説明

注文受付装置及びプログラム

【課題】操作者の操作を受け付けるメニューボタンを商品毎に備えた注文受付装置において、追加注文受け付け時の注文内容の表示形態を改善すること。
【解決手段】伝票番号の指定により追加注文を指示することが可能な追加注文キーが操作された場合に、その指定された伝票番号の注文情報に含まれる商品の注文数のカウントを、追加注文されたその商品の注文数のカウントとともに、当該商品に対応するメニューボタン上に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、注文受付装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店での注文の受付業務を支援するための技術として、商品毎に設けたメニューボタンの操作により、その商品の注文を受け付けるものが知られている。この技術のメニューボタンはGUI等の形態で提供されており、各メニューボタンに対するタッチ操作によって注文を受け付け、そのタッチ回数を注文数として注文リストに表示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来技術によれば、各メニューボタンに対するタッチ操作によって、注文の入力が行われることになる。そして、同一品目の複数個の注文についてメニューボタンを複数回連続してタッチするような場合、操作者は、タッチ回数が注文数に達したか否かの確認を、注文リストをチェックすることになる。
【0004】
しかしながら、タッチ回数が注文数に達したか否かの確認のために、操作者が注文リストをチェックする行為は、操作者にとって非常に操作性が悪く、負担となっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施の形態の注文受付装置は、注文の受付業務を支援するGUIとして、操作者の操作を受け付けるメニューボタンを商品毎に備えた注文受付装置であって、加算手段と、カウント表示手段と、確定手段と、格納手段と、追加注文手段とを備えている。加算手段は、メニューボタンが操作される度に、操作された前記メニューボタンに対応付けられた商品の注文数を加算する。カウント表示手段は、加算手段で加算された注文数をメニューボタンに表示する。確定手段は、メニューボタンの操作により受け付けた注文を確定する。格納手段は、確定手段により注文が確定された場合に、前記メニューボタンの操作により受け付けた注文内容を注文情報とし、この注文を識別する伝票番号と関連付けて記憶装置に格納する。追加注文手段は、伝票番号の指定により追加注文を指示する。また、カウント表示手段は、追加注文手段により追加注文が指示された場合に、指定された伝票番号の注文情報に含まれる各商品の注文数を、加算手段で加算された追加注文分の商品の注文数とともに、対応するメニューボタンに表示する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、実施形態に係る注文受付装置を有した注文管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】図2は、図1の注文管理装置が保持する注文管理ファイルの一例を示す図である。
【図3】図3は、本実施形態に係る注文受付装置の電気的接続を示すブロック図である。
【図4】図4は、注文受付装置が保持する部門ファイルのファイル構造を示す模式図である。
【図5】図5は、注文受付装置が保持するPLUファイルのファイル構造を示す模式図である。
【図6】図6は、注文受付装置の機能構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、注文入力画面の一例を示す図である。
【図8】図8は、新規注文時における注文受付処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図9は、メニューボタンの表示構成を概略的に示す模式図である。
【図10】図10は、注文入力画面の一例を示す図である。
【図11】図11は、注文入力画面の一例を示す図である。
【図12】図12は、追加注文時における注文受付処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図13は、伝票番号入力画面の一例を示す図である。
【図14】図14は、注文入力画面の一例を示す図である。
【図15】図15は、注文入力画面の一例を示す図である。
