナフタレンスルホン酸塩ベースの分散剤である。TERWET 1004は、Huntsman Corporation Australia Pty Limitedに
より供給されるアニオン性界面活性剤の湿潤剤である。TALC T20Aは微細なタルク鉱物質充填剤であり、Unimin Pty Ltdから供給される。この製剤は許容し得ないレベルの泡を呈した。
【0050】
比較例2
アトラジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
アトラジン工業用(98%w/w) :918g/Kg
TERSPERSE 2700 :42
TERWET 1004 :16
TALC T20A :10
Tixosil上のANTIFOAM C:10
水(残存) :4
【0051】
ANTIFOAM Cは、Dow Chemicalからのシリコーンオイル乳化液ベースの消泡剤である。Tixosilは、ANTIFOAM Cを吸着させる、シリカキャリアである。この製剤は許容し得ないレベルの泡を呈した。
【0052】
比較例3
アトラジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
アトラジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :42
TERWET 1004 :16
TALC T20A :10
FLUOWET PL80 :10
水(残存) :4
【0053】
FLUOWET PL80はClariant AGの製品であり、ペルフルオロアルキル消泡剤である。この製剤は許容し得るレベルの泡を呈したが、許容し得ないレベルの分散性を呈した。
【0054】
比較例4
アトラジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
アトラジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :37.5
TERIC 168 :12.5
TALC T20A :27
水(残存) :5
【0055】
TERIC 168は、Huntsman Corporation Australia Pty Limitedにより供給されるアルコールアルコキシレート低泡湿潤性界面活性剤である。これを粉末に添加される水に溶解することにより、この界面活性剤を添加した。この製剤は許容し得ないレベルの泡を呈した。
【0056】
比較例5
アトラジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
アトラジン工業用(97%w/w):927g/Kg
TERSPERSE 2700 :42
TERWET 1004 :15
ステアリン酸 :5
でんぷん粉末 :6
水(残存) :5
【0057】
この製剤は許容し得ないレベルの泡を呈した。
【0058】
比較例6
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
TERWET 1004 :16
TALC T20A :25
水(残存) :5
【0059】
この製剤は許容し得ないレベルの泡を呈した。
【0060】
比較例7
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
SUPRAGILWP :16
TALC T20A :25
水(残存) :5
【0061】
SUPRAGIL WPはRhodia,Inc.からのアルキルナフタレンスルホン酸塩ベースの湿潤剤である。この製剤は許容し得ないレベルの泡を呈した。
【0062】
比較例8
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
EMPIMINOT−50 :32
TALC T20A :25
水(残存) :5
【0063】
EMPIMIN OT−50は、Huntsman LLC.からのスルホコハク酸塩ベースの湿潤剤のほぼ50%w/w水溶液である。これを粉末に添加される水に溶解することにより、この界面活性剤を添加した。EMPIMIN OT−50に含有される水を乾燥工程時に蒸発させた。この製剤は許容し得ないレベルの泡を呈した。
【0064】
比較例9
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
TERWET 1004 :16
ANTIFOAM C :5
TALC T20A :20
水(残存) :5
【0065】
ANTIFOAM Cは、Dow Chemicalからのシリコーンオイル乳化液ベースの消泡剤である。粉末に添加される水と混合することにより、これをこの製剤に添加した。この製剤は許容し得ないレベルの泡を呈した。
【0066】
比較例10
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
TERWET 1004 :16
FLUOWET PL80 :5
TALC T20A :20
水(残存) :5
【0067】
