説明

洗浄が容易なクランプ装置

【課題】簡単に洗浄及び殺菌ができる、特に外部固定システムで使用するためのクランプ装置の提供。
【解決手段】2つのジョー11,12;13,14を有する少なくとも1つのクランプアセンブリを含み、2つのジョーが少なくとも1つの収容部71を提供して、収容部71の長手軸にそってクランプされる要素を収容する、洗浄が簡単なクランプ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄が容易なクランプ装置、特に、互いに隣り合う(adjacent to)骨片を保持するための外部固定システムで使用するための固定クランプに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、外科手術用の開創器具のためのクランプ装置に関し、洗浄及び殺菌問題に関している。この文献では、このような装置の構成要素を無くしたり置き間違えたりすると問題が起こるため、洗浄操作のためであっても、クランプ装置は、保持要素を用いて組み合わせ、完全に組み立てられた状態で保持すると言及される。
【0003】
特許文献2は、レバーを用いるクランプに関し、このレバーでクランプジョー(jaw)をシャフトに沿って開けることによりジョーを開けることができる。これは、装置の部品を無くすことなく、ジョーの間の部品をよりうまく洗浄できるようにする解決策であるが、前記クランプ装置はかなり単純なものである。
【0004】
さらに、従来技術文献は、複雑な装置に対して、特許文献3に示されるように、洗浄及び殺菌のために簡単に分解できることが好ましいと推奨する。この文献によると、この業界の目的は、簡単な操作と洗浄がより手軽にできるように、現存の装置より構成要素の少ない新しい装置を提案することである。
【0005】
しかしながら、新しいクランプ、特に外部固定システム用の新しいクランプは、取り扱いが改良されるように設計されるので、より複雑となり、分解することについての問題は解決されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US5242240
【特許文献2】EP0972491
【特許文献3】WO2005/096966
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、従来の装置の洗浄及び殺菌問題を解消し、装置の重要な部品を無くしたり、組み立て直すために時間がかかるリスクがなく、簡単に洗浄及び殺菌ができる、特に外部固定システムで使用するためのクランプ装置を施術者に提供することである。発明者によると、この種のクランプ装置は中央シャフトを含み、その周りにクランプジョーが配置される。中央バネと共にこれらの要素は、装置の重要な部分である。しかしながら、この構造は、1つのクランプアセンブリの2つのジョーの間の隙間の洗浄を困難にし、及びクランプアセンブリが2つの場合、同じアセンブリの1つのジョーともう1つジョーの間の隙間の洗浄を困難にし、さらに特にバネ要素を考慮すると中央シャフトと各ジョー部分の間の洗浄をも困難にする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような装置は、請求項1の特徴を有するクランプによって達成される。
【0009】
本発明は、上述のクランプの重要な部分を除いて(beside)、ジョーの一部分だけを引き抜くことを可能にする1つのロック部分を提供することができるという見識に基づく。これによって、装置の重要な部品を無くすリスクを避ける一方で、中央シャフトに沿う残りの部品を広げられる。つまり、1つ以上の残りのジョー部分とクランプ機能を可能にするバネ要素を容易に寄せることができる。
【0010】
通常、このような外部固定装置用のクランプ装置は、複数の異なるサイズで存在する。中央シャフトに配置された状態から1つのジョー部分を取り除くことしかできないため、異なる装置の部品の混合が避けられる。特に、本発明の有利な点は、ロック要素が複数のクランプ装置に対し同じであることが可能であるため、それらを簡単に交換できることである。さらに、これらのより小さなサイズの部品の1つがなくなった場合でも、ロック要素は好ましくは1つ又は2,3の標準サイズで使用されるため、簡単且つ最小のコストでこれを置き換えることができる。
