説明

洗濯乾燥機

【課題】槽内だけでなく、設置場所の除菌、消臭もできる洗濯乾燥機を提供すること。
【解決手段】水槽44および循環風路72内に空気を送風する送風部64と、循環風路72内に帯電微粒子水を供給する静電霧化発生ユニット81と、筺体43上面部に配設され、水槽44の下流かつ送風部64の上流で循環風路72と連通し、かつ外方に開放可能な開閉自在の蓋80と、蓋80の開閉を検知する蓋開閉検知手段83とを備え、入力設定手段77によりナノイーコースが選択されると、蓋開閉検知手段83により蓋80の開閉を検知して、静電霧化発生ユニット81、送風部64等を駆動させて、第1のナノイーコースあるいは第2のナノイーコースを運転することにより、洗濯乾燥機内部の除菌、消臭だけでなく、洗濯乾燥機設置場所内の除菌・消臭を、簡単にかつ安価に行なうことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯槽、外槽および室内に帯電微粒子水を供給することによって、洗濯槽、外槽および室内の除菌、消臭およびカビ発生抑制を行なう洗濯乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の洗濯乾燥機は衣類や槽に付着した雑菌や、槽内に循環する空気中の雑菌を殺菌するために、静電霧化により帯電微粒子水を生成して槽内に放出する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5は、特許文献1に記載された洗濯機の概略断面図である。
【0004】
図5に示すように洗濯機104の外郭を構成する洗濯機本体109内に洗濯槽110が内装され、洗濯槽110は内部に回転ドラム103を配置した水槽102により構成している。回転ドラム103は多数の小孔を構成し、モータ111により回動する。水槽102には給水部112、排水部101が接続してある。洗濯槽110には開口113が設けてあり、該開口113に開閉自在に扉114を設ける。
【0005】
洗濯機本体109内で、且つ洗濯槽110の外部に(つまり水槽102の外部に)静電霧化装置105が設けられ、この静電霧化装置105は、ケース124内に入れられ、該ケース124にはファン126が設けてある。ケース124には、給気路115を構成する給気ホースの一端が連通接続してあり、該給気ホースの他端が洗濯機本体109に開口して外部と連通する。また、ケース124には放出経路108を構成する放出ホースの一端が連通接続してあり、該放出ホースの他端には、放出部106が水槽102に設けてあり、放出部106には開閉自在なシャッタ116が設けてある。また、放出部106は水槽102と回転ドラム103との間の空間107に開口している。
【0006】
静電霧化装置105にて生成されたナノメータサイズの帯電微粒子水は、ファン126の運転により給気路115を通って供給された外部空気により、放出経路108を経て、放出部106からシャッタ116を介して水槽102内に放出される。
【0007】
なお、この特許文献1は図示していないが、水槽102には温風または冷風を噴出する噴出し口を設けて、温風または冷風を水槽102内に噴出して、回転ドラム103内の衣類を乾燥することができるようになっている。
【0008】
ここで、洗濯機104には、洗濯運転モードの他に、回転ドラム裏除菌・消臭運転モードを備えており、回転ドラム裏除菌・消臭運転モードは、洗濯運転をしていない時に運転するもので、回転ドラム裏除菌・消臭運転モードに設定して運転すると、静電霧化装置105、ファン126が運転さる。回転ドラム裏除菌・消臭運転モードにて、帯電微粒子水が水槽102と回転ドラム103との間の空間107に放出されると、帯電微粒子水は水槽102の内面と回転ドラム103の外面に付着し、付着面の除菌をしてこの部分に黒かびが発生するのを防止すると共に、消臭をすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−100875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記従来の構成では、帯電微粒子水の放出は洗濯機の槽内に限られている。一般的に、洗濯機の設置は、洗面所や風呂場などカビの発生しやすい場所が多いために、ユーザーからは設置場所内の除菌、消臭が求められているが、従来の構成では洗濯機外の除菌・消臭は行なえず、要求に応えることができないという課題があった。
