説明

洗濯乾燥機

【課題】リントフィルタの目詰まりを検知し、乾燥性能の低下を防止すること。
【解決手段】脱水工程運転時に回転ドラム1内に乾燥用空気を吹き出す温風脱水動作において、冷媒温度が所定温度以上で、かつ、所定の異常温度以下になった時に、所定温度以下になるよう第2のモータ111の回転数を制御して段階的に低下させるとともに、冷媒温度が、所定の異常温度以上になった時に、異常温度回数が所定回数以上になると、前記リントフィルタ41の目詰まり異常と検知して、操作表示部にリントフィルタ目詰まり異常を表示することにより、リントフィルタが目詰まりしても、乾燥性能の低下を防止するとともに、使用者にリントフィルタの目詰まりを報知して清掃を促すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類の洗濯および乾燥を行う洗濯乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の洗濯乾燥機は、ヒートポンプ装置を用いて、ドラム内の空気を除湿、加熱し、再度ドラム内へ供給することにより衣類の乾燥を行なう構成が提案されてきた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7は、特許文献1に記載された従来の洗濯乾燥機の縦断面図を一部模式化した図である。
【0004】
図7において、筐体51内に揺動自在に支持された外槽52を前上がりに配置し、外槽52内に、ドラム53を回転自在に配置している。ドラム53はモータ54によって回転駆動される。筐体51と外槽52の間の上部空間にヒートポンプ装置55を配置している。
【0005】
ヒートポンプ装置55は、ヒートポンプ装置外郭56と、圧縮手段57と、吸熱手段58と、減圧手段59と、放熱手段60で構成されている。ヒートポンプ装置外郭56の底面は外槽52に沿って前上がり傾斜となっており、ヒートポンプ装置外郭56の底面傾斜部に除湿水排水口61を設けてあり、除湿水排水口61と外槽52を除湿水排水通路62で連結させている。外槽52とヒートポンプ装置55はダクト63で連結され循環風路64を構成してあり、循環風路64に吸熱手段58と放熱手段60を配置している。また、ヒートポンプ装置55の後方に送風手段65を設けている。そして、吸熱手段58の上流近傍にリントフィルタ66を配置し、乾燥時に洗濯物から発生する糸屑類を捕集するようになっている。
【0006】
上記従来の構成において、送風手段65の動作により循環風路64にて外槽52、吸熱手段58、放熱手段60、外槽52の順に空気が循環している。圧縮手段57の動作により、放熱手段60にて空気を加熱し、この加熱された空気は外槽52からドラム53に供給される。ドラム53内の衣類から水分を奪って多湿となった空気はドラム53から外槽52に出て、吸熱手段58に供給される。ここで空気は冷却されて除湿され、除湿水が発生する。発生した除湿水は、除湿水排水通路62を通じて外槽52に自然排水され、排水経路67を通じて機外に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の構成では、洗濯機の乾燥機能を使用する間に定期的にリントフィルタを掃除しないと、洗濯物から発生する糸くずなどの異物がリントフィルタに付着し、リントフィルタの目詰まりになる。このような状態の場合は、圧縮手段のモータ回転数が下がっても冷媒の凝縮温度が上がることになる。また目詰まりの状態が続くと、圧縮手段の圧縮機内部の圧力が高くなり、送風手段の送風ファンモータを所定回転数で回しても空気の循環が悪化するため、乾燥性能が低下するという課題があった。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、冷媒の温度を常に監視することにより、リントフィルタの目詰まり状態を検知し、リントフィルタに目詰まりが生じた場合は、冷媒の温度を下げる制御を行なって乾燥性能の低下を防止するとともに、異常な目詰まりが発生した場合は、乾燥用空気の流れをよくするために、送風用ファンモータの回転数を増加して乾燥性能の低下を防止し、また、直ちに目詰まりの異常報知を行なって、使用者にリントフィルタの清掃を促す洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯乾燥機は、筐体と、洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転自在に内包する水槽と、前記回転ドラム内に供給する乾燥用空気を生成するヒートポンプ装置と、前記回転ドラムを回転駆動する第1のモータと、前記ヒートポンプ装置の圧縮機を駆動する第2のモータと、前記水槽と前記ヒートポンプ装置を連結して乾燥用空気を循環させる循環風路と、前記循環風路に送風する送風用ファンモータと、前記循環風路内のヒートポンプ装置上流側に設けられた糸屑類を捕集するリントフィルタと、前記圧縮機内の冷媒温度を検知する温度検知部と、運転内容を選択入力し表示する操作表示部と、前記第1のモータ、前記ヒートポンプ装置、前記送風用ファンモータを制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥などの一連の行程を逐次制御する制御部とを備え、前記制御部は、脱水工程運転時に前記回転ドラム内に乾燥用空気を吹き出す温風脱水動作において、前記冷媒温度が所定温度以上で、かつ、所定の異常温度以下になった時に、所定温度以下になるよう前記第2のモータ回転数を制御して段階的に低下させるとともに、前記冷媒温度が、所定の異常温度以上になった時に、異常温度回数が所定回数以上になると、前記リントフィルタの目詰まり異常と検知して、前記操作表示部にリントフィルタ目詰まり異常を表示する構成としたものである。
