説明

注入装置及び注入方法

眼炎用注入装置は、液体容器で規定される本体と、容器と流体連通するポンプとを含む。また、眼炎用注入装置は、液体の投与量を保持するための投与室を含むノズル、バルブシート、及びバルブカバーを含む。バルブカバーはバルブシート上に伸び、それらの間にインターフェースを形成し、バルブシートは出口隙間を含む。インターフェースは、出口隙間及び投与室と流体連通し、少なくともバルブカバーの部分は、(1)インターフェースを閉じ、その間に防水シールを形成するために、バルブカバーがバルブシートと接触する閉の位置、及び(2)バルブ開放圧力よりも高い圧力の下で、その間に加圧された液体の通路を許容するために、出口隙間を通過する流体の流れに反応し、少なくともバルブカバーの部分が、バルブシートから間隔を置く、少なくとも1つの開の位置の間で移動可能である。バルブシートとバルブカバーとは、毎秒約6メートルより低い速度でインターフェースを通過する液体の投与量を投与するように寸法決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2003年11月14日に出願した米国仮特許出願連続番号60/519,961に基づく優先権を主張し(claim the benefit)、本開示の一部を構成するものとして、これらを援用する。
【0002】
本発明は、注入装置及び液体や他の薬物の注入方法に関する。
【背景技術】
【0003】
典型的な先行技術である、点眼器等の眼炎用注入装置は、眼に滴下される液体を保持するためのバイアル(瓶)、及び、キャップと点眼アッセンブリとを含む。キャップは、液体をバイアルから点眼器の中空管に汲み出すための圧縮バルブを含む。ユーザは、眼の上に点眼器を構え、液体を眼に落とすためにバルブを絞らなければならない。典型的な先行技術である眼炎用注入装置の一つの欠点は、多くのユーザが、それらを使用するのに困難を覚えることである。あるユーザは、眼に注入するのが困難であり、その代わりに顔の他の部分にこぼす。他のユーザは、投滴を計量すること及び/又は点眼器の操作方法に困難を覚える。他の欠点は、1回の滴下から次の滴下へのそれぞれの滴下の量を、正確に制御し続けることが困難となり得ることである。また、他の欠点は、そのような先行技術である注入装置は、典型的に保存されない医薬の複数回の投与量を保持できないということにある。
【0004】
本発明は、これらの及び先行技術である眼炎用注入装置に係る他の問題を認識し、先行技術が直面する問題の多くを克服し、改良された眼炎用注入装置を提供している。例えば、本発明は、医薬の容器を保持するための可変容量室で定義される本体と、可変容量室と流体連通して連結し、そこから計量された医薬の投与量を注入するためのピストン型のポンプと、注入された計量された医薬の投与量を機器から投与するために、ポンプと流体連通して連結する一方向バルブを含むノズルと、例えば、指でアクチュエータを押すことでポンプを駆動させるアクチュエータと、ポンプを駆動させて視覚上の盲管を露出させ、結膜の導管へ正確な医薬の量を自動的に注入するためのまぶた押圧器と、を含む眼炎用注入装置を提供している。これらの改良された眼炎用注入装置が直面する一つの問題は、ポンプにより注入された計量された投与量の速度が、古典的な点眼器、すなわち、点眼器から眼に向かって液滴を注入するため重力を用いる物、により注入される液滴の速度よりも格段に速いことである。
【0005】
【特許文献1】米国特許第5207659号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、上述した欠点及び/又は不利な点の一つ以上を克服することが本発明の目的であり、そして、投与量の衝撃により眼に生じるエネルギを、従来の機械的駆動による眼炎用注入装置により生じるエネルギよりも減少させて、眼に計量された液体の投与量を注入できる、改良された眼炎用注入装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な実施形態は、眼炎用注入装置を含み、液体容器で規定される本体及びその容器と流体連通するポンプとを含む。注入装置は、また、液体の投与量を保持するための投与室を含むノズル、バルブシート、及びバルブカバーを含むノズルを含む。バルブカバーは、バルブシートに伸び、それらの間のインターフェースを形成し、バルブシートは、出口隙間を含む。インターフェースは、出口隙間及び投与室と流体連通し、少なくともバルブカバーの部分は、(1)インターフェースを閉じ、その間に防水シールを形成するために、バルブカバーがバルブシートと接触する閉の位置、及び(2)バルブ開放圧力よりも高い圧力の下で、その間に加圧された液体の通路を許容するために、出口隙間を通過する液体の流れに反応し、少なくともバルブカバーの部分が、バルブシートから間隔を置く、少なくとも1つの開の位置の間で移動可能である。バルブシートとバルブカバーとは、毎秒約6メートルに等しいか低い速度で、インターフェースを通過する液体の投与量を投与するため寸法決めされる。
【0008】
付加的な例示的実施の形態は、眼炎用注入装置であって、注入される薬物を貯蔵するための可変容量の室を規定する第1の手段と、可変容量室から薬物の計量された投与量を注入する第2の手段とを含む。また、(1)薬物が通過する通路を閉じる防水シールを規定する、閉の位置を形成ため、及び(2)第2の手段により注入された、計量された薬物の投与量が、その間に流れるのを許容するための少なくとも1つの開の位置のため、第2の手段と液体連通する第3の手段、及び第3の手段を離れる、毎秒約10メートルより少ない速度で注入された投与量を投与する第4の手段がある。
【0009】
本発明の実施態様は、さらに眼に薬物を注入する方法が含まれる。この方法は、可変容量室に複数の当該薬物の投与量を貯蔵し、計量された当該薬物の投与量を、当該可変容量室から、薬物がその間を通る当該通路を閉じる防水シールを形成して閉の位置を規定する一方向バルブを通過し、そして、当該第2の手段で注入された、計量された薬物の投与量が、そこを通過し流入するのを許容する、少なくとも1つの開の位置へ注入し、及び、当該一方向バルブから離れる注入された投与量を、毎秒約10メートルより少ない当該速度に制御することが含まれる。
【0010】
他の例示的な実施形態は、液体容器で規定される本体と、容器と液体連通して連結し、軸方向に伸ばされた流路を規定するスライドと、軸方向に伸ばされた流路内にスライド可能に受け入れられるピストンと、を含むポンプと、を備える眼炎用の投与器を含む。スライドは、軸方向に伸ばされた流路内に圧縮域を規定し、第1の位置は、圧縮域と容器の間に形成され、第2の位置は、第1の位置に対して圧縮域の反対側に位置する。第1の位置は、第1の半径によって規定され、圧縮域は、第1の半径より小さい第2の半径で規定される。少なくとも1つのピストン及びスライドは、(1)ピストンの先端部が、スライドの第1の部分内に受け入れられ、圧縮域は、そこから液体を受けるために容器と流体連通して連結される第1駆動位置と、(2)ピストンの先端部が、スライドの第2の部分内に受け入れられる静止位置との間で相互に移動可能である。
【0011】
注入器のノズルは、環状の軸方向に伸びたバルブシート、バルブシートと圧縮域との間に液体流通して連結される出口隙間と、バルブシート上に伸び、環状の軸方向に伸びたインターフェースをその間に形成する可撓性を有するバルブカバーとを含む。インターフェースは、出口隙間と流体連通して連結可能で、少なくともバルブカバーの部分は、(1)インターフェースを閉じ、その間に防水シールを形成するために、バルブカバーがバルブシートと接触する通常は閉となる位置、(2)バルブ開放圧力より高い圧力の下で、その間に加圧された液体の通路を許容するために、出口隙間を通過する流体の流れに反応し、少なくともバルブカバーの部分が、バルブシートから間隔を開ける開の位置との間で移動可能である。
【0012】
スプリングは、ピストン及びスライドのうちの少なくとも1つに駆動するように接続される。スプリングは、圧縮域内の加圧された液体に対し、充填された(loaded)位置から静止位置へと、ピストン及びスライドのうちの少なくとも1つを駆動し、それがまた、計量された液体の投与量を、バルブを通じてユーザの眼に投与する。バルブシートは、少なくともある部分は、計量された投与量をノズルから比較的低い速度で放出しユーザの眼に入れるため、圧縮域の第2の半径より大きい第3の半径により規定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1−5を参照し、注入装置又は注入器の例示的な実施形態は、一般的に、参照番号10によって示される。注入装置10は、剛体であるバイアル又は胴体10、剛体であるバイアル12内に取り付けられた可撓性を有する袋状部材14、及び液体又は医薬などの他の薬物をそこに受け取るため、バイアルと袋状部材との間に形成される貯蔵室又は容器16とを備える。注入装置10は、さらに、貯蔵室16から発射ノズルを経由して液体や他の薬物の計量された投与量を注入するために、発射ノズル18、及び発射ノズル18と貯蔵室16との間に流体連通されたポンプ20を備える。