【図16】図16は、注文入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本実施形態に係る注文受付装置を有した注文管理システムの全体構成を示す図である。同図に示すように、注文管理システムは、注文管理装置10と、厨房端末20と、伝票発行機30と、POS端末40と、複数の注文受付装置50とを有している。
【0008】
図1において、注文管理装置10は、客の注文、調理、会計までを一元的に管理するための情報処理装置である。注文管理装置10は、CPU、ROM及びRAM等で構成されるマイクロプロセッサ、CPUが実行するOSやプログラム、後述する注文管理ファイル11等を記憶した記憶装置、ネットワークNに接続可能な通信インタフェース等を備え(何れも図示せず)、LAN(Local Area Network)等のネットワークNを介し、注文管理システムの各機器と有線又は無線により接続される。
【0009】
具体的に、注文管理装置10は、注文受付装置50から伝票番号と注文情報とを受信すると、この伝票番号と注文情報とを関連付け記憶装置に保持された注文管理ファイル11に登録する。
【0010】
図2は、注文管理装置10が保持する注文管理ファイル11の一例を示す図である。同図に示すように、注文管理ファイル11には、伝票番号と注文情報(個数、メニュー品目、金額等)とが関連付けて管理される。注文管理装置10は、注文受付装置50から特定の伝票番号が通知されると、この伝票番号に関連付けられた注文情報を注文管理ファイル11から読み出し、通知元の注文受付装置50へ送信(提供)する。
【0011】
また、注文管理装置10は、注文管理ファイル11に新たな注文情報を登録する毎に、この注文情報に含まれる飲食メニュー品目の調理指示データを作成し、厨房端末20に送信する。これにより、厨房端末20においては、注文された飲食メニュー品目の調理指示が表示、印字、音声等によって出力される。
【0012】
また注文管理装置10は、注文管理ファイル11に新たな注文情報を登録する毎に、この注文情報に基づいて注文伝票の印字データを作成し、伝票発行機30に送信する。これにより、伝票発行機30から注文伝票が印字発行される。
【0013】
また注文管理装置10は、POS端末40から会計を行う客の伝票番号が通知されると、この伝票番号に関連付けられた注文情報を注文管理ファイル11から読出し、POS端末40に送信する。これにより、POS端末40においては、飲食代金の会計処理が実行されるものとなっている。
【0014】
図3は、注文受付装置50の電気的接続を示すブロック図である。注文受付装置50には、CPU51と、制御プログラム等の固定的情報を予め記憶するROM52と、ワークエリア等として機能するRAM53と、タッチパネルコントローラ54と、タッチパネル55と、表示コントローラ56と、液晶ディスプレイ(LCD)57と、通信インタフェース(I/F)58と、HDD59とを備えている。
【0015】
CPU51は、ROM52やHDD59に記憶された各種プログラムとの協働により、注文受付装置50の各部の動作を統括的に制御する。CPU51には、バスラインBUSを介して、タッチパネルコントローラ54、表示コントローラ56、通信インタフェース58及びHDD59が接続されている。タッチパネルコントローラ54は、タッチパネル55からの入力信号をCPU51に取り込む。表示コントローラ56は、画像データに基づいて液晶ディスプレイ57を駆動制御し、画像データに応じた画像を液晶ディスプレイ57に表示させる。通信インタフェース58は、CPU51をネットワークN経由で他の機器とデータ通信可能にするためのインタフェースである。
【0016】
HDD59には、OS、コンピュータプログラム、各種ファイル等がインストールされている。CPU51は、こうしてコピーされたOS及びコンピュータプログラムに従った処理を実行する。
【0017】
また、HDD59には、注文の受け付け業務を支援する注文入力画面を生成するための設定情報として、部門ファイル591と、PLUファイル592とが記憶されている。図4は、部門ファイル591のファイル構造を示す模式図である。部門ファイル591は、部門を特定する2桁の部門番号591aに対応させて、部門591b、タグ位置591c、及び備考591dを登録している。なお、図4では、以下に示す9個(01〜09)の部門が部門番号591aに登録された例を示している。
01:ドリンク
02:デザート
03:和膳
04:和洋食
05:丼もの
06:鍋もの
07:うどん&そば
08:一品料理
09:健菜とサラダ
【0018】
