洗濯乾燥機
【課題】風が通過できる風路空間をできるだけ広く維持したまま、効率良くリントの捕集ができる構成を有した洗濯乾燥機を得ること、また、部品点数の増加や製造工程の負担も抑制できるリントの捕集構造を提案すること。
【解決手段】洗濯脱水槽3を内装した水槽2と、水槽2の内部と連通し洗濯脱水槽3から出た風を流す風路11とを備えた洗濯乾燥機1において、風路11の吸気口11Aまたは風路11の内壁面の少なくとも一方に、風路11の内側へ突出する少なくとも1つの突起20を設けた。
【解決手段】洗濯脱水槽3を内装した水槽2と、水槽2の内部と連通し洗濯脱水槽3から出た風を流す風路11とを備えた洗濯乾燥機1において、風路11の吸気口11Aまたは風路11の内壁面の少なくとも一方に、風路11の内側へ突出する少なくとも1つの突起20を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯乾燥機に係り、特に洗濯脱水槽から出た空気を取り込んで流す風路を備えた洗濯乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗濯、すすぎ、洗い、脱水および乾燥行程を備えた洗濯乾燥機として、回転軸を略水平方向に有し水槽内に回転自在に配設した回転ドラムをモータにより駆動し、水槽内に洗濯用給水弁により給水し、水槽内に送風機により送風するとともにヒータを送風機と連通し、送風機と水槽に連通した熱交換器により回転ドラム内の洗濯物から蒸発した水分を冷却水によって除湿するものが知られている。そこでは、熱交換器の風路の径方向中間部に、スリット状の仕切り板で構成した異物捕集用のリブを設けることが開示されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−121352号公報(請求項3、図1など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献のように、風路の径方向中間部に仕切り板のような部材を配置すると、風が通過できる空間が大きく狭まってしまうという問題がある。また、風路の径方向中間部にリブを設けるとすると、リブを別部品として用意し、それを風路内に挿入する必要があり、洗濯乾燥機の部品点数の増加や製造工程が複雑となる等の問題もあった。
【0005】
本発明は上記課題に対応したものであり、風が通過できる風路空間をできるだけ広く維持でき、しかも効率良くリントの捕集ができる構成を有した洗濯乾燥機を得ることを目的とする。また、洗濯機の部品点数の増加や製造工程の負担も抑制できるリントの捕集構造を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の洗濯乾燥機は、洗濯脱水槽を内装した水槽と、前記水槽の内部と連通し前記洗濯脱水槽から出た風を取り込んで流す風路とを備えた洗濯乾燥機において、前記風路の吸気口または前記風路の内壁面の少なくとも一方に、前記風路の内側へ突出する少なくとも1つの突起を設けたものである。
なお、前記突起は、前記風路の吸気口側の曲がり部、または該曲がり部の直前若しくは直後の風路内壁面に前記風路と一体成型されているのが好ましい。
また、前記突起は、前記風路の吸気口側の曲がり部の外径側内壁面に前記風路と一体成型されていても良い。
【発明の効果】
【0007】
上記のような構成を有する本発明の洗濯乾燥機によれば、風が通過できる風路空間をできるだけ広く維持したまま、風路を流れる風に含まれるリントを突起により効率良く捕集でき、除湿器や乾燥フィルタへのリントの付着を低減できる。しかも、風路が水槽と連通しているため、突起に捕集されたリントは、次回の洗い、すすぎ及び脱水行程で、排水と一緒に機外に排出され易い。加えて、このリント捕集構造によれば、洗濯乾燥機の部品点数の増加や製造工程の負担の抑制も可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施形態1.
図1は本発明の実施形態1に係る洗濯乾燥機の構成図である。この洗濯乾燥機1は、図示していない筐体(外箱)の内部に、洗濯脱水槽3を内装した水槽(外槽)2と、水槽2の内部と連通し洗濯脱水槽3から出た風を取り込んで、再び洗濯脱水槽3に戻す風路11を備えている。なお、本発明に係る洗濯乾燥機において、風路11は、必ずしも図1のような循環風路でなくてもよく、例えば、洗濯脱水槽3から出た風を取り込んで、洗濯乾燥機の内部または外部に流す態様のものであってもよい。
【0009】
水槽2は、その吊り棒支持部2Aを介して複数の吊り棒4で支持され、吊り棒可動部4Aによる吊り棒4の上げ下げにより、傾斜可能に構成されている。水槽2と吊り棒4の連結部には、防振部材6が配置されていて、水槽2に加わる振動の影響を抑制している。
洗濯脱水槽3は、その上部周囲に流体バランサ(図示せず)が配置され、底部に洗濯時や乾燥時に左右に回転(反転)するパルセータ9が取り付けられている。
水槽2の下側にはモータ7が取り付けられており、このモータ7の動力が回転軸8を介して洗濯脱水槽3やパルセータ9に伝達され、それらの回転に利用される。
【0010】
風路11は、乾燥フィルタ13、ファン14、およびヒータ15とともに、洗濯脱水槽3に出入りする風の流路となる循環風路の一部を構成している。また、この例では、風路11を除湿風路としており、風路11の内部には、上部から水を流すことで水冷式除湿用熱交換器として作用する除湿板12が配置されている。
なお、この例で、風路11は水槽2と一体成型により形成しているが、風路11を水槽2と別体に構成し、配管や蛇腹を利用して水槽2に連通させる構成としても良い。