FLUOWET PL80はClariant AGの製品であり、ペルフルオロアルキル消泡剤である。粉末に添加される水と混合することにより、これをこの製剤に添加した。この製剤は許容し得るレベルの泡を呈したが、許容し得ないレベルの分散性を呈した。
【0068】
比較例11
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
TERWET 1004 :16
ステアリン酸 :10
TALC T20A :15
水(残存) :5
【0069】
この製剤は許容し得ないレベルの泡を呈した。
【0070】
比較例12
アメトリン800g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
アメトリン工業用(97%w/w):825g/Kg
TERSPERSE 2700 :50
TERWET 1004 :16
DIATOMITE D30 :87
TALC T45B :17
水(残存) :5
【0071】
DIATOMITE D30は、Unimin Pty Ltd.から市販されている粉末化された珪藻土である。タルクT45Bは、Unimin Pty Ltd.から市販されているグレードのタルクである。この製剤は許容し得ないレベルの泡を呈した。
【0072】
比較例13
アトラジン800g/Kg湿潤型粉末製剤を次の組成により製造した。
アトラジン工業用(97%w/w):825g/kg
TERSPERSE 2425 :30
EMPICOL LXS 95/S:20
TALC T45−B :12.5
【0073】
次に、この固体成分を実験室粉末ミル中で一緒にブレンドした。TERSPERSE 2425は、Huntsman LLC.により供給されているアルキルナフタレンスルホン酸塩の分散剤である。EMPICOL LXS 95/Sは、Huntsman Corporation LLC.により供給されているアルキルサルフェート(スルホネ
ート)の湿潤剤である。この製剤は許容し得ないレベルの泡を呈した。
【0074】
比較例14
アメトリン800g/Kg湿潤型粉末製剤を次の組成により製造した。
アメトリン工業用(98%w/w):842g/kg
TERSPERSE 2425 :30
TERWET 1004 :8
EMPICOL LXS 95/S:7
TALC T45−B :113
【0075】
次に、この固体成分を実験室粉末ミル中で一緒にブレンドした。この製剤は許容し得ないレベルの泡を呈した。
【0076】
比較例15
アトラジン900g/Kg製剤を次の組成により製造した。
アトラジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :39
TERSPERSE 2100 :5
TERWET 1004 :15
ステアリン酸ナトリウム :3.5
AQUALIC DL 100 :16.5
水(残存)3
【0077】
泡高さ(mm)の結果を表1に示す。AQUALIC DL 100は、Nippon
Shokubai Co Ltd.から市販されている近似分子量3500のポリアクリル酸ナトリウムポリマーである。この泡は極めて安定であった。この実施例においては、EDTAを更なるAQUALIC DL 100により置き換えたが、これはDL 100がもう一つのキレートとして単純に作用し、そして消泡効果がキレート全量に関係する場合には、この製剤は良好な消泡を示したことを示唆する。
【0078】
比較例16
アトラジン900g/Kg製剤を次の組成により製造した。
アトラジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2425 :60
SUPRAGIL WP :15
TALC T20A :2
水(残存)5
【0079】
結果を表1に示す。この泡は極めて安定である。
【0080】
比較例17
メトスルフロン750g/Kg製剤を次の組成により製造した。
メトスルフロン工業用(94%w/w):798g/Kg
TERSPERSE 2700 :45
TERWET 1004 :15
TALC T20A :20
KINGWHITE 65 :117
水(残存) :5
【0081】
KINGWHITE 65は、Unimin Pty Limited.から入手可能
なカオリンクレイのグレードである。結果を表1に示す。この泡は極めて安定である。
【0082】
【表1】

【0083】
【表2】

【0084】
比較例18
430g/LテブコナゾールSC製剤を次の組成により製造した。
テブコナゾール工業用(96%):44.79(g/L)
TERSPERSE 4894 :40
モノエチレングリコール :50
シリコーン消泡剤 :2
ザンタンガム :2
PROXEL GXL :1
水 :全部で1L
【0085】
テブコナゾール、TERSPERSE 489440、モノエチレングリコール、シリコーン消泡剤および水を高剪断混合することにより、この製剤を製造した。TERSPERSE 4894は、Huntsman Corporation Australia