部門591bには、部門の部門名が登録されている。タグ位置591cには、部門タグ欄D11(図7参照)において部門名を表示する部門ボタンD11aの配置が登録されている。本実施の形態では、タグ位置591cには、部門ボタンD11aの位置を示す行および列が、部門ボタンD11aの配置として登録されているものとする。備考591dは、例えば情報管理用に様々な情報をテキストで書き込める欄である。
【0019】
図5は、PLUファイル592のファイル構造を示す模式図である。PLUファイル592は、メニュー品目を特定するコード592aに対応させて、部門592b、画像リンク592c、メニュー名592d、単価592e、割付592fを登録している。部門592bは、部門ファイル591中の部門番号591aを表している。
【0020】
画像リンク592cは、メニュー品目欄D12(図7参照)にメニューボタンD12aに表示される画像データに対するリンクを定義している。これらの画像は、個々の注文受付装置50のHDD59又はネットワークNを介してアクセス可能な外部装置(例えば、注文管理装置10)にインストールされている。メニュー名592dには、メニュー品目の品名のテキストが登録されている。また、単価592eには、メニュー品目の単価のレコードが登録されている。割付592fには、メニュー品目のメニュー品目欄D12(図7参照)におけるメニューボタンD12aの割付位置が登録されている。
【0021】
例えば、図4及び図5を参照すると分かるように、メニュー品目を特定するコード「0001」は、「ドリンク」という部門の「ブレンドコーヒー」を定義しており、「¥350」という単価を設定している。コード「0002」は、「ドリンク」という部門の「アイスコーヒー」を定義しており、「¥350」という単価を設定している。
【0022】
次いで、注文受付装置50のHDD59にインストールされたOSおよびコンピュータプログラムによりCPU51が実行する処理の内、本実施の形態の注文受付装置50が有している特徴的な処理について説明する。
【0023】
本実施の形態にかかる注文受付装置50で実行されるコンピュータプログラムは、図6に示すような各部(加算手段501、カウント表示手段502、注文情報格納手段503、カウントクリア手段504及び減算手段505)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU51がHDD59からコンピュータプログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM53上にロードされ、加算手段501、カウント表示手段502、注文情報格納手段503、カウントクリア手段504及び減算手段505がRAM53上に生成されるようになっている。
【0024】
CPU51は、HDD59に記憶されたOS及びプログラムと協働し、表示コントローラ56を制御することで、図7に示すような注文入力画面D1を液晶ディスプレイ57に表示する。注文入力画面D1には、部門タグ欄D11、メニュー品目欄D12、注文識別情報欄D13、注文リストD14、業務指定キーD15、追加注文キーD16、ファンクションキーD17等が表示されている。
【0025】
部門タグ欄D11には、部門ファイル591の部門591bに登録されている部門名のテキストが表示された部門ボタンD11aが、タッチパネル55によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。
【0026】
メニュー品目欄D12には、初期状態では、PLUファイル592のコード592aに対応して、画像リンク592cが定義されているリンク先の画像データとメニュー名592dに登録されている注文可能な商品名のテキストとが表示されたメニューボタンD12aが、タッチパネル55によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。
【0027】
注文識別情報欄D13には、伝票番号の入力に係る「伝票No.」等の各種情報の入力を行うためのキーが、タッチパネル55によりタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。ここで、伝票番号は、注文を受けたときに付与する番号であり、個々の注文を識別するための識別情報として機能する。なお、伝票番号は自動的に付与(入力)される形態であってもよいし、手動で入力する形態としてもよい。
【0028】
注文リストD14には、タッチパネル55によって注文入力画面D1上でタッチ指定されたメニュー品目、注文数および金額(単価×注文数)が一覧表示される。
【0029】
業務指定キーD15には、会計処理の実行に係る「会計」、注文情報の送信に係る「オーダー送信」等の各種の業務の実行を指定するためのキーが、タッチパネル55によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。