【0011】
風路11が水槽2と一体成型されている場合には、風路11の吸気口下部11Bは、水槽2の輸送時や保管時に重ね置き(スタッキング)ができるように、水槽2の高さ方向の途中に形成されている。これに対応して、除湿板12は、その下端が風路11の吸気口11Aよりも高い位置に来るように配置されている。これは、洗濯時などにおいて、水流により除湿板12が揺らされ、その圧力による破損を防止するためである。これらの結果として、風路11の吸気口11Aは、洗濯脱水槽3の脱水槽側板の下端よりも上方に対応した位置に配置された状態となっている。
【0012】
次に上記洗濯乾燥機1の作用を説明する。洗濯乾燥機1は、洗い、すすぎ、脱水および乾燥を行うことが可能となっているものであり、水槽2は行程に応じてその傾斜状態を決定できる。例えば、洗いやすすぎ行程では、洗濯物の量に応じて直立または傾斜に設定する。脱水行程ではその性質上、水槽2は直立状態とするのが好ましい。一方、乾燥行程は、洗濯物の攪拌を促進させて乾燥効率を上げるために水槽2を傾斜させるのが好ましい。
【0013】
洗い、すすぎ、および脱水行程は、従来からある行程であり、従来と同様の作用により行われる。従って、ここでは乾燥行程の作用を説明する。
乾燥行程では、パルセータ9が反転駆動されて洗濯脱水槽3内の洗濯物が攪拌される。同時に乾燥行程では、送風ファン14の作用によって、洗濯物から放出された水分を含んだ風(空気)が洗濯脱水槽3の底部または側板の開口から水槽2内へ排出され、吸気口11Aから風路11内に取り込まれる。風路11内に取り込まれた風は、そこで除湿された後、乾燥フィルタ13でフィルタリングされ、ヒータ15で加熱された後、空気取入口16から洗濯脱水槽3内に導入される。これらの作用により、時間の経過に従って洗濯物が乾燥される。
【0014】
上記の乾燥行程では、洗濯物の乾燥時に発生するリントが循環風路を構成している除湿板12や乾燥フィルタ13へ付着し、乾燥性能が低下することがある。そのため、本発明では、洗濯物の乾燥時に発生するリントが循環風路を構成している除湿板12や乾燥フィルタ13へ付着する前に、そのリントを捕集する突起20を、風路11の内側へ突出するように、少なくとも1つ、好ましくは複数設けている。
なお、図1の風路は、内部に除湿板12を備えた除湿風路となっているが、除湿板12を有さない態様の風路としても良い。
【0015】
これにより、風路11を通る風に含まれたリントが、除湿板12や乾燥フィルタ13に到達する前に、突起20に引っかかって取り除かれるため、除湿板12や乾燥フィルタ13へ付着するリントを低減できる。従って、洗濯乾燥機の乾燥性能低下が防止できる。
また、風路11は水槽と連通しているため、突起20に捕集されたリントは、次回の洗い、すすぎ及び脱水行程で、排水と一緒に取り除かれ機外に排出されることが可能となっている。さらに、風路11の内部に、上部から除湿板12に水が流されることによっても、突起20に捕集されたリントが機外に除去され易い。
【0016】
図2〜図11は、本発明の実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起20の、好ましい設置場所を示す説明図である。図2〜図8は、風路11が水槽2と一体成型されたものであり、図9〜図11は、風路11が配管や蛇腹で水槽2と接続されたものである。
なお、突起20の形状としては、棒状、板状、円柱状、角柱状、円盤状など各種の形状が利用でき、ここではその形状は特に限定されない。
【0017】
突起20の好ましい設置場所は、水槽2下部における風路11の吸気口11A側の曲がり部(図2〜図4)、または該曲がり部の直前(図5)若しくは直後(図6)の風路11内壁面領域である。これは、風路11の曲がり部では風が風路外径側内壁に沿って流れやすいため、このような場所に突起20を設けることでリントの捕集効率が向上するからである。従って、図7、図8に示すように、風路11の吸気口11A側の曲がり部の外径側内壁面だけを突起20の設置領域としても、リント捕集には有効である。
なお、本明細書中の用語「曲がり部」には、風路11が斜め上方に向う「傾斜部」も含むものとする。
【0018】
また、図9〜図11に示すように、風路11が配管や蛇腹10で水槽2の風路取り付け部2Bと接続されたものである場合にも本発明が適用できる。なお、図9〜図11において、風路11には、水槽2の風路取り付け部2Bも含むものとする。図9、図10は、風路11の吸気口11A側の曲がり部に突起20を設ける例、図11は風路11の吸気口11A近傍の内壁面に突起20を設ける例を示す。
【0019】
図2〜図11において、突起20は風路11と別体のものを風路11に取り付けることも可能であるが、風路11または水槽の吸気口11A部分に一体成型されている方がより好ましい。それは、部品点数が低減でき、製造工程も簡素化できるからである。
【0020】
実施形態2.
図12、図13は本発明の実施形態2に係る洗濯乾燥機に設けられる突起20の突出方向を示す説明図である。風路11が型抜きにより形成されるものである場合、風路11の内周面に一体に成型される突起20は、型抜き方向に突出させて型抜きが容易に行われるようにするのが好ましい。例えば、図12、図13において、成形型18の型抜きは垂直方向と水平方向とで行われる。このため、図12の場合は、垂直方向の型抜きに合わせて突起20を垂直方向に突出させ、図13の場合は、水平方向の型抜きに合わせて突起20を水平方向に突出させたものである。これにより、風路11の内周面に突起20を容易に形成できる。
【0021】
実施形態3.
