説明

注射器組立体を備えているキット

【課題】着脱可能な注射針組立体を有している注射器組立体を、注射針組立体を保護する為の遮蔽装置とともに、備えているキットを提供する。
【解決手段】注射器組立体は、注射器の展開及び患者の体の中への注射器中の材料の注射後のデッドスペースを最少にするとともに、1つの注射器外筒12上における異なった注射針組立体6の交換が可能であるように着脱可能な注射針組立体を含むよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2009年10月19日に提出された米国仮出願番号61/252,962の利益を主張しており、ここに引用することによりその全体がここに組み込まれる。
【0002】
この発明は、皮下注射器及び注射針の分野に関係しており、特に、着脱可能な注射針,低無駄空間,そして傾斜指示器(bevel indicator)を有している注射器組立体;同様に、この様な注射器組立体の保護及び貯蔵の為の遮蔽装置;同様に、注射器及び交換可能な針組立体を備えたキット(kit);に関係していて、これらの全ては、このような注射器を使用する医療スタッフ及び患者の為に使用の容易さ及び便利さを増大させて短時間における複数の注射を提供する。
【背景技術】
【0003】
皮下注射器は、患者の体の中への薬及び他の医療又は美容(cosmetic)物質の注入を要求する種々の手続きの為に、医者,看護士,及び他の医療スタッフ(美容手続きにおいて訓練されたスタッフを含む)により通常使用されている。この様な注射器はまた、或る患者、例えばインスリンを自己注射しても良い糖尿病患者、によっても通常使用されている。
【0004】
例えばアレルギー注射,糖尿病患者の為のインスリンの注射,又は美容適用の為に、患者が所定の複数回注射しなければならないある状況においては、鈍さが薬の分配の低下した正確さや患者の不快さを導くので、複数回の使用における皮下注射針の鈍さを避けることが望まれている。さらには、医療廃棄物の環境的な負荷を最少にしようとする近年の工業全般の注目の観点においては、注射器胴体に取り付けられた使用済みの注射針を新しい殺菌されている注射針と急速に容易に交換でき、一人の患者に対して複数回使用できる単一注射器を提供することの如く、注射器との注射針の便利な使用及び交換能力を許容する注射器組立体を提供することが望まれている。
【0005】
一般的には、注射は、「充填(loading)」工程、即ち、管理者又は患者が、注射器外筒中に十分に押し込まれているプランジャーを伴っている十分に組み立てられているが空の注射器組立体を入手し、次に注射針部分を流体の源(例えば、患者の中に注入する流体の貯蔵器を保持した容器)中に挿入することにより注射器組立体を「充填(loading)」するという工程、を含んでいる手順で執行される。この工程は、管理者又は患者がプランジャーを注射器外筒の長手軸に沿い基端方向に向かい摺動させることにより引き出し、真空力を生じさせて注射器に所定の量の流体を充たすことに引き継がれる。注射針が次に容器から引き抜かれ、十分に充填されそして患者への注射の準備が整う。繰り返される充填もまた注射針を鈍く出来る。
【0006】
小さな注射針は従来通常は使用されていないが、人気を獲得している。例えば、29−30ゲージ(gauge)の如く小さな注射針はしばしばインスリンを注射するために使用されていて、31−33ゲージ(gauge)の如き小さな注射針でさえ今日より広く使用されるようになっている(注射針の「ゲージ(gauge)」は注射針の外径を表示する方法であり、より高いゲージは小さな注射針を指摘する)。より低いゲージの注射針の幾つかの使用は、インスリン注射,アレルギー管理用注射そしてボトックス(登録商標)(Botox)の投与(administration)の如き美容適用の為を含む。さらに、アレルギー注射及びボトックス(登録商標)(Botox)注射は一般に一回の処置(procedure)において患者への複数回の注射を要求する。従って、患者の為の快適さと便利性のためにより小さな注射針を使用することが望まれている。しかしながら、この様な注射針はそれらのより小さな寸法の故に一般的に壊れ易く、そして、それらの小さな円周がゆっくりとした充填及び注射以前の注射器の取り扱いの間における破損の増大した危険性を導くので、重点の為には望ましくない傾向にある。さらには、複数の注射及び充填工程の部分としての殺菌流体のボトル又はガラス瓶(vial)の頂部の覆いに注射針を挿入させる必要は全て、注射針が鈍くなることを早め、患者に対しさらなる不快感を生じさせる。従って、それらの小さな寸法の故にある注射の為に望まれている注射針は、同時に、患者への注射以前のこの様な注射器の充填の為には望まれていない。いまだに、現在の技術における注射器及び注射針組立体においては、使用者は一般には注射器を充填する為に1本の注射針を使用し、そして患者への流体の注射の為にもう1つを使用するという選択を有していない。大きな注射針は充填するのが早いが、注射の間に患者に対しより大きな肉体的痛みを生じさせ、そしてこの様な痛みは複数回の注射に伴い複数回になる。他方、小さな注射針は充填するのを困難に出来る。従って、使用者は、しばしば2つの望ましくない二者択一をそのままにしている。
【0007】
単一の患者への繰り返しの充填及び注射が望まれる状況においては、他の不利益がある。多くの小さな注射器組立体は着脱可能な注射針を有していないので、使用者は注射針を鈍くするのを避ける為に個々の注射のために新たな注射器を使用する選択をする。個々の注射器の廃棄は費用が嵩み無駄が多い。さらには、何回もの繰り返しの注射は無駄な流体をますます増加させ、個々の注射は幾分かの流体が、患者中に注入されるよりもむしろ、注射器組立体中の「デッドスペース(dead space)」中に捕らえられる結果となる。これは、ボトックス(登録商標)(Botox)の如き高価な美容流体準備の場合においては非常に費用が嵩むことになる。