【0011】
これによって、リントフィルタが目詰まりしても、乾燥性能の低下を防止するとともに、使用者にリントフィルタの目詰まりを報知して速やかな清掃を促すことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の洗濯乾燥機は、リントフィルタが目詰まりしても、乾燥性能の低下を防止するとともに、使用者にリントフィルタの目詰まりを報知して速やかな清掃を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態における洗濯乾燥機の縦断面図
【図2】同洗濯乾燥機のモータ制御回路を主体としたブロック回路図
【図3】同洗濯乾燥機の洗濯乾燥連続運転時の動作を示すフローチャート
【図4】同洗濯乾燥機の脱水工程における動作を示すフローチャート
【図5】同洗濯乾燥機の圧縮機のPID制御の動作を示すフローチャート
【図6】同洗濯乾燥機の圧縮機駆動制御の流れを示すフローチャート
【図7】従来の洗濯乾燥機の縦断面図を一部模式化した図
【発明を実施するための形態】
【0014】
第1の発明は、筐体と、洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転自在に内包する水槽と、前記回転ドラム内に供給する乾燥用空気を生成するヒートポンプ装置と、前記回転ドラムを回転駆動する第1のモータと、前記ヒートポンプ装置の圧縮機を駆動する第2のモータと、前記水槽と前記ヒートポンプ装置を連結して乾燥用空気を循環させる循環風路と、前記循環風路に送風する送風用ファンモータと、前記循環風路内のヒートポンプ装置上流側に設けられた糸屑類を捕集するリントフィルタと、前記圧縮機内の冷媒温度を検知する温度検知部と、運転内容を選択入力し表示する操作表示部と、前記第1のモータ、前記ヒートポンプ装置、前記送風用ファンモータを制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥などの一連の行程を逐次制御する制御部とを備え、前記制御部は、脱水工程運転時に前記回転ドラム内に乾燥用空気を吹き出す温風脱水動作において、前記冷媒温度が所定温度以上で、かつ、所定の異常温度以下になった時に、所定温度以下になるよう前記第2のモータ回転数を制御して段階的に低下させるとともに、前記冷媒温度が、所定の異常温度以上になった時に、異常温度回数が所定回数以上になると、前記リントフィルタの目詰まり異常と検知して、前記操作表示部にリントフィルタ目詰まり異常を表示することにより、圧縮機の冷媒温度を常に検知しながら、その温度状態に応じて圧縮機の第2のモータを制御して、乾燥性能の低下を防止するとともに、リントフィルタの目詰まり異常になった時に、直ちに使用者に報知して、リントフィルタの速やかな清掃を促すことができる。
【0015】
第2の発明は、特に、第1の発明の制御部は、前記リントフィルタの目詰まり異常を検知した時、前記送風用ファンモータの回転数を増加させることにより、乾燥用空気の循環量を増加させて、冷媒温度を低下させ、乾燥性能の低下を防止することができる。
【0016】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の制御部は、前記リントフィルタの目詰まり異常を検知した時、運転終了後も所定時間異常表示を行うことにより、運転中に気がつかない使用者に対して、確実にリントフィルタの目詰まりを報知し、清掃を促すことができる。
【0017】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか一つの発明の制御部は、前記リントフィルタの目詰まり異常を検知した時、前記送風用ファンモータの回転数を増加させても、冷媒の温度が低下しない場合に、運転を停止することにより、乾燥性能が不十分なまま運転最終まで進行することが無くなるので、使用者に乾燥性能に対する不満を抱かせることを防止できる。
【0018】
以下、発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態における洗濯乾燥機の縦断面図を示すものである。
【0020】
図1において、衣類を収容する有底円筒状の回転ドラム1は、筐体100内に揺動自在に配設された水槽2内に回転自在に配設されている。水槽2の背面には、回転ドラム1の回転軸を前上がりに傾斜して回転させる第1のモータ3が取り付けられており、第1のモータ3の駆動により回転ドラム1が回転し、回転ドラム1内に投入された衣類の撹拌たたき洗い、および乾燥動作などを行なう。
【0021】