【0030】
追加注文キーD16には、追加注文手段として機能する追加注文の実行を指定するためのキーが、タッチパネル55によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。
【0031】
ファンクションキーD17には、注文数を増やす処理の実行に係る「数量増」、注文数を減らす処理の実行に係る「数量減」等の各種ファンクションの実行を指定するためのキーが、タッチパネル55によりタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。
【0032】
このような注文入力画面D1において、メニュー品目の入力に際しては、所望の部門タグ欄D11のタッチ指定によって、複数の部門から(「ドリンク」、「デザート」、「和膳」、「和洋食」、「丼もの」、「鍋もの」、「うどん&そば」、「一品料理」及び「健菜とサラダ」)、所望の部門を選択することが可能である。例えば、部門タグ欄D11のうち、「一品料理」の部門ボタンD11aがタッチ指定された場合には、図7に例示するように「一品料理」についての注文入力画面D1が表示される。
【0033】
次に、上述したような注文入力画面D1を介した注文受付処理について説明する。図8は、新規注文の受け付け時における注文受付処理の流れを示すフローチャートである。なお、本処理の前提として、注文入力画面D1の注文識別情報欄D13に含まれる各項目のうち、少なくとも伝票番号の入力は完了しているものとする。
【0034】
注文受付装置50のCPU51は、注文受付処理に際して、注文入力画面D1のメニュー品目欄D12におけるメニューボタンD12aの何れか一つがタッチされてメニュー品目が選択されるまで待機する(ステップS11;No)。ここでメニュー品目が選択されたと判定すると(ステップS11;Yes)、CPU51は、その注文されたメニュー品目の注文数のカウントを加算する(ステップS12:加算手段501)。そして、CPU51は、加算した値をステップS11で選択されたメニューボタンD12aと関連付けて表示するとともに(ステップS13:カウント表示手段502)、タッチ指定されて注文された注文情報(注文数のカウント、品名、単価)を注文入力画面D1の注文リストD14に表示する(ステップS14)。
【0035】
図9は、メニューボタンD12aの表示構成を概略的に示す模式図である。同図に示すように、メニューボタンD12aは、商品の外観を表す画像データが設定された画像データレイヤと、その商品の商品名を表示する品名データが設定された品名データレイヤと、注文数を表示する注文数データが設定される注文数レイヤとの3層構造となっている。
【0036】
メニューボタンD12aの初期状態の表示(メニュー品目の注文数が表示されていないメニューボタンD12a)は、注文受付装置50のCPU51が、画像データレイヤと、品名データレイヤと、注文数データが設定されていない注文数レイヤとを重畳させることにより実現されている。すなわち、図7に示すような初期状態のメニューボタンD12aでは、メニュー品目の注文数は表示されていないが、注文数は“0”である。
【0037】
ここで、図10に示す注文入力画面D1の注文リストD14には、「大根と水菜のサラダ」が1つ、「ポテトフライ」が1つ、「若鶏唐揚げ」が2つ注文された例が示されている。この場合、注文入力画面D1のメニュー品目欄D12においては、「大根と水菜のサラダ」のメニューボタンD12aにおける注文数のカウントが「1」、「ポテトフライ」のメニューボタンD12aにおける注文数のカウントが「1」、「若鶏唐揚げ」のメニューボタンD12aにおける注文数のカウントが「2」に表示されている。すなわち、業務指定キーD15の「オーダー送信」キーの操作前においては、注文入力画面D1の注文リストD14の注文数と、メニューボタンD12aにおける注文数(注文数レイヤに設定されている注文数データ)とが一致している。
【0038】
図8に戻り、CPU51は、ステップS11〜S14の処理をタッチされたメニューボタンD12aの回数分繰り返した後、業務指定キーD15の「オーダー送信」キーがタッチされて注文情報の送信が指示されたと判定すると(ステップS15;Yes)、図11に示すように、注文入力画面D1の注文リストD14の「大根と水菜のサラダ」、「ポテトフライ」、「若鶏唐揚げ」のステータスを「オーダー済み」にするとともに(ステップS16)、注文入力画面D1のメニュー品目欄D12の「大根と水菜のサラダ」、「ポテトフライ」、「若鶏唐揚げ」のメニューボタンD12aにおける注文数(注文数レイヤに設定されている注文数データ)のカウントを“0”とし、注文数の表示を初期状態に戻す(ステップS17:カウントクリア手段504)。
