津波防波装置
【課題】設置や構造が比較的簡単な津波防波装置を提供する。
【解決手段】海中SUに折り畳み状態で沈設され、海底SFより海面SS上方へわたって展開可能な障壁1を、該障壁1の折り畳み状態及び展開状態に対応して上下に伸縮する障壁変形操作手段2に連動させたものであり、津波T等の発生時に、障壁変形操作手段2にて展開させた障壁1により津波T等の衝撃を受け止め、陸上への津波T等による海水の侵入を阻止する。
【解決手段】海中SUに折り畳み状態で沈設され、海底SFより海面SS上方へわたって展開可能な障壁1を、該障壁1の折り畳み状態及び展開状態に対応して上下に伸縮する障壁変形操作手段2に連動させたものであり、津波T等の発生時に、障壁変形操作手段2にて展開させた障壁1により津波T等の衝撃を受け止め、陸上への津波T等による海水の侵入を阻止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高潮、津波による被害を最小限に抑える津波防波装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高潮又は津波による陸上への海水の侵入を防止するための海岸保全施設として津波防波堤がある(例えば特許文献1参照)。
この津波防波堤は、海岸線付近の浅海域に数十から数百mの長さにわたって建設されている。
【特許文献1】特開平7−113216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、津波防波堤は、膨大な建設費と長期の工事期間を要するといった課題を有している。
そこで、本発明は、設置や構造が比較的簡単で、設置に膨大な費用や長期期間を要しない津波防波装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題に鑑み、本発明に係る津波防波装置は、海中に折り畳み状態で沈設され、海底より海面上方へわたって展開可能な障壁を、該障壁の折り畳み状態及び展開状態に対応して上下に伸縮する障壁変形操作手段に連動させたことを特徴とするものである。
又、障壁は、複数の方形板の上下端をヒンジ連結し、折り畳み状態でヒンジを介して複数に折り返され、障壁の上端を障壁変形操作手段に連繋すると共に、障壁の下端を海底に枢着し、各方形板の左右側縁は、障壁の展開状態で前後の夫々に突っ張る一対の係留索条を介して海底に連結したことを特徴としている。
又は、障壁は、折り畳み状態が上下方向に複数の襞目を有する様に複数折り返される方形状のシートから成り、障壁変形操作手段にはこれの伸縮に応じ昇降すると共に、障壁の折り畳み状態でその前後に遮蔽板を配置する様に障壁を被冠収容する逆凹状の収納箱を設け、該収納箱内に障壁の上端を連結すると共に、障壁の下端を海底に連結し、障壁の左右側縁の夫々は、障壁の展開状態でその上下方向に所定間隔置き毎に設けた前後の夫々に突っ張る一対の係留索条を介して海底に連結したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0005】
要するに請求項1に係る発明によれば、陸上で予め障壁と障壁変形操作手段の夫々を作製した後、障壁を障壁変形操作手段に連動させて夫々を海底に設置するだけのため、従来の津波防波堤に比し、設置が効率的でその構造も比較的簡単であるため、その工期を短縮できると共に費用も飛躍的に低減できる。
又、通常、障壁は折り畳み状態で、障壁変形操作手段は収縮状態で夫々海中に沈降しているので、船舶等の往来に支障はない。
そして、高潮や津波の来襲時に障壁変形操作手段を伸長させることで障壁を海底より海面上方へわたって展開させることにより、津波等が障壁に当たってその進行が阻まれ、津波等による陸上への海水の侵入を阻止できる。
【0006】
請求項2に係る発明によれば、障壁は、複数の方形板の上下端をヒンジ連結し、折り畳み状態でヒンジを介して複数に折り返され、障壁の上端を障壁変形操作手段に連繋すると共に、障壁の下端を海底に枢着したので、折り畳まれた障壁は、これを構成している各方形板が層状に折り重なり、その上端が収縮状態の障壁変形操作手段に連繋されているため、海底に押しつけられることになり、潮流等によって方形板の重なり状態が乱れることなく整然と保持できる。
又、伸長した障壁変形操作手段によって海底より海面上方へわたって展開した障壁は、その下端が海底に、上端が障壁変形操作手段に支持されるだけでなく、各方形板の左右側縁は、障壁の展開状態で前後の夫々に突っ張る一対の係留索条を介して海底に連結されているので、各方形板は揺れ動かず、障壁の展開状態をより安定的に支持でき、津波等の衝撃を受け止めてその進行を阻止し、津波等による陸上への海水の侵入を阻止できる。
【0007】
請求項3に係る発明によれば、障壁は、折り畳み状態が上下方向に複数の襞目を有する様に複数折り返される方形状のシートから成り、障壁変形操作手段にはこれの伸縮に応じ昇降すると共に、障壁の折り畳み状態でその前後に遮蔽板を配置する様に障壁を被冠収容する逆凹状の収納箱を設け、該収納箱内に障壁の上端を連結すると共に、障壁の下端を海底に連結したので、折り畳まれた障壁は、収納箱に収容されることで潮流等によりその折り畳み状態が崩れて海中に広がることが阻止され、収納箱内でその折り畳み状態を保持できる。
