洗面化粧台の水栓ユニット
【課題】 洗面化粧台の排水口操作部と吐水部と吐水調節部とが汚れ難く且つ清掃し易いように大きく突出することなくコンパクトに納められた水栓ユニット。
【解決手段】 本発明の水栓ユニット（１）は、洗面ボウルの排水口の開閉を操作するための排水口操作部（３）と、洗面ボウルへの吐水を行うための吐水部（４）と、吐水部への吐水の流量および温度を調節するための吐水調節部（５）と、洗面ボウルの後壁上部において横方向に細長く延びるカバーパネル（２）とを備えている。排水口操作部と吐水部と吐水調節部とは、カバーパネルの開口部から僅かに前方へ突出した状態または開口部から前方へ突出しない状態で横方向にほぼ直線状に配置されている。
【解決手段】 本発明の水栓ユニット（１）は、洗面ボウルの排水口の開閉を操作するための排水口操作部（３）と、洗面ボウルへの吐水を行うための吐水部（４）と、吐水部への吐水の流量および温度を調節するための吐水調節部（５）と、洗面ボウルの後壁上部において横方向に細長く延びるカバーパネル（２）とを備えている。排水口操作部と吐水部と吐水調節部とは、カバーパネルの開口部から僅かに前方へ突出した状態または開口部から前方へ突出しない状態で横方向にほぼ直線状に配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、洗面化粧台の水栓ユニットに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来の洗面化粧台では、洗面ボウルの排水口の開閉を操作するための排水口操作部、洗面ボウルへの吐水を行うための吐水部、吐水部への吐水の流量および温度を調節するための吐水調節部などが、たとえば洗面ボウルの周辺においてそれぞれ突出した状態で且つばらばらに点在するように設けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
上述のように、従来の洗面化粧台では、凹凸の比較的大きな形態を有する排水口操作部や吐水部や吐水調節部などが大きく突出した状態で点在するように配置されている。その結果、排水口操作部や吐水部や吐水調節部などが汚れ易く且つ清掃し難いという不都合があった。
【０００４】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、洗面化粧台の排水口操作部と吐水部と吐水調節部とが汚れ難く且つ清掃し易いように大きく突出することなくコンパクトに納められた水栓ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
前記課題を解決するために、本発明では、洗面化粧台の洗面ボウルの後壁上部に固定された水栓ユニットにおいて、
前記洗面ボウルの排水口の開閉を操作するための排水口操作部と、
前記洗面ボウルへの吐水を行うための吐水部と、
前記吐水部への吐水の流量および温度を調節するための吐水調節部と、
前記洗面ボウルの後壁上部において横方向に細長く延びるカバーパネルとを備え、
前記排水口操作部と前記吐水部と前記吐水調節部とは、前記カバーパネルの開口部から僅かに前方へ突出した状態または前記開口部から前方へ突出しない状態で横方向にほぼ直線状に配置されていることを特徴とする水栓ユニットを提供する。ここで、僅かに前方へ突出した状態とは、開口部の幅に比べて突出量が小である状態を指すものであり、好ましくは突出量が１ｃｍ以下である。また、流量の調節としては、吐水の開始・停止を切り換えるだけであってもよい。
【０００６】
本発明の好ましい態様によれば、前記吐水部は、前記カバーパネルから前方へ引出し可能に構成されている。この場合、前記吐水部の上部には、前記吐水部を前方へ引き出す際に指を掛けるための指掛け部が設けられ、前記吐水部の下部には、前記洗面ボウルへの吐水を整流水とシャワー水との間で切り換えるための切換え部が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【０００７】
