説明

洗車機用洗浄ブラシ及び洗車機

【課題】軸体の側方からブラシの取付け、取外しが容易にできると共に、ブラシ片を簡単かつ容易に交換できる洗車機用洗浄ブラシ、及び前記洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機を提供する。
【解決手段】自動車洗浄用あるいは車両洗浄用の洗車機用洗浄ブラシにおいて、前記洗車機用洗浄ブラシは、軸体、及び複数の連結体を有し、前記連結体は、台座、及びブラシ片を有すると共に、前記ブラシ片は、前記台座の外周部に形成されてあり、前記台座は前記軸体にたいして仮止め手段を有するか、あるいは前記台座は相互に仮止め手段を有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗車機用洗浄ブラシ、及びその洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗車機用洗浄ブラシ、及びその洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機に関しては、使用目的に応じて、さまざまな改良がなされ、例えば、特に自動車の自動洗浄および/又は磨き上げシステム用に設計された、剛毛、フェルト又はこれらに類似するものを支持するための支持エレメントを含む改良ブラシであって、前記ブラシは、円筒形状のブラシ本体を画定する第1の複数の長い剛毛、フェルト又はこれらに類似するものと、前記長い剛毛またはフェルトの場合よりも短い長さを有する少なくとも第2の複数の剛毛、フェルト又はこれらに類似するものとを備えることを特徴とする改良ブラシが、特表2003−512114号公報に開示されてある。
【0003】
また、特に自動洗車設備において使用する回転ブラシの製造方法であって、2つの同軸心状円筒部材の中間部に合成樹脂が形成されてあり、可撓性洗浄要素が外方向に突出している円筒形状の洗浄ブラシが特開平9−285339号公報に開示されてある。
【0004】
【特許文献1】特表2003−512114号
【特許文献1】特開平9−285339号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の洗車機用洗浄ブラシ、及びその洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機は、例えば、上記の如くの特徴を有する技術が開示されてあるが、特表2003−512114号に開示されてある技術において、ブラシは、シート状に形成されてある台座にブラシ片が植毛されてあり、軸体の外周面に台座を巻付けて固定される。その為、取付け時には軸体の裏側に回し込んだ後、巻きつけて止める構造であり、極めて作業性が困難あるという課題を有していた。
【0006】
また、特開平9−285339号に開示されてある技術においては、ブラシは円筒状の台座にブラシ片が植毛されてあり、軸体端面より台座をはめ込み積層されて軸体に固定される。その為、台座挿入時には、軸体を洗車機より取外すことが必要な為、極めて作業性が困難という課題を有していた。また、円筒状の台座は軸体端面より積層されてある為、中央部の台座のみを交換する場合においても、中央部の台座に隣接して積層された台座を取外さないと交換できないという課題を有していた。また、上記と同様に、台座に仮止め手段を用いた技術が無い為、台座を軸体に押付けながら取付ける必要があった為、極めて作業性が困難であるという課題を有していた。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決する為になされたもので、台座が、軸体にたいして仮止め手段を有するか、あるいは前記台座は相互に仮止め手段を有することで、前記台座は、軸体の側方からブラシの取付け、取外しが容易にできると共に、ブラシ片を簡単かつ容易に交換できる洗車機用洗浄ブラシ、及び前記洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の洗車機用洗浄ブラシは、前記台座が、前記軸体にたいして仮止め手段を有するか、あるいは前記台座は相互に仮止め手段を有する。したがって、軸体にたいして、脱落等が無く保持できると共に、相互にても保持できる。その為、ブラシの取付け、取外しにおいて、安全、迅速かつ容易にできる。
【0009】
