説明

洗車機

【課題】 本発明は、洗浄する車種や車体部位に応じたブラシ接触圧を調整することができる洗車機を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 本発明は、洗車ブラシを車体に接離するブラシ移動手段と、洗車ブラシを回転駆動するブラシモータと、ブラシモータの電流値を検出する電流検出手段と、該検出手段で検出されるモータ電流値が上下閾値内になるようにブラシ移動手段を制御する制御手段と、洗浄対象となる自動車の車種及び車体部位毎に前記上下閾値の初期値が記憶された記憶手段とを備え、記憶手段に記憶された上下閾値の初期値を、車種及び車体部位毎に設定された係数と、特定の車種における特定の車体部位で検出されるモータ電流値とに基づいて補正する閾値補正機能を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗車ブラシで自動車車体をブラッシング洗浄する洗車機に関し、車体との接触をブラシモータの電流値により監視し、適正な接触圧で洗車ブラシを車体に作用させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗車ブラシを車体に接触させてブラッシング洗浄する洗車機において、ブラシモータの電流値からブラシと車体との接触状態を検出し、設定された上限電流閾値と下限電流閾値との間にブラシモータの電流値を保持することで、ブラシを車体に適正な接触圧で作用させる技術が知られている。また、特許文献1に示すように、車種や車体部位毎に、適正なブラシ接触圧となるブラシモータ電流値をメモリに記憶しておき、車形検出手段で検出される車体形状に応じてブラシの接触状態を変える点も公知となっている。
【0003】
さて、設定されたブラシモータの電流閾値は、ブラシモータの個体差や経年変化等に対応するため、使用前に調整する必要がある。これまでの洗車機では、ブラシを空転させたときの空転電流値Kと、ブラシを車体に適正な接触距離に接触させたときの電流値Tとを検出してブラシ接触による電流上昇値P(=T−K)を算出し、この電流上昇値Dと初期下限閾値ALとの差分から補正値S(=D−AL)を算出して、新閾値ALn(=AL+S)を設定している。
【0004】
こうした調整作業は、全ての車種・全ての車体部位に対して実行することは困難であるため、特定の車種・特定の車体部位で得られた補正値Sに基づいて、全ての初期値を補正するようになっている。例えば、大型トラック上面で調整作業を行う場合、大型トラック上面にブラシを適正な接触距離で接触させたときの電流値Tから補正値Sを算出し、この補正値Sで小型トラック上面の設定値やトラックキャビン上面の設定値を補正している。
【0005】
しかしながら、大型トラック上面を洗浄する際の適正な接触距離と、トラックキャビン上面を洗浄する際の適正な接触距離とは異なるため、この補正値Sでトラックキャビン上面の設定値を補正することは望ましくない。すなわち、トラック上面は幅広で丈夫であるため、ブラシをしっかり当てて洗浄を行うのに対し、キャビン上面に設けられる風防は幅狭で軟弱であるため、ブラシを弱く当てて洗浄を行う必要があるため、トラック上面の接触を基準に算出された補正値Sでトラックキャビン上面の設定値を補正すると、キャビン上面でブラシが過接触となり破損する恐れがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−6936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、洗浄する車種や車体部位に応じたブラシ接触圧を調整することができる洗車機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願人は、車種や車体部位毎に、ブラシを車体に接触させた距離とモータ電流値の上昇量に一定の関係があることを見出した。