【0014】
発射ノズル18は、比較的剛なバルブシート22、及びバルブシートに設けられ、軸方向に伸延された環状のシーム又はインターフェース26をその間に規定する、可撓性を有する粘弾性バルブカバー24を含む。さらに後述するように、ポンプ20は、バルブを開(バルブ開放圧力)とするために、液体や他の薬物の計量された投与量を適切な圧力で押し込み、液体を、バルブインターフェース26を経由して注入装置の外部へ押し出す。バルブカバー24は、好ましくは、バルブシート22と衝突したはめ込み(interference fit)を形成して通常の閉じた状態で防水シールを形成し、それがまた、液体や他の薬物を注入装置内に殺菌及び密封シール状態で保持する。さらに、典型的に図1に示すように、バルブカバー24は、実質的にテーパのついた断面形で規定され、バルブの内部から外部へ軸方向に移動する。バルブの内部から外部へ軸方向に移動する場合、この構成は、バルブのそれぞれの環状部分を漸次に開とするのに、より少ないエネルギを必要とする。その結果、一旦バルブのベースが開となると、圧力は、バルブカバー24のそれぞれの軸要素を漸次に開とするのに十分であり、計量された投与量を与えるために軸方向に移動したときに、液体がその通路を通った後に閉となる。また、計量された投与量を発射する間に、好ましくは、バルブカバー24の実質的に環状の要素は、ポンプ20を越えて防水を保持するために実質的にバルブシート22と常に接触し、それにより、細菌、バクテリア、又は他の望まない薬物が貯蔵室に侵入するのを防ぐ。
【0015】
ポンプ20は、軸方向に引き伸ばされた穴30を規定する剛なスライド28を含む。ピストン32は、穴30内で移動可能に受け止められ、その自由端にピストン先端部34を含む。ピストン32及びピストン先端部34は、そこから延びる導管36を規定する。注入室38は、ピストン先端部34、及びバルブシート22の軸内面に形成される停止面33の間に形成される。液体導管36は、ポンプの作動により、貯蔵室から注入室に液体を送るために注入室38と貯蔵室16の間に流体連通して連結する。
【0016】
図1及び図5に最も良く示されるように、スライド28は、減少された断面積部分40を規定し、それはピストン先端部34と協働し注入室38の容積及び注入装置の注入の容量を規定する。減少した断面部分40の軸伸張部(Axial extent)は、圧縮域39を規定し、その中で、流体又は他の薬物は、ピストン32により圧縮され、それがまた、発射ノズル18を通じて押し出される。こうして、スライド28は、その軸方向に伸ばされた通路内で、減少された断面部分40内で形成された圧縮域39、圧縮域39と容器16との間に形成された第1部分、及び第1部分41に対して圧縮域39の反対側に位置する第2の部分43を規定する。第1部分41は、第1半径“R1”で規定され、圧縮域39は、第1半径R1より小さい第2半径“R2”により規定される。
【0017】
図1−図3を参照し、ピストン32は、(1)図1に典型的に示されるように、スライドの第1部分内で受け取るピストン32の先端部34のシール面と、容器16から液体を受けるために、容器16と流体連通して結合する圧縮域39と、を有する第1の駆動位置と、(2)スライドの第2部分43内で受け取るピストン32の先端部34を有する、図3に示す静止位置と、の間で、スライド28に対して移動可能である(または、好ましければ、その逆)。第1の駆動位置(図1)及び静止位置(図3)の間で、また、第2の動作又はシール位置(図2)があり、そこでは、注入室38をシールするために、先端部34が減少した断面部分40と接触する。
【0018】
第1の駆動位置(図1)で、ピストン32の下方へのストロークに(すなわち、容器からノズルの方向に)、圧縮域39は、流体導管36及び容器16と流体連通し、こうして液体はピストンの前に前進すること、及びピストン先端部34の側面を越えて後退することが両方とも許される。従って、ピストン先端部34のシール面が、図2に示す第2の駆動位置に移動し、減少した部分40とスライド可能に接触すると、その間には防水シールが形成され、正確な容量の液体を圧縮域39に捕え、正確な量の液体を、バルブを通して押し出す。こうして、(1)図3に示すように、スライドの第2部分43に位置するピストン先端部34を有する静止位置から、(2)スライドの第1部分41に位置するピストン先端部34と、容器16から液体を受けるために容器16と流体連通して連結する圧縮域39とを有する第1駆動位置に(例示的な第1駆動位置は図1に示される)、(3)圧縮域39に位置するピストン先端部34の周辺のシール面を有し、ピストン先端部と圧縮域との間に防水シールを形成して圧縮域の液体をバルブ開放圧力より大きい圧力で押し、それがまた、加圧された液体がバルブを開け、バルブを通じて発射する、図2に示す第2の駆動位置に、そして、(4)スライドの第2の部分43に位置するピストン先端部34と、出口隙間45と圧縮域39との間の圧力を減少し、バルブの閉鎖を許容するために容器と流体連通して連結する出口隙間45とを有する図3に示す静止位置まで、ピストン32は、スライド28に対して移動可能である(または、好ましければ、その逆)。
【0019】
バルブシート22は、注入室38とインターフェース26との間に、液体がバルブから流出するのを許容する出口隙間45を規定する。さらに後述するように、本発明の図示する実施形態は、結膜の導管に計量された注入量を注入する、単一で角度を持って伸びる出口隙間45を含む。バルブ先端部34は、好ましくは、スライド28及び減少した部分40と比べて比較的軟らかい弾性材料又は粘弾性材料から成る。例えば、バルブ先端部34は、”Kraton(登録商標)“の商標で販売されているポリマー材から作られてもよく、硫化ゴムや他のポリマー剤でも良い。本技術分野における当業者にとって自明であるように、これらの材料は単に例示的であり、バルブ先端部の機能を同等に達成することが、現在又は今後認められる多くの他の材料が使用されるであろう。
【0020】
スプリング部又は蛇腹部42は、バルブカバー24と一体に形成され、バルブカバーのベース及びバイアル12の間に伸びる。図から分かるように、ピストン32は、バイアル12と一体に形成され、それから軸方向に伸びている。スプリング42は、その一端が、第1環状フランジ44で、バイアル12に固定して取り付き、他端をバルブシート22のベースから外部に向かって伸びる第2の環状フランジ46に固定して取り付いている。ポンプ20は、ピストン先端部34を注入室38にロードするためスライド内で軸方向に移動するため、少なくとも一つのピストン32及びスライド30を相対的に動かすことで動作される、それがまた、液体又は他の薬物の計量された投与量を、バルブを通じて注入室38から発射する。
【0021】
バイアル、可撓性を有する袋状部材、ポンプ及びノズルの形状を含む注入装置10についての多くの面での構成は、2001年10月23日に出願し、出願中であり、「剛なバイアル及び可撓性を有する内部の袋状部材を有する液体注入器」と題された、米国特許出願番号10/001,745号に記載され、本発明の譲受人に譲渡され、本開示の一部として援用されるものと同様であるだろう。追加として、注入装置10は、2002年10月21日に出願され「注入器」と題された米国特許出願60/420,334号、及び/又は2003年1月28日に出願され「注入器」と題された米国特許出願60/443,524号、及び2003年10月21日に出願され「眼炎用注入器及び関連する方法」と題された米国特許出願10/691,270号に記載され、本発明の譲受人に譲渡され、本開示の一部として援用されるものと同様であるだろうカートリッジ及び/又はハウジングに搭載されるであろう。
【0022】
さらに、本特許出願は、2003年10月21日に出願され「眼炎用注入器及び関連する方法」と題された米国特許出願10/691,270号と、2004年1月27日に出願され「可変容量貯蔵室を有する注入器」と題された米国特許出願60/539,603号と、2004年5月12日に出願され「眼炎用注入器及び関連する方法」と題された米国特許出願10/691,270号と、2004年7月16日に出願され「貯蔵及び計量された薬物量の注入のための一方向バルブを有するピストン型注入器」と題された米国特許出願10/893,686号に関連しており、これらは、本開示の一部として援用される。
【0023】
注入装置10には、さらに、バイアル12の開放端内に受け入れられ、そこに固定して取り付けられる盛り上がったフランジ48を含むエンドキャップ47と、フランジ48から内側に軸方向に伸び、その中に流体導管52を規定する充填管50、及び充填管と反対の端部に形成され、袋状部材14のベースと接触する、実質的にドーム型のバルブシート54とが備わる。可撓性を有する袋状部材14は、エンドキャップ47のフランジ48と、バイアル12との間で圧縮され、その間を防水シールする環状のシールフランジ51を規定する。キャップ47のフランジ48は、軸方向にスペースを空けた周辺の突出部53を規定し、突出部53はバイアルにある対応する環状の凹部55に嵌め込まれ、キャップを、その間を圧縮された袋状部材のシーリングフランジ51と共にバイアルに固定する。