又、障壁変形操作手段の伸長により収納箱の上昇と共に障壁の上端が引き上げられることにより、収納箱による折り畳み状態の障壁の被冠が解除されると同時に障壁は海底より海面上方へわたって展開できる。
上記の様に展開した障壁は、その下端が海底に、上端が障壁変形操作手段に支持されるだけでなく、障壁の左右側縁の夫々は、障壁の展開状態でその上下方向に所定間隔置き毎に設けた前後の夫々に突っ張る一対の係留索条を介して海底に連結したので、障壁全体に張りをもたせられ、障壁の展開状態をより安定的に支持でき、津波等の衝撃を受け止めてその進行を阻止し、津波等による陸上への海水の侵入を阻止できる等その実用的効果甚だ大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明の実施の一形態例を図面に基づいて説明する。
本発明に係る津波防波装置は、海岸線付近の浅海域に海中SUに折り畳み状態で沈設され、海底SFより海面SS上方へわたって展開可能な障壁1を、該障壁1の折り畳み状態及び展開状態に対応して上下に伸縮する障壁変形操作手段2に連動させている。
そして、障壁1は、その展開状態でその前面1aが外海OSに向く様に海底SFに設置され、障壁変形操作手段2は、障壁1の後方(陸上L側)に配置される。
ここに図1〜4は津波防波装置の第一実施例を示すものにして、図1は障壁の展開状態を示す津波防波装置の側面図、図2は障壁の折り畳み状態を示す津波防波装置の側面図、図3は図2の一部破断平面図、図4は津波防波装置の一配置例を示す簡略平面図である。
【0009】
障壁1は、アルミニウム、ステンレス製その他剛性及び耐食性を有する金属製から成り、複数の同一形状の方形板3の上下端をヒンジ連結して成る。
具体的には、方形板3の上下端は半円状に形成され、その上下端の左右側縁に支軸4を外方突設し、各方形板3の上端と下端を外接させると共に、各方形板3の上下で隣接する支軸4の夫々を楕円板から成るヒンジ5の上下端に枢着している。
この様に構成することにより、障壁1は、その展開状態で各方形板3が上下に連設し、全体が方形の形態と成り、その折り畳み状態でヒンジ5を介して複数に交互に折り返され、各方形板3が層状に折り重なった形態と成る。
そして、障壁1において最下部の方形板3下端の支軸4は、海底SFに形成した基礎(図示せず)上に障壁1(方形板3)の幅に対応して突設された一対のブラケット6に回転自在に支持されることにより、障壁1の下端は海底SFに枢着連結される。
尚、障壁1の大きさは、津波防波装置が設置される海域において予想される最大の津波を考慮して設定される。
【0010】
障壁変形操作手段2は、ロッド2bの先端を上向きにして海底SFに本体2aを鉛直状に埋設した空気圧式又は油圧式のシリンダから成り、該シリンダ2のロッド2bの先端を障壁1の上端に連接板7を介して連繋している。
シリンダ2におけるロッド2bの最伸長時の長さは、障壁1の展開状態における高さに対応し、障壁1の折り畳み状態の高さに対応している(図1、2参照)。
連接板7は、障壁1と同一材質の方形板であり、その横幅は障壁1と略同幅で、縦幅は障壁1とロッド2b先端とに架設可能な長さを有する。
そして、連接板7の前方下部に障壁1(方形板3)の幅に対応して突設された一対のブラケット8に、障壁1において最上部の方形板3上端の支軸4が回転自在に支持されることにより、障壁1の上端は連接板7に枢着され、連接板7の後方下部にロッド2bの先端が接合固定される。
尚、シリンダ2は、一枚の障壁1に対し1本設けたものを示したが、その本数は障壁1の大きさやその他の諸条件に応じ設定されるものであり、何等限定されない。
又、シリンダ2は、陸上Lに設置された観測所(図示せず)などから遠隔操作によって行われる。
【0011】
障壁1において、各方形板3の左右側縁は、障壁1の展開状態で前後の夫々に突っ張る一対の係留索条(ワイヤやチェーン)9を介して海底SFに連結される。
前後一対の係留索条9の夫々の一端は、各方形板3の側縁中間部に突設した軸受け付き突棒10の軸受け部(図示せず)に固着されることにより、回転自在に支持されている。
又、突棒10から障壁1の前方及び後方へ延びる各係留索条9の他端は、海底SF上において障壁1左右の前方及び後方の適所に固定された係留リング11に掛止されている。
【0012】
上記の様に構成された津波防波装置は、その複数が例えば図4に示す様に湾口を横断する様に設置される。
通常は、図2に示す様に、障壁1は海中SUに折り畳み状態にあり、その状態は障壁変形操作手段であるシリンダ2のロッド2bの収縮により連接板7を介して保持されている。
従って、湾口を往来する船舶は、かかる状態の津波防波装置の海上を支障なく航行できる。
そして、高潮や津波Tの発生が予想されるときには、観測所からの遠隔操作によりシリンダ2を作動させ、ロッド2bを伸長させる。