【0008】
またさらに、多くの皮下注射針は滑らかな注射を容易にするよう或る角度に切られていた傾斜先端(bevel tip)を伴い設計されている。この様な先端の角度は「傾斜角度(bevel angle)」として知られている。殆どの傾斜先端(bevel tip)は先端を筋肉内放出(delivery)の為に適するようにする「通常(regular)」傾斜(bevel)として切られている。しかしながら、他の型式の傾斜(bevel)は、「短い(short)」傾斜(bevel)及び「皮膚内(intradermal)」傾斜(bevel)(全ては先端の角度を基にしている)を含む。患者の不快を最少にするには、一般には、中心に最も近い地点の部分(「針尾部(needle heel)」)よりも最も尖っていて最も遠くに延出している地点(「針先端(needle point)」)が患者の皮膚を最初に破るように注射針の方向付けをすることが望まれている。この技術分野において知られているより大きな(より低いゲージ)注射針の場合には、傾斜角度(bevel angle)が使用者の裸眼で見ることが出来、そしてそれ故にこれはまさに容易に行うことが出来る。しかしながら、ここで前述した如き複数回注射の為に使用されるものの如き、非常に小さな注射針(25よりも高いゲージ)の場合には、傾斜先端(bevel tip)が非常に小さく見ることが不可能である。
【0009】
従って、使用済み注射針を注射器から容易に取り外すことが出来、そして新たな注射針との交換が容易に出来るような着脱可能及び交換可能な注射針を有する;注射後に出来る限り多くの流体を保持するようなデッドスペースを最少にもする改良された注射器:また、この様な注射器及び複数注射針の使用者の為のこの様な部分の取り外し及び交換を容易にする注射針;また、使用前及び使用後のこの様な注射器組立体を保護する為の遮蔽装置、の必要が存在している。
【発明の概要】
【0010】
或る実施形態においては、この発明は、キット(kit)に向けられていて、キットは:
(a)開放された基端と末端とを有していて、屋根を規定している末端部分を備えている内部空間を規定している円筒形状外筒と;そして、
(b)ハブとハブに固定された注射針とを備えていて、円筒形状外筒の末端に着脱可能に固定されることが出来て注射器組立体を形成する別の注射針組立体と;
を備えていて、
内部空間は、円筒形状外筒の開放された末端から屋根へと円筒形状外筒に対し相対的に摺動することが出来るプランジャーを受け入れるよう構成されていて、そして、プランジャーはプランジャー取っ手を含んでいる基端及び円筒形状外筒の内部空間内に配置された末端を有しており、プランジャーは円筒形状外筒の長手方向軸に沿い円筒形状外筒の内部空間に対し相対的に摺動するよう構成されていて、プランジャーの末端は内部空間の末端部分上の屋根に接触することが出来、
注射針は、そこを通って円筒形状外筒の内部空間に連通している中空内腔を備えている。
【0011】
他の実施形態においては、この発明は、キット(kit)に向けられていて、キットは:
(a)開放された基端と末端とを有していて、屋根を規定している末端部分を備えている内部空間を規定している円筒形状外筒と;そして、
(b)ハブとハブに固定された注射針とを備えていて、円筒形状外筒の末端に着脱可能に固定されている第1注射針組立体と;
(c)外部壁及び第2注射針組立体を保持している内部室を規定している内部壁を有しているハウジングを備えている遮蔽装置と、
を備えていて、
内部空間は、円筒形状外筒の開放された末端から屋根へと円筒形状外筒に対し相対的に摺動することが出来るプランジャーを受け入れるよう構成されていて、そして、プランジャーはプランジャー取っ手を含んでいる基端及び円筒形状外筒の内部空間内に配置された末端を有しており、プランジャーは円筒形状外筒の長手方向軸に沿い円筒形状外筒の内部空間に対し相対的に摺動するよう構成されていて、プランジャーの末端は内部空間の末端部分上の屋根に接触することが出来、
注射針は、そこを通って円筒形状外筒の内部空間に連通している中空内腔を備えている。
【0012】
他の実施形態においては、この発明は、注射器組立体を形成する方法に向けられていて、この方法は:
(a)基端と末端とを有している円筒形状外筒であり、末端及び末端上の屋根を含んでいる内部空間を規定していて、内部空間が円筒形状外筒に対し摺動可能なプランジャーを受け入れるよう構成されている、円筒形状外筒を入手する;
(b)注射針先端を有している注射針に固定されているハブを備えている注射器組立体を入手する;そして、
(c)注射器組立体上に円筒形状外筒の末端を着脱可能に連結する、
工程を備えていて、
着脱可能な連結が、ねじ連結,スナップ連結,及び2元連結から選択された機構により達成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、この発明の一実施形態に従っているキットの幾つかの構成要素を示している。
【図2】図2は、この発明のもう1つの実施形態に従っているキットの幾つかの構成要素を示している。
【図3】図3は、この発明のもう1つの実施形態に従っているキットの幾つかの構成要素を示している。
【図4a】図4aは、この発明の一実施形態に従っているキットの幾つかの構成要素を示している。