Pty Limitedから市販されている、湿潤剤として作用する非イオン性界面活性剤と分散剤のブレンドである。次に、この混合物をほぼ8μmのd(0.5)粒子サイズまでビードミル掛けした。ミル掛けした後、このミルベースにザンタンガム(1%PROXEL GXLと共に水中の2%RHODOPOL23ゲルとして)を添加し、そして
この製剤を水により希釈して、430g/Lテブコナゾールを得た。RHODOPOL 23は、Rhodia Inc.から市販されているザンタンガムである。PROXELGXL 20は、Avecia Inc.から市販されている殺生物剤である。結果を表2に示す。
【0086】
【表3】

【0087】
実施例1〜28の製剤に対する永続的な発泡および分散性についての結果を実施例28の後の表3に示す。
【0088】
実施例1
アトラジン900g/Kg製剤を次の組成により製造した。
アトラジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :39
TERSPERSE 2100 :5
TERWET 1004 :15
ステアリン酸ナトリウム :3.5
EDTA(酸形) :7.5
AQUALIC DL 100 :9
水(残存) :3
【0089】
AQUALIC DL 100はNippon Shokubai Co Ltd.からのポリアクリル酸コポリマーのナトリウム塩である。この製剤は許容し得かつ極めて低いレベルの泡を呈した。これは比較例1、2、4および5に対して得られる結果と比較可
能である。この製剤は比較例3のそれと比較して許容し得るレベルの分散性も呈した。
【0090】
実施例2
アトラジン900g/Kg製剤を次の組成により製造した。
アトラジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :42
TERWET 1004 :15
ステアリン酸ナトリウム :4
EDTA(酸形) :8
TALC T20A :8
水(残存) :5
【0091】
この製剤は許容し得かつ極めて低いレベルの泡を呈した。これは比較例1、2、4および5に対して得られる結果と比較可能である。この製剤は、比較例3のそれと比較して許容し得るレベルの分散性を呈した。
【0092】
実施例3
アトラジン900g/Kg製剤を次の組成により製造した。
アトラジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :42
TERWET 1004 :15
オレイン酸ナトリウム :4
EDTA(酸形) :8
TALC T20A :8
水(残存) :5
【0093】
この製剤は許容し得るレベルの泡を呈した。これは比較例1、2、4および5に対して得られる結果と比較可能である。この製剤は、比較例3の分散性と比較して、許容し得るレベルの分散性も呈した。
【0094】
実施例4
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
TERWET 1004 :16
ステアリン酸ナトリウム :4
EDTA(酸形) :8
TALC T20A :13
水(残存) :5
【0095】
この製剤は許容し得るレベルの泡を呈した。これは比較例6に対して得られる結果と比較可能である。
【0096】
実施例5
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
TERWET 1004 :16
ステアリン酸ナトリウム :4
EDTA(酸形) :8
AQUALIC DL 100 :10
TALC T20A :3
水(残存) :5
【0097】
この製剤は許容し得かつ極めて低いレベルの泡を呈した。これは、比較例6に対して得られる結果と比較可能であり、そして実施例4のそれについての更なる改善である。
【0098】
実施例6
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
SUPRAGIL WP :16
ステアリン酸ナトリウム :4
EDTA(酸形) :8
AQUALIC DL 100 :10
TALC T20A :3
水(残存) :5
【0099】
この製剤は許容し得るレベルの泡を呈した。そしてこの製剤は比較例7の泡と比較可能である。
【0100】
実施例7
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
EMPIMIN OT−50 :32
ステアリン酸ナトリウム :4
EDTA(酸形) :8
AQUALIC DL 100 :10
TALC T20A :3
水(残存) :5
【0101】
この製剤は、許容し得かつ極めて低いレベルの泡を呈するものであり、そして比較例8のそれと比較可能である。
【0102】
実施例8
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
TERWET 1004 :16
オレイン酸ナトリウム :4
EDTA(酸形) :8
AQUALIC DL 100 :10
TALC T20A :3
水(残存) :5
【0103】
この製剤は比較例6の泡と比較して低減した泡を呈した。
【0104】
実施例9
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