これにより、折り畳み状態の障壁1は、その上端が伸長するロッド2bにて連接板7を介して吊り上げられて海底SFより海面SS上方へわたって展開し、ロッド2bの最伸長状態で障壁1の展開状態が図1に示す様に保持される。
又、障壁1が展開することで障壁1の折り畳み状態で弛緩状態にあった係留索条9が緊張して各方形板3が前後に揺れ動かない様に支持され、障壁1の展開状態をより安定的に支持する。
かかる状態で津波T等が障壁1に到達すると、その衝撃を障壁1が受け止め、津波T等による陸上Lへの海水の浸入を阻止する。
【0013】
次に、津波防波装置の第二実施例を図5、6に基づき説明する。
図5は障壁の展開状態を示す津波防波装置の側面図、図6は障壁の折り畳み状態を示す津波防波装置の側面図である。
この津波防波装置は、障壁1を主に変更したものであり、第一実施例と同一又は相当部分は図中に符号を付し、その説明を省略する。
障壁1は、折り畳み状態が上下方向に複数の襞目1bを有する様に複数折り返される方形状のシートから成り、このシートは例えば引張強度、弾力性に優れたアラミド繊維から成る。
尚、シート1には、上下方向で所定間隔を置いて折り目(図示せず)を形成し、障壁変形操作手段2の収縮時にシート1が前記折り目を以て交互に折り返されて容易に折り畳まれる様にするのがより好ましい。
又、第一実施例と同様に、障壁1の大きさは、津波防波装置が設置される海域において予想される最大の津波を考慮して設定され、障壁変形操作手段(シリンダ)2の本数は障壁1の大きさやその他の諸条件に応じ設定されるものであり、何等限定されない。
【0014】
障壁変形操作手段2には、これの伸縮に応じ昇降すると共に、障壁1の折り畳み状態でその前後に遮蔽板12aを配置する様に障壁1を被冠収容する逆凹状の収納箱12を設けている。
収納箱12は、連接板7の前方部を天板7aとし、該天板7aの前後に所定間隔を以て折り畳み状態の障壁1の高さより長い遮蔽板12aを垂下形成している。
そして、収納箱12内において、天板7aの適所に垂設したブラケット13に障壁1の上端をリング14を介して連結すると共に、障壁1の下端を海底SFに突設したブラケット15にリング14を介して連結している。
尚、障壁1の上下端を連結するブラケット13、15は、障壁1の幅方向に複数設けられている。
又、収納箱12の左右側方が開放されているのは、障壁1の左右側縁に係留索条9が連結できる様にするためである。
係留索条9は、その一端が、展開状態の障壁1の左右側縁の夫々において、該障壁1の上下方向に所定間隔置き毎に取付けたリング16を介して連結され、各リング16から障壁1の前方及び後方へ延びる各係留索条9の他端は、第一実施例と同様に、海底SF上において障壁1左右の前方及び後方の適所に固定された係留リング11に掛止される。
尚、図6においては、係留索条9、係留リング11及びリング16を省略している。
【0015】
上記の様に構成された第二実施例における津波防波装置は、例えば、図4と同様に配置される。
通常は、図6に示す様に、障壁1は海中SUに折り畳み状態にあり、かかる状態の障壁1は、収納箱12により被冠収容され、該収納箱12による障壁1の被冠収容は、シリンダ2のロッド2bの収縮により連接板7を介して保持されている。
この様に、折り畳み状態の障壁1が収納箱12に収容されることにより、その折り畳み状態が潮流等により崩れて海中SUに広がることが阻止され、かかる折り畳み状態が保持されている。
津波防波装置の上記通常状態では、第一実施例と同様にその海上を船舶は往来できる。
そして、高潮や津波Tの発生が予想されるときには、観測所からの遠隔操作により、図5に示す様に、シリンダ2のロッド2bを伸長させると、収納箱12が上昇し、これによる折り畳み状態の障壁1の被冠が解除され、同時に障壁1の上端が引き上げられ、障壁1を海底SFより海面SS上方へわたって展開させる。
又、障壁1が展開することで障壁1の折り畳み状態で弛緩状態にあった係留索条9が緊張し、障壁1の上端及び下端が上昇した連接板7(天板7a)及び海底SFの夫々に連結支持されていることと相俟って障壁1全体に張りをもたせられ、障壁1の展開状態を安定的に支持する。
かかる状態で津波T等が障壁1に到達すると、その衝撃を障壁1が受け止め、津波T等による陸上Lへの海水の浸入を阻止する。
【0016】
次に、第一、二実施例の変形例を図7〜11に基づき説明する。
これらの変形例は、障壁変形操作手段2を変更したものであり、第一実施例又は第二実施例と同一又は相当部分は、図中に符号を付し、その説明は省略する。
ここに図7〜9は第一実施例の変形例を示し、図7は障壁の展開状態を示す津波防波装置の側面図、図8は障壁の折り畳み状態を示す津波防波装置の側面図、図9は図8の一部破断平面図である。
又、図10、11は第二実施例の変形例を示し、図10は障壁の展開状態を示す津波防波装置の側面図、図11は障壁の折り畳み状態を示す津波防波装置の側面図である。
尚、各変形例は共に同一構成の障壁変形操作手段2を用いているため、第2実施例の変形例では、図8に対応する平面図を省略し、障壁変形操作手段2の説明においては、図8を参照するものとする。