【0011】
本発明のさらなる実施形態は、従属請求項に開示する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明のクランプの第1の実施形態の展開図である。
【図2】図2は、図1のクランプの斜視図である。
【図3】図3は、図1のクランプの断面図である。
【図4】図4は、図1のクランプの上からの図ある。
【図5】図5は、図1のクランプのシャフトの斜視図である。
【図6】図6は、図1のクランプのロック要素の下からの斜視図である。
【図7】図7は、図6のロック要素の上からの斜視図である。
【図8】図8は、ワッシャと接続した、図6のロック要素の断面図である。
【図9】図9は、本発明のクランプの第2の実施形態の断面図である。
【図10】図10は、図9のクランプのロック要素の、上からの斜視図である。
【図11】図11は、本発明のクランプの第3の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の好ましい実施形態を、図を参照して以下に記載するが、これらは、本発明の好ましい実施形態を示すためのものであり、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明によるクランプ10の好ましい第1の実施形態の斜視展開図を示す。クランプ10は、第1のクランプアセンブリ20、第2のクランプアセンブリ30、及び中央シャフト40からなり、この中央シャフトは、シャフト40の長手方向軸46に沿った、2つのクランプアセンブリ20,30内の穴21,22,31,32を通って配置されている。穴21,22の具体的な特徴は、さらなる図と関連して説明する。
【0014】
シャフト40は、好ましくは、クランプアセンブリ20,30を閉じることが可能なように構成されたロックユニットである。シャフト40は、ロック要素50及びワッシャ41を通って第1のジョー11に入る。シャフト40は、ヘッド42、近位部分43及び減径部分(reduced diameter portion)44とこれに続くネジ山部分49を有する。外ネジ部49は、シャフト40のヘッド42を回すとジョー11,12,13,14に対しシャフト40の長手方向の位置が変わるように、遠位ジョー14内の相補的な内ネジにネジ込まれるようになっており、これにより、2つのクランプアセンブリ20,30の間に置かれたバネ15の力に対し、クランプ10全体の開閉が可能となる。前記バネ15は、好ましくは、ジョー12,13の対応する収容部23に配置されている。シャフト40の周りにバネ15を設ける代わりに、皿バネ(Belleville washer)等の異なるバネ要素、又は圧縮性弾性固体又は発泡体を設けることもできる。クランプアセンブリ20,30を閉めると、最終的には、バネ15に隣接するジョー同士が接触し、ジョー12,13の両表面に設けられた回転防止面45が、各クランプアセンブリ20,30の他方に対する角度方向を固定する。
【0015】
留意することは、本発明のシンプルなクランプで、バネ要素15、中央シャフト40、及びその機能について後述するロック要素50とともに、2つのジョー11,12を備えた1つのクランプアセンブリ20だけが含まれる点である。バネ要素15は、好ましくは2つのクランプアセンブリ20,30の間に配置されるが、必ずしもそうでなくてよい。下側のジョー13,14の間に設けることもできる。バネ15が第2のジョー12の遠位側でないことが重要である。
【0016】
図の実施形態においては、シャフト40をネジ山49を用いてジョー14内に取り付けた後、ジョー14の遠位端部47(図3参照)内で延びるネジ山49の端部を圧縮により破壊し、確実にシャフト40がクランプアセンブリ20,30から取り外せないようにする。これにより、クランプ10を一体物として保持できる。また、前記遠位端部及び凹所47内で、ネジ山49にジャムナット又はナット/カウンターナット結合を設けることも可能である。
【0017】
