説明

泥土、汚泥等の再資源化方法および再資源化装置

【課題】設備費は安価で、処理能力は大きく、しかも一定した品質の粒状物を得ることができる泥土、汚泥等の再資源化方法を提供する。
【解決手段】軸方向に1本の回転軸(20)が設けられ、この回転軸に所定の複数枚の混合攪拌羽根(25、25、…)が設けられる横長の処理容器(1)を使用する。この処理容器(1)内を上流側から排出側に向かって仕切壁により混合ゾーン(M)と混練ゾーン(K)と造粒ゾーン(G)とに形式的に分け、混合ゾーンに泥土、汚泥等の被処理物を、混練ゾーンに高分子凝集剤を、そして造粒ゾーンに固化材をそれぞれ投入する。このとき、高分子凝集剤は、望ましくは混練ゾーン(K)の上流側に、そして固化材は造粒ゾーン(G)の上流側にそれぞれ注入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泥土、汚泥等の被処理物を地盤材料等に利用できるように粒状化処理する、泥土、汚泥等の再資源化方法および再資源化装置に関し、さらに具体的には泥土、汚泥等の被処理物を、軸方向に混合ゾーンと混練ゾーンと造粒ゾーンとに仕切られている横長の処理容器の、前記混合ゾーンに連続的に供給し、高分子凝集剤および固化材を添加して混練・造粒し、そして前記造粒ゾーンから地盤材料等に再利用できる粒状土を連続的に得る、泥土、汚泥等の被処理物の再資源化方法およびこの方法の実施に使用される再資源化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建設土木工事現場で生じる高含水粘土、浄水場の排水処理過程で生じする脱水ケーキ、下水処理場、焼却場、化学工場、生コン工場、鋳物工場等で発生する汚泥、ヘドロ等は、環境に対する配慮から、さらには資源の有効利用の観点から、単なる投棄処理から、粒状化処理して道路用材料、グランド改良材、園芸用土等に利用することが計られている。そのための処理方法も従来から色々提案されている。例えば、浄水場の排水処理過程で生じる脱水ケーキに、安定剤として山砂、セメント系固化剤等を加えて改良土を製造する研究もなされている。また、特許文献1には、石炭火力発電所から排出されるフライアッシュを、埋立て材、盛り土造成材、土木工材等に利用するために、フライアッシュに消石灰と水とを加えて湿潤混練物を得て、これを転動処理して造粒し、炭酸ガス雰囲気中に放置して固化するフライアッシュの固化方法が示されている。
【0003】
また、特許文献2により、例えば建築工事、地盤改良工事、下水処理等に伴って発生する泥土を資源として利用するリサイクル方法も提案されている。このリサイクル方法は、泥土と凝集剤とを混合して沈殿物と上澄み水とに分離する工程と、得られた沈殿物に中性の水溶性高分子剤と半水石膏とかなら乾燥固化剤を混合して固化処理土を調整する工程と、上澄み水を濾過して濾過水と残留物とに分離する工程と、前記工程で分離した残留物と他の泥土と凝集剤とを混合して沈殿物と上澄み水とに分離する工程、この工程で得られた沈殿物と上澄み水とを前述したように処理する工程とから構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−156326号
【特許文献2】特開平10−272498号公報
【特許文献3】特開平9−294998号公報
【特許文献4】特開平11−76990号公報
【0005】
上記のように、泥土、汚泥等の処理方法は、従来から色々提案されているが、本発明の直接的な先行技術文献として、特許文献3、4を挙げることができる。特許文献3に示されている再資源化装置は、汚泥が投入されるスラッジ攪拌槽と、スクリュ式脱水機と、汚泥計量ビンと、添加剤計量ビンと、混合機とから概略構成されている。したがって、次のようにして汚泥を再資源化できる。すなわち、処理する汚泥をスラッジ攪拌槽に投入し、攪拌しながらスクリュ式脱水機に供給する。そうすると、前方へ送られる過程で所定の含水率になるように脱水され、そして汚泥計量ビンに蓄えられる。一方、水溶性高分子剤、半水石膏等の添加剤を添加剤計量ビンに蓄えておく。汚泥計量ビンから所定量の汚泥を混合機に投入すると共に、添加剤計量ビンから所定量宛の添加剤を混合機に投入する。そうして、所定時間混合機の混合羽根を回転駆動する。そうすると、汚泥と添加剤は混合され、汚泥は固化する。次いで造粒される。所定時間造粒して、混合機の底に設けられている排出口扉を開くと、所定径の再利用可能な造粒物が得られる。
【0006】
