説明

洗浄シリンジ組立体

洗浄用途における使用のためのシリンジ組立体が提供される。本発明の一つの態様によるシリンジ組立体は、シリンジバレル内でのプランジャーロッドの脈動または連続的でスムースな移動を生じさせるために回転可能であるプランジャーロッドまたはバレルに一つ以上のパルス要素(145、245、345)を組み入れる、プランジャーロッド(130)およびシリンジ(110)バレルを含む。一つ以上の具体例は、シリンジ組立体が、遠位方向にのみプランジャーロッドに力を適用することで、シリンジバレルの実質的に全長に沿った、遠位方向へのバレル内でのプランジャーロッドの脈動とプランジャーロッドの連続的でスムースな移動の双方を可能とするのに適切である。カテーテルの洗浄方法が、また、提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンジ組立体、特に、血管アクセス器具(VAD)の洗浄方法における使用のためのシリンジ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
VADは、通常、治療用器具に使用され、IVカテーテルを含む。二つの一般的なVADの分類、末梢カテーテルおよび中心静脈カテーテル、が存在する。適正に維持されないと、VADは閉塞されることになり得る。VADが適正に使用され、閉塞されてしまわないことを確実にするために、業務標準が発展させられてきた。これらの標準は、洗浄方法またはカテーテルを洗浄することとして通常言及される、清浄方法を含む。
【0003】
VAD業務標準は、普通、カテーテルの配置後、流体注入前、ならびに、薬剤投与、血液サンプリング、輸液および経静脈栄養の前後に、清浄方法が実施されることを推奨していた。これらの洗浄方法の目的は、カテーテルの開通性を確認し、薬剤の不適合性を回避し、完全な薬剤投与管理を確実にし、血栓形成を防止し、血流感染症の危険を最小化することである。洗浄方法は、異なるタイプおよび量の洗浄液を要求する。最も普通に用いられる洗浄液は、生理食塩水および/またはヘパリンロック洗浄液である。洗浄液のタイプおよび量は、特定の種類のカテーテルに依存して変化する。5〜10mlの洗浄液量が最も普通であるが、1〜20mlの範囲であり得る。
【0004】
洗浄方法のために、I.V.ラインは、VAD、クランプ付チューブセットを含み、および、開口部または弁で終わり得るシステムに言及する。最も典型的なタイプの開口部は、穿刺可能セプタムまたは予めスリットが入ったセプタムによって被覆されており、当該技術分野においては知られており、「必要に応じて」を意味する、ラテン語の「pro re nata」から、「PRN」としてしばしば言及される。セプタムは、好ましくは、流体を注入するため、または、カテーテルから流体を引き込むために、鋭い針カニューレの挿入を可能にする、ゴムまたは他のエラストマー材料で製造される。針カニューレの引き抜きで、セプタムは、自身をシールする。予めスリットの入ったセプタムを有する開口部は、ブラントカニューレまたはシリンジバレルの円錐台形状の先端と一緒に使用される。シリンジの先端またはブラントカニューレ(通常、シリンジに取り付けられる。)は、流体連通を確立するために、予めスリットの入ったセプタムを通して徐々に押入される。
【0005】
鋭い先端を有する針を必要としない、I.V.弁、他のタイプの末端I.V.アクセス器具は、シリンジの円錐台形状の先端によって動かされ、シリンジ内部とカテーテルとの流体連通を可能にする。これらの弁は、弁の貯蔵区画からカテーテルへ流体を供給するための態様を含み得、当該技術分野において、容積型弁として言及される。そのような弁は、特許文献1に記載されている。
【0006】
洗浄方法は、閉塞または他の望ましくない作用を引き起こす、カテーテル内の破片または残滓を除去するための「プッシュ−パルス」(また、「スタート−ストップ」または「プッシュ−ポーズ」と呼ばれる。)技術の使用によって強化される。破片または残滓の除去は、パージと呼ばれ、カテーテルまたは他のVAD器具内の、血液の沈積物、血液残滓およびIV薬剤の蓄積を防止する。そのような蓄積は、カテーテルシステム内における流路の部分的または完全な閉塞を引き起こし、影響を受けたカテーテルのパージのために高価な、潜在的に危険な方法を要求するか、全体的なカテーテルの交換を要求する。しばしば、そのような閉塞は、患者治療を危険にさらし得る治療の中断をもたらす。カテーテル内の残滓の蓄積は、また、微生物の繁殖媒体を提供することによって、伝染病の危険を増大させ得る。この理由から、プッシュ−パルスは、伝統的に、医療従事者に教えられている。
【0007】
当業者に理解されるように、プッシュ−パルス洗浄技術は、排出中、プランジャーロッドの遠位端がバレル壁に向って移動する際に、不均一な圧力または力が遠位方向にプランジャーロッドに適用されると、シリンジバレル内に乱流を導入または生成する。この開示において、機器の遠位端は患者に最も近い端であり、機器の近位端は患者から遠い端であって、治療者に最も近い端であることが理解される。そのような技術がカテーテルと共に使用されるとき、カテーテル内に乱流が生成される。乱流または脈流は、カテーテルに付着したいかなる破片または残滓をも移動させるスワール作用をもたらす。乱流または脈流は、流体流れおよび圧力に鋭いパルスを自動的に生起するために、プランジャーロッドが前方に押圧される際、シリンジバレルと相互作用するプランジャーロッドを含むシリンジによって、かなり制御された方法で提供され得る。プッシュ−パルスおよび制御された脈動に対して、従来の、または、「スムース」(また、「ストレート」、「ラミナー」と呼ばれる。)な洗浄技術は、遠位方向に、プランジャーロッドに対して実質的に一定の圧力または力を適用することを要求する。従来の、または、スムースな洗浄技術は、また、遠位方向に、プランジャーロッドに対し、実質的に直線状に増大または減少する圧力または力の適用を含み得る。しかしながら、乱流または脈流を引き起こす力の差を提供する態様の使用は、患者への医薬の緩やかで制御された供給を要求する注入ポンプまたは他の供給システムとは一般的には適合しない。例えば、ある注入ポンプは、高圧警報器を有しており、プッシュ−パルス洗浄技術によって生成される力および/または圧力は、高圧警報器を始動させ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,206,861号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
手動のIV治療および注入ポンプを用いる治療の双方に使用され得る洗浄シリンジ組立体の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、洗浄用途における使用のためのシリンジ組立体に向けられる。本発明の第一態様によるシリンジ組立体は、バレルに対するプランジャーロッドの連続的でスムースな移動と、シリンジバレル内の遠位方向へのプランジャーロッドの脈動を可能にすることを有する、プランジャーロッドおよびシリンジバレルを含む。ここに説明されるシリンジ組立体は、また、バレル内でのプランジャーロッドの脈動または連続的でスムースな移動を選択する可能性を、使用者に提供する。脈動を提供する態様は、使用者が、洗浄シリンジに接続されたカテーテルまたは他の医療機器内の洗浄液の流れに乱流を与えるプッシュ−パルス洗浄技術の作用を達成することを実質的に可能にする。連続的でスムースな移動を提供するための態様は、使用者が、カテーテルまたは他の医療機器内の洗浄液の流れにおける乱流を盛大に変化または増大させることがない、スムースな洗浄技術を利用することを可能にする。脈動および連続的でスムースな移動の範囲は、以下により十分に説明される。
【0011】
一つ以上の具体例において、プランジャーロッドの脈動または連続的でスムースな移動は、相補的であって、バレルの内容物を排出するときにプッシュ−パルス技術の作用を実質的に達成し、一方で、また、従来の、または、スムースな洗浄技術を代わって提供できるように形成されるか配列され得る、プランジャーロッドおよび/またはシリンジバレルに配置された一つ以上のパルス要素によって提供される。洗浄技術の選択は、特定の適用または患者の特定の要求に対し、使用者によって調整される。プランジャーロッドおよびシリンジバレル組立体が、流体の流れおよび/または圧力にパルスまたは急速な意図した変化を生成するための脈動、または、流体の流れおよび/または圧力が、圧力にわずかの変動またはスパイクを伴って、実質的に一定である、従来の、または、スムースな洗浄をもたらす、連続的でスムースな移動のために設定されているかの可視的な表示を提供する目印がプランジャーロッドおよび/またはシリンジバレルに設けられる。
【0012】
ここに用いられるように、用語「脈動」は、プランジャーロッドに適用される圧力または力の変動によって引き起こされるプランジャーロッドの動きを含むものとする。ここに説明される具体例において、プランジャーロッドに適用される圧力または力の変動は、プランジャーロッドがバレル内を遠位方向に進行することを可能にするために乗り越えられねばならないプランジャーロッドおよび/またはバレルに配置された一つ以上のパルス要素間の相互作用によって提供される物理的障壁によってもたらされる。プランジャーロッドに配置された一つ以上のパルス要素および/またはバレルに配置された一つ以上のパルス要素の相互作用によって引き起こされるプランジャーロッドの移動、および、プランジャーロッドへの力の適用で、バレルの一つ以上のパルス要素を通過するプランジャーロッドの一つ以上のパルス要素の移動における遅延は、脈動、および、乱れた、または、脈動する洗浄流体圧力をもたらすのに必要な力を産出する。これらは、洗浄液がカテーテルまたは他の医療機器に排出されるとき、洗浄液に乱流を与える圧力または力を変化させる。
【0013】
圧力または力の変動は、増大または減少し得、そのような変化は、周期的または非周期的に生じ得る。圧力または力の変動は、さらに、予め決められた量で増大または減少するように変更され得る。ここに説明されるように、圧力または力の変化は、プランジャーロッドへの遠位方向のみにおける力の適用による、プランジャーロッドがバレル内を遠位または近位に滑動するときのプランジャーロッドとバレル間の機械的な相互作用における変化によって生起される。ここに用いられるように、用語「相互作用」は、成句「機械的な相互干渉または力」と互換的に使用されるものとし、摩擦、摩擦的な相互干渉または摩擦力を含む。プランジャーロッドに適用される圧力または力の変動は、流体圧力に急激な変化をもたらし、約2秒未満または約1秒未満の期間を有する圧力スパイクをもたらし得る。各々のスパイク期間中、圧力は、約0.70kg/cm2未満または約0.35kg/cm2未満の低圧力値から変動し、急に、1.76kg/cm2に至るまでの高い値に増大し、そして、速やかに、約1.41kg/cm2、1.27kg/cm2、1.12kg/cm2、0.98kg/cm2、0.84kg/cm2、0.70kg/cm2、または、約0.35kg/cm2未満の低圧力値に減少する。ある具体例によれば、複数の圧力スパイクは、実質的に同じであり、スパイクの高い値間の変動は、約0.70kg/cm2未満または約0.35kg/cm2未満であることを意味する。高い圧力値は、プランジャーロッドおよび/またはシリンジバレルに配置された態様の形を変更することにより、特定の適用に調整され得る。