各クランプアセンブリ20又は30は、それぞれ、2つの向かい合う対となるクランプジョー11,12及び13,14を有する。これらのジョーは、対応する穴18内に延びるピン19を除いて(beside)、互いに面する側で実質的に同じ形状をしている。クランプ装置10の長手方向軸46に沿って向いているこのピン−穴結合は、ジョー11,12及び13,14用の回転防止装置であり、その結果、一対の内のこれらのジョーは相互の角度方向を変えることができない。ピン19又は穴18は、ピン19の弾力性のある動きを可能にする弾性取り付け片を受け入れる(receive)ことが可能であるが、必須ではない。
【0018】
ジョー12又は13の平面と向かい合うジョー11又は14の平面には、3つのスペーサ17がこの面の角に配置して設けられている。スペーサ17はほぼ三角形で高さを持ち、以下に説明するカウンターベアリングの機能を可能にする。さらに、スペーサ17により、ジョー11,12又は13,14の2つの平面を互いから距離をおいた状態にできるため、これらの面の間のジョー間空洞66をより簡単に洗浄できる。
【0019】
ジョーには、この場合、3つの溝61,62,63が設けられている。溝61,62,63はすべて、シャフト40の長手方向軸に垂直な同じ面内に設けられている。この面内で、これらは、穴21,22,31又は32の中心から半径方向に対し垂直に向いている。
【0020】
各ジョーにおいて、溝61,62又は63の各組はそれぞれ、断面が丸い半球状の凹所として形成された1つの収容部を画定し、クランプを閉じると規定の直径を有する円筒状のピン又はロッドを収容してそれらを固定できる収容部71,72及び73(図2参照)を提供する。この実施形態では、3つの溝61,62,63全てが異なる大きさを有し、その結果、対応する収容部71,72,73は3つの異なる大きさを持つ。言い換えれば、各収容部71,72又は73は、異なる固定要素、すなわち、異なる直径を有するロッド、ネジ、ピン又はワイヤを受け入れるように構成されている。第1のクランプアセンブリ20の1つの好ましい実施形態は、それぞれ12mm、8mm及び5mmの直径を有する固定要素を受け入れるための溝を有する。別の実施形態では、それぞれ8mm、6mm及び4mmの一連の直径を有してもよい。
【0021】
図1の実施形態による第2のクランプアセンブリ30もまた、2つのジョー部13,14を有し、これらは3つの溝61,62,63を有する。
【0022】
もちろん、クランプアセンブリ20,30は、それぞれ対となるジョーが1つの収容部を有する、EP0700664に記載の従来のクランプアセンブリであってもよい。上述のように、本発明の原理を、1つだけのロッド用の一対のジョーと付加的な機能部分だけを有する装置に適用することもできる。
【0023】
図2は、図1のクランプの斜視図である。全図を通して及び全ての異なる実施形態に関して、同一又は同様の特徴には全て、同一の参照番号を用いた。
【0024】
図1の種々の部分に加えて、図2のように組み立てられたクランプでは、二対のジョーの間のクランプアセンブリ間空洞65と、スペーサ17によって画定されるジョー間空洞66がはっきりとわかる。これらの空洞65,66は、ただでさえ洗浄が困難であり、バネ15のための隠れた収容部23を考慮しても困難であるし、特に穴21,22,31,32については、シャフト40がネジ付き端部49を持つ場合、シャフトのヘッド42を押すジョー11に対するバネ作用を考慮するとこれらの穴は完全に塞がれるため、洗浄が困難である。この実施形態では、ヘッド42とジョー11の間に、ワッシャ41及びロック要素50が設けられている。
【0025】
図3は、図1のクランプの断面図であり、クランプ10を組み立てる前の状態、すなわち、バネ15が伸びた状態にある。従って、第1のクランプアセンブリ20の上側ジョー11はロック要素50の下面に対し丸いワッシャ41を押しており、ロック要素は、シャフト40のヘッド42内のロックノーズ51の下面を、そのロック収容部52の面で押す。ジョー11は、穴21の周りの近位端に、ワッシャ41を収容するための丸い凹所24を有する。これにより、シャフト40の軸46に対する上側ジョー11の旋回運動が可能になる。なぜなら、シャフト40が、両アセンブリ20,30内で、ジョー11,12の長さ全体に渡って延び、及び好ましくはジョー13,14中にも延びる減径部分44を有するからである。また、シャフト40とジョー12の間に遊び(play)がなくともよい、つまり、穴22は、好ましくはいくらかの遊びを持って、単にシャフト40の挿入を可能にする。この場合、ジョー12は、軸46に沿った直進運動(translatory movement)だけを行うことができる。