一方、特許文献4には、汚泥が収納されるホッパ、このホッパの下部に設けられている振動スクリーンフィーダ、汚泥を混合造粒機まで搬送するスクリュコンベヤ、混合造粒機、添加剤計量ビン等からなる汚泥の再資源化装置が示されている。この装置によっても、前述した特許文献3に記載の再資源化装置と同じようにして汚泥から再利用可能な造粒物が得られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献3、4のそれぞれにより開示されている発明によっても、前記したようにして汚泥から再利用できる粒状の地盤材料を得ることができ、有効に実施されているが、改良すべき問題点もある。例えば、上記発明は、処理すべき汚泥をスラッジ攪拌槽あるいは混合造粒機に投入し、この混合造粒機内で混合・混練して添加材を注入して、さらに造粒し、次いで混合造粒機の底に設けられている排出口扉を開いて、製品を排出するという、いわゆるバッチ式になっているので、装置が遊んでいる時間帯があり、1台の単位時間あたりの処理量が少ないという問題がある。例えば、1.5立方メートル容量の混合造粒機により、1時間あたり100トンの汚泥を処理しようとすると、10台の混合造粒機を必要とし、設備費が高くなるという問題がある。また、台数が増えると、広い設置スペースを必要とするようにもなる。さらには、台数が増えることにより管理が複雑になるという問題もある。また、バッチ式であるので、投入する添加材の制御も個別的になり、しかもオン・オフ添加となり連続性がないので、投入量が処理機毎にばらつき、製品の品質が一定しなくなる恐れもある。
【0008】
一般に、造粒物あるいは粒状物は、次の2つの作用から得られる。すなわち、被処理物を攪拌羽根で混合・分散し、そして粒状物の核となる小さな核造粒物を得る分散・造核作用と、この分散・造核作用で得られた多数の核が混在している被処理物を、同様に攪拌羽根で大きな脈流的な運動をするように混合・攪拌し、核の周囲に被処理物を付着させ所定の大きさに造粒する造粒作用とからなっている。造核作用では、被処理物を粒子単位に分散・混合する必要があるので、攪拌羽根は小さくて高速で回転駆動されるのが望ましいが、造粒作用を行う攪拌羽根は、大きくて低速で回転駆動されるのが望ましい。
【0009】
ところで、特許文献3、4に記載の再資源化装置には、混合造粒羽根が備わっているので、塊状物もある程度破砕され、そして造粒されるので、例えば脱水ケーキのような塊状物の造粒には適していると言える。しかしながら、造粒物は前述したように分散・造核作用と造粒作用の相容れない両作用で得られるので、1台の混合造粒装置で両作用を同時に得ることは難しく、粒状物はある大きさに成長すると破壊されて、大きな造粒物にはなり難いという欠点もある。
【0010】
本発明は、上記したような従来の問題点を解決した泥土、汚泥等の再資源化方法および装置を提供しようとするもので、具体的には設備費は安価で、処理能力は大きく、しかも一定した品質の粒状物を得ることができる泥土、汚泥等の再資源化方法およびこの方法の実施に直接使用される再資源化装置を提供することを目的としている。また、他の発明は上記目的に加えて、混合・造核作用と造粒作用の両作用を1台の装置で奏する、泥土、汚泥等の再資源化装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成するために、横長の処理容器内を上流側から排出側に向かって仕切壁により混合ゾーンと混練ゾーンと造粒ゾーンとに形式的に分け、混合ゾーンに泥土、汚泥等の被処理物を、混練ゾーンに高分子凝集剤を、そして造粒ゾーンに固化材をそれぞれ投入するように構成される。このような各ゾーンは、軸方向あるいは処理物の流れ方向に所定の長さを有する。したがって、高分子凝集剤は、望ましくは混練ゾーンの上流側に、そして固化材は造粒ゾーンの上流側にそれぞれ注入するように構成される。本発明によると、横長の処理容器には、軸方向に1本の回転軸が設けられ、この回転軸に所定の複数枚の混合攪拌羽根が設けられる。他の発明は、各ゾーンにおける攪拌羽根の構造が異なるように構成される。
【0012】