TERWET 1004 :16
ラウリン酸ナトリウム :4
EDTA(酸形) :8
AQUALIC DL 100 :10
TALC T20A :3
水(残存) :5
【0105】
この製剤は、比較例6のそれと比較して低いレベルの泡を呈した。
【0106】
実施例10
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
TERWET 1004 :16
ステアリン酸ナトリウム :4
EDTA二ナトリウム塩 :10
TALC T20A :11
水(残存) :5
【0107】
この製剤は、比較例6のそれと比較して低いレベルの泡を呈した。
【0108】
実施例11
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
TERWET 1004 :16
ステアリン酸ナトリウム :4
NTA(酸形) :8
TALC T20A :13
水(残存) :5
【0109】
この製剤は許容し得るレベルの泡を呈した。そして、この製剤は比較例6の泡と比較可能である。
【0110】
実施例12
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
TERWET 1004 :16
ステアリン酸ナトリウム :4
NTA(酸形) :8
AQUALIC DL 400 :10
タルクT20A :3
水(残存) :5
【0111】
この製剤は、比較例6のそれと比較して低いレベルの泡を呈した。
【0112】
実施例13
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
TERWET 1004 :16
ステアリン酸ナトリウム :4
DEQUEST 2016 :8
AQUALIC DL 100 :10
TALC T20A :3
水(残存) :5
【0113】
DEQUEST 2016は、Monsanto Corp.により供給されているヒドロキシエチレン1,1−ジホスホン酸の四ナトリウム塩である。この製剤は、比較例6のそれと比較して低いレベルの泡を呈した。
【0114】
実施例14
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
TERWET 1004 :16
ステアリン酸ナトリウム :4
シュウ酸 :8
AQUALIC DL 100 :10
TALC T20A :3
水(残存) :5
【0115】
この製剤は、比較例6のそれと比較して、低いレベルの泡を呈した。
【0116】
実施例15
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w) :918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
TERWET 1004 :16
ステアリン酸ナトリウム :4
EDTA(酸形) :8
ポリアクリル酸ナトリウム MW2100:10
TALC T20A :3
水(残存) :5
【0117】
この製剤は、比較例6のそれと比較して許容し得かつ極めて低いレベルの泡を呈した。
【0118】
実施例16
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w) :918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
TERWET 1004 :16
ステアリン酸ナトリウム :4
EDTA(酸形) :8
ポリアクリル酸ナトリウム MW5100:10
TALC T20A :3
水(残存) :5
【0119】
この製剤は、比較例6のそれと比較して低いレベルの泡を呈した。
【0120】
実施例17
シマジン900g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
シマジン工業用(98%w/w) :918g/Kg
TERSPERSE 2700 :36
TERWET 1004 :16
ステアリン酸ナトリウム :4
EDTA(酸形) :8
ポリビニルアルコール MW20000:10
TALCT20A :3
水(残存) :5
【0121】
この製剤は、比較例6のそれと比較して低いレベルの泡を呈した。水溶性の非ポリ酸ポリマーの添加は実施例4を超える改善をもたらさなかった。分散液の性質も低下する。これは完全に溶解しないPVAの大きな粒子の存在によると考えられる。
【0122】
実施例18
アメトリン800g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
アメトリン工業用(97%w/w):825g/Kg
TERSPERSE 2700 :50
TERWET 1004 :10
ステアリン酸ナトリウム :5
EDTA(酸形) :10
DIATOMITE D30 :75
TALC T20A :20
水(残存) :5
【0123】
この製剤は許容し得るレベルの泡を呈した。そして、この製剤は比較例12の泡と比較可能である。
【0124】