又、図7〜11においては、係留索条9及び係留リング11を省略すると共に、図10、11ではリング16も省略している。
これらの変形例で用いられる障壁変形操作手段2は、同長リンク17、18の中間部位を交差支点とした複数のX字状リンク19の上下端を枢着連結して成る一対の平行運動機構20と、該平行運動機構20を上下に伸縮させるシリンダ21とから成る。
【0017】
平行運動機構20は、障壁1後方の海底SFにおいて、障壁1の幅方向左右に対応して平行立設される。
そして、両平行運動機構20において、前方に下端が位置する一方のリンク17のうち最下リンク17の下端の夫々は、海底SFに突設したブラケット22に枢着され、後方に下端が位置する他方のリンク18のうち最下リンク18の下端には連結杆23が架設され、該連結杆23の中間部に平行運動機構部20後方の海底SF上に横臥配置した空気圧式又は油圧式のシリンダ21のロッド21aの先端を連結している。
連結杆23の左右にはこれを車軸とする車輪24が回転自在に取付けられ、該車輪24は海底SF上に設けた軌道25上を前後に走行自在に配置されている。
又、両平行運動機構20において、前方に上端が位置する他方のリンク18のうち最上リンク18の上端の夫々は、連接板7下部適所(ブラケット8の後方)に横設した垂壁26に設けたブラケット27に枢着され、後方に上端が位置する一方のリンク17のうち最上リンク17のの上端の夫々には、連接板7の幅方向左右の夫々に垂設した側壁28に向かって支軸29を突設し、該支軸29を側壁28後方に設けた前後に長い長穴30に摺動自在に装着している。
この様に構成された障壁変形操作手段2は、シリンダ21におけるロッド21aの伸縮により、平行運動機構20が伸縮して連接板7を上下方向で平行に昇降させ、これにより障壁1を展開状態と折り畳み状態に変形させる。
尚、シリンダ21は、第一、二実施例と同様に、陸上Lに設置された観測所(図示せず)などから遠隔操作によって行われる。
【0018】
上記の様に構成された各変形例にあっては、通常は、シリンダ21におけるロッド21aを収縮させることにより、連結杆23を介して他方のリンク18の下端を後方へ引き寄せ、各リンク17、18を倒伏させて平行運動機構20を収縮させ、連接板7を降下させる。
これにより、第一、第二実施例と同様に、障壁1の折り畳み状態を保持する(図8、11参照)。
そして、高潮や津波Tの発生が予想されるときには、陸上Lの観測所からの遠隔操作により、シリンダ21のロッド21aを伸長させることにより、連結杆23を介して他方のリンク18の下端を前方へ押し出し、各リンク17、18の仰角を上げ、平行運動機構20を上方へ伸長させ、連接板7を上昇させる。
これにより、第一、第二実施例と同様に、障壁1の展開状態を保持し、かかる状態で津波T等の衝撃を障壁1が受け止め、津波T等による陸上Lへの海水の浸入を阻止する(図7、10参照)。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】障壁の展開状態を示す津波防波装置の側面図である。
【図2】障壁の折り畳み状態を示す津波防波装置の側面図である。
【図3】図2の一部破断平面図である。
【図4】津波防波装置の一配置例を示す簡略平面図である。
【図5】第二実施例における障壁の展開状態を示す側面図である。
【図6】同上障壁の折り畳み状態を示す側面図である。
【図7】第一実施例の変形例における障壁の展開状態を示す側面図である。
【図8】同上障壁の折り畳み状態を示す側面図である。
【図9】図8の一部破断平面図である。
【図10】第二実施例の変形例における障壁の展開状態を示す側面図である。
【図11】同上障壁の折り畳み状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 障壁
1b 襞目
2 障壁変形操作手段
3 方形板
5 ヒンジ
9 係留索条
12 収納箱
12a 遮蔽板
SF 海底
SS 海面
SU 海中
【技術分野】
【0001】
本発明は、高潮、津波による被害を最小限に抑える津波防波装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高潮又は津波による陸上への海水の侵入を防止するための海岸保全施設として津波防波堤がある(例えば特許文献1参照)。
この津波防波堤は、海岸線付近の浅海域に数十から数百mの長さにわたって建設されている。
【特許文献1】特開平7−113216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、津波防波堤は、膨大な建設費と長期の工事期間を要するといった課題を有している。
そこで、本発明は、設置や構造が比較的簡単で、設置に膨大な費用や長期期間を要しない津波防波装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題に鑑み、本発明に係る津波防波装置は、海中に折り畳み状態で沈設され、海底より海面上方へわたって展開可能な障壁を、該障壁の折り畳み状態及び展開状態に対応して上下に伸縮する障壁変形操作手段に連動させたことを特徴とするものである。