筐体100前部には、回転ドラム1の開口端側に対向させて扉体35が設けられており、使用者は、扉体35を開くことで、回転ドラム1に対して洗濯物(衣類)を出し入れすることができる。また、水槽2には、水槽2に給水するための給水弁134(図2参照)が設けられた給水管(図示せず)、および、水槽2内の排水をするための排水弁27が設けられた排水管40が接続されている。
【0022】
水槽2の下方には、水槽2を支えるとともに、脱水時等の回転ドラム1内の衣類の偏りなどで発生する水槽2の振動を減衰させるダンパ14が設けられている。このダンパ14には、支持する水槽2内の衣類などによる重量変化で、ダンパ14の軸が上下に変位する変位量を検知して衣類の量を検知する布量検知部15が取り付けられている。
【0023】
衣類を乾燥させるために、水槽2および回転ドラム1内の空気を送風部4によって循環させる構成となっているが、回転ドラム1内の洗濯物から水分を奪って多湿状態となった空気は、水槽2の側面上部に設けられた排出口5を通って、回転ドラム1の外のヒートポンプ装置50部へと排出される。
【0024】
このヒートポンプ装置50は、第2のモータ111(図2で後述)の回転駆動により冷媒を圧縮する圧縮機16と、圧縮されて高温高圧となった冷媒の熱を放熱する加熱部(放熱器)17と、高圧の冷媒の圧力を減圧するための絞り部18と、減圧されて低圧となった冷媒によって周囲から熱を奪う除湿部(吸熱器)19と、これら4つの部材を連結して冷媒を循環させる管路20とを具備しており、排出された乾燥用空気は除湿部(吸熱器)19で除湿される。除湿部(吸熱器)19で除湿した乾燥用空気は、加熱部(放熱器)17で加熱される。加熱された乾燥用空気は、循環風路13の途中に配設された送風部4から、送風部4の下流に位置する第1風路9または第2風路11のいずれかに導かれ、再び回転ドラム1内に吹き出す。
【0025】
ここで、第1風路9は、回転ドラム1の後方に開口した第1吹出口8を有する。一方、第2風路11は、回転ドラム1の前方上部に開口した第2吹出口10を有する。
【0026】
第1風路9の第1吹出口8は、第2吹出口10よりも空気通過断面積が大きくなるように形成されており、第2風路11に較べて圧力損失が少なく大風量の乾燥用空気を回転ドラム1内に吹き出すことができるようになっている。また、回転ドラム1には、通風可能な多数の小径孔からなる開口率の大きなカバー26を設けて第1吹出口8を覆っており、第1吹出口8に衣類が噛み込むことはないようにしている。
【0027】
また、第2風路11の第2吹出口10は、第1吹出口8よりも空気通過断面積が小さくなっており、第1吹出口8に較べて高圧高速の乾燥用空気を回転ドラム1内に吹き出すことができるようになっている。
【0028】
風路切換部12は、送風部4の下流側に設けられている。この風路切換部12は、乾燥用空気の通過路を、第1風路9または第2風路11の何れかに切り換えるものである。
【0029】
風路切換部12は、第1風路9と第2風路11との分岐部に回動可能に枢支された弁12aと、その弁12aを回動駆動する駆動部(図示せず)とを具備する。
【0030】
そして、弁12aが回転して第2風路11を閉じると、第1風路9側が開となり、送風部4にて送風された乾燥用空気が第1風路9を通過するようになる。一方、弁12aが回転して第1風路9を閉じると、第2風路11側が開となり、送風部4にて送風された乾燥用空気が第2風路11を通過するようになる。
【0031】
送風部4は、ヒートポンプ装置50の加熱部(放熱器)17と風路切換部12との間に設けられ、加熱部(放熱器)17で加熱された乾燥用空気を循環風路13の下流側へと送り出す。この送風部4は、送風用ファン4aと送風用ファンモータ4bとを具備している。
【0032】
送風部4においては、風路切換部12により第1風路9に切り換えられた場合、第1風路9を通過する風量が、第2風路11の風量よりも多い所定風量になるように、送風用ファン4aを回転させる。
【0033】
また、風路切換部12により第2風路11に切り換えられた場合、第2風路11の第2吹出口10を通過する風速が、第1吹出口8を通過する風速よりも速い所定風速になるように、送風用ファン4aを回転させる。例えば、第1吹出口8を通過する風速を10m/s程度とし、第2吹出口10を通過する風速を50m/s以上とする。
【0034】
なお、第1吹出口8および第2吹出口10を通過する風速はこれに限定されるものではなく、第2吹出口10における風速が第1吹出口8における風速よりも速い条件を満たせば任意の風速に設定可能である。
【0035】
排出口5は、相対的に、第1吹出口8からの距離が、第2吹出口10からの距離よりも遠い位置に配設されている。つまり、排出口5は、相対的に、第2吹出口10に近く第1吹出口8からは遠い位置にある。
【0036】
また、回転ドラム1に流入する乾燥用空気の温度を検知するサーミスタ等の流入温度検知部71a、および流入温度検知部71bを備えており、流入温度検知部71aは、第1風路9の第1吹出口8またはその近傍に設けられており、流入温度検知部71bは、第2風路11の第2吹出口10またはその近傍に設けられている。
【0037】
また、排出口5に、あるいはその近傍に、衣類に接触した後に回転ドラム1から排出される乾燥用空気の温度を検知するサーミスタ等の排出温度検知部72が設けられており、この排出温度検知部72で検知された排出温度、および流入温度検知部71a、流入温度検知部71bで検知された流入温度との結果により、上述のように風路切換部12にて第1風路9と第2風路11が切り換えられる。