かくして、請求項1に記載の発明は上記目的を達成するために、泥土、汚泥等の被処理物を、軸方向に混合ゾーンと混練ゾーンと造粒ゾーンとに仕切られている横長の処理容器の、前記混合ゾーンに連続的に供給して混合・分散する供給混合工程と、該供給混合工程で混合された被処理物を次の混練ゾーンに連続的に送ると共に凝集剤を連続的に投入して混練・凝集させる凝集工程と、該凝集工程で凝集した被処理物を次の造粒ゾーンに連続的に送ると共に固化材を連続的に投入して所定径の粒状物を連続的に得る造粒工程とから構成される。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の再資源化方法において、各ゾーンにおける被処理物の滞留時間を各ゾーンを仕切っている仕切壁の開口部の開度により制御するように構成される。請求項3に記載の発明は、泥土、汚泥等の被処理物が通過する開口部が開けられている仕切壁により、軸方向に混合ゾーンと混練ゾーンと造粒ゾーンとに仕切られている横長の処理容器と、該処理容器の各ゾーンを貫通する形で回転駆動可能に設けられている回転軸と、該回転軸に取り付けられている混合攪拌羽根とからなり、被処理物が前記混合ゾーンに連続的に供給され、そして前記仕切壁の開口部を通って前記混練ゾーンに送られ、次いで前記仕切壁の開口部を通って造粒ゾーンに送られ、該造粒ゾーンで造粒されて連続的に排出されるようになっている再資源化装置であって、前記混練ゾーンには凝集剤の連続投入口が、そして前記造粒ゾーンには固化材の連続投入口が、それぞれ設けられている。請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の再資源化装置において、混合ゾーンと混練ゾーンに位置する混合攪拌羽根は鋤型の羽根で、造粒ゾーンに位置する混合攪拌羽根は板状の羽根であるように構成され、請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の再資源化装置において、仕切壁の開口部の面積が調節可能であるように構成される。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によると、軸方向に混合ゾーンと混練ゾーンと造粒ゾーンとに仕切られている横長の処理容器の、前記混合ゾーンに被処理物を連続的に供給して混合・分散する供給混合工程と、該供給混合工程で混合された被処理物を次の混練ゾーンに連続的に送ると共に凝集剤を連続的に投入して混練・凝集させる凝集工程と、該凝集工程で凝集した被処理物を次の造粒ゾーンに連続的に送ると共に固化材を連続的に投入して所定径の粒状物を連続的に得る造粒工程とから構成されているので、すなわち混合ゾーンと混練ゾーンと造粒ゾーンとに仕切られている横長の処理容器を使用するので、換言すると複数の機能を備えている処理容器を使用するので、個別の機能を備えた複数個の処理容器を使用する場合に比較して本発明によると再資源化装置を安価に提供できる効果が得られる。また、連続的に処理するので、バッチ式に比較して処理能力は大きく、したがって1台の再資源化装置により複数台のバッチ式再資源化装置と同等の被処理物を処理ができる効果も得られる。また、連続して処理するので、一定した品質の再資源化物を得ることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図1により本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態に係わる泥土、汚泥等の再資源化装置は、図1に示されているように、軸芯が水平方向になるように配置される、横長の処理容器1を備えている。この横長の処理容器1の、図1において左方が混合ゾーンMに、中間部が混練ゾーンKに、そして右方が造粒ゾーンGに選定されている。そして、本実施の形態によると、これらのゾーンMK、Gにまたがって1本の共通の回転軸20が回転駆動可能に設けられている。
【0015】
処理容器1は、略円筒状を呈している。そして、本実施の形態では、前述したような泥土、汚泥、脱水ケーキ等の被処理物は、処理容器1の左方の端部寄りから混合ゾーンMに連続的に供給され、混練ゾーンKを経て右方へ送られる過程で分散・混合され、そして核が形成され、次いで造粒ゾーンGに送られ造粒された製品は造粒ゾーンGの右端部近傍から連続的に排出されるようになっている。そのために、処理容器1の左端部近傍の上方には、被処理物の連続供給口2が設けられ、処理容器1の右端部の下方には製品の連続排出口3が設けられている。連続供給口2に対応して、振動スクリーンフイーダ10が設けられ、連続排出口3に対応して排出シュート7が設けられている。また、混練ゾーンKには、その上流側に寄った位置に凝集剤連続投入口4が、そして造粒ゾーンGの上流側に寄った位置には固化材連続投入口5がそれぞれ設けられている。なお、排出シュート7の下方部には、搬送コンベヤ70が設けられ、排出シュート7から連続的に排出される製品Sは、このコンベヤ70によりヤードYまで搬送されるようになっている