【0024】
袋状部材14及びドーム型のバルブシート54は、協働して、第2の又は充填バルブ56を形成する。充填バルブ56は、袋状部材14と一体的に形成されるバルブ部材58と、袋状部材14と一体的に形成され、バルブ部材58と袋状部材のベース部分62との間に伸びる、実質的にドーム型のスプリング部分60とを含む。少なくとも一つのバルブ隙間64は、充填バルブが開放位置にあるときに、液体及び/又は他の薬物流れを許容するために、実質的にドーム型のバルブスプリング60を貫通して形成される。可撓性を有するバルブ部材58は、通常の閉じた位置でその間に防水シールを形成するため、封をするようにバルブシート54に接触する第1のシール面66を規定する。スプリング60は、可撓性を有するバルブ部材58が内側に軸方向に(図で右から左の方向)移動されるのを許容し、それがまた、バルブを開放して液体や他の薬物の流入を許容する。バルブ部材58は、その内側に第2シール面68を規定し、バイアル12は、流体導管36への入口において、対応する環状のバルブシート70を規定する。充填バルブ56の開放位置において、第2のシール面68は、その間に防水シールを形成するために、バルブシート70と接触するように移動させられても良く、それがまた、液体の流れがピストンの流体導管36に流入するのを防止する。
【0025】
袋状部材14(一体的なバルブ部材58も含む)は、好ましくは、袋状部材12やバルブシート54と比較して、比較的軟らかな弾性材料又は粘弾性材から製作される。例えば、袋状部材14は、”Kraton(登録商標)“の商標で販売されているポリマー材から作られても良く、又は硫化ゴムや他のポリマー剤でも良い。しかし、本技術分野における当業者にとって、この教示に基づき認識されるように、これらの材料は単に例示的であり、袋状部材及び/又はバルブ部材の機能を同等に達成することが、現在又は今後認められる多くの他の材料が使用されるであろう。充填バルブ、充填アセンブリ及び充填方法については、上記援用される、出願中の特許出願に更なる詳細が記載されている。
【0026】
図1に示すように、注入装置が空の場合、袋状部材14は、バイアル12の内面に接触し、可変容量の貯蔵室16が実質的にゼロ容積であるように、完全に拡大される。上述した出願中の特許出願に記載されているように、袋状部材14は、自然に外側に曲がるような傾向があり、貯蔵室16の液体又は他の薬物に正の圧力勾配を生じさせるように形成されることが好ましい。また、この位置において、充填バルブ56のバルブ部材58は、注入装置の内面の周囲をシールするために、通常の閉の位置となる。この状態で、空の注入装置は、充填の前に、例えば、ガンマ線、e-光線、又は他のタイプの放射により殺菌され得る。それから、シールされ殺菌された空の注入装置10は、さらに後述するように、注入装置の殺菌された内側の部分を汚染するというリスクが無く、殺菌した充填器又は他の充填ステーションに運ばれる。
【0027】
注入装置10に、液体源(図示せず)から液体や他の薬物を満たすために、充填部材の先端部(図示せず)は、充填バルブ56のバルブ部材58に対して、バルブを開けるため内側に軸方向に移動させられる。好ましくは、バルブ部材58は、バルブ部材の第2のシール面68が封をするようにその間に防水シールを形成するために、対向するバルブシート70と接触するまで、内側に軸方向へと移動させられる。その後、液体が液体源から充填部材及び開である充填バルブ56を通り、貯蔵室16へと導入される。袋状部材14のベース62は、一つ以上の溝81、又は袋状部材14のベースとバイアル12との間に形成される液体の通路のようなものを規定し、充填バルブの入口隙間64と、貯蔵室16との間に流体連通するよう伸びている。完全に開の位置で、第2のシール面68及び対向するバルブシート70は、液体がピストンへ流入するのを防ぎ、充填処理の間バルブ18にその液体が流入するのを防止する。液体は、貯蔵室16に満たされ、袋状部材14は凋み、可変容量室16は、それに対応して膨らむ。充填された位置では、袋状部材14は、充填管50の方向へと、又は充填管50と接触するように凋む。一旦、貯蔵室が満たされると、充填部材は、充填管50から移動し、充填バルブ56のスプリング60は、注入装置の貯蔵室16内に液体や他の薬物を周囲にシールするためバルブ部材58を閉じる。充填部材の引き戻し及び充填バルブ56の閉鎖により、貯蔵室16内の液体や他の薬物は、ピストン導管36のかつて空になったスペースに導入される。その結果、ポンプ20には、最初の液体又は他の薬物の投与量の投与の前に多くとも最小の起爆剤で足りる。
【0028】
要するに、シールされ殺菌された空の注入装置10は、上述した出願中の特許出願に開示されている型の充填器に導入される。代替として、もし欲するのであれば、シールした、空の注入装置は、ガンマ線、及び/又はe‐光線放射を、殺菌充填器の最初のステージでそれらに適用することで充填器の中で殺菌される。充填器では、注入装置は、真空のステーションで最初に排出される。それから、シールされ排出された注入装置は、充填ステーションで充填される(真空及び充填ステーションは、共に上述した無菌状態を維持するために層流を含むことが好ましい)。もし必要とみなされるか望まれるなら、排出した/満たされた部材と表面を接触させる前に、この表面の更なる殺菌を確実とするために、e‐光線又は他の放射源が、バルブ部材58の露出した表面を殺菌するのに使用され得る。
【0029】
図から分かるように、本発明の図示した実施形態は、下記の特徴を提供する:
1.バルブシート26の直径は、バルブ開放圧力を減少させるため、(及び、それに付随して、バルブ流出孔45の断面の表面積が増加することを許容するため)、(圧縮域40の直径と比べて)より大きい。
【0030】
2.ピストン先端部34が、第1の駆動位置から第2の駆動位置(すなわち、圧縮域40の周囲のシールされた位置)へと動いたとき、比較的大きな容積の液体が、ピストンにより迅速に移る。もしもバルブ開放圧力が低すぎると、ピストン先端部と圧縮域との間に周囲のシール形成する前にバルブが開放されるというリスクがある。もしもこれが生じたら、投与量は正確に調整されないだろう。このことが起こらないことを確実にするため、図示した実施形態において、ピストン先端部の前方(すなわち、ピストン先端部から出口隙間45への方向)の圧力損失は、ピストン先端部の後方(すなわち、ピストン先端部から貯蔵質16への方向)の圧力損失よりも大きい。図示した実施形態において、出口隙間45の入口点“A“の直径又は断面積は、前方の圧力損失が後方の圧力損失よりも大きいことを確実にするため、必要な圧力損失の差分を生じる程度に十分に小さく形成される。
【0031】
3.バルブの出口開口45は、出口開口45を通じた圧力損失を減少するために斜めの角度に向けられ、これにより、バルブを通じた計量された投与量を発射するのに必要な圧力を減少する(すなわち、低いバルブ開放圧力)。加えて、出口隙間45の入力点”A”の直径又は断面積は、点Aから点Bへの方向の流体の流れの速度を減少させるために、出口隙間45の出力点”B”の直径又は断面積よりも少なく、それがまた、先行する注入装置と比較して滴下速度を減じる。
【0032】
4.加えて、流出隙間の点Bにおけるノズルの断面での表面積は、圧縮域と外気との間の圧力勾配を最小化するために、圧縮域40の断面での表面積との関係で最大化させ、これにより、エネルギ保存法則から、先行する注入装置と比較して滴下速度を減じる。言い換えると、滴下速度は、圧縮域40の断面積の、流出孔の点Bにおけるバルブシートの断面積に対する割合に凡そ比例する。まとめると、注入装置は、滴下速度をピストン速度と同様に、或いはより小さくすることができ、ピストン速度は、ピストンを動かすスプリングの力を制御することで、或いはピストンと圧縮域との相対的な動きにより正確に制御することができる。
【0033】
5.特に、それぞれの小滴は、約15から約25マイクロリットルの範囲内、より好ましくは、約17から約22マイクロリットルの範囲内の容積で注入され、登録又は表示された容積のプラス・マイナス約5%で注入するように制御され得る。この小滴の容積は、眼の盲管にオーバーフローすることなく、眼に最大量の液体の注入を許容する。この小滴の容積は、小滴が眼に入った後に視覚的な鋭敏さを失うことなく、眼に液体の注入を許容する。
【0034】
6.本装置は、滴下する量を制御することで、ドライアイの治療に効果的な方法を与える。特に、この装置を用いることで、滴下は、視覚上の盲管に約15から約25マイクロリットルの範囲内で与えられる。滴下は、毎日4回で与えられ、それは、平均的な人の涙の生成とほぼ同じである。従って、滴下量の制御、及び眼の盲管にオーバーフローすることなく、眼に最大量の液体を注入することから、注入装置は、ドライアイの治療に効果的な方法を提供する。
【0035】