【0011】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、安価に、洗濯機の槽内とともに、洗濯機設置場所内の除菌・消臭も行なうことができる洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯乾燥機は、洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転自在に内包する水槽と、前記水槽を揺動自在に弾性支持する筐体と、前記水槽に設けられた排出口および吹出口と、前記排出口から前記吹出口へと連通する循環風路と、前記水槽および循環風路内に空気を送風する送風用ファンモータを有する送風部と、前記循環風路内に帯電微粒子水を供給する静電霧化発生ユニットと、外方に開放可能な開閉自在の蓋と、前記蓋の開閉を検知する蓋開閉検知手段と、入力設定手段と表示手段を有する操作パネル部と、前記送風用ファンモータ、前記静電霧化発生ユニット等を制御して、除菌・脱臭を行なう制御手段とを備え、前記制御手段は、前記入力設定手段により静電霧化発生のコースが選択されると、前記蓋開閉検知手段により前記蓋の開閉を検知し、静電霧化発生のコースを運転する構成としたものである。
【0013】
これによって、洗濯乾燥機内部の除菌、消臭だけでなく、洗濯乾燥機設置場所内の除菌・消臭を、簡単にかつ安価に行なうことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の洗濯乾燥機は、静電霧化発生手段から供給される帯電微粒子水を簡単かつ安価な手段で洗濯機外部に放出することが可能となり、洗濯機の槽内だけでなく、洗濯機設置場所の除菌・消臭も行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態における洗濯乾燥機の縦断面図
【図2】同洗濯乾燥機の上面要部斜視図
【図3】同洗濯乾燥機の槽内の除菌・消臭を行なう第1のナノイーコースのシーケンスを示す図
【図4】同洗濯乾燥機の外の除菌・消臭を行なう第2のナノイーコースのシーケンスを示す図
【図5】従来の洗濯機の縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1の発明は、洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転自在に内包する水槽と、前記水槽を揺動自在に弾性支持する筐体と、前記水槽に設けられた排出口および吹出口と、前記排出口から前記吹出口へと連通する循環風路と、前記水槽および循環風路内に空気を送風する送風用ファンモータを有する送風部と、前記循環風路内に帯電微粒子水を供給する静電霧化発生ユニットと、外方に開放可能な開閉自在の蓋と、前記蓋の開閉を検知する蓋開閉検知手段と、入力設定手段と表示手段を有する操作パネル部と、前記送風用ファンモータ、前記静電霧化発生ユニット等を制御して、除菌・脱臭を行なう制御手段とを備え、前記制御手段は、前記入力設定手段により静電霧化発生のコースが選択されると、前記蓋開閉検知手段により前記蓋の開閉を検知し、静電霧化発生のコースを運転することにより、洗濯乾燥機内部の除菌、消臭だけでなく、洗濯乾燥機設置場所内の除菌・消臭を、簡単にかつ安価に行なうことができる。
【0017】
第2の発明は、特に、第1の発明の制御手段は、蓋の閉状態を検知して運転する第1の静電霧化発生のコースよりも、蓋の開状態を検知して運転する第2の静電霧化発生のコースの運転時間を長く設定することにより、洗濯乾燥機が設置されている洗面所等の広い空間に対して多くの帯電微粒子水を放出するので、十分な除菌・消臭を行なうことができる。
【0018】
第3の発明は、特に第1または第2の発明の制御手段は、第1の静電霧化発生のコースあるいは第2の静電霧化発生のコースの運転内容が、蓋の開閉検知結果と合致しない場合、表示手段にて異常表示を行うことにより、使用者に報知し、早急な改善を促すことができる。
【0019】
以下、発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態における洗濯乾燥機の縦断面図であり、図2は上面要部斜視図である。
【0021】
図1、図2において、回転ドラム41は、有底円筒形に形成され、外周部に多数の通水孔42が全面に設けられ、筺体43内に揺動自在に支持された水槽44内に回転自在に配設されている。
【0022】