【0026】
ロック要素の一部であるシャフト40は、第2のクランプアセンブリ30の下側の遠位ジョー14にねじ込まれ、ネジ山49が破壊される。異なる可能性として、シャフト40の引き抜きを防ぐカウンターナットを使用することも考えられる。従って、2つのクランプアセンブリ20,30は、シャフト40のヘッド42を回すことにより、つまり、ジョーのネジ山のブロック特性(ネジ山の壊れた端部又はカウンターナットの使用)を持つ前記シャフト40を回すことにより開閉できる。
【0027】
シャフト40とカウンターナットの組み合わせは、第2のクランプアセンブリ30の下側ジョー14にただ1つのネジをねじ込むことによって置き換えることもできる。ねじ切り(threading)を穴内に設けてもよいし、又はネジがセルフタッピングねじ切りであってもよい。極めて一般的に、ロックユニットを設けてもよく、レバーロックユニット又はバヨネットロックであってもよい。これらのロックユニットのうち、支持ディスク又は歯状ディスクを選択することもできるが、簡単のため図には示さない。
【0028】
可能な最大のネジ山長さを用いて、軸46に沿ってシャフト40を引き抜いても、空洞65,66のための実際の隙間空間を与えないことは明らかである。
【0029】
図4は、図1のクランプを上から見た図である。図1の実施形態は3つの溝61,62,63を含むため、ジョー11には3つの側壁があり、これにより、図4のように上からみると、各クランプアセンブリ20又は30は三角形となっている。
【0030】
図5は、図1のクランプのシャフト40の斜視図である。他の図との関連で述べた特徴以外(beside)では、シャフト40の近位領域43が興味深い。近位領域は2つの直径方向に向かい合うロックノーズ51を含み、このロックノーズは減径シャフト部分44の上側に(beyond)延びている。これらロック要素51の隣に、丸い凹所55がある。図5からわかるように、これらの凹所55により、小さな移行部56がシャフト40の減径部44の上側に(beyond)実質的に延びないようになっている。さらに、ヘッド42は四隅のあるシャフトであるが、このヘッド42の平らな側面48は、各移行部56と同一平面である。
【0031】
図6は、以下で説明するワッシャ41とともに図1のクランプ10のロック要素50を、下からみた斜視図である。図7は、図6のロック要素を上からみた斜視図であり、図8は、前記ワッシャ41と接続した図6のロック要素の断面図である。ロック要素50は、シャフトの軸46の周りに前記要素50を簡単に回転させるためのサムホイール53を有する。ロック要素50は特定の寸法を持つ貫通孔54を有する。前記貫通孔54は、軸46に平行な面57により対向する両側で境界が定められ、上から見るとこの境界は円の弦となっている。
【0032】
前記面57は互いから離れており、シャフト40のヘッド42の平らなヘッド面48が通れるようになっている。貫通孔54のさらなる側面59は、上から見ると円弧である。これらにより、四隅のあるヘッド42の丸い面58、すなわちロックノーズを含む丸い面58が通過可能となる。さらなる側面59は空洞を与える通路を画定する。
【0033】
ロック要素50の下面はフランジ74を有し、ワッシャ41の対応する内周ロックフランジの導入を可能にする。ワッシャ41はまた、ロック要素50に組み込むことも可能である。ワッシャ41は、上側ジョー11の非直進運動(non−translational movement)のために、下面に傾斜ベアリング面75を備える。
【0034】
ワッシャ41とともに、ロック要素50の丸い形状は、装置の長手方向軸46の周りの回転を可能にする。このような回転範囲内において、いくつかの位置が特定の機能を持つ。ロック要素50は、図1のような位置を取ることができ、この位置の範囲内で、シャフト40のヘッド42のロックノーズ51が、要素50のロック収容部52内に格納される。2つの直径方向に向かい合うノーズ及び収容部があるため、180°だけ要素を回転させることにより2つの同一の位置に至る。他の実施形態において、ノーズ−収容部の対が1つだけ、又は3つ(例えば120°の角度で)設けられる場合も、同じ機能が得られる。