【0038】
また、排出口5から風路切換部12にいたる循環風路13内の、除湿部19上流側には、循環空気中の糸屑などの異物を除去するリントフィルタ41を配している。
【0039】
運転コース等のモードや各種機能の選択は、筐体100の前面上部に設けられた操作表示部(図示せず)から使用者が入力設定部(図示せず)へ入力して行い、制御部121(図2で後述)が、その入力情報を基に操作表示部上の表示部(図示せず)で表示して使用者に知らせる。なお、運転中に何らかの異常が発生した場合も、表示部にその異常を表示して使用者に知らせる。
【0040】
図2は、本発明の実施の形態における洗濯乾燥機の、回転ドラム1を回転駆動させる第1のモータ3と、圧縮機16を回転駆動させる第2のモータ111とを制御するモータ制御回路を主体としたブロック回路図を示すものである。
【0041】
図2において、制御回路は、第1のモータ3、センサー3a〜3c、第1のインバータ回路102、第1のインバータ駆動回路103、第2のモータ111、第2のインバータ回路112、第2のインバータ駆動回路113、電流検知部114、制御部121、温度検知部122、負荷駆動部132、送風用ファンモータ4b、給水弁134、排水弁27、および直流電源変換部140などを備えている。
【0042】
第1のモータ3の電気角は、回転子の近傍に配されている3個のセンサー3a〜3cによって検出される。センサー3a〜3cは、例えばホールICから構成され、互いに電気角120度の間隔で第1のモータ3のロータに配されている永久磁石に対向するように、第1のモータ3のステータに配されている。センサー3a〜3cの検出出力は、制御部121に入力されている。また、第1のモータ3は、第1のインバータ回路102によって回転速度などの回転動作が制御されている。
【0043】
第1のインバータ回路102は、パワートランジスタ(IGBT)と逆導通ダイオードとの並列回路を備えたスイッチング素子で構成されている。各スイッチング素子は、図2に示すように2個ずつ直列接続され、3組の直列回路が形成されている。各直列回路におけるスイッチング素子間のノードは、それぞれ第1のモータ3における三相巻線のU端子、V端子、W端子に接続されている。これにより、各直列回路における2つのスイッチング素子のオン/オフの組み合わせにより、U端子、V端子、W端子をそれぞれ正電圧、零電圧、解放の3状態にすることができる。スイッチング素子のオン/オフの切り替えは、ホールICから構成されるセンサー3a〜3cからの検出情報に基づいて、制御部121及び第1のインバータ駆動回路103により制御される。
【0044】
第2のモータ111は、前述のように、圧縮機16を回転駆動するが、第2のインバータ回路112によって回転速度などの回転動作が制御されている。
【0045】
第2のインバータ回路112は、パワートランジスタ(IGBT)と逆導通ダイオードとの並列回路を備えたスイッチング素子で構成されている。各スイッチング素子は、図2に示すように2個ずつ直列接続され、3組の直列回路が形成されている。各直列回路におけるスイッチング素子間のノードは、第2のモータ111における三相巻線のU端子、V端子、W端子にそれぞれ接続されている。これにより、各直列回路における2つのスイッチング素子のオン/オフの組み合わせにより、U端子、V端子、W端子をそれぞれ正電圧、零電圧、解放の3状態にすることができる。スイッチング素子のオン/オフの切り替えは、制御部121及び第2のインバータ駆動回路113により制御される。
【0046】
電流検知部114は、第2のインバータ回路112における3つの直列回路から出力される電流を検知する。検知結果は、制御部121に入力される。
【0047】
制御部121は、電流検知部114で検知された電流値の情報と、温度検知部122で検知された圧縮機16内の冷媒温度の情報と、センサー3a〜3cで検知されたパルスとが入力されている。制御部121は、センサー3a〜3cから入力されるパルスに基づいて、第1のモータ3の回転周期を検出し、検出した回転周期に基づいて回転速度を算出する。また、制御部121は、第1のモータ3の回転速度が算出した回転速度になるように、第1のインバータ駆動回路103を介して第1のインバータ回路102を制御する。また、制御部121は、入力される電流値情報と温度情報とに基づいて、第2のインバータ駆動回路113を介して第2のインバータ回路112を制御する。
【0048】
温度検知部122は、前述のように、圧縮機16内、あるいは管路20内の冷媒の温度を検知する。なお、冷媒の温度は、圧縮機16内部の圧力に比例しており、圧縮機16内の圧力が高い場合は、冷媒温度は高くなり、圧縮機16内の圧力が低い場合は、冷媒温度は低くなる。
【0049】
負荷駆動部132は、制御部121からの制御により、送風用ファンモータ4b、給水弁134,排水弁27を動作制御する。送風用ファンモータ4bは、ヒートポンプ装置50において発生した乾燥した温風を、水槽2内に流通させるものである。
【0050】
