説明

洗車機

【課題】
本発明は、メンテナンス性を向上できる洗車機を提供する
【解決手段】
回転するブラシを有する洗車機本体1と被洗浄車両CAとを前後方向に相対移動させながら液剤を噴射して前記被洗浄車両CAの洗車を行う洗車機WAにおいて、注入口61を有して該液剤を貯液する貯液タンク60と、前記洗車機本体1に設けられて前記貯液タンク60を収納するタンク収納部50と、前記タンク収納部50を開閉するタンク収納カバー30と、前記注入口61を露出させる露出状態で前記タンク収納カバー30の開成を規制する規制部と、を備え、前記露出状態から前記タンク収納カバー30を所定方向に移動して前記規制部による前記タンク収納カバー30の開成の規制を解除した際に、前記タンク収納カバーを取り外しできる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給油所等に設置して被洗浄車両の洗車を行う洗車機に関する。
【背景技術】
【0002】
給油所等に設置される従来の洗車機は特許文献1に開示される。この洗車機は被洗浄車両のユーザの操作によって洗車条件が設定されると、被洗浄車両の洗車が受け付けられる。これにより、洗車が開始され、設定された洗車条件に基づいて被洗浄車両と洗車機本体とを前後方向に相対移動させながら被洗浄車両に液剤や洗浄水が噴霧される。
【0003】
洗車時に供給される液剤は洗車機本体に設けられたタンク収納部に収納した貯液タンクから配管を介して供給される。貯液タンクの上部にはキャップにより塞がれた液剤の注入口が設けられている。そして、貯液タンクを収納し、蝶番で固定されたタンク収納カバーを開成して洗車機本体から注入口が露出する。これにより、スタッフによってキャップを取り外した注入口を介して貯液タンクに液剤を補充することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−12954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の洗車機によると、収納するタンク収納カバーは蝶番で固定されているため、タンクの交換や清掃、配管の補修等のメンテナンスを行う際にタンク収納カバーを外して分解する必要がある。このため、タンク収納カバーを取り出してのタンク交換等に手間がかかり、洗車機のメンテナンス性が悪い問題があった。
【0006】
本発明は、メンテナンス性を向上できる洗車機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、回転するブラシを有する洗車機本体と被洗浄車両とを前後方向に相対移動させながら液剤を噴射して前記被洗浄車両の洗車を行う洗車機において、注入口を有して該液剤を貯液する貯液タンクと、前記洗車機本体に設けられて前記貯液タンクを収納するタンク収納部と、前記タンク収納部を開閉するタンク収納カバーと、前記注入口を露出させる露出状態で前記タンク収納カバーの開成を規制する規制部と、を備え、前記露出状態から前記タンク収納カバーを所定方向に移動して前記規制部による前記タンク収納カバーの開成の規制を解除した際に、前記タンク収納カバーを取り外しできることを特徴とする。
【0008】
この構成によると、洗車機本体が設定された洗車条件に基づいて被洗浄車両に対して前後方向に相対移動する。被洗浄車両には貯液タンクから配管を介して液剤が供給され、洗車機本体に設けた回転ブラシが被洗浄車両に摺動して被洗浄車両が洗車される。貯液タンクはタンク収納部に配され、タンク収納カバーを開いて注入口が露出するとタンク収納カバーが規制部により開成を規制される。この露出状態で貯液タンクに液剤が補充され、タンク収納カバーが閉じられる。また、露出状態からタンク収納カバーを所定方向に移動すると規制部の規制が解除され、タンク収納カバーを取り外してタンク収納部内のメンテナンスが行われる。