7.加えて、それぞれの小滴は、低い速度で注入され、この低い速度とは、ユーザの眼が、その眼を傷め得る衝撃を受けない程度の十分に低い値と定義される。同時に、もしもこの小滴の速度が、小滴の落下よりも余りに低いと、小滴はノズルを離れてユーザの眼に入るのに十分な力を持たない。従って、低速度での例示的な実施形態では、速度は、毎秒約10メートル以下として規定されており、好ましくは、毎秒約2メートルから毎秒約6メートルの範囲であり、さらに好ましくは、毎秒約2メートルから毎秒約4メートルの範囲である。
【0036】
小滴を低速度で注入するために、バルブシート22及びバルブカバー24は、インターフェース26を通じて液体の投与量を、毎秒約10メートルと同じか少ない速度で注入するように構成される。例えば、バルブシート22及びバルブカバー24の断面サイズ、長さ及び/又は形状は、インターフェース26を変えるために調節され、インターフェース26を通じて動く投与量としての速度を制御し得る。加えて、バルブシート22及びバルブカバー24の断面サイズ及び/又は形状の変化は、注入室38と比較して、適下の速度に影響し変化させるであろう。バルブシート22及びバルブカバー24の材料も変えることができ、適下の速度に影響させるために調節できる。バルブシート22及びバルブカバー24の形状に関する他の変化もまた意図される。
【0037】
本発明の例示的な実施形態において、ノズル及び流出孔の形状、粘弾性バルブカバーとバルブシートとの間の干渉は、それぞれ計量された投与量を、好ましくは、複数の微量な小滴で規定される、実質的にフラット又は凡そ準円形の流れパターンで注入するために構成される。例えば、典型的に、図6Aから図6Cに示すように、注入装置10により発射された微量な小滴の例示的な羽根(plume)72は、凡そ準円形の円弧となって伸び、実質的に結膜の盲管の伸延された角度に(又は他の予め決まっている形状に)に適合する。加えて、アイキャップ又はウイング、注入装置のポンプ及び流出口の軸、及び注入装置を保持するハウジングは、その中に微量な小滴を含み、(先行技術の願炎用注入器と同様により敏感な角膜と対向する)結膜の盲管上に羽根を注入するためにセットされる。それぞれの計量された投与量は、軸方向に伸延された可撓性バルブカバーと剛なバルブシートとの間を通り、そして、例えば、図6Aから図6に図示するように、液体に生じたせん断力は、微量な小滴を含む、計量された投与量を羽根の形として分割する。
【0038】
また、本発明の図示された実施形態において、個々の微量な小滴により、結膜の盲管または他の目的の脆い組織(tissue)(すなわち、耳の内表面、火傷組織、又は外傷組織)に発生したエネルギは、実質的に古典的な願炎用目薬で、古典的な注入間隔(1から10cm)で眼の表面に(又は他の脆い組織に)注入する30から50マイクロリットルの滴下により生じるエネルギと同等又はより小さい。その結果、本発明の注入装置により計量された投与量を慢性的に適下し続けることは、古典的な願炎用目薬により、敏感な角膜組織に制御されない、より大きな投与量を注入することと比較し、結膜の盲管の比較的敏感でない表面に、より少ない細胞上のストレスしか与えない。例えば、図示された注入装置のそれぞれの羽根や液体スプレーでの小滴、又は注入パターンは、従来の30から50マイクロメートルの小滴より著しく小さな容積を規定し、従って、著しく少ないエネルギを眼や他の目標範囲に与える。更なる例として、小滴は、約5マイクロメートルであり、毎秒約3メートルの速度で注入され、こうして小滴は、眼に対して約30マイクロジュール少ない衝撃を与える。
【0039】
図7から図10に戻って、他の注入装置の例示的な実施形態が、一般的に110の参照番号により図示されている。注入装置110は、ハウジング174に搭載されて示される。注入装置10も同様な方法でハウジング174に搭載されるであろう。注入装置110は、多くの点で上述した注入装置10と同様であり、従って、番号”1”により先行される参照番号が、同様な要素に用いられる。
【0040】
注入装置110は、ハウジング174内に搭載され、注入装置のポンプ120を駆動させるアクチュエータ又はトリガ175;ノズル118の出口インターフェース126に設置され、医薬、液体又は他の薬物の計量された投与量を貯蔵室116から受け取る注入隙間176;注入隙間176に隣接してハウジングに回転可能に取り付けられ、結膜の盲管の隣の顔の組織に接触させ、実質的に同時に盲管を露出させ、計量された投与量をそこに注入するまぶた押付器177;及び、図8−図10に示すように、ハウジング及び注入装置をその上の適正な位置とし、計量された投与量を実質的に予め決められた眼の位置、例えば露出された結膜の盲管に向け、眼に隣接する顔の組織に接触させるアイカップ178を含む。
【0041】
図7に示すように、注入装置110のフランジ179は、部分180において、ハウジング174のベース壁181に固定的に取り付けられる。このように、注入装置110と上述した注入装置10との違いの1つは、ポンプ120は、ピストン132に対してバイアル本体112を動かすことで駆動され、スライド128は、バイアル本体と一体に形成され、ピストン132は、充填管150とフランジ179と一体に成形される。図示した実施形態において、ピストン132は、例えば、熱可塑性又は他の工学用のプラスチックなどの比較的硬い材料で形成され、圧縮域139と、衝突したはめ込みを形成するように周囲の溝内に受け入れられ、その間を防水シールするO−リング又は環状のシール材182を含む。本発明の一つの実施形態として、ピストン132及びバイアル本体112は、比較的硬く、及び/又は貯蔵室116に納められる薬物に対し、吸着特性を有する材料から成り、シール部材182は、弾性材のようにより硬くなく、貯蔵室に納められる薬物に対し、より吸着特性を有さない材料から成る。この方法で、ピストン、スライド及びバイアル本体の実質的に総ての表面は、貯蔵され注入される薬物に対して、注入装置110の吸着特性を高める好ましい吸着特性を有する材料から成る。本発明の一つの実施形態として、貯蔵室116に納められる薬物は、緑内障の治療に対しては、ラタノプロスト(latanoprost)調合であり、ピストンやバイアル本体を形成する材料は、TOPAZ (登録商標)の商標のもとで販売され、また、シール部材を形成する材料は、SANTOPREENE(登録商標)の商標のもとで販売されている。しかし、本技術分野における当業者であれば、これらの材料は、単に例示したものであり、特定の適用による必要性に合わせ、或いは望まれて、変更されるのは理解できるであろう。
【0042】
注入装置10と比較した注入装置110の他の違いは、バルブシート122が、外側にテーパがついていること、又は、注入装置の内部から外部に向かう方向に直径が増加すると規定される。バルブカバー124によりバルブシートに適用されるフープ応力は、直径が小さいほど応力が大きくなるというように、バルブシートの直径の2乗により変化する。このように、図示した実施形態では、応力は、インターフェース126の出口よりもインターフェース126の入口(すなわち、出口隙間145の出口ポイントB)のほうが高い。従って、圧縮域の加圧された液体がバルブ開放圧力を超えると、シームに入った液体は、バルブの内部から外部へと向かう方向に動いた際に、バルブインターフェースにおける応力レベルの減少により、バルブシームから圧縮域に戻るよりも、バルブシームを通り注入装置の外にそのまま流れるであろう。この特徴は、また、バルブの内部から外部へ軸方向に動いたときに、バルブのそれぞれの環状の要素が、より少ないエネルギで漸次開となることを容易とし、従って、一旦バルブのベースが開となると、圧力はバルブカバー124のそれぞれの軸要素を漸次開とし、液体がそこを通って計量された投与量を注入するために軸方向に動いたときに閉となる。もしも望むのであれば、バルブカバー124は、内側にテーパが付いたテーパ断面積を規定するか、又は、上述し、典型的には図7に示すように、バルブの内部から外部への軸方向に移動し、漸次減少する厚みを規定しても良い。しかし、もし望むのであれば、バルブカバーは、バルブシートを横切る一様な厚みを規定しても良く、上述したように、望ましい結果を達成するためにバルブシートの外部テーパに頼っても良い。
【0043】
図7に示すように、注入装置110は、さらに、バイアル本体112の端部に接して形成されるフランジ184と、注入管150との間に放射方向に伸びる環状のベアリング部材183を備える。このベアリング部材183は、第1の環状ベアリング表面185を規定し、注入管は、第1のベアリング表面185内に受け入れられ、それらに対してスライド可能な、第2の環状ベアリング表面186を規定する。ベアリング部材の外部壁187は、外部に向かって放射状にテーパが付けられ、そこに、バイアル本体のベアリング部材への接続を確実にするために、バイアル本体112のフランジ184は、環状の突起188が、対応する環状の溝189に差し込まれる。こうして、それらに固定的に結合されたベアリング部材183及びバイアル本体112は、注入管150及びフランジ179に関して軸方向に移動可能であり、それがまた、上述した第1動作、第2動作、及び静止位置の間で、ピストン132に対してスライド128及び圧縮域139を動かす。