本発明にかかる洗面化粧台の水栓ユニットでは、排水口操作部と吐水部と吐水調節部とが、洗面ボウルの後壁上部において横方向に細長く延びるカバーパネルの開口部から僅かに前方へ突出した状態または開口部から前方へ突出しない状態で横方向にほぼ直線状に配置されている。換言すれば、排水口操作部と吐水部と吐水調節部とは、カバーパネルから前方へほとんど突出しない状態でほぼ水平に並んで配置されている。
【０００８】
したがって、各部が大きく突出した状態で点在する従来技術とは異なり、排水口操作部と吐水部と吐水調節部とが大きく突出することなくコンパクトに納められているので、各部が汚れ難く且つ清掃し易いという利点がある。また、排水口操作部と吐水部と吐水調節部とを備えた水栓ユニットのコンパクト化によって、洗面ボウルの有効寸法が広がるという利点もある。
【０００９】
なお、本発明では、吐水部がカバーパネルから前方へ引出し可能に構成されていることが好ましい。この場合、たとえば吐水部の中央部を押すような簡単な操作により、吐水口を所望の位置まで引き出すことができ、洗面ボウルの清掃や洗面ボウルでの洗髪などを容易に且つ快適に行うことができる。
【００１０】
また、本発明では、吐水部の上部にそれを前方へ引き出す際に指を掛けるための指掛け部が設けられ、吐水部の下部に洗面ボウルへの吐水を整流水とシャワー水との間で切り換えるための切換え部が設けられていることが好ましい。この構成により、吐水部の前方への引出し操作および所望の位置まで引き出し、吐水部を握り直すことにより吐水口の切換え操作を片手で容易に行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図１は、本発明の実施形態にかかる水栓ユニットが適用された洗面化粧台の構成を概略的に示す斜視図である。また、図２は、図１に示すカウンターユニットの構成を図１とは異なる角度から概略的に示す斜視図である。
【００１２】
図１に示す洗面化粧台は、床面上に設置されたベースキャビネット２０と、このベースキャビネット２０の上に載置されたカウンターユニット１０とを備えている。カウンターユニット１０の上側には、図中右側から順に、１つのミラー付きの片開き扉を有するサイドミラーキャビネット２１と、３つのミラー付きの片開き扉を有する中央ミラーキャビネット２２と、サイドミラー２３とが設けられている。
【００１３】
また、中央ミラーキャビネット２２の上側には、その幅のほぼ全体に亘って水平方向に延びる照明部２４が取り付けられている。さらに、ベースキャビネット２０およびカウンターユニット１０の左側には、上下に間隔を隔てた一対のミラーを有し且つ床面からサイドミラーキャビネット２１の上端（ひいては照明部２４やサイドミラー２３の上端）まで細長く延びるトールキャビネット２５が設けられている。
【００１４】
図２を参照すると、カウンターユニット１０は、その中央に設けられた洗面ボウル１１と、洗面ボウル１１の右側に配置された右側カウンター１２Ｒと、洗面ボウル１１の左側に配置された左側カウンター１２Ｌとを備えている。ここで、右側カウンター１２Ｒと左側カウンター１２Ｌとは互いに同じ高さ位置に、すなわち洗面ボウル１１の上端よりも実質的に高い位置に設けられている。
【００１５】
また、洗面ボウル１１の底部には排水口１１ａが設けられ、洗面ボウル１１の後壁１１ｂの上部には水栓ユニット１が設けられている。水栓ユニット１の構成および作用については後述する。さらに、右側カウンター１２Ｒの下側には右側引出し収納部１３Ｒが設けられ、左側カウンター１２Ｌの下側には左側引出し収納部１３Ｌが設けられている。
【００１６】
また、洗面ボウル１１と左側カウンター１２Ｌおよび右側カウンター１２Ｒとの間において洗面ボウル１１の上端よりもわずかに低い高さ位置には、左側補助カウンター１４Ｌおよび右側補助カウンター１４Ｒ（不図示）がそれぞれ設けられている。なお、洗面ボウル１１の奥側において、左側補助カウンター１４Ｌよりも僅かに低い高さ位置には、オーバーフロー１１ｃが設けられている。
【００１７】