【0016】
振動スクリーンフイーダ10は、所定径の棒状体から網状に構成されたスクリーンからなり、その枠体が所定の振動数と振幅で駆動されるようになっている。凝集剤連続投入口4には、その上流端が凝集剤ホッパ40に連なったスクリュフイーダ41の終端部が接続され、また固化材投入口5にもその上流端が固化材ホッパ50に連なっているスクリュフイーダ51が接続されている。固化材サイロ52にはリフトコンベヤ53が設けられ、このリフトコンベヤ53で搬送される固化材は、シュート54により固化材ホッパ50に蓄えられるようになっている。これらのスクリュフイーダ41、51の回転速度は制御される。これにより、凝集剤連続投入口4からは所定量宛の、例えば水溶性高分子剤、半水石膏等からなる凝集剤が分散・混練されている被処理物中に連続的に注入され、固化材投入口5から同様に所定量宛の、例えば主成分がフライアッシュである固化材が造粒ゾーンGに連続的に投入される。
【0017】
このように、被処理物の連続供給口2、製品の連続排出口3等が設けられている処理容器1の両サイドは側壁6、6’で閉鎖されている。そして、処理容器1内を軸方向に略三等分する位置に、混合ゾーンMと混練ゾーンKとを区画する第1の仕切壁11と、混練ゾーンKと造粒ゾーンGとを区画する第2の仕切壁12とが取り付けられている。これらの第1、2の仕切壁11、12は、処理容器1を横切り閉鎖する形で取り付けられ、本実施の形態では、図1には具体的に示されていないが、2個の被処理物通過孔が、軸心を中心として上下に分かれて、略三角形を呈するようにして明けられている。これらの被処理物通過孔の開口面積は、左右方向にスライド可能な調節板で調節される。また、側壁6’に形成されている連続排出口3の開口度も調節されるようになっている。これにより、各ゾーンM、K、Gに被処理物が停留する時間が調節される。
【0018】
このように構成されている処理容器1の内部には、その軸心と同軸的に1本の回転軸20が水平方向に設けられている。回転軸20は、その両端は処理容器1から両側壁6、6’を通って外方へ出て、第1、2の軸受21、21’により回転自在に軸受けされている。そして、第1の軸受21の外側において、モータ、ベルト等からなる動力伝達装置22を介してモータ23により回転駆動されるようになっている。本実施の形態によると、モータ23にはインバータが取り付けられており、回転軸20はその回転速度が任意に調節できるようになっている。
【0019】
このように回転速度が任意に調節される回転軸20の、各ゾーンM、K、Gに位置する部分には、軸方向および回転角度方向に所定の間隔をおいて複数個のアーム24、24、…が固定され、これらのアーム24、24、…に混合攪拌羽根25、25、…が取り付けられている。混合攪拌羽根25、25、…は、本実施の形態では鋤形すなわちショベル形を呈し、被処理物はこれらの混合攪拌羽根25、25、…により、浮遊分散混合および造粒される。
【0020】
図1に示されているように、各ゾーンM、K、Gにおける混合攪拌羽根25、25、…は、同じ大きさ、同じ形状で実施することもできるが、各ゾーンM、K、Gにおける混合攪拌羽根25、25、…の構造あるいは大きさを異なるように構成することもできる。例えば、混合ゾーンMと混練ゾーンKにおける混合攪拌羽根25、25、…は、被処理物に接する面積を狭くし、そして混合攪拌羽根の周速度が早くなるようにアーム24、24、…の長さを長くすることもできる。これとは逆に、造粒ゾーンGにおける混合攪拌羽根25、25、…の、被処理物に接する面積を広くし、そして混合攪拌羽根25、25、…の周速度が遅くなるようにアーム24、24、…の長さを短くすることもできる。または、造粒ゾーンG内に位置する回転軸20には、軸方向に所定の間隔をおいて、回転方向には比較的疎に複数個のアーム24、24、…を固定し、これらのアーム24、24、…の先端部に軸方向に長い板状の混合攪拌羽根を取り付けることもできる。これにより、混合ゾーンMと混練ゾーンKにおける被処理物の混合・分散効果は促進され、造粒ゾーンGにおいてはより大径の粒造物が得られる。
【0021】
次に、上記実施の形態の作用について説明する。本実施の形態に係わる再資源化装置も制御盤を備え、この制御盤と各モータは信号ラインにより接続されているので、自動的に処理することができるが、以下便宜上手動と自動とが混在した形で説明する。
【0022】