ここでは、突起20の形状について説明する。図14、図15、図16は本発明の実施形態3に係る洗濯乾燥機に設けられる突起20の形状を、風路11を流れる風の送風方向とともに示した斜視図である。
図14に示した突起20の形状は、送風方向(矢印方向)に対向する先端が尖っていて、送風方向の上流から下流に向かって広がるテーパ形状を有したものである(この突起20は符号20aで表す)。この形状としては、図14に示されているような、三角柱、平面が菱形の四角柱、三角錐、四角柱、平面が扇形の柱体などである。この形状は角部にリントが引っかかりやすいという利点を有する。
また、図15に示した突起20の形状は、送風方向に対向する面を有し、該対向面が送風方向に沿って凹んでいる凹部(ポケット部)を有したものである(この突起20は符号20bで表す)。この形状としては、図15に示されているような、V字形、W字形、半円柱形などである。この形状は凹部にリントを捕集しやすいという利点を有する。
なお、突起20の形状は、図16に示すような、円錐または円錐台形状、円筒または円柱形状、あるいは半円板形状などとしてもよい。
【0022】
実施形態4.
突起20は1個だけ設けても有る程度のリント捕集効果は得られるが、複数設けた方が捕集効率がより向上する。そこで、ここでは、突起20を複数設ける場合の配置態様について、図17〜図20を用いて説明する。
図17では、突起20が、風路11の幅方向と送風方向(矢印方向)に沿ってそれぞれ複数設けられており、さらに、送風方向に沿って隣り合う突起20が、千鳥状に配置されている態様を示している。
図18では、突起20が、風路11の幅方向と送風方向(矢印方向)に沿ってそれぞれ複数設けられており、さらに、送風方向に沿って順次狭くなっている態様を示している。 複数の突起を以上の態様に配置することにより、上流側の突起20で大きなリントが捕集され、下流側の突起20で小さなリントが捕集されるため、リントの捕集もれを少なくできる。また、図18の場合には、風路11の上部から下部に冷却水が流れ易くなるため、捕集したリントに起因する冷却水路の目詰まり防止にも有効である。
なお、図17、図18では、突起20は板状となっているが、それに限定されることなく、図14〜図16で説明したような各種形状の突起が利用できる。
【0023】
図19は、突起20として、送風方向(矢印方向)に対向する先端が尖っていて、送風方向の上流から下流に向かって広がるテーパ形状を有した複数の突起20aと、送風方向に対向する面を有し、該対向面が送風方向に沿って凹んでいる複数の突起20bと備え、テーパ形状を有した突起20aと、ポケット部を有した突起20bとが、千鳥状に配置されている態様を示している。特に好ましくは、図19のように、送風方向に沿って、テーパ形状を有した突起20a、ポケット部を有した突起20bの順で配置されている態様である。これによれば、突起20aの角部と、突起20bの凹部との組合せにより、送風される風中のリントの捕集もれをより少なくできる。
【0024】
図20は、突起20が、風路11の幅方向と送風方向(矢印方向)に沿って複数設けられており、送風方向に沿って隣り合う突起20の先端が、送風方向に沿って順次高くなるように配置されている態様を示している。送風方向に沿って隣り合う突起20の先端を、送風方向に沿って順次高くする方法としては、例えば以下のような方法がある。
図20(a)は、突起20そのものの高さを変えることによって、図20(b)は、突起20が設けられる風路11の内壁面に段差を設けることによって、図20(c)は、突起20が設けられる風路11の内壁面の傾斜を利用して、図20(d)は、突起20が設けられる風路の内壁面の曲がり部を利用して、それぞれ、突起20の先端を、送風方向に沿って順次高くしている。
さらに、図17と図20を組み合わせた図21のような突起の配置としても良い。たとえば、図21(a)の平面図に示すように、複数の突起20e,20fを、風路11の幅方向と送風方向(矢印方向)に沿ってそれぞれ複数設け、送風方向に沿って隣り合う突起を、千鳥状に配置する。そして、図21(a)のX−X断面図である図21(b)からわかるように、送風方向(矢印方向)に沿って同列の突起は、その先端が送風方向に沿って順次高くなるように配置し、風路11の幅方向では、高い突起と低い突起を交互に配置しする等の態様である。
突起20,20e,20fの配置をこれらのようにすることで、送風される風中のリントが対応する突起20に捕捉され易くなり、捕集もれをより少なくできる。
【0025】
実施形態5.
ここでは、さらに別の形態の突起20の設置態様について説明する。図22は、ノコギリ歯状に形成した複数の突起20cを、その突起列が風の送風方向と略直交する態様で、風路11の吸気口11Aに設けた例を、図23は、ノコギリ歯状に形成した複数の突起20cを、その突起列が風の送風方向と略直交する態様で、風路11の吸気口11A側の曲がり部内径側内周面に設けた例を示している。また、図24は、櫛歯状に形成した複数の突起20dを、その突起列が風の送風方向と略直交する態様で、風路11の吸気口11Aに対向配置した例を、図25は、櫛歯状に形成した複数の突起20dを、その突起列が風の送風方向と略直交する態様で、風路11の吸気口11A側の曲がり部に対向配置した例を示す。これらのノコギリ歯状突起20cと櫛歯状突起20dは適宜交換して良い。
なお、ノコギリ歯状突起20cや櫛歯状突起20d櫛歯を、風路11の吸気口11Aの下側部や外径側内壁面にのみ設けても良い。また、風路11が略円筒の場合は、それらの突起を対向配置するだけに限らず、円筒の内周に沿って、部分的にあるいは環状に設けても良い。
このようにすることで、送風される風中のリントがノコギリ歯状の突起20cや櫛歯状の突起dに捕捉され易くなり、しかも捕捉されたリントが次回の洗濯時、排水とともに機外に排出され易くなる。
【0026】
実施形態6.