図３は、本実施形態にかかる水栓ユニットの構成を概略的に示す図であって、（ａ）は上面図であり、（ｂ）は正面図である。また、図４は、本実施形態にかかる水栓ユニットの構成を概略的に示す斜視図である。図３および図４を参照すると、本実施形態の水栓ユニット１は、カバーパネル２と、排水口操作部３と、吐水部４と、吐水調節部５とを備えている。
【００１８】
そして、排水口操作部３と吐水部４と吐水調節部５とは、カバーパネル２の開口部から僅かに前方へ突出した状態または開口部から前方へ突出しない状態で横方向に（水平に）直線状に配置されている。具体的に、本実施形態では、図３（ａ）の上面図において明瞭に示すように、吐水部４および吐水調節部５がカバーパネル２の開口部から僅かに前方へ突出し、排水口操作部３がカバーパネル２の開口部から突出していない。
【００１９】
カバーパネル２は、洗面ボウル１１の後壁１１ｂの上部において横方向に細長く延びており、比較的フラットな形態を有する。排水口操作部３は、洗面ボウル１１の排水口１１ａの開閉を操作する機能を有する。具体的には、たとえば排水口操作部３の中央部を押すことにより、ワイヤー等のリンク機構によって洗面ボウル１１の排水口１１ａに対して排水栓（不図示）を上下させ、排水口１１ａに対して排水栓を作用させたり、その作用を解除したりすることができる。
【００２０】
吐水部４は、洗面ボウル１１へ水を吐出する吐水口（吐水部）４ａを有し、洗面ボウル１１への吐水を行う機能を有する。また、吐水部４は、カバーパネル２から前方へ引出し可能に構成されている。具体的に、吐水部４のカバーパネル２からの引出しに際して、図５に示すように、たとえばフレキシブルホース４ｄに接続された吐水部４の中央部を押すことにより、吐水部４がカバーパネル２から前方へ僅かに突出する。
【００２１】
次いで、カバーパネル２から前方へ僅かに突出した吐水部４をさらに前方へ引き出すことにより、吐水口４ａが所望の位置まで引き出される。なお、吐水部４の上部には、吐水部４をカバーパネル２から前方へ引き出す際に指を掛けるための指掛け部４ｃが設けられている。また、吐水部４の下部には、洗面ボウル１１への吐水を整流水とシャワー水との間で切り換えるための切換え部（切換えレバー）４ｂが設けられている。
【００２２】
吐水調節部５は、給水配管６から供給される常温水と給湯配管７から供給される高温水とを混合することにより吐水口４ａから洗面ボウル１１へ吐出される水の温度を調節する機能を有する。また、吐水調節部５は、吐水口４ａから洗面ボウル１１への吐水の流量を調節する機能を有する。具体的に、吐水調節部５は、左右に揺動可能で且つ前後に揺動可能なレバーハンドル５ａを有する。
【００２３】
吐水調節部５では、図６（ａ）に示すように、たとえばレバーハンドル５ａを右に廻すと吐水口４ａから吐出される水の温度が下がり、レバーハンドル５ａを左に廻すと吐水口４ａから吐出される水の温度が上がる。また、図６（ｂ）に示すようにレバーハンドル５ａを手前に引き上げると吐水口４ａから吐出される水の流量が増大し、図６（ｃ）に示すようにレバーハンドル５ａを奥へ戻すと吐水口４ａから吐出される水の流量が低下し、ひいては吐水口４ａからの吐水が停止する。
【００２４】
以上のように、本実施形態にかかる洗面化粧台の水栓ユニット１では、排水口操作部３と吐水部４と吐水調節部５とが、横方向に細長くて比較的フラットな形態を有するカバーパネル２の開口部から前方へほとんど突出しない状態で水平に並んで配置されている。すなわち、排水口操作部３と吐水部４と吐水調節部５とが大きく突出することなくコンパクトに納められているので、各部３〜５が汚れ難く且つ清掃し易い。
【００２５】
また、排水口操作部３と吐水部４と吐水調節部５とを備えた水栓ユニット１のコンパクト化が十分に図られているので、洗面ボウル１１の有効寸法が広がるという利点もある。また、本実施形態では、たとえば吐水部４の中央部を押すような簡単な操作により吐水部４がカバーパネル２から前方へ引出し可能に構成されているので、吐水口４ａを所望の位置まで引き出すことができ、洗面ボウル１１の清掃や洗面ボウル１１での洗髪などを容易に且つ快適に行うことができる。