【0044】
ハウジング174のアクチュエータ175は、回転するように搭載された駆動部材192の第1端部191に固定的に取り付けられたトリガ190を含む。図7及び8に典型的に示すように、駆動部材192は、ピボットピン193において回転するようにハウジングに搭載される。図7の矢印により示すように、トリガ190の第2端部194は、ユーザが、トリガの外部表面に接触し、ポンプを駆動させるためにトリガを押すことを許容するため、ハウジングの壁181に対して移動可能である。図8に示すように、駆動部材192は、第1及び第2駆動アーム195を含み、それらは、相互に横に間隔をあけ、スライド128の外表面に形成された環状フランジ196と接触可能であり、そこから外部に向かって放射状に伸びている。図7に示すように、袋状部材のベース162は、ピストン132のベース部分と、ベース162と注入管150との間に伸びるストップ197との間に伸びるドームスプリング160を規定する。連結部198は、駆動部材192の前端部とまぶた押圧器177との間で回転可能に接続し、それがまた、トリガの動作により、下方のまぶたと接触し、結膜の盲管を露出させる。
【0045】
トリガ175を注入装置110に向かって内側に押すことで、駆動部材192は、図7の時計回りの方向に回転され、それがまた、第1及び第2の駆動アームを環状フランジ196に接触させる。これは、スライド128を、図7に典型的に示す静止位置から、スライド126の第1の位置141内に受け入れられたピストン132の先端部内の第1の駆動位置に駆動させ、及び、そこから液体を受け取る容器116と液体連通して連結された圧縮域を駆動させる。この駆動は、また、ドームスプリング160に軸方向及び放射方向ともに内側に圧縮を引き起こし、これにより、戻りのストロークでスライドを駆動するのに十分なエネルギを蓄える。スライドが第1の位置にあるとき、液体は、容器116から注入室138に室を充填するために流入する。図7に示すように、ハウジング174は、ハウジングのベースに形成され、ハウジングのベースに形成され、駆動アーム195と接触し、駆動アームを横方向で外側に、ハウジングの前端部に向かって更なる動きをする反対の横面159(一つのみ示す)を規定する、噛合わせブロック199を含む。トリガの内側への動きは、また、リンケージ198に、上述したようにまぶたを下げさせるために、まぶた押圧器177を回転させる。トリガ175が、その内側のストロークの終端に近づくと、噛合わせブロック199は、注入装置の環状フランジ196から駆動アーム195を開放する。これは、放射状及び軸方向に圧縮されたドームスプリング160にスライド128及びバイアル本体112を駆動させ、それがまた、計量された投与量を投与させる。このように、図示された実施形態の一つの有利な点は、投与量を投与するために、ドームスプリングは、スライド及びピストン先端部の相対的な動きを制御し、このようにして、投与量の速度を、ある程度、実質的に正確に制御する。加えて、注入装置の比較的狭いノズル118に隣接するアクチュエータのピボットピン193を置くことで、コンパクトなデザインとなり、このようにして、この装置を、例えば、シャツのポケット又は財布や他のバッグの小さなポケットの中に適応して比較的小さく作ることができる。さらには、比較的長いトリガ175は、ピボット点の実質的なトルク及び/又はてこの力を発生させ、注入装置の簡易な動作を許容する。
【0046】
図7に示すように、袋状部材のベース部分は、下方の充填管のバルブシート154と衝突したはめ込みを形成する可撓性を有する充填バルブ部材158を規定する。充填開口164は、液体や他の薬物が注入装置を満たすためにそこを通って吸い上げられることを許容するために、充填管の流体導管152と、バルブインターフェースとの間に伸びる。このタイプの充填管は、上記援用された出願中の特許出願に記載されている。
【0047】
アイキャップ178は、ユーザの眼に隣接する組織に快適に接触するように形作られた対向する顔の接触面173を規定する。もし望むのであれば、これらの表面は、使用されないときには相互に折り畳むことを許容するために、ハウジング174に回転するように搭載されても良く、これにより、装置の横方向の形状を減少する。
【0048】
図11及び図12に、本発明を具体化する他の注入装置を、一般的に参照番号210で示す。注入装置210は、実質的に、上述した注入装置110と同様であり、従って、番号”1”に代えて番号“2”で先行する参照番号が、同様な要素に用いられる。注入装置110と比較して、注入装置210の主要な相違は、ベアリング部材283は、剛な部材261を含み、それは、ベアリング部材の第1のシール面285と、可撓性を有する袋状部材のベース262との間に軸方向に伸びることである。図に示されるように、部材261の前端263は、ポンプの前方へのストロークの間にスプリングを軸方向及び放射方向に圧縮するために、袋状部材のドームスプリング260の中に軸方向に押し込まれ、スプリングは、交代にポンプの後方へのストロークで、剛な部材261を後方に駆動する。
【0049】
図13Aから図14Cに、本発明を具体化する他の注入装置を、一般的に参照番号310で示す。注入装置310は、実質的に、上述した注入装置110及び210と同様であり、従って、番号”1”又は“2”に代えて番号“3”で先行する参照番号が、同様な要素に用いられる。注入装置110及び210と比較して、注入装置310の主要な相違は、注入装置310は、可撓性のある内側の袋状部材を含まないことである。むしろ、注入装置310は、剛なバイアル本体312と、内部の充填管350との間に伸びる環状ピストン314を含む。ピストン314は、バイアル本体312の内側壁とシールするようにかみ合い、その間に防水シールを形成する、少なくとも1つ、好ましくは2つの軸方向に間隔を置いた、外側の環状シール部材353を含む。ポンプは、さらに、充填管350の外側壁とシールするようにかみ合い、その間に防水シールを形成する、少なくとも1つの内側環状シール部材355を含む。シール部材は、図に示すように、そこに環状の突起を形成するといったように、ピストンと一体に形成されても良く、或いは、O−リング又は他のシール部材といったシール部材により形成されても良く、ピストンに形成された対応する溝内に受けられる。図14Aから図14Cに示すように、ポンプ320が漸次駆動されるにつれて、ピストン314は、液体が滴下されることで、そこに働く吸引力により、注入装置内で(又は図14A−図14Cの下方に)前方にスライドする。この実施形態の1つの有利な点は、貯蔵室316及び圧縮域339内に収納された液体と接する実質的に総ての表面は、上述した材料及び”TOPAZ(登録商標)の商標で販売されている材料のような、比較的剛な材料で形成されても良いことである。ピストン先端部334は、弾性材料として図示されていることに注意するが、滴下される液体に接触するピストン先端部の表面は、例えば、図7に示されるように、同様に剛で、より吸収しない材料であっても良い。この形状の型は“低吸着性”装置、或いは所望の吸着特性を有する装置を製作する目的に特に有利である。例えば、ラタノプロスト(latanoprost)調合を貯蔵し投与する、上述した例において、この実施形態は、吸着という観点から特に有利であろう。
【0050】
図15及び図16に、開示する注入装置の幾つかに用いられる他のハウジングが、一般的に参照番号374で示される。ハウジング374は、実質的に、図7−図10に関連して記載されたハウジング174と同様であり、従って、番号”1”又は“2”に代えて番号“3”で先行する参照番号が、類似要素に用いられる。ハウジング174と比較してハウジング374の主要な相違は、トリガ375の端部394が、ハウジングの端部壁381と一体に形成され、後部端394と、トリガの比較的厚く剛な本体367との間に伸びるリビングヒンジ365を規定することである。トリガ375は、本体367を内側にハウジング374の方向に押すことで駆動される。これは、また、リビングヒンジ365の内側への曲げを引き起こし、それによりトリガの内側への動きを許容する。本発明のこの実施例の1つの有利な点は、トリガ375は、ハウジングの本体と一体に形成することができることであり、これにより、さらにコスト及び/又はハウジングの全体の大きさを削減する。
【0051】
図17−図20を参照して、本発明により具現化される他の注入装置が、一般的に参照番号410で示される。注入装置410は、上述した注入装置110,210、及び310と同様であり、従って、番号”1”,“2”,及び”3“に代えて番号“4”で先行する参照番号が、類似要素に用いられる。注入装置410は、可撓性を有する内側の袋状部材がないという点で注入装置310と同様である。むしろ、注入装置410は、剛な本体412及び内側の充填管450との間に延びる、スライド可能なストッパー414を含む。スライド可能なストッパー及び可撓性を有する袋状部材は、両装置は、可変容量貯蔵室416を規定し、液体が本体412から押し出されるのを補助するという点で、同様な機能を有する。間隔413は、型の製作工程にのみ用いられ、閉鎖され、ノズルに対して機能しない点に注意する。また、バルブカバー424は、2つの小片424a及び424bで示され、それらは一緒の型(mold)とされない点に注意する。