【0014】
ここに用いられるように、成句「連続的でスムースな移動」は、プランジャーロッドがバレル内の最も近位の位置から、バレル内の最も遠位の位置、すなわち、ストッパーの遠位面がバレルの遠位壁に接触するときの位置まで移動する際に、プランジャーロッドに適用される実質的に一定の圧力または力により引き起こされる移動を含むものとされる。連続的でスムースな移動は、また、実質的に線状である、圧力が約2秒未満で増大し減少する急速な圧力のスパイクから区別される、圧力または力の増大によって引き起こされる移動を含み得る。プランジャーロッドに適用される、一定の、または、線状に増大する圧力または力は、プランジャーロッドがバレル内を移動するとき、プランジャーロッドとの間の機械的干渉における変化の不存在によって引き起こされる。機械的干渉の変化または変化の不存在は、プランジャーロッドがバレル内を遠位および/または近位に滑動するときに生じ得ることが理解されるであろう。プランジャーロッドへのそのような力または圧力の適用は、ストレート洗浄、スムース洗浄またはラミナー洗浄として知られている。
【0015】
連続的でスムースな移動および脈動は、プランジャーロッドのストッパーがバレルの近位端に配置され、バレルの実質的な全長に沿って遠位方向に、プランジャーロッドがシリンジの遠位壁に至るまで移動させられるときに生ずる。他の用語で説明すると、連続的でスムースな移動および脈動は、また、バレルの全内容物を排出するために、使用者が、プランジャーロッドに遠位方向の圧力または力を適用するときに生じる。換言すると、連続的でスムースな移動および脈動は、プランジャーロッドがバレル内をバレル内の最も近位点からバレル内の最も遠位点まで、遠位方向に移動するとき、プランジャーロッドの単一ストロークで生じる。
【0016】
手動のプッシュ−パルス洗浄技術は、カテーテルおよび他の類似の医療機器からパージされるか除去されず、微生物の増殖を増進し得る、血液および/または薬物の残滓を含む、破片または残渣の存在によって引き起こされ得る、伝染病の危険を減少するために有用であると認識されている。ここに説明されるように、脈動を提供するかまたは引き起こす構造的要素またはパルス要素の使用は、手動のプッシュ−パルス洗浄技術の、手動の、または、使用者の初歩的な使用を求めることから生じ得る、ヒューマンエラーまたは標準的な実施からの逸脱を消去する。さらに、同一のシリンジ組立体において連続的でスムースな移動を提供するかまたは引き起こす構造的要素またはパルス要素の結合は、使用者に、組立体を交換することなく、パルス流れまたは連続的または非パルス流れに、洗浄溶液の流れを変更する自由度をもたらす。排出される洗浄溶液の圧力の制御は、洗浄シリンジ組立体にとって具体的な問題である。洗浄技術にとって、洗浄溶液は、十分に高い圧力を有する必要があり、破片または残渣を除去するために必要な乱流または脈流を有しなければならないが、圧力は、カテーテルまたは他の医療機器の過剰圧を発生させるために余りに高すぎてはならない。ここに開示される構造的要素またはパルス要素は、また、洗浄溶液が排出されるとき、手動のプッシュ−パルス技術よりも、洗浄圧または洗浄溶液の圧力によりよい制御を提供する。使用者は、乱流または脈流を確保するために、プランジャーロッドに適用される力の量を手動で変更する必要はなく、したがって、洗浄溶液が高すぎる洗浄圧力を有する可能性を消去する。加えて、ここに説明されるパルス要素は、排出される洗浄溶液が、カテーテルを過剰に加圧し、通常のカテーテルの使用を妨げるレベルを超えない流体圧を有するが、カテーテルまたは他の医療機器から破片または残渣を除去するのに必要な乱流または脈流を有するようなパルス状の方式に、バレル内のプランジャーロッドの移動が制御されるように形作られ、または、大きさとされている。
【0017】
本発明の一つの態様によれば、洗浄シリンジ組立体は、バレル、および、バレル内に配置され、近位および遠位方向に滑動することができる細長いプランジャーロッドを有して提供される。プランジャーロッドおよびバレルまたはバレルの一部は、整列されると、プランジャーロッドおよびバレル間の干渉を増大させる一つ以上のパルス要素を含む。
【0018】
一つ以上の具体例において、プランジャーロッドは、バレル内でのプランジャーロッドの脈動または連続的でスムースな移動を生じさせるため、バレル内で回転可能である。一つ以上の変形例において、バレルは、バレル内でのプランジャーロッドの脈動を生じさせるため、または、連続的でスムースな移動を生じさせるため、プランジャーロッドに対して回転可能である。任意に、バレルは、バレル内でのプランジャーロッドの脈動を生じさせるため、または、連続的でスムースな移動を生じさせるために、プランジャーロッドおよびバレルに対して回転する回転体を含み得る。
【0019】
一つ以上の具体例において、バレルは、開放近位端、遠位端、および、近位端から遠位端まで延びる内表面を画定する側壁を含む。バレルの内表面は、洗浄溶液のような流体を保持するチャンバーを画定する。バレルの遠位端は、遠位壁および遠位壁から遠位に延びる先端を含む。先端は、そこを通してチャンバーと流体連通する流路を含む。一つ以上の具体例におけるプランジャーロッドは、近位部分または近位端、遠位部分または遠位端、および、近位端から遠位端まで延びる外表面を有する本体部分を含む。プランジャーロッドの近位端は、サムプレスを含み得る。遠位面を備えたストッパーが、遠位面を有する遠位端に備えられ得る。一つの具体例において、シリンジ組立体は、プランジャーロッドがバレル内で遠位および/または近位に移動するとき、プランジャーロッドおよびバレル間の増大した機械的干渉をもたらす、プランジャーロッドまたはバレルの少なくとも一つに配置された一つ以上のパルス要素を含む。一つの変形例において、一つ以上のパルス要素は、バレル内でのプランジャーロッドの脈動または連続的でスムースな移動を生じさせるために、換言すると、使用者が、バレル内でのプランジャーロッドの脈動または連続的でスムースな移動を選択することができるように、回転可能である。特定の構造において、脈動的な、または、連続的でスムースな流体移動は、プランジャーロッドが、バレル内で開放近位端からバレルの遠位壁に移動させられるときに生じる。
【0020】
一つ以上の具体例において、一つ以上のパルス要素は、プランジャーロッドおよび/またはバレルの内表面に配置される。一つ以上の具体例によれば、一つ以上のパルス要素は、プランジャーロッドの外表面に配置された複数の延長部を含む。一つ以上の具体例の延長部は、バレルの内表面に向けて放射方向外方に延び得る。代わりに、一つ以上のパルス要素は、バレルの内表面に配置された複数の突起を含み得る。突起は、プランジャーロッドの外表面に向けて放射方向内方に延び得る。一つ以上の具体例において、プランジャーロッドの外表面の一部は、延長部を有しておらず、バレルの内表面の一部は、突起を有していない。
【0021】
一つ以上の具体例によれば、一つ以上のパルス要素は、プランジャーロッドの外表面に配置された少なくとも一つの延長部、バレルの内表面に配置された少なくとも一つの突起を含み、少なくとも一つの延長部は、バレルの開放近位端からバレルの遠位壁まで、パレル内でプランジャーロッドを遠位に進めるための機械的力を増大させるように、少なくとも一つの突起と協働する。特定の具体例において、少なくとも一つの延長部は、バレルの内表面に向けて放射方向外方に延び、少なくとも一つの突起は、プランジャーロッドの外表面に向けて放射方向内方に延びる。もっと特定の具体例において、一つ以上のパルス要素は、プランジャーロッドの外表面に配置された複数の延長部、および、バレルの内表面に配置された複数の突起を含む。更にもっと特定の具体例において、プランジャーロッドおよびバレルにおける少なくとも一つの延長部および突起の存在にもかかわらず、プランジャーロッドの外表面の一部は延長部を有さず、バレルの内表面の一部は突起を有さない。
【0022】
一つ以上の具体例によれば、プランジャーロッドの遠位方向への移動は、複数の延長部または少なくとも一つの延長部、および、複数の突起または少なくとも一つの突起の整列で変更される、バレルとの干渉を生じさせる。一つ以上の具体例において、複数の突起または少なくとも一つの突起、および、複数の延長部または少なくとも一つの延長部の整列は、干渉を打ち破るために機械的力の増大を必要とするプランジャーロッドとバレル間の干渉に、変化をもたらす。一つ以上の具体例において、連続的でスムースな流体移動を提供するための構造と脈動を提供するための構造の整列は、プランジャーロッドおよびバレル間の干渉に変化をもたらさない。換言すると、プランジャーロッドに配置された複数の延長部または少なくとも一つの延長部の、突起のないバレルの一部との整列は、プランジャーロッドとバレル間の干渉に変化をもたらさない。加えて、バレルの複数の突起または少なくとも一つの突起の、延長部を有さないプランジャーロッドの一部との整列は、プランジャーロッドとバレル間の干渉に変化をもたらさない。
【0023】
一つ以上の具体例において、一つ以上のパルス要素は、バレルの近位端に配置された一つのパルス要素を含み得る。パルス要素は、バレルに取り付けられた分離片として提供される。バレルは、プランジャーロッドの脈動をもたらす突起または他の構造を有さないでおける。パルス要素は、開口内で内方に延びる少なくとも一つの突出部を備える開口を画定する内表面を含む。パルス要素は、プランジャーロッドが、その外表面に配置され、シリンジバレルの内表面に向けて放射方向外方に延びる、少なくとも一つの延長部、または、複数の延長部を含む具体例において利用され得る。パルス要素は、回転可能であり得るか、回転させられることができ、少なくとも一つの突出部が、プランジャーロッドの少なくとも一つの延長部または複数の延長部と係合し、プランジャーロッドとバレルとの間の干渉に変化を生じさせる。干渉における変化は、バレルの開放近位端からバレルの遠位壁までプランジャーロッドをバレル内で遠位方向に進めるために適用される増大した機械的力を求める、突起とプランジャーロッドに配置された延長部との間の相互作用によって引き起こされるに十分であり得る。
【0024】
一つ以上の具体例において、パルス要素の一部は、突出部を有さないでおける。パルス要素を備えて利用されるプランジャーロッドは、また、延長部を有さない外表面の一部を含み得る。パルス要素は、バレル内でのプランジャーロッドの脈動または連続的でスムースな移動を生じさせるためにプランジャーロッドに対して回転可能であり得る。特に、パルス要素は、回転させられ得、一方、プランジャーロッドおよびバレルの残りの部分は互いに対して固定された位置を保つ。プランジャーロッドの脈動、または、プランジャーロッドとバレルとの間の干渉の変化を生じさせるために、パルス要素は、プランジャーロッドの少なくとも一つの延長部およびパルス要素の少なくとも一つの突出部を整列させるように回転させられ得る。一つ以上の具体例において、パルス要素は、プランジャーロッドの少なくとも一つの延長部が、突出部を有さないパルス要素の内表面の一部と整列させられるように、回転させられ得る。そのような形態において、このパルス要素とプランジャーロッドの整列は、プランジャーロッドとバレルとの間の干渉に変化をもたらさず、バレル内でのプランジャーロッドの連続的でスムースな移動を可能にする。
