説明

洗浄剤収納体

【課題】粉状洗浄剤を用いての流し台排水口等の洗浄が、洗浄剤を飛散させることなく安全に行えるようにする。
【解決手段】粉状洗浄剤3とその粉状洗浄剤3を内部に納める外装体2とかなり、外装体2は粉状洗浄剤3を密封状態に納めるとともに、洗浄使用に際しては付与される水により粉状洗浄剤3を被洗浄部に流出可能とする流出機構16、22、24、28、29を備える洗浄剤収納体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、厨房の流し台シンクの排水口部分の洗浄等に使用される洗浄剤収納体に関する。
【背景技術】
【0002】
厨房の流し台シンクには排水口が凹設され、その部分にはゴミ受けカゴが装着されている。このゴミ受けカゴやその周囲部分は、厨芥ゴミが付着しそれが腐敗することで汚れやすく、いわゆる「ヌメリ」の付いた状態となり、見た目が悪く、非衛生的で、さらに、悪臭の発生する問題があった。
【0003】
そのような、「ヌメリ」を除去するには除菌剤等よりなる洗浄剤が使用される。この洗浄剤としては固形状のものと粉状のものとがある。固形状のものはゴミ受けカゴ内に継続して配置使用され、使用に伴い徐々に溶け出す薬剤により洗浄効果を発揮する。これに対し粉状のものは通常発泡剤を一体とし、一時に泡立たせることで洗浄効果を発揮するようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記それぞれのタイプの洗浄剤には下記の問題がある。固形状の場合、ゴミ受けカゴ内に設けるので、ゴミの取り出し時に邪魔になり、また、溶け出す洗浄剤が長く継続して排水管等に接することで排水管等の腐食劣化を招く恐れもある。さらに、最近のシステムキッチン等では排水口が浅型に設計される場合が多く、その場合にはゴミ受けカゴも浅くなりある程度の大きさを持つ固形状のものの使用が難しくなってきている。
【0005】
したがって、最近では粉状の洗浄剤が広く使用されてきているが、粉状の場合には使用に際して飛散しやすいという基本的な問題がある。洗浄剤として除菌性能等を発揮するものとして塩素系薬剤を使用する場合があり、取り扱いに際しそのような洗浄剤が飛散して肌に触れたり、また、口、鼻、目に入ることは安全上きわめて好ましくない。
【0006】
この発明は上記の事情に鑑みで行ったもので、粉状洗浄剤を用いての洗浄が、洗浄剤に触れることがなく、また、洗浄剤粉体を飛散させることなく安全に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明では、粉状洗浄剤とその粉状洗浄剤を内部に納める外装体とからなり、
前記外装体は前記粉状洗浄剤を密封状態に納めるとともに、洗浄使用に際しては付与される水により前記粉状洗浄剤を被洗浄部に流出可能とする流出機構を備えてなることを特徴とする洗浄剤収納体を提供する。
【0008】
上記構成の洗浄剤収納体は、通常粉状洗浄剤を密封状態に納め、洗浄に使用する際にのみ流出機構により粉状洗浄剤を流出可能とするので、従来のように粉状洗浄剤を容器や袋内等から取り出して被洗浄部に振りかけるような作業が省略され、これにより、洗浄剤に直接手等が触れたり、粉状洗浄剤が飛散することが防止される。
【0009】
粉状洗浄剤としては、被洗浄部に対応して適宜洗浄能力を発揮するものが使用可能で、発泡剤との混合粉末とすることで高い洗浄性能が得られる。外装体はケースや袋等適宜の形態とできる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、粉状洗浄剤を用いての洗浄が、洗浄剤に触れることがなく、また、洗浄剤を飛散させることなく安全に行えるようになり、これにより、流し台の浅型の排水口等の粉状洗浄剤を用いての洗浄が、短時間において、安全に、かつ、配水管等を傷めることなく行えるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1この発明の洗浄剤収納体の第1の実施形態の外観斜視図、図2は同使用状態断面図である。
【0012】
洗浄剤収納体1は、プラスチックス製の平面形状が円形のケース(外装体)2とその内部に納められる粉状洗浄剤3とからなる。ケース2はベース部5と内蓋7と外蓋9とから構成される。ベース部5は平面形状が円形で外周に沿って環状の外周壁10を一体に備え、さらに、その内側に環状溝11を挟んで環状の内周壁13を一体に備え、その内周壁13の内側を粉状洗浄剤3の配置スペース15としている。外周壁10には所定の間隔をおいて穴16が複数個設けられている。
【0013】
内蓋7は平面形状が円形でその下方に突出する環状の周壁部17の下端縁が上記ベース部5の内周壁13の上縁の外側段部20に嵌設されて上記配置スペース15上を覆うように設けられている。内蓋7の上面部21には複数個の穴22が放射状に、周壁部17にも穴24が上記ベース部5の穴16と同様の間隔をおいて複数個設けられている。外蓋9は形状が円形でその下方に突出する環状の周壁部25が上記環状溝11に嵌合されて内蓋7を覆うように設けられている。外蓋9の上面部27にも穴29が上記内蓋7の穴22と同様のパターンで複数個設けられ、さらに周壁部25にも穴28が上記穴16、24それぞれと同様の間隔をおいて複数個設けられている。
【0014】