ここでは、風路11の吸気口11Aと、風路11の吸気口11A側の内壁面との両方に突起を備えた態様について説明する。図26はそのような構成の例を示した風路11の吸気口11A部分の正面図である。
図26(a)は、風路11の吸気口11Aに、櫛歯状に形成した突起20dをその突起列が送風方向と略直交する態様に設けるとともに、風路11の曲がり部の外径側内壁面に円盤状の突起20を設けたものである。
また、図26(b)は、風路11の吸気口11Aに、櫛歯状に形成した突起20dをその突起列が送風方向と略直交する態様に対向配置するとともに、風路11の曲がり部の外径側内壁面に円盤状の突起20を設けたものである。
さらに、図26(c)は、風路11の吸気口11Aに、櫛歯状に形成した突起20dをその突起列が送風方向と略直交する態様に設けるとともに、風路11の曲がり部の外径側内壁面に、先端が尖ったテーパ状突起20aと、ポケット部を有した突起20bとを設けたものである。
なお、櫛歯状の突起20dに代えてノコギリ歯状の突起20cを利用してもよい。また、風路11の吸気口11A側の内壁面に形成される突起20は、図示の形状に限定されるものではなく、これまで説明してきた種々の形状のものが利用できる。
このような構成とすることで、風路11を流れる風中のリントを、吸気口11Aと風路11の内壁面との両方で捕集できるため、除湿板12や乾燥フィルタ13へ付着するリントが低減して、洗濯乾燥機の乾燥効率低下が防止される。
【0027】
上記実施形態では、水槽2が傾斜可能に設けられている洗濯乾燥機を例に説明したが、本発明は水槽2が固定のものにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態1に係る洗濯乾燥機の構成図。
【図2】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図3】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図4】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図5】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図6】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図7】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図8】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図9】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図10】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図11】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図12】実施形態2に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の突出方向を示す説明図。
【図13】実施形態2に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の突出方向を示す説明図。
【図14】実施形態3に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の形状を示す斜視図。
【図15】実施形態3に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の形状を示す斜視図。
【図16】実施形態3に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の形状を示す斜視図。
【図17】実施形態4に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の配置態様を示す説明図。
【図18】実施形態4に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の配置態様を示す説明図。
【図19】実施形態4に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の配置態様を示す説明図。
【図20】実施形態4に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の配置態様を示す説明図。
【図21】実施形態4に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の配置態様を示す説明図。
【図22】実施形態5に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置態様を示す説明図。
【図23】実施形態5に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置態様を示す説明図。
【図24】実施形態5に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置態様を示す説明図。
【図25】実施形態5に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置態様を示す説明図。
【図26】実施形態6に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置態様を示す説明図。
【符号の説明】
【0029】
1 洗濯乾燥機、2 水槽(外槽)、2A 吊り棒支持部、2B 風路取り付け部、3 洗濯脱水槽、4 吊り棒、4A 吊り棒可動部、6 防振部材、7 モータ、8 回転軸、9 パルセータ、10 蛇腹、11 風路、11A 風路の吸気口、11B 吸気口下部、12 除湿板、13 乾燥フィルタ、14 ファン、15 ヒータ、16 空気取入口、20,20a,20b 突起、20c ノコギリ歯状の突起、20d 櫛歯状の突起、20e,20f 突起。
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯乾燥機に係り、特に洗濯脱水槽から出た空気を取り込んで流す風路を備えた洗濯乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗濯、すすぎ、洗い、脱水および乾燥行程を備えた洗濯乾燥機として、回転軸を略水平方向に有し水槽内に回転自在に配設した回転ドラムをモータにより駆動し、水槽内に洗濯用給水弁により給水し、水槽内に送風機により送風するとともにヒータを送風機と連通し、送風機と水槽に連通した熱交換器により回転ドラム内の洗濯物から蒸発した水分を冷却水によって除湿するものが知られている。そこでは、熱交換器の風路の径方向中間部に、スリット状の仕切り板で構成した異物捕集用のリブを設けることが開示されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−121352号公報(請求項3、図1など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献のように、風路の径方向中間部に仕切り板のような部材を配置すると、風が通過できる空間が大きく狭まってしまうという問題がある。また、風路の径方向中間部にリブを設けるとすると、リブを別部品として用意し、それを風路内に挿入する必要があり、洗濯乾燥機の部品点数の増加や製造工程が複雑となる等の問題もあった。
【0005】
本発明は上記課題に対応したものであり、風が通過できる風路空間をできるだけ広く維持でき、しかも効率良くリントの捕集ができる構成を有した洗濯乾燥機を得ることを目的とする。また、洗濯機の部品点数の増加や製造工程の負担も抑制できるリントの捕集構造を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の洗濯乾燥機は、洗濯脱水槽を内装した水槽と、前記水槽の内部と連通し前記洗濯脱水槽から出た風を取り込んで流す風路とを備えた洗濯乾燥機において、前記風路の吸気口または前記風路の内壁面の少なくとも一方に、前記風路の内側へ突出する少なくとも1つの突起を設けたものである。
なお、前記突起は、前記風路の吸気口側の曲がり部、または該曲がり部の直前若しくは直後の風路内壁面に前記風路と一体成型されているのが好ましい。
また、前記突起は、前記風路の吸気口側の曲がり部の外径側内壁面に前記風路と一体成型されていても良い。
【発明の効果】
【0007】
上記のような構成を有する本発明の洗濯乾燥機によれば、風が通過できる風路空間をできるだけ広く維持したまま、風路を流れる風に含まれるリントを突起により効率良く捕集でき、除湿器や乾燥フィルタへのリントの付着を低減できる。しかも、風路が水槽と連通しているため、突起に捕集されたリントは、次回の洗い、すすぎ及び脱水行程で、排水と一緒に機外に排出され易い。加えて、このリント捕集構造によれば、洗濯乾燥機の部品点数の増加や製造工程の負担の抑制も可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施形態1.