直流電源変換部140は、商用電源131から入力される交流を直流に変換するものであり、ダイオードブリッジ136、チョークコイル137、および平滑用コンデンサ138,139を備えている。直流電源変換部140から出力される直流電源は、第1のインバータ回路102及び第2のインバータ駆動回路103に入力されている。
【0051】
洗濯運転(洗い工程、すすぎ工程、脱水工程)において、動作開始の命令が制御部121に入力されると、制御部121は、第1のインバータ駆動回路103を制御して、第1のインバータ回路102を動作させる。第1のインバータ駆動回路103は、第1のインバータ回路102におけるスイッチング素子を所定のタイミングでオン/オフ制御することにより、第1のモータ3におけるU端子、V端子、W端子に直流電源変換部140から供給される直流電源を供給することができる。これにより、第1のモータ3は回転駆動される。
【0052】
第1のモータ3の回転速度制御を行う際は、制御部121が、センサー3a〜3cから出力されるパルスに基づいて、第1のモータ3の回転周期を検出し、検出した回転周期に基づいて回転速度を算出する。制御部121は、算出された回転速度に基づいて目標回転速度を演算し、第1のインバータ駆動回路103を制御する。第1のインバータ駆動回路103は、制御部121からの命令に基づき、第1のモータ3がその目標回転速度になるように第1のインバータ回路102におけるスイッチング素子のオン/オフを制御する。これにより、第1のモータ3を所定速度で回転制御することができる。
【0053】
乾燥機能を運転する場合は、動作開始の命令が制御部121に入力されると、制御部121は、第2のインバータ駆動回路113を制御して、第2のインバータ回路112を動作させる。第2のインバータ駆動回路113は、第2のインバータ回路112におけるスイッチング素子を所定のタイミングでオン/オフ制御することにより、第2のモータ111におけるU端子、V端子、W端子に直流電源変換部140から供給される直流電源を供給することができる。これにより、第2のモータ111は回転駆動される。
【0054】
そして、第2のモータ111の回転速度制御を行う際は、制御部121が、電流検知部114から出力される第2のインバータ回路112における電流値情報と、温度検知部122で検知された圧縮機16内の冷媒温度の情報とに基づいて、回転速度を算出する。制御部121は、算出した回転速度に基づいて、第2のインバータ駆動回路113を制御する。第2のインバータ駆動回路113は、制御部121からの命令に基づき、第2のモータ111が所定の回転速度になるように、第2のインバータ回路112におけるスイッチング素子のオン/オフを制御する。これにより、第2のモータ111を所定速度で回転制御することができる。
【0055】
以上のように構成された洗濯乾燥機について、以下、その動作、作用を説明する。
【0056】
図3は、本発明の実施の形態における洗濯乾燥機の、洗濯乾燥連続運転時の動作を示すフローチャートである。
【0057】
図3において、まず、使用者が操作表示部の入力設定部を操作し、洗濯乾燥の連続運転コースが選択されると(ステップS1)、回転ドラム1内の洗濯物の量を自動計測した後、給水弁134が開いて水槽2内に水道水が注水される。水槽2内の水位が所定水位に達すると、洗濯運転が開始される(ステップS2)。なお、洗剤は、使用者によって投入されているものとする。
【0058】
次に、制御部121は、洗い工程にて、第1のインバータ駆動回路103を制御して、第1のモータ3が所定の回転数で回転するように、第1のインバータ回路102を駆動制御する。これにより、第1のモータ3が所定回転数で回転されて、回転ドラム1が回転する。回転ドラム1を回転させることにより、洗濯物の洗浄が行われる(ステップS3)。洗い工程が終了すれば、次に、ステップS4のすすぎ工程が実行される。
【0059】
ステップS4のすすぎ工程では、まず水槽2に残っている汚れた洗濯水を、排水弁27を開くことで排水する。次に、制御部121は、第1のモータ3を回転駆動させて、洗濯物に含まれている洗濯水を脱水する。次に、排水弁27を閉じて、給水弁134を開いて水槽2内に水道水を給水する。水道水が所定量給水されると、制御部121は、第1のインバータ駆動回路103を制御して、第1のモータ3が所定の回転数で回転するように、第1のインバータ回路102を駆動制御する。これにより、第1のモータ3が所定回転数で回転されて、回転ドラム1が回転する。水槽2内に水道水が入った状態で回転ドラム1を回転させることにより、洗濯物が攪拌されて、洗濯物から汚れた洗濯水を除去する。すすぎ工程が終了すれば、次に、脱水工程が実行される。
【0060】
まず、ステップS5にて脱水工程が開始されると、排水弁27を開き、水槽2におけるすすぎ工程において汚れた洗濯水を排水する。次に、予備脱水が行われる(ステップS6)。予備脱水は、回転ドラム1を低回転数(本実施の形態では約300rpm)で回転させて、その遠心力で回転ドラム1内の洗濯物に含まれている水分のおおよそを取り除く。
【0061】