【0035】
ロック位置と呼ばれるこの又はこれらの位置の範囲では、シャフト40のヘッド42は、その断面がロック要素の貫通孔54を通れないような位置にある。上で説明したような装置のクランプ機能を考慮したシャフトとネジのロック機能が得られる。ヘッド42を回して、従来のクランプ装置におけるような、ジョー11,12と13,14のセットを開け閉めする。ロック要素50はヘッド42とポジティブロックにあるため、要素50はシャフト40とともに回転する。
【0036】
オープン位置と呼ばれる1つ以上の異なる位置があり、この位置の範囲では、シャフト40のヘッド42は、その断面がロック要素の貫通孔54を通ることができる位置にある。ヘッド42の平らな側面48は面57の近くを通り、丸いヘッド面58は円弧面59の近くを通る。装置のクランプ機能を考慮するとシャフトとネジのロック機能が解除される。従って、ロック要素50を取り外すことができる。このような結果は、ノーズ−収容部の対が1つ、又は例えばノーズ−収容部の対が3つでも得ることができる。もちろん、ねじりモーメントが要素に作用するのを避けるため、これらの対の配置は対称的であることが好ましい。
【0037】
ロック要素50は規定の高さを有し、この高さは特にロック収容部52の周りの側壁64内に現れる。従って、ロック要素50は、ロック要素50をクローズ位置からオープン位置へ動かすためにそれ自体を回転させることはできず、前記側壁64によって与えられる作動高さがある。留意することは、バネ15がロック要素をヘッド42のロックノーズ51に下側から押しつける(urge)点である。ロック要素50を取り外すには、ロック要素50とジョー11,12の直進運動(translational movement)のための空間を得るために、シャフト40のネジを緩める必要がある。それにより、ロック要素50を軸46に沿って押し下げることができる一方で、シャフト40のヘッド42は維持される。ヘッドのロックノーズ51は、側壁64によって画定されるロック収容部を離れる。一旦ノーズ51が開放されると、ロック要素50を回すためにサムホイール53を使用することができ、一方でロックノーズ51がロック要素50の対向面67を滑る。90度回転させた後、面48,57及び58,59が揃い、ロック要素50を軸46に沿って取り外すことができる。
【0038】
ロック要素50のこうした取り外しにより、図3との関連で説明した装置のさらなる取り扱いが可能となる。最上のジョー11、又は他の実施形態ではロック要素50に隣り合う(adjacent to)クランプ装置10の一部は、クランプ装置のシャフト40を収容する貫通孔21を含み、この貫通孔21はシャフト40のヘッド42の最大径より大きい直径を有する。これにより、シャフト軸から第1のジョー11の完全な引き抜きが可能となる。第2のジョー12の孔22は、シャフト40のヘッド42の最大径より小さい直径を有する。従って、第1のジョーを取り外すと、第2のジョー12は、ヘッド42に対しバネ15によって押されるが、クランプ装置10のシャフト46上にとどまる。とはいえ、クランプアセンブリ間空洞65及びジョー間空洞66(ジョー13,14の間の)は洗浄可能で、バネの収容空間にも容易に届く。この部分的な分解により、より簡単な洗浄や殺菌が可能となる。
【0039】
留意することは、シャフト40のいわゆる減径部分44の直径は、好ましくはその長さ全体に対して減少されるが、必須ではない点である。減径が必要なのは、第1のジョー11を取り外す際に第2のジョー12が動こうとする領域においてであり、ロック要素50が位置しようとする領域においてである。しかしながら、通常は好ましくはないものの、前記第1のジョー11の純粋な直進運動(translational movement)を安定させるために、シャフト40の、ちょうどロック要素を越えた所(beyond)や、第1のジョーの丸い凹所24が位置するところに、例えばリブを設けることもできる。ジョー12,13及びバネ15はシャフト42に、シャフトの遠位端から、つまり、ジョー12,13の孔及びバネ15の内側開口部より小さい直径を有するネジ付き部分49の上を通って取り付けることができる。
【0040】