【００２６】
また、本実施形態では、吐水部４の上部にそれを前方へ引き出す際に指を掛けるための指掛け部４ｃが設けられ、吐水部４の下部に洗面ボウル１１への吐水を整流水とシャワー水との間で切り換えるための切換え部４ｂが設けられているので、吐水部４の前方への引出し操作および所望の位置まで引き出し、吐水部４を握り直すことにより吐水口４ａの切換え操作を片手で容易に行うことができる。
【００２７】
なお、上述の実施形態では、水栓ユニット１の吐水調節部５によって吐水と止水と切り換える構成を例示している。しかしながら、これに限定されることなく、たとえば図７に示す変形例のように、排水口操作部３と吐水部４との間に、吐水口４ａからの吐水と止水（吐水の停止）との切換え用の手動スイッチ８を付設することができる。この場合、手動スイッチ８は前後に進退可能であり、この手動スイッチ８の操作に応じて電磁弁（不図示）を開閉することにより、吐水調節部５により調節された流量・温度にて吐水部４からの吐水の開始・停止が行われる。また、吐水部４の近傍に、吐水口４ａに近づけられた手などを感知するためのセンサ９を設けることもできる。そして、このセンサ９により手などを感知すると電磁弁が開弁して吐水が開始され、非感知となると電磁弁が閉弁して吐水が停止される。
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】本発明の実施形態にかかる水栓ユニットが適用された洗面化粧台の構成を概略的に示す斜視図である。
【図２】図１に示すカウンターユニットの構成を図１とは異なる角度から概略的に示す斜視図である。
【図３】本実施形態にかかる水栓ユニットの構成を概略的に示す図であって、（ａ）は上面図であり、（ｂ）は正面図である。
【図４】本実施形態にかかる水栓ユニットの構成を概略的に示す斜視図である。
【図５】本実施形態の水栓ユニットにおける吐水部の操作および作用を説明する図である。
【図６】本実施形態の水栓ユニットにおける吐水調節部の操作および作用を説明する図である。
【図７】本実施形態の変形例にかかる水栓ユニットの構成を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【００２９】
１ 水栓ユニット
２ カバーパネル
３ 排水口操作部
４ 吐水部
４ａ 吐水口（吐水部）
４ｂ 切換え部（切換えレバー）
４ｃ 指掛け部
４ｄ フレキシブルホース
５ 吐水調節部（流量・温度調節部）
５ａ レバーハンドル
６ 給水配管
７ 給湯配管
１０ カウンターユニット
１１ 洗面ボウル
１１ａ 洗面ボウルの排水口
１１ｂ 洗面ボウルの後壁
１１ｃ 洗面ボウルのオーバーフロー
１２Ｒ，１２Ｌ カウンター
１３Ｒ，１３Ｌ 引出し収納部
１４Ｒ，１４Ｌ 補助カウンター
２０ ベースキャビネット
２１ サイドミラーキャビネット
２２ 中央ミラーキャビネット
２３ サイドミラー
２４ 照明部
２５ トールキャビネット
【技術分野】
【０００１】
本発明は、洗面化粧台の水栓ユニットに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来の洗面化粧台では、洗面ボウルの排水口の開閉を操作するための排水口操作部、洗面ボウルへの吐水を行うための吐水部、吐水部への吐水の流量および温度を調節するための吐水調節部などが、たとえば洗面ボウルの周辺においてそれぞれ突出した状態で且つばらばらに点在するように設けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
上述のように、従来の洗面化粧台では、凹凸の比較的大きな形態を有する排水口操作部や吐水部や吐水調節部などが大きく突出した状態で点在するように配置されている。その結果、排水口操作部や吐水部や吐水調節部などが汚れ易く且つ清掃し難いという不都合があった。