回転ドラム41の回転中心に傾斜方向に回転軸(回転中心軸)45が設けられ、回転ドラム41の軸心方向は正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させている。この回転軸45に、大プーリ46、ベルト47、小プーリ48を介して、水槽44の背面側近傍に取り付けたモータ49を連結し、回転ドラム41を正転、逆転方向に回転駆動する。回転ドラム41の傾斜角度は たとえば10度とする。
【0023】
また、回転ドラム41の内壁面には衣類撹拌用の複数個の突起板50を設けており、回転ドラム41を低速で回転させることにより、衣類を突起板で引っ掛けて上方に持ち上げた後、適当な高さで落下させるといった撹拌動作(タンブリング動作)を与えることにより、衣類の撹拌たたき洗い、および乾燥動作などを行なう。
【0024】
上記の、回転ドラム41、水槽44、モータ49等により、振動系の水槽ユニット51が構成されている。
【0025】
水槽44の正面側で筺体43の上向き傾斜面に設けた開口部を、扉体52により開閉自在に覆い、この扉体52を開くことにより、衣類出入口53を通して回転ドラム41内に洗濯物を出し入れできるようにしている。
【0026】
また、水槽ユニット51は、筺体43下方の防振部材54および上方のばね体55により揺動自在に防振支持され、水槽44の下部には排水経路56の一端を接続し、排水経路56の他端を排水弁(排水手段)57に接続して、水槽44内の洗濯水を外部に排水するようにしている。
【0027】
給水弁(給水手段)58は、2個以上の水路が開閉可能な複数弁構成であり、給水経路59を介して水槽44内に水を給水したりするものである。
【0028】
また、筺体43の前面上部には、使用者が運転コースを選択したりする操作パネル部60が配設され、その操作パネル部60の入力設定手段77(図2参照)から入力して行い、入力設定表示装置61がその入力情報を基に操作パネル部60上の表示手段78(図2参照)で表示して使用者に知らせる。なお、自動運転コースは、洗濯工程のみを行う洗濯コース、乾燥のみを行う乾燥コース、洗濯から乾燥まで連続で行う洗濯乾燥コース、および、洗濯機内外の除菌、消臭を行うナノイーコース(静電霧化発生のコース)の4種類から選択して設定することができる。ナノイーコースについては、図3、図4で詳述する。
【0029】
また、筺体43の上面部には、筺体43を覆う天板62が配設されており、その内方に、マイクロコンピュータなどで構成した制御手段(図示せず)を有する制御装置63が配設されている。制御手段は、操作パネル部60での入力設定手段77により運転開始が設定されると、水槽44内の水位を検知する水位検知手段(図示せず)等からのデータを入力して、モータ49、排水弁57、給水弁58などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥行程などの各行程を制御する。
【0030】
衣類を乾燥させるために、水槽44および回転ドラム41内の空気を送風部64によって循環させる構成となっているが、回転ドラム41内の洗濯物から水分を奪って多湿状態となった空気は、水槽44の側面上部に設けられた排出口65を通って、回転ドラム41の外のフィルター部76を介して、ヒートポンプユニット66部へと排出される。なお、このフィルター部76は、回転ドラム41内を通過する空気に混入している糸屑、埃、花粉などの異物を捕集することにより、ヒートポンプユニット66内に異物が進入するのを防止しており、筺体41上部の天板62側に軸支され開閉自在の蓋80(図2参照)を手動で開けて、フィルター部76に溜まった異物を除去することができる。なお、蓋80の開閉状態は、蓋80の近傍に設けた蓋開閉検知手段83(図2参照)にて検知することができる。
【0031】
ヒートポンプユニット66は、冷媒を圧縮する圧縮機67と、圧縮されて高温高圧となった冷媒の熱を放熱する加熱部(放熱器)68と、高圧の冷媒の圧力を減圧するための絞り部69と、減圧されて低圧となった冷媒によって周囲から熱を奪う除湿部(吸熱器)70と、これら4つの部材を連結して冷媒を循環させる管路71とを具備しており、排出された乾燥用空気は除湿部(吸熱器)70で除湿される。除湿部(吸熱器)70で除湿した乾燥用空気は、加熱部(放熱器)68で加熱される。加熱された乾燥用空気は、循環風路72の途中に配設された送風部64から、循環風路72を通過し、循環風路72の端部で、水槽44背面側に開口した吹出口73から、再び回転ドラム41内に吹き出し、衣類の間を通って、再度排出口65に導かれて、循環する。
【0032】
送風部64は、ヒートポンプユニット66の下流に設けられ、加熱部68で加熱された乾燥用空気を循環風路72の下流側へと送り出すが、この送風部64は、送風用ファン74と送風用ファンモータ75とを具備している。