【0025】
本発明の第二の態様は、ここに説明されるように、バレルとバレル内に配置されたプランジャーロッドを有する洗浄シリンジ組立体に関連し、バレルとプランジャーロッドは、遠位方向のみにおけるプランジャーロッドに対する力の適用で、シリンジバレルの実質的に全長に沿った、バレル内での遠位方向におけるプランジャーロッドの脈動とプランジャーロッドの連続的でスムースな移動の双方を許容するように協調的に形成されている。他の言葉で述べると、シリンジ組立体は、プランジャーロッドが、シリンジバレルの全長に実質的に沿って、遠位方向にのみ移動するとき、脈動または連続的でスムースな移動を可能にしている。特定の具体例において、シリンジ組立体は、脈動または連続的で途切れない移動の選択を許容すべくバレル内に回転可能に配置されたプランジャーロッドを含む。より特定の形態において、バレルの一部は、脈動または連続的で途切れない移動の選択を許容すべくプランジャーロッドの周りに回転可能であり得る。
【0026】
本発明の第三の態様は、カテーテルを洗浄する方法に関連する。一つ以上の具体例において、ここに説明されるように、洗浄シリンジ組立体を、カテーテルに取り付けることを含み、洗浄シリンジ組立体のチャンバーは、チャンバー内に予め選択された量の洗浄溶液を含む。方法は、脈動的手法および連続的でスムースな移動手法のうちの一つから、バレル内でプランジャーロッドを移動させる手法を選択することを含む。換言すると、シリンジバレルをパージするか、または、単純に洗浄シリンジ組立体の内容物を排出するために、脈動または連続的でスムースな移動のいずれかを選択することである。方法は、また、所望の量の洗浄溶液が排出されるまで、プランジャーロッドに対し遠位方向の力を適用することを含む。一つ以上の具体例において、方法は、また、バレル内でプランジャーロッドを移動させる方式を、脈動方式および連続的でスムースな方式のうちの一つから、脈動方式および連続的またはスムースな方式のうちの他の一つに変更することを含む。換言すると、使用者は、プランジャーロッドがバレル内を移動する方式を変更し得る。例えば、使用者が脈動方式でプランジャーロッドを移動させることを選択して、洗浄溶液の排出を開始するなら、使用者は、その方針を代え、プランジャーロッドが連続的でスムースに移動する方式に変更し得、逆もまた同様である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一つ以上の具体例によるプランジャーロッドの側面図を示す。
【図1A】図1に示されたプランジャーロッドの斜視図を示す。
【図2】時計方向または反時計方向に90度回転させられた、図1の側面図を示す。
【図3】線3−3に沿った図2の部分断面図を示す。
【図4】図1に示されたプランジャーロッドの代替具体例の側面図を示す。
【図4A】図1に示されたプランジャーロッドの斜視図を示す。
【図5】時計方向または反時計方向に90度回転させられた、図4の側面図を示す。
【図6】線6−6に沿った図5の部分断面図を示す。
【図7】本発明の代替具体例によるバレルの断面図を示す。
【図7A】線7A−7Aに沿った図7に示されたバレルの部分断面図を示す。
【図8】時計方向または反時計方向に90度回転させられた、図7に示されたバレルの断面図を示す。
【図9】図7に示されたバレルに挿入された図1のプランジャーロッドの部分断面図を示す。
【図10】図7に示されたバレルに挿入された図2のプランジャーロッドの部分断面図を示す。
【図11】図7に示されたバレルに挿入された図4のプランジャーロッドの部分断面図を示す。
【図12】図7に示されたバレルに挿入された図5のプランジャーロッドの部分断面図を示す。
【図13】線13−13に沿った図9の断面図を示す。
【図14】線14−14に沿った図10の断面図を示す。
【図15】線15−15に沿った図11の断面図を示す。
【図16】線16−16に沿った図12の断面図を示す。
【図17】シリンジバレルおよびプランジャーロッドを含む洗浄シリンジ組立体に取り付けられる第一パルス要素の斜視図を示す。
【図18】図17に示された第一パルス要素と洗浄シリンジ組立体の分解組立図を示す。
【図19】図18に示された第一パルス要素、および洗浄シリンジ組立体の断面図を示す。
【図20】図17に示された第一パルス要素と洗浄シリンジ組立体の垂直断面図を示す。
【図21】図20に示された第一パルス要素と洗浄シリンジ組立体の拡大図を示す。
【図22】図18に示された第一パルス要素の斜視図を示す。
【図23】図1に示されたプランジャーロッドの斜視断面図を示す。
【図24】プランジャーロッドに対し遠位方向に力を適用した後の図20に示された第一パルス要素と洗浄シリンジ組立体を示す。
【図24A】第一パルス要素の回転後の図24に示された第一パルス要素と洗浄シリンジ組立体を示す。
【図25】図24に示された第一パルス要素と洗浄シリンジ組立体の拡大図を示す。
【図26】プランジャーロッドを回転させた後の図20に示された第一パルス要素と洗浄シリンジ組立体の断面図を示す。
【図27】図26に示された第一パルス要素と洗浄シリンジ組立体の拡大図を示す。
【図28】一つ以上の具体例による第二パルス要素と洗浄シリンジ組立体の斜視図を示す。
【図29】図28に示された第二パルス要素と洗浄シリンジ組立体の分解組立図である。
【図30】第二パルス要素の回転後の図28に示された第二パルス要素と洗浄シリンジ組立体を示す。
【図31】図28の第二パルス要素と洗浄シリンジ組立体の断面図を示す。
【図32】プランジャーロッドに対し遠位方向に力を適用した後の図31の第二パルス要素と洗浄シリンジ組立体の断面図を示す。
【図33】図32の第二パルス要素と洗浄シリンジ組立体の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明のいくつかの例示的具体例を説明する前に、本発明は、以下の説明において述べられる構造または工程段階の詳細に限定されないことが理解されるべきである。本発明は、他の具体例になり得、種々の方法で、実施または実行され得る。
【0029】
第一態様によるシリンジ組立体は、シリンジバレル内での遠位方向における、プランジャーロッドの連続的でスムースな動きを提供する要素と、脈動を提供するための要素とを組み込んでいる、プランジャーロッドおよびシリンジバレルを含む。組み立てられたシリンジは、図1〜8に分離して示された構成要素と共に、図9〜16に示される。図1〜16を参照すると、一具体例によるシリンジ組立体は、流体を保持するためのチャンバー116を画定する内表面114を有する側壁112、開放近位端111、および、そこから遠位に延びる先端115を備える遠位壁118を含む遠位端119からなる。先端115は、そこを通してチャンバー116と流体連通する流路113を含む。開放近位端111は、フィンガーフランジ120を含む。バレルの側壁112は、円筒状であり得、または、他の形状であり得る。
【0030】
バレルの先端115は、先端を同軸で囲む、ルアースリップ結合部(不図示)またはルアーロック式カラー(不図示)を含み得る。カラー(不図示)は、その上に、少なくとも一つの螺子部を有する内表面を含み得る。近位端、遠位端、および、そこを通るルーメンを有するカニューレを含む針組立体(不図示)は、また、任意に提供され得る。空所を含む開放近位端および遠位端を有するハブ(不図示)は、カニューレの近位端に取り付けられ得、その結果、ルーメンは、ハブの空所と流体連通する。針組立体(不図示)は、ハブの空所へのバレルの先端の結合を介して、バレルの先端に取り外し可能に取り付けられ、その結果、ルーメンは、バレルの室と流体連通する。バレルのチャンバー116は、所望量の洗浄用溶液を含み得る。側壁112は、チャンバー116内に含まれる洗浄用溶液の量を示す計測用の指標(不図示)を含み得る。
【0031】
プランジャーロッド130が用意され、近位端131および遠位端139を有する、細長い本体部分132を含む。プランジャーロッド130は、チャンバー116から流体を送り出すために、バレル110のチャンバー116内で滑動可能である。プランジャーロッドの細長い本体部分132は、バレルの開放近位端111から外方に延び、チャンバー116内に配置され得る。プランジャーロッド130は、近位端131のサムプレス144と遠位端139のストッパー140を含む。ストッパー140は、バレルの内表面114とでシールを形成するシールエッジ142を含む。プランジャーロッドの形は、異なる形を有する側壁を備えたバレル内に適合するように改良され得る。
【0032】
一つ以上の具体例のストッパー140は、プランジャーロッドの遠位端139に一体に形成されるか、プランジャーロッドの遠位端139に結合される分離要素を形成し得る。プランジャーロッドの遠位端139は、一体に形成されたストッパー(不図示)を含み得る。ストッパー140は、円錐状の遠位表面を含み、バレルは、その遠位壁に円錐状の内表面を含み得る。ストッパー140は、流体をチャンバーに引き込み、チャンバーから流出させるために、バレルの内表面114と水密係合して滑動可能に位置づけられる。もし、シリンジ組立体が製造者によって事前充填されると、ストッパーは、バレル流体を引き込むために使用される必要がないか、引き込むことが可能である必要がない。
【0033】
ストッパー140は、バレルの内表面114とのシールを提供するために適切な、どの材料からも作成され得る。例えば、ストッパー140は、熱可塑性エラストマー、天然ゴム、合成ゴムまたは熱可塑性材料およびそれらの複合材から形成され得る。ストッパー140は、互いに結合された同一または異種材料から一体に形成されるか、または、分離した構成要素から構成され得る。プランジャーロッド130は、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびその類似物のような、ストッパーより剛体の材料から形成され得る。材料は、使用される治療と適合するように選択され得る。
【0034】
プランジャーロッドの細長い本体部分132は、本体部分の周りの周囲部分と近位端131から遠位端139まで延びる軸方向の長さを形成する、外表面134を含む。本体部分132は、円筒状または他の形状を有し得る、単一のビームまたは形態を含み得る。図1〜3に示されるように、本体部分132は、2つの直交するビーム136、137によって形成され得る。ビームは、矩形断面を有し得る。示された具体例において、2つの交差するビーム136、137は、バレルの内表面114に面し、プランジャーロッドの近位端131から遠位端139まで、軸方向長さに沿って延びる、四分円151、152、153、154(図5により明確に示される。)を輪郭として描く外表面を形成するように交差する。
【0035】