又、障壁は、複数の方形板の上下端をヒンジ連結し、折り畳み状態でヒンジを介して複数に折り返され、障壁の上端を障壁変形操作手段に連繋すると共に、障壁の下端を海底に枢着し、各方形板の左右側縁は、障壁の展開状態で前後の夫々に突っ張る一対の係留索条を介して海底に連結したことを特徴としている。
又は、障壁は、折り畳み状態が上下方向に複数の襞目を有する様に複数折り返される方形状のシートから成り、障壁変形操作手段にはこれの伸縮に応じ昇降すると共に、障壁の折り畳み状態でその前後に遮蔽板を配置する様に障壁を被冠収容する逆凹状の収納箱を設け、該収納箱内に障壁の上端を連結すると共に、障壁の下端を海底に連結し、障壁の左右側縁の夫々は、障壁の展開状態でその上下方向に所定間隔置き毎に設けた前後の夫々に突っ張る一対の係留索条を介して海底に連結したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0005】
要するに請求項1に係る発明によれば、陸上で予め障壁と障壁変形操作手段の夫々を作製した後、障壁を障壁変形操作手段に連動させて夫々を海底に設置するだけのため、従来の津波防波堤に比し、設置が効率的でその構造も比較的簡単であるため、その工期を短縮できると共に費用も飛躍的に低減できる。
又、通常、障壁は折り畳み状態で、障壁変形操作手段は収縮状態で夫々海中に沈降しているので、船舶等の往来に支障はない。
そして、高潮や津波の来襲時に障壁変形操作手段を伸長させることで障壁を海底より海面上方へわたって展開させることにより、津波等が障壁に当たってその進行が阻まれ、津波等による陸上への海水の侵入を阻止できる。
【0006】
請求項2に係る発明によれば、障壁は、複数の方形板の上下端をヒンジ連結し、折り畳み状態でヒンジを介して複数に折り返され、障壁の上端を障壁変形操作手段に連繋すると共に、障壁の下端を海底に枢着したので、折り畳まれた障壁は、これを構成している各方形板が層状に折り重なり、その上端が収縮状態の障壁変形操作手段に連繋されているため、海底に押しつけられることになり、潮流等によって方形板の重なり状態が乱れることなく整然と保持できる。
又、伸長した障壁変形操作手段によって海底より海面上方へわたって展開した障壁は、その下端が海底に、上端が障壁変形操作手段に支持されるだけでなく、各方形板の左右側縁は、障壁の展開状態で前後の夫々に突っ張る一対の係留索条を介して海底に連結されているので、各方形板は揺れ動かず、障壁の展開状態をより安定的に支持でき、津波等の衝撃を受け止めてその進行を阻止し、津波等による陸上への海水の侵入を阻止できる。
【0007】
請求項3に係る発明によれば、障壁は、折り畳み状態が上下方向に複数の襞目を有する様に複数折り返される方形状のシートから成り、障壁変形操作手段にはこれの伸縮に応じ昇降すると共に、障壁の折り畳み状態でその前後に遮蔽板を配置する様に障壁を被冠収容する逆凹状の収納箱を設け、該収納箱内に障壁の上端を連結すると共に、障壁の下端を海底に連結したので、折り畳まれた障壁は、収納箱に収容されることで潮流等によりその折り畳み状態が崩れて海中に広がることが阻止され、収納箱内でその折り畳み状態を保持できる。
又、障壁変形操作手段の伸長により収納箱の上昇と共に障壁の上端が引き上げられることにより、収納箱による折り畳み状態の障壁の被冠が解除されると同時に障壁は海底より海面上方へわたって展開できる。
上記の様に展開した障壁は、その下端が海底に、上端が障壁変形操作手段に支持されるだけでなく、障壁の左右側縁の夫々は、障壁の展開状態でその上下方向に所定間隔置き毎に設けた前後の夫々に突っ張る一対の係留索条を介して海底に連結したので、障壁全体に張りをもたせられ、障壁の展開状態をより安定的に支持でき、津波等の衝撃を受け止めてその進行を阻止し、津波等による陸上への海水の侵入を阻止できる等その実用的効果甚だ大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明の実施の一形態例を図面に基づいて説明する。
本発明に係る津波防波装置は、海岸線付近の浅海域に海中SUに折り畳み状態で沈設され、海底SFより海面SS上方へわたって展開可能な障壁1を、該障壁1の折り畳み状態及び展開状態に対応して上下に伸縮する障壁変形操作手段2に連動させている。
そして、障壁1は、その展開状態でその前面1aが外海OSに向く様に海底SFに設置され、障壁変形操作手段2は、障壁1の後方(陸上L側)に配置される。
ここに図1〜4は津波防波装置の第一実施例を示すものにして、図1は障壁の展開状態を示す津波防波装置の側面図、図2は障壁の折り畳み状態を示す津波防波装置の側面図、図3は図2の一部破断平面図、図4は津波防波装置の一配置例を示す簡略平面図である。
【0009】
障壁1は、アルミニウム、ステンレス製その他剛性及び耐食性を有する金属製から成り、複数の同一形状の方形板3の上下端をヒンジ連結して成る。
具体的には、方形板3の上下端は半円状に形成され、その上下端の左右側縁に支軸4を外方突設し、各方形板3の上端と下端を外接させると共に、各方形板3の上下で隣接する支軸4の夫々を楕円板から成るヒンジ5の上下端に枢着している。