請求項2の洗車機用洗浄ブラシは、前記台座は、前記軸体にたいして側方から略垂直に当接し、前記軸体の長手方向に移動して保持される。その為、台座を軸体に乗せて移動させることができる。その為、軸体にたいして、少ない押付け力で保持できる。
【0010】
請求項3の洗車機は、駆動源と、被洗浄面に散布する洗浄剤及び水を噴出させるノズルと、洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えると共に、請求項1から2のいずれか1項に記載の洗車機用洗浄ブラシを搭載したものである。したがって、洗車機用洗浄ブラシの取付け、取外しにおいて、軸体を洗車機から取外すことなく洗車機用洗浄ブラシの取付け、取外しが迅速かつ容易にできる。
【0011】
また、本発明の洗車機は、駆動源と、被洗浄面に散布する洗浄剤及び水を噴出させるノズルと、洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えると共に、請求項1から2記載の洗車機用洗浄ブラシを搭載したもので、前記軸体、及び複数の前記連結体を有する洗車機用洗浄ブラシが搭載されてある。その為、洗車機用洗浄ブラシの取付け、取外しにおいて、軸体を洗車機から取外すことなくブラシ片が装着されてある連結体の取付け、取外しが迅速かつ容易にできる。また、軸体にたいして連結体を構成する台座を仮止めにより吊るすことができる為、台座を押付けながら取付け作業をすることが無く、簡単に作業ができる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の洗車機用洗浄ブラシは、前記台座が、前記軸体にたいして仮止め手段を有するか、あるいは前記台座は相互に仮止め手段を有する。その為、台座は軸体にたいして脱落が無く保持できるか、あるいは台座は相互に保持できる為、軸体にたいして、取付け、取外し時において、作業者が、台座を保持すること無く、安全、迅速かつ容易に作業ができる。
【0013】
請求項2の洗車機用洗浄ブラシは、前記台座は、前記軸体にたいして側方から略垂直に当接し、前記軸体の長手方向に移動して保持される。その為、軸体にたいして、少ない押付け力にて保持できる。また、台座は軸体にたいして位置ズレ、脱落等が無く保持できる。
【0014】
請求項3の洗車機は、駆動源と、被洗浄面に散布する洗浄剤及び水を噴出させるノズルと、洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えると共に、請求項1から2のいずれか1項に記載の洗車機用洗浄ブラシが搭載されてある。その為、洗車機用洗浄ブラシの取付け、取外しにおいて、軸体を洗車機から取外すことなくブラシ片が装着されてある連結体の取付け、取外しが迅速かつ容易に可能にできる。また、軸体にたいして連結体を構成する台座を仮止めにより吊るす事ができる為、台座を押付けながら取付け作業をする事が無く、簡単に作業ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
第1の発明は、自動車洗浄用あるいは車両洗浄用の洗車機用洗浄ブラシにおいて、前記洗車機用洗浄ブラシは、前記台座が、前記軸体にたいして仮止め手段を有するか、あるいは前記台座は相互に仮止め手段を有する。その為、台座が軸体にたいして、脱落等が無く保持できると共に、相互にても保持できる為、軸体に対して、ブラシの取付け、取外しにおいて、作業者が、台座を保持すること無く、安全、迅速かつ容易に作業ができる。その為、ブラシの取付け、取外しの作業時間が短縮できると共に、作業の簡素化ができる。
【0016】
第2の発明は、第1の発明の洗車機用洗浄ブラシにおいて、前記台座は、前記軸体にたいして側方から略垂直に当接し、前記軸体の長手方向に移動して保持される。その為、台座を軸体に乗せて移動させることができる。その為、軸体にたいして、少ない押付け力で保持できる。また、台座は軸体にたいして位置ズレ、脱落等が無く保持できる。その為、高速回転で使用した場合においても、極めて高い安全兼ね備えて使用することができる。
【0017】
第3の発明は、駆動源と、被洗浄面に散布する洗浄剤及び水を噴出させるノズルと、洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えると共に、請求項1から2のいずれか1項に記載の洗車機用洗浄ブラシが搭載されてある。その為、洗車機用洗浄ブラシの取付け、取外しにおいて、軸体を洗車機から取外すことなくブラシ片が装着されてある連結体の取付け、取外しが迅速かつ容易に可能にできる。また、軸体にたいして連結体を構成する台座を仮止めにより吊るす事ができる為、台座を押さえつけながら取付け作業をする事が無く、簡単に作業ができる。その為、洗車機用洗浄ブラシ交換が極めて容易に短時間に作業できる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施例1)