振動スクリーンフィーダ10には、泥土、汚泥等の被処理物を、凝集剤ホッパ40には例えば水溶性高分子剤、半水石膏等からなる凝集剤を、そして固化材ホッパ50には例えば主成分がライアッシュである固化材をそれぞれ貯える。そうして、モータ23により回転軸20を駆動する。また、振動スクリーンフィーダ10を起動する。さらには、スクリュフィーダ41、51を所定速度で回転駆動する。そうすると、震度スクリーンフィーダ10により篩われた被処理物は、所定の割合で処理容器1の混合ゾーンMに供給される。被処理物は、混合攪拌羽根25、25、…により持ち上げられ、そして落下し混合される。
【0023】
第1の仕切壁11の被処理物通過孔の開度により、所定時間滞留して混合された被処理物は、混合攪拌羽根25、25、…により次の混練ゾーンKに送られる。凝固剤連続投入口から連続的に凝固剤を投入する。そうすると、回転軸20に取り付けられている混合攪拌羽根25、25、…により、攪拌混練される。水分を含んでいた被処理物は、短時間に凝固する。同様にして、所定時間混練された凝集物は、その下流側の造粒ゾーンGへと送られる。この造粒ゾーンGに固化材を連続的に添加する。この造粒ゾーンGにおいて核が形成され、そして核の外周面に被処理物が付着し、造粒される。連続排出口3の被処理物通過孔の開度の調節により所定時間造粒して、所定径の製品Sを得る。製品Sは、連続排出口3から連続的に搬送コンベヤ70上に排出される。排出される製品Sは、ヤードYに積み上げられる。積み上げられた製品Sを道路用材料、グランド改良材等として適宜利用する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態を一部断面にして模式的に示す側面図である。
【符号の説明】
【0025】
1 処理容器 2 連続供給口
3 連続排出口 4 凝固剤連続投入口
5 固化材連続投入口 10 振動スクリーンフィーダ
11 第1の仕切壁 12 第2の仕切壁
20 回転軸 25 混合攪拌羽根

【特許請求の範囲】
【請求項1】
泥土、汚泥等の被処理物を、軸方向に混合ゾーンと混練ゾーンと造粒ゾーンとに仕切られている横長の処理容器の、前記混合ゾーンに連続的に供給して混合・分散する供給混合工程と、該供給混合工程で混合された被処理物を次の混練ゾーンに連続的に送ると共に凝集剤を連続的に投入して混練・凝集させる凝集工程と、該凝集工程で凝集した被処理物を次の造粒ゾーンに連続的に送ると共に固化材を連続的に投入して所定径の粒状物を連続的に得る造粒工程とからなる、泥土、汚泥等の被処理物の再資源化方法。
【請求項2】
請求項1に記載の再資源化方法において、各ゾーンにおける被処理物の滞留時間を各ゾーンを仕切っている仕切壁の開口部の開度により制御する、泥土、汚泥等の被処理物の再資源化方法。
【請求項3】
泥土、汚泥等の被処理物が通過する開口部が開けられている仕切壁により、軸方向に混合ゾーンと混練ゾーンと造粒ゾーンとに仕切られている横長の処理容器と、該処理容器の各ゾーンを貫通する形で回転駆動可能に設けられている回転軸と、該回転軸に取り付けられている混合攪拌羽根とからなり、
被処理物が前記混合ゾーンに連続的に供給され、そして前記仕切壁の開口部を通って前記混練ゾーンに送られ、次いで前記仕切壁の開口部を通って造粒ゾーンに送られ、該造粒ゾーンで造粒されて連続的に排出されるようになっている再資源化装置であって、
前記混練ゾーンには凝集剤の連続投入口が、そして前記造粒ゾーンには固化材の連続投入口が、それぞれ設けられていることを特徴とする泥土、汚泥等の再資源化装置。
【請求項4】
請求項3に記載の再資源化装置において、混合ゾーンと混練ゾーンに位置する混合攪拌羽根は鋤型の羽根で、造粒ゾーンに位置する混合攪拌羽根は板状の羽根である、泥土、汚泥等の再資源化装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の再資源化装置において、仕切壁の開口部の面積が調節可能である、泥土、汚泥等の再資源化装置。

【図1】
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【公開番号】特開2007−44601(P2007−44601A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−230283(P2005−230283)
【出願日】平成17年8月9日(2005.8.9)
【出願人】(595156229)
【出願人】(000207724)大平洋機工株式会社 (7)
【Fターム(参考)】