【０００４】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、洗面化粧台の排水口操作部と吐水部と吐水調節部とが汚れ難く且つ清掃し易いように大きく突出することなくコンパクトに納められた水栓ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
前記課題を解決するために、本発明では、洗面化粧台の洗面ボウルの後壁上部に固定された水栓ユニットにおいて、
前記洗面ボウルの排水口の開閉を操作するための排水口操作部と、
前記洗面ボウルへの吐水を行うための吐水部と、
前記吐水部への吐水の流量および温度を調節するための吐水調節部と、
前記洗面ボウルの後壁上部において横方向に細長く延びるカバーパネルとを備え、
前記排水口操作部と前記吐水部と前記吐水調節部とは、前記カバーパネルの開口部から僅かに前方へ突出した状態または前記開口部から前方へ突出しない状態で横方向にほぼ直線状に配置されていることを特徴とする水栓ユニットを提供する。ここで、僅かに前方へ突出した状態とは、開口部の幅に比べて突出量が小である状態を指すものであり、好ましくは突出量が１ｃｍ以下である。また、流量の調節としては、吐水の開始・停止を切り換えるだけであってもよい。
【０００６】
本発明の好ましい態様によれば、前記吐水部は、前記カバーパネルから前方へ引出し可能に構成されている。この場合、前記吐水部の上部には、前記吐水部を前方へ引き出す際に指を掛けるための指掛け部が設けられ、前記吐水部の下部には、前記洗面ボウルへの吐水を整流水とシャワー水との間で切り換えるための切換え部が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【０００７】
本発明にかかる洗面化粧台の水栓ユニットでは、排水口操作部と吐水部と吐水調節部とが、洗面ボウルの後壁上部において横方向に細長く延びるカバーパネルの開口部から僅かに前方へ突出した状態または開口部から前方へ突出しない状態で横方向にほぼ直線状に配置されている。換言すれば、排水口操作部と吐水部と吐水調節部とは、カバーパネルから前方へほとんど突出しない状態でほぼ水平に並んで配置されている。
【０００８】
したがって、各部が大きく突出した状態で点在する従来技術とは異なり、排水口操作部と吐水部と吐水調節部とが大きく突出することなくコンパクトに納められているので、各部が汚れ難く且つ清掃し易いという利点がある。また、排水口操作部と吐水部と吐水調節部とを備えた水栓ユニットのコンパクト化によって、洗面ボウルの有効寸法が広がるという利点もある。
【０００９】
なお、本発明では、吐水部がカバーパネルから前方へ引出し可能に構成されていることが好ましい。この場合、たとえば吐水部の中央部を押すような簡単な操作により、吐水口を所望の位置まで引き出すことができ、洗面ボウルの清掃や洗面ボウルでの洗髪などを容易に且つ快適に行うことができる。
【００１０】
また、本発明では、吐水部の上部にそれを前方へ引き出す際に指を掛けるための指掛け部が設けられ、吐水部の下部に洗面ボウルへの吐水を整流水とシャワー水との間で切り換えるための切換え部が設けられていることが好ましい。この構成により、吐水部の前方への引出し操作および所望の位置まで引き出し、吐水部を握り直すことにより吐水口の切換え操作を片手で容易に行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図１は、本発明の実施形態にかかる水栓ユニットが適用された洗面化粧台の構成を概略的に示す斜視図である。また、図２は、図１に示すカウンターユニットの構成を図１とは異なる角度から概略的に示す斜視図である。
【００１２】
図１に示す洗面化粧台は、床面上に設置されたベースキャビネット２０と、このベースキャビネット２０の上に載置されたカウンターユニット１０とを備えている。カウンターユニット１０の上側には、図中右側から順に、１つのミラー付きの片開き扉を有するサイドミラーキャビネット２１と、３つのミラー付きの片開き扉を有する中央ミラーキャビネット２２と、サイドミラー２３とが設けられている。
【００１３】