図9は、本発明のクランプ100の第2の実施形態の断面図である。以下の説明は、クランプ10とは異なる、このクランプ100の特徴のみに関する。
他の特徴は、クランプ10の対応する特徴と同一であり、同じ参照番号を付与した。図10は、図9のクランプのロック要素150を上からみた斜視図である。
【0041】
クランプ100のジョー11はシャフト40を収容するための内穴21を有し、この穴21は、第1の実施形態と同じくジョー12の穴22の直径より大きい直径を有する。この実施形態では、シャフト40が減径部分44より大きい直径を有するフランジ151を有し、穴21は通り抜けられるがジョー12はブロックする。シャフト40のヘッド42は同様の直径を持つが、このことは必須ではない。以下で説明するように、ヘッド42も、ロック要素150と組み合わせて、シャフト40の近位部分143の直径に応じて、かなり小さい直径を有することができる。
【0042】
ロック要素150は閉じたリングではなく側部開口部159を有する。リングの内径は貫通孔画定のための円形内面157を画定する。開口部159の側面154の間隔は貫通孔の直径より小さく、特に、側面154の一方から他方への距離はシャフト40の直径より小さい。これにより、シャフト40はカチッと治まることができる。ロック要素150の下面141には、第1の実施形態のワッシャ41の傾斜面が組み込まれる。円形内面157はロックリム152に隣接して終わり、このロックリムが、ジョー12,11を介してヘッド42の下面に対しバネ15の作用によって押されるロック要素150のフランジ面を画定する。これは、ロック要素が所定の位置にある場合クランプ装置をロックする。ジョー11を取り外すためには、第1の実施形態でのように、ロック要素150が予め取り外されなければならない。
【0043】
下面141によって取り囲まれる要素150の開いている側159がジョー11によっても保持されているため、ロック要素150は直接に取り外すことができない。従って、ネジ40を緩めて、ジョー11をロック要素から押し離せるようにしなければならない。さらに、ロックリム152が側壁164に隣接するため、この追加の高さに対しネジを緩める必要がある。なぜなら、側面154の一部であるブロック面165により、ヘッド42の下側部分251をロック要素150から横へ押し出すことができないからである。
【0044】
留意することは、ヘッド42の部分51若しくは251、又は移行区間143を越えて離れている部分151が、第2のジョーの穴22より大きい直径を有し、移行区間143の直径がより大きい場合、ヘッド42は、ヘッド42のブロックノーズ51又はフランジ251がそれぞれ当接面(abutment surface)52又は152によって係合され得さえすれば、より小さい直径を有することができる点である。
【0045】
図11は、本発明のクランプ110の第3の実施形態の斜視図である。このクランプ装置110の第1のクランプアセンブリ10及び第2のアセンブリ20は、例えば、図1の実施形態の対応するクランプアセンブリと同一である。さらなる任意の実施形態としては、シャフト40を収容する穴の3つの直径が、図1の実施形態と異なる場合である。ジョー12内の穴22及びジョー13内の穴31が、ジョー11の中の穴21の有する直径と同様の大きさの直径を有してもよい。穴22,31が、シャフト40のヘッド42の最大直径より大きな直径を有する場合、第2のジョー12及び第3のジョー13のシャフト軸からの引き抜きも可能となる。
【0046】
図11の実施形態は、付加的なブロック手段を含む。図11は、上述の本発明の装置及びクランプアセンブリと接続して用いる前記ブロック手段300を示す。ネジ40のヘッド42は、ネジ山を有する内部開口部301を有し、この中にブロック手段300の外ネジ山を固定できる。ブロック要素300は、ヘッド42上に取り付けられるか、又はバヨネット連結することもできる。ブロック手段300はさらに、外ネジ山301に隣接してシャフト302を、及びもう一つの自由端にブロックフランジ303を有する。シャフト302の直径は、好ましくは、減径部分44の直径より小さいか又は同じである。ブロックフランジ303の直径は、ロック要素の貫通孔54及びジョー11の対応する穴21より大きい。