【0033】
また、循環風路72の排出口65の下流側で、フィルター部76の上流側近傍には、静電霧化発生装置(図示せず)と制御回路である静電霧化駆動手段(図示せず)などから成る静電霧化発生ユニット81が設けられている。この静電霧化発生ユニット81は、放出口82にて循環風路72と連通しており、循環風路72に循環風が流れている時に、生成された帯電微粒子水は、放出口82から循環風路72内に吸い込まれ、吸い込まれた帯電微粒子水は、循環風の流れに乗って吹出口73から水槽44、そして、回転ドラム41内に放出され、撹拌されている衣類の繊維の内部に奥深く浸透して、除菌、消臭が行われる。
【0034】
以上のように構成された洗濯乾燥機について、以下、その動作、作用を説明する。
【0035】
除菌、消臭を行なうナノイーコースは、蓋80の開閉により二つのコースに分けられ、図3は、本発明の実施の形態における洗濯乾燥機槽内部の除菌、消臭を行なう第1のナノイーコース(第1の静電霧化発生のコース)のシーケンス、図4は、同洗濯乾燥機外部の除菌、消臭を行なう第2のナノイーコース(第2の静電霧化発生のコース)のシーケンスである。
【0036】
図3において、回転ドラム41内に衣類等が無い状態で、操作パネル部60の入力設定手段77にてナノイーコースが選択され運転が開始されると、まず、蓋80の開閉を検知する蓋開閉検知手段83が蓋80の閉状態を検知した場合、送風用ファンモータ75と静電霧化発生ユニット81を動作させ、静電霧化発生ユニット81から発生した帯電微粒子水を、循環風路72を通じて水槽44、回転ドラム41内に送りながら、槽内の除菌、消臭を開始する。
【0037】
第1のナノイーコースで、洗濯乾燥機内部の除菌、消臭により防カビを行なう工程は、運転開始から5分間は送風用ファン74の回転数を5000rpm、それ以降の回転数は3000rpmとしている。本実施の形態ではヒートポンプユニット66が取り付けられた構成であり、運転開始からの5分間はヒートポンプユニット66を動作させ、水槽44内の湿度を下げるよう制御させている。これは、洗濯乾燥機は、通常、残水や密閉度の高さから水槽44内の湿度が90%以上となっているが、静電霧化発生を安定して行うには湿度85%以下であることが望ましいため、運転開始直後の所定時間はヒートポンプユニット66を動作させ、水槽44内の湿度を低下させるための除湿を行なうためである。
【0038】
ただし、ヒートポンプユニット66動作時は、一気に水槽44内の湿度が低下し、静電霧化発生ユニット81による静電霧化発生が不安定になる恐れがあるため、ヒートポンプユニット66動作時は、静電霧化発生ユニット81を停止するよう制御させる。
【0039】
本実施の形態では洗濯乾燥機内部の除菌、消臭を行なう第1のナノイーコースは、60分間で制御されており、これにより第1のナノイーコースの運転時間は基本的に除湿工程5分、防カビ工程55分となる。つまり、当初5分間は、ヒートポンプユニット66を動作させて、送風用ファン74の回転数を5000rpmで運転し、以降の55分間は、ヒートポンプユニット66を停止させて、送風用ファン74の回転数を3000rpmにし、静電霧化発生ユニット81を動作させる。しかし、第1のナノイーコースの運転時間は、これに限定されるものではなく、より短時間なスピーディーコースやより長時間な念入りコースを設定しても良い。
【0040】
図4において、回転ドラム41内に衣類等が無い状態で、操作パネル部60の入力設定手段77にてナノイーコースが選択され運転が開始されると、蓋80の開閉を検知する蓋開閉検知手段83が蓋80の開状態を検知した場合、送風用ファンモータ75と静電霧化発生ユニット81を動作させ、静電霧化発生ユニット81から発生した帯電微粒子水を、循環風路72を通じて蓋80から洗濯乾燥機外部へ放出させ、洗濯乾燥機が設置されている室内の除菌、消臭を開始する。
【0041】
ただし、第2のナノイーコースで、洗濯乾燥機外部の除菌、消臭により防カビを行なう工程は、図3と同様に、静電霧化発生ユニット81を停止する5分間の除湿工程を設ける。この間の送風用ファン74の回転数は3000rpm、それ以降の回転数は5000rpmとしている。
【0042】
