説明

泡スプレー式屋外用洗浄剤

【課題】玄関ポーチや庭先で発生したコケ、カビ汚れや壁面の水垢汚れなどを洗浄するに際し、使用が簡便で十分な洗浄力を有し、また壁などの垂直面に対しても洗浄剤が汚れにしっかり作用するように垂れ流れの少ない泡状のスプレー式屋外洗浄剤を提供する。
【解決手段】(A)リンゴ酸1〜10重量%、(B)非イオン界面活性剤1〜5重量%、(C)両性界面活性剤0.5〜5重量%、(D)ポリアクリル酸ソーダ0.5〜3重量%と水(全体で100重量%)を含有し、pHが3.1〜4.2でスプレー式容器に充填して使用する泡状のスプレー式屋外用洗浄剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
玄関まわりや庭先まわりで発生したコケ、カビ汚れや水垢汚れなどを洗浄する際に使用が簡便なスプレー容器に充填して使用される洗浄剤組成物であり優れた洗浄力を有し、壁面などの垂直面でも洗浄剤が汚れにしっかりと作用するように垂れ流れの少ない泡状のスプレー式屋外用洗浄剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
玄関まわりや家まわりで発生したコケ、カビ汚れや水垢汚れに対してはジェット洗浄機などの強い水圧で洗い流すケースや市販されている専用洗剤が極端に少ないために、塩素系漂白剤や台所用洗剤を代用するケースが多い。ただしジェット洗浄機では簡便性に欠け、塩素系漂白剤は塩素臭による不快感やむせかえり、植木などへの影響が懸念される。台所用洗剤のようなものでは満足いく洗浄効果を得ることは困難である。
これらの問題点を考慮し洗浄力を目的として有機酸と特定の酸及び界面活性剤を組み合わせた
外壁用洗浄剤(特許文献1参照)も提案されている。
【特許文献1】特開平10−306300号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この外壁用洗浄剤では壁面に使用した際に、洗浄成分が垂れ流れて汚れへの作用が不十分であることやアルカリ液での中和処理が必要であるため簡便性に欠ける。
本発明では上記のような実情から手軽に使用でき、優れた洗浄力を有し、且つ壁面などの垂直面でも洗浄剤が汚れにしっかり作用するように垂れ流れの少ない泡状のスプレー式屋外用洗浄剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは上記目的を達成するため検討を重ねてきた結果、リンゴ酸、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤及びポリアクリル酸ソーダを特定の比率で配合することにより優れた洗浄力を有し、しかもスプレー時に泡状になることで垂直面において垂れ流れが少ない泡スプレー式屋外洗浄剤の開発に至った。
【0005】
すなわち、本発明は、(A)リンゴ酸1〜10重量%、(B)非イオン界面活性剤1〜5重量%、(C)両性界面活性剤0.5〜5重量%、(D)ポリアクリル酸ソーダ0.5〜3重量%と水(全体で100重量%)を含有し、pHが3.1〜4.2であることを特徴とする泡スプレー式屋外用洗浄剤を提供するものである。
【0006】
本発明で用いられる成分(A)のリンゴ酸の配合量は組成物全体に対して1〜10重量%であり、好ましくは3〜7重量%である。この量が少ないと酸洗浄効果及びキレート効果が発揮されない。多すぎるとpHが低くなりすぎて外壁素材や植木などに悪影響がでる可能性がある。
【0007】
成分(B)の非イオン界面活性剤としては通常液体洗浄剤に使用されるものでよく、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アミンオキシドなどが挙げられる。これらの中でも特にポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましく、組成物中に1〜5重量%配合され、好ましくは1.5〜3.5である。この量が少ないと効果的な洗浄性を発揮できず、多すぎても改善点はなく、経済的に不利益である。
【0008】
成分(C)の両性界面活性剤としては例えばアルキルカルボキシベタイン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルイミダゾリン型などが挙げられる。これらの中ではアルキルカルボキシベタイン型が好ましく、組成物全体に対して0.5〜5重量%配合される。
成分(B)と成分(C)の好ましい配合比率は、重量比で、成分(B):成分(C)=2.5:1〜1:1である。成分(C)の量が少ないとスプレーしたときの泡立ちが悪く、多すぎても泡立ちの改善が見られず経済的に不利益である。
【0009】
成分(D)のポリアクリル酸ナトリウムの分子量は好ましくは5000〜10000であり、配合量は組成物全体に対して好ましくは0.5〜3重量%である。
(B)成分+(C)成分と成分(D)との好ましい配合比は、重量比で、(B)成分+(C)成分:(D)成分の比率=5:1〜2:1である。
成分(D)の配合量が少なすぎても多すぎても泡の付着性が悪くなり、垂直面で洗浄剤と汚れの接触時間が充分にとれない。
【0010】
本発明の洗浄剤組成物のpHは3.1〜4.2であることを必要とする。pHが低すぎると安全性の面で問題があり好ましくない。pHが高すぎると十分な洗浄効果が得られない。pHを調整する手段としてはリンゴ酸、クエン酸又はそれらの塩類を用いることが好ましい。
【0011】
また本発明洗浄剤組成物には香料、染料、防腐剤、殺菌剤、再付着防止剤その他の目的に応じた添加物を適宜に加えることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のスプレー式屋外用洗浄剤は使用が簡便で、十分な洗浄力を有し、且つ垂直面でも泡が垂れ流れずに汚れへ作用し効率よく洗浄することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0014】
実施例1〜2、比較例1〜6
表1に示す組成の洗浄液を調整し、泡スプレー式容器に充填した。これらの実施品および比較品を用いて(1)洗浄力、(2)泡付着性を評価した。評価方法は以下の通りである。
【0015】
(1) 洗浄力:屋外のコケ、カビ汚れが付着した壁面においてサンプルの洗浄評価を実施した。洗浄評価は汚れに対してサンプルを適量噴霧し、10〜15分放置した。その後、壁面を軽くブラシでこすりながら水洗いした後、汚れ除去性を下記基準で目視判定した。
○ ・・・汚れがほぼ落ちた
△ ・・・汚れが一部残った
× ・・・汚れがほとんど落ちなかった
【0016】
(2) 泡付着性:垂直に立てかけた一辺20cmの正方形アクリル板の中心部分に向かってサンプルを1回噴射した。10秒後にアクリル板に残っている泡の重量から下記の式を用いて付着率を算出した。
【数1】

【表1】

【0017】
表1から判るように、実施例の液体洗浄剤サンプルはいずれの項目においても良好な結果を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)リンゴ酸1〜10重量%、(B)非イオン界面活性剤1〜5重量%、(C)両性界面活性剤0.5〜5重量%、(D)ポリアクリル酸ソーダ0.5〜3重量%と水(全体で100重量%)を含有し、pHが3.1〜4.2であることを特徴とする泡スプレー式屋外用洗浄剤。

【公開番号】特開2008−106116(P2008−106116A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−289357(P2006−289357)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(500346419)ニッサン石鹸株式会社 (10)
【Fターム(参考)】