従って、洗浄前に、ロック要素50及び第1のジョー11を取り外す準備としてネジ40を緩め、次にネジ40のヘッドにブロック手段300を固定し、最後に、上記説明したようなロック要素50及び第1のジョー11をシャフトから引き抜くことができる。しかしながら、これらの要素は、ネジの延長された軸46上にブロックされるため、前記第1のジョーを無くすことなく要素を容易に洗浄することができる。穴22,31がより大きい直径を有する上述の実施形態では、ジョー11,12,13の全て並びにバネ15及びブロック要素50を、シャフト40+シャフト302の合計である長いシャフト上において洗浄できる。この実施形態では、ロックユニットがネジ40及びロックユニット300を含むと考えることができる。
【0047】
ネジを回してロックユニット40のブロック部分42,43を軸46に沿って動かすことのできるシャフト44を有するロックユニット40が記載されているが、ブロック部分42又は43は、上側ジョー11の当接面(abutment surface)に作用するフランジを含むことができ、このフランジはロックユニットとしてレバーによって作動される。
【0048】
側面64又は164に規定の高さを持たせることによって、クランプ装置10のクランプ前の位置、つまり、バネ15がジョー11を押し、ロック要素50を所定の位置に保持するが、クランプ動作自体は行っていない位置において、ロック要素50を簡単に無くしたり、又は取り違えたりしないことを確実にする。
【0049】
穴21,22の直径という文言は、通常、円筒形の穴に関し、ヘッド42の直径、又はロックユニット40の直径は、通常、円筒ロックユニットの直径に関するものであるが、図に示すように非円筒形ユニットの場合には最大直径に関するものとする。もちろん、非円筒形のシャフトを備えることも可能である。この場合、より大きいとは、対応するジョーの穴を通り抜けられる非円筒形のシャフトの向き(orientation)が存在するという意味であり、より小さいとは、このような向きが存在しないという意味である。もちろん、ロック要素50は常にポジティブロック特性を有し、これにより、適当に回転させるとヘッドを越えた要素50の通り抜けが可能となる。
【符号の説明】
【0050】
10 クランプ
11 第1のジョー
12 第2のジョー
13 遠位ジョー
14 遠位ジョー
15 バネ要素
17 スペーサ
18 穴
19 ピン
20 第1のクランプアセンブリ
21 拡大穴
22 ブロック穴
23 収容部
24 丸い凹所
30 第2のクランプアセンブリ
31 穴
32 穴
40 中央シャフト
41 ワッシャ
42 ヘッド
43 近位部分
44 減径部分
45 回転防止面
46 長手方向軸
47 遠位端
48 平らなヘッド面
49 ネジ山部分
50 ロック要素
51 ロックノーズ
52 ロック収容部
53 サムホイール
54 貫通孔
55 丸い凹所
56 移行部
57 弦面
58 丸いヘッド面
59 円弧面
61 溝
62 溝
63 溝
64 側壁
65 クランプアセンブリ間空洞
66 ジョー間空洞
67 対向面
71 収容部
72 収容部
73 収容部
74 フランジ
75 ベアリング面
100 クランプ
110 クランプ
141 下面
143 近位部分
150 ロック要素
151 フランジ
152 ロックリム
154 側面
157 内側円弧
159 側部開口部
164 側壁
165 ブロック面
251 ヘッドの下側部分
300 ブロック手段
301 300の外ネジ山
302 300のシャフト
303 300のフランジ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に、固定要素の助けを借りて、互いに隣り合う(adjacent to)骨片を保持するための外部固定システムにおいて使用するための、洗浄が簡単なクランプ装置(10;100;110)であって、
2つのジョー(11,12;13,14)を有する少なくとも1つのクランプアセンブリ(20,30)を含み、この2つのジョーが少なくとも1つの収容部(71)を提供して、前記収容部(71)の長手方向軸に沿ってクランプされる要素を収容し、
バネ要素(15)の力に対して前記ジョー(11,12;13,14)を閉じることができるように、ロックユニット(40,300)が設けられ、