図1から図4にて実施例1を示す。図1は、本発明の実施例1における洗車機用洗浄ブラシの正面図、図2は、図1の側面図、図3は、図1のA−A断面図、図4(A)及び(B)は、台座の斜視図である。
【0020】
図1から図4の如く、洗車機用洗浄ブラシ1は、軸体2、及び複数の連結体3を有し、連結体3は、台座4、及びブラシ片5を有すると共に、ブラシ片5は、台座4の外周部に形成されてあり、合成樹脂発泡体が使用されてある。また、台座4は、図4の如く、内壁面に嵌合片75が形成されてあり、嵌合片75は、図3の如く、軸体2に形成された穴部76にたいして嵌合されてある。また、台座4は軸体2にたいしてボルト8にて固定されてある。また、連結体13は、台座14にたいしてブラシ片5がリベット7にて固定されてある。また、台座4、14は合成樹脂からなる一体成形にて形成されてある。
【0021】
また、図2の如く、台座4、14は、概半円筒形状に形成されてあり、外周部に凸部10を有する溝部9が形成されてあり、ブラシ片5は、溝部9に、ブラシ片5の略中央部を折り込んでリベット7にて固定されてある。
【0022】
また、図4(A)の如く、台座4は側面に4ヶ所のツメ部30が形成されてあり、台座14は図4(B)の如く、側面に4ヶ所の嵌合部40を有する穴部20が形成されてある。洗車機用洗浄ブラシ1の組付け、取外し時においては、台座4のツメ部30は、台座14の穴部20に挿入された後、嵌合部40にて仮止め固定される。その為、台座4及び台座14は、軸体2に仮止め固定されると共に、台座4及び台座14は、互いに仮止め固定される。その為、台座4、14を軸体2にたいして吊るすことができる。また、台座4、14の嵌合片75を軸体2の穴部76にたいして側方から当接させて軸体2の長手方向に移動させて作業ができる。
【0023】
実施例1の洗車機用洗浄ブラシ1は上記の構成となっているので、台座4、14は軸体2にたいして仮止め固定できる。また、台座4及び台座14は互いに仮止め固定できる。また、台座4、14は軸体2にたいして吊るす事ができる。また、台座4、14を横置きの軸体2の上方に乗せて軸体2の長手方向に移動できる。その為、台座4が軸体2にたいして、脱落等が無く保持できると共に、相互にても保持できる為、軸体2に対して、ブラシ片が装着されてある連結体の取付け、取外しにおいて、作業者が、台座4を保持すること無く、安全、迅速かつ容易に固定作業ができる。その為、洗車機用洗浄ブラシの取付け、取外しの作業時間が短縮できると共に、作業の簡素化ができる。
【0024】
また、台座4、14の材料としては上記の如く、合成樹脂以外にも、使用する目的に応じて、適時、塩化ビニル、アルミ、鉄、ステンレス、合成ゴム等を使用する形態も採用できる。
【0025】
また、ブラシ片5の材料としては前記の如く、合成樹脂発泡体以外にも使用する目的に応じて、適時、布帛、人工皮革、合成皮革、合成樹脂、フイルム状樹脂組成物等を使用する形態も採用できる。また、形状、配置状態、個数等についても、使用目的に応じて、適時、設定しても何ら支障は無い。
【0026】
また、嵌合片75は、台座と樹脂一体成形で形成されてあるが、別体にて製作後、台座4、14の内壁より挿入固定する形態も採用できる。
【0027】
(実施例2)
図5にて実施例2を示す。図5(A)は、実施例2における洗車機用洗浄ブラシに使用するチャンネルブラシの斜視図、(B)は、(A)のチャンネルブラシを使用した洗車機用洗浄ブラシの側面図である。
【0028】
洗車機用洗浄ブラシ11は、図5(A)及び(B)の如く、軸体2の側方から台座24、34がボルト(図示せず)にて固定されてあり、台座24、34の溝部9にはチャンネルブラシ50が挿入されて嵌合されてある。また、チャンネルブラシ50は、概コの字形状の帯状体37、及び芯線36にてはさみつけて形成されてある。また、上記以外の台座24、34の構造は、前記実施例1の台座4、14と同じ形態である。
【0029】