予備脱水が終了すれば、次に温風脱水動作を開始する(ステップS7)。この時、制御部121は、第2のインバータ駆動回路113を制御して、第2のモータ111が所定の回転数で回転するように、第2のインバータ回路112を駆動制御する。これによって、第2のモータ111が所定回転数で回転されて、圧縮機16が動作を開始することにより、ヒートポンプ装置50において、乾燥した温かい空気が生成される。生成された温かい空気は、送風部4の送風用ファンモータ4bによって、循環風路13から第1風路9または第2風路11を通じて、回転ドラム1内に送り込まれる。上記の圧縮機16の動作開始とともに、制御部121は、第1のモータ3を動作させて回転ドラム1を小刻みに正逆回転させ、予備脱水で回転ドラム1内周壁に張り付いた洗濯物を剥がす、布剥がし動作を行う。そして、布剥がし動作が終了すると、次に、ステップS8の本脱水工程を開始する。
【0062】
ステップS8の本脱水工程では、第1のモータ3を高速駆動させて、回転ドラム1を高速回転(本実施の形態では約1000rpm)させる。これにより、回転ドラム1内の洗濯物に含まれる水分が、遠心力によって除去される。なお、本脱水工程時においても、継続してヒートポンプ装置50が動作しており、第2のモータ111が駆動して圧縮機16が動作し、回転ドラム1内に温風が送り込まれている(ステップS9)。
【0063】
なお、本脱水工程を実行させている間、制御部121は、電流検知部114から電流値情報と、温度検知部122からの温度情報とに基づいて、第2のモータ111の回転数が適正な回転数を維持するとともに、所定の上限回転数を超えないように制御している。
【0064】
本脱水工程が、予め設定されている脱水時間に到達すれば、制御部121は、第1のモータ3の駆動を停止させて、回転ドラム1の回転を停止させ、本脱水工程を終了させる(ステップS10のYes)。この時、制御部121は、第2のモータ111の動作は停止させないため、ヒートポンプ装置50において生成されている温風は、回転ドラム1内に送り込まれ続けている。本脱水工程が終了すると、次に、ステップS11の乾燥工程が開始される。
【0065】
ステップS11の乾燥工程においては、制御部121は、第1のモータ3を停止させて、第2のモータ111のみを駆動させる。第2のモータ111が駆動することにより、圧縮機16が動作し、ヒートポンプ装置50において発生した温風が回転ドラム1内に送り込まれて、回転ドラム1内の洗濯物の乾燥が行われる。
【0066】
図4は、図3におけるステップS7〜S9に示す動作を詳細に示したフローチャートである。
【0067】
図4において、脱水工程に入り、予備脱水(図3のステップS6)が終了して、温風脱水動作(図3のステップS7)が開始すると、制御部121は、温度検知部122で検知された圧縮機16内の冷媒の温度情報を取得する。この時に取得する温度を初期温度Tsとする(ステップS21)。
【0068】
次に、ステップS21において取得した初期温度Tsを、所定温度Td1と比較する(ステップS22)。所定温度Td1は、本実施の形態では摂氏60度としている。
【0069】
初期温度Tsが所定温度Td1以上であれば、第2のモータ111の上限回転数を60r/sに設定する(ステップS23)。また、初期温度Tsが所定温度Td1未満であれば、第2のモータ111の上限回転数を100r/sに設定する(ステップS24)。すなわち、圧縮機16を動作させる前における冷媒の温度に応じて、第2のモータ111の上限回転数を設定する。なお、通常は、冷媒温度は所定温度Td1未満であることが多いため、第2のモータ111の上限回転数は100r/sに設定される。しかし、今回の洗濯乾燥連続コース運転の直前に別の乾燥運転を実行していた場合、ステップS22の時点で冷媒温度が所定温度Td1を越えている場合がある。その場合は、第2のモータ111の上限回転数が60r/sに設定される。
【0070】
ここで、圧縮機16の動作を開始させるタイミングを予備脱水(図3のステップS6)の後としたことにより、予備脱水において洗濯物に含まれている水分をある程度除去してから温風脱水を行うようにしたので、脱水効率を向上させることができる。すなわち、予備脱水をせずに温風脱水を行った場合、洗濯物に多量の水分が含まれている状態で温風脱水を行うことになるため、通常の脱水動作に比べて脱水にかかる時間が大きく変わらない。しかし、本実施の形態のように予備脱水でおおよその水分を除去しておいてから温風脱水を行えば、本脱水に要する時間を短くすることができる。
【0071】
次に、制御部121は、第1のインバータ駆動回路103を制御して、第1のインバータ回路102を動作させて、第1のモータ3の回転を開始させる。この時、第1のモータ3は、布剥がし動作を行い、小刻みに回転ドラム1の正転及び逆転動作を繰り返す。それとともに、制御部121は、第2のインバータ駆動回路113を制御して、第2のインバータ回路112を動作させて、第2のモータ111の回転を開始させる。これにより、循環風路13を通じて回転ドラム1内に温風が送り込まれる(ステップS25)。なお、第2のモータ111は、このステップS25以降、乾燥工程が終了するまで連続的に動作する。
【0072】
次に、制御部121は、第1のモータ3を1000rpmで高速回転させて、本脱水動作を行う(ステップS26)。
【0073】
次に、制御部121は、乾燥状態を適正に保つために、圧縮機16のPID制御を開始する(ステップS27)。なお、詳しいPID制御については後述する。
【0074】