【図4b】図4bは、この発明の一実施形態に従っているキットの幾つかの構成要素を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明のキットは、特異な型式の注射器組立体、−特に、低デッドスペース,注射針部分の着脱性能,そして或る実施形態においては、使用者が最適な地点で患者の体に注射針を導く手伝いをする傾斜指示器(bevel indicator)の特徴を発揮する注射器組立体、に向けられている適用の為に特に役立つことが分かっている。これらの全ては、この発明の遮蔽装置内に保持されることが出来る注射器組立体のある実施形態の持ち物であり、全ては以下に述べられる。好ましい注射器組立体は、この出願と同日に提出され「着脱可能な注射針組立体及び低デッドスペースを有している注射器組立体(Syringe Assemblies Having Detachable Needle Assemblies and Low Dead Space)」と題された同時に継続中の米国出願第 号中に非常に詳細に議論されていて、この記載は引用によりその全体がここに組み込まれる。さらに、このような注射器組立体及び注射針組立体を保持した遮蔽装置は、この出願と同日に提出され「遮蔽装置、及び注射器組立体及び注射針組立体を貯蔵する為の方法(Shield Apparatuses and Methods for Storing Syringe Assemblies and Needle Assemblies)」と題された同時に継続中の米国出願第 号中に非常に詳細に議論されていて、この記載は引用によりその全体がここに組み込まれる。
【0015】
このような注射器組立体は、一回の処置(procedure)又は一連の処置中に患者の顔又は体上の複数の場所に沿い複数の注射が要求される、これらに限定されないが、アレルギー,発汗減少症(hypohydrosis),筋肉収縮(muscle twitches),内斜視(crossed eye),脳性小児麻痺(cerebral palsy)又はこれらと同様のものの如き、状況を治療する為の医療又は美容流体の注射の為に特に有用である。ここで使用された時、用語「医療又は美容流体(medical or cosmetic fluid)」は、医療状況の治療又は美容上の利点を提供する為に、注射器組立体を使用した注射により患者の体に届けられることが望まれている如何なる流体材料をも引用する。或る実施形態においては、医療又は美容流体(medical or cosmetic fluid)は、それに限定されないが、ふけ(dander)の如きアレルゲン性の(allergenic)又はアレルギー誘発成分(allergy-triggering composition)、又はボツリヌス毒素(botulism toxin)(美容流体の場合におけるボトックス(登録商標)(Botox)の如き)の如き美容成分そして筋弛緩約(muscle relaxant)及び同様のもの、を備えている。
【0016】
[低デッドスペース]
デッドスペースの出現は、注射器及び流体を届ける他の外科的器具の分野においては現在進行中の関心事である。第1の関心事は、現在使用されている注射器が十分に展開された時にはいつも、注射器中、一般には円錐または断面が台形の形状を備えている外筒の末端中に、注射針自身の長さの中とともに、液体が残ることである。この液体は、それを注射器から抽出する又はそれを注射針を介して外筒から強制する方法がないので、注射器組立体の展開後に失われる。
【0017】
デッドスペースを最少にすることと着脱可能な注射針組立体を提供することの両方を行なおうとする試みが行なわれている。例えば、ジャンセン(Jentzen)に対する米国特許第5,782,803号及びディアリーゴ(D’ Arrigo)に対する米国特許公開第2008/0033347号を参照。しかしながら、これら及び当該技術における文献は、3mL及びそれよりも大きな容量を伴ったより大きな注射針(一般には、29よりも遥かに下のゲージ)を有しているより従来から使用されている注射器を取り扱っている。より高いゲージの注射針の交換可能性及びデッドスペースは、従来の試みにより適切に取り扱われていない。ここで議論された如く、小さなゲージの注射針(例えば、29−33ゲージ注射針及びより小さなものでさえ)は、それに限定されるのではないがそれ等の小さな寸法故のそれらの壊れ易さ及び取り付けの困難さを含む当該技術において特異な挑戦を提供している。
【0018】
デッドスペースの最小化はプランジャー及び注射器外筒構成の設計を介して達成されることが出来ることが発見されている。詳細には、外筒の内部はプランジャーのを受け入れるよう構成されていて、プランジャーは末端(外筒中に挿入されている)及び基端を有していて、基端は或る実施形態においては外筒の長手方向軸に沿いプランジャーを使用者が摺動させるのを容易にする為のプランジャー取っ手を備えている。円筒形状外筒は内部空間を備えていて、そして、空間の末端部には、十分に展開(deploy)され、即ち、それがその中にさらに摺動出来ないよう外筒中に十分に摺動された、時に、プランジャーが接触する内部末端表面がある。十分に展開された時にプランジャーの末端が最後に接触し、そしてそこに対し外筒中にプランジャーが移動できる最も遠い表面を提供している外筒の内部末端表面は、ここにおいては外筒の「屋根(roof)」として引用されている。
【0019】
外筒の屋根の少なくとも一部分はプランジャーを受け入れる為に閉塞された表面であり、外筒の屋根は、或る実施形態においては、注射針組立体との外筒の内部の流体流通を許容する少なくとも一つの開口を備えており、従って使用者がプランジャ−を屋根に向かい押した時に注射針の中空の内孔を介しての患者の体内への外筒からの流体の注射が許容される。プランジャーの末端(十分に展開された時の)と外筒の屋根との間の接触の表面積が大きくなればなるほど、デッドスペースがより小さくなる結果となる。この発明の或る実施形態においては、プランジャーの末端と屋根の両方が互いに対応し及び補足する形状を有している。即ち、プランジャーの末端は内部空間の末端部分の屋根上の対向していて補足的な表面に対応する形状を有していて、それにより、プランジャーが円筒形状外筒内に十分に展開された時に、プランジャーの末端と内部空間の末端部分の屋根とは界面で合致し、流体の実質的に全てを界面から外筒の内部が注射針組立体と連通している開口を介して遠ざける密封を形成する。この密封がきつくなればなるほど、より多くのデッドスペースが小さくされることが出来、そしてより多くの流体が注射器外筒の外に強制されることが出来る。プランジャーの末端と屋根との間のこの対応関係は、プランジャーが円筒形状外筒中に十分に展開された時に、プランジャーと屋根とが互いに実質的に十分に接触されていることを確実にする為に重要である。