【0039】
このとき、注文入力画面D1の注文リストD14に表示されている「オーダー済み」のメニュー品目、注文数、金額(単価×注文数)等の注文内容はRAM53のワークエリアに記憶されている。そこで、CPU51は、業務指定キーD15の「オーダー送信」キーのタッチによって注文数等の注文内容が確定されると、この確定された注文内容を注文情報とし、注文識別情報欄D13の伝票番号とともに注文管理装置10に送信することで、この伝票番号と注文情報とを関連付けて注文管理装置10の注文管理ファイル11に格納する(ステップS18:格納手段)。すなわち、業務指定キーD15の「オーダー送信」キーは確定手段として機能し、この「オーダー送信」キーがタッチされた場合、メニューボタンD12aに表示されている注文数のカウントは消去されるとともに、注文数を含む注文情報が確定される。
【0040】
なお、業務指定キーD15の「オーダー送信」キーの操作前においては、注文入力画面D1の注文リストD14の注文数と、メニューボタンD12aにおける注文数とについて、ファンクションキーD17の「数量増」キーや「数量減」キーの操作によって、注文数のカウントを増加または減少させることができる(減算手段505)。
【0041】
図12は、追加注文の受け付け時における注文受付処理の流れを示すフローチャートである。まず、CPU51は、注文入力画面D1において、追加注文キーD16がタッチされて追加注文が指示されるまで待機する(ステップS21;No)。ここで、追加注文が指示されたと判定すると(ステップS21;Yes)、CPU51は、図13に示すような伝票番号の入力を促す画面(伝票番号入力画面D2)を表示する(ステップS22)。
【0042】
ここで、図13は、伝票番号入力画面D2の一例を示す図である。注文受付装置50を操作する店員等の操作者は、伝票番号入力画面D2の入力欄D2aに追加注文の対象となる伝票番号を入力し、伝票番号の確定を指示するOKキーD2bを押下する。なお、伝票番号の入力形態は特に問わず、例えば図示しない数字キー等を介して手動で入力する形態とてもよいし、注文管理ファイル11に登録された伝票番号から選択的に入力する形態としてもよい。
【0043】
図12に戻り、CPU51は、伝票番号の入力を受け付けると(ステップS23)、この伝票番号を注文管理装置10に通知することで、この伝票番号に関連付けられた注文情報を注文管理ファイル11から取得する(ステップS24)。続いて、CPU51は、この注文情報に含まれるメニュー品目、注文数、金額に基づき、「オーダー済み」の注文内容を注文入力画面D1の注文リストD14に表示するとともに、各メニュー品目の注文数のカウントをメニュー品目欄D12の対応するメニューボタンD12aに表示する(ステップS25:カウント表示手段502)。即ち、CPU51は、ステップS23で入力された伝票番号の注文情報に基づいて、先の注文受付時において業務指定キーD15の「オーダー送信」キーがタッチされる直前の注文入力画面D1の表示状態を復元する。
【0044】
続いて、CPU51は、注文入力画面D1のメニュー品目欄D12におけるメニューボタンD12aの何れか一つがタッチされてメニュー品目が選択されるまで待機する(ステップS26;No)。ここでメニュー品目が選択されたと判定すると(ステップS26;Yes)、CPU51は、この選択されたメニュー品目について注文された注文数を加算する(ステップS27:加算手段501)。続いて、CPU51は、加算した値を選択されたメニュー品目のメニューボタンD12aと関連付けて表示するとともに(ステップS28:カウント表示手段502)、タッチ指定されて注文された注文情報(注文数のカウント、品名、単価)を注文入力画面D1の注文リストD14に表示する(ステップS29)。
【0045】
ステップS27の加算では、注文されたメニュー品目について、既に注文が行われた注文数(注文情報に含まれた注文数)のカウントと、ステップS26で新たに受け付けた追加注文分の注文数のカウントとを加算する形態としてもよいし、ステップS26で受け付けた追加注文分の注文数のカウントのみを加算する形態としてもよい。
【0046】
例えば、注文済み注文数のカウントと、追加注文の注文数のカウントとを加算して表示する形態の場合、復元された注文入力画面D1の表示状態が図11であるとし、2つの「ポテトフライ」が追加注文されたとすると、CPU51は、図14に示すように、これら注文数の合計値「3」を「ポテトフライ」のメニューボタンD12aに表示する。なお、注文リストD14には、追加注文分の個数「2」の「ポテトフライ」が、その価格「1560」とともに追加して表示される。