図1は本発明の実施形態1に係る洗濯乾燥機の構成図である。この洗濯乾燥機1は、図示していない筐体(外箱)の内部に、洗濯脱水槽3を内装した水槽(外槽)2と、水槽2の内部と連通し洗濯脱水槽3から出た風を取り込んで、再び洗濯脱水槽3に戻す風路11を備えている。なお、本発明に係る洗濯乾燥機において、風路11は、必ずしも図1のような循環風路でなくてもよく、例えば、洗濯脱水槽3から出た風を取り込んで、洗濯乾燥機の内部または外部に流す態様のものであってもよい。
【0009】
水槽2は、その吊り棒支持部2Aを介して複数の吊り棒4で支持され、吊り棒可動部4Aによる吊り棒4の上げ下げにより、傾斜可能に構成されている。水槽2と吊り棒4の連結部には、防振部材6が配置されていて、水槽2に加わる振動の影響を抑制している。
洗濯脱水槽3は、その上部周囲に流体バランサ(図示せず)が配置され、底部に洗濯時や乾燥時に左右に回転(反転)するパルセータ9が取り付けられている。
水槽2の下側にはモータ7が取り付けられており、このモータ7の動力が回転軸8を介して洗濯脱水槽3やパルセータ9に伝達され、それらの回転に利用される。
【0010】
風路11は、乾燥フィルタ13、ファン14、およびヒータ15とともに、洗濯脱水槽3に出入りする風の流路となる循環風路の一部を構成している。また、この例では、風路11を除湿風路としており、風路11の内部には、上部から水を流すことで水冷式除湿用熱交換器として作用する除湿板12が配置されている。
なお、この例で、風路11は水槽2と一体成型により形成しているが、風路11を水槽2と別体に構成し、配管や蛇腹を利用して水槽2に連通させる構成としても良い。
【0011】
風路11が水槽2と一体成型されている場合には、風路11の吸気口下部11Bは、水槽2の輸送時や保管時に重ね置き(スタッキング)ができるように、水槽2の高さ方向の途中に形成されている。これに対応して、除湿板12は、その下端が風路11の吸気口11Aよりも高い位置に来るように配置されている。これは、洗濯時などにおいて、水流により除湿板12が揺らされ、その圧力による破損を防止するためである。これらの結果として、風路11の吸気口11Aは、洗濯脱水槽3の脱水槽側板の下端よりも上方に対応した位置に配置された状態となっている。
【0012】
次に上記洗濯乾燥機1の作用を説明する。洗濯乾燥機1は、洗い、すすぎ、脱水および乾燥を行うことが可能となっているものであり、水槽2は行程に応じてその傾斜状態を決定できる。例えば、洗いやすすぎ行程では、洗濯物の量に応じて直立または傾斜に設定する。脱水行程ではその性質上、水槽2は直立状態とするのが好ましい。一方、乾燥行程は、洗濯物の攪拌を促進させて乾燥効率を上げるために水槽2を傾斜させるのが好ましい。
【0013】
洗い、すすぎ、および脱水行程は、従来からある行程であり、従来と同様の作用により行われる。従って、ここでは乾燥行程の作用を説明する。
乾燥行程では、パルセータ9が反転駆動されて洗濯脱水槽3内の洗濯物が攪拌される。同時に乾燥行程では、送風ファン14の作用によって、洗濯物から放出された水分を含んだ風(空気)が洗濯脱水槽3の底部または側板の開口から水槽2内へ排出され、吸気口11Aから風路11内に取り込まれる。風路11内に取り込まれた風は、そこで除湿された後、乾燥フィルタ13でフィルタリングされ、ヒータ15で加熱された後、空気取入口16から洗濯脱水槽3内に導入される。これらの作用により、時間の経過に従って洗濯物が乾燥される。
【0014】
上記の乾燥行程では、洗濯物の乾燥時に発生するリントが循環風路を構成している除湿板12や乾燥フィルタ13へ付着し、乾燥性能が低下することがある。そのため、本発明では、洗濯物の乾燥時に発生するリントが循環風路を構成している除湿板12や乾燥フィルタ13へ付着する前に、そのリントを捕集する突起20を、風路11の内側へ突出するように、少なくとも1つ、好ましくは複数設けている。
なお、図1の風路は、内部に除湿板12を備えた除湿風路となっているが、除湿板12を有さない態様の風路としても良い。
【0015】
これにより、風路11を通る風に含まれたリントが、除湿板12や乾燥フィルタ13に到達する前に、突起20に引っかかって取り除かれるため、除湿板12や乾燥フィルタ13へ付着するリントを低減できる。従って、洗濯乾燥機の乾燥性能低下が防止できる。
また、風路11は水槽と連通しているため、突起20に捕集されたリントは、次回の洗い、すすぎ及び脱水行程で、排水と一緒に取り除かれ機外に排出されることが可能となっている。さらに、風路11の内部に、上部から除湿板12に水が流されることによっても、突起20に捕集されたリントが機外に除去され易い。
【0016】
図2〜図11は、本発明の実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起20の、好ましい設置場所を示す説明図である。図2〜図8は、風路11が水槽2と一体成型されたものであり、図9〜図11は、風路11が配管や蛇腹で水槽2と接続されたものである。
なお、突起20の形状としては、棒状、板状、円柱状、角柱状、円盤状など各種の形状が利用でき、ここではその形状は特に限定されない。
【0017】
突起20の好ましい設置場所は、水槽2下部における風路11の吸気口11A側の曲がり部(図2〜図4)、または該曲がり部の直前(図5)若しくは直後(図6)の風路11内壁面領域である。これは、風路11の曲がり部では風が風路外径側内壁に沿って流れやすいため、このような場所に突起20を設けることでリントの捕集効率が向上するからである。従って、図7、図8に示すように、風路11の吸気口11A側の曲がり部の外径側内壁面だけを突起20の設置領域としても、リント捕集には有効である。
なお、本明細書中の用語「曲がり部」には、風路11が斜め上方に向う「傾斜部」も含むものとする。
【0018】