図1〜6に示された具体例において、一つ以上のパルス要素が、プランジャーロッドの本体部分132の外表面およびバレルの内表面114に配置される。パルス要素は、一体に形成されるか、プランジャーロッドおよび/またはバレルに付け加えられる分離要素として用意され得る。プランジャーロッド130またはバレル110は、分離したパルス要素の取り付けのための態様をさらに含み得る。図1〜3に示された具体例によれば、一つ以上のパルス要素は、ディスク145またはリブ部材の形状で、複数の延長部として用意される。そのような具体例において、ディスク145は、プランジャーロッドの本体部分132の外表面に配置される。本体部分132が、2つの交差するビーム136、137を有する具体例において、ディスク145は、隣接するビーム136、137に結合され、四分円からバレルの内表面に向けて放射方向外方に延びる。示された具体例において、ディスク145は、2つの隣接していない四分円151、153から形成され、ビーム136、137に結合される。本体部分132が単一ビームを含む具体例において、ディスク145は、プランジャーロッド130の外表面134の一区分または一部分に沿って周囲に形成され、バレルの内表面114に向かって放射方向外方に延び得る。プランジャーロッドの外表面134は、ディスク150または他の延長部を持たない区分または部分を含み得る。特定の具体例において、2つのディスクがプランジャーロッドの外表面の2つの対向する区分に沿って周囲に形成され、ディスクのないプランジャーロッドの外表面の2つの対向する区分を残し得る。ディスク145は、プランジャーロッドの長さに沿って規則的な間隔で配置され得る。一つ以上の代替例において、ディスク145は、不規則な間隔で配置され得、および/または、プランジャーロッドの近位端131または遠位端139に、または、近接して、配置され得る。
【0036】
図4〜6は、プランジャーロッド230の代替具体例を示す。プランジャーロッド230は、近位端231から遠位端239まで延びる細長い本体部分232を備えた、近位端231および遠位端239を含む。プランジャーロッド230の遠位端239は、シールエッジ242を備えたストッパー240を含み、近位端239は、サムプレス244を含む。プランジャーロッドの細長い本体部分232は、本体部分の周りの周囲部分と近位端231から遠位端239まで延びる軸方向長さを形成する、外表面234を含む。示された具体例において、本体部分232は、2つの直交するビーム236、237によって形成される。ビームは、矩形断面を有し得る。図4〜6に示された具体例において、一つ以上のパルス要素が、プランジャーロッド230の外表面に配置された突起245の形状で用意される。一つ以上の突起245は、バレルの内表面214に向かって放射状に外方に広がる。一つ以上の突起245は、プランジャーロッドの本体部分の周囲部分の一部に限定され、突起または延長部分を有しないプランジャーロッドの周囲部分の残りの部分250を残す。図4〜6に示されるように、複数の突起245が、プランジャーロッドの軸方向長さに沿って配置され、軸方向長さに沿って予め決められた間隔で配置され得る。特定の具体例において、予め決められた間隔は、均等に間隔をあけられる。
【0037】
2つの直交するビーム236、237を用いる具体例において、突起245は、図6に示されるように、一つのビームの対向端に配置され得る。本体部分を形成する単一のビームを用いる具体例において、一つ以上の突起245は、プランジャーロッドの外表面234の一区分に沿って周囲に形成され、残りの外表面の区分は、突起245または他の延長部分をもたない。特定の具体例において、突起は、プランジャーロッドの外表面234の2つの対向する区分に沿って周囲に形成され、突起のないプランジャーロッドの外表面234の2つの対向する区分を残し得る。突起245は、プランジャーロッドの長さに沿って規則的な間隔で配置され得る。一つ以上の代替具体例において、突起245は、不規則間隔で配置され、および/または、プランジャーロッドの近位端231または遠位端239に、または、近接して、配置され得る。
【0038】
一つ以上のパルス要素が、また、バレルの内表面に配置され得る。図7〜8に示された具体例において、要素は、バレル110の内表面114に配置され、チャンバーおよび/またはプランジャーロッドに向けて放射方向内方に延びる保持リング345の形で用意される。保持リング345は、プランジャーロッドに配置されたパルス要素、例えば、ディスク145および/または突起245と相互作用し、プランジャーロッド230がバレル内を遠位方向に移動するときに、プランジャーロッド230の脈動を提供する。そのような具体例において、保持リング345は、バレルの内表面114によって形成される断面の幅に比較して、より狭い断面の幅を形成する。保持リング345は、保持リングよりも大きい断面を有する拡張断面部分を画定する、少なくとも一つの開口部350を含み得る。バレルの内表面114は、保持リング345において、開口部350よりも小さな断面幅を有する。少なくとも一つの開口部350は、何の拡張部分をも有さず、プランジャーロッドと相互作用しない、バレルの内表面の一部を形成する。特定の具体例において、2つ以上の保持リング345が、バレルの内表面114の長さに沿って予め決められた間隔で配置され得る。代替具体例は、2つの保持リングと各々のリングにおける2つの開口部、三つの保持リングと各々のリングにおける2つの開口部、三つのリングと三つの開口部、および、保持リングと開口部の他の組み合わせを含み得る。バレルの内表面およびプランジャーロッドの外表面に配置された要素は、互いに協働し得るように形成され得ることが理解されるであろう。さらに特定の具体例において、保持リングが配置される予め決められた間隔は、バレルの内表面の長さに沿って規則的な間隔をあけられる、または、代わって、バレルの内表面の長さに沿って不規則な間隔をあけられる。
【0039】
代替具体例によれば、一つ以上のパルス要素が、バレルの内表面に沿って周囲に形成される代わりに、離れた点に形成される。そのような具体例は、パルス要素を有さず、プランジャーロッド130と相互作用しない、バレルの内表面114の部分を含む。そのような離れた要素は、バレルの内表面の長さに沿って予め決められた間隔で配置され得、さらに特定の具体例において、予め決められた間隔は、バレルの内表面の長さに沿って均等に間隔をあけられる。
【0040】
使用中、使用者は、所望の動きを選択するために、プランジャーロッドの拡張部分および/または突起とシリンジバレルとを、それぞれ整列させる。例えば、もし、脈動が望まれるなら、使用者は、プランジャーロッドおよび/またはシリンジバレルを回転させ、その結果、プランジャーロッドに配置された一つ以上のパルス要素は、バレルの内表面に配置されたパルス要素または分離した構成要素としてバレルに備えられたパルス要素(以下により詳細に説明される。)と相互作用する。スムースな洗浄技術に起因する動きのような、連続的でスムースな動きが望まれるなら、使用者は、プランジャーロッドに配置された一つ以上のパルス要素が、バレルに配置された一つ以上のパルス要素と相互作用しないように、プランジャーロッドおよび/またはシリンジバレルを回転させる。
【0041】
特に、図9を参照すると、プランジャーロッド130に脈動を提供するため、ディスク145が、保持リング345と整列され、その結果、バレル内に含まれる洗浄溶液を放出するために、力が、プランジャーロッドに対し遠位方向に適用されるとき、ディスク145と保持リング345との間の相互作用が存在する。図11を参照すると、プランジャーロッド230の突起245は、シリンジバレルの保持リング345と整列され、その結果、バレル内に含まれる洗浄溶液を放出するため、力が、プランジャーロッドに対し遠位方向に適用されるときに、突起245と保持リング345との間の相互作用が存在する。
【0042】
一つ以上の具体例において、一つ以上のパルス要素が、シリンジバレルと一緒の使用のために、分離した構成要素として提供される。分離した一つ以上のパルス要素は、ここに説明されるか、または、そうでないプランジャーロッドと一緒に脈動を提供するための、どの態様も含まない、標準のシリンジバレルと共に利用され得る。そのようなシリンジバレルは、上述した保持リング345のような、どんな内方突起も有さないようにできる。
【0043】
図17〜28は、シリンジバレルの開放近位端に配置され得る第一パルス要素400を示す。特に、第一パルス要素400は、シリンジバレルの開放近位端に取り付けるために結合する上部部分410および下部部分412を含む。示された具体例において、上部部分410および下部部分412は、シリンジバレルの開放近位端の周りを囲む、外郭または部分的な囲いを形成する。第一パルス要素400は、ここに説明されるように、シリンジバレルを取り囲む開口を含む。示された具体例において、上部部分410および下方部分412は、全く同じである。しかしながら、上部部分410および下方部分412は、また、互いに異なり得ることが理解される。上部部分410および下方部分412は、シリンジバレルに垂直に配置された外郭壁414を含む。外郭壁414は、遠位壁415および近位壁416を含む。外郭壁は、また、図22に示されるように、頂端417、底端418、第一端419および第二端420を含む。上部部分410および下方部分412は、また、外郭壁414の第一端419および第二端420に配置された、2つの側壁422を含む。側壁422は、遠位側424、近位側426、および、シリンジバレルの近位端に第一パルス要素400を固定するための周縁または保持壁を形成する、少なくとも一つの入れ子要素を含む。示された具体例において、パルス要素400は、双方の側壁422の遠位側424および近位側426に配置された2つの入れ子要素428を含む。図22に示された具体例における入れ子要素428は、パルス要素400の開口に向けて内方に延びる、L型壁を含む。
【0044】
図22により明確に示されるように。外郭壁414は、底端418に部分的な開口430を含む。上部部分410および下方部分412が、シリンジバレルの近位端の周りに結合されたとき、上部部分410の部分的な開口430、および、および下方部分412の部分的な開口430は、プランジャーロッドを受け入れ、バレルの開放近位端を取り囲む、完全な開口432を形成する。完全な開口432は、上部部分410の底端418から下方部分412の底端までで計測される場合、より小さな断面幅部分445を有する。より小さな断面幅部分は、プランジャーロッドに配置された一つ以上のパルス要素で計測される場合の、ここに説明されるプランジャーロッドの断面幅より小さい。完全な開口432は、上部部分410および下方部分412の結合部で計測されると、プランジャーロッドに配置された一つ以上のパルス要素で計測される場合の、ここに説明されるプランジャーロッドの断面幅より大きい、より大きな断面幅部分450を有する。上部部分410および下方部分412によって形成された完全な開口434の底端418と、ここに説明されるプランジャーロッドの一つ以上のパルス要素との間の相互作用は、プランジャーロッドがバレル内を遠位方向に移動するとき、プランジャーロッドに脈動を提供する。
【0045】