実施例2の洗車機用洗浄ブラシ11は、上記の構成となっているので、ブラシ片35の材質として、多数本のフィラメント状の線材を使用した場合においても、チャンネルブラシ50は、概コの字形状の帯状体37、及び芯線36にてブラシ片35をはさみつける事ができる為、洗浄時に車体の隙間、凹凸等の洗い残しが無いと共に、高い洗浄性を発揮できる。また、チャンネルブラシ50のみを台座24、34から脱着させて交換できる。
【0030】
また、チャンネルブラシ50の固定方法としては、前記の方法以外にも、カシメ、接着、溶接等固定可能であるならばいかなる形態も採用できる。
【0031】
(実施例3)
図6にて実施例3を示す。図6は、本発明の洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機である。
【0032】
図6の如く、洗車機91は、本発明の実施例1の洗車機用洗浄ブラシ1が搭載されてあり、洗車機用洗浄ブラシ1は駆動減92により回転される。ノズル93からは、被洗浄面にたいして、洗浄剤、及び水が散布され、洗車機用洗浄ブラシ1により洗浄され、洗浄後は、乾燥機94等の乾燥手段により被洗浄面が乾燥される。
【0033】
実施例3の洗車機91は、上記の如くの構成となっているので、洗車機用洗浄ブラシ1の取付け、取外しにおいて、軸体を洗車機91から取外すことなくブラシの取付け、取外しが迅速かつ容易に可能にできる。また、軸体にたいして連結体を構成する台座を仮止めにより吊るす事ができる為、台座を押さえつけながら取付け作業をする事が無く、簡単に作業ができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の洗車機用洗浄ブラシ及び洗車機は、主に、自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機用洗浄ブラシ、及び前記洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機として使用する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の洗車機用洗浄ブラシの正面図
【図2】図1の側面図
【図3】図1のA−A断面図
【図4】(A)台座の斜視図、(B)台座の斜視図
【図5】(A)本発明の実施例2における洗車機用洗浄ブラシに使用するチャンネルブラシの斜視図、(B)(A)のチャンネルブラシを使用した洗車機用洗浄ブラシの側面図
【図6】本発明の洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機の正面図
【符号の説明】
【0036】
1、11 洗車機用洗浄ブラシ
2 軸体
3、13 連結体
4、14、24、34 台座
5、35 ブラシ片
7 リベット
8 ボルト
9 溝部
10 凸部
20、76 穴部
30 ツメ部
40 嵌合部
36 芯線
37 帯状体
50 チャンネルブラシ
75 嵌合片
91 洗車機
92 駆動源
93 ノズル
94 乾燥機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車洗浄用あるいは車両洗浄用の洗車機用洗浄ブラシにおいて、前記洗車機用洗浄ブラシは、軸体、及び複数の連結体を有し、前記連結体は、台座、及びブラシ片を有すると共に、前記ブラシ片は、前記台座の外周部に形成されてあり、前記台座は前記軸体にたいして仮止め手段を有するか、あるいは前記台座は相互に仮止め手段を有することを特徴とする洗車機用洗浄ブラシ。
【請求項2】
請求項1記載の構成よりなる洗車機用洗浄ブラシにおいて、前記台座は、前記軸体にたいして側方から略垂直に当接し、前記軸体の長手方向に移動して保持されることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシ。
【請求項3】
駆動源と、被洗浄面に散布する洗浄剤及び水を噴出させるノズルと、洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えると共に、請求項1から2のいずれか1項に記載の洗車機用洗浄ブラシを搭載したことを特徴とする洗車機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−54932(P2008−54932A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−235605(P2006−235605)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】