【0009】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記タンク収納部及び前記タンク収納カバーのいずれか一方に配した第1係合ピンが一端を開放して他方に配した第1溝部により前記タンク収納カバーの開閉時に案内されるとともに、前記タンク収納部及び前記タンク収納カバーのいずれか一方に配した第2係合ピンが一端を開放して他方に配した第2溝部により前記タンク収納カバーの開閉時に案内され、前記規制部が第1、第2溝部の少なくとも一方に設けた段差部と、前記段差部に当接する第1係合ピンまたは第2係合ピンと、によって形成されることを特徴とする。
【0010】
この構成によると、例えば、タンク収納部の壁面に第1係合ピン及び第2係合ピンが配され、タンク収納カバーに第1溝部及び第2溝部が形成される。第1溝部及び第2溝部の案内によって第1係合ピン及び第2係合ピンが相対的に移動し、タンク収納カバーを安定して開閉することができる。第1溝部または第2溝部に設けた段差部に第1係合ピンまたは第2係合ピンが当接するとタンク収納カバーの開成が規制され、注入口が露出する。また、段差部と第1係合ピンまたは第2係合ピンとの係合を解除すると、第1溝部及び第2溝部の開放端から第1係合ピン及び第2係合ピンが抜け出てタンク収納カバーが取り外される。第1係合ピン及び第2係合ピンをタンク収納カバーに設け、第1溝部及び第2溝部をタンク収納部に設けてもよい。また、第1係合ピン及び第2係合ピンの一方をタンク収納部に設け、他方をタンク収納カバーに設けてもよい。
【0011】
また、本発明は上記構成の洗車機において、第1溝部及び第2溝部が前記タンク収納カバーの側面に配されて下端を開放するとともに、第1係合ピン及び第2係合ピンが前記タンク収納部に配され、前記タンク収納カバーが下辺を開放して取り外された際に自立できることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は上記構成の洗車機において、第1係合ピンを第2係合ピンの上方に配し、前記タンク収納カバーが閉じた状態から前記露出状態に移行する際に第2係合ピンを中心に回転することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は上記構成の洗車機において、第1溝部は前記タンク収納カバーを閉じた際に第1係合ピンに係合して前記タンク収納カバーの取り外しを規制する抜け止め部を有することを特徴とする。
【0014】
この構成によると、例えば、第1係合ピンの下方を覆うようにして抜け止め部が形成され、抜け止め部によって第1係合ピンの下方への相対移動が規制されるため、意図しないタンク収納カバーの取り外しを防止することができる。
【0015】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記タンク収納カバーの上面の上方に突出して、前記タンク収納カバーを閉じた際に前記タンク収納部の周囲に当接する突出部を設け、前記突出部と前記洗車機本体との互いに対向する面の一方に前記貯液タンクの内容物を識別表示したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、メンテナンス性を向上できる洗車機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図
【図2】本発明の第1実施形態の洗車機の全体構成を示す正面図
【図3】本発明の第1実施形態の洗車機の全体構成を示す斜視図
【図4】本発明の第1実施形態の洗車機のタンク収納カバーを示す斜視図
【図5】本発明の第1実施形態の洗車機のタンク収納カバーを示す側面図
【図6】本発明の第1実施形態の洗車機のタンク収納カバーを閉じた状態を示す側面図
【図7】本発明の第1実施形態の洗車機のタンク収納カバーを開いた状態を示す側面図
【図8】本発明の第1実施形態の洗車機のタンク収納カバーを開いた状態を示す斜視図
【図9】本発明の第1実施形態の洗車機のタンク収納カバーを外した状態を示す側面図
【図10】本発明の第2実施形態の洗車機のタンク収納カバーを閉じた状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1実施形態を図面を参照して説明する。図1、図2、図3は本実施形態の洗車機を示す側面図、正面図、斜視図である。洗車機WAは洗車機本体1を備え、洗車機本体1の進入経路上にはリモートパネル7Aが配される。被洗浄車両CAはリモートパネル7Aの面前で停車し、リモートパネル7Aの操作によって洗車の受け付け等を行う。