【0052】
バルブカバー424は、バルブカバー424をバルブシート422上にスライドすることで注入装置に組み付けられる。本体412は、環状の突起401、及びバルブカバー424を本体412に確実に設置する周囲の溝403を含む。バルブカバー424及びバルブシート422の先端部405の幅において、先端部405は、実質的にバルブカバー424及びバルブシート422の凹部409の深さ407よりも小さいことに注意する。このことは、インターファース426を抜け出た液体が、凹部409へ滑り込むよりは、先端部405に移ることを許容する。
【0053】
本体412は、また、環状フランジ496に隣接して位置するグリップ部位431を含む。第1及び第2の駆動アーム195(図8参照)は、環状フランジ496及びグリップ部位431とかみ合い可能である。本体412は、また、貯蔵室416内に位置する、2つの瘤427及び湾入429を含む。瘤427及び湾入429は、貯蔵室416が空になったとき貯蔵室416に残された液体の目減り量又は容積が実質的にゼロとなるように、スライド可能なストッパー414の形状と一致する。
【0054】
バルブシート422は、図17に記載するように、発射器410が閉状態にあるときに、発射器410をシールするために、ピストン先端部434の外側縁425と一致する内部形状423を含む。本体412が、バルブシート422の注入管450及び内部形状423に対してスライドすると、ピストン先端部434は、外部縁425がポイントAに達するまで、内部形状423に沿ってスライドし、液体を貯蔵室から出口隙間445及びインターフェース426に流れることを許容するために形作られる。
【0055】
ピストン432は、ピストン432が圧縮されるのを許容する可撓性のある材料から作られる。このように、貯蔵室416は、充填装置(図示せず)を液体導管452に入れることにより液体で満たされ、ピストン432を押し、それは、充填隙間419が露出し、液体が貯蔵室416に流入するのを許容するまでピストン432を圧縮する。充填処理中には、ピストン先端部434は閉(シール)位置に留まり、液体は、貯蔵室416に入ることができ、貯蔵室416が充填されているときに、インターフェース426を通って流出することはできない。
【0056】
図19及び図20は、ハウジング474に搭載された注入装置410を示す。他の実施例の総ても、同様な形でハウジング474に搭載され得ることが理解されるであろう。注入装置410は、ハウジング474内に搭載され、注入装置のポンプ420を駆動するアクチュエータ476;貯蔵室416から医薬、液体又は他の薬物の計量された投与量を受け取るノズル418の出口インターフェース426に並ぶ発射隙間478;及び、結膜の盲管に隣接する顔の組織に接するために発射隙間478に隣接するハウジングに回転するように搭載され、実質的に同時に盲管を露出させ、その中に計量された投与量を投与するまぶた押圧器を含む。
【0057】
注入装置410のフランジ457は、部位484でハウジング174のベース壁186に固定的に取り付けられる。このように、この実施例は、図7及び図8に示された実施例と同様であり、ポンプ420は、バイアル本体412の動きにより駆動され、また、スライド428は、ピストン432に対してバイアル本体と一体に形成され、ピストン432は、充填管450及びフランジ457と一体に形成される。本体412は、ピストン432及びピストン先端部434に対してスライドするため、本体412は動き、これにより、ピストン先端部434は、スライド428を越え、液体は注入室(図示せず)満たすことができる。本体412はピストン432及び充填管450に対してスライドし、スプリング442は、注入装置410を静止位置(図17及び19に示す)にバイアスするために使用される。スプリング442は、図1のスプリング42と同様の機能を持つが、それは、注入装置410の異なる場所に位置する。
【0058】
ハウジング474は、また、事前に荷重がかけられ、押されたときに駆動部材402に戻る可撓性部材497を含む。ハウジング474は、ハウジングのベースに形成され、駆動アーム208,210と接触し、ハウジングの前端に向かって更なる動きで駆動アームを横方向に外側に押し、対向する横の表面417(1つのみ示される)を規定する連結ブロック415を含む。
【0059】
本技術分野の当業者であれば、この教示に基づき認識できるであろうが、本発明の上述した、及び他の実施例から、クレームに規定した発明の精神から離れることなく、多くの変更や修正が可能であることが認識され得るであろう。例えば、注入装置の構成要素は、その構成要素の機能を成し遂げることを現在或いは後に知られるようになる多くの異なる材料から作られるかもしれない。同様に、注入装置の構成要素は、多くの異なる形状及び/又は構成をとるかもしれない。また、注入装置は、例えば、眼の、鼻の、皮膚の、又は他の薬学、又はOTC適用を含む、多くの異なる適用に対して、多くの異なるタイプの液体又は他の薬物を発射するのに使用されるであろう。さらに、充填バルブは、袋状部材を通じて形成される必要はないが、バイアルを通じて伸ばされても良く、貯蔵室を空にするか及び/又は貯蔵室を満たすように液体流通して接続されても良い。代替として、注入装置は、注入装置の内部を空にする1つのバルブ、及び注入装置の貯蔵室を満たす他のバルブを含んでも良い。さらに、ポンプ及び/又は発射バルブそれぞれはここで開示されたよりも異なる構成をとっても良い。従って、現在のところ好ましい実施形態の詳細な記載は、限定する意図ではなく、例示として捉えるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】スライドの第1の位置内で受け取られたピストンの先端部、及び液体をそこから受け入れる容器と流体連通して連結する圧縮域を伴う、第1の駆動位置における注入装置の断面図である。
【図2】ピストンの先端部が、液体の計量された投与量を加圧し、ノズルの先端部から投与する圧縮域に位置する、第2の駆動位置における図1の注入装置の断面図である。
【図3】図1の注入装置の断面図であり、通常の閉の位置で、液体容器およびバルブと流体連通するノズルの出口隙間が静止位置にあるピストンの先端部を示す。
【図4】図1の注入装置の鳥瞰図である。
【図5】図1の注入装置のスライドの断面図である。
【図6A】例示的なスプレーのパターン、又は羽根を説明する写真のコピーであり、第1のポイントの際の、注入装置のノズルから発射された液体の計量された投与量の位置を表現している。
【図6B】例示的なスプレーのパターン、又は液体の羽根を説明する写真のコピーであり、図6Aの際のポイントに引き続く第2のポイントの際の、注入装置のノズルから発射された図6Aの計量された投与量の第2の位置を表現している。
【図6C】例示的なスプレーのパターン、又は液体の羽根を説明する写真のコピーであり、図6Bの際のポイントに引き続く第3のポイントの際の、注入装置のノズルから発射された図6Aの計量された投与量の第3の位置を表現している。
【図7】は、ハウジング内に搭載された、図示の注入装置の他の実施例の断面図であり、アイキャップ、ポンプを駆動するためのトリガ、及び、結膜の盲管に隣接する顔の組織に接し、実質的に同時に盲管を露出させ、その中に注入装置から医薬又は他の薬物の計量された投与量を注入するまぶた押圧器を含む。
【図8】図7の注入装置及びハウジングの透視図及び断面図である。
【図9】図7のハウジングの側方からの透視図である。
【図10】図7のハウジングの上方からの透視図である。
【図11】他の注入装置の断面図である。
【図12】図11の注入装置の透視図及び断面図である。
【図13A】他の注入装置の断面図であり、可変容量の貯蔵室を規定するため可撓性を有する内部の袋状部材よりもスポイトのようなピストンを含み、異なる位置でのピストンを示す。
【図13B】他の注入装置の断面図であり、可変容量の貯蔵室を規定するため可撓性を有する内部の袋状部材よりもスポイトのようなピストンを含み、異なる位置でのピストンを示す。
【図13C】他の注入装置の断面図であり、可変容量の貯蔵室を規定するため可撓性を有する内部の袋状部材よりもスポイトのようなピストンを含み、異なる位置でのピストンを示す。
【図14A】注入装置の動作サイクルを示す図15Aから15Cの注入装置の断面図であり、注入装置の駆動サイクルを示す。
【図14B】注入装置の動作サイクルを示す図15Aから15Cの注入装置の断面図であり、注入装置の駆動サイクルを示す。
【図14C】注入装置の動作サイクルを示す図15Aから15Cの注入装置の断面図であり、注入装置の駆動サイクルを示す。