また、図9〜図11に示すように、風路11が配管や蛇腹10で水槽2の風路取り付け部2Bと接続されたものである場合にも本発明が適用できる。なお、図9〜図11において、風路11には、水槽2の風路取り付け部2Bも含むものとする。図9、図10は、風路11の吸気口11A側の曲がり部に突起20を設ける例、図11は風路11の吸気口11A近傍の内壁面に突起20を設ける例を示す。
【0019】
図2〜図11において、突起20は風路11と別体のものを風路11に取り付けることも可能であるが、風路11または水槽の吸気口11A部分に一体成型されている方がより好ましい。それは、部品点数が低減でき、製造工程も簡素化できるからである。
【0020】
実施形態2.
図12、図13は本発明の実施形態2に係る洗濯乾燥機に設けられる突起20の突出方向を示す説明図である。風路11が型抜きにより形成されるものである場合、風路11の内周面に一体に成型される突起20は、型抜き方向に突出させて型抜きが容易に行われるようにするのが好ましい。例えば、図12、図13において、成形型18の型抜きは垂直方向と水平方向とで行われる。このため、図12の場合は、垂直方向の型抜きに合わせて突起20を垂直方向に突出させ、図13の場合は、水平方向の型抜きに合わせて突起20を水平方向に突出させたものである。これにより、風路11の内周面に突起20を容易に形成できる。
【0021】
実施形態3.
ここでは、突起20の形状について説明する。図14、図15、図16は本発明の実施形態3に係る洗濯乾燥機に設けられる突起20の形状を、風路11を流れる風の送風方向とともに示した斜視図である。
図14に示した突起20の形状は、送風方向(矢印方向)に対向する先端が尖っていて、送風方向の上流から下流に向かって広がるテーパ形状を有したものである(この突起20は符号20aで表す)。この形状としては、図14に示されているような、三角柱、平面が菱形の四角柱、三角錐、四角柱、平面が扇形の柱体などである。この形状は角部にリントが引っかかりやすいという利点を有する。
また、図15に示した突起20の形状は、送風方向に対向する面を有し、該対向面が送風方向に沿って凹んでいる凹部(ポケット部)を有したものである(この突起20は符号20bで表す)。この形状としては、図15に示されているような、V字形、W字形、半円柱形などである。この形状は凹部にリントを捕集しやすいという利点を有する。
なお、突起20の形状は、図16に示すような、円錐または円錐台形状、円筒または円柱形状、あるいは半円板形状などとしてもよい。
【0022】
実施形態4.
突起20は1個だけ設けても有る程度のリント捕集効果は得られるが、複数設けた方が捕集効率がより向上する。そこで、ここでは、突起20を複数設ける場合の配置態様について、図17〜図20を用いて説明する。
図17では、突起20が、風路11の幅方向と送風方向(矢印方向)に沿ってそれぞれ複数設けられており、さらに、送風方向に沿って隣り合う突起20が、千鳥状に配置されている態様を示している。
図18では、突起20が、風路11の幅方向と送風方向(矢印方向)に沿ってそれぞれ複数設けられており、さらに、送風方向に沿って順次狭くなっている態様を示している。 複数の突起を以上の態様に配置することにより、上流側の突起20で大きなリントが捕集され、下流側の突起20で小さなリントが捕集されるため、リントの捕集もれを少なくできる。また、図18の場合には、風路11の上部から下部に冷却水が流れ易くなるため、捕集したリントに起因する冷却水路の目詰まり防止にも有効である。
なお、図17、図18では、突起20は板状となっているが、それに限定されることなく、図14〜図16で説明したような各種形状の突起が利用できる。
【0023】
図19は、突起20として、送風方向(矢印方向)に対向する先端が尖っていて、送風方向の上流から下流に向かって広がるテーパ形状を有した複数の突起20aと、送風方向に対向する面を有し、該対向面が送風方向に沿って凹んでいる複数の突起20bと備え、テーパ形状を有した突起20aと、ポケット部を有した突起20bとが、千鳥状に配置されている態様を示している。特に好ましくは、図19のように、送風方向に沿って、テーパ形状を有した突起20a、ポケット部を有した突起20bの順で配置されている態様である。これによれば、突起20aの角部と、突起20bの凹部との組合せにより、送風される風中のリントの捕集もれをより少なくできる。
【0024】
図20は、突起20が、風路11の幅方向と送風方向(矢印方向)に沿って複数設けられており、送風方向に沿って隣り合う突起20の先端が、送風方向に沿って順次高くなるように配置されている態様を示している。送風方向に沿って隣り合う突起20の先端を、送風方向に沿って順次高くする方法としては、例えば以下のような方法がある。
図20(a)は、突起20そのものの高さを変えることによって、図20(b)は、突起20が設けられる風路11の内壁面に段差を設けることによって、図20(c)は、突起20が設けられる風路11の内壁面の傾斜を利用して、図20(d)は、突起20が設けられる風路の内壁面の曲がり部を利用して、それぞれ、突起20の先端を、送風方向に沿って順次高くしている。
さらに、図17と図20を組み合わせた図21のような突起の配置としても良い。たとえば、図21(a)の平面図に示すように、複数の突起20e,20fを、風路11の幅方向と送風方向(矢印方向)に沿ってそれぞれ複数設け、送風方向に沿って隣り合う突起を、千鳥状に配置する。そして、図21(a)のX−X断面図である図21(b)からわかるように、送風方向(矢印方向)に沿って同列の突起は、その先端が送風方向に沿って順次高くなるように配置し、風路11の幅方向では、高い突起と低い突起を交互に配置しする等の態様である。
突起20,20e,20fの配置をこれらのようにすることで、送風される風中のリントが対応する突起20に捕捉され易くなり、捕集もれをより少なくできる。
【0025】
実施形態5.