脱水工程が、予め設定されている脱水時間に到達すれば、制御部121は、第1のモータ3の駆動を停止させて、回転ドラム1の回転を停止させて、本脱水工程を終了させる(ステップS28のYes)。前述のように、この時、制御部121は、第2のモータ111の動作は停止させないため、ヒートポンプ装置50において生成されている温風は、回転ドラム1内に送り込まれ続けている。また、脱水工程が予め設定されている脱水時間に到達していなければ、所定時間経過まで第1のモータ3による回転ドラム1の回転制御を継続するとともに、圧縮機16の第2のモータ111のPID制御を継続する。
【0075】
図5は、図4におけるステップS27の圧縮機16のPID制御動作を詳細に示したフローチャートである。
【0076】
図5において、まずPID制御のタイミングになったか否かを判断する(ステップS31)。本実施の形態では、1分毎に圧縮機16のPID制御を行っている。つまり、圧縮機16の冷媒温度が、後述する設定温度以下になるように、1分毎にPID制御を行なっている。
【0077】
次に、制御部121は、温度検知部122から圧縮機16内の冷媒の温度情報を取得する(ステップS32)。ここで取得した温度をTg1とする。
【0078】
次に、ステップS32において取得した冷媒の温度情報Tg1に基づき比例項計算を行い、回転数Pgを算出する(ステップS33)。具体的には、
Pg = Pgain×(Tgt−Tg1)
に基づき算出する。上式において、Tgtは設定温度であり、本実施の形態では摂氏71度に設定されている。次に、ステップS32において取得した冷媒の温度情報Tg1に基づき積分項計算を行い、回転数Igを算出する(ステップS34)。具体的には、
Ig = Igain×∫(Tgt−Tg1)dt
に基づき算出する。
【0079】
次に、ステップS33及びS34において算出された回転数Pg及びIgに基づき、下式により圧縮機16の第2のモータ111の目標とする回転数Crを算出する(ステップS35)。
【0080】
Cr = 現在回転数+Pg+Ig
次に、ステップS35において算出された目標とする回転数Crと、圧縮機16の運転開始時に設定された上限回転数60r/sまたは100r/s(図4のステップS23またはS24)とを比較する(ステップS36)。
【0081】
比較の結果、目標とする回転数Crが上限回転数以上の場合は、上限回転数を目標とする回転数Crとする(ステップS37)。すなわち、ステップS37では、ステップS35において算出される目標とする回転数Crが上限回転数を超えないように、目標とする回転数Crが修正される。また、ステップS36における比較の結果、目標とする回転数Crが上限回転数未満であれば、目標とする回転数Crの修正は行われない。
【0082】
以上の制御により、圧縮機16の第2のモータ111の回転数は、冷媒温度が設定温度Tgtの71度になるように算出された回転数Cr、または上限回転数のいずれかに決定され(ステップS38)、決定された回転数になるように、圧縮機16の第2のモータ111の駆動制御を行う(ステップS39)。
【0083】
図6は、図5におけるステップS39の圧縮機駆動制御の流れを示すフローチャートである。
【0084】
図6において、温風脱水動作中の圧縮機駆動制御(図5のステップS39)では、温度検知部122で、圧縮機16内の冷媒温度Tg2が検知される(ステップS41)。この時の冷媒温度が、設定温度Tgtの71度に対してばらつきを考慮して、73度以上になった場合(ステップS42のYes)は、異常温度と設定している83度以上になっているかを判定(ステップS43)して、83度以下であれば(ステップS43のNo)、第2のモータ111の回転数を40〜70r/sの範囲で、設定されたTgtの71度に下げるように、冷媒温度を監視し(ステップS45)、第2のインバータ回路112におけるスイッチング素子のオン/オフを制御する。なお、73度まで到達していない場合は、常に冷媒温度を検知しながら、圧縮機16を駆動させている。
【0085】
その後、71度を越えないように、冷媒温度が70度以上になっているかどうかを監視し(ステップS46)、70度を越えれば(ステップS46のYes)、第2のモータ111の回転数を15r/sずつ下げるように、第2のインバータ回路112を通して制御する(ステップS47)。ただし、回転数の下限は20〜40r/sの範囲で設定した値とし、それ以下になる場合(ステップS48のNo)は、その設定数値を保持して(ステップS49)、所定時間経過するまで温風脱水動作を行なう。
【0086】
また、温度検知部122が、圧縮機16内あるいは管路20内の冷媒の温度を83度以上と検知し(ステップS43のYes)、その温度検知時間が60ms以上と検知した場合(ステップS50)は、83度以上、60ms以上の検知回数が10回以下であれば(ステップS51のNo)、圧縮機16の第2のモータ111を3分停止して(ステップS52)、71度以下を検知するまで停止を継続する(ステップS53)。
【0087】