本発明は、この知見に基づくもので、洗車ブラシを車体に接離するブラシ移動手段と、洗車ブラシを回転駆動するブラシモータと、該ブラシモータの電流値を検出する電流検出手段と、該検出手段で検出されるモータ電流値が上下閾値内になるように前記ブラシ移動手段を制御する制御手段と、洗浄対象となる自動車の車種及び車体部位毎に前記上下閾値の初期値が記憶された記憶手段とを備え、記憶手段に記憶された上下閾値の初期値を、車種及び車体部位毎に設定された係数と、特定の車種における特定の車体部位で検出されるモータ電流値とに基づいて補正する閾値補正機能を備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の装置は以上のように構成されるので、車種及び車体部位毎にブラシの接触距離を考慮した係数を設定したので、特定の部位でサンプリングされたモータ電流値の補正値に基づいて全ての制御データをモータの特性に合わせたデータに書き換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の洗車機を示す正面図である。
【図2】同装置の側面図である。
【図3】上面洗浄ブラシ5の構造を示す説明図である。
【図4】側面洗浄ブラシ6・6の構造を示す説明図である。
【図5】同装置の制御系を示すブロック図である。
【図6】車体部位毎の電流変化特性を示したグラフである。
【図7】上面洗浄ブラシ5の制御データを示す説明図である。
【図8】補正作業の動作を示すフローチャート図である。
【図9】上面洗浄ブラシの動作を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を基に、本発明の実施態様について説明する。図1は本発明の洗車機を示す正面図、図2は同側面図である。
1は本体フレームで、自動車車体を跨ぐように門型状に形成され、正転逆転可能な走行モータ4・4により、車輪2・2を回転駆動してレール3・3に沿って往復走行する。5は上面洗浄ブラシで、本体フレーム1の脚部に備えた昇降レール間に沿って昇降し、主に自動車の上面をブラッシングする。6・6は側面洗浄ブラシで、本体フレーム1の上部幅方向に備えた走行レールに沿って開閉し、主に自動車の前後面及び側面をブラッシングする。7は走行限界スイッチで、本体フレーム1の脚部下端に設けられ、前記レール3の前端及び後端付近に設置したドッグ3a・3bに接触して本体フレーム1の前進及び後進の限界位置を検出する。ここでは、走行限界スイッチ7がドッグ3aに接触すると走行後端位置が検出され、ドッグ3bに接触すると走行前端位置が検出されるものである。
【0012】
8a・8bは電装ボックスで、本体フレーム1の脚部前面に左右一対で取り付けられ、正面視右側に位置する電装ボックス8a・8bの前面に洗車受付を行う操作パネル9を設けている。10・11は光電スイッチで、それぞれ発光部と受光部とを対面配置するとともに、受光部を発光部よりも高い位置に配置することで傾斜した光軸を形成し、この傾斜光軸の透光/遮光によって車体の有無を検出するもので、電装ボックス8a・8bの対向する内面において奥行き方向に所定距離離れた位置に設置されている。
【0013】
図3は上面洗浄ブラシ5の構造を示す説明図である。
上面洗浄ブラシ5は、ブラシ軸12の両端に直結されたキャリア13L・13Rによって洗車機本体1内に垂設した昇降レール14L・14R上を昇降するように構成され、一方のキャリア13Rに固定されたブラシモータ15により正逆転駆動される。キャリア13L・13Rは、上端と下端を無端状に接続するチェーン16と、該チェーン16が懸回されるスプロケット17U・17Dと、左右の上スプロケット17U同士を連結する回転軸18、該回転軸18を正逆転する昇降モータ19からなる昇降装置により昇降される。20,21は昇降限界スイッチで、キャリア13Lの接触によりスイッチングして上昇限界及び下降限界を与える。
【0014】
図4は側面洗浄ブラシ6・6の構造を示す説明図である。
側面洗浄ブラシ6・6は、ブラシ軸22の上端に直結したキャリア23L・23Rによって洗車機本体1内の後方上部に水平に横架された開閉レール24に沿って開閉するように構成され、ブラシモータ25・25により正逆転駆動される。キャリア23L・23Rは、右端と左端を無端状に接続するチェーン26と、該チェーン26が懸回されるスプロケット27L・27Rと、一方のスプロケット27L・27Rを正逆転する開閉モータ28からなる開閉装置により開閉される。
【0015】