本実施の形態では洗濯乾燥機外部の除菌、消臭を行なう第2のナノイーコースは、600分間で制御されており、これにより第2のナノイーコースの運転時間は基本的に除湿工程5分、防カビ工程595分となる。つまり、当初5分間は、ヒートポンプユニット66を動作させて、送風用ファン74の回転数を3000rpmで運転し、以降の595分間は、ヒートポンプユニット66を停止させて、送風用ファン74の回転数を5000rpmにし、静電霧化発生ユニット81を動作させる。しかし、第2のナノイーコースの運転時間は、これに限定されるものではなく、洗濯乾燥機設置空間の大きさに対応したより短時間な設定やより長時間な設定を行っても良い。
【0043】
また、図3及び図4に示した2つのナノイーコース共に、蓋開閉検知手段83の検知結果と運転条件とが合致しない場合は、例えば、使用者が洗濯乾燥機外部の除菌、消臭を行なうために、蓋80を開け、蓋開閉検知手段83により蓋80が開状態と検知してコース運転が開始したのに、送風用ファン74の回転数、つまり送風用ファンモータ75が5000rpmで回転を始めた場合などは、直ちに操作パネル部60の表示手段78に異常表示を行い、報知をすることで、無駄な運転の実施を防止する制御を行う。
【0044】
以上のように、入力設定手段77によりナノイーコースが選択されると、蓋開閉検知手段83により蓋80の開閉を検知して、静電霧化発生ユニット81、送風部64等を駆動させて、第1のナノイーコースあるいは第2のナノイーコースを運転することにより、洗濯乾燥機内部の除菌、消臭だけでなく、洗濯乾燥機設置場所内の除菌・消臭を、簡単にかつ安価に行なうことができる。
【0045】
また、蓋の閉状態を検知して運転する第1のナノイーコースよりも、蓋80の開状態を検知して運転する第2のナノイーコースの運転時間を長く設定することにより、洗濯乾燥機が設置されている洗面所等の広い空間に対して多くの帯電微粒子水を放出するので、十分な除菌・消臭を行なうことができる。
【0046】
また、第1のナノイーコースあるいは第2のナノイーコースの運転内容が、蓋80の開閉検知結果と合致しない場合、表示手段78にて異常表示を行うことにより、使用者に報知し、早急な改善を促すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上のように、本発明にかかる洗濯乾燥機は、蓋の開閉を検知して制御することにより、機内の槽内、あるいは、機外の設置場所に帯電微粒子水を供給して、除菌、消臭することが可能となるので、他の洗濯機等の家庭用機器の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0048】
41 回転ドラム
43 筺体
44 水槽
60 操作パネル部
64 送風部
65 排出口
66 ヒートポンプユニット
72 循環風路
73 吹出口
75 送風用ファンモータ
77 入力設定手段
78 表示手段
80 蓋
81 静電霧化発生ユニット
83 蓋開閉検知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転自在に内包する水槽と、前記水槽を揺動自在に弾性支持する筐体と、前記水槽に設けられた排出口および吹出口と、前記排出口から前記吹出口へと連通する循環風路と、前記水槽および循環風路内に空気を送風する送風用ファンモータを有する送風部と、前記循環風路内に帯電微粒子水を供給する静電霧化発生ユニットと、外方に開放可能な開閉自在の蓋と、前記蓋の開閉を検知する蓋開閉検知手段と、入力設定手段と表示手段を有する操作パネル部と、前記送風用ファンモータ、前記静電霧化発生ユニット等を制御して、除菌・脱臭を行なう制御手段とを備え、前記制御手段は、前記入力設定手段により静電霧化発生のコースが選択されると、前記蓋開閉検知手段により前記蓋の開閉を検知し、静電霧化発生のコースを運転する洗濯乾燥機。
【請求項2】
制御手段は、蓋の閉状態を検知して運転する第1の静電霧化発生のコースよりも、蓋の開状態を検知して運転する第2の静電霧化発生のコースの運転時間を長く設定する請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
制御手段は、第1の静電霧化発生のコースあるいは第2の静電霧化発生のコースの運転内容が、蓋の開閉検知結果と合致しない場合、表示手段にて異常表示を行う請求項1または請求項2に記載の洗濯乾燥機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−103056(P2013−103056A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250351(P2011−250351)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】