この様に構成することにより、障壁1は、その展開状態で各方形板3が上下に連設し、全体が方形の形態と成り、その折り畳み状態でヒンジ5を介して複数に交互に折り返され、各方形板3が層状に折り重なった形態と成る。
そして、障壁1において最下部の方形板3下端の支軸4は、海底SFに形成した基礎(図示せず)上に障壁1(方形板3)の幅に対応して突設された一対のブラケット6に回転自在に支持されることにより、障壁1の下端は海底SFに枢着連結される。
尚、障壁1の大きさは、津波防波装置が設置される海域において予想される最大の津波を考慮して設定される。
【0010】
障壁変形操作手段2は、ロッド2bの先端を上向きにして海底SFに本体2aを鉛直状に埋設した空気圧式又は油圧式のシリンダから成り、該シリンダ2のロッド2bの先端を障壁1の上端に連接板7を介して連繋している。
シリンダ2におけるロッド2bの最伸長時の長さは、障壁1の展開状態における高さに対応し、障壁1の折り畳み状態の高さに対応している(図1、2参照)。
連接板7は、障壁1と同一材質の方形板であり、その横幅は障壁1と略同幅で、縦幅は障壁1とロッド2b先端とに架設可能な長さを有する。
そして、連接板7の前方下部に障壁1(方形板3)の幅に対応して突設された一対のブラケット8に、障壁1において最上部の方形板3上端の支軸4が回転自在に支持されることにより、障壁1の上端は連接板7に枢着され、連接板7の後方下部にロッド2bの先端が接合固定される。
尚、シリンダ2は、一枚の障壁1に対し1本設けたものを示したが、その本数は障壁1の大きさやその他の諸条件に応じ設定されるものであり、何等限定されない。
又、シリンダ2は、陸上Lに設置された観測所(図示せず)などから遠隔操作によって行われる。
【0011】
障壁1において、各方形板3の左右側縁は、障壁1の展開状態で前後の夫々に突っ張る一対の係留索条(ワイヤやチェーン)9を介して海底SFに連結される。
前後一対の係留索条9の夫々の一端は、各方形板3の側縁中間部に突設した軸受け付き突棒10の軸受け部(図示せず)に固着されることにより、回転自在に支持されている。
又、突棒10から障壁1の前方及び後方へ延びる各係留索条9の他端は、海底SF上において障壁1左右の前方及び後方の適所に固定された係留リング11に掛止されている。
【0012】
上記の様に構成された津波防波装置は、その複数が例えば図4に示す様に湾口を横断する様に設置される。
通常は、図2に示す様に、障壁1は海中SUに折り畳み状態にあり、その状態は障壁変形操作手段であるシリンダ2のロッド2bの収縮により連接板7を介して保持されている。
従って、湾口を往来する船舶は、かかる状態の津波防波装置の海上を支障なく航行できる。
そして、高潮や津波Tの発生が予想されるときには、観測所からの遠隔操作によりシリンダ2を作動させ、ロッド2bを伸長させる。
これにより、折り畳み状態の障壁1は、その上端が伸長するロッド2bにて連接板7を介して吊り上げられて海底SFより海面SS上方へわたって展開し、ロッド2bの最伸長状態で障壁1の展開状態が図1に示す様に保持される。
又、障壁1が展開することで障壁1の折り畳み状態で弛緩状態にあった係留索条9が緊張して各方形板3が前後に揺れ動かない様に支持され、障壁1の展開状態をより安定的に支持する。
かかる状態で津波T等が障壁1に到達すると、その衝撃を障壁1が受け止め、津波T等による陸上Lへの海水の浸入を阻止する。
【0013】
次に、津波防波装置の第二実施例を図5、6に基づき説明する。
図5は障壁の展開状態を示す津波防波装置の側面図、図6は障壁の折り畳み状態を示す津波防波装置の側面図である。
この津波防波装置は、障壁1を主に変更したものであり、第一実施例と同一又は相当部分は図中に符号を付し、その説明を省略する。
障壁1は、折り畳み状態が上下方向に複数の襞目1bを有する様に複数折り返される方形状のシートから成り、このシートは例えば引張強度、弾力性に優れたアラミド繊維から成る。
尚、シート1には、上下方向で所定間隔を置いて折り目(図示せず)を形成し、障壁変形操作手段2の収縮時にシート1が前記折り目を以て交互に折り返されて容易に折り畳まれる様にするのがより好ましい。
又、第一実施例と同様に、障壁1の大きさは、津波防波装置が設置される海域において予想される最大の津波を考慮して設定され、障壁変形操作手段(シリンダ)2の本数は障壁1の大きさやその他の諸条件に応じ設定されるものであり、何等限定されない。
【0014】
障壁変形操作手段2には、これの伸縮に応じ昇降すると共に、障壁1の折り畳み状態でその前後に遮蔽板12aを配置する様に障壁1を被冠収容する逆凹状の収納箱12を設けている。
収納箱12は、連接板7の前方部を天板7aとし、該天板7aの前後に所定間隔を以て折り畳み状態の障壁1の高さより長い遮蔽板12aを垂下形成している。
そして、収納箱12内において、天板7aの適所に垂設したブラケット13に障壁1の上端をリング14を介して連結すると共に、障壁1の下端を海底SFに突設したブラケット15にリング14を介して連結している。