【0020】
或る実施形態においては、プランジャーの末端はデッドスペースを最少にする如何なる他の形状、−例えば、部分的又は実質的に円錐形状,台形状,円形状,角形状,又は外筒を介して下方にそして注射針組立体中へと流体を取り扱う為に有用である如何なる形状、の1つであって良い。例えば、プランジャーの末端は実質的に平坦であるとともに注射器外筒の長手方向軸に対し実質的に直交する角度であり;外筒の対応している屋根もまた同様に、2つが出会った時に流体の最適な量が外筒の外に、そして注射針を介して、強制されて良いように、実質的に平坦で良い。
【0021】
或る実施形態においては、この発明のキットは、注射器組立体のプランジャーが十分に展開された時に外筒中に当初に充填された流体の略5%以下がデッドスペースに失われるよう構成された注射器組立体を備えている。種々の実施形態においては、この値は略4%以下,略3%以下,略2%以下,又は略1%以下である。或る実施形態においては、流体損失の量が、略0.3mL以下,略0.2mL以下,略0.1mL以下,又は略0.05mL以下ある。
【0022】
[着脱可能な注射針組立体]
種々の実施形態においては、この発明のキットは、着脱可能な注射針組立体を備えた注射器組立体を含んでいる。ここで使用される時、「着脱可能(detachable)」は、使用者が、注射針組立体又は外筒又はこれらの間の連結に損害を与えることなく、外筒の末端に対する注射針組立体の取り付け及び外筒の末端からの注射針組立体の除去の両方を出来ることを意味している。
【0023】
従って、或る実施形態においては、この発明のキット中の注射器組立体は2つの主要な構成要素を備えていて:第1は、その中に配置されているプランジャーを有している円筒形状外筒(cylindrical barrel)(ここにおいては、「外筒(barrel)」,「円筒形状外筒(cylindrical barrel)」,又は「注射器外筒(syringe barrel)」としても引用されている);そして、第2は、注射針に固定されたハブ(hub)を備えている注射針組立体である。或る実施形態においては、注射針組立体は以下の機構のいずれかを介して注射器外筒に着脱可能に固定されている:
(a)注射器組立体のねじ山部(threaded portion)と合致する外筒の末端上のねじ山部(threaded portion)(「ねじ山連結(Threading Connection)」);
(b)互いのスナップ(snapping)により注射器組立体上の対応している及び補足の部分と適合する外筒の末端上の部分(「スナップ連結(Snap Connection)」;又は、
(c)互いに係合できそして捩じり(twisting)により連結できる雄及び雌部分(「2元連結(Binary Connection)」)。
【0024】
この出願と同日に提出され「着脱可能な注射針組立体及び低デッドスペースを有している注射器組立体(Syringe Assemblies Having Detachable Needle Assemblies and Low Dead Space)」と題された同時に継続中の米国出願第 号中にさらに詳細に明らかにされていることに加え、これらの機構がここでより詳細にさらに議論される。
【0025】
A.[ねじ山連結(Threading Connection)]
或る実施形態においては、この発明のキット中の注射器と注射針との間の連結は注射針組立体上の1つ又はそれ以上のねじ山(thread)により形成され、そこでねじ山(thread)は、取り付けの地点における注射器組立体の末端上のねじ山(thread)と、ねじ(screw)の如く、対応し合致する。ねじ山連結(Threading Connection)の例を、例えば図1中に見ることが出来る。図1中では、ねじ山9は、中央において遮蔽装置1内に保持されている十分に組み合わされている注射器装置中の外筒内に配置されている,右の別の注射器組立体6中の,そして左の別の注射器装置中の、3つの場所中に見ることが出来る。注射針組立体6は、注射針7に対して固定されたハブ8を備えている。注射針組立体と注射器組立体の末端とが互いに十分にねじ山結合された時、注射針7は外筒12の内部と継ぎ目無しの流体連結になる。或る実施形態においては、注射針を注射器に連結しているねじ山機構(threading mechanism)がさらに、注射器又は注射針の移動又は押しが注射針に注射器からの「進行分離(walk off)」を生じさせない、即ち、意図しないねじ山結合解除を生じさせない、ような、ねじ山結合後の2つの互いの固定の目的を果たす1つ又はそれ以上の取り付け具を備えて良い。この様な固定機構は、スナップ(snap),フック(hook),挟持フランジ(clamp flange)又は他の同様な機構、接着剤による又は磁力による取り付けも同様、の形態であって良い。
【0026】
B.「スナップ(Snap)」連結
或る実施形態においては、注射器組立体の外筒と注射針組立体との間の連結は、注射針(又はそこへの取り付け具)及び注射器上の対応している合致部位、例えば、「クリック(click)」又は「スナップ(snap)」機構により伴に合致する「雄(male)」及び「雌(female)」部位、により行なえる。このような実施形態においては、注射針組立体又は外筒の末端のいずれかが、2つの一方を他方上に適合(fit)出来る如き、他方よりも僅かに大きな直径を有するよう構成されて良い。或る実施形態においては、両方は実質的に同じ直径であり、しかし、注射針組立体又は外筒の末端のいずれかが、注射器組立体の使用及びこの発明の遮蔽装置中への注射針組立体部分の挿入の間に2つが容易に分離しないような方法で、変形しそして次に所定の場所中にさっと入る(pop in)よう構成されて良く;或る実施形態においては、所定の場所中にきつく固定又は接合されて良い。スナップ連結の一例を図2中に見ることが出来る。ハブ8が、注射器外筒の末端上の補完及び対応部分と係合し互いに固定するスナップ取り囲み(snap enclosure)を含む。