【0019】
洗車機本体1は被洗浄車両CAを跨ぐ門型に形成される。洗車機本体1の底面には地面に設けられた左右一対のレール2上に配される車輪3が設けられる。これにより、洗車機本体1はレール2上を走行して被洗浄車両CAに対して前後に相対移動する。
【0020】
洗車機本体1には被洗浄車両CAをブラッシングする複数の回転するブラシを設けている。ブラシはトップブラシ4、サイドブラシ5及びロッカーブラシ6から成っている。トップブラシ4は被洗浄車両CAの上面を洗浄し、回転軸に布(織布、編布、不織布等)や樹脂繊維から成るブラシ毛を放射状に固着して形成される。
【0021】
サイドブラシ5は左右一対設けられ、被洗浄車両CAの両側面と前後面に摺動して被洗浄車両CAを洗浄する。ロッカーブラシ6は左右一対設けられ、被洗浄車両CAのタイヤを含む側面下部を洗浄する。サイドブラシ5及びロッカーブラシ6もトップブラシ4と同様の回転軸及びブラシ毛を有している。
【0022】
洗車機本体1の前面左側には洗剤やワックス等の各種液剤を貯液する複数の貯液タンク60(図7参照)を収納するタンク収納部50が設けられている。タンク収納部50の前面はタンク収納カバー30により開閉される。
【0023】
タンク収納部50の上方には市水及び各貯液タンクからの液剤を電磁弁等を介して分配する分配配管部51がグロメット62(図6参照)を介して設けられる。分配配管部51には第1、第2浄水ノズル11、13、第1、第2洗剤ノズル12、15、撥水コートノズル14、ワックスノズル16が導出される。
【0024】
第1、第2浄水ノズル11、12は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対して市水を噴射する。第1、第2洗剤ノズル12、15は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対して洗剤を噴射する。撥水コートノズル14は洗車機本体1の奥側に配され、被洗浄車両CAに対して撥水コート剤を噴射する。ワックスノズル16は洗車機本体1の奥側に配され、被洗浄車両CAに対してワックスを噴射する。
【0025】
また、洗車機本体1の中央上部にはトップ送風ノズル21が設けられ、両側部にはサイド送風ノズル22が設けられる。トップ送風ノズル21及びサイド送風ノズル22は昇降自在に配され、ブロワ20からの送風を被洗浄車両CAに対して吹き付けて乾燥させる。
【0026】
洗車機本体1の前面上部には車両センサ8が設けられている。車両センサ8は光電センサや超音波センサ等から成り、洗車機本体1に進入する被洗浄車両CAの有無を検知する。
【0027】
洗車機本体1の一方の側部の前面には操作パネル7が配される。操作パネル7はリモートパネル7Aと同様の操作ボタンを備え、被洗浄車両CAから降車したユーザ等の操作により洗車の受け付けや洗車条件の設定を行う。
【0028】
洗車条件の設定としてはシャンプー、ワックス掛け、撥水コート等を水洗いに追加するボタンが操作パネル7及びリモートパネル7Aに設けられる。また、高級なシャンプー、高級なワックス、高級な撥水コート、特殊なコート等を行うボタンも設けられている。さらに、フロントガード有り、フェンダーポール有り、ドアミラー有り、リヤワイパー有り、該当装備品無し等の装備品設定ボタンが設けられている。
【0029】
上記構成により、洗車機本体1が設定された洗車条件に基づいて被洗浄車両CAに対して前後方向に相対移動する。そして被洗浄車両CAには貯液タンク50から液剤が供給され、洗車機本体1に設けた回転ブラシが被洗浄車両CAに摺動して被洗浄車両CAが洗車される。
【0030】
図4、図5はタンク収納カバー30の斜視図及び側面図である。タンク収納カバー30は背面及び下辺36を開放し、両側面32、上面31及び前面34とが覆われる。
【0031】
タンク収納カバー30の上面31の上方には突出してタンク収納カバー30を閉じた際(図6参照)にタンク収納部50の周囲に当接する突出部33が設けられている。突出部33は開閉の際に把持する取っ手35が設けられている。突出部33と洗車機本体1とをマグネットやネジなどにより固定してもよい。