尚、障壁1の上下端を連結するブラケット13、15は、障壁1の幅方向に複数設けられている。
又、収納箱12の左右側方が開放されているのは、障壁1の左右側縁に係留索条9が連結できる様にするためである。
係留索条9は、その一端が、展開状態の障壁1の左右側縁の夫々において、該障壁1の上下方向に所定間隔置き毎に取付けたリング16を介して連結され、各リング16から障壁1の前方及び後方へ延びる各係留索条9の他端は、第一実施例と同様に、海底SF上において障壁1左右の前方及び後方の適所に固定された係留リング11に掛止される。
尚、図6においては、係留索条9、係留リング11及びリング16を省略している。
【0015】
上記の様に構成された第二実施例における津波防波装置は、例えば、図4と同様に配置される。
通常は、図6に示す様に、障壁1は海中SUに折り畳み状態にあり、かかる状態の障壁1は、収納箱12により被冠収容され、該収納箱12による障壁1の被冠収容は、シリンダ2のロッド2bの収縮により連接板7を介して保持されている。
この様に、折り畳み状態の障壁1が収納箱12に収容されることにより、その折り畳み状態が潮流等により崩れて海中SUに広がることが阻止され、かかる折り畳み状態が保持されている。
津波防波装置の上記通常状態では、第一実施例と同様にその海上を船舶は往来できる。
そして、高潮や津波Tの発生が予想されるときには、観測所からの遠隔操作により、図5に示す様に、シリンダ2のロッド2bを伸長させると、収納箱12が上昇し、これによる折り畳み状態の障壁1の被冠が解除され、同時に障壁1の上端が引き上げられ、障壁1を海底SFより海面SS上方へわたって展開させる。
又、障壁1が展開することで障壁1の折り畳み状態で弛緩状態にあった係留索条9が緊張し、障壁1の上端及び下端が上昇した連接板7(天板7a)及び海底SFの夫々に連結支持されていることと相俟って障壁1全体に張りをもたせられ、障壁1の展開状態を安定的に支持する。
かかる状態で津波T等が障壁1に到達すると、その衝撃を障壁1が受け止め、津波T等による陸上Lへの海水の浸入を阻止する。
【0016】
次に、第一、二実施例の変形例を図7〜11に基づき説明する。
これらの変形例は、障壁変形操作手段2を変更したものであり、第一実施例又は第二実施例と同一又は相当部分は、図中に符号を付し、その説明は省略する。
ここに図7〜9は第一実施例の変形例を示し、図7は障壁の展開状態を示す津波防波装置の側面図、図8は障壁の折り畳み状態を示す津波防波装置の側面図、図9は図8の一部破断平面図である。
又、図10、11は第二実施例の変形例を示し、図10は障壁の展開状態を示す津波防波装置の側面図、図11は障壁の折り畳み状態を示す津波防波装置の側面図である。
尚、各変形例は共に同一構成の障壁変形操作手段2を用いているため、第2実施例の変形例では、図8に対応する平面図を省略し、障壁変形操作手段2の説明においては、図8を参照するものとする。
又、図7〜11においては、係留索条9及び係留リング11を省略すると共に、図10、11ではリング16も省略している。
これらの変形例で用いられる障壁変形操作手段2は、同長リンク17、18の中間部位を交差支点とした複数のX字状リンク19の上下端を枢着連結して成る一対の平行運動機構20と、該平行運動機構20を上下に伸縮させるシリンダ21とから成る。
【0017】
平行運動機構20は、障壁1後方の海底SFにおいて、障壁1の幅方向左右に対応して平行立設される。
そして、両平行運動機構20において、前方に下端が位置する一方のリンク17のうち最下リンク17の下端の夫々は、海底SFに突設したブラケット22に枢着され、後方に下端が位置する他方のリンク18のうち最下リンク18の下端には連結杆23が架設され、該連結杆23の中間部に平行運動機構部20後方の海底SF上に横臥配置した空気圧式又は油圧式のシリンダ21のロッド21aの先端を連結している。
連結杆23の左右にはこれを車軸とする車輪24が回転自在に取付けられ、該車輪24は海底SF上に設けた軌道25上を前後に走行自在に配置されている。
又、両平行運動機構20において、前方に上端が位置する他方のリンク18のうち最上リンク18の上端の夫々は、連接板7下部適所(ブラケット8の後方)に横設した垂壁26に設けたブラケット27に枢着され、後方に上端が位置する一方のリンク17のうち最上リンク17のの上端の夫々には、連接板7の幅方向左右の夫々に垂設した側壁28に向かって支軸29を突設し、該支軸29を側壁28後方に設けた前後に長い長穴30に摺動自在に装着している。
この様に構成された障壁変形操作手段2は、シリンダ21におけるロッド21aの伸縮により、平行運動機構20が伸縮して連接板7を上下方向で平行に昇降させ、これにより障壁1を展開状態と折り畳み状態に変形させる。
尚、シリンダ21は、第一、二実施例と同様に、陸上Lに設置された観測所(図示せず)などから遠隔操作によって行われる。
【0018】