【0027】
C.「2元(Binary)」連結
種々の実施形態においては、連結が2元特性(Binary nature)である。−即ち、注射器又は注射針(又はここに対する取付具(attachment))の対応している端が、一方部分をもう一方の対応していて補足的な部分に挿入し、そして次にその2つを所定位置に固定するよう「捩じる(twist)」ことを行なうことにより、合致させることが出来る固定部分(例えば、フランジ(flange)又はリップ(lip))を有している。一般的には、「捩じる(twist)」動作は、全360度捩じり以下−即ち、固定部材の外周の一部(fraction)、であって良い。種々の実施形態においては、「捩じる(twist)」動作は、略45度ないし略270度,略50度ないし略180度,略55度ないし略120度又は略45度,略90度,略120度,略180度又は略270度の量まで捩じることにより達成されることが出来る。2元(Binary)によるは、対応している部位が2つの可能な方法−固定(lock)及び固定解除(unlock)又は固着(fix)及び固着解除(unfix)又は取り付け(attach)又は取り外し(unattach)、により構成されることが出来ることを意味している。
【0028】
[遮蔽装置(Shield Apparatus)]
この発明の或る実施形態においては、キットは遮蔽装置を備えている。遮蔽装置は、外部壁、及び注射針先端を取り囲む内部室を規定している内部壁を有しているハウジングを備えている。或る実施形態においては、遮蔽装置は、遮蔽装置が注射器組立体を貯蔵した時に注射針先端を実質的に垂直下方に対面させているように、水平面上に自立することが可能である、
この発明の或る実施形態に従えば、使用者は、使用済み注射針の端を室中に挿入し,注射器に部分的(fractional)回転(種々の実施形態においては、1/4回転,1/2回転又は略45度,略90度,略120度,略180度又は略270度の回転)を注射器に与え、それにより使用済み注射針を取り外すような、構成を備えていて良い。使用者は次に、注射針組立体を室内に保持されたままにし、注射器組立体の残りを異なった室中に挿入し、同様の回転を与え、そして一旦それが室から外に引かれると使用の準備がされる新たな注射針に係合することが出来る。
【0029】
[傾斜指示器(Bevel Indicator)]
ここに議論された如く、多くの注射針は、先端がある角度にされている傾斜端(beveled tip)を備えている。傾斜端は高く望まれていて、そして或る実施形態においては、不快感を最小にする為に、注射針をその傾斜地点で最初に患者に注入することが望まれている。より大きな注射針(例えば、18−25ゲージを有している注射針)では使用者はこの決定を裸眼で行なうことが出来たが、これを小さな注射針で行なうことは殆ど不可能である。従って、この発明の或る実施形態においては、注射針ハブ(hub)、又は注射針又は注射器組立体に沿ったいかなる他の地点が傾斜指示器(bevel indicator)を備えて良い。詳細には、注射器組立体が外筒から着脱可能である場合、或る実施形態においては、傾斜指示器(bevel indicator)はハブ(hub)上の少なくとも一部分に在り、そして、線(line)又はドット(dot)又は他の容易に識別できる指示器であって良く、そして、それがハブの色と対比するよう着色されているか、及び/又は、盛り上がっているか又は凹まされているか又はハブの外観(texture)と対比されそして従って使用者に視認できる又は他に識別できるような外観(texture)を有していて良い。このようにして、使用者は、注射針を患者の体の中に注入する最も良い方向を決定するのに傾斜指示器を使用できる。
【0030】
同様に、或る実施形態においては、この発明のキットは、注射器組立体,注射針組立体又は遮蔽装置を備えて良く、これらのいずれもが:そこに保持された注射針組立体の寸法,注射針組立体の状況(「新たなもの」又は使用済みか);注射針先端の方向又は構造;又は注射針の寸法(ゲージ)又は型を知らせる特定情報、を使用者に指摘する印(marking)(例えば、線(line),ドット(dot),盛り上げられた領域(raised area),外観付けされた領域(textured area))または他の表示(indicia)を示して良い。例えば、図1,図2及び図3中において見ることが出来るように、この実施形態においては遮蔽装置の長手方向軸の一部にスリット15が現れている。これらのスリットは、使用者が遮蔽装置の内部を見ることを可能にし、そして、この文節において記載されていた情報を表示するのに有用である。
【0031】
さらなる例として、個々の室は、使用済みの注射針の挿入により、色でコード化された(color-coded)パネル又は他の指示器(例えば、言葉(word),絵(picture)又は形(shape))が、機械的な動作により引き起こされて(triggerd)、遮蔽装置上に表示されるの如き、機械的な引き金(trigger)を包含して良い。これは、そこに収容されている注射針が使用済みであって再び触るべきではないことを使用者に注意する目的のために役立つことが出来る。それはまた使用者に、複数室遮蔽装置の場合に、遮蔽装置を放棄し新たなものを入手する時を指摘することが出来る。
【0032】
[この発明のキットの使用(Using the Kits of the Present Invention)]
種々の実施形態においては、この発明は、如何なる寸法又は数の着脱可能な注射針組立体を含んでいる1つ又はそれ以上の注射器組立体を備えているキットに向けられている。
【0033】