【図15】は、注入装置の例示的な実施形態を保持するためのハウジングの他の実施形態の上部透視図であり、アイキャップ、ポンプを駆動するためのトリガ、及び結膜の盲管に隣接する顔の組織に接し、実質的に同時に盲管を露出させ、その中に注入装置から医薬又は他の薬物の計量された投与量を注入するまぶた押圧器を含む。
【図16】図15のハウジングの側面図である。
【図17】注入装置の他の実施形態の断面図である。
【図18】図17の注入装置の透視図である。
【図19】ハウジングの他の実施形態における図17の注入装置の断面図である。
【図20】図19のハウジングの透視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体容器で規定される本体と、
容器と流体連通するポンプと、
液体の投与量を保持するための投与室を含むノズル、バルブシート、及びバルブカバーと、を備え、当該バルブカバーは、当該バルブシート上に伸び、それらの間にインターフェースを形成し、当該バルブシートは、出口隙間を含み、
当該インターフェースは、当該出口隙間及び当該投与室と流体連通し、少なくとも当該バルブカバーの部分は、(1)当該インターフェースを閉じ、その間に防水シールを形成するために、当該バルブカバーが当該バルブシートと接触する閉の位置、及び(2)バルブ開放圧力よりも高い圧力の下で、その間に加圧された液体の当該通路を許容するために、当該出口隙間を通過する液体の流れに反応し、少なくとも当該バルブカバーの部分が、当該バルブシートから間隔を開ける、少なくとも1つの開の位置の間で移動可能であること、
当該バルブシートと当該バルブカバーとは、毎秒約10メートルより低い速度で、当該インターフェースを通過する液体の当該投与量を投与するため構成されること、
を特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項2】
請求項1に規定される眼炎用注入装置において、当該ポンプは、流路を規定するスライド及び当該流路内で、スライド可能に受け入れられるピストンをさらに備え、当該スライドは、当該流路内に圧縮域、当該圧縮域と当該容器との間に形成される第1の部分、及び当該第1の部分に対して当該圧縮域と反対側に位置する第2の部分を規定し、当該第1の部分は、第1の断面により規定され、当該圧縮域は、当該第1の断面より小さい第2の断面により規定され、少なくとも1つの当該ピストンとスライドは、(1)ピストンの先端部が、当該スライドの当該第1の部分内に受け入れられ、当該圧縮域は、そこから液体を受けるために当該容器と流体連通して連結される第1の駆動位置、及び(2)当該ピストンの当該先端部が、当該スライドの当該第2の部分内に受け入れられる静止位置の間で相互に移動可能であることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項3】
請求項2に規定される眼炎用注入装置において、当該本体、当該ピストン、及び当該スライドのうちの少なくとも1つに駆動するように接続されるスプリングをさらに備え、当該スプリングは、当該圧縮域において液体を加圧するために、当該充填された(loaded)位置から当該静止位置へと、当該本体、当該ピストン、及び当該スライドのうちの少なくとも1つを駆動し、それがまた、当該ノズルを通じて液体の当該投与量を投与することを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項4】
請求項2に規定される眼炎用注入装置において、当該バルブシートは、少なくともある部分が、当該圧縮域の当該第2の断面より大きな第3の断面により規定されることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項5】
請求項2に規定される眼炎用注入装置において、当該ピストンの当該先端部は、当該スライドの当該圧縮域よりも軟らかく、当該先端部及び当該圧縮域は、その間において、それにより防水シールを形成するために、衝突したはめ込み(interference fit)を形成することを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項6】
請求項2に規定される眼炎用注入装置において、当該圧縮域は、当該投与室に配置されることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項7】
請求項2に規定される眼炎用注入装置において、当該先端部は、当該スライドの当該第1部分と衝突したはめ込み、及びその間の防水シールを形成する環状のベース部を規定することを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項8】
請求項2に規定される眼炎用注入装置において、当該ピストン及び当該スライドのうち少なくとも1つは、(1)当該ピストン先端部が当該スライドの当該第2の位置にある当該静止位置から、(2)当該ピストン先端部が当該スライドの当該第1の位置にあり、当該圧縮域が、そこから液体を受け取る当該容器と流体連通して連結する当該第1の駆動位置へ;(3)当該ピストン先端部が当該圧縮域にあり、当該圧縮域の当該液体を、当該バルブ開放圧力より大きな圧力に加圧するために、当該ピストン先端部と当該圧縮域との間に防水シールが形成され、それがまた、当該加圧された液体が当該バルブを開放し、当該バルブを通じて注入する当該第2の駆動位置へ;そして(4)当該ピストン先端部が当該スライドの当該第2の位置にあり、当該出口隙間は、当該出口隙間と当該圧縮域との間の当該圧力を減少し、当該バルブの閉鎖を許容するため、当該容器と流体連通して連結する当該静止位置まで、相互に移動可能であることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項9】
請求項2に規定される眼炎用注入装置において、当該ノズルは、当該静止位置で当該ピストン先端部と接触する停止面を規定し、当該ピストン先端部及び静止面の当該面は、当該ピストン先端部が当該静止位置にあるときに、当該スライドの当該第2の位置内において、実質的に容積がゼロとなるよう規定するために協同することを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項10】
請求項9に規定される眼炎用注入装置において、当該停止面は、第1の形態を規定し、当該ピストン先端部は、当該第1の形態に実質的に適応した第2の形態を規定することを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項11】
請求項1に規定される眼炎用注入装置において、当該本体内に受け入れられる、可撓性を有する袋状部材(bladder)をさらに備え、当該液体容器は、当該袋状部材と本体との間に可変容量の貯蔵室を含むことを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項12】
請求項1に規定される眼炎用注入装置において、当該投与室と流体連通した充填バルブと、当該充填バルブは、当該袋状部材と一体として形成され、可撓性を有する充填バルブ部材を含み、当該可撓性を有する充填バルブ部材と接触可能な充填バルブシートと、をさらに備え、当該可撓性を有する充填バルブ部材は、その間に防水シールを形成するために当該充填バルブシートとかみ合う閉の位置、及び当該充填バルブシートから間隔を開け、その間に当該液体の当該通路のための充填バルブ開口を形成する開の位置において移動可能であることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項13】
請求項1に規定される眼炎用注入装置において、当該投与室と流体連通する充填バルブと、当該充填バルブは、当該閉位置及び開位置の間で移動可能な、可撓性を有する充填バルブ部材を含み、当該可撓性を有するバルブ部材と結合し、当該可撓性を有するバルブ部材を当該閉位置にバイアスするスプリングと、をさらに備えることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項14】
請求項1に規定される眼炎用注入装置において、当該バルブカバーは、その間に防水シールを形成するために当該バルブシートと衝突したはめ込みを形成し、当該バルブカバーは、当該注入装置の内部から外部の方向に漸次減少する壁厚を規定することを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項15】
請求項1に規定される眼炎用注入装置において、当該ポンプを当該静止位置から当該第1の駆動位置に動かすために、当該ポンプと駆動するように接続されたアクチュエータをさらに備えることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項16】
請求項15に規定される眼炎用注入装置において、当該アクチュエータは、トリガ及び当該トリガの動きに反応し、当該ポンプを静止位置から当該第1の駆動位置に動かすために、当該トリガと当該ポンプの間に駆動するように接続されるレバーアームを含むことを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項17】