図17〜28に示されるように、第一パルス要素400は、シリンジバレル510およびプランジャーロッド530と共に使用される。シリンジバレル510は、開放近位端511、遠位端519、および、遠位端519から近位端511に延びる側壁512を含む。側壁512は、流体を保持するチャンバー516を画定する内表面514を含む。遠位端519は、そこから遠位に延びる、先端515を備えた遠位壁518を含む。先端515は、そこを通ってチャンバー516と流体連通する流路517を含む。先端515は、そこに取り付けられる先端キャップ513を含み得る。開放近位端511は、フィンガーフランジ520を含む。バレルの側壁512は、円筒状または他の形状であり得、チャンバー内に突出するいかなる形状も有さないことができる。
【0046】
シリンジバレル510にパルス要素400を組み付けるために、上部部分410および下方部分412が、フィンガーフランジ520の周りに結合される。特に、フィンガーフランジ520は、上部部分410および下方部分412が、互いに、結合されるか、または、接触またはほぼ接触となるとき、上部部分410および下方部分412の入れ子要素428内に挿入される。上部部分410および下方部分412は、図17に示されるように、摩擦縛り嵌めによってフィンガーフランジ520に取り付けられる。他の取り付け機構、例えば、スナップ嵌め、協働縦溝、接着取り付け、および、同等のものが用いられることが理解されるであろう。
【0047】
図17〜20に示されたプランジャーロッド530は、近位端531および遠位端539を含み、近位端531から遠位端539に延びる細長い本体部分532を備える。プランジャーロッド530の遠位端539は、シールエッジ542を備えたストッパー540を含み、近位端531は、サムプレス540を含む。プランジャーロッドの細長い本体部分532は、本体部分の周囲と、近位端531から遠位端539に延びる軸方向長さを形成する、外表面534を含む。示された具体例において、本体部分532は、2つの直交するビーム536、537によって形成される。ビームは、矩形の断面を有し得る。図18〜20に示された具体例において、一つ以上のパルス要素が、プランジャーロッド530の外表面に配置された突起545の形で提供される。一つ以上の突起545は、バレルの内表面に向かって外方に延びる。示された具体例において、突起545は、ビーム536の一端上の半円または部分的リブを形成する。
【0048】
一つ以上の突起545は、プランジャーロッドの本体部分の周囲の一部に限定され、プランジャーロッドの本体部分の周囲の残りの部分550には、突起がない。特に、突起545は、ビーム536の対向端に配置され、一方、ビーム537の対向端は、いかなる突起も有さず、いかなる突起も有さないプランジャーロッドの部分550として表される。図18〜20に示されるように、複数の突起545が、プランジャーロッドの軸方向長さに沿って配置され得、軸方向に沿った予め定められた間隔で配置され得る。特定の具体例において、予め定められた間隔は、均等に間隔をあけられる。
【0049】
本体部分を形成する単一のビームを使用する具体例において、一つ以上の突起545は、プランジャーロッドの外表面534の一区分に沿って形成され、一方、外表面の残りの区分は突起545または他の延長部を有さない。特定の具体例において、突起は、また、プランジャーロッドの外表面534の二つの対向した区分に沿って周囲に形成され得、突起を有さないプランジャーロッドの外表面534の区分を残す。突起545は、プランジャーロッドの長さに沿って規則的な間隔で配置される。一つ以上の代替具体例において、突起545は、不規則な間隔で配置され得、および/または、プランジャーロッドの近位端531または遠位端539に、または、近接して配置され得る。
【0050】
使用時、プランジャーロッド530は、第一パルス要素400の完全な開口434を通してシリンジバレル510のチャンバー516に挿入される。プランジャーロッドの突起545は、プランジャーロッドに脈動を提供するため、完全な開口432のより小さい断面幅554と整列させられ得る。図24Aに示されるように、プランジャーロッドの連続的で、スムースな移動を提供するために、突起545が完全な開口532のより大きい断面幅450と整列させられるように、使用者は、プランジャーロッド530を回転し得る。
【0051】
第一パルス要素400の上部部分410および下方部分412は、バレル内におけるプランジャーロッドの脈動又は連続的でスムースな移動を可能にするように変更され得る。一つ以上の具体例において、上部部分410および下方部分412は、バレルに取り付けられるとき、上部部分410および下方部分412の底端418における完全な開口の断面幅が、上部部分410および下方部分412の結合時における完全な開口432の断面幅よりも大きいように位置決めされ得る。換言すると、上方部分410は、完全な開口432の断面幅を増大させるために、各々の部分の底部418間に空間を加えるように、下方部分412から距離を置いて位置決めされる。一つ以上の代替具体例において、上部部分410または下方部分412の少なくとも一つの部分開口430は、プランジャーロッドの突起545が、第一パルス要素400を遠位に滑動させ得るように、内方に延びるノッチ(不図示)を含み得る。プランジャーロッドが本体部分532の対向端に突起545を含むなら、上部部分410および下方部分412の双方は、ノッチを含み得る。そのような具体例において、完全開口432は、ノッチにおける拡大された断面幅を有し、円形で、一定の断面幅を有し得る。完全開口432の一定の断面幅が、突起545と整列させられるとき、第一パルス要素400は、プランジャーロッドの脈動を提供するため、突起545と相互作用または係合する。上部部分410、および/または、下方部分412の一つのノッチ又は複数のノッチが、突起545と整列させられるとき、ノッチにおける完全開口432の拡大された断面幅は、プランジャーロッドの連続的な、および、スムースな移動を提供するため、第一パルス要素と相互作用または係合することなく、プランジャーロッドが第一パルス要素400を超えて遠位方向へ移動するのを可能にする。他の変形例において、上部部分410および下方部分412の少なくとも一つの部分開口430は、プランジャーロッドの本体部分に沿って配置された複数の刻み目(不図示)を有するプランジャーロッドと協働する外方に延びるノッチ(不図示)を含み得る。プランジャーロッドが本体部分の対向端に複数の刻み目を含むなら、上部部分410および下方部分412の双方は、外方に延びるノッチを含み得る。複数の刻み目で計測されたプランジャーロッド本体の断面幅は、どんな刻み目も含まない他の場所におけるプランジャーロッド本体の断面幅より小さくあり得る。プランジャーロッドおよび/または第一パルス要素400は、外方に延びるノッチと、プランジャーロッドの突起545を可能にする複数の刻み目を整列させるために回転させられ、その結果、複数の刻み目が、プランジャーロッドが第一パルス要素を超えて遠位に滑動するのを可能にする。そのような具体例において、完全な開口432は、外方に延びるノッチにおける狭められた断面幅を備え、円形であり、一定の断面幅であり得る。完全な開口の狭められた断面幅が、どの刻み目も有しないプランジャーロッドの部分と整列させられると、第一パルス要素は、プランジャーロッドの脈動を提供するため、プランジャーロッドと相互作用または係合する。上部部分410、および/または、下方部分412の外方に延びる一つのノッチまたは複数のノッチが、複数の刻み目と整列させられると、複数の刻み目におけるプランジャーロッドの狭められた断面幅は、外方に延びるノッチと適合し、プランジャーロッドの連続的でスムースな移動を提供するため、第一パルス要素と相互作用または係合することなく、プランジャーロッドが第一パルス要素を超えて遠位に移動するのを可能にする。
【0052】
一つ以上の具体例は、シリンジバレルと一緒の使用のための分離構成部品として提供され得る、第二パルス要素600を含み得る。そのような具体例において、分離された一つ以上のパルス要素は、ここで、または、別に説明されるプランジャーロッドと共に脈動を提供するためのどんな態様も含まない標準のシリンジバレルと共に使用され得る。そのようなシリンジバレルは、上述の保持リング345のような、どんな内方突起も有さないことができる。
【0053】
図29〜33は、シリンジバレルの開放近位端に隣接して配置された第二パルス要素600を示す。特に、第二パルス要素600は、開放遠位端、開放近位端、および、それらを通る開口612を有する回転体610を含む。第二パルス要素600は、図17〜28に示されたプランジャーロッド530、および、どんなパルス要素も持たない例示的なシリンジバレル620と共に示される。シリンジバレル620は、開放近位端621、遠位端629、および、遠位端629から近位端621に延びる側壁622を含む。側壁622は、流体を保持するためのチャンバー626を画定する内表面624を含む。遠位端629は、そこから遠位に延びる先端625を備えた遠位壁628を含む。先端625は、そこを通してチャンバー626と流体連通する流路627を含み、そこに取り付けられる先端キャップ623を含む。開放近位端621は、フィンガーフランジ630を含む。バレルの側壁622は、円筒状であり得、また、他の形状であり得、チャンバー内に突出するいかなる構造も有さない。開放近位端621は、第二パルス要素をシリンジバレルの開放近位端621に取り付けるための取り付け構造を含む。
【0054】
回転可能体610が、シリンジバレルの開放近位端621に取り付けられるとき、それは、シリンジバレルの側壁622に垂直に位置決めされ、または、フィンガーフランジ630に平行である。回転可能体610は、回転可能体610をシリンジバレルの近位端に取り付けるための遠位方向に延びるアタッチメント部分(不図示)を含み得る。例えば、遠位方向に延びるアタッチメント部分は、バレルの開放近位端でバレルの内表面と摩擦締まり嵌めを形成し得る。回転可能体610を取り付けるための他の構造が使用され得るが、そのような構造は、回転するための回転可能体の能力を妨げるべきでない。開口612は、卵形を有し、互いに対向する第一点614および第二点615、ならびに、互いに対向する第三点616および第四点617を含む。第一点614と第二点615との距離は、第三点616と第四点617との距離より大きい。第三点616から第四点617までで計測された開口部612の断面幅は、狭められた断面幅645である。第一点614から第二点615までで計測された開口部612の断面幅は、拡大された断面幅650である。回転可能体610は、開口612の形状と類似の形状を有し得る。したがって、回転可能体610の位置は、以下でより詳細に説明されるように、プランジャーロッドに対する開口612の位置を示す。
【0055】