例えばキットは以下のいずれを備えて良い。
【0034】
1.1つ又はそれ以上の室を含む遮蔽部材を伴っている、所望の量の流体が十分に充填されていて患者の体内へ注射する準備が出来ている完成されている注射器組立体であり、少なくとも1つの室が注射器組立体に既に取り付けられた注射針組立体を受け入れるよう構成されている。この注射器組立体は、遮蔽装置から分離されて良く、又は(例えば図1,図2,そして図3中の中間の形態中に示されている如く)遮蔽装置中に保持されていて良い。この場合、使用者は、患者に対し注射を行なうことが出来、次に、注射器組立体を遮蔽装置の空の室中に挿入し、そして、外筒から注射針組立体を分離し、室中に使用済み注射針組立体を残す。1つ以上の室及び少なくとも1つの追加の新たな注射針組立体がある実施形態においては、使用者は次に新たな注射針組立体を外筒に取り付け2回目の注射を行なうことが出来る。最後の注射針組立体が使用された時は、使用者は室中に注射針組立体を再挿入し、それを外筒から取り外し、そして次に全ての部材を廃棄することにより注射針組立体を安全に廃棄することが出来る。或いは、使用者は、注射針組立体が室内に保持された時に最後の注射針組立体に対し外筒を取りつけたままにして良く、そしてそれを1つのユニットとして廃棄する。
【0035】
2.キット中の遮蔽装置を伴っている、そして任意に流体の容器(例えば、ボトル(bottle))を伴っている、如何なる注射針組立体からも分離されている注射器外筒であり、遮蔽装置は、その中に配置されている1つ又はそれ以上の別の注射針組立体を有している1つ又はそれ以上の室を備えている。この実施形態においては、使用者は、最初に注射器外筒を取り、そしてそれを第1注射針組立体に取り付け、そして次に流体を完成された注射器組立体中に充填する。或る実施形態においては、第1注射針組立体はより低いゲージの(より大きい)注射針を含んでいて、そして、充填工程の後に使用者は、遮蔽装置の空の室中に注射器組立体を挿入し、そして第1注射針組立体を外筒から取り外し、使用済みの注射針組立体を室中に残し、その後に彼は外筒を、より高いゲージの(より小さな)注射針を含んでいる第2注射針組立体を保持している第2室中に挿入し、第2注射針組立体を取り付け、そして流体を患者の中に注射するのにそれを使用する、ことを選択してよい。
【0036】
この発明のキットにおいては、個々の注射針組立体における注射針は当該技術分野において通常使用されている如何なる寸法でよく−例えば、より小さなゲージの(より大きな)注射針(例えば、25ゲージ又はそれより低い,18乃至25ゲージ,又は18,20又は22ゲージ;又はより高いゲージの(より小さな)注射針(例えば、25ゲージより高い,26乃至34ゲージ,又は29,30,31,32又は33ゲージ)。さらには、1つ又はそれ以上の室を、遮蔽装置内に如何なる大きな数の構成でも配置することが出来る。例えば、この発明のキットは、単一の室及び使用者が注射器装置をその端上に立ち上げることを可能にしている実質的に平坦な表面2を伴った遮蔽装置を含んでよい。或いは、この発明のキットは、図2及び図3中に示されている如く、遮蔽装置の正反対の端上に配置されている2つの別の室を有している遮蔽装置を含んで良く、ここにおいては実質的に平坦な表面が無く、しかし底部分が係合ひだ(fin)11の縁により形成された実質的に平坦な平面10を備えている。
【0037】
図1乃至図3中に示されている如く、この発明に従ったキットは、遮蔽装置1内に既に配置されている注射器組立体を含んでよい。この注射器組立体は、種々の実施形態において、流体が既に充填されていて、そして患者へ注射する準備が出来ていることが出来、又は空であることが出来、この場合幾つかの実施形態中では、キットは注射されることが望まれている流体で充たされている容器をさらに含んでよい。或る実施形態においては、2つの注射器組立体が挿入されてよく、1つが遮蔽装置の個々の端上の1つの室中にある。他の実施形態においては、如何なる数の室も遮蔽装置内に配置されて良く;例えば、遮蔽装置の一端上に密集される(clustered),実質的に球形状の遮蔽装置の外部輪郭の周りに配置される,又は遮蔽装置の端上の横列(row)又は縦列(column)中に配置される。
【0038】
この発明のキットのもう一つの例示的な実施形態が図4a中に示されている。そこには、多数の凹所17及び処理スロット18を有しているトレイ16を見ることが出来る。トレイは、或る実施形態においては、射出成形された材料又は金属の如き材料で形成されて良い。凹所17及び処理スロット18は、、或る実施形態においては、トレイ16内に配置されている個々の遮蔽装置により形成されて良く;他の実施形態においては、これらは、別の自立装置に換わる基礎中に直接作り込まれて良い。この様なキットの利点は、一旦注射器組立体が使用されると、それを空の室中に挿入し、そしてその中に残すことが出来て、使用者がそれを取り外し又は取り付けるために、注射針組立体の注射針部分に触らなくてはならないようにしないことである。注射器組立体の全てが使用された時、トレイ16はリサイクル又は廃棄される。
【0039】
図4a中に描かれている特別な実施形態においては、この発明のキットにおいて有用である例示的な注射器組立体が示されている。図4は、この様な注射針組立体の内部断面図を示している。見ることが出来るように、ハブ(hub)の内部は、1つ又はそれ以上のトグル(toggle)19を備えている。個々のトグル(toggle)は、ハブ(hub)内に注射針を捕まえそしてそれを所定の場所に保持する1つ又はそれ以上のトグルリップ(toggle lip)20を有している。トレイ16中に貯蔵された時、ハブ8の基端部分が(点線により示されている如き)凹所の頂21と実質的に一直線になる。使用者は、開口中に注射器外筒を容易に挿入し(図4b中に下向きの矢印により示されている如く)外筒上に注射針組立体を固定することが出来る。この実施形態においては、ハブ(hub)は、1つ又はそれ以上のトグル19の下で掴み注射器外筒を所定の位置に保持している外筒スナップリング(snap ring)22を備えている。除去は同等の便利さを伴って行なうことが出来る。