実施例19
アメトリン800g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
アメトリン工業用(98%w/w):816g/Kg
TERSPERSE 2700 :45
TERWET 1004 :18
ステアリン酸ナトリウム :5
EDTA(酸形) :5
AQUALIC DL 100 :10
DIATOMITE D30 :81
TALC T20A :15
水(残存) :5
【0125】
この製剤は許容し得るレベルの泡を呈した。この製剤は比較例12の泡と比較可能である。この分散液の性質は最適でない。しかし、これはこの工業用グレード中の活性成分の非ミル粒子によることが判明した。
【0126】
実施例20
アメトリン800g/KgWG製剤を次の組成により製造した。
アメトリン工業用(98%w/w):816g/Kg
TERSPERSE 2700 :45
TERWET 1004 :17
ステアリン酸ナトリウム :5
AQUALIC DL 100 :10
DIATOMITE D30 :87
TALC T20A :15
水(残存) :5
【0127】
この製剤は、比較例12のそれと比較して低い(許容し得る)レベルの泡を呈した。
【0128】
実施例21
アトラジン800g/Kg湿潤型粉末製剤を次の組成により製造した。
アトラジン工業用(98%w/w):842g/Kg
TERSPERSE 2425 :30
EMPICOL LXS 95/S:30
ステアリン酸ナトリウム :6
EDTA(酸) :12
ヒュームドシリカ :80
【0129】
TERSPERSE 2425は、Huntsman LLC.により供給されるアルキルナフタレンスルホン酸塩の分散剤である。EMPICOL LXS/95Sは、Huntsman Corporation LLC.により供給されるアルキルサルフェート(スルホネート)の湿潤剤である。この製剤は許容し得るレベルの泡を呈しは。この製剤は比較例13の泡と比較可能である。
【0130】
実施例22
アメトリン800g/Kg湿潤型粉末製剤を次の組成により製造した。
アメトリン工業用1(98%w/w):842g/Kg
TERSPERSE 2425 :30
EMPICOL LXS 95/S :7
TERWET 1004 :8
ステアリン酸ナトリウム :5
EDTA(酸)10
TALC T45−B :98
【0131】
TERSPERSE 2425は、Huntsman LLC.により供給されているアルキルナフタレンスルホン酸塩の分散剤である。EMPICOL LXS/95Sは、Huntsman Corporation LLC.により供給されているアルキルサルフェート(スルホネート)の湿潤剤である。この製剤は許容し得るレベルの泡を呈した。この製剤は比較例14の泡と比較可能である。
【0132】
実施例23
アトラジン900g/Kg製剤を次の組成により製造した。
アトラジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :39
TERSPERSE 2100 :5
TERWET 1004 :15
ステアリン酸ナトリウム :3.5
EDTA(酸) :16.5
水(残存) :3
【0133】
この製剤は許容し得かつ極めて低いレベルの泡を呈した。これは、比較例1、2、4および5に対して得られた結果と比較可能である。この製剤中で使用される工業用グレードは、所望よりも高いレベルの保持された材料を分散時に生じる、高レベルの非ミル材料を有することが示された。この工業用材料を用いて比較例1を再度行った。これは類似のレベルを示した。この製剤は、比較例3のそれと比較して許容し得るレベルの分散性を呈した。
【0134】
実施例24
アトラジン900g/Kg製剤を次の組成により製造した。
アトラジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :39
TERSPERSE 2100 :5
TERWET 1004 :15
ステアリン酸ナトリウム :3.5
EDTA(酸) :12
TALC T20A :4.5
水(残存) :3
【0135】
この製剤は許容し得かつ極めて低いレベルの泡を呈した。これは、比較例1、2、4および5に対して得られた結果と比較可能である。この製剤中で使用される工業用グレードは、所望よりも高いレベルの保持された材料を分散時に生じる、高レベルの非ミル材料を有することが示された。この工業用材料を用いて再度行った比較例1は、類似のレベルを示した。この製剤は、比較例3のそれと比較して許容し得るレベルの分散性を呈した。
【0136】
実施例25
アトラジン900g/Kg製剤を次の組成により製造した。
アトラジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2700 :39
TERSPERSE 2100 :5
TERWET 1004 :15
ステアリン酸ナトリウム :2
EDTA(酸) :16.5
TALC T20A :1.5
水(残存) :3
【0137】