使用時、プランジャーロッド530は、回転可能リングの開口を通してチャンバー626に挿入される。回転可能リングは、図28に示されるように、狭められた断面幅部分645と整列させられたプランジャーロッド530の突起545と共に、パルス位置に位置決めされる。この配置において、狭められた断面幅部分645と突起545は、プランジャーロッドがバレル内を遠位方向に移動するとき、プランジャーロッドに脈動を提供する。この位置において、図28に示されたように、回転可能体610は、フィンガーフランジに対して90度に位置決めされる。この位置は、プランジャーロッド530および第二パルス要素600がパルス位置に位置付けられたことの視覚的な表示として機能し得る。回転可能体610は、回転させられることが可能で、図31に示されるように、突起545が拡大された断面幅部分645と整列させられる非パルス位置に位置付けられる。この配置において、プランジャーロッドがバレル内を遠位方向に移動するとき、プランジャーロッドに脈動を提供する、拡大された断面幅部分645と突起545との相互作用はないだろう。この位置において、回転可能体610は、フィンガーフランジと整列して位置付けられる。この位置は、プランジャーロッド530と第二パルス要素が非パルス位置に位置付けられたことの視覚的な表示として機能し得る。
【0056】
一つ以上の具体例において、プランジャーロッドは、バレル内で回転可能に配置されるか、換言すると、回転することができるようにバレル内に配置される。上述したとおり、プランジャーロッドおよび/またはバレルの形状は、少なくとも部分的にバレル内に配置されたとき、プランジャーロッドの回転を可能とするように変更され得る。回転量は、また、プランジャーロッドおよび/またはバレルのいずれかの形状を変更することによって制限され得る。バレル内のプランジャーロッドの回転は、使用者が、バレル内でのプランジャーロッドの移動のために、脈動または連続的でスムースな移動のいずれかを選択することを可能とする。図9〜10に示された具体例において、プランジャーロッド130は、脈動と、ディスク145を保持リング345の開口またはどの要素も有さないバレルの内表面の部分とを整列させることによる、連続的でスムースな移動とを切り替えるために、90度回転させられる。代わって、使用者は、図13〜14により明確に示されるように、ディスクを有さないプランジャーロッドの部分150を保持リング345と整列させるために、プランジャーロッド130を90度回転させることができる。当業者は、回転量がプランジャーロッドおよび/またはシリンジバレルに使用される要素の数、大きさおよび位置に依存することを認識するであろう。例えば、一つのディスクが、プランジャーロッドの四分円に、プランジャーロッドの軸方向長さに沿った一つ以上の位置で配置されている場合、使用者は、90度以上プランジャーロッドを回転させる必要があり得る。
【0057】
一つのビームの対向端に配置された2つの突起を有する、プランジャーロッド230の代替具体例(図4〜6に示される。)が、図11〜12に、バレル内に挿入されて示される。プランジャーロッド230は、突起245を、保持リング350の開口、または、どの要素も有さないバレルの内表面の部分と整合させるために、90度回転させられねばならない。代わりに、使用者は、図15〜16により明確に示されるように、突起を有さないプランジャーロッドの部分250を保持リング3454と整列させるために90度回転させ得る。
【0058】
図26〜27に示された具体例において、プランジャーロッド530は、突起545を第一パルス要素400のより大きな断面幅部分450と整列させるために90度回転させられ得る。代わりに、使用者は、突起のないプランジャーロッドの部分550を第一パルス要素のより小さな断面幅部分445と整列させるために90度回転させ得る。図28に示された具体例において、プランジャーロッド530は、突起545を第二パルス要素500の拡大された断面幅部分650と整列させるために90度回転させられ得る。代わりに、使用者は、突起のないプランジャーロッドの部分550をパルス要素の狭められた断面幅部分645と整列させるために、プランジャーロッド530を、90度回転させ得る。
【0059】
プランジャーロッドの外表面の周囲部分に沿って一つの要素のみが配置される場合、脈動と連続的でスムースな移動との間の切り替えは、より大きな回転を必要とし得る。プランジャーロッドの外表面の周囲の部分に沿って配置された複数の要素を利用する具体例において、連続的でスムースな移動に対し、プランジャーロッドの要素と要素を有さないバレルの部分とを整列させるため、または、バレルの内表面に配置された要素と要素を有さないプランジャーロッドの部分とを整列させるため、より少ない回転が必要とされることが理解さえるであろう。
【0060】
図3および図6に、より明確に示されるように、一つ以上のパルス要素を含む箇所(例えば、図3および図6の、それぞれ、ディスク145および突起245)で計測された断面幅D1は、どの要素も有さない箇所で計測されたプランジャーロッドの断面幅D2より大きい。図7および図8を参照すると、どの要素(例えば、保持リング345)も有さない内表面の部分から計測されたバレル内表面の断面幅D4は、バレルの内表面に配置された保持リング345の箇所で計測されたバレルの内表面の断面幅D3より大きい。プランジャーロッドとバレルの要素が整列させられると、プランジャーロッドのより大きい断面幅D1、および、減少した断面幅D2は、遠位方向に滑動するプランジャーロッドとバレルの内表面に配置された要素との間で、機械的干渉における変動を引き起こす。
【0061】
連続的でスムースな移動が選択されたとき、プランジャーロッドに配置された要素(例えば、それぞれ、図3および図6のディスク145および突起245)は、いかなる要素も有しないバレルの内表面の部分(例えば、図8の参照数字350)と整列させられる。換言すると、プランジャーロッドの要素が、いかなる要素も有さないバレルの内表面の部分と整列させられると、バレルの内表面の拡大された断面幅D4は、プランジャーロッドの拡大された断面幅D1が、機械的干渉において、いかなる増大または変化もなく、遠位方向に進むことを可能にする。
【0062】
同様に、バレルの内表面に配置された要素(例えば、保持リング350)が、要素を有さないプランジャーロッドの部分(例えば、図3の参照番号150、および、図6の参照番号250)と整列させられるとき、プランジャーロッドとバレル間で、連続的でスムースな移動が許容される。換言すると、バレルの要素(例えば、保持リング350)が、要素を有さないプランジャーロッドの部分(例えば、図3の参照番号150、および、図6の参照番号250)と整列させられるとき、プランジャーロッドの減少した断面幅は、プランジャーロッドとバレルとの間の機械的干渉において、いかなる重大なまたは付加的な変化もなく、バレルの要素を超えて遠位方向に、バレル内を進行することを許容される。
【0063】
プランジャーロッドに配置されたパルス要素(すなわち、ディスク145、突起245および/または突起545)と、バレルに配置されるか、分離片としてバレルに取り付けられたパルス要素(すなわち、保持リング345、より小さい断面幅部分445および/または狭められた断面幅部分645)との相互作用は、プランジャーロッドの遠位方向への移動に抵抗を与える。プランジャーロッドのパルス要素が、バレルのパルス要素を乗り越えることができるように、プランジャーロッドに追加の機械力が適用されると、バレルのパルス要素を過ぎるプランジャーロッドのパルス要素の進行は、プランジャーロッドがバレル内で遠位方向に移動する際、プランジャーロッドとバレルとの間の干渉に変化をもたらす。プランジャーロッドのパルス要素(すなわち、ディスク145、突起245および/または突起545)が、もはや、バレルのパルス要素(すなわち、保持リング345、より小さい断面幅部分445および狭められた断面幅部分645)と整列させられない場合、プランジャーロッドのパルス要素とバレルのパルス要素との間の相互作用はなく、したがって、プランジャーロッドとバレルとの間の干渉における相互作用または変化はない。
【0064】
一つ以上の具体例において、プランジャーロッドおよび/またはバレルは、脈動または連続的でスムースな移動が選択されるとき、プランジャーロッド、バレルおよび/またはバレルの回転体のさらなる回転を防止する錠止構造を含み得る。一つ以上の具体例において、錠止構造は、バレルまたは保持リングの内表面、および/または、プランジャーロッドの外表面における増大した摩擦表面(不図示)を含み得、ここに説明された洗浄シリンジ組立体の通常の使用中に普通に経験されるより大きな、互いに対する、プランジャーロッド、バレルおよび/または回転体を回転させる力を適用することを、使用者に要求する。一つ以上の具体例において、バレルおよび/または回転体の内表面は、プランジャーロッドの外表面に配置された一つ以上のパルス要素を受け入れ、保持する、ギザギザ状の部分(不図示)を含み得る。ギザギザ状の部分(不図示)は、一つ以上のパルス要素の箇所において、プランジャーロッドの拡大された断面幅に対応する、拡大された断面幅を提供するだろう。ギザギザ状の部分(不図示)は、また、使用者が、プランジャーロッド、バレルまたは回転体を積極的に回転させるために、プランジャーロッド、バレルまたは回転体に、より大きな回転力を適用することを必要とするであろう、意図しない回転を妨げるための物理的な障壁を提供するであろう。要求される回転力は、ここに説明される洗浄シリンジ組立体の通常の使用中に生じる可能性がある回転力より大きいであろう。
【0065】
使用中、ここに説明されたシリンジ組立体は、ニードル組立体と結合され、公知の方法を使用して洗浄液で満たされる。また、シリンジ組立体は、製造者または供給者から事前に充填されて提供され得る。洗浄液は、VADの洗浄または性能維持のために意図されたいかなる溶液でもあり得る。例示的な洗浄液は、生理食塩水洗浄液、および/または、ヘパリンロック洗浄液を含む。これらの溶液は、当該技術分野において知られており、容易に利用可能である。生理食塩水洗浄液の一例は、0.9%の注射用塩化ナトリウム(米国薬局方)である。ヘパリンロック洗浄液の一例は、1ml当り100ユニット(米国薬局方)のヘパリンナトリウム、または、1ml当り10ユニット(米国薬局方)のヘパリンナトリウムを有する、0.9%の塩化ナトリウムである。ニードル組立体に取り付けられると、シリンジ組立体は、穿刺可能なセプタム、または、洗浄液を含むバイアルまたはガラスアンプルの首部のプレスプリットセプタムに挿入され得るブラントカニューレを貫通するために使用され、洗浄液は、ニードルカニューレを通してチャンバー内に流体を引き込むため、バレルを保持しながら、プランジャーロッドを近位方向に引っ張ることによって、シリンジバレル内に引き込まれる。代わりに、シリンジの組立中または後に、殺菌充填法を使用して、多数の洗浄シリンジが洗浄液で事前に満たされる。そのような事前充填シリンジは、バレルの流路113をシールする先端キャップ(不図示)を備えて供給され得る。先端キャップは、天然および合成ゴム、熱可塑性エラストマーまたはそれらの組み合わせのような、熱可塑性材料およびエラストマー材料からなる群から選択される材料から形成され得る。一旦組立てられると、シリンジ組立体は、I.VセットのカテーテルのようなVADを洗浄するのに使用され得る。
【0066】