【0040】
この実施形態においては、この発明のキットは、2つ又はそれ以上の室を備えている遮蔽装置を備えており、個々の室は、注射器組立体において外筒に既に連結されている着脱可能な注射針から異なって、又は同じであって、良い、新たな着脱可能な注射針を含んでいる。ある実施形態においては、遮蔽装置は空の室を備えている。使用者が当初の着脱可能な注射針を使用することを行う時、前述した如く、彼はそれを空の室中に挿入してよく、そして、注射針を注射器に対するそれの連結から解除する。この処理(process)は、キット中に新たな注射針があるだけ多くの回数続けられる。注射針の全てが使用された後には、遮蔽装置又はキットの如何なる部分又はキットそれ自身は次に安全にそして便利に廃棄されることが出来、使用者は使用済みの注射針が偶然突き刺さる危険性を避けられる。
【0041】
この様な実施形態において入手可能な利点は、より小さなゲージの注射針は一般に患者に不快感を減少させるが、それらは液体の大きな量を速やかに引き上げる彼等の能力に限界があるということである。従って、これらの実施形態においては、使用者は、より大きなゲージの注射針(例えば、18ゲージ注射針)を使用してより早く薬を引き上げることが出来、しかし、次には、患者へと薬を注射する準備の時に、このより大きなゲージの注射針をより小さなゲージの注射針と交換する。このことは、時間及びエネルギーを節約し、そして、注射の間に注射針が準備されるのを待っている間における患者の肉体的及び精神的な不快感を最少にする。
【0042】
例えば、患者は幾つかのボトックス(登録商標)(Botox)注射又はインスリン注射を速やかに行なう要求を有して良く、さもなければ患者は、筋肉痙攣(muscle spasm)又は一連の注射を速やかに実行することを必要としている関連している医療状況(例えば、アレルギー又は脳性小児麻痺(cerebral palsy)を治療する為の一連の注射)による痛み又は不快をこうむる。この様な状況において、患者はいらいらし(impatient),興奮させられ(agitated)又は感情的(emotional)になり(もし患者が子供であるとこれは特に当てはまる)、そして、注射,再充填,そして再注射の処理を能率化することが患者の快適さの立場から望まれる傾向にある。特に、この発明の実施形態は、注射器をその包みから開封し,薬を充填し(実施形態では、薬は注射器中に予め充填されていない),注射の為の適切な注射針を準備し,薬を注射し,注射針を取り外し,使用済み注射針を廃棄し,そして必要であれば新たな注射針を再搭載するという全処理を、全てを最少の努力を伴い、行なう容易な道を(医療スタッフ又は患者自身の如き)使用者のために提供する。
【0043】
この発明の或る実施形態においては、この発明のキット中の遮蔽装置は、これらが手助け又は解除無しで真っ直ぐに立つことが出来るように構成されていて:種々の実施形態においては、上の工程の全てが片手を使用しようして行うことが出来、従って、使用済みの注射針による偶然の刺し傷の機会を減少させ、そして追加の手助け無しで所望の結果を達成する使用者の能力を最大にする。
【0044】
この発明のキットは、患者又は医療スタッフの必要次第で、注射器組立体,外筒,(種々の寸法,ゲージ,及び型の)注射針組立体,遮蔽装置及び室の如何なる構造を備えることが出来る。幾つかの実施形態においては、室は、これらの夫々が1つ以上の注射針を保持できるよう構成されて良い。
【0045】
この発明に従っている例示的な遮蔽装置を例えば図2及び3中に見ることが出来、これらは、一端で立つことが出来る2重端遮蔽組立体を描いている。種々の実施形態においては、キットは、2重端遮蔽組立体の一端中に既に挿入されている注射器を備えていて良い。使用者は、遮蔽組立体の一端の外に注射器を引くことが出来る。種々の実施形態においては、注射器はより高いゲージの注射針に取り付けられて、次に使用者が患者の体の中に注射しようとする薬のボトル(bottle)中に挿入するか;又は、或いは、注射器に予め薬を充填しておいて患者への注射の為に意図されている注射針が取り付けられるかである。或いは、注射器は患者への注射の為に意図されている注射針が取り付けられているがいまだに薬が充填されていない。この発明の或る実施形態に従えば、2つの室は同じ寸法である必要がなく、一方の室が他方の室よりもより大きなゲージの注射針を保持する為に適していて良い。
【0046】
他の実施形態においては、この発明のキットは、図1中に描かれている如く、単一室のみを有している遮蔽装置を備えていて良い。この発明のキットは、種々の構造,寸法そして注射針−保持可能性の複数の遮蔽装置を備えて良く、そして使用者は、彼の特異な必要性を基に、遮蔽装置の配列を特別誂えすることを可能にしてよい。
【0047】
種々の実施形態においては、この発明の注射器は、使用の容易のために構成されている取っ手(handle)を含んで良く、例えば、片手を使用して容易に掴むことが出来るループ(loop)を有している取っ手(handle)、又は、使用者に心地よい握りを提供し、そして使用者の手の圧力でつぶれる、柔らかい又は柔軟な材料を備えている取っ手(handle)である。
【0048】
この発明の注射器組立体中の注射器外筒は、種々の実施形態において、略2乃至略5mL,略3mL,略2mL,略1mL,略0.5mL又は略0.3mLの流体容積容量を有してよい。この発明の実施形態が、非常に小さな容量の外筒及び非常に小さな(より高いゲージの)注射針とともに使用された時に予想もしない利点を提供することが分かっている。
【0049】