また、中央ミラーキャビネット２２の上側には、その幅のほぼ全体に亘って水平方向に延びる照明部２４が取り付けられている。さらに、ベースキャビネット２０およびカウンターユニット１０の左側には、上下に間隔を隔てた一対のミラーを有し且つ床面からサイドミラーキャビネット２１の上端（ひいては照明部２４やサイドミラー２３の上端）まで細長く延びるトールキャビネット２５が設けられている。
【００１４】
図２を参照すると、カウンターユニット１０は、その中央に設けられた洗面ボウル１１と、洗面ボウル１１の右側に配置された右側カウンター１２Ｒと、洗面ボウル１１の左側に配置された左側カウンター１２Ｌとを備えている。ここで、右側カウンター１２Ｒと左側カウンター１２Ｌとは互いに同じ高さ位置に、すなわち洗面ボウル１１の上端よりも実質的に高い位置に設けられている。
【００１５】
また、洗面ボウル１１の底部には排水口１１ａが設けられ、洗面ボウル１１の後壁１１ｂの上部には水栓ユニット１が設けられている。水栓ユニット１の構成および作用については後述する。さらに、右側カウンター１２Ｒの下側には右側引出し収納部１３Ｒが設けられ、左側カウンター１２Ｌの下側には左側引出し収納部１３Ｌが設けられている。
【００１６】
また、洗面ボウル１１と左側カウンター１２Ｌおよび右側カウンター１２Ｒとの間において洗面ボウル１１の上端よりもわずかに低い高さ位置には、左側補助カウンター１４Ｌおよび右側補助カウンター１４Ｒ（不図示）がそれぞれ設けられている。なお、洗面ボウル１１の奥側において、左側補助カウンター１４Ｌよりも僅かに低い高さ位置には、オーバーフロー１１ｃが設けられている。
【００１７】
図３は、本実施形態にかかる水栓ユニットの構成を概略的に示す図であって、（ａ）は上面図であり、（ｂ）は正面図である。また、図４は、本実施形態にかかる水栓ユニットの構成を概略的に示す斜視図である。図３および図４を参照すると、本実施形態の水栓ユニット１は、カバーパネル２と、排水口操作部３と、吐水部４と、吐水調節部５とを備えている。
【００１８】
そして、排水口操作部３と吐水部４と吐水調節部５とは、カバーパネル２の開口部から僅かに前方へ突出した状態または開口部から前方へ突出しない状態で横方向に（水平に）直線状に配置されている。具体的に、本実施形態では、図３（ａ）の上面図において明瞭に示すように、吐水部４および吐水調節部５がカバーパネル２の開口部から僅かに前方へ突出し、排水口操作部３がカバーパネル２の開口部から突出していない。
【００１９】
カバーパネル２は、洗面ボウル１１の後壁１１ｂの上部において横方向に細長く延びており、比較的フラットな形態を有する。排水口操作部３は、洗面ボウル１１の排水口１１ａの開閉を操作する機能を有する。具体的には、たとえば排水口操作部３の中央部を押すことにより、ワイヤー等のリンク機構によって洗面ボウル１１の排水口１１ａに対して排水栓（不図示）を上下させ、排水口１１ａに対して排水栓を作用させたり、その作用を解除したりすることができる。
【００２０】
吐水部４は、洗面ボウル１１へ水を吐出する吐水口（吐水部）４ａを有し、洗面ボウル１１への吐水を行う機能を有する。また、吐水部４は、カバーパネル２から前方へ引出し可能に構成されている。具体的に、吐水部４のカバーパネル２からの引出しに際して、図５に示すように、たとえばフレキシブルホース４ｄに接続された吐水部４の中央部を押すことにより、吐水部４がカバーパネル２から前方へ僅かに突出する。
【００２１】
次いで、カバーパネル２から前方へ僅かに突出した吐水部４をさらに前方へ引き出すことにより、吐水口４ａが所望の位置まで引き出される。なお、吐水部４の上部には、吐水部４をカバーパネル２から前方へ引き出す際に指を掛けるための指掛け部４ｃが設けられている。また、吐水部４の下部には、洗面ボウル１１への吐水を整流水とシャワー水との間で切り換えるための切換え部（切換えレバー）４ｂが設けられている。
【００２２】