【0047】
この表示形態を用いる場合、注文受付装置50の操作者は、同一のメニュー品目について、これまでに注文された注文数の合計値を、そのメニュー品目のメニューボタンに表示された値から容易に把握することが可能となる。
【0048】
また、追加注文の注文数のみを加算して表示する形態の場合、復元された注文入力画面D1の表示状態が図11であるとし、2つの「ポテトフライ」が追加注文されたとすると、図15に示すように、注文済みの注文数のカウント「1」と、追加注文分の注文数のカウント「2」と、を「+」記号を隔てて個別に表示することで、両注文数の値を識別可能な態様で表示する。なお、本表示形態は図15の例に限らず、例えば、両カウントを異なる色やフォントサイズで表すことで、両カウント値を識別可能な状態で個別に表示してもよい。
【0049】
この表示形態を用いる場合、注文受付装置50の操作者は、同一のメニュー品目について、注文済みの注文数と追加注文分の注文数とを、そのメニュー品目のメニューボタンに表示された値から容易に把握することが可能となる。
【0050】
図12に戻り、CPU51は、ステップS26〜S29の処理をタッチされたメニューボタンD12aの回数分繰り返した後、業務指定キーD15の「オーダー送信」キーがタッチされて注文情報の送信が指示されたと判定すると(ステップS30;Yes)、図16に示すように、注文リストD14の追加注文分のステータスを「オーダー済み」にするとともに(ステップS31)、メニューボタンD12aにおける注文数(注文数レイヤに設定されている注文数データ)のカウントを“0”とし、注文数の表示を初期状態に戻す(ステップS32:カウントクリア手段504)。
【0051】
このとき、追加注文分のメニュー品目、注文数、金額(単価×注文数)等の注文内容はRAM53のワークエリアに記憶されている。そこで、CPU51は、業務指定キーD15の「オーダー送信」キーのタッチによって追加注文の注文内容が確定されると、この確定された追加注文の注文内容を注文情報とし、注文識別情報欄D13の伝票番号とともに注文管理装置10に送信することで、この伝票番号と注文情報とを関連付けて注文管理装置10の注文管理ファイル11に格納する(ステップS33:格納手段)。
【0052】
なお、業務指定キーD15の「オーダー送信」キーの操作前においては、注文入力画面D1の注文リストD14の注文数と、メニューボタンD12aにおける注文数とについて、ファンクションキーD17の「数量増」キーや「数量減」キーの操作によって、追加注文された注文数のカウントを増加又は減少させることができる。
【0053】
このように、本実施形態によれば、メニューボタンが操作される度に、操作されたメニューボタンに関連付けられた商品の注文数を加算し、その注文数のカウンを視認可能な態様でメニューボタンに表示する。これにより、同一品目の複数個の注文についてメニューボタンを複数回連続して操作するような場合、操作者は、操作回数が注文数に達したか否かの確認を、メニューボタンに表示された注文数のカウントをチェックすればよいことになるので、操作者にとって非常に操作性がよく、使い勝手のよい注文受付装置を提供することができる。
【0054】
また、本実施形態によれば、同一のメニュー品目について注文を確定した後に追加の注文を受け付けた場合、そのメニュー品目のメニューボタンに、注文済みの注文数のカウントと追加注文分の注文数のカウントとを表示する。これにより、本実施形態の注文受付装置50では、同一のメニュー品目について注文された注文数を容易に判別することが可能な形態で操作者に提示することができるため、操作者の利便性を向上させることが可能となる。
【0055】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加等が可能である。
【0056】
例えば、上記実施形態では、注文管理ファイル11を注文管理装置10が保持する形態としたが、これに限らず、注文受付装置50がHDD59等に保持する形態としてもよい。また、上記実施形態の注文受付装置50は、接客担当者が携帯可能なハンディターミナルに適用する形態としてもよいし、据え置き型としてもよい。
【0057】
また、上記実施形態の注文受付装置50で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。また、上記プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0058】