このような構成の洗車機は、主にトラックやバス等の大型車の洗車に用いられる。本体フレーム1を待機位置に待機させた状態で、洗浄する自動車を光電スイッチ10・11で与える停止位置まで入車させ、操作パネル9で任意の洗車プログラムを選択した後にスタートすると、本体フレーム1が前進し、各散水ノズルから洗浄水を散布しながら各洗浄ブラシ5・6により車体のブラッシング洗浄が施されるのである。
【0016】
図5は本発明の制御系を示すブロック図である。
30は洗車制御部で、本体フレーム1の本体走行モータ4,走行限界スイッチ7,操作パネル9,光電スイッチ10・11,上面洗浄ブラシ5のブラシモータ15,昇降モータ19,昇降限界スイッチ20,21,側面洗浄ブラシ6・6のブラシモータ25,開閉モータ28が接続されている。
【0017】
操作パネル9には、車種選択キー31,洗車箇所指定キー32,洗車コースキー33,洗車スタートキー34,洗車ストップキー35が備えられ、顧客の希望に添った洗車形態を設定できるようになっている。このうち、車種選択キー31では、トラック・トレーラー・バスといった形状の異なる自動車の選択と、2トン・4トン・10トンといった大きさの異なる自動車の選択が組み合わせて選択でき、洗車箇所指定キー32では、車体における前面・側面・後面・上面のうち洗浄する箇所を選択でき、洗車コースキー33では、水洗車・洗剤洗車・ワックス洗車といった洗車コースが選択できる。
【0018】
洗車制御部30は、本体フレーム1の走行位置を検出する走行位置検出部36と、上面洗浄ブラシモータ15の電流値を検出する電流検出部37と、昇降モータ19を制御する昇降制御部38と、側面洗浄ブラシモータ25の電流値を検出する電流検出部39と、開閉モータ28を制御する開閉制御部40と、各種データを記憶したデータ記憶部41を備えている。
【0019】
走行位置検出部36は、本体走行モータ4の駆動時間をカウントし、走行限界スイッチ7で検出される走行限界位置からの本体フレーム1の移動位置を推定して昇降制御部38及び開閉制御部40に指令を出力する。電流検出部37,39は、各ブラシモータ15,25の電流値を検出し、ブラシと車体との接触状態を判断して昇降制御部38及び開閉制御部40に指令を出力する。昇降制御部38は、走行位置検出部36及び電流検出部37からの指令を受けて上面洗浄ブラシ5を昇降する。開閉制御部36は、走行位置検出部36及び電流検出部39からの指令を受けて側面洗浄ブラシ6を開閉する。データ記憶部41には、ブラシを車体に接触させたときの電流上昇量から接触状態を判断するための電流閾値AHi,ALoと、車体部位毎の電流変化特性を示す係数Cとが、各車種や各洗浄部位毎にテーブル化されて記憶されている。
【0020】
このような構成により、上面洗浄ブラシ5及び側面洗浄ブラシ6でブラッシング洗浄を行う際に、ブラシを車体に接触させたときに上昇する電流値が、データ記憶部41に記憶された電流閾値AHi〜ALoの間になるように、上面洗浄ブラシ5を昇降、側面洗浄ブラシ6を開閉してブラッシング洗浄が実行されることになる。
【0021】
さて、データ記憶部41に記憶された電流閾値AHi,ALo及び係数Cは、モータ電流変化特性に基づいて車種や車体部位毎に試験によって決定されている。図6は『4トントラック』における車体部位毎の電流変化特性を示したグラフであり、(a)はキャビン上面に上面洗浄ブラシを接触させたときの接触距離と電流変化の関係を示し、(b)は箱体上面に上面洗浄ブラシを接触させたときの接触距離と電流変化の関係を示している。
【0022】
図6(a)に示すように、キャビン上面は、箱体上面に比べて幅狭であるため、ブラシとの接触面積が小さく、ブラシの接触距離に対する電流上昇量が小さくなっている。これにより、ブラシの接触距離P1での電流値を下限閾値ALo、接触距離P2での電流値を上限閾値AHiとし、直線の傾きを係数Cとしてデータ記憶部41に記憶している。
【0023】
一方、図6(b)に示すように、箱体上面は、キャビン上面に比べて幅広であるため、ブラシとの接触面積が大きく、ブラシの接触距離に対する電流上昇量が大きくなっている。これにより、ブラシの接触距離P1’での電流値を下限閾値ALo、接触距離P2’での電流値を上限閾値AHiとし、直線の傾きを係数Cとしてデータ記憶部41に記憶している。