吐水調節部５は、給水配管６から供給される常温水と給湯配管７から供給される高温水とを混合することにより吐水口４ａから洗面ボウル１１へ吐出される水の温度を調節する機能を有する。また、吐水調節部５は、吐水口４ａから洗面ボウル１１への吐水の流量を調節する機能を有する。具体的に、吐水調節部５は、左右に揺動可能で且つ前後に揺動可能なレバーハンドル５ａを有する。
【００２３】
吐水調節部５では、図６（ａ）に示すように、たとえばレバーハンドル５ａを右に廻すと吐水口４ａから吐出される水の温度が下がり、レバーハンドル５ａを左に廻すと吐水口４ａから吐出される水の温度が上がる。また、図６（ｂ）に示すようにレバーハンドル５ａを手前に引き上げると吐水口４ａから吐出される水の流量が増大し、図６（ｃ）に示すようにレバーハンドル５ａを奥へ戻すと吐水口４ａから吐出される水の流量が低下し、ひいては吐水口４ａからの吐水が停止する。
【００２４】
以上のように、本実施形態にかかる洗面化粧台の水栓ユニット１では、排水口操作部３と吐水部４と吐水調節部５とが、横方向に細長くて比較的フラットな形態を有するカバーパネル２の開口部から前方へほとんど突出しない状態で水平に並んで配置されている。すなわち、排水口操作部３と吐水部４と吐水調節部５とが大きく突出することなくコンパクトに納められているので、各部３〜５が汚れ難く且つ清掃し易い。
【００２５】
また、排水口操作部３と吐水部４と吐水調節部５とを備えた水栓ユニット１のコンパクト化が十分に図られているので、洗面ボウル１１の有効寸法が広がるという利点もある。また、本実施形態では、たとえば吐水部４の中央部を押すような簡単な操作により吐水部４がカバーパネル２から前方へ引出し可能に構成されているので、吐水口４ａを所望の位置まで引き出すことができ、洗面ボウル１１の清掃や洗面ボウル１１での洗髪などを容易に且つ快適に行うことができる。
【００２６】
また、本実施形態では、吐水部４の上部にそれを前方へ引き出す際に指を掛けるための指掛け部４ｃが設けられ、吐水部４の下部に洗面ボウル１１への吐水を整流水とシャワー水との間で切り換えるための切換え部４ｂが設けられているので、吐水部４の前方への引出し操作および所望の位置まで引き出し、吐水部４を握り直すことにより吐水口４ａの切換え操作を片手で容易に行うことができる。
【００２７】
なお、上述の実施形態では、水栓ユニット１の吐水調節部５によって吐水と止水と切り換える構成を例示している。しかしながら、これに限定されることなく、たとえば図７に示す変形例のように、排水口操作部３と吐水部４との間に、吐水口４ａからの吐水と止水（吐水の停止）との切換え用の手動スイッチ８を付設することができる。この場合、手動スイッチ８は前後に進退可能であり、この手動スイッチ８の操作に応じて電磁弁（不図示）を開閉することにより、吐水調節部５により調節された流量・温度にて吐水部４からの吐水の開始・停止が行われる。また、吐水部４の近傍に、吐水口４ａに近づけられた手などを感知するためのセンサ９を設けることもできる。そして、このセンサ９により手などを感知すると電磁弁が開弁して吐水が開始され、非感知となると電磁弁が閉弁して吐水が停止される。
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】本発明の実施形態にかかる水栓ユニットが適用された洗面化粧台の構成を概略的に示す斜視図である。
【図２】図１に示すカウンターユニットの構成を図１とは異なる角度から概略的に示す斜視図である。
【図３】本実施形態にかかる水栓ユニットの構成を概略的に示す図であって、（ａ）は上面図であり、（ｂ）は正面図である。
【図４】本実施形態にかかる水栓ユニットの構成を概略的に示す斜視図である。
【図５】本実施形態の水栓ユニットにおける吐水部の操作および作用を説明する図である。
【図６】本実施形態の水栓ユニットにおける吐水調節部の操作および作用を説明する図である。
【図７】本実施形態の変形例にかかる水栓ユニットの構成を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【００２９】
１ 水栓ユニット