請求項1に規定される眼炎用注入装置において、当該本体、当該ポンプ、及び当該ノズルを囲むハウジングをさらに備え、当該ハウジングは開口を含み、当該ノズルは、当該開口を通じて液体の当該投与量を投与する位置に置かれることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項18】
請求項17に規定される眼炎用注入装置において、当該ハウジングは、眼に隣接した当該顔の組織と接触し、それに計量された投与量を注入する際に、当該視覚上の盲管を露出するために当該まぶたを下げる、まぶた押圧器を含み、当該ノズルの当該出口隙間は、当該露出された視覚上の盲管に当該計量された投与量を正確に注入するために、当該まぶた押圧器と並んでいることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項19】
請求項17に規定される眼炎用注入装置において、当該ハウジングは、眼に隣接する顔の組織に接触し、当該ノズルの前端と当該眼との間のおおよその注入距離にセットするため、当該本体と連結した支持面を含むことを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項20】
請求項17に規定される眼炎用注入装置において、当該ノズルは、当該ハウジング内に配置され、液体の当該投与量を注入する距離は、約3センチメートルから約10センチメートルの当該範囲内であることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項21】
請求項1に規定される眼炎用注入装置において、当該バルブシート及び当該バルブカバーは、毎秒約6メートルに等しいか、或いはより少ない速度で、当該インターフェースから液体の当該投与量を投与するように寸法取りされていることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項22】
請求項21に規定される眼炎用注入装置において、当該バルブシート及び当該バルブカバーは、毎秒約5メートルより少ない速度で、当該インターフェースから液体の当該投与量を投与するように寸法取りされていることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項23】
請求項1に規定される眼炎用注入装置において、ユーザの眼に衝撃を与える投与量のエネルギは、約40マイクロジュールに等しいか、或いはより少ないことを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項24】
請求項1に規定される眼炎用注入装置において、当該バルブカバー及びバルブシートは、液体の投与量を複数の微量な小滴で放出するように協同することを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項25】
請求項24に規定される眼炎用注入装置において、当該注入装置から離れる微量な小滴のそれぞれの当該エネルギは、約5マイクロジュールより少ないことを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項26】
請求項2に規定される眼炎用注入装置において、当該インターフェースの直線上の表面積は、当該圧縮域の直線上の表面積よりも大きいことを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項27】
注入される薬物を貯蔵するための可変容量室を規定する第1の手段;
当該可変容量室から薬物の計量された投与量を注入する第2の手段;
(1)薬物が通過する当該通路を閉じる防水シールを規定する、閉の位置を形成するため、及び(2)当該第2の手段により注入された、計量された薬物の投与量が、その間に流れるのを許容するための少なくとも1つの開の位置のため、当該第2の手段と流体連通する第3の手段;及び、
当該第3の手段を離れる、毎秒約10メートルより少ない速度で当該注入された投与量を投与する第4の手段、
を備えることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項28】
請求項27に規定される眼炎用注入装置において、薬物の計量された投与量を注入する当該第2手段を駆動するための第5の手段;及び、薬物の計量された投与量をそこに注入し、結膜の盲管の少なくともその一部を露出させるために、眼に隣接する顔の組織に接触する第6の手段、をさらに備えることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項29】
請求項28に規定される眼炎用注入装置において、当該第6の手段は、第2の手段を駆動する当該第5の手段と実質的に同時に顔の組織に接触することを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項30】
請求項27に規定される眼炎用注入装置において、当該第4の手段は、当該注入された投与量を、当該第3の手段を離れる、毎秒約6メートルより少ない速度で投与することを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項31】
請求項27に規定される眼炎用注入装置において、当該第1の手段は、可変容量室をその中に規定する当該装置の本体であることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項32】
請求項31に規定される眼炎用注入装置において、当該装置は、(1)当該本体内においてスライド可能に受け入れられるピストン、及び(2)その間に当該可変容量室を規定するための当該本体内に搭載された可撓性を有する袋状部材、のうちの1つをさらに含むことを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項33】
請求項27に規定される眼炎用注入装置において、当該第2の手段は、圧縮室内にスライド可能に受け入れられるピストンであることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項34】
請求項27に規定される眼炎用注入装置において、当該第3の手段は、軸方向に伸びるバルブシートを含む一方向バルブと、当該バルブシートに横たわる、環状で可撓性を有するバルブカバーと、であることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項35】
請求項27に規定される眼炎用注入装置において、第5の手段は、毎秒約10メートルより少ない速度で、当該注入された投与量を、当該第3の手段から離れるように構成された、当該第4の手段のバルブシート及びバルブカバーにより規定されることを特徴とする眼炎用注入装置。
【請求項36】
可変容量室に複数の当該薬物の投与量を貯蔵し、
計量された当該薬物の投与量を、当該可変容量室から、薬物がその間を通る当該通路を閉じる防水シールを形成して閉の位置を規定する一方向バルブを通過し、そして、当該第2の手段で注入された、計量された薬物の投与量が、そこを通過し流入するのを許容する、少なくとも1つの開の位置へ注入し、及び、
当該一方向バルブから離れる注入された投与量を、毎秒約10メートルより少ない当該速度に制御することを特徴とする眼に薬物を注入する方法。
【請求項37】
請求項36に規定される眼に薬物を注入する方法において、当該制御ステップは、当該一方向バルブから離れる、当該注入された投与量の速度を、毎秒6メートルより少ない値に制御することを含むことを特徴とする眼に薬物を注入する方法。
【請求項38】
請求項36に規定される眼に薬物を注入する方法において、当該結膜の盲管を、少なくとも部分的に露出させるために、当該眼に隣接する顔の組織に、組織接触部材で接触すること、及び、その上に当該薬物を注入すること、をさらに備えることを特徴とする眼に薬物を注入する方法。
【請求項39】
請求項38に規定される眼に薬物を注入する方法において、実質的に同時に計量された投与量を注入すること、及び、当該結膜の盲管を露出させる当該顔の組織に接触させること、をさらに備えることを特徴とする眼に薬物を注入する方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2007−511295(P2007−511295A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539996(P2006−539996)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/038345
【国際公開番号】WO2005/048875
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(503129855)メディカル・インスティル・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (15)
【Fターム(参考)】