この発明のキット,注射器組立体,そして他の構成要素は、不活性で(inert),安定していて(stable),そして殺菌できるものを含んでいる、医療装置のために有用な如何なる材料で形成されて良い。好ましくは、これらは、使用者又は患者に過度の不快またはアレルギー反応を決して生じさせない。役立つ材料の例は、ガラス,(ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリスチレン,ポリエチレンテレフタレート,又は前述のいかなるものの低密度又は高密度な形態を備えている材料を含むがこれらに限定されない)プラスチックの如きポリマー材料,天然又は人工ゴム,ガラス繊維,金属及びこれらと同様なものである。
【0050】
ここに記載された全ての実施形態は説明の為でありこの発明の範囲を限定するものではなく、そしてこの発明はその精神から離れることなくここに明白に記載されていない他の形態で実施されて良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)開放された基端と末端とを有していて、屋根を規定している末端部分を備えている内部空間を規定している円筒形状外筒と;そして、
(b)ハブとハブに固定された注射針とを備えていて、円筒形状外筒の末端に着脱可能に固定されることが出来て注射器組立体を形成する別の注射針組立体と;
を備えていて、
内部空間は、円筒形状外筒の開放された末端から屋根へと円筒形状外筒に対し相対的に摺動することが出来るプランジャーを受け入れるよう構成されていて、そして、プランジャーはプランジャー取っ手を含んでいる基端及び円筒形状外筒の内部空間内に配置された末端を有しており、プランジャーは円筒形状外筒の長手方向軸に沿い円筒形状外筒の内部空間に対し相対的に摺動するよう構成されていて、プランジャーの末端は内部空間の末端部分上の屋根に接触することが出来、
注射針は、そこを通って円筒形状外筒の内部空間に連通している中空内腔を備えている、
キット。
【請求項2】
(c)注射針組立体の貯蔵の為の遮蔽装置をさらに備えていて、
ここにおいて遮蔽装置が外部壁及び注射針先端を取り囲む内部室を規定している内部壁を有しているハウジングを備えている、
請求項1のキット。
【請求項3】
遮蔽装置は、遮蔽装置が注射器組立体を貯蔵した時に注射針先端を実質的に垂直下方に対面させているように、水平面上に自立することが可能である、
請求項2のキット。
【請求項4】
全てが円筒形状外筒の末端に着脱可能に固定されることが出来る2つ又はそれ以上の注射針組立体を備えていて、1つ又はそれ以上の注射針組立体が室中に保持されている、
請求項2のキット。
【請求項5】
注射器組立体が、注射針組立体上に傾斜指示器をさらに備えている、
請求項1のキット。
【請求項6】
1つの注射器組立体及び2つ又はそれ以上の注射針組立体を備えている、
請求項1のキット。
【請求項7】
1つの注射器組立体及び夫々が異なったゲージの注射針を含んでいる2つ又はそれ以上の注射針組立体を備えている、
請求項6のキット。
【請求項8】
25又はそれより低いゲージを有している注射針を含んでいる注射針組立体を備えている、
請求項7のキット。
【請求項9】
25よりも高いゲージを有している注射針を含んでいる注射針組立体を備えている、
請求項7のキット。
【請求項10】
注射針組立体が、注射針組立体に取り付けられている注射針の寸法,注射針組立体の状態、又は注射針先端の向き又は構造の1つ又はそれ以上を指示する印を含んでいる、
請求項1のキット。
【請求項11】
(a)開放された基端と末端とを有していて、屋根を規定している末端部分を備えている内部空間を規定している円筒形状外筒と;そして、
(b)ハブとハブに固定された注射針とを備えていて、円筒形状外筒の末端に着脱可能に固定されている第1注射針組立体と;
(c)外部壁及び第2注射針組立体を保持している内部室を規定している内部壁を有しているハウジングを備えている遮蔽装置と、
を備えていて、
内部空間は、円筒形状外筒の開放された末端から屋根へと円筒形状外筒に対し相対的に摺動することが出来るプランジャーを受け入れるよう構成されていて、そして、プランジャーはプランジャー取っ手を含んでいる基端及び円筒形状外筒の内部空間内に配置された末端を有しており、プランジャーは円筒形状外筒の長手方向軸に沿い円筒形状外筒の内部空間に対し相対的に摺動するよう構成されていて、プランジャーの末端は内部空間の末端部分上の屋根に接触することが出来、
注射針は、そこを通って円筒形状外筒の内部空間に連通している中空内腔を備えている、
キット。
【請求項12】
(a)基端と末端とを有している円筒形状外筒であり、末端及び末端上の屋根を含んでいる内部空間を規定していて、内部空間が円筒形状外筒に対し摺動可能なプランジャーを受け入れるよう構成されている、円筒形状外筒を入手する;
(b)注射針先端を有している注射針に固定されているハブを備えている注射器組立体を入手する;そして、
(c)注射器組立体上に円筒形状外筒の末端を着脱可能に連結する、
工程を備えていて、
着脱可能な連結が、ねじ連結,スナップ連結,及び2元連結から選択された機構により達成される、
注射器組立体を形成する方法。
【請求項13】
注射器組立体が、注射針先端を実質的に垂直下方に対面させているような位置で遮蔽装置内に保持されている、
請求項12の方法。
【請求項14】
円筒形状外筒及び注射器組立体が単一のキット内に別々に格納されている、
請求項12の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【公開番号】特開2011−136153(P2011−136153A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−233769(P2010−233769)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(502156504)テルモ メディカル コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】