ここでは、さらに別の形態の突起20の設置態様について説明する。図22は、ノコギリ歯状に形成した複数の突起20cを、その突起列が風の送風方向と略直交する態様で、風路11の吸気口11Aに設けた例を、図23は、ノコギリ歯状に形成した複数の突起20cを、その突起列が風の送風方向と略直交する態様で、風路11の吸気口11A側の曲がり部内径側内周面に設けた例を示している。また、図24は、櫛歯状に形成した複数の突起20dを、その突起列が風の送風方向と略直交する態様で、風路11の吸気口11Aに対向配置した例を、図25は、櫛歯状に形成した複数の突起20dを、その突起列が風の送風方向と略直交する態様で、風路11の吸気口11A側の曲がり部に対向配置した例を示す。これらのノコギリ歯状突起20cと櫛歯状突起20dは適宜交換して良い。
なお、ノコギリ歯状突起20cや櫛歯状突起20d櫛歯を、風路11の吸気口11Aの下側部や外径側内壁面にのみ設けても良い。また、風路11が略円筒の場合は、それらの突起を対向配置するだけに限らず、円筒の内周に沿って、部分的にあるいは環状に設けても良い。
このようにすることで、送風される風中のリントがノコギリ歯状の突起20cや櫛歯状の突起dに捕捉され易くなり、しかも捕捉されたリントが次回の洗濯時、排水とともに機外に排出され易くなる。
【0026】
実施形態6.
ここでは、風路11の吸気口11Aと、風路11の吸気口11A側の内壁面との両方に突起を備えた態様について説明する。図26はそのような構成の例を示した風路11の吸気口11A部分の正面図である。
図26(a)は、風路11の吸気口11Aに、櫛歯状に形成した突起20dをその突起列が送風方向と略直交する態様に設けるとともに、風路11の曲がり部の外径側内壁面に円盤状の突起20を設けたものである。
また、図26(b)は、風路11の吸気口11Aに、櫛歯状に形成した突起20dをその突起列が送風方向と略直交する態様に対向配置するとともに、風路11の曲がり部の外径側内壁面に円盤状の突起20を設けたものである。
さらに、図26(c)は、風路11の吸気口11Aに、櫛歯状に形成した突起20dをその突起列が送風方向と略直交する態様に設けるとともに、風路11の曲がり部の外径側内壁面に、先端が尖ったテーパ状突起20aと、ポケット部を有した突起20bとを設けたものである。
なお、櫛歯状の突起20dに代えてノコギリ歯状の突起20cを利用してもよい。また、風路11の吸気口11A側の内壁面に形成される突起20は、図示の形状に限定されるものではなく、これまで説明してきた種々の形状のものが利用できる。
このような構成とすることで、風路11を流れる風中のリントを、吸気口11Aと風路11の内壁面との両方で捕集できるため、除湿板12や乾燥フィルタ13へ付着するリントが低減して、洗濯乾燥機の乾燥効率低下が防止される。
【0027】
上記実施形態では、水槽2が傾斜可能に設けられている洗濯乾燥機を例に説明したが、本発明は水槽2が固定のものにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態1に係る洗濯乾燥機の構成図。
【図2】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図3】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図4】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図5】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図6】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図7】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図8】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図9】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図10】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図11】実施形態1に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置場所を示す説明図。
【図12】実施形態2に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の突出方向を示す説明図。
【図13】実施形態2に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の突出方向を示す説明図。
【図14】実施形態3に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の形状を示す斜視図。
【図15】実施形態3に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の形状を示す斜視図。
【図16】実施形態3に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の形状を示す斜視図。
【図17】実施形態4に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の配置態様を示す説明図。
【図18】実施形態4に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の配置態様を示す説明図。
【図19】実施形態4に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の配置態様を示す説明図。
【図20】実施形態4に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の配置態様を示す説明図。
【図21】実施形態4に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の配置態様を示す説明図。
【図22】実施形態5に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置態様を示す説明図。
【図23】実施形態5に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置態様を示す説明図。
【図24】実施形態5に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置態様を示す説明図。
【図25】実施形態5に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置態様を示す説明図。
【図26】実施形態6に係る洗濯乾燥機に設けられる突起の設置態様を示す説明図。
【符号の説明】
【0029】
1 洗濯乾燥機、2 水槽(外槽)、2A 吊り棒支持部、2B 風路取り付け部、3 洗濯脱水槽、4 吊り棒、4A 吊り棒可動部、6 防振部材、7 モータ、8 回転軸、9 パルセータ、10 蛇腹、11 風路、11A 風路の吸気口、11B 吸気口下部、12 除湿板、13 乾燥フィルタ、14 ファン、15 ヒータ、16 空気取入口、20,20a,20b 突起、20c ノコギリ歯状の突起、20d 櫛歯状の突起、20e,20f 突起。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯脱水槽を内装した水槽と、前記水槽の内部と連通し前記洗濯脱水槽から出た風を取り込んで流す風路とを備えた洗濯乾燥機において、
前記風路の吸気口または前記風路の内壁面の少なくとも一方に、前記風路の内側へ突出する少なくとも1つの突起を設けたことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