一つ以上の具体例において、ここに説明されたシリンジ組立体は、注入ポンプ式供給システムに組み込まれ得る。当該技術分野において知られているように、プッシュパルス式洗浄技術は、典型的には、洗浄液のゆっくりとした、制御された供給を提供するために、例えば、小児科用のセッティングに利用される、注入ポンプ式供給システムと一緒の使用には好適でない。注入ポンプ式供給システムは、圧力警報器、または、プランジャーロッドとバレル間の圧力または力の増大または変化を計測するための他の器具と協働する。したがって、プッシュパルス式の洗浄技術が注入ポンプ式供給システムに使用されると、プランジャーロッドとバレルの間の圧力または力が変化し、圧力警報器または他の器具を始動させる。そのような警報器は、注入ポンプ式供給システムが停止することをもたらし得る。ここに説明されたシリンジ組立体は、ここに説明された手動のプッシュパルス式および脈動洗浄技術のようなシリンジからの脈動流をもたらす洗浄技術に代えて、スムースな洗浄技術を反復させる連続的でスムースな移動を選択するように、プランジャーロッドおよび/またはバレルを調整することによって、注入ポンプ式供給システムおよび他の類似の圧力感知式システムに対して利用され得る。
【0067】
一つ以上の具体例によれば、プランジャーロッド、および/または、バレルの内表面に配置された一つ以上のパルス要素は、プランジャーロッドの遠位方向への移動中、シリンジバレルと干渉するか、または増大した機械的干渉を形成するように形作られる。プランジャーロッドとバレルとの間での機械的な力の変化は、使用者が、排出中、プランジャーロッドに対し、遠位方向に力を適用するとき、プランジャーロッドの動きを妨げ、緩やかにし、または、停止させる。結果として、使用者は、要素を過ぎて遠位に進めるため、プランジャーロッドに遠位方向へのより大きな力を適用しなければならない。プランジャーロッドに適用される力の変化は、流体流にパルスを与え、プランジャーロッドの脈動を形成し、洗浄液に、所望の乱流または脈流を与える。プランジャーロッドに適用される異なった力によって引き起こされる流速の変化は、さらに、洗浄液の乱流を増大させる。使用者がバレルのチャンバーから洗浄液を放出するとき、プランジャーロッドとバレルとの増大した機械的干渉は、プランジャーロッドに適用される力および洗浄液に適用される力を起伏させることをもたらし、乱流または脈流を生成する。バレルとプランジャーロッドとの間の機械的干渉を増大させる障害または他の態様が存在しないと、使用者は、プランジャーロッドに適用される力を変更する必要はなく、洗浄液は、乱流または脈流を授けられない。
【0068】
プランジャーロッドの軸方向長さ、または、バレルの内表面の長さに沿った。異なった箇所に配置された、二つ以上の要素を利用する具体例において、プランジャーロッドが第一の要素を超えて遠位に進められた後、追加の機械的干渉が生成される。第一の箇所で、第一の要素を超えて遠位に進んだ後、使用者は、第二要素が遠位壁により近い箇所において接触されるとき、プランジャーロッドに追加の力を適用しなければならない。プランジャーロッドに適用される力の複数の変化は、洗浄液に所望の乱流または脈流を与える、プランジャーロッドの脈動を形成する。
【0069】
一つ以上の具体例において、プランジャーロッドおよび/またはバレルの内表面に配置された要素は、洗浄液の排出の異なった段階で、より増大された抵抗を提供するように形作られ得る。特定の具体例において、プランジャーロッドおよび/または内表面に配置された要素は、使用者によるプランジャーロッドへの遠位方向に適用される力のパルスまたは変化の間の時間を増大させるために、異なった箇所および/または間隔で配置され得る。
【0070】
ここに説明された洗浄シリンジ組立体は、また、プランジャーロッド、シリンジバレルおよびパルス要素を示すための、可視的な、または、他の表示要素を含み得、したがって、バレル内のプランジャーロッドの移動が、脈動となるか、連続的でスムースとなるかを表示する。例えば、ここに説明されるように、サムプレスは、プランジャーロッドに配置されるパルス要素と整列させられるサムプレスの一部に配置された、着色を有し得る。バレルは、バレルに配置されたパルス要素と整列させられた、バレルのフィンガーフランジまたは他の部分に配置される対応する着色を含み得る。第一パルス要素400および第二パルス要素600は、また、第一パルス要素400のより小さい断面幅部分445および第二パルス要素600の狭められた断面幅部分645と整列させられた部分に配置された、着色を有し得る。したがって、使用中、サムプレスおよびバレル、および/または、第一または第二パルス要素の着色部分の整列は、洗浄シリンジがバレル内のプランジャーロッドの脈動用に形成されていることを、使用者に示す。他の可視的な指標が、また、利用され得、例えば、記号および文字が、サムプレス、バレルおよび/またはパルス要素に配置され得る。
【0071】
本発明の第三の態様は、カテーテルを洗浄する方法、または、カテーテルから破片または残渣を除去する方法に関連する。一具体例において、方法は、カテーテルに洗浄シリンジ組立体を取り付けることを含む。洗浄シリンジ組立体は、予め選定した量の洗浄液を含むチャンバーを画定する内表面を有する側壁を含むバレルを含み得る。洗浄シリンジ組立体は、また、パレル内に配置され、バレル内で遠位および近位方向に可動である、細長いプランジャーロッドを含み得る。プランジャーロッドは、遠位端および遠位端に取り付けられたストッパーを含む。ストッパーは、バレルの内表面と液密シールを形成する。洗浄シリンジ組立体は、バレル内でのプランジャーロッドの脈動または連続的でスムースな移動を生成するように回転可能である、ここに説明された一つ以上のパルス要素を含み得る。方法は、バレル内でのプランジャーロッドの移動態様を選択することを含む。特に、方法は、脈動方式または連続的でスムースな移動方式で、バレル内でプランジャーロッドを移動させるかどうかを選択することを含む。
【0072】
図9および10に示された具体例において、プランジャーロッドを移動させる方式を選択することは、プランジャーロッド130を回転させることを含む。脈動が選択されるなら、方法は、プランジャーロッドに配置されたディスク145が保持リング345と整列させられるようにプランジャーロッド130を回転させることを含む。図9および13に示されるように、ディスク145および保持リング345の相互作用は、プランジャーロッド130とバレル110との干渉が増大させられるので、プランジャーロッドの脈動を生成する。連続的でスムースな移動が選択されると、方法は、ディスク145が保持リング345と整列させられないようにプランジャーロッド130を回転することを含む。この形態において、図10および14に示されるように、プランジャーロッドとバレルとの相互作用はなく、したがって、プランジャーロッド130とバレル110との干渉における変化はない。
【0073】
図11および12に示された具体例において、プランジャーロッドを移動させる方式を選択することは、プランジャーロッド230を回転させることを含む。脈動が選択されると、方法は、プランジャーロッドに配置された突起245が、保持リング345と整列させられるように、プランジャーロッド230を回転させることを含む。図11および15に示されるように、突起245と保持リング345との相互作用は、プランジャーロッド230とバレル210との干渉が増大させられるので、プランジャーロッドの脈動を生成する。連続的でスムースな移動が選択されると、方法は、突起245が保持リング345と整列させられないようにプランジャーロッド230を回転させることを含む。この形態において、図12および16に示されるように、プランジャーロッドとバレルとの相互作用はなく、したがって、プランジャーロッド230とバレル210との間の干渉における変化はない。この形態において、図12および16に示されるように、プランジャーロッドとバレルとの相互作用はなく、したがって、プランジャーロッド230とバレル210との間の干渉に変化はない。
【0074】
図20に示された具体例において、プランジャーロッドを移動させる方式を選択することは、プランジャーロッド530を回転させることを含む。脈動が選択されると、方法は、プランジャーロッドに配置された突起545が、第一パルス要素400のより小さい断面部分445と整列させられるように、プランジャーロッド530を回転させることを含む。突起545とより小さい断面部分445との相互作用は、プランジャーロッド530と第一パルス要素400との干渉が増大させられるので、プランジャーロッドの脈動を生成する。連続的でスムースな移動が選択されると、方法は、突起545がより小さい断面部分445と整列させられないように、代わりに、より大きい断面部分450と整列させられるように、プランジャーロッド530を回転させることを含む。この形態において、図26−27に示されるように、プランジャーロッドとバレルとに相互作用はなく、したがって、プランジャーロッド530と第一パルス要素400の間の干渉に変化はない。
【0075】
図29に示された具体例において、プランジャーロッドの移動方式を選択することは、第二パルス要素の回転可能体610を回転させることを含む。脈動が選択されると、方法は、プランジャーロッドに配置された突起545が第一パルス要素400の狭められた断面部分645と整列させられるように回転可能体610を回転させることを含む。突起545と狭められた断面部分645の相互作用は、プランジャーロッド530と第二パルス要素600との干渉が増大させられるので、プランジャーロッドの脈動を生成する。連続的でスムースな移動が選択されると、方法は、突起545が、狭められた断面部分645と整列させられるのではなく、代わりに、拡大された断面部分650と整列させられるように、回転可能体610を回転させることを含む。この形態において、図31に示されるように、プランジャーロッドとバレルとの相互作用はなく、したがって、プランジャーロッド530と第二パルス要素600との干渉に変化はない。
【0076】
「一つの具体例」、「ある具体例」、「一つ以上の具体例」、または、「一具体例」へのこの明細書を通した参照は、具体例に関連して説明された特定の態様、構造、材料または特徴が、本発明の少なくとも一つの具体例に含まれることを意味する。したがって、この明細書中の種々の箇所における「一つ以上の具体例において」、「ある具体例において」、「一つの具体例において」または「一具体例において」のような表現は、必ずしも、本発明の同一具体例に関して言及するものではない。さらに、特定の態様、構造、材料または特徴は、一つ以上の具体例において、いかなる好適な方式においても結合され得る。
【0077】
本発明は、特定の具体例を参照して、ここに説明されたが、これらの具体例は、本発明の主題および応用の単なる例示であることが理解されるべきである。当業者にとって、種々の改良および変更が、本発明の精神および範囲から離れることなく、本発明の方法および装置になされ得ることは明らかである。したがって、本発明は添付した特許請求の範囲およびその均等物の範囲内である改良および変更を含むことが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄シリンジ組立体であって、
流体を保持するためのチャンバーを画定する内表面を有する側壁、開放近位端、および、遠位端を含むバレルであって、上記遠位端が、そこから遠位に延びる先端を備えた遠位壁を含んでおり、上記先端は、そこを通して上記チャンバーと流体連通する流路を有している、上記バレル、