【0032】
図5はタンク収納カバー30の側面図である。両側面32には第1係合ピン65(図6、図7参照)を案内する第1溝部41と、第2係合ピン66(図6、図7参照)を案内する第2溝部43と、がそれぞれ設けられている。タンク収納カバー30の下辺36は前面34と両側面32とから構成され、コの字状の屈曲した底面となる。このため、タンク収納部50から取り外されたタンク収納カバー30は下辺36を接地して自立可能とされる。
【0033】
第1溝部41は上下方向に延びて形成され、下端に開放端41Aを有している。第1溝部41の上端には前方に突出する抜け止め部41Bが形成される。第1溝部41の背面には後方に突出する段差部41Dが設けられる。抜け止め部41Bと段差部41Dとの間は中間点41Cから前後にそれぞれ直線状に延びる壁面により連結され、第1溝部41の上面41Eを形成する。
【0034】
第2溝部43は第1溝部41の前方に配されて上下方向に延びて形成され、下方に開放端43Aを有している。また、第2溝部43は第1溝部41よりも上下方向に短く、第2溝部43の上端43Bは第1溝部41の上端よりも下方に配される。
【0035】
図6はタンク収納カバー30を閉じた閉成状態を示す側面図である。第1係合ピン65及び第2係合ピン66はタンク収納部50の側壁に突設され、第1係合ピン65の鉛直下方に第2係合ピン66が配される。タンク収納カバー30の閉成状態では第1溝部41の抜け止め部41Bに第1係合ピン65が係合し、第2溝部43の上端43Bに第2係合ピン66が当接する。
【0036】
この時、第1、第2係合ピン65、66が鉛直方向に並び、第1溝部41の抜け止め部41Bと第2溝部43の上端43Bとが前後にずれて配されるため、タンク収納カバー30の前面は上方が突出するように傾斜する。また、第1係合ピン65は下方を覆う抜け止め部41Bによって下方への相対移動が規制されるため、タンク収納カバー30が抜け止めされる。これにより、意図しないタンク収納カバー30の取り外しを防止することができる。
【0037】
閉成状態からタンク収納カバー30を開いていくと、第2係合ピン66は第2溝部43の上端43Bに略当接した状態を維持し、タンク収納カバー30は第2係合ピン66を中心に回転する。一方、第1係合ピン65は第1溝部41の抜け止め部41Bから離れ、上面41Eに沿って相対移動する。
【0038】
そして、図7に示すように、第1係合ピン65が段差部41Dに当接すると、タンク収納カバー30の開成が規制され、注入口61が露出した露出状態となる。従って、第1係合ピン65及び段差部41Dはタンク収納カバー30の開成を規制する規制部を構成する。露出状態で洗車スタッフは注入口61から液剤を貯液タンク60に注入して補充することができる。
【0039】
この時、図8の斜視図に示すように、洗車機本体1のタンク収納部50の周囲に突出部33に対向して配されたシール63が露出する。シール63は貯液タンク66の内容物を識別表示し、タンク収納カバー30を開いた露出状態で貯液タンク66の内容物を識別することができる。尚、突出部33の洗車機本体1に対向する面にシール63を設けてもよい。
【0040】
図7に示す露出状態からタンク収納カバー30の下方を手前に回動させながら上方に引き上げると、第1係合ピン65が段差部41Dから離れる。これにより、タンク収納カバー30の開成の規制が解除される。そして、図9に示すように、矢印Dの方向にタンク収納カバー30を引き上げると、第1、第2係合ピン65、66が第1、第2溝部41、43の開放端41A、43Aから抜け出る。これにより、タンク収納カバー30を取り外すことができ、貯液タンク60の交換や分配配管部51の補修等のメンテナンスを行うことができる。
【0041】
本実施形態によると、タンク収納部50を開閉するタンク収納カバー30の開成を注入口61が露出する露出状態で規制する規制部(段差部41D及び第1係合ピン65)を備えている。これにより、タンク収納カバー30を開いた状態を保持して貯液タンク60に液剤を容易に注入できる。また、露出状態から所定方向にタンク収納カバー30を移動して開成の規制を解除することによってタンク収納カバー30を取り外しできるので、タンク収納部50内のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0042】