上記の様に構成された各変形例にあっては、通常は、シリンダ21におけるロッド21aを収縮させることにより、連結杆23を介して他方のリンク18の下端を後方へ引き寄せ、各リンク17、18を倒伏させて平行運動機構20を収縮させ、連接板7を降下させる。
これにより、第一、第二実施例と同様に、障壁1の折り畳み状態を保持する(図8、11参照)。
そして、高潮や津波Tの発生が予想されるときには、陸上Lの観測所からの遠隔操作により、シリンダ21のロッド21aを伸長させることにより、連結杆23を介して他方のリンク18の下端を前方へ押し出し、各リンク17、18の仰角を上げ、平行運動機構20を上方へ伸長させ、連接板7を上昇させる。
これにより、第一、第二実施例と同様に、障壁1の展開状態を保持し、かかる状態で津波T等の衝撃を障壁1が受け止め、津波T等による陸上Lへの海水の浸入を阻止する(図7、10参照)。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】障壁の展開状態を示す津波防波装置の側面図である。
【図2】障壁の折り畳み状態を示す津波防波装置の側面図である。
【図3】図2の一部破断平面図である。
【図4】津波防波装置の一配置例を示す簡略平面図である。
【図5】第二実施例における障壁の展開状態を示す側面図である。
【図6】同上障壁の折り畳み状態を示す側面図である。
【図7】第一実施例の変形例における障壁の展開状態を示す側面図である。
【図8】同上障壁の折り畳み状態を示す側面図である。
【図9】図8の一部破断平面図である。
【図10】第二実施例の変形例における障壁の展開状態を示す側面図である。
【図11】同上障壁の折り畳み状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 障壁
1b 襞目
2 障壁変形操作手段
3 方形板
5 ヒンジ
9 係留索条
12 収納箱
12a 遮蔽板
SF 海底
SS 海面
SU 海中
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海中に折り畳み状態で沈設され、海底より海面上方へわたって展開可能な障壁を、該障壁の折り畳み状態及び展開状態に対応して上下に伸縮する障壁変形操作手段に連動させたことを特徴とする津波防波装置。
【請求項2】
障壁は、複数の方形板の上下端をヒンジ連結し、折り畳み状態でヒンジを介して複数に折り返され、障壁の上端を障壁変形操作手段に連繋すると共に、障壁の下端を海底に枢着し、各方形板の左右側縁は、障壁の展開状態で前後の夫々に突っ張る一対の係留索条を介して海底に連結したことを特徴とする請求項1記載の津波防波装置。
【請求項3】
障壁は、折り畳み状態が上下方向に複数の襞目を有する様に複数折り返される方形状のシートから成り、障壁変形操作手段にはこれの伸縮に応じ昇降すると共に、障壁の折り畳み状態でその前後に遮蔽板を配置する様に障壁を被冠収容する逆凹状の収納箱を設け、該収納箱内に障壁の上端を連結すると共に、障壁の下端を海底に連結し、障壁の左右側縁の夫々は、障壁の展開状態でその上下方向に所定間隔置き毎に設けた前後の夫々に突っ張る一対の係留索条を介して海底に連結したことを特徴とする請求項1記載の津波防波装置。
【請求項1】
海中に折り畳み状態で沈設され、海底より海面上方へわたって展開可能な障壁を、該障壁の折り畳み状態及び展開状態に対応して上下に伸縮する障壁変形操作手段に連動させたことを特徴とする津波防波装置。
【請求項2】
障壁は、複数の方形板の上下端をヒンジ連結し、折り畳み状態でヒンジを介して複数に折り返され、障壁の上端を障壁変形操作手段に連繋すると共に、障壁の下端を海底に枢着し、各方形板の左右側縁は、障壁の展開状態で前後の夫々に突っ張る一対の係留索条を介して海底に連結したことを特徴とする請求項1記載の津波防波装置。
【請求項3】
障壁は、折り畳み状態が上下方向に複数の襞目を有する様に複数折り返される方形状のシートから成り、障壁変形操作手段にはこれの伸縮に応じ昇降すると共に、障壁の折り畳み状態でその前後に遮蔽板を配置する様に障壁を被冠収容する逆凹状の収納箱を設け、該収納箱内に障壁の上端を連結すると共に、障壁の下端を海底に連結し、障壁の左右側縁の夫々は、障壁の展開状態でその上下方向に所定間隔置き毎に設けた前後の夫々に突っ張る一対の係留索条を介して海底に連結したことを特徴とする請求項1記載の津波防波装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−247250(P2007−247250A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−71911(P2006−71911)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(596025629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(596025629)
【Fターム(参考)】
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