上記バレル内に配置された細長いプランジャーロッドであって、該プランジャーロッドが、遠位部分および近位部分を含んでおり、さらに、上記プランジャーロッドが、遠位面を有するストッパーを含む遠位端と近位端を含んでいる、上記プランジャーロッド、および、
上記プランジャーロッドまたは上記バレルの内表面の少なくとも一つに配置された一つ以上のパルス要素であって、該一つ以上のパルス要素は、上記プランジャーロッドと上記バレルとの間の増大された機械的干渉をもたらし、上記バレル内における上記プランジャーロッドの脈動または連続的でスムースな移動を生成するために回転可能である、上記一つ以上のパルス要素、を含むことを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項2】
請求項1の洗浄シリンジ組立体であって、上記一つ以上のパルス要素は、上記プランジャーロッドの外表面に配置された複数の延長部を含み、該延長部は、上記バレルの内表面に向かって放射方向外方に延びていることを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項3】
請求項1の洗浄シリンジ組立体であって、上記一つ以上のパルス要素は、上記バレルの内表面に配置された複数の突起を含み、該突起は、上記プランジャーロッドの外表面に向かって放射方向内方に延びていることを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項4】
請求項1の洗浄シリンジ組立体であって、上記一つ以上のパルス要素は、
上記プランジャーロッドの外表面に配置された少なくとも一つの延長部であって、該延長部は、上記バレルの内表面に向かって放射方向外方に延びている、上記延長部、および、
上記バレルの内表面に配置された少なくとも一つの突起であって、該突起は、上記プランジャーロッドの外表面に向かって放射方向内方に延びている、上記突起を含み、
上記少なくとも一つの延長部は、上記少なくとも一つの突起と協働し、上記バレルの開放近位端から上記バレルの遠位壁まで上記プランジャーロッドを上記バレル内で遠位に進めるために適用される増大された機械的力を必要とする、上記プランジャーロッドと上記バレルとの間の干渉を増大させることを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項5】
請求項4の洗浄シリンジ組立体であって、上記一つ以上のパルス要素は、上記プランジャーロッドの外表面に配置された複数の延長部と、バレルの内表面に配置された複数の突起を含むことを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項6】
請求項4の洗浄シリンジ組立体であって、上記プランジャーロッドの外表面の一部は延長部を有しておらず、上記バレルの内表面の一部は突起を有していないことを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項7】
請求項4の洗浄シリンジ組立体であって、上記バレル内における上記プランジャーロッドの脈動または連続的でスムースな移動を生成するために、上記プランジャーロッドは上記バレル内で回転可能であることを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項8】
請求項7の洗浄シリンジ組立体であって、遠位方向における上記プランジャーロッドの移動は上記バレルとの干渉を生成し、上記少なくとも一つの延長部と上記少なくとも一つの突起の整列は、上記干渉に打ち勝つために、遠位または近位方向において上記プランジャーロッドに適用される機械的力の増大を必要とする、上記プランジャーロッドと上記バレル間の干渉の変動をもたらすことを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項9】
請求項8の洗浄シリンジ組立体であって、遠位方向における上記プランジャーロッドの移動は上記バレルとの干渉を生成し、上記プランジャーロッドの外表面に配置された少なくとも一つの延長部と上記突起を有しないバレルの内表面の一部との整列は、上記プランジャーロッドとバレル間の干渉の変動をもたらさないことを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項10】
請求項1の洗浄シリンジ組立体であって、上記一つ以上のパルス要素は、
上記プランジャーロッドの外表面に配置された少なくとも一つの延長部であって、該延長部は、上記バレルの内表面に向かって放射方向外方に延びている、上記延長部、および、
上記バレルの近位端に配置されたパルス要素であって、該パルス要素は、上記チャンバーに延びる少なくとも一つの突出部を含む内表面を含み、上記少なくとも一つの突出部は、上記プランジャーロッドの少なくとも一つ延長部と協働し、上記バレルの開放近位端から上記バレルの遠位壁まで上記プランジャーロッドを上記バレル内で遠位に進めるために適用される増大された機械的力を必要とする、上記プランジャーロッドと上記バレルとの干渉を増大させる、上記パルス要素を含むことを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項11】
請求項10の洗浄シリンジ組立体であって、上記プランジャーロッドの外表面の一部は延長部を有しておらず、上記パルス要素の内表面の一部は突出部を有していないことを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項12】
請求項11の洗浄シリンジ組立体であって、上記パルス要素は、上記プランジャーロッドに対して回転可能であり、上記バレル内における上記プランジャーロッドの脈動または連続的でスムースな移動を生成することを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項13】
請求項12の洗浄シリンジ組立体であって、遠位方向における上記プランジャーロッドの移動は上記バレルとの干渉を生成し、上記プランジャーロッドの少なくとも一つの延長部と上記パルス要素の少なくとも一つの突出部の整列は、上記干渉に打ち勝つために、遠位または近位方向において上記プランジャーロッドに適用される機械的力の増大を必要とする、上記プランジャーロッドとバレル間の干渉の変動をもたらすことを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項14】
請求項12の洗浄シリンジ組立体であって、遠位方向における上記プランジャーロッドの移動は上記バレルとの干渉を生成し、上記プランジャーロッドの外表面に配置された少なくとも一つの延長部と上記突出部を有さないパルス要素の内表面の一部との整列は、上記プランジャーロッドとバレル間の干渉の変動をもたらさないことを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項15】
請求項1の洗浄シリンジ組立体であって、上記バレル内の上記プランジャーロッドの脈動についての視覚または触感による表示を提供する目印をさらに含むことを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項16】
洗浄シリンジ組立体であって、
流体を保持するためのチャンバーを画定する内表面を有する側壁、開放近位端、および、遠位端を含むバレルであって、上記遠位端は、そこから遠位に延びる先端を備えた遠位壁を含んでおり、上記先端は、そこを通して上記チャンバーと流体連通する流路を有している、上記バレル、および、
上記バレル内に配置された細長いプランジャーロッドであって、該プランジャーロッドが、遠位部分および近位部分を含んでおり、さらに、上記プランジャーロッドが、遠位面を有するストッパーを含む遠位端と近位端を含んでおり、上記バレルとプランジャーロッドが、遠位方向のみにおける上記プランジャーロッドへの力の適用で、上記バレルの実質的全長に沿って遠位方向における、上記バレル内での上記プランジャーロッドの脈動、または、上記プランジャーロッドの連続的でスムースな移動の双方を許容するため、協働するように形成されている、上記プランジャーロッドを含むことを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項17】
請求項16の洗浄シリンジ組立体であって、上記プランジャーロッドは、上記バレル内に回転可能に配置されており、脈動、または、連続的でスムースな移動の選択を許容することを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項18】
請求項16の洗浄シリンジ組立体であって、上記バレルの一部が、上記プランジャーロッドの周りを回転可能であり、脈動、または、連続的でスムースな移動の選択を許容することを特徴とする洗浄シリンジ組立体。
【請求項19】
カテーテルを洗浄する方法であって、該方法は、
洗浄シリンジ組立体であって、該洗浄シリンジ組立体が、予め選択された量の洗浄液を保持するチャンバーを画定する内表面を有する側壁を含むバレル、該バレル内に配置された細長いプランジャーロッドであって、該プランジャーロッドは、遠位端および上記プランジャーロッドの遠位端に取り付けられたストッパーを含む、上記プランジャーロッド、および、上記プランジャーロッドまたは上記バレルの少なくとも一つに配置された一つ以上のパルス要素であって、該パルス要素は、上記プランジャーロッドと上記バレルの間の増大した機械的干渉をもたらし、上記一つ以上のパルス要素は、上記バレル内における上記プランジャーロッドの脈動または連続的でスムースな移動を生成するために回転可能である、上記パルス要素を含む、洗浄シリンジ組立体をカテーテルに取り付けること、
脈動方式および連続的でスムースな方式のうちの一つから、上記バレル内での上記プランジャーロッドの移動方式を選択すること、
所望量の清浄液が排出されるまで、上記プランジャーロッドに遠位方向の力を適用すること、を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19の方法であって、脈動方式および連続的でスムースな方式の一つから、脈動方式および連続的でスムースな方式の他の一つに、上記バレル内での上記プランジャーロッドの移動方式を変更することをさらに含むことを特徴とする方法。

【図1】
image rotate

【図1A】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図24A】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate


【公表番号】特表2012−532694(P2012−532694A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519770(P2012−519770)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/041559
【国際公開番号】WO2011/006086
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】