また、タンク収納部50に第1、第2係合ピン65、66を設けるとともに、タンク収納カバー30に第1、第2係合ピン65、66を案内する第1、第2溝部41、43を設け、第1溝部41に第1係合ピン65が当接する段差部41Dを設けている。これにより、第1、第2係合ピン65、66により2箇所でタンク収納カバー30を支持して安定してタンク収納カバー30を開閉することができる。また、露出状態でタンク収納カバー30の開成を規制する規制部を段差部41D及び第1係合ピン65によって容易に実現することができる。
【0043】
尚、第1係合ピン65及び第2係合ピン66をタンク収納カバー30に設け、第1溝部41及び第2溝部43をタンク収納部50に設けてもよい。また、第1係合ピン65及び第2係合ピン66の一方をタンク収納部50に設け、他方をタンク収納カバー30に設けてもよい。
【0044】
また、タンク収納カバー30が下辺36を開放して自立可能に形成され、下端を開放した第1、第2溝部41、43を有する。これにより、取り外したタンク収納カバー30を自立した際に地面によって汚れる面積を少なくすることができる。
【0045】
また、第1係合ピン65を第2係合ピン66の上方に配置し、タンク収納カバー30が閉じた状態から露出状態に移行する際に第2係合ピン66を中心に回動する。これにより、タンク収納カバー30を容易に開閉させることができる。
【0046】
また、タンク収納カバー30を閉じた際に抜け止めする抜け止め部41Bを設けたので、意図しないタンク収納カバー30の取り外しを防止することができる。
【0047】
また、タンク収納カバー30の上方に突出してタンク収納部50に当接する突出部33と洗車機本体1との互いに対向する面の一方に貯液タンク60の内容物を識別表示している。これにより、貯液タンク60が漏れても識別表示部分が汚れにくく、タンク収納カバー30を開いて貯液タンク60の内容物を容易に識別することができる。
【0048】
(第2実施形態)
次に、図10は第2実施形態の洗車機1のタンク収納カバー30を閉じた状態を示す側面図である。説明の便宜上、前述の図1〜図9に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態は、第1実施形態に対してタンク収納カバー30の構成が異なり、洗車機本体1の前面にはタンク収納部50の上方に凹部1aが設けられる。その他の部分は第1実施形態と同様である。
【0049】
洗車機本体1の前面に設けられる凹部1aはタンク収納部50に臨み、タンク収納カバー30は凹部1aの前面を覆うように上下方向に延びて形成される。タンク収納カバー30を開いた際に露出した貯液タンク60の注入口61に凹部1aを介して液剤が注入される。
【0050】
タンク収納カバー30の側面には第1実施形態と同様の第1、第2溝部41、43が設けられる。第1溝部41の抜け止め部41Bは前方に延び、抜け止め部41Bと第2溝部43の上端43Bとが前後方向に同じ位置に配される。これにより、タンク収納カバー30の閉成状態で洗車機本体1の前面とタンク収納カバー30の前面とが同一面に配される。
【0051】
また、第1溝部41の上面41Eは閉成状態の第2係合ピン66を中心とした円弧状に形成される。これにより、タンク収納カバー30は開かれる際に第2係合ピン66が第2溝部43の上端43Bに当接した状態で回動する。
【0052】
本実施形態によると、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、タンク収納カバー30の閉成状態で洗車機本体1の前面とタンク収納カバー30の前面とが同一面に配されるので、洗車機WAの美感を向上することができる。
【0053】