【0024】
尚、ブラシ接触距離は、キャビン上面が箱体上面に比べて脆弱であることを考慮して、キャビン上面のブラシ接触距離P1,P2を、箱体上面のブラシ接触距離P1’,P2’よりも浅くして、閾値を設定している。
【0025】
こうして、車種及び車体部位毎に上限閾値AHi・下限閾値ALo・係数Cが設定され、図7に示す初期値データが与えられる。尚、図7は、上面洗浄ブラシ5の制御データを示しており、便宜上、全てのデータが異なる数値として表現しているが、同一の数値であっても構わない。
【0026】
これらのデータは、事前に基準となる初期値として与えられているが、モータ電流特性の個体差を考慮し、洗車機を設置するタイミングで調整作業が施される。図8はこの調整作業の動作を示すフローチャート図であり、「4トントラック」の上面洗浄ブラシ5の制御データを調整する場合を例に説明する。
【0027】
まず、ブラシを空転させて空転電流値Kを検出する(1)。次に上面洗浄ブラシ5をキャビン上面に接触させ、適正な接触圧となる接触距離までブラシを下降させる(2)。接触距離P1に達したときの電流値Tを検出し(3)、空転電流値Kと接触電流値Tから上昇電流値D(=T−K)を算出する(4)。初期値として設定された閾値AL4と上昇電流値Dの差分から補正値S(=D−AL4)を算出する(5)。そして、補正値Sを初期値AL4,AH4に加えて、新閾値AL4’,AH4’を設定する(6)。こうして、「4トントラックのキャビン上面」の閾値データが書き換えられる。
【0028】
ここで、こうした調整作業を車体の全ての部位で実行するのは非常に手間であり、時間が掛かる。そのため、従来では特定の車体部位で実行した調整作業から算出した補正値Sを、調整作業を行った部位以外の閾値データにそのまま加えていたが、これでは車種や車体部位毎のブラシ接触距離が反映されない。すなわち、キャビン上面にブラシを接触させるときの接触距離と箱体上面にブラシを接触させるときの接触距離とが異なっているため、単純に補正値Sを加算してモータ特性を補っても、箱体上面では接触不足となってしまう。
【0029】
そこで、本発明では、この補正値Sに対して、調整作業を実行した車体部位の係数Cと、変更するデータの車体部位の係数Cとの比を乗じて変更部位の補正値S’を算出し、この補正値S’を変更部位の初期値に加えて閾値データを書き換えるようにしている。例えば、「4トントラックの箱体上面」の閾値データを書き換える場合、調整作業した「4トントラックのキャビン上面」の補正値Sに対して、「4トントラックのキャビン上面」の係数C4と、「4トントラックの箱体上面」の係数C5との比(C5/C4)を補正値Sに乗じて「4トントラックの箱体上面」の補正値S’(=S*C5/C4)を算出し、この補正値S’を「4トントラックの箱体上面」の初期値AL5,AH5に加えて、新閾値AH5’,AL5’を設定するようにしている。これにより、1つの補正値Sを算出すれば、全ての制御データを、モータの特性に合わせたデータに書き換えることができる。
【0030】
尚、初期値の設定を手動で調整することも可能である。この場合、初期値に対して調整分をモータ電流値で増減するのは分かりにくいため、ブラシの接触距離を入力し、この距離分に相当する電流値を算出して初期値に増減する方法を採用する。例えば、操作パネルに調整キーを設け、全ての車種・全ての車体部位に対して一律に「+4cm」車体に接触させるよう初期値を調整する場合、「4トントラックのキャビン上面」で「+4cm」分ブラシを接触させたときの電流値Tを検出し、空転電流値Kと接触電流値Tから上昇電流値Dを算出する。初期値として設定された閾値AL4と差分電流値Dから補正値Sを算出する。そして、補正値Sを初期値AH4,AL4に加えて、新閾値AH4’,AL4’を設定する。こうして、「4トントラックのキャビン上面」の閾値データが書き換えられる。
【0031】
続いて、本発明の洗車機の洗車動作について説明する。