この製剤は許容し得かつ極めて低いレベルの泡を呈した。これは、比較例1、2、4および5に対して得られた結果と比較可能である。この製剤中で使用される工業用グレードは、所望よりも高いレベルの保持された材料を分散時に生じる、高レベルの非ミル材料をに有することが示された。この工業用材料を用いて再度行った比較例1は、類似のレベルを示した。この製剤は、比較例3のそれと比較して許容し得るレベルの分散性を呈した。
【0138】
実施例26
アトラジン900g/Kg製剤を次の組成により製造した。
アトラジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE2700 :39
TERSPERSE2100 :5
TERWET1004 :15
ステアリン酸ナトリウム :3.5
EDTA(四ナトリウム塩) :16.5
水(残存) :3
【0139】
この製剤は低いレベルの泡を呈した。これは、比較例1、2、4および5に対して得られた結果と比較可能である。しかしながら、これは、EDTA四ナトリウム塩の有効性が酸形と比較して低下しているということを示唆する。この製剤中で使用される工業用グレードは、所望よりも高いレベルの保持された材料を分散時に生じる高レベルの非ミル材料を有することが示された。この工業用材料を用いて行った比較例3は類似のレベルを示した。この製剤は、比較例3のそれと比較して許容し得るレベルの分散性も呈した。
【0140】
実施例27
アトラジン900g/Kg製剤を次の組成により製造した。
アトラジン工業用(98%w/w):918g/Kg
TERSPERSE 2425 :50
SUPRAGIL WP :15
ステアリン酸ナトリウム :4
EDTA(酸) :10
水(残存) :3
【0141】
この製剤に対する所望の泡高さは1分後25mmである。この製剤に対する結果は比較例16と比較され得る。
【0142】
実施例28
メトスルフロン750g/Kg製剤を次の組成により製造した。
メトスルフロン工業用(94%w/w):798g/Kg
TERSPERSE 2700 :45
TERWET 1004 :15
TALC T20A :20
ステアリン酸ナトリウム :4
EDTA(酸形) :8
AQUALIC DL 100 :10
KINGWHITE 80 :95
水(残存) :5
【0143】
この製剤は許容し得かつ極めて低いレベルの泡を呈した。これは、比較例17に対して得られた結果と比較可能である。
【0144】
【表4】

【0145】
【表5】

【0146】
実施例29
比較例18の組成物に
ステアリン酸ナトリウム :1%w/w
EDTA酸 :2
AQUALIC DL 100:5
を添加した。永続性の発泡性能を測定した。結果:初期、6mm;1分、5mm;2分、2mm。粘度および沈降性防止挙動の他の性質が保存されることを見出した。
【0147】
このように、この消泡系を用いて泡高さの著しい低下が観察された。この結果は比較例18のそれと比較可能である。下記の表4〜7に示されているのは、比較例および実施例の組成物の要約である。
【0148】
【表6】

【0149】
【表7】

【0150】
【表8】

【0151】
【表9】

【0152】
【表10】

【0153】
【表11】

【0154】
本発明の好ましい態様を示し、かつ説明してきたが、当分野の熟練者によればこれらの改変は本発明の精神および教示から逸脱することなしに実施可能である。この明細書で述べる態様は例示のみのものであり、限定的のものには意図されていない。この明細書で開示した多数の本発明の変形および改変が可能であり、そしてこれらは本発明の範囲内のものである。数値範囲または限定が明示されている場合には、このような明示範囲または限定は、明示されている範囲または限定内に入る反復範囲または同様の大きさの限定を含むと理解されるべきである(例えば、約1〜約10は2、3、4などを含み;0.10よりも大きいは0.11、0.12、0.13などを含む)。クレームの任意の要素に関して用語「場合によっては」を使用することは、主題の要素が必要とされたり、あるいは必要とされないということを意味するように意図されている。両方の選択肢がクレームの範囲内のものであるように意図されている。「含んでなる」、「含む」、「有する」などの広義の用語の使用は、「からなる」、「本質的にからなる」、「実質的にからなる」などの狭義の用語に対する支持を提供するように理解されるべきである。 したがって、保護の範囲は上記の説明により限定されないが、クレームの主題事項のすべての同等物を含む、以下の特許請求の範囲により制限されるのみである。各クレームおよびすべてのクレーム
は本発明の態様としてこの明細書中に組み込まれている。したがって、このクレームは本発明の更なる説明であり、本発明の好ましい態様への付加である。この明細書中でのリフェレンス、特にこの出願の優先日後の公開日を有し得るリフェレンスの議論はこれが本発明の先行技術であるということを承認するものではない。すべての特許、特許出願およびこの明細書中に引用されている刊行物の開示は、この明細書中で示されているものに補助的である例示、方法あるいは他の詳細を提供する範囲で引用によりこの明細書に組み込まれている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農学的に活性な薬剤、脂肪酸塩およびキレート剤を含んでなる固体の農薬製剤。