前記風路は、前記水槽と一体成型されていることを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
前記風路は、前記洗濯脱水槽から出た風を除湿する除湿風路となっていることを特徴とする請求項1または2記載の洗濯乾燥機。
【請求項4】
前記突起は、前記風路の吸気口側の曲がり部、または該曲がり部の直前若しくは直後の風路内壁面に前記風路と一体成型されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項5】
前記突起は、前記風路の吸気口側の曲がり部の外径側内壁面に前記風路と一体成型されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項6】
前記風路が型抜きにより形成されるものにおいて、前記突起は、型抜き方向に突出していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項7】
前記突起は、送風方向に対向する先端が尖っていて、送風方向の上流から下流に向かって広がるテーパ形状を有したものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項8】
前記突起は、送風方向に対向する面を有し、該対向面が送風方向に沿って凹んでいることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項9】
前記突起は、前記風路の幅方向と送風方向に沿って複数設けられており、送風方向に沿って隣り合う前記突起が、千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項10】
前記突起は、前記風路の幅方向と送風方向に沿って複数設けられており、前記風路の幅方向に沿う前記突起の間隔が、送風方向に沿って順次狭くなっていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項11】
前記突起として、送風方向に対向する先端が尖っていて、送風方向の上流から下流に向かって広がるテーパ形状を有した複数の突起と、送風方向に対向する面を有し、該対向面が送風方向に沿って凹んでいる複数の突起とを備え、
テーパ形状を有した前記突起と、凹面を有した前記突起とが、千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項12】
送風方向に沿って、テーパ形状を有した前記突起、凹面を有した前記突起の順で配置されていることを特徴とする請求項11記載の洗濯乾燥機。
【請求項13】
前記突起は、送風方向に沿って複数設けられており、送風方向に沿って隣り合う前記突起の先端が、送風方向に沿って順次高くなっていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項14】
前記突起は、ノコギリ歯状または櫛歯状に複数形成されており、その突起列が風の送風方向と略直交する態様に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項15】
前記突起は、ノコギリ歯状または櫛歯状に複数形成されており、その突起列が風の送風方向と略直交する態様で、前記風路の吸気口に配置されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項1】
洗濯脱水槽を内装した水槽と、前記水槽の内部と連通し前記洗濯脱水槽から出た風を取り込んで流す風路とを備えた洗濯乾燥機において、
前記風路の吸気口または前記風路の内壁面の少なくとも一方に、前記風路の内側へ突出する少なくとも1つの突起を設けたことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
前記風路は、前記水槽と一体成型されていることを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
前記風路は、前記洗濯脱水槽から出た風を除湿する除湿風路となっていることを特徴とする請求項1または2記載の洗濯乾燥機。
【請求項4】
前記突起は、前記風路の吸気口側の曲がり部、または該曲がり部の直前若しくは直後の風路内壁面に前記風路と一体成型されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項5】
前記突起は、前記風路の吸気口側の曲がり部の外径側内壁面に前記風路と一体成型されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項6】
前記風路が型抜きにより形成されるものにおいて、前記突起は、型抜き方向に突出していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項7】
前記突起は、送風方向に対向する先端が尖っていて、送風方向の上流から下流に向かって広がるテーパ形状を有したものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項8】
前記突起は、送風方向に対向する面を有し、該対向面が送風方向に沿って凹んでいることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項9】
前記突起は、前記風路の幅方向と送風方向に沿って複数設けられており、送風方向に沿って隣り合う前記突起が、千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項10】
前記突起は、前記風路の幅方向と送風方向に沿って複数設けられており、前記風路の幅方向に沿う前記突起の間隔が、送風方向に沿って順次狭くなっていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項11】
前記突起として、送風方向に対向する先端が尖っていて、送風方向の上流から下流に向かって広がるテーパ形状を有した複数の突起と、送風方向に対向する面を有し、該対向面が送風方向に沿って凹んでいる複数の突起とを備え、
テーパ形状を有した前記突起と、凹面を有した前記突起とが、千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項12】
送風方向に沿って、テーパ形状を有した前記突起、凹面を有した前記突起の順で配置されていることを特徴とする請求項11記載の洗濯乾燥機。
【請求項13】
前記突起は、送風方向に沿って複数設けられており、送風方向に沿って隣り合う前記突起の先端が、送風方向に沿って順次高くなっていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項14】
前記突起は、ノコギリ歯状または櫛歯状に複数形成されており、その突起列が風の送風方向と略直交する態様に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項15】
前記突起は、ノコギリ歯状または櫛歯状に複数形成されており、その突起列が風の送風方向と略直交する態様で、前記風路の吸気口に配置されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2008−194373(P2008−194373A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−35033(P2007−35033)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】
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