外蓋9は上記のように周壁部25が環状溝11に嵌合された状態において回転可能に設けられ、所定の回転位置において外蓋9と内蓋7の穴29、22のそれぞれが、また、ベース部5と外蓋9と内蓋7との穴16、28、24それぞれが合致するようになっている。外蓋9の上面には回転操作のための操作部30が突設されており、外蓋9とベース部5には位置合わせ用のマーク32のそれぞれが設けられており、そのマーク32が合致する状態において穴29、22、穴16、28、24のそれぞれが合致するようになっている。
【0015】
この外蓋9の所定の回転位置において合致して連通する穴29、22、穴16、28、24のそれぞれが、この発明の洗浄使用に際しては付与される水により粉状洗浄剤を被洗浄部に流出可能とする流出機構を構成する。
【0016】
粉状洗浄剤3としては、除菌、消臭機能を併せ持つ塩素系洗浄剤と発泡剤との混合粉末を用いる。
【0017】
次に、上記洗浄剤収納体1の使用について説明する。洗浄剤収納体1は袋体内に密封される状態で提供され、その状態では図1に示すようにマーク32それぞれが互いに完全に離反した位置とされていることで穴29、22、穴16、28、24それぞれはともに完全に離反していて、これにより粉状洗浄剤3は配置スペース15内に密封状態に納められている。袋体内から洗浄剤収納体1を取り出した後に操作部30を持つことで外蓋9を回転させこれにより穴29、22、穴16、28、24それぞれをともに合致させ、この状態において、図2に示すように、流し台の浅型の排水口50に装着されたゴミ受け用のカゴ51内に配置する。次に、水道の蛇口から外蓋9上に水を所定量注ぎかけた後カゴ蓋52を外蓋9上に載置する。注ぎかけられた水は穴29、22が合致していることで配置スペース15内に進入して粉状洗浄剤3を溶かし、その洗浄液は発泡することで泡状となり、矢印で示すように、合致した穴29、22、穴16、28、24それぞれを通してケース2の外部に流れ出す。流れ出した泡状の洗浄液はカゴ蓋52の下面、カゴ51、排水口50、配管53の洗浄を行う。洗浄液が泡状となって被洗浄部面へ長く付着することで洗浄機能が良好に果たされる。
【0018】
上記のように、袋体内から粉状洗浄剤3が密封された洗浄剤収納体1を取り出し、外蓋9を回転させて穴29、22、穴16、28、24それぞれを合わせカゴ51内に配置してその上部より水を注ぐだけで洗浄が行えるので、粉状洗浄剤3に手を触れたり、また、粉状洗浄剤3が飛散することがなく、これにより洗浄作業が安全に行われる。
【0019】
図3は洗浄収納体1の第2の実施形態を示す。このものでは外装体は表面にアルミ蒸着層が付設されたフィルム製のパッケージ100よりなり、そのパッケージ100上面に複数の穴101が設けられ、それらの穴101が粘着剤により貼り付けられるカバーシート102により覆われている。この洗浄収納体1は、流し台の浅型の排水口に装着されたカゴ内に置いた状態においてカバーシート102を取り外し、その上部から水を注ぎ使用することで上記の実施形態のものと同様に使用できる。穴101と、それを覆うとともに使用時に取り外されるカバーシート102とがこの発明の流出機構を構成する。この実施形態のものにおいても、上記実施形態のものと同様にして洗浄作業が安全に行われる。
【0020】
図4は洗浄収納体の第3の実施形態を示す。このものでは外装体が厚めのオブラートよりなる袋体200よりなり、その袋体200内に粉状洗浄剤3が密封されている。この洗浄収納体1は包装袋に内蔵されて提供され、その包装袋から取り出して使用する。流し台の浅型の排水口に装着されたカゴ内に置いた状態において上部から水を注ぐことでオブラートよりなる袋体200が溶け、これにより粉状洗浄剤3が泡状となって溶け出す。袋体200のオブラートよりなる構造がこの発明の流出機構を構成する。この実施形態のものにおいても、上記それぞれの実施形態のものと同様にして洗浄作業が安全に行われる。なお、この洗浄収納体1を第1の実施形態の配置スペース15に納め用いることも可能で、このように用いることで第1の実施形態におけるケース2の洗浄のための再使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の洗浄剤収納体の第1の実施形態の外観斜視図
【図2】この発明の洗浄剤収納体の第1の実施形態の使用状態断面図
【図3】この発明の洗浄剤収納体の第2の実施形態の外観斜視図
【図4】この発明の洗浄剤収納体の第3の実施形態の外観斜視図
【符号の説明】
1 洗浄剤収納体
2 ケース(外装体)
3 粉状洗浄剤
16 穴(流出機構)
22 穴(流出機構)
24 穴(流出機構)
28 穴(流出機構)
29 穴(流出機構)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉状洗浄剤とその粉状洗浄剤を内部に納める外装体とからなり、
前記外装体は前記粉状洗浄剤を密封状態に納めるとともに、洗浄使用に際しては付与される水により前記粉状洗浄剤を被洗浄部に流出可能とする流出機構を備えてなる、
ことを特徴とする洗浄剤収納体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−161647(P2009−161647A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−341997(P2007−341997)
【出願日】平成19年12月31日(2007.12.31)
【出願人】(505129965)ウェ・ルコ物流株式会社 (11)
【Fターム(参考)】