【請求項2】
農学的に活性な薬剤が除草剤、殺虫剤、殺菌剤、殺生物剤、軟体動物駆除剤、殺藻類剤、植物成長物質、駆虫剤、殺鼠剤、殺線虫剤、ダニ駆除剤、殺アメーバ剤、殺原生動物剤、作物安全性付与剤、補助剤またはこれらの組み合わせ物を含んでなる請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
農学的に活性な薬剤がトリアジン、尿素またはこれらの組み合わせ物を含んでなる請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
固体の農薬製剤がWDGあるいはWP製剤のものである請求項3に記載の製剤。
【請求項5】
農学的に活性な薬剤がアトラジン、シマジンまたはこれらの組み合わせ物を含んでなる請求項1に記載の製剤。
【請求項6】
脂肪酸塩がC〜C21脂肪酸を含んでなる請求項1に記載の製剤。
【請求項7】
脂肪酸塩がステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸アルミニウムまたはこれらの組み合わせ物を含んでなる請求項1に記載の製剤。
【請求項8】
キレート剤がエチレンジアミン四酢酸、グルコン酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、これらの塩、これらの水和物またはこれらの組み合わせ物を含んでなる請求項1に記載の製剤。
【請求項9】
キレート剤がエチレンジアミン四酢酸を含んでなる請求項1に記載の製剤。
【請求項10】
脂肪酸塩:キレート剤の比が約1:100〜約100:1である請求項1に記載の製剤。
【請求項11】
脂肪酸塩およびキレート剤が約1:1.5〜約1:3の比で存在する請求項1に記載の製剤。
【請求項12】
脂肪酸塩およびキレート剤が消泡組み合わせ物を形成し、そして消泡組み合わせ物のレベルが約0.1%w/w〜約20%w/wである請求項1に記載の製剤。
【請求項13】
ポリ酸ポリマーを更に含んでなる請求項1に記載の製剤。
【請求項14】
ポリ酸ポリマーがキレート剤である請求項13に記載の製剤。
【請求項15】
ポリ酸ポリマーがポリアクリル酸ナトリウムを含んでなる請求項13に記載の製剤。
【請求項16】
ポリアクリル酸ナトリウムが約500ダルトン〜約20000ダルトンの分子量を有する請求項15に記載の製剤。
【請求項17】
ポリ酸ポリマー:脂肪酸塩およびキレート剤の比が約1:50〜約50:1である請求項13に記載の製剤。
【請求項18】
脂肪酸塩、キレート剤およびポリ酸ポリマーが消泡組み合わせ物を形成し、そして消泡
組み合わせ物のレベルが約0.5重量%〜約20重量%である請求項13に記載の製剤。
【請求項19】
湿潤剤を更に含んでなる請求項1に記載の製剤。
【請求項20】
湿潤剤が約1%w/w〜約3%w/wの量で製剤中に存在する請求項19に記載の製剤。
【請求項21】
分散剤を更に含んでなる請求項1に記載の製剤。
【請求項22】
製剤が約4〜約9のpHを含んでなる請求項1に記載の製剤。
【請求項23】
製剤が水分散性顆粒または湿潤型粉末の形のものである請求項1に記載の製剤。
【請求項24】
水、農学的に活性な薬剤、脂肪酸塩およびキレート剤を含んでなる懸濁液濃縮製剤。
【請求項25】
農学的に活性な薬剤がアトラジン、シマジンまたはこれらの組み合わせ物を含んでなる請求項24に記載の製剤。
【請求項26】
脂肪酸塩がC〜C21脂肪酸を含んでなる請求項24に記載の製剤。
【請求項27】
ポリ酸ポリマーを更に含んでなる請求項24に記載の製剤。
【請求項28】
(A)農学的に活性な薬剤、脂肪酸塩およびキレート剤を含んでなる組成物を準備し;そして
(B)組成物を水中に分散させる
段階を含んでなる、固形の農学的に活性な薬剤の水性分散液を製造するための方法。
【請求項29】
脂肪酸塩およびキレート剤が消泡組み合わせ物を形成し、そして消泡組み合わせ物のレベルが約0.1%w/w〜約20%w/wである請求項28に記載の方法。
【請求項30】
ポリ酸ポリマーを更に含んでなる請求項28に記載の方法。
【請求項31】
ポリ酸ポリマー:脂肪酸塩およびキレート剤の比が約1:50〜約50:1である請求項30に記載の方法。

【公表番号】特表2008−537534(P2008−537534A)
【公表日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548586(P2007−548586)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/047124
【国際公開番号】WO2006/071887
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(507213857)ハンツマン・コーポレーシヨン・オーストラリア・ピーテイワイ・リミテツド (1)
【Fターム(参考)】