本体フレーム1は、走行位置スイッチ7がドッグ3aに接触する待機位置で洗浄する車両の入車待ち状態にある。車両が乗り入れられて、本体フレーム1前面の電装ボックス8a,8b間に設けた光電スイッチ10・11のうち、前方の光電スイッチ10が遮光、後方の光電スイッチ11が透光している状態になると、車両の停止位置と判断して停止を促す。こうして、車両が正規の停止位置に停車されると、操作パネル9での洗車受付を許可し、各キーにて選択動作を行った後、洗車スタートキー34を入力すると洗車がスタートすることになる。洗車スタートすると、まずブラシを空転させて空転電流値を検出する。洗車の度に空転電流値を検出するのは、ブラシモータの電流特性がブラシの劣化摩耗・気温・電源電圧の状態等の環境要因によって変化することを許容するためである。以後、洗車開始時のブラシ空転電流値を基準に、車体に接触して上昇する電流上昇値を、各閾値の範囲内に収まるように昇降・開閉が制御される。
【0032】
以下、洗車設定として、車種選択キー31で「トラック/4トン」,洗車箇所指定キー32で「キャビン上面/上面/後面」,洗車コースキー33で「水洗車」を選択した場合の上面洗浄ブラシ5による洗車動作について、図9を用いて説明する。
【0033】
洗車動作が開始すると、上面洗浄ブラシ5をミラー上位置まで下降させ、ブラシ5を正転させて本体フレーム1を前進させる。ブラシモータ15の電流値で上面洗浄ブラシ5がトラックTのキャビン上面に接触したことを検出すると、本体フレーム1を前進させたまま、ブラシモータ15の電流値が閾値AL4〜AH4の範囲になるよう、昇降モータ19を制御してキャビン上面のブラッシング洗浄を行う。
【0034】
キャビン上面洗浄が終わると、引き続きブラシモータ15の電流値が閾値AL5〜AH5の範囲になるよう、昇降モータ19を制御してトラック上面のブラッシングを行う。本体フレーム1の前進により、上面洗浄ブラシ5が光電スイッチ11・12で検出するトラック後端に達したら、本体フレーム1を前進させたままブラシ5を下降させ、ブラシ5が下限位置に達したら、本体フレーム1の走行を停止し、バンパー位置まで上昇させる。
【0035】
上面洗浄ブラシ5がバンパー位置まで上昇したら、ブラシ5を逆転させて本体フレーム1を後進させる。ブラシモータ15の電流値で上面洗浄ブラシ5がトラックTの後面に接触したことを検出すると、本体フレーム1の走行を停止し、ブラシモータ15の電流値が閾値AL6〜AH6の範囲になるよう、本体走行モータ昇降モータ4を制御してトラック後面のブラッシング洗浄を行う。
【0036】
上面洗浄ブラシ5が上限位置まで上昇したら、本体フレーム1を走行させていき、走行限界スイッチ7が走行前端位置を検出すると洗車終了となる。
【0037】
尚、ここで設定されるミラー上位置、キャビンと箱体の境界位置は、一般的なトラック形状に基づいて予め記憶されており、各走行モータ4・昇降モータ19の駆動時間により位置制御される。
【符号の説明】
【0038】
1 本体フレーム
4 走行モータ
5 上面洗浄ブラシ
6・6 側面洗浄ブラシ
8a・8b 電装ボックス
9 操作パネル
15 ブラシモータ
19 昇降モータ
25 ブラシモータ
28 開閉モータ
30 洗車制御部
36 走行位置検出部
37 電流検出部
38 昇降制御部
39 電流検出部
40 開閉制御部
41 データ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗車機本体と自動車とが相対移動し、移動に伴い洗車機本体内に備えた洗車ブラシを自動車車体に作用させて洗車を行う洗車機において、
前記洗車ブラシを車体に接離するブラシ移動手段と、洗車ブラシを回転駆動するブラシモータと、該ブラシモータの電流値を検出する電流検出手段と、該検出手段で検出されるモータ電流値が上下閾値内になるように前記ブラシ移動手段を制御する制御手段と、洗浄対象となる自動車の車種及び車体部位毎に前記上下閾値の初期値が記憶された記憶手段とを備え、
前記記憶手段に記憶された上下閾値の初期値を、車種及び車体部位毎に設定された係数と、特定の車種における特定の車体部位で検出されるモータ電流値とに基づいて補正する閾値補正機能を備えたことを特徴とする洗車機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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