第1、第2実施形態において、タンク収納カバー30が回動するが、前後にスライドしてもよい。即ち、タンク収納カバー30に設けた第1、第2溝部41、43を前後に延びて上下に並設し、後端を開放する。これにより、第1、第2係合ピン65、66を第1、第2溝部41、43により案内してタンク収納カバー30を前後にスライドさせることができる。この時、段差部41Dを第1溝部41に設けてもよく、第2溝部43に設けてもよい。また、段差部41Dを第1溝部41と第2溝部43との両方に設けてもよい。
【0054】
尚、上記と同様に、第1係合ピン65及び第2係合ピン66をタンク収納カバー30に設け、第1溝部41及び第2溝部43をタンク収納部50に設けてもよい。また、第1係合ピン65及び第2係合ピン66の一方をタンク収納部50に設け、他方をタンク収納カバー30に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明によると、給油所等に設置して被洗浄車両の洗車を行う洗車機に利用することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 洗車機本体
4 トップブラシ
4A 回転軸
5 サイドブラシ
6 ロッカーブラシ
7 操作パネル
7A リモートパネル
41 第1溝部
41A 開放端
41B 第1閉成端
41C 中間端
41D 第1開成端(抜け止め部、段差部)
43 第2溝部
43A 開放端
43B 開閉端
50 タンク収納部
65 第1係合ピン
66 第2係合ピン
CA 被洗浄車両
WA 洗車機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転するブラシを有する洗車機本体と被洗浄車両とを前後方向に相対移動させながら液剤を噴射して前記被洗浄車両の洗車を行う洗車機において、
注入口を有して該液剤を貯液する貯液タンクと、
前記洗車機本体に設けられて前記貯液タンクを収納するタンク収納部と、
前記タンク収納部を開閉するタンク収納カバーと、
前記注入口を露出させる露出状態で前記タンク収納カバーの開成を規制する規制部と、
を備え、
前記露出状態から前記タンク収納カバーを所定方向に移動して前記規制部による前記タンク収納カバーの開成の規制を解除した際に、前記タンク収納カバーを取り外しできることを特徴とする洗車機。
【請求項2】
前記タンク収納部及び前記タンク収納カバーのいずれか一方に配した第1係合ピンが一端を開放して他方に配した第1溝部により前記タンク収納カバーの開閉時に案内されるとともに、
前記タンク収納部及び前記タンク収納カバーのいずれか一方に配した第2係合ピンが一端を開放して他方に配した第2溝部により前記タンク収納カバーの開閉時に案内され、
前記規制部が第1、第2溝部の少なくとも一方に設けた段差部と、前記段差部に当接する第1係合ピンまたは第2係合ピンと、によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の洗車機。
【請求項3】
第1溝部及び第2溝部が前記タンク収納カバーの側面に配されて下端を開放するとともに、第1係合ピン及び第2係合ピンが前記タンク収納部に配され、
前記タンク収納カバーが下辺を開放して取り外された際に自立できることを特徴とする請求項2に記載の洗車機。
【請求項4】
第1係合ピンを第2係合ピンの上方に配し、前記タンク収納カバーが閉じた状態から前記露出状態に移行する際に第2係合ピンを中心に回転することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の洗車機。
【請求項5】
第1溝部は前記タンク収納カバーを閉じた際に第1係合ピンに係合して前記タンク収納カバーの取り外しを規制する抜け止め部を有することを特徴とする請求項4に記載の洗車機。
【請求項6】
前記タンク収納カバーの上面の上方に突出して、前記タンク収納カバーを閉じた際に前記タンク収納部の周囲に当接する突出部を設け、
前記突出部と前記洗車機本体との互いに対向する面の一方に前記貯液タンクの内容物を識別表示したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の洗車機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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