また、上記プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0059】
10 注文管理装置
11 注文管理ファイル
20 厨房端末
30 伝票発行機
40 POS端末
50 注文受付装置
51 CPU
52 ROM
53 RAM
54 タッチパネルコントローラ
55 タッチパネル
56 表示コントローラ
57 液晶ディスプレイ
58 通信インタフェース
59 HDD
591 部門ファイル
592 PLUファイル
501 加算手段
502 カウント表示手段
503 注文情報格納手段
504 カウントクリア手段
505 減算手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】
【特許文献1】特開2008−299821公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注文の受付業務を支援するGUIとして、操作者の操作を受け付けるメニューボタンを商品毎に備えた注文受付装置において、
前記メニューボタンが操作される度に、操作された前記メニューボタンに対応付けられた商品の注文数を加算する加算手段と、
前記加算手段で加算された注文数を前記メニューボタンに表示するカウント表示手段と、
前記メニューボタンの操作により受け付けた注文を確定する確定手段と、
前記確定手段により注文が確定された場合に、前記メニューボタンの操作により受け付けた注文内容を注文情報とし、この注文を識別する伝票番号と関連付けて記憶装置に格納する格納手段と、
前記伝票番号の指定により追加注文を指示する追加注文手段と、
を備え、
前記カウント表示手段は、前記追加注文手段により追加注文が指示された場合に、前記指定された伝票番号の注文情報に含まれる各商品の注文数を、前記加算手段で加算された追加注文分の商品の注文数とともに、対応するメニューボタンに表示することを特徴とする注文受付装置。
【請求項2】
前記加算手段は、前記追加注文手段により追加注文が指示された場合に、前記メニューボタンの操作により加算した商品の追加注文分の注文数を、前記注文情報に含まれた当該商品についての注文数に加算することを特徴とする請求項1に記載の注文受付装置。
【請求項3】
前記カウント表示手段は、前記追加注文手段により追加注文が指示された場合に、前記加算手段で加算された追加注文分の商品の注文数と、前記注文情報に含まれた当該商品についての注文数とを、識別可能な状態で表示することを特徴とする請求項1に記載の注文受付装置。
【請求項4】
前記確定手段により注文が確定された場合に、前記メニューボタンに表示されている前記注文数のカウントを初期状態に戻すカウントクリア手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の注文受付装置。
【請求項5】
前記確定手段により注文が確定される前に限り、前記加算手段による前記注文数のカウントを減算する減算手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の注文受付装置。
【請求項6】
注文の受付業務を支援するGUIとして、操作者の操作を受け付けるメニューボタンを商品毎に備えた注文受付装置を制御するコンピュータを、
前記メニューボタンが操作される度に、操作された前記メニューボタンに対応付けられた商品の注文数を加算する加算手段と、
前記加算手段で加算された注文数を前記メニューボタンに表示するカウント表示手段と、
前記メニューボタンの操作により受け付けた注文を確定する確定手段と、
前記確定手段により注文が確定された場合に、前記メニューボタンの操作により受け付けた注文内容を注文情報とし、この注文を識別する伝票番号と関連付けて記憶装置に格納する格納手段と、
前記伝票番号の指定により追加注文を指示する追加注文手段と、
して機能させ、
前記カウント表示手段は、前記追加注文手段により追加注文が指示された場合に、前記指定された伝票番号の注文情報に含まれる各商品の注文数を、前記加算手段で加算された追加注文分の商品の注文数とともに、対応するメニューボタンに表示することを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2011−243100(P2011−243100A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116257(P2010−116257)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】