そして、温度検知部122が、冷媒の温度が83度以上で、かつ60ms以上であることを10回検知する(ステップS51のYes)と、リントフィルタ41の目詰まりが異常状態になったので、筐体100の前面上部に設けた操作表示部に、リントフィルタ41の目詰まり異常を表示する(ステップS54)。そして、リントフィルタ41の目詰まりを検知すると、送風用ファンモータ4bの回転数を、所定回転数5400rpmから7500rpmまで上げて、乾燥用空気の循環量を増加させ、冷媒温度を低下させるようにする(ステップS55)。送風用ファンモータ4bの回転数を上げても温度が低下しない場合(ステップS56のYes)は、運転を停止する(ステップS57)。なお、リントフィルタ41の目詰まり異常表示は、運転終了後も、所定時間表示を継続する。
【0088】
以上のように、本実施の形態においては、脱水工程運転時の温風脱水動作において、冷媒温度が所定温度以上で、かつ、所定の異常温度以下になった時に、所定温度以下になるよう第2のモータ回転数を制御して段階的に低下させるとともに、冷媒温度が、所定の異常温度以上になった時に、異常温度回数が所定回数以上になると、リントフィルタの目詰まり異常と検知して、操作表示部にリントフィルタ目詰まり異常を表示することにより、圧縮機の冷媒温度を常に検知しながら、その温度状態に応じて圧縮機の第2のモータを制御して、乾燥性能の低下を防止するとともに、リントフィルタの目詰まり異常になった時に、直ちに使用者に報知して、リントフィルタの清掃を促すことができる。
【0089】
また、リントフィルタの目詰まり異常を検知した場合、送風用ファンモータの回転数を増加させることにより、乾燥用空気の循環量を増加させて、冷媒温度を低下させ、乾燥性能の低下を防止することができる。
【0090】
また、リントフィルタの目詰まり異常を検知した場合、運転終了後も所定時間異常表示を行うことにより、運転中に気がつかない使用者に対して、確実にリントフィルタの目詰まりを報知し、清掃を促すことができる。
【0091】
また、リントフィルタの目詰まり異常を検知した場合、送風用ファンモータの回転数を増加させても、冷媒の温度が低下しない時に、運転を停止することにより、乾燥性能が不十分なまま運転最終まで進行することが無くなるので、使用者に乾燥性能に対する不満を抱かせることを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上のように、本発明にかかる洗濯乾燥機は、圧縮機の冷媒温度を常に監視することにより、リントフィルタ目詰まりを検知して、乾燥性能低下に対する制御をすることが可能となるので、乾燥機能を有する他の衣類乾燥機や洗濯乾燥機などの用途に適用できる。
【符号の説明】
【0093】
1 回転ドラム
2 水槽
3 第1のモータ
4b 送風用ファンモータ
13 循環風路
41 リントフィルタ
50 ヒートポンプ装置
100 筐体
111 第2のモータ
114 電流検知部
121 制御部
122 温度検知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転自在に内包する水槽と、前記回転ドラム内に供給する乾燥用空気を生成するヒートポンプ装置と、前記回転ドラムを回転駆動する第1のモータと、前記ヒートポンプ装置の圧縮機を駆動する第2のモータと、前記水槽と前記ヒートポンプ装置を連結して乾燥用空気を循環させる循環風路と、前記循環風路に送風する送風用ファンモータと、前記循環風路内のヒートポンプ装置上流側に設けられた糸屑類を捕集するリントフィルタと、前記圧縮機内の冷媒温度を検知する温度検知部と、運転内容を選択入力し表示する操作表示部と、前記第1のモータ、前記ヒートポンプ装置、前記送風用ファンモータを制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥などの一連の行程を逐次制御する制御部とを備え、前記制御部は、脱水工程運転時に前記回転ドラム内に乾燥用空気を吹き出す温風脱水動作において、前記冷媒温度が所定温度以上で、かつ、所定の異常温度以下になった時に、所定温度以下になるよう前記第2のモータ回転数を制御して段階的に低下させるとともに、前記冷媒温度が、所定の異常温度以上になった時に、異常温度回数が所定回数以上になると、前記リントフィルタの目詰まり異常と検知して、前記操作表示部にリントフィルタ目詰まり異常を表示する洗濯乾燥機。
【請求項2】
前記制御部は、前記リントフィルタの目詰まり異常を検知した時、前記送風用ファンモータの回転数を増加させる請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
前記制御部は、前記リントフィルタの目詰まり異常を検知した時、運転終了後も所定時間異常表示を行う請求項1または2記載の洗濯乾燥機。
【請求項4】
前記制御部は、前記リントフィルタの目詰まり異常を検知した時、前記送風用ファンモータの回転数を増加させても、冷媒の温度が低下しない場合に、運転を停止する請求項1〜3いずれか1項に記載の洗濯乾燥機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−94215(P2013−94215A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236874(P2011−236874)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】