２ カバーパネル
３ 排水口操作部
４ 吐水部
４ａ 吐水口（吐水部）
４ｂ 切換え部（切換えレバー）
４ｃ 指掛け部
４ｄ フレキシブルホース
５ 吐水調節部（流量・温度調節部）
５ａ レバーハンドル
６ 給水配管
７ 給湯配管
１０ カウンターユニット
１１ 洗面ボウル
１１ａ 洗面ボウルの排水口
１１ｂ 洗面ボウルの後壁
１１ｃ 洗面ボウルのオーバーフロー
１２Ｒ，１２Ｌ カウンター
１３Ｒ，１３Ｌ 引出し収納部
１４Ｒ，１４Ｌ 補助カウンター
２０ ベースキャビネット
２１ サイドミラーキャビネット
２２ 中央ミラーキャビネット
２３ サイドミラー
２４ 照明部
２５ トールキャビネット
【特許請求の範囲】
【請求項１】
洗面化粧台の洗面ボウルの後壁上部に固定された水栓ユニットにおいて、
前記洗面ボウルの排水口の開閉を操作するための排水口操作部と、
前記洗面ボウルへの吐水を行うための吐水部と、
前記吐水部への吐水の流量および温度を調節するための吐水調節部と、
前記洗面ボウルの後壁上部において横方向に細長く延びるカバーパネルとを備え、
前記排水口操作部と前記吐水部と前記吐水調節部とは、前記カバーパネルの開口部から僅かに前方へ突出した状態または前記開口部から前方へ突出しない状態で横方向にほぼ直線状に配置されていることを特徴とする水栓ユニット。
【請求項２】
前記吐水部は、前記カバーパネルから前方へ引出し可能に構成されていることを特徴とする請求項１に記載の水栓ユニット。
【請求項３】
前記吐水部の上部には、前記吐水部を前方へ引き出す際に指を掛けるための指掛け部が設けられ、
前記吐水部の下部には、前記洗面ボウルへの吐水を整流水とシャワー水との間で切り換えるための切換え部が設けられていることを特徴とする請求項２に記載の水栓ユニット。
【請求項１】
洗面化粧台の洗面ボウルの後壁上部に固定された水栓ユニットにおいて、
前記洗面ボウルの排水口の開閉を操作するための排水口操作部と、
前記洗面ボウルへの吐水を行うための吐水部と、
前記吐水部への吐水の流量および温度を調節するための吐水調節部と、
前記洗面ボウルの後壁上部において横方向に細長く延びるカバーパネルとを備え、
前記排水口操作部と前記吐水部と前記吐水調節部とは、前記カバーパネルの開口部から僅かに前方へ突出した状態または前記開口部から前方へ突出しない状態で横方向にほぼ直線状に配置されていることを特徴とする水栓ユニット。
【請求項２】
前記吐水部は、前記カバーパネルから前方へ引出し可能に構成されていることを特徴とする請求項１に記載の水栓ユニット。
【請求項３】
前記吐水部の上部には、前記吐水部を前方へ引き出す際に指を掛けるための指掛け部が設けられ、
前記吐水部の下部には、前記洗面ボウルへの吐水を整流水とシャワー水との間で切り換えるための切換え部が設けられていることを特徴とする請求項２に記載の水栓ユニット。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００６−２０７９６（Ｐ２００６−２０７９６Ａ）
【公開日】平成１８年１月２６日（２００６．１．２６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−２００９２４（Ｐ２００４−２００９２４）
【出願日】平成１６年７月７日（２００４．７．７）
【出願人】（０００１０４９７３）クリナップ株式会社 (341)
【出願人】（００００１００８７）東陶機器株式会社 (3,889)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年１月２６日（２００６．１．２６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年７月７日（２００４．７．７）
【出願人】（０００１０４９７３）クリナップ株式会社 (341)
【出願人】（００００１００８７）東陶機器株式会社 (3,889)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]