前記ロックユニット(40,300)が、軸(46)に沿って、前記ジョー(11,12;13,14)の穴(21,22,23,24)を通って延びるシャフト(44)、及び前記最上のジョー(11)に当接する(abutting against)クランプ作用を操作するためのヘッド(42)を含むクランプ装置において、
貫通孔(54;157,159)を有するロック要素(50,150)が設けられ、このロック要素(50,150)は前記ヘッド(42)と前記最上のジョー(11)の間に配置可能であり、
前記ロックユニット(43,303)の一部分(51,152;151)が、前記第2のジョー(12)又は前記第3のジョー(13)の穴(22)より大きい直径を有し、前記ロックユニット(40)のヘッドが、少なくとも前記最上のジョー(11)の穴(21)より小さい直径を有し、
前記ロック要素(50,150)が、少なくとも1つのロック面(52;152)を含み、このロック面が、前記ロック要素(50;150)の取り外しをブロックするために、前記ヘッド(42)の対応する面とポジティブロックの状態になることが可能なクランプ装置。
【請求項2】
前記ロックユニット(40)のヘッド(42)が、前記第2のジョー(12)の穴(22)より大きい直径を有する前記ヘッド(42)の部分(51;251)を有する、請求項1に記載のクランプ装置(10;100)。
【請求項3】
前記ロックユニット(40)が、前記第2のジョー(12)の穴(22)より大きい直径を有する、前記ヘッド(42)とは離れた部分(151)を含み、任意に前記ヘッド(42)が前記穴(22)より小さい直径を有する、請求項1に記載のクランプ装置(10;100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのロック面(52;152)が、前記装置の軸(46)に平行な、前記ポジティブロックを外すための作動高さを与える隣接する壁(64;164)を含む、請求項1又は2に記載のクランプ装置(10;100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのロック面(52)が、それぞれ180又は120度の角度間隔の範囲で、2つ(52)又は3つのロック面を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のクランプ装置(10)。
【請求項6】
前記ロック要素(50)が、それぞれ180又は120度の角度間隔の範囲で面を与える2つ(59)又は3つの通路を含む、請求項5に記載のクランプ装置(10)。
【請求項7】
前記ロック要素(150)が側部開口部(159)を含み、前記ロック面(152)が、円形のロックリム(152)、及び前記ポジティブロックを外すための作動高さを与える隣接する側壁(164;165)を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のクランプ装置(100)。
【請求項8】
前記側部開口部(159)が、その開口部を画定し、前記ロックユニットのシャフト(44)の直径より小さい直径を有する平行な側壁(154,164)を含む、請求項6に記載のクランプ装置(100)。
【請求項9】
前記ロックユニット(40,300)が、作動ネジ(40)及びブロック要素(300)を含み、
作動ネジ(40)は、前記ブロック要素(300)の対応する接合部分(301)のための接続部分を含み、
前記ブロック要素(300)は、ネジ(40)のシャフトの延長部分に取り付けられるように構成されるシャフト(302)と、前記クランプアセンブリ(20,30)の前記第2のジョー(12)及び/又は前記第3のジョー(13)の穴(22)より大きい直径を有するフランジ(303)を有する、請求項1〜8のいずれかに記載のクランプ装置(110)。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−67622(P2011−67622A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−202844(P2010−202844)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(505103253)ストリカー トラウマ エスエー (22)
【Fターム(参考)】